- 1一般通過弟(?)25/06/07(土) 22:58:06
- 2一般通過弟(?)25/06/07(土) 23:02:11
- 3二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:05:01
別スレだけど、幼馴染てまひろ概念に千奈を入れた幼馴染nightmare概念。
幼少期にたまたま出会った3人が、初星学園で再会してユニットを組む世界線が見たいです。 - 4二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:10:47
清夏とPっちが商店街食べ歩きデートするシチュが見たいです。
美味しいものいっぱい食べてニッコニコの清夏とそれを見て笑みを浮かべるPっち… - 5一般通過弟(?)25/06/07(土) 23:16:47
※広はそもそも研究ではなくアイドルに興味を持った世界線
※手毬はSyng upを組んでおらず中等部では普通にことねのクラスメイトとして過ごしていた世界線
※手毬は燐羽と出会ってないので普通の穏やかな女の子
「今日から、私も高等部か」
中等部の頃とは少し変わった制服を見に纏い、私は高等部の校舎へと赴く。まずは、クラスが書かれてる奴を探さないと。
「私は……一組か。あれ。ことね、同じクラスなんだ。……えっ」
月村手毬の文字は一組にあった。仲良い……と呼べるかどうかは分からないけど、中等部の頃から度々軽く話す程度の仲の子はいた。名前は藤田ことね。あたしと同じ、中等部進学組。
だけど今はそんな事はどうでもいい。大事なのは、二組の名簿。懐かしい名前を見た。二つも。六歳くらいの時に、ここにライブを見に来て一緒に迷って、それで仲良くなった子達。私のかけがえのない大切な友達。
「……広も、ちーちゃんも、ここに来たんだ」
「こっちですわ! 確かにこっちにまりちゃんらしき人が見えましたの! 」
「ちょっ千奈、早い……あっ」
「広! 千奈! 久しぶりだね! 」
「まぁ……! まりちゃん! お久しぶりですわ!
随分と……ご立派になられましたのね! 」
- 6一般通過弟(?)25/06/07(土) 23:25:30
「ちーちゃんは……そんなあんまり変わってないね。広は凄いお姉さんって感じする」
「私が、お姉さん? 」
「まさかこうして再会できるなんて思っていませんでしたわ! 」
「うん、私も! ずっと会いたかったよ、二人とも! 」
「私も会いたかった、よ」
名簿を見て、その二人をすぐに探そうとしたら向こうの方から私を探しに来てくれた。……ふふ。二人とも、すっごい大きくなってる。ちーちゃん、可愛いなぁ。広は凄い大人な雰囲気だ。
「そうですわ! 篠澤さん、まりちゃん! 私、提案がありますの! 」
「私も言おうと思ってた! じゃあちーちゃん、せーので言おうよ! 」
「じゃあ、私が言う、ね。……せーの」
「ユニット来も! 」
「ユニットを組みましょう! 」
「ほらやっぱり同じだった! 広も良いでしょ!? 」
「ふふ、では決定ですわね! いいですわよね、篠澤さん! 」
「……うん。やろう。私達三人で」
「ユニット名、どうしよっか」
「私、案がある」
「さすが篠澤さんですわ! 是非とも聞かせてくださいまし! 」
こういう時の広は凄い頼りになる。きっと、かっこいい名前付けてくれるんだろうな。
「『nightmare』。あの日聞いた私達の楽曲の名前。私達の憧れにして原点。それを、名前にする」
「nightmare……かっこいい! 私賛成! 」
「私も、賛成ですわ! 」
「じゃあ決まり、だね。……なろう、私達で……一番に」
「「「おー!!!! 」」」
- 7一般通過弟(?)25/06/07(土) 23:26:08
- 8二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:34:53
- 9一般通過弟(?)25/06/07(土) 23:38:17
「はいPっち、あーん」
「清夏さん、流石にこんな人がいる中では……」
「とか言いながら結局食べてくれるトコ、ちょー好きだよ」
「少しでもあなたに楽しんでいただく事が目的ですからね」
先週あたしは、大きなライブを成功させた。それはもう大成功だった。きっとそのご褒美なのか、商店街にデートをしに行こうってPっちが誘ってくれた。お出かけ、じゃなくてデートに行こう、って。
「ふふ、あたし一度食べ歩きデートしてみたかったんだよね~」
「普段俺も食べ歩きはあまりしないので新鮮ですね」
「んーっ、おいひぃ~!! 」
「あ、清夏さん。あそこに焼きマシュマロありますよ」
「えっ焼きマシュマロって屋台あんの!? 食べたい! 」
「わかりました。では、俺が買ってきますね」
くーっ……ずるい! Pっち、全部自分が払うんだもん! あたしだってしっかり払っておきたいのに……惚れる!!
「はい、どうぞ」
「ありがとPっち~。ね、そんな何でもかんでも払わなくてもいいんだよ? あっおいしぃ~! 」
「それですよ、それ」
「……? 」
それ……? - 10一般通過弟(?)25/06/07(土) 23:44:33
「それって? 」
「その心から美味しそうに、幸せそうに食べてる顔ですよ」
「えっ、あたしそんな顔に出ちゃってた? 」
「はい。その顔がとても可愛いもので。もっと見たいと思ってしまいまして。……それに、これはライブのご褒美なんですから、今日くらいただ楽しむ事だけを考えてくれればいいんです」
「Pっち……ひひっ、ありがと! わかったよ、あたし今日は全力で楽しむね! 」
いやぁ……まさかそんな顔に出ちゃってたなんて思わなかったな。てかなにあの凄い優しい微笑み! Pっちってあんなに優しく笑うの!?
「はい、今日だけはただ楽しむ事を考えてください。……俺も、貰いますね」
「このマシュマロさ、すっごい美味しいからちょうどPっちにも食べてもらいたかったとこだよ、はい! 」
「これは……確かに、美味しいですね」
「でっしょぉ~! このマシュマロ無限に食べられちゃうよ~」
「……ふふ」
「……? Pっちどうかしたん? 」
「いえ、なんでもないですよ。ただ……可愛いですね、清夏さん」
「……!? な、なんか今日のPっちちょーずるいんですケド……」
- 11一般通過弟(?)25/06/07(土) 23:48:09
- 12二次元好きの匿名さん25/06/07(土) 23:53:32
- 13二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 09:25:54
ほ
- 14二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 09:45:13
Pと口論になり「Pなんていなくなっちゃえ」と言った手毬。翌日あさり先生からPが死んだことを知らされる。(実際には出張と休暇消化だが、手毬に反省させるため先生に頼み死んだことにしてもらった。)自責の念に駆られた手毬はあさり先生から受け取ったPのプロデュース計画表に沿って活動を続けるが、上手くいかない。数週間後、もう1人の協力者である美鈴から手毬がオーバーワーク気味になっていることと、ここ数日隣で号泣されて寝れないと報告を受けたPが戻ってきた。手毬はPに強く依存するようになり、Pの言うことは全部聞くし、困らせるようなこともしなくなった。
- 15二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 12:07:51
「はぁ!? テントが壊れたですって!? 」
「出発前に確認した時は大丈夫だったんですけどね」
「まぁ……流石にこんな険しい道を登ってきたんだもの、壊れるのも無理はないわね」
ライブを終えて、久しぶりの連休。咲季の提案でプロデューサーは咲季と共に山でキャンプをすることになっていた。さすがは二人とでも言うべきか、前準備から計画の生成までどれをとっても非の打ち所がないほどに完璧な計画だった。
ただやはり、険しい山道を登ったからかプロデューサーのテントは壊れて使えなくなっていた。今、残っているテントは咲季のテントのみ。
「……あなたが使いなさい。私はいいわ、野宿も知識くらいは頭に入れてるもの」
「いえ、俺が野宿するので大丈夫ですよ。咲季さんはごゆっくり休んでください。疲れているでしょう」
「いや、あなたが使うべきよ。あなたに風邪でも引かれたりしたら困るもの」
「それを言うのであれば咲季さんこそ。俺はまだ風邪を引いても何とかなりますが、数日動けないほどの風邪をひいてしまった場合咲季さんの生活習慣が大きく乱れてしまうことになります」
「意外とあなたってしつこいわよね。別に気にしなくていいのよ。体調管理くらい自分で完璧にこなせるもの。……あなたと出会ってから私が風邪を引いたことなんてあるかしら? 」
「万一に備えておくのも大事なことですよ。俺は、あなたが折れるまで折れませんから」
「だから私の事は気にしないでいいって言ってるじゃない! 」
「ですからこちらも万一の事を考えてと! 」
お互いにお互いを想う気持ちから譲り合いは軽い言い争いへと発展。数分の間、お互いに心のうちを打ち明けて、少し落ち着いたのか二人は黙って見つめ合う。
「……はぁ、しょうがないわね。こうなったらもう、二人で使いましょう。異論はないわね? 」
「はい。俺も賛成です」
- 16一般通過弟(?)25/06/08(日) 12:37:45
時刻は午後九時。言い争いの末に二人とも折れて、咲季のテントを二人で使う事になった。男女がテントに二人きり。それも、お互いにほんのりと好意を抱いている相手と。当然、寝れる訳もなく。
「珍しいですね、咲季さん。もう九時ですよ」
「しょうがないじゃない、寝れないもの……っていうか元より今日は少しだけ長く起きようかと思っていたのよ」
「……先程は、すいませんでした。俺とした事がつい、熱くなってしまって」
「それを言うなら私もよ。ごめんなさい、少し感情的になってしまったわ。始めてね、あなたとこんな言い争いをするなんて。もう……あなた、私の事好きすぎないかしら」
「担当アイドルを大事にしないプロデューサーなんていてたまりますか」
「あなたは大事にしすぎなのよ。……改めて、今日はありがと。急に言い出したのに」
「いえ。こちらも丁度あなたに何をしたらいいかわからず迷っていたところだったので」
そこから少しの間また他愛の話を続ける。
「そ、なら良かったわ。お陰様でこっちも楽しい一日を過ごせたもの」
「俺もですよ。こんな動いたのもこんな楽しいと思ったのも久しぶりです」
「また……付き合ってくれるかしら? 」
「では次はH.I.F.の後ですね」
「わかったわ。……絶対あなたの夢を叶えてみせる。絶対なってくるわ、一番星に! 」
「あなたならなれますよ、絶対に」
「あなたと話していたら……もう寝れそうだわ。おやすみなさい」
「はい、おやすみなさい」
- 17二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 13:49:20
1年2組の4人は初星学園に対して嫌がらせを続けてくる極月学園に対して、強いストレスと怒りを感じていた。ある日、とうとう我慢の限界に達した4人は倉本グループの力と広の頭脳、佑芽の攻撃による身体・精神破壊。そして美鈴の殺意により瀕死に追い込まれた極月学園は、廃校という形で平穏が訪れた
- 18一般通過弟(?)25/06/08(日) 15:11:24
「もういいです、あなたなんて居なくなればいいのに」
些細な事から私と彼は言い合いになり、ふと、口をついてそんな思っても居ないことを言ってしまった。……大丈夫、だよね。いなくなったり、しないよね……?
「わかりました。では、お望み通りに」
それだけ言って、プロデューサーは出て行った。……大丈夫、大丈夫。これは、いつも通りのやりとり。きっと、また明日には元に戻ってるはず。じわじわと、言葉にできない吐き気が押し寄せてくる。……なんで、この口はいつもそうなんだろう。
──────────────────────────────────────────
それから翌日。彼の姿は無かった。……寝坊、してるのかな。珍しい。やっぱり昨日、そんな寝れなかったのかな……私が、あんなこと言っちゃったせいで。
「あの、あさり先生。プロデューサー見てませんか? 」
「丁度良かったです、月村さん。私もあなたにお話がしたかったところなんですよ」
「先生から、私にですか」
「……はい、そうですね」
いつもの教室に行くと、あさり先生が居た。その手元には、一枚の紙が握られている。話しているうちに、段々と先生の表情が曇っていく。……いや。うそ、そんな……まさか……
「先日、帰り道で……プロデューサーくんが、車に轢かれて……亡くなりました」
「……えっ。えっ? な、何言ってるんですか……あの人がそんな、私を残して死ぬはずが」
「これは本当の事です。今朝、搬送された病院から報告がありました。……これ、彼が最後に残してくれたレッスンメニューです。また、出来る時に出いいので……」
「それ、貰っていきますね!! 」
なんで、なんでなんで……そんな、なんで……だって言ったのに。私をトップアイドルにするって。それまで傍にいる、って……嫌だ、やだやだやだ!
事実を理解しつつある一方で、またそれを受け入れたくないのも事実で、気づいたらレッスン室へとメニュー片手に走っていた。
- 19一般通過弟(?)25/06/08(日) 20:58:30
居なくなってしまえばいい、と月村さんに言われて、今まで我慢していたものが急に溢れ出して来た。そして彼女に一度反省させようと思い、メニューだけ作成して一週間ほどの休暇を取ることにした。もちろんあさり先生にも秦谷さんにも俺は死んだ事にして貰っている。あれから五日経ったが……さて、大丈夫だろうか。
プルルルルル
……秦谷さんからだ。
「はい、プロデューサーです」
「すいません、プロデューサー。もう、やめにしませんか? 」
「……その様子から察するに、月村さんの今の状況は最悪と」
「最悪すぎて私も中々眠れないほどですよ。……まず、以前ではありえなかった過度なオーバーワーク。この五日で何回倒れたか。……結果は何一つ伴っていないというのに」
「それだけでもかなり最悪なのですが……あと一つ、もしくはそれ以外にもまだあると」
「いえ、あとひとつです。ですが……これが、一番よろしくないものだと思われます。プロデューサー、ミュートにしてください」
秦谷さんに言われてミュートにする。……一度反省させる機会を与えた方がいい、とは前々から思っていた。だが、流石に我ながら度を超え過ぎた。今になってとてつもない罪悪感が襲いかかる。
秦谷さんがスピーカーになる。そして、聞こえてきたもの。
『ごめんなさい……ごめんなさい、ごめんなさいごめんなさいごめんなさいっ!!!! 』
「まりちゃん……大丈夫、ですか? 」
『うるさい!! 美鈴はほっといてよ!! ……ごめんなさい、ごめんなさい!! 』
「……と。まぁ、この様な感じで毎晩声を大にして泣き続けあなたに数え切れないほどの謝罪をしていると言った感じです。有村寮長と篠澤さんが作ってくれた強度の防音室のおかげで近所迷惑は避けれているのですが……ただ、私には普通に聞こえてきて色々な思いで寝れない毎日で……それから、もうこれ以上こんなまりちゃんを見たくないので。プロデューサー、やめにしませんか? 」
「わかりました。ですが明日になってしまいそうです。大丈夫ですか? 」
「はい、わかりました」
「秦谷さん。大変ご迷惑をおかけしました。また今度、何か埋め合わせをさせてください」
「まぁ。でしたら……一緒に、お昼寝をしましょう」
- 20一般通過弟(?)25/06/08(日) 21:44:18
……毎晩彼の夢を見る。私のせいで死んでしまった人の夢を。どれだけ泣いても叫んでも帰ってこない人の夢を。忘れたくて、受け止めたくなくて、悪いとわかっていながら過度なレッスンを続ける日々。……いつまで、こんなふうなんだろう、私は。
「ワン、ツー、スリー……」
「そこまでです」
「うるさ……えっ? 」
誰かに止められる。……けど、今の私は止まっては行けない。だから、うるさいと言って続けようとした。
続ける事は出来なかった。声の主は……プロデューサー。
「プロデュー……サー? 夢、じゃない……よね? 」
「現実ですよ。……月村さん、すいませんでした」
夢じゃ、無い。確かにいる。そこに、いる。彼がちゃんと、生きて。あぁ、嬉しい。何よりも嬉しい。生きてきた中で一番嬉しい。よかった、生きてて。また彼の顔を見れて。……もう、二度と離されないようにしないと。きっと、私のいつもの態度が悪かったから……だよね。もう次離れられたら死んでもいいし。私、いい子にならないと。
- 21一般通過弟(?)25/06/08(日) 22:27:05
あれから、嘘みたいに月村さんの態度が変わった。まず第一に、常に俺のそばにいたがるということ。俺が彼女の視界にいるうちは、常に傍にいようとしてくる……というか、常に俺を視界にとどめようとしてくる。
それから……一番はこれだろう。
「月村さん、今日はここまでです」
「はい、わかりました。……私、上達しましたか? 」
態度がだいぶ柔らかくなったのと……従順になった。
秦谷さん協力の元色々試して見たが、本当に従順になっている。例を挙げると、秦谷さんの提案で電話越しに俺が服を脱ぐように言ってみた。そしたら実際に脱ぎ始めた。
秦谷さんに抱きつくように言ってみた。実際に抱きついた。それも、嫌々という訳ではなく。
「はい、上達してますよ」
「ありがとうございます。私、嬉しいです」
今の月村さんはとてつもなく病んでいる。……原因は、俺なのだが。
「来週のライブ、期待してます。頑張ってくださいね」
「はい、ありがとうございます! 私、絶対絶対成功させてみせますから! ですから……これからもずっと、そばにいてくださいね。離れないでくださいね」
俺の方を見てふふっと優しく笑う彼女の瞳は冷たく、かつてあった光なんてもう見えないほどに暗く濁っていた。
- 22二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 06:13:35
ほ
- 23二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 07:32:55
- 24二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 10:01:45
高校卒業から数年が経過し、アイドルを引退した星南が本格的にプロデューサーとして活動する準備として学園のプロデューサー科に社会人学生として入学し、アイドル科で教鞭をとるかつての後輩たちと再会する話
- 25二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 17:42:19
保守
- 26二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 18:30:35
美鈴がPにあの手この手を使って美鈴お姉ちゃんと言わせようとする話
- 27一般通過弟(?)25/06/09(月) 19:45:13
「……まただ。また、グッズが全部買われてる。購入者は……藍井撫子」
「うぅ……また白草さんにお邪魔をされてしまいましたわぁ……」
「ぐぬぬぅ……燐羽ちゃんめぇ!! 」
「極月学園……許せません」
初星学園一年二組。今その教室の隅っこには、とてつもないほどの怨嗟の渦が出来上がっていた。その原因は、執拗なまでに初星学園全体に対して嫌がらせを行ってくる極月学園の生徒三人によるものである。
藍井撫子。彼女は篠澤広ファンが勝手に作りだした暗黙の了解、「グッズ=ライブへの参加券」というものを上手いこと利用し買い占め、彼女のライブの集客数を大きく減らした。
白草四音。彼女はフェイク画像やデマを用いて既存ファンを着々と減らしている他、パフォーマンスの大きな邪魔を繰り返し行い、意図的にステージの上で失敗を繰り返させる等の悪辣な行為を繰り返し倉本千奈と篠澤広に対して行っていた。
賀陽燐羽。彼女は『初星潰し』と称して、意図して初参加の生徒ばかりに目をつけて蹂躙をしてきた。他、花海咲季の頬にキスをして花海佑芽の逆鱗に触れた。
そんな嫌がらせを延々と受け続ける日々に、ついに彼女達は限界を迎えた。
「あたしもう我慢の限界! いい加減許せないよ! 千奈ちゃんや広ちゃん、クラスの皆にまで迷惑がいってるんだもん! 」
「誰も来てくれないのは普通に困る。ままならない、けど嬉しくないしつまらない」
「私もファンが増え続けているのは嬉しいのですけれど、折角でしたら完璧なステージで増やしたいですわ! 」
「篠澤さんや倉本さんに流れてる今でさえ許し難いのに……まりちゃんにこれが行ったら……ふふ。ふふふふふ」
- 28一般通過弟(?)25/06/09(月) 21:09:18
「皆さん。私達四人で、極月学園……潰しませんか? 」
「あたし賛成! みんなに迷惑がかかるのは許せない! 」
「私も……手伝う、よ」
「わ、私もご一緒させてもらいますわ! 」
こうして知能・身体能力・財力・アイドル力それら全てにおいて勝るもの無しの最強のグループが誕生した。ただ、極月学園の崩壊というひとつの目的の為だけに。
主な指示役は広、それから美鈴。作戦内容はこうだ。広の知能を活かして人間心理から来る行動の推測や、非常時の打開策を練る。美鈴はアイドル力を最大限に発揮して圧倒的な格差を突きつける。佑芽はそのもはや脅威なんて言葉すらも軽いほどの肉体で精神的、身体的にじわじわとダメージを与える。千奈は莫大な資金と権力を用いて三人のサポートに回りながらその全身から溢れる異常なまでの愛嬌でありとあらゆるファンを掻っ攫っていく。発案者は広。仕掛け時は来週。N.I.Aの二次オーディション。そこで、他の生徒もまとめて極月学園を一掃する予定。
「では、秦谷さん……ご指導のほど、よろしくお願い致しますわ! 」
「佑芽。ダンス、教えて」
「いいよ! 」
この一週間は、レッスン。トレーナーの他に、美鈴からボーカルを、佑芽からダンスを千奈と広が教わり、少しでも実力を伸ばしておく。
- 29一般通過弟(?)25/06/09(月) 21:38:18
そして迎えた二次オーディションの日。とりあえずでオーディションは圧勝した。……けど、大事なのはそこじゃなくて、ここから。まずは千奈から。
『千奈。千奈には、私の発言を繰り返し言ってもらう。そうするだけで、撫子はなんとかなる』
「わ、わかりましたわ! 私、頑張りますわ! 」
『それじゃあ……会いに行こう』
オーディション後、千奈の耳に広作の通信機をつける。そして、広が遠隔で指示を出しながら撫子への接触を図る。千奈は、撫子の控え室へと足を運ぶ。
「藍井さん、いらっしゃいますか? 」
「あら……三下の倉本千奈ではありませんの。負けた私を嘲笑いにでも来たんですか? 」
「いえ。そういえば、と思い出した事があったのでそれをお伝えしたく来た次第ですわ」
「話したいこと……一体どんなくだらない事なのでしょう」
「藍井さんのおうちの会社のお名前は藍井ホールディングスで間違いないですわよね? 」
「それが、どうかしましたの? 」
「では、親会社のお名前を言えますか? 」
「はぁ? それが何になるんですの? そんなもの、倉本財閥に決まってるじゃないですの……ん? 倉本、財閥? 」
「改めまして自己紹介ですわ。私、倉本千奈と申しますの。……倉本財閥令嬢の、倉本千奈ですわ。だからでしたのね、藍井さんのお顔を見た時に見覚えがあったのは」
「ぴぎゃぁぁぁぁ!?!?!? く、倉本財閥の……倉本、千奈!? 同姓同名、という訳ではなく……? 本当の、倉本……」
「私ね。とーっても、怒っていますのよ。私の大切なお友達を沢山コケにされて……ライブのお客さんまで減らされて。なので……もう、お父様に報告しようと思っているのですけど……どうでしょうか」
「そ、そそそそ、それだけは何卒ご勘弁を……!! 」
『千奈。にっこりスマイル』
「でしたら……もう二度と、個人的に初星学園には関わらず、正々堂々と勝負を挑んでくることですわね。ちなみに……多分ですけどもう十王家の皆様方にはこの情報は出回っていると思いますわ」
「ぁぅ……ぁぅ……」
「あら、倒れてしまいましたわ……。篠澤さん、これで良かったのでしょうか? 」
『うん。これでいい。……これが、一番優しい方法』
- 30一般通過弟(?)25/06/09(月) 22:08:38
『佑芽。千奈は終わった』
「りょーかい! あたしは、四音ちゃんだよね」
『うん。思いっきり追いかけっこするだけでいい。十分くらい』
「それって大丈夫? 警察とか」
『大丈夫。千奈の家族に話はつけてここら一体の警察は全員倉本家直属の人間だから。それに、まだ犯罪では無いから』
「ありがとう広ちゃん! それじゃあ早速探してくるね! 匂いはもう覚えたから! 」
この一週間で広は倉本家の人間といくつも駆け引きをしていた。事情を説明したら『孫の輝きを邪魔されてたまるものか』と二つ返事で許可が降りた。その一つが、N.I.Aの警備隊を全員倉本の人間にするというもの。これで、佑芽は思う存分暴れることが出来る。
「すぅぅぅぅ……し~~お~~ん~~ちゃ~~ん!! 」
「わっ!? お前は……花海佑芽? ボクに何の用だ! まさか、嘲笑いに来たのか? 」
「ううん! すっごく良い勝負だった! だから、マッサージしてあげようかなって」
「へぇ……マッサージか。まぐれで勝った三下にしては気が利くじゃないか」
いきなり追いかけ回すのでは無く、まずは全力のマッサージをプレゼントする。
「でしょ? じゃあちょっと横になれる? 」
「ボクもそんな時間を残してるわけじゃないんだ。手短に頼む」
「わかった! じゃあ行くね~えいっ! 」
「っ!?!?!?!? 」
「あーもー、暴れちゃダメだよほら!大人しく! 」
「ぐぁぁぁっ!?!?!? 」
広の計画は流石としか言いようがなかった。広は途中で必ず四音は逃げ出すと睨んでいた。そして実際にそれは当たった。そこで、広が出した指示。四音を追いかけ回せ、と。四音と追いかけっこをしようと。もう既に四音の体には恐怖を超えるほどの痛みが染み込んでいた。そんな状態で追いかけ回されてみれば……精神なんて容易く砕ける。
「あっ逃げちゃった。追いかけっこしたいんだね! よーし、行くよー! 」
「なっ!? く、来るなぁっ!? 」
- 31一般通過弟(?)25/06/09(月) 22:34:14
かれこれ数分追い回され、四音は隠れるという手段を取った。あまり人気のいない路地裏に。ただ、知らなかった。佑芽が抜きん出て優れているものが身体能力だけでは無いということに。
「あっ、四音ちゃんみーっけ♪ 」
「なっ!? た、確かにボクは隠れたはず……」
「隠れても無駄だよ? だってもうあたし四音ちゃんの匂い覚えちゃったもん」
「は? 犬なのかお前は」
「て事で観念してあたしにマッサージされてね♪ 」
「な、なんで……なんでここまでする」
「なんで? ……そんなの、四音ちゃんが千奈ちゃんや広ちゃんに嫌がらせばかりしてるからに決まってるよ。これはあたしからのお仕置」
「ボクに何かしてみろ! 絶対黒井理事長が黙ってないぞ! 」
「黒井……あぁ。向こうの理事長さんか。無駄だと思うよ? それも。後からあたしも合流するし、今きっと美鈴ちゃんと話してる頃だと思うから」
『佑芽。ここからは私の指示に従って、私の発言を繰り返して欲しい』
「うん、わかったよ」
広は徹底的に調べあげていた。四音のトラウマ、コンプレックスを。どうしたら一番精神が削れるのかを。
「……話してみてわかったよ。あたし、四音ちゃんよりも月花さんの方がずっとずっと立派なアイドルしてると思う」
「っ!? ……その名前を、出すなぁッ! 」
広考案の行動パターン。四音のような人間は崖っぷちの状態で強く刺激すると、理性が効かなくなって手を出してくる。四音が佑芽に向かってふりかざした拳を、佑芽は軽く受け止める。
「四音ちゃん。……そういうとこだよ。あたしもこれ以上やられてもうんざりだから……ね。これで、終わり」
佑芽は四音を避けつつもその風圧は四音に直接行くように素早く拳を振る。もう四音の心はボロボロなのか、ほろりと涙が零れ落ちていた。
「これに懲りたらあたし達に絶対嫌がらせなんてしないでね! ……あと、ごめんね! 」
それだけ残して佑芽は美鈴の方に向かっていく。佑芽が去ったのを確認して、四音はただ無言で膝から崩れ落ちて泣き崩れていた。
- 32一般通過弟(?)25/06/09(月) 23:27:40
「まぁ。珍しいわね、あなたがこんなにも本気を出すなんて」
「少々理由がありまして……私今、かなり怒ってるんですよ? 」
「ふーん。……で、要件は? 」
「りんちゃん、戻ってきてください」
「もうとっくに戻る予定よ。手毬にしつこく泣き付かれたもの」
「まぁ、そうでしたか。……では、黒井さんを呼んで貰えませんかね」
「はぁ? なんでよ」
「秦谷美鈴……私に何か用でも? 」
「あら。あなたの方から会いに来てくれて嬉しいです、黒井さん」
「賀陽。ここは私と秦谷だけで話す。貴様は先に行くがいい。賀陽燐羽……契約満了を以て貴様は退学だ」
と急に現れた黒井が告げると、燐羽は何も言わずにその場を去った。
「それで……改めて、下等アイドルが私に何の用だ? 」
「確認したいことがありまして。……度重なる初星学園への妨害。あれは、全部あなたの指示ですか? 」
「そうだと言ったら貴様はどうする? 」
「なるほど、そう……ですか」
「っ!? 」
「はっきり言いますね。初星学園にこれ以上手を出さないでくれませんか? もしくは……廃校などされてみてはいかがでしょう」
「何故私が貴様らの為にそこまでしてやらないといけないというのだ。貴様らがあいつらの妨害を受けて失敗続きだとかライブにファンがこないだとか……それらは全て貴様らの実力と人気が下の下の下に過ぎないからではないか」
「実力不足なのは認めます。私も、篠澤さんも倉本さんも佑芽さんも。ですがここまでやる意味が見当たりません。もしかして……こうでもしないとすぐに負けてしまうから、ですか? 」
美鈴に出した指示は……無し。美鈴は全て自分でなんとか出来る人間と判断した為、美鈴に与えた指示はなし。
「それから……もし私達が下の下の下故に妨害が意味を成している、とおっしゃるのでしたら妨害した上で大差で負けたあなたのアイドルはどうなんでしょうか」
「くっ……このアマがっ! 」
「セーフッ! 間に合ってよかった、美鈴ちゃん! 」
「まぁ……篠澤さんの指示ですね。ありがとうございます、佑芽さん」
- 33一般通過弟(?)25/06/09(月) 23:34:27
言葉に詰まった黒井は、美鈴に手を上げようとする。が、現れた佑芽によってまたそれも防がれる。
「まぁ……四音さんといい、やはり極月学園というのは乱暴な所なのですね。……良かったです。まりちゃんに被害が行く前に止めれて」
「くっ……この、離せっ! 」
「ふんっ! 」
「痛い痛い痛い痛い!!! わかった! 今後一切関与しないと約束しよう! 」
「佑芽さん……そこまでしなくても良かったんですよ? 」
「あ、やりすぎちゃった……」
……と、こうして様々な事が起こりまくった二次オーディションも幕を閉じた。
そして翌日。
「……あっみて! 極月学園が閉校だって! 」
「理由は……生徒の半数以上が強い精神的恐怖によってまともに動ける状態じゃないから」
「やっぱり……だいぶやりすぎてしまったのでは……」
「まぁ、いいじゃないですか。これで、平和に過ごせるんですから」
かなり長くなったしだいぶ設定がぐちゃぐちゃになってしまってすいません。とりあえずこれで終わりです。あと流石に本日はここで中断させていただきます
- 34二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 23:41:25
お疲れ様でした!こんなに長い文章を書ききるのは流石です!
- 35二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 05:55:21
ことねに対するキュートアグレッションが抑えきれなくなったPが星南にことねのプロデュースを引継ごうとする。Pの事情を知っていたことねが懇願したことで引継ぎは白紙になった。
(Pが星南や周囲の協力により正常になるか、悪化してことねに危害を加えるようになるかはお任せします。) - 36二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 14:09:22
保守
- 37一般通過弟(?)25/06/10(火) 16:07:07
少し前まで初星学園では異様なまでの悪臭が問題となっていた。臭いの元はキッチンから。数多の生徒に支障を来し、一度は十王星南も動いた問題。だが、今も尚悪臭問題は起こっている。が、前とは違い不満を漏らす生徒の数は圧倒的に減った。
「はい、出来たよ。月村ぁめん」
「いやほんと……何であんなすげぇ臭い匂いからこんな美味そうなもんができるんだよ」
「私を舐めないで。研究に研究を重ねて、咲季にも手伝ってもらったんだから」
「ま、いいや。いただきまーす……うんまっ!? 何コレ!? いや、うまっ!? 」
悪臭の正体。それは、月村手毬が作る豚骨ラーメンによるものだった。ついに食べたい気持ちを抑えられなくなった手毬は花海咲季に相談し、可能な限りカロリーを減らしてその代わり味を拘った結果、これが言葉にし難いほどの絶品に。生徒からの人気も高く、学食の新メニュー「月村ぁめん」として取り入れられることとなった。
「月村さん、今お時間よろしいでしょうか……って、この匂いは! 」
「あ、手毬のプロデューサーさん! ど~も~、お邪魔してますっ♪ 」
彼女のプロデューサーは今、この事について軽く説教をしようと彼女の寮の部屋に来た。
「いらっしゃい、プロデューサー。プロデューサーも食べに来たの? ラーメン」
「そのことについて話したい事が……」
「あの、待ってください! プロデューサーさん、これほんとに美味しいんで! 是非食べてみてください! きっと考えも変わりますから! 」
「ことね……」
「……藤田さんを持ってしてそこまで言わせるとは。聞いた話だと咲季さんも関わっているみたいですし……わかりました。月村さん、いただけますか? 」
「!……はいっ、わかりました! 今作ります! 」
- 38一般通過弟(?)25/06/10(火) 16:32:42
「はい、プロデューサー。できましたよ」
「凄い……なんであんな強烈な匂いからこんな美味しそうなものが……」
「それあたしも思いました! けど、味はほんとに絶品なんですよー、あたしが保証します」
「それでは……いただきます」
それから少しして、また悪臭と共にひとつラーメンが作られる。彼はそれを口に運び、即座に感じたことのないほど大きな驚きに襲われる。
「な、なんだこれは……こんな美味しいものが、何故……」
「ほら。美味しいでしょ? プロデューサー。匂いの方は今も咲季と話し合って何とかしようとしてるから……えっと、その。見逃して欲しいです」
「月村さん」
「はい、なんですか? 」
「引退後は二人でラーメン屋を開きましょう。絶対取れます、世界」
「は? 」
- 39二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 18:01:24
燐羽の実家で二十歳になったsyngup!とPが一緒に飲み会をして、酔ったふりをして3人がキスをしまくる話。
- 40二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 18:03:36
Pに激重感情を抱く清夏が、Pにリーリヤが先に告白してしまったため複雑な気持ちになり、さらにそれをPに指摘されてしまう話
(Pはリーリヤと清夏ダブル担当) - 41二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 19:00:33
アニメで観た悪堕ち展開に影響を受けたリーリヤがダークリーリヤ(自称)になって悪事を働く話
悪事は以下の通り
休養日に無断で自主レッスン
寝る前に清夏が翌日の楽しみに残していたケーキを食べる
咲季との格ゲー対決で最弱キャラで舐めプ、バグを利用した10割コンボで勝利
手毬の目の前でとんかつを食べ、一口あげると言いつつフェイントでにんじんを食べさせる
ことねに札束風メモ帳とSwitch2の箱(中身は本体と同じくらいの重さの石)をプレゼント
佑芽、美鈴、星南からの糾弾と清夏の涙、Pのこれ以上悪さをするならシルヴェスタ新作の試写会チケットを燃やす発言により元のリーリヤに戻った - 42一般通過弟(?)25/06/10(火) 22:37:35
「ふふ、懐かしいわね。……帰ってきたわ、初星学園! 」
最後まで私は一番星として、生徒会長として出来る全てを尽くして初星学園を卒業した。その後は、父が社長を務める100プロのアイドルとして五年の間活動してきた。そして……無事に、契約満了で退所し、何一つ悔いを残すことなくアイドルを引退した。
だけれどまたこうして初星学園に戻ってきたのには理由がある。それは、前々から決めていた私の次の夢、プロデューサーとしてアイドルの成長を一番近くで見届けることを叶える為。今度は、アイドル科の生徒ではなくプロデューサー科の生徒として。
「貴方に教える事になるなんて……先生、不思議な気分です」
「私もです。よろしくお願いします、あさり先生」
「……凄い、綺麗になりましたね」
「あさり先生こそ。卒業前と何一つ変わりないように見えますよ」
「もう、褒め上手なんですから。……それで、プロデュースする子はもう決めてるんですか? 」
「まだ決めれてなくて。一人、目をつけてる子はいるんですが」
「……相変わらずお好きなんですね、藤田さんのこと」
「お見通し、ですね」
嬉しい話、実はことねの妹さんもここに入学したらしい。もし、プロデュースするなら私はその子にしたい。例え才能がなくとも、私が頂の景色を見せてあげたい。才能が全てじゃないのは身をもって実感したから。
「はいワンツースリーフォーワンツースリーフォー……そこ、まだ少し硬くなってるわよ。いい? そんな時は……」
「……へぇ。彼女、トレーナーになったのね」
「トレーナーになった、という訳では無いぞ。花海姉妹は定期的に特別講師として見てくれるんだ。今もアイドルは続けてる」
「あっ! 見てお姉ちゃん! 星南先輩がいるよ! 」
「あら……久しぶりじゃない」
- 43一般通過弟(?)25/06/10(火) 22:51:44
「えぇ、久しぶりね。咲季も佑芽も、見ない間に随分と立派になったじゃない」
「話は聞いてますよ、星南先輩! プロデューサー科に入ったんですよね! 」
「その通りよ、佑芽。レッスン、覗いていってもいいかしら」
「もちろん。っていうか……折角だし、あなたも手伝ってくれないかしら? あそこのみんなは一番星に憧れてるんだもの。元とはいえ一番星と直接話が出来るのなら、いい刺激にもなると思わない? 」
「別に構わないけれど……私、もうアイドルやめてるからそんな動けないわよ? 」
「いいのよ、それで。あくまであの子達の進化が何よりの優先事項だもの」
他にも気になる子はいないか、とレッスン室前を歩いていると、見慣れた赤髪が視界に入ってきた。……へぇ。佑芽と咲季は一緒に教えたりしてるのね。と、この中に気になる子は……ってあっ! あの子がことねの妹さんね!
「みんなー! ちゅうもーく! 」
「今日は皆の為に特別講師が来てくれたわよ! さ、入ってきなさい! 」
「……皆さん、御機嫌よう。新しく今年からプロデューサー科の一年生としてまたここで過ごすことになった……元一番星、十王星南よ」
軽く挨拶をする。すると、レッスンルームにいた全員が大きな黄色い歓声をあげる。……懐かしいわね、この感じ。
「皆はいつも通りにレッスンしてればいいからね! 」
「ええ、そうね。私の事は気にせず好きにやってくれたら……っ、ことね!? ……と、手毬じゃない」
話してたら後ろからことねの気配を感じたわ!!
「なんでまだあるんですかそのよくわかんないレーダー! 」
「わっ、お姉ちゃん!? なんでここに!? 」
「いやー……それが、星南先輩が初星学園に戻ってきたって聞いて」
「私とことねは丁度オフだったから顔を出しに来たって訳」
- 44一般通過弟(?)25/06/10(火) 23:05:46
それから軽く話して様子を見て、ひとまずレッスン室は後にした。……驚いたわ。まさか、あんなに才能の原石がいたなんて。それにしても……さすがことねの妹さんね。ことねと同じ、若しくはそれ以上に才能が眠ってる上に千奈に匹敵するレベルの愛嬌を持ち合わせているなんて。
ふふ……本当に、面白いことになりそうね。この私の夢は。さぁ、そうと決まったら早速プランを組んでスカウトよ!
「あ……良かったわ。藤田さん、今お時間いいかしら? 」
「えっ星南さん!? は、はい」
「おーいって……星南先輩! ま、まさかとは思いますけど」
「藤田〇〇……あなた、私のモノになりなさい」
「えっ……えっ? 」
「やりやがったよこの人! 人の妹に! 」
「なんて、冗談よ。ことねの妹さんということを差し引いても、あなたには一番星を優に超える程の才能を感じるわ。私に、あなたのプロデュースをさせてちょうだい。あなたの才能を存分に引き出すことを約束するわ」
「も、もー……最初からそう言ってくださいよ、星南先輩」
「い、いいんですか? わたしで……」
「ええ。あなたがいいの」
「はい……はいっ! わたしでよければ、よろしくお願いしますプロデューサー! 」
さ。それじゃあまた再び……今度は、彼女と共に上り詰めるとしましょうか。アイドル界の頂に。
- 45一般通過弟(?)25/06/10(火) 23:32:59
本日はここまでとなります
- 46二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 23:51:17
乙です。無理せずに書いてください、楽しみにしてます!
- 47二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 06:28:35
保守