- 1◆YAChL6C6So25/05/31(土) 10:49:24
- 2◆YAChL6C6So25/05/31(土) 10:49:49
- 3二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 10:51:23
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- 4二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 10:52:31
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- 5二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 10:53:10
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- 6二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 10:53:46
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- 7◆YAChL6C6So25/05/31(土) 12:06:40
設定を長々と書き過ぎてたので短縮
【プレイヤー・キャラクターの基本情報】
PC1. ジョナサン・リード(私立探偵・男性・35歳)
・元スコットランドヤード刑事。数年前に不正捜査疑惑で名誉を失い、以降私立探偵として暗躍している。
PC2. エドワード・ブレイク(スコットランドヤード警部補・男性・33歳)
・現役の警官。亡き妻がマクファーレンに殺されたと思っており、私怨から教授を追っている。
PC3. ステファニー・ホール(新聞記者・女性・28歳)
・大手新聞社「ロンドン・イブニング・ヘラルド」所属のルポライター。スクープを追い求める野心家。
PC4. モリー・ホーキンス(夜回りガール・女性・23歳)
・貧民街(イーストエンド)で育った孤児。現在は街のストリートチルドレンを取りまとめ、夜回りガールとして情報収集や軽い護衛仕事を受けている。 - 8◆YAChL6C6So25/05/31(土) 13:00:44
リード探偵事務所 ――ベイカー街、ある霧深い夕刻
灰色の霧が窓の外にまとわりつく中、リード探偵はいつものように、冷めた紅茶をすすっていた。
書類の山の間をぬって、かつての捜査資料と依頼の記録が乱雑に並ぶ。
――その時、事務所の扉が荒々しく開かれた。
「リード氏……お願いだ、助けてくれ!」
現れたのは、貴族らしき身なりの中年男。シルクハットを片手に、顔は青ざめ、額には汗が浮かんでいる。
男は荒い息を整えながら名乗った。 - 9◆YAChL6C6So25/05/31(土) 13:02:08
「わたしはチャールズ・ペンブルック卿だ……!ロンドンの悪党どもを影から操る男――ヴィンセント・マクファーレン教授。その次なる標的を知っているんだ……!」
リードの眼が細くなる。「教授」――その名が意味するものを、彼はよく知っていた。
「やつが狙っているのは……“エターナル・オーブ”。古代エジプトの秘宝であり、ロンドン博物館に一時展示されていた代物だ……だが、お願いだリード氏……」
ペンブルック卿は声を震わせた。
「私は――かつて教授の一味だった。だが、裏切られた。このままでは命が……!」
卿は震える手で、黄ばんだ紙片を差し出す。それは、古地図の一部。どうやら宝の在り処を示しているらしい。
リードは無言のまま、書類を脇に置き、男の顔をじっと見つめた――
───
探偵リードはどうする?
>>12 まででダイス
- 10二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 13:16:49
ペンブルック卿を一旦落ち着かせ 順を追って説明させる
- 11二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 13:21:17
ひとまず匿うことにする
- 12二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 13:56:02
- 13◆YAChL6C6So25/05/31(土) 14:00:43
- 14◆YAChL6C6So25/05/31(土) 14:08:46
「ここにいてもらおう、ペンブルック卿」
ジョナサン・リードは、慎重にカーテンを引き、鍵を閉める。
「教授が貴公を狙っているなら、今夜はこの事務所の方がまだ安全だ」
ペンブルック卿は安堵のため息をもらしたが、リードは問いを投げかける。
「だがなぜ――なぜ、警察を頼らなかった?」
「警察に行けば、過去の悪事を自ら暴露することになる……それに、教授の手先はあちこちに潜んでいる。信じられんのだ。警察の中で、誰が教授と繋がっているか……」
その震える声には、恐怖以上に後悔が滲んでいた。
リードは無言のまま、古地図の断片を手に取る。
ふと、脳裏に浮かぶ顔があった――エドワード・ブレイク。
かつてスコットランドヤードで共に捜査にあたった若き刑事。リードが辞職に追い込まれた後も、警察に残り続けていた。
「エドワード……お前なら、どう動く……?」 - 15◆YAChL6C6So25/05/31(土) 14:09:51
天井に吊られたガス灯の下、書類の山と時計の針の音が交差する。
警部補エドワード・ブレイクは、上司のハドリー警視から報告書を叩きつけられた。
「また宝石店がやられた。しかも、やり口が異常に手際がいい。毒ガスを使った痕跡もある。これは、ただの盗賊の仕業じゃないぞ」
ブレイクは眉をひそめる。毒物、手際、そして完璧な痕跡隠滅――
「……マクファーレンだな。教授の息がかかった連中の仕事か……」
ハドリー警視は小さく頷く。
「警部補、君には非公式でこの件を追ってもらう。捜査許可は出さん。だが、君の過去――妻を殺された件も、あの男に関係しているなら……」
そこまで言いかけ、警視は口をつぐんだ。
エドワードは頷き、無言で報告書を手に取った。
やがて、彼は警察署の奥――かつての仲間、ジョナサン・リードの机があった部屋を一瞥する。
「今夜、また霧が濃くなりそうだ……やつが動くなら、今だ」 - 16◆YAChL6C6So25/05/31(土) 14:10:47
リード探偵は、ペンブルック卿から得た古地図と証言をもとに、行動を起こすようです。
>>19 まででダイス
- 17二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 14:14:09
今度も探偵の行動なんだ
キャラの経歴や卿の証言からして警察に頼りづらいよな?
古地図が指し示す場所とその周辺について調べる - 18二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 14:15:47
古地図に書かれているのはオーブとは別の宝?
それとも今宝が置かれている施設の地図?
地図について一定の知識を持っている人物を探す
それがどこのかを知るために - 19二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 14:37:11
- 20二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 14:38:29
ペンブルック卿により詳しい話を聞く
- 21◆YAChL6C6So25/05/31(土) 14:38:31
- 22◆YAChL6C6So25/05/31(土) 14:50:37
ジョナサン・リードはエドワード・ブレイクに協力を仰ぎ、ペンブルック卿の“偽装拘留”作戦を開始した。
情報は、教授の配下が盗聴するように仕掛けた電信回線にあえて流される。
「……ペンブルック卿、収監済。例の密告内容も記録済み……」
数時間後、仮拘置所の裏口に黒衣の男が現れる。完全武装。訓練された動き。
だが、侵入から数分後――
ブレイクが拳銃を構え、低く叫ぶ。
「スコットランドヤードだ!手を挙げろ!」
取り押さえられた男は、驚くほど若かった。しかも、懐に毒薬のカプセルを忍ばせていた。
それだけではない。
取り押さえた男から、博物館の地下図面と、外交用の暗号文書が見つかる。そこには……
「オーブは“ボヘミアの使者”を通じて引き渡し可能。必要条件:展示品の搬出日=式典前夜」
そして、送り主の印には――
B.P.R.の刻印。ブレイクは呟く。
「……ボヘミア公国王室外交部(Bohemian Principality Royalty)……?」 - 23◆YAChL6C6So25/05/31(土) 14:55:41
大手新聞社「ロンドン・イブニング・ヘラルド」所属のルポライター、ステファニー・ホールは粗末なケープ姿で貧民街の老舗酒場にいた。
新聞記者の勘が告げていた――この街の下層に、何かが潜んでいる。
「お姉さん、あんた記者だろ?」
陽気で鋭い声に振り返ると、片手に瓶をぶら下げた少女――モリー・ホーキンスがいた。
身なりこそ子供のようだが、その目は鋭く、情報屋のそれだった。
モリーは言う。
「マクファーレン教授のこと探ってるんだろ? だったらいいもん聞かせてやる」
彼女はステファニーを人気のない裏路地に連れ出し、こう囁いた。
「“オーブ”は、ロンドンで動く最後の外交切り札さ。教授はそれを“ボヘミア公国”に渡すことで、何かを引き換えに手に入れるつもり。……武器か、亡命者か、それとも……王位かもしれない」
ステファニーは凍りついた。
「……王位?」
「そ。だって教授は元々、王族の隠し子だったって噂、知ってる?」
その言葉に、記者としての血が沸き立った。
___
記者ステファニーの行動を >>26 まででダイス
- 24二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 14:58:01
モリーに教授の噂について深掘りする
- 25二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 15:02:08
なぜ私にその情報を聞かせたんだろう
何が狙いか、味方なのか警戒……と、警戒していたこと自体がバレてしまう
何考えているのかを聞きたいが無理だろうか - 26二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 15:27:18
- 27◆YAChL6C6So25/05/31(土) 15:28:23
- 28◆YAChL6C6So25/05/31(土) 15:44:02
「ねえ……その話、もう少し詳しく聞かせて」
ステファニーの目は真剣そのものだった。
メモ帳もペンも出さず、ただ人としてモリーの言葉に耳を傾けている。
モリーは瓶の口を拭いながら、吐き捨てるように言う。
「……あたしが聞いた話じゃ、教授――いや、“ヴィンセント・クロウリー”は、王族の血を引いてるってもっぱらの噂さ。正妃の子じゃなくて、どっかの女中との間にできた“見えない血筋”ってやつ」
「見えない血筋……?」
「そう。王室じゃ、隠し子なんて都合悪いだろ?だからずっと幽霊みたいに扱われてた。でも本人は知ってたのさ。自分が“本当なら王座に座れていたかもしれない”ってことを」
モリーの目は暗く濁っていた。 - 29◆YAChL6C6So25/05/31(土) 15:44:34
「でも、王族の血ってやつはロンドンじゃ役に立たない。腐った路地を牛耳るには、銃と毒と、あと“恐怖”が必要だよ。教授はそれを手に入れた。貴族も殺し屋も、今じゃ教授の名を口にするだけで震え上がる」
「……あなたは、怖くないの?」
「怖いさ。あたしの仲間にも、“もう二度と姿見なかった”子が何人もいる。教授の手の者に情報を売って、始末されたって話。あいつは“見えない王様”さ、街の下に王冠をかぶって座ってる」
そして、モリーは唐突に言った。
「だからさ……あたしは願ってるんだ。教授が壊れるところを、この目で見たいって」
その言葉に、ステファニーはしばし言葉を失う。
だが、心の中では記者の火が燃え上がっていた。 - 30◆YAChL6C6So25/05/31(土) 15:48:26
ステファニーが貧民街からの帰途についたそのとき、霧の濃い橋の上で異様な気配に気づく。
ガス灯の下、黒コートに身を包んだ男たちが数人、荷車を取り囲んでいる。
その中心には――エドワード・ブレイク警部補がいた。
荷車には厳重に覆われた木箱。まるで運搬中の金庫のようだ。
ステファニーは陰に身を潜めるが、やがて足音に気づいたブレイクが振り返り、目が合う。
「……ホール記者?今夜はご帰宅の途中かな」
「それ、ロンドン博物館からの“荷物”じゃないの?」
ブレイクは苦い顔をしながら一歩近づく。
「これは極秘作戦だ。記事にすれば、君だけじゃなく誰かが命を落とすかもしれん。君は取材者として優れているが……今夜は見なかったことにしてくれ」
その言葉に、ステファニーは反論しかけたが、ブレイクの眼差しに押されて言葉を呑んだ。
ブレイクは今、“エターナル・オーブ”を安全な場所に移送中だった。
だが、教授の動きは読めない。ペンブルック卿の偽装拘留は成功したが、次の一手は時間との勝負になる。
───
オーブの件は選択を誤ると外交問題にもなりかねない。
ブレイク警部補はどうする?
>>33 まででダイス
- 31二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 17:04:33
偽物とすり替える
本物は博物館の誰かに持たせる - 32二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 17:23:44
荷車を複数用意し全てに護衛をつけそれぞれ違うルートで移送させる
- 33二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 18:49:05
- 34◆YAChL6C6So25/05/31(土) 19:15:57
- 35◆YAChL6C6So25/05/31(土) 19:24:41
朝霧のなか、博物館の裏手に設けられた特別搬出口から、厚布に包まれたエターナル・オーブが慎重に運び出される。
だが、その実――
それは精巧に作られた複製品であり、本物のオーブはすでに数日前、スコットランドヤードの秘密保管庫に移送済みであった。
警官の一人がブレイクに低く報告する。
「教授の側近、動きました。西ロンドンの葬儀屋に集まり始めているとの情報あり」
ブレイクは深く頷く。
「……囮は成功だな。やつらが“搬出の夜”を待ち望んでいたことも確認済み。次は――こちらが動く番だ」 - 36◆YAChL6C6So25/05/31(土) 19:26:00
その頃、ステファニー・ホールは、煤けた扉の前に立っていた。
小さな金属製の看板には、かすれた文字で《J. Reed Investigations》とある。
「(あのペンブルック卿の“拘留劇”に、この探偵も一枚噛んでたとはね)」
ノックのあと、扉を開いたのは、煙草の香りをまとった男――ジョナサン・リードだった。
リードは訝しげに目を細める。
「……何の用だ?」
「ロンドン・イブニング・ヘラルドのホール記者です。貴方が“教授”――ヴィンセント・マクファーレンに関わる捜査に関与していると聞きまして」
一瞬の沈黙の後、リードはドアを開け放つ。
部屋には煙草の煙と書類の山、そして乾いた紅茶の香りが漂っている。 - 37◆YAChL6C6So25/05/31(土) 19:26:41
「……なるほど、ブレイクと知り合いなのか」
「ええ。彼も今、“教授”を追っています。そして、私も」
リードは無言で窓の外を見る。霧はなお薄れず、ロンドンの闇を覆っている。
「――奴のことを、どこまで知ってる?」
「彼が“王族の落とし胤”かもしれないという噂。そして、彼が“エターナル・オーブ”を通じて、ボヘミア公国と何かの取引をしているという事実」
その言葉に、リードの表情が僅かに動いた。
「……妙な記者だな。命を賭けてまで嗅ぎ回る理由は?」
「正義のため……とは言いません。私はただ、真実が知りたいんです。誰も言葉にできない、“ロンドンの闇”の正体を」
リードは煙草に火をつけ、しばらく黙ってから言う。
「……もし、俺と協力するなら、もう後戻りはできんぞ。君が書く記事一つで、何人も死ぬかもしれない」 - 38◆YAChL6C6So25/05/31(土) 19:27:24
- 39二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 19:32:30
情報が欲しいため 協力
- 40二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 19:42:27
協力
- 41二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 19:46:37
- 42◆YAChL6C6So25/05/31(土) 19:52:03
- 43◆YAChL6C6So25/05/31(土) 20:03:06
「いいだろう、協力しよう」
リードは、紅茶の代わりにスコッチをグラスに注ぎながら言った。
「……だが君は、もう“記者”ではなくなる。“探る者”の責任を負うことになる」
ステファニーは頷いた。
「構いません。私はもう記事よりも、この街の運命に関心があるんです」
その眼差しに、リードは旧友ブレイクの若き日の姿を重ねた。
「情報班として動いてもらう。モリーという少女がいる。貧民街の情報屋だ」
「知っています。その子から教授のことを聞いたんですから」
「なら話が早い。もう一度彼女に接触し、マクファーレンの周囲で不穏な動きがないか探ってほしい」 - 44◆YAChL6C6So25/05/31(土) 20:03:56
──ノッティングヒル・マクファーレン邸
シャンデリアの下、銀器が静かに並ぶ晩餐室。重々しい調度品の中で、ヴィンセント・マクファーレン教授は無言のまま報告を聞いていた。
執事は緊張した声で語る。
「……今朝未明、美術館に搬出されたオーブを狙った部下3名が、待ち伏せしていた警官により拘束されました。配置情報は確かに“電信回線”から……」
教授の指が、テーブルの縁を静かに叩く。
「囮だったか。……“博物館から出されたオーブ”が本物であったなら、あの警部補は動かぬ。これは奴の仕掛けた罠」
教授はふっと笑った。
「つまり、まだオーブは市内にある。……となれば、保管されているのは警察内部――あるいは、それ以外の、彼らが“信用している場所”だ」
その目は冷酷な計算をはじめていた。 - 45◆YAChL6C6So25/05/31(土) 20:05:37
その頃、貧民街の裏路地では、モリー・ホーキンスが煤けたレンガの壁に身を潜め、小さく息を呑んでいた。
「(あれは……セバスチャン・ブラックウッド……!)」
灰色のコートに黒い薔薇のブローチ――貧民街の地下組織《黒薔薇団》の頭領であり、情報と武器、そして“復讐”の象徴。
噂では、彼はマクファーレン教授と幾度となく手を組み、そして裏切り合ってきたという。
だが今、確かに彼はマクファーレンの手先と接触していた。
「ボヘミアの荷はいつ届く?」
「今夜中には。あんたの“貴族の血統”を通せば、どんな城門も開くとあの教授は言っていた」
モリーの胸にざわめきが走る。
「(……“貴族の血統”?)」
───
モリーはどうする?
>>48 まででダイス
- 46二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 20:35:39
もうちょっと聞き耳を立ててみる
- 47二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 20:36:47
深追いしないように周囲に気を配りながら息を潜め会話を聞く
- 48二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 20:49:47
- 49◆YAChL6C6So25/05/31(土) 20:50:56
- 50◆YAChL6C6So25/05/31(土) 21:01:03
モリーは薄暗い路地を抜け、背後を何度も確かめながら急ぎ足で歩いていた。
彼女のポケットには、薄い紙に走り書きされたメモがある。密談をすべて記録したものだ。セバスチャン・ブラックウッドの言葉、そして「教授」の計画の断片。
そのとき、向かいの通りからひょいと顔を出したのは、ケープを翻す若き記者――ステファニー・ホールだった。
「モリー!探してたのよ!」
モリーは一瞬、驚いた表情を見せたが、すぐにいつもの皮肉な笑みを浮かべる。
「へへ、新聞屋の鼻はやっぱり利くね。でもちょうどいい、見せたいもんがあるんだ」
二人はすぐに合流し、その足でベイカー街へと向かった。 - 51◆YAChL6C6So25/05/31(土) 21:02:25
探偵事務所では、ジョナサン・リードがペンブルック卿が持っていた古地図の断片を手に、ゆっくりと紅茶を口にしていた。
扉が開くと、ステファニーとモリーが勢いよく入ってくる。
「リードさん、情報があるの。モリーがすごい話を掴んだのよ!」
「……そうか。じゃあ、聞かせてくれ」
3人は机を囲み、ランプの灯りの下で情報を整理し始めた。
モリーが記録した密談の中には、重大な一節があった。
「……ブラックウッドが“貴族の血統”?
リードが眉をひそめる。
「“教授”がボヘミアの王族の落胤かもしれないって噂と関係あるの?」
と、ステファニー。 - 52◆YAChL6C6So25/05/31(土) 21:05:15
「マクファーレン教授は“貴族の血統”を証明できる証人、もしくは文書を黒薔薇団のブラックウッドから得ようとしている可能性がある……
そして、それを使って“城門”を開こうとしている。
“城門”……それは、ボヘミア公国の内部への正当な“通行許可”のことか……?
外交権か、あるいは――王位継承か」
リードは手元のメモを見つめながら低く呟いた。
「問題は、“ボヘミアからの荷”だな。それが何なのか――
人間か、文書か、あるいは――武器?」
室内の空気が重くなる。
───
リード(AI)の推理は合っているのでしょうか。
リードの次の行動を >>55 まででダイス
- 53二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 01:49:11
このレスは削除されています
- 54二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 01:50:16
このレスは削除されています
- 55二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 01:51:06
- 56◆YAChL6C6So25/06/01(日) 06:16:16
- 57二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 09:32:22
age
- 58◆YAChL6C6So25/06/01(日) 09:43:33
リードはモリーが走り書きしたメモを再び手に取り、内容を読み返していた。
ステファニーも肩越しにそれを覗き込む。
「『ブラックウッドの“貴族の血統”を使えば、どんな城門も開く』
これは……マクファーレンが狙っているのが“証人”や“文書”ではなく、“ブラックウッド自身”の可能性もあるな」
リードがふと呟く。
「ブラックウッド自身?」
ステファニーが聞き返す。
「ああ。もしブラックウッドの血統が王家に近いものであれば、マクファーレンは彼の血、あるいは血筋を“鍵”として使おうとしている可能性がある」
「つまり、ブラックウッド自身が“通行証”……?」
「あるいは――“生贄”だな」
室内に、重い沈黙が落ちた。 - 59◆YAChL6C6So25/06/01(日) 09:44:46
「じゃあ、こうしよう」
リードが立ち上がる。
「私がブラックウッドの素性と血統について調べる。ステファニー、君は“ボヘミアからの荷”がどこに届くのか、港湾労働者や船舶登録記録をあたってくれ」
「了解。じゃあモリーは?」
「彼女には“黒薔薇団”の周辺を再び探ってもらおう。奴らの拠点が特定できれば、ブレイクに連絡できる」
その頃、スコットランドヤードでは。
「……これが黒薔薇団の最近の動向だ。密輸ルート、幹部の出入り、そしてノッティングヒルの一角にある『月桂樹亭』という酒場が、今の連絡所らしい」
ハドリー警視は、地図の上に指を置いた。
「ブレイク警部補。君にはこれを非公式に――だが速やかに調査してもらいたい。マクファーレンとの繋がりがあるなら、必ず何か出るはずだ」
「……承知しました」
エドワード・ブレイクは、コートを羽織りながら静かに警視庁を後にした。 - 60◆YAChL6C6So25/06/01(日) 09:48:30
濃霧のなか、石畳を踏みしめながら歩いていたブレイクは、ふと前方に見覚えのある姿を見た。細身の体に深い色のトレンチコート。
「……リード」
「よぉ、エドワード。どうやら同じ場所を目指していたらしいな」
ブレイクは少しだけ苦笑しながら立ち止まり、リードを見やった。
「偶然とは思えんな。……何か掴んだか?」
「君が“月桂樹亭”に向かっているなら、我々にとっても都合がいい。話そうじゃないか」
ブレイクは一瞬ためらい――やがてうなずいた。
───
ブレイクとリードはどうする?
>>63 まででダイス
- 61二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 09:55:24
情報共有し 黒薔薇団について調査を進める
- 62二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 10:14:32
黒薔薇団関係の連絡係を確認し 追跡する
- 63二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 12:14:14
- 64◆YAChL6C6So25/06/01(日) 12:50:45
- 65◆YAChL6C6So25/06/01(日) 13:11:14
ブレイクは非公式にリードと再び手を組み、“月桂樹亭”の潜入捜査を実行することに決めた。
月桂樹亭の裏路地、霧と夜の帳が濃さを増す頃、ブレイクとリードは暗がりに身を潜めていた。
「この酒場、ただの隠れ家じゃないな」
リードが低く呟く。
「周囲に見張りがいない。奴らは“安全圏”と思っている」
ブレイクが冷静に観察を重ねる。
「だが、中では何かが始まろうとしている」
路地の奥に、黒い馬車が止まる。覆面の男たちが、厳重に梱包された木箱を降ろすのが見えた。
リードは静かに身を伏せ、ブレイクに目配せをした。
「……“ボヘミアからの荷”じゃないか?」
「いや、それにしては早すぎる。確認が必要だな」
二人は、月桂樹亭の搬入口へ忍び寄る。 - 66◆YAChL6C6So25/06/01(日) 13:11:57
一方、サザークの港湾管理局。
ステファニー・ホールは、昼間の顔と全く異なる港湾の裏帳簿を見せてもらうべく、懐中時計をちらりと見やった。
背後では、古びたランプが薄暗い灯りを揺らしていた。
「今夜、ボヘミアから来た“私的外交貨物”が上陸してるらしい。行き先は――」
帳簿係がつぶやいた。
「“ノース・ケンジントンの収容施設”。だが、それは表向きだ。実際には……別のルートを使っている」
ステファニーの目が鋭くなる。 - 67◆YAChL6C6So25/06/01(日) 13:13:06
ランベスの貧民街、下層路地。
モリーは、路地の影を縫うように走り抜けていた。
黒薔薇団の使い走りが、今夜、どこかへ重要な連絡を届けるらしい。
そのあとを追い、彼女はやがて見慣れぬ建物の裏手へ辿りつく。
扉に刻まれた印章。それは黒薔薇の焼き印。
「……ここだ」
モリーの胸が高鳴る。だがその瞬間、足音――。
彼女は影に身をひそめた。誰かが、背後から近づいてきている――。
───
モリー、ピンチか?
彼女の行動を >>70 まででダイス
- 68二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 13:21:17
物陰に隠れ その人物を確認する
- 69二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:24:30
一旦隠れてやり過ごし 背後から来た誰かを追跡する
- 70二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 15:19:37
- 71◆YAChL6C6So25/06/01(日) 15:20:35
- 72◆YAChL6C6So25/06/01(日) 15:25:57
モリーは胸を押さえ、息を殺した。
足音が、確かに背後から近づいてきている。壁の陰からそっと覗くと――
「……ステファニー?」
霧の中に、馴染みのあるシルエットが浮かんだ。ステファニーは、焦った様子で周囲を見回していた。
「モリー!やっぱりここにいた!」
二人は小声で再会を喜び合ったが、時間はなかった。
モリーは小走りに駆け寄ると、黒薔薇団の新たな拠点を手短に伝えた。
「リードに報せなきゃ。今夜、何か大きな動きがあるはず。急ごう!」 - 73◆YAChL6C6So25/06/01(日) 15:26:24
AIに正体書かせたらこうなりました
- 74◆YAChL6C6So25/06/01(日) 15:27:33
一方、月桂樹亭・裏搬入口。
「……ブレイク、奴らが動くのは今夜かもしれん。中身を確かめるべきだ」
リードの声は低く、だが決然としていた。月光の中、箱のシルエットがかすかに揺れている。
「いや、それは早すぎる」
ブレイクは即座に返した。
「包囲をかけて一気に制圧すべきだ。警官をすぐに呼ぶ」
リードは眉をひそめた。
「……奴らが箱をどこかへ運び出す前に見極めるべきだ。こちらの手でな」
「それは危険すぎる。お前だってわかっているはずだ、リード」
二人は、静かに視線をぶつけあう。 - 75◆YAChL6C6So25/06/01(日) 15:28:03
リードとブレイクはどうする?
>>78 まででダイス
- 76二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 16:27:29
ブレイク案を採用する
- 77二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 16:36:45
書き方でAIの出し方も変わるかな
リードが渋々引き下がり 包囲網を敷き制圧にかかる - 78二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 16:45:36
- 79◆YAChL6C6So25/06/01(日) 16:48:57
- 80二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 16:52:06
マジか。行き当たりばったりでやっていくか
- 81◆YAChL6C6So25/06/01(日) 16:56:13
「じゃあ、こうしよう。お前が仲間を呼びに行ってる間に、俺が潜入して箱の中身を確かめる。それならどうだ」
ブレイクはしばらく沈黙していたが、やがて頷いた。
「分かった。ただし捕まって人質になんかなるなよ」
ブレイクが静かに去ったその直後、ジョナサン・リードは背を低くして裏口の扉へと近づいた。
手慣れた手つきで鍵を外し、軋む扉をゆっくりと押し開ける。
薄暗い倉庫の中、蝋燭の灯りも届かぬ奥に、件の木箱はあった。
梱包された麻袋を取り除き、釘打ちされた蓋を静かに外すと、中には書類の束と黒布に包まれた何かが詰まっている。
書類には、“貴族階級への協力者一覧”、“港湾への不正搬入経路”、“教授の外交交渉文書”など、黒薔薇団の具体的な活動が事細かに記されていた。
「……なるほど。これは……ロンドン全体が火薬庫になるな」
リードは資料をすばやく確認し、再梱包に取り掛かる。だが―― - 82◆YAChL6C6So25/06/01(日) 16:57:21
「誰だ、そこにいるのは……!」
突然、背後から鋭い声が響いた。
振り返ると、ナイフを手にした黒薔薇団の男が三人、倉庫の隅から現れていた。
リードは無言で、懐から細身の銃を取り出す。
だが、数では不利だ。銃声を立てれば、増援が駆けつける恐れもある。
───
ほら言わんこっちゃない!
どうするよリードさん >>85 まででダイス
- 83二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 17:00:35
両手を上げ油断させたところで 一人に不意打ちし もう一人の腕を締め上げ 最後の一人に銃口を向ける
- 84二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 17:00:44
何とか迎撃する
- 85二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 17:02:59
- 86二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 17:03:10
不意打ちから白兵戦で対抗していたところ 駆けつけたブレイクが不意打ちで一人を拘束した後 一網打尽にする
- 87◆YAChL6C6So25/06/01(日) 17:07:23
- 88◆YAChL6C6So25/06/01(日) 17:12:54
「降参だ」
リードは両手を上げ、無抵抗を装って一歩、また一歩と黒薔薇団の男たちに近づく。
その瞬間――
「ッ!」
一歩踏み込んだ彼は、体をひねって最も近くにいた男の腹に肘打ちを叩き込み、うずくまったところを壁に叩きつけた。続けざまに、もう一人の腕を掴んで肩の関節をきしませながら地面に倒す。
最後の一人が短剣を構えたときには、既にリードの銃口が彼の眉間を捉えていた。
「動くな。お前の名前は、聞かないでもいい」 - 89◆YAChL6C6So25/06/01(日) 17:16:24
月桂樹亭・外──
「警部補、準備できました。突入の指示を」
「待て。リードがまだ中にいる」
ブレイクは沈痛な表情で、館の重厚な扉を見据えていた。
焦りを抑え、判断を下すにはまだ材料が足りない。
そこへ――
「ブレイク警部補!」
ステファニーとモリーが駆け込んでくる。ステファニーは息を切らして言った。
「リードさんは…?」
「あいつはこの月桂樹亭に忍び込んでいる。中の様子は不明だが、あいつのことだ……どうなっているかわからん」
「そう…。警部補、黒薔薇団の本拠が分かりまひた。地下運河沿いの旧倉庫街です!」
「……そうか」
ブレイクは短く返した。だが視線は見慣れぬ少女、モリーに向いていた。
モリーはわずかに眉をひそめる。彼女の中には、警察という公権力への根強い不信があった。
───
ここからどうなる?
>>92 まででダイス
- 90二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 17:50:32
リードが無事にやってくる
- 91二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 17:50:54
モリ―が強行突入を促す
- 92二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 17:52:18
- 93◆YAChL6C6So25/06/01(日) 18:49:50
- 94◆YAChL6C6So25/06/01(日) 18:54:48
夜霧が重く垂れ込める中、リードが静かに扉を開け、月桂樹亭の裏口から姿を現した。
ブレイクが駆け寄る。
「リード!」
「遅くなった」と、リードは軽く肩をすくめる。
「だが、面白いものを見つけたぞ」
リードは手帳を開きながら言った。
「ひとつは、“貴族階級の協力者一覧”――名家の名前がずらりと並んでいる。
マクファーレンや黒薔薇団に手を貸している貴族どもだ。中には現役の上院議員もいる」
「……なんてこと」
ステファニーが息をのむ。
「ふたつめは、港湾を使った不正搬入ルートの詳細。密輸経路は三つ、うちひとつは軍の補給港に繋がっている」
「軍の補給港……?」
ブレイクの眉が動いた。 - 95◆YAChL6C6So25/06/01(日) 18:56:04
「最後に、外交文書の写し。
内容は、マクファーレンがボヘミア王室の外交顧問として英国政府に提案しようとしてる草案だ。
つまり奴は、自分が“正当な王族の末裔”であると宣言したうえで、王家の代理になるつもりらしい」
「……クーデターまがいじゃないか」
ブレイクの声は低く、鋭かった。
「それで、突入するのか?」
リードが尋ねる。ブレイクは頷いた。
「ああ、証拠は十分だ」
彼は即座に周囲の警官に手を挙げて合図を送り、重々しい声で命じた。
「突入準備、完了次第、行け!」
月桂樹亭の扉が破られ、警官たちがなだれ込んでいく。
怒声と悲鳴、そして床に投げ出される椅子や皿の音が響き渡った。
黒薔薇団の構成員たちは次々と制圧され、手錠をかけられ、外へと連行されていった。 - 96◆YAChL6C6So25/06/01(日) 18:57:38
少し離れた裏通りの影。
セバスチャン・ブラックウッドは、街灯の灯りにぼんやりと浮かび上がる月桂樹亭の入口を静かに見つめていた。目を細め、細く煙草を吸う。
「……教授め。これも計画のうちか?」
彼のつぶやきは霧の中に溶け、誰の耳にも届かなかった。
彼の右手には一通の書簡。封蝋には、ボヘミア王室の印章が押されていた――。
───
マクファーレン教授の仮初の協力者、ブラックウッドは自らの組織を失った。
次はどうなる?
>>99 まででダイス。
- 97二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 19:05:50
ペンブルック卿今どこにいたっけ
ペンブルック卿に刺客が放たれる
なんとか退けたが… - 98二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 19:34:08
AIで出すってことは確定成功もあり?
こんな風に
マクファーレンの行方を追うため ペンブルック卿に知っていることを聞き出すことにした
ペンブルック卿は迷いながらも語り始めた… - 99二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 19:48:28
- 100◆YAChL6C6So25/06/01(日) 20:07:07
- 101◆YAChL6C6So25/06/01(日) 20:16:27
ブレイク警部補は、手錠に繋がれた黒薔薇団の構成員を鋭く見下ろしていた。
相手は口をつぐんで睨み返してくる。
「黙っていてもいい。だがな、仲間たちはもう別室で口を割り始めてる」
ブレイクは机に拳を打ち付けた。
「ブラックウッドの潜伏先。奴が次に狙う場所。それさえ話せば、少なくともお前は刑務所で冬を越せる」
男の顔がかすかに引きつる。だが一拍置いて、乾いた笑いを漏らした。
「奴は……北側倉庫街の旧鋳造所にいる。だが、今夜中にはそこも出るだろう。あんたらが押し入る頃には、影も形も残っちゃいねぇ」
「どうしてそこに?」
「“ボヘミアからの荷”を迎えに行くためさ」
ブレイクの目が鋭くなった。
「ボヘミアからの荷……!」 - 102◆YAChL6C6So25/06/01(日) 20:18:40
事務所の中には、ランプの明かりだけが灯っていた。
リードは壁際に立ち、地図を眺めながら腕を組んでいた。
その傍らではモリーが、貴族名簿と密輸ルートのメモを交互に見比べている。
「議員に先に当たる?それとも、軍の港湾ルートから切り崩す?」
モリーが尋ねた。
「いずれにせよ時間が足りない。マクファーレンの“外交顧問”の話が現実味を帯びれば、我々の行動も妨害されかねない」
「……警察がこの証拠で、奴らをどこまで追い詰める気か分からないわね」
そのとき、ドアが開いた。
ステファニーが立っていた。口元には微笑みが浮かんでいるが、目は沈んでいた。
「ごめんなさい。ちょっと、残念な知らせを持ってきたの」
リードが顔を上げた。「どうした?」
「編集部から別件の取材依頼が入ったの。“ボヘミア王家の陰謀”なんて、編集長には大げさすぎるんですって。私は……しばらく現場から外れるわ」
「そんな……」
モリーが声を漏らす。
「でも、情報収集はやめない。あなたたちのやってること、ちゃんと伝えたいの。もし機会が来たら……記事にする。命を懸けて」
リードは短く頷いた。「その時が来たら、力を貸してくれ」 - 103二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:18:50
このレスは削除されています
- 104◆YAChL6C6So25/06/01(日) 20:19:11
ブラックウッドの動向、マクファーレンに手を貸している貴族たち、3つの密輸経路、マクファーレンがボヘミア王室の外交顧問の座を狙っている事実……
やることが多いですね。
どれから手を付ける? >>107 まででダイス
- 105二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 00:16:57
このレスは削除されています
- 106二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 00:17:18
このレスは削除されています
- 107二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 00:18:17
- 108二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 07:42:40
保
- 109◆YAChL6C6So25/06/02(月) 10:25:28
- 110◆YAChL6C6So25/06/02(月) 10:38:12
北側倉庫街・旧鋳造所跡。
警官たちが慎重に灯をかざしながら、瓦礫の中を進んでいった。
「……姿はないな」
巡査の一人が呟く。ブレイクは鋳造所の奥に足を踏み入れ、注意深く周囲を見回した。
そこには、木箱を運び出したような引きずった跡がある。
「何かが運び込まれ、そして運び出された形跡がある……ここが“受け渡し”の拠点だったのは間違いない」
ふと、瓦礫の陰に何かが落ちているのが目に入った。
それは、旅の証明書の一部らしい。
「“カールシュタイン郵送庁”……ボヘミアの公印か」
ブレイクは眉をひそめ、部下に指示を飛ばした。
「鑑識を呼べ。あらゆる痕跡を洗い出す。ブラックウッドは去ったが、“荷”はまだロンドンにある」 - 111◆YAChL6C6So25/06/02(月) 10:39:47
ノッティングヒル・マクファーレン邸。
分厚いカーテンが窓を覆い、豪奢な書斎には蝋燭の火だけが灯っていた。
木箱が一つ、床に置かれており、その蓋が開け放たれている。
マクファーレン教授は白手袋をはめ、箱の中から重厚な布に包まれた何かを取り出していた。
その顔は抑えきれぬ興奮と、薄気味悪い笑みに歪んでいる。
「……ついに。父が残した“証明”が、今この手に」
背後で、ブラックウッドが腕を組んだまま低く言う。
「ボヘミア王家の封蝋、正統血統を示す印章。あとは――」
「エターナル・オーブだ」
マクファーレンは呟いた。
「すべてが揃えば、私は“王”として帰還する。あの腐敗した宮廷を焼き尽くし、新たな秩序を築く……」
「その前に、警察の目を逃れることだな。連中も愚かではない」
「だが彼らは――“肝心なもの”の在処を知らない」
マクファーレンは箱を閉じた。
「我々が持っている限り、主導権は我らにある」 - 112◆YAChL6C6So25/06/02(月) 10:41:06
ボヘミア王家の証、正統血統を示す印章、対価として渡すエターナル・オーブ、そのほかに何があるのでしょうか。
次の展開を >>115 まででダイス
- 113二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 17:19:06
受け渡しに携わった者達が逮捕される
- 114二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 18:33:36
- 115二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 18:35:01
- 116◆YAChL6C6So25/06/02(月) 18:35:41
- 117二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 18:37:20
>>111 の肝心なものに繋がることを期待しての安価だが さて
- 118◆YAChL6C6So25/06/02(月) 18:44:07
雨は止んでいたが、窓の外ではまだ冷たい風が街路樹を揺らしていた。
リードは書類を整理していたが、部屋の片隅に立てかけてあった一枚の紙をモリーがじっと見つめているのに気づいた。
「リードさん、これ何?」
モリーが指差したのは、薄い羊皮紙に書かれた古地図の断片だった。
山なりの地形、曲がりくねった川、そして中央には小さく“Sanctum Ignis(サンクタム・イグニス)”と記されていた。
「それは……マクファーレンのかつての協力者だったチャールズ・ペンブルック卿が所持していたものだ」
「宝の地図?エターナル・オーブのこと?」
リードは首を振る。
「違う。オーブは博物館にあった――今はスコットランドヤードの保管庫にある。
だが、この地図が示す場所はまったく別の場所……ロンドンの郊外、あるいはさらに離れた場所を指している」
モリーは少し考え込み、顔を上げた。
「じゃあ……ペンブルック卿に確かめたらどう? 生きてるんでしょう?」
リードは静かに頷いた。
「……彼は今、ケンジントン収監所にいる。情報を引き出せる可能性はある」
彼は椅子から立ち上がると、帽子を手に取った。
「モリー、留守を頼む。何かあったらすぐ連絡してくれ」
「……うん。気をつけて、リードさん」 - 119◆YAChL6C6So25/06/02(月) 18:46:54
ケンジントン収監所・面会室。
灰色の石壁に囲まれた面会室には、冷たい静けさが満ちていた。
鉄格子の向こうでペンブルック卿はゆっくりと姿勢を正した。
「リード氏。君の用件は、何となく想像がつくよ」
リードは地図の断片を差し出した。
「この地図について話してもらいたい。“サンクタム・イグニス”――これは何を意味している?」
ペンブルックは目を細め、しばらくその紙を見つめていたが、やがて微かに笑った。
「……“聖なる炎の聖域”――それは、王家の血統にまつわる“火の儀式”が行われたと言われる場所。
ボヘミアでも一部の者しか知らない。
私はマクファーレンに頼まれて、ある時期そこを探していた」
「それは、オーブと関係が?」
「いや。もっと古いものだ。王位継承の“正統性”を証明するためのものだよ。
マクファーレンは“ボヘミア王家の落胤”として、正式に血筋を証明する儀式を再現しようとしていた」
リードの眉がわずかに動く。
「……それがこの場所で?」
ペンブルックは口元を歪めた。
「君の知っている以上に、あの男は“血”に飢えている。儀式は正統性そのものだ。……彼は本気だよ」 - 120◆YAChL6C6So25/06/02(月) 18:48:06
- 121二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 18:53:01
“聖域”でマクファーレンを待ち伏せる
- 122二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 19:20:56
“聖域”の情報をもとに マクファーレンのを足取りを掴んだ
- 123二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 19:31:24
- 124◆YAChL6C6So25/06/02(月) 19:32:07
- 125◆YAChL6C6So25/06/02(月) 19:36:40
ロンドン国立図書館。
重々しい雰囲気の中、リードは年代物の地図帳をめくっていた。
彼の指先は、褐色に色あせたページを丁寧にたどり、ついにある地名の記述に辿りつく。
“Sanctum Ignis — 東ボヘミア地方、古修道院の廃墟近く”
「ここだ……地図の形と一致する」
モリーが横から身を乗り出す。
「……そこが“聖域”?」
リードは地図を閉じて立ち上がる。
「マクファーレンは“正統性”を証明しようとしている。それなら、彼はこの場所を訪れるはずだ。
あるいは、すでに何かを仕込んでいる可能性もある」
「じゃあ、私たちが行くの?」
「その通りだ。スコットランドヤードには報告済みだ。
ブレイクはロンドンを任されている。ステファニーも裏を取るために情報網を動かしてくれている」
リードはモリーの目をしっかりと見つめた。
「モリー、危険はある。だが、君となら……突破できる気がする」
モリーはにっこりと笑い、小さくうなずいた。 - 126◆YAChL6C6So25/06/02(月) 19:37:13
翌朝、ロンドン・セントパンクラス駅。
朝霧のなか、列車が汽笛を鳴らしてホームに滑り込んできた。
硬質の鉄路が響く中、リードとモリーは旅装を整え、切符を手にして乗り込む。
「向こうは雪かもね」
モリーが窓の外を見ながらぽつりと言う。
「この季節なら十分あり得る。だが、そこにマクファーレンの“原点”が眠っているなら、行かねばならない」
客車の扉が閉まり、車両がゆっくりと動き出す。
蒸気が上がり、ロンドンの街が後方に遠ざかる。 - 127◆YAChL6C6So25/06/02(月) 19:38:33
同時刻、スコットランドヤード。
ブレイクは机の上に散らばった資料を睨んでいた。
マクファーレンとブラックウッド――どちらもロンドンにいるはずなのに、その姿は煙のように掴めない。
彼は立ち上がり、コートを羽織る。
「……動かねばならんな。リードが掴んだ何かを、こっちで補強しておく必要がある」
一方、ステファニーは新聞社の薄暗い資料室で、分厚い人物録と格闘していた。
上院議員の家系図、貴族の私邸訪問記録、外交使節の滞在歴……。
すべて、マクファーレンと“火の儀式”を繋ぐ点を探すためだ。
「どこかに……どこかに、儀式を知っている人がいるはず……!」
ペン先が走る音だけが、部屋に響いていた。
───
次の展開 >>130 まででダイス
- 128二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 20:05:40
ステファニーの上司にあたる人物がステファニーの調べ物を横から確認し 硬直した
…何か知っているのだろうか? - 129二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 20:21:32
ブレイクは調査の過程でブラックウッドの過去の情報を手に入れた
…ブラックウッドの足取りを掴むのに使えるかもしれない - 130二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 20:24:58
- 131◆YAChL6C6So25/06/02(月) 20:46:31
- 132◆YAChL6C6So25/06/02(月) 20:55:04
「ステファニー君、何を調べているんだね」
彼女の背後にひとつの影が差す。
上司であるローレンス編集長だった。初老の記者で、政界や外交筋にも顔の利く人物だ。
ステファニーは、机の上に広げたページを隠すでもなく見せた。
編集長はちらりと視線を落とし、次の瞬間、まるで凍りついたかのように動きを止めた。
「……これは、まさか……」
「何かご存知なんですか?」
ステファニーが問いかけると、編集長は口を閉ざしたまましばらく沈黙し、やがてしわの刻まれた顔を伏せた。
「忘れた方がいい。これ以上は危険だ」
「それは……ジャーナリズムに対する裏切りじゃないんですか?」
彼女の強い口調に、編集長は重い吐息をついた。
「……君が入社する前、一度だけ“教授”と“儀式”に触れた者を取材したことがある。
だが、彼はほどなくして消えた。いや、消されたのかもしれない。私はその記録を封印した――生き延びるために」
ステファニーの胸に寒風が吹いたような戦慄が走る。
「つまり、ボヘミア王家の“儀式”は……現実にあるんですね?」
編集長はそれには答えず、ただ言った。
「……くれぐれも、深入りしてはならん。これは最後の忠告だ」 - 133◆YAChL6C6So25/06/02(月) 20:56:19
ボヘミア公国・東部。
石造りの小さな駅舎に、古びた列車が蒸気を上げて到着した。リードとモリーは分厚いコートに身を包み、降り立つ。
駅の周囲には雪が舞い、遠くの山々は白銀に包まれていた。
「リードさん……寒い、っていうより……なんか空気が違う」
「このあたりは古くから“神の火が眠る地”とされている。
火山地帯でもないのに、地下に常に熱があるらしい」
彼らは駅前に待っていた案内の馬車に乗り込み、谷あいの道を進む。
目的地は、山中にあるという廃修道院跡――そこが“聖なる炎の聖域”に通じていると、地図は示していた。
馬車の御者は無口だったが、ふとモリーが訊ねた。
「この先にある修道院……地元ではどう言われてるの?」
御者は黙ったままだったが、しばらくしてぼそりと答えた。
「……あそこは、炎の言葉を聞いた者の墓だ」
リードとモリーは顔を見合わせた。
車輪は雪を踏みしめながら、静かに進んでゆく。
───
次の展開 >>136 まででダイス
- 134二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 20:58:46
馬車に襲撃 マクファーレンの手によるものだ
損害少なめになんとか退けるものの… - 135二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 21:03:30
“聖域”に到着するものの 中に既に誰かいるようだ
- 136二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 21:06:47
- 137◆YAChL6C6So25/06/02(月) 21:07:16
- 138◆YAChL6C6So25/06/02(月) 21:13:36
ボヘミア公国・山間の街道。
曲がりくねった山道を進む馬車の前方、雪を踏みしめる音とともに、三人の黒ずくめの男たちが現れた。
顔にはスカーフ、手には鉈や短剣。馬が悲鳴を上げて立ち止まる。
「伏せろ、モリー!」
リードは叫ぶと同時に外套の内ポケットから拳銃を抜き放った。
男たちの一人が馬車に飛び乗ろうとしたその瞬間――乾いた銃声が、雪の静寂を裂いた。
最初の男が呻いて倒れた。残る二人は驚いてひるんだが、片方はすぐに再び接近を試みる。
リードは狙いを定め、弾を込め直す間も惜しまず撃った。
弾は男の足元をかすめ、脅しには十分だった。
最後の一人が叫び声をあげて逃げ出す。残された男も、苦しみながら雪の中へ這っていった。
「だ、大丈夫……?」
モリーが縮こまりながら身を起こした。
「ケガはないか?」
「うん……でも、これって……」
「――ああ。マクファーレンの手の者だ。間違いない。
俺たちが聖域に近づいていると知られた」
リードはそう言って、再び銃を内ポケットへ収めた。
御者は青ざめていたが、震える手で手綱を取り直すと、無言で馬車を再出発させた。 - 139◆YAChL6C6So25/06/02(月) 21:14:51
一方、スコットランドヤード。
書類の束をめくりながら、ブレイクの目が鋭く光った。
黒薔薇団関係の資料から、ある記述が浮かび上がってきたのだ。
「M・ファーナム教授(化学・分子構造)、ユニバーシティ・カレッジにて最近着任。
研究室にてしばしば“青い液体”の合成実験を行う。戸籍照会不能」
「“M・ファーナム”? ファーナム、マクファーレン……」
ブレイクは低く呟き、机に指を叩いた。
「偽名で大学に潜伏か……」
ブレイクは部下に命じた。
「この“ファーナム教授”の講義と研究記録を洗え。住所もだ。
奴が次に動く前に、居場所を突き止める」
スコットランドヤードが動き出した。教授の仮面を剥がす時が近い。 - 140◆YAChL6C6So25/06/02(月) 21:15:16
次の展開を >>143 まででダイス
- 141二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 21:17:51
AIに全投げする
青い液体について調べていくと 恐るべき事実が発覚
急いで聖域に向かわなくては… - 142二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 21:25:07
ファーナム教授の住所を訪ねると襲撃を受ける
どうにか避けその人物を確認すると 行方不明のブラックウッドだった - 143二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 21:33:23
- 144◆YAChL6C6So25/06/02(月) 21:34:57
- 145◆YAChL6C6So25/06/02(月) 21:39:09
ロンドン・ノッティングヒル──マクファーレン邸。
曇天の下、石造りの屋敷が静かに佇んでいた。だが、その中には嵐が潜んでいた。
「ここか、奴の巣は……」
ブレイクは短く息を吐き、警官隊に合図を送った。
ドアが開いた瞬間、それは起こった。
銃声。怒号。鋭い悲鳴と、木製の扉が破られる音。屋敷内から現れた黒服の男たちが、手にした刃と銃で警官たちに襲いかかってきたのだ。
「応戦しろッ!手加減は無用だ!」
ブレイクの叫びが響く。廊下で格闘が始まった。書斎の棚がなぎ倒され、ランプが落ちて火花を散らす。
だが、屋敷の裏口――誰もが気づかぬその扉が、音もなく開いていた。 - 146◆YAChL6C6So25/06/02(月) 21:39:28
そこから、一人の男が足早に逃げ出す。黒い外套、鋭い目つき。だが、彼の足音に気づいた巡査が声を上げた。
「止まれ!そこの男、止まれ!!」
男は走る。だが、次の瞬間、馬車小屋の陰から現れた二人の警官が、がっちりと肩と腕を掴み取った。
「離せ!俺に触るな!」
凄みを効かせるその顔を、ブレイクが確認する。
「……ブラックウッド。貴様だったか」
セバスチャン・ブラックウッドは冷たい目で睨み返すだけだった。 - 147◆YAChL6C6So25/06/02(月) 21:41:21
一方、ボヘミア公国では。
リードとモリーが朽ちた修道院の残骸を越えて、森の奥にある洞窟のような裂け目へと歩みを進めていた。
「ここだ、間違いない……“聖なる炎の聖域”」
リードはペンブルック卿の地図を確認しながら呟く。岩に彫られた不思議な文様。
古ボヘミア語で刻まれた祈りの言葉。すべてが一致していた。
「変な匂いがする……焦げたみたいな」
モリーが鼻をすする。
「内部で火を焚いていたか、あるいは……“炎”がまだ生きているのかもしれないな」
リードは腰のランタンに火を灯すと、慎重に洞窟の奥へと足を踏み入れた。
その奥には、奇妙な仕掛け扉と、祭壇のような構造物が――そして、半ば崩れた石棺が見えていた。
「これは……何かが封印されていたのか?」
リードがそう呟いた時、奥から、微かにきしむような音が聞こえた。
モリーがリードの腕を掴む。
「誰かいるの?」
「……もしくは、“何か”がな」 - 148◆YAChL6C6So25/06/02(月) 21:41:38
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- 149二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 21:44:02
リードたちは 足早に去る影を見つける
追跡するべきか - 150二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 21:44:36
突如炎が燃え上がり 最奥の気配が強くなる
- 151二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 00:37:38
- 152二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 08:08:11
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- 153◆YAChL6C6So25/06/03(火) 09:23:19
- 154◆YAChL6C6So25/06/03(火) 09:41:16
突如、リードとモリーの前で――静寂だった祭壇の周囲のかがり火が、まるで見えざる合図に反応するかのように、一斉に炎を上げた。
ボウッ!!
「きゃっ!」
モリーは身をすくめ、リードの背に隠れる。
炎は青白く、不自然なほどに激しく、音もなく燃えていた。
「……これは、たぶん燐の一種だ。仕掛けられた化学物質が空気と反応したんだろう」
リードは冷静に語ったが、その目は真剣だった。
「でも……誰が、何のために?」
リードは祭壇の奥に目を向けた。
その陰、崩れた石棺の奥からは、冷たい気配が押し寄せてくる。 - 155◆YAChL6C6So25/06/03(火) 09:45:00
そのころ、雨の止んだロンドンの石畳を、ステファニーは早足で歩いていた。
すると、角を曲がったところで、外套姿の男と鉢合わせになった。
「……あ、ステファニーじゃないか」
「ブレイク警部補?こんなところで」
ブレイクは軽く帽子に手を当てた。
「お互いに、街の隅を嗅ぎ回る商売だからな。偶然もあるさ」
ふとブレイクの表情が変わる。彼は少し声を潜めて言った。
「ブラックウッドから、少し面白い話を引き出せた。“教授はもうロンドンを離れ、ボヘミアに向かった”とな」
ステファニーの目が見開かれる。
「……ということは……」
「そうだ。おそらく教授の“次の一手”はあの地で始まる。ロンドンでの痕跡はほとんど消されていたが、まだ奴らは手を打ち終わっていない」
ステファニーはふと、ポケットにしまったままのメモを握りしめた。
「編集長が教授と“儀式”のことを知っているの。ただ、『深入りはするな』って」
「……興味深い話だ」
───
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- 156二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 12:23:20
情報交換する中で“青い液体”の話題になる
- 157二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 17:40:36
改めて教授と“儀式”について調べる
- 158二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 17:58:40
- 159◆YAChL6C6So25/06/03(火) 17:59:46
- 160二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 18:04:57
記事そのものが関係しているのか それともその記事の視点が鍵になるのか
- 161◆YAChL6C6So25/06/03(火) 18:11:59
スコットランドヤード地下記録室
天井の低い部屋で、古びた書類が積み上げられた棚の隙間を縫うように、ステファニーとブレイクが黙々と作業を続けていた。
ステファニーは皮バインダーから、上院議員や名門貴族の系譜、資産の流れ、寄付の記録を順に取り出してブレイクに見せる。
「ここ……この名前、何度も出てくるのよ。“ホリンズ卿”。彼の資金が黒薔薇団や、ボヘミア公国へも流れてる」
「マクファーレンの後ろ盾ってわけか……」
ふと、ブレイクの目が、一枚の記事に止まった。1868年――「蒼き血の夜」という見出しが躍っている。 - 162◆YAChL6C6So25/06/03(火) 18:13:20
「これは……ロンドン東部の下町で起きた怪死事件だ。“青い血を流して死亡した遺体が3体”とある。公式には化学事故扱い……だが解決されていない」
ステファニーが息を呑む。
「その“青い液体”って……?」
「俺たちがユニバーシティ・カレッジで奴の研究室から押収した資料の中にあった、“青化した血液を変質させる触媒”の記述。マクファーレンの“青い液体”と一致する」
ブレイクは拳を握った。 - 163◆YAChL6C6So25/06/03(火) 18:18:25
一方、リードの前に現れたのは……ヴィンセント・マクファーレン教授。
灰色の外套をまとい、博識な教授というより、信仰に憑かれた預言者のように見えた。
「エターナル・オーブ……それを持たぬ者に、ボヘミア王家への扉は開かぬ。それはボヘミアの血に選ばれた者、すなわち“我らの中で真に高貴なる者”にしか相応しくない」
「“血”の話はもうたくさんだ、教授」
リードは低く言った。
だがマクファーレンは歩みを止めず、まっすぐリードを見据えた。
「探偵。本物のオーブを隠したのが誰かは、君が一番よく知っているはずだ」
モリーが鋭く言葉を挟む。
「それなら、それを使ってあなたは何をするの? またロンドンの貧しい人々を恐怖で支配するつもり?」
マクファーレンの目が細くなる。だが怒りは見せない。ただ、穏やかに言った。
「君たちが見ているのは“過去”だ。だが我々は“未来”を見ているのだ。選ばれし血統による、新たな支配の時代――その鍵が“エターナル・オーブ”だ」
リードは一歩前に出た。
「仮に俺が本物の隠し場所を知っていたとしても、お前のような人間には渡さない。“選ばれた”と信じて暴走するような者にはな」 - 164◆YAChL6C6So25/06/03(火) 18:19:23
- 165二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 18:24:12
リードとマクファーレンの銃撃戦の末 ふとマクファーレンは気付く
…一緒にいたというモリーと呼ばれた少女はどこだ? - 166二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 18:45:11
リードは教授に銃口を向け 情報を聞き出そうとする
教授は動じない - 167二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 18:51:46
- 168◆YAChL6C6So25/06/03(火) 19:11:10
- 169◆YAChL6C6So25/06/03(火) 19:15:46
火が燃えさかる祭壇の前で、銃声が鋭く鳴り響いた。
「下がれ、モリー!」
リードが叫ぶと同時に、マクファーレン教授の拳銃が石の柱を抉った。
石片が飛び散り、リードは身を翻して背後の石像の影に飛び込む。
「君も、私の目的を理解できたはずだ、リード!」
マクファーレンの声が洞窟に反響する。
「君は“選ばれた民”の知性の証明だ! 君が力を貸せば――」
「その“選ばれた”って言葉が、何人を殺したんだ! 」
再び、銃声。二発。
リードの放った弾はマクファーレンの外套の肩をかすめ、男の身体がよろめいた。
「――あの娘は、どこに行った?」
血を滲ませたマクファーレンが呻き、目を走らせた。
だがモリーの姿はすでになかった。 - 170◆YAChL6C6So25/06/03(火) 19:16:22
モリーは身をかがめながら、灌木の間を抜けて馬車へと走った。
「御者さん、警察へ!急いで!」
「……ど、どちらの警察で?」
「とにかく近くの都市まで!誰か!誰か呼んで!」
馬の鞭が打たれ、車輪が軋みを上げながら回り出す。
モリーは胸元を押さえ、ただ一言――
「リードさん、無事でいて……」 - 171◆YAChL6C6So25/06/03(火) 19:17:18
一方、ロンドン・スコットランドヤード。
「この“青い液体”の特性と、未解決事件との関連性は科学的に十分立証可能だ」
ブレイクは部下たちに向かって、資料をばさりと置いた。
「これは“意図的な殺人”に該当する。――ここに、マクファーレン教授、別名“ファーナム教授”に対する正式な逮捕状を申請する」
部屋がどよめく。
「奴はもう国外に出ているという話もありますが……」
「出ていたとしても、証拠と状況は揃っている。国際指名手配も視野に入れて動け。あとは……」
彼は窓の外を睨むように見つめた。
「リードがボヘミアで奴を押さえてくれることを祈るしかない」
───
そろそろクライマックスかな?
次 >>174 まででダイス
- 172二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 19:56:47
教授が自身の正当性を主張しながらリードを圧倒
理解しようとしないリードに失望しとどめを刺そうとするが…失敗する - 173二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 19:58:46
マクファーレンが外の異変に気付いた瞬間 リードは捨て身で突撃し マクファーレンを拘束する
- 174二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 20:08:19
- 175◆YAChL6C6So25/06/03(火) 20:34:46
- 176◆YAChL6C6So25/06/03(火) 20:45:52
焦げた硝煙の匂いがまだ空気に残っていた。
リードとマクファーレンは、崩れた石の祭壇を挟み、互いに銃を構えたまま睨み合う。
互いに弾は一発ずつ。
「君は、まだ分かっていないようだな……リード探偵」
マクファーレンの声は静かだったが、その瞳の奥に燃える熱は狂信と確信の入り混じる深淵のようだった。
「私の母は、ボヘミア王ルドルフ三世の側室だ。私には王家の血が流れている――それが証明された今、私は正当にこの国の未来を導く権利があるのだ。知性と秩序のもとに」
リードは黙って銃口を動かさず、静かにマクファーレンを見ていた。
「今の貴族政治と腐敗した官僚どもに任せておけば、ボヘミアもロンドンと同じ腐臭にまみれる。私が外交顧問となり、実権を握る。正義の支配だ」
「“正義”を語る者ほど、ろくでもない手段を取るものだ」
リードの声は低く、迷いがなかった。 - 177◆YAChL6C6So25/06/03(火) 20:46:46
「お前のやってきたことは、貧民を毒で試し、情報を捏造し、殺しを命じ、国を操ろうとした……。王の血だか何だか知らないが、君に王冠は似合わない」
その瞬間、マクファーレンの表情が崩れた。怒りではない。――失望だった。
「やはり……理解は及ばなかったか。ならば、君の頭では…」
パンッ!
鋭い銃声が洞窟に響き渡る。マクファーレンが撃った――だが、弾はリードの左側をかすめて石壁に消えた。
リードは一瞬、撃ち返そうとしたが……その前に、遠くから別の音が聞こえてきた。
「警察だ! 武器を捨てろ!」
洞窟の入り口、モリーの通報で駆けつけた数名の警官がたいまつを掲げ、洞窟内になだれ込んできた。
マクファーレンは、一瞬すべてを悟ったような顔をした。
そして、身を翻して迷宮のような洞窟の奥へと消えていった。 - 178◆YAChL6C6So25/06/03(火) 20:47:16
リードは、肩を押さえながら古修道院の石段に腰を下ろした。モリーが駆け寄ってきた。
「リードさん……!」
「間一髪だったな」
「撃たれたの……?」
「かすっただけさ。奴の命中率は、理想に比べて低かったみたいだな」
警官たちが隊を組み、洞窟の奥へ捜索を続けていく。
しかし、迷路のような分岐と地下水脈に通じる空洞が幾重にも重なり、マクファーレンの行方はついに掴めなかった。 - 179◆YAChL6C6So25/06/03(火) 20:48:26
ロンドン・スコットランドヤード。
ブレイクは報告書に目を通しながら、ふうと深く息を吐いた。
「……やはり、奴は簡単には終わらんか」
机の上には、ブラックウッドの供述、貴族たちの関与資料、そして“エターナル・オーブ”の管理記録が並んでいた。
背後からステファニーが控えめに声をかける。
「追跡を続けるしかないですね」
「ああ。だがその影を、我々が暴く。陽の下に引きずり出す」
ブレイクは目を細め、遠くボヘミアの夜空を想像する。
「リード――無事で戻ってこいよ」
───
とりあえず教授は指名手配にはなりましたね。
次 >>182 まででダイス
- 180二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 01:44:14
聞き込みをする
- 181二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 03:06:29
無人島に逃げる
- 182二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 03:07:00
女装して生活する
- 183二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 07:35:39
ブラックウッドに尋問する
- 184二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 07:47:08
聖域を調べていると ある物を発見する
- 185◆YAChL6C6So25/06/04(水) 10:55:08
- 186◆YAChL6C6So25/06/04(水) 11:02:47
ロンドン・スコットランドヤード。
鈍く光る取調室のランプの下で、セバスチャン・ブラックウッドは相変わらず落ち着き払った様子で椅子に座っていた。
ブレイク警部は腕を組み、しばらく彼を無言で睨んでいた。
が、その沈黙を先に破ったのはブラックウッドの方だった。
「……警部、そんな目で睨んでも“荷”はもうこの国にはない。マクファーレンが、聖なる地に持ち出した」
「“荷”……?」
ブレイクは声を低くして問う。
「ボヘミア王家の証。印章と血統を示す遺物……マクファーレンの母親が持ち出したものだ」
「つまり、あの男の王位継承を裏付ける証拠か」
「いや、それだけじゃない。あの地では“血統”そのものが儀式の媒体となる。オーブは取引の材料にすぎん。マクファーレンは……王ではなく“存在そのもの”になろうとしている」
「貴族たちもそれを知っていて協力していたのか?」
「一部はな……だが大半は、自分たちの立場が保てるならと盲目的に従っただけだ」
ブレイクの拳が机を打つ。
「“荷”がないとなると――あの男は、儀式の段階に進んでいるということか……!」 - 187◆YAChL6C6So25/06/04(水) 11:03:38
ボヘミア公国・“聖なる炎の聖域”地下洞窟。
たいまつの火が壁を照らすたび、苔むした石と崩れたアーチの陰が伸び縮みする。
モリーが警官に手伝われながら、何かを引き出していた。
「リードさん、これ……古い書簡の束みたい」
リードは膝をつき、慎重に一通の書簡を開いた。ボヘミア語で記されたその筆跡は、かすれていたが――内容は驚くべきものだった。
「……“王家を支える修道会『ルミナ・フィデイ』は、選ばれし者を導く。証を持つ者が現れしとき、炎の洞窟にて祝福を与える”」
「『ルミナ・フィデイ』……?」
モリーが眉をひそめる。
「ボヘミアでも古い伝承の中にだけ出てくる集団だ。多くは神話のように扱われているが……。これは、その協力者が単なる学者や貴族ではなく、宗教的信仰集団であることを示している」
「つまり、マクファーレンはその“修道会”にオーブと“王家の証”を渡し、儀式を成し遂げようとしてる……?」
リードは頷いた。
「今の問題は、その“ルミナ・フィデイ”がどこにいるか、だな」
ちょうどそのとき、ボヘミア警察の一人が小走りでリードたちに駆け寄ってきた。
「探偵殿、これを――洞窟の南端の裂け目で見つけました」 - 188◆YAChL6C6So25/06/04(水) 11:05:06
差し出されたのは、小さな木製の護符と日記のような書簡だった。
護符には、焚かれた聖火の意匠と、古い修道会の印が刻まれている。
リードはページを繰り、読み進める。
「……“導きの星は常に東にあり。神託はカロウの渓谷にて下る”」
「カロウの渓谷……?」モリーが小声で繰り返す。
リードは静かに頷いた。
「この近くの渓谷地帯にある、修道士の巡礼地だ。今では忘れ去られているが……奴らが身を隠すには、人の目が届かないあの場所が最適だろう」
───
AIがまた新しい集団を生成しました。
次 >>191 まででダイス
- 189二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 12:25:53
カロウの渓谷やその周辺について情報を集める
行方不明者が出ているようだ - 190二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 12:29:05
まだだまだ終わらんよ
警官の一人がルミナ・フィディの一員だった
彼の手引きによってオーブを狙った襲撃が起きる - 191二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 12:40:27
- 192◆YAChL6C6So25/06/04(水) 12:58:57
- 193◆YAChL6C6So25/06/04(水) 13:04:19
リードとモリーは、カロウの渓谷に最も近いロジツェの町にに到着していた。
宿屋の一室。地図と手記、警察資料が机の上に散らばっている。
「この三か月で、渓谷近くの巡礼路で行方不明になった者は五人。うち三人は地元の農夫、残る二人は旅の修道士。共通点は……」
リードが資料を指差す。
「夜に“聖域を超えてはいけない”という警告を無視して進んでいたことね」
モリーが応じる。
「この“聖域”というのが鍵だ。カロウの渓谷には、昔から“光の修道会”がいたとされる。だが数百年前、突然消息を絶った。ルミナ・フィディ……それが彼らの名だったのだろう」
「そして、マクファーレンはそこへ辿り着いた……」
リードは黙って頷いた。彼の視線は地図の一角――渓谷の北端に記された“星見の塔”という地名にとまっていた。 - 194◆YAChL6C6So25/06/04(水) 13:07:50
月光が射し込む高窓から、静かな光が降り注いでいた。
かつて修道士たちが天体を観測していたという塔の下に、現在は“ルミナ・フィディ”の者たちが身を潜めていた。
荘厳な石造りの聖堂の奥、マクファーレンはフード付きの修道士たちに向き合っていた。
「我が血は王家の証。印章と共にここにある」
そう言って、彼は革の鞄から二つの物を取り出した。
一つは精緻な銀の印章。もう一つは、ボヘミア王家の封蝋。
「これらは私の手でロンドンから運ばれ、ボヘミアの大地に還った。次は、エターナル・オーブ。そして、儀式だ」
「……王として立つ覚悟はあるのか?」
深い声で問うたのは、ルミナ・フィディの長老と思しき男だった。
「私は、ボヘミアの平和と未来のためにこそ立つつもりだ」
マクファーレンの声は澄んでいたが、奥底に計算の色を隠しきれていなかった。 - 195◆YAChL6C6So25/06/04(水) 13:08:08
「外交顧問の地位を手に入れた暁には、修道会の地を保護地区とし、信仰の自由を保証する。そのために、私の即位は不可欠なのだ」
修道士たちは互いに視線を交わし、長老がゆっくりと頷いた。
「良いだろう。だが、儀式にはエターナル・オーブが必要だ。それは“目覚めた者”――つまり、お前の血が呼び覚まさねばならぬ」
「それがどういう意味か、私は承知している」
マクファーレンは小さく笑みを浮かべ、封蝋と印章を再び布に包んだ。
───
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- 196二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 17:36:45
オーブを鑑識に回す
あることに対してオーブは奇妙な反応を示した - 197二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 17:40:58
- 198二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 17:45:43
- 199◆YAChL6C6So25/06/04(水) 17:52:28
- 200二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 17:57:14
このレスは削除されています
- 201◆YAChL6C6So25/06/04(水) 17:57:34
ロンドン・イブニング・ヘラルド編集部。
夜の帳が下り、他の記者たちが帰宅し始めた中、ステファニーは一人、古びた資料庫の奥で埃まみれの箱を開いていた。
編集長――ローレンス氏の言葉が、頭の中で何度も繰り返される。
「君が入社する前、一度だけ“教授”と“儀式”に触れた者を取材したことがある。だが、彼はほどなくして消えた。いや、消されたのかもしれない。私はその記録を封印した」
鍵付きの書庫。記録保管用の“没ネタ”箱の底。
彼女は、黒革の表紙に金文字で「B.M.ノート」とだけ記された薄い手帳を見つけた。
その中には、一人のジャーナリスト――ブライアン・モートン――の調査記録が綴られていた。彼は十年以上前、ボヘミアを旅していたという。 - 202◆YAChL6C6So25/06/04(水) 17:58:12
「ボヘミア西部にて、“火を操る修道会”の噂。光と影、二つの儀式があると地元民。片方は“目覚め”、片方は“選定”と呼ばれる……」
「謎の英国人学者、名は明かさず。“血の正統性”を口にする。おそらく亡命貴族か」
「王家の印章に酷似した意匠を持つ器具。撮影禁止。帰国後、編集部にて再検証予定」
(ここで筆跡が乱れはじめる)
「私をつけている者がいる。何者かは不明。儀式に近づきすぎたのか」
「帰国後、記録を封印する必要あり。だが、この真実は誰かが必ず――」
最後のページは破り取られていた。 - 203◆YAChL6C6So25/06/04(水) 17:59:20
「……確かに、彼の失踪は謎のままだった」
ローレンス編集長は、手帳を見ながら深いため息をついた。
「ブライアンは……優秀な記者だった。だが、何かに怯えていたよ。最後に会ったときには“自分が狙われている”と、震えていた」
「この“英国人学者”って……おそらく、マクファーレンですよね」
ステファニーの声は冷静だったが、瞳の奥には火が宿っていた。
「そして、“目覚め”と“選定”。彼は今、“選定”の儀式を行おうとしている……」
ローレンスはうなずき、机の引き出しから一枚の地図を取り出した。
「これは彼が残していった複写の一部だ。“星見の塔”。場所の特定はできなかったが……」
ステファニーはその地図を握りしめた。 - 204◆YAChL6C6So25/06/04(水) 18:00:15
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- 205二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 18:22:07
となるとブレイクに星見の塔の情報与えたいな
休憩中のブレイクは ふと妻が生前“星見の塔”に興味を抱いていたことを思い出す
その後 休憩終わりにステファニーが訪れ 情報共有する - 206二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 18:29:33
マクファーレン視点
修道士たちが慌ただしい
何かトラブルがあったようだ - 207二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 18:30:48
- 208◆YAChL6C6So25/06/04(水) 18:37:45
- 209◆YAChL6C6So25/06/04(水) 18:43:19
ロンドン、深夜二時。
霧が漂うスコットランドヤードの倉庫街に、不意に警報が鳴り響いた。
その音に、深夜警備の隊員たちが慌てて銃を手に走り出す。だが、倉庫番号19──エターナル・オーブが保管されている区画の扉は、すでにこじ開けられていた。
「侵入者だ!正面からじゃない、屋根を破っている!」
駆けつけたブレイクは現場の異様な光景に目を細めた。オーブの収蔵ケースは破壊されていないが、明らかに“中身を知っている者”の犯行であった。外部からの一斉突入、だが、なぜ警備がほぼ同時に撹乱されていたのか?
「……内通者がいるな」
ブレイクは低く呟いた。
副官のウィルソンが困惑した顔で言う。
「ですが、内部は選りすぐりの隊員ばかりで──」
「その“選りすぐり”の中に、奴らが手を回していないと断言できるか?」
ブレイクは手帳を取り出し、警備体制と直近の交代記録を洗い直すよう命じた。 - 210◆YAChL6C6So25/06/04(水) 18:46:44
そのころ、ボヘミア公国・ロジツェの宿にて。
リードはランプの火を絞りながら、ステファニーから届いた手紙に目を通していた。慎重な筆跡で綴られた文には、幾つかの重大な情報が書かれていた。
《マクファーレン教授の「青い液体」は、生物組織に異常な加熱反応を引き起こす特性がある。…ロンドンで起きた“蒼き血の夜”事件──未解決とされたが、あれこそが試験段階の液体による犠牲だと思われる。ブレイク警部補はその科学的根拠を整理し、法科学と証言を組み合わせて、教授の逮捕状を取得した。》
また、手紙の最後には、ステファニーがヘラルド紙の古い記者の話に触れていた。
《私の前任の記者が、“教授”、“儀式”、“星見の塔”について調べていたが、ある日、取材から戻らなかった。死体は発見されたが、内臓が高熱で変質していた。警察は事故と断定したが……教授の液体による殺人だと思う》
リードは目を細めた。
ステファニーが掴んだ情報は確かに重い。マクファーレンは、儀式に必要な象徴的道具だけではなく、「恐怖」や「威力」としての“火”も備えようとしていた。
「青い液体も、オーブも、印章も……すべては、“彼が選ばれた者だ”と証明するための演出なのか」
「でも、彼がやろうとしているのは、ただの“劇”じゃないわ。実際に人が死ぬ」
リードは静かに頷いた。そして言った。
「カロウの渓谷へ向かおう。ステファニーの言葉は、行き先を示している。星見の塔に、すべてが集まっている」
___
次の展開 >>213 まででダイス
- 211二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 19:06:24
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- 212二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 19:07:49
今日までの日々を回想するマクファーレン
ふと気付く 修道士たちが慌ただしい - 213二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 19:08:53
- 214二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 19:09:57
渓谷に辿り着いたリードたちは怪しい影を見つける
- 215◆YAChL6C6So25/06/04(水) 19:57:27
- 216◆YAChL6C6So25/06/04(水) 20:19:10
カロウの渓谷。
朝もやの中、切り立った岩山に囲まれたその土地は、まるでこの世から切り離された別天地のように静まり返っていた。
リードは崖の縁で足を止め、手にした双眼鏡をのぞき込んだ。
「……いた。あれを見ろ、モリー」
モリーも身を寄せて双眼鏡を受け取る。
遥か下方、谷の奥にぽつりと見える黒い衣の集団──彼らは岩陰から岩陰へと慎重に身を移しながら、渓谷の中心へと向かっていた。全身を覆う修道服のフードの下、顔は見えない。しかしその動きには、何かを“守っている者”のような迷いのなさと目的の確かさがあった。
「ルミナ・フィディ……間違いないわね。」
「やはり、“星見の塔”はこの渓谷の奥だ」
リードは岩壁に身を寄せ、地図を取り出す。
かつてこの一帯はボヘミア王家の巡礼地とされ、限られた修道会のみが立ち入りを許されていた。封鎖されてから久しく、政府の地図にも載っていない小道や洞窟がある。 - 217◆YAChL6C6So25/06/04(水) 20:20:23
「この道……ここを通っていけば、彼らの進行方向を先回りできるかもしれない」
モリーが頷いた。
「マクファーレンももうすぐ来るのかな?」
「いや、奴はもう中にいる可能性が高い。オーブをまだ手にしていないとしても、彼は儀式の準備を進めているだろう。あとは……観衆だ」
「観衆……?」
「彼はボヘミア王家の正統な後継者として、民に示すつもりなんだ。自らが火を操る者、“聖なる者”であると」
ふと、そのとき、渓谷の奥から微かな鐘の音が響いた。
重く、低く、くぐもったその音は、明らかに人工的なものだった。
「鐘……修道院のもの? それとも──」
「星見の塔だ。奴らはもう始めている」
リードは双眼鏡をしまい、拳銃をベルトに差し直す。
「行こう、モリー。時がない」
そして二人は、霧の中へと静かに姿を消していった。
───
次の安価 >>220 まででダイス
- 218二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 20:30:16
塔に忍び込むリードたち
息を潜め移動する途中で修道士たちの会話を耳にする - 219二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 20:33:23
オーブを待つマクファーレンたち
一方その頃ロンドンでは ブレイクたちによって内通者は炙り出された - 220二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 20:38:34
- 221そろそろ規制されそう25/06/04(水) 21:44:11
さて
- 222二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 00:56:01
はて
- 223二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 07:29:54
ageる
- 224◆YAChL6C6So25/06/05(木) 10:03:15
- 225◆YAChL6C6So25/06/05(木) 10:36:33
石造りの通路を、リードとモリーは忍び足で進んでいた。風が吹き抜ける音と、どこからか響く祈祷のような声が、冷たい石壁に反響している。
「……ここが、星見の塔……」
モリーが呟いた。塔の内部は複雑に入り組んでおり、祭壇の間、天文観測室、修道士たちの寝所などが分岐する迷路のような構造になっている。
リードは耳を澄ませ、気配を探る。
やがて、近くの石壁越しに誰かの声が聞こえてきた。
「……まだ来ておらぬ。オーブが」
「本当に渡すつもりがあるのか? あの“教授”とやらは、あまりにも我らを信用していないように見える」
「我らがいなければ儀式はできぬのだぞ。ルミナ・フィディを軽んじているのか?」
その声は低く、怒気を含んでいた。
「彼の血統が本物であろうと、我らの火なしには王にはなれぬ。オーブが来なければ、儀式はただの劇だ」
会話はやがて遠ざかり、修道士たちは別の廊下へと去っていった。
リードとモリーは壁の陰からそっと顔を出した。 - 226◆YAChL6C6So25/06/05(木) 10:38:55
「……どう思う、モリー?」
「エターナル・オーブが来ないせいで、奴らの信頼に綻びができてるわね。なんなら、マクファーレンにはオーブを渡すつもりなんて初めからないのかも」
「つまり、奴らは一枚岩じゃない」
「それなら、揺さぶる余地があるってこと?」
リードは小さく頷いた。
「その通りだ。このまま深入りしても危険だ。今は塔の構造と、奴らの不和を確認できただけでも十分な収穫だ」
彼らは身を翻し、来た道を戻る。
だが、星見の塔の中で確実に生まれ始めた亀裂──その存在は、これからの戦いに大きな意味を持つはずだった。
───
次 >>229 まででダイス
- 227二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 12:25:09
一方ロンドン
ブレイクたちが内通者を特定する - 228二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 12:27:53
オーブの件で言い争いを始める教授と修道士たち
そこに奇襲をかける - 229二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 12:30:58
- 230◆YAChL6C6So25/06/05(木) 13:12:07
- 231◆YAChL6C6So25/06/05(木) 13:36:49
深夜の空気は冷たく、星々が澄んだ黒に瞬いていた。塔の内部、円形ホールでは修道士たちが集められていた。だが、その空気はどこか緊迫していた。
「話が違うではないか、教授」
重たい声を発したのは、修道士のひとり、老いた司典ザイラーである。
「儀式に必要な品は三つ──そのうち最後のひとつ、オーブが未だ届いていない」
マクファーレンは黒い外套をまとい、相変わらず冷静な口調で答えた。
「焦ることはない、修道士殿。オーブはスコットランドヤードの倉庫に眠っているが、中に私の“理解者”がいる。ほどなく搬出され、ここへ運ばれる手筈だ。」
「だが、その“ほどなく”が何日も続いている!」
若い修道士が声を荒げる。
「我々を愚弄するのか? 儀式を侮るのか? あなたの血が本物だとしても、我らルミナ・フィディを軽んじれば──」
「──私を脅すつもりか?」
マクファーレンの声は、ぞっとするほど静かだった。
「私が何のために、命を賭してここまで来たと思っている? ボヘミア王家の封蝋、血統の印章、そしてオーブ。私は三つすべてを揃え、正当なる後継者として、ボヘミアの未来を変える。それは君たちの悲願でもあるはずだ、違うか?」
修道士たちは沈黙した。しかしその空気に和解の兆しはなく、疑念と怒気が渦巻いていた。
──そのときだった。 - 232◆YAChL6C6So25/06/05(木) 13:38:00
「警察だ! 武器を捨てて両手を挙げろ!」
塔の南側の扉が爆音とともに破られ、複数の男たちが雪崩れ込んできた。
先頭には、コートに身を包んだ男──リードの姿があった。
「塔を包囲した。逃げ場はないぞ!」
「何っ……!? 裏切ったか、誰かが裏切ったのか!」
修道士の一人が叫び、マクファーレンは怒号と共に身を翻した。
銃声が塔内に轟き、火を灯していたかがり火が暴風に煽られたように揺れ動く。
ルミナ・フィディの修道士たちは杖を武器に応戦するが、鍛えられたボヘミア警察部隊の銃撃に押され始めていた。
マクファーレンはホールの裏手に走ると、古文書庫の奥にある秘密通路へと身を投じた。
それに気づいたリードが叫ぶ。
「教授が逃げるぞ! 裏手を回れ!」
───
次で決着つくか?
>>235 まででダイス
- 233二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 17:31:18
これ以上は…
憤慨しながらも逃走しようとする教授
モリーの頭上からの奇襲により拘束される - 234二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 17:34:27
修道士たちの呪詛を聞きながら 自分の野望が潰えたことを悟るマクファーレン
それでも逃亡しようとするが… - 235二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 17:37:54
- 236◆YAChL6C6So25/06/05(木) 18:09:45
- 237◆YAChL6C6So25/06/05(木) 18:15:04
石畳の冷たい床を、マクファーレンのブーツが激しく打つ音が響く。塔の裏手から続く細い回廊に灯りはなく、わずかな月光と、彼が懐から取り出したランタンの明かりだけが足元を照らしていた。
「…こんな形で終わるわけにはいかん……!」
息を切らしながらも、マクファーレンの目はなおも燃えていた。彼の脳裏には、儀式の成功によって彼の名が歴史に刻まれる未来が焼き付いていた──ボヘミアの外交顧問、いや、それ以上の地位すら視野に入る未来が。
「貴様には、分かるまい……この血の意味が……!」
すぐ後ろで、足音が響いた。リードだった。
「リード探偵……しつこい男だ……!」
彼は後ろを振り返り、拳銃を構えようとした。だが── - 238◆YAChL6C6So25/06/05(木) 18:15:31
「ここよ!」
その声は、彼の真上から降ってきた。
次の瞬間、モリーが石の梁の上から飛び降り、マクファーレンの肩に体当たりした。二人はもんどり打って床に倒れ、マクファーレンの手から拳銃が滑り落ちる。
「ぐっ……何を──」
起き上がろうとしたマクファーレンの背に、冷たい鉄の銃口が突きつけられる。リードだった。
「終わりだ、教授。今度こそ逃がさない。」
マクファーレンは地面に顔を伏せたまま、悔しげに拳を握りしめる。
「私がやろうとしたのは、ただ……正統を取り戻すことだった……!」
「それが、殺人と偽装に値する正統だとは思えない。」
リードの言葉に、マクファーレンはもう何も言わなかった。 - 239◆YAChL6C6So25/06/05(木) 18:16:06
マクファーレン教授の逮捕は、ボヘミア公国とロンドン双方で大きな報道となった。星見の塔で押収された書類、封蝋、印章──そして教授の証言をもとに、ついにヤード内部に潜んでいた内通者の身元も明らかになった。
その男は高位の警部補で、長年マクファーレンに利益を与えられ、動かされていたという。
ブレイクはその報告書を机に置き、ふっと長いため息をついた。
「この国の闇は、思った以上に根が深いな……」
隣で資料をまとめていたステファニーが、ふと微笑む。
「でも、少なくとも“教授”はもう表舞台には戻れません。火も──消えました。」
窓の外では、春の柔らかな光がロンドンの街を包み始めていた。 - 240二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 18:24:08
これで終わりですかね
- 241二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 20:45:35
あとはエピローグかな
- 242◆YAChL6C6So25/06/05(木) 20:48:53
スレ主的には綺麗に終わったと思うので、これで終了です。
ここまでご覧いただきありがとうございました! - 243二次元好きの匿名さん25/06/05(木) 20:51:23
乙