【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線 Part.17

  • 1ホットドリンク大好き25/06/08(日) 22:19:16

    【あらすじ】
    まぁ・・・そういうこともあるでしょう。

  • 2ホットドリンク大好き25/06/08(日) 22:22:19
  • 3二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 22:22:21

    縦乙

  • 4ホットドリンク大好き25/06/08(日) 22:23:40
  • 5ホットドリンク大好き25/06/08(日) 22:25:11
  • 6ホットドリンク大好き25/06/08(日) 22:26:22
  • 7ホットドリンク大好き25/06/08(日) 22:28:18
  • 8ホットドリンク大好き25/06/08(日) 23:33:33

    ────────────────────

    ワカモ:
    「(カチャッ)」

    カヤ:
    「(スッ)お幾らですか?」

    今にも銃を向けそうなワカモを抑えつつ、横暴な店員に代金を支払うカヤ。

    ワカモ:
    「何故止めるのでしょう・・・?」

    カヤ:
    「まだ早いからです。
    もしかしたら、そういう新しいサービスかもしれません。」

    そう言って、店員が運んできた お冷やを受け取る。

    店員:
    「ホラ、水代。」

    ワカモ:
    「・・・。」

    カヤに不躾な請求をする店員を、視線だけで射殺さんばかりに睨み付けるワカモ。
    店員の態度は特に気にしないタイプであるカヤは、何も言わずに代金を支払う。

  • 9ホットドリンク大好き25/06/08(日) 23:36:26

    ワカモ:
    「・・・少し待っていて下さい。 恥は私自ら雪ぎますから。」

    そう言って店員を血祭りに上げてこようとする殺気立ったワカモを、カヤは制する。

    カヤ:
    「いえいえ、何と言っても玄武商会ですから。
    きっとこれだけの料金を請求するからには、とても敷居を要求する料理が出てくるのでしょう。」

    キラキラとした純粋な期待がワカモを襲う。
    思わず強い光に当てられた時のように視界を両手で抑えた。
    自分で期待を煽った分、罪悪感が凄い。

    店員:
    「オラ、手拭きだ。 勿論、代金を頂くぞ。」

    カヤ:
    「えぇ、お支払いしますよ。」

    物凄く料理を楽しみにしているカヤは、何も疑うことなく店員に再び代金を支払った。

  • 10ホットドリンク大好き25/06/08(日) 23:39:10

    ワカモ:
    「あの・・・カヤさん?
    恐らく私の下調べが甘かったと言いますか・・・ここを受け持っているのは十中八九 玄武商会では───」

    もはやワカモの意識に自らに恥をかかせた玄武商会を騙る連中のことは無く、むしろこの完全に期待一杯のカヤという名の幼女が現実を知る前に この場を去りたいという思いしか無かった。

    店員:
    「オラ、お待ち。」

    しかし日頃の行いが悪かったのか、カヤを説得し切る前に料理が運ばれてきてしまう。

    カヤ:
    「・・・。」

    それは やけに安っぽいラーメン鉢に入った、誰でも作れそうなインスタント麺だった。
    一応 醤油味だが、ボリューム感を誤魔化す為か載せられたモヤシが十分に水切りされていなかった為に、原型が無いほど水っぽくなってしまっている。
    おまけと言わんばかりに載せられたパックのハムが、酷さを倍増させていた。

  • 11二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 23:40:32

    店員の死亡フラグがどんどん建てられてゆく

  • 12ホットドリンク大好き25/06/08(日) 23:40:45

    ワカモは思わず顔を両手で覆った。
    これは酷い。 酷すぎる。

    カヤ:
    「・・・。」

    ワカモ:
    「・・・あの・・・カヤ、さん。」

    恐ろしいものを見るように、ワカモはカヤの様子を両手の隙間から見守った。
    カヤは真顔で出来損ないのラーメンを見つめている。
    ワカモには それが酷く恐ろしい表情に見えた。

    カヤ:
    「・・・食べ物を無駄にするワケには参りませんから。 頂きましょう。」

    ワカモ:
    「・・・そうですね。」

    地獄のような雰囲気の中、手抜きの塊のようなラーメンを啜った。

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 13ホットドリンク大好き25/06/08(日) 23:41:58

    カヤ?:
    「・・・店員。」

    やがてラーメンを食べ終わると、カヤは冷え切った表情で店員を呼び出した。

    店員:
    「あ? 会計なら あっち───」

    ───── (殴打音)

    ───── (銃声)

    ───── (銃声)

    ───── (銃声)

    ───── (銃声)

    ───── (銃声)

  • 14ホットドリンク大好き25/06/08(日) 23:43:37

    持って来ていた拳銃をリロードするカヤ。

    足元では先程まで威勢の良かった店員が、呻きながら気絶していた。


    カヤ?:

    「─── 会計? そうだね、不快な気分にされた分の清算が必要だよね。」


    カヤと地続きの記憶を持つ(当然、不味いラーメンを食べさせられた記憶も持ってる)別人格─── <官服>は、カヤとは打って変わって明らかに不機嫌な様子で店員の頭を足蹴にする。


    ワカモ:

    「カヤ・・・さん?」


    突然 雰囲気の変わったカヤに困惑するワカモ。

    しかし振り返ったカヤの目を見て、ハッとした。

    その目は、その目に宿る暴力的な狂気は、彼女の良く知るものだった。


    ワカモ:

    「・・・事情は詳しく存じませんが・・・なるほど、完全に”あの頃”と変わってしまったワケでは無かったのですね。」


    官服:

    「話が早いね。

    そう、久しぶり─── ワカモ。」


    この後、用心棒として雇われていたカイザーPMCは壊滅した。


    ────────────────────

  • 15二次元好きの匿名さん25/06/08(日) 23:49:21

    落としてしまってすまねぇ!

  • 16二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 05:13:29

    建て乙

  • 17二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 09:58:15

    建て直しかんしゃあ〜

  • 18二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 18:11:48

    >>13

    次のメニューは店員のメンチか……

  • 19二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 18:13:19

    >>18

    メンチカツが関東で

    ミンチカツが関西だっけか

  • 20二次元好きの匿名さん25/06/09(月) 22:35:15

    一体どんな関係性が気づかれていくのだろう

  • 21ホットドリンク大好き25/06/09(月) 22:40:54

    ────────────────────

    ホシノは今まで色んな人間を見てきたつもりだった。
    どこにでもいるようなチンピラから、黒服のような碌でもない大人まで。

    ???:
    「あぁ・・・煩わしい。」

    しかし、目の前の生徒から感じる凄まじい嫌悪感は初めて感じるものだった。

    ???:
    「この神秘のベールさえなければ・・・全てを諦めることが出来るなら、きっと この命を奪うことが出来るのに。」

    そういって、その生徒は倒れたロボットの胸部を撫でる。
    それは獣が鉤爪で獲物を引き裂くような仕草で、丁度 動力源であるコアの真上を撫でていた。

    『もしそこを潰すことが出来れば、キヴォトスの人間でも死ぬだろう。』

    そんな冒涜的な発想が、自然と脳裏に浮かんだ。
    直ぐに そんな発想が出てきてしまう自分が嫌だった。

    ???:
    「貴方も、そう思うよね?」

    自然と思考が読まれた。
    ホシノは、少し指先が震えたのを感じた。

  • 22ホットドリンク大好き25/06/09(月) 22:45:16

    目が合った。

    あの女と同じ瞳を、姿をしている。

    それなのに、その雰囲気は全く異なるものだった。

    アレが人のフリをしているナニカなら、コレは人ではなくなってしまったナニカだった。


    ???:

    「良かった、会えて。 貴方とは一度 話してみたかった。」


    ホシノ:

    「・・・貴方は?」


    ナニカは、あの女では有り得ない歪んだ笑みを浮かべた。


    ???:

    「私? 今は<官服>って名乗っているの。

    舎弟がくれた名前。 ・・・とっても素敵でしょ?」


    ホシノは無意識の内に舌打ちをしていた。

    あの悪い大人に良く似た名前だ。

    よく見てみれば雰囲気も似ている。

    人を間違った道に引き摺り込もうとする辺りなんてソックリだ。

    強いて違うところがあるとすれば、こちらには子供らしい危うさがあるところだろうか。

  • 23ホットドリンク大好き25/06/09(月) 22:48:14

    官服:
    「ねぇ、ホシノ。 私と取引しない?」

    おまけに取引ときた。
    ホシノは口を噤んだ。
    これに答えるのは、悪魔の取引と同じで宜しくない。

    官服:
    「私の仲間になれば、師のように借金の大半・・・なんてボカした数字は言わない。
    9億6235万円・・・全額 肩代わりしてあげる。
    アビドスのオアシスを蘇らせるプランも用意するし、砂嵐の対策だって基金を組む準備がある。
    ・・・だから、ねぇ。 ─── 私の仲間になってよ。」

    ───── カチャッ

    ホシノ:
    「悪いけど───」

    ホシノは銃口を目の前の怪物に向けた。

    ホシノ:
    「─── そういうのは前ので懲りたから。」

  • 24ホットドリンク大好き25/06/09(月) 22:50:56

    官服:
    「・・・あぁ、そう。 貴方も柴さんと同じで、私を受け入れてくれないんだ。」

    まるで家族に拒絶されたかのように哀しそうな顔をする官服に、ホシノは怪訝な目を向ける。

    ホシノ:
    「・・・なんで? どうして そんな───」

    しかしホシノが最後まで官服に真意を問えることは無かった。

    リン:
    「─── そこまでです。」

    リンが官服の目を両手で塞ぐ。

    官服:
    「・・・リン?」

    リン:
    「・・・『私は赤い祭壇に見覚えがありません』。」

    官服:
    「赤い・・・祭壇・・・?
    あぁ、そうだった。 私は深紅の祭壇で───
    ・・・? あれ、なら何で私は今 私で、私は どうして私で・・・??」

    リンに耳元で囁かれた言葉を認識した途端、官服の自意識が混濁していく。
    『かつて』と『今』の境目が曖昧になり、キャラクタが行方不明になる。
    やがて世界は整合性を求め、キャラクタは『今』へと収束していく。

  • 25ホットドリンク大好き25/06/09(月) 22:52:40

    カヤ:
    「・・・? おや、リン。 いつからそこに?」

    リン:
    「今さっきですよ。 ・・・随分 暴れたようですね。」

    カヤ:
    「? ・・・あぁ、失礼。 最近『かつての私』との境目が曖昧で・・・。」

    リン:
    「構いませんよ。 それより あちらで暴れているワカモさんを呼び戻せますか?
    ・・・これ以上ここに留まるのは、貴方の為になりませんから。」

    カヤ:
    「そうですね。 ─── ワカモさん、清算は終わりにしましょう。
    ・・・えぇ、そうです。
    だから帰って、今度は一緒にラーメンを作りましょう。 
    あれより美味しい、心の籠もったラーメンを・・・。」

    リンに その華奢な身体を支えられたカヤの背後には、壊滅したカイザーPMCの軍隊と、焼け焦げた機動兵器群があった。

    ────────────────────

  • 26二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 04:48:41

    >しかし、目の前の生徒から感じる凄まじい嫌悪感は初めて感じるものだった。


    もしかして:近親憎悪、同族嫌悪

  • 27二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 08:37:58

    このレスは削除されています

  • 28二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 14:36:03

    ホシノ…成長したな。

  • 29二次元好きの匿名さん25/06/10(火) 19:06:12

    立派になって...

  • 30ホットドリンク大好き25/06/10(火) 23:15:14

    ====================

    ???:
    「クソッ、狂犬共め・・・!」

    男は負傷した腕を押さえながら呪詛を吐いた。
    身なりのキチンとした犬型の人間で、見るからに大物といった風貌だった。

    秘書:
    「しゃ、社長・・・! 警備からの連絡が途絶えました・・・。」

    ロボットの社員が怯えた様子で報告する。
    大物の雰囲気をした犬人間─── 件の中毒性の高い麻薬を料理に混ぜたチェーン店の社長は、状況が芳しくないことを悟って舌打ちをした。
    いつかはバレるだろうとは思っていたが、まさかこれほど過激な反応をするとは思ってもみなかった。
    彼の知っているヴァルキューレは、もっと”穏当”だったはずだった。

    上役に金でも握らせて ゆっくりと水面下で顧客(中毒者)を増やしていくつもりが、今や把握出来ているだけでも全ての支店が襲撃を受け、事実上の廃業に追い込まれていた。

    チェーン店の社長:
    「やむを得ん・・・高飛びするぞ。 荷物を纏めろ。」

    秘書:
    「は、はい・・・!」

    恐怖に駆られた秘書は、必死の形相で荷物を纏め始めた。
    あれなら直ぐに準備が終わるだろう。

  • 31ホットドリンク大好き25/06/10(火) 23:17:52

    チェーン店の社長:
    「─── あぁ、私だ。 屋上にヘリを用意しろ。
    流石の連中も、空までは追ってこれまい。」

    部下の操縦士に連絡し、ヘリの手配をする。
    普段なら秘書の役割だが、そんなことは言ってられないほど切羽詰まっていた。

    思い出すのは役員会議に雪崩れ込んできた連中の目。
    ギラギラと見開かれ、こちらを攻撃することしか考えていない狂気の目。
    それは狂犬病を患った野犬の様子に似ていた。

    警備の手によって何とか その場から逃げ出すことは出来たが、思い出すだけでも身震いする。
    チェーン店の社長は今直ぐにでも この場から逃げ去りたかった。

    元々、前の社長が辞めてから他に適任もいないので押し付けられただけの雇われ社長だ。
    仕事に誇りもクソも無かった男は、秘書に会社の金を掻き集められるだけ集めさせるとヘリとの待ち合わせ場所である屋上に向かった。

  • 32ホットドリンク大好き25/06/10(火) 23:21:05

    あのエリアマネージャーが持っていた麻薬は金になった。
    企業で捌けるだけの大量の麻薬を購入する金を通常会計から持ってくるワケにもいかず、色んな理由をつけて不正に捻出した特別会計は、今や一生遊んで暮らせる・・・とまでは行けなかったが、高飛びが十分視野に入る程度にまでは膨れ上がっていた。

    この金があれば、また やり直せる。
    今回で限度を学んだ。
    次は もっと巧妙な手口にすれば、もっと長期で稼ぐことが出来るだろう。

    ───── (ヘリの着陸音)

    やがて、社長の前にヘリが到着した。
    思った時間より少し遅れていた。

    チェーン店の社長:
    「遅かったな。」

    操縦士:
    「いや~、メンゴメンゴ。
    なにしろヘリの運転なんて 昔やったきりだから覚えてなくって。」

    聞き馴染みのない子供の声がした。

    ───── カチャリ

    秘書:
    「ひっ・・・!」

    秘書の眉間に銃口が向けられた。

  • 33ホットドリンク大好き25/06/10(火) 23:23:02

    操縦士:

    「─── で、アンタが社長? 悪いことは言わないから投降しなよ。」


    チェーン店の社長:

    「・・・っ!!」


    ここで社長は己の逃走ルートがバレていたことを悟った。

    連中は ただ暴れていただけではない。

    周到に、確実に我々を追い詰める<狩り>をしていたのだ。


    狂犬A:

    「まずは一人。」


    ───── (銃声)


    秘書が眉間を撃ち抜かれてダウンする。

    社長は この時点で全てを持ち逃げすることは諦めた。


    ───── バッ


    狂犬A:

    「あ、マズ。」


    社長はヘリの備品から、緊急用のパラシュートを ひったくる。 そしてそのままビルの縁へと駆け出した。


    響く銃声。


    後頭部に鈍い痛みが走った。


    しかしもう止まらない。 社長の足は確実にビルの縁を越えて宙に駆け出し───

  • 34ホットドリンク大好き25/06/10(火) 23:25:04

    ???:
    「─── 残念だったな。」

    パラシュートを開いて空中から逃走を図ろうとした後ろから足を掴まれた。
    開いたパラシュートが虚しく重力に引かれて堕ちていく。
    足を掴んだ腕は そのまま社長を再び屋上へと放り投げた。

    狂犬A:
    「グッジョブ姉御! いや~、姉御ならフォローしてくれるって信じてったっす!」

    狂犬B:
    「お前・・・署に帰ったら覚えておくように。」

    そう言って、”ビルの壁を素手で よじ登ってきた”別の狂犬は、軽快な動作でビルの屋上へと足を付ける。

    チェーン店の社長:
    「─── ぐっ・・・!!」

    そして、社長を足蹴にした。
    ───── メキ・・・メキ・・・
    絶望的な圧力を前に、身を捩ることすら出来ない。

  • 35ホットドリンク大好き25/06/10(火) 23:27:40

    狂犬B:
    「・・・お前の獲物だ。 お前がトドメを刺せ。」

    狂犬A:
    「えっと・・・こういうときは何かカッコイイ台詞とか言った方が良いっすかね・・・?」

    狂犬B:
    「いいから早くしろ。」

    銃声が響く。

    こうして、また一つの悪が潰えた。

    ====================

  • 36二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 00:04:03

    カンナはもう第二のカヤと化している
    カヤは防衛室という配下を
    カンナは狂犬という配下を作って
    自分の同胞や分身を作っている

  • 37二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 04:31:33

    狂犬が増えた…狂犬病が広がっている…
    原作カヤは狂犬病ワクチンだった…??

  • 38二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 06:38:32

    群れか.....

  • 39二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 12:22:13

    保守

  • 40二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 16:12:33

    お前もそっちにいくのか…

  • 41ホットドリンク大好き25/06/11(水) 22:48:06

    ────────────────────


    それは突然の出来事だった。


    風に吹かれた布地のように揺らめいていた海が、ピタリと静かになる。

    ゴウゴウと唸っていた風は止まり、不自然なほどの穏やかな空気が流れる。


    最初に異変に気が付いたのは遠方を見つめていた観測手だった。


    ”島が、陸が動いている”


    その事実に気が付いた時、観測手の脳裏にカヤの言葉が思い起こされた。


    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


    カヤ:

    「─── <海面下の怪物>は、最低でも体長1kmは くだらない正真正銘の怪物です。

    分かりますか?

    それが、一度は我々の足元を通ったのです。


    想像してください。

    生きた山が、川が、海流が、我々と同じ時間と空間で生きています。

    それはきっと災害であり、自然であり、ある種”自然を象った神聖”です。

    貴方は、我々と共に古き神聖と対峙するでしょう。

    ─── そして それを弑するのです。

  • 42ホットドリンク大好き25/06/11(水) 22:51:27

    その血を、肉を、骨髄を暴き、神秘を手にするのです。
    ・・・どうです? 血が沸き立ちませんか? 心が躍りませんか?

    ─── もし そうなら、貴方はきっと良い冒険家に成れます。 えぇ、きっとそうなりますとも。」

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    ───── ゴクリッ

    観測手の喉が鳴った。

    恐怖で足が竦む。

    緊張で歯がガチガチと震えた。



    しかし、心は どうしようもなく高鳴っていた。

    そう、彼女は これを─── 未知を己の目で見る為に、カヤに付いてきたのだから。

  • 43ホットドリンク大好き25/06/11(水) 22:53:01

    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■

    カヤ:
    「─── おや、貴方は?
    あぁ、お腹が空いているのですね?
    でしたら どうぞ、お召し上がり下さい。
    といっても、簡単なラーメンで申し訳ありませんが・・・。

    ───・・・本当ですか? 美味しい??
    なぜ?? どうして??? これは失敗作のはずなのに・・・。」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    カヤ:
    「─── あぁ、貴方ですか。
    良かった、貴方の為に またラーメンを用意したのです。
    前回の結果を踏まえ、私なりに理論を構築してみました。
    今度は きっと以前より美味しく感じられるはずです。

    ・・・おや、お仲間を連れてきたのですか。
    良いですよ。 データは多い方が精度が上がりますから。

    ─── ・・・味の違いが分からない??
    そんなはずは・・・。 数値上は前回のクオリティを大きく上回っているはずです。 それなのに どうして・・・。」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 44ホットドリンク大好き25/06/11(水) 22:54:23

    カヤ:
    「─── 良く来て下さいました。
    今度こそ、最良のラーメンが出来上がったはずです。
    だから どうぞ お召し上がり下さい。

    ─── そんなに沢山 食べられない?
    ・・・あぁ、そうでした。 私は そんな根本的なことすら見逃して・・・。
    ・・・・・・。
    ・・・ではこうしましょう。

    ─── 好きな味のラーメンを教えて下さい。 残りは、私が責任を持って食べます。」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

    カヤ:
    「─── 今日は牛丼が食べたいのですか・・・。
    私としてはラーメンのデータが採りたいのですが・・・まぁ、構いません。
    少し お待ち下さい。

    ─── おや、また冒険の話を聞きたいのですか?
    いいですよ、今度は何を話しましょうか。」

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 45ホットドリンク大好き25/06/11(水) 22:58:54

    カヤ:
    「─── あなた方も遂に高校生ですね。
    銃の整備は万端ですか? 弾薬の用意は?

    ─── あぁ、そうでしたね。 貴方達はもう、自分で お金を稼げるのでした。
    ・・・・・・。
    ・・・ところで、高校は どこに進学するつもりですか?
    勉強は それなりに見てきたつもりですが、進学先によっては入試の対策が───

    はい?
    連邦生徒会の・・・それも防衛室に入りたい?
    私のような冒険家に成りたいと言うのですか?
    たしかにそういう側面もありますが・・・別に防衛室は冒険家 育成機関というワケではないのですよ??
    危険も多いですし、生傷の絶えない仕事です。
    それよりもミレニアムに入って部活でも立ち上げた方が、より効率的に経験を積むことが───

  • 46ホットドリンク大好き25/06/11(水) 23:00:26

    ───・・・それでも私に師事したいのですか?

    ・・・・・・。

    ・・・なんでしょう。

    ここが、ポカポカします。(心臓を押さえながら)


    ・・・あぁ、今なら分かる気がしますよ─── 柴さん。

    あの日『私』が食べたラーメンが、どうして記憶の中で あれほど燦然と輝いているのか。


    なるほど・・・これが<家族>というものですか・・・。」


    ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■


    やがて、高鳴る心臓から送り出された熱い血が、恐怖で竦んだ足を動けるようにした。

    それに気付くと、観測手は足を縺れさせながらも<家族>のいる方へと走り出した。


    カヤ:

    「おや、どうしたのですか─── レシーマ。

    何か新しい発見でも ありましたか? 例えば そう・・・クラゲとドレスの関係性についてとか。」


    観測手は、服飾の好みから垣間見える”少女趣味”(本人は卒業したと思っている)を揶揄うでもなく真剣に検討してくる<家族>に気恥ずかしいものを覚えながら、それを否定し、今さっき見たものを報告した。


    ────────────────────

  • 47二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 01:54:59

    あったけぇ…けどこの娘も不知火カヤになるんだよな…

  • 48二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 03:53:49

    カヤがまた一人増えた…

  • 49二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 09:42:59

    カヤになる理由は様々

  • 50二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 12:39:09

    >>36

    (|)「ようこそこちら側へ」

  • 51二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 18:53:42

    嬉しくねぇ…

  • 52ホットドリンク大好き25/06/12(木) 22:37:41

    ────────────────────


    カヤ:

    「─── <蛇王龍(ダラ・アマデュラ)>ですね。 間違いありません。」


    戦艦()の会議室で、カヤは骨董品の鑑定結果でも言うように簡単に言った。


    プロジェクターに、イメージ図が映し出される。




    参照元:
    #レイヤー1枚 千剣の主 - モノクロ仮面のイラスト - pixiv久々のレイヤー1枚。HR開放時、ソロで3度目の正直でやっと倒したのですがその後の初オンもかねて行ったらモノの数分で倒して顔面フリーズした思い出の子です。■蛇年も残りわずか。今年ピクシブに投稿するのはこwww.pixiv.net
  • 53ホットドリンク大好き25/06/12(木) 23:19:49

    カヤ:
    「全長は推定2km弱・・・我々が以前遭遇した個体の全長、440mの軽く4倍です。」

    リオ:
    「・・・この艦より一回りも二回りも大きいと思って貰っていいわ。 勿論、戦艦形態ではなく変形後の話よ。」

    プロジェクターに大海龍形態のシルエットと、推定の蛇王龍のシルエットが重ねて映し出される。
    その体格は大人と子供ほどの差があった。

    セリカ:
    「じゃあ倒せるワケないじゃん! 無視しましょ、無視!!」


    リン:
    「・・・本当ならそうしたいのですが。」

    リンは深く溜息をついた。

    カヤ:
    「残念ながら・・・この個体の進路を調べたところ、ロストパラダイスリゾートに向かっていることが分かりました。
    発生する被害を鑑みると、無視するワケにも参りません。」

  • 54ホットドリンク大好き25/06/12(木) 23:20:55

    セリカ:
    「うぅ・・・。」

    カヤ:
    「ですがセリカさん。」

    カヤは ずいっとセリカに顔を近づける。

    セリカ:
    「へ?」

    カヤ:
    「私としては、あなた方の安全に配慮したいと思っています。
    私達はこれから蛇王龍に挑みますが、あなた方が望むのであれば船を一隻 用意致しましょう。」

    セリカ:
    「・・・。」

    カヤはセリカから顔を離すと、リン達の方へと振り返った。

    カヤ:
    「貴方達も、それで構いませんね?」

    リン:
    「構いません。」

    リオ:
    「構わないわ。」

  • 55ホットドリンク大好き25/06/12(木) 23:22:16

    ワカモ:
    「えぇ、勿論です。 臆病者は必要ありませんから。」

    シロコ:
    「あ”?」

    ワカモ:
    「あら? どうしたのですか、子犬さん。
    弱者が臆病者なのは、決して欠点ではありませんよ?」

    シロコ:
    「・・・私は弱くない。」

    シロコは席を立つと、ワカモの対面に座り直した。

    アヤネ:
    「せ、先輩・・・!?」

    シロコ:
    「私は残る。 蛇なら串焼きが美味しい。」

  • 56ホットドリンク大好き25/06/12(木) 23:23:33

    カヤ:
    「・・・刺せる串は ありますか?」

    防衛室スタッフA:
    「・・・! ・・・! (凄い勢いで顔を横に振る防衛室スタッフ)」

    ホシノ:
    「うへ~・・・後輩が残るっていうのに先輩が逃げ出しちゃ格好悪いよねぇ。 一応、総指揮は私だし。」

    ノノミ:
    「はい☆ 私達も残りますよ~。」

    セリカ:
    「そ、そうよ! ここまで喧嘩を売られて、引き下がるワケにはいかないわ・・・!!」

    リオ:
    (・・・ねぇ、私達そんなに挑発をしてしまったのかしら・・・?)

    アヤネ:
    (えっ・・・まぁ、割と・・・。)

    リオ:
    (そう・・・合理的な説得だと思ったのだけど・・・。)

    アヤネ:
    (え?)

    リオ:
    (え?)
    ────────────────────

  • 57二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 04:31:35

    ★の

  • 58二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 07:28:04

    挑発して頭に血が上ったところを利用するのは手段として間違っていない
    反応させてしまえば利用出来るからな

  • 59二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 16:10:04

    保守

  • 60二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 00:50:16

    保守

  • 61ホットドリンク大好き25/06/14(土) 06:33:42

    ────────────────────


    カヤ:

    「─── さて。」


    カヤは戦艦()のコックピットに乗り込んだ。


    カヤ:

    「・・・<より強大な脅威に対処する>。

    ようやく貴方のコンセプトを十全に発揮させて上げることが出来ます。」


    カヤはコックピットのマニピュレーターを握った。

    コックピットが起動し、電力系統が唸りを上げ始める。


    リオ:

    『・・・来るべきではないのだけど、この<フォルテシモ君>が本来の活躍をする時が来てしまったようね。』


    リオからの通信がコックピット内に響く。

    何やら聞き覚えのない名前が聞こえた気がした。


    カヤ:

    「確かに当艦の命名をする権利は差し上げましたが・・・。

    相変わらず前衛的なネーミングセンスですね、リオ。」


    リオ:

    『ふふっ・・・褒めても何も出ないわよ?』


    カヤ:

    「・・・。」

  • 62ホットドリンク大好き25/06/14(土) 06:38:58

    カヤは軽く溜息をつくと、コックピット内での位置を整える。
    少しして、万全と言える体勢をとることが出来た。

    カヤ:
    「リオ、こちらの準備は万全です。 ─── 変形機構の起動を。」

    リオ:
    『了解したわ。』

    ───── ガコンッ

    次の瞬間、衝撃と共に強いGがカヤへと加わる。
    コックピットのモニターが起動し、カヤの周囲に黒い大海原が広がった。

    リオ:
    『─── 十二時の方角から接近してきているわ。』

    リオの言う通り、目の前から不自然な海原の盛り上がりが近づいてきていた。
    それはやがて目と鼻の先まで近づき、突然 消える。

    数秒間の沈黙。

  • 63ホットドリンク大好き25/06/14(土) 06:42:03

    ・・・。

    ・・・・・・。

    ・・・・・・・・・。


    ───── ドンッ


    まるで海が爆発したかのような衝撃と共に、海面の下から遂に<海面下の怪物>が姿を現した。

    想定よりも更に一回り大きい─── 推定全長が2km強はありそうな蛇王龍がフォルテシモ君を睥睨する。


    それは正に、神の威容だった。


    カヤ:

    「おやおやおやおや─── 随分 大きいですね。

    ここまで大きくなるのに、一体どれだけの時間を生きてきたのでしょう?


    何万、何百万・・・あるいは何億・・・。


    実に、素晴らしい。

    この出会いに感謝を捧げましょう。


    ─── そして宜しければ・・・私達と<踊って>頂けませんか?」


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 64二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 13:56:53

    熱いねぇ

  • 65二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 22:34:27

    保守

  • 66ホットドリンク大好き25/06/14(土) 23:18:28

    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


    ホシノ:

    『─── んじゃ、会議で決めた通りね。

    あの人が やり合ってる間に、私達で<仕掛け>を張っちゃうから。

    <爆弾>の方は そっちで─── わっ! ちょっと、二人とも喧嘩しないでよ!』


    シロコ:

    『・・・邪魔しないで。 私は貴方より強い。』


    ワカモ:

    『フフフッ♪ 威勢が良いのは結構ですが、自分自身の実力を客観視 出来ていないのではありませんか?』


    シロコ:

    『あ”?』


    ホシノ:

    『あぁ、もうっ! 前途多難だなぁ!!

    そういうワケだから、通信終わり! ─── (銃器を構える音)こっちは何とかするから、そっちも何とかして!!』


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 67ホットドリンク大好き25/06/14(土) 23:21:17

    リン:

    『・・・了解しました。 こちらは こちらで対処します。 ─── リオさん。』


    リオ:

    『分かっているわ。 既に<RAY>を含めた機動兵器を限界数 展開。

    無人兵器(ドローン)にヘリも全て出ている・・・。 勿論、A装備(AQUA装備)を装着したスタッフもね。』


    リン:

    『良いですね。

    では当初の予定通り作戦を開始して下さい。

    私もオペレーターの一人として援護します。』


    リオ:

    『了解。 総員、全機 行動開始。

    各オペレーターの指示に従って作戦行動をとって頂戴。』


    ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

  • 68ホットドリンク大好き25/06/14(土) 23:25:11

    防衛室スタッフA:

    「始まったね。」


    防衛室スタッフB:

    「そうだね。 じゃあ、私達は予定通りの場所に<爆弾>を設置しに行こうか。」


    防衛室スタッフC:

    「ムググ・・・ッ。 ・・・ねぇ! もう2~3人くらい手伝ってくれない!?」


    防衛室スタッフD:

    「この<爆弾>・・・大きすぎるって!! パワードスーツ込みでも3人で運ぶのは無理があるよ!!」


    防衛室スタッフE:

    「重い・・・! ジャンケンで負けたにしては仕打ちが重い・・・!!」

  • 69ホットドリンク大好き25/06/14(土) 23:27:06

    防衛室スタッフA:

    「しょうがないでしょ! 運搬中に獲物が暴れないワケないんだから、対処する人員が要るんだよ!」


    防衛室スタッフB:

    「そうだよ(便乗)。 だからキビキビ働くんだよ(愉悦)。」


    防衛室スタッフC:

    「あぁ、クソッ! 分かったよ! やってやるよぉ!!」


    防衛室スタッフD:

    「覚えておくんだな! お前ら!!」


    防衛室スタッフE:

    「心なしか・・・気分も重い・・・。」




    防衛室スタッフA:

    「・・・まぁ、おふざけはこれくらいにして。

    今しか聞けないだろうから聞いておくけど、君は今回の狩りは上手くいくと思う?」


    防衛室スタッフB:

    「ん? そんなの分からないよ。

    成功することもあれば、どんなに頑張っても失敗する時は失敗する。

    全ては時の運さ、我が<家族>よ。」


    ────────────────────

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