- 1◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 13:54:30
- 2◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 13:55:04
色々なことを聞いた。私がいない間に起こっていたこと。私が気を失ってからのこと。私自身の扱いと処分について。私は2ヶ月ほど眠ったままだったようだ。
ふと、開け放した窓から賑やかな喧騒が聞こえてきた。
「今は何のお祭りをやってるの。」
「和楽まつりだよ。この前のも大盛況の内に幕を閉じたんだけど、怪異のいない状態で改めてやって欲しいって声が後を絶たなかったらしくて。」
「ああ…悪いことしちゃったな。…ねぇ、お祭りを見に行ってもいいかな?」
「もう身体は問題ないって聞いてるけど…そんなに無理しなくても…」
「ううん、これは私自身のケジメだから。」 - 3◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 13:56:42
ナグサと二人で縁日を歩く。こうして祭りを見るのはいつぶりだろう。活気のある街並みは以前と変わらず、まるで2ヶ月前の出来事など無かったかのように見える。大通りは多くの人でごった返しており、左右にずらっと並んだ屋台はどれも生徒や観光客で賑わっていた。
「あっ、あれアヤメ先輩じゃない?」「ナグサ委員長もいるよ!」「早く行こ行こ!」「あっ、ちょっと待って!」
瞬く間に囲まれてしまった。仕方ない。「委員長」という肩書きが無くなっても"皆の頼れる七稜アヤメ"という印象が消え去った訳ではないのだから。また、仮面を被ればいいだけ。そう思って、声を掛けようとした。
「ごめんね、みんな。アヤメは病み上がりで疲れてるから、また今度ね。」
「そうなんですか!?」「邪魔しちゃ悪いよ早く行こ!」「また今度お話し聞かせてください!」「お元気で!」
嵐のように過ぎ去った後輩たちに手を振り、助けてくれた幼馴染に向き直る。
「…ありがと。」
「ううん、これくらいなら私にも出来るから。」
何でもないように話すナグサの姿はどこか嬉しそうで、反面、人に助けられる経験の少ない私は少しばかり気恥ずかしさを覚えていた。 - 4◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 13:57:26
歩き続けていると大きなステージが見えてきた。ステージの上ではチセちゃんが踊っていて、その横には大きく和楽祭りと書かれた看板が立っていた。
会場の熱気は凄まじいもので、人の多さは歩いてきた大通りを優に超えていた。
「すごい人気だね。」
「この前の祭りがSNSで話題になった影響だって。百花繚乱も警備に協力してるけど、やっぱり人手が足りなくてね。」
「ナグサは行かなくていいの?」
「私は今日は非番だから…キキョウに働き詰めも大概にしてって釘刺されちゃった。」
「委員長…頑張ってるんだ。」
「…うん。」
熱狂の中にいながら、確かに私たちの間には僅かな沈黙が流れた。それを破るように大きく声を上げる。
「よし!だいたい見て回れたし、そろそろ帰ろうかな!…って私どこに帰ればいいの?」
「そういえばアヤメ、出ていった時に家を引き払ってたね。…新しい家が見つかるまで私の家に泊まって良いよ。」
「あはは…助かるよ。」 - 5◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 13:59:07
「ふーさっぱりした。2ヶ月ぶりに入るお風呂は気持ちがいいね。」
ナグサの家に転がり込んだ私は、食事も風呂も済ませ、後は寝るばかりとなっていた。
「疲れた〜」
新しく敷いた布団に飛び込む。ふかふかの掛け布団が歩き疲れた身体を包み込む。
「祭りを見て回ったくらいでこんなに疲れるなんて、もうお年寄りになっちゃったのかなあ。」
「しょうがないよ。2ヶ月も寝たきりだったんだから。」
他愛もない会話に花を咲かせる。昔の百花繚乱のことや、今日の祭りのこと。けれど、話せば話すほど避けている話題は浮き彫りになる。あの日の出来事。私の選択。そして、その責任。ナグサは私の決心をずっと待ってくれている。いつかは話さなくてはならない。 - 6◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 13:59:55
「ナグサ。」
「私はもう百花繚乱には戻る気はないよ。」
「…そう。」
拍子抜けするほどあっさりとした返答。私が何を考えているのか分かっていたのか。いや、むしろ当然か。私は百鬼夜行を手にかけようとしたのだから。
「私に…その資格はない。」
「それは違う。」
ハッキリとした否定の言葉。何の迷いも感じさせないそれは却って私の神経を逆撫でした。 - 7◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 14:00:33
「何が違うって言うの!」
激情のままにナグサに掴み掛かる。
「私は自分の身勝手な理由で多くの人を巻き込んだ!嫌われたくないからってつけた仮面を重荷にして、逆恨みして、百鬼夜行を恐怖に沈めようとした!」
目が覚めてからずっと考えてきたこと。祭りを見て回る中でより強固になっていった自分の過ちに対する後悔。その感情が渦を巻いて噴き出す。そして、
「私なんかに皆を守る百花繚乱は相応しくない…」
涙が溢れた。"人助けを重荷とするような人に皆を助ける百花繚乱など務まる筈がない"。大昔に蓋をしてから、自分自身ですら騙し通し隠してきた本音。一度決壊した涙腺が戻ることはなく、溜め込んできた感情を全て、大粒の涙に変えて降らせる。私はもう自分すらも制御出来なくなっていた。 - 8◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 14:01:19
背中に手を回されギュッと抱きしめられる。咄嗟のことに反応できず、抱き合う形になる。いつもひんやりとしていたその身体は今は優しい温かみを感じさせた。
「…その気持ちは痛いほどよく分かる。」
「あんたに何が…!」
「私も!…私も同じだったから。あなたの隣に立ちたくて、あなたの隣に相応しい御稜ナグサを演じて…でも結局、私には無理だって、出来るはずがないって、みんなに失望されるのも怖くて、その役からも責任からも逃げ出した。」
「それでも…それでもあの子達は、」
背中に回された腕に力が籠る。もう二度と離すまいとするその腕はまるで、あなたはもう独りではないと強く訴えているようで。
「私に、もう一度演じ直す機会をくれた。」
「誰もが表と裏の顔を持ってる、誰もが偽りの自分を演じてて、誰もが仮面を被ってる。いつかそれがズレて、その解離に苦しむことになるかもしれない。でも今は、私が、みんなが側にいる。もしもアヤメの仮面がまたズレてしまいそうな時は、私たちがそれを埋めるから。アヤメがどんな選択をしてもそれはアヤメの意思、私は受け入れるよ。でも、自分に資格が無いなんて言わないで。」
確かな経験を持って紡がれたその言葉は矛盾を孕んだ私を、優しく包み込んでくれた。私を抱きしめるその華奢な身体から、じんわりと熱が伝わってくる。その温もりは、暗闇に降り注ぐ月明かりのように、私の荒れ果てた心を満たしていく。けれど、 - 9◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 14:11:16
「それでも、私は…私がやったことは消えない…」
そう、私が確かな悪意で皆を傷つけた事実は変わらない。過去が、私を再び孤独の檻に閉じ込めようと迫ってくる。
「確かに、そうかもしれない。でもね、アヤメ。」
そんな私にナグサは語りかける。
「悪いことをしたなら、謝ればいい。」
子供に言い聞かせるように。
「ケンカしたなら、仲直りすればいい。」
ゆっくりと。
「知らないのなら、これから知っていけばいい。」
励ますように。
「百鬼夜行のみんなのこと。」
抱きしめていた私の身体を離し、私の両手を優しく、離さないように握りしめる。
「百花繚乱のみんなのこと。」
触れ合う指先に熱を灯しながら
「それに…」
真っ直ぐに仮面の奥に隠れる私を見つめる。
「お互いのことも。」
指先から全身に熱が広がるのを感じる。
「だから…教えて欲しい。アヤメのこと。」
胸がぎゅーっと締め付けられる
「好きなものも、嫌いなものも。」
熱くて苦しくてどうしたらいいのかわからない
「どんなアヤメでも、ちゃんと受け止めて、理解して、きっと受け入れるから。」
目がチカチカして思考にもやがかかる
「あなたと共にいるために。」
そして、熱に浮かされるままに
「…こんな私でも、いいの?」
私はナグサを押し倒した。 - 10◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 14:12:00
- 11二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:14:48
正直ここまででも話としてすごく良かったよ
バーボンスレに騙された形になるけど後悔はないよ - 12二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:17:49
物語は静かに、何事もなかったように僕の心に響いた。
文章は丁寧で、どこにも嘘はなかった。ありがとう、それだけで充分だ。 - 13二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:20:39
これメインディッシュじゃなくてお通しなの?!
- 14二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:22:07
エロに至るまでの流れが唐突すぎるから無くていいよ
- 15二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:30:48
どこに売ってんだよwww
- 16二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:35:34
ちょっと「激情」に至るまでが唐突だったように思うけどそれ以外はとても良いと思った
アヤメの中で抑えていた感情が爆発した、って感じなんだよね?アヤメ自身なのか、ナグサなのか、はたまたそれ以外か、何に対するものかも知れない激しい感情が動いている、そんな描写をもうちょい細かくするといいように感じた
勝手に批評家のようなことを言ってしまったが、とても良い作品だと思う - 17二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 14:45:46
このレスは削除されています
- 18二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 15:40:02
怪異に憑かれた──否、怪異そのものに一度堕ちた私の体は、百蓮に撃たれても完全に元には戻らなかった。左右で不揃いになった目はそのままだし、ふとした時にクロカゲに似た怪異の触腕が蠢いて出てくることもある。
もう一度ナグサに撃ってもらったけれど結果は変わらず。表面に出て来たものくらいなら吹っ飛ばせるけど、体の内側、というよりは『私という存在の内側』に巣食う部分を祓い切れないらしい。ナグサはまた例によって「自分の力が足りないから」と暗い顔をしていたけれど、そこは関係ないと本能的に悟っていた。多分、クズノハ様でも無理なのだろう。
「────元来、怪異や霊といった類は、意識の波長が合って初めてその存在を視る、あるいは認知することができるとされています」
少し前に、黄昏に呑まれたナグサの腕を診たという医者に、私も身体を診てもらうことになり。先の一件もあって怪異の知見を得たと語るその女医者は、滔々と語り始めた。
「失意、自責、悲哀……そう言ったものに心をとらわれているが故に、怪異との…そうですね、チャンネルとでも言いますか。それが強く繋がれる」
要するに、私がいつまでもウジウジとしているから、いつまで経っても怪異が抜けないらしい。穏やかな日常で嬉しいことであれば症状としては落ち着くものの、それにだって限度はあるし、根治するには結局私が、自分の心と折り合いをつけるしかないのだろう。
「まあ、精神的な手段以外で能動的に行える対処療法もあるにはありますが」
「……そんなのあるの?」
「ええ、要はネガティヴなものを完全に忘れ去るような、強烈な快楽があれば良いわけで。それを得られる様なことを行えばいいということです」
白黒の医者はピンと人差し指を立てて、つまりは、と続けてこう言った。
「性交や自慰をすることです」
何言ってんのこの人。
「わかりにくければ言い直しましょう。要するにSEXとオナ」
言い直さなくていい。 - 19二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 15:41:10
っていう流れなら自然にヤれるかなと思った、お目汚し失礼(notスレ主)
- 20二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 18:14:27
自分でやっても上手くできないからナグサにしてもらうことになって…的な
- 21◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 19:13:53
- 22◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 19:16:04
「アヤメ…?」
状況が飲み込めていないナグサを見て、少し思考がクリアになる。お風呂上がりで少しのぼせているのか、透明感のある頰には赤みがさしており、白く綺麗な髪はツヤツヤと光を反射して輝いている。ナグサの華奢なようでどこか芯を感じさせる肢体は、より一層私の身体に灯された熱に薪を焚べてしまう。
そうだ。灯したのは彼女なのだから、その責任を取ってもらわなければ。熱に浮かされた頭でそんな自分勝手な理屈を組み立て自身を正当化する。
そしてそのまま彼女に口づけをした。 - 23◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 19:16:46
唇を無理矢理奪う乱暴なキス。しっとりと水分を含んだ唇は私の中の情愛をさらに掻き立てる。互いの瞳の奥さえ見透かせる距離にありながら、ナグサは未だに戸惑っているようだ。
ついばむように何度も何度も角度を変え、体位を変え、ナグサを貪る。被食者であることをその身体に、唇に、しっかりと教え込む。
いつしか、困惑に塗れていた彼女の瞳には悦びの色が表れていた。
「はあ…はあ……」
「はっ…はっ…」
呼吸を整える為に少し唇を離す。混ざり合った吐息を吸い込む度に興奮が際限なく高まっていくのを感じる。そして、ナグサが口を開けた隙にするりと舌を口内に侵入させた。ナグサの瞳に驚きの色が混じる。しかし、それもすぐに悦びの色に塗りつぶされていった。
初めはチロチロと互いの舌を確かめ合うように、それから少しずつ大胆に絡め合う。
私の唾液をナグサの口の中に注ぐ。こくっこくっと音を立てて飲み干す度にナグサの瞳が蕩けていく。その様子がおかしくて、愛おしくて、もっと唾液を与えようとした。その時だった。
ナグサの舌が私の口蓋を軽くなぞる。 - 24◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 19:17:27
「んっ…」
たったそれだけのことで喘ぎ声が漏れ出してしまった。蚊の鳴くような細く弱々しい声だったが、唇が触れ合う距離では音の大きさなどさしたる問題ではなかった。私の声を聞いたナグサは驚きと喜びが入り混じった表情を見せる。
そして、見つけたばかりの私の弱点に舌先をすりすりと這わせていく。軽くとん、とん、と触れられる度に、ピリピリと甘くしびれるような電気が背中から腰まで流れていく。
「んっ…だ、めっ…」
弱々しい口だけの抵抗など意に介さず、ナグサは楽しそうに舌先で私を弄ぶ。
リズムを変え、順番を変え、決して強くはしない繊細な舌使いに、私はとろとろに溶かされていく。腰砕けになった状態では体勢を維持することも出来ず、ナグサに寄りかかった私はいつのまにか、彼女に抱き抱えられていた。
下の裏や歯の裏側まであらゆる部分を舐められながら、休むことなく快楽を与え続けられる。ひたすらキスだけされ続け、イクことも出来ず、身体にじくじくと快感が澱のように溜まり続ける。 - 25◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 19:18:23
「ぷはっ…」
ようやく満足したのか、ゆっくりと顔を離す。お互いの唾液でてらてらと艶やかに彩られたナグサの口は妖艶な笑みをたたえ、強く真っ直ぐな意志を感じさせる明るい灰色の目は獲物を見つけた獣のように鋭く光っていた。
まるで伝説に聞く雪女のようなその姿に思わず魅入ってしまう。おへその少し下あたりがキュンキュンと甘く疼いて主張する。また、少しずつ顔が近づいてくる。
近づくにつれ、次への期待と妄想で頭がいっぱいになる。そして、耳に吐息がかかる。
「アヤメ…とってもかわいいよ…」
ナグサは2人だけの秘密を話すかのようにひそひそと耳元で囁いた。
「〜〜〜っ!」
彼女のハスキーボイスで身体がビリビリと痺れる。子宮がぎゅーっと震えて、積もりに積もった快感が一気に弾ける。目の前でパチパチと火花が散って視界が明滅する。
「もしかして…イッちゃった…?それなら、こういうのは…?」
「はむ…れろ…んちゅ…」
余韻に浸る暇もなく、次の快楽が押し寄せる。耳を隅々まで丁寧に舐められる。クチュクチュとした水音に彼女の綺麗な声が混ざり、鼓膜を刺激する。
「ほんとっ、に、イッちゃう、からっ、ひゃめ……〜〜〜っ!」
限界まで興奮を高められ、訳もわからぬまま数分も経たずに絶頂させられてしまった。二回目の余韻は凄まじく、頭が真っ白になったままなかなか降りてこられなかった。 - 26◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 19:19:03
「こんなに濡れちゃってるし、服は脱いだ方が良いよね…」
気づけば服を脱がされ、下着のみの姿になっていた。後ろに回っていたナグサが耳元で囁く。
「ねぇアヤメ…下着、外してもいい…?」
こくんと頷く。私はもうナグサに耳元で囁かれるだけで、従順な子犬みたいに従うようになってしまっていた。
汗で蒸れたブラとぐっしょりと濡れたショーツを外され、私の大事な場所が外気に触れる。ナグサが後ろから手を回し、呼吸に合わせて揺れる双丘に恐る恐る指を乗せる。大切に、大切に、壊れ物に触れるような優しい愛撫。触って欲しくてピンっとそり立つ先端を器用に避け、その周りをくるくると撫でる。近づいたり、離れたり、今にも触れられそうなその指から目が離せない。片方の手が胸を放し下へ向かった。ひくひくと物欲しそうな割れ目ではなく、力が抜けて開きっぱなしの脚にたどり着く。
「あっ…」
期待を裏切られ思わず落胆の声を上げてしまう。そんな私をナグサは愛おしそうに見つめる。 - 27◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 19:19:45
「ふふっ…アヤメはどうして欲しい…?」
悪戯っぽく問いかけられる。ナグサの指が、膝から太ももの内側をゆっくりと上っていく。私は再び期待で胸がいっぱいになる。
「教えて…アヤメがしたいって言えば…」
すーっと指の腹が近づくごとに私の身体はびくびくと歓喜に震える。
今度は耳元で囁く。私が本音を隠せないように。
「どんな事でもしてあげるよ…」
そんなのきまってる。ほしい。ほしい。はやく。はやく。
「わたしの、だいじなところ…ぜんぶめちゃくちゃにしてっ…」
恥も何もかも捨てて出た本音にナグサは応えてくれる。ぬるぬるになったアソコに指がずぶりと押し込まれる。親指でクリストスを潰され、乳首がぎゅっとつねられる。一気に、快感が濁流となって押し寄せる。
「お゛っ、イく、イク゛ッ」
「イッていいよ…たくさんイッて、もっと可愛いところ見せて…」
あまりに大きな快楽の渦に怖くなった私はナグサに助けを呼ぶ。
「キス!んっ…キス、…してっ!」
チュッと口を塞がれる。私の恥ずかしい気持ちが全部ナグサの中に吸い込まれていく。目の前にあるナグサの顔に安心と幸福を感じながら迸る快感に身を任せ、私は意識を手放した。 - 28◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 19:20:23
「凄かったな……」
隣でスヤスヤと寝息をたてる少女に、数刻前まで弄ばれていたことを思い出し、思わず顔が赤くなる。襲ったのは私なのに、気づけば逆転されていた。酷い泣き虫だと心の中で蔑んでいた少女に昨夜は私の方が泣かされていた。
あまりの羞恥に耐えきれなくなり思考を逸らす。
そして、その前のやりとりを思い返した。
「あんなこと言われたら応えるしかないでしょ……」
わざと不服そうな声を出してみたものの、頰が緩むのを止められそうにない。諦めて、未だ夢の中で微睡む少女に自分の想いを吐露する。
「今はまだ、自分を許せないけれど……」
罪は罪だ。たとえ対外的にそう扱われていなくとも、放っておけば内側から燃え広がって私を苛み続ける。でも、もしもこの罪を清算出来るのなら。
「いつかちゃんと、百花繚乱として笑って見せるから。」
傷つき、傷つけ、多くの苦痛と後悔を味わいながら、それでも種は芽吹いた。ならば、その日も必ず訪れるはず。
「それまで、待ってて。」
いつか、ともに咲き誇るその日まで。
fin. - 29◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 19:34:46
くぅ疲完結!
バーボンスレがやりたかっただけなのにアヤナグでやりたい事詰め込んでたらなんかエッチなのがおまけになってました。
エッチな小説ちゃんと書いた事無いから描写不足に関しては許して♡みんなも、アヤメの顔と声は覚えてるよね?(言い訳)
エッチに至る前を真面目に書きすぎて雰囲気を切り替えるのが難しい…猛省中です…
- 30◆LDdJ9vUEuENy25/06/01(日) 20:14:00