- 1【全三レス(予定)】25/06/01(日) 20:34:11
柔らかな日差しに包まれて目が覚める。真っ白なシーツ、ベッドの柔らかさ。タオルケットが肌に直接触れる感触は少し落ち着かないけれど、程よい温かさは心地がいい。後頭部には硬いもの、身体には重み。けれど、それは決して不愉快なものではくて、むしろこれ以上ないほどに私を幸福で満たしてくれる。
「……おはようございます。トレーナーさん」
何故なら、アナタと触れ合っているのだから。
昨夜を思い出す。アナタと……愛する人と愛しあい、触れあい、混じって一つになった幸せな時間を。ただ身体の機能としての快楽のみではない。もっと心魂的な、精神的な喜びに満ちた長い、長い夜を。……アタラクシアというには些か情熱的が過ぎましたが。
初めてのことに少し戸惑っていた私を優しく抱きしめて囁いて……緊張も不安も、心も自我も、きっとアナタ自身も、全て。『マンハッタンカフェ』と『アナタ』という、肉体が規定するつまらなくて、邪魔でしかない境界さえも蕩かして、溶け合ったあの感覚。あれを知ってしまえば、もう以前には戻れません。もちろん、今こうして肌が触れ合っていることを幸せに思うのは、昨夜のそれによるばかりではないのは言うまでもありません。
じっ、とアナタを見つめる。鼻先までもが触れてしまいそうなところに在るアナタの寝顔を。起こしてしまわないように声を抑えていたからでしょう。まだアナタは夢の中。想われているのは嬉しいし、もし私以外に満たされていたら、仄暗い炎を燃え上がらせてしまっていたのだけれど、あのちょっとこそばゆい夢の中に。
……夢の中のアナタは何をしているのでしょうか?夢の中の私と肩を寄せ合い眠っていたりするのでしょうか?夢の中の私と。今ここに在る私とではなくて。
…………結局のところ私は、どんな夢であっても満足できないみたいです。私に満たされていてもダメ。アナタの思い描く私ではなくて、私で満たさない限りは。
柔らかな筋肉の下にある固い骨の感触も、私より少しだけ大きな……所によっては私よりも断然豊かなアナタの温もりも、安らかな寝顔も今や遠く、私の眼下。優しく両手を握るとアナタも握り返してくれるけど、少し不満。返してくれたとはいっても、無意識の反射では力は入ってないも同然ですから。 - 2【全三レス(予定)】25/06/01(日) 20:34:22
ゆっくりと顔を近づける。幾筋か、アナタの顔に垂れた黒髪のむず痒さに目を覚ましてしまわれないことを願いながら。我ながら自分勝手とは思います。心の中で燃え上がる炎を鎮めるこの勝手な行為と、アナタの心安らかな眠りとが両立して欲しいだなんて。
瑞々しくて弾力のある感触。ほんのちょっとの間触れ合って、乱れる寝息。その一回だけで満足できなくて一回、また一回と重ねていく。少しずつ塞ぐ時間が長くなっていく。激しくなってしまう。止められない、止めたくない。好き。好き。好き——
———大好き。
その一心に思考も何もかもを侵され、ひたすらに、ただひたすらにアナタを求める。始めに抱いていたつまらなくて理不尽な嫉妬心も忘れて。もはや唇を離すこともほとんど無く、アナタと繋がる。そんな有様だったからでしょうか?
私の手を握り返すアナタの力の強まりを気づけなかったのは。 - 3【全三レス(予定)】25/06/01(日) 20:34:43
荒い呼吸。マットレスに沈み込む私。目の前にはアナタ。押し倒すように私に覆い被さるアナタ。少々、我を忘れすぎていたようです。
「……起こしてしまいましたか?」
「ええ……。ふふっ、カフェがこんな悪い子だったなんて、知らなかった」
その声は怒るでなく咎めるでなく、少しイタズラっぽい色がありました。
「『お仕置き』が必要みたいだね」
昨日と同じような優しくて甘い声。けど、私が抱く感情は対照的。安心感ではなくて期待感。それからほんのちょっぴりの被虐心。
「……お手柔らかに、してくれますか?」
大して思ってもいないおねだりをしてみる。その答えは、私の求めるものでした。まるで私の心を覗かれたかのように。
「どうしようかな?」
そう言って彼女は私にキスをした。柔らかな唇が繋がる感触。弾力があって、私のそれより少し短い、生温かなもの。蠢き、蹂躙され、絡め合う。ああ……やはり、繋がり合うほうがいいですね。一方的に繋がる独りよがりも。ずっと。ずっと、遥かにいい。
昨日に比べて少し乱暴で、足をばたつかせてしまう。ぼふん、ぼふん、と。マットレスから情けない音がするたびに、それが無意味なことを突きつけられる。……仕方のないことです。だって『お仕置き』なんですから。
その音が聞こえなくなったのはアナタに夢中になって、アナタ以外の何も考えられなくなったからか。それとも単に、無意味な抵抗のようなものをする余裕すらなく骨抜きにされたからなのか。……キスだけじゃ留まらなくなったからか。
身も心も、脳の深奥に至るまで全てをアナタに染め上げられていく。きっとアナタも今、私に染め上げられているはず。自分というものが溶けていく。溶けて、溶けて、蕩けて混じりあっていく。なんて幸せなんでしょうか。
長い、長い、幸福な夜はまだ続くようです。 - 4二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:35:23
- 5二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:41:36
- 6二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:44:10
攻め×攻めの百合はいいぞ
- 7二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:47:10
金烏は太陽で玉兎は月だっけ
- 8二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:53:20
トレーナーに責められて脚をばたつかせてるカフェがね…いつも浮世離れしたような感じがある分余計にね…
- 9二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 20:55:47
口ぶり的に起きるまでカフェトレの夢の中にお邪魔してたのかなカフェ
相変わらずオカルト力が凄い - 10二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 21:00:22
マンハッタンカフェのMはMのM!
- 11二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 21:07:20
止まらなくなってどんどんエスカレートしちゃうのいい
- 12二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 21:23:35
もちろんそういうことを愉しみはするけどそれはそれとしてそっちより心の充足の方を重視している関係好き
- 13二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 21:25:48
エッッッッッでめっちゃ良い
"運動"の後、変な時間に起きた気怠さが生き生きと伝わってくる - 14二次元好きの匿名さん25/06/01(日) 21:35:54
ちなみに金烏は太陽に住んでるとされる中国の伝説上の三本足の烏で八咫烏の元ネタ疑惑があるらしいぞ!
そして玉兎は同じく月に住む中国の伝説上の兎でたぶん月で餅ついてる兎の元ネタだ! - 15二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 00:35:59
こういうの好きよ
- 16二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 00:55:57
護られているシーンが多いからこそカフェトレ攻めが映える…のだろうか
- 17二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 01:08:10
居るかも分からぬ夢の中の自分に嫉妬をする重さ、イエスだね
- 18二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 08:02:32
いい匂いしそう(小並感
- 19二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 08:45:14
- 20二次元好きの匿名さん25/06/02(月) 16:55:25
カフェはインモラルな雰囲気も似合う
- 21二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 01:07:13
巨乳(というかおそらくボンキュッボンのナイスバディ)カフェトレ概念か…アリだね ちょっとカフェが思うところありそうな感じも個人的に好み
- 22二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 10:28:22
玉兎の餅がカフェトレ♀のおもちメタファーってことだな
- 23二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 10:44:15
おもちというよりおちt
- 24二次元好きの匿名さん25/06/03(火) 19:23:14
カフェもおもち大好きになっちゃう
- 25二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 04:51:02
甘えんぼカフェってのもいいな
- 26二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 09:33:54
これはいいかおり
- 27二次元好きの匿名さん25/06/04(水) 18:46:56
個人的にはカフェトレ♀側の方が背が高いと嬉しい