【閲覧注意】リーリヤの日記【見ないほうがいいよ】

1二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 17:11:26

4月◯日

　今日は初星学園の入学式。
　清夏ちゃんと一緒に、今日からここでアイドルを目指して頑張る毎日が始まる。
　すごく楽しみで、希望がたくさん。
　どんなことが起こるのかな？
　どんな人に出会えるのかな？
　ワクワクする。

2二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 17:14:09

4月×日

　わたしをプロデュースしたいという人が現れた。プロデューサー科の人らしい。
　日本では、同じ学校に通う年上の人をセンパイと呼ぶとわたしは知っていたから、プロデューサーさんのことはセンパイと、これから呼ぶことにした。
　センパイとわたし。二人でトップアイドル目指して頑張ろう！

3二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 17:18:47

4月△日

　人が人を好きになるのに必要な時間ってどれくらいだろう。大切な時間って、なんだろう。
　単純な長さ？　中身の濃さ？　一日一時間を毎日過ごすのと、一日七時間を週一回。どちらがよりその人を好きになるのかな？
　そんなこと、今考えても仕方ないけれど。
　だってわたしは、きっとずっと前から、センパイが好き。

4二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 17:23:07

5月◯日

　今日はセンパイとお出かけに行った。
　わたしの行きたいところに行こうと言ってくれたので、メイド喫茶に行った。
　みんな可愛くてキラキラしていて、すごく羨ましいと同時に、なんだか自信がなくなってしまった。
　でもセンパイはそんなわたしをすごく優しい瞳で見つめていた。
「葛城さんは誰よりも可愛くて魅力的ですよ。だから俺は、あなたを選んだんです」
　そういったセンパイは少しだけ照れたようにアイスコーヒーのストローを咥えた。
　えへへ、嬉しいな。
　あなたにとってわたしが、一番であることが。

5二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 17:28:12

6月×日

　今日は先に帰っていてください。
　センパイがわたしにそう言うようになったのは、ここ一週間くらいのできごとだ。
　それまでは毎朝必ず迎えに来てくれて、毎日送ってくれていたのに。
　ちょっとしたイタズラ心が芽生えた。
　帰ったふりして、まちぶせしてみようかな？

6二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 17:39:27

6月△日

　後悔した。
　そっかそっか。
　センパイにとってわたしは一番じゃなかったんだ。
　わたしが勝手に勘違いして、舞い上がっていただけだったんだ。
　わたし、まだ日本語上手じゃないみたい。
　センパイの言葉、勘違いしてたみたい。
　センパイのあの言葉は、わたしが好きって意味じゃなかったんだね。
　でもなんで、よりにもよって、清夏ちゃんなんだろうね？

7二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 17:52:48

7月◯日

　今日はセンパイとお出かけに行った。
　一ヶ月以上ぶりかな？　すごく久しぶりな気がした。
　『ふわっとブレザーつむじちゃん』の限定キーホルダーの発売日。人気商品で、個数制限があるという話をセンパイしたら、「俺でよければ頭数になりますよ」と言ってくれた。
　嬉しかったけど……センパイ。清夏ちゃんがこっち見てますよ。大丈夫なんですか？

8二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 17:55:56

怖いもの見たさ

9二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 17:57:12

あれこれ清夏さんと付き合ってる…？

10二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:11:37

7月×日

　今日もわたしは一人で帰った。レッスンはオフだったから、放課後すぐ。
　清夏ちゃんを誘ったけど、なにか用事があるみたい。なんだろう？　……なんて、知りたくもないけれど。
　ひどいなぁ、清夏ちゃん。わたしの気持ち、知ってたはずだよね？

11二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:18:17

7月△日

　昨日はずいぶん帰りが遅かったね、清夏ちゃん。朝からご機嫌で、鼻歌なんて歌っちゃって。
　何かいいことでもあったの？　なんて、絶対に聞いてあげないよ。どうせあとから、いやでも聞くことになる。

12二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:32:35

7月⭐︎日

　おめでとう清夏ちゃん。おめでとうセンパイ。
　幸せになってね？
　わたしの幸せを犠牲にして。

13二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:34:27

脳破壊ではないが今着々とダメージを受けている…

14二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:35:09

おぉ………おぉ……

15二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:42:50

8月◯日

　とんでもないことが起こった。
　清夏ちゃんが赤信号を待っている時、誰かに車道に突き飛ばされてしまった。
　ちょうど交差点に差し掛かっていた大型トラックに轢かれて、清夏ちゃんは病院に搬送されることになった。
　その時周りには誰もいなかったけど、トラックの運転手が誠実に対応してくれたおかげで清夏ちゃんは一命を取り留めたみたい。
　大丈夫そうでよかった。

>>18

16二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:45:07

あなた…
やりましたね？

17二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:47:34

悪意を持った人がいるなんて信じられないですねぇ

18二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:48:24

>>15

「誰もいなかった“そうだけど”」じゃなくて

「誰もいなかった“けど”」ってことは…

19二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:52:30

8月×日

　清夏ちゃんのお見舞いに行った。
　わたしが着くと、ひと足先にセンパイがいた。
　清夏ちゃんは眠っていた。センパイに手を握られながら。
　頭に包帯をぐるぐる巻かれて、どんな顔かもわからない状態の清夏ちゃんをみて、わたしは胸が苦しくなる。心臓がバクバクうるさくて、呼吸がつらい、頭が痛い。
　清夏ちゃんの鼻や腕から管が延びていて、これがなきゃ生きられないって、センパイが嗚咽混じりに話していた。
　そうなんだ、ヤなこと聞いちゃったな。
　センパイはわたしにその話をした後、すぐに帰ってしまった。
　気を遣って、二人にしてくれたのかな。

20二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 18:53:20

おい
やめてくれ

21二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:04:48

8月△日

　医療事故というのは身近にあるものらしかった。
　清夏ちゃんから延びていた管は、延命装置に繋がっているらしい。
　その電源が、切れていたんだって。
　清夏ちゃんは、お星様になってしまった。

>>22

22二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:05:49

>>21

リーリヤ……………？

23二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:12:26

なんだよこれ…どうなるんだよ…おい…

24二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:14:57

こうなると流石に出会って1ヶ月もしないうちに狂わせたセンパイの方が悪いまであるな

25二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:17:17

8月⭐︎日
　
　センパイはあれから塞ぎ込んでしまった。
　わたしがレッスンをしている時もずっと上の空で、心ここに在らずの状態。
　でも、実はわたしもレッスンに全然身が入っていなかった。
　清夏ちゃんが亡くなってしまった悲しみもそうだけれど、何かがずっとわたしの心に引っかかっている。
　
　カバンにつけていたストラップ、どこに行ったんだろう……？

26二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:17:41

うんうん。分かってる分かってる。
たまたま人の居ない交差点で清夏が突き飛ばされて、更に運悪く延命装置まで不幸な偶然が重なって切れてしまったんだろう？
不運な事故とは言え、運ちゃんと病院には相応の責任を負ってもらわないとねぇ

>>30

27二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:19:32

あぁすっごい
自分今間違いなく心抉られてるのに続きは見たいって、なんか反してる

28二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:26:00

9月◯日

　今日はわたしの人生で一番幸せで、辛い日だった。
　清夏ちゃんのことでずっと塞ぎ込んでいたセンパイを、わたしは懸命に宥め続けた。
　センパイには笑顔でいてほしい。センパイにはわたしがついているって、忘れないでほしい。
　やっとそれが成就した。
　わたしはセンパイと結ばれた。
　ごめんね、清夏ちゃん。ごめんね。

29二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:28:42

清夏の分まで幸せになってね♡

30二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:29:44

>>26

本当に悲劇のヒロインで可哀想だよね。でもこの後必ず乗り越えて結ばれるって信じてるよ、きっと幼馴染もお空で見守ってくれてる

31二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 19:33:32

9月×日

　今日がきっと最後の日記。
　わたしがなくしたストラップは、警察の人が持っていたみたい。証拠品として。
　トラックの運転手が見ていたんだって。
　わたしが清夏ちゃんを突き飛ばすところ。
　何を言っているのか意味がわからなかった。
　清夏ちゃんはわたしの大切な親友で、それなのにわたしがそんなことするはずない。
　センパイの泣き叫ぶ声を背中に聞きながら、わたしは思い出した。
　手のひらに残る感触や。
　大きなクラクションの音や。
　驚いた清夏ちゃんの顔や。
　清夏ちゃんが、咄嗟にわたしのカバンについていたストラップを掴もうとしていたことも。全部。

　センパイと一緒に買った、大切なストラップだったのにな。
　
　
　

おわり