- 1二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 07:28:33
- 2二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 07:40:02
──Side千奈
四人目。
それは、わたくしのお友達でした。
わたくしは呆然と、右手の中のストラップを見つめます。『ふわっとブレザーつむじちゃん』。葛城さんとわたくしを繋ぐたくさんの絆の、その一つ。
葛城さんは、例えばカバンにつけていたはずのストラップをいつの間にか落としてしまっていた時のように、わずかの痕跡も残さずいなくなってしまいました。
わたくしはそれを、決して失くすことのないように強く握りしめました。
葛城さんに似た、ひたむきで真摯な努力家のつむじちゃん。しかし握った手のひらからは、葛城さんのような柔らかな温もりは感じられませんでした。
- 3二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 07:52:37
「倉本さん」
「はい……あなたは、咲季お姉さまのプロデューサーさん、ですわよね?」
「はい。突然話しかけてしまいすみません」
「いいえ、ごきげんようですわ」
「はい、こんにちは」
倉本さんが普段どこにいるか当ては全くなかったが、なんとなく気の向く方へ歩いていると、意外にも早く彼女は見つかった。
中庭のベンチの背もたれから、小さな肩がはみ出している。
「わたくしに何かご用ですか?」
倉本さんがちょこんと首を傾げる。なるほど佑芽さんに聞いてきた通り、小動物のようで非常に愛らしい女の子だ。この小さな体で、今彼女はどんな感情を背負っているのだろうか。
「用というほどのことではないのですが」
正直に言うと、会って何を話したいのか、何か聞きたいことがあるのか、俺にもよく分かっていなかった。ただなんとなく、彼女ならなにか──この事件の鍵を見つけることができるような、そんな気がしたのだ。
「一連の失踪事件について、あなたはどう思いますか?」
少しだけ、倉本さんの顔が歪んだ。
すみません、倉本さん。きっとあなたには、そんな表情をさせるべきではないのでしょうね。
dice1d3=3 (3)
1「すみませんが、その件はあまり話したくありませんわ」
2「果たしてこれは、"失踪"なのでしょうか」
3「あなたは、どう考えていらっしゃいますの?」
- 4二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 07:53:57
出社の時間がやってきた。
あとで続き書きます。 - 5二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 08:51:15
7月X日
学生寮 付近
咲季「あら手毬。買い物帰り?」
手毬「うん、まあね」
咲季「そ。食べ物もいいけど、ほどほどにね」
手毬「……咲季はずいぶん元気になってきたね」
咲季「いつまでも塞ぎ込んでても仕方ないもの。……またステージに立つ気はなれないけど」
手毬「そっか」
咲季「……ね、何買ったのよ。見せてみなさい」
手毬「別に。生麺と醤油ペースト」
咲季「あなた、とうとう自分でラーメンを作り出したのね……」
手毬「うん。いいダシが取れる食材が手に入ったから」
咲季「へえ。鶏ガラ? 豚骨?」
手毬「そんなとこ」
咲季「いいわね。今度私にもごちそうしなさいよ」
手毬「……うまくいったらね」 - 6二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 09:48:10
前スレにこのスレのリンク貼った方がいいかも
- 7二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 10:03:01
建て乙
- 8二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 10:23:20
また手毬が人56しの業を背負ってる…
にしても語彙がエグイな、プロの方みたいだ - 9二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 10:38:15
わかりました、と思ったらもう誰か貼ってくれてた
- 10二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 11:15:31
落とさせない保守
- 11二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 11:32:48
スレ主じゃないけど前スレ見てない人に状況整理
手毬←グール(喰種)。咲季、ことねとユニット。ただ人を食べたと直接的に描写されてはいない
咲季←ことねが行方不明になってから憔悴、アイドルを引退する
P←Re;IRISのP。周囲にあらぬ誤解をかけられる
ことね、星南、麻央、リーリヤ←立て続けに行方不明になる。その間隔は狭まっている
千奈←今までの事件に違和感を覚えたPが話しかける - 12二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 12:30:07
「あなたは、どう考えていらっしゃいますの?」
想定していなかった質問返しに、一瞬言葉が詰まった。
倉本さんの目を見て、俺はつい息を呑む。
お友達と一緒にいる時の倉本さんの瞳は、目に映るもの全てに驚きと喜びを見出すような、憧れをいっぱいに湛(たた)えた宝石の輝きを持っていたはずだ。
今、俺の──心を見透かすようなこの双眸は、本当に彼女のものなのだろうか。
「ひとつ言えるのは、失踪──つまり、四人が自らの意思でいなくなった、とは思えません」
「はい」
「ですが、誰かが攫った、或いは殺◯したと考えるには、あまりに痕跡がなさすぎる」
「夜中のうちにいなくなった葛城さんに関していえば、相部屋の紫雲さんが気が付かないはずがありませんものね」
「無理矢理に辻褄を合わせようと思うと──例えば、"人ではないもの"の仕業だとしたら」
「ずいぶんと突拍子もないことを仰いますのね」
倉本さんは、少し笑って、目を伏せた。
「でも、わたくしも、そんなような気がしていますわ。そして"それ"は、きっとわたくしたちの近くにいるのですわ」 - 13二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 12:31:27
その日、俺と倉本さんは連絡先を交換して別れた。
藤田さんがいなくなり、咲季さんがアイドルを辞めた今、俺の担当は月村さんだけだ。
月村さんは、極限状態になると却って冷静になるタイプらしい。藤田さんが消えた日も、咲季さんがレッスン室へ来なくなった日も、月村さんは淡々と練習をしていた。空恐ろしいまでに──。
「プロデューサー。今夜何か予定はありますか?」
来月発売になるニューシングルのジャケ写の撮影を終えた月村さんが、俺に声をかけてきた。
月村さんから誘われるのは、かなり久しぶりな気がする。
「最近自分でラーメンを作るのにハマっていて、ようやく納得のできるクオリティに仕上がったんです」
「いよいよその領域まで辿り着いたんですね」
「私、歌もラーメンも手を抜きたくないんです」
「ははは、いい心がけですね」
笑ってから、俺は驚いた。この二ヶ月、俺はこうして笑った記憶がないことに気が付いたからだ。
俺は一体、彼女にどんな表情を向けていたのだろう。
dice1d3=3 (3)
1.「遠慮しておきます」
2.「お邪魔させていただきます」
3.「他に誰か誘わないんですか?」
- 14二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 13:42:24
P「他には誰か誘わないんですか?」
手毬「……どうしてですか」
P「いえ、せっかくならみんなと食べた方が楽しいかなと思いまして」
手毬「……プロデューサーに味見をしてもらってから、高評価ならみんなにも振る舞います」
P「はは、なるほど。では、ご相伴に預かります」
手毬「最初から素直にそう言えばいいんですよ」 - 15二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 13:48:45
- 16二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 14:02:43
よりにもよって手毬ダイスか...
- 17二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 14:06:18
そうか、手毬になる可能性を全然考慮してなかった。
dice1d2=2 (2)
1.そのまま
2.重複扱い(千奈)
- 18二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 14:13:38
手毬だったらある意味綺麗だった
- 19二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 15:06:24
夜 手毬の部屋
手毬「何か飲みますか?」
P「ああ、いえ。ペットボトルのお茶を持ってきたんです」
手毬「……そうですか」
手毬「どうぞ、できました」
P「おいしそうですね。いただきます」
ピロリン
手毬「スマホ、鳴りましたよ」
P「すみません、食事前なのに」
手毬「いえ。急ぎのようだと困るので、先に確認してください」
P「ありがとうございます」
手毬「誰からだったんですか?」
P「倉本さんです」
手毬「……関わり、あったんですね」
P「ええ、まあ、すこし」
手毬「濁すようなことなんですか?」
P「そういうわけでは。ただ……ええと、例の事件が関わっているので、せっかくの夕飯時にするのもどうかと思っただけです」
手毬「……」
手毬「そうですか」 - 20二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 15:40:48
──Side千奈
「相談、ですの?」
夜、香名江に髪を梳(と)いてもらっていると、ブーと短いバイブ音が鳴りました。
月村さんからメッセージなんて、初めてではないでしょうか。
少し相談したいことがある。明日、時間もらえる?
月村さんらしい、素っ気ないメッセージ。実際にお話すると、すごく優しくて温かいお方なんですれど。
断る理由もなかったわたくしは、是非にとお返事を送りました。
「〜♪」
「ご機嫌ですね」
「もちろんですわ!」
急に決まったお茶会に、わたくしの胸はトレモロを奏でるように高鳴ります。
お茶菓子は何がいいでしょうか。
- 21二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 17:58:15
千奈ちゃん…いい子……
トレモロって何……? - 22二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 18:09:15
意外とあっけないものなんですのね、最期というものは。
藤田さんも、星南お姉さまも、麻央先輩も、葛城さんも、こうやってその灯火を消されたのでしょうか。
昔、『最後まで残っている感覚は聴覚だ』と本で読んだことがありましたけど、本当でしたのね。
もうとっくに痛みも何もありませんけど、はっきりと聞こえておりますわ。
この音は、わたくしのどこを喰(は)む音なのでしょう。
「──。──……」
……謝るくらいなら、最初からなさらなければ良いのに──。 - 23二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 18:11:06
は……?ちょっと待っては?
- 24二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 18:11:27
トレモロは音楽用語です。
一定のリズムで二つの音を交互に演奏したり、あるいは同じ音を連続で演奏することを指します。
ニュアンスとしては、心臓が早鐘を打つ、という表現が近いでしょうか。
胸がドッドッドッと高鳴る様をイメージして書きました。
- 25二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 18:36:08
このレスは削除されています
- 26二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 18:37:09
- 27二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 20:16:12
夢だ。
これは夢に違いない。
地面にうずくまるように泣き叫ぶ佑芽さんを見下ろしながら、俺はただひたすらに頭の中で声をあげた。
夢だ、夢だ。醒めろ、醒めろ。
瞼を固く絞る。暗闇がチカチカ光って、ただそれだけ。
現実は何も変わらなかった。
一晩のうちに、倉本さんと咲季さんが、消息を絶った。 - 28二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 20:23:26
「うああああああああああああああ!!!!」
泣き声? 叫び声? 俺には分からなかった。
ぼろぼろと大粒の涙と、悲痛に塗(まみ)れた声をあげる彼女をみて、俺は少しだけ羨ましいと思った。
俺はあの日から、涙さえ出ない。
今俺の目の前にいる彼女は、大切な友達と、最愛の姉を同時に失った。その心境は、想像することさえできない。俺の考えうるどんな苦痛でも、きっと彼女が今感じているそれとは、比較にすらならないだろうから。
咲季さんは何度も俺に話してくれた。彼女の話を聞くたびに、俺の中での彼女の存在は、日増しに大きくなっていた。
その彼女が今、全てを失ったように地面に這いつくばっている。
彼女の心の亡骸(なきがら)を、俺は抱きしめてやりたかった。
俺は代わりに──その器を、そっと後ろから包み込んだ。
「プロデューサー、さん……」
「俺がいます。あなたには、俺が」
「お姉ちゃんが……。あたしの、お姉ちゃんがっ……!」
「それでも、俺が……。俺がいます」
「うっ….うぇっ……うえええええええん!」
彼女は俺の胸に縋るように泣いた。
俺は、彼女に縋った。
本当に亡骸になっていたのは俺の方だった。からっぽの容器に、輪郭のぼやけた情愛だけを詰めて。その矛先を、彼女に向けた。
俺は、花海佑芽に、恋をすることにした。 - 29二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 20:25:13
- 30二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 20:25:45
助けて金木君
- 31二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 20:26:48
このレスは削除されています
- 32二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 20:29:55
- 33二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 20:41:40
狙ったかのようにPと関わった人物がターゲットになっていく……
- 34二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 21:02:11
これ他者目線からだと学Pが何かしてるように見えるよな…
- 35二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 22:50:30
例えば大木が洞(うろ)のところから折れるように、どんなに頑丈に見えても中身が空っぽだと簡単に折れてしまう。
あの日俺の心は折れかけていた。一種の防衛本能のように、寄りべとして彼女に愛を抱いたのだと、今ならわかる。
俺は彼女に心を求めた。彼女は俺に、それを与えた。
耳元で愛を囁いた。あなたしかいないと泣いた。離さないでと願った。
俺の心は、柔らかい欺瞞(ぎまん)で満たされていった。
彼女は俺に身体を求めた。つながりを欲しがった。俺は彼女に、それを与えた。
唇を結んだ。舌を絡めた。彼女は自らの最も深いところに、何度も俺を迎え入れた。
彼女の身体を、俺の身体で何度も満たした。
俺たちは幸せだった。周りの人をどれだけ失っても、彼女さえいればいいと、心から思った。
ある日の朝。
俺の隣から、彼女のぬくもりが消えた。 - 36二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 22:52:59
おいたわしや学p
- 37二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:04:08
一体どうやってみんなを次々と……と思ったけれども、なんだかんだ言って手毬ってこの子たちと良い関係築けていたもんな……逆に初手で警戒するほうがおかしいのか
- 38二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:14:14
- 39二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:15:37
dice1d2=1 (1)
1.そのまま
2.+1
- 40二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:16:10
最初の3分の2がネタに走れそうなダイスからどうしてこんなことに…
- 41二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:22:05
終わ…るのか……?
- 42二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:25:18
ものすごくきっちり学Pの心を追ってから仕留めるダイス
- 43二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:30:31
セミたちは夜中でも歌うことをやめない。
もう歌えなくなってしまったあたしには、それがとても羨ましく思えた。
「…………あたたかい」
数時間前まで、あたしのナカに感じていたあの人の体温を思い出して、ぎゅうとお腹が収縮するのを感じる。
力いっぱいあたしを抱きしめた腕の痕が、一生消えなければいいのに。痣となって、刻み込まれればいいのに。
お姉ちゃんと千奈ちゃんがいなくなった――あたしとPさんが恋人になったあの日から、今日でちょうど二週間。その間、清夏ちゃんがいなくなった。莉波先輩がいなくなった。美鈴ちゃんがいなくなった。広ちゃんが――。
「――っ、……う、ううっ……」
少しづつ。少しづつ近づいてきているのが分かった。
美鈴ちゃんがいなくなったとき、次は広ちゃんだと確信した。あたしじゃなくて、広ちゃんだと。
今日の朝、広ちゃんが”失踪”したとPさんに聞いたとき、やっとあたしの番が来たって、そう思った。
「……佑芽。こんなところでなにしてるの」
お迎えが来た。
最期にもう一度、キスしてもらえばよかったな。
「……手毬ちゃんが呼んだくせに、何言ってるのさ」
「…………そうだったね」 - 44二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:30:39
いよいよ手毬の凶行が終わるのか?
- 45二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:32:53
吐き気が止まらない。頭が痛い、目が回る。今俺は何をしている? 確かに走っている。体は走る動きをとっている。本当に進んでる? わからない。喉が痛い。口の中に血の味が広がる。佑芽は? 佑芽はどこに行った?
佑芽、佑芽、佑芽――。 - 46二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:40:33
「どうしてわかったの?」
「わかるよ。だって手毬ちゃんから、みんなのにおい、してくるんだもん」
「……お風呂には入ってるけど」
「じゃあ、歯は磨いてる?」
「み、磨いてるにきまってるでしょ!」
「それでもわかるよ。気持ち悪くなって吐き気がしちゃうくらい、手毬ちゃんからは隠しきれないくらいににおいがするんだよ。美鈴ちゃんの、千奈ちゃんの、広ちゃんの――お姉ちゃんの」
「……それでも、ここにきたんだね」
「あたしが来なかったら、手毬ちゃんが来るんでしょ? あたしたちのところへ」
「……」
「あたしが”失踪”したら、手毬ちゃんはどうするの? あの人――Pさんを、どうするの?」
「……わからない。でも、あの人を失いたくないと、私は思ってる」
「そっか。……うん、それならいいんだ」
「……え?」
「最期に、一番大切な人だけは、守れたって思えるから」
「――――――っ!?」 - 47二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:51:18
初めての感覚だった。
体の中に、異物が入ってくる。
人の身体って不思議だ。痛くてそれ以外の感覚なんて感じる余裕もないのに、見なくてもわかる。
それは尖っていて、冷たくて、それを私に刺したのは――――――。
「プロデュー、サー……。なんで……」
おかしいな。体にささったのは冷たいモノだったはずなのに、熱い、熱い、熱い……。熱いよ、プロデューサー……。
「佑芽!」
「Pさん!?」
「どこも痛くないか!? 何もされてないか!? お前は佑芽だよな? 俺の、俺の佑芽だよな!?」
「い、いま痛いです、抱きしめられて……。う、佑芽ですよ。花海佑芽。だから、ちょっと離してください……いてててて」
目の前が赤くなる。口いっぱいに、錆び臭い味が広がった。
死ぬ間際、最期まで残っているのは聴覚だ。
今までのみんな、私に食べられる音を聞きながら息絶えていったのだろう。
でもそれって幸せなことだよ。今の私に比べたら。
は、はは……。好きだって。愛してるだって。
たった一度でも、その言葉を私にかけてくれてたら、なんて。
「……ぁっ、がっ……」
声が出ない。口がちゃんと開いてるのかもわかんないや。
ああ……もう終わりなんだね、プロデューサー。
私、まだ話せていないことばかりあるんだよ。聞いてくれるかな、きこえてるかな。
あのね――――。
――――――――――――――――――――――……・・・。 - 48二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:52:25
dice1d2=2 (2)
1.ずっと一緒に……
2.最期は二人で……
- 49二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:58:30
連続失踪事件は八月の頭に終わりを迎えた。
一人の少女が腹部を刺された状態で発見されたが、既に事切れた後だった。
警察は彼女のプロデューサーを第一容疑者に据えて、殺人事件として捜査を開始した。
そのたった半日後のことだった。
一組の男女が、裸で抱き合うような格好の遺体となって発見された。
完
- 50二次元好きの匿名さん25/06/14(土) 23:59:43
そして誰もいなくなった…
- 51二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:00:14
普通にバットエンドで草も生えない。映画の撮影とかであってくれ
- 52二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:00:52
あぁそうか…
佑芽も学Pも精神的にもう限界だったのかな… - 53二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:01:47
なんでこうなった……。
あそこでグーグルをひいて、
「おっけーてまりん! NIAでかつためには?」
「え? トンカツ?」
みたいなことを2レスくらいやって終わるつもりだったのに、思いのほか興が乗ったので頑張って書ききりました。
というわけで、今日立てるつもりだった
手毬「エゴサーチ……?」
は明日に延期します。
それでは、全国の手毬Pに幸多からんことを。 - 54二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:02:45
いやスレ主お前かよォ!?!?
- 55二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:03:11
とにかくお疲れ様でした…
とんでもない短編SSだった……
もっとグールな手毬の内情とか苦悩とか書かれると思ってたらポンポン食べられてヒェッってなってました - 56二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:04:06
あぁ、炎上スレの人だったのか
……こんなドシリアスハイパー鬱な読み物書けたことが驚きすぎる - 57二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:04:52
お疲れ様さまでしたー
やっぱ手毬のシリアスSSからしか得られないものがある
めっちゃ好きでしたありがとうございます - 58二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:06:48
今日立たねえなあとか思ったらどえらい展開になってて草
幅が広いな乙 - 59二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:09:44
トンチキおふざけスレしか書かないと思っとった…
絶望感の煽り方が上手すぎる、鬱になりながら読ませていただきましたよ… - 60二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:11:32
ネタスレがガチの閲注スレに変貌してら
- 61二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:12:21
- 62二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:13:03
鬱スレとかシリアススレも定期的に挙げて欲しいぐらいめっちゃ好きでした
ありがとうございました - 63二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:13:14
手毬が美鈴喰ったシーンとかどうなるんだ
- 64二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:14:37
ちなみに元ネタのグール(東京喰種では無い方)は死体とか腐肉を好んで食す犬っぽい怪物らしい
犬っぽい…ねぇ… - 65二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:14:41
この題材でもっかい🎲スレ立てて欲しいくらい面白かった
- 66二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:21:02
あの漫画だと喰種になったら普通の食べ物食べられなくて吐き出しちゃうらしいから手毬…相当辛かったろうな……
- 67二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:30:49
- 68二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:37:00
- 69二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:49:23
- 70二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 00:52:53
佑芽Pなのにあんなに手毬の炎上スレ面白いんか
- 71二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 01:00:57
このスレ以上の曇らせには早々ならんやろ(フラグ)
- 72二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 01:15:24
そこにサラダ食べてる手毬と千奈が居ましてね…
- 73二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 01:29:27
スレ主お疲れ様でした
なんでこう手毬が関わると炎上か地獄かになるんすかね(遠い目) - 74二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 01:37:46
ええ、、、炎上シリーズの人だったのかよ
温度差で風邪ひくわ