- 1二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 00:08:34
- 2二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 00:13:21
- 3二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 01:14:15
前スレ171及び172の続き
ミサキ「⋯リーダー⋯?」
ヒヨリ「ね、姉さん⋯って⋯?」
サオリは何も言わない。ロケットペンダントを握りしめたまま、動かないままでいる。
そんな中、とある声が響く。
アズサ「⋯サオリ⋯!」
怒りの表情を浮かべたアズサが現れた。自分を呼ぶその声を聞いて、サオリは顔を伏せたまま、答える。
サオリ「⋯⋯⋯ここで⋯お前が出てくるのか」
サオリはロケットペンダントを地面に置いて立ち上がった。 - 4二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 01:15:34
サオリ「⋯どうだ、アズサ。私の言った通りだっただろう。トリニティにも、シャーレにも、お前の居場所はない」
─あぁ、そうだ。
サオリ「私たちみたいな『人殺し』を受け入れてくれる場所なんて、この世界にはないんだよ」
─姉さんは死んだ。私が殺した。
アズサ「どうして、先生を⋯それに⋯姉さんって⋯」
─生きていたのに、また会えたのに。
サオリ「そんな場所があるように見えても、全ては儚く消える。⋯さっきの『先生』とやらのようにな」
─私は、私の手で⋯私の希望を消したんだ。
サオリ「⋯全ては、無駄だ。それなのにどうして足掻くんだ」
─どうせ全てが、儚く消える夢ならば。
アズサ「サオリいぃぃぃぃっ!!!!」
サオリ「⋯まだ甘い夢に酔っているのか⋯仕方ない、手伝ってやろう。⋯何度でも、その夢から目を覚まさせてやる。⋯来い」
─最初から、見なければよかったのに。 - 5二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 01:38:56
続いてくれて嬉しい
10まで伸ばせるか... - 6二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 03:54:10
この状況ミカと似てるね
- 7二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 05:35:04
7ほ
- 8二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 07:32:32
8
続きに期待しかない - 9二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 08:21:35
9 保守
- 10二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 08:28:42
- 11二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 12:28:07
- 12二次元好きの匿名さん25/06/11(水) 20:29:40
保守
- 13二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 03:32:47
─気づいたのは、薄れゆく意識の中だった。
セナの声が聞こえる中、先生は撃たれる瞬間に見た、サオリの顔を思い浮かべていた。
⋯見覚えのある顔、彼女と何処かで会ったことがあっただろうかと、過去の記憶を振り返っていく。そして、その記憶に辿り着いた。
幼い頃、両親⋯そして、姉である自分と違い、ヘイローを持って生まれてきた妹。幸せに暮らしていた私たちの時間は、突然に壊された。両親の死、そして⋯妹の失踪。絶望の中に落とされた私は、妹はきっと生きているはずという、薄氷のような希望に縋り付いて、生きていくしかなかった。
そんないなくなってしまった妹の面影と、私を撃ったあの生徒の面影が重なる。
“(⋯あの子⋯間違いない)”
「(⋯サオリだ⋯!)」
そう確信をして、私は静かに意識を手放した。
─目を覚ますと、そこには見覚えのある空間が広がっていた。
“⋯ここは⋯”
セイア「⋯初めましてかな、先生。私の名前は『百合園セイア』⋯そして、ここは君の夢の中だ⋯或いは、私の夢の中かもしれないがね」 - 14二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 07:15:24
夢の中で、先生はセイアとこの『エデン条約』という物語、その結末について語らっていた。
混乱に陥る両学園。解決策が存在しない現状。友達からもらったプレゼントを犠牲にヘイローの破壊を行おうとしたアズサ。そして─
セイア「⋯だから言っただろう?これが物語の結末。何もかもが虚しく、全てが破局へと至るエンディング。ここから先を見たところで、無意味な苦痛が連なっていくだけだ」
─確かに、そうかもしれない。この先に待ち受けているのは⋯今以上に救いのない展開かもしれない。私が立ち上がったところで、エンディングは変えられないのかもしれない。それでも─
セイア「まさに、楽園から追放された私たちにふさわしい結末かもしれないね」
“⋯分かったよ、セイア。⋯君も、その後はどうなったのか見ていないんだね?”
セイア「⋯見る必要が、あるのかい?悲しいエンディングの後、そこに続くエピローグを見たところで悲哀が増すだけ。苦しみが連なるだけだ」
─この先が、辛く苦しいエピローグだったとしても─
“⋯私にはやらなきゃいけないことがある。だから、戻らないと” - 15二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 07:16:37
セイア「⋯戻る?⋯待ちたまえ、私と違って、君の身体はまだ治ってすらいない。そして何より、君が起きたからといって何も変わるわけではない。これは私の未来予知で判明している。いや、『七つの古則』から既に導かれていた、この世界の真実だ⋯!」
“⋯『七つの古則』みたいな言葉遊びは、優先事項じゃないんだ”
『楽園に辿り着きし者の真実を、証明することはできるのか』⋯。その答えは、ないのかもしれない。
それでも、私の優先事項は─
“⋯私は生徒たちを助けに行かなきゃ⋯それに⋯”
セイア「⋯それに?」
「⋯妹に、会いに行かなきゃ」
─先生ではなく、姉としての言葉。
確かな決意を、セイアに示す。
“⋯待っててね”
たとえこの先に待ち受けるものが辛く苦しいエピローグだったとしても⋯私は、私のやるべきことをやるだけだ。 - 16二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 14:06:33
念の為保守
- 17二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 19:11:50
- 18二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 23:11:00
この概念大好き
- 19二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 03:04:59
─アリウスの生徒たちが潜伏する廃墟。サオリは未だ自分の中の感情を落ち着かせられずにいた。
逃げられこそしたが、アズサの襲撃は退けた。それでも、サオリの心を支配していたのは、怒り、憎しみ、恨みといったどの負の感情よりも強い、悲しみだった。
全ては虚しい。そう思っていながらも、心の奥底では『姉さん』という存在が、サオリの希望となっていた。安否のわからない彼女が生きているかもしれない。その希望こそが、サオリにとっての僅かながらに残った光だった。
だが、その光は⋯もうない。
自分の手で、消してしまった。
サオリ「(⋯そうか⋯私は、今までわかったフリをしていただけだったんだな)」
これが、本当の虚しさか。
サオリの心は、緩やかに絶望の底へと沈んでいく─ - 20二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 05:04:46
晴らせぇぇぇぇ!