浦島太郎を再定義したい

  • 1二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 23:53:45

    ぶっちゃけ善人の浦島太郎が騙されるだけの救いのない話とされがちな浦島太郎!
    浦島太郎本人もただ亀助けただけの流されるやつと言われがちな浦島太郎!
    そもそも原典と違うじゃねーかと近代版で改訂しやがってと言われる浦島太郎!
    原典から救いが仏教的な鶴になるってなんだよ!と思われる浦島太郎!!

    その話(クソ改変しやがったと言われつつ流通し続ける近代版)をわたくしがAIくんと一人寂しくシコシコ話しながら考えた解釈です
    まず、お聞きください、そして全部来たらどうぞ反論してください

  • 2二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 23:54:51

    1 現代の浦島太郎の語られ方

    現代の浦島太郎のあらすじを考えてくれ
    ①浦島太郎は村の漁師。母親思い。
    ②ある日、子どもたちにいじめられていた亀を助けた
    ③亀から竜宮城に連れていくという誘いを受けついていく
    ④乙姫様と出会って歓待を受ける。
    ⑤快楽に耽るが、流石にそろそろ母親のもとに帰らなきゃと思う
    ⑥乙姫様から「開けてはなりませんよ」と言われながら玉手箱をもらう
    ⑦地上に帰ったら長い年月が経ち、家も家族も友も失われていた。悲しみから浦島太郎は玉手箱を開ける
    ⑧約束を破った罰として玉手箱の煙で地上の年齢どうりの老人になる


    この話、基本①〜④「母おもいで亀を助けるようないい奴でも快楽に浸っちゃいけない」⑧「太郎みたいに約束を破っちゃダメよ」という話に終止しがち
    (あと⑥に対して乙姫様なんでそんなもん渡したん?もあがりがち)
    でも俺は浦島太郎の本質は⑤〜⑦にあると思う

  • 3二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 23:55:57

    2 前提としての浦島太郎の性格

    浦島太郎は本来善人だ。母孝行で、いじめられてる亀を助ける部分もある。
    しかし、彼は流されやすい。乙姫様の美貌と楽しい竜宮城にしばらくふけってしまう「弱さ」がある。
    そして、悲しみから約束を破って玉手箱を開くのも間違いをおかすのも(そこに救いを求めたかった、時間を戻したかった、錯乱して何も考えてなかった、どの解釈でも)「弱さ」だと言える。
    まとめると浦島太郎は「善人だが弱く、流されやすい」人物。
    そこが浦島太郎がよくないとされる理由。そして、その流されやすい弱さゆえに老いるという罰が当たるのだ。

  • 4二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 23:57:18

    3 語られない視点「なぜ浦島は悲しんだ?」

    物語の後半、浦島は一人で竜宮城という異界から人間社会に帰らさせる。
    しかも、数十年という時が経ち、浦島を待っていたはずの母も、友も、家もいない。浦島が一人で取り残され悲しむのも無理はない。
    しかし、ここでみんな「無理もない」と思いスルーしがちなのは「なぜ浦島は約束を破り玉手箱を開けるような錯乱をするほど悲しいのか」という根本的な視点である。

  • 5二次元好きの匿名さん25/06/12(木) 23:59:00

    4 浦島の本当に悲しかったもの

    浦島は母も友も家もいないからだ。
    そんな社会に一人取り残された浦島は確かにそれらも悲しいがある種もっと悲しいことがある。
    それは「自分を浦島太郎と知る人物が、最早村にもいない」こと。
    人は思い出を共有して自分の記憶を確かめ、本物かどうかを確認する(現代人のあにまん民ならスマホを通したSNS,掲示板書き込み履歴などの手段も自分の記憶と他者が提供するサーバで一致させる意味合いではこれに当てはまると思う)ことで自己を自己と定義する。
    しかし、浦島の時代にあにまん掲示板はない。浦島を知る人物も、浦島の思い出のものも、浦島がした記録も何も無い。

  • 6二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 00:00:10

    5 周囲との年齢不一致による不和

    仮に……仮にだ。70年前(仮定)に村に住んでいた浦島太郎の記憶を持つものがまだいたとしよう。
    でもその人は思うはず。「お前が浦島太郎ならなんで70歳分の歳を取っていない?」
    浦島は説明する「俺は竜宮城にいってた。カメに乗って海の底にいった。タイの踊りもクラゲの光もみたし、乙姫様にもあった。証拠はこの玉手箱だ。これは見た目は箱だが、開けると罰が当たるらしい」


    はい、ちょっと考えてみてください。
    これ、未来の村人視点からしたらただの「70年前の浦島太郎を騙る変な箱を持ったイカれたヤバい人」です

  • 7二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 00:01:24

    6 苦しみの中のたった一つのすがれる答え

    「俺がいうことは皆に否定される。俺の思い出を支えてくれる人も無い。竜宮城の話なんて誰も信じてくれない。」
    そんな中浦島は根源的な問いに目覚める「竜宮城の日々は本当は存在しなかったのか?いや……そもそも、俺は本当に、浦島太郎……なのか?
    みんなの言う通り、俺の頭の中で自分を浦島太郎だと思っているヤバい人なんじゃないか??」

    彼は証拠を求める。個人の思い出の品とかじゃない、自分が過去他者とつながった証拠を。 母が使っていたものとか、昔ここに家が建っていたとか、よく遊んだ浜辺とかじゃない……「あなたは浦島太郎だ。」と他者から告げられるもの。そこまでじゃなくても「俺の浦島太郎としての記憶を自己催眠的に納得させられる強いもの」

    ……たった一つだけある。乙姫様からもらった箱だ。

  • 8二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 00:02:32

    7 「過去の証明」として「罰を受ける覚悟」

    乙姫様は言っていた。「決して開けてはなりません」。
    「開けたら悪い何かが起きてしまう」ってことだよな??
    でも、普通の箱をあけて「悪い何かが起きること」なんてないわな??
    これをもし開けて「悪い何かが起こる」のなら「これは乙姫様から貰った玉手箱。俺はあの記憶が本物だったと確信できる」
    浦島太郎の中に一つの芯が芽生える。
    それは「自分の記憶の真実を確かめるため、間違いをわざとおかす」という切実な決意。

  • 9二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 00:04:18

    8 開けた結果の罰と救い、老いたあとの浦島の気持ち

    箱を開けるとふわふわもくもくと白い煙。浦島は地上の年齢と一致するおじいさんになる。
    たしかにそれは罰だった。乙姫との約束をやぶるよくない行為。
    でも、彼はこれで納得し、自己催眠を深められる。
    「よかった。ただの箱を開けて、こんなおじいさんになるなんて起きるわけがない。俺は浦島太郎だ。竜宮城に行って、乙姫に会った浦島太郎なんだ。」

    村人からしたら「過去の浦島太郎を騙る狂人」
    読み手からしたら「快楽に耽り寂しさから間違いを犯した可哀想なやつ」
    そんな浦島の老いることは彼なりの「納得」をかけた記憶の証明だったと読み解ける。
    あれは浦島本人視点だとハッピーとまでは言わずとも納得できる終わり方であった。

    そんな彼が罰を与えた乙姫様を呪い、恨み、憎みまくるか?俺は違うと思う。

    たしかに彼は弱さから快楽に耽り、弱さから悩み約束を破る選択をした。
    だが、同時に彼はいじめっ子から亀を助け、快楽にふけってなお「母が心配だから戻ろう」といえる「善人だけど流されやすく弱いやつ」ではなく「弱く流されやすいが善人なやつ」なんだから。

    楽しい思い出をくれて自分にとっての過去を補強する機会をくれたことに「憎みきれない」気持ちになると思う

  • 10二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 00:05:29

    9 老いることによるメリット


    老いなんてデメリットしかない。いきなり現実に戻してくれやがって。それもまっとうな感想だろう。

    ただし、浦島の場合はどうだろうか?希望的観測になるが、>>6であげた「浦島太郎を覚えてる老人」…否、そうではなくとも「おじいちゃんおばあちゃんから、いなくなった浦島太郎の話を聞いたことがある若者」でもいたとしたら。


    彼は「若者浦島」より「老人浦島」の話のほうが「行方不明だった浦島太郎」として受け入れやすくなる。と単なる個人への異界帰りの儀式以上に「社会的に浦島太郎が承認されやすくなる終わり方」となるのだ。

  • 11二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 00:06:56

    10 玉手箱という選択肢
    玉手箱を開けることで、彼は罰という形で自己連続性を確認できた。
    それは弱さだが、責められる弱さでもないし救いがあってしかるべき誰にでもある弱さ。
    同時に、彼が「うるさい!俺は俺だ!」という強い芯があり開けることを選択しなかったとしてもそれはそれで素晴らしいこと。
    過去の記憶に縋らず立てるのならそれはそれでいい(玉手箱を開けないで済む)。
    でも縋らないと立てないものに「裁き」「罰」だけを与えるのはフェアではないと思う。
    それを表すのが玉手箱という「選択肢」。


    この物語は「弱いが優しさがある」チーズ牛丼的な人間に罰だけではなく救いを与える物語と再定義できる


    と俺は思う

  • 12二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 00:09:06

    この浦島太郎解釈で明確に再定義したかったこと

    ・彼が玉手箱を開けるという間違いをおかす意味
    →そうしないと自己を保てなかった
    ・玉手箱を開けることによる老い
    →それは罰だけじゃなくて救いにもなる
    ・浦島太郎といえば亀
    →浦島太郎の亀ってクソ脇役だよね


    ぶっちゃけこういう論文出てそうだからでてたら教えてくれ
    「作者(改訂版)の人そこまで考えてないと思うよ」
    はいーんだよ!昔話の再解釈なんてみんなやってるから!

  • 13二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 00:51:14

    自分解釈面白かった
    童話や神話や民話のクソ改変は確かに色々ある
    他にももっと挑戦して

  • 14二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 04:25:06

    玉手箱を開けたのは自分のアイデンティティを保つためってのは面白いね

  • 15二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 08:51:34
    竜宮城−浦島太郎と蓬莱山幻想(三浦佑之)miuras-tiger.la.coocan.jp

    これは浦島太郎のパターンの1つだけど、色々腑に落ちる部分が多い

    ・竜宮城の場所

    海にある仙界・蓬莱山であり、人間界から完全に切り離された世界になる

    ・浦島太郎の亀の存在

    竜宮城に案内してフェードアウトする亀だけど、浦島太郎に惚れて美女に変身して蓬莱山で結婚生活を送り、姫様役も務めている

    ・玉手箱

    浦島太郎が人間界に戻るときに渡された箱だが「人間界に留まるならば開けてはならい」と言われており、開けたことで仙人となり人間界から消滅。人間→仙人への変化が若者→老人への変化、もしくは鶴に変身するという形に変化した

  • 16二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 09:07:08

    そもそも玉手箱をあけて罰が起きるかどうかって部分が
    シュレディンガーの箱の中の猫理論(乱用)でも解釈できるのか

  • 17二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 09:15:16

    >>15

    なるほどな

    道教と関係が深い神仙思想が流行らなくなって不老不死のモチーフがボヤけて玉手箱だけが残ってしまい、恩返しというモチーフを後からくっつけたから結末が変な事になったのか

  • 18二次元好きの匿名さん25/06/13(金) 09:19:28

    箱を開けて何もなかったら「みんなの言う通り俺は浦島太郎を騙る狂人なのか」
    何かあったら「やはり俺は浦島太郎だ」
    になるのか

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