【ホラー注意】廃病院ぶっ壊しに行こうぜ!【5:00】

  • 1スレ主25/06/01(日) 09:24:01

    ────目が覚めたら、そこは廃病院の入口だった。

    「行くか、アイツらを探しに」

    「待っててね、レオ。必ず助けるから」

    「取り込まれてバケモンになってんじゃねーだろうな」

    「可能性としては有り得るな。バケモンでもサッカー出来ればそれでいいか」

    「全然良くないんだよなー笑」

    時計の針が刻むのは、“時間”ではなく、“精神の崩壊”。…いや、この物語では“廃病院の崩壊”が正しいだろう。

    なぜなら、目に見えないものが、確かにこちらを見ていても、それを叩き潰すのが彼らの役割だからだ。

  • 2スレ主25/06/01(日) 09:24:31

    このスレは、ブルーロックの登場人物による探索型ホラーSSです。

    舞台は“廃病院”。以前ここにやってきた潔世一、烏旅人、御影玲王、二子一揮は、廃病院に取り込まれてしまいます。

    そこで4人を救出するためにやってきたのが千切豹馬、凪誠士郎、糸師凛、糸師冴。彼らの逆襲劇が始まります。

    ※「時計の針が進むたびに、俺たちは壊れていく」のifルートになります。こちらをお読みいただいた後の方が、より物語が楽しめると思います。

  • 3スレ主25/06/01(日) 09:24:58

    ※プレイヤーの選択(安価)、運命(ダイス)によって、ストーリーの進行・視点が変化します。

    ※選択肢次第で“発狂”“精神崩壊”“絆”に分岐するかもしれません。

    ※正気度(SAN値)管理あり。

  • 4スレ主25/06/01(日) 09:26:10
  • 5スレ主25/06/01(日) 09:27:27

    ■キャラヘイトを目的とするものではありません

    ■キャラsage、腐発言、アンチコメはお控えください

    ■荒らしはスルーします

    ■ゆっくり進行ご容赦ください(平日は仕事の都合上、特に進行が遅くなります)

    ■感想、質問、イラスト等頂けるとスレ主が大変喜びます

    ■広域ホスト規制に巻き込まれがちです。保守して頂けると幸いです(23時~8時は特に)

  • 6スレ主25/06/01(日) 09:28:33

    【登場人物紹介】


    千切 豹馬(ちぎり ひょうま)/初期SAN値:22→19

    マイペースでよく笑い、よく叫ぶスピードスター。
    突飛な出来事に驚きつつも、誰よりも仲間を信じている。4人の奪還のために全力を尽くす、熱き疾風。

    「13:00遊園地ホラー」のクリア経験者。
    「廃病院ホラー」にも登場。精神に“ある記憶”が刻まれている。


    ■固有能力

    【光刃の脚】怪異の行動を先読みし、自動回避と自動反撃を行う(2回まで・回避ターンで攻撃可能)
    【絆の加速】戦闘時、追加攻撃し、+1のダメージを与える(2回まで)
    【共鳴の記憶】遊園地ホラークリア特典。SAN値減少イベントを1回自動回避できる
    【疾風の破片】遊園地ホラークリア特典。罠や影の追跡から仲間を救出できる(2回まで・味方1名の回避失敗を自動成功に変換する)


    ■初期装備

    ・かりんとう饅頭×4:SAN値+4回復

    「オーブンで焼いて食べたいけど、廃病院にはそんなもんないから我慢する」

  • 7スレ主25/06/01(日) 09:29:30

    凪 誠士郎(なぎ せいしろう)/初期SAN値:25→21

    マイペースでルーズ、何事にも「面倒くさい」が口癖。怪異にも無表情で動じず、声すらあげない超然プレイヤー。御影玲王を救うため、「頑張りまーす」と静かに決意を燃やす。

    「廃病院ホラー」にも登場。


    ■固有能力

    【夢境感知】見えない怪異の存在を探知し、戦闘開始前に怪異に先制攻撃を与える。その後、通常通り戦闘行動に参加可能(3回まで)
    【無意識の庇い】仲間の失敗を肩代わりし、かつ自身のSAN値減少を無効化することができる(3回まで・なにかに突き動かされた感覚だけが残る)


    ■初期装備

    ・レモンティー×4:SAN値+4回復

    「え、全部俺のだけど。まあ、どうしてもっていうならあげてもいいよ」

  • 8二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 09:30:45

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  • 9スレ主25/06/01(日) 09:31:40

    糸師 凛(いとし りん)/初期SAN値:24→18

    高圧的かつ超エゴイスト、口も態度もとにかく強気。ホラー好きで、廃病院の突入にも密かにワクワクしている。兄にはなぜか強く出られず、ちょっとだけ不器用。

    「13:00遊園地ホラー」のクリア経験者。
    「廃病院ホラー」にも登場。精神に“ある記憶”が刻まれている。


    ■固有能力

    【百鬼夜行】戦闘イベント時、怪異の行動を3ターン封じ、攻撃に専念することができる(持ち越し可能)
    【記憶の盾】自分と味方全員のSAN値減少を1回ずつ無効化できる(重複不可)
    【共鳴の記憶】遊園地ホラークリア特典。SAN値減少イベントを1回自動回避できる
    【記憶のページ】遊園地ホラークリア特典。“消されかけた記憶”や“不自然な空間”を感知し、1度だけ探索を自動成功にすることができる
    【記憶の継承者たち】 遊園地ホラーペア特典。1度だけ“忘れられた者”に対し、言葉だけで道を開くことができる(怪異の脅威を無効化し、部屋から自動脱出可能・A-7通路最終戦、地下最終戦を除く)


    ■初期装備

    ・鯛茶漬け×4:SAN値+4回復

    「お湯なら持ってきた。実際にホラーやりながら好物食える機会なんざ、そうそうねーだろ」

  • 10スレ主25/06/01(日) 09:32:38

    糸師 冴(いとし さえ)/初期SAN値:23→19

    冷静かつ天然、日本の至宝と呼ばれる実力者。口が悪いが的確に褒めるタイプで、弟の態度は「反抗期」で片付ける。驚いた時は小さく反応、目を見開くのが最大のリアクション。

    「13:00遊園地ホラー」のクリア経験者。
    「廃病院ホラー」にも登場。精神に“ある記憶”が刻まれている。


    ■固有能力

    【断罪の策略】戦闘において、+1ダメージを与え、且つ敵の攻撃を1回無効化できる(1ダメージは常に継続)
    【最適解】自分または味方1人の失敗判定を再試行できる(1部屋1回まで)
    【共鳴の記憶】遊園地ホラークリア特典。SAN値減少イベントを1回自動回避できる
    【白き空間の鍵】遊園地ホラークリア特典。他人の精神領域に1回だけ“干渉”して引き戻すことができる(精神異常発生時、精神を安定させることが可能)
    【記憶の継承者たち】 遊園地ホラーペア特典。1度だけ“忘れられた者”に対し、言葉だけで道を開くことができる(怪異の脅威を無効化し、部屋から自動脱出可能・A-7通路最終戦、地下最終戦を除く)


    ■初期装備

    ・塩こぶ茶×4:SAN値+4回復

    「お湯は凛が持ってきた。飲んでみろ、落ち着くぞ」

  • 11スレ主25/06/01(日) 09:40:07

    扉を開けた瞬間、空気がねじれた。

    薬品と──それに混じる、
    濃く鉄の匂いを含んだ異臭。

    鼻の奥を焼くような刺激が、一気に4人を襲う。


    千切「うっ……くさ……っ!」

    凛「薬だけじゃないな……これ、血……?」


    中は縦に細長い構造だった。

    中央には、銀色に曇った金属台が一直線に並べられている。そこには点滴液のパックや機材が無造作に積まれており、何本かのチューブはまだ“液体”を含んでいるようだった。


    凪「全部、調整中……ってことかな。でも……動いてない。もう誰も使ってないのに、液だけが減ってるの、変じゃない?」

    冴「“誰か”が使ってた、って考える方が自然だな」

  • 12スレ主25/06/01(日) 09:41:25

    壁際には、いくつもの冷蔵ストッカーが並び、旧式の注射器がガラス皿に山積みになっていた。その隣には記録用のファイルボードが、乱雑に立てかけられている。古い紙には、黒ずんだインクの滲みと、誰かの筆跡がかすかに残っていた。


    だが──

    最も異様だったのは、その奥。
    部屋の右奥、照明の届かぬ“死角”に近い一角。

    そこには、使用済みの点滴パックが、
    何十枚と山積みにされていた。
    赤く濁った液の残るものも多く、誰かが集めて“隠した”かのような、不自然な固まり。


    凛「……あれ、動いたか?」

    冴「いや、光の反射かもしれ──」


    その時、パックの山の底で何かが“蠢いた”。
    ぬるりと、わずかに盛り上がるように。


    千切「っ……動いた、絶対動いたって……!」

    凪「……いるね、ここも。たぶん」


    空気は、再び異常な重みに変わっていく。
    この部屋も、“何か”が残されていた場所だった。

  • 13スレ主25/06/01(日) 09:46:01

    【点滴調整室エリア】


    ①冷蔵ストッカー内部
    薬品や資料が封入された保冷棚。開けるには少し時間がかかる構造(異常発生リスクあり(中))

    ②点滴廃棄物の山
    無数の空パックの底に、何かが埋まっているように見える(異常発生リスクあり(小))

    ③記録ファイルボード
    職員用の記録台帳が乱雑に束ねられている。内容によっては病院の方針・研究目的が判明する可能性あり

    ④奥の実験台の下
    使用済み器具と薬品瓶が散乱。ガラスの破片が床一面に広がっている

  • 14スレ主25/06/01(日) 09:50:47

    千切「じゃあ、俺はこっちのファイル見てみる!……病院の記録とか、何かわかるかもしれないし!」

    部屋の中央から少し離れた棚に向かって、
    千切は勢いよく踏み出す。
    ③ファイルボードの山は、
    今にも崩れそうに揺れていた。


    凛「俺は……あの点滴の山、気になってんだよな。何か、いるかもしれねぇけど──それも確かめなきゃだし」

    軽く肩を回しながら、
    凛は②使用済みパックの山へと歩み寄っていく。
    わずかに液体が染みた床を踏む音が、
    やけに大きく響いた。


    凪「俺は……奥、かな。ガラス、割れてるし気をつけるけど、たぶん……薬とか残ってる」

    凪はしゃがみながら、
    ④実験台の隙間へと身を滑らせていく。
    凪の足元には、薬瓶と破片がまばらに転がっていた。

  • 15スレ主25/06/01(日) 09:51:14

    冴「……じゃあ俺は、ストッカーだな」

    ①壁際に並んだ冷蔵ユニットの前で、
    冴は軽く呼気を整えた。
    古びたロックを指で押し上げ、
    慎重に内部を探ろうとする。


    冴「時間がかかりそうだ。中、厄介な構造してる」

    凛「まあ、いつものことだ。気をつけて、兄ちゃん」

    冴「お前もな、足元──気を抜くな」

    千切「じゃ、始めるか!」

    凪「うん……レオ、見てて」


    4人の視線が、各々の調査対象に向けられた──

    点滴調整室、その全貌がいま、明らかになろうとしていた。

  • 16スレ主25/06/01(日) 10:03:52

    【点滴調整室探索:①冷蔵ストッカー内部・糸師冴】

    【探索開始】5:00


    金属製の冷蔵ストッカーは、
    どれも長年の使用で表面がくすんでいた。

    鍵は壊れているが、扉の合わせ目には古いガーゼが詰められており、無理に開けようとすれば騒音が出そうな構造だった。


    冴「……この手の冷却保存は、“一時保管”が多い。何かしら残ってるかもな」

    呟きながら、
    冴は一番奥のストッカーの取っ手に手をかけた。

    内側のパッキンが劣化しているのか、
    引き出すたびにギィ……と低く重たい音が響く。


    冷気と共に立ちのぼる、
    薬品とも腐敗ともつかないにおい。

    扉の隙間から、ラベルの剥がれた薬瓶、封のされた袋、小さな書類綴りらしきものがいくつか見える。

  • 17スレ主25/06/01(日) 10:04:54

    冴「なるほど。散らかってはないが……意図的に分類はされてないな」


    冴は一枚ずつ、内容物の状態と残留物を確認しながら慎重に取り出していく。


    その動きには、

    まるで本職のような手慣れた所作すら漂っていた。



    冴「中が一段だけ深い……底がある」


    わずかに力をこめて最下段に手を伸ばす。


    その指先が、ぬるりと冷たい“何か”に触れた──



    異常発生リスクあり(中)

    dice1d100=31 (31)

    (1〜30:大失敗 31〜65:失敗)

    (66〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+15加算)

  • 18スレ主25/06/01(日) 10:13:46

    【探索失敗】5:00
    【SAN値-1:19→18/精神異常発生(戦闘時-5)】


    ──その瞬間。

    「ざぁあっ……」

    耳元に、風でも機械音でもない“ノイズ”が走った。空気が凍りつくような錯覚とともに、
    視界が強制的に「別の場所」へ切り替わる。


    冴「──ッ!」

    目の前が暗転したわけではない。
    だが、まるで眼球の内側に直接映像が“貼りつけ”られたような感覚。

    見た覚えのない手術台。冷却ホース。
    ひしゃげた人形のような何かが……
    凍りついた視線でこちらを見ていた。


    冴「……っ、うそだろ」

    頭が痛む。吐き気を伴うような圧迫感。
    思考の端を、知らない誰かの感情が侵食してくる。

    冷蔵ストッカーはもう“手”ではなく、
    “脳”を捕まえにきていた。

  • 19スレ主25/06/01(日) 10:14:25

    冴「……クソッ、離せ……!」

    力任せに腕を引き抜き、
    後退るようにして保冷庫から離れる。
    だが、数秒前に見た映像の断片が、こ
    びりついたように離れない。

    冴は額を押さえながら、声を押し殺すように呟いた。


    冴「……最下段、なんかあった。けど……これ、触っちゃいけねえやつだった」

    冴の視線は虚ろに彷徨い、
    完全には今ここに“戻ってきていない”。

    今はただ、冷たい金属の感触が皮膚の奥にこびりついている──そんな感覚だけが残っていた。

  • 20スレ主25/06/01(日) 10:20:35

    【点滴調整室探索:②点滴廃棄物の山・糸師凛】
    【探索開始】5:00


    部屋の隅。そこには、使い終えた点滴パックが無造作に積まれていた。

    明らかに清掃や廃棄処理がされていないまま、
    重なり、潰れ、変形し、そして何より──
    どこか湿っている音を発していた。


    凛「……見た目からしてロクでもないな、ここ」

    一歩踏み込むたび、足元がぐしゃりと鈍く潰れた。

    踏んだ感触のほとんどはビニール素材のはずなのに、それ以上に何かが混ざっている感覚。
    血か、薬液か、それとも──。


    凛「……あー、クソみてえに嫌な感じだな」

    そう文句を言いながらも、凛はぐいと膝を折り、
    廃棄物の中に手を差し入れる。

    パックの山の底、見えない部分で、
    確かに“何か”が動いた気配を感じたからだ。

  • 21スレ主25/06/01(日) 10:21:13

    凛「おい、これ……絶対なんかいるだろ……」


    その表情にあるのは、嫌悪よりも──

    本気の警戒心だった。


    これまでとは違う。

    気配が、空気が、ささやかながら確かに「ヤバい」と告げていた。



    凛「……来いよ。どうせ触るんだろ、俺が」


    じわり、と手を伸ばす。

    その奥に何があるかはわからない。


    だが、“掴む”までは引かない。

    それが、糸師凛だった。



    異常発生リスクあり(小)

    dice1d100=83 (83)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+15加算)

  • 22スレ主25/06/01(日) 10:22:31

    (成功続きで最適解の存在忘れてました…、あとで上手く調整します!)

  • 23二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 11:31:52

    糸師兄弟のSANが心配だな……

  • 24スレ主25/06/01(日) 11:51:41

    >>23 戦闘前に回復アイテム使いますね!(ついでに千切にも!)

  • 25スレ主25/06/01(日) 12:29:54

    【探索成功】5:00


    そして──その手が、何かに触れた。

    ぬめるようなパックの山をかき分けた先に、
    医療タグが巻きついた古い記録ファイルがある。

    だがそれを引き抜こうとした刹那、
    凛の背筋を何かが撫でた。


    凛「……ッ、なんかいるな、奥に。まだ動いてる感じがする」

    それでも凛は、ためらわずに引き抜く。
    そこには、“新たな被験体”の記録が残されていた。


    ■観察記録:F-04(通称:笑わない群れ)

    『複数体で行動するが、常に沈黙。表情は笑顔で固定されている』

    『“笑いかけられる”と、強い不快感と錯覚症状(幻聴・多重映像)が発生。接触で錯乱が進行する』


    凛「……こいつら、喋らねえのに“笑う”のか。性悪な集団ってことかよ」

    ファイルをポーチに押し込みながら、小さく息を吐く。

    何かが背後を通ったような気配を振り払うように、もう一度、凛は自分の足元を確認した。

  • 26スレ主25/06/01(日) 12:34:14

    【点滴調整室探索:③記録ファイルボード・千切豹馬】
    【探索開始】5:00


    壁際、ほこりをかぶった台の上に、
    何束ものファイルが雑多に積まれている。

    紙は焼けたように黄ばみ、インクのにじみもひどい。
    だが、その中には──明らかに最近開かれた形跡のある記録束が、ひとつだけ。


    千切「……ここ、だな。案外、重要なのが置かれてたりして」

    言いながら、千切はファイル束に近づいた。

    機材の隙間をすり抜けるように、
    軽やかな足取りで移動する。

    束ねていたゴムは風化して切れており、
    紙の端が散らばっていた。

    その一部には、黒く太字で「調整報告」
    「症例転記」の文字が見える。

  • 27スレ主25/06/01(日) 12:35:06

    千切「うわ、字……きったな……。読めるのか?これ……」


    苦笑しつつも、

    その手はしっかりと資料の中心部に向けられていた。


    背筋を丸め、視線を落とす。


    異臭の中、千切は指先で、

    一枚一枚を慎重にめくっていく──。



    dice1d100=79 (79)

    (1〜25:大失敗 26〜50:失敗)

    (51〜75:成功 76〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+15加算)

  • 28スレ主25/06/01(日) 13:00:48

    【探索大成功】5:00


    異臭の漂う空間に眉を寄せながらも、
    千切の指先は止まらない。

    ——そして、数枚目をめくった時だった。

    ページの間に挟まれていた、
    やけに硬質な“何か”が手のひらに触れる。

    それは紙とは違う感触。
    かすかに湿り気の残る、
    透明なパウチ状のパッケージだった。


    千切「ん……?これ……なんか入ってる?」

    指でそっと引き抜くと、淡く青緑色に光る液体の詰まった小型アンプルが現れた。

    封は未開封で、手書きのラベルが貼られている。


    《S-05安定処置用》

    その横には「短期精神安定化用(予備配布分)」と、小さく殴り書きが添えられていた。

  • 29スレ主25/06/01(日) 13:01:50

    千切「“予備”って書いてあるけど……使えんのか?ま、取っとくに越したことはないか」

    そう呟きながら、
    千切はそれを慎重にポーチへとしまう。

    書類の中にもう手がかりはなさそうだと判断し、
    背を伸ばして軽く伸びをする。


    千切「……ったく。あの棚よりマシだけど、鼻が終わる……。ってか俺、鼻いいんだっての……」

    ぶつぶつと文句を言いながらも、
    手にした成果にわずかに満足したように、
    千切は最後に一瞥をファイルボードへ送り、
    その場を後にした。


    ■入手アイテム入手
    ・《S-05安定処置用》×1:SAN値+3回復

  • 30スレ主25/06/01(日) 13:05:23

    【点滴調整室探索:④奥の実験台の下・凪誠士郎】

    【探索開始】5:00



    金属の脚を軋ませながら、

    実験台の下にしゃがみ込んだ凪。


    床には複数の器具が散乱していた。


    ガラス瓶、注射器、錆びた器具……

    そのすべてが時間の止まったままのように、冷たく沈黙している。



    凪「……めんどくさくはない、けどさ……ここ、ちょっと嫌な感じするね」


    呟く声も、自然と低くなる。


    天井の照明は奥まで届いていない。

    実験台の下は、明確に“影”を含んでいた。


    しゃがみ込んだ姿勢のまま、凪は無言でガラス片を避けながら、ゆっくりと奥へ手を伸ばす。


    そこに、何かがある──

    その直感だけを頼りに、静かに探索を開始した。



    dice1d100=76 (76)

    (1〜25:大失敗 26〜50:失敗)

    (51〜75:成功 76〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+15加算)

  • 31二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 13:08:05

    探索強いね~
    安心感がダンチ

  • 32スレ主25/06/01(日) 13:10:46

    >>31 ここまで来ると怖いですね…笑

  • 33スレ主25/06/01(日) 13:14:01

    【探索大成功】5:00


    凪の指先が触れたのは、ガラス片でも金属でもない、何か柔らかな物体だった。


    凪「布……いや、包み?」

    慎重に引き寄せ、
    凪はそれを実験台の外へ引き出した。

    古びた白布に丁寧にくるまれていたのは、
    小さな金属製の円盤。
    触れるとひやりと冷たいが、
    中心には青く光る波紋のような紋様が浮かんでいた。


    凪「……なんか、反応してるね。これ、ただの装飾品じゃないかも」

    布をもう一度めくると、下からは似た構造の、
    黒い逆三角形の小さなタグが現れた。
    こちらは、表面に無数の微細なパターンが刻まれている。


    凪「2つとも、持っとくか。……役に立つなら、それでいいし」


    ■入手アイテム
    ・《ヴェイガーズ・タグ》×1:SAN値減少を1回無効化
    ・《アニムス・プレート》×1:SAN値減少を1回無効化

  • 34スレ主25/06/01(日) 13:24:11

    点滴調整室。

    重く淀んだ空気の中、
    4人は各々の成果を口にしていく。


    千切「なーんか良さげなの見つけたぜ!」

    手にしていたのは、
    小型パウチのアンプル──《S-05安定処置用》。

    青緑がかった薬液が封入されたそれは、
    医療用としてきちんと管理されていた形跡がある。

    千切は得意げに笑いながらも、
    冴の顔色を気にしてそっと視線を送った。


    凛「こっちは……“この部屋のやつ”について、だな」

    凛が手にしていたのは、一枚の記録紙。


    凛「ずっとニコニコしてんのに……声も出さない。気持ち悪いってレベルじゃねえ」

    そう言いながら、記録紙をポーチへと収める。

  • 35スレ主25/06/01(日) 13:26:07

    凪「俺は、たぶん……“護符”みたいなやつ。二つ」

    凪が取り出したのは、
    文様が脈打つように光る金属板とタグ。

    《ヴェイガーズ・タグ》《アニムス・プレート》。
    どちらも、精神に作用する何かを遮断する効果があると見られる。


    そして。

    冴「…………また、やられたな」

    声は静かだが、どこか鈍く、
    焦点の定まらない気配が滲んでいる。

    冴の左手は微かに震えており、ストッカーから戻ってきた際の足取りは僅かにふらついていた。

    目元の冷静さは健在だが、
    その奥に潜む違和感は、仲間たちも感じ取っていた。


    凛「兄ちゃん、ちょっと……ヤバい感じか?」

    千切「無理すんなよ、冴」

    だが、冴はわずかに首を振る。

  • 36スレ主25/06/01(日) 13:28:19

    冴「……いや。まだ奥がある。冷えてる底、感触が変だった。もう一度……確認してくる」


    凪「……見えない何かが引っかかってるなら、触って確かめるしかないしね」



    ──冴の固有能力【最適解】発動。


    冷蔵ストッカー内部探索、再試行。



    冴は再び、ストッカーの前へ。

    わずかに目を伏せたその横顔へ、どこか張り詰めていた。


    冴「……底が深いな。最下段……手を入れる」


    小さくつぶやく。

    だが、冴の思考はまだどこか曇っている。

    先ほど触れた“感触”が脳裏で歪んで、まともな判断を妨げているような──それでも、冴は指先を伸ばす。



    冴「……今度は……はっきり……掴む」


    その手は、冷え切った空間の奥深くへ。

    精神が揺らぐ中で、冴は“必要なもの”を見逃さないために、再び──探る。



    dice1d100=12 (12)

    (1〜30:大失敗 31〜65:失敗)

    (66〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+25加算)

  • 37スレ主25/06/01(日) 13:34:44

    【再試行失敗】5:00
    【大成功特典+20使用により、失敗へ変換】
    【再試行且つ失敗:今回SAN値減少等なし】


    ──冷たい。

    指先に感じるのは、
    ただひたすらに“無機質”な冷たさ。
    ガラスや金属の硬質な手触りはある。
    だが、先ほどのようなぬめりや異物感は──ない。


    冴「……いや、違う……もう少し……」

    目を細めて、手探りを続ける。
    その動作には焦りはない。
    ただ静かに、感覚を頼りに中を探る。

    だが──何も、ない。

    ほんの僅かな段差をなぞっても、隙間をなぞっても、引っかかるものは見当たらない。
    深い、冷たい、静かな空洞だけが広がっている。

  • 38スレ主25/06/01(日) 13:35:23

    冴「……」

    しばらくそのまま固まっていたが、
    やがて冴は手を引き、
    無言でストッカーの扉を閉じた。


    凛「兄ちゃん……?」

    冴「……何もなかった。ただの……底だ」

    それだけを告げ、
    肩からかかる疲労感を無理やり飲み込むように、
    背筋を伸ばした。

    どこかにあるはずの“見逃した何か”は、
    今回はただ静かに、その姿を隠したまま。


    冴はそれ以上、何も言わなかった。

  • 39スレ主25/06/01(日) 13:42:53

    探索を終えた千切が、
    少しだけ疲れた様子で壁にもたれかかる。

    異臭の残る部屋に、
    ひときわ小さく、カプセルの音が響いた。


    凛「赤が……、千切、……無理すんな」

    そう言って凛が手渡したのは、
    蒼白の光を宿す丸いカプセル──《ラストリウム》。

    千切はそれを受け取り、苦笑しながら頷いた。


    千切「……へへ、ありがとな。ちょっと助かる」

    パキッという音と共に、口元へと運ばれたそれは、
    すぐに喉の奥へと消えていく。
    かすかな甘みが、緊張で張り詰めていた感覚を緩やかに解いていった。


    凛はさらに、冴を見やり、
    そして自分のポーチからアンプルを2本──
    《Type-S安定処置用》を取り出した。

  • 40スレ主25/06/01(日) 13:43:44

    凛「兄ちゃん、使って。……あと、俺も」

    冴「……お前が言うと、断れねぇな」

    片方を冴へ、もう片方を自分の腕へ。

    シュッと音を立てて刺した針から、
    冷たい薬液が血流に溶けていく。


    凛「……はぁ、少しはマシになった」

    冴「効いてる。けど……頭のノイズは残ったまま、か」

    肩をすくめるように呟く冴の目元には、
    まだ微かに苦悶の影が残る。


    最後に、冴はポーチの中から、
    慎重に《遮断注射》を取り出す。


    冴「……次、来たら。今度はこいつで防げる」

    封のままの透明な注射器が、
    ひときわ冷たく、鋭い光を反射した。

    慎重にポケットへと収めると、
    冴は一息、静かに吐き出した。

  • 41二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 13:45:01

    千切の名前を呼んだ...!2人を思いやった...!感慨深い凛ちゃん!!

  • 42スレ主25/06/01(日) 13:48:47

    >>41 凛ちゃんはこの廃病院で成長してます…!(原作とは違いますが、こういうのもきっとアリなはずです!)

  • 43スレ主25/06/01(日) 13:53:59

    探索が終わった点滴調整室の空気は、
    言いようのない“重さ”を帯び始めていた。

    薬品と血の混じった匂いに、別の“気配”が混じる。
    誰もがそれを察して、沈黙する。


    カタリ、と。
    中央の金属製の点滴台が、
    誰の手も触れずに揺れた。


    冴「……出るな、また」

    冴が奥を睨みつける。
    冴の視線の先──使用済みの点滴パックの山、
    その底から、何かが這い上がってくる。


    ぐしゃり、という音がした。


    最初に現れたのは“顔”。
    人間に酷似している──が、その表情は……笑っていた。

    目が見えないほど細められ、
    口角だけが吊り上がった、まるで仮面のような笑顔。

    その後ろからも、また同じ顔。
    そしてさらに、もう一体。

  • 44スレ主25/06/01(日) 13:56:16

    千切「……おい、増えてないか……?」


    凪「けど……声、出してない」



    凛「──笑ってるのに、黙ってんだよ」


    凛の声には、明確な警戒が滲んでいた。



    だが、その“笑顔”に正面から視線を向けた瞬間──

    耳の奥に、ノイズのような笑い声が響いた気がした。


    一人でも十分に不快だったはずのその存在が、

    いまは“群れ”として、

    無音のまま、静かに近づいてくる。


    冴「……群れてるくせに、喋りも叫びもしない。そういうのが、一番タチわりぃ」



    【点滴調整室】《笑わない群れ:F-04》

    (6回攻撃成功で討伐完了/50以上で攻撃成功)

    千切:dice1d100=72 (72)

    凪:dice1d100=67 (67)

    凛:dice1d100=84 (84)

    冴:dice1d100=51 (51)

    ※F-04の情報入手:+5補正

    ※100特典:+10補正

    ※冴:精神異常発生のため-5

    ※冴:精神異常発生のため固有能力使用不可

  • 45二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 13:58:42

    これ補正と打ち消しあって兄ちゃもセーフ?
    敵強くなってるのにすごいなあ見てて気持ちいい

  • 46スレ主25/06/01(日) 14:03:19

    >>45 兄ちゃもセーフです!探索も戦闘も強い4人…頭が上がりません。

  • 47スレ主25/06/01(日) 14:05:53

    【戦闘開始】5:00


    冴の目が細められ、無言の群れを見据える。
    その笑顔に真正面から向き合っても、
    視線は微動だにしない。


    冴「──黙ってるなら、黙ってろ。こっちは、お前らの顔見るだけでうるせぇんだよ」

    無言のまま近づく個体の足を狙い、
    低い軌道で滑るような蹴りが入る。

    骨が砕けたような音とともに、
    一体のバランスが崩れた。


    凪はまったく表情を変えず、
    ただ群れの中心に向けて片足を上げる。


    凪「……そっちが笑ってるなら、こっちは蹴るだけ、だよね」

    無駄な動きなし。その一撃は、
    無音の笑顔に向けて確実に打ち込まれた。

    薄い頬がひしゃげ、わずかに血が滲む。

  • 48スレ主25/06/01(日) 14:06:53

    千切は、背後からもう一体が回り込んでいるのを察し、笑顔を浮かべながらステップを踏んだ。


    千切「こっちは……笑ってる場合じゃねーんだよ!!」

    瞬間、真横から振り抜いた蹴りが命中。
    無音の怪異が一瞬だけ“揺れた”──
    それでも声はない。


    凛はやや後方から、仲間の動きを睨みつつ、
    冷静にタイミングを見計らう。
    目前の怪異と視線が交錯する。


    凛「……なあ。お前、それ、本当に笑ってんのか?」

    そう呟いた直後、
    凛の蹴りが顎を跳ね上げるように炸裂。

    ひときわ大きくのけ反った個体が、動きを止める。

  • 49スレ主25/06/01(日) 14:08:59

    周囲を囲むように、残存個体が動き出す。


    笑顔のまま、無言で──じわ、じわ、と。


    空気が歪むような“笑い声の幻聴”が、

    耳の奥を這う。


    目の前の個体と、

    ほんの数センチだけ重なる“多重映像”が、

    視界を揺らす。



    【点滴調整室】《笑わない群れ:F-04》

    (2回攻撃成功で討伐完了/50以上で回避成功)

    千切:dice1d100=18 (18)

    凪:dice1d100=31 (31)

    凛:dice1d100=31 (31)

    冴:dice1d100=21 (21)

    ※F-04の情報入手:+5補正

    ※100特典:+10補正

    ※冴:精神異常発生のため-5

    ※冴:精神異常発生のため固有能力使用不可

  • 50スレ主25/06/01(日) 14:11:31

    大事故発生です。

    全員失敗を受け入れるか、凛ちゃんの固有能力(【百鬼夜行】戦闘イベント時、怪異の行動を3ターン封じ、攻撃に専念することができる(持ち越し可能))で動きを封じるか、>>51さんご意見お願いします!

  • 51二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 15:53:12

    1人失敗なら甘んじて受けてもらったかもだけど、全員失敗してるなら固有能力使う価値あるのでは?

  • 52スレ主25/06/01(日) 17:56:35

    >>51 ご意見ありがとうございます!では固有能力使いましょう!

  • 53スレ主25/06/01(日) 18:08:09

    【回避開始】5:00


    笑わない群れの“視線”が、一斉に揃った。

    ──無音。だが、確かに聞こえる。
    耳の奥で、複数の笑い声が反響していた。

    目の前の顔は、どれも同じ──笑顔。
    だが、それは人間のそれではなかった。


    千切「っ……く、そ……」

    凪「……これは、無理」

    冴「……っ……脳が……うるさい」

    4人の意識が、わずかに引き裂かれる。
    視界がぶれ、足元が揺らぎ、幻覚のように“もうひとつの群れ”が広がりはじめた、その時──


    凛「……見せてやるよ、俺の“力”」


    空気が、一変した。

    ドォッと音を立てて吹き上がる闇。
    凛の背後から、無数の目玉と口を持つ黒い影が現れた。

  • 54スレ主25/06/01(日) 18:09:35

    それは怒りを秘めた形をした異形。
    重なり合うように広がり、
    凛の周囲で“何かを見据える”。

    その瞬間──笑わない群れが、足を止めた。
    初めて見せたのは、“動揺”。


    冴「……止まった、……?」

    凪「いや……怯えてる……?」

    群れの表情は、相変わらず笑ったまま。
    だがその全身からは、
    明確な“警戒”の気配が漂っていた。


    凛「……勝手に脳に入ってくんなよ。……俺の方が、よっぽど“化け物”なんだよ」


    【百鬼夜行】──発動。
    怪異《F-04:笑わない群れ》の行動は、
    このターン封じられる。

  • 55スレ主25/06/01(日) 18:12:50

    チャンスは今。

    4人の視線が再び一点に集中する。



    千切「っしゃあ、行くぞ!あと2体……!」


    冴「黙ってるなら、沈んどけ」


    凪「……終わらせようか」


    凛「“笑ってろ”──もう動けねぇうちに、な」



    【点滴調整室】《笑わない群れ:F-04》

    (2回攻撃成功で討伐完了/50以上で攻撃成功)

    千切:dice1d100=14 (14)

    凪:dice1d100=49 (49)

    凛:dice1d100=98 (98)

    冴:dice1d100=52 (52)

    ※F-04の情報入手:+5補正

    ※100特典:+10補正

    ※冴:精神異常発生のため-5

    ※冴:精神異常発生のため固有能力使用不可

  • 56二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 18:14:04

    凛ちゃん怒りのクリティカルで草

  • 57スレ主25/06/01(日) 18:58:07

    >>56 ここでクリティカルはアツいですよね…!

  • 58スレ主25/06/01(日) 19:00:31

    凛ちゃんのクリティカルは、次回戦闘時失敗を成功に変換するということで温存、100特典も使用しなかった(+10しなくても勝てた)ので温存しますね!

  • 59スレ主25/06/01(日) 19:03:06

    【戦闘開始:2回目】5:00


    一気に距離を詰めた千切は、
    横から飛び出すように踏み込んだ。

    一瞬、怪異の“笑顔”が視界いっぱいに広がる──

    千切「……ッ!!」

    その表情に、身体がわずかにすくんだ。

    幻聴のような笑い声が脳を揺らし、千切の一撃は空を切った。

    千切「くっそ……ッ、今の……目が、ズレた……っ!」

    わずかに息を荒げながら、千切は体勢を立て直す。


    だが、その隣から音もなく踏み出したのは凪だった。
    何の感情も見せず、まるで“作業”のように足を振り上げる。

    凪「──消えて」

    凪の蹴りが、静かに、
    正確に怪異の側頭部を撃ち抜いた。

    笑顔は揺らぎ、裂けた口元から黒い液体が零れる。

    ──1体、崩れ落ちた。

  • 60スレ主25/06/01(日) 19:04:28

    視界が揺れる。
    幻聴がまだ、耳の奥でざわついている。

    冴(……うるせぇ……それでも……)

    揺れる意識の中で、それでも足は止まらない。

    残った1体の懐に踏み込み──
    その胴を横一線に蹴り上げた。

    冴「……黙って、沈め」

    確かな手応えとともに、もう1体が吹き飛ぶ。


    残るは、ただ一体。

    凛は足を止めない。

    “奴ら”の群れが最後の一体になっても、
    なお笑顔のままでいることが気に入らなかった。

    凛「……いい加減、黙らせるぞ」

    最後の一撃は、その顔面に向けた膝蹴り。

    笑顔が砕け、仮面のような皮膚がひしゃげる。


    そして──怪異は、完全に沈黙した。

  • 61二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 19:09:17

    まっっって凛ちゃん固有能力使用からのクリティカルがあまりに鮮やかでかっこいい
    最高の見せ場!あっちい!!!!こういうのみたかった!!!

  • 62スレ主25/06/01(日) 20:05:24

    >>61 最高の流れですよね!ダイスの女神、もしかして物語読んでる?と思ってました!

  • 63二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:09:26

    >>62

    全員回避失敗+兄ちゃ精神異常という大ピンチを救う凛ちゃんに大興奮です!!女神ありがとう!!

  • 64スレ主25/06/01(日) 20:29:59

    【戦闘終了】5:00
    【撃破報酬/オーバーキル報酬:取得】


    無音のまま倒れたその体は、崩れるように床へと沈み、点滴パックの山の奥へと消えていった。

    沈黙だけが残され、再び、部屋に静寂が戻る。

    蒸せ返る異臭の中、千切が目を瞬かせた。


    千切「……終わった、よな?これ。俺たち、やった?」

    胸の奥をまだ走る心拍に手を当てながら、
    彼はふと記録台の傍に目を留めた。

    何かが、床に滑り落ちている。

    《マインドクレスト》──鈍い金属の十字型プレート。


    千切「お、おお……これ、誰かが落としたとかじゃないよな?」

    屈み込み、慎重に拾い上げる。

    触れると、ほんのりと暖かい。
    気づけば、胸元がすっと軽くなるような気がした。


    千切「……これ、なんか、落ち着くかも」

  • 65スレ主25/06/01(日) 20:30:55

    一方、凪は冷静にあたりを見渡していた。
    戦いのあとのわずかな違和感を、逃さなかったのだ。


    凪「んー……あれ、さっきはなかったよな」

    薬瓶の裏、
    破れかけたファイルが小さく挟まれている。

    引き抜いた瞬間、その表紙には焼けたような痕跡。

    中身は、手書きで書かれた一文の断片――


    《破れた指令ファイル》

    『B-1病棟:臨床試験第2段階/対象個体:複数精神リンク構築可能体』

    『リンク数:上限解除/職員No.16……適応率上昇中』

    『……対話記録(断片):“……君ハ、戻ル。必ズ──”』


    凪「……なんか、面白いもの拾っちゃったかも」

    苦笑する口元に、わずかに影が差す。

  • 66スレ主25/06/01(日) 20:32:23

    冴は、やや乱れた呼吸を整えながらも立ち上がる。

    精神への負荷はまだ完全には抜けていないが、
    瞳は冴え渡っていた。


    冴「……こっちは、こいつだな」

    足元に、黒革の編み紐が落ちていた。

    拾い上げると、
    その小さな石片は不思議な波紋を放つ。


    冴「……妙なもんだが、悪くはない。俺が預かる」

    その声は静かだが、確かな意志が宿る。


    ■入手アイテム
    ・《マインドクレスト》×1:SAN値減少1回無効化
    ・《破れた指令ファイル》:「B-1病棟の怪異」に対する+5補正(全員)
    ・《レムナント・チャーム》×1:SAN値減少1回無効化

  • 67二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:33:42

    まだ二子の宝石が見つかってないのが心配だな

  • 68スレ主25/06/01(日) 20:42:12

    >>67 上手くいけば次の病棟内で見つかる予定です!ご安心くださいませ。

  • 69スレ主25/06/01(日) 20:46:05

    点滴調整室を後にした4人の前に、
    再び“猫”が姿を現した。

    紫の毛並みに気品を宿した大柄な猫──レオが、
    すっと凪たちの前に現れる。
    そのあとを追うように、黒とダークブルーの猫、
    ヨイチとタビトも現れた。


    凪「レオ、ただいま。無事に帰ってきたよ」

    凪がしゃがみ込むと、レオは一度だけ低く鳴いて、
    それから廊下を振り返る。


    冴「……誘導か」

    小さく呟き、冴が先に歩き出す。

    猫たちは順に振り向き、
    無言のまま静かにその背を導いていく。


    千切「なんか、どんどん変な方向行ってね?」

    そう言いながらも、千切の足取りは止まらない。

    凛「行くしかないだろ。……行かない理由もねえし」

    静かな声に、どこか張り詰めた気配が滲んだ。

  • 70スレ主25/06/01(日) 20:48:19

    通常は使われていない通路。
    その突き当たりに、それはあった。

    そこだけ空気が重く、ひどく静かだった。

    鉄錆の匂い。擦り切れた足跡。
    かすかな呻き声が遠くで反響する気がする。

    ひときわ重厚な“鉄扉”──

    その中央に埋め込まれた、
    擦れかけた赤いプレートが視界に入る。


    『B-1病棟:精神適応観察区画』
    ※許可なき進入は、“再起不能”の恐れあり。


    凛「……わかりやすくヤバいな、ここ」

    冴「まあ、入るけどな」

    さらりと告げた冴の声が、冷たい鉄扉に淡く響いた。

    猫たちはそこで足を止め、無言のまま扉の前に並ぶ。


    レオだけが、もう一度こちらを見た。
    その瞳は、どこか──
    彼らを気にかけているようだった。

  • 71スレ主25/06/01(日) 20:54:24

    凛は自身のポーチから、鍵を取り出す。


    ──《鍵【B-1】の刻印入り》。


    凛「……開けるぞ」

    わずかに息を吐き、鍵を差し込む。


    カチリ。


    冷たい音が、静寂の中に響く。

    続けて、扉全体がゆっくりと“圧力を逃がすような音”を立てて軋み始める。

    金属の質量が、空気ごと周囲を押しのけていく。


    凪「……うわ、今の音、ちょっとダメだったかも。めっちゃ嫌な予感」

    ぽつりと呟いた凪の言葉に、千切が苦笑する。


    千切「それ、今更すぎるだろ……。ここまで来て引き返せるかっての……!」

    冴は何も言わず、
    ゆっくりと目を細めたまま扉の隙間を見つめていた。

  • 72スレ主25/06/01(日) 20:58:10

    重く軋む音を立てて、鉄扉が開いた。

    その先に広がっていたのは、
    “病棟内”ではなく、短い廊下だった。


    空気は冷たいわけではない。湿っている。
    まるで“呼吸を忘れた空間”に足を踏み入れたような、そんな感覚。

    機械音や人の気配は一切ない。

    唯一、耳に届くのは──
    ぽたり、と床に落ちる水音。


    千切「……まだ中じゃないのに、空気がこれって……」

    凛「……音が吸われてる。鼓膜が圧迫される感じがするな」


    壁際はすでに異常だった。
    薄暗い廊下の左右、剥がれかけたメモ用紙が、
    黒インクで無数に貼り付けられている。


    『“もう戻れない”』
    『お前ハ、誰ダ?』
    『“起きたまま、夢ヲ見続ケルナ”』
    『ボクノ体ヲ返シテ……』

  • 73スレ主25/06/01(日) 21:07:15

    冴「……警告、か。あるいは、“自分に向けた問い”か」

    その声に、誰も返せなかった。

    この廊下は、確かに施設の一部のはずなのに──
    どこか、現実とはズレた場所にいるような錯覚があった。


    凪「ねえ。奥の扉……ちょっと、揺れてる」

    視線の先、わずかに開いたその先。

    B-1病棟の内部に続く扉が、
    わずかに揺れ、わずかに軋んだ。

    その音すら、
    まるで遠い場所で鳴っているかのように、
    届いてこない。

    冴「行くぞ。……この廊下に、長く留まるべきじゃない」

  • 74スレ主25/06/01(日) 21:09:03

    不意に──
    天井に取り付けられていた古い監視カメラが、
    かすかに揺れる。

    ギィ……ギィ……と、
    耳に届くか届かないかの摩擦音。
    だがその不気味な動きに、誰も声をあげなかった。


    やがて、猫たちが立ち止まる。

    その視線の先には──1枚の扉。


    『鎮静観察室』


    くすんだ銀色の金属扉。
    プレートにはこう刻まれていた。


    記録用コード:No.7-RK
    精神鎮静補助個体 記録管理室

  • 75スレ主25/06/01(日) 21:09:54

    その中央にだけ、
    異質な“紙片”が1枚だけ貼られている。

    古びたコピー用紙のようなそれは、
    明らかに後付けだった。
    震えるような筆跡で、こう書かれている。


    『まだ、目を開けないで』
    『……見つかる』


    凛「……誰にだよ」

    低く呟いたその声も、空気に飲まれていった。

    冴「見つかる側だった記憶があるんじゃないか、“ここ”の奴らには」

    千切「……なあ凪。怖くないのか?」

    凪「べつに。……見つかっても、逃げればいいだけ」

    その無表情な返答に、千切は思わず小さく笑う。


    そして──

    凛「開けるぞ」

    扉に手がかけられた。

  • 76スレ主25/06/01(日) 21:15:49

    ギィ……と静かに扉が開かれた瞬間、
    4人は息を呑んだ。


    その部屋は──

    部屋全体が、“真っ白”だった。

    床。
    壁。
    天井。
    設置されたベッドに、記録用の台までも。

    すべてが、均一な“無機質な白”に塗り潰されていた。まるで、“ここには何もなかった”と、証明するかのように。

    けれど──

    空気は明らかに“重かった”。

    何もないはずなのに、
    濃密な“不在感”が肌にまとわりつく。

    そこには、“かつて誰かがいた”どころではない、“今もなお在る”という気配が、確かに息を潜めていた。

    部屋の中央。
    ベッドは2つ。

    その片方──白いシーツに、
    人の形に“凹んだ痕”がくっきりと残されている。

  • 77スレ主25/06/01(日) 21:18:10

    千切「……寝てた、のか……?」

    その問いには、誰も答えられなかった。


    点滴スタンドには、
    空になったバッグが3つ、ぶら下がっている。

    天井の四隅には、それぞれ古びた監視カメラが設置されており、微かにレンズが反射していた。

    壁には、指で操作するタイプのスイッチパネル。
    そのすぐ横には、小さな“メモホルダー”──
    観察ログのために設けられた備品。


    冴が、低く呟く。

    冴「完全に、制御と監視の部屋……だな」

  • 78スレ主25/06/01(日) 21:18:45

    その言葉と同時に──


    ピチッ。

    照明が、一瞬だけ明滅した。


    凛「……いま、空気が変わった」

    凪「……重くなった。誰か、起きた?」


    冴は無言で、周囲を見渡す。

    誰も、いない。
    何も、動いていない。


    ──だが。

    “誰か”がまだ、この部屋に“残っている”。

    そんな錯覚だけが、確かに彼らの背を撫でた。

  • 79スレ主25/06/01(日) 21:26:36

    【鎮静観察室エリア】


    ① 白いベッド下
    凹みのあるベッドの下部。血痕のような影が薄く残る(異常発生リスク(小))

    ② 記録台引き出し
    過去のログが残っているかもしれない。鍵はかかっていない。

    ③ 点滴スタンド周辺
    空バッグの中に、何かの異物が混ざっている可能性(異常発生リスク(小))

    ④ モニタースイッチパネル
    操作は可能。録画映像が残っているかもしれない(異常発生リスク(小))

  • 80スレ主25/06/01(日) 21:32:57

    部屋を見渡した4人は、
    それぞれ無言で異なる場所へと視線を送った。


    千切は③点滴スタンドに目を留める。

    千切「……こいつ、バッグの中に何か入ってね?ちょっと調べてくる」


    凛は①ベッドの凹みを見つけ、顔をしかめる。

    凛「……痕、残ってる。……っていうか、血か?……行ってくる」


    凪は何気なく②記録台に手を置き、
    無言で引き出しの方へ目を向ける。

    凪「……鍵なし。なら開けていいってことでしょ。やる」


    冴は壁の④モニタースイッチに手を伸ばし、
    無言で指を止めた。

    冴「ログが残ってるかもしれねぇな。試してみる」


    軽い足音とともに、
    4人はそれぞれの探索場所へ向かって動き出した。

    静けさの中、“何かが動き出す”気配だけを、全員が感じ取っていた。

  • 81スレ主25/06/01(日) 21:37:19

    【鎮静観察室探索:①白いベッド下・糸師凛】
    【探索開始】5:00


    凛「……何か、残ってるかもな」

    白く凹んだベッドの下。
    その隙間に、
    凛は視線を滑り込ませるように身を屈めた。

    ほとんど光の届かない薄暗がりに目を凝らす。
    床との間には、
    黒く薄い影のようなものが広がっていた。


    凛「……血、……いや、乾いてるな、これ」

    染み付いたような影が、不自然に広がっている。

  • 82スレ主25/06/01(日) 21:38:03

    それだけではない。


    “何か”が動いたような痕も、わずかに見えた。


    微かな這い跡のような線。



    凛は、無言でそのまま手を伸ばす。


    その奥にあるものが、“モノ”か“誰か”か──

    それすらも、もう気にしてはいなかった。



    異常発生リスク(小)

    dice1d100=15 (15)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+5加算)

  • 83スレ主25/06/01(日) 21:46:03

    凛が床下へと手を差し入れた、その時だった。

    微かに、ぞわりとした感触が指先に絡んだ。


    凛「──……ッ!」

    無意識に手を引きかける。
    そのわずかな“ためらい”に、後ろから声が届く。


    冴「……凛。もう一回、やってみろ」

    凛「……俺、もしかしてちょっとビビってた?」

    冴「目を見りゃわかる。お前の目、迷ってる時ちょっと睫毛が揺れる」

    凛「観察が細かすぎだろ……」


    冴は少しだけ笑って、肩をすくめた。

    冴「お前ならいけるって思っただけだ」


    凛は短く息を吐き、
    視線をもう一度ベッドの下へ落とす。

  • 84スレ主25/06/01(日) 21:48:37

    ──冴の固有能力【最適解】発動。


    糸師凛の白いベッド下探索、再試行。



    凛「……あーもう、素直に応援されると照れるんだけど……でも、まあ、悪くないな」


    その瞳が、再び真っ直ぐに暗がりを射抜く。



    凛「行くぞ。今度は、“逃げない”」


    その手は、わずかな迷いもなく──

    再び、“何か”を掴みにいった。



    異常発生リスク(小)

    dice1d100=81 (81)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+5加算)

  • 85スレ主25/06/01(日) 21:52:11

    ちょっとごめんなさい、自我が出ます。

    凛ちゃん、兄ちゃの最適解3/3で、全部成功してるの尊くないですかね?糸師兄弟推しとしては、最高の演出なんですよね。兄ちゃにいいとこ見せたいのかな…。

  • 86スレ主25/06/01(日) 22:00:13

    【再試行成功】5:00


    凛はしゃがみ直す。
    白いベッドの下、かすかに残る影のような痕跡をじっと見つめ──ゆっくりと、腕を差し込んだ。

    今度は、その指先が、なにか“硬質な紙”に触れる。


    凛「……あった」

    埃を払い、引き出したそれは、
    一枚のファイルだった。
    所々が焼け焦げているが、内容は読み取れる。


    【最終観察報告書──対象No.16】

    『現時点で、“被験体の意識”はもはや回帰不能』

    『脳波データは、病院システム“中央演算機”とリンクしたまま』

    『この病院の中枢システムは、すでに“彼”の夢に“組み込まれている”』

    『私たちは、いつから“自分の意思で動いていた”のか……』

    『……次に目が覚めたら、“私”はもう、“私じゃない”。』

  • 87スレ主25/06/01(日) 22:01:26

    ──そこには、病院中枢とリンクした“被験体”に関する恐るべき記述が並んでいた。


    凛「夢に……組み込まれてる?」

    声がわずかに震える。
    だが、そのファイルをしっかりと抱えたまま、
    凛は振り返る。


    凛「兄ちゃん、見つけたよ」

    冴は一歩近づき、
    その手元を見下ろしてから、ふっと目を細める。


    冴「……頑張ったな、凛」

    穏やかなその言葉に、凛の眉がかすかに緩んだ。

    けれど、ファイルに残された内容が頭から離れない。


    “──次に目が覚めたら、“私”はもう、“私じゃない”。”


    まるで、“この世界”そのものが、
    誰かの夢の中にあるかのように。

  • 88二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 22:02:04

    探索の成功率少しずつ下がってきたな
    耐えてくれよ……!

  • 89スレ主25/06/01(日) 22:06:05

    >>88 成功時と怪異撃破時に色々アイテム配布してますが、油断はできない状況ですよね。可能な限りアイテムはA-7と地下まで残しておきたいです。途中ボーナス部屋も予定してるので、このまま無事に進んで欲しい限りです。

  • 90スレ主25/06/01(日) 22:08:17

    【鎮静観察室探索:②記録台引き出し・凪誠士郎】【探索開始】5:00



    凪「ん……俺は、ここだっけ」


    無機質な白に囲まれた記録台。

    その引き出しには、錆びた金属製の取っ手がついている。


    凪はしゃがみ込み、そのまま静かに手を伸ばした。


    引き出しに鍵はない。

    けれど、開閉部の縁に何かが詰まっているようで、

    少しだけ力を入れる必要がありそうだった。



    凪「……硬いな。……ったく、こんなのにも体力使うとか」


    口ではぼやきながらも、指先に力を込める。


    記録台の奥からは、紙が擦れ合うかすかな音。


    それはまるで、かつて誰かがここで何かを、

    “必死に書き残した”名残のようで──



    dice1d100=29 (29)

    (1〜25:大失敗 26〜50:失敗)

    (51〜75:成功 76〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+5加算)

  • 91スレ主25/06/01(日) 22:14:22

    【探索失敗】6:00
    【SAN値-1:21→20】


    引き出しの隙間に指をかけた凪は、
    小さく息を吐き、ぐっと力を入れた。


    凪「……っと、開いた」


    だが──


    凪「……え?」

    開いたはずの引き出しの奥。
    その最奥部に、奇妙な“黒いしみ”が広がっていた。

    まるで液体が染み込んだように滲み広がるそれは、
    ただの汚れとは思えなかった。


    凪は少し顔をしかめ、暗がりに目を凝らす。

    その瞬間──
    引き出しの奥で、“ぬちゃ”という湿った音がした。

  • 92スレ主25/06/01(日) 22:15:14

    凪「……っ」

    何かが這いずったような影が、
    一瞬だけ視界の端を横切る。

    気のせいだったのか、
    実際に動いたのかはわからない。

    ただ、凪の背中を、
    冷たい悪寒がゆっくりと這い上がっていった。


    凪「……ちぇっ、くだらね」

    ぶっきらぼうに舌打ちしたものの、
    その手はわずかに震えていた。

  • 93スレ主25/06/01(日) 22:19:43

    【鎮静観察室探索:③点滴スタンド周辺・千切豹馬】【探索開始】6:00


    千切は無言で部屋の奥へと歩を進める。
    足元には、空になった点滴バッグが無造作に落ちていた。


    千切「……ここか」

    吊るされたバッグのいくつかは、すでに色が変わり始めており、経過した時間を物語っている。

    千切は慎重にそのひとつひとつを調べながら、
    スタンドの周辺へと目を走らせた。


    千切「うわ、これ……割れてるな。ガラス……踏んだら終わりだっての」

    小さな声でぼやきながらも、
    千切の目は真剣そのものだった。

    注意深く床を避け、落ちた点滴バッグの中に何か異物が混じっていないか確認していく。

  • 94スレ主25/06/01(日) 22:20:38

    その手が、濁った液体の残るバッグに触れようとしたその時──



    かすかに、“コポ……コポ……”という音が、

    耳元で鳴ったような気がした。



    千切「……ん?」


    思わず背後を振り返るも、誰もいない。

    ただ、スタンドのフックがひとつ、わずかに揺れていた。



    千切「……気のせいじゃねーな、これ」


    喉の奥が少し乾くような感覚を覚えながらも、

    千切は探索を続ける。


    それが仲間を守るための一歩だと、

    自分自身に言い聞かせるように。



    異常発生リスク(小)

    dice1d100=1 (1)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+5加算)

  • 95二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 22:22:30

    お嬢!!!

  • 96スレ主25/06/01(日) 22:24:15

    >>95 1…………笑


    1は大失敗(SAN値-2)+行動不能(戦闘不可)になります…

    SAN値減少無効でも防げないので、自動成功アイテムor固有能力使用を推奨します。>>97さんご意見お願いします!

  • 97スレ主25/06/01(日) 22:55:10

    さて、スレ主は寝ます。本日は回避全員失敗、凛ちゃん固有能力使用からのクリティカル、再試行の成功記録更新、千切のまさかの1、色々ありましたね。探索の成功率下がってきてるので、戦闘終了小休憩でババ抜きとかしたいと思います(トランプはどっかから出します)。残りの部屋は多分15…?くらいです!引き続きよろしくお願いします。


    安価変更します>>98 お任せでいい場合はお任せと教えてくださいね~!

  • 98二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 00:47:16

    こんなことってある…?ある意味すごい
    さっき調子良かった分反動が来たのかな
    1はさすがにやばすぎるので自動成功アイテム使いたいな

    今日もお疲れ様でした!
    このメンバー、調子良い時と悪い時の波が激しいので最難関の時に調子良い方の波が来ることを願ってるよー

  • 99二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 02:28:29

    1キッツイな そんなうまくいってばかりじゃないか...がんばれみんな!!

  • 100二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 09:52:11

    ⭐︎

  • 101スレ主25/06/02(月) 10:19:33

    >>98 頑張りすぎたのかもしれませんね…!では自動成功アイテム使いますね!ありがとうございます!ここからが1番調子が良くあって欲しいので、頑張って欲しいですね…!

    >>99 ありがとうございます!なんとか駆け抜けて欲しいですね!

    >>100 保守ありがとうございます!


    おはようございます。本日仕事が忙しいため更新遅くなります、ご了承くださいませ。

  • 102二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 15:51:13

    スレ主お仕事がんば!念のため保守

  • 103スレ主25/06/02(月) 16:48:00

    >>102 保守、応援ありがとうございます!ちょこちょこ更新再開します!

  • 104スレ主25/06/02(月) 16:52:02

    【探索自動成功】5:00
    【《幽寂ノ触媒》──使用】


    千切の指先が、
    点滴スタンドの根元をなぞるように動いていく。
    ガラスの破片を避けながらも、探索は慎重に。

    だが──それらしいものは、どこにも見当たらない。


    千切「……クソ、見落としてるのか」

    吐き出すように呟いた瞬間、
    不意に背後の空気が“震えた”。
    音はないのに、耳の奥にざわりとした違和感が走る。


    そのとき──


    凛「……これ、使え」

    低く静かな声が、あまりにも自然に背後から届く。

    振り返ると、凛が“何か”を手にしていた。

    黒曜石のような器具。
    その中央で、青紫の光が脈打つように明滅している。

  • 105スレ主25/06/02(月) 16:53:19

    千切「……凛……お前……」

    一瞬だけ目を見開くが、すぐに真剣な顔へと戻る。

    迷いなく手を伸ばし、その器具を受け取ると──


    空気が“変わった”。


    視界の端がぐにゃりと歪み、
    点滴スタンドの背後──闇のようなその隙間に、
    “何かが差し込まれている”のが見えた。


    金属の筐体。
    埃を被り、赤黒く変色したラベル。


    ──《記録装置:No.16音声ログ》


    千切「……これか。……何でこんな場所に……」

    拾い上げたそれは、
    どこか湿っているような気がした。

    触れてはいけない“記憶”が、
    内部に詰まっているような重さがあった。

  • 106スレ主25/06/02(月) 16:53:57

    そしてその瞬間、
    天井のカメラが、わずかに“動いた”気がした。


    ──まるで、「誰か」がこのやりとりを“見ている”かのように。


    千切「……凛、ありがとな。助かった。けど──」

    ポーチに記録装置をしまいながら、
    僅かに眉をひそめる。


    千切「……この部屋、やっぱヤバい。気抜くなよ」

    器具から伝わった脈動は、
    今も、指先に残っている気がしていた。

  • 107スレ主25/06/02(月) 17:10:22

    【鎮静観察室探索:④モニタースイッチパネル・糸師冴】
    【探索開始】5:00


    真白な無機質の空間。
    その中にただ一つ、異質な“人工物”──
    壁際の旧型モニタースイッチパネル。

    そこへ、冴は迷いなく歩を進めた。


    冴「……だいぶ、古いな。モニタの形、医療用というより……監視用か」

    言葉とは裏腹に、表情は変わらない。

    戦闘の余韻は確かに残る。
    だが、精神異常による“ノイズ”は、
    すでに払拭されていた。

    ただ、冷静に、そして静かに。
    冴は状況を“解析”しようとしていた。


    パネルの外装には、幾重にも薄い傷。
    ボタンはわずかに変形し、使い込まれた痕跡がある。
    それでも、触れた感触は、想像以上に“新しい”。

  • 108スレ主25/06/02(月) 17:11:06

    冴「……最近、使われた痕跡。指紋の残り方からして、数日は経ってない」


    それはつまり──この部屋に、

    つい最近まで“誰か”がいたということ。


    空気が、ひときわ重くなる。



    ──下手に起動すれば、

    “見てはいけない映像”が流れるかもしれない。


    そう直感しながらも、

    冴はパネルにそっと手をかける。



    冴「……さて、何が映る?」


    その声が消えた瞬間、

    指先が静かにスイッチに触れた──



    異常発生リスク(小)

    dice1d100=9 (9)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+5加算)

  • 109二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 17:16:25

    兄ちゃ!!!!!

  • 110スレ主25/06/02(月) 17:19:52

    >>109 兄ちゃファンブルじゃないので、SAN値減少無効使えます!100特典は温存します(兄ちゃは特に固有能力が強く、ここで精神異常発生は痛いので…)

  • 111スレ主25/06/02(月) 17:21:06

    【探索大失敗】5:00
    【遮断注射使用により、SAN値減少/精神異常無効化成功】


    冴の指が、旧型のスイッチパネルに触れた──
    その瞬間。


    冴「──ッ……!」

    強烈なノイズが脳を貫いた。

    映像は何も映っていないはずのモニタに、
    “何か”が映った。


    正確には、“何も映っていないはずなのに、
    何かを見た気がする”映像。

    ……影か、輪郭か、ノイズの奥に浮かんだのは、
    こちらをじっと見つめる“眼球のような何か”。


    冴の視界が、ノイズ混じりに崩れていく。
    耳鳴り。幻聴。“もう一人の自分”が、
    モニタ越しに笑ったように見えた。

    視界が、ぐらりと傾く──

  • 112スレ主25/06/02(月) 17:23:32

    ──だが。


    冴「……無駄だ」

    低く、冴が呟いた瞬間。

    ポケットの中で《遮断注射》がわずかに振動し、青白い光が弾ける。内部に封じられていた薬液が一瞬で気化し、冴の神経反応に作用した。

    脳を侵食しかけていた“何か”が、
    煙のように霧散する。
    視界は一瞬で安定し、鼓動も収まった。


    冴「──ッ、………ふう」

    無表情のまま、わずかに息を吐く。


    冴「……しかし良くできた薬だな」

    落ち着きを取り戻した彼の視線が、
    再びパネルに向けられる。

    異常は鎮まり、
    しかし、情報の取得には至らなかった。
    今回の探索は、“虚無”に終わる。

  • 113スレ主25/06/02(月) 18:48:52

    冴の探索が終わり、部屋に再び沈黙が戻る。


    その静けさの中で、凛が無言のままポーチを開いた。

    取り出したのは、少しだけ折れ曲がった観察記録用のファイル──その表紙には「最終観察報告書:対象No.16」とだけ記されていた。


    凛「……これ、さっき拾ったやつ」

    そう言って、
    ファイルを一度自分の膝に置き、中を開く。

    ページをめくるたび、記されていたのは、
    ぞっとするような言葉の連なりだった。


    千切「夢……?」

    凛「ああ。夢の中の現実、じゃなくて……“夢が現実を喰ってる”」

    一瞬、誰も言葉を継げなかった。


    凛「そっちは?」

    千切「あ、ああ……これ」

    千切は、探索で拾った《記録装置:No.16音声ログ》を差し出す。
    金属製の筐体には、埃と赤黒く変色したラベルが貼られていた。

  • 114スレ主25/06/02(月) 20:27:35

    千切「……多分、録音が残ってるやつだと思う。再生、できるなら──」

    凪「……やってみれば?」

    頷きながら、千切はゆっくりとボタンを押した。


    【再生開始──記録装置 No.16:音声ログ】


    『……リンクが深すぎる……これは、分離できない……』

    『中央演算機が、自動的に“夢の上書き”を始めた……』

    『No.16──“意識そのもの”が、この病院と融合しようとしている』

    『誰かの夢? 違う……これはもう、“夢が夢を喰らってる”……!』

    『やめろ……!──画面を見るな!』

    『“気づかれる”ぞ──!!』


    凛「……やっぱり、そういうことか」

    凛の瞳が、わずかに細められる。

  • 115スレ主25/06/02(月) 20:28:20

    冴「“気づかれる”……か。じゃあ、どこかに“気づくやつ”がいるってことだな」


    凪「見られたら終わり、ってこと?」

    千切「でも、それって……もうどこにいても、アウトじゃね?」


    冴「……まだだ。今の俺たちは、たぶん“端”を歩いてる。核心は……もっと奥」

    静寂の中に、確かな“境界”の気配があった。


    ──そして、その“奥”へと、
    彼らは踏み込もうとしていた。

  • 116スレ主25/06/02(月) 20:37:20

    突如、部屋の空気が変わる。

    天井の蛍光灯が、わずかに明滅する。

    ピリ……と、
    何かが“ひび割れる”ような音がした次の瞬間──。


    凛「……今、聞こえたか?」

    千切「……っ、あれ──」


    視界の隅。
    “誰か”が、ベッドの上にゆっくりと起き上がるのが見えた。

    包帯に覆われた身体。
    輪郭の曖昧な顔。
    だが──明らかに、今までの怪異とは“何かが違う”。


    冴「……目を、合わせるな。来る」

    凪「……これは……やばい奴だね」


    “それ”は何も言わない。
    だが、その佇まいだけで、脳が警告を鳴らす。

  • 117スレ主25/06/02(月) 20:38:38

    ──言葉を喋らないのに、声が聞こえる。

    ──動いていないのに、“心の中で叫び声が響く”。


    まるで、“誰かの意識”が、

    そのまま形を持って現れたような──異常な存在。



    凛「……ッ、冗談だろ……」


    千切「いや……もう、何でもアリかよ……」



    冴は目を細める。


    冴「……まともな交戦、通じるかはわからねぇが──来るぞ」


    凪「だったら、こっちも全力でやるだけ」



    空気が急速に冷え、視界が揺れる。



    【鎮静観察室】《???:???》

    (4回攻撃成功で討伐完了/55以上で攻撃成功)

    千切:dice1d100=9 (9)

    凪:dice1d100=4 (4)

    凛:dice1d100=66 (66)

    冴:dice1d100=98 (98)

    ※B-1病棟怪異に対する:+5補正

    ※100特典:+5(ダイス値に応じて温存可能)

  • 118二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 20:52:37

    今度はお前か凪!!!

  • 119スレ主25/06/02(月) 20:55:21

    >>118 よく出ますね4…(ちなみに4人全員1回ずつ4出してます)。ファンブルとクリティカル同時に出ると困っちゃうな…上手く調整しますね。

  • 120スレ主25/06/02(月) 20:57:01

    【戦闘開始】5:00
    【凛のクリティカル:千切豹馬を成功に変換】
    【凪のファンブル:SAN値-1処理(20→19)】
    ※冴のクリティカル、100特典は温存


    沈黙。
    何も語らない“それ”が、動いた。

    包帯が擦れ、
    ベッドから落ちるように“異形”が立ち上がる──。


    先に飛び出したのは、千切だった。


    千切「お前みてぇな……意味わかんねぇヤツ相手でも──」

    ギッ、と靴底が床を鳴らす。


    千切「絶対負けらんねえんだよっ!!」


    千切の足が加速する瞬間──
    その背中から、ごくわずかに“黒い影”が吹き上がる。

  • 121スレ主25/06/02(月) 21:00:05

    凛「……1つ、貸したからな」

    その呟きと同時に、
    何かが“千切の動き”を修正したように見えた。

    鋭い蹴りが、怪異の胴を穿つ。

    千切「っしゃあ! いけた……!」


    続いて凛が一歩、前に出る。


    凛「……なんか、ムカつく顔してるな。見えねぇけど」

    薄く笑い──その瞳が、すっと冷える。


    凛「……沈んでろ、化物」

    鋭く踏み込み、
    鋭利な幻影が、包帯の隙間を切り裂いた。


    しかし──その隣で、凪が突然ずるっと転ぶ。


    凪「うわっ……」

    鋼製の床に足を取られた凪は、派手に転倒。

  • 122スレ主25/06/02(月) 21:03:14

    冴「……お前、なにやってんだ」

    凪「うーん、やらかした……いた……」


    転倒の衝撃と同時に、頭の奥がざらりと軋む。
    感情も体温も鈍く、静かに精神が削れた。


    そんな様子を、冴が横目に見やりながら、
    冷えた声で呟いた。


    冴「仕留めるぞ」

    その瞬間、冴の全身から空気が変わった。

    静かに、一歩。
    “断罪”の意志を纏いながら──冴の身体が流れるように動いた。


    冴「そこだ」

    一撃。
    “それ”の動きが僅かに乱れる。

  • 123二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 21:05:17

    やっぱり出目に波があるね
    でもだいたいは誰かが失敗したら誰かが成功してカバーできてる感じだね

  • 124スレ主25/06/02(月) 21:08:06

    【冴の固有能力:断罪の策略──発動】


    冴「……終わりだ」

    無駄のない一閃が、包帯の奥を的確に貫いた。


    “異形”の動きが止まる。

    揺らぎ、軋み、そして──
    崩れるように床に沈んだ。


    空気が、一瞬止まり、
    何かが“霧のように”溶けていく。


    冴「……無事で何より。凪誠士郎、お前は少し反省しろ」

    凪「反省しまーす……」

    小さくうなずく凪を見て、千切がホッと息を吐いた。


    千切「でも、今の冴……マジでかっけーな……」

    凛「まあな」

    冴「なんでお前が自慢げなんだ……」

  • 125スレ主25/06/02(月) 21:09:58

    >>123 上手く助け合いながら進んでいて安心です。協調性があるかないかで言えばなさそう(千切除く)ですが、こういう物語もまた良いですよね。

  • 126スレ主25/06/02(月) 21:19:03

    怪異が崩れるように消えた直後、室内に満ちていた空気の重さが、ほんのわずかに軽くなる。

    千切が真っ直ぐ歩いていき、
    無造作に転がった鉄製の鍵を拾い上げた。

    鍵には古いタグがぶら下がっている。


    千切「“記録保管端末室”か。大層なもの扱ってんだなー」

    細かく確認もせず、ポケットに収める。


    その頃、凛は壁際に落ちていた黒い小型端末に気づく。
    指先で拾い上げると、液晶の一部が点滅を始めた。


    凛「パスコード端末……。これ、情報解析用か?」

    表示される画面には、
    【情報補足機能搭載】とあった。

    凛「……こいつがあれば、断片資料が少しは“読める”ようになるってことか」

    そう呟き、端末を静かに自分のポーチに入れる。

  • 127スレ主25/06/02(月) 21:20:06

    一方、冴はふと、血のにじんだ観察記録の束に混ざっていた小さな缶ケースを見つけた。

    無言で拾い上げ、蓋を開けると──
    中には、奇妙な形状の銀色のチップがひとつ。


    冴「……機械的な癒しってやつか。探索に向いてるな」

    缶を閉じて、懐へ。


    ■入手アイテム
    ・《記録保管端末室の鍵》×1
    ・《アクセスパスコード端末》:情報アイテムと組み合わせて使用することで、“断片的な記録”や“欠落した観察日誌”などを自動解析・補足表示できる。
    ・《シーク・ブレーカー》×1:1度だけ探索失敗(大失敗は除く)を成功に変換可能

  • 128スレ主25/06/02(月) 21:30:47

    戦闘後、再び現れた猫たちは、
    静かに扉の前に立ち止まっていた。

    黒猫──ヨイチがぴたりと千切の足元に寄り添うと、濡れたような瞳を上げる。


    その視線の先には、北側通路の一角。
    分厚い銀灰色の扉が重々しく鎮座していた。

    プレートには、赤錆びた文字でこう記されている。


    『記録保管端末室』

    そこには、かつてこの病院の職員たちが、
    “最終記録”を保管していた。


    冴「……最終記録、か。どれだけ残ってるかは運次第だな」

    凛「見れたとしても、正気でいられる内容かは別問題だ」

    凪「レオたちが案内してくれるなら……中、見てみないとね」

  • 129スレ主25/06/02(月) 21:31:44

    千切がポーチから鍵を取り出し、慎重に差し込む。

    重く、静かに……

    「カチリ」と金属音が響く。


    千切「よし……開いた」

    ゆっくりと、扉を押し開けた──


    その瞬間。

    中からふわりと立ち昇ったのは、
    乾いた紙の匂いと、微かなオゾンの匂い。


    冴「……生きた電源が残ってるかもしれねぇな」

    凛「記録、見れるといいけど。少なくとも“普通じゃない空間”なのは確かだ」


    扉の先には、“記録”が眠る空間。

    4人は静かに、その奥へと足を踏み入れていく──

  • 130スレ主25/06/02(月) 21:34:47

    部屋の扉を越えた瞬間──

    4人の鼻腔を、
    紙と埃の混ざり合った古い匂いが満たした。


    室内は、およそ20畳ほどの広さ。
    だが、広さの割に空気が重く、
    ぴたりと肌に貼りつくような圧迫感がある。

    天井には、一本だけの蛍光灯がぶら下がり──
    チリ……チリ……と不規則な点滅を繰り返していた。
    その光はどこか青白く、まるで“神経を逆撫でするような”冷たさを帯びている。


    そして──

    部屋の中には、
    膝の高さまで積み上がった紙の書類束。
    その合間には、床に投げ出されたファイルケース、口を開けたままのダンボールがいくつも転がっていた。

    壁面の一角には、すでに寿命を迎えたような旧型のログ入力端末が設置されており、コードの先には、接続が切れたままのポートが鈍く光を反射している。

  • 131スレ主25/06/02(月) 21:36:06

    冴がふと、指で棚の縁をなぞる。
    薄く積もった埃が指先にまとわりついた──が。


    冴「……埃の量にしては、紙がずれてるな。誰かが最近、ここに触った」

    記録確認スペース──
    丸椅子と木製の机がひとつ、壁際に設置されていた。

    その椅子の位置、机の上の散らばり方──
    “明らかに途中で中断された作業”の気配がある。


    凛「……最近、誰かここにいた。そんな空気」

    千切「こんなとこ、誰が……」

    凪「誰かじゃない。“まだ”いるかもしれないよ」


    視線を交わしながら、
    4人は静かに奥へと足を踏み入れた。
    紙が擦れる音だけが、足元から小さく鳴る。

  • 132スレ主25/06/02(月) 21:38:55

    【記録保管端末室エリア】


    ① 古びたファイル棚
    引き出しの奥に“署名入りの未登録記録”があるかもしれない(異常発生リスク(小))

    ② ログ端末背面
    機器の裏側に、誰かが“物理メモ”を隠した形跡がある。

    ③ 床に散らばる帳簿束
    医師たちの“日常ログ”が混じっている可能性あり(異常発生リスク(小))

    ④ 記録確認スペース(デスク周辺)
    ライトが点滅している。電源は切れているはずなのに……?(異常発生リスク(小))

  • 133スレ主25/06/02(月) 21:46:13

    チリチリと点滅する蛍光灯の下、
    微かなオゾン臭と紙の埃が混じる空間。

    かつての職員たちが最後に記録を残したその部屋は、まるで時が止まったかのように沈黙していた。


    千切は、①壁際の古びたファイル棚へと視線を向ける。

    千切「こういうとこ、何か隠れてるんだよな。……よし、俺はココにする」

    棚の引き出しに手をかけ、鋭く笑う。


    凛は一度部屋を見回し、点滅するライトの下、
    ④無人のデスクスペースで足を止めた。

    凛「……電源落ちてんだろ?どういうことだよ」

    眉をひそめつつも、
    「一番怪しい場所は、俺がやる」と、
    そのままデスクへと向かう。

  • 134スレ主25/06/02(月) 21:47:01

    凪はといえば、
    ③散らばる帳簿束の山の前でしゃがみ込んでいた。
    乱雑に積まれた記録に、やや気だるげな声を漏らす。

    凪「紙、多すぎ。……でも、なんか混じってそうだね。探すよ」


    冴は黙って②ログ端末の背面へと歩を進めた。
    そこには、明らかに“物理的に外された痕”が残っている。

    冴「誰かが触ってる。──なら、何か隠してるな」

    その目は冷静に、しかし鋭く。


    4人それぞれが探索場所を定め、
    深く沈黙する記録保管端末室に、
    再び“足音”が生まれようとしていた──。

  • 135スレ主25/06/02(月) 22:08:39

    【記録保管端末室探索:①古びたファイル棚・千切豹馬】
    【探索開始】5:00


    古びた引き出しの取っ手に、千切が手をかける。

    その棚は、他の場所よりも古く見えた。
    金属の縁は錆び、引き出しの滑りも悪く、
    僅かに軋む音がする。


    千切「……動き、悪っ……!」

    軽口を叩きながらも、千切の目は真剣だった。

    引き出しの奥を覗き込むと──
    そこには、まるで“何かを意図的に押し込んだ”ような不自然な膨らみが見える。

    棚の中には、散らばった古い紙束。
    記録ファイルの端が黄ばみ、
    いくつかはすでに破れていた。

    埃が舞い上がり、鼻をつく独特の“酸化した紙”の匂いが立ち昇る。

  • 136スレ主25/06/02(月) 22:09:53

    千切「ったく……マジで古すぎだろ……」


    ぼやきながらも、その手は迷わず奥へ──。


    紙束を一枚ずつ丁寧にどけながら、

    引き出しの“底の裏”を探りはじめる。


    その表情には、ただの興味や好奇心ではない、

    確かな“決意”が宿っていた。



    千切「(潔たちを、絶対に取り戻す……)」


    ギリ……と、引き出しの奥に指先がかすかに引っかかった──。



    異常発生リスク(小)

    dice1d100=18 (18)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※100特典:大失敗時、失敗へ変換(または、大成功特典:+5加算)

  • 137スレ主25/06/02(月) 22:17:06

    というわけでスレ主は寝ます。彼らもお疲れのようですね。休憩室使ってもいいんですが、A-7前と地下前まで残しておきたいのが本音です…。
    千切には100特典使って失敗にしておきます。あと本当はすでに6:00なんですが、スレ主変え忘れたまま進めてしまったので、次に6:00にします(-2サービスです)。今日はババ抜きやら考える体力がないので、いずれ実施します。44特典も忘れず対応します…。
    それではおやすみなさいませ。

  • 138二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 02:29:56

    今日もお疲れ様でした
    無理せずスレ主のペースで進めていってくださいね!
    スレ主のおっしゃる通り休憩室はA-7前と地下前に残しておいた方が良いと思います
    お忙しい中更新ありがとうございました
    ゆっくりお休みくださいね!

  • 139スレ主25/06/03(火) 07:14:43

    >>138 ありがとうございます!ここぞと言う時に休憩室は取っておきますね!


    おはようございます。本日も更新頑張りますので、よろしくお願いします。

  • 140スレ主25/06/03(火) 07:20:08

    【探索失敗】6:00
    【100特典:大失敗→失敗に変換】
    【SAN値-1:21→20/精神異常発生(戦闘時-5)】


    ……ギリ。
    引き出しの奥で、指先に何かが引っかかった──

    その瞬間。

    ピタ、と空気が変わった気がした。


    千切「……っ?」

    棚の奥、紙束の裏に隠れていたのは──
    ただの破れた紙切れ。

    だが、指でそれを摘み上げた瞬間、
    ぞわりと、首筋を這うような寒気が襲いかかる。

    何かが……視界の端で、動いたような。


    千切「……うそだろ、今……誰かいなかったか?」

    振り返るが、背後には誰もいない。
    だがそれでも、感じるのだ。

    棚の隙間から覗き込むような、湿った、意識のような、“視線”が、ある。

  • 141スレ主25/06/03(火) 07:41:37

    気づけば、呼吸が早くなっていた。

    掌が、汗ばんでいる。紙の感触が、指に貼りついてくるのが、やけに気持ち悪い。


    千切「くそ……集中しろって……!」

    そう言い聞かせながらも、
    心の奥で、小さく警鐘が鳴っていた。

    ……その声が、次第に、うるさくなる。

    誰も喋っていないのに、“何か”が、頭の中で囁いているような気がする。


    千切「(違う……大丈夫だ。大丈夫……だって、そんなの──)」


    ──ふと、棚の金属面に映る“自分の顔”が、
    一瞬だけ“別人”に見えた。

    その瞬間、千切の中で、何かが微かに“ズレた”。


    千切「ッ──あ、ああ、クソ……っ!」

    歯を食いしばり、意識を戻す。
    だが、その鼓動はすでに乱れていた。

    それは、“精神の軋み”という、静かな異常の始まりだった。

  • 142スレ主25/06/03(火) 10:06:11

    【記録保管端末室探索:②ログ端末背面・糸師冴】
    【探索開始】6:00
     

    ログ端末の背面。

    そこは、誰もが「まず触らない」ような位置だった。

    ケーブルが何本も這い回り、細かな排気口が並び、
    ホコリと静電気の巣になっている。

    壁際に沈むその装置に、冴は静かに近づいた。


    冴「……誰かが、ここに何か残した」

    端末の周囲を一周し、床に屈んだその瞬間。

    配線の間に、わずかな空白があることに気づく。
    そして、そこに“指の跡”のようにわずかに拭われた痕跡──人為的な“空間”が。

  • 143スレ主25/06/03(火) 10:07:13

    冴「……見つけにくくしてんのか、見られたくなかったのか」


    無造作に見えて、明確に隠されていた。


    慎重に指を差し入れ、

    奥の隙間をなぞるように探っていく冴の手元から、

    一瞬、カタ……と、何かが落ちるような乾いた音がした。



    dice1d100=14 (14)

    (1〜25:大失敗 26〜50:失敗)

    (51〜75:成功 76〜100:大成功)

    ※大成功特典:+5

  • 144二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 10:11:12

    大失敗が続く...

  • 145スレ主25/06/03(火) 11:35:35

    【探索大失敗】6:00
    【SAN値-2:20→18】


    冴は、壁に埋め込まれた古いログ端末の背後に目をつけた。

    コード類の配線がむき出しになっている隙間に、
    何か差し込まれたような跡がある。


    冴「……裏に何か、挟まれてたかもな」

    身をかがめ、端末の脇から手を滑り込ませる。
    埃と配線の熱が肌にまとわりつき、
    視界の端で蛍光灯がチカチカと瞬いた。


    ……そのときだった。


    ──パチン。

    何かが“切れた”音。
    直後、冴の指に、冷たい“何か”が巻きつく。


    冴「……ッ!」

    見れば、断線しかけたコードの1本が、いつの間にか手首に絡みついていた。

  • 146スレ主25/06/03(火) 11:36:08

    いや、それだけではない。
    明らかに、コードの端が“自分から”動いていたように──“見えた”。


    冴「……チッ、こんなの、錯覚だろ」

    冷静を装う声とは裏腹に、
    心臓が不規則に脈を打つ。

    視界の奥で、一瞬だけ、端末の画面に“誰かの横顔”が映った気がした。


    ありえない、と理性が言う。

    だが直後、
    冴の背筋を電流のように冷たい悪寒が走る。

    まるで、“そこにいる”と誰かに囁かれたように。

  • 147スレ主25/06/03(火) 11:36:52

    >>144 探索終わったら、各自好物を食べてやる気を出してもらいましょう…。

  • 148スレ主25/06/03(火) 11:49:14

    【記録保管端末室探索:③床に散らばる帳簿束・凪誠士郎】
    【探索開始】6:00


    膝まで積もった書類の山を避けるようにして、
    凪は静かに歩を進めた。

    凪が目をつけたのは、
    床に散乱した無数の帳簿やバインダー。
    表紙の文字は薄れて読み取りづらく、中には“日常記録”と印字された古いタグも混じっていた。


    凪「んー……めんどくさいけど……」

    呟きながらも、腰を落として座り込み、
    ひとつひとつを手に取って確認していく。

    凪の指先が軽くページをめくるたび、
    微かに乾いた音が響いた。


    どこかから、古いカビのような臭いが漂ってくる。

    ──紙に染み込んだ“時間”の気配。
    それは、過去に誰かが確かにこの部屋で「生きていた」証拠だった。

  • 149スレ主25/06/03(火) 11:50:22

    凪「こういうの、レオが得意だったんだけどな……」


    少しだけ、口元に懐かしさを滲ませながらも、

    凪の目は徐々に鋭く、真剣に変わっていく。


    凪の指が触れた一冊、

    その裏表紙に──異質な“色の違い”があった。



    凪「……これ、なんか違うかも」


    ページの奥に手を伸ばそうと、

    凪はゆっくりと身をかがめた──



    異常発生リスク(小)

    dice1d100=89 (89)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※大成功特典:+5

  • 150スレ主25/06/03(火) 12:02:18

    【探索大成功】6:00


    凪はゆっくりとしゃがみ込み、床に広がる紙束の山を眺めた。


    凪「これ……整理すんの、絶対めんどくさいやつじゃん」

    そう呟きつつも、
    指先は静かにファイルの隙間へ差し込まれていく。

    手の甲に埃が積もり、
    紙の感触がひんやりと冷たく肌にまとわりつく。
    その中で──ふと、一冊のログファイルの束が、
    ほかと違う重みを持っているのに気づいた。


    凪「……ん?これ、なんか手書きっぽい……」

    表紙には黒インクで走り書きされた文字。
    中身をめくると、そこには明らかに“職員ではない誰か”の思考が記されていた。


    《メモログ:K-FL端末/No.16の手記抜粋》

    『“B17”の夢は定期的に病院構造を模倣し、そのうち“架空の区画”まで構築し始めた』

    『リンクした私(No.16)は、その構造を“精神記録”として抽出・保存。この病院の深層領域は、既に彼(B17)の“認識”に影響されている』

    『“記録は一部、2階院長室端末”へバックアップ済。鍵コード:─[赤黒く塗り潰されている]』

  • 151スレ主25/06/03(火) 12:03:25

    凪「B17……前に見たやつ、か」

    眉を寄せつつ、さらに下の方を探ると、
    紙束の隙間から硬質な何かが指先に当たる。

    小さな、装飾のない黒い装置──その中央にあるスイッチを押すと、微かな青光が瞬いた。


    凪「これ、アイテムっぽいな……“装置”系って感じ」

    凪は、無言のままそれをポーチにしまい込むと、
    小さく溜息をついた。


    凪「……まあ、使えるんなら、いいけど」


    ■入手アイテム
    ・《リプレクト・コア》:探索時の【大失敗】および【失敗】を1回だけ【自動成功】に変換する。

  • 152スレ主25/06/03(火) 12:11:11

    【記録保管端末室探索:④記録確認スペース(デスク周辺)・糸師凛】

    【探索開始】6:00



    記録保管端末室の隅。点滅する蛍光灯の真下に置かれた、古びたデスクと椅子。


    その天板には、わずかに擦れた指の跡と、剥がれかけたラベルがいくつも貼り付けられていた。


    凛は一瞥をくれただけで、すぐに視線を落とす。



    凛「点滅してるライトに合わせて、ノイズみたいな音……」


    乾いた音を立て、片手で椅子をどかす。

    その奥、引き出しやデスク裏にも視線を巡らせながら、凛は微かに眉をひそめた。



    凛「……気配が違う。さっきまでの部屋とは……なんか、ズレてる」


    静かに息を整え、

    凛は指先で、記録スペースの奥へと手を伸ばした。


    その手が触れるのは──この病院に刻まれた、“記録されるはずのなかった何か”かもしれない。



    異常発生リスク(小)

    dice1d100=2 (2)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※大成功特典:+10

  • 153二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 13:27:00

    凪よくやった大成功!って思ったら凛ちゃん!?

  • 154二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 13:29:25

    このレスは削除されています

  • 155スレ主25/06/03(火) 13:31:03

    >>153 最適解…!ここでこそ最適解を使います!

  • 156スレ主25/06/03(火) 14:18:12

    【冴の固有能力:最適解──発動】



    点滅するライトが、デスク上に影を落とす。

    指先で埃を払いつつ、凛はふと立ち止まった。


    視線を横に向けると、冴がちらりとこちらを見ていた。その瞳は淡々としているようで、どこか優しい。



    凛「兄ちゃん……」


    冴「やるなら、ちゃんと探せ。……いつものお前みたいに」


    凛はわずかに息を吐き、小さく笑った。


    凛「わかった。……俺らしくいく」


    デスク脇にしゃがみ込み、

    点滅する明かりの下で慎重に手を伸ばす。


    暗がりに目を凝らし、凛は静かに探り始めた。その動きには、さっきよりもずっと慎重で、迷いがない。


    ──冴の言葉が、凛の背中を確かに押していた。



    異常発生リスク(小)

    dice1d100=62 (62)

    (1〜30:大失敗 31〜60:失敗)

    (61〜85:成功 86〜100:大成功)

    ※大成功特典:+10

  • 157スレ主25/06/03(火) 16:22:56

    兄ちゃいると探索成功確率上がるので、試しに次の探索はペア組んでみます。

  • 158二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 16:39:21

    ファンブルだったのに最適解成功率100%維持はダイスの女神がよーくわかってる証拠ですね

  • 159スレ主25/06/03(火) 17:40:47

    【再試行成功】6:00


    眉をひそめつつも、凛は慎重に一枚ずつ紙束をずらす。
    端末は無反応で、ログもほとんどが破損していた。

    肩を落としかけたその時──


    凛「……なんか、匂いがする」

    ちら、と視線を滑らせたその先。点滅するライトの下、記録確認スペースの奥に転がる黒い瓶に目が留まった。

    手に取ると、ふわりと鼻腔をくすぐるような、
    落ち着く香りが微かに立ちのぼる。


    凛「リラックス用の薬か」

    中には、淡く白がかった液体。瓶の底には“Calmia Nectar”というラベルが貼られていた。小さな揺れでも、中身が淡く輝いて見える。


    凛「こういうのがあるってことは、この部屋にもまた出るんだな」

    小声で呟くと、
    凛は瓶をそっとポーチにしまい込んだ。


    ■入手アイテム
    ・《Calmia Nectar》×1:SAN値+3回復

  • 160スレ主25/06/03(火) 17:41:49

    >>158 ダイスの女神、まさか同担……?

  • 161スレ主25/06/03(火) 17:48:17

    静まり返る記録保管端末室。

    チリ、と蛍光灯がまたひとつ明滅する。
    埃の積もる空間に、紙を捲る音と、
    沈黙の合間に交わされる低い声が響いた。


    凪「……拾った、これ」

    無造作に差し出したのは、小型のメモログと、
    波紋のような意匠が浮かぶ金属球。
    その表面には“REPL-CORE”の文字が刻まれていた。


    冴「……リプレクト・コア、か。見た目は軽いのに、中身は便利そうだな」

    ふっと目を細める冴の視線を受けながら、
    凪は続ける。


    凪「あと……これ。No.16の手記みたい。なんか“B17”ってやつが夢で病院の構造を作ってるって」

    凪「……深層領域とか、バックアップとか、いろいろ意味わかんないけど」

    千切「“夢で作った病院”って……マジかよ」

    床に腰を下ろしていた千切が顔を上げる。
    声には、わずかに震えが混じっていた。

  • 162スレ主25/06/03(火) 17:49:00

    凛は自分のポーチから小さな黒瓶を取り出す。

    凛「こっちはこっちで、拾った。……“カーミア・ネクター”。飲んだら少しは落ち着く、らしい」

    瓶の中では、淡い白色の液体がとろりと揺れていた。


    冴「お前が拾っておいて良かった。千切は今、まともな判断できる状態じゃねえしな」

    千切「……わかってる、でも。大丈夫。今はまだ、行けるから」

    冴はわずかに目を細めたまま、何も言わず頷いた。

    凪も、視線を千切に一瞬だけ向ける。
    言葉にはしないまま、軽く頷いたのは、信頼の合図。


    ──束の間の情報共有が終わると、
    また“静寂”だけが、部屋を満たした。

  • 163スレ主25/06/03(火) 17:58:03

    ざらついた空気の中で、
    記録保管端末室の隅に四人が腰を下ろす。

    瓦礫と埃に囲まれた場所でも、彼らの小さな円陣は、わずかに“日常”を取り戻す空間となっていた。

    そんな中、凪がぽつりと呟いた。


    凪「ねえ、化け物が出てくる前にさ……休憩しようよ」

    誰もが心当たりがあった。
    けれど、それを言い出せない誰かの“代わり”としての言葉だった。


    千切「……ああ、そうだな。俺もちょっと……休憩したかったとこ」

    笑顔で答えた千切の額には、うっすらと冷や汗。

    千切の手には、しっかりと包まれた小袋──
    【かりんとう饅頭】があった。


    千切「これ、地元の和菓子屋で買ったんだ。4個入り、今日持ってて正解だったわ」

    もぐもぐと咀嚼しながら、少し呼吸が落ち着いていく。

    ほんのりとした甘さと、かすかな香ばしさが、胃の奥に静かに広がっていった。


    【千切豹馬:20→24(SAN値+4回復)】

  • 164スレ主25/06/03(火) 18:40:20

    その隣では、凪が小さな紙パックを傾けていた。


    凪「……やっぱレモンティーは落ち着く」

    わずかに柑橘の香りが立ち、
    凪の無表情に近い顔にも微かに力が戻っていく。


    凛「……ほら、兄ちゃん。お湯、持ってきてんだから」

    そう言いながら、
    凛は自分の【鯛茶漬け】を静かに広げた。

    ぽたりと注がれる湯音と、優しく広がる出汁の香り。


    【凪誠士郎:19→23(SAN値+4回復)】
    【糸師凛:20→24(SAN値+4回復)】

  • 165スレ主25/06/03(火) 18:51:14

    冴もまた、凛に手渡されたお湯で【塩こぶ茶】を淹れていた。


    冴「この味、久しぶりだな……ちゃんと生きてる感じがする」

    凪「……言い方こわ」

    冴「ほっとけ」

    そう言って、ほんの少し、冴は口元を緩めた。


    千切「……絶対、全員で帰るぞ。今のうちに栄養取っとけよ」

    小さな笑い声が、久々に空間を満たした。

    束の間の静寂。
    だが、それは確かな“生”の証だった。


    【糸師冴:18→22(SAN値+4回復)】

  • 166スレ主25/06/03(火) 19:00:12

    休息は、突如幕を閉じる。

    ログ端末の背後、すでに誰も近づいていなかったはずのスピーカーから──


    ……ガ……ァ……──……ィ……


    ノイズと共に、雑音が滲むように音声が漏れ出した。

    機械のスイッチを入れた者はいない。
    だが、端末が勝手に再起動し、
    薄暗いモニターに“映像”が浮かび上がる。

    その画面には、診察台に座った少年の姿。
    病院の白衣を着た、名前のない影。
    画面左上に、小さく「B17号」と表示されていた。


    凪「……B17」

    凛「いや、あれ……」


    画面の中の顔が、変わった。


    千切「…………ッ!」

    冴「……おい、それ……」

  • 167スレ主25/06/03(火) 19:01:55

    その“顔”は──四人の誰かの顔だった。

    いや、それぞれの一部を繋ぎ合わせ、人工的に“似せた”ような、額の形、唇の癖、目の光。


    ──ボクは、まだ壊れてないよ……?


    少年が語る。だが声もまた、不安定だった。
    まるで“凪”にも、“凛”にも、“冴”にも、“千切”にも似ていた。


    まだ“同じ夢”の中にいるんだ……ねえ……一緒に見ようよ……


    次の瞬間。

    ──キィィィイイイイイイイ……ッ!!

    モニターが悲鳴のような音を上げて破裂した。
    粉々に砕けたガラスが飛び散り、
    辺りに鋭く突き刺さる。

    それと同時に。


    そこに“いた”。

    ベッドの隙間から、端末の陰から、
    異形の人影がゆっくりと立ち上がる。

  • 168スレ主25/06/03(火) 19:02:58

    全身に包帯を巻かれた、明らかに“かつて人だった”体。


    だがその顔だけは、見覚えのある誰かの顔が、少しずつ、波のように歪みながら変化していく。



    凛「顔が、俺たちの……」


    千切「ふざけんな……っ」


    冴「“B17”……夢を見るものか……」


    凪「…………気持ち悪い」



    “それ”は喋らない。ただ、笑っていた。


    ──自分が知る“誰かの笑顔”で。



    【記録保管端末室】《夢を見るもの:B17》

    (5回攻撃成功で討伐完了/55以上で攻撃成功)

    千切:dice1d100=65 (65)

    凪:dice1d100=73 (73)

    凛:dice1d100=87 (87)

    冴:dice1d100=2 (2)

    ※B-1病棟怪異に対する:+5補正

    ※B17の情報入手:+5補正

    ※100特典:+10(ダイス値に応じて温存可能)

    ※千切:精神異常発生により-5

    ※千切:精神異常発生により固有能力使用不可

  • 169スレ主25/06/03(火) 19:13:05

    【戦闘開始】6:00
    【冴のファンブル:冴のクリティカルで通常失敗に変換】


    冴の蹴りが鋭く突き出される。

    “それ”の顎を捉え──だが、首が異常にねじれ、まるで感覚がなかったかのように立ち直る。


    冴「──通じねぇか。いや……反応がズレてる」

    冴は即座に体勢を変え、
    今度は足払いで動きを封じにかかる。

    “B17”の身体が僅かに浮き、
    軋む音と共に床に叩きつけられた。

    冴「……無理やりでも寝かせる」


    千切の目はやや濁り、焦点が定まらない。
    それでも──


    千切「ッ……仲間の顔、勝手に真似すんなよッ!!」

    叫ぶように、全速力で飛び込む。
    幻覚で揺れる視界の中、真芯で蹴り抜いた。

    千切「お前みたいな“偽物”に……!真似される筋合いはねえ!!」

  • 170スレ主25/06/03(火) 19:16:49

    凪は少し眉をひそめながら、静かに距離を詰める。


    凪「……俺の顔まで真似してくれてるとこ、悪いんだけど」

    そのまま、無駄なく伸びた足が“B17”の腹部に当たる。

    凪「残念。俺より弱いよ、お前」


    凛は他の3人の動きに遅れず、
    ぴたりと背後から回り込む。


    凛「──もう、夢から醒めろ」

    瞬間、鋭く蹴りを振るい上げ、
    “B17”の動きが一瞬止まった。

    凛「俺たちの顔を使ったツケ、ここで払え」


    ──“B17”がぐらりと揺れる。

  • 171スレ主25/06/03(火) 19:17:51

    だが、その目は、まだ四人を見ていた。


    ……いや、“それぞれの姿”に切り替わりながら、何かを訴えかけている。



    そして──静かに、動き出す。



    【記録保管端末室】《夢を見るもの:B17》

    (1回攻撃成功で討伐完了/55以上で回避成功)

    千切:dice1d100=34 (34)

    凪:dice1d100=1 (1)

    凛:dice1d100=64 (64)

    冴:dice1d100=90 (90)

    ※B-1病棟怪異に対する:+5補正

    ※B17の情報入手:+5補正

    ※100特典:+10(ダイス値に応じて温存可能)

    ※千切:精神異常発生により-5

    ※千切:精神異常発生により固有能力使用不可

  • 172二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 19:34:46

    凪と兄ちゃ、あまりに出目が極端
    好物で休憩しておいてよかった

  • 173スレ主25/06/03(火) 19:41:04

    >>172 レモンティー飲んで1出すのは逆に才能ありますよね。


    凪の1はどうにもならなかったので、この部屋では戦線離脱して頂きます…。

  • 174スレ主25/06/03(火) 19:42:52

    【回避開始】6:00
    【千切の失敗:アイテム使用により無効化】
    【凪のファンブル:SAN値-3+戦闘不能】


    千切は、反応が一瞬遅れた。

    視界に映るのは、
    “自分と同じフォーム”で迫る蹴り──


    千切「ッ、くっそ……!」

    次の瞬間、ポーチで何かが震えた。
    揺れていたペンダントが、黒く、淡く光る。


    ──《シールド・トリガー》発動。


    蹴りが命中する寸前、その存在が“揺らぎ”、
    力の奔流が霧散するように解けていった。


    千切「──ッ危ねえ!!助かった…!」

    喉奥の緊張を押し殺すように、
    千切は深く息を吐いた。

  • 175スレ主25/06/03(火) 19:44:08

    凛はその構えを、瞬時に見抜いた。


    凛「俺の……動き、舐めんな」

    模倣された“蹴り”を、最小限の動きで逸らす。
    そして、即座に反撃体勢に移行。


    凛「お前が誰の顔真似しようと、俺は“本物”だ──」

    その瞳には冷えた怒気が宿る。


    冴の動きは一歩も乱れない。
    “自分のフォーム”で迫る幻影を、冷静に捉える。


    冴「俺を、俺で倒すつもりか?」

    冴は身体を僅かに捻り、寸前で回避。
    髪が揺れ、床が僅かに軋む。


    冴「甘ぇよ。“精度”が足りねぇ」

  • 176スレ主25/06/03(火) 19:49:35

    だが──

    凪は一歩目の体重移動が、僅かに遅れた。


    凪「あ」

    眼前に映ったのは、“自分そっくり”の無表情な顔。
    そして、見覚えのある蹴り──痛みすら追いつく暇もなく、脳が揺れた。


    凪「っ……は……、あ、れ?」

    目の焦点が合わなくなる。音が歪む。
    床に崩れ落ち、意識はあるが、全身に力が入らない。


    凪「……これ、ちょっと……まずいかも……」

    意識の底から、何かが這い上がってくる感覚に凪は微かに震えた。


    千切「……凪!!!」

    千切が振り返る。
    その声に、凛と冴もすぐ気づいた。

    いつもと変わらぬ無表情の裏に隠されていた凪の異常が、一目で分かるほどだった。
    肩がかすかに震え、瞳は焦点を結んでいない。

  • 177スレ主25/06/03(火) 19:50:41

    冴「……混濁してるな。短期の幻視反応か、侵蝕……」


    冴がひと目で判断する。



    千切はすぐに近寄ろうとするが、踏みとどまる。

    その視線の先、“凪と同じ顔”をした何かが、こちらを見つめていた。



    千切「……クソッ、今はこいつが先か…」


    拳を握りしめながら、千切は歯を食いしばった。


    凛も、振り返りつつ、僅かに力を込めて頷く。


    冴も短く、「問題ねぇ。今倒す」と告げると、

    すでに視線は“敵”へと戻っていた。



    【記録保管端末室】《夢を見るもの:B17》

    (1回攻撃成功で討伐完了/55以上で攻撃成功)

    千切:dice1d100=51 (51)

    凪:戦闘不能(戦線離脱中)

    凛:dice1d100=11 (11)

    冴:dice1d100=6 (6)

    ※B-1病棟怪異に対する:+5補正

    ※B17の情報入手:+5補正

    ※100特典:+10(ダイス値に応じて温存可能)

    ※千切:精神異常発生により-5

    ※千切:精神異常発生により固有能力使用不可

  • 178二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 19:51:50

    これ千切、足して足して引いて足りたか!?

  • 179スレ主25/06/03(火) 20:19:39

    >>178 千切ギリギリ成功です!あと兄ちゃも固有能力使えるので討伐成功です!

  • 180スレ主25/06/03(火) 20:48:04

    【戦闘開始:2回目】7:00


    ──歪む空間の中央、
    “B17”が冴たちを映す瞳のまま、微かに笑った。

    足元の機械の残骸が、
    まるで呼吸するように脈打ち、音もなくうねる。


    千切はその異様な動きに一瞬たじろぎつつも──


    千切「……動き、読める!」

    左脚を一閃──
    床を蹴り、斜めから強かに“B17”の側頭をかすめる。


    千切「っしゃ、当たった!」

    声は震えていた。
    だが、足は止まらなかった。

  • 181スレ主25/06/03(火) 20:50:09

    その隙に、続いて凛が飛び込む。

    だが──


    凛「ッ──」

    “B17”の身体が、奇妙な角度でねじれた。
    凛の蹴撃は、まるで“先読み”されたかのように空を裂いた。


    凛「……なっ──、何で当たんねえ…」

    背筋がぞくりと粟立つ。
    “自分と同じ顔”が、にやりと笑ったように見えた。


    冴「構うな、凛。こいつの狙いはそこじゃない」

    静かに一言。
    冴の動きは、すでに次の軌道を計算していた。


    冴「──ここだ」

    右から踏み込み、フェイントを入れ──
    そのまま、逆足で鋭く蹴り上げた。

    しかし同時に、その表情が“凪”の顔に変わった瞬間、冴の足が一瞬鈍った。

  • 182スレ主25/06/03(火) 20:52:35

    冴「……チッ」

    わずかな迷いが命取りになった。
    一撃目は、空を裂くのみ。


    千切「っ、冴ッ──!」

    冴「問題ねぇ……次で終わらせる」

    静かに構えを戻した冴が、最後の一歩を踏み込む。
    靴底が床を裂き、風を切る──


    ──ガンッ!!

    鋭く叩き込まれた一撃が、“B17”の胸部に命中した。


    刹那、世界が微かに歪む。

    “B17”の身体が、
    まるで映像の乱れた画面のように波打ち──
    次の瞬間、煙のようにその姿が“掻き消えた”。

  • 183スレ主25/06/03(火) 20:53:25

    ───静寂。

    蛍光灯の点滅音だけが、再び戻ってくる。


    冴「……終わったな」

    凛は息を飲み、肩を落としながらうなずいた。
    千切は隣に倒れた凪を、すぐに見やる。


    千切「凪……もう大丈夫だ。終わったから、な」

    静かに声をかける。

    凪はまだ目を開けないが、その胸は上下している──意識が戻るまで、あとわずかだ。

  • 184スレ主25/06/03(火) 21:00:29

    【戦闘終了】7:00
    【撃破報酬/オーバーキル報酬:取得】


    戦いが終わった直後──
    崩れ落ちた“モニターの残骸”の向こうに、鍵のような金属片が転がっていた。


    冴「……これは、屋上の通路の……か」

    しゃがみ込み、そっと拾い上げる。
    錆びつきながらも、はっきりと文字が刻まれていた。


    ──「R-FL:TERRACE」


    冴「……最後の出口かもな」

    ポーチに仕舞いながら、冴は微かに目を細める。

     
    一方、凛は落下した書類の山から、
    光を反射する何かを見つけていた。


    凛「……ここの連中、こういうの好きすぎだろ」

    拾い上げたのは、十字型の小さな金属プレート。
    冷たく、だが胸元に当てた瞬間、どこか安心するような温もりを感じた。

  • 185スレ主25/06/03(火) 21:06:24

    凛「……“マインドクレスト”、2つ目だな」

    軽く息をつきながら、静かにそれをしまう。


    そして、倒れたままの凪の傍──
    割れた床材の隙間に、
    淡い輝きを放つ円柱のチップが埋もれていた。


    千切「……こいつのだろ。あとで渡してやんなきゃな」

    拾い上げると、クリスタル状のチップが微かに脈動する。


    千切「“ヴァーテクト・モジュール”……失敗しても、無駄にはならないってか」

    そう呟いて、仲間の傍にそっと置く。


    ■入手アイテム
    ・《屋上通路の鍵(R-FL:TERRACE)刻印入り)
    ・《マインドクレスト》×2:SAN値減少1回無効化
    ・《ヴァーテクト・モジュール》×1:探索・戦闘時の【大失敗(ファンブル)】および【失敗】を1回だけ【自動成功】に変換する。

  • 186スレ主25/06/03(火) 21:42:17

    申し訳ないのですが、眠気が限界ですのでスレ主は寝ます。明日は予定より1部屋早いですがボーナス部屋に向かいます。奪還編なのでズルくてもいいと思ってます。

    それではお休みなさいませ。


    ???

    dice1d4=4 (4) (最低値2)

  • 187二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 23:57:48

    お疲れ様です!今回のボーナス部屋も楽しみです!

  • 188二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 02:52:18

    なんのダイスだろ、楽しみ!

  • 189スレ主25/06/04(水) 08:21:35

    >>187 ありがとうございます!今回はどうしようかなーと悩んでます笑

    >>188 最高値出せたので、きっといいことがあります!


    おはようございます。本日もよろしくお願いします。次スレは帰宅してからじゃないと立てられないので、仕事中はギリギリまで進められたらと思います。

  • 190スレ主25/06/04(水) 10:32:52

    凪が横たわる床のすぐそば。

    静けさの中、千切・凛・冴の三人が、
    無言でその身を囲むように膝をついていた。


    千切「……凪、もう大丈夫か?」

    額ににじんだ汗をそっと拭いながら、
    千切が不安げにのぞき込む。


    凪「……ん……」

    その声に応えるように、
    凪がゆっくりとまぶたを開けた。
    痛む頭を押さえ、ぎこちなく上半身を起こす。


    凪「……うわ、気持ち悪……頭、ぐらぐらする」

    冴「無理するな。急に起きなくていい」

    冴は凪に、暖かいお湯の入ったカップを渡す。
    千切も、ほっとしたように笑った。

  • 191スレ主25/06/04(水) 10:33:56

    凛「……“夢に喰われる”とこだったな、お前」

    凪「ふーん……でも、戻ってきたんなら、いいでしょ」

    ぽつりと呟く凪の口元に、かすかな笑みが浮かぶ。


    そのとき──凪の腕に巻かれた戦術支援デバイスが、乾いた音を立てて作動した。


    ──【07:00】


    凪「……時間、進んだ」

    画面を見つめる凪の声に、
    三人も黙って自分の時計を確認する。

    確かに、針は一つ、
    次の“何か”へと進もうとしていた。


    だが地獄のような病院で、たしかに彼らはまだ、──“生きている”。

  • 192スレ主25/06/04(水) 11:26:52

    四人はゆっくりと立ち上がる。

    扉の向こう側には、
    すでに三匹の猫たちが待機していた。


    ヨイチは、ふだんよりも少し落ち着きがなく、
    タビトは低く鳴きながら、
    千切の足元をぐるぐると回る。

    レオだけは凪のそばを離れず、
    ぴたりと寄り添ったまま前方を見つめている。


    千切「……お、おまえら、どうした?そんな急に鳴きまくって」

    「……ンァ゛ーー」

    凪「……なんか、案内したくてたまんないって感じだね。行こっか」

    三匹はそれを合図にしたかのように、
    廊下を駆け出した。

    それぞれの足音が、タイルを優しく叩くように響く。

  • 193スレ主25/06/04(水) 12:11:06

    猫たちを追って進んでいくと──
    やがて、突き当たりに“扉”が見えた。

    そこにはただ、
    金属のプレートがひとつ貼られている。


    【???】

    他の部屋とは明らかに違う、妙に簡素な表示。
    だが、その雰囲気はどこか──安心感すら漂っていた。


    冴「……妙な警告も、何もないな。今までで一番“普通”に見える」

    凛「逆に、ちょっと拍子抜けするくらいだ」

    千切は息を整え、一歩前に出た。


    千切「……よし。行こうぜ、次の部屋」

    扉に手をかける。
    猫たちは、すぐそばで静かに見守っていた。


    ──カチリ。

    扉は、何の抵抗もなく開いた。

  • 194スレ主25/06/04(水) 12:15:01

    【選択肢:サポートキャラを1人選んでください】


    >>195

    >>196

    >>197


    ※潔世一、烏旅人、御影玲王、二子一揮

    ※千切豹馬、凪誠士郎、糸師凛、糸師冴

    上記以外であれば誰でもOK

    (出来れば表紙組:海外、マスター、大人組除く)

  • 195二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 12:21:23

    斬鉄で!!!

  • 196二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 13:16:55

    氷織

  • 197スレ主25/06/04(水) 14:17:07

    スレ主、無双するヒーローが見たいので國神にします!!

  • 198スレ主25/06/04(水) 14:49:02

    帰宅しましたがめちゃくちゃ眠いので昼寝します。起きたらスレ立てしますので、ご容赦ください。
    1つご相談なのですが、次回作は一旦ホラーから離れてRPG風SS(ドラ〇エ風)書いてもいいですか。完全ギャグよりで、ロスト発狂シリアス一切無しです。攻撃は全部サッカーボールです。魔法も使えます。
    次スレでご意見伺えると嬉しいです。

  • 199スレ主25/06/04(水) 17:22:57
  • 200スレ主25/06/04(水) 17:25:28

    眠さ極まってまたよく分からないこと言ってました。
    ギャグっぽいスレはいずれ立てたいです(次回じゃなくてもOK)。引き続きよろしくお願いします。

    ここまでのダイス成功確率です。

    ●ダイス成功確率(探索)

    ・千切豹馬:7/14(最適解:0/2)(自動成功除く)
    ・凪誠士郎:6/14(最適解:1/2)(自動成功除く)
    ・糸師凛:7/14(最適解:4/4)(自動成功除く)
    ・糸師冴:6/14(最適解:1/3)(自動成功除く)

    ●ダイス成功確率(戦闘)

    ・千切豹馬:21/30(ファンブル影響除く)
    ・凪誠士郎:19/30(クリティカル影響除く)
    ・糸師凛:22/30(クリティカル影響除く)
    ・糸師冴:22/30(ファンブル影響除く)

    ●クリティカル/ファンブル(探索・戦闘)

    ・千切豹馬:ファンブル(1、4)
    ・凪誠士郎:クリティカル(100、99)
    ・凪誠士郎:ファンブル(1、4)
    ・糸師凛:クリティカル(97、98、98)
    ・糸師凛:ファンブル(2、4、5)
    ・糸師冴:クリティカル(96、98、100)
    ・糸師冴:ファンブル(2、2、4)

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