- 1125/05/30(金) 22:18:51
- 2125/05/30(金) 22:19:05
前スレ
【クロス注意】幼馴染inNRC Part16|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼プロローグ
【クロス注意】ここだけ|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>個性は dice1d3=@2 (2)@1. 二人とも使えない2. かっち…bbs.animanch.com▼第一章
【クロス注意】幼馴染みinNRC|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第二章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part3|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第三章
幼馴染inNRC Part5|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第四章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part8|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第五章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part11|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第六章(進行中)
【クロス注意】幼馴染inNRC Part14|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com - 3125/05/30(金) 22:19:21
- 4125/05/30(金) 22:19:32
素敵な支援SS様
……ノーコメントで | Writeningパソスト風じゃなく普通のSSです。お目汚し失礼。 登場人物:出久+勝己+グリム+エース+デュース+ジャック+エペル+セベク ふわっと頭に浮かんだワンシーンを書きたいなと思ったらなんか長くなってしまいました…writening.netなんてことない普通の日 | WriteningパソストではなくSSです、ご注意を。 登場人物 トレイ・クローバー 尾白猿夫 砂藤力道(名前のみ) 個人的に尾白くんとトレイ先輩は仲良しであってほしいなぁと思う今日この頃。 アリアーブ・ナーリヤとかいっ…writening.netマスターシェフ〜地獄のニラ〜 | Writening登場人物:轟、リリア、砂藤、トレイ、エペル、デュース、エース、麗日、峰田、青山、学園長 ちょっと体調不良表現あるので苦手な方要注意、なんでも許せる人向け 「食」それは生命の礎。 清き海。強き山。優…writening.netもぎもぎパニック!ドアと化したフロイド | Writening登場人物:フロイド、峰田、緑谷、エース、デュース、ラギー、カリム、ジャミル、ルーク、リドル、セベク、飯田、イデア、オルト キャラエミュ間違い、キャラ崩壊あるかも なんでも許せる人向け 「おーいエ…writening.netドキッ!漢だらけの新メニュー決定戦〜飯テロもあるよ〜 | Writening登場人物:アズール、ジェイド、フロイド、ラギー、青山、飯田、上鳴、切島、瀬呂、砂藤(回想のみ) キャラエミュ間違いあったらスマソ、後半キャラ崩壊あるかも 何でも許せる人向け 「……皆さんが集まっていた…writening.net - 5125/05/30(金) 22:20:06
- 6125/05/30(金) 22:20:19
- 7125/05/30(金) 22:20:33
現在好感度まとめ
【出久→相手/相手→出久、 爆豪→相手/相手→爆豪】
*😺グリム 95/97、 58/47
*❤エース 100/100、 42/88
*♠デュース 100/100、 100/93
*🌹リドル 61/70、 57/94
*🔶ケイト 99/100、 85/87
*☘トレイ 30/27、 60/40
*🦁レオナ 18/65、 36/16
*🍩ラギー 14/59、 72/21
*🐺ジャック 84/100、 52/91
*🐙アズール 72/93、 73/21
*🐬ジェイド 26/65、 21/43
*🦈フロイド 8/33、 28/69
*🦦カリム 77/100、 49/86
*🐍ジャミル 84/66、 47/62
*👑ヴィル 98/76、 75/100
*🏹ルーク 100/100、 70/100
*🍎エペル 97/74、 88/100
*💀イデア 74/8、 57/34
*🔥オルト 42/38、 18/35
*🐲マレウス 75/67、 7/14
*🦇リリア 39/36、 45/21
*🐶クルーウェル 56/-、 13/-
*📚トレイン 78/-、 36/-
*🦾バルガス 16/-、 6/ - 8125/05/30(金) 22:28:35
前回までのざっくりあらすじ
『S.T.Y.X.』での検査を終えた勝己は、学園に戻れるまでの暇潰しに異世界のゲームをプレイしたり爆睡したりして過ごしていた。
しかし、突然の警報で目を覚ましたときには、『S.T.Y.X.』のシステムがオルトに乗っ取られ、危険な怪物であるファントムたちの封印が解けそうだという未曽有の危機的状況になっていた。
世界滅亡までのカウントダウンが始まる中、勝己は無事に再会できた出久にジャーマンスープレックスを決めた後、他のメンバーとともにグリムを探しがてら『冥府』まで下りていくことを決断した。
死地に赴く前に、勝己はクソギーク集団である『S.T.Y.X.』の研究員たちにパワードスーツを貸すように持ちかけたのだが―― - 9125/05/30(金) 22:31:39
先にお伝えしますが、『タルタロス』のタワーを下っていく流れはダイス神に身を任せながらスーパー鬼カットします
あそこをまともに描写するとそれだけで数スレ使っちゃうので…… - 10二次元好きの匿名さん25/05/30(金) 22:44:14
あそこは長いですからね……
- 11二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 04:23:22
私も本編をやった時に長いなと感じていました。
了解しました。 - 12二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 06:21:58
未だにバトルマス埋めてないわ…
マジであそこは戦力がいる - 13二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 08:10:32
あそこのやり取りも見どころではあるけど流石に長すぎるからね…了解です
- 14二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 14:55:29
ほしゅ
- 15二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 18:03:31
突然のジャーマンスープレックスで笑ってしまうんだ
- 16125/05/31(土) 18:38:37
パワードスーツを出せ、と言われた『S.T.Y.X.』の所員たちは、キョドキョドを視線を彷徨わせながら、互いの顔色を窺い始めた。
その様子に出久は覚えがあった。オタク活動で認めたファンレターだのまとめノートだのを同志と見せ合いたいけど恥ずかしいから見られたくなくて挙動不審になっている、といった感じの仕草だった。
「いや、私はそんな、職務中に経費で購入したパーツで不要なものを開発したりなんて」
「ちがうんです!カローン以外にも、魔力が少ない非戦闘員でも戦えるようなアーマーがあればファントムの管理もしやすくなるかと!正当な理由なんです!」
「『S.T.Y.X.』の駆動デバイスがどこまでの高出力に耐えられるか実験するためだった訳でですね、決してやましいことは」
🧨「テメェらの仕事遊びの言い訳は良いからとっとと出せや!!!!!」
「「「は、はィッ……!!」」」
勝己の喝で所員たちは蟻のよう散っていくと、とどこからともなくそれぞれがこっそり制作していた自作アイテムをせこせこと持ち出してきた。管制室に魔道アーマーや魔導デバイスの山ができあがる。
🧨「俺はそこまで多機能なスーツは必要ねェ。難燃性で耐爆性が高ぇ素材。発汗を促せる保温性のある生地だとベスト。それから、液体の浸出機構が付いたグローブは無ェか。俺の『個性』の反動を減らすために――」
「――ふむ、なるほど。それならベースはこのアーマーにしよう。グローブはこっちのガントレットに即席でこのチューブとシリンジを取り付けて、毛細管現象で君のニトロがこっちに流れるようにカスタムして――」
🧨「ああ、そんな感じで頼む」
所員たちがアーマーの山から勝己の注文に見合うアイテムを取り出し、その場でカスタマイズを始めた。心なしが表情が活き活きしている。
🍎「バクゴークン、なんか手慣れてるね?」
🥦「かっちゃんはヒーロースーツのギミックのアイデアを結構な割合で自分で考えてたから、きっとスーツ会社の人とかサポート科の人とかとやりとりする機会が何回かあったんじゃないかなぁ」
🍎「ミドリヤクンはちがうの?」
🥦「僕は色んな人に助けられて、ちょっとずつスーツを改良していったからなぁ。人からもらったアイテムも多かったし……。一から自分で発注したことは無いんだ」 - 17125/05/31(土) 18:46:00
「これでよし!開心の出来だ!!!」
――オー、パチパチ。
そうこう話している間に勝己の魔導アーマーのカスタムが終わったようで、所員たちが互いを称え合って拍手している。その目は活けるオタク精神でキラキラしていた。クソギーク集団ここに極まれりだ。
🍎「おお~~。バクゴークンの魔導アーマー、たげかっけぇ!」
🧨「見た目だけだったらぶっ飛ばす」
「品質は我々『S.T.Y.X.』の威信にかけて保証するよ。理論上はゼロ距離でTNT爆弾が爆発しても耐えられるはずだ。君の特殊体質にも問題なく耐えられるはずだよ」
🧨「アァ?俺の『爆破』がTNT以下だってか?」
「ひぃっ!!」
👑「TNTってものすごい危険な爆薬じゃない。なにが不満なのよ」
BOOM!勝己は魔導ガントレットの性能を試しがてら軽い爆発を起こした。
🧨「っし。まァ問題なさそうだな」
「よかった。そっちの君はどんなアーマーが必要なんだい?」
🥦「えっと、僕は……」
*魔導アーマーをカスタムしよう! dice1d2=1 (1)
1.出久が自分で注文する
2.かっちゃんが仕切る
- 18二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 18:48:05
ゲーム開発でたまに発生する職員が勝手に新機能作ってたやつのやり取りで草
- 19125/05/31(土) 19:11:02
🥦「えっと、僕は近接戦闘しかできないので、とにかく高出力のブースターが付いたアーマーをお願いします」
「高出力っていうとこれか……。いや、しかし、これは……」
出久の注文を聞いた所員が一着のアーマーを出してくれたが、なにやら葛藤している様子だ。
🥦「どうかしたんですか?」
「開発者の私が言うのもなんだが、これは出力が高すぎてとても実用に耐えるものでは……。50%の出力で試運転したことがあるんだが、体が衝撃に耐えきれず四肢が粉砕骨折してしまって」
🥦「それくらいの衝撃なら慣れているので大丈夫です。100%の威力の想定はどれくらいですか?天候が変わるくらい、とか?」
「いや、さすがにそこまでは……。」
🥦「それなら僕、耐えられます。そのアーマーを貸していただけませんか?」
「大丈夫って君ねぇ。脅し文句じゃないんだよ、命に関わるかも……」
🧨「コイツが大丈夫っつっとンだから渡せや!!時間ねンだぞ!!」
「ひぃっ!!」
真っ当な心配からアーマーを渡すのを渋った所員の尻を勝己が蹴り飛ばし、出久は超高出力付きの魔導アーマーを借りることができた。
「他にカスタムの要望はあるかい?」
🥦「えっと……、腕と肩の靭帯への反動を減らせるようなサポーターと、蹴り技を補強できるアイアンソールが欲しいです」
🧨「テメーこんな非常事態に遠慮してんじゃねェわ。オイ、コイツのアーマーに後付けできるだけのアイテム付けろ」
🥦「ええっ!?いいよ、僕これだけでも」
🧨「いざってときの手数は多い方が良いに決まってンだろうが!!ワイヤーギミックと浮遊装置と加減速装置とアラート機能と煙幕と力量蓄積できるバネかなんか寄こせ」
🥦「ちょっと!」
*歴代の個性っぽいギミック (1.あり、2.なし)
・『変速』っぽいやつ dice1d2=1 (1)
・『発勁』っぽいやつ dice1d2=1 (1)
・『危機感知』っぽいやつ dice1d2=1 (1)
・『黒鞭』っぽいやつ dice1d2=2 (2)
・『煙幕』っぽいやつ dice1d2=2 (2)
・『浮遊』っぽいやつ dice1d2=2 (2)
- 20二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 19:12:44
むしろギミック難しそうなやつの方があるの草なんだが??
浮遊と黒鞭(ワイヤー)と煙幕のが準備しやすいだろ - 21二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 19:22:44
- 22125/05/31(土) 19:39:20
「ブースター用の後付け加減速機能拡張装置と、魔力反応を感知してアラートを発信するヘッドセットなら」
「こっちの魔導スプリング製ホッパーは、力を蓄積して魔力刺激で一気に放出できます」
🧨「チッ。『黒鞭』と『浮遊』は無しか。しゃーねェ、あるモンだけ付けろ!」
🥦「2ndと3rdと4th……。それだけあれば心強いです!」
「しかし……そんなに機能をつけて使いこなせるのかい?装備の重くなるし、選択肢が多いとかえって迷いが生じて……」
🧨「コイツが良いっつってんだからさっさとしろや!!」
「ひぃっ!!」
🥦「かっちゃん!」
🌹「バクゴーの粗暴な口調は決して褒められるものではないけれど……」
🐙「事態が一刻を争う緊急現場では、あの一も二も言わせない語気の強さは強みですね」
所員たちの尻を蹴り飛ばす勝己を他人事のようにリドルたちが眺めているうちに、出久用の魔導アーマーのカスタムも完成した。
🍎「おお~!ミドリヤクンもたげかっけぇ!!」
🥦「弱出力モード8%……。よし、問題ないです!」
「君の魔導アーマーは魔力駆動式だから、魔力バッテリーの残量には常に気をつけてくれ。それから、これを」
🥦「これは……マント?」
「ああ。魔力を弾く性質の特殊な繊維でできたマントだ。どうしてだろうな、君にはこれも渡さなきゃいけないようなしたんだ」
所員は出久に『S.T.Y.X.』の設備の随所に使われているような鮮やかな青色のマントを差し出した。
*マント dice1d2=1 (1)
1.グラントリノのような巻きつけるタイプ
2.ヘラクレスのような方で留めるタイプ
- 23二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 19:40:59
おお
- 24125/05/31(土) 19:44:36
🥦「……ありがとうございます!」
たなびくマントはヒーローの証。勿論全てのヒーローが身に着けているわけではないが、出久が大好きなオールマイトや、その師匠であるグラントリノ、尊敬する先輩であるルミリオンは皆マントを羽織っている。
あまり見になじみのない青色だが、それを身にまとうと出久のヒーローとしての精神がいっそう引き締まったような気がした。
「我々もできることに手を尽くす。……どうか無事で」
🥦「……必ず『冥府』の門の解放を阻止して、世界を守ってみせます」
🧨「俺たちは絶対に勝つ。テメェらはここで応援でもしとけ」
👑「アンタたち、準備はできたわね。行くわよ」
所員たちが一列に並んで敬礼する姿に手を振って、出久たちは『タルタロス』を目指して管制室を後にした。 - 25二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 19:45:43
激アツすぎるぜ……!!!
- 26二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 20:58:42
このスレ限定召喚
SSR緑谷出久[S.T.Y.Xアーマード]
SSR爆豪勝己[S.T.Y.Xアーマード]
緑谷は回避がついてるし爆豪はクリティカルアップがついてる
そしてどっちもアタックカード - 27二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 23:01:33
所員の心配はもっともなんだよね
まさかそれ以上の機能をフル活用して戦う人間が居るなんて思わんもん - 28二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 23:05:20
6章終わった後S.T.Y.X.に「アーマーのデータ寄越せ」してるかっちゃんがいるかもしれない…
- 29二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 00:54:44
四肢が粉砕骨折する危険に「慣れてます」と返答が来るとは普通は誰も思わんのよ
- 30125/06/01(日) 01:53:48
『S.T.Y.X.』アーマード幼馴染のイメージこんな感じです
原作にない衣装なので念の為畳んでおきますね
2 hosted at ImgBBImage 2 hosted in ImgBBibb.co靴は履き慣れているいつものシューズなので、そこだけ色味が事故ってるのは仕様です
- 31125/06/01(日) 02:05:33
かっちゃんは難燃性素材のウェアの上にカローン用の防魔プレートの流用したプロテクターを着ていて、右腕だけ動き補助用のデバイスを着けてます。
ニトロはガントレットのチューブから背中に装備してる強化ガラス製シリンジ(ナインみたいなイメージ)に溜まってます。
「流石に手榴弾型のガントレットなんて作ったことないよ(by研究員)」とのことです。
デクは7章のオルトのギアと同じ素材のアーマーを着てるイメージで、くるっとした模様の部分はヘラクレスを意識してます。
うさ耳みたいなのは魔力感知用レーダーです。可愛すぎる気もしますが、男子高校生のラビット・ウェアが許される世界なのでこれも許されるでしょう。多分。知らんけど。
- 32二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 03:39:35
うさみみ可愛い!
主さんのアーマードデザインがツイステもヒロアカもリスペクトした感じでちょーかっこいい - 33二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 03:55:08
>>天候が変わるくらい
さらっと言ってるけど「何を言ってるんだ」案件だよな
- 34二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 05:12:19
ツイステ登場キャラだと天候を変えられるのはマレウスくらいなもんで世間一般にも認知されてないからファンタジーな世界観の住民にとっても気が触れたか???と思われるやつ
- 35二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 09:39:28
劇場版のステルススーツみたいでかっこいい!
- 36125/06/01(日) 12:08:10
一行が『S.T.Y.X.』の本部の奥へと進むと、やがておびただしい数の警告が表示されたエレベーターホールのような場所へとたどり着いた。
ここから進路は三手に分かれている。
👑「さて……『S.T.Y.X.』スタッフの話によれば、『タルタロス』を形成するタワーは3つ。時間もないし、全滅のリスクを避けるためにも3チームに分かれて攻略すべきと考えるわ」
🥦「賛成です。全部のタワーを通らないとグリムを見つけられないかもしれないですし……」
3年生寮長であるヴィルとレオナ、寮長歴が長いリドルをそれぞれの先導役とし、ポムフィオーレ組はヴィル班へ、人魚のアズールは渇きの魔法と相性が悪いためレオナを避けてリドル班へ、残るジャミルがレオナ班へと編成された。
🥦「僕たちは……」
👑「アンタとバクゴーはアタシの班に入りなさい」
🧨「人数バランス悪ィだろ」
👑「使える魔法が少ない1年生のエペルと、魔法が全く使えないアンタたちは、3年生が2人いるアタシの班でまとめて面倒を見るわ」
🏹「君たちの強さは疑いようもないが、汎用性という点で魔法の力の有無は侮れないからね。戦闘以外の道中でのことは私たちに任せておくれ!」
ルークがバチン☆とウインクを一つ。
魔法の力は『個性』よりずっと応用の幅が広く、攻撃も防御も細々した対処も行える。
出久は魔力バッテリーの残量、勝己は心臓の負担を考えて温存しながら進まなければならないことを考慮すると、まとめてヴィルの傘下に入るのは合理的は選択だった。
🥦「それじゃあ、よろしくお願いします、ヴィル先輩」
🧨「荷物になる気は無ェ。戦闘は任せろ」
👑「フン。良い心掛けね」
🦁「それじゃ、さっさと出発しようぜ。最初に『冥府』の門にたどり着いたヤツが、誰にも邪魔されずカイワレ大根をボコれる権利を得るってわけだ。実に楽しみじゃねぇか。なぁ?」
🥦「……カイワレ大根?」
🧨「モヤシ野郎のことだ」
🥦「……モヤシ野郎?」
🐍「ややこしい会話をするな。イデア先輩のことだ」
この場の多数を占めるのは、血の気の多いナイトレイブンカレッジ生たちだ。イデアをぶん殴ることをモチベーションにしてその場の士気が上がっていく。
🌹「……ここから先は、訓練ではありません。全員気を引き締めていきましょう」 - 37125/06/01(日) 12:12:50
🏹「そうだ!離れ離れになってしまう前に、みんなでエンジンを組もうじゃないか」
「「えっ」」
🏹「さあさあ、みんな、隣の人と肩を組んで!」
🍎「試合の前に気合入れるヤツですね!おっしゃ!やりましょう!」
ルークがにこやかな笑顔で周囲の人間の肩を抱き寄せ、ザ・体育会系のエペルがそれに続く。
🥦「なんだか一体感が高まるね!」
*爆豪 円陣への反応 dice1d2=1 (1)
1.まあまあ乗り気
2.あんあり乗り気じゃない
- 38125/06/01(日) 12:21:03
🧨「そういやA組じゃあんまり円陣組んだことねェな。まァ、死地に赴く前の景気づけって意味じゃ良いンじゃねーの」
🥦「ね!気合入るなぁ」
促されるままに肩を組んだ二人だったが、そこから更に両隣のアズールとジャミルにそれぞれ腕を伸ばそうとしたところ、二人は全くやる気がなさそうだった。
というか、ポムフィオーレ組以外は全員やる気がなさそうだった。
🐍「ウチの学園では、運動部すら試合前に円陣を組む習慣はないように思うが……」
🐙「僕こういう体育会系のノリ、苦手なんですよねぇ」
🦁「チッ、なんで俺がこんなこと……」
👑「フッ。まあ、いいじゃない。世界をかけて勝負に挑む機会なんか、一生のうちに何度もないわ」
🥦🧨「「…………」」
やる気はないものの、一応円陣は出来上がった。が、気まずい沈黙が場に下りている。
🦁「おい、やるならさっさとしろ。このお寒い状況で、風邪をひいちまいそうだ」
🏹「では、 dice1d2=1 (1) くんに掛け声をお願いしようか」
👑「いいわね。このままじゃ誰が何をいうかだけで揉め始めそう」
🍎「気合入れるやつを頼むぜ」
- 39二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 12:22:05
デクが掛け声担当ってことかな
- 40125/06/01(日) 12:22:54
- 41二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 12:27:51
デクって高校までまともな友達いなかったからこういうの嬉しいんじゃなかろうか
- 42125/06/01(日) 12:34:27
🥦「それじゃあ……必ず全員で学園に帰りましょう!」
🥦「更に向こうへ!プルスーーーッ!!」
「「ウルトラーーーッ!!!!」」
掛け声といえばこれしか思いつかなかったので、出久は事前に説明の上で雄英の校訓を思い切り叫んだ。
🥦「それじゃあ、必ず生きて再会しましょう!」
🌹「ここで死んだらハートの女王の法律の項目にいくつか違反してしまう。心配せずとも死ぬ気はないよ」
🦁「ガルルル……誰に言ってんだ。お前はもっと自分の心配をするんだな、死に急ぎの兎野郎」
ヴィルが『第1タワー』と書かれた扉を潜っていくのに出久と勝己も続く。
これが最後の会話にならないように、と出久は祈った。 - 43125/06/01(日) 12:35:50
というわけで、『第2タワー』と『第3タワー』は丸ごとカットします
そっちも読みたい方はツイステをダウンロードしよう!(ダイレクト宣伝)
良質なギスりを摂取できます - 44二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 12:45:52
7章への伏線も撒かれてるからどこも楽しいぞ!(ダイマ)
- 45125/06/01(日) 12:54:17
『タルタロス』のエントランスに脚を踏み入れる。そこは底が見えないほどの深い穴であり、その外壁に沿うように階段が渦を巻いていた。
穴の底からは体の芯から凍えるような嫌な冷気がせり上がってくる。
👑「手に入れた地図によれば『タルタロス』内部へ降りるエレベーターがこのあたりに……あった。この扉ね」
🧨「機械類は全部メラメラロボに権限乗っ取られてンだろ。動かねぇだろ」
🥦「僕がみんなを抱えて下まで飛び降りますか?『変速』を使えば数階くらいなら衝撃なく降りられます」
🍎「でもそれって危ないんじゃ?……って、エレベーター開いたよ」
ブン、と音を立て、まるで出久たちを迎えにきたようなタイミングでエレベーターがひとりでに開いた。
罠かもしれないが、これに乗るのが一番確実な道。途中でエレベーターが落下するような事態になっても、魔導アーマーがあれば何とかできる。
出久たちは、照明が点いていない真っ暗なエレベーターに乗り込んだ。
*
🔥『やあ!みなさん、呪われた収容所『タルタロス』の第1タワーへようこそ!』
👑「出たわね、イタズラ好きのお人形さん」
🔥『これは冥界下りの大冒険に旅立つみんなに、最初の関門です』
🧨「ア?『スター・ローグ』じゃねーか」
エレベータ内にオルトのホログラムが現れたと思えば、壁に『スター・ローグ』の画面が映し出された。どこからともなくコントローラーが降ってくるというオマケつきで。
🥦「初めてみるタイトルだけど……かっちゃん知ってるの?」
🧨「検査が終わった後に成り行きでちょっとプレイしとった。俺がやるわ」
🥦「……結構楽しんでたんだね」
🔥『このゲームをクリアできたら、『タルタロス』に入れてあげる。さあ……「遥か彼方の栄光を目指し、流星のように駆け抜けろ!」』
*『スター・ローグ』の高難度モードをクリアしよう!
dice1d100=59 (59)
(81以上でクリア)
- 46125/06/01(日) 13:15:10
🍎「すごい……ものすごい数の弾だけど、バクゴークンちゃんと避けてる!」
👑「けど、少しずつダメージも食らってるわ」
🥦「かっちゃんの指が今にも攣りそうだ!」
🧨「この……クソがああああ!!!」
高難度モードというだけあって、検査後にプレイした初心者モードとは段違いに難しい。勝己は目で弾幕を追うこと自体は造作もなかったのだが、利き手とは逆の左手のみでプレイしているので指が追い付かなかった。
🏹「ノンッ!ゲームオーバーになってしまった」
👑「ちょっと!昼間やったのと難易度が段違いじゃない!」
🔥『あっはははは!こんなのもクリアできないの?ザコすぎ~!ハンデはいらないとか昼間に言ってたのは誰だっけ?残念だけど、こんな虫レベルのザコプレイヤーは『タルタロス』に入れてあげられないなぁ』
🧨「ア”ァン?」
🍎「うわっ、バクゴークンの目が天井まで届きそうだ」
オルトの煽りで勝己の目が吊り上がり、完全に顔からはみ出した。怒りのあまりに口から煙が出ているような錯覚さえ見せている。
👑「その腹がたつ煽り方、本当にイデアそっくりね」
🔥『……そう?似てる?そっかぁ、僕、兄さんに似てるんだ。へへへ』
🧨「ヘラヘラ笑っとンじゃねぇわクソロボ。エレベーターごとぶっ飛ばして下層まで強制着地したって良いンだぜ?」
🔥『んー、そうだなぁ。それじゃつまらないし……初心者用に難易度を下げて……っと。準備はいい?ゲームスタート!』
🧨「ナメ腐りやがって……!!」
ギリギリと歯ぎしりの音を響かせながら、勝己は今度こそ『スター・ローグ』をクリアした。
クリアと同時にエレベーターの扉が開く。
🔥『クリアおめでとう!ここから先は本物のモンスターがうじゃうじゃいる高難易度もダンジョンだ。それじゃあ、次のステージで待ってるよ。ふふふっ!』
🧨「首洗って待っとけクソが!!」 - 47125/06/01(日) 13:41:00
エレベータから下りた先は、『タルタロス』の最下層ではなく中間の層だった。もうエレベーターはうんともすんとも言わなくなってしまったため、ここから先は歩いて下りていかなければならなさそうだ。
👑「……再会してから話すタイミングがないまま、敵地に乗り込んで来ちゃったけど……今のうちに、アンタたちに言っておきたいことがあるわ」
無限に続くような薄暗い岩の階段を降りながら、ヴィルが改まった口調で口を開いた。
🏹「なんだい?毒の君(ロア・ドゥ・ポアゾン)」
👑「まずはルーク。アンタ、副寮長のくせにポムフィオーレを放り出してきたわね?」
ヴィルは厳しい表情で、『S.T.Y.X.』の襲撃で学園が混乱している最中に、寮をまとめる役目を放棄してヴィルを追いかけてきたルークを叱責した。
事実ルークは自分の行為がいかに無責任であるかを自覚していて、副寮長の罷免される覚悟で学園を抜け出してきた、と告げた。
👑「次に、エペルとミドリヤ。アンタたちも自分がどれだけ無謀な行動をしたかわかってる?」
🥦「はい、分かってます」
厳しくも正しいヴィルの言葉に、出久の脳裏にかつて飯田に殴られたときの記憶がよぎった。
切島と独断で勝己を救けに神野へ行こうとしたとき、飯田は友人として、委員長として殴ってでも出久を止めようとした。その拳を甘んじて受けて、それでも止まらなかった出久たちを守るために、飯田も八百万も危険を冒して着いてきてくれた。
あのときの二人と同じ、厳しさの裏にある責任感と心配をヴィルの叱責から感じて、出久は頭を下げた。
🥦「それでも、何もせずにはいられなかったんです」
👑「…………本当に馬鹿なんだから」
ふぅ、と深いため息を吐くと、ヴィルが纏う雰囲気が一変して柔らかくなった。 - 48125/06/01(日) 13:41:35
👑「さて……ポムフィオーレ寮長として言わなきゃならないことは、もう全部言った」
🥦🏹🍎「「え?」」
👑「本当はね……アンタたちが『嘆きの島』へやってきたとイデアから聞いたとき、嬉しくて仕方なかった。アナタたちを抱きしめて、キスをしても?」
🥦🏹🍎「「えっ?えっ……!?」」
SMACK!軽い音を立てて、ヴィルの唇がエペルとルークの頬に触れた。
👑「ミドリヤ、アナタも」
🥦「えっ、えっ、そんなキキキキ、キスなんて僕……」
純日本人の出久に日常的にキスする文化はない。慌てふためく出久をよそに、ヴィルの両腕がそっと出久の背中に回り、美しい顔が出久に近づいた。
SMACK!
🧨「俺は何を見せられとンだ……?」
*出久 チークキスへの反応 dice1d100=47 (47)
1:これは挨拶だと割り切る
100:クソナード全開
- 49二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 13:43:42
このレスは削除されています
- 50二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 13:44:16
ほぼ真ん中
これは真っ赤になってフリーズしてそう - 51125/06/01(日) 14:09:36
👑「ありがとう。アタシの狩人。アタシの毒林檎。それから、小さなヒーロー」
何が起きたのかよく分からないうちにヴィルの腕が離れていく。一拍遅れて、出久の顔がBLUSH!と真っ赤になった。
🥦(僕、キ、キキ、キスされちゃった!なんだかヴィル先輩すごく良い匂いがして、唇柔らかくて……。いやいや何を考えているんだ緑谷出久!ヒーローなら人から感謝の握手を求められることなんて良くあることだし、それが海外ならキスだってあり得る話じゃないか!下手に恥ずかしがったりしたらヴィル先輩に失礼だ!でも、思い出したらすごく……、うわあああ!!)
🧨(コイツ頭ン中でブツブツやってやがンな)
🧨「もう良いかよ。この辺の層はもうファントムの融解が始まっとるはずだ。気ィ引き締めてくぞ」
👑「ええ。行きましょう」 - 52125/06/01(日) 14:11:30
- 53二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:12:53
デクの装備と並列処理について
- 54二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:13:20
天候を変えるパワー
- 55二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:40:22
かっちゃんの正確な体調
- 56二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:41:58
- 57二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 18:49:08
まぁ、分割したら2チーム分描写せんとアカンもんね…
- 58二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 19:33:44
- 59125/06/01(日) 19:37:15
安価協力ありがとうございます
タルタロス下りをダイジェストでお送りしながら、順不同で雑談はさみますね - 60125/06/01(日) 20:21:12
閑話
~おしゃべり 爆豪 【心臓と右腕】~
👑「さて。アタシはこの班の先導約としてメンバーの身を預かって責任を負う立場にある。バクゴー。緊急時に適切な対処をするためにも、アンタの体調について正確に話してもらうわよ」
🧨「チッ。……過去、心臓に攻撃を受けて破裂した」
🍎「し、心臓が破裂ゥ!?おめよく生きてんなぁ!?」
🧨「縫合してもらって傷は完全に塞がっとるが、だいぶ機能が落ちとる。普通に運動する分にゃ問題ねェが……」
🥦「その運動も主治医の先生は『普通はダメなんだけどね』って頭抱えてるけどね」
🧨「うるっせぇ補足いれンな!……『個性』を使うと反動で心臓に負担がくる。今は籠手があっから軽い爆破くらいなら問題ねェが、大技は何度も撃てねェ。できればラスボスまで温存しときてェ」
🏹「ウィ。承知したよ、ムシュー・タフネス。君の特大花火は“とっておき(デニー・レコー)”ということだね」
👑「腕の方はどうなのかしら」
🧨「三つ折りにされて骨と神経と筋繊維が丸ごと逝った」
🍎「う、腕が三つ折りィ!!?うぅ、聞いてるだけで痛ぇ……」
🧨「骨と筋繊維はもう再生しとるし、神経も縫合してもらって少しずつ動くようにはなってきとるが、まだ力は入ンねェ。今はアーマーで動きが補助されてはいるが、腕が荷物にならなくなった、って程度だな。右はどうしても対応が甘くなる」
👑「……そう。話してくれてありがとう。安心して、人に言いふらしたりしないわ。エペル、アンタもこの件は人に話さないこと。良いわね?」
🍎「はい。……うぅ、やっぱお前らの世界おっかねぇな。一体どんな状況でそんな怪我すんだば……」
🧨「俺が弱かったから怪我した。以上」
🥦「そんな、君が弱かったからなんて……。あれは僕が分断されたから……」
🧨「ア?自惚れんなよ。全身爆破を発現させた後は指金玉の攻撃を普通に避けられたし、感覚掴んだ後にゃ顔金玉の攻撃を一発も食らってねンだよ。俺が強くなった後は攻撃を食らわなかったんだから、対偶的に攻撃を食らったのは俺が弱かったから。テメェは関係ねぇ。はい論破。俺の勝ち」
🥦「ぐっ……。なんて腹が立つ顔なんだ」
👑「一体何と張り合ってるのよ」
🏹「フフ。ムシュー・そばかすに負い目を感じてほしくないのかな?その素晴らしい友情、ボーテ!」
🧨「ちっげーーーわ!!!」
🍎(指金玉と顔金玉って何なんだろう……?) - 61125/06/01(日) 20:40:31
『タルタロス』を下る途中、オルトによってファントムたちの収容所に閉じ込められ、“宝探しゲーム”と称してファントムのケージの中に隠した脱出用IDカード探しをさせられる羽目になったのだが、無事に切り抜けることができた。
*戦闘ダメージ (ファントム収容所➀)
出久(現在値20) + dice1d10=3 (3)
爆豪(現在値29) + dice1d10=6 (6)
ヴィル(現在値4) + dice1d10=5 (5)
ルーク(現在値8) + dice1d10=10 (10)
エペル(現在値9) + dice1d10=3 (3)
※魔導アーマーの補助でタイタンズ・オバブロ戦以外はかっちゃんの反動は免除です
🧨「あのクソロボ、ゲームだとか言っておいて、要はだたの時間稼ぎじゃねェか」
🥦「うん。きっと『タルタロス』の設備的に、ファントムたちの凍結を一気に解くことはできないんだ。そのための時間稼ぎ……」
『タルタロス』はいうならばファントムを凍結させておくための巨大冷凍庫。凍結させる機能はあっても、解凍させる機能はない。封印を解くためには自然解凍を待つしかないのだろう、と推察できた。
👑「フッ……。それにしても、オルトの悪役らしい演技はなかなかね。ヴィランをヴィランらしく演じられる子役は貴重よ」
🏹「学園に戻ったら、彼を映画研究会に誘ってみたらどうだい、ヴィル?」
👑「それも悪くないかもしれない。さあ……先を急ぎましょう!」
- 62125/06/01(日) 20:54:47
非常時であっても適度な雑談を交わすことは心の平穏を守ることに繋がる。
一行はグリムの爪のケアのことだとか、ルークが昔ヴィルに爪のケアを怠っていたことを怒られたことだとか、他愛のない会話をしながら次の収容所に辿り着いた。
収容所では再びオルトに閉じ込められて“宝探しゲーム”をさせられたが、今度は「IDカードをもたせた研究員を閉じ込めているから探してね」という内容だった。
救けを求める声に必死に耳を澄ませて出久たちはファントムのケージを一つ一つ開けていったが、声の正体は人の声を真似て声を発するファントムだった。
*戦闘ダメージ (ファントム収容所②)
出久(現在値23) + dice1d10=5 (5)
爆豪(現在値35) + dice1d10=3 (3)
ヴィル(現在値9) + dice1d10=4 (4)
ルーク(現在値18) + dice1d10=10 (10)
エペル(現在値12) + dice1d10=5 (5)
🥦「今回の収容所のファントムは、上の階よりも明らかに知能が高かった。下の階ほど危険なファントムが収容されているってことだけど……」
🧨「……そのうち、ハイエンドみてぇな厄介なファントムも出てくるかもな」
二つ目の収容所を出ると、嫌な冷気が一層強まったように感じた。保温性の高いアーマーを纏っている勝己でもうすく鳥肌が立つほどだ。
🥦「グリム、大丈夫かな……。寒くて震えているかもしれない」
出久は早くグリムを見つけ出し、マントで包んであげたい気持ちでいっぱいになった。
👑「分厚い毛皮を着ているんだから、アタシたちよりは寒さに強いはず。心配はいらないわ。アンタがそんな不安そうな顔をしてたら、グリムも出てきたくなくなるわよ。まず、寒さに縮こまって丸くなった背中を伸ばす!アンタはオンボロ寮の監督生でしょう。堂々となさい」
🥦「は、はい!」
- 63125/06/01(日) 21:26:09
次の瞬間、唸り声のような地鳴りの音とともに、激しい揺れが出久たちを襲った。
👑「!?じ、地震!?」
🏹「ちがう、これは地震じゃない!この音は……!」
🧨「――下から来ンぞ、構えろ!!」
勝己が叫ぶのとほぼ同時に、岩のような化け物が岸壁を伝って下から這い上がってきた。今までのファントムとは一線を画す巨躯と、悍ましいほどの濃いブロットの瘴気を纏っている。
🧨「今までの雑魚ファントムより明らかに別モン……『原初のファントム』か!」
🏹「あれはおそらく、岩のファントム『ファントム・タイタンズ・アース』だ!」
👑「くっ!ひとまず撤退よ!マップでは、この先に『雷霆の槍』の格納庫がある!」
🥦「殿は僕がつとめます!早く格納庫へ!」
襲い来る化け物から逃げ、一行は格納庫へと駆けこんだ。出久は扉をすり抜けた瞬間にロックをかけたが、ドンドンとものすごい力で扉を破ろうと体当たりする衝撃が走った。
🧨「チッ。『雷霆の槍』は……あれか!!」
🍎「で、でげぇ!こっだヴィルサンの背よりもでっただ槍、どせばいんず?!」
格納庫の奥には、どこかオールマイトを思わせるような神々しい金色の光を放つ巨大な槍が鎮座していた。 - 64125/06/01(日) 21:27:16
『コード:ティタノマキア。緊急レベルAの突発重大事案発生と認定。『雷霆の槍』、起動します』
使い方を調べるまでもなく、『雷霆の槍』は緊急事態を感知してひとりでに起動しはじめた。黄金の槍に魔力が漲り、眩い光が溢れ出す。
ドゴン!大きな音を立て、変形したドアが吹き飛んでいき、タイタンズが格納庫内へと侵入してきた。
「ニンゲン、ドコダアアアアアア!!!!」
🥦「くっ……『雷霆の槍』の起動が完了するまで時間を稼ぎます!リミッターを解除してないから今の出力上限は50%……!!」
🧨「大人しくもっかいオネンネしてろやデカブツ!!」
🥦「“デラウエア・スマッシュ、エアフォース”!!!!」
🧨「”閃光弾(スタングレネード)”!!!!」
ブロットを垂れ流すタイタンズに下手に接近すると瘴気にやられて体調を崩してしまう。
ここは『雷霆の槍』に任せるべきだと割り切り、出久と勝己は中距離からの妨害に徹した。閃光と突風によってタイタンズの歩みが鈍る。
👑「時間稼ぎありがとう、二人とも。『雷霆の槍』の準備が整ったわ」
巨大な槍をヴィルとエペルが魔法で浮かせて支え、照準をルークが合わせる。
👑「くらいなさい!!!」
ヴィルが『雷霆の槍』の引き金を引く。雷光のように輝く魔力のビームがタイタンズの体を正面から捉え、格納庫から押し出して、タイタンズは外の階段から落ちて再び奈落の底に落ちていった。
*戦闘ダメージ(タイタンズ戦➀)
出久(現在値28) + dice1d10=1 (1)
爆豪(現在値38) + dice1d10=10 (10) (反動 dice1d5=1 (1) )
ヴィル(現在値13) + dice1d10=4 (4)
ルーク(現在値28) + dice1d10=10 (10)
エペル(現在値17) + dice1d10=8 (8)
- 65二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 21:31:32
ルーク先輩がずっと高ダメージ受けてるな…
後輩庇いながらかな? - 66125/06/01(日) 21:38:30
🍎「やった!タイタンを吹き飛ばして、『タルタロス』の穴に落としてやったぞ!」
👑「か……勝った?アタシたち、勝ったの?」
🏹「そうだとも!私たちの勝利だ!」
「「やったーー!!」」
ポムフィオーレの3人がハイタッチを交わす。
🧨「……お前、どう思う。あのデカブツはくたばったと思うか」
🥦「……『雷霆の槍』の一撃は、タイタンを貫通していなかった。普通ならこの高さから落ちても助からないとは思うけど……」
🧨「全盛期のオールマイトや、AFOなら死なねェだろうな。千年前の化け物とやらもおそらく……」
🥦「油断はできないね」
二人が今までの経験からシビアな判定を下した。おそらく、ファントムを完全に倒せてはいない。
だが、今深追いすることはできない。『雷霆の槍』は一撃放っただけでローバッテリー状態になってしまい、もしもに備えてこの場にあるステーションで充電していくことを余儀なくされた。
🧨「燃費悪すぎンだろ」
👑「充電時間を待つのはもどかしいけど、この槍なしに先に進むのは危険すぎる。アタシたちも今までの戦いで消耗しているし、充電が終わるまでここで休憩をとりましょう」
🥦「格納庫の奥で非常食料と毛布を見つけました。どうぞ!」
非常事態こそ休息は大切だ。
出久たちは『雷霆の槍』の充電が終わるまでの束の間、体を休めた。
*回復ロール
出久(現在値29) ー dice1d10=6 (6)
爆豪(現在値49) ー dice1d10=9 (9)
ヴィル(現在値17) ー dice1d10=2 (2)
ルーク(現在値38) ー dice1d10=5 (5)
エペル(現在値25) ー dice1d10=5 (5)
- 67二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 21:40:38
ヴィル様は蓄積ダメージ一番少ないから後輩やもっとボロボロなルクハンやかっちゃんに食料とか譲ったのかな
- 68二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 21:45:55
- 69125/06/01(日) 22:41:25
『雷霆の槍』の充電が完了した後、出久たちは素早く身支度を整えて格納庫から先へ進んだ。
依然、奈落の底は見えない。近くにファントムは見当たらないということで、再び軽い雑談を交わしながら長い階段を下っていく。
ヴィルからみたルークは第一印象が最悪の男だったということが判明したり。ルークがもともとは美容とは無縁のサバナクロー寮生で、髪がボサボサでそばかすを放置しているどこかで聞いたことがあるような状態だったことが判明したり。ヴィルと舞台や演劇の話で意気投合して、さらなる美を求めるためにポムフィオーレ寮に転寮したことが判明したり。男らしいサバナクロー寮に内心転寮したがっているエペルが盛大に「もったいない」と零してヴィルに睨まれたり。
🍎「先輩たちにもそんな時期があったのか……。ねえ、ミドリヤクンたちはどうなの?幼馴染だって前に聞いたけど、二人の互いの第一印象ってどんな感じだった?」
🧨「覚えてねーよそんなもん」
🥦「僕も覚えてないなぁ……。物心がつく前のことだし……。お母さんの話だと、 dice1d4=2 (2) のときが出会いだって言ってたけど」
1.生まれる前のママさん教室
2.新生児の予防接種
3.公園デビュー
4.幼稚園入園
🥦「そこから幼稚園、小学校、中学校、高校と一緒なんだ」
🏹「マーヴェラス!それだけ長い時間をかけて友情を培ってきたのが、二人のコンビネーションの秘訣なのかな?」
🥦「え……。いや、あはは……」
🧨「ケッ。時間と親交は比例しねーんだよ。友情じゃなくて腐れ縁だわ」
🍎「そうなの?二人とも仲良さそうだけどなぁ」
🥦🧨「「…………!!」」
🍎「どうしたの?急に固まっちゃって」
🥦「かっちゃんと仲良さそうなんて初めて言われたから違和感がすごくて……」
🧨「キメーこと言うな。鳥肌立ったわ」
🍎「僕そんなに変なこと言った……かな?」
- 70二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 23:06:15
複雑骨折幼馴染……
- 71125/06/01(日) 23:44:26
閑話
~おしゃべり 緑谷 【憧れの人からもらった力】~
🍎「そういえば、ミドリヤクンにちょっと聞いても良い?」
🥦「いいよ、どうしたの?」
🍎「管制室で『四肢が粉砕骨折するくらいの衝撃に慣れてる』って言ってたのが今更だけど気になって。実際にさっき50%の出力をちゃんと使いこなしてたし、本当かなって」
🏹「それは私も気になっていたんだ。100%の出力について『天候がかわるくらい』と具体的な想定を上げていたこともね」
🥦「えっと……。僕は生まれつき無個性だけど、一時期だけ人から『個性』を授かっていたことがあってね」
🍎「えっ、そんなことできるの?」
🥦「普通はできない。特別な個性だったんだ。僕の憧れの人から授かった個性なんだけど、とにかくものすごい力が出せたんだよ」
🍎「ミドリヤクンの憧れって、たまに話に出てくるオールマイトって人……かな?」
🥦「そう!オールマイトはどんな人も笑顔で救ける強くてすごいヒーローなんだ!必殺技の“DETROIT SMASH”は、腕一本で天候を変えるくらいの威力なんだよ!」
🍎「おお~、たげ強くてかっけぇなオールマイト!ミドリヤはその力を受け継いだのか?すげぇじゃんか!」
🥦「でも、僕はそれまで体を全然鍛えてなかったから、力の反動に体が耐えきれなくてしょっちゅう粉砕骨折してたんだよね」
🍎「ふ、粉砕骨折をしょっちゅう!!?」
🥦「それで色んな人に心配されたし、怒られたよ。お母さんなんて何回も泣かせちゃった」
🥦「でも、たくさん鍛えて、ちょっとずつ反動に耐えられるようになって、力を使いこなせるようになって……」
🏹「その積み重ねの延長で、魔導アーマーも使いこなせるというわけだね」
🍎「ねえ、どうしてその『個性』は無くなっちゃったの?オールマイトに返した?」
🥦「……あれはもともと巨悪を討つための力だったから、目的を果たして消えたよ」
🍎「ふぅん。巨悪っていうと、タイタンみたいな怪物……かな?」
🥦「ううん。普通の人間だったよ。……どうしても倒さないといけないのが、悲しかった」
🧨「…………」
🏹「何やら事情がありそうだね。辛いことを聞いてしまってすまない」
🥦「いえ、良いんです」
🍎「なあ、ミドリヤ。力を使いこなせるようになった後は、お前も天候を変えられたのか?」
🥦「うん。僕一人の力じゃなくて、みんなと力を合わせた最後の一撃でね!」 - 72二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 23:52:14
- 73二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 00:32:10
- 74二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 00:38:54
わー!すげー!(語彙力)
- 75二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 05:54:04
- 76二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 12:28:29
語彙力をSMASHするポムデク君ですねえ
- 77二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 16:42:33
- 78二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 17:28:46
絵がうまいとしか言いようがない……
スレ主はじめ、文才画才にあふれた方が集結してないか - 79二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 22:34:48
★
- 80125/06/03(火) 05:58:26
- 81二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 12:55:48
心臓破裂+腕三つ折り
粉砕骨折しょっちゅう
改めて聞くと怖すぎるよー - 82二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 17:21:32
どっちも人間の負っていい怪我じゃないよね
- 83二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 20:01:52
- 84125/06/03(火) 23:07:33
雑談をしながら、出久たちは三つ目の収容所に辿り着いた。
三つ目の収容所ではオルトの干渉はなかったものの、『S.T.Y.X.』の研究員が拘束された状態で閉じ込められていた。彼が拘束された際に奪われたIDカードを探すため、出久たちは研究員が拘束時の状況から絞り込んだケージの中を開け、中のファントムを探して回った。
*戦闘ダメージ(ファントム収容所③)
出久(現在値23) + dice1d20=2 (2)
爆豪(現在値40) + dice1d20=1 (1)
ヴィル(現在値15) + dice1d20=20 (20)
ルーク(現在値33) + dice1d20=20 (20)
エペル(現在値20) + dice1d20=2 (2)
鍵は無事に手に入って収容所を出ると、研究員とその場で分かれた。彼は20年以上ファントムの研究をしているベテランであり、ファントムの習性に関する知識を活かしてなんとかみせる、と笑って階段を上っていった。
出久たちは、再び階段を降り始める。
👑「ファントムにも種類がいろいろとあることはわかったけれど……もしアタシがファントムに成り果てたとしたらどんな姿になるのかしら?」
🍎「ヴィルサン、やめてくださいよ。そんなことを言うの……」
👑「宝石のような姿、獣のような姿……。ファントムは、オーバーブロットした魔法士の欲望や本質を具現化した姿をしている気がする」
👑「アタシがオーバーブロットしたとき……背後に現れた化身は、深くローブをかぶった老婆のような姿をしていた……無意識に若さこそを美と考え、老いに嫌悪や恐怖を感じているのかもしれない」
👑「だとしたら……すごく嫌だわ」
- 85二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 23:13:59
1年ズはほぼ最小値なのに3年ズが最大値!!
庇うように戦ってくれたんだな - 86二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 01:42:27
ほんとこのスレ大好きありがとう
- 87二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 06:54:05
そろそろオバブロ戦か……
- 88二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 13:07:32
ほしゅ
- 89二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 13:24:40
- 90二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 16:18:43
- 91二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 16:34:21
- 92二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:23:04
保守
- 93二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:25:34
このレスは削除されています
- 94二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:27:19
このレスは削除されています
- 95125/06/04(水) 22:31:37
閑話
~おしゃべり 緑谷&爆豪 【聖火】~
🍎「うぅ……さっきの収容所、ミドリヤとバクゴーは一番前で戦っでだのに、わーは先輩たちに庇われてばっかで何もできねがった……。めげぇ……」
🍎「ミドリヤとバクゴーは強ぐてすげぇよ。アーマーで補強されたバクゴーの爆発もだけど、色んな機能使いこなしてるミドリヤもたげかっこよかった!あれって頭こんがらがっちまわねーのか?」
🥦「そうだなぁ。最初のうちは慣れなかったけど、今は大丈夫かな。昔個性を使ってたときの感覚に似てるんだ」
🍎「例の、オールマイトからもらったっていうやつ?」
🥦「うん。僕が授かっていた個性『OFA』は聖火みたいに人から人へ引き継がれてきた個性なんだけど、歴代の継承者の個性因子が宿っていて――」
🥦「最初は全然上手く使いこなせなかったんだけど、“道具を出し入れする”イメージを掴んでからは複数の個性を切り替えながら戦えるようになったんだ」
🍎「へえ~!!」
🧨「テメーの個性発動のイメージはどれも回りくどいんだよ。発現させてから使いこなせるようになるまで時間かかりすぎなんだわ」
🥦「さすがかっちゃん、手厳しいや。でも、今はこの“道具を出し入れする”イメージがプラスに働いてると思うよ。このアーマーの機能切り替えはまさにそんな感じだし」
🧨「あくまで自分の身体機能っつーより、道具を扱う感覚なんか。フーーーーーン」
🥦「いや、何のその『フーーン』って!?怖いんだけど!」
👑「それにしても、バクゴーがミドリヤのアーマーに機能追加の依頼をするとき、注文内容がいやに具体的だと思っていたけど、もとになる要素があったのね」
🏹「メルヴェイユ!“聖火のように引き継がれて力”だなんて、さぞ神秘的で、美しく力強い『個性』だったんだろうね」
🥦「はい。義勇の心が紡いできた力の結晶なんです」
🧨「フン。宿主の命を燃やし尽くす呪いの力だわ」
🥦「……ちょっとかっちゃん!『OFA』のことそんな風に言わないでよ!」
🧨「事実だろうが!テメェが無個性じゃなかったら、今ごろ体中ヒビでバッキバキだったろ」
🥦「いや、確かにそれはそうなんだけど……」
🥦(……今にして思うと、那歩島でかっちゃんに『OFA』に譲渡した後、すぐに戻ってきてくれて本当によかったな……) - 96二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:36:47
- 97二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 22:49:24
確かに、思いつかなかったけど納得
- 98二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 23:56:32
中の人的に『やっべ、早よ戻ろ!!』って感じなのかな?
- 99二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 05:45:41
デクがもし、ヒーローになるの諦めていたら実際かっちゃんどうなってたろ?
- 100二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 13:37:47
ほしゅ
- 101二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 20:58:17
⭐️
- 102125/06/05(木) 22:15:34
画集を手に入れて読むなどしていた
スレ主はデク飯田お茶子の組み合わせが好きです
可愛くて幸福指数が高い
安価の内容はおしゃべりで全部出してみましたが、こんな感じでよかったのかは謎 - 103125/06/05(木) 22:31:12
話ながら階段を下りていくと、次の収容所に辿り着いた。
マップによれば、そこを通り抜けた先は『冥府』だ。もっとも下層に位置するこの収容所には、今までで最も危険なファントムたちが収容されていることになる。
最後の収容所では、オルトの干渉も「案内役NPC」と称した研究員の配置もない。『冥府』の門の解放を目指すイデアたちも、着々と『冥府』に向けて下る出久たちの動向を前に焦っていることが伺えた。
何もないならIDカードを使ってさっさと通り抜けようとしたのだが、セキュリティボックスが破壊されており、カードが盗まれていた。黒いインクのようなブロットの染みが周囲に飛び散っていたことから、知能の高いファントムがカードを使って脱出しようとした形跡だった。
結局、出久たちはファントムのケージを一つ一つ慎重に開けてカードキーを探すこととなった。
*戦闘ダメージ(ファントム収容所④)
出久(現在値25) + dice1d20=8 (8)
爆豪(現在値41) + dice1d20=6 (6)
ヴィル(現在値35) + dice1d20=13 (13)
ルーク(現在値53) + dice1d20=17 (17)
エペル(現在値22) + dice1d20=6 (6)
🧨「……出力のリミッター解除したンか」
🥦「うん。もう『冥府』目前だし、バッテリー残量を気にするあまり途中で倒れるなんて真似はできないからね」
- 104二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 22:33:41
ルークせんぱああああああああああい!!!!!??
- 105125/06/05(木) 22:46:35
🍎「ルークサン、大丈夫ですか?顔色が悪いですけど、もしかしてさっきまでの戦闘で怪我を……!」
🏹「大丈夫、傷は浅いよ。ただ、ブロットを浴びてしまったせいか少し気分が悪い」
🥦「それなら僕のポーチに緊急用の回復薬が…………後ろから何かが来ます!!!」
カードキーを見つけて戦闘を終え、ひと息つく間もなく出久の装備している『危機感知』こと『敵性魔力レーダー』が反応した。
――ドン!!ドン!!
収容所の入口を何者かが狂ったように殴りつける。衝撃で収容所全体が揺れている。
🥦「この魔力反応……タイタンだ!!」
🧨「チッ、収容所を出て施錠する。扉もう一枚分障壁にして、迎撃の準備を整えンぞ!!」
👑「『雷霆の槍』を起動する!!」
収容所を出てすぐにヴィルが『雷霆の槍』を起動させ、扉を破って出てくるであろうタイタンに照準を合わせた。
🥦「『雷霆の槍』のエネルギーチャージが完了するまで……」
🧨「こっから先は石礫のひと粒も通さねェ」
*戦闘ダメージ(タイタンズ戦②)
出久(現在値33) + dice1d20=13 (13)
爆豪(現在値47) + dice1d20=14 (14) (反動ダメージ dice1d10=6 (6) )
ヴィル(現在値48) + dice1d20=8 (8)
ルーク(現在値70) + dice1d20=19 (19)
エペル(現在値28) + dice1d20=6 (6)
再び強大な雷撃がタイタンを直撃する。一撃目のダメージが残っていたのだろうか、今度こそ『雷霆の槍』が放った力はタイタンを貫き、タイタンは怨嗟の声を轟かせながら奈落の底へ落ちて崩れ去った。
- 106125/06/05(木) 22:47:46
ルクハンずっと最大出目付近なんだけど、ブロットアレルギーとかあるんじゃないですかね
- 107二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 22:48:34
エペルが低空飛行なの守られてるんだろなって思ってなんか先輩達頑張ってるなってなる
- 108125/06/05(木) 23:13:36
「「はあ~~~~~」」
戦いの緊張感から解き放たれ、ポムフィオーレ3人組がその場に崩れおちた。
👑「魔力も体力も限界……もう1歩たりとも動きたくない……」
🍎「ヴィルサンがそった弱音吐ぐんずな……。んだばって、わももうまね……」
🏹「ゲホッ。マップによれば、すぐ近くに『格納庫』と『雷霆の槍』の充電ステーションがある……ゲホッ、ゲホッ」
🥦「そこでルーク先輩の応急処置をしましょう。ルーク先輩、立てますか?」
🏹「メルシー、ムシュー・そばかす。大丈夫だよ、私はこれでも“奮励”の精神を掲げるポムフィオーレ寮の副寮長だからね。自分で立って歩けるさ」
格納庫に辿り着き、万が一に備えて『雷霆の槍』を再び充電する。今度は充電完了を待つ余裕がないため、半分ほどでここを出る心づもりだ。のんびりしている時間はない。出久は素早くルークの怪我を処置し、他のメンバーも軽く手当をした。
👑「はぁ……なんだか数日前まで“普通”だったことが、夢みたいに感じる。イデアも、オルトも……アタシたちと同じで、“普通”の生活を求めているだけなのかもしれないわね」
🥦「“普通”……」
“普通”になれない日常というのは、ひどく悲しく苦しいものだ。出久はそのことをよく知っている。ある日突然“普通”を奪われてしまった人々の嘆きも、“普通”になれない苦しさのあまりに破滅的で悲しい理想を描いた人も、よく知っている。
👑「……アタシは、アタシのためにあの兄弟のささかかな夢を砕きにいく。アイツらも全力でアタシたちの夢を砕きにくればいい。どっちが泣いても、恨みっこなし、だわ……」
出久は思考の海に沈んでしまって、ヴィルの言葉に相槌を打つことができなかった。ヴィルは出久の返事を待たず、体力の限界がきて小さな寝息を立て始めた。
🥦「……とにかくここで少し休息を取りましょう」
🏹「そうだね。もう『冥府』は……イデアくんたちとの戦いは、目の前だ」
🧨「テメーはアーマーの充電しとくの忘れンじゃねーぞ」
*回復ロール
出久(現在値46) ー dice1d10=4 (4)
爆豪(現在値67) ー dice1d10=10 (10)
ヴィル(現在値56) ー dice1d10=10 (10)
ルーク(現在値89) ー dice1d10=4 (4)
エペル(現在値34) ー dice1d10=6 (6)
- 109二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 23:23:53
ルーク先輩がやばいことなってる
- 110125/06/05(木) 23:42:31
🥦「――――!!みんな起きて!!」
――ドゴォォン!!
『敵性魔力レーダー』による魔導信号を受信した出久が飛び起きて叫んだ次の瞬間、大きな揺れが走った。
🧨「ついにラスボスのお出ましか。オイ、槍の充電は!」
🍎「どうしよう、まだ30%しか充電できてない……!」
👑「仕方ないわ。心もとないけど、このまま持っていく。行きましょう」
格納庫を通りすぎた先は、ついに『タルタロス』の底である『冥府』だ。ようやくたどり着いた『冥府』は黒い石の結晶が周囲の岩壁に析出するほどの濃い瘴気が立ち込め、下から嘆く声のような異様な音がこだましていた。
――RRRRRRRRR。
トランシーバーの呼び出し音が鳴る。先導役としてトランシーバーを持っていたヴィルが通信に応じた。ヴィルに続き、レオナとリドルも通信に加わる。
呼び出しは管制室からのもので、『冥府』の門が開いたことによるブロット濃度の急上昇で周囲が危険水域に達したことから、『タルタロス』の下層フロアから直ちに離脱するように、という内容だった。
通信に合わせるように3代の空飛ぶ車『チャリオット』が下りてきた。突貫でオルトの制御下から切り離したこれに乗って戻ってこい、ということらしい。
『ファントムとブロットの流出を食い止めるため、現在『タルタロス』第6層と第1層にて、所員が非常用ハッチを手動で閉鎖作業中だ。君たちが脱出次第、ハッチを完全に閉鎖する!至急脱出願う!』
現実的に考えれば、ここで離脱してハッチを完全閉鎖して時間を稼ぎ、『S.T.Y.X.』の所員たちによるシステムの復旧を行い、その後で外部からの救援による救助活動を待つべきた。
しかし、その間、高濃度のブロットに晒され続けるイデアとグリムはどうなってしまうのか。
目の前にチャリオットに乗り込むのを出久が無意識に躊躇したところで、無線から『なんだ、あれは』とリドルが何かに驚愕する声がした。
出久の頭部のレーダーがけたたましい魔力受信信号を発し始める。
👑「リドル?どうかしたの?」
🌹『下を見てください!なにかが、『冥府』の門から出てきます!』 - 111125/06/06(金) 00:07:52
リドルの言葉で、出久たちは反射的に奈落の底を覗き込んだ。
とてつもなく大きな“なにか”が、『冥府』の門から這い出そうとしている。
🥦「あれはファントム?でも、この魔力反応、今までのファントムと少しちがう……」
👑「あれは……イデア!!?」
💀「仰るとおり」
ヴィルが叫ぶのとほぼ同時に、ブロットで黒く染まった『冥府』の底から青い炎が飛び出してきた。イデアの頭でで燃える呪いの炎だ。
イデアは黒いブロットの装束を身にまとい、門の向こう側にいる巨大なファントムとブロットの緒で繋がっていた。
💀「もうねぇ、最高の気分!オーバーブロットって、こんなにスカッと爽快な気分になれるとものだとは思わなかったっすわ!これで拙者もSSR[前代未聞の問題児]の仲間入りってワケ!アハハハハハハ!」
普段の陰気な様子が嘘のように、イデアはハイな調子で陽気な笑い声を上げた。
💀「それじゃあ、はじめよう。『ゲーム・セット・マッチ――開かれた冥界の扉(ゲート・トゥ・アンダーワールド)』」
イデアが呪文を詠唱すると、冥府の門がさらに開いていく。
🥦「まさか、イデア先輩のユニーク魔法って……!」
🧨「“『冥府』の門を開く”効果かよ……!」
ユニーク魔法は必ずしも個人が魔法の力を磨いた先に発現するものではない。親から子へと受け継がれていくユニーク魔法も存在する。出久が何度も助けられている、ジャックの“狼に変身する”ユニーク魔法が身近な一例だ。
イデアのユニーク魔法は、シュラウド家の人間を『冥府の番人』たらしめ役目に縛り付ける、血に宿る呪いのような魔法だった。
ゆっくりと開いていく『冥府』の門から、ついに大きな“なにか”の全身が通り抜けてきた。
それは怖気が立つほどの冷気と、息が詰まるようなブロットの瘴気を引き連れながら、その禍々しさには不釣り合いな子どものような仕草で手を振った。
🌀「やあ、みんな――ただいま!」 - 112二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 00:12:23
- 113二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 05:31:50
さあさあ、正念場
- 114二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 11:31:13
ほしゅ
- 115二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 19:37:45
改めて思う、冥府オルト登場時のステュークス職員相当ショックだったろうなぁ…
- 116125/06/06(金) 23:03:41
今まで対峙したものとは比べ物にならないほどに巨大なファントムは、体躯に見合わない少年めいた声で「僕だよ、オルトさ!」と挨拶するように手を振った。
🌀「どう?僕、大きくなったでしょう?『冥府』で友だちになったみんなが、僕をこんなに大きく育ててくれたんだ。この身に宿った“呪い”は、僕を強くしてくれる“祝福”だった」
“呪い”と“祝福”は意味こそ正反対だが、魔力をなんらかの対象に付与する魔術という点で本質的には同じものだ。
🌀「僕は『冥府』に充満したブロット体に取り込み、燃やし続け、ついに自分が『冥府』そのものになったのさ!」
オルトを名乗るファントムの体の表面が泡立つようにボコボコと揺らめいた。よくみれば、大量のファントムが結合しあうことで、彼の巨大な体が形成されているようだった。
*目星ロール (1.成功、2.失敗)
出久 dice1d2=1 (1)
爆豪 dice1d2=1 (1)
- 117二次元好きの匿名さん25/06/06(金) 23:34:15
二人共成功しちゃってるや…
- 118二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 07:35:31
2人とも成功か
- 119二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 13:53:44
このレスは削除されています
- 120125/06/07(土) 19:02:06
🥦「……!まって、あそこにいるのって……」
🧨「なんッでアイツあんなとこにいンだよ、クソ狸!!」
オルトの体の表面でひしめく無数のファントムたちに紛れ、肩の辺りで小さな青い炎が揺れているのが二人の目に入った。グリムの耳に灯る魔法の炎の光だ。
🏹「なんてことだ。まさか『冥府』に迷い込み、オルトくんに取り込まれてしまっていただなんて」
🍎「引き剝がさなきゃ……でも、どうしたらいいんだ!?」
👑「どうもこうもないわ。ここでアイツらを食い止めなきゃ、グリムも戻ってこないし、アタシたちの“普通”の生活も戻ってこない」
🥦「それに、オーバーブロット状態を解除しなければ、イデア先輩の命も危ない」
🧨「結局やるこたァ変わンねーよ。魔王気取りのラスボスをぶっ倒して、勝って救ける!」
戦闘の覚悟を決めたところで、再び管制室から通信が入った。
『冥府』の門が解放されたことにより、オルト以外にも無数のファントムが『タルタロス』の上階に向けて溢れ出しており、現在第6層と第1層でハッチを閉じる作業にあたっている非戦闘員の所員たちに襲い掛かっているのだという。 - 121125/06/07(土) 19:02:46
🌹『ヴィル先輩、レオナ先輩!『チャリオット』で上層部へ向かい、彼らの救出を!イデア先輩とオルトは、一番底に近い位置にいるボクとアズールが足止めし時間を稼ぎます!』
🥦「でも、それじゃ二人が危険すぎる!」
👑『ミドリヤ、これしか方法はないわ。アイツらの力を信じて、いいわね?……レオナ!アンタは第6層へ!アタシは第1層へ向かうわ!頼んだわよ、リドル!アズール!』
ヴィルに首根っこをつかまれてチャリオットに乗せられて、出久たちは第1層まで上昇していくことになった。
🥦(頭を切り替えろ。なんでも僕の力で救けられるわけじゃない。今やらなきゃいけないことは、第1層でハッチを閉じてる所員のみなさんを守ること。でも……)
上昇していくチャリオットの上から、出久は『タルタロス』の底を覗きこんだ。最下層はすでに遠く、リドルとアズールの姿は見えない。
🥦「……一緒に最前線で戦えないのは、もどかしいね」
🧨「フン。おそらく二人じゃ完全撃破までいかねーし、ハイヒールはクソほど猪突猛進だが、詐欺眼鏡が上手いこと手綱握って引き際ミスらずに撤退すンだろ。俺らは俺らの持ち場でやるべきことをやるだけだ」
🥦「うん」
出久たちは上層でハッチを閉める所員たちを守り、最終防衛ラインでファントムを叩き落すという重要な役目がある。最下層に残った二人が心配でも、今は手が届く場所にいることができない。
🥦「二人とも……頑張れ!」
傍に行けない代わりに、出久は祈るような気持ちで下層に向かって声を張り上げた。 - 122125/06/07(土) 19:25:43
🏹「……オルト君が『タルタロス』の壁をよじ登ってくる。戦闘が始まった!」
🧨「テメェどんな視力してんだ!!」
すでに満身創痍のため、所員たちの救護からは一旦身を引いてスポッターの役目を買って出たルークが、下層での戦いの様子を実況して伝えてくれた。
リドルとアズールが残った第12層は遥か下で、第1層から見下ろしても暗闇しか見えないが、自称狩人のルークには戦況が見えるらしい。
🏹「二人の『雷霆の槍』が、オルト君を直撃した!」
下層から一瞬眩い閃光が走り、少し遅れて鈍い轟音が届いた。
🏹「オルト君が落下したようだ。これで少しは時間が……。いや、あれは……薔薇の君(ロア・ドゥ・ローズ)が!」
ルークが驚愕の反応を見せると同時に、アズールから通信が入った。
🐙『レオナさん、ヴィルさん!こちらアズール。オルトさんに……『冥府』に近づきすると危険だ!リドルさんの髪が白くなり、意識を失いました』
👑「なんですって!?どういうこと、アズール」
🐙『彼に近づけば近づくほど生気が吸い取られ、老いてしまう!『雷霆の槍』のエネルギーも、魔力も尽きた。ブロット蓄積も限界です。僕たちはここまでだ。後は頼みましたよ!』
戦線離脱の宣言とともに、アズールからの通信が途絶えた。勝己の見立て通り、戦闘で力を使い果たしたリドルとは異なり、アズールは極限状態でも撤退のための余力を残していたらしい。
入れ替わるように、レオナからの通信が入った。
🦁『ヴィル。こちらレオナ。今のチンタラしたペースじゃ、オルトがここに来るまでに第6層のハッチは閉じられない。ここの奴らは全員第1層のハッチの救援に向かわせた。以上』
👑「了解。まさか所員たちの救護を放棄した分、たっぷり時間を用意してくれるんでしょうね」
🦁『フン。テメェの大好きな化粧直しをしても釣りが出るくらいの時間を用意してやるさ』 - 123125/06/07(土) 19:45:50
🥦「ルーク先輩、この辺りのファントムは全て倒しました。後は、オルト君がここから上に行くのを防ぐだけです」
🏹「ウィ。たった今、獅子の君(ロア・ドゥ・レオン)とムシュー・マルチも戦闘を開始した」
👑「アタシたちも戦闘に備えましょう」
戦闘に備え、ヴィルとエペルがチャリオットに乗り込んだ。
🍎「『チャリオット』は僕が操縦します。みんなは攻撃に集中してください」
🥦「エペルくん、運転できるの!?」
🍎「へへっ。地元じゃ農業運搬車で畑作業手伝ってたんで、屋根のねぇバギーの運転は慣れっこだ!さあ、ミドリヤとバクゴーも乗って!」
🧨「いや、俺とコイツはこのままここで待機する」
🥦「飛び上がるときの衝撃で車体が揺れちゃうからね。大丈夫。アーマーがあるから、空中戦も問題ないよ」
🏹「分かった。オルトくんが来たらキミたちに合図を送るよ」
🥦「お願いします」
ファントム撃退を終えた第一層は、ハッチが閉じる金属音と所員たちのいきむ音だけが響いている。時折、下層から激しい戦闘音が混じった。
🏹「――二人も『雷霆の槍』を放った。直撃してオルトくんが再び落下したが、完全撃破には至っていない。二人も魔力切れで一度離脱するようだ」
ルークの実況の内容を裏付けるように、再びレオナから通信が入った。
🦁『――ヴィル!それから管制室のギークども。聞こえてるか?』
👑「ええ。大きな口を叩いた割に、撃破には至らなかったみたいね?」
🦁『はっ。これだけ待たせておいて出番を回さなかったら、どこかの目立ちたがり屋に後で恨まれちまいそうだからな。化粧直しはもう済んだのか?』
👑「リップを塗り直す時間があれば御の字だと思っていたけど、おかげさまでヘアセットまで完璧よ。フィナーレを飾る準備はできてる。アンタたちは袖に下がって、カーテンコールを待っていなさい」
🦁『そりゃァよかった。それじゃあ、前座はここいらで退場させてもらうぜ』
レオナからの通信が切れる。次の戦闘が最終防衛ライン。絶対に負けるわけにはいかなかった。 - 124二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 19:55:42
ここのヴィル先とレオナせんぺーのお洒落な会話好きだな〜
- 125125/06/07(土) 20:02:50
🧨「こっちはもう戦闘の準備はできた。クソギークども、『ケルベロス』復旧の目処はどうだ」
戦闘開始を待つ間に、勝己はハッチを閉じる前に力尽きて一旦休憩している所員に話しかけた。
「……状況は芳しくない。『タルタロス』と『冥府』を制御している『ケルベロス・システム』は、本来は番人たるシュラウド家の遺伝子認証によってシャットダウン、および再起動が行われる。しかし、今回の事態を引き起こしたのはシュラウド家の人間だ」
🧨「なんでこんな重要な施設のセキュリティシステムに遺伝子認証なんか使ってンだよ、アホか!!属人化の極みの弊害がめちゃくちゃ出てンじゃねーか!!」
「はは……耳が痛い。先ほどから緊急事態発生時のために設定されている制御コードを何度も撃ちこんでいるが、オルトにすべて書き換えられてしまっていて、外部からのコマンドを受け付けないと管制室から通信があった。手は尽くしているが……」
🧨「チッ。しでかした張本人にてめぇでケツ拭いてもらうしかねぇってことか」
🥦「イデア先輩とオルトくんのことは、僕たちに任せてください」
「……ああ。我々も引き続きできることに全力を尽くす」
会話を終えると、体力が戻ってきたのか、所員はハッチを閉じる作業に戻っていった。出久もアーマーの力で手伝おうかとも思ったが、ハッチの機構が非常に複雑でぱっと見で何をすればいいのか分からなかったので、邪魔になりそうで止めておいた。
ここでイデアとオルトを食い止められれば、そもそもハッチを閉じる必要もなくなる。
🥦「……戦って救けた後は、イデア先輩の説得だね」
🧨「アイツもあのクソ学校の生徒なら、大人しく言うこと聞くだろ。『負け犬にガタガタ言う資格はない』、『弱肉強食』ってのが校訓みてーだからな」
🥦「改めて聞くととんでもない校風だな……」
🏹「――ムシュー・そばかす!ムシュー・タフネス!オルトくんが来る!出動を!」
🥦「はい!」
🧨「行くぞオラァ!」
ルークからの合図がきた。
出久は空気を蹴った風圧で、勝己は爆破の反動で飛び上がり、ヴィル達が乗るチャリオットのもとへ飛んでいった。 - 126125/06/07(土) 20:19:28
👑「いいこと、アンタたち。ここが最終防衛ラインよ」
🏹「ウィ。私たちの日常を取り戻すためにも……この戦い、負けられないね」
🍎「グリムクンを助けられるのは、僕たちしかいない。けっぱろ、ミドリヤ、バクゴー!」
🥦「うん!」
下から少しずつ、オルトが『タルタロス』の壁をよじ登ってくる。グリムの炎はその肩に埋もれたままだ。
👑「今こそ、ナイトレイブンカレッジで最も古く、最も美しい……我らがポムフィオーレの奮励の魂を見せる時!――行くわよ!」
🏹「ウィ!」
🍎「はい!」
ヴィルが自寮の二人を奮い立たせたところで、怒りで真っ赤に色を変えた炎に包まれたイデアがオルトとともに登ってきた。
💀「外まで、あともうちょい……最後で躓くわけにはいかないんだ……!なんで僕らの邪魔ばかりするわけ?ヒーロー気取りか?ウザったいなぁ!」
👑「ヒーロー?いいわね。1度くらいキャスティングされてみたい役どころだわ。でも……ここには英雄(ヒーロー)も悪役(ヴィラン)もいない。アンタとアタシは、我を通したいだけの同級生。最後に立っていたほうが、夢を叶える権利を手にする」
世界の命運がかかったこの期に及んでも、ヴィルはあくまでこの戦いを“私闘”だと断じた。
👑「さあ、全力でぶつかり合いましょう。最後まで舞台に立っているのは――このアタシよ!」
🥦「グリムも、イデア先輩も、『S.T.Y.X.』のみんなも、外の世界の人も、オルトくんも……」
🧨「勝って救ける!」
🥦「救けて勝つ!」
🥦🧨「「更に向こうへ(Plus Ultra)!!!」」
*戦闘ダメージ
出久(現在値42) + dice1d100=72 (72)
爆豪(現在値57) + dice1d100=86 (86) (反動ダメージ dice1d50=4 (4) )
ヴィル(現在値46) + dice1d100=46 (46)
ルーク(現在値85) + dice1d100=61 (61)
エペル(現在値28) + dice1d100=3 (3)
- 127125/06/07(土) 20:24:39
6章ダメージ累積リザルト
出久 114 (戦闘後行動不能)
爆豪 147(戦闘後行動不能)
ヴィル 92
ルーク 146(戦闘後行動不能)
エペル 31
6章は戦闘後に全員ぶっ倒れる感じを目指してダメージロール振ってましたが、エペルは終始何かに守られているような出目でしたね
6章にしてかっちゃんが初めての100越えですが、毎章反動アリなのにここまで耐えたのが逆にすごい - 128二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 20:27:13
エペルが最小でルーク先輩がかっちゃんとほぼ同数値なのめちゃくちゃ頑張ってエペル守ったんだな…
道中もダメージ最大値引いてたし - 129125/06/07(土) 20:56:19
🌀「僕らは自由を手に入れる!!」
💀「これが最後の戦いだ……」
今までの、どこか意志薄弱で本能的で単純な動きだったファントムたちと違い、オルトは明確な意思をもってその巨体から攻撃を繰り出してくる。
🧨「暗いとこからよォく上がって来たなァ!!目はもう光に慣れたかよ!!――“閃光弾(スタングレネード)”!!」
💀「――うっ、目が!!」
🥦「――出力100%!“デラウェア・デトロイトスマッシュ”!!!」
勝己がイデアの目を眩ませる。その隙に、出久はアーマーの出力を限界まで上げることで風圧を叩きつけ、オルトの巨体を弾き返した。
💀「目くらましとは、小癪な!!」
🌀「よくも邪魔してくれたな!!」
二人を包む炎が、怒りで真っ赤に染まって激しく燃え上がり、巨大な火柱となって出久たちを打ち落とそうとする。
🧨「残念だったなァ、俺ァ熱い場所がいっちゃん戦えンだよ!!それに、炎は轟ので受け慣れてンだわ!!――“クラスター”!!!」
溜めて、放つ。勝己は掌から今できる最大火力の爆破で、シュラウド兄弟の怒りの炎を相殺した。
打ち消し合った炎の向こうから、イデアが怒りに燃える目で勝己を睨む。勝己はそれに不敵な笑みでもって返した。
🧨「ハハッ、どこ見てやがンだァ?」
👑「――今よ!『雷霆の槍』で最後の一撃を!」
爆炎の陰でイデアとオルトの背後に回っていた『チャリオット』の上で、ヴィルが『雷霆の槍』を構えていた。充電が足りない分は、『チャリオット』に乗る3人の魔力で補填し、エネルギーチャージ済みだ。
🏹「狙いは任せておくれ、ロア・ドゥ・ポアゾン!」
🍎「ありったけのパワーでぶっとばしてやる!」
👑🏹🍎「「はああああああああ!!」」
3発目の雷撃がオルトに直撃し、再び『タルタロス』の壁から落ちていった。
👑「はあ、はあッ……。やった……?」
🏹「ゲホッ、ゴホッ……!いや、……まだだ、オルトくんが、再び壁に爪を立てた。彼らはもう一度登ってくる!」
🍎「そんな!もう『雷霆の槍』の充電はないし、僕たちの魔力も尽きてるのに……!」 - 130125/06/07(土) 21:09:37
💀「――オルト!」
🌀「大丈夫。このボディは超頑丈なんだ。それに……僕、兄ちゃんと一緒なら負ける気がしないよ」
💀「……『タルタロス』の出口までもうすぐだ。頑張れる?」
🌀「もちろんさ」
どんな姿でも、イデアにとってオルトは可愛い弟だ。オルトを励ますその声は柔らかく優しい。
オルトは兄に励まされ、再び『タルタロス』を上りはじめた。
🧨「チッ。オイ、生デニム!その槍貸せ!!」
👑「その呼び方やめなさいよ。それに、その槍はもうエネルギー切れで、アンタにはそれを補う魔力はない。どうするつもりなの?」
🧨「決まってンだろ。槍なんだから、直接ぶっ刺すンだよ!!」
勝己は右手の補助デバイスを使用し、槍の持ち手を握った形で固定する。
🧨「出久、お前のバッテリーは!」
🥦「まだあと二発は100%でスマッシュを撃てる!」
🧨「上等ォ!」
ブースターの機構上、出久のアーマーは一度に充電を使い果たすほどの威力は出せない。ゆえに、最大威力は『OFA』に劣るものの、数発は最大火力で撃つことができる。
🧨「――“デク”!!俺をアイツんとこまでぶん投げろ!!」
🥦「それじゃあ君が!!」
🧨「爆風がクッションになっから、俺はアイツに直接は触れねェ!!時間ねェぞ!!」
🥦「――それなら、わかった、 dice1d2=2 (2) 」
1.かっちゃん!!
2.大・爆・殺・神ダイナマイト!!
- 131二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:14:31
頑張れヒーロー!!
- 132125/06/07(土) 21:19:11
🥦「――それなら、わかった、 “大・爆・殺・神ダイナマイト”!!」
久しぶりに聞いた幼馴染からのあだ名は、自分のヒーロー名を呼ぶ響きだったような気がして、出久もまた幼馴染のヒーロー名を叫んだ。
その場にいた者と、下層から上がってきた他タワーの攻略班のメンバー全員の耳に、その名が届く。
🍎「カッケェ!」
🏹「エクセレント!」
👑「センスゼロね」
🌹「何だって?」
🐙「ダッサ!」
🐍「ダサッ」
🦁「ガキかよ」
🌀「……もしかして、今の珍妙な呼称って、バクゴーさんのリングネームみたいなもの……なのかな?」
💀「 dice1d2=1 (1) 」
1.若気の至りすぎてこっちが恥ずかしくなりますわ
2.……ちょっと中二心揺さぶられますわ
- 133二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:23:26
シリアスにぶちこまれる唐突なギャグ展開!
- 134二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:23:51
ネクラ侍は人のこと言えんだろ!!!!
ネトゲのハンドルネームとヒーローネームじゃ事情が違う?それは……そう…… - 135二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:24:02
どこの世界でも低評価多めの大・爆・殺・神ダイナマイト………
- 136二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:24:45
エペルくんに高評価なの解釈一致
たぶんデュースくんも好きでしょ - 137二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:27:10
- 138二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:31:29
- 139二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 21:31:42
「興味深いお名前ですね……由来をお聞きしても?」ニヤニヤ
「えークソダサじゃん。センスエレメンタリースクールに置いてきたの?」
って感じになりそうなリーチ兄弟 - 140125/06/07(土) 21:42:38
🥦「――出力100%!“逆爆破式(エクス)カタパルト”!!!」
出久はブースターを最大出力で駆動させ、槍ごと勝己をオルトめがけてぶん投げた。
🧨「――“ハウザーインパクト・クラスター”!!」
最大火力で掌を爆発させながら、勝己が回転しながらミサイルのようにオルトへと突っ込んでいく。推進力が片手分しかないが、出久によってもたらされた加速度が補って勝己の起動を安定させた。
――KABOOOOOOOOOM!!!
義手デバイスの指固定を解除して槍を投げると同時にダメ押しの爆破を放ち、押し出された『雷霆の槍』がファントムと化したオルトとイデアを繋ぐブロットの緒を断ち切った。
爆破の反動で勝己はオルトから遠ざかる。
🧨「う”ッ、ォ”……ゴボッ……!!!」
🥦「かっちゃん!!」
体力の限界が来た勝己が、激しく血を吐き出した。出久は空を蹴り、推進力を失って落ちていく勝己を受け止める。
エペルが二人を乗せるために素早く『チャリオット』を下降させた。
🌀「もう少し……もう少し、だっ……たのに……」
💀「ぐぅ……っ、オ、オルト……!」
イデアのオーバーブロットが解け、浮遊する力を失ったイデアが落ちるのを、片手で壁にしがみついているオルトが反対の手で受け止めた。 - 141125/06/07(土) 22:03:09
🌀「僕……兄ちゃんのヒーローには、なれなかった……や……」
💀「オルト……!……今度こそ、お前を置いて行ったりしない」
🌀「ニイ、チャン……」
ボロボロとオルトの体が崩れ落ちていく。オルトはすでに限界を迎えており、少しずつ『冥府』へとずり下がっていく。イデアはオルトの大きな指に自分の手を重ね、『冥府』へと落下していく運命に身を任せた・
🥦「!!……このままじゃ、オルトくんの身体ごと、グリムとイデア先輩が『冥府』まで落ちる!!」
――出久はその時、考えた。もれなく全員を救けるための道筋を。それを実現する方法を。
出久は勝己をエペルに預け、グリムをオルトから引き剥がして上に投げ、その勢いで下降してイデアを抱きとめようと、体を動かした。
そのとき、出久の視界の端で、先に人影が横切っていった。
考えてから動くより、考える前に動く方が、いつだって早いのだ。
🏹「ヴィルーーーーーー!!」
はるか上方から、ルークの悲愴な叫び声がする。彼もまた、級友を救けるために、体が勝手に動いたのだった。
🥦「ヴィル先輩!!!」
出久は脳内でシミュレートした通りに、手始めにグリムをオルトの肩から引っこ抜いてエペルに向けて放り投げ、空気を蹴り出して先に落ちていったイデアとヴィルのもとまで下りて行った。
このまま『冥府』に落ちれば、誰も助からない。
🥦「……『冥府』に触れたら生気を吸い取られる。なら、『冥府』ごと吹き飛ばす力で……!!」
出久はブースターの出力制御装置がねじ切れるまで回し、全身の関節に取り付けられた『魔導スプリング』に落下しながらありったけの力を蓄えた。
落下する二人に追いついたとき、ヴィルがイデアを固く抱きかかえていた。出久の腕の長さでは片腕に一人しか抱え込めない。出久はヴィルを信じて、ヴィルの胴に左腕を回した。
🥦「『変速』&『発頸』……“デトロイト・スマッシュ!!五重(クインティプル)”!!!!!」
――SMASH!!!!!!
『冥府』で渦巻く負の力さえも退けるほどの衝撃の反動で、出久たちは打ち上げられた。
どこか懐かしさを感じる腕の痛みで霞む視界に、ヴィルがしっかりイデアを抱えている姿が映った。視界の外からエペルがチャリオットを近くまで寄せてくれている音も聞こえる。
大丈夫、もう助かる。安堵から張りつめていた気が抜けて、出久は気を失った。 - 142二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 22:12:15
デクの賢さ、神野事件を思い出した
無茶するけどよく思いつくわ…
それを思いついたスレ主も凄い - 143二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 22:29:54
このレスは削除されています
- 144125/06/07(土) 22:31:34
遠くに激痛を感じながら、出久は黒い夢を見た。
青い炎で髪が燃えている男の子の記憶をなぞる夢だ。
男の子は、生まれたときから運命に縛り付けられていて、将来の夢を自分で決めることもできない環境で育った。
それでも、同じく髪が青い炎で燃えている弟と一緒にゲームで遊んでいるとき、男の子は笑顔だった。二人が大好きだったのは、流星のように駆け抜けて、いずれ星座となって語り継がれるヒーローを主人公にしたゲームだ。
――僕も『スター・ローグ』のヒーローみたいに、外の世界を冒険してみたいな
それは、ヒーローに憧れる子どもなら誰でも描くような“普通”の願いだった。けれど、男の子は大人になったら家を継がないといけない。外の世界にはいけない。
――じゃあ、大人になる前なら?
小さな弟の言葉は、天啓のように男の子の心に響いた。
大人になる前なら、外に出たっていいかも!男の子は天才で、自分たちを閉じ込めるセキュリティを解除して出ていける力があった。
男の子は弟を連れて、施設のセキュリティを解除しながら外を目指す。二人は外の世界へと飛び出す冒険に浮かれていた。天才であった男の子は、浮かれた心のままにミスを犯した。
けたたましい警報が鳴る。男の子は外へと続く扉を開くつもりが、怪物たちの収容所のロックを外してしまった。
怪物の唸り声。怯える弟の泣き顔。胸を引き裂くような後悔。意識は暗転し、目覚めたときには弟はどこにもいなかった。
(そうか……弟さんは……)
出久には兄弟はいない。けれど、自分のせいで兄弟を喪った男の子の嘆きをありありと想像することができた。
いつか、転弧と共鳴し合った精神世界の中で見た、彼を狂わせるきっかけとなったものだ。
ただ、転弧と男の子が違うのは、彼は狂ってしまうには天才過ぎたというところだ。
男の子は自らの部屋に閉じこもり、禁忌に手を染め、機械仕掛けの“弟”を創り出した。
絶対に壊れない“弟”ができたと周囲の大人に自慢する男の子は、陽気に笑いながら嘆きの涙を流していた。 - 145125/06/07(土) 22:53:12
真っ暗だった出久の視界が、突如真っ白な世界に移り変わる。
「兄ちゃん」
小さな男の子の声が、白い空間にこだまする。白い空間の中央には、ふわふわと宙に浮く男の子と、その前に膝をついて縋りつこうとする青年の姿があった。
「僕を追いかけてきてくれて、ありがとう。嬉しかった。でも、兄ちゃんは“まだ”こっちへ来ちゃダメだ」
男の子に腕を伸ばした青年を、ほかでもない彼が拒絶する。
「漫画の続きが読みたいとか、アイドルのライブに行きたいとか、新作のゲームがやりたいとか……全部を諦めるには、兄ちゃんはこの世界を愛しすぎてるよ」
「はあ!?誰がこんなクソみたいな世界愛してるもんか!そんなくだらないこと、全部なくなったっていい!」
世界と弟を天秤にかけて弟を選んだ青年を手を、それでも弟は取らなかった。
「くだらなくたって。いいじゃない。もうなにも諦めなくていいんだよ。兄ちゃんには未来がある。僕ね、兄ちゃんには僕たちがあの日みた夢を叶えてほしいんだ。兄ちゃんなら、……兄さんなら、どこまでだって行けるよ」
それは、肉親の弟の言葉でもあり、機械じかけの“弟”でもあった。
「ほら、ヒーローが迎えにきたよ!!」
その言葉で、出久は自分の役割を理解する。出久は、迷子になった青年の手を引いて帰らなければならないのだ。
「兄さんをよろしくね、ヒーロー!」
「……うん。必ず連れて帰るよ」
「オルト……待って、オルトーーーー!!」
最愛の弟のもとから兄を引き離すのは、とても辛い役目で、出久の胸がツキツキと痛んだ。
それでも、彼には帰るべき場所がある。彼の帰りを待つ人がいる。出久は弟のもとに帰ろうとする兄の手を決して離さぬように固く握って、歩き出した。
「夢見た場所がどれほど遠くても、絶対に辿り着ける。大丈夫。僕はずっと一緒にいるから。だから、諦めないで――」
白い空間で、兄を見送る弟が微笑む。
ギザギザの歯をのぞかせたその笑顔は、兄とよく似ていた。 - 146125/06/07(土) 23:00:37
ここでイデアを救うのは出久じゃなくてオルトだと思ったので、他の章の夢とは違う感じにしました。
全体的に、ストーリー中で幼馴染がツイステキャラの活躍を奪わないように気をつけてます
1章終盤でエースより先にかっちゃんがリドルを殴らないようにするとか、2章でレオナに一撃入れるときにラギーの魔法の要素を入れるとか、5章でネージュを逃がすのはルーク、ヴィルに最後の一撃を入れるのはデュース、6章で一番最初にイデアに向かって飛び込むのをヴィルから変えないようにするとか
かといってツイステキャラを優先すると幼馴染の活躍が減るので加減が難しい
スレ主がヴィルさん推しなので、6章はちょっとポムを贔屓しちゃったかもしれません - 147125/06/07(土) 23:02:29
- 148二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:11:45
- 149二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:14:57
何のダイスだこれ怖いんだが
- 150二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:38:54
アーマーかな?そうだと言ってくれ
- 151二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 00:16:52
このレスは削除されています
- 152125/06/08(日) 00:19:00
「――イデア!!!」
低くしゃがれた声を聞き、勝己は目を覚ました。視界の端に青い炎が入る。謎の声に呼ばれた張本人も、どうやら同時に目覚めたらしい。
「やっと目を覚ましたわね。さあ、早く『ケルベロス・システム』を復旧させるのよ」
💀「ぼ、僕は一体……?いや、それよりオルトは……?」
「………………残念だけど、オルトは救えなかった。体が崩壊して掴むこともできなかったの」
勝己はゆっくりと身を起こして、聞き覚えのない老いた声の主を見た。
そこにいたのは、皺だらけで、腰が曲がり、手足が枯れ木のように瘦せ衰えた老爺だった。
💀「えっ!!!??だ、誰!?」
🧨「ジジィ……その服とティアラ、テメーまさか……!?」
👑「失礼ねイデア。アタシよ。ヴィル・シェーンハイト」
💀「えっ、は……な、なんでそんなしわくちゃに?」
👑「しわくちゃですって?失礼ね!伝統と歴史を感じる姿だと言ってほしいわ」
🍎「……ヴィルサンは、イデアサンたちを追いかけて『冥府』に飛び込んだんだ。それでこんな姿に……」
💀「ぼ、僕を追って『冥府』に?なんだってそんな無茶を……」
👑「イデア、アンタには『冥府』の門を閉じ、『ケルベロス・システム』を復旧してもらわなくちゃならない。そのために、アンタを『冥府』から連れ戻したのよ」
イデアは言葉を失い、口を金魚のようにパクパクさせた。やっとのことでイデアが絞り出したのは、分かりにくく級友を気遣う言葉だった。
💀「ヴィル氏、完璧なCGみたいだった顔がしわくちゃに……腰も曲がって、髪もバサバサ……」
👑「フン。それがどうしたっていうの?」
すっかり老いた顔で、それでもヴィルが不敵な笑みを浮かべた。
👑「たとえ汚泥にまみれ、老いて痩せさらばえた姿になったとしても……今このとき、アタシは世界で最高に美しい」
勝己はあまり人の美醜に興味がない。けれど、堂々と笑ったヴィルの笑顔と、元の世界でそれなりに応援していた老齢のヒーローの笑顔が重なって、「悪くない」と思った。
💀「…………わかったよ。僕たちの負けだ」
イデアは素直に負けを認め、ユニーク魔法を発動させた。『冥府』の門がゆっくりと閉じ、地の底から湧く嘆きの声が遠くなっていく。
💀「………………いつかまたね、オルト」 - 153二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 00:31:25
かっこ良くて美しいな…
- 154125/06/08(日) 00:50:50
🧨「……そういや、出久とクソ狸は?まだ寝てンのか?」
🐍「それは…………二人とも、まだ目を覚ましていないんだ」
🍎「みんな、たいへんだ!グリムくんが息してない!!」
エペルが叫んだ方向に視界を向ける。出久とグリムは一枚の青いマントに包まって寝かされていた。
👑「グリムはアタシたちより長い時間『冥府』に取り込まれていた。より深刻な状態になっていてもおかしくないわ」
🏹「むっ……私に見せてもらえるかな」
ルークはグリムを抱え上げ、呼吸と脈を確認した。自発的呼吸はないが、脈はある。
🏹「ん?これは……喉のあたりに何か硬いものが詰まっている!」
🧨「背部叩打法で吐かせンぞ、手伝え!!ったく世話のやける……!!」
勝己はルークにグリムをうつ伏せの状態で頭を胸より低い状態にして抱えさせると、背中を思いっきりぶっ叩いた。
*叩いた回数 dice1d10=9 (9) 回
🧨「オラァ、起きろクソ狸!!グリム!!!」
😺「…………ッ、カッ、カハッ!オエッ!! 」
背中を叩かれた衝撃で、グリムは何か硬いものを吐き出した。
🧨「全部吐いたな?ゆっくり息吸えやコラァ!!」
🐍「とてもゆっくり息をさせるようなテンションじゃないんだが」
😺「ハヒッ、ハッ……ゲホッ、うう……」
🍎「やった、目を覚ました!」
🧨「ウ”ッ!!オエ”ッ、ゲボボボボボ!!」
🍎「今度はバクゴーが血ィ吐いた!!?」
🐙「やれやれ、本当に騒がしい人だな……」
🌹「彼は自分が重傷者だということを、どうにも忘れてしまうようだね」
🐍「普通の重傷者はこんなに元気よく叫べないはずなんだけどな」
- 155125/06/08(日) 00:52:49
意識が戻ったグリムは、目の前の勝己に飛びついてきた。
😺「バクゴー……、バクゴー……!イズクは……?」
🧨「アイツはまだ……」
🥦「……グリム?」
🧨「!!起きたンか」
出久はまだ起き上がれないようで、病人のように臥せたままグリムに優しく目配せした。
😺「イズク……!イズク、オレ様……」
🥦「無事でよかった。一緒に帰ろう」
😺「……こないだ、引っ掻いてゴメンな……。ゴメンな、イズク……うう……。ふ、ふな”ぁ~~~~……!」
グリムは幼い子どものように泣き出して、出久に縋りついた。出久は起き上がろうと芋虫のように身を捩って、結局起き上がれずに崩れ落ちた。
🧨「……何しとンだ。ほら」
きっと出久は起き上がってグリムを抱きしめたいだろうと思い、勝己は出久が起き上がるのを助けようとマントの中に手を差し出した。
🧨「…………?」
勝己は出久の手を掴もうとして、つかめなかった、マントの中をまさぐっても、出久の手がどこにもないのだ。
🧨「…………オイ、待て、どうなって……」
🥦「かっちゃん。……あのね」
いやに寒く、背筋がゾクゾクとした。それなのに汗が噴き出て止まらない。
勝己は震える手で出久の背中に手をやって起こした。出久の体にかけられたマントがはらりと落ちる。
🥦「……『冥府』に向かってスマッシュを撃ったときに、僕の腕、ついに限界が来たみたい」
――現れた出久の腕は、肘から先が無かった。 - 156二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 01:04:54
ファ!?
- 157二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 01:14:03
腕全損2回目か〜(現実逃避)
- 158二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 01:18:44
ダイス来た時はアーマーがオシャカになると思ったんですよね
また腕ないなっとるやんけ…… - 159二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 05:05:57
- 160二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 06:40:06
- 161二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 06:57:09
- 162二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 07:57:42
洒落にならん洒落にならん!!
ツノ太郎!!できるかわからんけど、奇跡起こしてツノ太郎!!!! - 163二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 08:18:30
きっと大丈夫のはず、ツノ太郎は5章でもなんとかなったパワーの持ち主だからきっと平気だ!!だってマレウス・ツノタロ・ドラコニアだからきっと平気。そうだよね…
- 164二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 08:32:25
cv内山昂輝のキャラと戦うと腕無くすジンクスでもあるんか君は!!!!
- 165二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 08:44:34
!!!!??????
- 166二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 09:02:54
- 167二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 09:06:31
でも、これ治らんとヴィルとグリム、シュラウド兄弟に罪悪感植え付けるとことになるな…
- 168二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 09:07:21
- 169二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 09:11:30
原作だと目撃回避してたデクの両腕欠損を見たかっちゃんの心境やいかに
せっかくOFA無くなって呪いから解放されたと思ったら擬似的OFAでこうなるの、アーマー製作としても考慮事項よね - 170二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 09:12:19
やめて(目を逸らしたかったのに
- 171二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 09:54:43
逆に「こいつマジでアーマー作らんと素手でも同じことしかねん……早死にするぞ」てなるかもしれない
- 172二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 11:45:21
あの時はエリちゃんの祈りでなんとか巻き戻っただけだしね腕も…
かっちゃんのタヒ体(仮)みたデクみたいな顔してそうだ - 173二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 12:10:50
いっちゃん先が気になるところで追いついてしまった…!
今からでも入れる保険ってあるんですか!? - 174二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 13:46:14
もう二人帰ったら、かっちゃんみんなに腕なくなったこと、みんなにチクったほうがいいぞ
- 175二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 15:00:52
そこになければ無いですね…(震)
- 176二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 15:04:59
- 177二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 15:28:50
ちゃんとS.T.X.Y職員も、アーマーで四肢が四散する云々とか懸念点も挙げてたもんな…設定が細かいだけに業が深い
- 178二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 17:08:06
一気読みしたけど展開がヤバ過ぎるっっっっ!!!!!!
どうか続きをっっっっっっっっ!!!!!!!!!!!! - 179二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 17:21:54
デクも勿論だけどバチボコにダメージ受けてたかっちゃん&ルクハン帰り耐えれる?
ただでさえ白髪リドルと老化ヴィル様がいるってのにあれ以上重症の患者増やさんどいて - 180二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 21:19:38
あんた在住はデデニーでしょ!?もうちょっと手心というか希望というか優しさってやつを残しとこうぜ!?!?
- 181125/06/08(日) 21:39:55
ちょっとダイス
*かっちゃんの涙腺 dice1d100=11 (11)
(51以上で涙が出ます)
*かっちゃん 死柄木戦でのデクの腕欠損について
dice1d3=1 (1)
1.本人から話を聞いた
2.経営科の映像で知った
3.知らなかった
- 182125/06/08(日) 22:09:41
🧨「は……………、え、ぁ……」
呆然と目を見開いた勝己から、すでに出久の状態を知っていた他のメンバーが痛ましそうに目を逸らした。
🍎「……ミドリヤクンの腕、『冥府』から戻ってきてヴィルサンとイデアサンを『チャリオット』に乗せた途端に、渇いた土みたいにボロボロと崩れちゃったんだ」
出久の腕が崩れていく瞬間を一番近くで見てしまったエペルが、言いづらそうに勝己に告げた。
😺「イ、イズク、腕が~~!!ふな”ぁあああ~~~!!!」
グリムが出久の胸に抱き着いて、べしょべしょと涙と鼻水をこぼした。出久は抱きしめかえすことも涙をぬぐってあげることもできず、首を傾けてグリムの額を頬で撫でた。
😺「うぅ、うっ、痛くねぇのか?」
🥦「痛くないよ。アドレナリンが出てるのかな」
😺「オ、オレ様のせいで……っ!ひぐ、ぐすっ……」
🥦「グリムのせいじゃないよ。僕の腕、優しい女の子がくれた奇跡で形を取り戻したけど、本当はとっくの前に両方失ってるんだ。僕ね、腕意外はほとんど『冥府』の影響を受けなかったから、きっと腕に宿った奇跡が肩代わりしてくれたんだと思う」
出久はグリムを落ち着かせると、勝己の視線に気づいて顔を上げた。
🧨「…………」
🥦「……僕の腕2本で3人も救けられたんだ。安く上がったでしょ?」
🧨「……お前」
🥦「……ゴメン、面白くない冗談だった。でもさ、実際『冥府』に落ちたみんなも僕もこうして無事だったし、無くなったのが腕なら義手でも付ければなんとかなるし」
🥦「帰ったら発目さんにお願いしてすごく高性能な義手作ってもらっちゃおうかな!かっちゃんが『あのとき自分も義手にしとけば良かった』って後悔しちゃうくらい強いやつ!そしたらミルコみたいなヒーローになれるかも!」
🧨「…………」
🥦「……だからさ、そんなに悲しそうな顔しないでよ、かっちゃん」
🧨「…………してねーよ、馬鹿」
出久が泣いていないのに自分だけ泣くのは悔しくて、ヒーローとしての役目を果たした出久に悲しみをぶつけるのも違う気がして、勝己は喉仏が上がって嗚咽が零れそうになるのを喉の奥で死ぬ気で嚙み殺した。 - 183二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 22:16:13
腕はさぁ!!!!!消耗品じゃないの!!!!!!!一生物なの!!!!万年筆と同レベルなの!!!!!!!!しょうがないけどもうちょい大切にしようよ!!!!!!!!
- 184二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 22:17:37
クレイジーボーイ再び
いや体育祭と違って命がけだから腕と人命で比較するの分かるっちゃ分かるけどホントにデクくんはさあ… - 185二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 22:22:32
エリちゃんの力で巻き戻ってた時間が戻っちゃった?
- 186125/06/08(日) 22:27:03
全員の目が覚めたところで、特に重症であるヴィルと出久の治療の話になった。
『S.T.Y.X.』所長代理としてのイデアは、嘆きの島では『ケルベロス・システム』がダウンしておりまともな治療を施せないため、魔法医療設備が整っている賢者の島に一刻も早く戻った方がいいだろう、との見解を述べた。
外部との通信は先ほど復旧しており、今すぐ発進できる魔法航空機も1台確保できているとのことだ。
💀「――管制部。レ、『レテの河』は?」
💀「――……修復にどれだけかかるか……そもそも装置を元通り修復できるのかもわからない」
💀「――……いや、今はヴィル氏たちの処置が優先だ。今後の対応は、父さんと母さんに委ねるしかないな」
イデアは管制部と無線でやりとりをした後、「あ、じ……じゃあ、みんなコレに乗って……クダサイ」と妙にカタコトな口調で数台のチャリオットをチャーターしてくれた。これで発着ドックまで送るということらしい。
👑「……やっと、帰れるのね」
🏹「ああ。みんなで一緒に学園に戻ろう」
🍎「そうですね。早く行きましょう!ルークサン、僕の肩につかまってください!バクゴーとミドリヤも順番に!」
ルークはめまい、勝己は貧血、出久は両腕欠損による平衡感覚の喪失。戦いで深手を負った三人は、チャリオットに搭乗するにも足元が怪しかったため、エペルが引っ張り上げて座席へと下ろしてくれた。
👑「それじゃあ……イデア。また学園で」
💀「……え?あ、えっ……みんなの記憶もそのままだし……」
🦁「あ?記憶?」
💀「あっ。いや、な、なんでもない」
💀「せ、拙者もSSR[前代未聞の問題児]の仲間入りをしちゃったわけで……この後は今回の事件の首謀者として世界中から責任を追及されると思うし……。その覚悟もできてますし……」
💀「だからもう学園には戻れないと思うよ……」 - 187125/06/08(日) 22:40:38
🧨「戻れるだろ」
💀「えっ。な、なにを根拠に……」
🧨「隠蔽体質のクソ烏。見栄と体裁をクソほど気にしとるアイツが、現役で寮長を務める学生を退学処分にするとは思えねえ。おそらく今回の件を可能な限り揉み消すぞ」
💀「アッ。それはちょっと想像できる……」
学園には戻れない、と零したイデアに向けて、他のメンバーも次々と「ちゃんと学園に戻ってきて」と言葉をかけた。
最も、その大半が「責任取ってオンボロ寮の原状復帰をしろ」だの「植物園を元に戻せ」だの「厩や芝生の整備をしろ」だの、なんともしょっぱい理由付きだったのだが。
こんなときでも我を通すのがNRCクオリティなのである。
🐙「そういえば、ゲームの途中でカローンの邪魔が入ったせいで、勝負がついていませんよね。確か僕が優勢だったはずです。逃げないでくださいよ」
💀「は?間違いなく拙者が優勢でしたが?ちゃっかり誤魔化さないでくださらんか」
同じ部活で親しくしているアズールからの煽りに、イデアは思わずいつもの調子で返した。
👑「と、いうわけで……アンタにはまだまだ学園でやることがある。いいこと?逃げるんじゃないわよ」
🥦「学園でまた会いましょう、イデア先輩」
💀「あ~、わかった。わかったよ。……また、学園で」
再会の約束を終えて、チャリオットが『タルタロス』の出口へと上昇していく。
💀「だ~か~ら~!!戻れない確率のほうが高いんだってば!他人の話を全然聞かない!これだからナイトレイブンカレッジ生は~!」
チャリオットがすっかり見えなくなったころ、我に返ったイデアが頭を抱えて一人叫んでいたのだが、その叫びは『タルタロス』の壁の中に虚しく消えていった。 - 188125/06/08(日) 23:04:53
発着ドックには普通の輸送機が待機しており、全員が乗り込むとすぐに賢者の島にむけて離陸した。
窓と座席とそれから空調まである。コンテナのような密室に詰め込まれた、あるいは箒一本でぶっ飛ばしてきた往路を思うと、帰りの行程は比べようもなく快適だった。
🏹「ああ……なんて美しい夜明けだ。闇を切り裂く朝日。神々しさすら感じるね」
👑「本当……なんて美しいの……。…………ふっ、うっ、うぅっ……!」
夜明けの光を映したヴィルの目から涙が零れた。
👑「う”あぁ~~~~~~ん!!!!ア、アタシまだ18歳なのに、こんなシワシワのおじいちゃんになっちゃって……一体どうしたらいいの!?あんまりよ~~~~~~~!!!!」
舞台俳優としても活躍するヴィルの泣き声が、狭い輸送機にキンキンと響いた。
🦁「おい、さっきはドヤ顔で『アタシが世界一美しい』みたいなこと言ってなかったか?」
👑「事態をおさめるために無理してたに決まってるでしょ!?わぁ~~~~~ん!!」
🏹「おお、愛しの毒の君。キミの涙で胸が張り裂けそうだ。もし万が一もとに戻れなくても、キミは世界一美しいよ」
👑「知ってるわ。でも、今はそういう話じゃないの!ううっ!」
ヴィルは比類なき美貌を磨き上げて世界に君臨するスターだ。その美貌を突如失ってしまったとなると、状況としては突然『個性』を失うことになったヒーローも同然だ。
🥦「……ヴィル先輩!ヴィル先輩は格好いいです!『冥府』に飛び込んだとき、本当にヒーローみたいだった……!」
👑「ミドリヤ……」
🥦「今のヴィル先輩だって、ヨロイムシャとかグラントリノみたいで、すっごく格好よくて素敵です!!」
👑「……誰なのよそれ~~~!!知らないわよ~~~~!!!うわあああぁぁあ~~~~~ん!!!!」
🧨「それで喜ぶのはヒーローオタクだけなんだよクソナードが」
出久の渾身のフォローもヴィルには響かなかった。
🍎「う、運転手さん!とにかく学園さブッ飛ばしてけ!」
👑「うわぁ~~~~~~~ん!!」 - 189125/06/08(日) 23:37:32
ヴィルの大声量ギャン泣きをBGMにしたおよそ3時間のフライトを終え、出久たちを乗せた輸送機がナイトレイブンカレッジの校庭に着陸した。
🍩「レオナさーん!!」
🐺「レオナ先輩!!ミドリヤ、バクゴー!!」
一番最初にかけつけたのは、聴覚と脚力に優れたサバナクローの獣人2人だった。
2人はレオナたちの無事に安堵し、謎の老人の正体がヴィルだと知るや否や仰け反って驚き、マントを肩にかけている出久の腕の先が無くなっていることにあんぐりと口を開けた。
🦦「ジャミル~~~~~~~~!!」
🐍「グハッ!!!」
次に駆けつけたのは、ゴム毬のような勢いでジャミルにむかってダイブしてきたカリムだ。カリムは勢いを受け止めきれずに背中から倒れたジャミルに乗ったまま、ジャミルの無事を確認して腰を抜かしてしまった。
🐬「……アズール。ご無事でなによりです」
🦈「あはっ。おかえり~、アズール。戻ってくるの早かったじゃん。敵ぶっ飛ばして自力で戻ってきたの?」
🐙「おおむねその通りです。それより、僕がいない間も、ちゃんと『モストロ・ラウンジ』は休まず営業していたんでしょうね?」
オクタヴィネルは3人揃った途端にいつもの調子だ。
☘「リドル!!無事でよかっ……はっ!?」
🔶「ええっ、リドルくん!?髪が真っ白!一体何があったの!?」
🌹「話せば長くなるけど……」
リドルのもとに駆け付けたトレイとケイトは、髪色が老人のように抜け落ちたリドルをしきりに心配して、傍にいた老人の正体がヴィルだと気付くと言葉を失って硬直した。
🦇「なにやら騒がしいと思ったら、お主ら戻ってきておったのか!みな無事でなによりじゃ」
遅れて魔法で瞬間移動してきたのが、今回の騒動で唯一自寮の生徒に被害が出なかったディアソムニアのマレウスとリリアだ。
👑「無事?どこをどう見たら無事に見えるのよ!」
🐲🦇「「!!」」
🐲「お前たちが攫われて、まだ2日ほどしか経っていないと思っていたんだが……いつのまにか7、80年ほど過ぎていたのか?人間は短命な種族だとは思っていたが、よもやこれほどとは……」
👑「ちょっと!縁起でもないこと言わないで。今そういう妖精ジョークで笑える気分じゃない。ううっ……」
🧨「流石に時間感覚が雑過ぎンだろ」 - 190二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 23:38:09
🥦「今のヴィル先輩だって、ヨロイムシャとかグラントリノみたいで、すっごく格好よくて素敵です!!」
誉め言葉か……?誉め言葉か…… - 191二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 23:45:51
このレスは削除されています
- 192125/06/08(日) 23:48:58
いつも保守・コメントありがとうございます
次スレ立ててきました
【クロス注意】幼馴染inNRC Part18|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com早いもので6章も終盤です
- 193125/06/08(日) 23:53:02
没会話供養
思い浮かんだけどシリアスクラッシャー過ぎて自重しました
😺「ふな”ぁあああ~~~!!!イ、イズク……!腕が!!!」
🥦「安いもんだよ、腕の二本くらい。無事でよかった」
🧨「……セリフ決めとる場合かよ」スパンッ! - 194二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 23:58:31
発言が腕を2本失った世界線のシャンクスすぎる
- 195二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 00:39:27
- 196二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 00:41:47
そこはまぁ……読んでからのお楽しみよ……
- 197二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 02:08:04
- 198二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 05:55:56
全力でツッコミ入れたいけどそういう空気じゃねぇ…!
- 199二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 11:10:24
うめ
- 200二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 11:31:03
200ならハッピーエンド