- 1二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:06:25
ニンゲンが地底世界を去った後、モンスターたちはどう過ごしたのか、という物語を安価で作りたい。
もちろん全部ネタバレ注意。
ただし今回はGルートとNはNでもロードしたらPルートに行けるルート(全員と友達ルート)、
そして、既に通ったルートは除く。
過去スレまとめはこちら。
過去スレ一覧&現在までのエンディングリスト | Writeningアンダイン死亡の追放トリエルエンドから、スパゲッティアンドピースな世界になった1スレ目 https://bbs.animanch.com/board/2864876/ 全員生存のアンダイン裏切られエンドから、ある種の『真実』を知ってし…writening.net - 2二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:09:02
Nルートまとめは以下の表の通り。
(参考元:Undertale Japan Wiki
https://undertale.fandom.com/ja/wiki/Undertale_Japan_Wiki
ライセンス:CC-BY-SA)
今回も、まずどのNルートを経たのかを決める。
このニンゲンはトリエルを殺した?見逃した?
- 3二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:13:53
見逃した
- 4二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:16:19
- 5二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:18:13
無事だった
- 6二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:19:47
- 7二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:25:32
見逃した
- 8二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:29:03
- 9二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:33:04
無事だった
- 10二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:33:55
無事
- 11二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:34:16
初めて死者が出た
- 12二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:37:09
ニンゲンはまたしても、ホットランドやコアのモンスターたちのみを殺したようだ。
前回と、そう変わらない結果だ。
しかし、いせきのモンスターたちは生きている。
そしてニンゲンは、アズゴア王と出会った。
ニンゲンは、アズゴア王と戦い、そしてフラウィと戦った。
ニンゲンは、フラウィを殺した?見逃した?
- 13二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:37:49
殺した
- 14二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:39:55
ニンゲンは再び、フラウィを殺した。
そしてニンゲンは、地底を去った。
地下では、トリエル、パピルス、アンダイン、アルフィー、メタトン、サンズが生きている。
地下では、アズゴア、フラウィ、そしてホットランドやコアのモンスターたちが死んでいる。
サンズは、ニンゲンの携帯電話に、メッセージを残す事にした。
女王がリーダーとして戻ってきた事、落ちてきたニンゲンには仲間として接するようにおふれを出した事。
アズゴアがいなくなり、集めていたタマシイも消え、バリアを破る計画は当分延期された事。
みんなが落ち込む中、それでも女王は、国民を励ましている事―― - 15二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:46:28
そこにパピルスもメッセージを吹き込んだ。
ロイヤル・ガードが解散された事。
アンダインが失業してホームレスになった事。
アンダインは、その後はサンズとパピルスと同居しながら、ホットドッグスタンドで働いている事。
そして何より、アズゴアが死んだのはニンゲンのせいだと言っている事。
その憎しみは凄まじく、バリアを抜けて復讐に行く、とまで言っているという事。
パピルス本人としては、そのアイディアを無理と思いつつ、叶えばいいな、と思っている事。
そうすれば、またニンゲンと会う事が出来るが、その時は戦う事になるだろう、という事。
それが、地底の現状であると。
二人とも、何やらデジャヴを覚えながら、メッセージを録音し終えた。
この物語の後日談は、ここから始まる。
まずは誰から後日談を始めようか?
今日は寝ます。
- 16二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:51:47
- 17二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 01:28:17
ガーソン
- 18二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 08:43:13
このレスは削除されています
- 19二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 08:59:09
このレスは削除されています
- 20二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 17:44:13
このレスは削除されています
- 21二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 20:22:44
- 22二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 21:51:39
ウォーターフェルの水面は、今日も静かに揺らめいている。
大概のモンスターが水中深くに棲むここでは、上を歩くのは、ウロコもヒレもエラもないモンスターくらいだ。
だが今、一人のモンスターが、その水中を這い出し、どこかへと向かっていた。
ウロコも、ヒレも、エラも持っているモンスター――シャイレーンだ。
彼女は部屋の隅っこに座ると、小さな声で歌を口ずさんだ。
「……シレ シレ シミ シミ……♪」
あの時、一緒に歌ったのは楽しかった。
コンサートごっこをして……色んなモンスターが聞きに来て……
知らないモンスターが何故かトイレットペーパーで作ったチケットを売って……
そうしてごっこ遊びに飽きたあたりで、二人は別れた。
あの子とは、それきりだ。
また歌っていれば、会えるかもしれない……そんな事を思いながら、シャイレーンは一人歌っていた。
そんな時……
- 23二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 21:58:48
アーロンもやってきた
- 24二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 21:59:44
ガーソンが来た
- 25二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 22:01:48
ピアノの音が聞こえてきた
- 26二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 22:12:18
メタトンから電話だ
- 27二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 22:17:10
- 28二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 22:29:29
- 29二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 23:10:36
「やあ、シャイレーン(^_-)☆」
突然、いた。
突然現れたその筋肉に、シャイレーンは泡を食って物陰に隠れた。
「驚かせてごめんよ、歌声が聞こえたからつい(^_-)☆」
こんな筋肉の持ち主は一人しかいない。アーロンだ。
シャイレーンは物陰からこっそり、知り合いの様子を伺った。
「おっと、実は君に話があってね(^_-)☆」
……一体何の話だろうか。
*きょうは ここまでのようだ。
- 30二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 03:20:27
メタトンがまたコンサートをするそうだ
- 31二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 09:14:24
ピアノを弾いてくれないか
- 32二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 10:38:05
最近既視感を覚えないか?
- 33二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 10:39:12
この肉体美を見てくれ
- 34二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 10:39:40
- 35二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 17:58:46
このレスは削除されています
- 36二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 22:01:57
- 37二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 22:32:35
「実は、またメタトンがコンサートをするようなんだ(^_-)☆」
メタトンのコンサート、と聞いて、シャイレーンは微かに顔を覗かせた。
「たまたま、偶然、チケットを2枚ゲットしてね(^_-)☆
気晴らしも兼ねて、よかったら、一緒に行かないかい?(^_-)☆」
シャイレーンは……
dice1d2=1 (1)
- 38二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 23:01:49
シャイレーンはおずおずと、物陰から姿を現した。
「……うん……ありがとう……行きたい、です……」
「よかった! じゃあ、一緒に行こう(^_-)☆」
コンサートは明日だよ(^_-)☆と告げ、アーロンは去っていった。
「……」
シャイレーンはそっと岩にもたれかかり、小さく息を吐いた。
メタトンが地底一のスターであることを、もちろんシャイレーンは知っている。
そのチケットが、そう易々と取れるものでないことも、知っている。
偶然、なんて言っていたが、アーロンはきっととてつもない努力をしてくれたのだろう。
そんなチケットなんて、受け取らない方が失礼だ。
今はただ、コンサートの事を楽しみに待とう――シャイレーンは、そう思った。
一方その頃……
*きょうは ここまでのようだ。
- 39二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 23:03:56
アンダインの家で料理を教わるパピルス
- 40二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 02:21:08
サンズは今日もグリルビーにいた
- 41二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 06:42:01
何かを調べているアルフィー
- 42二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 07:44:18
グリルビーではいぬのモンスターたちがホットランドで聞いたニンゲンの変貌ぶりに困惑していた
- 43二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 10:37:15
- 44二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 17:45:36
おつてーる
- 45二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 18:45:46
- 46二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 22:55:06
スノーフルのサンズたちの家の窓が、久しぶりに熱気で曇っていた。
何故なのかは、覗けばすぐにわかる。
パピルスとアンダインが、久しぶりに料理の練習をしているのだ。
「そういえば最近、特訓してないよねっ? 久しぶりにしたいな!」
と、パピルスに言われれば、アンダインには断る理由がなかった。
久しぶりに髪をアップにし、二人でエプロンを身に着け、台所に立った。
お店で買ってきたスパゲティの箱と野菜を、作業台に並べる。
湯を沸かす間に、野菜を刻む。
二人とも、とても、静かだった。
拳で砕くようなこともせず、淡々と作業は進んでいく。
「……ねえ、アンダイン……」
ついに、沈黙に耐えかねるように、パピルスが口を開いた。
「……どうした?」
アンダインが片方の目で、パピルスを見た。
「えっと……あのね……」
*きょうは ここまでのようだ。
- 47二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 01:40:41
今度は家を焼かないようにしようね!
- 48二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 07:00:33
オレ様、最近結構料理がうまくなったんだ
- 49二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 10:34:43
オレさまの真作スパゲッティを食べてくれ
- 50二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 11:38:56
今度は違う特訓がやりたい
- 51二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 12:21:48
- 52二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 13:47:56
- 53二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 21:44:54
ホステール
- 54二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 22:37:56
「えっとね、オレさま、最近ちょっと、ジシュレン?してて……」
「……自主練?」
「うん、お料理の」
見てて、とパピルスが一人で玉ねぎを刻み始めた。
皮を向き、頭と尾を落し、半分に切り、丁寧に刻む。
速度こそゆっくりだが、玉ねぎは確実にみじん切りにされていく。
後は適切な火加減と時間で炒めれば、おいしいソースの材料になるだろう。
他の野菜も、丁寧に皮を剥き、適切な大きさに切っていく。
「オレさま最近、結構お料理上手になったんだ……」
だよね?と、確認するように、パピルスはアンダインを見た。
少し腰を屈め、覗き込むように、あるいはすがるように、アンダインを見た。
「アンダインが、オレさまに料理を教えてくれたからだよ」
それを聞いたアンダインは……
*きょうは ここまでのようだ。
- 55二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 22:59:54
少し表情がゆるんだ
- 56二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 03:17:29
柄にもなく照れる
- 57二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 11:10:34
以前ニンゲンともこんなことをしていたような気分になる
- 58二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 12:14:45
まだまだこれからだと語る
- 59二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 12:16:14
- 60二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 20:52:27
- 61二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 22:53:45
真剣な面持ちでそう言われ、アンダインの頬に紅が差した。
「いや、わたしは……その、」
頬を掻きながら、言いよどむ。
「……お、お前がいい弟子だからだよ。こっちも教え甲斐がある」
「ほんとっ?……ニョホホ、オレさまも頑張った甲斐があったよ!」
そうして、二人は少しだけ笑いあって――また黙った。
野菜を刻む音だけがキッチンに響く。
「……だから……だから、ね、アンダイン……」
パピルスが切り終わった野菜を炒めようと、フライパンを用意しながら言った。
「アンダイン、お料理上手だし、あのホットドッグだって、みんなからすっごく評判いいでしょ?」
ホットドッグ、と聞くと、途端、アンダインは複雑な表情をした。
そうして、フライパンを温め、油を引いているパピルスに向かって、
「パピルス。何の話をしたいのか、ハッキリ言ってくれ」
作られかけていた和やかなムードを、自ら切り捨てた。
「お前は、こう言いたいんだろう?
ロイヤル・ガードはもうない。女王はニンゲンを歓迎している」
「アンダイン、オレは、」
「だから……だからわたしも、ニンゲンを憎むのをやめろ、と。
槍を捨て、ホットドッグやスパゲティを作り続ければいいと。そう言いたいんだろう?」
パピルスが思わず沈黙していると……
*きょうは ここまでのようだ。
- 62二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 00:51:37
誰かが訪ねてきた
- 63二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 08:44:52
パピルスの電話が鳴った
- 64二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 11:02:39
「ホットドッグ作るのもなかなか面白いぜ?」
と言ってサンズがどこからか現れた - 65二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 11:04:21
アルフィーから連絡だ
- 66二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 11:06:22
- 67二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 18:08:28
- 68二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 22:48:31
フライパンの中で、野菜と油の弾ける音だけが響いている。
アンダインはじっとパピルスを隻眼で見つめている。
パピルスは、彼女から目を逸らせない。
やはり、彼女は鋭い。
アンダインはいつも鋭い。彼女が振るう槍のように鋭い。
そしてその槍は、見事にパピルスの図星を貫いていた。
そう、ニンゲンに憎しみを抱き続けてカリカリするくらいなら、と思ったのだ。
そして、その意図は、見事に見抜かれていた。
じゅうう、と野菜が焼け付く中、
「ホットドッグ作るのもなかなか面白いぜ?」 - 69二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 22:51:04
突然、いた。
サンズだ。
階段の足音も立てず、いつのまにか、二人の真後ろに立っていた。
「にっ、兄ちゃんっ!?」
「サンズ……!?」
ぎょっとする二人を後目に、サンズはコンロの火を消した。
「火の用心火の用心、っと」
見るとフライパンの中で、野菜が焦げかけている。
「危うく家ごとステーキになるところだったな。Tボーンの。スケルトンだけに」
「兄ちゃん、こんな時に茶化さないでよ!」
やっと我に返ったパピルスが、いつものように怒鳴る。
「ほーい」
そしていつものように、サンズは手をヒラヒラ振りながら去っていく。
ドアに手を掛ける前に、ちら、とアンダインの方を振り返って、
「ただ、さっきのスパゲティ……焦げなきゃ、絶品だったと思うよ。やっぱり、先生がいいんだな」
そう目配せして、今度こそ家を出た。
後には、パピルスとアンダイン、そして焦げた野菜の匂いだけが取り残された。
そうして家を出た後、サンズは……
*きょうは ここまでのようだ。
- 70二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 22:54:07
いつものようにグリルビーに向かった
- 71二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 07:27:06
ホットランドヘホットドッグを売りに行った
- 72二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 10:29:55
アルフィーのもとへ向かった
- 73二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 10:31:22
ホテルのレストランに来ていた
- 74二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 10:33:24
- 75二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:06:19
ホステール
- 76二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:18:29
- 77二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:21:00
頭に座標を思い浮かべ、一歩、二歩、と足を進める。
三歩踏み出す頃には、サンズはもう、ホテルのレストラン、入り口前にいた。
別段、さっきまで料理の話をしていたから、というわけでもない。
ただ何となく、サンズはそこにいた。
少し活気がないように見えるのは、恐らく気のせいではないだろう。
ニンゲンが地底を去った後、ホットランドやコア付近では、行方不明者が数名出ている。
例えば、この辺りを担当していたロイヤル・ガードの二人に、スイーツショップを経営するクモなどだ。
だから、そう、きっと、アンダインの怒りは、もっともだった。
誰もがニンゲンを疑わない中、彼女だけが、あのニンゲンを正しく見て、そして、怒っている。
そんなことを考えながら、サンズは小さく息を吐き、レストランの中をちらりと見た。
すると……
- 78二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:28:59
クモにドーナツを買わされたモンスターがいた
- 79二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:30:52
自分とニンゲンがあの時の話をしている
しかし中へ入るとやはりと言うべきか姿は消えていた - 80二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:40:21
アンダインへの説得に失敗して黄昏るとともに既視感を感じていたアルフィーがいた
- 81二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:45:30
ドラゴンがまた家族と話をしている
- 82二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:55:49
- 83二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 23:30:25
- 84二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 00:40:46
このレスは削除されています
- 85二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 08:48:00
このレスは削除されています
- 86二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 18:00:26
このレスは削除されています
- 87二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:26:06
「……おや」
レストランの中を覗く前に、サンズは入り口を閉ざすガラス戸を見た。
そこに、一人のモンスターが映っていた。
サンズはそっと振り返り、様子を伺った。
サンズの背後、ロビーには、背の高い、ネコみたいな頭のモンスターが立っていた。
落ち着かない様子で、ロビーをきょろきょろ見回している。
手には何やら紙を持っていて、それと周囲を見比べては、ため息をついていた。
そして肩を落として、
「よお」
とサンズに声をかけられ、飛び上がるほど驚いた。
「うわああっ!?」
そのあまりの驚きっぷりに、今度はサンズが驚きそうになった。
「ワオ」
「はっえっあ、な、何ですか……!?」
いっそかわいそうなくらい挙動不審になっているネコ頭に、サンズは肩をすくめた。
「あー、いや……何か探してるみたいだったからさ。オイラでよけりゃ話聞くよ」
そう言われて、初めてネコ頭はようやく警戒を解き、持っていた紙をサンズに見せた。
クモの少女の人相描きだった。 - 88二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:35:13
「これは……?」
サンズが問いかけると、ネコ頭はもじもじしながら言った。
「それが、こないだすごく高いお菓子を買わされたんだけどね……食べてみたらすごくおいしくて……
で、その、また食べてみたくなって……」
ネコ頭はそこで顔を曇らせた。
「で、あのお菓子屋さんがあったところに行ったんだけど、誰もいなかったんだ。
蜘蛛の巣には蜘蛛がたくさんいたけど、あの子はどこにもいなかった。
だから、探してるところだったんだ。なんだか……胸騒ぎがして」
それを聞いたサンズは……
*きょうは ここまでのようだ。
- 89二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:58:33
まあ、その内会えるさ
- 90二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 02:19:44
どこかでげんきにしてるさ
- 91二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 06:49:25
彼女は旅行に行った
- 92二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 10:23:47
別の場所でドーナッツを売ってる
- 93二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 18:16:26
この時間軸が終われば……いやなんでもない
- 94二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 21:13:27
- 95二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 21:16:57
- 96二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 22:20:47
「――探すの、手伝おうか?」
そんな言葉が、サンズの歯の隙間から、ぽろりと零れた。
――オイラ、今、なんて言った?
だって、誰も知らないだけで、ニンゲンが何やらかしたのかなんて、わかってるはずだろ?
なのに、なんで――
しかしサンズが訂正する間もなく、
「助かるよ、ありがとう!」
ネコ頭は曇っていた顔を輝かせた。手まで掴んでぶんぶん振ってくる。
あいにく、いつものブーブークッションは持ち合わせてなかった。
「じゃあ、もう一回ホットランドの方を探してみるよ。後で落ち合おう」
そう言って、一人でホテルから出て行ってしまった。
取り残されたサンズは、頭蓋骨を掻いて、
「……さて、どうするかな」
と、一人呟いた。
一方その頃……
- 97二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 22:40:43
パピルスがサンズを追いかけて来た
- 98二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 23:19:10
アルフィーが別次元につながる電話を開発していた
- 99二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 02:57:46
ニンゲンが変貌したことが信じられないモンスターの子供が図書館で原因を探っていた
- 100二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 10:56:25
ホットランドで何が起きたのか聞き込みをしているトリエル
- 101二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 15:05:47
- 102二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 16:15:21
- 103二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 22:36:10
自分自身の行動が制御出来ないモンスターは――もう一人、いた。
――わたし、一体、何をしているの?
アルフィーは、自分の目の前にある黒電話を見て、頭を抱えた。
ごくごくシンプルな黒電話だ。ガワだけなら、ゴミ捨て場から拾ってきたものだった。
しかしその後ろ、本来電話線が刺さっているはずの場所からは無数のコードが生えていた。
そしてそのコードは、更に奥にある、もっともっと大きな機械に繋げられていた。
まるでテレビで見た摩天楼のような機械群が、窓のようにランプを光らせながら、そこに屹立していた。
――わたし、一体、何をしているの?
アルフィーは、再び自分に問いかけた。
自分が行った実験は、何もかも失敗だった。
タマシイはキープ出来なかったし、みんな、どろどろに溶けて合体してしまった。
物事が悪化するばかりだから、もう何もしない、そう決めたはずなのに。
――別次元に繋がる電話、だなんて! - 104二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 22:54:54
自分にはもちろん、異世界とか、パラレルワールドとか、はたまた別の時間軸とか、そんなことがわかるわけがない。
それはサンズと彼の――彼?――の仕事だった。
そもそも自分が王室の研究員になれたのは、メタトンを作った功績からだ。
そのメタトンだって、確かにガワは作ったけど、その中に宿っていたのはゴーストだった。
心を持ったAIなんかじゃない。ペテンもいいところだった。
もちろんこんな機械なんて作れるわけがない。なのに、手が勝手に動いていた。
ほとんど、本当にでたらめだ。動くわけがない。
しかし、実際、そこに機械はあった。あるわけがないのに。
「――」
アルフィーは、息を吸って、吐いた。
そして――
*きょうは ここまでのようだ。
- 105二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 01:26:18
使いたい人を募る
- 106二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 09:37:01
自分で使ってみる
- 107二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 12:46:27
やはり封印する
- 108二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 12:48:22
誰かにかけさせてあげようかと思案していると、以前パピルスに使わせてあげた記憶があるような気がしてきた
- 109二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 12:50:25
- 110二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 15:00:22
- 111二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 21:25:49
悩みに悩んだ末、アルフィーは震える手で受話器を握った。
耳に当たると、ぷ――――――――と、ダイヤルを待つ待機音が聞こえてくる。
テストも何もしていないものを、他人に使わせるなんて、出来るわけがない。
さりとて、テストしなければ、完成したかどうかもわからない。
故に、アルフィーはこうして、自らテストをしようとしている。
している、のだが。
「……」
アルフィーはダイヤルに爪を突っ込もうとして……手を引いた。
突っ込もうとする。引く。突っ込もうとする。引く。
それをもう何度か繰り返して、アルフィーは震える息を吐いた。
やがて痺れを切らした受話器が、プー、プー、プー、と、文句を言った。
アルフィーはため息をついて受話器を置く。ちん、とベルの音がした。
仮にかけるとして……どこにかけろというのだ。
単なる間違い電話になって、気まずい思いをするだけじゃないのか。
それとも……
アルフィーが暗澹たる想像に頭を悩ませた、その時。
- 112二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 22:36:04
逆に向こうからかかってきた
- 113二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 22:37:13
以前パピルスにかけさせたような気がしてしまう
- 114二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 22:42:29
パピルスからかかってきた
- 115二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 22:46:58
何者かが受話器を持って立っている
- 116二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 23:39:45
- 117二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 02:57:26
アルフィーどうなるかな
- 118二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 10:00:54
このレスは削除されています
- 119二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 17:18:34
今度は平和的にエンディングを迎えたい
- 120二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 17:50:24
- 121二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 21:58:58
突然、キスキスキューティみゅうみゅう第一期OPが大音量で鳴り響いた。
アルフィーは悲鳴をあげてつんのめり、七転八倒した末、その音が自分のポケットから鳴り響いているとやっと気付いた。
「もっもしもし!」
誰からの電話かも確認せずに慌てて出る。
“……どうしたんだいアルフィー。
そんな急な大きな音に七転八倒した挙句、自分のケータイだって気付いて、やっと出たような声をして”
メタトンだった。
しかも図星だった。
アルフィーは思わず黙った。黙らざるを得なかった。
“……まあいいや。キミも色々忙しいだろうしね。
ボクとしても、ちょっとした用事だったからさ。忙しいならかけ直す”
「だ、大丈夫だよ! 全然大丈夫! 何用事って!?」
思わず声が裏返ってしまった。
しばしメタトンは沈黙した後、
“……実はね……”
と話し始めた。
メタトンの用事とは……?
- 122二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 22:14:44
どうやら奇妙な既視感を覚えていてアルフィーに心当たりはないかと尋ねてきた
「アズゴアたちの追悼コンサートでもやろうと思ってたらフッと前にもこんなことをしていた気がしてね……」 - 123二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 22:38:22
あのニンゲンが自分の意思に関わらず動かされたと思われる事があったのに違和感を覚え、ニンゲンの足取りを改めて調べてほしいそうだ
- 124二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 00:04:28
発表前の新曲を聞いてほしい
- 125二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 00:48:22
アルフィーが急に何かに没頭した様なので気になって電話した
- 126二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 08:22:49
- 127二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 12:18:06
- 128二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 18:50:46
このレスは削除されています
- 129二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 22:07:50
“実は、アズゴア王の追悼コンサートをしようかと考えていてね”
「……アズゴアの?」
ケータイの向こうでメタトンが頷く気配があった、
“それで、セトリを考えてたんだけど……何だか……その、ヘンな感じがしたんだ”
「ヘンな感じ?」
さっきからいちいちオウム返しになってしまう。どうもさっきの動揺が抜けきってない。
ちらりと後ろを見ると、摩天楼のような機械群は、変わらずちかちかと瞬いている。
“なんだか、前にもこんなことをした気がするんだよ。
アズゴア王が亡くなった後に、セトリを組んだような記憶が……”
こういうの、デジャブっていうんだっけ?と、メタトンは尋ねてきた。
どこか不安げな、落ち着かなさそうな様子だった。
それを聞いたアルフィーは……
- 130二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 22:59:47
自分も経験があると話すアルフィー
- 131二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:01:53
ニンゲンを観察していた時に感じた違和感を思い出す
(そうだ、あの子は何か起きたときに前にもこんなことがあったような反応をして……) - 132二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:03:25
今自分が作った装置の事を話す
- 133二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 02:19:30
疲れているんだと話す
- 134二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 02:24:35
- 135二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 10:00:46
このレスは削除されています
- 136二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 18:01:40
- 137二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 22:37:08
メタトンの話は一見――あるいは一聞?――突飛だが、アルフィーにも、実は、覚えがあった。
もっとも、それはメタトンのセトリ以上にあり得ない事だったので、努めて無視していたのだ。
だって、本当にあり得ないのだ。
経緯はどうあれ、自ら、“あの”秘密を、みんなに打ち明ける、なんて――
“……アルフィー? アルフィー、大丈夫かい?”
怪訝そうな心配そうなメタトンの声が聞こえ、アルフィーは我に返った。
「あっ、わたしもあるよそういう事……」
ぽろっと口から漏れた言葉に、アルフィーは思わず自らの口を塞いだ。
“……本当かい?キミもデジャヴを……?”
「……う、うん!
その、撮りためてたドラマ見てたらね、この回見た事あるなって思ったら……
SNSでスクショだけやたら見た事あるの思い出して……え、エヘヘ」
余りにも苦しい言い訳だった。
メタトンも呆れたように黙ってしまった。
そしてしばらく黙ったのちに、まあいいや、と言った。
“王が何度も死ぬことなんてありえないし、きっとボクの気のせいだよね。
じゃ、そういうわけで……”
「う、うん。わかった。その、バイバイ、」
“ああそうだ。あまり根を詰めすぎないようにね”
「う、うんわかった。じゃあね、メタトン……」
そうして、電話は切れた。
アルフィーは再びため息をついて、そして、自らが作り出した機械を、呆然と眺めた。
「……どうしよう、これ……」
一方その頃、アンダインは……
- 138二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 01:03:21
シャイレーンとビアノをひいていた
- 139二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 08:22:35
アルフィーから借り受けた監視カメラを眺めていた
- 140二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 09:12:05
モンスターの子供を訓練していた
- 141二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 09:14:21
サンズのホットドッグ屋にいた
- 142二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 09:21:38
- 143二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 16:58:32
ホシュテール
- 144二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 19:43:00
- 145二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 22:20:58
あの後……サンズが家を出た後。
二人は家の外で、冷たい川をぼうっと眺めていた。
野菜は焦げ、麺も伸びに伸び、もったいないのでケチャップで味をごまかして飲みこんだ後、二人は何となく外に出た。
二人とも雪積もる地面に直に座り、ぼんやりと川が流れていくのを見ている。
今日はパピルスが言うところの「かわのひと」もいない。
二人とも、珍しく、何も言わなかった。言う事が、思いつかなかった。
静かな――そう、あまりにも静かな時間だった。
「あ、アンダイン!!」
そんな子どもの声が、割り込んでくるまでは。 - 146二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 22:45:49
アンダインが振り返ると、そこにはモンスターの子どもがいた。
あの時、ウォーターフェルでニンゲンと一緒にいた子どもだ。
その目は、あこがれのヒーローを見つけた喜びと興奮で、きらきら輝いている。
「アンダイン、その、オレ……!」
その全身から放たれるポジティブオーラに、アンダインの頬も、思わず緩んだ。
アンダインはすっくと立ちあがり、いつものように胸を張った。
「……今から、一緒に訓練するか?」
そう言ってにやりと笑うと、モンスターの子どもの顔が、ますます喜色満面に輝いた。
「ホントっ!?」
「訓練ならオレさまもやるぞ!!」
パピルスも元気にニャハハと立ち上がり、ファイティングポーズをキメた。
「よーしまずは……スノーレスリングからだ!!」
そう吠えると、アンダインはモンスターの子どもとパピルスにとびかかった。
「えっ訓練ってそっちなのっ!?」
「わぁぁっ!!」
そうしてしばらく、彼らはばたばたと、それこそ子イヌのように転げまわって遊んだ。
逃げようとするパピルスにはきっちりと、きゃっきゃとはしゃぐ子どもには危なくないように、アンダインは力加減を見極めていた。
そうしてあたりの雪をあらかた引っ搔き回した後、三人はぐったりと倒れこんだ。
寒冷地帯というのに汗が止まらない。
しばらくして息が落ち着くと、モンスターの子どもが言った。
「あのね、アンダイン……」
*きょうは ここまでのようだ。
- 147二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 03:18:44
あのニンゲンに何があったんだろ?
- 148二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 10:45:15
また訓練してくれ
- 149二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 11:05:45
アンダインのこと信じてるから
- 150二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 12:31:24
今度は料理も教えてくれ
- 151二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 14:34:39
- 152二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 20:23:30
- 153二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 21:38:08
「……あのニンゲンに、何があったんだろ?」
あのニンゲン、という言葉に、アンダインの楽しげだった表情に、一瞬、陰が差した。
パピルスも思わず口を塞いで、二人を交互に見ている。
何を言うべきか、何を言わざるべきか――
「あのニンゲン、って、帰っちゃったんだろ?
一体、どうやって帰ったんだ? 一体、あのニンゲンに何があったんだ?」
モンスターの子どもの言葉に、アンダインは俯いた。
そうだ、この子は何も知らないのだ。
ニンゲンがどうやって帰ったのかも、何故アズゴアが今、この地底に不在なのかも。
この子は、何も知らずに、純粋に、あのニンゲンを友として心配している。
そんな子どもを見て、アンダインは……
- 154二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 22:00:14
私にはわからないと語るアンダイン
- 155二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 22:10:56
真実を伝えた
- 156二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 23:01:05
アズゴアとホットランドの件のことを伏せて伝えた
- 157二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 01:41:13
自分も知らないと言って話を変えようとする
- 158二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 09:49:49
- 159二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 14:35:47
- 160二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 19:42:18
「……ああ、心配するな。あのニンゲンは、ちゃんと地上に帰った」
アンダインが、声の震えを抑えながら言った。
「大丈夫だ。実は……その。あのニンゲンには……バリアを抜けられる力があったみたいで……」
「マジで!? スッゲー! オレも出たかったなー!
あ、でもオレだけ出てもダメだな……とーちゃんとかーちゃんと……皆で出ないとな!」
モンスターの子どもの言葉は、あまりにも無邪気だった。
あまりにも無邪気で、あまりにも屈託がなく、あまりにも、あまりにも――残酷だった。
アンダインはヒレが逆立ちそうになるのを必死で堪えながら、
「……ああ、皆で、出ないとな」
そう、掠れた声で言った。
やがてモンスターの子どもが帰っていくのを見送った後、アンダインは、小さくため息をついた。
「……あっ、あのね、アンダイン、あの、」
「わかっているよ。あの子は何も悪くない。あの子は、自然な願いを口にしているだけだ」
そう、モンスターたちは、みんな、地上に出たい。
だから、バリアを破りたい。
だから、ニンゲンのタマシイを欲する。
そして、タマシイは残り一個だった。
あの子どものせいで、その希望が潰えたと、どうして言える?
「……帰ろうか、パピルス」
疲れた顔で言うアンダインに、パピルスは、頷くことしか出来なかった。
一方その頃……
- 161二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:58:17
サンズに別次元に繋がる電話を作ってしまったことを話すアルフィー
- 162二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:56:53
内心では既視感に戸惑いつつもコンサートの準備を進めるメタトン
- 163二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 23:03:24
突然アイスクリームを食べに行ったガスター
- 164二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 02:41:02
地上に出たときの記憶がかすかに甦るトリエル
- 165二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 10:30:54
- 166二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 12:44:59
- 167二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 22:40:50
メタトンとの通話を終えた後、アルフィーは再びため息をついた。
メタトンの既視感。自分の既視感。
それが、別世界線の存在を示唆しているなら……?
アルフィーは思わず頭を抱え、そして、もう一度機械を見た。
……もし、この電話をかけた先で、また別の世界線が見つかったら……?
「……」
ついに意を決し、アルフィーは、受話器を握った。
そして、そっと、ダイヤルを回した。
果たして彼女がかけた先は……
*きょうは ここまでのようだ。
- 168二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 02:24:24
サンズ
- 169二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 02:26:36
アズゴア
- 170二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 06:49:19
サンズだがコンビニ店員
- 171二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 11:44:06
向こう側の自分
- 172二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 11:44:55
- 173二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 12:35:12
- 174二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 20:50:06
あげてーる
- 175二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:08:33
色々悩んだ挙句、アルフィーはサンズに掛けることにした。
彼の頭の良さはアルフィーもよく知っている。
だから、たとえどんな世界線のサンズであっても、話せばきっとすぐ理解してくれるだろう。
まあ、多少ジョークの一つや二つやは覚悟しておかなければならないが。
「……よし」
アルフィーはサンズの電話番号をダイヤルし、その後に、ランダムな番号をダイヤルした。
これで、どこかの世界線のサンズに、電話が繋がるはずだ。
ランダムといいつつ、一応、番号はメモしておいたが。
ぷるるるる、ぷるるるる、という呼び出し音が、受話器から聞こえてきた。
やがてその音に、ノイズが混じり始める。
まるで何かを引き延ばすような、ぐしゃりと潰すような、そんな、嫌なノイズが。
“――もしもし?”
アルフィーは息を呑んだ。
サンズだ。 - 176二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:25:36
「あっあの、わたし、アルフィーなんだけど、サンズ、あのね」
“――あれ”
先走るアルフィーと反比例するように、サンズはいつも通りだ。
いつも通り、のはずだ。
そう、いつも――
“オイラ、アンタに電話番号教えたっけ?”
――いつ、も?
“ま、いいか。あー、みゅうみゅうヌードルはまだ入ってきてないよ”
――みゅうみゅう、ヌードル?
“昨日も来たけど、そう簡単には入荷しないって”
――昨日? 入荷?
“大丈夫、そんなに急がなくても麺は伸びないよ。インスタントだしな”
――彼は一体、何を、言って。
“……用事は終わりか? じゃ、もう切るぜ”
そうしてアルフィーが何も言わない間に、ガチャン、ツー、ツー、ツー、と電話は切れてしまった。
……何も意味がわからなかった。
……どうしよう?
- 177二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:39:23
とりあえず一回転して落ち着く
- 178二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:45:09
もう一度サンズにかける
- 179二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:41:08
次はアズゴアにかけてみる
- 180二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 01:49:17
今かけたのとは違う世界線に繋がるように調整する
- 181二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 09:27:43
- 182二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 16:10:56
まさかの間オイラ友情出演クソワロタ
- 183二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 21:04:27
予想外の展開だったな
- 184二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 21:40:34
- 185二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:08:21
アルフィーはしばし頭を抱えていたが、すぐに首を振って、再度ダイヤルし始めた。
サンズは確かに賢いが、少々イタズラがすぎるところがある。
彼はあんまり、このテストには向いてなかったのかもしれない。
そういやずっと前も、オイラリカちゃん?なんてわけのわからない電話をかけてきたし。
なら……まだ「自分自身」の方が、話が通じるのではないだろうか?
アルフィーはそう思って、今度は自分の番号に、ランダムな番号を付け足してかけた。
その結果は……
*きょうは ここまでのようだ。
- 186二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 03:55:17
出ないぞ
- 187二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 11:52:43
なんと応答がきた
- 188二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 12:36:47
メタトンが出た
- 189二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 12:37:56
サンズが出た
なにやらアルフィーは行方不明になっているらしい - 190二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 12:39:13
- 191二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 17:32:22
- 192二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:52:36
また、ぷるるるる、という呼び出し音、そして、ノイズが聞こえた。
そして、
“……もしもし?”
と、誰かが応答した。
誰か――そう、それは、アルフィーではなかった。
それは、メタトンの声だった。
アルフィーは思わず受話器を見た。
今は自分のケータイにかけたはずだ。なのに何故メタトンが?
自分で言うのも何だが、オタクでSNS中毒でネット中毒であるところのアルフィーが、そう簡単にケータイをどこかに置いていくとは思えなかった。
まして、それをメタトンとはいえ、他人が取るなんて。
「――も、もしもし? わたし、あの、アルフィー、なんだけど……」
アルフィーがそう言うと……
- 193二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:57:59
どこに行っていたのか問い詰めるメタトン
- 194二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 19:57:14
これからニンゲンを止めに向かう、と話すメタトン
- 195二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 20:17:06
TVTIME!という声が横から聞こえてきた
- 196二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 20:35:04
ニンゲンと戦ってる最中だ
「何か用事かいアルフィー?申し訳ないが生憎と今ライブの真っ最中でね
放送中のスターはトイレに行きたくなってもステージを去ってはならないのがルールだ
用件ならこの後聞くからまたかけ直してくれ」 - 197二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 20:42:07
- 198二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:44:04
- 199二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:16:21
"……今度はどうしたんだいアルフィー?"
メタトンの呆れたような声が聞こえてくる。
いや、人のケータイを持っておいて、今度はどうした、もこうしたも、ないと思う、のだが。
しかしアルフィーのそんなモヤモヤも、次の言葉の前に、あっという間に霧散してしまった。
“カーテンコールにはちょっと遅いんじゃないかな。ニンゲンならもう行ってしまったよ”
――は?
今、メタトンは、何と言った?
ニンゲンなら、もう、行ってしまった――?
いや、それはおかしい。この言い分だと、ニンゲンが去ったのは、1日前どころか、それこそ数時間、数分前の事のように聞こえる。
それはつまり――どういう――
そこまで考えてアルフィーは思い出した。
そうだ、これは別の世界線に繋がる電話だった。
たまたま別の世界線のメタトンが、たまたまアルフィーのケータイに出た。
そしてそのメタトンは、ニンゲンと華麗なる死闘を繰り広げた直後なのだろう。
――と、アルフィーは解釈した。
「ご、ごめんねメタトン! そ、そう、その、もうすぐニンゲンとアズゴアが戦うんだよ、ね。
あの、ところで、なんでわたしのケータイに出たの……?」
アルフィーの問いに、別世界線のメタトンは……
- 200二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:32:04
さっきアズゴアのもとに行くとか言ってなかったかい?
ケータイも持たないでさ - 201二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:42:56
さっき自分で言ってなかったかな?
この異次元に繋がるケータイで出来る限りの場所へ配信してくれってさ - 202二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:45:45
君がくれたんだろ?
異次元に繋がるケータイを発明したはいいけどおかしな声が聞こえるからって - 203二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:53:31
ニンゲンと会いに行くから自分の電話の番を頼むって言ったじゃないか
- 204二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 03:02:23
- 205二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 06:32:40
- 206二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 11:49:50
アゲテール
- 207二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 18:29:10
メタトンは不思議そうに言った。
“何で、って……ニンゲンと会いに行くから、自分の電話の番を頼むって言ったじゃないか”
そう聞いてアルフィーは再び得心がいった。
そうだ、自分も確かそうした気がする。
ニンゲンに、せめて最後に会いたかった。もしかしたら最期になるかもしれなかった。
初めは最後に顔を見るだけでよかったが、しかし、あのニンゲンの顔を見ていると、黙っている事など出来なかった。
あの時になって初めて、アルフィーは、ニンゲンに、バリアのルールを説明した。
バリアを潜り抜けたいと願うなら、家に帰りたいと願うなら――アズゴアを殺さなければならない、アズゴアのタマシイが必要なのだ、と。
“……アルフィー?アルフィー?もしもし?”
メタトンの呼びかけでアルフィーは我に返った。
「あっ、う、うん、大丈夫だよ!」
“大丈夫ならいいけど……ところで、ニンゲンにはもう会えたの?きちんと話せた?
というか、一体どこから電話してるんだい?
何だかノイズが酷いけど……”
……どうしよう。どこまで話すべきだろうか?
それとも、もう切ってしまう?
- 208二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 18:33:00
アンダインの無事を確認してから切る
- 209二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 18:49:30
全てを話す
- 210二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 19:24:21
ひとまず無事を労うと切る
- 211二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 19:31:56
自分の素性を明かして何者かの意思でこの異世界に繋がる電話を作ったと話す
- 212二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 19:58:56
- 213二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 20:16:36
- 214二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 20:38:55
(――どうしよう)
アルフィーは、迷った。悩んだ。電話の向こうのメタトンは、自分を、彼の世界のアルフィーだと思い込んでいる。
果たして彼に、話していいものだろうか。
あるいは、このまま電話を切ってしまおうか。
そう考えあぐねていると、
“……アルフィー?用事は終わりかい?なら、早く戻ってきて”
「わっ、わたし、ごめんなさい、アルフィーじゃないの!」
気がついた時、アルフィーの口からまろび出たのは、そんな胡乱極まりないフレーズだった。
“……………………はい?”
メタトンがいつもの気取った喋り方もやめて、素のトーンで言った。
一体どこからそんなフレーズが出てきたのか、アルフィーにもわからない。
ただもう、後はやぶれかぶれでも説明するしかなかった。
「あの、わたし、アルフィーじゃないの。いや、アルフィーはアルフィーなんだけど、あなたの知ってるアルフィーじゃなくて」
“そんなクレイジーな事言い出すアルフィーなんて、君しか知らないよ」
メタトンの呆れてるのか何なのかなぼやきに、アルフィーは混乱の追い打ちをかけた。
「わたし……別の世界線から電話をかけてるの」 - 215二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 20:47:10
“……別の……世界線?”
メタトンの訝しむ声が聞こえてくる、
「そ、そう。別の……世界線。
何だか知らないけど、手が勝手に動いて……作り方も知らないはずなのに、いつのまにかわたしは、別の世界線に繋がる電話を作ってたの」
“ふうん……続けて”
興味を持ったのか、とりあえず話だけは聞いてやろうという感じなのか、メタトンは先を促した。
「それで……1回目はサンズにかけたんだけど、その、よくわかんなくて」
“まあ彼ならそうだろうね。わかっててボケるよ、きっと”
メタトンが電話越しに頷く気配があった。
「それで……次は、わたし自身にかけたの。そしたら、あなたに……あなたの持ってるわたしのケータイに繋がった。
その、これで状況はわかった?」
しばし、電話の向こうで沈黙があった。
ややあって、メタトンが、
“じゃあ、証拠は?”
と言った。
“もし別の世界線なら、そちらとこちらで違うものがあるはずだろう?
ボクだってSFの一つや二つ読んでるからね。パラレルワールド的な概念も理解は出来るつもりだよ”
アルフィーは考えた。
――アズゴアの死。
それが、パッと浮かんだ。そして、すぐに却下した。
向こうのアズゴアは生きてるかもしれない。でも、それは単に同じ世界線の過去と未来というだけで、別世界ではない。
そして、二つの世界線での違いを擦り合わせた結果……
- 216二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:02:58
考え直してアズゴアが自分の世界では死んでいると伝える
- 217二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:14:28
こちらでは謎の貝の女性モンスターがいる
- 218二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:19:15
こちらではニンゲンがホットランドに来て変わってしまったの
何の脈絡もなく誰かに操られたようにモンスターを傷つけ始めて…… - 219二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:23:19
アズゴアの死を敢えて伏せて地下の現状を伝える
「こっちでは女王様が戻って来たのよ、それで地下に落ちてきたニンゲンとは友達として扱うようにってお触れを出して、それから……」 - 220二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:32:02
- 221二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 22:04:23
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- 222二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 22:15:59
- 223二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 22:29:03
*きょうは ここまでのようだ。
- 224二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 00:33:10
オツテール