- 1二次元好きの匿名さん25/05/31(土) 23:41:21
「31日は絶対朝早くに来るんだよ?宇沢にバレないように準備しないと」
「わかってるって、お誕生日パーティーの準備ってもう会場の準備だけよね?」
「そう。あとは宇沢にスイーツ買ってくることね。」
杏山カズサに会いに行こうとしたらたまたまそういうスイーツ部のみんなの会話を聞いちゃって、私のために誕生日パーティーを開いてくれるんですか!?とすっごく嬉しくなるんだけど、同時にその話を誕生日の前に知っちゃったことに申し訳なさとか勿体無さとかを感じちゃうんだよね。
複雑な気持ちでそのまま自警団の仕事をしに行こうとするんだけど、1人で広い道を歩いているとだんだん嬉しさより申し訳なさが勝ってきて、当日はどんな反応すればいいんだろう、素直に楽しめるのかな…とか、そういうことで頭がいっぱいになっちゃうんだよね。
お家に着いて、あのことは忘れよう!と思っても、どう頑張ってもじわじわ頭の中が誕生日のことで埋まってきちゃって。それでダメだダメだと忘れようとするうちにふと、楽しみだった誕生日の事が頭から必死に追い出したい事になっちゃった、っていう事がなんだかとっても寂しく、悲しくなってきちゃうんだよね。
あの会話を聞く前、本当に数秒前までは「誕生日は何をしよう」とか楽しい、ワクワクするような事で頭をいっぱいにできて、何もないのにドキドキしちゃうほど楽しかったのに。と思いながらベッドに潜る宇沢レイサ15歳。
結局誕生日当日は心配なんて杞憂で、放課後スイーツ部のみんなからいっぱいお祝いしてもらってスズミや先生からもプレゼントを貰い、最高に幸せな1日にできたということをまだ宇沢は知らなかったんだよね。