- 1◆VLlUGaOg9c25/06/15(日) 20:36:21
- 2◆VLlUGaOg9c25/06/15(日) 20:38:09
代理モブ「こちらが前スレになります」
神輿は軽くてバカが良い編 第十三章 アトラシハース突入編|あにまん掲示板前スレまでのあらすじ遂に空へと飛び立ったウトナピシュティムの本船。目標であるアトラ・シハースの箱船の「多次元のバリア」を打ち破るべく、勇者アリスの光の剣が放たれたのだった。bbs.animanch.com代理モブB「思えば、遠いところまで来ましたね・・・いや、本当に」
代理モブC「このスレシリーズの物語は一体どうなるのか・・・・・・それは未来の1とみなさんだけが知っています」
- 3二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 20:41:02
たておつ
14章ですからねぇ - 4二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 20:45:00
たておつです
- 5◆VLlUGaOg9c25/06/15(日) 20:46:01
前スレ>>194
ヒナ「・・・」
ナレーション
ヒナは戦場を俯瞰しながら、どうするべきか考える。
殲滅するだけなら・・・出来る。この世に無限という言葉はあっても、本当の無限などありはしないのだ。
このメンバーなら、この程度の敵は幾らでも殲滅出来る。弾が切れても、拳で殴り潰せるだろう。
けれど、それは時間を考えずに、殲滅だけを目的にすればの話だ。
今のヒナたちの目的は一刻も早い状況の解決。その為に、1秒でも早く最西端へと到達すること。しかし・・・
ヒナ(ネルの武器は殲滅向きじゃ無い。アリスは撃つ度に1度止まらないと反動を抑えられない)
ナレーション
間に合わない。このままの侵攻速度では遅すぎる。
勿論、ヒフミが操るクルセイダーに期待して前線維持に注力するというのも1つの手だが・・・・・・
ヒナ(幾ら巡航戦車でも、真正面の敵を轢き潰しながら走れるわけじゃない筈・・・)
ナレーション
策が必要だ。この際、贅沢は言ってられない。無理でも、無茶でも、何でも良い。状況を好転させる1手を・・・。
ズダダッ!ズダダッ!(銃撃音)
ネル「おい!突っ立ってねぇで、お前も戦え!」
ヒナ「・・・・ええ、そうね。でも、その前に2人とも聞いてくれるかしら?
1つだけ、作戦とも呼べないような無茶だけど、状況を変える方法を思いついたの」
- 6二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 21:01:45
たておつ
数に負けてたんだよな - 7二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 21:09:33
策在りか
- 8◆VLlUGaOg9c25/06/15(日) 21:18:06
ネル「・・・お前それ、本気で言ってんのか?」
ヒナ「無理の1つもせずにいられる状況じゃないでしょう?それで、出来るかしら?アリス」
ナレーション
ヒナ自身の言う通り、ヒナの考えた策は「無茶」と呼ぶのに相応しいもの。
それは、その内容を聞いたネルが「マジで言ってんのか、コイツ?」と眉を顰めるほどのモノだった。
その中核を担う、勇者アリスも流石に不安な表情を隠しきれず・・・・・・
アリス「おお!特別クエストですね!アリス、頑張ります!」
ナレーション
・・・何てこともなく、満面の笑みで承諾した。この勇者、ノリノリである。
ネル「お前・・・分かってんのか?私が言うのも何だが、正気の沙汰じゃねぇぞ?
『光の剣の反動をわざと抑えずに推進ロケット代わりに使う』なんてよ」
アリス「ですが、ヒナ先輩の言う通りです。このままではタイムオーバーになってしまいます!」
ネル「そりゃあ、そうだけどよ・・・」
ナレーション
一見するとヤンキーのような言動と目付きの悪さをしたネルだが、彼女もミレニアムの学生だ。
安全装置が無い危険性は良く理解している。主にブレーキの足りない学友たちの所為で。
・・・兎も角、ネルはアリスが心配なのだ。
ネル「・・・わーったよ!そこまで言うなら、しっかりやれよ!」
アリス「もちろんです!チビメイド先輩は大船に乗った気持ちでいて下さい!」
- 9二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 22:14:38
たておつ
- 10二次元好きの匿名さん25/06/15(日) 22:50:13
たておつ
無茶苦茶すぎる - 11二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 06:08:02
それが出来たら確かに早いが…
- 12二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 11:52:38
光の剣が魔女の箒になるのか
- 13二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 19:27:50
大船眩しいなぁ
- 14◆VLlUGaOg9c25/06/16(月) 22:54:34
>8
ネル「・・・!だから、それ止めろって言ってんだろうが」
アリス「ち、チビメイド先輩?どうしましたか?具合でも悪いんですか・・・?」
ネル「だから、やめろって・・・・・・・・。すまねぇな、身内の恥さらして」
ヒナ「・・・別に、気にしないで良いわ。元気があっていいじゃない」
ナレーション
何時も通りではあるが、罵倒染みた失礼な呼び名に青筋を浮かべながらネルは静かに拳を落とした。
3年生として、他校生の前で余り取り乱した姿を見せるのは良くない。そのぐらいの分別はついていた。
・・・アリスは初めての反応に驚いて、逆に何時もよりも動揺していたが。
ユウカ(通信)『そう言って貰えると助かるわ。・・・・・・ゲーム開発部にマナー講座とか受けさせた方が良いのかしら?』
アコ(通信)『いや、そんなこと私に聞かれても・・・・・?』
ネル「アタシが言うのも何だが、そんな世間話やってる場合かよ。やるんなら早くやらねぇと、時間が・・・」
ナレーション
と、いい加減雑談が長くなってきたのでネルが話題の修正に入ろうとした。その時、彼女はやって来た。
キュラララーーッ!(走行音)
ヒナ「どうやら、結果的に良い時間潰しになったみたいね」
ナレーション
恐れ、讃えよ。エンジン音をかき鳴らし、敵地を駆け巡る鋼鉄の聖騎士(クルセイダー)を。
最高速の更に先を征きながら、、踊るように敵の隙間を道とするステップの如きドリフト、異次元の操縦術を。
- 15二次元好きの匿名さん25/06/16(月) 22:54:40
意外と上手くいきそうだけど、どうなるか…
- 16二次元好きの匿名さん25/06/17(火) 06:42:40
来たぜクルセイダー
- 17二次元好きの匿名さん25/06/17(火) 16:27:04
保守
- 18◆VLlUGaOg9c25/06/17(火) 22:44:40
ナレーション
幾ら光の剣が大きく、3人が小柄な生徒だとしても、流石に全員がしがみついて飛ぶのは面積的にも無理あった。
そこに上手いこと合流してくれたのがヒフミである。クルセイダー戦車ならば、4人が乗るスペースもバッチリだ。
台本は出来た、役者も揃った。ならば、後は始めるだけ。
ヒフミ「ほ、本当に大丈夫なんでしょうか?この子、学園からお借りしてるレンタル品なんですが・・・・・・」
ネル「ハッ!この期に及んで、戦車の心配が出来るなら上等だ。安心しろ、ミレニアムの技術で直してやっから」
アコ(通信)『そういうことでしたら、私たちゲヘナ学園の技術者を紹介しましょう。
何しろ、物が壊れるなんてしょっちゅうですからね。こと修理となればミレニアムにも負けませんよ』
ヒフミ「本当ですか!?」
ナレーション
軽く雑談をしながらクルセイダーを操り、発射のその時まで敵をやり過ごすヒフミ。彼女の真上では、
クルセイダー砲塔の裏に陣取った光の剣を構えるアリスを、ネルが支え、ヒナが腕と両翼で包む。
丁度、某ハンター漫画のドッチボール編のような合体体制で、射撃準備に入っていた。
ユウカ(通信)『射撃角度、計算できました!データを送信します!』
ネル「だってよ。いよいよだぜ、アリス。準備は良いか?」
ヒナ「衝撃は私とネルで抑える。貴女は安心して砲撃に集中して」
ナレーション
どんなに強気なことを言っても、全ての不安を振り払えるわけではない。ヒフミも、ヒナも、ネルも怖いのだ。
しかし、それでも少女たちは疑わず、恐れながらも信じることを選んだ。この、小さな見習い勇者に全てを託した。
アリス「・・・貫け、バランス崩壊!光よ!!!
- 19二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 06:46:19
姿勢で草
- 20二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 12:37:48
H×H…
- 21二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 21:21:32
やったか?!
- 22◆VLlUGaOg9c25/06/18(水) 22:45:54
ナレーション
光の剣が振るわれた。瞬間、世界が消えた。
音は聞く前に置き去りに、景色は見る前に移り変わり、頭が考える前に前に進む。
ー―――光だ。まるで空に駆ける流星のように、少女たちは光となって空を駆けた。
複製「・・・・・・」
無名の守護者「・・・・」
ジュガァァァァァァンー――――――ッ!!(遅れてやって来た衝突音)
ナレーション
また新たな敵が立ちはだかるが、もはや光となった彼女たちの前では関係無い。
摩擦熱によって融解を始めたクルセイダーに轢き潰され、見るも無惨な姿へと変身した。
ユウカ(通信)『不味い、速過ぎる・・・!』
アコ(通信)『た、端末に衝突するまで後10秒・・・!?』
先生(通信)『ホシノたちに通信!早く!』
ナレーション
光の剣による飛行という奇策は、確かに、遅れを取り戻して有り余る侵攻速度を齎した。
――ーーそう、有り余るほどの速度。余りにも速過ぎる、周囲が合わせるのに手一杯なほどの急行軍だ。
それ故に、同時に端末を破壊しないといけないホシノたちには神懸かり的な「タイミング」が必要であり・・・・・・
アコ(通信)『0秒!』
ズガァァァァァァン―――――――――ッ!!!(衝突音)
ユウカ(通信)『アリスちゃん!』
ナレーション
・・・クルセイダーとともに空を飛ぶ、少女たちにも多大な負担が掛かるということだ。
- 23二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 04:30:52
思ってた以上にスピード出ちゃったか…
- 24二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 08:13:31
複製達は何見とんねん
ファンサ待ちか? - 25二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 12:39:20
空飛ぶクルセイダーか
ちょっとメルヘンを感じなくもない - 26◆VLlUGaOg9c25/06/19(木) 17:01:49
- 27二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 21:55:48
あれ待って、これクルセイダーの車内にいるヒフミが大変なことになるんじゃ?
- 28◆VLlUGaOg9c25/06/19(木) 23:20:47
ヒナ「・・・みんな、無事かしら?」
ナレーション
衝突から数秒ほど、瓦礫の中から最初に立ち上がったヒナだった。
大きな翼を上手く使って、味方を護ることに終始していた所為もあってか負傷しており、何時になくボロボロだ。
額からは血を流し、強打した部位を庇って引き摺っており、足取りもふらふらで痛々しい。
ネル「ああ、お陰でな」
アリス「く、クラクラします・・・頭をぶつけてしまいました」
ヒフミ「ゲホッ!ゲホッ!私は背中ですね・・・・・でも、まだ動けます」
ナレーション
しかし、そんなヒナの献身の甲斐あって、他の仲間たちは大した怪我もなく瓦礫から這い出ることが出来た。
アリスは発射の反動で頭をぶつけた、ギリギリまでクルセイダーの中に居たヒフミも衝撃で身体をぶつけたが、
やった無茶を考えればほぼ無傷と言って良いほどの軽傷だ。事実、彼女たちの足取りはしっかりしている。
ヒナ「そう・・・なら良かったわ」
ネル「っつーか、無事じゃねえのは、お前だろうが!」
アリス「アリスがおんぶします!パーティーメンバー同士、助け合いです!」
ヒナ「・・・・・・そうね、お願いしようかしら」
ナレーション
実のところ、ヒナにはまだ銃を振って戦うだけの余力が残っていた。とはいえ、満身創痍なのも事実。
久しく忘れていた重症の痛みを無理に引き摺るより、身を預けた方がいい。
そう思えるだけの信用を、ヒナたちは今回の共闘で築き上げていた。
- 29◆VLlUGaOg9c25/06/19(木) 23:24:47
- 30二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 06:41:51
二つの意味でつっよい
- 31二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 12:29:10
さすヒナ
- 32二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 21:31:07
ネルの強引さが頼もしい
アリスの素直さが染みる - 33二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 23:00:01
何とか作戦成功して良かったね
- 34◆VLlUGaOg9c25/06/21(土) 00:06:36
ナレーション
最東端と最西端の端末が破壊されたことで、最下層のロックも解除される。
最下層に到達していたフウカたちの眼前で開かれた扉、その向こう側には巨大な機械があらわれる。
何本ものコードに繋がれたそれは山の如く、ゴォォォッ!と不気味な駆動音を吐き続ける。機構の怪物であった。
後はこれ壊せば・・・っ!?
ナレーション
フウカの車から身を乗り出したまま、カナは銃口を向けた。
・・・が、その引き金が動くよりも早く、カナは身体を翻した。
"カナ?"
先生、さが・・・いや、離れないで欲しい。フウカ先生もだ。
ナレーション
静かな、しかし、真剣な色をしたカナの言葉に3人は身体を強ばらせる。
と、ほぼ同時に、辿ってきた道の向こうから、カツンッカツンッと革靴を鳴らす音が近づいてくる。
それで全てを察したミカは車を飛び降りて、カナよりも1歩前に出た。
ミカ*テラー「・・・あれ?なんで、もう構えてるのかな?ちょっと気が早すぎない?」
ナレーション
決戦が、始まろうとしていた。
- 35二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 07:58:59
リベンジマッチだ
- 36二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 12:03:45
大丈夫かな、素だと押し負けそうだ
- 37二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 18:54:19
ミカとカナのコンビでどこまでやれるか…
- 38◆VLlUGaOg9c25/06/22(日) 01:03:35
"2人とも、気をつけて。今までの襲撃とは違うみたいだ"
ミカ「うん。後ろの仮面さんは初めて会うね」
ナレーション
ミカ*テラーの後に続いて、カナたちも初めて見る相手が姿を現わす。
その大人は、まるで姫君に付き従う従者のように、或いは、子どもの頑張りを見守る保護者のように振る舞い、
暗幕の如き漆黒のマントを静かに揺らしながら、仮面越しにジッとカナたちを見つめていた。
・・・2人?いや、でも、この感覚は・・・光学迷彩、でもないか・・・?
ナレーション
先生に対しては初対面の時はベアトリーチェに拷問されてボロボロ、それ以降も恩人として信頼を寄せていた。
何より、アトラ・シハースの箱舟という特異な状況かつ相手に意識を傾けなければ、流石のカナも気づけない。
だから今、初めてカナは彼女たちの存在を・・・ほんの薄らとではあるが、感じ取れた。
A.R.O.N.A「・・・驚愕。「状態の共存」を維持している「アトラ・シハースの箱舟」の内部とはいえ、
実体化していない私の存在に気が付いた・・・?」
ナレーション
カナに見破られた?ことで、もう1人、カナたちの前に少女が現われる。
本来ならば世界に降り立つことが叶わない、黒きの電子の少女が。
- 39二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 01:09:59
超限定的な状況であれどうっすらA.R.O.N.Aの存在に気付いた…!?
カナちゃんヤバい、ヤバくない? - 40二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 09:46:00
気付けるものなのか…
- 41二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 09:53:44
どうなるかな…
- 42二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 17:11:05
保守
- 43◆VLlUGaOg9c25/06/22(日) 22:33:13
代理モブ「ええ、今回のA.R.O.N.Aに気づけるのヤバくない?問題ですが、普通にヤバいです。
ただ、これまでのスレで積み上げてきた実績から考えると出来ても可笑しくないかな・・・・・・?と」
代理モブB「過去スレを軽くですが確認したところ、カナの異能染みた空間把握能力のとして、
区画が変動するエリドゥの攻略、ホバリング音も聞こえない空高くのヘリに気づく、
エデン条約調印式で誰より早くゲヘナの飛行船に気づく、
虚妄のサンクトゥム出現前にアトラ・シハースの箱舟の存在を薄ら感知、等があります」
代理モブC「特に虚妄のサンクトゥム出現前にアトラ・シハースの箱舟に気づいてたのがデカいですね。
それが出来るのなら、A.R.O.N.Aも「全てが存在する空間」でなら気づけるのでは?と・・・」
代理モブA「多分、アビドスに行ったら地下生活おじさんの引きこもり部屋も見つけられると思います。
そこに何があるかは分からなくても「あそこだけ何かおかしい」ぐらいには気づけるかと」
- 44二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 06:34:03
なるほどなぁ
- 45二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 12:34:59
直感Aってやつか
- 46二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 18:47:38
なんとなくそんな気はしてたけど
黒幕殺しだなぁ - 47二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 23:08:49
このレスは削除されています
- 48◆VLlUGaOg9c25/06/23(月) 23:22:07
フウカ「女の子が増えた・・・!?」
ミカ「・・・相手に私が居るんだから、他に誰が居ても不思議じゃない。・・・カナちゃん、何か心当たりあるんでしょ?」
ナレーション
仮面の大人も、白黒の少女も、見覚えのない相手。
てっきり別世界の自分と一緒に現われるなら、自分と繋がりが深い誰かだと思っていただけに、ミカは意外だった。
唯一、未だ何か引っかかるようで首を傾げていたカナに聞いてみるが、顔を覆うバイザーで表情が読めない。
敵か味方か・・・で言えば先ず間違いなく敵なのだが、どういう相手なのか分かるなら知りたかった。
・・・いや、初めて会う相手。の、筈なんだが・・・・・・先生から似たような気配がするような・・・微妙に違うような・・・?
"私から?それじゃあ、あの子は・・・・・・アロナ?
A.R.O.N.A「一部肯定。この「シッテムの箱」に常駐しているシステム管理者であり、メインOSのA.R.O.N.Aです」
リン(通信)『シッテムの箱のOS!?それを使えるのは1人だけの筈・・・・・・!』
ナレーション
A.R.O.N.A。そう名乗った彼女は、自らを「シッテムの箱の管理者であり、メインOSである」と称した。
それが本当であれば、つまり、相手はシッテムの箱を使用出来るということ。その権限を有しているということ。
そこまで分かれば、もはや最後の1人も答えが出たようなものだ。
A.R.O.N.A「私はあくまで「シッテムの箱」の所有者である先生を助け、サポートするだけの存在。
―――先生、ご命令を」
仮面の大人「――("シッテムの箱を取り出す")」
- 49二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 07:51:17
まぁ、そうなるよなぁ
- 50二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 10:30:03
さぁ始まるぞ…
- 51二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 15:41:41
決戦だ
- 52◆VLlUGaOg9c25/06/24(火) 23:06:38
”もう1人のわた「戦闘態勢!急いでくれ!」――――っ!!"
ナレーション
もう1人の先生。その存在に対する驚愕から一瞬思考が止まりかけるのを、カナの号令が阻止した。
考えていられる場合じゃない。今は目の前のことに集中しないと、抗う間もなく終ってしまう。
その危機感に突き動かされて、先生とシッテムの箱の少女は大急ぎで戦いの準備に入った。
ドォォォォンッ!!(衝撃音)
ミカ*テラー「・・・へぇ~?とぼけてた割にはちゃんと避けたんだ。凄いね」
ミカ「っ!・・・貴女に褒められたって、嬉しくないじゃんね!!」
"あ、ありがとう。ミカ"
フウカ先生、無事か?
フウカ「ええ、ありがとう」
ナレーション
だが、1手遅い。先生がシッテムの箱を操作するよりも早く、ミカ*テラーは弾丸のように跳ぶ。
幸いにして間一髪のところでミカが先生を、カナがフウカを庇うことで事なきを得た。
・・・だが、それは逆を言えば、緊急の回避行動で体勢を崩し、初動で遅れたということでもある。
ミカ*テラー「・・・で、次は?」
ズガガガッ!(銃撃音)
キィンキィンッ!(弾く音)
・・・っ!先生、フウカ、絶対に前に出るな!絶対だ!
ナレーション
ミカ*テラーの銃撃を、カナは装備のブレードで何とか弾き防ぐ。が、こんなモノは単なる牽制だ。
実際、片手間にカナへ銃を撃ちながら、ミカ*テラーの身体と視線はミカの方を向いている。
・・・要するにカナを舐めてるのだ。自分の敵になれるような相手は、もう1人の自分しかいないと・・・・・・。 - 53二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 06:50:11
うわつよい
- 54二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 12:23:45
強いし早い
怖い - 55二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 18:54:49
フウカのこと呼び捨てにしちゃってる辺りカナも余裕が無いか
- 56◆VLlUGaOg9c25/06/25(水) 23:27:46
ズガァァンッ!ドゴォォンッ!ズガァァンッ!(打撃音)
ミカ*テラー「あはは!流石に「私」は丈夫だねっ!」
ミカ「そい言うそっちは、舐めすぎじゃんねっ!」
ナレーション
殴る、殴る、殴る。まるでボクシングかのように拳と拳でぶつかり合う乱打戦。
まるで嵐のようだ。叩きつける暴風とつんざく轟音の中心で、2人の少女だけが拳を振い合っている。
ミカ*テラー「あれ?もしかして、殴り過ぎちゃった?」
ナレーション
見下すようにミカ*テラーは嗤う。事実、ミカ*テラーの方からは余裕すら感じられた。
ミカ*テラーが器用に翼と片腕を操るのに対して、ミカは軋む血塗れの身体を振り回すノーガード戦法。
にも拘わらず、ミカ*テラーにはまだ1度も拳が直撃していない。全て弾かれるか、逸らされるかだ。
ミカ「・・・ああ、そっか。貴女には分からないか」
ガァァン(ブレードの音)
ミカ*テラー「やば、逸らされ・・・!」
ミカ「襲いよ」
ドォォォォ―――ンッ!!(衝撃音)
ナレーション
何時の間にか銃撃を潜り抜け、気配を隠していたカナのブレードが差し込まれたことで攻撃がズレる。
その隙間を縫ったミカの拳が、初めてミカ*テラーへと突き刺さった。
- 57◆VLlUGaOg9c25/06/26(木) 08:34:32
- 58二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 12:32:12
翼の疑似腕が万能すぎるな
カナンギャルドも歯が立たぬ - 59二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 19:16:04
どう攻略するのか…
- 60◆VLlUGaOg9c25/06/26(木) 22:54:58
ミカ*テラー「へ、ぇ・・・?」
ナレーション
流石のミカ*テラーももう1人の「自身」の拳は効いたのか?初めて、ダメージを受けたかのように食いしばった。
が、それでもミカ*テラーの表情は苦悶ではなく、張り付けたような不気味な笑みを浮かべて、
そのまま突き出されたミカの腕を掴んだ。
ドゴォォォンッ!(打撃音)
ナレーション
かと思えば、次の瞬間にはもうミカは地面を這いつくばっていた。
ただ掴んだ腕を強引に振って叩きつけただけ。たったそれだけだが、速さと威力は本物だ。抵抗も難しい。
ミカ*テラー「あはは★うん、ちゃんと効いたよ。痛かった。・・・で?それがどうかしたのかなっ!?」
ドゴォォォンッ!ドゴォォォンッ!ドゴォォォンッ!(打撃音)
ナレーション
まるでシェイクでも作るかのように、ミカは再び持ち上げられて、また叩きつけられた。
もう1人の自分と呼べる相手に一切の容赦もなく、むしろ鬱憤を晴らすかのような大暴れ。
・・・それは或いは、何で?どうして?と癇癪を起こした子どもにも似ていた。
ナレーション
当然、ミカを救おうとカナは動いた。
自らの隠遁術とアヴァンギャルド・サニーの光学迷彩を組み合わせて、息を潜めて銃口を突きつける。
ミカ*テラー「・・・で、「私」をこうしたら君も来るよねッ!?」
やば・・・っ!?
ナレーション
が、今回ばかりはミカ*テラーが上手かった。
- 61二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 06:51:19
完全に手のひらの上だ
- 62二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 13:57:31
いやつっっよ
経験値で負けてるのか - 63◆VLlUGaOg9c25/06/27(金) 19:38:31
- 64二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 22:49:07
色彩って怖いなぁ
- 65二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 08:18:32
そうか隕石もあるんだった
- 66二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 15:37:19
保守
- 67二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 22:25:10
相手するメンバーも違うけど
パワーで言えばクロコより上になってそう - 68◆VLlUGaOg9c25/06/28(土) 23:26:52
ナレーション
カナの気配遮断は完璧だった。アヴァンギャルド・サニーの光学迷彩も使いこなしていた。
しかし、ミカ*テラーにとって何時来るかが分かれば、何処から来るのかは関係がない。
ヴォォンッ!!(風圧)
んがぁっ!?
ナレーション
隕石すら使う必要がない。ミカ*テラーの手の中には便利な武器(ミカ)がある。
ミカ*テラーが持つ利害の怪力を以てすれば、ただ振り回して、放り投げるだけで十分な脅威になる。
ガッ!(刺す音)ズザザザザーーーッ(後ずさり)
カナ「んぐぐぐぐぅ―――っ!ミカァ!」
ミカ「だい、じょうぶ。まだまだやれるよ!」
ナレーション
カナはとっさにミカを抱きとめ、片手でブレードを地面に突き刺して速度を殺す。
ただ、それでも生身で砲弾の直撃を受けたような衝撃は凄まじく、それなりの距離を吹き飛ばされた。
それはつまり、ミカ*テラーから離されたということであり……
ミカ*テラー「さて、それじゃあ…」
ミカ「やばっ!」
ナレーション
…先生とフウカに向かわないよう抑えられなくなったということでもある。
まるで遊びでもするように銃の形に指を作り、その先端にミカ*テラーは黒い靄を作る。
ミカ*テラー「ばーん★」
- 69◆VLlUGaOg9c25/06/28(土) 23:36:05
- 70二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 09:01:05
むしろクロコが強くなったのに手数も多すぎ説
- 71二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 12:55:56
やっぱパワーか
- 72二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 21:54:05
これ勝てるかなぁ
- 73◆VLlUGaOg9c25/06/29(日) 22:08:29
ナレーション
可愛らしい声とは裏腹に、無骨にして凶悪な隕石が靄から発射される。
当然、ミカもカナも対処に動くが、ミカ*テラーから引きはがされて距離が遠い。銃弾すら間に合わない。
フウカ「先生っ!」
ナレーション
だから、間に合うのは先生と一緒に後ろに下がらされていたフウカだけだ。
先生にはシッテムの箱があるとはいえ、フウカはキヴォトス人とはいえ、隕石の直撃は無事では済まないだろう。
それでもフウカは先生を庇った。自分よりも、指揮役として頼れる先生を守るべきだと…守りたいと思った。
ドゴォォォンッ!(衝撃音)
先生!フウカ!
“私は大丈夫!けど、フウカが…!”
ナレーション
轟音と衝撃、そして煙の中でフウカは先生に覆いかぶさるようにして倒れていた。
立派な角は片側が砕け、額から血を流し、頭上からは光輪《ヘイロー》の輝きが失われている。
そんなボロボロの生徒とは裏腹に庇われた先生は傷一つなく、それが先生に腹立たしいほどの無力感を与えていた。
ミカ*テラー「ありゃあ?先生の方を潰そうと思ったんだけど……ま、いっか」
ドォォンッ!!(打撃音)
ミカ「いいわけが無いじゃんね!」
ナレーション
フウカたちの元に駆けつけるカナ。そんな彼女たちを護るようにミカは拳を振るった。
- 74二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 06:53:21
痛々しい…
- 75二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 12:37:17
フウカ?!
- 76二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 20:48:08
手が足りない
- 77二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 20:50:15
逆転の布石はまだかよ!
- 78◆VLlUGaOg9c25/06/30(月) 22:48:30
代理モブ「驚くべき話をしましょう。スレ主はミカ*テラーの強さを盛り過ぎたと若干後悔しています」
ナレーション
ミカはトリニティでも有名なゲヘナ嫌だ。「角つき」と揶揄して、ゲヘナ生を蔑む姿が何度も目撃されている。
フウカのように目立つ角を持った、見た目に分かり易いゲヘナ生も当然蔑みの対象で、信頼なんかしていなかった。
ミカが信じていたのは先生とカナ。2人の顔を立てると思って、自身の立場のことも考えて我慢していただけだ。
ミカ「けど…っ!」
ナレーション
けれど、ミカは慈悲の人だ。切欠はどうあれ見ず知らずのアリウス生の為に身を粉に出来る子だ。
誰かの為に心を砕いて、誰かの苦しみに涙を流して、痛みに共感できる子だ。
ミカ「…ちょっと、怒ったかな…っ!?」
ナレーション
そんなミカが、フウカの献身に何も思わない訳も無く……
ミカ*テラー「…はっ?」
ドォォォォンッ!!(打撃音)
ミカ*テラー「がぁっ!?」
ナレーション
…極めて近しい存在であるミカが…もう一人の自分がゲヘナの為に起こったことにミカ*テラーが呆けるのも、
呆けて動きを止めたミカ*テラーに怒りの拳が突き刺さるのも当然だった。
- 79二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 06:13:56
これはクリーンヒットしたろ
- 80二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 12:28:58
そっか、向こうだと…
- 81二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 20:39:17
保守
- 82◆VLlUGaOg9c25/07/01(火) 21:58:33
ナレーション
二度目の直撃。それも無防備なところを打たれたとあっては、流石のミカ*テラーも無傷ではいられない。
けれど、身体の傷は問題ではない。単純な算数の話、ミカが二発当てるまでにミカ*テラーは何十発当てている。
これまでの貯蓄があるから、ダメージレースではミカ*テラーがまだ圧勝している。……肉体は。
ミカ*テラー「なん…だって…そいつは…」
ドォォンッ!ドォォンッ!バァァンッ!ズガァァンッ!(打撃戦の音)
ミカ「何!?声小さすぎて聞こえないじゃんね!」
ナレーション
深刻なのは心の方だ。ミカが……あり得た自分がゲヘナの為に怒った。それも、アリウスと一緒になって。
その事実がミカ*テラーにとってはよほど衝撃的だったらしい。まだ戦えてはいるが、明らかに精彩を欠いている。
喧嘩慣れした冷たいほどに冷たい冷静な視線は、もはや泣きそうな子どものそれに変わっていた。
ミカ「……ああ、もう!ムカつくのにやりずらいなぁ!そんな顔するなら、最初からやらないでよ!」
ナレーション
完全にブチギレていたミカがこんなことを言い出すほどである。動揺は誰の目からも明らかだ。
しかし、気を抜いてはならない。これで勝てるほど甘い相手でもない。何故なら…
仮面の大人「…”大人のカードを使う”」
ナレーション
泣いている生徒を前にして、かの大人が何もしない訳が無いのだから。
- 83二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 05:59:19
急に悪い事してるみたいになっちゃったな
- 84二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 12:34:05
何が出てくるやら
- 85二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 21:34:32
保守
- 86◆VLlUGaOg9c25/07/02(水) 23:01:11
代理モブ「まぁ、原作のクロコも最終的には蹲って泣きじゃくってましたからね」
ザクッ(足音)
ミカ「えっ、ちょっ!?」
ナレーション
仮面の大人…もう一人の先生がカードを取り出した瞬間、ミカの足が「沈んだ」。
先ほどまで当たり前にあった床は変質し、砂漠の「踏み方」をしていなかったミカの足に砂が纏わりつく。
ミカ*テラー「先生…!…うん、そうだよね。ごめんなさい、私が間違ってた」
ナレーション
もう一人の先生が動いたことで、ミカ*テラーの方にも変化があった。
冷静になれた……とまではいかないが、彼女にとっての先生という味方…或いは同胞の存在を改めて認識した。
それが、結果的にミカ*テラーに「理由」を思い出させた。
ミカ*テラー「…「私」も、アリウスの子も、ゲヘナも関係ない。みんな、裁く(殺す)。
だから、貴方たちの為に―――祈るね」
ミカ「上等だよ!」
ナレーション
両者、再び己の武器を構え合い、互いの目を見据える。
仕切り直しだ。キヴォトスの未来を賭けた戦い、その第二ラウンドが始まろうとしていた。
- 87二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 06:45:27
やっぱまだダメか
- 88二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 12:52:12
ここから第二形態
- 89二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 20:21:48
頑張れミカ&カナ!
- 90◆VLlUGaOg9c25/07/03(木) 22:05:27
ナレーション
一方、先生とフウカの元へと駆けつけたカナは、ミカたちの戦いを静かに見守っていた。
”大人のカー「静かに。まだ、駄目だ」…でも、ミカが…っ”
ナレーション
もう一人の自分に対抗して、大人のカードを出そうとした先生の手をカナが止める。
納得のいかない先生はカナに食い下がろうとしたが、カナの口から垂れた血を見て…手を下ろした。
勝負を諦めたのではない。逆だ。勝つために唇ごと歯を食いしばって、見に徹しているのだと分かったから。
(まだだ…まだ…)
ナレーション
幸い、フウカは気絶しただけで命に別状はなかった。
けれど、簡単に釣り出された甘さが、吹き飛ばされた弱さが、フウカを危険に晒したことに変わりはない。
少なくとも、カナ自身はそう考えていた。だからこそ、次こそは失敗できないと。
(アイツが…もう一人のミカが一番無防備になる時まで…っ!)
ナレーション
幸いなことに、ミカ*テラーはミカとの自分同士のミラーマッチに注力している。
完全にカナたちの存在を忘れた訳ではないし、事実、戦いながら周囲の警戒もしているが、
それでもカナたちの動向を把握出来てはいない。カナの技術は先生たちを含めた3人の存在感を完全に消している。
この「好機に繋がる状況」を下手な一手で無駄にすることだけは出来ない。
(すまない…!ミカ……っ!)
ナレーション
だから、カナは理想の奇襲に向けて牙を研ぎ続けるのだった。
- 91二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 06:42:49
作戦の為には非情も必至か…
- 92二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 12:40:41
アンブッシュ狙いか
- 93二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 19:32:45
もうちょっと頑張ってくれミカ
- 94◆VLlUGaOg9c25/07/04(金) 23:59:25
ミカ*テラー(んー・・・意外に冷静だね。「私」を殴ってたら、またバカみたいに突っ込んでくると思ったけど・・・)
ナレーション
一方で、ミカ*テラーの方もすっかり頭が冷え、もう1人の自分の拳をいなしながら、冷静に戦況を分析していた。
ミカ*テラーからすればミカもカナも充分に勝てる相手に違い無いが、想定よりも2人はずっと冷静でしぶとい。
カナは1回しか釣り出せないまま姿を隠されてしまったし、ミカも根性があって、中々折れない。
ズガァァンッ!(打撃音)
ミカ「考えごと?余裕だね」
ミカ*テラー(「私」の方も根性ある。中々折れないし、ちょっとずつ慣れていってる)
ナレーション
オマケに、まだまだ雑ではあるが、少しずつ戦いに順応し始めている。
もう1人の自分ではあるが、呆れるほどに戦いへの慣れが早い。習わずして自分の戦いを確立しようとしている。
ミカ*テラー「でも、それだけ」
ズガァァンッ!(打撃音)
ミカ「かは・・・っ!」
ナレーション
間違いなく、ミカは戦闘の天才だ。それは間違いない、戦いのリズムを感覚で覚え始めている。だから。ダメだ。
幾ら覚えが早くても、いや、覚えるのが早いからこそ、フェイントの対応が非常に難しい。
リズムを読むことが出来るからこそ、本能で戦いに順応出来てしまうからこそ、それを逆手に取られると弱い。
ミカ*テラー「幾ら「私」相手でも、素人に負けるわけないじゃんね」
- 95二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 08:43:57
ミカが対応できるって事は向こうも対応できる
それはまぁそう - 96二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 13:04:10
これは厳しいな
- 97二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:56:54
単純にシロコクロコと同じ関係だから正面からガチバトルすると勝てる要素皆無だな
カナちゃんが一手打つまでなんとか… - 98◆VLlUGaOg9c25/07/06(日) 00:13:22
ミカ*テラー(やっぱり、冷静だ。「私」を思いっ切りぶん殴ったのに釣れない。私が油断してないから・・・)
ナレーション
ミカ*テラーは内心舌を打つ。実際、カナが・・・場所の分からない敵が近くに居るという「事実」は大きかった。
ミカ*テラーが理不尽な強さを持つのは言うまでもないが、それでも無敵でもなければ、不死身でも無い。
威力の高い攻撃を受ければ、痛みも感じるし、傷も出来る。そうでなくても、動きを邪魔されれば体勢が崩れる。
だから、奇襲屋は辺りを更地にするか、仲間をズダボロにして釣り出すのがミカ*テラーの定石なのだが・・・
ミカ「やぁぁーーーっ!」
ズガァァァァァンッ!!(打撃音)
ミカ*テラー(「私」が手強い。こっちが動こうとすると、力尽くで、隙を晒してでも止めに掛かかってくる!)
ナレーション
ミカとカナには、それが出来ない。1対1なら普通に殴り潰して終わりなのだが、2人というのが厄介だ。
ミカは凄まじい気力と気迫で自力と経験を補いながら、時に捨て身になってでもミカ*テラーを釘付けにして、
自由に動かせないように立ちはだかり続けている。その怪力はとても無視出来るモノでは無い。
一方、カナも非常に我慢強い。ミカが血を撒き散らしながら、己自身の命を賭け金にして戦い続けているのに、
恐るべき冷静さで自らを抑え、隠れ続けるという最善手を打ち続けている。
ミカ*テラー(ウサギヘルメットの狙撃手ちゃんは仲間が血塗れになったら、無策で突っ込んで来たのに・・・)
ナレーション
ミカ*テラーはかつて、己の世界で裁いた(殺めた)相手のことを思い出す。
奇襲を専門とする者には隠れる技術以上に、どれだけ場が動いても好機が来るまでは堪え続ける自制心が必要だ。
理想の奇襲とは誰に悟られることもなく、最も理想的な状況で、最も理想的な一手を打つことにある。
それが出来なければ、ミカ*テラーには絶対に勝てない。それをカナは本能的に悟り、良く心得ていた。
ミカ*テラー「・・・ほんと、怖い子たち」
- 99二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 06:14:31
こうなるとどっちが強いかって言うよりどっちが先に折れるかの我慢比べだな
- 100二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 14:50:53
保守
- 101二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 19:53:45
血生臭い経験だ…
- 102◆VLlUGaOg9c25/07/06(日) 21:00:25
ナレーション
なるほど、確かに、ミカ*テラーにとっても、「私」とアリウスの少女は厄介な相手に違い無い。
ツルギのような再生力もないし、アビドスの最強ほど堅くない。殲滅力もゲヘナの風紀委員長に劣るかもしれない。
けれど、護るべき誰かの為に、目の前の敵を見据え、苦痛と噛み殺して冷徹に、獲物にのみ激情を乗せて、
決して「やるべきこと」を見失わずに戦い続ける精神力。その心の強さこそが最も厄介で、恐ろしい。
ミカ*テラー「うん。認めるよ、君たちは強い。私を殺せ(裁け)るかもしれない・・・敵だ」
ナレーション
だから、認識を改めた。元より本気で戦っていたが、それだけでは足りない。
筋力も、神秘も、色彩も、全てを賭けて全身全霊で戦わねばならない。挑まなければならない。
気が付けば、ミカ*テラーは笑っていた。獰猛に、そして・・・どこか嬉しそうに笑っていた。
ミカ(雰囲気が変わった・・・?嘘でしょ?こっから、本気モード?)
ナレーション
一方、ミカの方は表には出さないものの、心底げんなりしていた。
何で、この期に及んで笑顔が出るのか?意味が分からない。もうちょっと苦しそうな顔をしろ。と言いたかった。
もう1人の「自分」のことながら、呆れるほどに余裕に見えた。それが嫌だった。
ミカ(あーあ、力が足りないと思ったことは無かったんだけどな・・・)
ナレーション
目の前の敵と・・・もう1人の「自分」が現われてから、ミカの自信は揺らぎっぱなしだった。
自分以上の筋力、速さ、巧さ、それに加えて色彩とかいう謎の力。それを超えるには、今の自分はまるで足りない。
必死に戦っても届かなくて、立って堪えるだけでも精一杯で、惨めなほどに悔しかった。
勝てないのがじゃない、護れないのが悔しくて仕方が無かった。苦しくて仕方が無かった。
- 103二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 05:46:40
保守
- 104二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 12:20:37
ようやっとる
- 105二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:57:27
力が足りないと思ったことは無い。は原作でも言ってたな。
- 106◆VLlUGaOg9c25/07/07(月) 22:35:13
ミカ(・・・まぁ、でも、やるしかないか)
ナレーション
けれども、ミカの心に苦しさはあれど絶望は無い。
相手は自分よりも強くて、まともにやったら、多分10回やって10回負ける。今も勝ってる自分が見えない。
けれど、それ以上に負ける気がしなかった。姿は見えないけど、頼もしい仲間が居る。
1人で戦わないことが、こんなに心強いだなんてミカは初めて知った。
ミカ「上等だよ。私たちが貴女を【倒して】あげる」
ナレーション
もう1人の彼女とは違い、ミカが浮かべたのは不敵で陰の無い笑顔だった。
ミカ*テラー「あはは!・・・やってみなよっ!」
ドゴォォォンッ!(地面を蹴る音)
ミカ「言われなくても!」
ズガァァンッ!ドォォンッ!(打撃音)
ナレーション
互いの地面を蹴る音が重なり、2人の拳が交差する。
偶然にも、クロスカウンターのような形になり、2人の顔面に互いの拳が突き刺さった。
- 107二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 07:57:23
殴り合い!
- 108二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 14:07:45
ガンバレー!
- 109◆VLlUGaOg9c25/07/08(火) 20:46:56
- 110二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 22:34:32
ご安全に