- 1オイゲン◆8meUu6AaJY25/06/12(木) 13:15:19
襲来した異星人!
侵略されるエネルギー資源!
存亡の危機に晒されてなお人類は……
未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!
【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(各種ページへのリンクあり)】
ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界あらすじ(とりあえずこれだけ読んでくれたなら最低限大丈夫な筈の簡潔にまとめた世界観)その1:どういう世界なの?
特殊なエネルギー鉱石「コア鉱石」を動力源とする人型歩行兵器「バディフレーム(通称:BF)」が兵器として一般化した高度な機械文明が築かれている、地球に酷似した惑星が舞台だよ!
元々は人類同士で細かい諍いとかはありつつもそれなりに穏やかな世界だったんだけど、本編から20年くらい前に惑星外性生物「インベイド」が隕石に乗って地表に飛来、どうやら上述のエネルギー塊「コア鉱石」がインベイドにとっては食糧として美味しくてたまらないらしくて、人類に敵対行動を取り始めたんだ!
必死に抵抗したんだけど、現在では地表のおよそ3~4割程が完全にインベイドがうようよ闊歩している危険地帯になっちゃって、そこから時々インベイドが攻め寄せて来る油断できない状況なんだよ……。
その2:で、今どうなってるの?
インベイドとの緒戦により人命を多く失いながらも、結果として「クロノス・インダストリー(通称:K.I社)」が世界を主導、地表や地下に「コロニー」と呼ばれるいくつかの居住拠点を制定してそこを中心にインベイドに対抗する様になったんだ!…00m.in次スレは>>190を踏んだ方が
- 2オイゲン◆8meUu6AaJY25/06/12(木) 13:17:03
【前スレ】
【R-18】ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界【part28】|あにまん掲示板襲来した異星人!侵略されるエネルギー資源!存亡の危機に晒されてなお人類は……未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(…bbs.animanch.com【禁止事項】
・無敵ムーブ(戦闘でダメージを受けない、回避し続ける、など)
・必要性の認められない確定ロール
・相手PLが嫌がっていることを強要する行為(特にR-18関連はデリケートなところなので扱いには気を付けて、事前相談忘れずに)
【世界観やパワーバランスを保つ上での禁止事項】
・版権設定の利用
・「地形を変えられる火力」を個人で設定し所有すること
・3勢力(K.I社、人自連、デスペラード)+インベイドよりも立場や規模が大きい勢力を設定すること
・なんでも高い水準で出来るキャラ、なんでも高い水準で出来る機体禁止(他の人の活躍機会を奪いかねないため)
・メタネタ禁止(「この世界は作り物だ~」や背後さんへの言及をキャラの目線で発言させるなど)
- 3オイゲン◆8meUu6AaJY25/06/12(木) 13:19:04
Q1:参加してぇ!けど事前のキャラ登録って必須なの?テンプレはある?
A1:キャラシはあった方が色々スムーズだとは思うけど、無くても規約的なNGムーブさえしなけりゃ参加はOKだぜ!
テンプレらしいテンプレは特に無い(めんどうくさかった)からテレグラフなりで各自好きな様に書きたいこと書いてくれ!
↑の初期設定集から飛んだ先にあるスレ主のキャラシからテンプレとして項目を引用しても大丈夫だぜ!
Q2:キャラは1参加者につき何人まで?
A2:何人でもOKだぜ!複数陣営あるし下手に制限設けたらスカスカになるのが目に見えてるから……好きな様に作ってくれ!
Q3:コテハン(トリップ)は必須なの?
A3:必須じゃないぜ!でもトリップが無いってことはなりすましや乗っ取りが出ても判別方法が無いってことでもあるから、自衛手段としてコテハンを持っておくのは無難だぜ!
Q4:スレタイにR-18表記があるけどエロスレなの?
A4:一般誌のエロ描写とか元ネタ一般作品のエロ同人好き? 俺は好きなの……
エロメインじゃないけど「エロいことも割と自由に描写して良い」スレだから苦手な人がミスッて踏まない様に一応表記しているぜ!
「猥談耐性はあるけど自キャラにエロルさすのはなぁ……」って人でもOK、「自分は露骨なエロやりたくないです」って言っておけば良いぜ!
Q5:設定集に目通したけどなんか既視感ある設定ばっかりだな?
A5:へへっ - 4オイゲン◆8meUu6AaJY25/06/12(木) 13:21:23
【テレグラフ(設定やキャラシート、R-18な文章を書いたりにどうぞ)(※URLのhとttpsの間のスペースを消して検索してください)】
h ttps://x.gd/Z5SAZ
【URL短縮用サイト(テレグラフのデフォルトURLだとあにまんのNGワードに引っ掛かってしまうのでこちらでURL短縮してから投稿してください)】
- 5オイゲン◆8meUu6AaJY25/06/12(木) 13:31:39
僭越ながらランドセルの装備に簡易着艦ポートを加えちゃいました(もしかしたら次スレ設営前に埋まる可能性があるかもと踏んだので)9Bさんごめんなさいな。
- 6ランドセル◆9BZ6kXGcio25/06/12(木) 13:34:40
- 7オイゲン◆8meUu6AaJY25/06/12(木) 13:41:13
感謝です…っ!すいませんっ!
- 8サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/12(木) 13:52:28
天才的保守の時間です!
- 9ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/12(木) 13:56:09
金龍「特別製の俺が維持に来たぜ」
- 10◆j28rRKKOSY25/06/12(木) 13:56:50
ランドセル君は陸戦型ガンダムのコンテナを想像してたけどわりとデカめだった
- 11エイダン◆Fd5AlHEdkk25/06/12(木) 20:21:46
前スレ197,198,199
【スピーカーから怒声にも似た開戦宣言が飛び込んできたのと、ほぼ同時。レーダー上にはわらわらと不明存在を示す点が表示され、前方では幾重にも閃光が瞬く】
【瞬時に拡大させた視野が、下手人の姿を捉えた。デメキンの目玉を無理やり両生類に縫い合わせたかのような、生理的な嫌悪感を煽る醜い出立ち】
(捨て鉢から這い出て来たのか?……いや、詮無いな)
【思わず心中で悪態混じりの疑問符が湧き出るが、すぐに掃き捨てて提案に応じる】
「了解。勞 大佐!僕が囮になって道を作る!そしたら一気に突っ込んでくれ!頼んだよ!」
【即座に全機と自機のレーダーをリンクさせながら、一方的に告げて飛び出す。両翼の先が空気の壁を引っ掻いて、甲高い音を鳴らす】
───Warning Warning
【AIが注視されていると報せる。迫り来る白銀を地に堕とさんと、その巨眼が瞳孔を収縮させる直前、機体が残影を残して消えた】
───!?
「遅い!」
【隙を生ませるためのクイックブーストにまんまとつられた顔の横を掌部のキャノンで吹き飛ばし、他の目玉をサーベルで切り落として、派手に飛び上がる】
【AIの警告音は鳴り止まない。それは多くの視線が自分に釘付けになったことを示している】
「あゝそれでいい。下から見てろ、上から行くぞ!」
【芝居がかった布告を受けて注がれるレーザをサーベルでいなし、展開したリフレクターで受け流す。跳ね返ってきた熱線が新型の頭を吹き飛ばし、目玉を抉る。次いで差し込む光柱が群れの一角を炎柱で上書きし、その合間を白銀が舞う】
【無軌道な落書きに興じているように見えて、その流れは正確な絵を描いている。確かな勝利の絵を、鮮明に】 - 12イフドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/12(木) 20:34:31
前スレ199
オイゲン少佐からデータが届いたぞ!
「何か小さくて気持ち悪いでありますね!」
それだけじゃねェ!
こういう手合いは数で質を補う分、俺たちに綻びが産まれた瞬間に喰い破ってくる目聡さも相当な物だ!
どこ取っても全くもって気色悪いな!
(だから殲滅任務には1人で行っているんだが……あァ良いさ……全員で耐え切るさ……見せてやるさ!)
【ZQWWWWNNNN!!!!!!!!】
【2つの銃口から解き放つレーザーで、青紫に変性した木々を薙ぎ払い、黒く汚れた岩場を溶かし尽くし、隠れているインベイドを蒸発させる!】
そして奇遇だなエイダン殿! 今からあのギョロメ共に俺の異名を知らしめてやろうと提案してた所だったんだ!
総員!!! 俺の合図に合わせて突っ込むぞ!!!
「「「「了解!!!!」」」」
- 13東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/12(木) 21:14:03
- 14ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/12(木) 21:39:15
【その青年は“ドラ息子”であった】
【だが、この3年で渡り歩いた戦場は優に千を超えていた。この3年で挙げた戦果は優に五百万を超えていた】
【いつからか、彼には“ドラ息子”以外の渾名も付いた。“アームドタイフーン”、“セクションストラクチャー”、“鬼神”、“殲滅者”】
【火薬と粒子を振り撒くお騒がせ者の姿を、戦いに生きる者はそう形容した】
『小型投射級、作戦実行値まで減少しました』
りょうかああああいいいい!!!!
【ゴン! ガシャン! プシュゥゥゥゥゥゥゥゥ……】
【虎を主導とする龍は、その両手の雷を合わせ、病で痩せた地を肥やさんと、その息を巻く】
兄弟们!!!! 让他们吓死一跳吧!!!!(目に物見せつけてやろうぜ!!!!)
「「「「是!!!!」」」」
【虎嘯風生! 脚元を流れる風を受け、白日が差す道を駆け上がる!】
『チャージ、70……80……90……100』
【シュイイイイイイン……】
【龍の錬氣が臨界に到達し、刹那、静寂が満ちた……】
吹き飛べェェェェェェ!!!!!!
【ZQWWWWWWWWWWWWWWWNNNNNNNNNNNNNNNN!!!!!!!!!!!!!!!!】
【一帯の悪鬼を灰燼に化さんと、龍爪(トリガー)を鳴らし、力の限りに青雷を放つ!!!!】 - 15ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/12(木) 22:26:38
- 16二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 02:17:27
このレスは削除されています
- 17アネット◆j28rRKKOSY25/06/13(金) 02:18:53
1/4
【東方大陸の広大な大地の舗装もされていない荒野、複数の難民都市を繋ぐ輸送を生業とする者達には重要な場所だ】
【しかし今、その荒野を闊歩する一群の影は人類ではなくインベイドであり、それはこの地を支配するのが何者かを示していた】
【その一群に砂煙を上げながら一機のBFが走って行く、下半身を大型のバギーへと改造されたスカッド・ソルジャー、ジェヴォーダンと名付けられたBFのコクピットに無線の呼び出し音が響く】
《アネット!今回のターゲットはどうやら小型種の群れらしいぞ!楽勝だな!》
「この前も同じこと言ってましたよね……それで行ったら情報より多くて……」
【コクピットに座る女性、アネット・マルスリーヌが無線機に向かって呟く、目に掛かる程に伸びた茶髪が目元を隠し、表情の全てを伺う事は出来ないが、その声色には憂鬱な感情が混ざっていた】 - 18アネット◆j28rRKKOSY25/06/13(金) 02:21:03
2/4
【地平線にインベイドの影が見え始める、突撃兵と射撃兵の群れ、その周囲には情報に無い重装兵級が3体浮かぶ】
「あぁ……やっぱり……」
【予想が当たってしまった事にため息を漏らす、元々事前の情報はアテにはしておらず、むしろもっと悪いケースを想定していたのだが】
「でも……今日はまだ運が良かったみたいですね」
【右背部のハンガーが稼働し肩越しにマークスマンライフルを右手へと渡し構える、少しの間を空けてトリガーが数回引かれ、こちらに狙いを付ける1体の重装兵の射出孔を何発もの弾丸が貫きその命を終わらせる】
【射撃兵級の一斉射撃は地上を高速で疾走するルーガルーを捉えられずその背後を飛んで行った、群れを中心にした円機動からの射撃に対して突撃兵の群れは進行を阻もうと前方に展開しその刃を閃かせる】 - 19アネット◆j28rRKKOSY25/06/13(金) 02:22:59
3/4
「うぇ……相変わらず気持ち悪い……出て来ないで……」
【メインカメラに映った姿から目線を逸らすとコンソールを指で叩き脚部前方に装備されたマシンガンを起動させる、回転式のターレットに載せられた2丁の機銃が唸りを上げて前方に展開した突撃兵を蜂の巣に変えた】
【撃ち倒される小型種達に苛立つように重装兵級の射出孔が光を増し、アネットに対して十時砲火の陣形をとる」
「やっぱりそういう陣形で来ますよね……」
【フットペダルでブレーキをかけて機体を横滑りさせると再加速、機体を掠める様に飛ぶビームと並行する様に重装兵との距離を詰め、ランチャーを放つ、第2射を放たんとする射出孔が2発の弾頭によって大きく抉れ、正方形の身体が地面に沈む】
【最後の重装兵が悪あがきの様に放つビームを先程の2体の死骸を盾に利用し接近、左手にショットガンを構えアクセルを踏み込む、こちらを追って相手が真下を覗き込む姿勢になったところでショットガンをフルオートで乱射、無数の散弾が射出孔の内部を蹂躙した】 - 20アネット◆j28rRKKOSY25/06/13(金) 02:24:39
4/4
「うぅ……また勝っちゃった……」
《流石アネットだ!大勝利だな!》
【数分後、残存の小型種を掃討したアネットを賞賛する通信が届く、勝利した後とは思えない憂鬱な雰囲気だったが通信が開いた瞬間に食ってかかる】
「誰の情報なんですか! 私がどうなっても良いって事なんですか⁉︎」
《まあ落ち着けよ、無事終わったんだから……、ああこの前の話なんだがな》
「え?このタイミングでは聞きたく無いんですけど……」
【通信相手が話を逸らす為に出した話題、それを聞いた瞬間に一気に熱が冷め、思わず耳を塞ぐが、容赦なく彼女の耳に追撃の言葉が入る】
《今日の戦闘もそうだったがやっぱりお前こっちに向いてると思うぞ!だから配置変えはもう少しだ》
「もう良いですよぉ……」
【今月に入って3日ぶり7回目の知らせを途中で切り上げて帰投を開始する、頭の中では穏便に配置を変更するアイデアが浮かんでは消えを繰り返す】
「私いつまでこの仕事するんだろう……恨みますよラインさん……」 - 21小型投射級◆9BZ6kXGcio25/06/13(金) 08:05:21
幾多もの同胞が吹き飛ばされた。純白銀に光を映す怪物と象白色の怪物は加粒子を放ち大地を焼く。
ミヂミヂと音を立てながら反応炉に泣け無しのエネルギーを送り、投射器官に燐光を届ける。だがその光が力を帯びたとしてもその怪物を殺すことはできない。それどころか当てる為の狙いすらつけれないのだ。
【 】
歯痒さすら認識する知能すらない有象無象の塵芥はその数を持って個の力を補う。しかし所詮はヤケクソ気味に創られた偽作。世界樹を護る巨人を止めること等、到底無理な話だった。
不意打ちこそ成功させたが、タネがわれたら強くない。一定数以上からの1点照射を受けないのならタダ装甲を少し熱するだけの力しかない。巨人達が目指すネストは黒雲母のような薄い構造体が幾重にも重ねられ、入道雲と形容できよう。そこは、もうすぐ到着出来るほどに迫っていた。
- 22随伴歩兵◆9BZ6kXGcio25/06/13(金) 09:38:23
その巨人達は俺たちよりも少し小さいクソッタレ共を片端から焼き溶かしていた。いまさっき弾除けとして動いていた機甲軍の戦車がたった2本の閃光で溶断されたと言うのに。
昔、ウォーマシンが初めて戦場に立った日について書かれた兵士の手記を読んだことがある。
『その日の明け方、何も変わらない戦場に巨人が歩いてきた。塹壕も、戦車も、野砲も、航空機も。全てを備えた戦場に。違うのは歩兵の他に大他を踏みしめる物が増えただけ。たったそれだけだったが、戦場を変えるには十分な物だった。』
そんな巨人がいる事が当たり前となった今、目の前にいる巨人を見て改めて感じた。それ(BF)は戦場を歩き、敵を薙ぎ倒す。戦域の支配者(ウォーマシン)であると。 - 23サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/13(金) 09:56:31
- 24オイゲン◆8meUu6AaJY25/06/13(金) 09:59:28
〈凄まじい殲滅能力ね。流石は殲型。〉
オルフェウスは青紫の光痕を引くビットでその火力を投射して尚バラバラと残っている敵を切り伏せていく。
あらかた片づいたと確認できた時
〈イカロスからアクイラ小隊。随伴している機甲軍を労うぞ。〉
『…!アクイラ1了解!お前ら!準備はいいか!』
その意図を汲み取りアクイラ小隊はオルフェウスと編隊を組み、その機甲軍の頭上を低空飛行した。
ショー・オブ・フォース。古来から戦地にいる兵士の士気向上を図る際に行うパフォーマンスフライトであり、それには「友軍機が低速でこのように飛んでも攻撃を受けないほど、ここは安全である。」と示す効果もある。このような極限環境に於けるパフォーマンスは兵士を奮い立たせるには充分以上の力を持つのである。
- 25盤外兵器◆9BZ6kXGcio25/06/13(金) 12:17:56
ピタリと閉じられた鋼鉄の顎を上下に割け、嵐の王の名を冠す由来たる兵器が外気に触れる。パリパリと砲身から白い薄氷が剥がれ、ユラユラと熱を帯びる。加粒子を収束、増強させる。その砲身から漏れ出る燐光に感応した小型種達がギロりと眼球に似た器官を向け、寄り合わせた光を放つ。しかしその光線は分厚い粒子の鎧によって力を失い、偏光してその空灰色の装甲を強く照らす。
嵐の王がその口から光を放つ。
音も空気も重金属も敵も。文字通りに何もかもを塗りつぶした。艦隊からは一閃の白青い光が鈍い色の雲を打ち払ったように見えることだろう。
入道雲似た地上構造は加粒子が触れたところから気化を始めた。加え、目標到達途中で陽電子を産んだのだろう。その気化した構造片に陽電子が触れ放電し、紫白い稲妻が空に走る。その後、その目標は半球状の光に包まれる。
バアルの主砲身から放たれた加粒子が収まり、その空間に世界が戻り始めた。
ネスト付近に溜まっていたインベイドは蒸発、肝心のネストはゲートを穿つどころか地上構造を吹き飛ばし、地下へと続く通路が覗く。
『…った…やった!やったぞ!見えたかアレキサンドリア!こちらラプター連隊!ストラクチャーが巣の上を全部吹き飛ばしやがった!やりやがった!やりやがったぞ!』
随伴している歩兵とスレイガンは勝鬨に似た歓声を上げる。
そんな喜ぶ兵の姿を見下ろしながら嵐の王はまたその口をピタリと閉ざす。
地上構造内の迷路を進む手間が省けた。
《こちらアレキサンドリア。状況を把握した。突入部隊は地下の最奥を目指してくれ。…頼んだぞ。》
人類はその知識と技術を以て圧倒出来るほどの力を持てると示せたのだ。
- 26ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/13(金) 13:02:54
- 27エイダン◆Fd5AlHEdkk25/06/13(金) 14:58:50
【やはり自棄の産物だ】
【数分にわたる光線の交わりをへて、不意に沸いた新型の詳細は大まかにだが把握できた】
【一端のBFには初手のレーザーポイントさえ除けば、大した脅威ではないだろう】
【そう考察しつつ、背後で生身の兵らを守る戦車を狙った粗雑な二本線を弾き飛ばす】
【返す刀のレーザーキャノンで周りの目ごと不埒な頭を蒸発させると、残る塵芥を吹き飛ばさんと飛び立った】
【ちょうど、その時】
「WOW……!」
【歓喜が声となってコックピット内に響きわたる】
【広々とした視界を一瞬とはいえ、埋め尽くした光。それが霧散したあとに見えたのは、蓋を剥がされて底を晒したネストの残骸】
【他には何も無い。堀のようにネストを囲っていたインベイドも、何もかもが消失していた】
【大気圏という天蓋の果てから飛来した奇怪で、悍ましい肉塊ども。それらをバアルは、ストラクチャーは、人類の知と技の結晶は瞬く間に討ち払ったのだ】
《こちらアレキサンドリア。状況を把握した。突入部隊は地下の最奥を目指してくれ。…頼んだぞ》
「……ッ、了解」
【喉から迫り上がる笑いを噛み潰し、届けられた司令に応える。正の激情は強いエネルギーとなって四肢に巡り、操縦桿を押していく】
「そうだね。王陛下の激励に恥じぬ働きをするとしようか」
【重厚な威厳をまとって、死の沈黙を敵に振り撒いて進むバアルの横に併走しながら、地下に蔓延るインベイドを焼いて道を作る】
【硝煙に燻され、光熱で焼け焦げた、人の歩みを妨げる無粋な蟲の切れ端が、土を固めて作られた廊下を無骨に彩っていく】
- 28オイゲン◆8meUu6AaJY25/06/13(金) 15:42:21
放たれたその光は何もかもを飲み込んで消し飛ばした。
〈こんなものをクロノスが…?無茶苦茶だ…あんなモノ…人が踏み入るべき領域に無いぞ…〉
ソドムはまだわかった。大掛かりな兵器の運用、維持には莫大な粒子と人がいる。それなのにあれは1人の管制とその詰められた粒子だけでこの力を実現させているのだ。
さらにその力の恐ろしさを理解していないのか、地上からは歓声が上がっている。そのことに戦慄していると
『イカロス!バアルはそのまま降りるようだぞ!』
アクイラ1からの言葉に意識が帰ってくる。
〈イカロス了解。バアルに続くぞ!〉
鈍い色をした重金属雲が散った事により、作戦地域に太陽光が差し込み、白銀の機体がそれを反射する。
そんな機体と共に深淵を覗かせる地下への入口を掃除を始めた。人の欲望を食い散らかして、その玉座に君臨した嵐の王の名を冠する怪物の為に。
- 29ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/13(金) 16:52:42
- 30オイゲン◆8meUu6AaJY25/06/13(金) 17:44:36
ランドセルを護衛している金龍の部隊が前線で戦うオルフェウスと合流した時、先程まで気にならなかった、ザワザワと戦場には不釣り合いの騒音が聞こえてきた。
〈騒がしい!〉
あの怪物のせいで冷静さを欠いているところに騒がしいそれには神経を逆撫でするほどの不快感を覚えた。
〈特務大佐と大目に見ていれば…〉
『イカロス、それくらいに。』
〈何故だ!〉
『あのボンボンは絡むとプライベートを侵されますよ。』
〈…例のキルケーモドキのか。〉
『えぇ、知られたくないものまで探られるとか。』
極東方面軍の物とは別に情報部をも抱えているせいか、黒い噂も絶えない。だがその階級を剥がされたことは無い。故にドラ息子と揶揄されるのだろう。
- 31サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/13(金) 17:47:55
【砲身上下の冷却ダクトから余燼とばかりに放熱材が一息噴射され、それも終わる】
ディザスター
「(これでは 天 災 ですね。いや、より悪辣ですか)」
【淡々と。大勢の血と汗と希望と執念に依って形作られたこの身体のことは誰よりも理解している】
・・・・・
【そんなことよりこの機は逃さないことだ。】
【人道に配慮していますよという顔をしてビットを先行させ・索敵。そこからの小型特攻兵器が射撃器官持ちのインベイド目掛けて誘導されていく】
「ええ、そろそろクライマックスと往きましょう」
【タン、タン。確かめる用にサイドスラスタを片方ずつ吹かし、バアルは直掩を巻き込まぬ程度に体を揺らす】
「シリンシーズも歓んでいますね。そのままクールにエスコートをお願いします」
【次はバアルの後部に光が集まる。その巨体か少しずつ加速を始める。……静かだ。バアルの粒子推進機関は、この出力域では常人の可聴域の音を発しない】
「頼みますね、由緒正しきエースの皆様」
【先程のショー・オブ・フォースを称して、あるいは自身への畏怖への返答として】
【聞こえぬ音を掻き鳴らし】
「バアル、突入します。」
【人間が、侵略者と勝手にみなした外来生物の巣へ。破壊と殺戮を自らの意思で撒き散らしながら進軍する】
【全天周へ放たれる弾幕の嵐の中、バアルの射撃で僚機のアラートを鳴らさせないのは、申し訳程度の人類の味方だという主張であった】
「それはオススメいたしませんね。バアルが居れば十分かと思われます」
【バッサリ。偶に人の心が分からなくなるのは仕様。】
- 32スーリヤ◆ECPjTIh3Iw25/06/13(金) 17:59:51
「……凄いね」
嵐の王が、常軌を逸した力で以て王威を示した。
粒子なのか、それとも別のなにかなのかまで分かるほど、スーリヤは詳しくはない。
――――だが、確かなことは唯一つ。
二十と数年に及ぶ人類とインベイドとの戦いの歴史に、一つの転換点が生まれたことだ。
これまでは守勢に使うことが多かった……とスーリヤ自身は認識している……対インベイドストラクチャーを、攻勢に用いるという発想。
そして実際にこの発想は今も有効に作用しているという事実が、彼女の身体を僅かに震わせた。
ネストという地球に巣食う怪物たちの巣を暴威で持って吹き飛ばしたという快感が、通信に乗る地上部隊の歓声が、彼女の身に突き刺さっていたのだ。
(人類は、ここまで来たんだねぇ……!)
クロノス、人自連、デスペラード。主義主張も違えば、アプローチも違う。いがみ合いもある。
だが共に戦ってなおギリギリだったかつてと違い。今はクロノス単独でここまで戦えている。
もし、もう一度。またあの頃のように。互いを嫌いあおうと誰もが協力できるならば――――。
「……サークリウスより小隊全機!! 嵐の王様が力を見せたよ!! 私達がやることは!?」
『彼らの道行きを、凱歌を阻もうと後ろから突くだろう連中を防ぐことです!!』
「そのとおりだ!!」
叫んだ。この希望は小さいが、強い。だからこそ摘み取らせてなるものかと、スーリヤは自分で決めた。
「全機、まずは補給所で補給……その後はネスト周辺のインベイドを、叩いて叩いて……叩きまくるよ!!」
魔女は笑みを深める。子どもたちの未来のために戦える今を、誇りとして。
- 33モカ◆KPwoT407kA25/06/13(金) 18:08:34
…すごいな
【戦場を駆けるモカが見た光景。それは自分たちより遥かに戦況に寄与する巨大建造物に剥けられていた】
【片手間に目視すらせず武士級を1匹ずつ置きライフルを命中させている“程度”では追い付きようがない実力差。あれこそが真の意味での“対インベイド兵器”なのではないか?】
「ストラクチャーは人に向けちゃイカン代わりにとんでもなくヤバい代物だからねー…エレクトラのお披露目だってのに雑魚散らしすらそのお株奪われとるじゃんね。ま、無駄弾が減ってなによりっしょ」
「…ワタシは嫌い………あれに頼りっきりなのも…このダユゲテの性能を活かせなかったさっきのBFもどき、も…」
【それぞれが軽口を叩きつつも自省も程々にそれぞれの働きをこなしていた───────といえど、BFも陸戦兵器の延長線上の存在。戦略兵器に戦果で匹敵できるものではないのだ】
- 34シンカイ◆9BZ6kXGcio25/06/13(金) 18:21:23
「コレが…新型!」
バレアレス先任少尉のリングを整える為に小型種をどかしている時、突入部隊の方からストラクチャーからの一閃が見えた。雲は晴れ、通信はよりクリアなものになり、攻略状況が大きく動いた。
『…った…やった!やったぞ!見えたかアレキサンドリア!こちらラプター連隊!ストラクチャーが巣の上を全部吹き飛ばしやがった!やりやがった!やりやがったぞ!』
突入部隊の随伴している歩兵連隊が興奮気味に通信していた。
「うおぉぉ!」
シンカイはその勢いで他のスレイガンパイロット共に勝鬨を挙げた。
敵の動きは鈍い。…ん?鈍い?どういう事だ?目に見えてインベイド達の動きが低下していた。
「どうなってる?」
大規模ネストの攻略は人類にとっても初の試みであるためこれが何を意味するのかがわからないのだった。
- 35ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/13(金) 19:13:42
急に冷たくなるじゃないのよフラワーちゃん?
『風通しを良くしてもらって気兼ねなくミサイルを放てるようになったのですから、これ以上望むのは如何かと』
【嵐の王が一波乱を起こす直前に発進させていた剣龍から、ネストへの入口前へケアパッケージを投下させつつ、静かな召し使いはにこやかな主人を諌める】
はいはい、そういう事なら通信頼むよ
【声調が下がり、身寄りの者が近時でよく聴き馴染む物になる】
(……全く……しょうがない人なんだから……)
【微かにだが明確に顔が曇った金龍を慮り、メビは後ろに連なる僚機へ電波を送り出す】
『こちらサンダータイガー、メビから総員へ伝達させて頂きます。今から座標を送りますので、そこへ到着次第、弾薬を補充して下さい』
「「「「了解!!!!」」」」
- 36スーリヤ◆ECPjTIh3Iw25/06/13(金) 20:43:22
「……おや??」
違和感はかすかに、しかしスーリヤの目にもすぐ見えるほどには顕在化し始めていた。
自身の真後ろを取った武士型を、味方のスレイガンが突き刺し――――反撃が遅れている。
「っ、バカッ下がれ!!!」
『りょう、かいっ』
ビームサーベルの柄ごと手放した味方を確認、その後マシンガンで丁寧に武士型の腕と胸に風穴を増やし……死亡を確認する。
「……アンタ、さっきのは死んでるやつだよ。気をつけな」
『は、ハッ!申し訳ありません』
僚機へ強く叱責する。
後ろを取られたのはこちらの落ち度だが、武士型を相手にしてあのヤワな突き刺し方は反撃で殺してくださいと言うものだったのだから。
「3番機、そっちはどうだい?」
『インベイドの動きが鈍ってます。特に中型は露骨に……重装兵型も減ってます!』
(……おかしい。ネストはヤツラの巣だぞ?攻め入られるとして簡単に守りを諦めるか?)
クロノスとして戦う上で特に注意すべきとスーリヤ自身が考えている重装兵型の数が減っていることは、更に疑念を補強するもので。
「こちらサークリウス。連中、露骨に動きが鈍り始めた……こんなの今までなかったよ」
僥倖とは思えない。むしろ――――なにか、途轍もない不運の前触れではあるまいかと。
スーリヤの経験が警鐘を鳴らしていた。
- 37東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/13(金) 21:49:53
- 38二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 22:30:09
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- 39ミゾレ◆KPwoT407kA25/06/13(金) 22:31:20
【───────時折、ふと考える事がある。私がこうして男を求めるのは父の愛を受けずに大人になってしまったからなのではないか、と】
【私達姉妹は父の顔すら知らないまま、母に蝶よ花よと育てられた…………けど、所詮人1人の愛情では子供は満ち足りない。だからこそ私は母がくれないものを探しに鳥籠の外へ──────
そこまで頭を巡らせて、一つ思い至った事がある。
───────私、普通に父親いたよな?】
───────
────
──
ん…………ぁ
【夢というものはどこまでも不可思議だ。己を取り巻く前提条件さえも、その世界では溶けて歪む…私の父は至って平穏無事、息災だ。今は隠居し、姉に商会の代表を譲っている】
(…私って、もしかしてファザコンの気があるのか?………いや、けどクマみたいで全然タイプじゃないし)
(流石に考えすぎか…うぅ、頭がまだ上手く回らないぃ…)
【もぞもぞと蠢き、眠りこける隣の男の手を振りほどいて布団の外に転がり落ちる。突き刺すような寒さが全身に襲い来る────当然だ。何も着ていないのだから】
に゛っこうよくぅ〜………
【寝惚け眼を擦りながら、誘蛾灯に誘われる虫のように部屋に差し込む明かり目掛けて足を運び、カーテンを開く。…外はベランダなので、この出血大サービスを見られるのは運良く空を飛んでいたBFのカメラセンサーくらいだろう。流石にそこまで恥を捨てた露出狂ではないという自負はある】
んん゛っ……!きもちいぃ〜…
【大きく伸びて欠伸を噛み殺しつつ、陽の暖かさを肢体に取り込んでいく
───────私…独立傭兵ミゾレ・シラユキの一日は、概ねこうして始まる】 - 40ネスト内描写◆9BZ6kXGcio25/06/13(金) 22:36:03
地下へと続く回廊の先は一切の光がなかった。
「センチュリオン1より各機、照明を付けろ。」
カメラアイと同じ高さにある頭部側面に増設されたライトを点灯させるも洞窟のような、坑道にも似た空間は、遠くへその光を届けない為、パイロットは光学増強も起動した。だが予兆をその光学増強起動時のノイズで小型種の初期照準を見落とした。
殲龍の胸部装甲が白橙色に光った。すぐさま増加装甲を捨て、その不可視の攻撃を回避した。
『大佐、うかつでした。外にいたチビがいます!』
「全機戦闘陣形!撃ち殺せ!動き続ければ死なないぞ!」
暗黒から放たれるそれは、BFが自ら出す発砲炎でさらに発見速度の低下を招いた。
- 41ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/13(金) 23:10:07
- 42エイダン◆Fd5AlHEdkk25/06/13(金) 23:25:31
【AIの警告と顔も知らぬ大佐の怒号が重なる。真っ暗闇の底からチカチカと瞬きを繰り返して、閃光が迫ってくる】
「暗視モード」
【それらをリフレクターで弾き飛ばし、視界の確保を要請。遠くまで見通せるようになった目が、道を塞ぐ新型の群れを捉えた】
【排水溝に詰まった蛆虫を想起させる気色悪さに吐き気がする。立食会で早めに食事を終わらせて正解だったなと、一瞬雑念が頭をよぎった】
「さっさと燃やそうか、気色悪い」
【両翼が動き、鋭いシルエットを描く。猛禽類の狩りの如き勢いで前方へ飛び出し、片手を突き出した】
【そして動き損ねた味方を貫かんとするレーザーを、打ち手を、その周りごと極光が飲み込んでいく】
「キャノンはちょっと危ないし……ここは堅実に」
【明滅を反射して輝く白銀を目掛けて、芸も無くただ撃ち続けられる閃光の横を、蒼白の熱線が通り過ぎる】
【着弾。破裂。頭ごと光を失った新型が崩れ落ちる様には顔すら向けず、Syringe'sは曲芸混じりの射撃を繰り返す】
【淡々と、外すことなく、正確に】
- 43ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/13(金) 23:45:05
《うひゃ〜…、とんでもないね〜》
【人類の力の結晶たる極光は、外来生物どもを影すら残さずに消し飛ばした】
【地上構造の攻略が不要になったのは大きい。作戦に関しては予想よりも迅速に終わる可能性が高くなっただろうと推測し、ユスラはエネルギー残量を確認する】
(…大盤振る舞いしなければ、結構持つんだ)
【『エクリプスの燃費はそこまで良くない』、事前に伝えられていた説明は、しかし実戦においての想定が違ったらしい】
【どうやらエクリプスの開発に携わった者達は〈ダークスレイヤー〉という武器の機構、それをレーザーブレードとは異なり、ビームサーベルのように光刃を常時展開して運用するものだと想定していたのだろう。展開中の常時消費と、斬光の射出による瞬間消費。その二つを加味した上で、〈エクリプス〉は平均レベルの戦闘時間を確保できるようだ】
【つまるところ、温存したユスラは他の機体よりも少しだけ余裕がある】
《小隊全機に通達だよ〜。敵の攻勢が緩んでるから、スーリヤ大尉の小隊と補給行ってくるんだよ〜》
【もはや手慣れた武士級を楽々と処理して、余裕を見せつけるように遺体へと大剣を突き立てる】
【内部の守りを固めに行ったのか、それとも此処を放棄するつもりなのか、インベイドの動きは鈍っている。反撃の可能性も考えると、ここで一度補給を挟むべきだ。その点はきっと、スーリヤも同じ判断をするだろう】
(…スーリヤちゃんも、疲れてるみたいだし)
【ビームサーベルの突き刺さる遺体へと風穴を開けるサークリウスを傍目に見て、エクリプスを前へと陣取らせる】
【エネルギー残量にはまだ余裕があるものの、残弾に関してはそうでもない。特にHEATマシンガンは一割ほどしか残っていない状態だ】
【そして慣れない実体剣は重量を加味した制御を求められ、スラスターユニットに関しても同様に、ユスラはリアルタイムで複雑怪奇な機体操作を意識して修正を加え続けてきた】
【それでも無自覚の内に、自身の疲労を棚上げしてしまうのが、染みついた『おねーさん』の仕草なのだろう】
- 44ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/14(土) 00:21:52
【仲間を守る盾として、障害を打ち砕く鎚として、突入部隊の先導をしていた殲龍……】
【だがそこへ、突如としてギョロ目からの光撃が襲い掛かる!】
羅! 良い判断した奴を後ろに下がらせろ!
センチュリオン4、5、6! その間にチャージ25%! 前出て1発ぶちかませ!
他の兄弟は全員自分より前に出た仲間の援護に徹しろ!
「「「「了解!!!!」」」」
【攻撃を一身に引き受けていた所へエイダンも参戦! 戦況をすぐさま立て直す!】
「すまない!」「気にするな! それよりもよくやった兄弟!」「後は任せろ!」「行くぜ!」
【ガンガンゴン!】
【すれ違いざまに背中を叩いて見送ると同時! まばらに照らされる回廊に、闇を晴らす光玉が瞬く!】
「チャージ完了!」「いつでも!」「決められるぜ!」
りょーかい! エイダン殿! 合図と同時に全力で上に飛んでくれ!
- 45スーリヤ◆ECPjTIh3Iw25/06/14(土) 00:25:21
「ユスラちゃん、これ持っていって」
自分の前に出ていくだろうエクリプスに対して、スーリヤのサークリウスが左手に持つマシンガンのグリップを向けた。
スーリヤはあちこちの戦場に出ている都合で、実弾系装備に対しての造詣が深い……エクリプスに手渡そうとしているのは、リロードを済ませた残弾10割のマシンガンだ。弾持ちが良く、そして命中精度も高い。
インベイドを殺すのに不足はまるでない、いい装備だ。
「予備弾倉も置いておくから、私が戻ってくるまでは保つと思うし。どうせ予備のマシンガンはあっちにもあるだろうから」
彼女が自分の疲労を棚上げしていると、分かっている。
「私の機体はこういう長期戦向けだから、他の機体より早く戻ってこれる」
だけど、それを知ってなお一緒に下がろう、または自分も残るとしては……きっとユスラは納得しないと、何となく思った。
「まぁ、ゆるーくね? すぐ戻って手伝うからさ。皆のお守りと引率は任せて」
だから、それは折衝案だった。おねーさんの友人として。ユスラを最大限気遣うための。
スーリヤは笑った。
- 46サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/14(土) 01:09:51
「あら、ごめんなさい」
【急に冷たくなった、という自覚はなかった。この天才は単に歯に絹を着せぬだけであり、それが偶々明るく温かく聞こえる事が多い、というだけなのである】
「見難い……新型の」
【光学増強を起動、有機的な坑道内で巨体を掠らせることもなく飛ばしながら、あの新型に待たれていると思い至る】
【一瞬おいて、小型の新型に依る攻撃、それに対する反撃の発砲炎。悪化する視界。】
「しかし初動は十分!」
【よく反応した、と称賛した】
> >42
【叫んだテンションのまま、飛び出していく白銀翼とビットをスイッチし、戦闘陣形を組み直すグループも含めて円陣を敷く】
【見えないならば、見えるものだけ見ればいい】
【センサ内のBFの動きを見て、その動きそれぞれに合わせてこちらが動けばいいだけだ】
- 47ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/14(土) 10:20:57
《スーリヤちゃん…》
【軽くなったHEATマシンガンをパージして、サークリウスの差し出す実弾マシンガンを握る。エクリプスのシステムプログラムに新たな銃器が接続され、十分な残弾数が表示された】
【中距離における利便性と火力の両立。ブーストや他の武装に回したい機体エネルギーの温存。そういった観点から、ユスラはマシンガンを好む。だが無論、発射レートの高い武器は残弾の減りも速い。あくまでサブとしての運用ならそれなりに持つが、スーリヤは弾切れ間近であると気付いていたのだろう】
【本当に、目聡いことだ。もしかすると彼女は、自分以上にユスラを見ているのでは無いかと思えてくる】
《無理すると腰がしんどい歳だからね〜、ゆるくやらせてもらいますとも〜》
《だからそっちも、ゆっくりでいいからね〜?それじゃ、任せたよ〜》
【前へ出たエクリプスのヘッドが、笑い返すように一瞬振り返ってから、鋼鉄の双翼を広げた】
【スーリヤに心配をかけているのだろうとは、流石のユスラでも薄々分かる。だからこそ彼女は気遣いと尊重の、折衝案を選んだのだろうということも】
【全く勿体ないほどに、善き友人を持ったものだ】
【その手応えを確かめるように、左腕武装のトリガーを引いた】
- 48スーリヤ◆ECPjTIh3Iw25/06/14(土) 11:28:57
「任せて……!それじゃ!!」
笑い返すようなエクリプスの振り返りに、サークリウスのヘッドは頷きを返して。
背中合わせでサークリウスも翼を広げてスレイガン達を率い、補給拠点へと全速力による移動を開始した。
「全機。補給は焦らず、しかし素早くやるよ!エクリプスをぎっくり腰なんてさせたら私らは末代まで基礎教育課程までやり直しだ!!」
あえて脅すような声を出し、スーリヤは自分が預かったユスラの小隊機へも平均以上を求めていく。
武装、弾薬、コア粒子の補給、そしてサークリウスへの追加装甲の取り付け直し。
機体本体の強度と継戦能力を追求しているがために、サークリウス自体の補給は手早く完了する。
(不安要素としては、本体部分にまで射撃兵型のダメージが入ってるところだけど……!)
サークリウス本体は整備性がスレイガンと比較してもあまり良くない。野戦整備で回復は難しいだろう。
――――盾となる役割は変わらないが、当て所を考えていく必要があるかもしれない。
スーリヤはそう判断しながら、補給所にあるマシンガンを左手に持たせ、ミサイルも再装備する。
追加装甲各所への予備装備――――ハンドガンや予備弾倉、ナイフなど――――の追加も完了した。
「ほら急げよ?魔女の婆さんは業を煮やしたら、ガキを食っちまうからね!!」
若者の成長のため、補給所でのスーリヤは悪名高い古参兵らしく獰猛に笑んでいた。
全ては、友人のため。
彼女は世界を地獄で煮込むような顔をしながら、友を包む海でありたいという矛盾を抱えていた。
その矛盾を、とても心地よく思っているのだ。
- 49二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 20:51:38
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- 50エイダン◆Fd5AlHEdkk25/06/14(土) 20:52:53
【前方から放たれつづけているソレよりも、はるかに眩い光が背中に触れる】
【ストラクチャーの強撃とは似て異なる気配にAIが警告を鳴らし、同時にスピーカーから馴染みのある声が聞こえてきた】
「OK、頼んだよ」
3,2,1 ─── Go!
【返答してすぐに始まったカウントに息を合わせ、合図と同時に勢いよく飛びあがる】
【そのすぐ下を駆け抜けていった光の奔流を見て、思わず口笛を鳴らした】
「ヒュー……。さすが、うちのロマン砲を好むだけはあるね」
【感心混じりの一人言を呟きながら、油断なくライフルを構え直す】
【幸運にもあれを避けられた個体がいるか、もしくはG-3の時のような乱入が起こらないかを警戒して】
- 51東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/06/14(土) 21:20:54
- 52ミゾレ◆KPwoT407kA25/06/14(土) 21:29:57
【───────BF乗りには多かれ少なかれ命知らずの気がある。特にこうやってインベイドやBF同士で命のやり取りを交わすもの…その中でも】
ラスト。取った
【“一撃でも当たれば致命傷の軽装甲BF”を好き好んで駆る者。故に彼女を知るものは、彼女を“スーサイド(死にたがり)”と呼ぶ】
───────
────
──
まいどありぃ〜…
【“紙製資料輸送任務”の報酬金を受け取った後、ミゾレはそれをどのように散財しようか頭を悩ませていた】
結構インベイドが出没しやすい地帯を通る代わりに高額だったから…使いどころに困るね。修繕費を加味すると……………と、その前に
【資金を使い切るのもそうだが、ミゾレは今…共にその依頼を請け負った“デスペラード”を探していた。目的?そんなもの───────】
(まさかこんな倍率低そうな依頼に同業者が来るなんてねー…それに結構サッパリめで私の好みな方だったし!こりゃ是非とも夜のお供をしていただかなくては!)
【───────“性欲”。この2文字で事足りるのだ】 - 53グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/14(土) 21:33:50
『ああ........私は、悲しい........』
安息日の昼下がり、神父は落ち込んでいた
半ば騙したような形で下士官を連れて行き、
タチの悪い事にその地雷を善意で踏んだ挙句
気分を害してしまったのだから。
『私は、神父失格というものです...』
なので今日は改めて聖書を読み返し、
一日中反省に努める事に決めたのだった
....のだが。
─────────────
──────────
───────
『スヤァ...zzz』
心労は反省よりも先に睡魔を送り...
疲れていた大尉は即寝落ちたのであった
少年時代と同じく、聖書を枕にして。 - 54ルノアール◆Fd5AlHEdkk25/06/14(土) 22:02:31
【己の残像すら降りきって、戦場を駆け抜けるBF。それに気を取られた突撃兵級の頭を鉛玉が抉り取る】
───!
「よし、と」
【出所を探ろうと他のものがバラけようとしたところを、チャージを終えた電子パルスが焼き焦がす】
【目立つ人がいると助かりますね。ビデオに映された機影を見つめながら、シルヴェストルはそんなことを考えた】
───────
────
──
「今回はかなり節約できましたし……ズークに足を運んでも良いかもしれませんね」
【メモ帳に書きつけた今回の出費と収入の計算結果を眺めて、ひとり頷く】
【今月で捌けた情報代も含めると、稀覯本を一冊買えるくらいの代金が貯まったのだ】
【久々に本棚の隙間を埋められる日が来たかもしれないと思って、つい満足気な笑みを浮かべてしまう】
「ふふっ、これは楽しみだ。……おや」
【メモ帳を閉じて顔を上げた先に、記憶に新しい人が見えた】
【育ちの良いもの特有の振る舞いを残滓として漂わせている女性】
【シラユキ財団の家出娘にして、今回の同僚】
「どうも、ミゾレさん。今日はありがとうございました。何方かお探しですか?」
【刹那的な享楽者。ミゾレ・シラユキ】
【何かを追っているような視線で辺りを見回していた彼女に、シルヴェストルは愛想よく尋ねた】
- 55グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/14(土) 22:06:30
─────────────
──────────
───────
『────くぁ、もう朝........じゃねぇわ。』
『(白夜か...相変わらず紛らわしいな、ココ)』
・・・・・・・
{───隊長!アレクサンドル隊長!}
『ん?敵か?』
{はい!小規模なインベイドの群れが、
こちらに少しずつ接近しつつあります!}
『ハハッ、一週間前に潰した生き残りか....
よし!レーション喰ったらBFに乗り込め
オレが指揮を執る、後援に2機...支援に2機
臨時基地に1機残して一網打尽にすンぞ!
陣形は鏃....でオレが先陣を切る、伝えとけ』
{サー、イェッサー!}
『応!少しは返事が板に付いて来たか?』
{サー!イェッサー!!!}
『...全員生きて討伐して帰るのが満点だがな、
生きて帰っても及第点ってのを忘れんなよ?
死にそうになったら逃げろ、穴は埋める』 - 56グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/14(土) 22:07:49
- 57ケイ◆ECPjTIh3Iw25/06/14(土) 22:19:31
- 58二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 22:30:19
このレスは削除されています
- 59ネスト内部描写◆9BZ6kXGcio25/06/14(土) 22:41:18
「うわあ!来るなって!「来るなよっ!「撃て!撃て!」
回廊側方の小さな穴から湧いた30ほどのラットにより、随伴の200近い歩兵がそいつらの飯となった。そんな仲間諸共、スレイガンカスタムはインベイトを排除する。硝煙の後には静寂が広がった。
この回廊の移動中は最初の会敵と、先ほどのラットに会ったくらいで金龍機から聞こえる不釣り合いなポップス以外は静かであった。
「スホイ11より、粒子濃度がこの先高くなってる、パイロット各員、ヘルメットの気密を確認してくれ。」
環境偵察特化仕様のスレイガンカスタムから通信が入った。
奥には開けた空間が見えてくる。壁全体が淡い青に光っていてーーー
《Danger! The particle concentration in the air is far above the legal limit!》(危険!大気中粒子濃度が規定量を大幅に超えています!)
その空間は一般的なBFの遮蔽ではどうしようもない程の粒子濃度であったのだ。
- 60ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/14(土) 22:45:36
兄弟! カウントォ!!!
【ガシャン!】
【ライフルを水平に構え、意気揚々としている熱血漢は対衝撃体勢に移行する!】
3,2,1……GO!!!!
【ZQWWWNNN!!!】
【粒子と血と灰と金属に塗れた地面を削り、3本の轟が無志の存在を屠り穿つ!】
『レーダー、多数の消滅反応を確認』
上出来だ! そのまま第2陣! バアルが出るまで前線を保たせろ!
「「「了解!!!」」」
- 61ミゾレ◆KPwoT407kA25/06/14(土) 22:46:36
おや…
【ターゲットを見つけると、驚いたような表情を見せつつすぐさまにこやかに返す】
名前、覚えていただき光栄です…こちらこそありがとうございました。ルコックさん
捜し物…強いて言うならば貴方、でしょうか?
…立ち話もなんですから、どこか落ち着ける場所で語り合いいませんか?
【“戦場カメラマン”としての彼の名を呼び、今日見知ったばかりの戦友へ、早々に本題…にもなり得る誘いを持ちかける】
私請け持ちの祝勝会みたいな…迷惑でしたら、引き止めはしませんが
【死線を潜り抜けた人間というものは得てして繁殖欲求が高まるのか…こうして“遊び”を持たせた誘いであろうと宿屋を選んで自分を手篭めにしようとしてくれるものだ。だからこそミゾレは自ら過度に品位を貶めるような物言いはしない…この地獄の様相を呈する世界では、“清貧な女”は貴重なステータスだ】
【…尤も、清貧が過ぎるせいでスーサイドと恐れられ、普段の傭兵仲間からの付き合いはあまり良いとは言いきれないのが悩み所ではあるが】
- 62スーリヤ◆ECPjTIh3Iw25/06/14(土) 23:00:57
「全機、補給終わったね!?……行くよ!!」
ネスト内部での戦闘が熾烈さを増し始めていた頃、スーリヤが預かっていた己の小隊とユスラの小隊の補給が終わった。
サークリウスを含めて合計6機の編隊が前線に向けて……エクリプスがいる場所に加速をかけていく。
重金属雲による電波障害などは現在確認されていない。そうならないように作戦は最善を尽くされている……レーダーも問題はない。
そして――――。
「遅い、ね!!」
目の前に突っ込んでくる騎兵型に対し僅かに右へずれるように機動したサークリウスの左側へ、特徴的な角が空気を突いていく。
スーリヤはその横を通り過ぎながら、振り返らない。
振り返らないまま、マシンガンによって側面に穴を空けて絶命させていたからだ。
戦意のままにスーリヤが叫んだ遅いという言葉は、実際この戦場では正しかった。
本来パフォーマンスが落ちるということのないはずのインベイドたちの動きは、何かが原因で目に見えるほどに鈍っている。
(気に食わないね……相手が弱いのは良いことのはずなんだけども……!!)
そのまま滑走する勢いを借りつつ、マシンガンで射撃兵型の群れを部隊で潰す。
レーダー上には確かにエクリプスの反応がある。
「ユスラ!! 全員連れてきたよ!!」
言葉は少なく、しかし戦場の戦線を作る部隊がまた一つ交代で下がるのを見ながら、エクリプスの近くでマシンガンとビームライフルによる射撃を行った。
- 63モカ◆KPwoT407kA25/06/14(土) 23:02:03
【インベイドの弱体化。それが何を意味するものかを“対インベイド部隊”が理解していない筈もなく】
「消化試合か、はたまたとんでもないやぶ蛇か…とかく今は温存よ2人とも〜」
【…温存とは言うが、オーグメントタイプBF達の進む道はインベイドの体液で舗装されていく。そんな中───────】
………待った。この先、とんでもない量の輝きがある
【モカの“コアパーティクルカウンター”が、その危険を正確に察知したのだ】
「インベイド御用達フロアってワケね…ここいらであの警戒色大佐ご自慢のジョーカ装置の出番っつー感じ?」
「た…確か浄化中はインベイドが集まるって、言ってたよね……………ふひっ…………ふひひひひ………!」
- 64ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/14(土) 23:22:13
(1/2)
【補給が終わるまでの間、単独で殿を務める】
【普通に考えれば愚かな行為だが、生憎とこの程度はユスラにとって慣れている。その為に専用スレイガンを、そして現在のエクリプスを使わせて貰っているのだから】
【寧ろ今回は─────】
(やる気無っしんぐ、って感じだね〜)
【あまりにも温い。自棄のように追加された照射レーザー型も、重ねなければ装甲を焼けない半端者だ。鈍重な機体では厳しいものがあるかもしれないが、エクリプスからすれば射撃兵級の方がまだ相性が悪い】
【空を舞う黒曜はミサイルとマシンガンを放つと、重装兵級のビームをひらりと躱しながら急降下していく。ミサイルはエクリプスを狙っていたレーザー型と射撃兵級を巻き込んで複数撃墜し、マシンガンの連射は重装兵級の射出孔を食い潰す】
【倒れる重装兵級の横を急降下する中で左腕のマシンガンをハンガーと入れ替えつつ、騎兵級へと大剣を叩きつけて両断。突撃兵級達は降って湧いたエクリプスへ向けて襲いかかるが、回転斬りにて迎撃されて屍となる】
【その隙を狙い澄ますようにカタナを構えた武士級が、東洋に伝わる縮地術にも似た動作で───】
「ば〜か」
【瞬時に音を超えかけた刃は振るわれる事なく、武士級は跪くように体勢を崩す。エクリプスが突き出しているのは、短銃のようなハンドガン】
【“銃崩し”。それは“連弾”と同じく、ユスラが一人で鍛え続けた技術。高衝撃力で相手の運動の出鼻を挫いて、体勢を破壊する】
【最も以前に見せた“連弾”がそうだったのだが、習得に必要な時間とリターンが明らかに釣り合っていないため、“銃崩し”も明かしたところで真似をする者は居ないだろう。それでもコソ練をしてるという印象を一欠片でも抱かれれば、『サボり魔なおねーさん』のブランドイメージに関わる。フランクな接しやすいキャラ作りの為には、こういうのは人前で見せない方が都合が良いのだ】
【あとまぁ、普段からちゃんとやれみたいに言われると、面倒臭いし】
【横殴りで腹を砕き、大きく振りかぶって力任せのような袈裟斬りで武士級をオーバーキル気味に破壊して吹き飛ばす。遺体砲弾は綺麗に後続の突撃兵級にぶつかって隊列をグシャグシャにした。爽快なストライクである】 - 65ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/14(土) 23:24:25
(2/2)
《おかえり〜。もう消化試合って感じだし、あんま気張らなくて良さそうだよ〜》
【さっきの、見られてないと良いんだけど。と、想定よりも早く戻ってきたサークリウスへと気の抜けた声を返しながら、ユスラは自身の株価上昇の危機に内心で焦る】
【スーリヤだけなら良いのだが、それ以外…特に自身の部下にはバレたくない。唯でさえエクリプスの事と、“連弾”だけで危ういのに】
【冷たいロビーベンチに横たわるという唯一の安らぎ…言ってて悲しくなるが、ユスラのラストサンクチュアリが『有能イメージ』によって侵略されるのだけは避けたいのである】
〘エネルギー、残り30%〙
【しかし補給が早々に終わったのは喜ぶべきだろう。ユスラの疲労は無自覚の内に集中力を切らし、機体モニターに映る警告を無視していたのだから】
【大剣とハンドガンをハンガーに納め、マシンガンと重リニアライフルを構えたエクリプスは、隣に並ぶサークリウスに倣うように射撃戦での制圧を目論む】
【所詮は残党狩りだ。脅威となるような個体は視認できず、前に出ても邪魔になるだろう】
【それにこれ以上、不要な心配を友人にかけるのも、忍びない。ただでさえ、彼女にはいつも助けられているのだから】
- 66ルノアール◆Fd5AlHEdkk25/06/14(土) 23:46:53
【ふむ。と表向きは変わらないまま、誘いの意図を考える】
【和やかに一対一を持ちかけてくる相手の典型例は二つ。小遣い目当ての不意打ちか、ちょっとしたアバンチュールか】
【今回の報酬は実入りが良く、仕事ぶりで差が生じるわけでもない。そして、彼女が金に貪欲なタチとは思えない】
「いいえ、構いませんよ。……この近くなら、ここが良いでしょうか」
【内ポケットから取り出した端末の画面を見せる。表示されているのは2階に宿屋を設けた居酒屋だ】
【自分も何回か利用したことがある】
【男女二人組の客が多く、賑やかで、出されるつまみと酒は場の盛り上がりを助ける味がした】
「私も聞きたいことがあったので、ちょうど良かったです。早速、向かいますか?」
【お互いの疲れを労うにも、その先へ進むにもちょうど良い場所】
【もし、渋られたら少し考える必要があるが。まあ、その時はその時だ】
- 67ミゾレ◆KPwoT407kA25/06/15(日) 00:10:06
本当ですか?よかったぁ…!
【断られたらどうしようかと…などと、わざとらしく焦ったような喜びをして見せる】
【デスペラードにしては清潔な風体。そのような紳士が男としての本能のままにラブホテルに連れ込む可能性は元より可能性は低いものであると高を括れる…先程の誘いは“単なる飲み会”と捉えられても違和感のないように敢えて真意を含めてはいなかった】
【“過程”を重視するのであればその様式に合わせるだけのこと。酒の席にてそのような雰囲気に持っていけば良いだけなのだ。なので誘いを了承してくれた時点でミゾレの目論見は一歩進んだ、ということになる】
ん…中々良い場所だと思います。私に異存はありません
では早速…向かいましょうか?
【端末に記された場所へ、特別はしゃぐ様子も見せず足を運ぶ…その道中で、自身が女性であることは殊更主張はしなかった。相手が相手なら扇情を煽る事もあるが、生憎、今日の気分は控えめに、じっとりと仕掛けていきたかったのだ】
それにしても、貴方から私に聞きたいこと…ですか
【…シラユキ財団についてだろうか。ミゾレ自身、己がそこから勘当された身であるということは特別隠しているものではないが…】
- 68オイゲン◆8meUu6AaJY25/06/15(日) 00:41:51
- 69サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/15(日) 00:46:00
「今のはラットの」
【排除お疲れ様です、と当たり前のことは流石に言わない】
「それにしても静かです。このバアルからしっぽを巻いて逃げ出しましたかね?」
「であれば考えられる最善の手です。インベイド……。」
【賞賛、というよりは忌々し気に。焦りではなく、事実を認め、その上で憎しみを向ける】
【環境偵察特化仕様のスレイガンカスタムから通信が入った。奥の開けた空間も捉えた】
「気密問題なし。バアルは先行し周囲の安全を確保します」
【空間へ機体を進めた。インベイドのネストへ侵攻し、制圧する為の特別機たるこのストラクチャーは、そのサイズからして一般的なBFとは遮蔽能力の桁が違う】
【スカイグレーの塗装が淡い青色の光に照らされ、怪物の躰を美しく彩った】
「これだけコア粒子濃度が高いと、粒子反応レーダはあまり頼りになりませんね。光学センサにて対応します」
【この空間を自らの領空とすべく、ビットをローテーションさせながら飛び回らせ、画像識別による判断のみで速射砲の照準を絞り込む】
- 70ルノアール◆Fd5AlHEdkk25/06/15(日) 01:03:16
【わずかに演技が入った喜びの表情を眺め、連れ立って歩く。件の居酒屋は十分もかからない場所にあった】
【自分たちと同じく任務終わりなのだろうか。額に汗を滲ませながら、酒を飲み交わして肩を叩き合う二人組がいる】
【かと思えば、カウンター席で手を重ねあって、睦言を交わす男女がいる】
【そんな十人十色の様相を横目に、店員へ示された窓際の席へと腰を下ろす】
【メニューを手渡しながら、こぼされた疑問に微笑を添えて答えた】
「はい。写真の掲載許可と、ちょっとしたインタビューをお願いしたいのです。もちろん、代金はお支払いします」
【差し出したメニューの横に、一枚の写真を置く。ほぼブレていた中から、奇跡的に見つかった戦闘中のギフトの完全な姿である】
【戦場カメラマンとして、これはぜひ使いたい。インタビューも併せて寄稿すれば、けっこうな収益が見込める】
- 71ミゾレ◆KPwoT407kA25/06/15(日) 01:28:13
えーと、それじゃあ………あった。カルーアミルクで
【メニューを手に取り、己の十八番を店員に注文する】
【カルーアミルクは甘口で飲みやすく…故に多量に飲んでしまい“悪酔い”もしやすいカクテルでもある。テーブルに運ばれたそれを眺めつつ、質問に応答する】
あー…確か戦場カメラマンなんでしたっけ?
【あの任務中、ちゃっかりBFの撮影なんかやっていたのか…などと言わんとする、呆れたような顔になる…撮影にかまけて支援が怠わられていたとは露ほども感じてはいなかったので、そこに引いた訳ではない。寧ろそれは、自身の危険を顧みない行為であり】
(───────この人も、自分の命を大事にしない人間か)
【惹かれたのだ。己にも似たスーサイドの気配に】
代金は要りません…と言いたい所ですが、そこまで断るってしまうと気味が悪いですからね。受け取ります
まぁ…程なくして全部使い切るつもりですが。お金が惜しければ取材費をケチることをお勧めしますよ?
【いたずらっぽい表情で舌を出しつつ、“事実”を述べる。金を湯水のように消費する成金のような浪費癖と、贅沢を好まない清貧な気質】
取材に応じましょう。なんでも聞いていただいて構いませんよ?
【その両方を兼ね備えた異常者こそが、ミゾレ・シラユキという人間である】
- 72スーリヤ◆ECPjTIh3Iw25/06/15(日) 11:33:28
「ただいまぁ。私一人でも良かったんだけど、任されちゃったからね!!」
サークリウスは機体整備に関してはともかく、増加装甲類や装備に関してはとにかく補給が簡便化されている。
マシンガンもミサイルも、そしてコア粒子も万全とかした黒岩がエクリプス以上の火力を丁寧に吐き出して、射撃兵型や重装兵型といった射撃戦での脅威度が高い順に撃ち殺していく。
やってきた順はサークリウス、スーリヤの小隊、そして最後にユスラの小隊機だ。
「しかしほんと、動きが鈍くなって……いや、分かってるのは私らくらいかね?」
少し遠くで戦闘を展開しているスレイガン部隊は殲滅にいっぱいいっぱいなところを見るに、これを俯瞰してみた場合は……上は違和感など感じることができるかどうか。スーリヤは不安を喉の奥に抑え込んだ。
(終わった後にでも考えれば良い、か)
ひとまずはそう考え、そうだ。と秘匿回線をユスラと繋ぐ。スーリヤとだけ話ができて、周りには漏れない会話だ。
「かっこよかったよ、ユスラちゃん」
何が、とは言わない。スーリヤだけが見て、スーリヤだけが見惚れた……エクリプスの行った数々の動きのことだ。
無茶してるとも、無理してるとも叱責はしない。
ただ、その狩人の如き動きは純粋にスーリヤにとって……一つの憧れでもあったのだ。
(後で教えてもらえないかな)
「コア粒子残量、危険そうでしょ? そっちも補給に戻って……あ、ここ離れるのが嫌なら、これ使ってね」
たった一人で戦場の一つを抑えていた……その時点で疲労は相当であろう。
本来なら一度休憩してほしいが、膝裏に仕込んであるコア粒子貯蔵タンクをエクリプスに見せながら、使っていいよと示す。
周りをスーリヤの小隊が囲み、簡易的な補給体制を作ってくれる。
- 73ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/15(日) 11:59:43
いや、そいつらにまで意識を割かなくても大丈夫だ
【前線を維持しながらバアルが前に出て来たのを確認すると、メビにランドセルを呼ばせる】
【その後ろには、完全密封されたコア結晶が鎮座した巨大な立方体が積まれていた】
ここで"大空転塊"をお披露目するとしようか
黒弓と紅鏡、ここから先の輸送と設置、援護は任せた
担当BFは、そちらの部隊長の指令でコード送信を始めろ
「「了解!!」」
【威勢のいい応答を返し、1機の殲龍がランドセルから背部に"大空転塊"を早速移し変える】
「紅、慎重にそーっと運ぶんだぞ?」
「黒、言われなくても分ぁーってるよ」
「いつも鴨蛋を落っことしてるのは誰だ?」
「いっつも同じ事しか繰り返してねぇのは誰だよ?」
【ククカカと笑みと言葉を投げ合い、一連の作業を終えると部隊中央列に戻る】
よーし! 未だに喋れる余裕があるなら、俺達は敵無しだ!
いつ何時であれ、談笑できなくなった時に人は死ぬ物だからな!
このまま意気軒昂にバアルに続くぞ!
「「「「了解!!!!」」」」
- 74エイダン◆Fd5AlHEdkk25/06/15(日) 12:16:21
【敵の勢いが目に見えて落ちている】
【破れかぶれな新型を投入してきた時点で、敵のリソースが余裕を失っていることには気づいていた】
【その上、巣にまで入り込まれている事態は、インベイド側としても前代未聞だろう】
【時間稼ぎが終わって、撤退を始めたと考えるのが妥当だろうか】
【用意周到な連中のことだ、緊急時の避難通路の一つや二つ、拵えていたとしてもおかしくはない】
「急いだ方が良さそうだね。今ごろ、急いで階段を駆け上がってるかもしれないし」
【偵察役の忠告に従って、装備の状態を確認する】
【Syringe'sは速さのために防御を捨てたピーキーだ】
【そのため、着用しているパイロットスーツやヘルメットの気密性能は、従来のそれよりも高く仕立てられている】
【……問題は無し。長時間滞在しなければ、体に支障をきたすことはないだろう】
- 75ルノアール◆Fd5AlHEdkk25/06/15(日) 12:50:47
「ご協力、ありがとうございます。……それと、取材費は必要な分だけ使いますので、お気になさらず」
【協力への感謝を丁寧に述べながら、愛らしい茶目っけを被せた忠告を謹んで退ける】
【良質な文章を作るための費用は惜しまない】
【カメラマンとしても作家としても、そこは絶対に曲げてはいけない姿勢だ】
【先人に向けたリスペクトと、筆で飯を食う職業に就いてる者としてのプライド】
【今の自分の足場を支えている二柱を崩すような真似はできない】
「祝勝会の場をお借りするわけですから、手短に済ませますね。……先ずは、あなたが戦場を駆ける理由から、お聞かせ願えますか?」
【ほどなくして、注文したカルーアとカシオレがそれぞれの前に届けられる】
【同時に置かれたつまみのオードブルを挟みながら、メモに筆を走らせる準備をとって、シルヴェストルは取材を開始した】
- 76ミゾレ◆KPwoT407kA25/06/15(日) 13:22:53
乾杯。
【グラス同士を軽く合わせた後、カルーアミルクに口をつけつつ神妙な面持ちで最初の質問に答える】
…この世界で生きるため、ですかね?
今は傭兵やってますけど、これでも生まれは自慢できる方なんですよ。人並みの生活、人並みの食事、人並みの幸福…望むものすべてを労せず掴める。
─────私を取り巻く世界は、ひどく狭い箱庭だったんです。それに気付いた時…生活も。食事も。幸福も。全てが薄っぺらく見えるようになりました
私は17年もの間、本当の意味でこの世界で生きてなんかいなかった。
【グラスに映る紫の双眸には、自らの生まれを憂い、呪うような眼差しで言葉を紡ぐ】
【財団や企業といった、余裕や資産を持つもの全てを忌み嫌っている訳ではない。現シラユキ財団当主たる姉の辣腕は勘当された身といえど素直に賞賛に値する。能力のある人間には、それに見合った褒賞を受け取る権利がある】
【───────ただ】
不自然な人生を歩んできたツケは、不自然な生き方でしか支払えない。私の存在を擦り切れるまで削って、私は初めてこの世界で生きられる…
それが、私が戦場を駆ける理由です
【自分は生まれに見合わない“無駄の多い人間”であり】
【人並みになるにはその無駄を削ぎ落とす以外に道はないのである】
- 77グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/15(日) 16:01:56
『────よォし...来やがったぜ!』
突撃兵級と射撃兵級が数体、重装級が一体
しかしその身体には治りかけの傷跡がある
つまりは"歴戦の個体"というものに認定され、
ある程度難易度は上げて考えねばならない。
蜚蠊が身の危険を感じた時に漸く飛び方を
思い出すように、死線を潜り抜けた生物は
一段階レベルというものが上がるからだ。
[隊長!陣形は先に決めていましたが、
戦術を決めていません!どうしますか!?]
『そうだな........よし、"バーガー戦法"で行く
聞こえたか?聞こえたなら返事しろ!』
[{〈サー、イェッサー!〉}]
バーガー戦法....それは三段階の速攻を、
①突撃して切り込む(ピクルス)
②間髪入れずに潰す(ハンバーグ)
③両側から挟み討ちにする(バーガー)
というふうに準えた戦術の一種である
『こっからはスピード勝負だ!良いな!』
先陣を切ったBFは両手に武装を展開した。
それは初期型のビームサーベルであり
安定して展開する為の距離の都合上、
片刃の斧のような形状をしていた。また
ビームとしての太さも現代のものより細い
ちなみに兵士からの通称は"糸ようじ"だ。
- 78ユスラ◆xZJxX8ZGsA25/06/15(日) 16:18:05
【サークリウスの弾幕、その密度はエクリプスの比ではない。黒曜が戦闘機めいた鏖殺を得意とするように、黒岩は艦船のような圧殺。対多における殲滅力のアプローチが違うのだ】
《あんまし気づいてる人は居なそうかな〜》
【インベイドの動きに違和感を感じてる者は少ないのだろう。或いはストラクチャーへの信仰から、インベイドが慄いたと無意識に思ってしまうのか。それとも単に余裕が無いだけか】
【後者の可能性が高そうだ、とやや遠方のスレイガン部隊を見ながら、轟音を響かせて重リニアライフルを放つ。肩部武装を手持ちにしたゲテモノが武士級の胸を貫いて、刀腕が地に落ちた】
《え、えへ〜…》
【ふと秘匿回線で伝えられる友人からの純粋な称賛に、なんと返せばいいか困ってしまう。部下や上官であれば適当にいなしてしまうが故に、真っ当に言葉を受け止める経験がユスラには不足していて】
【要するにこの34歳、照れていた】
《お、気が利くね〜。んじゃ、ちょっと失礼〜》
【幸いだったのは話題がすぐに変わったことと、エクリプスのムーブメントを他の機体には見られていなかったことだろう】
【無論戻るという選択肢はハナから無く、簡易的な補給体制の中で、サークリウスの貯蔵タンクからコア粒子を補充させてもらう。そして何も言わずとも察したのか、ユスラの小隊は前衛を務めるように一歩前へ出て弾幕を作った】
《……いつもありがとね、スーリヤちゃん》
【50%あれば持つだろう。エクリプスの補充の最中、瓶詰めの栄養ドリンクで頭痛薬を流し込んで疲労感を誤魔化したユスラは、伝えきれない感謝を言葉にしながら補給を終える】
《さ、ラストスパートだよ〜。まったりやろうね〜》
【消化試合だからこそ、焦らずに。微塵の覇気も感じさせない声で、昼行灯は周囲を鼓舞する】
【一度補給したとは言え、一休みで疲労が取れるわけではない。だからこそ緊張しすぎず、油断しすぎずのバランスが大事なのだ】
- 79グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/15(日) 17:58:23
『(横から潰すなら頭に傷を入れて...いや、
より脆い傷跡を狙う方が深く抉れる筈....)』
身体を起こす重装級の身体を駆け上り、
傷を狙って二つの光刃をめり込ませると
煙と共にバシ"ュッ...!という鈍い音が鳴る
それは体表面の肉が熱により破裂・蒸発し、
傷口を深く開かせた事を示す音であった
そして、その傷口は亀裂を走らせていき
全身の傷を再び開かせてしまった
【──────────ァ"ァァァッ!!!】
本来、重装級の弱点は一点のみにしか無く
それ故に痛みへの耐性というものが低い。
幾ら傷を負った経験があるとはいっても、
そう簡単に痛みには慣れないものである
〈オラオラオラァ!ブッ潰れなァ!!!〉
【【──────ッ!!!ッ!!!】】
間髪入れず、帯電式棍棒による攻撃が
混乱している群れへと振り下ろされると
その電撃は傷付近の血液を沸騰させ、
変質した蛋白質が焼けるような痛みを
インベイドたちへともたらしてくる。
そして、瞬時に先の二機は離脱して
トドメは最後の仕上げへと譲る形となった
- 80ルノアール◆Fd5AlHEdkk25/06/15(日) 18:16:52
「なるほど……。貴方は、生に正直なのですね」
【やはり、取材はいいものだ。過去を憂う瞳を見つめながら、そう思う】
【外から調べた情報だけではわからない事柄を、当人の口から情感たっぷりに聞くことができるのだから】
【余計な口を挟むことなく書き写した言葉を眺めながら、享楽的という評価を改める】
【ミゾレ・シラユキはストイックな人間だ】
【自らが定めた生き方にどこまでも従うので、その刹那しか見ていない者には誤解を与えやすい、とした方が適切な気がした】
「では、次の質問に移りますね。戦闘中は何を思っていらっしゃいますか?」
【ただ、身の上話だけでは読者は食いつかない。ゴシップの種を撒くだけになることを避けるため、メインにあたる部分を尋ねる】
【そうして十数分たってから、ようやっとペン先が紙を引っ掻く音がやんだ】
- 81グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/15(日) 18:17:11
[行くぜ、ダメ押し!]
{ちゃんとNにしてるだろうな!?}
そして追い縋ってきた二機による
マグネティックハンマーの一撃が、
両端から群れをぐぢゃりっ、と捻り潰す
S極のN極の引き合う性質を利用した、
電磁石の組み込まれたハンマーの面は
弱らせているとはいえそれなりの量の
インベイドを一気に叩き潰したのであった
『────所要時間38秒、上出来だ。
"バーガー戦法"にしたって手早いぞ?』
〈まぁ?バーガーは手早さが売りっスから〉
[成程、言えてる]
{...あ、とりあえず燃やしとくか}
半壊した死骸を着火して燃やし、
寒空の下を飛んで基地への帰路に着く
この日の晩飯は、少しだけ豪華だった。
────────────
──────────
──────
『──────ッ、これ、は....』
『(........この歳で居眠りとは、恥ずかしい)』
部屋は、夕陽で微かに橙へと染まっていた
- 82ミゾレ◆KPwoT407kA25/06/15(日) 18:46:49
いきなり大っぴらに喋り過ぎましたね…
【ミゾレとしては特段隠すようなことでも無いので明け透けに身の上話を交えた心境を話してしまったが、振り返ってみればこそばゆくなってくるような、気恥ずかしくなってきたような…頬を親指で掻きながら、酒を進めていく】
なにか特別なことを考えている訳ではありませんが…そうですね。強いて言うなら“死ぬ”っていうイメージが頭の隅っこにちらつく事が、しょっちゅう
【窮地に立たされたBF乗りであれば、そのような死の影に追いすがられてしまうこともままあるだろう。しかしミゾレの場合は機体が機体だ。相対的にその機会も増える】
───────そういったイメージが、寧ろ生きる為の糧になる…んですかね。頭がサッパリするというか、考えがスラスラと浮かび上がる…みたいな
【彼女は死を正しく恐怖している。その恐怖すら、自らの生きる活力に変えているのだ】
【───────尤も】
…ここから先は記事にしずらい事をぶっちゃけちゃいますけど、そういった無茶をし続けてると…どうにも自分も女なんだなー、と思い至る事が度々あります。へへ…
【そうやって生存本能を刺激するやり方が生殖欲求にまで発展し、彼女に奔放な性生活をさせているという側面もあるが】
【ペンを進める音が止むまで、ミゾレは実直に取材に応じ続けた】
- 83サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/15(日) 18:47:52
「大空転塊の設置、承知しました。バアルは引き続き警戒を行います」
【粒子残量には余裕がある。味方識別なく動くモノには絞った速射ビームを遠慮なく叩き込みながら開けた空間に鎮座し続ける】
【そろそろ必要な犠牲もいないだろう、という天才の読みと意地でもあった】
「(そうですね。特に、戦場でこそ余裕を失った者から落ちていくというのは、なんとも皮肉なものです)」
【サンフラワーの表情は変わらない】
「この局は私たちの勝利です。後はどう纏めるか。」
【このネストは落ちると断言する。異常な反応も、追加の影法師もない。仕掛けるなら深部に引き込んだ今しかなかったが、ラットが数百の歩兵を喰らったくらいだ】
【だからこそ最上の形で纏める必要がある、これ以上の損失を出すわけには行かないと表明する】
「このまま長期間滞在すれば、体に支障をきたす方も居ますからね。」
【一言多いのはやっぱり仕様である。全知全能であれば態々口に出すまでもないことだが、つい口をついた】
- 84ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/06/15(日) 19:24:00
……やっぱり、1発食らったら即ドロップアウトな危なっかしい所に、こんな大量の歩兵を投入する必要は無かったんじゃねェのか?
【ZQWN!】
【小型投射級の予備動作(眩光)を見逃さず、他のメンバーに一部を任せながらも、的確に2連ビームライフルでほぼ全てを撃ち抜く】
【だがその中で、近くを付き纏う戦火の種へ対する煩わしい不安まではやはり拭い切れず、オープンチャンネルで滲みを拡げる】
地上ならまだ分かるが、BFの脚より断然細いし、ここで何かを設置してもらう事もない
そんな薄っぺらい耐汚染装備とサイズの仲間を投入するか?
大層な弾除けにもならねェし、そもそもここが命の捨て場でもあるまいしよォ?
【本作戦に従事している者の経歴を信じているからこそ、自分の胸の内を衣やオブラートに包まず、ハッキリとぶち撒けた】
- 85グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/06/15(日) 19:28:11
・・・・
『(まさか、死人の夢を見るとは....)』
北方戦線において、"統率個体"をクロノスが
打倒した時....私は確かにそこにいた。
とはいえ、メインの作戦には関わっておらず
単なる弾除け兼副砲程度の扱いであった
あの化け物に比べればそこらのインベイドや
命知らずの傭兵たちなど可愛く見えるものだ。
『....来週辺り、共同墓地に参りましょう』
あれだけ生き残れ、と教えたというのに
隊員は基地にいた数人を残し灰燼に帰した
"隊長はここで死んで良い人じゃない"と
遺言を託し死んでいったが、私に言わせれば
死んで良い人間など世界の何処にも居ない。
その後神父になって初めて挙げた葬式は、
そんな直向きな隊員たちの合同葬であった
『(死人の夢は転機を示す暗示と言いますが...
確かに、良くも悪くも変化はありますね)』
幾人かの人間の顔が浮かんでは消える。
さて、これが良い事なのか悪い事なのか
今の自分にはどうにも分からない
『今日は少し外に出ましょうか...?』
そうして、神父はふと立ち上がった
- 86ルノアール◆Fd5AlHEdkk25/06/15(日) 21:30:11
- 87サンフラワー◆fDey8JUvvk25/06/15(日) 21:46:23
【即座にチャンネルを金龍大佐のみに絞り込んだ】
「ふふっ。若いですね。ですが、「今」「オープンチャンネルで」言うことではないと思いますよ、金龍大佐。」
「人を率い、人の上に立つ者だからこそ言いにくい不満を率先して口にだし、嫌われ役を買って出る姿勢は人として評価されるでしょう。私も嫌いではありませんよ?」
「それに本作戦に選ばれた優秀な方々があっさりと失われていくのは心苦しいというのも分かります。」
【サンフラワーは素直だ。口に出した言葉以上の意味は言葉に含まない】
「けれど今は作戦中、注意喚起ならともかく不信を口に出すのは兵士の皆さんの士気に関わります。生存確率にもね。」
【そして基本的なことを伝える。話に気を取られても良いようビットを少しそちら方面に振り分けながら】
「次のネスト攻略にはBFのみで参加するよう上申してくだされば幸いです。それだけで大勢の命が救われますし、貴方の株も上がるというものですから。」
【天才は最前線においてもこんなことを考える余裕があった。ところどころ諭すようなのは本人の気質ゆえだが】
- 88スーリヤ◆ECPjTIh3Iw25/06/15(日) 21:50:43
「んっふふふ……ユスラちゃんはかぁいいねぇ!!ほんっとにかぁいい!」
照れている友を見ると、かわいい、以外の語彙力というものを消してしまうところがスーリヤにはあった。
パイロットとして超一流であっても、ユスラ本人の可愛げというものがあるからこそ、彼女は好いているのである。
「どーぞど~ぞぉ。サークリウスはこういう時のための機体でもあるからねぇ」
古来より戦場で最も恐れるべきは補給が寸断されること。天下のクロノスといえどまるで足りぬ、という状況が存在していたのが初期インベイド大戦時代。
その時代を生き抜いてきたスーリヤは特に、コア粒子の欠乏に対して敏感であった。
機体動作の不具合や過度に粒子切れを恐れることによって生まれる火線、または機動の鈍りが更に被撃墜を生むから。
ゆえにサークリウスの貯蔵タンク内のコア粒子を、エクリプスに分け与えることに否はない。
「ラストスパート終えたら、二人でばったんきゅうしておこうね」
ユスラが疲労を抑え込んでいることなど百も承知。であるなら、スーリヤがすべきは止めることでも背を押すことでもなく。
彼女が持っているスーリヤへの感謝を、笑顔で受け止めてあげることだった。
- 89ミゾレ◆KPwoT407kA25/06/15(日) 22:11:58
あら、貴方にもそういう時があるんですね?
【インタビューついでに少しアプローチをかけてみたが…まさか理解どころか同意を得られるとは。人は見かけに寄らないとは言うが…】
………でしたら、今日の依頼なんかがまさに“そういう日”なんじゃありません?
【飲み進めていたカルーアミルクもそろそろ無くなる頃だ。飲み過ぎて祝勝会がお流れになる前に…もう一押し、掛けてみる事にした】
私の気分は先述の通りです。宜しければ、このまま“密着取材”を請け負っても構いませんよ?
──────────────ここの、2階で♪
【紙とペンを仕舞い、グラスを傾けている方とは反対側の手に、柔らかな指を絡ませる】
【清貧さと茶目っ気はどこへやら。己の情欲を満たさんと相手を見定める雌が、その本性を表し始めていた】