- 1二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 13:35:45
- 2二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 13:36:48
- 3二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 14:01:02
このスレの世界線
本編から二年前ぐらいの頃にカイザー・グループがMTとその上位機種となるACを開発し、市場にばら撒く。
それから二年が経ち、シャーレの先生が着任した頃にはカイザー・グループだけでなくキヴォトス三大校のスポンサーを務める大企業もMTやACを開発・販売する様になっている。
ACパイロットも立場によって呼び名が異なり、学園や企業で正規の傭兵となって所属する者は『レイヴン』、企業ないし学園の風紀委員会に所属する者は『リンクス』、どの学園にも属さないフリーランスは『ミグラント』と呼ばれている。
アビドス砂漠にて未知の新物質『コーラル』が発見されており、カイザー・グループは『宝探し』を兼ねてコーラル開発を目論んでいた。 - 4二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 14:08:18
このスレのACの設定
カイザー・グループがゲマトリア含む様々な組織からの協力を元に開発した人型機動兵器で、戦場や任務内容に応じてフレームや武装を換装する『アセンブル』により高い汎用性を確保している。
第一世代は全高7メートル程度で、戦車以上の機動力にヘリコプター以上の耐久性を売りとしていた。
その後、カイザー・グループ以外の企業がサイズアップして総合的に性能を向上させた第二世代を開発し、本編開始時点で第二世代ACが主力となっている。
第一世代のモデルはVシリーズのACで、第二世代のモデルは4シリーズ及びVIのAC。
- 5二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 14:16:02
・このスレにおける各自治区の状況
・アビドス→カイザー・グループとの戦闘を経て二人のレイヴンを抱える事となった。現在はメガソーラー建設による電力販売や、シロコとムツイのレイヴンとしての活動によって借金返済を進めている。
・トリニティ→アビドス自治区における諸問題で対策委員会に多くの借りがある。
・ゲヘナ→トリニティ同様アビドス自治区における諸問題で対策委員会に多くの借りがある。
・ミレニアム→廃墟の『タワー』捜索やゲーム開発部の依頼で、シャーレの先生だけでなくアビドスの生徒たちから協力を得ている。 - 6二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 14:17:32
立て乙です
- 7二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 14:44:32
このスレの主な登場人物
・砂狼シロコ
アビドス高校ミグラント→対策委員会所属レイヴン
AC『デサート・ファング』
皆さんご存知ブルアカのメインヒロイン。
カイザーPMCとの戦闘の中でコーラル奔流に呑まれ、生死を彷徨う中で『声』を見る。
・四代ムツイ(オリジナル生徒)
アビドス高校ミグラント→対策委員会所属レイヴン
AC『サンドクロウ』
対策委員会六人目の仲間。
元はゲマトリアが開発した人造人間であり、過去ホシノを一回り成長させて髪の色を緑色にした様な姿をしている。 - 8二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 15:04:23
・長沢スミカ(オリジナル生徒)
便利屋68所属レイヴン
AC『コーラルスター』
ゲヘナの非合法部活である便利屋68に所属する生徒。
コーラルによる強化手術を受けた強化人間であり、便利屋では『主任』の役職を与えられている。
・ユメ
カイザーPMC基地での戦いで、シロコがコーラルの奔流の中で出会った『声』。
対策委員会編の後、『声』が見えるシロコやムツイのサポートを行う。
- 9二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 15:12:02
現時点でキヴォトスにある企業並びに勢力
・アビドス→対策委員会、カイザー・グループ(カイザーPMC)
・トリニティ→アーキバス・グループ(ヴェスパー)、シュナイダー・ローゼンタール
・ゲヘナ→ベイラム・グループ(レッドガン)
・ミレニアム→RaD、インテリオル・ユニオン - 10二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 16:08:37
【桜の空で鴉は舞う】
オールマインド『四代ムツイさん、百鬼夜行連合学院の生徒会、通称陰陽部より依頼が公示されています。ご確認下さい』
ムツイ「ん…」
カホ『陰陽部の桑上カホと申します。今回の依頼は百鬼夜行自治区にて活動する非合法部活『黄蜂会』の検挙です。この部活は以前より非合法ルートでの違法兵器の流通や、レッドウィンターで生産されているとみられる向精神薬の販売に手を染めており、さらに複数のACを所有していることが確認されています』
カホ『本来、この手の部活は百花繚乱紛争調停委員会に対処してもらっていましたが、百花繚乱にはACやMTに搭乗できる者がおらず、外部のレイヴンに依頼を出す運びとなりました。黄蜂会のアジトがある場所はキツネ市場近郊(ハード任務25-3の場所)であり、すでに複数のレイヴンに対して依頼を出しております』
カホ『ブリーフィングは以上となります。依頼を受けてくれる事を願っております』
ムツイ「…行ってみるか。ユメ、手伝ってくれる?」
ユメ『任せて、ムツイちゃん。とりあえずヘリを用意しようか』 - 11二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 16:46:09
百鬼夜行の一角、桜の花びらが舞う空の下に一機のACが現れる。『サンドクロウ』は指定されたポイントへ移動し、そしてそこで二機のACと相対する。
『ああ?てめえは野良犬と一緒にいる砂カラスじゃねえか』
『貴方が噂の、アビドスの二つ頭が一人ですか。オデュッセイア海洋高校より参りました、BFF社所属リンクスのリリウム・ウォルコットと申します。これからよろしくお願いいたします』
リリウムと名乗る少女は、頭部の向きを街並みの向こうへと向ける。
『陰陽部からの情報によりますと、ここキツネ市場の奥地にあるジャンクヤードにて、違法武器やMTの販売を行っているとのことです。ACも一機確認されております、決して油断せずに参りましょう』
『ケッ、オデュッセイアのお嬢様は臆病なこった。砂カラス、お前の様な木っ端は知らん様だがな、今回の依頼ではベイラムは陰陽部に対して大々的なセールスを仕掛けている。この依頼は慣らしだ、今回の仕事を終えたら百鬼夜行に新たな市場を作るのよ』
『成程、まことに商魂たくましいことです。ではリリウムもBFFのために、ひいては協力関係にあるトリニティのためにも『アンビエント』の実力を披露致しましょう』
二機はそう言いながら、前へと進んでいく。ユメはその後ろ姿を見送りつつ、ムツイに話しかける。
『…私たちも行こうか』
「了解」
ムツイも周囲に警戒を配りつつ、行動を開始した。
- 12二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 17:10:41
市街地の中を進み、ムツイはスキャンで周囲を調べる。その真上にはユメの操作するドローンも展開されていた。
『ムツイちゃん、複数地点より特殊な周波数の無線が確認されてるよ。各所に小型の無線アンテナを配置してケーブルでそれらをつなぎ合わせ、低出力で遠距離の相手と通信する事が出来る様にしてるみたい。まるで糸電話だよ』
「…それにハッキングを仕掛けてみて。逆探知をかけてみる」
ムツイはそう言い、視線を先に進むニ機へと向ける。
とその時、至る所から砲撃が放たれ、ニ機の周囲に着弾。イグアスはパルスシールドを展開して防ぎ、リリウムはコジマ粒子を用いたバリアであるプライマルアーマーの出力を上げて着弾を阻止した。
『ぐっ、狙撃…!?』
『…まずいですね、囲まれました』
行き足が止まり、それを合図に建物の中から十数機ものMTと、ビルに履帯と砲台を付けた様な巨大な兵器が現れる。それらには黄色い蜂を模したエンブレムが施されていた。
『来たか、企業の強欲な雇われ共』
『お前たちは破壊を振りまくばかり、この場で果ててもらう』
『さぁ、企業に雇われた飼い猫どもを解放するのだ。そして世に平穏のあらんことを』
『世に平穏のあらんことを』
- 13二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 22:03:59
『ムツイちゃん、現れたよ!先ずはAC『ヘッドブリンガー』と『アンビエント』の近くにいるMTを撃破して!』
ユメのアドバイスを聞き、ムツイは照準。とその背後にMTが現れ、ムツイは瞬時に旋回。バーストライフルをマニュアルエイムで撃ち、即座に返り討ちにする。
『ムツイちゃん、黄蜂会は複数のドローンを運用してるみたい!それの幾つかをハッキングしてみる!』
「任せた。牽制でいい、相手の連係を崩して」
ユメと話し合いつつ、再び敵MTを照準。ミサイルを発射しつつ大型兵器へ突っ込む。
『解析完了!HA‐T‐102、重装機動砲台『ジャガーノート』…真正面は堅牢な装甲に覆われていて、背部ブースターによって急加速し、突進攻撃を仕掛けてくるよ!側面か背面を狙って!』
ユメはそう言いながらエイムアシストに干渉し、弱点に照準を合わせる。ムツイはそこへ視線を送り、クイックブーストで回り込む。そして相手が旋回する前にパルスブレードを叩き込んだ。
- 14二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 08:02:58
たておつ
- 15二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 09:52:44
待機
- 16二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 14:02:29
- 17二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 20:33:07
ムツイはバーストライフルでMTを転倒させ、それから真横の敵機を蹴飛ばす。それに対して別の機体が攻撃を目論むが、そこにイグアスのリニアライフルによる横槍が入る。
『二人とも、お見事です。ではリリウムも参ります』
リリウムは複数のMTに対してレーザーライフルで狙撃し、空中にECMドローンを展開して相手の照準を狂わせる。そしてその隙を狙ってムツイは駆け出し、敵ACへ斬り掛かった。
『なんと、ヤマネコ二匹に加えてワタリガラスが一羽とは…これではこの世はさらに乱れるばかり』
敵ACのミグラントは嘆く様な素振りで呟き、そして一気に突き放す。両腕に装備したレーザーライフルで牽制しながら下がるミグラントに対し、ムツイは近くにいたMTを掴まえ、手前に押した。
たちまちのうちにMTは穴だらけとなり、ムツイはそれを盾にしつつ接近。そして相手に向けて投げつけた。
『貴様、我が同胞を盾にするだけでなく投げ付けるだと…!?』
「…ここで決める」
ムツイはミサイルを相手の遥か後方に向けて発射し、さらに下がろうとしたミグラントは真上からミサイルの雨を浴びる。そうして大きな衝撃を溜め込んで動きが鈍くなったところへ、パルスブレードが振り下ろされた。
- 18二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 22:42:15
お見事!
- 19二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 07:50:00
保守
- 20二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 14:07:02
「皆様、大変お疲れ様でした。後はヴァルキューレの皆様にお任せ下さい」
戦闘が終わった後の市街地にて、カホはムツイたちにお礼を述べる。その背後ではヴァルキューレの生徒たちが黄蜂会の構成員たちを連行していくのが見えた。
「ケッ、めんどくさい兵器をしこたま抱えていやがって。まぁいい、報酬はしっかり払ってくれるんだろうな?」
「此度の黄蜂会の件、我がオデュッセイアの方でも議題に上げさせていただきます。まさかここまでのさばっているとは…」
イグアスとリリウムがそう話す中、ムツイはカホへ話しかける。
「カホ、黄蜂会のミグラントは見たことがないタイプのMTや大型兵器を所有していた。それに関する情報も送っておく」
「ええ、助かります。そろそろ我々も、独自にリンクスを持つべきでしょうか…」
- 21二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 22:13:41
黄蜂会
百鬼夜行自治区を中心に活動している非合法部活の一つ。
複数のミグラントを中心に構成された武装組織であり、キヴォトスにおいてACの開発や販売で大きな発言力を持つ企業を敵としており、『世に平穏のあらんことを』をスローガンとして唱えている。
元ネタはACVのビーハイブ。 - 22二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 06:30:27
待機
- 23二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 08:22:31
次からは、とあるスレからインスピレーションを得て思いついたオリジナル生徒たちが出てきたりします。ご了承下さい
- 24二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 12:11:44
【私の欲しいもの】
トリニティ総合学園。キヴォトスに住まう人々の多くはここを『キヴォトスで最も平和で素晴らしい学園』だと評するだろう。
だが、そんなトリニティの裏には、薄汚れた陰謀と疑念が渦巻いている。エデン条約締結の直前に起きたパテル分派のクーデターは最たるもので、トリニティの最も醜い部分が露わとなった。
そこで私は、最も美しいものを見た。補習授業部で苦しむ者たちに優しく接し、正しい方向へと導き、問題を解決していったシャーレの先生。シスターフッドの一員として問題と対峙した私は、その勇ましい姿を美しいと思った。
私はその先生の姿に魅了され、シスターの身にありながら近付こうと考えた。しかし、先生は正しいことをしているだけの平凡な生徒には目もくれず、ただ大小様々な問題を抱えた生徒たちのみに親しくしていた。 - 25二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 12:20:31
何故?何故、先生は間違いばかりし続けている少女や、正しいことをしていない者ばかりを気にかけるのですか?正しいことをしている者は必要ないとでも言うのですか?
多くの『何故』が浮かび、晴れぬ靄が心を暗く覆う中、一人の大人が私に話しかけてきた。その大人は言った。
『あの人は、何の変哲もないつまらない子供に気付くことは出来ないのさ。そういうつまらない人々だけの世界から来た存在だからね』
『もし、あの人の興味を引き、君の求めるものを手に入れるためには、自身がつまらない人じゃないことを証明することだ。君がもしトリニティの…キヴォトス全体のあるべき姿を追い求める求道者であるなら、やり方を教えよう』
私は、その大人からやり方を教わった。その人は『大切なのは経験ではなく、その時の選択だ』と私の意思を尊重してくれた。
そして私は、『つまらない人』じゃなくなるための計画を始めた。
- 26二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 12:28:32
私は、多くの同志を集める事とした。案外、私の考えに賛同する人は多く、トリニティ以外からも多くの生徒が共鳴した。中には私の主張に心酔する組織や企業も現れた。
やがて、私は理解した。何故先生が間違いばかり侵す生徒にだけ関心を示すのか。それはこのキヴォトスそのものが間違っているからだ。問題を起こす者だけが気楽に暮らせる世界だからだ。
だから私は、このキヴォトスに評決を下す。そして新しいキヴォトスを作り上げる。それが、私が先生に向いてもらうためのやり方。
先生の心を手に入れるためなら、私は貴方の敵になる。それで関心を得られるならば、私はキヴォトスの災害にでもなってみせる。だってそれが貴方の好きな生徒のあり方なのだから。
- 27二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 12:39:21
待機
- 28二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 18:10:15
【シスターフッドの優等生】
トリニティ自治区内の学生寮を、浦和ハナコと仲正イチカの二人が訪れていた。
「コハルちゃん、入るっすよー」
そう挨拶しながらドアをノックし、入るとそこには先客がいた。
「おや、イチカさんにコハルさん、こんにちは」
「おや、シュンカ先輩じゃないすか。お久しぶりっす」
イチカはそう言いながら、菓子の入った紙袋を机の上に置く。その彼女の視線の先には、灰色の髪に赤色のメッシュ、そして紅い瞳が印象的な少女の姿があった。
天降(てんこう)シュンカ。シスターフッドに身を置く彼女はサクラコと対等に話し合える者の一人と言われており、『真面目な優等生』との評判が高かった。
「コハルちゃんがお熱を出して寝込んだと聞いて、お見舞いに来たんです。学力試験を必死に頑張ったとお聞きしましたよ、よく頑張りましたね」
「ありがとう、シュンカお義姉ちゃん…シスターフッドの仕事が大変な時にお見舞いに来てくれて…」
「いいんですよ、コハルちゃん。それに補習授業部で多くの友達を得たとも聞いております」 - 29二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 18:21:14
「…補習授業部の時は、コハルちゃんが大変お世話になりました」
シュンカはハナコに向き合い、お礼を述べる。その笑みは優しい。
「最初、補習授業部に送られてしまったと聞いた時は大分焦りましたが…学力試験で実力を証明し、無事に合格出来て良かったです」
「いえいえ、私もコハルちゃんに大分迷惑をおかけしてしまいました。それに学力試験のみならず、パテル分派のクーデター騒ぎにも巻き込んでしまいましたし…」
珍しく真面目な様子で語るハナコに、シュンカは沈黙を返す。しかし直ぐに笑みを浮かべて言う。
「ですが、コハルちゃんがハナコさんたちに助けられたことは疑いようのない事実です。それと…シャーレの先生にも是非ともお礼を述べたいと思います」
「先生、ですか…確か今は、ヒフミちゃんやアズサちゃんと一緒に海に行っておられるところでしたね」
ハナコはそう言い、シュンカは小さく頷く。そして小声で呟いた。
「…やはり、あんな奴らと一緒にいたいのですね」
「…シュンカさん?今何か」
「…いいえ、先生は随分とお忙しい様だなと思いまして。ハナコさん、これからもコハルちゃんのことをお願いしますね」
- 30二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 19:47:30
「…お元気そうな様子で良かったですね、シュンカさん」
コハルの部屋を去り、一人廊下を歩くシュンカに対し、一人の女性が話しかける。
「早速で悪いが、君に一つ依頼をしたい。何、君の求めるものを叶えるための依頼さ」
「…今度は何をすればいいのですか?コハルちゃんに薬を処方してくれたのは助かりましたが…」
「実は、新型の兵器試作を進めていてね。君とその同胞たちに協力を頼むこととなったんだ。もし完成すれば、君たちの進めている計画の成就にも大いに役立つことだろう」
女性はニヤリと笑みを浮かべ、手を差し出す。それに対してシュンカは、無言で差し伸べた。
- 31二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 21:23:55
待機
- 32二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 06:11:32
保守
- 33二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 07:27:00
【ある警察官の一日】
シャーレ・オフィス
キリノ「先生、おはようございます!」
先生「”おはよう、キリノ。新しいタブレット端末に慣れた?“」
キリノ「はい、この端末のOSは非常に優秀です!RaDの新しい商品だとお聞きしましたが、ここまで優れたものを作れるなんて…」
先生「”それは良かった。後でミレニアムのRaD工房に行って、使い心地とかカーラさんに言ってみて“」
キリノ「はい!それては本官はここで失礼致します!」
先生「”頑張ってね、キリノ“」 - 34二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 07:44:49
- 35二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 08:15:37
ヴァルキューレ警察学校
カンナ「今回、ヴァルキューレ警察学校もMT部隊の編成のみならず、対ミグラント鎮圧を主目的としたACの配備が決定された。よってこれからAC適性試験を行う」
フブキ「うっわ、大分面倒な仕事を持ち込んできたよ…素直に他校のリンクスかレイヴンを頼ればいいのに…」
コノカ「そうもいかないっすよ、フブキちゃん。シャーレの先生が来て以降、百鬼夜行を始めとした地域でミグラントの犯罪が多発してるし、『タワー』の周囲に現れた変な兵器の対処で、どこの学校のリンクスも忙しいんすから」
キリノ「なればこそ、より私たちヴァルキューレの必要生が高いですね!それで、そのACというのは何処に?」
カンナ「ACについては、シャーレの先生に相談したところ、各企業からパーツと武装を提供してもらう事が出来た。これを用いて適性検査を行う」
フブキ「うわマジか…これは整備が面倒になりそう…」
- 36二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 08:22:24
フブキ「…で、小一時間試してみた結果、一番適性があったキリノに任せる事となったと」
キリノ「ま、まさか本官にこの様な大任を任されるとは…!」
コノカ「おめでと、キリノ。さて、早速っすけどオールマインドから依頼が回されて来てるっす。何でもミレニアムから『タワー』周辺で未知の兵器が現れて、自治区に被害が出てるそうっす。さっさと行った方がいいみたいっすよ」
キリノ「わ、分かりました!直ちに行って参ります!」
キリノ「は、初めての実戦…緊張しますが…何とかしましょう!」
???『…ACの制御及び支援は私が担います。端末と接続お願いします』
キリノ「えっ…!?わ、分かりました!」
- 37二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 10:37:21
【特殊兵器】
ミレニアム自治区の一角にある、広大な廃墟。その中で銃声が響く。
『大丈夫ですか、ネルさん!』
青と白のツーカラーが印象的な中量二脚型ACは、赤と白のツーカラーが目を引く軽量二脚型ACに寄る。その二機のカメラアイが捉えるのは、数機の目玉から尾と鰭が伸びた様な機械だった。
『こっちは大丈夫だ、プール!だが、数が多い上に意外と堅い!弾幕だけで押し切れる様なもんじゃねぇ!そろそろ新たな味方が寄越される筈だが…』
ネルと呼ばれた少女がそう呟く中、敵の一機が迫りくる。とその時、真上から一発の銃弾が叩き付けられる。
『皆さん、お待たせしました!ヴァルキューレ警察学校生活安全局、中務キリノです!』
敵を蹴飛ばし、一機のACが降り立つ。キリノは真正面の敵を見つめつつ尋ねる。
『ミレニアムの方からの依頼を受けて参りました!』
『ミレニアムから?…ユウカの奴、余計な世話を…』
『でも、人手が増えて助かりました。失礼、私はインテリオル・ユニオン所属のリンクス、エイ・プールです!敵はグレネードやエネルギー兵器が効きます、あと体当たりして自爆してくる奴にも注意を!』
『了解しました!これより戦闘に突入します!』 - 38二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 17:14:28
廃墟の中を、一機のACが突き進む。その周りにはいくつもの目玉の様な機械が浮かび、レーザーを撃ちながら突進を仕掛けてくる。それに対してキリノは即座に身構えた。
「食らっちゃって下さい!」
左腕を大きく振り回し、空中に幾つもの爆弾がばら撒かれる。それに飛び込んだ機械群はたちまちのうちに爆炎に包まれた。
さらに右肩のコンテナからは幾つもの小型ドローンが展開され、機械に向けてレーザーを放つ。機械群の一部はドローンに向けて突っ込み、空中に幾つもの爆発が起こる。
「爆発武器やレーザーじゃないと効かないかもしれない敵に備えて用意して正解でした!他の皆さんは…!」
キリノは即座に、他の二機へ視線を向ける。とその先では一機の赤いACが機械を蹴り飛ばしつつ、レーザーハンドガンやプラズマミサイルで敵を撃破していく様子があった。
『僚機の照合完了しました。識別名、美甘ネル。AC『グレン』。バーストマシンガンのダブルトリガーをメインに、近距離戦闘に特化したアセンブルを好むそうですが…今回は敵が実弾兵器に対して非常に耐久性があるためか、爆発系とエネルギー系も装備しています』
- 39二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 22:02:58
- 40二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 07:22:55
保守
- 41二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 07:30:58
「皆さん、お疲れ様でした!」
戦闘が終わり、キリノは二人に声を掛ける。ネルは満足げな様子で応じる。
『おう、お疲れ!にしても、『タワー』周辺の調査をしてたらこんな奴らが出てくるとはな…アビドス砂漠にもあるらしいぜ、こんな場所』
『そういえば、百鬼夜行の北とかにも『タワー』があるそうですが、陰陽部は全く調査してない模様です』
プールの言葉に、キリノは顔をしかめながら『タワー』へ目を向ける。遠目で見れば枯れた大樹の様に見えるその構造物は、余りにも不気味に思えた。
- 42二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 07:40:32
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- 43二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 08:17:47
AC『オフィサー1』
ヴァルキューレ警察学校がシャーレの先生の支援の元に調達した、対ミグラント鎮圧用AC。
傭兵支援システム『オールマインド』がこれまでのミグラントに関する情報と戦闘データ、そしてヴァルキューレでの運用方針を元にアセンブルを施しており、近距離格闘戦に比重を置いた構成となっている。
H・AH-J-124 BASHO
C・CC-2000 ORBITER
A・AA-J-123 BASHO
L・2C-2000 CRAWLER
G・DF-GN-06 MING-TANG
B・BST-G1/P10
F・FC-006 ABBOT
右手・HG-003 COQUILLETT
左手・DF-ET-09 TAI-YANG-SHOU/VP-67EB
右肩・Vvc-700LD
左肩・SI-27:SU-R8 - 44二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 09:06:35
AC『グレン』
C&C部長美甘ネルの乗るAC。
彼女の戦闘スタイルに則したアセンブルが施されており、近距離での高機動戦闘に長けている。
フレームや武器はミレニアム外の企業のものを用いているが、本機はアセンブルの際に調月リオによる独自の調整が施されている。
H・NACHTEREIHER/44E
C・NACHTEREIHER/40E
A・AR-012 MELANDER C3
L・KASUAR/42Z
G・VP-20S
B・BUERZEL/21D
F・FC-006 ABBOT
右手・MA-E-210 ETSUJIN
左手・MA-E-210 ETSUJIN
右肩・Vvc-703PM
左肩・VP-60LT
コア拡張機能・アサルトブースト
- 45二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 09:16:34
- 46二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 09:47:15
待機
- 47二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 14:35:48
待機
- 48二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 14:55:49
【言伝】
深夜、ミレニアム自治区
カーラ「ビジター、そっちの調子はどうだい?それにキリノも」
ムツイ『私は大丈夫。『サンドクロウ』も調子いいよ』
キリノ『カーラさんの用意してくれたタブレット端末は、凄い役に立ってます!』
カーラ「それは良かった。ああそれと、二人には私の方から一つ、メッセージを送っておく。ちょいと他の人に覗かれるとマズい奴だから暗号にして送ってあるけど…鍵は覚えているね?」
ムツイ『この前会った時に口頭で教えてもらってるので大丈夫』
キリノ『…その話し様からして、かなり危険度の高い情報みたいですが…』
カーラ「まぁね。あと最近、各自治区のリンクスが郊外の廃墟で度々合同演習に駆り出されている。この動きは公表されてない事を踏まえれば、何かしら企んでると思っておいてくれ。先生の奴にも頼んだよ」
ムツイ『…了解』
ユメ『…随分と珍しい頼み事だね。カーラさん、なんか焦ってた感じがしたけど…』
ムツイ「…先生にも相談とかしておこう」 - 49二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 19:06:08
シャーレ・オフィス
先生「”で、これがそのカーラさんのメッセージか“」
ムツイ「この前メンテナンスの時に渡された紙に書いてあったパスワードで読めた。キリノにも同じ内容が送られてる」
キリノ「『天童アリスに何かあった時は、ムツイや先生と共にこの指定のガレージに向かうこと』…どういうことですか?」
ムツイ「…恐らく、そのタブレット端末に入れられてるOSと関係があるのかもしれない。それと先生宛にも、先生のタブレット端末に向けてメッセージを送ってあるそうだ」
先生「”私にも?一体どういう…“」
アロナ『恐らくこちらですね。『先生はCパルス変異波形というものを知っているかい?もし知らなかったらこのPDFを読むといい』…だそうです』
先生「”…Cパルス変異波形…?それは一体…“」
- 50二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 19:52:28
先生「”さて、私はちょっとミレニアムに行ってくるよ。二人も頑張ってね“」
キリノ「はい、行ってらっしゃい先生!」
ムツイ「…カーラのPDF、読んだ?」
ユメ『うん…私の様な存在を知っているみたいだった。その上で義体も色々と用意してるみたい』
ムツイ「Cパルス変異波形…カーラは一体何を…」
???「…さて、そろそろ動かすかね。『鍵』を確保してない状況でやることになったが、まぁヴェリタスとエンジニア部の恐れ知らず共の肝を冷やすには事足りるだろう」
- 51二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 22:53:34
ユメパイ復活か?
- 52二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 07:29:51
待機
- 53二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 11:16:25
【アリス狂騒】
その日、ムツイとキリノはDU市内のカフェにいた。
「ムツイさん、本当にACの操縦が上手いですね。コツとかはあるんですか?」
キリノの問いに対し、ムツイは首を傾げる。
「…分からない。私は接続した上で操縦してるから、説明することは出来ないと思う」
「そうなんですか?それと接続って一体…」
「私は、元々ACのメインシステムと機械的に接続出来るから、他人より素早くACを動かす事が出来る。ただそれだけ」
ムツイの言葉に、キリノは難しそうな表情を浮かべる。そして顔をしかめながらコーヒーをすすっていたその時だった。
『…ひんっ!?ムツイちゃん!』
『っ…!?キリノさん!』
ユメとタブレット端末がほぼ同時に声を上げる。二人はそれに気付き、それぞれ尋ねかけた。
「…ユメ、どうしたの」
「あの、どうしましたか?」
『ミレニアム自治区内で、未知の反応を拾ったよ!何かしらのプログラムが作動したみたい!それにその反応の近くに、ゲーム開発部と先生もいるよ!』
『この、プロトコルは…あり得ない、どうして…!?』
ムツイは直ぐに席から立ち、混乱しているキリノへ話しかける。その表情は強張っていた。
「…キリノ、先生が危ない。直ぐに行こう」 - 54二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 17:19:01
ACに乗って駆け付けると、そこには十数もの未知の兵器群があった。巨大な目玉の様なものから、目玉に脚を生やした様なものまで様々だった。
『アレは、この前ネルさんたちと共に破壊した未知の機械です…!』
『ムツイちゃん、調べてみたよ!あの目玉の様なヤツはコードネーム『アモン』!体当たりとレーザーで攻撃してくるよ!そしてあのヘンなのは『To‐605A』!ヒートキャノンと体当たり攻撃に注意して!』
ユメからの説明を聞き、ムツイは直ちに複数目標を照準。真後ろからミサイルを放つ。それに相手は気付くも、振り向いた時には『サンドクロウ』は異なる位置にいた。
パルスブレードが煌めき、To‐605Aとアモンの幾つかは真っ二つに叩き切られる。『オフィサー1』も炸裂弾とレーザードローンをばらまきながら接近し、小型のアモンを踏み潰した。
「ムツイ!それにキリノ!」
『先生、大丈夫ですか!?それに皆さんも…!』
先生たちの姿を確認し、キリノは即座に近寄る。
とその時、大きな衝撃が『オフィサー1』を揺らす。ムツイは即座に回避機動を取り、『オフィサー1』を撃った者を探した。
『ムツイちゃん、キリノちゃんを攻撃したものを見つけたよ!でも…!』
ユメの困惑に満ちた声が響く。そしてムツイは、その正体を捉えた。
『…敵対的存在を検知。排除します』
『…!?王女…!?』
- 55二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 21:55:30
『アレは…ゲーム開発部の天童アリスさん!?』
『王女、どういうことですか!?私が不在であるにも関わらず、どうして『追従者』を起動させる事が出来ているのですか!?』
困惑の声が無線に響く中、ムツイは即座に『オフィサー1』の背後に回り、ミサイルを発射。同時にパルスシールドを立て、To‐605Aの体当たりを受け止めた。
「キリノ、立ち止まってないで。ヘンなのが突っ込んでくる」
『は、はい…!』
キリノは即座に動き、レーザードローンを展開しながら敵の攻撃を避ける。太ましい両足で跳ねながら攻撃してくるTo‐605Aや、それらを小型化した様な未知のドローン群に攻撃される中、ムツイは通信を繋げる。
「先生、状況説明を頼む。どうしてアリスがこれらヘンなのと共に攻撃してきてる?」
『それが…ヴェリタスとエンジニア部が未知の機械を拾ってきたから、それを見学しに来たら…』
「そういうことはカーラとか然るべきところに相談するべきです。ともかく今は、ヘンなの全てを破壊しないと…」
そう呟いた直後、真下で新たな動きが起きる。C&Cの面々が駆け付け、暴走していたアリスを鎮圧。その周りにいた機械群も破壊していく。それを確認したムツイは、未だに飛び跳ね回るTo‐605Aやアモンへ視線を戻した。
- 56二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 07:28:48
ケイは抑えたはずなのに!?
- 57二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 08:54:03
『全自律兵器の鎮圧を確認。二人とも、お疲れ様…』
ユメの元気のない言葉に、ムツイは無言を返す。そしてコックピットから降り、キリノと共に先生たちへ向かう。
「皆さん、大丈夫ですか!?」
「私は大丈夫だよ。でも、モモイが…」
先生は暗い表情を救急車の方に向ける。モモイがストレッチャーに乗せられて救急車へ運ばれるのを見て、二人は何があったのかを察する。
「…一体、何があったのでしょうか…もしかしてカーラさんは、こうなる事を考慮して私たちにあのメッセージを…?」
「…」
キリノは顔をしかめ、僅かに俯く。するとそこにACを模したロボットがやって来た。
『ビジター、それにキリノ、久し振りだな。RaDのチャティ・スティックだ』
「チャティさん!貴方もここに?」
『いや、俺は来たばかりだ。それよりもキリノ、ボスから預けられたタブレット端末はそこにあるな?』
「えっ?はい、ここに…」
『…やはりな。アリスは先程、外部から何らかの干渉を受けて暴走させられた可能性が高い。だが、Keyからのものではない様だ』
チャティの言葉に、二人は首を傾げる。そして不安そうな表情で救急車へ乗り込んでいくミドリを一瞬見て、二人へ話しかける。
『ビジター、キリノ。ボスから一つ作業を頼まれている。急な用件だが手伝ってくれるか?』
「…中々の戦闘能力だよ、彼女たちは。C4‐621はともかくキリノとかいう少女も、手元の資料によれば射撃の才能はからっきしだそうだが、ACを上手く使いこなしている」
『…これからどうするの?ここで始末するのが一番早いと思うけど?』
「いや、シナリオ通りに横領女とそれに雇われたリンクス共にやらかしてもらう。上は彼女たちがより苦しむ展開をご所望だ。それに、ウツロの奴にも仕事を回しておきたいからね」
- 58二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 12:36:36
待機
- 59二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 15:37:11
【今彼女に必要なもの】
モモイが入院したその翌日。ムツイとキリノはチャティに連れられてガレージに来ていた。
『ビジター、それにキリノ。ここに来る際に備えて、ボスから伝言を預かってる。先ずはキリノのタブレット端末を起動してくれ』
「…分かりました」
チャティの言葉に従い、キリノはタブレット端末を起動。それからチャティが画面を操作すると、一人の少女の姿が映し出された。
『Keyの拘束プログラム、レベル3まで解除。オーナー、シンダー・カーラのメッセージ開示』
直後、チャティの頭部からホログラムが投影され、カーラの上半身が浮かび上がった。
『…ビジター、キリノ、そしてKey…いや、モモイの奴は『ケイ』って呼んでたかね?今チャティに持たせた録画映像を見てるというのなら、どうやら私とアリスの両方が笑えない事になってるって訳だろう』
『ああ、私の安否について心配しなくてもいい。ビッグシスター…リオの奴は私やヒマリを捕まえることはしても、命までは取らないだろうさ。だから二人とも、私よりもアリスの奴に気をつけてやりな』
『さて、本題に入ろう。リオはリンクスの連中と共謀してアリスを処分…いや、始末しようと目論んでる。アイツはセミナーの誰にもキヴォトスの抱える問題を相談せずに、人の道から降りようとしている。今こうして私からのメッセージを見てる間にも先手を打ってる』
『…!?』
カーラの説明に、キリノは愚かムツイまでもが息を呑む。そしてKeyも動揺を露わにしていた。 - 60二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 16:30:42
『恐らく、リオは今まさにアリスの身柄を確保しに動いている筈だ。だが今それを阻止しに動こうとしない方がいい。ビジターなら、お供のCパルス変異波形が教えてくれる筈だろう』
『…カーラさんの言う通りだ。今、調月リオさんは複数のドローンにC&C、そして傭兵らしき人たちを連れて、ゲーム開発部へ向かってる。万が一の抵抗に備えてる…!』
『…だが、全て終わった訳じゃない。このガレージではアリスからの要望に従って開発が開始されたAC…それの発展型が収められてる。アリス用に用意してた奴は既存フレームをベースに小改良を行い、武装も既存のものをあり合わせたものだが、コイツは違う。コイツはKey…いや、ケイの奴のために義体と合わせて開発してた奴だ』
そこでチャティは、目前の扉を開ける。そして照明が付き始める中、カーラの説明は続く。
『今のアリスには、アイツ自身を守ってくれる騎士が必要だ。それも邪悪な魔王に貶されてしまうのを防ぐ騎士がね。今なら、お前さんのやるべき事が何なのか分かるだろう?』
二人は、チャティを先頭に部屋に入る。そして目前にある『それ』を見上げ、息を呑んだ。
「…キリノ、直ぐに先生に連絡を入れて。カーラが色々と手を打ってくれてると。私たちも今出来ることをしよう」
- 61二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 23:11:41
真相解明が先決か…どうなる?
- 62二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 06:44:05
それからさらに翌日のこと。退院したばかりのモモイを交え、調月リオに連れ去られたアリスを救出するための作戦会議が行われていた。
「それにしても、リオ会長はアリスちゃんを連れ去って、一体何をしようとしているのよ!?」
ユウカが困惑の色を隠せずに言う中、ムツイはタブレット端末に画像を投影しつつ語る。
「恐らくだけど、私たちの知らない場所で彼女を処分するつもりだろう。カーラはリオに邪魔される前提で多くの証拠とかを残してくれていたから、それを元に探してみよう」
「前からお世話になっているとはいえ、本官の様な本来なら関係のない者にもメッセージなどを残していたのを見るに、恐らくはミレニアムだけでは解決出来ない様な問題になりつつあると考えていたのでしょう」
キリノの言葉に、先生は頷く。先のアリスが暴走した時に現れた兵器群は『タワー』から出現したものであり、他の自治区に存在する『タワー』でも確認されていた。同様の事態がミレニアム以外でも起きると考えていたのだろう。
「とにかく今は、リオがアリスを何処に連れ去ったのか調べないと。ユウカ、調査を頼んだ」
「わ、分かりました!」
ユウカが先生からのお願いに応じる中、ムツイが話しかけてくる。
「先生、私もユウカを手伝ってくる。あとカーラと関わりのある人にも声をかけてくる。人手は多い方がいい」
- 63二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 08:38:39
【アリスを救え】
「先生、リオ会長がいるとおぼしき場所を発見しました!」
ムツイの協力を得て調査していたユウカたちが戻ってきて、一同に報告する。その表情には怒りと困惑の色があった。
「何かしら隠蔽してるデータとかないか探りを入れてみたところ、セミナーの予算関連に不透明な金の流れがありました。当初は表には出せない特別会計予算の一つだと思っていたのですが、横領を行なっていた痕跡もありました」
「横領…!?」
ユウカを手伝っていたノアの言葉に、先生は目を丸くする。キリノもミレニアムの生徒会長がらしくない犯罪を行なっていた事に驚きを隠せなかった。
「そんな…犯罪を犯してまで一体何を…!?」
「そうして資金の流れや関係があった組織などを洗い出していったところ、郊外の荒野の一角で建設工事が行われていた事を把握しました。どうやら私たちが把握していなかった『タワー』を中心に、何かしらの工事を行なっていた模様です」
「…となると、事態はより深刻かもしれません。連邦生徒会は『タワー』を発見したら即座に通報し、共同で調査・封鎖することを法令で義務付けています。廃墟の『タワー』の様に未知の兵器が出てきて暴走するのを防ぐためです」
キリノの言葉に、一同は改めて事の深刻さを理解する。そして先生はムツイに顔を向けた。
「…ムツイ、シロコを呼び出して。あと手を貸してくれるだろうレイヴンやリンクスにも声をかけてみて」
「…分かった」 - 64二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 17:09:07
準備が進む中、先生はムツイやキリノ、ウタハにチャティと共に、RaDのガレージに足を運んでいた。
「…ここに、カーラさんが独自に開発していたという『切り札』があるんだね?」
『ああ。元々はキリノに持たせたタブレット端末に移植しておいたKeyのデータに合わせ、今ある技術の全てを投じて開発していたという。元からあるパーツの再利用ではなく、一からフレームを新規製造する羽目になったが、いい経験になった』
チャティはそう言いながら、目前にある『それ』を見上げる。そして傍に置かれたカプセルへと視線を変え、先生も同じ方向へ顔を向けた。
『…ボスは、Keyに生きるというのはどういうことか学んでもらうために、日常と最も多く接する立場にあるキリノに預けた。その上でゲーム開発部の連中と共にあることを選ぶのを信じて、これを作っていた。ボスは、笑って今を生きていく事を大切に思っていたからな』
先生はしばし無言だったが、キリノに顔を向けて言う。
「…キリノ、ウタハ、この場は任せた。私はゲーム開発部の皆と共に、今やれる事を始めるよ」
「では、私はこれの調整に取り掛かるとしよう。久々に腕が鳴るよ」
先生は小さく頷き、そしてムツイと共にその場を離れていった。
- 65二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 21:15:25
1時間後。ミレニアム自治区郊外の空を、一機の輸送ヘリコプターが飛ぶ。その機内ではC&Cの面々が準備を進めていた。
「アスナ、アタシは別ルートで突入するからアカネとカリンは任せた!先ずはプールの奴が突入口こじ開けるから、そこから入れ!」
「了解したよ、リーダー!プールちゃん、派手に頼むね!」
アスナはインカムでヘリの真下を突き進むACに呼び掛ける。やがて地平線の向こうに建物らしき影が見え始め、そしてそこから大量の対空砲火が飛んできた。
「チッ、流石に撃って来やがるか!プール、頼んだぞ!」
『了解!本当の弾幕というものを見せてあげます!』
直後、プールのAC『ヴェーロノーク』から大量のミサイルが放たれる。それらは対空砲火を潜り抜ける様に飛翔し、ついに外壁に着弾し始める。
「対空砲火が薄くなった!そこへ強行着陸する!でもあのコールサイン・ゼロフォーが対応してくれるかどうかは不明だ!」
「いんや、アイツなら間違いなくアタシたちへ対応しに向かう!さっさと取り付くぞ!」
ネルはそう言い、長大な城壁を睨みつける。そして小声で呟いた。
「…ゲーム開発部のチビども、しくじるんじゃねーぞ!」
- 66二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 22:08:07
へんなのはでてくるのか…?
- 67二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 22:50:16
待機
- 68二次元好きの匿名さん25/06/17(火) 07:42:13
「皆、そろそろ地上に出るよ」
自律兵器のコンテナに乗り込んでいた一行は、地下通路を通って外へ出る。そしてその後に、二機のACが続いた。
『ここが、リオの築いていた拠点…』
『ん…カイザーPMC基地よりも遥かに大きい。まるで都市だね』
シロコの言う通り、そこは巨大な都市そのものだった。大量のビルが建ち並び、その全てが新しく見えた。とそこで先生たちを乗せているバルチャーが唸り声を上げた。
「キュルルルルル…」
『っ、リコンに反応あり!複数のACがこちらに向けて接近中!』
直後、ビルの合間から十数機ものACが現れる。そして一様に銃口を向けてきた。
『待ち伏せされた…!?』
『先生、これから戦闘に入る。ナビゲート頼んだ』
『バルチャーたちは先生を守る事を最優先で頼んだ』
- 69二次元好きの匿名さん25/06/17(火) 11:39:19
『マスター・リオ。ゲーム開発部及びシャーレの先生、エリドゥ警備部隊と交戦を開始しました。またC&Cに対しては飛鳥馬トキ様を中心としたAMAS部隊が対応しております』
要塞都市『エリドゥ』のコントロールルームで、AI音声が報告を上げる。調月リオはそれに対して指示を出す。
「ここまでは想定通りよ。トキとAMASはC&Cの誘引に徹してもらうわ。ゲーム開発部とシャーレの先生に対しては、UNAC(ユーナック)に加えて、リンクスたちを向かわせなさい」
「…随分と念を入れている様だね、ビッグシスター殿。流石に侮れる相手ではないか」
そこに一人の女性が現れ、リオに話しかける。それに対してリオは一切目を合わせることなく、目前のタッチパネルを操作しながら言う。
「彼女たちはまず間違いなく、ここ『タワー』を目指すわ。でも私はここミレニアムを…いえ、キヴォトスを守るために彼女たちを鎮圧しなければならない。だからこそ彼女たちリンクスに声をかけた」
「成程、確かに企業や学園から首輪を付けられるのと引き換えに安定した力を得たヤマネコたちなら、彼女たちに勝てるだろう。でもね…」
女性は近寄り、そして後ろからリオを羽交い締めにする。そしてリオの口元を手に持った布で塞ぎ、染み込ませた睡眠剤を強制的に吸い込ませた。
「…君が読まされていたそのシナリオは、私が作り上げたものなんだ。君にはただの悪党で終わってもらうよ。シュンカ、準備は出来ているかな?」
『ええ。本当に先生に被害を出さないと約束出来るのなら』
「大丈夫、ウツロにもよく言い聞かせておくから。では…始めようか」
- 70二次元好きの匿名さん25/06/17(火) 20:23:57
「ん、厄介…!」
ビル群の間を駆ける様に、『デサート・ファング』は進む。その真上からは二機のACが砲撃を仕掛けてきている。
『成程、貴様が噂のアビドスの狼か。ベイラムのリンクスからは『野良犬』呼ばわりされていると聞いて、いかなる粗製かと思っていたが、存外やるのだな』
『油断するなよ、ウィン。奴はヴェスパーの第四隊長がよく褒めていた。侮れんぞ』
無数のレーザーとミサイルが飛び交う中、『サンドクロウ』は二機のACと対峙する。
『まさか、ムツイ様とこの地にて相対する事になろうとは思ってもみませんでした。セレン様、彼女は手練れのレイヴンです。オールマインドのアリーナで何度か模擬戦闘を行いましたが、非常に厄介な相手です』
『ほう…リリウムが言う程の相手だ、なればこそ本気で相手するとしよう』
『ムツイちゃん、敵AC『アンビエント』と『シリエジオ』は高連携で攻めてくるよ!出来る限り一対一に持ち込んで各個撃破に持ち込んで!』
「分かっている。でも…!」
ムツイは一瞬一瞬、周囲のビルを見回す。どうやらこの都市のビル群は移設式らしく、遮蔽物代わりにしようとすれば移動し、逃げ道を塞いでくることもある。厄介な場所を戦場にされたものである。
そして地上では、『ヴェーロノーク』と三機の自律兵器がひとかたまりになり、一機のACを迎撃していた。しかし相手の挙動は素早く、次々と武装を破壊されていく。
『『タワー』の遺物とはいえ所詮は旧式兵器。貴様ら凡骨には砂漠の下に埋もれるのがお似合いだ』
『…まさか、アリーナでも上位ランクのリンクスが五人も配置されているなんて…!』
ハレの驚きに満ちた声が無線から聞こえ、ムツイも珍しく険しい表情を浮かべる。とそこで、バルチャーたちを攻撃していた黒いACが、ムツイとシロコに対して回線を繋げてきた。
『聞こえるか、そこの二人のレイヴン。私はトリニティの企業、オーメル所属リンクスのオッツダルヴァだ。大人しく降伏せよ』
- 71二次元好きの匿名さん25/06/17(火) 21:02:48
『降伏勧告…!?』
「…ん、どういうつもり」
先生が戸惑い、シロコも警戒を強める中、オッツダルヴァは静かに言う。
『今、ミレニアムのビッグシスターはキヴォトスの平穏のために、生徒の姿に化けた危険因子を安全に処理しようとしている。全知を騙りながら何もしていない明星ヒマリや、RaDのゴミ拾い共には決して出来なかった偉業を成そうとしている』
『そして企業は、キヴォトスの未来永劫の安定のために犠牲を欲している。貴様ら下らないゲームばかり作っている銭食らいの穀潰し共の安い人間関係などで無駄にすることなど許さん。今ここで素直に白旗を上げれば、矯正局送りだけは許してやろう』
オッツダルヴァはそう言いながら、ライフルの銃口を向ける。その視線は冷徹そのものだった。
『ここ、要塞都市エリドゥは『タワー』に収められていた古代文明の超技術と、かつてキヴォトスに存在していた者たち『無名の司祭』の遺産を元にして築き上げられた、人類を守る箱だ。貴様らのその粗製にも等しい頭脳でどうにかなるものではない。大人しく諦めて、ただ力ある者の庇護に入れ』
そうして、一歩ずつモモイと先生を乗せたバルチャーに近寄る。そして無力化のために攻撃を加えようとしたその時だった。
『…っ、オッツダルヴァ!エリドゥのレーダーに反応あり!何かが二つ、高速で急速接近してきている!到達まであと二十秒!』
『何…?』
オッツダルヴァがセレンに尋ねたその直後、エリドゥを囲む外壁の一面に幾つもの火柱が聳え立った。
- 72二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 06:03:05
保守
- 73二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 08:51:32
待機
- 74二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 10:29:42
【閃光が瞬くとき】
ミレニアム自治区の一角にある、RaDの工房。その屋上に設けられた試験場で、三機のACが姿を現す。
その三機の背部にはそれぞれ、長大なガスボンベとロケットを束ねた様な装備が取り付けられ、コネクタやケーブルで繋がれていく。そしてその上空に巨大なヘリコプターが浮かび、ケーブルを垂らしてACと接続。空中へ持ち上げていく。
『先行して展開しているC&Cから通信だ。すでに目標地点に到達し、交戦を開始しているという』
『始まりましたか…しかし、珍しい装備ですね。空中で切り離して起動し、前方にパルスアーマーを展開しつつ飛翔する…これもカーラさんが考えた装備ですか?』
『ああ。ACが遠く離れた地点へ素早く展開するために開発したものだが、まさかこんなところで役立つ日が来るとはな』
キリノが尋ね、チャティは頷く。三機は市街地を離れ、郊外の空へ高く浮かぶ。そうして十分な高度を取ったところで、チャティは言う。
『ビジターから暗号通信。リンクス五機と交戦を開始したそうだ。そろそろ行こう』
『了解しました!行きましょうか、Key…いえ、ケイ』
スイッチを押し、ヘリコプターから繋げられていた全てのケーブルが外される。そして背部装備のブースターから白い炎が噴き出され、空中で加速が開始される。
『先ずはキリノとケイの二機で先行し、特殊装備でリオの拠点の索敵システムと防衛システムに打撃を与える。『鏡』のシステムを転用したジャミングシステムだ、上手く当てろよ』 - 75二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 12:06:08
二機は速度を上げ、チャティよりも前へ出る様に飛ぶ。そしてレーダーで目標となる地点を捕捉し、同時にミサイルを発射する。
そのミサイルはある程度まで飛翔すると、弾頭のカバーが分解し、そこから小型のミサイルが複数発現れる。そして目標に向けて雨霰となって降り注いだ。
『着弾しました!防衛システムの一部機能低下を確認!』
「…目標への到達まで、あと十秒。VOBシステム稼働限界まであと僅か」
『そろそろ突入します!行きますよ、ケイ!』
さらに速度を上げ、二機はコア拡張システムのプロトコルを変換。そしてミサイルで対空砲の殆どを潰された城壁を超えたところで、背部のロケットブースターを切り捨てた。
都市に張り巡らされた幹線道路に着地し、滑る様に突き進む。そして両手に持ったアサルトライフルを撃ちながら、その場に展開しているドローンを破壊していく。
『あ、新たなACだと!?』
『見たことのないフレーム…RaDめ、隠し玉を持っていたか!』
唐突な乱入者に対して動揺が広がる中、白いACは左手の武装をアサルトライフルからレーザーブレードへと換装。そしてバルチャーの前に立つACへ斬り掛かった。
『っ、貴様…!?』
オッツダルヴァは即座に対応に移るが、白いACはレーザーブレードを振り下ろし、青白い光波を飛ばす。それは『ステイシス』のライフルを切り落とし、そして一気に距離を詰めて相手を蹴り飛ばした。
『ぐあっ!?』
『す、『ステイシス』が蹴り飛ばされた!?』
『なんというパワーだ…』
蹴り飛ばされた『ステイシス』はビルへ突っ込んで瓦礫に埋もれ、多くのリンクスが驚愕を露わにする。その中、白いACはバルチャーの目前に着地。各所から白い煙を排出しながら、頭部をバルチャーへと向けた。
- 76二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:12:53
『先生、お待たせしました!』
先生たちの乗るバルチャーへ『オフィサー1』が近寄り、キリノが声をかけてくる。先生は白いACを見上げながら言う。
「キリノ!やっと来たんだ…!それに…」
『はい!モモイさんはそこにいますか?』
「えっ、私!?こ、ここにいるけど…」
モモイが唐突に呼びかけられて動揺を露わにする中、白いACのパイロットは彼女たちへ声をかける。
『…モモイ、ここのACは私たちに任せて下さい。先生とモモイたちは急ぎ、中央の『タワー』へ向かって下さい』
「分かった!…気を付けて」
三機の自律兵器がその場を離れていく中、白いACはビルの中から出てきた『ステイシス』へ目を向ける。そしてアサルトライフルを構えつつ睨みつけた。
『貴様…わざわざ不意打ちをしてきた以上、無様に負ける覚悟はあるのだろうな!?』
「…覚悟?私は―」
白いACは左手に装備するレーザーブレードの刀身を白く光らせ、攻撃の構えを取る。
「―ただ、王女を助けるがために力を振るうだけのことです」
そして地面を蹴り、『ステイシス』へと迫った。『ステイシス』は真上に飛び上がって攻撃を回避し、カウンターを決める形で上方からミサイルとバズーカを撃つ。しかし白いACは横へ飛び、直後に跳躍。『ステイシス』の脇腹へ回し蹴りを叩き込む。
そうして蹴り飛ばされた『ステイシス』に対し、白いACは急加速して接近し、一瞬のうちにレーザーブレードの斬撃を叩き込んだ。