- 1二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:06:25
ニンゲンが地底世界を去った後、モンスターたちはどう過ごしたのか、という物語を安価で作りたい。
もちろん全部ネタバレ注意。
ただし今回はGルートとNはNでもロードしたらPルートに行けるルート(全員と友達ルート)、
そして、既に通ったルートは除く。
過去スレまとめはこちら。
過去スレ一覧&現在までのエンディングリスト | Writeningアンダイン死亡の追放トリエルエンドから、スパゲッティアンドピースな世界になった1スレ目 https://bbs.animanch.com/board/2864876/ 全員生存のアンダイン裏切られエンドから、ある種の『真実』を知ってし…writening.net - 2二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:09:02
Nルートまとめは以下の表の通り。
(参考元:Undertale Japan Wiki
https://undertale.fandom.com/ja/wiki/Undertale_Japan_Wiki
ライセンス:CC-BY-SA)
今回も、まずどのNルートを経たのかを決める。
このニンゲンはトリエルを殺した?見逃した?
- 3二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:13:53
見逃した
- 4二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:16:19
- 5二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:18:13
無事だった
- 6二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:19:47
- 7二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:25:32
見逃した
- 8二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:29:03
- 9二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:33:04
無事だった
- 10二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:33:55
無事
- 11二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:34:16
初めて死者が出た
- 12二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:37:09
ニンゲンはまたしても、ホットランドやコアのモンスターたちのみを殺したようだ。
前回と、そう変わらない結果だ。
しかし、いせきのモンスターたちは生きている。
そしてニンゲンは、アズゴア王と出会った。
ニンゲンは、アズゴア王と戦い、そしてフラウィと戦った。
ニンゲンは、フラウィを殺した?見逃した?
- 13二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:37:49
殺した
- 14二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:39:55
ニンゲンは再び、フラウィを殺した。
そしてニンゲンは、地底を去った。
地下では、トリエル、パピルス、アンダイン、アルフィー、メタトン、サンズが生きている。
地下では、アズゴア、フラウィ、そしてホットランドやコアのモンスターたちが死んでいる。
サンズは、ニンゲンの携帯電話に、メッセージを残す事にした。
女王がリーダーとして戻ってきた事、落ちてきたニンゲンには仲間として接するようにおふれを出した事。
アズゴアがいなくなり、集めていたタマシイも消え、バリアを破る計画は当分延期された事。
みんなが落ち込む中、それでも女王は、国民を励ましている事―― - 15二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:46:28
そこにパピルスもメッセージを吹き込んだ。
ロイヤル・ガードが解散された事。
アンダインが失業してホームレスになった事。
アンダインは、その後はサンズとパピルスと同居しながら、ホットドッグスタンドで働いている事。
そして何より、アズゴアが死んだのはニンゲンのせいだと言っている事。
その憎しみは凄まじく、バリアを抜けて復讐に行く、とまで言っているという事。
パピルス本人としては、そのアイディアを無理と思いつつ、叶えばいいな、と思っている事。
そうすれば、またニンゲンと会う事が出来るが、その時は戦う事になるだろう、という事。
それが、地底の現状であると。
二人とも、何やらデジャヴを覚えながら、メッセージを録音し終えた。
この物語の後日談は、ここから始まる。
まずは誰から後日談を始めようか?
今日は寝ます。
- 16二次元好きの匿名さん25/06/18(水) 22:51:47
- 17二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 01:28:17
ガーソン
- 18二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 08:43:13
このレスは削除されています
- 19二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 08:59:09
このレスは削除されています
- 20二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 17:44:13
このレスは削除されています
- 21二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 20:22:44
- 22二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 21:51:39
ウォーターフェルの水面は、今日も静かに揺らめいている。
大概のモンスターが水中深くに棲むここでは、上を歩くのは、ウロコもヒレもエラもないモンスターくらいだ。
だが今、一人のモンスターが、その水中を這い出し、どこかへと向かっていた。
ウロコも、ヒレも、エラも持っているモンスター――シャイレーンだ。
彼女は部屋の隅っこに座ると、小さな声で歌を口ずさんだ。
「……シレ シレ シミ シミ……♪」
あの時、一緒に歌ったのは楽しかった。
コンサートごっこをして……色んなモンスターが聞きに来て……
知らないモンスターが何故かトイレットペーパーで作ったチケットを売って……
そうしてごっこ遊びに飽きたあたりで、二人は別れた。
あの子とは、それきりだ。
また歌っていれば、会えるかもしれない……そんな事を思いながら、シャイレーンは一人歌っていた。
そんな時……
- 23二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 21:58:48
アーロンもやってきた
- 24二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 21:59:44
ガーソンが来た
- 25二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 22:01:48
ピアノの音が聞こえてきた
- 26二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 22:12:18
メタトンから電話だ
- 27二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 22:17:10
- 28二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 22:29:29
- 29二次元好きの匿名さん25/06/19(木) 23:10:36
「やあ、シャイレーン(^_-)☆」
突然、いた。
突然現れたその筋肉に、シャイレーンは泡を食って物陰に隠れた。
「驚かせてごめんよ、歌声が聞こえたからつい(^_-)☆」
こんな筋肉の持ち主は一人しかいない。アーロンだ。
シャイレーンは物陰からこっそり、知り合いの様子を伺った。
「おっと、実は君に話があってね(^_-)☆」
……一体何の話だろうか。
*きょうは ここまでのようだ。
- 30二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 03:20:27
メタトンがまたコンサートをするそうだ
- 31二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 09:14:24
ピアノを弾いてくれないか
- 32二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 10:38:05
最近既視感を覚えないか?
- 33二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 10:39:12
この肉体美を見てくれ
- 34二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 10:39:40
- 35二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 17:58:46
このレスは削除されています
- 36二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 22:01:57
- 37二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 22:32:35
「実は、またメタトンがコンサートをするようなんだ(^_-)☆」
メタトンのコンサート、と聞いて、シャイレーンは微かに顔を覗かせた。
「たまたま、偶然、チケットを2枚ゲットしてね(^_-)☆
気晴らしも兼ねて、よかったら、一緒に行かないかい?(^_-)☆」
シャイレーンは……
dice1d2=1 (1)
- 38二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 23:01:49
シャイレーンはおずおずと、物陰から姿を現した。
「……うん……ありがとう……行きたい、です……」
「よかった! じゃあ、一緒に行こう(^_-)☆」
コンサートは明日だよ(^_-)☆と告げ、アーロンは去っていった。
「……」
シャイレーンはそっと岩にもたれかかり、小さく息を吐いた。
メタトンが地底一のスターであることを、もちろんシャイレーンは知っている。
そのチケットが、そう易々と取れるものでないことも、知っている。
偶然、なんて言っていたが、アーロンはきっととてつもない努力をしてくれたのだろう。
そんなチケットなんて、受け取らない方が失礼だ。
今はただ、コンサートの事を楽しみに待とう――シャイレーンは、そう思った。
一方その頃……
*きょうは ここまでのようだ。
- 39二次元好きの匿名さん25/06/20(金) 23:03:56
アンダインの家で料理を教わるパピルス
- 40二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 02:21:08
サンズは今日もグリルビーにいた
- 41二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 06:42:01
何かを調べているアルフィー
- 42二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 07:44:18
グリルビーではいぬのモンスターたちがホットランドで聞いたニンゲンの変貌ぶりに困惑していた
- 43二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 10:37:15
- 44二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 17:45:36
おつてーる
- 45二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 18:45:46
- 46二次元好きの匿名さん25/06/21(土) 22:55:06
スノーフルのサンズたちの家の窓が、久しぶりに熱気で曇っていた。
何故なのかは、覗けばすぐにわかる。
パピルスとアンダインが、久しぶりに料理の練習をしているのだ。
「そういえば最近、特訓してないよねっ? 久しぶりにしたいな!」
と、パピルスに言われれば、アンダインには断る理由がなかった。
久しぶりに髪をアップにし、二人でエプロンを身に着け、台所に立った。
お店で買ってきたスパゲティの箱と野菜を、作業台に並べる。
湯を沸かす間に、野菜を刻む。
二人とも、とても、静かだった。
拳で砕くようなこともせず、淡々と作業は進んでいく。
「……ねえ、アンダイン……」
ついに、沈黙に耐えかねるように、パピルスが口を開いた。
「……どうした?」
アンダインが片方の目で、パピルスを見た。
「えっと……あのね……」
*きょうは ここまでのようだ。
- 47二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 01:40:41
今度は家を焼かないようにしようね!
- 48二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 07:00:33
オレ様、最近結構料理がうまくなったんだ
- 49二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 10:34:43
オレさまの真作スパゲッティを食べてくれ
- 50二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 11:38:56
今度は違う特訓がやりたい
- 51二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 12:21:48
- 52二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 13:47:56
- 53二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 21:44:54
ホステール
- 54二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 22:37:56
「えっとね、オレさま、最近ちょっと、ジシュレン?してて……」
「……自主練?」
「うん、お料理の」
見てて、とパピルスが一人で玉ねぎを刻み始めた。
皮を向き、頭と尾を落し、半分に切り、丁寧に刻む。
速度こそゆっくりだが、玉ねぎは確実にみじん切りにされていく。
後は適切な火加減と時間で炒めれば、おいしいソースの材料になるだろう。
他の野菜も、丁寧に皮を剥き、適切な大きさに切っていく。
「オレさま最近、結構お料理上手になったんだ……」
だよね?と、確認するように、パピルスはアンダインを見た。
少し腰を屈め、覗き込むように、あるいはすがるように、アンダインを見た。
「アンダインが、オレさまに料理を教えてくれたからだよ」
それを聞いたアンダインは……
*きょうは ここまでのようだ。
- 55二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 22:59:54
少し表情がゆるんだ
- 56二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 03:17:29
柄にもなく照れる
- 57二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 11:10:34
以前ニンゲンともこんなことをしていたような気分になる
- 58二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 12:14:45
まだまだこれからだと語る
- 59二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 12:16:14
- 60二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 20:52:27
- 61二次元好きの匿名さん25/06/23(月) 22:53:45
真剣な面持ちでそう言われ、アンダインの頬に紅が差した。
「いや、わたしは……その、」
頬を掻きながら、言いよどむ。
「……お、お前がいい弟子だからだよ。こっちも教え甲斐がある」
「ほんとっ?……ニョホホ、オレさまも頑張った甲斐があったよ!」
そうして、二人は少しだけ笑いあって――また黙った。
野菜を刻む音だけがキッチンに響く。
「……だから……だから、ね、アンダイン……」
パピルスが切り終わった野菜を炒めようと、フライパンを用意しながら言った。
「アンダイン、お料理上手だし、あのホットドッグだって、みんなからすっごく評判いいでしょ?」
ホットドッグ、と聞くと、途端、アンダインは複雑な表情をした。
そうして、フライパンを温め、油を引いているパピルスに向かって、
「パピルス。何の話をしたいのか、ハッキリ言ってくれ」
作られかけていた和やかなムードを、自ら切り捨てた。
「お前は、こう言いたいんだろう?
ロイヤル・ガードはもうない。女王はニンゲンを歓迎している」
「アンダイン、オレは、」
「だから……だからわたしも、ニンゲンを憎むのをやめろ、と。
槍を捨て、ホットドッグやスパゲティを作り続ければいいと。そう言いたいんだろう?」
パピルスが思わず沈黙していると……
*きょうは ここまでのようだ。
- 62二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 00:51:37
誰かが訪ねてきた
- 63二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 08:44:52
パピルスの電話が鳴った
- 64二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 11:02:39
「ホットドッグ作るのもなかなか面白いぜ?」
と言ってサンズがどこからか現れた - 65二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 11:04:21
アルフィーから連絡だ
- 66二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 11:06:22
- 67二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 18:08:28
- 68二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 22:48:31
フライパンの中で、野菜と油の弾ける音だけが響いている。
アンダインはじっとパピルスを隻眼で見つめている。
パピルスは、彼女から目を逸らせない。
やはり、彼女は鋭い。
アンダインはいつも鋭い。彼女が振るう槍のように鋭い。
そしてその槍は、見事にパピルスの図星を貫いていた。
そう、ニンゲンに憎しみを抱き続けてカリカリするくらいなら、と思ったのだ。
そして、その意図は、見事に見抜かれていた。
じゅうう、と野菜が焼け付く中、
「ホットドッグ作るのもなかなか面白いぜ?」 - 69二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 22:51:04
突然、いた。
サンズだ。
階段の足音も立てず、いつのまにか、二人の真後ろに立っていた。
「にっ、兄ちゃんっ!?」
「サンズ……!?」
ぎょっとする二人を後目に、サンズはコンロの火を消した。
「火の用心火の用心、っと」
見るとフライパンの中で、野菜が焦げかけている。
「危うく家ごとステーキになるところだったな。Tボーンの。スケルトンだけに」
「兄ちゃん、こんな時に茶化さないでよ!」
やっと我に返ったパピルスが、いつものように怒鳴る。
「ほーい」
そしていつものように、サンズは手をヒラヒラ振りながら去っていく。
ドアに手を掛ける前に、ちら、とアンダインの方を振り返って、
「ただ、さっきのスパゲティ……焦げなきゃ、絶品だったと思うよ。やっぱり、先生がいいんだな」
そう目配せして、今度こそ家を出た。
後には、パピルスとアンダイン、そして焦げた野菜の匂いだけが取り残された。
そうして家を出た後、サンズは……
*きょうは ここまでのようだ。
- 70二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 22:54:07
いつものようにグリルビーに向かった
- 71二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 07:27:06
ホットランドヘホットドッグを売りに行った
- 72二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 10:29:55
アルフィーのもとへ向かった
- 73二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 10:31:22
ホテルのレストランに来ていた
- 74二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 10:33:24
- 75二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:06:19
ホステール
- 76二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:18:29
- 77二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:21:00
頭に座標を思い浮かべ、一歩、二歩、と足を進める。
三歩踏み出す頃には、サンズはもう、ホテルのレストラン、入り口前にいた。
別段、さっきまで料理の話をしていたから、というわけでもない。
ただ何となく、サンズはそこにいた。
少し活気がないように見えるのは、恐らく気のせいではないだろう。
ニンゲンが地底を去った後、ホットランドやコア付近では、行方不明者が数名出ている。
例えば、この辺りを担当していたロイヤル・ガードの二人に、スイーツショップを経営するクモなどだ。
だから、そう、きっと、アンダインの怒りは、もっともだった。
誰もがニンゲンを疑わない中、彼女だけが、あのニンゲンを正しく見て、そして、怒っている。
そんなことを考えながら、サンズは小さく息を吐き、レストランの中をちらりと見た。
すると……
- 78二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:28:59
クモにドーナツを買わされたモンスターがいた
- 79二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:30:52
自分とニンゲンがあの時の話をしている
しかし中へ入るとやはりと言うべきか姿は消えていた - 80二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:40:21
アンダインへの説得に失敗して黄昏るとともに既視感を感じていたアルフィーがいた
- 81二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:45:30
ドラゴンがまた家族と話をしている
- 82二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:55:49
- 83二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 23:30:25
- 84二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 00:40:46
このレスは削除されています
- 85二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 08:48:00
このレスは削除されています
- 86二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 18:00:26
このレスは削除されています
- 87二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:26:06
「……おや」
レストランの中を覗く前に、サンズは入り口を閉ざすガラス戸を見た。
そこに、一人のモンスターが映っていた。
サンズはそっと振り返り、様子を伺った。
サンズの背後、ロビーには、背の高い、ネコみたいな頭のモンスターが立っていた。
落ち着かない様子で、ロビーをきょろきょろ見回している。
手には何やら紙を持っていて、それと周囲を見比べては、ため息をついていた。
そして肩を落として、
「よお」
とサンズに声をかけられ、飛び上がるほど驚いた。
「うわああっ!?」
そのあまりの驚きっぷりに、今度はサンズが驚きそうになった。
「ワオ」
「はっえっあ、な、何ですか……!?」
いっそかわいそうなくらい挙動不審になっているネコ頭に、サンズは肩をすくめた。
「あー、いや……何か探してるみたいだったからさ。オイラでよけりゃ話聞くよ」
そう言われて、初めてネコ頭はようやく警戒を解き、持っていた紙をサンズに見せた。
クモの少女の人相描きだった。 - 88二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:35:13
「これは……?」
サンズが問いかけると、ネコ頭はもじもじしながら言った。
「それが、こないだすごく高いお菓子を買わされたんだけどね……食べてみたらすごくおいしくて……
で、その、また食べてみたくなって……」
ネコ頭はそこで顔を曇らせた。
「で、あのお菓子屋さんがあったところに行ったんだけど、誰もいなかったんだ。
蜘蛛の巣には蜘蛛がたくさんいたけど、あの子はどこにもいなかった。
だから、探してるところだったんだ。なんだか……胸騒ぎがして」
それを聞いたサンズは……
*きょうは ここまでのようだ。
- 89二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:58:33
まあ、その内会えるさ
- 90二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 02:19:44
どこかでげんきにしてるさ
- 91二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 06:49:25
彼女は旅行に行った
- 92二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 10:23:47
別の場所でドーナッツを売ってる
- 93二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 18:16:26
この時間軸が終われば……いやなんでもない
- 94二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 21:13:27
- 95二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 21:16:57
- 96二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 22:20:47
「――探すの、手伝おうか?」
そんな言葉が、サンズの歯の隙間から、ぽろりと零れた。
――オイラ、今、なんて言った?
だって、誰も知らないだけで、ニンゲンが何やらかしたのかなんて、わかってるはずだろ?
なのに、なんで――
しかしサンズが訂正する間もなく、
「助かるよ、ありがとう!」
ネコ頭は曇っていた顔を輝かせた。手まで掴んでぶんぶん振ってくる。
あいにく、いつものブーブークッションは持ち合わせてなかった。
「じゃあ、もう一回ホットランドの方を探してみるよ。後で落ち合おう」
そう言って、一人でホテルから出て行ってしまった。
取り残されたサンズは、頭蓋骨を掻いて、
「……さて、どうするかな」
と、一人呟いた。
一方その頃……
- 97二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 22:40:43
パピルスがサンズを追いかけて来た
- 98二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 23:19:10
アルフィーが別次元につながる電話を開発していた
- 99二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 02:57:46
ニンゲンが変貌したことが信じられないモンスターの子供が図書館で原因を探っていた
- 100二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 10:56:25
ホットランドで何が起きたのか聞き込みをしているトリエル
- 101二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 15:05:47
- 102二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 16:15:21
- 103二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 22:36:10
自分自身の行動が制御出来ないモンスターは――もう一人、いた。
――わたし、一体、何をしているの?
アルフィーは、自分の目の前にある黒電話を見て、頭を抱えた。
ごくごくシンプルな黒電話だ。ガワだけなら、ゴミ捨て場から拾ってきたものだった。
しかしその後ろ、本来電話線が刺さっているはずの場所からは無数のコードが生えていた。
そしてそのコードは、更に奥にある、もっともっと大きな機械に繋げられていた。
まるでテレビで見た摩天楼のような機械群が、窓のようにランプを光らせながら、そこに屹立していた。
――わたし、一体、何をしているの?
アルフィーは、再び自分に問いかけた。
自分が行った実験は、何もかも失敗だった。
タマシイはキープ出来なかったし、みんな、どろどろに溶けて合体してしまった。
物事が悪化するばかりだから、もう何もしない、そう決めたはずなのに。
――別次元に繋がる電話、だなんて! - 104二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 22:54:54
自分にはもちろん、異世界とか、パラレルワールドとか、はたまた別の時間軸とか、そんなことがわかるわけがない。
それはサンズと彼の――彼?――の仕事だった。
そもそも自分が王室の研究員になれたのは、メタトンを作った功績からだ。
そのメタトンだって、確かにガワは作ったけど、その中に宿っていたのはゴーストだった。
心を持ったAIなんかじゃない。ペテンもいいところだった。
もちろんこんな機械なんて作れるわけがない。なのに、手が勝手に動いていた。
ほとんど、本当にでたらめだ。動くわけがない。
しかし、実際、そこに機械はあった。あるわけがないのに。
「――」
アルフィーは、息を吸って、吐いた。
そして――
*きょうは ここまでのようだ。
- 105二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 01:26:18
使いたい人を募る
- 106二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 09:37:01
自分で使ってみる
- 107二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 12:46:27
やはり封印する
- 108二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 12:48:22
誰かにかけさせてあげようかと思案していると、以前パピルスに使わせてあげた記憶があるような気がしてきた
- 109二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 12:50:25
- 110二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 15:00:22
- 111二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 21:25:49
悩みに悩んだ末、アルフィーは震える手で受話器を握った。
耳に当たると、ぷ――――――――と、ダイヤルを待つ待機音が聞こえてくる。
テストも何もしていないものを、他人に使わせるなんて、出来るわけがない。
さりとて、テストしなければ、完成したかどうかもわからない。
故に、アルフィーはこうして、自らテストをしようとしている。
している、のだが。
「……」
アルフィーはダイヤルに爪を突っ込もうとして……手を引いた。
突っ込もうとする。引く。突っ込もうとする。引く。
それをもう何度か繰り返して、アルフィーは震える息を吐いた。
やがて痺れを切らした受話器が、プー、プー、プー、と、文句を言った。
アルフィーはため息をついて受話器を置く。ちん、とベルの音がした。
仮にかけるとして……どこにかけろというのだ。
単なる間違い電話になって、気まずい思いをするだけじゃないのか。
それとも……
アルフィーが暗澹たる想像に頭を悩ませた、その時。
- 112二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 22:36:04
逆に向こうからかかってきた
- 113二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 22:37:13
以前パピルスにかけさせたような気がしてしまう
- 114二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 22:42:29
パピルスからかかってきた
- 115二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 22:46:58
何者かが受話器を持って立っている
- 116二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 23:39:45
- 117二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 02:57:26
アルフィーどうなるかな
- 118二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 10:00:54
このレスは削除されています
- 119二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 17:18:34
今度は平和的にエンディングを迎えたい
- 120二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 17:50:24
- 121二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 21:58:58
突然、キスキスキューティみゅうみゅう第一期OPが大音量で鳴り響いた。
アルフィーは悲鳴をあげてつんのめり、七転八倒した末、その音が自分のポケットから鳴り響いているとやっと気付いた。
「もっもしもし!」
誰からの電話かも確認せずに慌てて出る。
“……どうしたんだいアルフィー。
そんな急な大きな音に七転八倒した挙句、自分のケータイだって気付いて、やっと出たような声をして”
メタトンだった。
しかも図星だった。
アルフィーは思わず黙った。黙らざるを得なかった。
“……まあいいや。キミも色々忙しいだろうしね。
ボクとしても、ちょっとした用事だったからさ。忙しいならかけ直す”
「だ、大丈夫だよ! 全然大丈夫! 何用事って!?」
思わず声が裏返ってしまった。
しばしメタトンは沈黙した後、
“……実はね……”
と話し始めた。
メタトンの用事とは……?
- 122二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 22:14:44
どうやら奇妙な既視感を覚えていてアルフィーに心当たりはないかと尋ねてきた
「アズゴアたちの追悼コンサートでもやろうと思ってたらフッと前にもこんなことをしていた気がしてね……」 - 123二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 22:38:22
あのニンゲンが自分の意思に関わらず動かされたと思われる事があったのに違和感を覚え、ニンゲンの足取りを改めて調べてほしいそうだ
- 124二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 00:04:28
発表前の新曲を聞いてほしい
- 125二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 00:48:22
アルフィーが急に何かに没頭した様なので気になって電話した
- 126二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 08:22:49
- 127二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 12:18:06
- 128二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 18:50:46
このレスは削除されています
- 129二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 22:07:50
“実は、アズゴア王の追悼コンサートをしようかと考えていてね”
「……アズゴアの?」
ケータイの向こうでメタトンが頷く気配があった、
“それで、セトリを考えてたんだけど……何だか……その、ヘンな感じがしたんだ”
「ヘンな感じ?」
さっきからいちいちオウム返しになってしまう。どうもさっきの動揺が抜けきってない。
ちらりと後ろを見ると、摩天楼のような機械群は、変わらずちかちかと瞬いている。
“なんだか、前にもこんなことをした気がするんだよ。
アズゴア王が亡くなった後に、セトリを組んだような記憶が……”
こういうの、デジャブっていうんだっけ?と、メタトンは尋ねてきた。
どこか不安げな、落ち着かなさそうな様子だった。
それを聞いたアルフィーは……
- 130二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 22:59:47
自分も経験があると話すアルフィー
- 131二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:01:53
ニンゲンを観察していた時に感じた違和感を思い出す
(そうだ、あの子は何か起きたときに前にもこんなことがあったような反応をして……) - 132二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:03:25
今自分が作った装置の事を話す
- 133二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 02:19:30
疲れているんだと話す
- 134二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 02:24:35
- 135二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 10:00:46
このレスは削除されています
- 136二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 18:01:40
- 137二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 22:37:08
メタトンの話は一見――あるいは一聞?――突飛だが、アルフィーにも、実は、覚えがあった。
もっとも、それはメタトンのセトリ以上にあり得ない事だったので、努めて無視していたのだ。
だって、本当にあり得ないのだ。
経緯はどうあれ、自ら、“あの”秘密を、みんなに打ち明ける、なんて――
“……アルフィー? アルフィー、大丈夫かい?”
怪訝そうな心配そうなメタトンの声が聞こえ、アルフィーは我に返った。
「あっ、わたしもあるよそういう事……」
ぽろっと口から漏れた言葉に、アルフィーは思わず自らの口を塞いだ。
“……本当かい?キミもデジャヴを……?”
「……う、うん!
その、撮りためてたドラマ見てたらね、この回見た事あるなって思ったら……
SNSでスクショだけやたら見た事あるの思い出して……え、エヘヘ」
余りにも苦しい言い訳だった。
メタトンも呆れたように黙ってしまった。
そしてしばらく黙ったのちに、まあいいや、と言った。
“王が何度も死ぬことなんてありえないし、きっとボクの気のせいだよね。
じゃ、そういうわけで……”
「う、うん。わかった。その、バイバイ、」
“ああそうだ。あまり根を詰めすぎないようにね”
「う、うんわかった。じゃあね、メタトン……」
そうして、電話は切れた。
アルフィーは再びため息をついて、そして、自らが作り出した機械を、呆然と眺めた。
「……どうしよう、これ……」
一方その頃、アンダインは……
- 138二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 01:03:21
シャイレーンとビアノをひいていた
- 139二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 08:22:35
アルフィーから借り受けた監視カメラを眺めていた
- 140二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 09:12:05
モンスターの子供を訓練していた
- 141二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 09:14:21
サンズのホットドッグ屋にいた
- 142二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 09:21:38
- 143二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 16:58:32
ホシュテール
- 144二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 19:43:00
- 145二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 22:20:58
あの後……サンズが家を出た後。
二人は家の外で、冷たい川をぼうっと眺めていた。
野菜は焦げ、麺も伸びに伸び、もったいないのでケチャップで味をごまかして飲みこんだ後、二人は何となく外に出た。
二人とも雪積もる地面に直に座り、ぼんやりと川が流れていくのを見ている。
今日はパピルスが言うところの「かわのひと」もいない。
二人とも、珍しく、何も言わなかった。言う事が、思いつかなかった。
静かな――そう、あまりにも静かな時間だった。
「あ、アンダイン!!」
そんな子どもの声が、割り込んでくるまでは。 - 146二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 22:45:49
アンダインが振り返ると、そこにはモンスターの子どもがいた。
あの時、ウォーターフェルでニンゲンと一緒にいた子どもだ。
その目は、あこがれのヒーローを見つけた喜びと興奮で、きらきら輝いている。
「アンダイン、その、オレ……!」
その全身から放たれるポジティブオーラに、アンダインの頬も、思わず緩んだ。
アンダインはすっくと立ちあがり、いつものように胸を張った。
「……今から、一緒に訓練するか?」
そう言ってにやりと笑うと、モンスターの子どもの顔が、ますます喜色満面に輝いた。
「ホントっ!?」
「訓練ならオレさまもやるぞ!!」
パピルスも元気にニャハハと立ち上がり、ファイティングポーズをキメた。
「よーしまずは……スノーレスリングからだ!!」
そう吠えると、アンダインはモンスターの子どもとパピルスにとびかかった。
「えっ訓練ってそっちなのっ!?」
「わぁぁっ!!」
そうしてしばらく、彼らはばたばたと、それこそ子イヌのように転げまわって遊んだ。
逃げようとするパピルスにはきっちりと、きゃっきゃとはしゃぐ子どもには危なくないように、アンダインは力加減を見極めていた。
そうしてあたりの雪をあらかた引っ搔き回した後、三人はぐったりと倒れこんだ。
寒冷地帯というのに汗が止まらない。
しばらくして息が落ち着くと、モンスターの子どもが言った。
「あのね、アンダイン……」
*きょうは ここまでのようだ。
- 147二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 03:18:44
あのニンゲンに何があったんだろ?
- 148二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 10:45:15
また訓練してくれ
- 149二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 11:05:45
アンダインのこと信じてるから
- 150二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 12:31:24
今度は料理も教えてくれ
- 151二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 14:34:39
- 152二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 20:23:30
- 153二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 21:38:08
「……あのニンゲンに、何があったんだろ?」
あのニンゲン、という言葉に、アンダインの楽しげだった表情に、一瞬、陰が差した。
パピルスも思わず口を塞いで、二人を交互に見ている。
何を言うべきか、何を言わざるべきか――
「あのニンゲン、って、帰っちゃったんだろ?
一体、どうやって帰ったんだ? 一体、あのニンゲンに何があったんだ?」
モンスターの子どもの言葉に、アンダインは俯いた。
そうだ、この子は何も知らないのだ。
ニンゲンがどうやって帰ったのかも、何故アズゴアが今、この地底に不在なのかも。
この子は、何も知らずに、純粋に、あのニンゲンを友として心配している。
そんな子どもを見て、アンダインは……
- 154二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 22:00:14
私にはわからないと語るアンダイン
- 155二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 22:10:56
真実を伝えた
- 156二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 23:01:05
アズゴアとホットランドの件のことを伏せて伝えた
- 157二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 01:41:13
自分も知らないと言って話を変えようとする
- 158二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 09:49:49
- 159二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 14:35:47
- 160二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 19:42:18
「……ああ、心配するな。あのニンゲンは、ちゃんと地上に帰った」
アンダインが、声の震えを抑えながら言った。
「大丈夫だ。実は……その。あのニンゲンには……バリアを抜けられる力があったみたいで……」
「マジで!? スッゲー! オレも出たかったなー!
あ、でもオレだけ出てもダメだな……とーちゃんとかーちゃんと……皆で出ないとな!」
モンスターの子どもの言葉は、あまりにも無邪気だった。
あまりにも無邪気で、あまりにも屈託がなく、あまりにも、あまりにも――残酷だった。
アンダインはヒレが逆立ちそうになるのを必死で堪えながら、
「……ああ、皆で、出ないとな」
そう、掠れた声で言った。
やがてモンスターの子どもが帰っていくのを見送った後、アンダインは、小さくため息をついた。
「……あっ、あのね、アンダイン、あの、」
「わかっているよ。あの子は何も悪くない。あの子は、自然な願いを口にしているだけだ」
そう、モンスターたちは、みんな、地上に出たい。
だから、バリアを破りたい。
だから、ニンゲンのタマシイを欲する。
そして、タマシイは残り一個だった。
あの子どものせいで、その希望が潰えたと、どうして言える?
「……帰ろうか、パピルス」
疲れた顔で言うアンダインに、パピルスは、頷くことしか出来なかった。
一方その頃……
- 161二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:58:17
サンズに別次元に繋がる電話を作ってしまったことを話すアルフィー
- 162二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:56:53
内心では既視感に戸惑いつつもコンサートの準備を進めるメタトン
- 163二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 23:03:24
突然アイスクリームを食べに行ったガスター
- 164二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 02:41:02
地上に出たときの記憶がかすかに甦るトリエル
- 165二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 10:30:54
- 166二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 12:44:59
- 167二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 22:40:50
メタトンとの通話を終えた後、アルフィーは再びため息をついた。
メタトンの既視感。自分の既視感。
それが、別世界線の存在を示唆しているなら……?
アルフィーは思わず頭を抱え、そして、もう一度機械を見た。
……もし、この電話をかけた先で、また別の世界線が見つかったら……?
「……」
ついに意を決し、アルフィーは、受話器を握った。
そして、そっと、ダイヤルを回した。
果たして彼女がかけた先は……
*きょうは ここまでのようだ。
- 168二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 02:24:24
サンズ
- 169二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 02:26:36
アズゴア
- 170二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 06:49:19
サンズだがコンビニ店員
- 171二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 11:44:06
向こう側の自分
- 172二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 11:44:55
- 173二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 12:35:12
- 174二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 20:50:06
あげてーる
- 175二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:08:33
色々悩んだ挙句、アルフィーはサンズに掛けることにした。
彼の頭の良さはアルフィーもよく知っている。
だから、たとえどんな世界線のサンズであっても、話せばきっとすぐ理解してくれるだろう。
まあ、多少ジョークの一つや二つやは覚悟しておかなければならないが。
「……よし」
アルフィーはサンズの電話番号をダイヤルし、その後に、ランダムな番号をダイヤルした。
これで、どこかの世界線のサンズに、電話が繋がるはずだ。
ランダムといいつつ、一応、番号はメモしておいたが。
ぷるるるる、ぷるるるる、という呼び出し音が、受話器から聞こえてきた。
やがてその音に、ノイズが混じり始める。
まるで何かを引き延ばすような、ぐしゃりと潰すような、そんな、嫌なノイズが。
“――もしもし?”
アルフィーは息を呑んだ。
サンズだ。 - 176二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:25:36
「あっあの、わたし、アルフィーなんだけど、サンズ、あのね」
“――あれ”
先走るアルフィーと反比例するように、サンズはいつも通りだ。
いつも通り、のはずだ。
そう、いつも――
“オイラ、アンタに電話番号教えたっけ?”
――いつ、も?
“ま、いいか。あー、みゅうみゅうヌードルはまだ入ってきてないよ”
――みゅうみゅう、ヌードル?
“昨日も来たけど、そう簡単には入荷しないって”
――昨日? 入荷?
“大丈夫、そんなに急がなくても麺は伸びないよ。インスタントだしな”
――彼は一体、何を、言って。
“……用事は終わりか? じゃ、もう切るぜ”
そうしてアルフィーが何も言わない間に、ガチャン、ツー、ツー、ツー、と電話は切れてしまった。
……何も意味がわからなかった。
……どうしよう?
- 177二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:39:23
とりあえず一回転して落ち着く
- 178二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:45:09
もう一度サンズにかける
- 179二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:41:08
次はアズゴアにかけてみる
- 180二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 01:49:17
今かけたのとは違う世界線に繋がるように調整する
- 181二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 09:27:43
- 182二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 16:10:56
まさかの間オイラ友情出演クソワロタ
- 183二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 21:04:27
予想外の展開だったな
- 184二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 21:40:34
- 185二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:08:21
アルフィーはしばし頭を抱えていたが、すぐに首を振って、再度ダイヤルし始めた。
サンズは確かに賢いが、少々イタズラがすぎるところがある。
彼はあんまり、このテストには向いてなかったのかもしれない。
そういやずっと前も、オイラリカちゃん?なんてわけのわからない電話をかけてきたし。
なら……まだ「自分自身」の方が、話が通じるのではないだろうか?
アルフィーはそう思って、今度は自分の番号に、ランダムな番号を付け足してかけた。
その結果は……
*きょうは ここまでのようだ。
- 186二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 03:55:17
出ないぞ
- 187二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 11:52:43
なんと応答がきた
- 188二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 12:36:47
メタトンが出た
- 189二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 12:37:56
サンズが出た
なにやらアルフィーは行方不明になっているらしい - 190二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 12:39:13
- 191二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 17:32:22
- 192二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:52:36
また、ぷるるるる、という呼び出し音、そして、ノイズが聞こえた。
そして、
“……もしもし?”
と、誰かが応答した。
誰か――そう、それは、アルフィーではなかった。
それは、メタトンの声だった。
アルフィーは思わず受話器を見た。
今は自分のケータイにかけたはずだ。なのに何故メタトンが?
自分で言うのも何だが、オタクでSNS中毒でネット中毒であるところのアルフィーが、そう簡単にケータイをどこかに置いていくとは思えなかった。
まして、それをメタトンとはいえ、他人が取るなんて。
「――も、もしもし? わたし、あの、アルフィー、なんだけど……」
アルフィーがそう言うと……
- 193二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:57:59
どこに行っていたのか問い詰めるメタトン
- 194二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 19:57:14
これからニンゲンを止めに向かう、と話すメタトン
- 195二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 20:17:06
TVTIME!という声が横から聞こえてきた
- 196二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 20:35:04
ニンゲンと戦ってる最中だ
「何か用事かいアルフィー?申し訳ないが生憎と今ライブの真っ最中でね
放送中のスターはトイレに行きたくなってもステージを去ってはならないのがルールだ
用件ならこの後聞くからまたかけ直してくれ」 - 197二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 20:42:07
- 198二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:44:04
- 199二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:16:21
"……今度はどうしたんだいアルフィー?"
メタトンの呆れたような声が聞こえてくる。
いや、人のケータイを持っておいて、今度はどうした、もこうしたも、ないと思う、のだが。
しかしアルフィーのそんなモヤモヤも、次の言葉の前に、あっという間に霧散してしまった。
“カーテンコールにはちょっと遅いんじゃないかな。ニンゲンならもう行ってしまったよ”
――は?
今、メタトンは、何と言った?
ニンゲンなら、もう、行ってしまった――?
いや、それはおかしい。この言い分だと、ニンゲンが去ったのは、1日前どころか、それこそ数時間、数分前の事のように聞こえる。
それはつまり――どういう――
そこまで考えてアルフィーは思い出した。
そうだ、これは別の世界線に繋がる電話だった。
たまたま別の世界線のメタトンが、たまたまアルフィーのケータイに出た。
そしてそのメタトンは、ニンゲンと華麗なる死闘を繰り広げた直後なのだろう。
――と、アルフィーは解釈した。
「ご、ごめんねメタトン! そ、そう、その、もうすぐニンゲンとアズゴアが戦うんだよ、ね。
あの、ところで、なんでわたしのケータイに出たの……?」
アルフィーの問いに、別世界線のメタトンは……
- 200二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:32:04
さっきアズゴアのもとに行くとか言ってなかったかい?
ケータイも持たないでさ - 201二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:42:56
さっき自分で言ってなかったかな?
この異次元に繋がるケータイで出来る限りの場所へ配信してくれってさ - 202二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:45:45
君がくれたんだろ?
異次元に繋がるケータイを発明したはいいけどおかしな声が聞こえるからって - 203二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:53:31
ニンゲンと会いに行くから自分の電話の番を頼むって言ったじゃないか
- 204二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 03:02:23
- 205二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 06:32:40
- 206二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 11:49:50
アゲテール
- 207二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 18:29:10
メタトンは不思議そうに言った。
“何で、って……ニンゲンと会いに行くから、自分の電話の番を頼むって言ったじゃないか”
そう聞いてアルフィーは再び得心がいった。
そうだ、自分も確かそうした気がする。
ニンゲンに、せめて最後に会いたかった。もしかしたら最期になるかもしれなかった。
初めは最後に顔を見るだけでよかったが、しかし、あのニンゲンの顔を見ていると、黙っている事など出来なかった。
あの時になって初めて、アルフィーは、ニンゲンに、バリアのルールを説明した。
バリアを潜り抜けたいと願うなら、家に帰りたいと願うなら――アズゴアを殺さなければならない、アズゴアのタマシイが必要なのだ、と。
“……アルフィー?アルフィー?もしもし?”
メタトンの呼びかけでアルフィーは我に返った。
「あっ、う、うん、大丈夫だよ!」
“大丈夫ならいいけど……ところで、ニンゲンにはもう会えたの?きちんと話せた?
というか、一体どこから電話してるんだい?
何だかノイズが酷いけど……”
……どうしよう。どこまで話すべきだろうか?
それとも、もう切ってしまう?
- 208二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 18:33:00
アンダインの無事を確認してから切る
- 209二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 18:49:30
全てを話す
- 210二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 19:24:21
ひとまず無事を労うと切る
- 211二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 19:31:56
自分の素性を明かして何者かの意思でこの異世界に繋がる電話を作ったと話す
- 212二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 19:58:56
- 213二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 20:16:36
- 214二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 20:38:55
(――どうしよう)
アルフィーは、迷った。悩んだ。電話の向こうのメタトンは、自分を、彼の世界のアルフィーだと思い込んでいる。
果たして彼に、話していいものだろうか。
あるいは、このまま電話を切ってしまおうか。
そう考えあぐねていると、
“……アルフィー?用事は終わりかい?なら、早く戻ってきて”
「わっ、わたし、ごめんなさい、アルフィーじゃないの!」
気がついた時、アルフィーの口からまろび出たのは、そんな胡乱極まりないフレーズだった。
“……………………はい?”
メタトンがいつもの気取った喋り方もやめて、素のトーンで言った。
一体どこからそんなフレーズが出てきたのか、アルフィーにもわからない。
ただもう、後はやぶれかぶれでも説明するしかなかった。
「あの、わたし、アルフィーじゃないの。いや、アルフィーはアルフィーなんだけど、あなたの知ってるアルフィーじゃなくて」
“そんなクレイジーな事言い出すアルフィーなんて、君しか知らないよ」
メタトンの呆れてるのか何なのかなぼやきに、アルフィーは混乱の追い打ちをかけた。
「わたし……別の世界線から電話をかけてるの」 - 215二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 20:47:10
“……別の……世界線?”
メタトンの訝しむ声が聞こえてくる、
「そ、そう。別の……世界線。
何だか知らないけど、手が勝手に動いて……作り方も知らないはずなのに、いつのまにかわたしは、別の世界線に繋がる電話を作ってたの」
“ふうん……続けて”
興味を持ったのか、とりあえず話だけは聞いてやろうという感じなのか、メタトンは先を促した。
「それで……1回目はサンズにかけたんだけど、その、よくわかんなくて」
“まあ彼ならそうだろうね。わかっててボケるよ、きっと”
メタトンが電話越しに頷く気配があった。
「それで……次は、わたし自身にかけたの。そしたら、あなたに……あなたの持ってるわたしのケータイに繋がった。
その、これで状況はわかった?」
しばし、電話の向こうで沈黙があった。
ややあって、メタトンが、
“じゃあ、証拠は?”
と言った。
“もし別の世界線なら、そちらとこちらで違うものがあるはずだろう?
ボクだってSFの一つや二つ読んでるからね。パラレルワールド的な概念も理解は出来るつもりだよ”
アルフィーは考えた。
――アズゴアの死。
それが、パッと浮かんだ。そして、すぐに却下した。
向こうのアズゴアは生きてるかもしれない。でも、それは単に同じ世界線の過去と未来というだけで、別世界ではない。
そして、二つの世界線での違いを擦り合わせた結果……
- 216二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:02:58
考え直してアズゴアが自分の世界では死んでいると伝える
- 217二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:14:28
こちらでは謎の貝の女性モンスターがいる
- 218二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:19:15
こちらではニンゲンがホットランドに来て変わってしまったの
何の脈絡もなく誰かに操られたようにモンスターを傷つけ始めて…… - 219二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:23:19
アズゴアの死を敢えて伏せて地下の現状を伝える
「こっちでは女王様が戻って来たのよ、それで地下に落ちてきたニンゲンとは友達として扱うようにってお触れを出して、それから……」 - 220二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:32:02
- 221二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 22:04:23
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- 222二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 22:15:59
- 223二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 22:29:03
*きょうは ここまでのようだ。
- 224二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 00:33:10
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- 225二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 08:40:57
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- 226二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 17:22:26
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- 227二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 22:46:26
それは、ほんの些細な雑談のつもりだった。
少なくとも、メタトンはそう受け取るだろうと思って、アルフィーは尋ねた。
「……メタトン、あの黄色い花について知ってる?」
“……黄色い花?”
「黄色……っていうか、きんいろ、っていうか……ほら、あの、お茶にも出来るし、アズゴアが好きな……」
頭の中にあったのはもちろん、あのきんいろのはなだけではない。
ラボから逃げ出した、あの花。
タマシイを持たず、しかし、ケツイを注ぎ込まれた、あの花。
お城の中庭で採取された、あの花だ。
“……ああ、そこかもしれないね”
メタトンがぽつりと呟いた。
「……そこ?」
“さっきからボクたちで話してることだよ”
“こっちにはね……そんな花、ないんだよ”
きんいろのはなが、存在しない。
それは、何故?
そして、その結果、何が起こった?
*きょうは ここまでのようだ。
- 228二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 08:33:28
アンダインが失踪
- 229二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 10:54:14
アズリエルの幻を見るものが後をたたない
- 230二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 11:06:12
ここではアルフィーがモンスターを使った実験をしていないようだ
- 231二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 11:12:17
あの黄色い花を実験に使っていないためフラウィがいない
- 232二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 17:49:48
- 233二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:32:10
- 234二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:17:50
「え、ええ……? きんいろのはなが、ない……?」
一体、あちらの世界では、何が起こったというんだ。
あの花は、アズリエル王子が連れてきた花だ。そう聞いている。
城の庭で塵になった際、その体についていた種もまた、庭に降り注いだ。
種は、国中を視察(という名のお散歩)をするアズゴアに付着し、地底への方々へと運ばれていった。
今地底で見られる花は、その時に広がっていった花の、遠い遠い子孫たちだ。
その花がないなら……ないなら……?
「……ね、ねえ、メタトン……」
アルフィーの声が震えた。
怖い。これを言うのは、本当に怖い。
あの花がないなら……いや、あの花があっても……
「……その、あれは、どうなったの? ほら、アズゴアが……
……う、“動かなくなった”人たちを、お城に運ぶようにおふれを出したのは……」
わたしは、“それ”で実験したはずだ。
――しかし。
“……そんなおふれ知らないよ?”
アルフィーの頭は、真っ白になった。
気付いた時、電話は切れていた。
一体、あの世界は何だったんだろう。
あの世界は――きっと、“彼ら”がいない世界だ。“彼ら”が正しく眠れた世界だ。
アルフィーは体が震えるのを感じ、己を抱き締めた。
――そんな世界があるなんて、知りたくなかった。
一方その頃、サンズは……
*きょうは ここまでのようだ。
- 235二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 08:51:43
いつものようにグリルビーにいた
- 236二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 10:09:51
ホットランドでホットドッグを売りながら客にニンゲンについて聞いていた
- 237二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 11:32:51
こっそりとアルフィーの様子を覗いていた
- 238二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 17:13:46
家でスパゲッティを食べている
今度は緑色のソースだ - 239二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 17:14:51
- 240二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 21:20:17
- 241二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 22:31:00
結局サンズはあの後、猫頭と一緒にクモの菓子屋の捜索を手伝った後、
次回はまた別の場所を探そう、という話になった。
そうしてホテルで猫頭と別れた後、ここに帰ってきたというわけだ。
そう、スノーフルに。正確に言うならば、スノーフルの、いせきの扉の前に。
ここにもう、ジョーク好きのおばさんがいないことを、サンズは知っている。
サンズはもう誰もノックノックジョークを返すことのない扉の前に立って、小さく息を吐いた。
確かに、ここにはもう、ジョーク好きのおばさんはいない。
しかし、別のものなら、いるかもしれない。
例えば――ニンゲン。
「……へっ」
サンズは己の発想を小さく嘲笑した。
ニンゲンは、来ない。絶対に。
サンズはそう確信していた。 - 242二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 22:37:37
何度も繰り返される時間。何度も落ちてくるニンゲン。何度も好き放題を許す地底。
サンズ本人に自覚はない。ただ、計器の針がその事実を指し示しているのを知っている。
自覚はなくとも、その現象は、確実に、存在する。
ニンゲンか、あるいはニンゲン以前の何者か、が、この時間軸を駆け回り、好き放題楽しんでいる。
そして、今、サンズがここにこうして立っているのも、あるいはもう何度目かもしれなかった。
「…………」
サンズはもう、ため息すらつかず、ただ扉を眺めるだけだった。
――次にニンゲンと会う時は、また、「はじめから」だろうな。
その時だった。サンズの背後から、物音がしたのは。
それは……
*きょうは ここまでのようだ。
- 243二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 22:44:08
パピルスがいた
- 244二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 03:10:05
トリエル
- 245二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 10:14:33
いぬだった
- 246二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 10:57:04
ガーソン
- 247二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 11:00:57
- 248二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 12:47:55
- 249二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 16:47:16
トリィか
- 250二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 19:16:13
「……こんな遠くまで雪だるまでも作りに来たのかい――女王様?」
サンズは、振り返りもせずに言った。
ほんの少しの沈黙の後、また、ざく、と雪を踏み締める音がした。
サンズの視界に、高貴な深い紫苑の外套が入り込んできた。
「……あなたって何でもわかってしまうのね」
フードを外したその顔は、まさしく女王トリエルその人だった。
「いいやオイラは何にも知らないよ。頭が空っぽだからな」
「何故ならスケルトンだから、って?」
ほんの少しの間を開けて、やがて二人は笑い始めた。
「おいおい、女王様がオチを言うのか?」
「あらごめんなさい、ついうっかり」
そうしてしばし笑い合ったのち、二人はまた黙った。
時折、どさ、と枝から雪の落ちる後が響いた。
「……で。実際のところ、何でみやこを離れてここまで来たんだ?」
サンズがトリエルを見つめながら言った。
トリエルは……
- 251二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 19:58:44
また誰か落ちてきそうな気がした
- 252二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 19:59:31
入口にある黄色い花を世話しに来た
- 253二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 20:24:59
あのニンゲンにまた会えそうだったから
- 254二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 20:26:52
昔を懐かしんで
- 255二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 20:45:38
- 256二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:02:48
- 257二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:05:53
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- 258二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:59:35
大した事ではないのよ、と、トリエルはくすりと笑った。
そして、ちょっと待ってね、と傍らに落ちていた枝を拾った。
「この扉を超えて、わたしの家を通り越して、もっともっと奥に行くとね……
いせきの一番奥、つまり、この洞窟の地底世界の一番奥に着くの」
トリエルはそうして、簡単ないせきの地図を雪に刻むと、一番奥をぐるりと円で囲んだ。
「ここに、小さいけれど、きんいろのはなの花畑があるの。
そこに、お水をあげにいこうと思ったのよ」
その話を聞いたサンズは……
- 259二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 00:02:01
オイラも手伝うと言う
- 260二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 01:47:10
何故か安堵した
- 261二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 10:00:03
それとなくあれから既視感を覚えてないか聞いてみる
- 262二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 10:10:55
またあのニンゲンに会いたいかと聞く
- 263二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 12:41:00
- 264二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 17:01:58
どれかな
- 265二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 19:08:34
- 266二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 21:06:57
「ああ……そりゃいいな」
ほっとして、小さく息を吐いた。
そして、何故自分が安堵したのか、わからなかった。
否――実際、心当たりは、あった。
それはきっと、さっきサンズが考えていた事と、同じだった。
「……あー……せっかくなら、オイラも水やり手伝おうか?」
サンズは気付けば、そう口にしていた。
「あら……ありがとう、サンズ」
トリエルも微笑んで了承し、二人はいせきの中へと入っていった。
道中、二人はどんな話をしたのだろうか?
- 267二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 21:46:57
あのニンゲンは元気にしているかな
- 268二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 21:48:07
地下の近況について
- 269二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 21:48:48
アルフィーの様子について
- 270二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:44:16
既視感を覚えたことはないか然り気無く聞いてみるサンズ
- 271二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 07:03:12
- 272二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:28:18
オツテール
- 273二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 17:59:47
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- 274二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 18:41:38
- 275二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:16:30
扉を開け、トリエルの家を通り抜け、いせきの中へと進んでいく。
思えば家の地下室からそのまま外界――この場合はいせきの外――に繋がっているという構造も、なかなか妙だ。
しかしそれをサンズが感じたのは、通り過ぎてしばらく経ってからだった。
思えば、とサンズは一人思考を走らせた。
自分がここに来たのは初めてのはずだ。
トリエルはあれからずっと城にいるし、扉が解放された今、いせきから出て外で暮らすモンスターも多々いる。
ニンゲンが来るか否かを監視する必要もなくなった。来たら、皆で仲間として受け入れるだけだからだ。
つまり、サンズには、ここに来る理由がない。
理由がない、だから、扉も開けない。当然、この中の構造など知る由もない。
しかし――サンズは一瞬、あの奇妙な構造を受け入れた。
もう何度も足を運んだかのように受け入れた。
受け入れた、といえば、このいせきの中もそうだ。
内部は初めて見るはずなのに、何故か、妙に馴染みがある。
まるで、何度も中に入った事のあるような――
――既視感。 - 276二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:49:27
「……なあ」
「どうしたのかしら?」
先導していたトリエルが、サンズの声に振り返る。
「ここって、なんか、懐かしい感じするな」
「そう? ……でも、そうね、わたしも懐かしいわ。ずっとここで暮らしていたから」
柱のちょっとしたキズや、レンガの欠けを見ながら、トリエルが囁くように言った。
「……いや……懐かしい、というか……前にも来た事があるような……」
サンズのスリッパが、いせきの道をしゃりしゃりと進む。
「……なあ。女王様。アンタ、既視感、って覚えたことあるか?」
ついに、サンズはぽつりと尋ねた。
「――既視感?」
トリエルが改めてサンズを見た。
「デジャヴとも言うな。あれ、これ、前にも同じ事があったような……って奴だ」
「……」
そう説明して、サンズはわかってしまった。トリエルの返事を聞くまでもない。
彼女は知っている。目を見ればわかる。既視感を覚えている。何より、今、この会話について。
「わたし……あなたから、その説明を聞いたことある気がするわ。
そう、だから……デジャヴというなら、今……」 - 277二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:15:46
何だか妙な空気になりながら、二人はいせきの一番奥へとたどり着いた。
「ほら、ここよ」
そこは、確かに小さいが花畑だった。
天井部分の岩盤に穴が穿たれ、まるで吹き抜けのようになっている。
そこからオレンジ色の光が差し込んでおり、きんいろのはなは、ますます金色に輝いて見えた。
なるほど、あの穴からニンゲンが落ちてきたのか――
と、感慨にふける事すら出来ない。
サンズは何故か、何度もこの景色を見たような気がしていた。
「……」
再びサンズが口を開こうとした、その瞬間だった。
- 278二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:28:13
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- 279二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:35:42
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- 280二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:39:35
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- 281二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:49:15
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- 282二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 07:33:37
- 283二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 12:47:52
- 284二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 18:55:01
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- 285二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 21:12:14
「……!」
不意に、トリエルの目が見開かれた。垂れた耳の付け根が持ち上がる。
どうした、と声をかけることは出来なかった。
その前に、ど、と風が吹いたからだ。
トリエルが急に奥に向かって走り出したからだ。
「待って――!」
外套を翻しながら、彼女は花畑に飛び込むように走っていく。
サンズには何も見えなかった。サンズには彼女が何に向かって走って行ったのかわからなかった。
きんいろのはなの花弁が、宙を舞った。
そして――サンズには何も出来なかった。
トリエルがきんいろのはなを抱きしめ、泣きじゃくる様を、サンズには、止める事も出来なかった。
彼女が何を見たのか、彼女が何を囁いたのか、彼女が――誰の名前を呼んだのか。
サンズには、何もわからなかった。
差し込む光は紫へと変わっていく。
どうやら、もうじき夜になるようだった。
一方その頃……
- 286二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 22:55:13
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- 287二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 22:57:21
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- 288二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 02:20:07
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- 289二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 08:44:37
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- 290二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 10:35:52
- 291二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 17:07:44
- 292二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 21:25:33
――あれから、どうしたんだっけ。
アルフィーはベッドの上で、ラボの青白い天井を眺めていた。
晩ご飯は?――多分、食べた。空のカップ麺がデスクに置きっぱなしだし。
お風呂は?――多分、入った。パジャマ着てるし。
メタトンは――いない。明日はコンサートだって言ってたし、まだ準備してるのかも。
アルフィーはぼうっとしながら、やがて苦笑した。
あれだけショックを受けておいて、自分の体は、きちんと生存の為に動いている。
はは、と掠れた声で笑った後、アルフィーは自分の目を押さえた。メガネは外されていた。
その時。
ぴこん、とケータイに通知が入った。あれはアンダーネットの通知音だ。
アルフィーは体を起こすと、傍らにあったメガネをかけ、ケータイを取り、通知内容を確認した。
DMが来ていた。差出人は――パピルス。
“ドクターアルフィー!”
彼の大きな声が聞こえてきそうなDMは、こんな内容だった。 - 293二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 22:00:41
兄ちゃんはトモダチにつきそうから、今夜は遅くなる。
アンダインも用事で、今夜は遅くなる。
つまり自分は家に一人だということ。
別に怖くも寂しくもないけど、アルフィー博士は何してるかな?と思ってDMをした、ということ。
ホントのホントにちょびっとも寂しくないけどね!ということ。
アルフィーはその文面にほほえましさを覚えて、返信した。
"一人で大丈夫?"
“大丈夫だよ!ぜんぜん寂しくない!!!
それに兄ちゃんが絵本読んでくれない夜なんてないし!!!!
それまで待ってれば大丈夫!!!!!”
ビックリマークの多さが、彼の孤独と不安を大いに物語っている。
アルフィーは頬を掻いて、そして、また返信した。
“わかった。じゃあお兄ちゃんが帰ってくるまで、何か話でもしようか?”
“パズルの話する???”
思わずアルフィーは頬をほころばせた。
サンズが本当のスターと言って憚らない理由が、何だかわかる気がする。
そうしてしばし文字での雑談を楽しんでいたが、不意にアルフィーの頭に、ある考えが降ってきた。
――彼なら、何を思うのだろう。
タマシイが一瞬、ばくんと脈打った。そして、このやり取りが電話じゃないことに安堵した。
そうして悩んだ末、アルフィーは、パピルスにこんなメッセージを送った。
“ねえ、もし、こんなものがあったらどうする?
例えば、この世界じゃない、別の世界に繋がる、電話があったら”
パピルスの返事は――
- 294二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 22:53:56
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- 295二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 01:50:28
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- 296二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 10:24:03
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- 297二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 11:14:02
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- 298二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 15:38:19
- 299二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 18:20:30
- 300二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:32:31
“なんか面白そうだな!!”
余りに屈託もない返事に、アルフィーはまた微笑んだ。
“オレさまだったら……他の世界のスパゲティのレシピをきくな!
それか、オレさまみたいにイカしたスケルトンはいるかとか!”
DMからあふれ出てくるのは、ポジティブな好奇心ばかりだ。
そうか、と、アルフィーは思った。
彼には、ああすればよかった、こうしなければよかった、が、ない。
だから、こう屈託なく、別の世界への空想も明るく語れるのだ。
そう思い、返信しようとした瞬間。
“アルフィー博士は何を聞きたいの?”
そう、だ。
屈託がないから。明るい空想しかないから。
当然、こう、尋ねてくる。
……言えるわけがない。
自分は、もう訊いたって。
別世界の自分は、あんな罪なんて犯していない、って。
言えるわけがなかった。
「……」
震える指先でケータイを握り締める。そうだ。返信、返信、しなくては――
- 301二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:37:30
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- 302二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:43:04
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- 303二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:50:08
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- 304二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 23:14:50
そのままケータイを壊そうとしてしまう
- 305二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 02:33:54
- 306二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 10:34:55
- 307二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 17:10:30
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- 308二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:56:46
わたしは、と書いて、何度も消す。
だって、わたしはもう、知ってしまった。
罪を犯していない私を知ってしまった。
今更何を知りたい、なんて――
そうして爪の先で何度もフリックしては、書きかけた文字を消す。
早く返事を書かなきゃ、パピルスが不審に思うだろう。
あの子は聡い子だ。確かにちょっと元気すぎるところもあるけれど、でも、察しがいい。
色々迷いに迷った挙句、アルフィーは一つ深呼吸をして、
“みんなの元気な声が聞こえれば、それでいいよ”
――本当の事を書いた。
そうだ。それだけは、本当だ。みんなが元気で幸せであればいいと思う。
――わたしが関われば、みんな、不幸になってしまうけど。
パピルスの返信は意外と遅かった。
“オレさまもそう思うよ!
アンダインが帰ってきて、本読んでくれるって! おやすみ!”
どうやら帰ってきたアンダインとやり取りしていたらしい。
ケータイの時計も、気付けば、もう1、2時間もすれば明日になる時間だった。
アルフィーはため息をついてケータイを机の上に置いて、目を閉じた。
本当に、みんな、幸せになればいいのに、と。
自らその幸せを壊した科学者は、そう思いながら、眠りに落ちた。
そして、次の日がやってきた。
今日は、メタトンによる、アズゴア王追悼コンサートが行われる日だが……
- 309二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 00:03:53
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- 310二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 09:03:29
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- 311二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 11:14:00
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- 312二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 14:22:48
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- 313二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 14:25:48
- 314二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:00:12
- 315二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 22:28:13
次の日、コンサートホールは満員御礼だった。
メタトンはいつものピンクカラーは止め、シックなスーツを喪服として着ていた。
楽曲もいつものメタトンの曲ではなく、ほとんどがカバー曲だった。
生前アズゴア王が好きだった曲、思い出の曲、今ここにいるモンスター皆が知ってる曲もあれば、全員生まれてくる前の曲もあった。
音楽の歴史に詳しい者なら、これがすなわちモンスターの近代音楽史とほぼ同義であることがわかっただろう。
アズゴア王は偉大だった。彼は民と共にあった。
それがよくわかるラインナップだった。
最後にアズゴア王の安らかな眠りを祈る聖歌を皆で歌う頃には、あちこちからすすり泣きが漏れていた。
コンサートが終わった後も、ロビーには涙を拭うモンスター達が集い、アズゴア王との思い出を語り合っている。
そしてその中には、未だに静かに泣き続けるシャイレーンと、必死に泣くのを堪えているアーロンもいた。
そして……
- 316二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 22:46:47
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- 317二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 22:48:05
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- 318二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 02:37:15
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- 319二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 10:21:06
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- 320二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 10:24:32
- 321二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 17:19:10
オツテール
- 322二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 18:02:25
- 323二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 20:45:37
――何か音が鳴っている。
――でも、何の音が。
ぢりりりりりん――ぢりりりりりん――
まるで何かのベルのようだ、と、アルフィーは寝ぼけた頭で思った。
それか、目覚まし時計。あるいは――
ぢりりりりりん――ぢりりりりりん――
鐘をバネ式の小さなハンマーで叩く音、それが何を意味するか思い出したアルフィーは、ガバッと体を起こした。
時刻――見てる間なんてない。服も着替えず、アルフィーはダッシュでエレベーターに飛び乗った。
下降して目的地、すなわちラボに着くと、アルフィーは足をもつれさせながら、“それ”に向かった。
途中、エサ皿を咥えたわんさいぼうが恨めしそうに立っていたが「ごめんね!」とだけ言って、また走る。
そうしてアルフィーは、“それ”にたどり着いた。
あの、電話だ。
別世界からの電話が、ぢりりりりりん、と、呼び出し音を奏でていた。
「もっもしもし!」
アルフィーは勢いよく受話器を握って挨拶し――
- 324二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 21:20:59
昨日の別世界のメタトンだ
- 325二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 21:22:33
別世界のアンダインだ
となりにパピルスもいる - 326二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 21:25:12
アズゴアからだ
- 327二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 22:14:05
サンズだ
今度はちゃんと昨日のメタトンに繋がった世界からだぞ - 328二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 22:16:12
- 329二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 02:29:22
どれかな
- 330二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 07:38:03
- 331二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 14:07:40
ホステール
- 332二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 19:28:24
“――ハロー?”
瞬間。アルフィーの手から、受話器が滑り落ちた。
嘘だ。あり得ない。信じられない。だって彼は。彼は――
でも、あの、声は。
低く、落ち着いた、威厳よりも優しさと親しみやすさに満ちた、あの声は――
“……切れてしまったのかな? ハロー? そこにいるのかい……?”
間違いなく、モンスターの王、アズゴア・ドリーマーその人であった。
アルフィーは、震える手で受話器を握り直した。
このアズゴアは、一体――
- 333二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 20:04:33
もうすぐニンゲンと戦うようだ
- 334二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 20:10:57
アルフィーの口ぶりに違和感を感じたメタトンが逆探知してかけ直したようだ
「何か困ってることでもあるのかな?
力にはなれないかもしれないが話くらいは聞いて上げられるし……どうかな」 - 335二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 20:20:30
昨日の(彼らの次元にとっては先程の)アルフィーの様子から地下に危機が訪れ助けを求めに来たのかと思っているようだ
- 336二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 20:30:53
メタトンから別次元からの電話だと聞かされ、もしかしたら息子とまた話せるかもしれないと思ってかけたようだ
- 337二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 20:36:14
- 338二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 21:18:30
- 339二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 21:59:15
“……さっき、メタトン君から、君の話を聞いてね……何か、困った事でもあったのかい?”
電話越しのアズゴアの声は、どこまでも穏やかだった。
その声は、アルフィーの知るアズゴア王そのままだった。
だが、メタトン、という事は――
アルフィーはちらりと機械に取り付けられた液晶パネルを見た。
どうやら、昨日、偶然アルフィーがかけた世界――アルフィーが罪を犯していない世界から、かかってきたもののようだ。
そして“さっき”というなら、恐らく向こうでは、それほど時間が過ぎていないのだろう。
それこそ、アルフィーが無意識に電話を切った直後でもおかしくない。
一体アズゴアがどこまで聞いているのかはわからないが、その声はとても穏やかだった。
いつも通りの。
生前のままの。
“……私たちの国に、何か、起こっているのかい?”
とても穏やかな声のまま、芯を掴んで離さない。
優しすぎる王は、優しすぎる故、民をよく見ていた。そのピントが、少しズレているとしても。
アルフィーは……
- 340二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 22:48:23
- 341二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 22:53:44
この世界のアズゴアの死だけを伏せて伝えた
- 342二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 22:55:26
みんな元気に暮らしていると話すアルフィー
- 343二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 00:48:15
- 344二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 00:56:24
- 345二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 09:08:36
あげテール
- 346二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 12:47:11
- 347二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 19:42:59
保守テール
- 348二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 23:02:15
アルフィーは――話した。話さざるを得なかった。
生前のアズゴアにさえ話さなかった事を、話した。
ただ、アズゴア本人の死だけは、伏せた。
つっかえつっかえ話すアルフィーに、アズゴアは、静かに相槌を打つだけだった。
そうして、アルフィーがようやく全てを話し終えると、
“……ふむ”
と、アズゴアは、電話越しに頷いた。アルフィーには、その様が目に見えるようだった。
“メタトン君も言っていたが、その、パラレルワールドの私は……
君に随分と、重荷を背負わせていたようだね”
気付いてあげられなくて、すまない――
アズゴアは、そう言った。
――ああ。やはりこの人は……
アルフィーは、視界がかすむのを感じた。
もちろん、これは、アルフィーの仕えたアズゴアではない。それはわかっている。
だがしかし、もし、アズゴアに――何も知らないまま逝ったアズゴアに、生前謝ることが出来ていれば――
彼はきっと、同じことを言っただろう。
アルフィーの目から、とめどなく涙がこぼれていく。
“……アルフィー? 大丈夫かい? アルフィー……?”
「ご、……ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい……!」
アルフィーは電話越しに、ひたすらに慟哭した。
一方、その頃……
- 349二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 23:53:50
観客のアンコールに応じるメタトン
- 350二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 23:57:41
昨日のメッセージからアルフィーに何かあったのか?と心配するパピルス
- 351二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 07:43:19
アルフィーの様子を心配するアンダイン
- 352二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 13:48:29
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- 353二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 13:50:18
- 354二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 18:24:50
- 355二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 21:43:11
メタトンの追悼コンサートは、大評判だった。
観客たちは、みんなアズゴア王の思い出を語り、それは、観客じゃないモンスターたちにも伝播していった。
それは、コンサートホールから離れたここ、スノーフルのグリルビーズでも同じだった。
それにしても、と、バードがアンダーネットのTLをスクロールしながら言った。
「メタトンが自分以外の話をすることってあるんだね」
それは感心してるのか、皮肉を言っているのか、よくわからない声色だった。どっちもなのかもしれない。
アンダーネットは、メタトンのコンサートの感想と、アズゴア王の思い出を語る書き込みで溢れかえっている。
「王様……優しい人だったッス」
(いつもナデナデしてくれたサ……)
「オレが動いてるもんしか見えねえのを知ってて、オレと話す時は、いつもユラユラしてくれてたな……」
元ロイヤル・ガードたち、かつて王を守っていたイヌたちは、その思い出を静かに語った。
レッサードッグやグレータードッグも、珍しく尻尾を垂らし、神妙な顔をしている。 - 356二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 22:15:25
「何より王様といえば」と言い出したのはパンクだ。
「ほら、どんな大雪の日でも、王様はプレゼント持ってきただろ?赤と白の服着てさ……
ガキの頃は、アレがすげえ嬉しかったな……」
それは、ここにいるモンスター全員の、思い出だった。
「……そう、だな」
そして、黙って一杯やっていたサンズが、口を開いた。ミトンの親指で、つ、とグラスをなぞる。
「パピルスもオイラも、王様からプレゼントもらったよ。
あのプレゼントから、オイラの靴下コレクションが始まったって言っても過言じゃないな」
「それ、パピルスがよく片付けて!ってぼやいてる奴ッス?」
(コレクションするならお片付けもしなきゃダメサ!)
イヌたちにつっこまれ、サンズは肩をすくめて、ごまかすようにウインクした。
「おいおい、オイラみたいな怠けんボーンが、ガチで片付けなんかしたら……
みんな、オイラの事見守る事になるぜ?――“かたず”を飲んで」
どこかでツクテーンと効果音が聞こえ、モンスターたちはみんなくすくす笑った。
――オイラにくつしたくれたおっさんだと思えばいいよ。
いつか、あるいはあのニンゲンに、言ったかもしれないフレーズを、サンズは頭の中でぼんやりと思い浮かべていた。
一方その頃……
- 357二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 22:38:48
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- 358二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 22:58:59
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- 359二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 23:30:55
コンサートを終えたメタトンがアルフィーを訪ねに来た
- 360二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 00:10:55
アルフィーの目の前に現れるガスター
- 361二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 00:16:59
- 362二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 09:15:15
- 363二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 17:39:59
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- 364二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 19:12:31
ラボの自動ドアが開く。
ヨレヨレになったメタトンが、フラフラと入ってきた。
体はニンゲンじみたものから、あの四角形に戻っている。
「ふう……ただいま、アルフィー……一回はお開きにしたんだけど、アンコールが鳴り止まなくてね……
まあ、ボクはスターだし、これくらいのファンサ、出来て当たり前なんだけど……」
一輪の足捌きも、どこかフラフラして落ち着かない。
「……それはそうとして……そろそろ電力が欲しくて……だから充電……」
そこまで言って、はたと気づいた。
――アルフィーがいない。
「……アルフィー?」
メタトンは室内を見回した。
アルフィーはだいたいすぐそこのPCをいじっているか、2階でニンゲンの歴史書を読んでいるはずだ。
しかし、そこにもいなかった。
もちろんメタトン一人で充電ベースに座る事くらいは出来る。しかし細かいメンテナンスは、やはりアルフィーでないと出来ない。
どうしたものか、とメタトンは、液晶画面の下……大体顎らしい辺り……に手をやって考え込んだ。
その時だった。
「……アルフィー?」
今、聞こえた。アルフィーの声だ。
アルフィーが、慟哭し、誰かに謝っている。
音の出所は…… 以前、自分がニンゲンをスタンバっていた、あの壁の横のドアからだ。
「……」
メタトンは、じっとそのドアを見つめ……
- 365二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 19:57:22
ドア越しに話しかける
- 366二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 21:29:30
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- 367二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 21:34:36
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- 368二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 21:35:32
- 369二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 21:47:34
- 370二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 23:04:42
突然、そのドアがしゅんっと音を立てて開いた。
アルフィーだ。
中から、アルフィーが出てきた。
アルフィーの目は――真っ赤に腫れていた。白衣も、どこか湿っている。
恐らく、その中で泣いていたであることは、容易に想像がついた。
アルフィー、と、掠れるはずのない声が、掠れて、名を呼ぶ前に消えた。
そのアルフィーと、目が合った。
アルフィーの顔が、蒼白になった。
知られてはいけないことを、知られてしまった時の顔をしていた。
そしてアルフィーは――走り出した。
ラボの外へと。メタトンから離れるように。駆け出した。
「待――アルフィー……!」
メタトンも慌てて後を追おうとしたが、体が上手く動かない。
――バッテリー切れが近かった。
そして……
- 371二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 00:17:26
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- 372二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 00:46:48
いつの間にかゴミ捨て場まで来ていたアルフィー
- 373二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 09:57:27
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- 374二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 12:22:12
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- 375二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 12:23:54
- 376二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 17:55:20
- 377二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 22:17:56
どこをどう走ったのか、覚えていない。
どうメタトンを撒いたのかも、覚えていない。
とにかく気付いた時、アルフィーは元の場所――しんじつのラボへと戻ってきてしまっていた。
荒い息を吐き、エレベーターの前で座り込むアルフィーに、アマルガムがそっと近づいた。
顔面に穿たれた大穴には、エサ皿が収まっている。まるで主人にエサ皿を持ってきてエサを催促するイヌのようだ。
――そしてそれは「まるで」ではなく、実際にそうなのだが。
アマルガム――わんさいぼうと呼ばれている――は、アルフィーの前にエサ皿を置いて、尻尾をべちべちと振り回した。
アルフィーは答えなかった。
俯き、震えたまま、爪を噛んでいる。
――あの時。
アルフィーは、異世界の王から逃げ出した。そして、メタトンからも、逃げ出した。
王は、優しかった。どの世界線でも、王は、優しかった。
しかし、その王こそが、あの時、決定的に、アルフィーの心に、タマシイに、楔を打ち込んだのだ。
王はあの時、アルフィーに、こう言った。
- 378二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 22:46:25
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- 379二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 22:51:27
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- 380二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 22:52:59
私はいつだって君の味方だよ
- 381二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 02:48:01
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- 382二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 10:27:45
- 383二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 12:40:58
- 384二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 20:39:50
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- 385二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 23:26:24
泣きじゃくるアルフィーに対し、アズゴアは優しい、とても優しい声色で、こう言った。
――全部告白すれば、君も楽にならないかな。
ああ、なるだろう。きっとなるだろう。
そしてその後は、地獄行きだろう。自分は許されない事をしたのだから。
言えるわけがない。なおさら、言えるわけがない。
アルフィーは頭に爪を立て、再び涙を流しながら、静かに呻いた。
そもそも、これを告白するという事が、どういう事か、あの王はわかっているのだろうか。
命じたのは、王だ。失敗したのは、わたしだ。
ならば、王とて責められるという事も、あの心優しい王は、わかっているのだろうか?
――きっと、わかっているだろう。
わかっていて、それでも、罪を告白することを勧めた。
「……ごめんなさい」
アルフィーの慟哭が、響いた。
一方その頃、dice1d3=1 (1)
1:サンズ
2:パピルス
3:アンダイン
は……
- 386二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 00:13:42
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- 387二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 00:33:05
デジャヴについて調べようとしていた
- 388二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 09:48:29
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- 389二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 12:21:41
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- 390二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 12:23:02
- 391二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 17:06:22
- 392二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 21:52:24
「knock-knock」
サンズは、アルフィーのラボの自動ドアをノックした。
返事はない。しん、と静まり返っている。
そう、あまりにも、不自然なほどに。
「……」
サンズは頭を掻くと、
「ごめんよ、アルフィー」
と呟き、ほんの瞬きの間にラボの中にいた。
「また、ちゃんとドアを開けて入って!とパピルスに叱られちゃうな。アルフィーにも不法侵入だって言われるだろうし」
いつもの口調で言いながら、サンズは肩をすくめた。
「でもまあ、こんなもの見たら……仕方ないよな?」
サンズが見やった先には、一輪タイヤを転がした跡と、そして――メタトンが倒れていた。
このタイヤ痕は、ラボから出て入る、という、奇妙なつき方をしていた。しかも、かなり切羽詰まった様子で。
そうしてタイヤ痕を追いかけてきたら、メタトンが倒れていたというわけだ。
サンズは重力操作でメタトンを充電台に乗せて、ケーブルを繋いだ。あとはしばらく放っておけば、目が覚めるだろう。
「――さて、と」
サンズは、床にあぐらをかいて座った。 - 393二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 22:45:52
少し、状況を整理する必要がありそうだ。
――まずは、あの猫頭のモンスターの事だろう。
彼は未だに、クモの菓子屋を探している。もう、諦めつつもあるが。
サンズも何度か協力したが、そろそろごまかしが利かなくなる頃だろう。
なんとか――納得のいくように、軟着陸させることは出来ないだろうか。
それに、アンダイン。彼女は未だに鬱屈したものを抱えている。
当然だろう。自分とは関係なく、事態は進行していくのだから。
ニンゲンに対する気持ちの整理もつかないまま、事態は勝手に前に進んでいく。
更に、トリエル。あの、きんいろのはなの花畑で起こった事以降、彼女も、調子が悪そうだ。
何か、思っている。考えている。あるいは――傷ついている。
1日経って、表向きは女王らしい顔つきに戻ったように見えるが――サンズには、わかってしまう。
そして――
サンズは、目を壁にやった。
たった今増えた、もう一つの問題。――アルフィーだ。
サンズは、タイヤ痕の前に、アルフィーの足跡がついていた事に気付いた。
まるでメタトンが逃げるアルフィーを追いかけたように、だ。
そしてアルフィーは、あのドアの向こうに消えたらしい。
メタトンの充電も忘れて、彼を振り切って逃げるなんてことを、アルフィーがするだろうか?
「……あー……」
サンズは小さく息を吐いて、また、頭を掻いた。
……どこから手を付けよう。
- 394二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 00:25:13
奥にいるであろうアルフィーを追いかける
- 395二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 00:58:32
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- 396二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 01:21:25
今すぐできることであるアルフィーの様子の確認に行く
- 397二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 06:00:33
メタトンから話を聞くために目を覚ますまで待つ
- 398二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 07:05:23
- 399二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 10:15:03
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- 400二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 16:32:01
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- 401二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 17:35:42
- 402二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 22:18:04
一体アルフィーに何が起こったのか、わからない。
しかし今、彼女は恐らく一人で、“あそこ”にいる。
なら、それは――
不意に、ぞ、とサンズの脊髄に、嫌な悪寒が走った。
何か――とてつもなく、嫌な予感がする。サンズのカンが、急げ、と叫んでいる。
「……ごめんよ、アルフィー」
サンズは扉に手を当て呟くと、瞬きの間に、もう、“あそこ”へ――地下のラボへと、現れていた。
……アルフィーはどうしているだろうか?
- 403二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 01:59:39
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- 404二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 08:11:28
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- 405二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 11:05:48
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- 406二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 11:06:37
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- 407二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 15:26:39
- 408二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 19:56:01
- 409二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:01:33
果たして、アルフィーはすぐそこにいた。
本当に、すぐそこ――エレベーターの扉に寄りかかる形で、アルフィーは背を丸めていた。
目は閉じられ、肩は微かに上下している。どうやら、眠っているらしい。
「――」
サンズのないはずの肺から、静かで深い息が漏れた。
間に合った、のか、それとも、サンズの杞憂だったのか。
いずれにせよ、アルフィーは、生きていた。今は、それで充分だった。
サンズはそっと屈んで、更にアルフィーの様子を伺った。
その目元には、涙の乾いた跡があった。ウロコもどこか潤いがない。見るからに疲労困憊状態だった。
「……あー……仕方ないな」
サンズは頭を掻くと、アルフィーの体を重力操作でそっと持ち上げた。
白々と蛍光灯が照らす、長い、長い廊下を、サンズは知っていた。
そしてその奥に、ベッドが並んでいることも、サンズは知っていた。
アルフィーをベッドに寝かせ、サンズはひとりごちた。
とにかく――何かが、彼女をここまで追い込んだのだろう。だが、何が……?
その時、サンズは何かに気付いた。
それは……
- 410二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:58:26
別次元につながる電話に着信が来た
- 411二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 01:39:23
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- 412二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 10:01:50
ガスターが背後に立ってた
- 413二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 10:02:30
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- 414二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 17:19:16
- 415二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 20:05:40
- 416二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 22:15:30
体に馴染むハム音を聞きながら、久しぶりに、古巣を歩く。
そんな中、サンズはふと、あるものに気付いた。
それは、ラボの奥の部屋、隠されるように配置されていた。
もっとも、こんな大きな機械など、隠す方が無理だろう。
それはまるで、摩天楼のミニチュアのような、機械群だった。
ミニチュアといっても、サンズの背丈ほどもあり、各々が窓のようにランプを光らせている。
強いて言うならサーバーに似ているが、こんなタイプのものは見た事がなかった。
そして、その機械群から伸びるコードは、奇妙な事に、たった一台の黒電話に繋がっていた。
本来電話線が挿入されているはずのそこに、数多のコードが束ねられ、最終的に一本により合わさったものが刺さっている。
黒電話の横には小さな電卓みたいなモニターが取り付けられており、傍らには何らかの走り書きが置いてあった。
サンズはこの機械群を……
1:知っている 2:知らない
dice1d2=2 (2)
- 417二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 23:25:33
「……なんだ、これ」
サンズは、こんな機械を見た事がなかった。
恐らく自分が離れてから作られたのだろうが、それにしても、何というか――
機械全体に、「突拍子もない」ものを感じた。
さながらこの機械そのものが組み立てられることを望んでいて、
この機械を組み立てた者は、その意志に従っただけ、のような――
「……へへ、まさかな」
サンズは頭を掻いて息を吐いた。
――アルフィーは目を覚ましただろうか。
そう思って去ろうとした瞬間。
ぢりりりりりん――ぢりりりりりん――
電話が、鳴り響いた。
サンズは――
- 418二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 23:55:37
受話器を手に取ってみた
- 419二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 23:57:48
不穏なものを感じて無視する
- 420二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 00:25:36
電話に出ることにした
- 421二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 00:44:26
出るか迷っている間に留守電に切り替わった
- 422二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 06:52:41
サンズが出ようとした瞬間呼び出し音で飛び起きたアルフィーが来た
- 423二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 10:16:25
- 424二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 18:11:13
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- 425二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 20:54:45
- 426二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 22:06:29
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- 427二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 22:07:34
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- 428二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 22:15:50
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- 429二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 22:37:32
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- 430二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 23:35:04
- 431二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 07:49:53
- 432二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 09:40:21
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- 433二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 17:24:10
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- 434二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 21:58:21
アルフィーは汗を飛ばしながら必死で受話器を握り締めている。
どうやら焦りすぎてサンズがいることにも気付いていないらしい。
「……」
止む無くサンズは、アルフィーの反対側から受話器から漏れ聞こえる声に、そっと耳を澄ませた。
古い電話は音量調節すらままならないようで、普通にこちらまで声が漏れていた。
とぎれとぎれではあるが、きちんと聞き取ることが出来る。
余りプライバシーには配慮されていないが、サンズの好奇心にはありがたかった。
本当は、立ち聞きなんてあまりいい事ではないが。
そうして耳が声を捉えた、その時。
"……ゲンは……去りました……今……わたし……女王……"
サンズは、思わず目を見開いた。
今のは、間違いなくトリエルの声だ。
トリエルから電話を受けるだけなら、こんな巨大な機械を作らなくてもいいだろう。
それにその内容は――トリエルは何と言った?
ニンゲンは去り、今はわたしが女王、だって?
――おかしい。
ニンゲンが去ったのは確かに最近だが、ここまでつい最近の言い方をするほどではない。
一体、どういうことだ。
サンズはますます耳を澄ませ……
- 435二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 22:08:43
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- 436二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 22:23:59
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- 437二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 23:04:27
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- 438二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 23:16:24
好奇心のまま会話を聞き続ける
- 439二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 04:39:11
- 440二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 08:03:09
- 441二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 12:41:25
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- 442二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 19:39:43
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- 443二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 21:43:28
アルフィーは相変わらず真っ青な顔だし、電話の向こうのトリエルも、何やらシリアスなムードだ。
やれやれ、とサンズは頭を掻いて、そして、アルフィーをつんと突いた。
「ちょっと、今電話ちゅ……」
それでようやく気付いたアルフィーが、絶叫を轟かせた。
“――ルフィー? 一体何――アル――”
電話の向こうでも、トリエルは明らかに困惑している。
サンズはアルフィーが落とした電話を受け取り、
「おっと失礼、女王様。どこぞの馬のホネにも、ちょいと話させてくれよ」
と、いつものようにジョークを言った。
電話の向こうのトリエルは……
- 444二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 02:07:09
いつものように笑ってくれた
- 445二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 07:57:40
「あなたは誰?」何故かサンズを知らないようだ
- 446二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 11:27:36
こちらの世界のみんなの無事が気になるなるようだ
- 447二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 11:30:10
ニンゲンがどうしたか心配になっている
- 448二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 12:17:51
- 449二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 18:44:34
- 450二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 22:56:35
“……その声は……あなたは、そちら側のサンズですね?”
ややあって、電話の向こうでトリエルが言った。
――そちら側、か。
「ああ、そちら側のサンズだよ。そっちは、どちら側の女王様?」
“……そちら側から見れば、こちらは……何と言ったかしら……世界線?が違う?のだとか……”
つまり単純な過去ではないという事だ。
ならばこれは、いわば別の世界線、パラレルワールドに電話をかける事の出来る電話、というところだろう。
トリエルから簡単に経緯を聞き、サンズは小さく相槌を打った。
“……あのニンゲンの子どもは、大丈夫かしら”
話の途中で、トリエルはぽつりと言葉を漏らした。
“そちら側にもニンゲンの子どもが来たのですよね? そして、去っていった……
それは、こちらも同じです。あの子は一体、今、どこで何をしているのかしら……”
サンズは、その問いに対する、正しい答えを持ち合わせていなかった。
するとその時、アルフィーが……
- 451二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 00:05:58
何かに怯えているようだ
- 452二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 07:41:45
サンズのとなりにいるガスターに気付く
- 453二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 14:57:53
あちらの世界のアズゴアの死に気付き泣く
- 454二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 15:52:01
ガスターの声が受話器から聞こえる事に気づく
- 455二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 19:12:50
- 456二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 19:19:06
- 457二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 23:14:15
一体何が起こったのか、アルフィーにはわからなかった。
目が覚めてすぐ、ぼんやりとした頭で、埃っぽい繊維を感じたが、自分がどこにいるのかわからなかった。
そう思ったら、また、あのベル音が響いた。
そのまま慌てて駆け出して、電話を取ったら、女王様からだった。
そうして詳しく話を聞こうとしたら、突然サンズが現れた。意味が分からない。
そのまま勝手知ったるという様子で話すから、わけがわからない。
アルフィーが寝起きというのを差し引いても、意味もわけもわからなかった。
しかし。たった一つだけ、ようやく、アルフィーにも飲み込めた事実があった。
女王が――かつていせきにいた、トリエルという女性が戻ってきて、王座に就いている、という事は――
(……ああ)
アルフィーは、思わず頭を抱え、小さく呻いた。
向こうで、どれだけ日が過ぎたのかわからない。
ただ、あの王は。例え別世界の存在であっても、アルフィーに優しい言葉をくれた王は――
(――ああ!)
もう、この世にはいないのだと。 - 458二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 23:18:02
そう気付いた瞬間、アルフィーの目から、涙がこぼれていた。
あんなに泣いたのに、涙が枯れるほど泣いたと思ったのに、涙はまだまだ溢れて止まらない。
もう、彼と話す事も出来ない。例えアルフィーが何をどう決断しても、彼にその答えを伝える事すら出来ない。
しかも、二度目だ。
アルフィーは、二度も王に全てを告げ、その後どうするか選ぶ機会があったのに、どちらも棒に振ったのだ。
(わたしは……わたしは、一体、何をしていたの……?)
「――アルフィー?」
サンズが気付いた時には、もう、アルフィーは、跪いて、はらはらと涙を流していた。
静かな嘆きと後悔だけが、ただ、ラボに木霊していた。
一方その頃、dice1d3=3 (3)
1:パピルス 2:アンダイン 3:他のモンスター は……
- 459二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 23:31:55
デジャヴを感じたモンスターたちが、この既視感は別世界で起こったことなのではと噂している
- 460二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 23:58:49
ホテルに集まって既視感について話し合っていた
- 461二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 08:25:35
アルフィーを探し始めていた
- 462二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 13:26:24
- 463二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 20:43:37
- 464二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 23:14:51
「そーいえば、最近アルフィー見なくない?」
「前から引きこもってたけどー、ホントに見ないよねー」
モンスターたちの間でそんな話が出始めたのは、最近の事だ。
ある時期から、確かにアルフィーは表舞台に現れなくなった。
しかし、それを差し引いても、舞台どころか、表にすら出てこない。
モンスターたちは、基本的に優しく、気のいい連中である。
なので、
「アルフィーが心配だ、探しに行こう」
――という話が同時多発的に起こったのは、全く不思議ではなかった。
そしてその話が、他ならぬアンダインの耳に入った事もまた、不思議ではなかった。
「――アルフィーが行方不明?」
主不在のホットドッグスタンドに立ちながら、アンダインはその話を聞いた。
「そうらしいよ、もう何日も顔を見てないって……アンダインは知らなかったの?」
たまたまスタンドに立ち寄ったナイスクリーム売りに言われ、アンダインは、まさに寝耳に水だった。
――自分は一体何をしていた?
――自分の事しか考えていなかったじゃないか。
ケチャップのボトルを握りつぶし、アンダインはきつと青年を睨みつけた。
「……詳しく説明しろ。わたしも、アルフィーを探しに行く」
そして……
- 465二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 23:54:05
ラボへと急行するアンダインと他のモンスター
- 466二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 00:37:50
ラボでアルフィーとサンズ、そして例の電話を見つけるモンスターたち
- 467二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 09:47:00
ラボへ行くとまるでアンダインを出迎えるかのように秘密のラボへの入り口が現れた
- 468二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:49:34
ラボに向かうも何故か2人ともいなかった
- 469二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 17:50:02
- 470二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 19:07:11
- 471二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 22:45:08
一度事情を知れば、アンダインの速さは槍の一閃にも等しかった。
彼女は誰よりも早くアルフィーのラボにはせ参じ、開かなかった自動ドアをこじ開けた。
「アルフィー!どこだ!いるのか!?無事なら返事してくれ!!」
大声で叫ぶアンダインの後ろから、他のモンスターたちもついてくる。
アンダインは辺りを見回し、やがて人影を見つけた。
コンセントを繋がれ鎮座する四角形――メタトンだ。
「おい起きろ、アルフィーはどこだ?」
そう言いながらアンダインはメタトンの肩辺りを叩いた。
バンバンとブリキ缶を叩くような音が響き、メタトンの胸部――頭部――?のモニターに光が戻った。
「――アルフィー!?」
そして開口一番、叫んだ。
「こっちのセリフだ!アルフィーはどこにいる!」
アンダインも負けじと叫び返す。
しかしメタトンのリアクションは、予想だにしないものだった。 - 472二次元好きの匿名さん25/08/08(金) 23:15:47
「アルフィー……アルフィーはどこなんだ?」
――は?
アンダインは、思わず目を見開いた。
「待て、お前を充電したのはアルフィーじゃ」
「違う、ボクは気絶……充電切れで倒れたはずなんだ。アルフィーを追いかけて……それで」
「アルフィーを……追いかけて……?」
話が噛み合わない。アンダインの背筋を冷たいものが伝った。
「アルフィーを追いかけてって、一体何があったんだ?
お前は今日はコンサートだったんだろ? それが何で、アルフィーを……」
メタトンはしばし黙っていたが、やがて観念したように言った。
「アルフィーが……そこのドアから出てきたんだ。彼女は……泣いていたようだった。
ボクは慌てて彼女を追いかけた。でも、話を聞く前に、バッテリー切れになってしまった。
もしアルフィーがボクを充電させてくれたなら……彼女はまだ、ドアの向こうにいるんじゃないかな……」
きっとアルフィーにとっては知られたくない事だったのだろう。
しかし、メタトンにはもう、これしか思いつかなかった。
アルフィーの友であり、アルフィーが愛する、アンダインしか……この事態は、何とか出来ないのではないか、と。
アンダインは……
迷わなかった。
彼女の槍は見事にドアを破壊し、その中にあったエレベーターホール、その縦穴を露出させた。
「待っていろ、アルフィー」
彼女はそう力強く言うと、下へと降りて行った。
そして……
- 473二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 01:12:45
アマルガムたちが心配そうにアルフィーに寄り添っていた
- 474二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 10:05:43
アルフィーとサンズはいなかった
- 475二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 13:14:12
無事に何事もなくアルフィーを見つけた
- 476二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 13:15:31
ガスターの姿を見るアンダイン
- 477二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 13:16:56
- 478二次元好きの匿名さん25/08/09(土) 18:53:12
- 479二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 01:25:36
*ホシュイ。
- 480二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 03:04:08
どうなるか
- 481二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 10:47:18
はやめのほしゅだ
- 482二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 17:24:53
ホスイ
- 483二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 17:26:04
アンダインが停まっていたエレベーターごとドアを突き壊すと、そこは長い廊下だった。
蛍光灯が照らす廊下は、アルフィーのラボにも似ていたが、漂う雰囲気は随分と重苦しいものだった。
「……こんな場所があったのか……」
槍を構えながらアンダインは呟く。
思えばラボに遊びに行った事はあるが、あのドアを調べた事はなかった。
何よりアルフィー本人が教えなかったのだ。ならば触れないでやるのが優しさというものだろう。
少なくとも前はそう思っていた。
だが今のアンダインは、それよりアルフィー本人の無事を確認しなければ気が済まなかった。
一度深呼吸をして、アンダインは廊下を歩き始めた。
そして――彼女は、見つけてしまった。
それは、小さな体躯をしていた。
それは、よこじまのシャツを着ていた。
それは――ニンゲンだった。 - 484二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 20:09:28
「――お前が、ホットランドやコアのモンスターを殺したんだろう」
アンダインの、槍を握る両拳に力が入った。関節が、血管が浮かび、みし、と何かが軋む。
「あれから01や02とずっと連絡が取れない。
あいつらが仕事をサボるなんて、まして、わたしの電話に答えない、なんて、ありえない。
あのクモの菓子屋もそうだ。彼女の悪質な商売はロイヤル・ガードにも届いていた。
それが突然途絶えた。きさまが来た日を境に、だ」
その切っ先を、佇むニンゲンに向ける。
「……だが誰も、貴様を咎めようとしない。貴様を疑わない。
あの女王はニンゲンと仲良くしようなどと言う始末だ。
貴様のせいで、全てが――」
しかし、ニンゲンはその言葉を聞かなかった。
突然ニンゲンはくるりを背を向け、廊下の奥に向かって走り出した。
「待て!逃げるな卑怯者!!」
アンダインは槍を投擲しようとして、そして、ぐっとその手を止めた。
駄目だ。ここもきっとアルフィーのラボだ。さっきのエレベーターと同じ、というわけにはいかないだろう。
何よりニンゲンは、こちらを振り返り、まるで、待っているかのように佇んでいる。
アンダインは髪を掻き、そして息を吐いて呟いた。
「……こっちに来いと言うことか……?」
ニンゲンは答えなかった。ただ、振り返って奥に進むだけだ。
「……」
アンダインは剣呑な目つきのまま、止む無くニンゲンの後を追う事にした。
そして……
- 485二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 20:49:58
アルフィーとサンズのいるドアの前まで来ると消えてしまう
- 486二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 20:51:55
アマルガムと出くわすアンダイン
- 487二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 21:31:23
研究の過程が記された場所まで招かれたアンダイン
- 488二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:02:33
レモンパンと会うアンダインとニンゲン
ニンゲンはレモンパンを逃がしてアルフィーのもとへ案内すると消えてしまった - 489二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:23:08
- 490二次元好きの匿名さん25/08/10(日) 22:49:09
- 491二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 03:49:44
アツテール
- 492二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 10:21:45
ホステール
- 493二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 15:04:04
アマルガムが見つかると終盤だな〜って気持ちになるな
- 494二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 15:36:18
そろそろSSまとめる方がいいかもね
- 495二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 19:47:07
不意に、ふっ、と、ニンゲンの姿が消えた。
ほんの曲がり角を曲がった一瞬の隙に、だ。
「……一体何なんだ……?」
さしものアンダインも狼狽し、頭を掻く。
本当についさっきまでそこにいたのだ。それが一瞬で姿を消してしまった。
まるでゴーストみたいに。
いや、そんなことはあり得ない。あの時地底に落ちてきたニンゲンは、間違いなく生きていた。
だが、今見た、あのニンゲンは――
その時。
アンダインの耳に、奇妙な音が届いた。
ずる、ずる、という、スライムが這いずるような音だ。
そして、その音の先、曲がり角の向こう側にいたのは――
dice1d5=2 (2)
- 496二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 20:03:01
それは――奇妙な存在だった。
巨大な体は、ドロドロとした白い粘液で出来ていた。
足が四本なら四つん這い、と言えるのだろうが、そう言い表すには、足が多すぎる。
何よりその顔面にあたる場所には、大きな穴が穿たれていた。
「な――」
アンダインは、今度こそ狼狽を通り越し、驚愕した。
その奇妙なドロドロは、ずる、ぺた、とアンダインに這いずってきた。
――一体何なんだ、これは。
――こいつが、アルフィーの失踪に関わっているのか?
アンダインは思わず胸の前で槍を握り締めた。
そして……
- 497二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 20:14:11
意味は分からなかったがそれが何かを口にした事ですんでのところで思いとどまるアンダイン
「お前……もしやモンスターなのか?」 - 498二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 20:15:06
後ろからパピルスの声が聞こえた
「大丈夫だったかっ!?」 - 499二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 20:17:25
足元近くのメモに気づく
- 500二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 20:58:41
アマルガムが飛びかかってきた……が遊んでほしいだけで悪意はないようだ
- 501二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 22:17:56
- 502二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 22:32:18
- 503二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 22:36:54
- 504二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 22:54:34
信じれば、裏切られる
- 505二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 22:57:09
ガスターの文字で、実験を再開せよ、と書いてある
- 506二次元好きの匿名さん25/08/11(月) 23:01:06
ケツイの概要だ
- 507二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 03:58:23
こう書かれていた
ひとつを救えば、ひとつは助からず - 508二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 09:28:10
- 509二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 10:28:39
- 510二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 18:23:32
書いたのはガスターかな
- 511二次元好きの匿名さん25/08/12(火) 22:02:35
――信じれば、裏切られる。
そのメモを見て、そして、目の前の異形を見る。
アンダインは、不敵に笑った。
そして、そのメモを、一太刀で切り捨てた。
翻る槍の鋭さに、ドロドロの異形が一瞬たたらを踏んだ。
「……一体誰が書いたか知らないが、こんなメモ、何の意味もない」
何故なら、と、アンダインは深く息を吸い込む。
息を吐き出し、そして、力強く言った。
「わたしはアルフィーを信じている!
そして……わたしが信じているアルフィーは、誠実な人だ。
いつでも真っすぐに、自分のやりたい事に取り組んでいる。
そんなアルフィーが、誰かを裏切ったりするわけがない!!」
そしてアンダインは、改めてきつと異形を睨みつけた。
「さあ、アルフィーの元へ案内してもらうぞ!!」
そして、そのアルフィーは……
- 512二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 00:03:25
自分から姿を現した
- 513二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 00:08:25
落ち着きを取り戻し、逃げてばかりでは駄目だと思い立つ
- 514二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 09:34:52
今度は別世界のニンゲンへ電話をかけようとしていたか何故か繋がらない
- 515二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 09:49:24
また誰かから電話が来たようだ
- 516二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 16:22:00
- 517二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 16:23:22
ラボの奥まで下がろうとしているところをパピルスに発見される
するとまたあの電話が鳴り出した - 518二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 20:20:33
- 519二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 22:45:11
電話が切れ、静かになった部屋で、アルフィーはやっと顔を上げた。
何度も腫れた目を拭い、そして、深く息をついた。
「……アルフィー」
サンズの呼びかけに、アルフィーは、静かに頷いた。
「……わかってる。逃げてばかりじゃ……駄目、だよね」
その声は、静かな意思に、ケツイに満ちていた。
「わたしは、いっぱい、間違えた。いっぱい、嘘をついた。いっぱい、色んな人を不幸にした。
本当のことを言う機会はいくらでもあったけど……わたしは、どの時も言わなかった」
でも、とアルフィーは頭を振った。
「だからと言って、言わなくていい、って事には、絶対ならない。
わたしは……わたしは、みんなに、ちゃんと言わなきゃいけない」
そう、あのアズゴアが、勧めてくれたように。
今度は、サンズが静かに頷く番だった。
「……へへ。いい顔になったな、アルフィー。
ま、オイラはアンタが何言うつもりかなんて、さっぱりわかんないけど」
「嘘つき」
即座にアルフィーに言われ、サンズは肩をすくめた。
その時だった。
部屋の外から、突如、女の吠える声が聞こえたのは。
しかも、この声は――
「――アンダイン!」
叫ぶが早いか、アルフィーは部屋を飛び出し、声の聞こえた方に走っていた。
そして……
- 520二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 22:48:03
無事に何事もなくアンダインと再会すると、過去あった出来事を話すアルフィー
- 521二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 23:46:27
アンダインとアマルガムがじゃれているようだ
- 522二次元好きの匿名さん25/08/13(水) 23:49:54
どこからか飛び出してきたパピルスに鉢合わせする
「なにっ!アンダインだと!アンダインも来ているのかっ!?」 - 523二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 08:08:17
また別のメモを拾うアンダイン
『ここでやめろ さきへすすむな』と書いてあった - 524二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 15:31:57
- 525二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 18:51:36
- 526二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 23:11:14
再び槍を構えたアンダインの上に落ちてきたのは、またメモだった。
だがそのメモを、アンダインは読みもせずに切り捨てる。
何を言われようが、もう聞く気はなかった。
ただ、アルフィーに会いたい。彼女を突き動かす衝動は、それだけだ。
だから、廊下の角からその姿が見えた途端。
「アルフィー!!」
アンダインは、彼女にむかって走り出していた。
アルフィーが何か言葉を発する前に、アンダインのたくましい腕が、その体を思い切り抱き締めていた。
「アルフィー!無事か!ケガはないか!?」
「あ、アンダイン、わた、わたし……」
「ずっと姿を見かけないって、みんな心配していたんだ。……無事でよかった」
本当に、無事でよかった――そう呟くアンダインの手は、震えていた。
心の底からの心配は、アルフィーの体にも伝わってくる。
「……わたし……」
アルフィーは、しかし、アンダインを抱き返す事はしなかった。
代わりに、ぽつりと、一言呟いただけだった。
「…………ごめんなさい」
そんな二人の様子を、サンズと、ドロドロの異形は、そっと見守っていた。
そして……
- 527二次元好きの匿名さん25/08/14(木) 23:49:24
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- 528二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 00:54:10
とても急いでいる様子のパピルスがやってきた
- 529二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 10:11:21
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- 530二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 18:10:02
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- 531二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 18:10:38
- 532二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 18:23:24
- 533二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 22:48:07
その時、更にその場に音が増えた。
いかにもバタバタとした、ブーツの足音だ。
「――アンダインッ!!」
そうして足音の持ち主が走りこんでくる。言わずと知れたパピルスその人だった。
「もうっ、勝手に走ってってびっくりしたんだからねっ!?
……あ、アルフィーよかったいた!! それに兄ちゃん!? あと誰――」
現状把握より先に、ドロドロがパピルスに飛びついていた。
慌ててアンダインはアルフィーを片手で抱き寄せ、もう片手で槍を構えた。
「おい貴様! パピルスから離れ」
「ちっ、違うの、アンダイン!」
慌ててアルフィーがその手を下げさせる。
「一体何が違う!? アレは――」
だがそれより先に、ドロドロの隙間から、パピルスが「もうっ!」と抗議する声が上がった。
「きさまはイヌでしょっ!? こんなにベタベタになっちゃって!
ホネなんてあげないってばっ!!」
――イヌ?
アンダインは呆気に取られ、思わず隻眼をぱちくりさせた。
確かにパピルスはドロドロにのしかかられていたが、よく見ると、
その尻尾らしい部分をべたべたと力いっぱい振っている。
まるでレッサードッグやグレータードッグのようだ。
……ということは、あれは、本当に……?
「……アンダイン」
その腕の中で、アルフィーが囁くように言った。
「……全部、説明するよ」 - 534二次元好きの匿名さん25/08/15(金) 23:02:04
そして、アルフィーは、本当に“全部”話した。
王の“動かなくなったモンスターを集めよ”という命令の真意も。
その“動かくなった”モンスターたちに、自分が何をしたのかも。
その実験の顛末も。
ラボを這いずる、白いドロドロした異形たちの正体も。
更にその後、この数日間、自分すらわからないまま、世界を超える電話すら作ってしまったことを。
アルフィーは、全てを話した。
全てを話し終えた時、アンダインは……
- 535二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 00:48:00
感情の整理がつかないので無言
ただ、アルフィーが想像出来ないレベルの苦悩を抱えていたと悟り、労わるようにきつく抱き締める - 536二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 01:02:46
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- 537二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 09:44:37
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- 538二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 13:17:04
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- 539二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 13:27:00
- 540二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 17:38:19
- 541二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 22:38:26
長い、長い話の後――誰も、何も言わなかった。
時折、異形――アマルガムのわんさいぼう――が尻尾をべたんと振ったり、
呼気のようなごぼごぼした音を漏らすだけだった。
パピルスは口元を押さえ、サンズはいつも通りのニヤケ顔、そして、アンダインは――
「――アルフィー」
長すぎる沈黙の後、アンダインは、ようやくアルフィーに呼びかけた。
「ひとまず、ここから出よう。皆の元に帰るんだ。皆、お前を心配している」
アンダインにパピルスも相槌を打つ。
「そっ、そうだっ!みんな、上で待ってるよ!!」
アルフィーはその声に顔を上げ、そして、静かに頷いた。
もう、話してしまったのだ。隠し通す事は出来ない。
まずは、アマルガムたちの遺族に。そしてもちろん、トリエル女王陛下にも。いずれは、国民全体に。
全てを話さなければならないだろう。
自分は、それだけの事をした。だから、当然だ。
だから、そう、当然だから、だから――
アンダインは、震えるアルフィーを抱き締めた。
「……大丈夫だ。わたしがついている」
アンダインにそう言われただけで、その不安も、すっと消えてしまった。 - 542二次元好きの匿名さん25/08/16(土) 22:39:48
さあ、帰ろう。
そう言って、みんなエレベーターの方向に向かって歩き始めた。
そして、しばらく歩いて、ふとパピルスが言った。
「……あれ。兄ちゃんは?」
そう。サンズの姿が見えない。
確かアルフィーの話を聞いていた時には、一緒にいたはずだ。
それがいつの間にか姿を消してしまっている。
そのサンズは……
- 543二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 00:12:06
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- 544二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 01:06:07
ラボの古い資料を読んでいる
- 545二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 01:17:04
電話を調べている
- 546二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 09:51:20
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- 547二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 11:51:16
- 548二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 17:32:18
- 549二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 17:50:57
dice1d5=4 (4)
- 550二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 22:07:08
サンズは、一人先ほどの廊下にいた。
先ほど、足元に何か紙が落ちているような気がしたのだ。
そして、それは気のせいではなかった。
どちらも真っ二つにされているところを見るに、恐らくアンダインがあの槍で斬り捨てたのだろう。
サンズは床に散らばっている紙片を観察した。
”信じれば、裏切られる”
“ここでやめろ さきへすすむな”
「……」
そして、頭を掻いた。
……これを書いた奴は、同一人物だろうか、それとも、別人なんだろうか。
文体が違うのは、焦っていたのか、何なのか、
そもそも、いつどこからどうやってアンダインの前にこの紙を出した?
サンズが首をひねっていると……
- 551二次元好きの匿名さん25/08/17(日) 22:37:48
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- 552二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 01:08:58
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- 553二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 10:45:05
パピルスが迎えに来た
- 554二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 13:14:09
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- 555二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 17:06:30
- 556二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 18:28:39
- 557二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 21:21:51
「……ま、アイツの仕業だろうな」
サンズは小さく息を吐いた。
――W.G.ガスター。
コアを設計した科学者。コアに落ちて死んだ科学者。今は誰もが忘れた科学者。
何ならこのラボを作ったのもガスターだし、アルフィーはガスターの後任だ。
きっと奴は今、サンズたちがいるレイヤーから、少しズレたところにいるのだろう。
そして、干渉してきた――
文字がいつもアイツが使うフォントじゃないのは、単純にアンダインに読ませるためだろう。
だが、こんなメッセージをアンダインに見せた動機は何だ?
それに、アルフィーの造った機械……
あれだって、きっとガスターがアルフィーの無意識に吹き込んで作らせたものだろう。
だがその目的は? 動悸は?
あいつが何の考えもなしに、単なる嫌がらせだけでこんな事をするとは思えない。
サンズは推理した。そして……
- 558二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 21:35:02
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- 559二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 22:04:06
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- 560二次元好きの匿名さん25/08/18(月) 23:18:51
「…直接問いただしてみるか」と電話を使ってみる