シリウスのSSを書きたいが

  • 1二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 14:59:25

    特にネタが思いつかないので誰かお題をくれ

  • 2二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 15:00:24

    ビリヤードをトレーナーorモブウマ娘に仕込むシリウス

  • 3二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 15:13:26

    ルドトレと仲良くなるシリウス

  • 4二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 15:14:18

    うまぴょいを踊るシリウス

  • 5二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 15:15:14

    俺がする妄想はトレセンに入らなかった幼馴染のルドルフとシリアスが仲良く男子高校生みたいな日常を謳歌する話

  • 6二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 15:15:54

    ルドルフとシリウスが愛してるよゲームでバトルするやつ
    百合でも百合じゃなくてもいい

  • 7二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 15:16:38

    テイオーに飴あげる話

  • 81◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 15:25:24

    ビリヤードを教えてほしい?

    今度はどんな突飛なこと言い出すかと思えば、どういう風の吹き回しだ、トレーナー。アンタ、いっつも私の後ろでプレイを眺めているだけだったじゃないか。誰かにビリヤードが出来ればモテる、なんて吹き込まれたんじゃないだろうな


    ハハハッ! 冗談だよ。素人をおちょくって遊ぶ程嫌な性格はしてないさ。

    ほら、キューを持ちな。ビリヤード、教えてもらいたいんだろ? 私のプレイキューを貸してやるよ。先ずは持ち方からだ。利き手でグリップを握って、がっつり握んなよ? 手首は反らすな、ようし、そうだ。なんだ、トロいから駄目かと思ったが、案外サマになってるじゃねえか。

    次はブリッジだ。手広げて、親指と人差し指で輪を作れ。ちょっと違うな、それじゃキューが通らねえだろ? そう、人差し指曲げて高さ作ってやるんだ。んー、まだちょっと固いな。


    ……おい、なんで顔を背ける。顔が近い? なんだ、何が目的かと思えば私に触れてほしかったのか。ほら、逃げるなよ。そんなにガチガチになったらストロークなんて出来ねえぞ?


    安心しな、出来るようになるまで、私が手取り足取り教えてやるからよ。



    >>2

  • 9二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 15:28:48

    >>8

    あっ♥️ちょっと乙女回路暴走するっ♥️

  • 10二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 15:30:03

    ネタくれといわれてもカプものか非カプものかカプならトレウマかウマウマかぐらいは教えてくれよ

  • 11二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 15:30:25

    ビリヤード場にナカヤマと行ったらマヤノパパに会った話

  • 121◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 15:33:54

    >>10

    トレウマ半カプくらいのが一番書きやすくはある

  • 131◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 16:09:18

    「アンタが皇帝サマのトレーナーか」


     背後から突然話しかけられて振り返ると、知らないウマ娘が立っていた。全くタイプは違う筈なのに、どことなくルドルフと同じ匂いを感じる。


    「君は……?」

    「ルドルフから聞いてないのか? 聞いていたとしても、そのボサッとした顔じゃすぐに思い当たりもしねえか」


     急な挑発にムッとなる。どうも相手はこちらに対して良い感情は抱いていないらしい。


    「浅学なもので、ヒントでも貰いたいものだ」

    「必要ねえよ。クイズがしたいわけじゃねえ。シリウスシンボリだ。アイツは一回も口に出さなかったか?」


     シリウスシンボリの名前は聞いたことがあった。


    「疎遠になってしまった友、とルドルフは言っていたが」

    「ハッ、友ねえ。アイツらしい言い回しだな」

    「それで、そのシリウスシンボリさんが何の用だろうか」

    「簡単な話だ。皇帝サマのペットが、どうやってすり寄ったのか見に来てやったのさ」


     ぐい、と彼女が顔を近付けた。それは品定めするようだった。ペット、か。まあ、確かにルドルフは一人でもやっていけるだろう。トレーナーという存在は、そこにあるだけの愛玩動物なのかもしれない。俺だって、十分に彼女の力になれているとは思わない。ただ、


    「ルドルフは、俺を選んでくれた。俺を馬鹿にするのは構わんが、選んでくれたルドルフを馬鹿にするのは許さん」

    「ふーん、チワワ程度には噛みつけるみたいだな」


     それだけを聞いて満足したのか、シリウスシンボリは踵を返す。どういう意図かは分からないが、どうやらお気に召したらしい。


    「なら、獅子に食われないよう精々頑張るんだな。仔犬くん」


    >>3

  • 14二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 16:10:32

    >>13

    ありがとうございます!!

  • 151◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 16:18:44

    書いてて思ったけどルドトレと仲良くなるシリウスじゃなくてシリウスに気に入られるルドトレになってしまったことを謝罪します

  • 16二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 16:21:00

    これは良いいいスレだ

  • 171◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 16:43:49

     うまぴょい伝説。URAファイナルズのウイニングライブなどに使われる楽曲だ。アップテンポな曲調と、ファンシーな歌詞故にウマ娘からは賛否両論だが、観客からは概ね好評価を得ている。

    「ということでシリウス、お前にはうまぴょい伝説を踊ってもらう」
    「は?」

     流石のシリウスも表情が固まった。簡単に言えば、次に出るレースのウイニングライブ楽曲がうまぴょい伝説に決まったというだけなのだが。

    「お前、踊ったことなかっただろ。だから今のうちに練習してもらわないとな」
    「…………マジか」
    「一応言っとくけど、本番バックレるのはともかく練習は逃さんからな」
    「アンタが見たいだけだろトレーナー」
    「そうとも言う」
    「欲望に忠実だなアンタ……」

     まあ、欲望はともかく事実しか言っていない。

    「それで、うまぴょい伝説を踊れるウマ娘に講師に来てもらった」
    「誰だ? チヨノオーか? カワカミか? ナカヤマなんてことは無いだろうが」
    「この人だ」
    「やあシリウス。浅学非才の身なれど君のトレーナーに願われてな。このルドルフ、粉骨砕身の思いでコーチしよう」
    「帰れ」

     その日は部屋の隅に逃げ込んだシリウスを引きずり出すので一日が終わった。

  • 181◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 16:44:15

    >>4

    うまぴょいを踊るところまではいかなかったよ……

  • 19二次元好きの匿名さん22/04/08(金) 16:47:42

    夜な夜なルドトレにトレーニング付けられるシリウス、ルドトレの言い分は「ルドルフの獣を引き出したいから」

  • 201◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 17:04:36

    後出しで申し訳ないことを言うがいまいちピンとこなかったらスルーするお題もあることは許してほしい

  • 211◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 17:25:26

    「やあシリウス」


     授業終わりの鐘が鳴り、シンボリルドルフは窓際の席で頬杖をついているシリウスシンボリに話しかけた。彼女達二人は幼い頃からの友人で、かたや成績優秀な優等生に、かたや遊び好きの不良になってもその関係性は大きく変わらなかった。


    「どうした優等生サマ」

    「何、君が授業中に寝ていないことが気になってね。考えごとでもしていたのかな?」

    「クラス委員サマはよく見ていらっしゃることで」

    「珍しいことは嫌でも目に留まるものだ」


     それで、と促されシリウスは窓の外を見る。


    「次、現文だろ。岡部のヅラを事故を装って剥がせねえか考えてた」

    「くっ……!」


     余りにも幼稚なイタズラにルドルフも吹き出した。深刻な悩みでもあるのかと心配した自分が馬鹿らしく思える。


    「だが、落とすだけならともかく偶然を装うのは難しいぞ。何しろ君は教師達に目を付けられているからな」

    「だから消しゴムでも弾いて当ててやろうと考えてたんだが」

    「まあ待て。君がそんなことをすればすぐに職員室に呼ばれるだろう」


     めんどくせえな、と舌打ちをするシリウスにルドルフはにやりと笑いかける。


    「だが、私がやったら?」

    「……ハッ、優等生サマがそんな程度の低いイタズラをするはずがないってか。タチが悪いな」

    「どうするシリウス。乗るか?」

    「乗るに決まってんだろ」


     悪い笑みを浮かべあった。


    >>5

  • 221◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 17:39:50

    疲れたので少し休憩

  • 231◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 21:59:22

    「あー!」

     気まぐれに購買で飴を買うと、後ろから素っ頓狂な声が上がった。

    「なんだ、皇帝サマのお気に入りじゃねえか」
    「ねーシリウスー! それ最後のはちみー飴じゃん!」

     あまり気にしてなかったが、買った飴はこいつの好物で、それでもって最後の一個だったらしい。

    「これは私が買ったもんだ。恨むなら早く来なかった自分を恨みな」
    「そんなー! 楽しみにしてたのに、ちょうだいよー!」
    「ほう?」

     別にくれてやるのは構わないが、タダでやるのも芸が無い。私が正当に手に入れたもので、このがきんちょがワガママを言っているだけだ。

    「なら、お前は対価に何を差し出す?」
    「た、たいか?」
    「文句つけたら貰えるって程甘く考えちゃねえだろ? これを手に入れる為に、お前は何を捨てることができる?」
    「え、っと……ほら、普通より高く買うから」
    「おー、それならその金でもっと良いもん食いな」
    「駄目なのー!?」
    「当たり前だろ」

  • 241◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 22:00:28

    >>23

     金でどうにかしようってのはつまらない。こいつにしか出せないもので、こいつが胸を張って差し出せるものじゃないとならない。


    「何も無いなら、交渉は決裂だ」

    「待ってよ!」


     ガキンチョが私の手を強く掴む。


    「それなら──ボクと走ってよ。ボクが勝ったら……その飴貰うもんね」

    「……ふぅん?」


     そう来たか。その目は、自分が勝つと絶対の自信を持っていて、あの皇帝サマと少しだけ被って見えた。


    「悪くないな」

    「それじゃあ」

    「だが、お前との走りをこんなことで消化するのはつまらねえ」


     飴をトウカイテイオーに向かって放り投げる。


    「今回はくれてやるよ。その代わり、いつか走る時に、お前が負けたら対価を貰おうか」


     ご馳走を食らうなら、それなりの舞台で無いとな。


    >>7

  • 251◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 23:41:34

     シリウスは寮を抜け出してグラウンドを走る。もっと速く、もっと強く。獲物を追う獣のように、そこには居ない獅子の喉元を食い破る為に。


    「上体が安定していないね、腕の振りをもっとコンパクトにできるはずだ」

    「……アンタ、ルドルフのトレーナーだろ。なんでこんなとこにいやがる」


     ルドルフのトレーナーは質問には答えず、メモを一枚手渡した。彼女の走りへの改善点が、事細かに記されている。それは、たった数分見ていたくらいではとても書き連ねられない量だ。


    「アンタ、最初からずっと見てたな。敵に塩を送るのが目的か?」

    「半分正解と言ったところかな」


     トレーナーは狐のように目を細める。その魂胆を察せない程、シリウスは鈍感ではなかった。


    「ハッ、皇帝サマにディナーでも献上しようってか」

    「絶対君臨の皇帝じゃ退屈だろう? だが、生半可なウマ娘では隣に立つには身に合わない。野生を探すにはここは整備されすぎている」

    「だから肥え太らせて食っちまおうってか。主君思いで涙が出るな。それならありがたく使わせてもらおうか」


     シリウスは貰ったメモをポケットに押し込んだ。


    「だが、忘れるなよ。アンタんとこの皇帝サマは、"食われる側"だってな」


     かのトレーナーがしたことは、自らの愛バを飢えた狼の前に放り投げるが如き所業であると。


    「そうだな」


     挑発にも笑って返す。


    「そうじゃないと、面白くない」

    >>19

  • 261◆JeDP4cldSc22/04/08(金) 23:44:38

    >>6

    >>11


    の2つはちょっと上手く出力出来てないので待ってくれ

  • 27二次元好きの匿名さん22/04/09(土) 08:45:46

    保守

  • 28二次元好きの匿名さん22/04/09(土) 16:04:35

    ルドトレの「食えない奴」って感じもかっこよくていいね...

  • 291◆JeDP4cldSc22/04/10(日) 00:56:37

    「……愛してるよ、シリウス」

    「皇帝サマは口先もお上手だな」

    「そんなことを言わないでくれ。本当に愛している」

    「つまらん文句だな。その程度で落とせるとでも思ってるのか?」


     何を見せられてるんだと思いながら、手元の烏龍茶を飲み干した。


     シリウスとルドルフがやっているのはいわゆる愛してるゲームという奴である。どうしてこんなことになったのかというと割愛するが、愛してるゲームで負けた方が勝った方の言うことを聞くと、まあそうなったのである。

     そして、その審判役を任されたのが俺だった。そのせいで顔の良いウマ娘二人が囁き合ってるのを見せられているのだが、正直わりとどうでも良い。


    「愛しているよシリウス。君がビリヤードを一緒にやろうとせがんだ時も、一緒にやってやっただろう」

    「おい、過去の話を持ち出すのはないだろ!」

    「あの時は、真っ直ぐ撞けないことにべそをかいていたな」

    「トレーナー、これは流石に反則だろ!」


     愛してるから思い出話にスライドしていったルドルフ。あからさまに動揺しているシリウス。難しい判定だ。


    「まあ、引き分けだな」

    「引き分けだと?」

    「ああ、だから。お互いにお互いの言うことを一つ聞いてやれ」

    「トレーナーくん、その内容に制限は無いんだな?」


     頷くとシンボリ同士、互いに悪い笑みを浮かべていたが、俺には関係のない話だった。

    >>6

  • 30二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 07:24:46

    保守

  • 311◆JeDP4cldSc22/04/10(日) 18:49:33

     シリウスはこれ以上ないくらいに高揚していた。ナカヤマと遊びに来たビリヤード場は客も少ないすっかり寂れた場所だった。こんなところに来たのは、ナカヤマの振ったダイスの結果だ。プロを相手にしても遜色ないシリウスにとって、閑古鳥の鳴いているビリヤード場の相手など、取るに足らない筈だった。


     しかし、今日は違った。


     またブレイクエースだ、と観客の一人が興奮気味に叫ぶ。セブンラック先取のナインボール。既にシリウスは3回、相手も2回ブレイクエースを取っている。素人のラック組みとはいえ、普通1ゲームで出る量ではない。


    「やるな、アンタ」

    「君こそ。若いからと侮っていたが訂正しよう。一流のビリヤード・プレイヤーだ」


     シリウスの称賛に、相手もニヤリと笑う。日本離れした彫りの深い顔。四十近いだろう顔にはまだ瑞々しさがある。映画俳優のような気障な立ち回りだが、実力は本物だ。


     次のラックを、とシリウスが九番ボールを手に取る。しかし、その手はナカヤマによって止められた。


    「そろそろ時間だ」

    「チッ、これからが良い所だっていうのに」


     寮の門限が近付いている。普段ならば気にすることでもないが、今回に限っては寮長に睨まれていた。


    「悪いなおっさん。ゲームはここでお預けだ」

    「そうか、そいつは残念だ」


     引き留めることもなく、男は肩をすくめる。


    「ああ、そうだ。君たちもウマ娘なら、私の娘に会うこともあるだろう。もし出会ったら仲良くしてやってくれ」

    「へえ、ウマ娘の娘ねえ。名前だけは聞いといてやるよ」


     男は自慢げに、自分の愛機を語るパイロットのように答えた。


     マヤノトップガンと

    >>11

  • 321◆JeDP4cldSc22/04/10(日) 18:50:16

    ということで貰ったお題は全部書き終えました。なんか他にもお題をくれ

  • 33二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 18:53:36

    >>31

    ブラボーブラボー


    たぬき(ウマ娘)ネタは振ってみても大丈夫?

  • 341◆JeDP4cldSc22/04/10(日) 18:55:29

    >>33

    たぬきは全然知らないのよな。なんかションボリしたルドルフが歩いてるってイメージしかない

  • 35二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 18:55:40

    >>34

    ほぼ合ってる

  • 36二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 18:57:24

    ルドトレに担当交代をせがむシリウス

  • 37二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 19:01:45

    ナカヤマとダラダラ料理作り

  • 38二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 19:05:57

    >>34

    まぁ作り手によって解釈が分かれる存在というか…

    自分に似たちっこいのと対面したシリウスが見たい

    GIF(Animated) / 165KB / 800ms

  • 39二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 19:07:59

    素行不良をバクシンオーに注意されるシリウス

  • 40二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 19:48:28

    アグネスデジタルとメジロドーベルの創作メモを拾うシリウス

  • 41二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 20:27:49

    シリウストレがシリウスに嫌われてるかもしれないとルドルフトレに相談するのを観察するルドルフとシリウス

  • 42二次元好きの匿名さん22/04/10(日) 23:40:24

    保守

  • 431◆JeDP4cldSc22/04/11(月) 09:03:37

    順番に書いていく予定で

  • 44二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 09:41:01

    age

  • 45二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 20:25:35

    >>43

    これは新作スレ建てますか?

  • 46二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 20:26:23

    一応リクエストで
    タマとご飯食いながらツッコミを食らうシリウス

  • 47二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 20:28:24

    紙相撲対決で半端なく盛り上がるシリウスとルドルフ

  • 481◆JeDP4cldSc22/04/11(月) 20:33:44

    「アンタ、燻った顔してんな」

    「……シリウスシンボリか」


     ルドルフの血縁が主催したパーティ。トレーナーとして参加した俺は、彼女の側にいることがなんとなく気不味くなってテラスに逃げ込んだ。そこに居た先客がシリウスシンボリだった。


    「何を思ってるか当ててやろうか?」

    「どうぞご勝手に」

    「トレセンなら、ルドルフの"トレーナー"であることに価値があった。だけどこんな場所じゃアンタはルドルフのひっつき虫だ。誰もアンタに価値を見出したりなんてしない」


     シリウスの言う通りだった。ここでの俺はルドルフのアクセサリーでしかない。ここに居るのは俺でなくて良い。トレセン学園よりも、そんな孤独感が強かった。


    「逃げてみるか?」


     シリウスが手を差し出す。それは悪魔の囁きだった。その手を取れば、善きにせよ悪しきにせよ、自身が評価されるステージに立てるのかもしれない。


    「やめておくよ」


     だが、断った。考えることもなかった。


    「俺はルドルフを支えたいと思ったからトレーナーとしてここに居るんだ。少し揺れてしまったけど、それは変わらない」

    「……へえ、それじゃあ精々頑張りな」


     シリウスはホールへと戻っていく。その後ろ姿が寂しそうに見えたのは、俺の思い上がりだったのだろうか。

    >>36

  • 491◆JeDP4cldSc22/04/11(月) 20:34:15

    >>45

    落ちるまではこのスレで書いていこうかと思います

  • 50二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 22:08:52

    保守

  • 51二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 22:32:42

    保守

  • 521◆JeDP4cldSc22/04/12(火) 02:52:24

     定期点検とやらで今日は学食が閉じているらしい。何処か適当に外で食っても良いんだが、この時期になると大喰らい共が至るところで荒らしていくのが面倒で、寮の設備を借りて自分達で作るのが主流になっていた。


    「おい、適当に買ってきたぞ」

    「おう」


     買ってくるのはナカヤマ。作るのは私の仕事だ。フレンチから中華まで一通り作れるが、私もこいつもそんな大層なモン求めちゃいない。


     パスタを茹でて、市販のソースをかける。それから切ったにんじんなりをコンソメスープに突っ込む。そんなんで十分だ。


    「やっぱお前が料理してんの見ると違和感しかねえな」

    「つまみ食い出来るのなんざにんじんくらいしかねえぞ」


     横から覗き込んできたナカヤマを手で追い払う。一度こいつに任せてみたらろくでもねえもんが出来上がった。それ以来こいつには手伝いすらさせてねえ。


    「ヒモやって他のに作らせてるイメージしかねえのにな」

    「お前だって大概だろ。むしろなんで毎回残ってんだ、他所に行きな」

    「いくら私でも偶の飯まで博打しねえよ。安定して食えるもんがありゃそれで良い」

    「ハッ、良い身分だな。ほら、皿出せ」


     ナカヤマを追い出して、コンソメスープの味を確認する。


     うん、悪くねえな

    >>37

  • 53二次元好きの匿名さん22/04/12(火) 07:18:12

    >>52

    良い…

  • 541◆JeDP4cldSc22/04/12(火) 18:29:33

    「なんだそいつ」


     トレーナー室にいる謎の生命体にシリウスは困惑していた。自分の三分の一くらいしかない背丈の間抜けヅラ。見た目はシリウスに似ている、といえば似ている。


    「なんか拾った。ぱかぷちの亜種かと思ったんだが、生物みたいだな」

    「生物……なのかこれ」


     動いている姿は生物としか言いようが無い。しかし、こんなモンスターは今まで見たことが無かった。


    「どうすんだこいつ」

    「どうしようかね。何ができるんだこいつ」


     トレーナーの言葉に反応して謎の生命体は踊りだす。どうやら踊れる、と言い張りたいらしい。


    「変な踊りだな」

    「なんか見てて腹が立つな」


     シリウスは変な生物の頭を掴んで窓から放り投げた。きれいな放物線を描いて生け垣に吸い込まれていく。


    「あんなん居なくても私が居れば十分だ」

    「はいはい。それじゃ今日のミーティング始めるかね」


     トレーナーも残念がることもなくそのまま、書類をまとめ始める。


     謎の生命体が大発生して、トレセン学園がちょっとしたパニックに陥っていたことを知ったのは、解散してからだった。

    >>38

  • 55二次元好きの匿名さん22/04/12(火) 19:59:53

    保守

  • 56二次元好きの匿名さん22/04/12(火) 20:02:57

    今更なんだけど、男トレーナーの方が強めの男トレーナー×シリウスってお願いできる…?

  • 57二次元好きの匿名さん22/04/12(火) 20:08:49

    原稿を積み重ねることになりますが勝負が拗れて男子中学生レベルの馬鹿なことをし始めたルドシリをお願いできますか?

  • 58二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 00:52:05

    トレーナーくんから告白されるのを待つことを選んだルドルフをからかうシリウス?

  • 591◆JeDP4cldSc22/04/13(水) 01:19:27

    「シリウスシンボリさん、授業を抜け出してはいけませんよ!」


     気に入らない教師の授業だからサボって抜け出そうとしていたら、変な奴に捕まった。名前は聞いたことがある、確かサクラバクシンオーと言ったか。学級委員長を名乗るおかしな奴だ。


    「アンタにゃ関係無いだろ」

    「いいえ、関係あります! 何故なら私は学級委員長ですから!」

    「クラスが違うんだが」

    「クラスが違う程度の問題で、責務を疎かにするはずがありません!」


     面倒な相手だな。人の話を聞いているようで聞いていない。言い負かすのもできなくはないだろうが、無駄に時間過ごすことになる。


    「あっそ、じゃあお勤め頑張ってな」


     結果、走って逃げることにした。バ鹿の相手はしているだけ無駄だ。さっさと撒いてしまおう。


    「こらー! 逃げてはいけませんよ!」

    「なっ」


     ちぎって終わりだと思っていたのだが、サクラバクシンオーは簡単に私に追い付いた。いや、認めるしかない。私より明らかに速かった。直線じゃすぐに捕まるだろう。体をずらして急ターンする。サクラバクシンオーは反応できずに、ちょわだのなんだのと叫びながらそのまま走っていった。今のうちに逃げよう。


     しかし、あの速さ。舐めていたが、自信過剰というわけでもなさそうだ。頭の中で、サクラバクシンオーというウマ娘の評価をただのバ鹿から、面白いバ鹿に格上げした。

    >>39

  • 60二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 12:08:10

    このレスは削除されています

  • 611◆JeDP4cldSc22/04/13(水) 12:09:28

     トレセン学園では、色んな紙がよく飛んでいる。テスト用紙や、トレーナーの作ったトレーニング計画書。そんなあれこれがウマ娘が走る風に飛ばされていくのだ。


    「ん、なんだこれ」


     シリウスは落ちていたメモを拾い上げる。可愛らしい装飾から察するに、トレーナーではなくウマ娘のメモらしい。


    ──鬼畜攻めR×誘い受けS


    「……なんかの暗号か?」


     シリウスはそういう界隈には疎かった。だが、今回に限っては疎くて助かっただろう。あまり物分りが良すぎるのも問題だ。


    「もう一枚あるな、これは……別の奴が落としたのか?」


    ──スパダリトレーナー夢G1レース特訓


    「トレーナーの……か? 知らねえ略称でもあるんだろうな」


     誰のものか分からないが、自分には関係のないものだ。近くにあったゴミ箱に放り込んでいく。


     角を曲がった先で、うずくまっているウマ娘が居た。ピンクの色の髪、アグネスデジタルだ。


    「もうやばい……でじたん死にましゅ……」

    「おい、どうした」

    「ミ゜すみませんでしたぁぁぁぁぁ!」


     ブツブツ何か呟いているから何事かと声を掛けると、謎の鳴き声をあげながら逃げるように走り去っていった。

     なんだったんだ。自分が拾ったメモの片方がアグネスデジタルのものだったということに気が付かないまま、シリウスは困惑気味に首をひねった。

    >>40

  • 62二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 12:54:48

    >>61なんかそんなスレあったな シリウスは受けが似合いすぎる

  • 63二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 12:59:37

    >>54

    また戻ってきそう

  • 64二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 23:18:20

    これリクエストまだ行ける?シリウスが昔の自分を思い出してトレーナーにゲーム教える的な

  • 651◆JeDP4cldSc22/04/14(木) 09:23:52

    >>64

    今ちょっとスタックしているのでだいぶ後になってしまいますが

  • 66二次元好きの匿名さん22/04/14(木) 19:41:24

    >>65

    全然OKです!

  • 67二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 07:23:43

    保守

  • 681◆JeDP4cldSc22/04/15(金) 15:30:39

    「俺、担当に嫌われてるかもしれん」


     深刻そうな顔でシリウスシンボリのトレーナーは言った。悩みがあるからとカフェに連れ出したは良いが、シンボリルドルフのトレーナーは予想外の言葉に一瞬返事を出来なかった。


    「あー、えーっと誰が誰に嫌われてるって」

    「俺が、シリウスシンボリに」

    「どうしてそう思うんだ?」


     ルドトレから見る限りそういった風には見えないのだが、もしかしたら当人には分かるサインが何かがあるのかもしれない。


    「ずっとトレーニングメニューに対して憎まれ口叩いてたのに最近は何も言わないし」

    「憎まれ口叩いてる方が好かれてる判定なのか……」

    「俺の見てないところでも走ってるみたいだし」

    「まあ……気持ちは分からなくもないが、オーバーワークしたがるウマ娘は多いから」

    「何よりトレーナー室に置いてある俺の私物がいくつか無くなってんだよ。嫌がらせに盗まれたのかもしれねえ……」

    「あー……うん」


     ルドトレはその立場から、いろんなトレーナーの相談を受け持って来た。その経験から言えることは


    「爆発しろ」

    「なんで!?」


     それらの行動が、いわゆるクソボケトレーナーのものだということだった。

    >>41

  • 69二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 17:37:14

    >>68好き

  • 70二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 23:10:13

    保守

  • 711◆JeDP4cldSc22/04/16(土) 02:11:25

    「なんやシリウス」

    「いや何、前の詫びでもしようかと思ってな。昼飯くらい奢ってやるさ」


     食堂でシリウスはタマの向かいに座る。そんな素直に謝るようには見えないのだが、奢りだと言うのならタマに断る理由はない。


    「ほら、好きなだけ食いな」


     そうしてタマの前に──お子様ランチが差し出された。


    「ガキちゃうわ! 舐めとんのか!」

    「おいおい、私なりにちゃんと相談までして送ったんだが」


     シリウスにしてはおちょくる様子が見られないので、辛うじて爆発を抑える。


    「聞いたって、誰にやねん」

    「オグリキャップとスーパークリークだが」

    「アカン、最悪の人選やのに反論ができへん」


     オグリもクリークも、タマと最も仲の良いウマ娘だと言えるだろう。シリウスからすれば、つるんでるのだから意見を問うのは何もおかしなことではない。


    「一応、一応聞いたるわ。二人はなんて言ってたんや?」

    「オグリキャップは、飯を奢れって言ってたな」

    「まあオグリらしいな。ウチが量食べんの気にしとるし」

    「スーパークリークは、ガキが喜ぶのが良いって言ってたな」

    「チビ共が喜ぶもんは確かに欲しいわな」

    「合わせるとガキが喜ぶ食いもん……つまりお子様ランチだ」

    「なんで混ぜたんや! 別々にしとけば良かったやん!」


     タマのツッコミが食堂にこだました。シリウスの少し抜けた一面をタマが知った出来事でもあった。なおお子様ランチはオグリが美味しくいただいた。

    >>46

  • 72二次元好きの匿名さん22/04/16(土) 08:33:56

    保守

  • 73二次元好きの匿名さん22/04/16(土) 17:16:49

    保守

  • 74二次元好きの匿名さん22/04/16(土) 17:56:32

    保守

  • 751◆JeDP4cldSc22/04/16(土) 21:25:25

    「諦めが悪いな皇帝サマ……さっさと倒れて楽になった方がいいんじゃないか?」

    「君の方こそ、私に勝てると思うなよシリウス」


     七冠の皇帝シンボリルドルフと、反逆の一等星シリウスシンボリが額を突き合わせて戦っている。その顔は真剣そのもので、汗すら流している。多くのウマ娘はその気迫に呑まれ、息をすることも出来ないだろう。


     二人がやっているのが紙相撲でなければ。


    「何やってんのこれ」


     トレーナー室に入ってきたルドトレは異様に熱を持った光景に若干引きながら、その横で雑誌を読んでいたシリトレに尋ねる。


    「いつもの勝負がヒートアップしてこうなった」

    「後輩達には見せられない絵面だな……」


     全ウマ娘の幸福を願う生徒会長と、落伍者を拾うダークヒーローが、こんな子供染みた勝負をしている光景を見せられたら、ショック死するかもしれない。


    「うおおおおお!」

    「私は、負けない!」


     かっこいい台詞を言ってもトントンと机を叩きながらでは格好がつかない。しかし、この二人の邪魔をすれば更に面倒な事態を引き起こすことは分かっていたので、ルドトレも見なかったことにしてシリトレの向かいに座った。


    「ところで、なんで紙相撲なんだ」

    「俺が提案したからだが」

    「お前のせいかよ」


     一番他所に見せられないのはこいつかもしれない。ルドトレは静かに天を仰いだ。


    >>47

    >>57

  • 76二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 01:12:34

    保守

  • 77二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 12:30:34

    保守、スレ主もしも落ちたら次スレとか建ててくれる?

  • 78二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 14:29:34

    >>75

    競い合うルドシリからしか取れない栄養が取れる…

  • 79二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 15:51:14

    保守

  • 80二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 23:25:14

    保守

  • 81二次元好きの匿名さん22/04/17(日) 23:30:16

    保守

  • 821◆JeDP4cldSc22/04/18(月) 01:00:29

    >>77

    落ちるまではリクエスト受けつつ書いて、落ちたらリクエスト締め切って残ったお題を書く予定です。

    今ちょっと忙しくて執筆できてないけど

  • 83二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 12:32:01

    保守

  • 84二次元好きの匿名さん22/04/18(月) 23:25:04

    保守

  • 851◆JeDP4cldSc22/04/18(月) 23:28:55

    「俺は信じている」


     トレセン学園から、海外のレースに出られるウマ娘はごく一握りだ。より正確に言えば、URAの援助を受けて挑めるウマ娘はほんの僅かだ。海外で走るということは、他人が想像するよりもずっと過酷だ。拠点はもちろん、練習する場所も、食事も、レースに参加する為の手続きも全部自分一人でやらなければならない。


     シリウスシンボリは、その援助を受けられなかった。タイミング、心象、様々な要因はあったのだろう。URAによる援助は他のウマ娘に与えられ、挑戦の道は絶たれた筈だった。


     それでも


    「俺は信じている。シリウスが、誰より一番強く光り輝くと。世界を敵に回しても、お前が一番前を走り抜けると」

    「アンタ、狂ってるな」


     シリウスは諦めた筈だった。野心家であっても無謀ではない。援助を受けられないなら、今年は見送る。来年には本格化が終わってしまうかもしれないが、リスクに見合ってない。

     だが、トレーナーは全てを用意してみせた。拠点を、トレーニング場を、併走相手を、様々なレースへの切符をもって、シリウスに一種の挑戦状を叩きつけた。


    「レッドカーペットは用意してやった。道連れなら俺がなってやる。檻の外に出るのはお前の意志だ。さあ、どうする」

    「決まってるだろ」


     個人で用意できる環境は、URAのものには遥か及ばない。それでも、目の前にご馳走を用意されて、喰らわない選択肢は無い。


    「アンタの狂気まで全部、喰らい尽くしてやるよ」

    >>56

  • 86二次元好きの匿名さん22/04/19(火) 11:01:20

    いい...

  • 87二次元好きの匿名さん22/04/19(火) 22:29:39

    保守

  • 88二次元好きの匿名さん22/04/20(水) 10:08:10

    保守

  • 89二次元好きの匿名さん22/04/20(水) 10:18:26

    うお…一つ一つのクオリティ高ぇ…
    供給ありがたや

  • 90二次元好きの匿名さん22/04/20(水) 21:42:07

    保守

  • 911◆JeDP4cldSc22/04/21(木) 06:17:47

     生徒会長として、常に他の生徒の模範とならなければならない。色恋などもってのほか、とは言わないがうつつを抜かしてしまうわけにはいかない。


    「は、そうやってまたエゴを大義で押し隠そうとしてるわけだ」

    「どういう意味だ?」

    「生徒会長なので私からは告白しません。告白されるの待ってます。傲慢だな」

    「それは、発想が」

    「飛躍してるか? 本当に?」

    「…………」


     シリウスの言葉には反論できなかった。トレーナーの顔がまっさきに浮かんだからだった。私は確かにトレーナー君のことを好いていて、彼から申し出があれば断ることはしないだろう。


    「それで釣り逃した魚はデカかった、って後悔するアンタもそりゃ見てみたいがな」

    「私達は学生だ」

    「世間体がどうのって? 今どき、ウマ娘がトレーナーとなんて珍しくもない。アンタがその好意を抑えるってことは、そういう奴らをウマ娘として良くねえって切り捨てるってことだろ?」


     詭弁だ。私一人の動きで、そんな大袈裟な話にはならない。


    「矛盾だな。さっきはウマ娘の代表みたいな面してたくせに」

    「それは……」

    「別にアンタがアンタのトレーナーとどうなろうが知らねえが、一つ言えるのはアンタがビビってるってことだ」


     自分から関係を新たにすることに。好意を素直にぶつけることに怯えている。それは、シリウスの言う通りで。


    「ふんぞり帰った皇帝サマが、こんな筈じゃなかったって喚いてるのを待ってるさ」


     シリウスは、むしろ私の背中を押しているようだった。

    >>58

  • 92二次元好きの匿名さん22/04/21(木) 16:18:18

    いい...

  • 93二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 00:00:12

    保守

  • 94二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 11:46:47

    保守

  • 95二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 11:55:35

    スイーツを買ってくるシリトレとダイエットしようとするけどなんだかんだで食べてしまうシリウス

  • 96二次元好きの匿名さん22/04/22(金) 22:59:57

    保守

  • 971◆JeDP4cldSc22/04/22(金) 23:22:08

     私のトレーナーは子犬みたいな奴だ。それでいて、好奇心が旺盛だ。誰彼構わず尻尾を振ってはなんでも吸収していく。それは、教え子に当たるはずの私に対しても同じだ。


     ビリヤード、ブラックジャック、飛行機操縦に至るまで私に様々なことをねだっては異常な程の勢いで習得していった。その貪欲さが、こいつが中央のトレーナーになれた理由なのだろう。


    「シリウス、何やってるんだ?」

    「暇潰しだよ」


     トランプも飽きた。他の奴らもだいたい今は出払っている。トレーナーのこいつは仕事中とすることがない。昔買ったまま放置していた一人用のアナログゲームで暇を潰している。


    「どうやって遊ぶんだそれ」


     いつの間にかキーボードを叩く手を止めて、こちらに乗り上がっている。こうなったら教えるまでテコでも動かない。ため息を吐いてシャッフルしていたカードを並べる。


    「デッキ構築ゲームって奴だ。カードを引いて、要らないカードを捨てていく。意外と悪くないぜ」

    「へえ」


     取説を投げると新しいおもちゃを見つけた子供のように目を輝かせながら読んでいる。


    ────おいルドルフ、今のどうやるんだ!


     ああ、それが。なんだか昔の自分と重なって。


    「やるよ、それ」


     気恥ずかしくなって、放り投げた。

    >>64

  • 98二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 10:47:18

    まじで好き

  • 99二次元好きの匿名さん22/04/23(土) 22:03:04

    水族館でイルカショーでビショビショになるシリウスとトレーナー

  • 100二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 08:36:57

    保守

  • 101二次元好きの匿名さん22/04/24(日) 19:37:15

    保守

  • 102二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 07:15:24

    スレ主、今何個リクエスト残ってますか

  • 103二次元好きの匿名さん22/04/25(月) 10:36:44

    ルドルフとルドトレと一緒にシンボリ家所有の無人島(インフラはある)にバカンスに来ているシリウスとシリトレをリクエストできますか?

  • 1041◆JeDP4cldSc22/04/25(月) 19:46:19

     天高くウマ肥ゆる秋、とはよく言ったもので、秋の季節にはウマ娘達がそこかしこでお茶会を開く。シリウスはそんなウマ娘達からゲストとして引く手数多であり、彼女自身も呼ばれたら早々断ることをしないので、少々困ったことになった。端的に言えば太った。


     レースも近い。どうにかしなければと内心で考えながらトレーナー室のドアを開けると、目の前には有名なドーナツチェーン店の箱があった。


    「おい、トレーナー。どうしたんだこれ」

    「んー、セールやってて安かったから二人で食おうと思って。好きなの選んでいいぞ」


     体重の話はもちろんトレーナーにはしていない。遠からず気付くだろうが、今のところは彼から見て許容範囲内なのだろう。


     箱の中身はシリウスの好きな種類が並べられていた。食べればダイエットは遠のく。食べなければトレーナーの好意を無碍にすることになる。


    「ま、いいか」


     ダイエットなら明日始めれば良い。目に余るようならトレーナーから何か言ってくるだろう。一番好きなオールドファッションを手に取る。


    「うま」


     なんだか、背徳的な味がした。

    >>95

  • 1051◆JeDP4cldSc22/04/25(月) 19:47:01

    >>102


    >>99>>103で2つですね

  • 1061◆JeDP4cldSc22/04/26(火) 00:00:35

     イルカが水面から大きく飛び跳ねると水しぶきが上がった。マイクを通した飼育員の声、太陽に照らされてきらきらと光り輝く水滴。


    「ははっ、今のはよく飛んだな」


     横で楽しそうに笑うのはシリウス。余ったからと桐生院トレーナーから水族館のチケットを貰ったは良いが、ペアチケットの相手に困っていたところを見つかった。こういう場所には興味ないと思っていたのだが、意外にも楽しんでいる。


     ばしゃり。


     イルカがさっきよりも高く飛んだ。比例して跳ねる水しぶきもより大きな放物線を描き、後ろ側に座っていた俺達の方まで水が飛んでくる。


    「うわっ」


     俺もシリウスも雨合羽は着ていない。まさかここまでは来ないだろうと思っていたのだが、予想が甘かったようだ。


    「あっつい日で良かったな。これで寒い日なら風邪を引いちまう」


     水に濡れてもおかしい年頃なのか、けらけらと笑うシリウス。しかし、びしょ濡れになった衣服は体にぴっちりと張り付いて、その、シリウスのボディラインが浮き彫りになっていた。


    「シリウス、リュックに俺のジャンパーあるからそれ着とけ」

    「こんな暑いのに上着なんて羽織ったら熱中症になるぞ」

    「良いから」


     視線を合わせられず、突き放すように言う。するとシリウスも自分の状況に気が付いたのか、俺をからかうように笑うとリュックに手を伸ばす。


    「アンタに免じて、聞いといてやるよ」

    「ありがたい」


     本来は逆のような気もするが。いや、これ以上考えるのはやめておこう。理性が危なくなってしまうから。

    >>99

  • 107二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 11:27:57

    リクエスト置いときます

    シリウスと蹄鉄買いに行くもほかの服とかを買うシリウスとコーディネートされるシリウス

  • 108二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 18:10:37

    >>106かわいいトレシリをありがとう

  • 109二次元好きの匿名さん22/04/26(火) 23:06:36

    軽飛行機で遊覧飛行をするシリウス

  • 110二次元好きの匿名さん22/04/27(水) 09:37:23

    少し早いが保守

  • 111二次元好きの匿名さん22/04/27(水) 20:16:34

    スレ主行けるかな、飲み会で2人だけになってイチャつくシリウスとトレーナー

  • 1121◆JeDP4cldSc22/04/27(水) 20:21:43

     青い空、白い海。ビーチと言って思い浮かべるのはそんな形容句だろうか。


    「熱い……」


     暑い、ではなく熱い。俺は浜辺でヒートアップしたビーチバレーをしているシリウスとシンボリルドルフを見ていた。


    「パラソルの下なんだから直射日光は当たってないぞ」


     笑いながらやってきたルドトレからブルーカクテルを貰う。普段なら担当の前でお酒など飲まないが今回は無礼講だ。


    「にしても、こんなリゾート島まるまる一つ私有地とはな」

    「ま、シンボリ一族恐るべしってところだが、ウマ娘の名門なら珍しいことでもないらしいぞ」

    「怖いなウマ娘」


     食うに困ることはない程度の中流階級に生まれた俺には想像もつかない世界だ。


    「おい、トレーナー。アンタだけズルいぞ」

    「ふう、トレーナーくん。私たちの分はあるかな?」

    「コーラで良ければ」

    「なんだ、アンタ達は酒飲んでるってのに」

    「お前らまだ未成年だろうが」


     バカンスなんて何をすればよく分からないが、これがシリウス達の心身を休めることに繋がるのなら万々歳だ。それに、何かトレーニングのアイデアでも閃ければ上々。


     ──その頃の俺達は知らなかった。まさかあんなことが起こるなんて。


    「なんてな」


     冒険小説の読み過ぎだ。俺はブルーカクテルを飲み干した。

    >>103

  • 113二次元好きの匿名さん22/04/28(木) 07:35:16

    シリウスとスペちゃんの絡みとかみたい

  • 114二次元好きの匿名さん22/04/28(木) 19:02:47

    保守、

  • 115二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 06:51:06

    シリウス助かる

  • 116二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 18:20:05

    コスプレするシリウスとそれの写真撮るトレーナー

  • 117二次元好きの匿名さん22/04/29(金) 18:26:37

    担当トレーナーがシリアスな展開は少し苦手だなぁと会話してるのをシリウスが少し苦手だなぁと聞き間違えてどういうことだと問い詰めるシリウス

  • 118二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 06:02:30

    保守しとく

  • 119二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 14:46:03

    ほす

  • 120二次元好きの匿名さん22/04/30(土) 22:23:18

    保守

  • 121二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 10:09:50

    ほし

  • 122二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 10:35:52

    トレーナーにベタ惚れしていることをルドルフにからかわれるシリウス……

  • 123二次元好きの匿名さん22/05/01(日) 22:13:19

    保守

  • 1241◆JeDP4cldSc22/05/02(月) 00:58:52

    「おい、シリウス。俺は蹄鉄を買うって言ったよな」

    「そんなの後で買えるだろ。買い物に来たんだから、それで終わらせるにはつまらねえ」


     俺の手には紙袋が四つ。当然蹄鉄でもシューズでもない。シリウスが買い込んだ服だ。どいつもこいつも値の張るブランド物だが、自費で買ってる以上は文句も言えん。荷物持ちにされてあるのは気に入らないが、必要経費という奴だろう。


    「にしてもどんだけ買うんだか」

    「なんだ、このくらい普通だぞ? アンタは服買わないのか?」

    「なんなら今日買った分だけで俺の全衣服より多いかもしれねえな」


     流石に冗談、とも言い切れない。


    「アンタ、もう少し身だしなみを気にした方が良いぜ」

    「ご忠告どうも」

    「なんなら私が今からコーディネートしてやろうか?」

    「着せ替え人形にするのはどうでもいいが金はねえぞ」

    「金ならどうにかするさ。だがプレゼントってのも面白くないな」


     シリウスは店に並べられたたくさんの服を指差す。


    「私に合うと思う服を一つ選んでみろ。それが合格だったらコーディネートしてやるよ」


     別に頼んではないんだがな。でもまあ、遊びに付き合うのも悪くはないか。

    >>107

  • 125二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 01:25:25

    >>104

    オールドファッションってカロリー高いんだよね…

  • 126二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 13:01:39

    顎クイの練習するトレーナーをからかうシリウス

  • 127二次元好きの匿名さん22/05/02(月) 23:35:41

    保守

  • 128二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 11:32:58

    保守

  • 129二次元好きの匿名さん22/05/03(火) 23:07:59

    保守

  • 130二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 00:39:43

    保守

  • 131二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 08:52:04

    このレスは削除されています

  • 1321◆JeDP4cldSc22/05/04(水) 08:53:20

    「身乗り出して落ちるなよ、トレーナー」


     プロペラが回り、金属の巨体が宙に浮かぶ。私にとっては慣れた感覚だが、隣に座るトレーナーは少し青褪めていた。


    「おいおい、アンタが乗りたいって言ったんだぜ」

    「そうだけど、ジェット機と全然感覚が違うものだから」

    「そりゃ、あのでかいだけが取り柄の飛行機とは違うさ」


     人や物を運ぶためでは無い、空を飛ぶための飛行。私はそれが好きだ。それに、これだけはルドルフに負けないという自負がある。走りでも、ビリヤードでもあいつは私の隣に並んでくるが、これだけは、あいつはやっていない。そんな暇がない、ってのが正しいのかもしれないが。


    「うお……」


     ため息で、隣に居るのが皇帝サマじゃなくて、ビビリで不敵なトレーナーだったことを思い出す。そうだな、少しからかってやるか。


    「安全な遊覧飛行と、リスキーな曲芸飛行、どっちが良い?」

    「そりゃ……後者だろ」

    「ほう?」


     てっきりビビって前者を選ぶものだと思っていたが。まあ、どちらにしても派手に飛ぶつもりだったのを察したのかもしれない。


    「お前は自由に、好き勝手に遊び回った方が絶対に面白い、そうだろ?」

    「言ってくれるじゃねえか」


     だったら期待に応えてやらないとな。操縦桿を倒すと、情けない悲鳴がした。

    >>109

  • 133二次元好きの匿名さん22/05/04(水) 20:47:05

    保守

  • 134二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 08:39:05

    ドーナツ奢るシリウス

  • 135二次元好きの匿名さん22/05/05(木) 15:18:50

    保守

  • 136二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 00:47:51

    あげ

  • 137二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 12:38:15

    あげ

  • 138二次元好きの匿名さん22/05/06(金) 12:58:23

    ヤンデレのシリウスが見たいのだがリクエストってまだ受け付けてる?

  • 139二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 00:20:29

    保守

  • 140二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 05:37:47

    保守

  • 141二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 13:31:33

    保守

  • 142二次元好きの匿名さん22/05/07(土) 17:16:31

    保守

  • 143二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 00:55:06

    シリウスがトレーナーとコンビニ行く話

  • 144二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 12:13:20

    保守

  • 1451◆JeDP4cldSc22/05/08(日) 15:27:12

     シリウスがメイクデビューしたのは高等部の、それも上の学年になってからだ。走り抜けた三年間は瞬きの間にも思える短さだったが、時が流れれば、人も歳を取る。見慣れない振り袖姿のシリウスにからかわれて実感した。彼女ももう大人になったのだと。


     成人したら先ず何をするかと言われれば、それなりに多くの人は「酒を飲む」と答えるだろう。今まで縁がなかったにしろ、こっそり嗜んでいたにしろ、これからは大手を振って飲めるのだ。シリウスも例外ではなく、取り巻きたちを集めてパーティーを主催していた。てっきり良いところのレストランでも貸し切るのかと思ったが、意外なことに普通の居酒屋の、個室みたいになっているとはいえ普通の座敷席だった。年長者として俺も呼ばれ、取り巻き達が酒や雰囲気に酔って潰れていく中、一人ちまちまとウーロンハイを飲んでいる。


    「なんだ、アンタはまだ落ちてねえのか」


     三度目の飲み比べに勝利したシリウスが口直しのワインを抱えて俺の隣まで歩いてきた。気が付けば正気を保っているのは俺とシリウスしか居ない。


    「飲み方は心得てるんでな。一人くらい頭がはっきりしてる奴が居た方が良いだろ」

    「それなら、私がいるからアンタは潰れても問題ないな」


     テーブルの上にグラスを二つ置くと、有無を言わさず両方に注ぐ。


    「お前な……」

    「良いだろ、少しくらい祝ってくれよ。アンタの口からまだ聞いてない」

    「まったく……」


     そう言われてしまっては、断ることもできない。グラスを持ち上げると、シリウスと軽くぶつけ合う。


    「成人おめでとう、シリウス」


    >>111

  • 146二次元好きの匿名さん22/05/08(日) 22:55:13

    早いが保守

  • 147二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 09:51:14

    シリウスにおすすめのアプリ聞く話

  • 148二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 13:34:35

    結婚して子供が産まれた後にかつての勝負服を無理矢理着て誘いぴょいしようとするシリウス

  • 149二次元好きの匿名さん22/05/09(月) 23:43:07

    保守

  • 1501◆JeDP4cldSc22/05/10(火) 09:32:35

     シリウスシンボリがスペシャルウィークと初めて出会ったのは雑誌の企画による対談だった。テーマは日本ダービー。異色の組み合わせだが、雑誌側も定番のネタは使い尽くしていたのだろう。ともあれ、シリウスとスペシャルウィークは向かい合い、自分の経験について話すこととなった。


    「お母ちゃんや、応援してくれたいろんな人に恩返ししたくて、絶対にダービーに勝ちたいと思ってました」


     スペシャルウィークの言葉を、シリウスはつまらなさそうに聞いていた。誰かの為に走る、ということがシリウスは嫌いだ。走るのは自分の為、誰かが自分の前を走っているのが許せないからという、至極シンプルな我欲の筈だ。それを恩返しや責任や、聞こえの良い言葉で誤魔化すのが嫌いだった。

     毒にも薬にもならないスペシャルウィークの話が終わり、マイクがシリウスに向けられる。


    「私は、頂点取るためにダービーに挑んだんだ。誰かの為なんて甘えた理由じゃない」


     スペシャルウィークを見る。あからさまな挑発だ。さあ、噛み付いてこい。隠した獣性を引っ張りだせ。そんなシリウスの思惑とは別に、彼女はニコニコと聞いているだけだった。


    「自分が勝ちたい理由を他人に委ねてるよう甘ちゃんをぶっ潰す為って言い換えても良いな。なあスペシャルウィーク」

    「えっ、私ですか?」

    「ダービーは、恩返しなんてそんな義務感だけで取れるのか?」

    「よく分からないですけど……自分が勝ちたいのって、当たり前じゃないですか?」


     本当に疑問に思っている、そんなスペシャルウィークの目には闘志が宿っていた。シリウスも理解する、このウマ娘は、勝ちたいというエゴと、誰かの為にというエゴが強く結びついているのだと。


    「ああ、そうだな。悪かったよ」


     自分の測り損ねだ。シリウスは大人しく非を認めた。


    >>113

  • 151二次元好きの匿名さん22/05/10(火) 20:51:58

    シリウスにバイト手伝っもらうアイネス

  • 152二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 07:48:08

    保守

  • 153二次元好きの匿名さん22/05/11(水) 17:32:55

    保守

  • 154二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 00:40:09

    あげ

  • 155二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 12:22:47

    保守

  • 1561◆JeDP4cldSc22/05/12(木) 12:32:53

    「なんだその格好」


     白いレースの入ったブラウス、黒を貴重としたふんわりスカート。りんごの入ったバスケット。それらを覆い隠すような赤いフード。


    「見てわかんねえか」


     笑うシリウスの口元には八重歯が見えた。


    「赤ずきんだよ」

    「いやそりゃ見りゃ分かるが」


     童話の赤ずきんの恰好なのは見ての通りだ。俺が聞きたいのは、なんでそんなコスプレをしてるかということ。


    「今度のファン感、劇やるって話になってな。私が赤ずきん役なわけだ」

    「それはまた尖った配役だなあ」


     シリウスは顔が良い。今の赤ずきんの格好だって舞台の上に立たずとも衆目を集めることができるだろう。とはいえ、彼女の性質が赤ずきんとはかけ離れているのも事実だ。騙されて、助けられるかよわい少女ではない。赤ずきんを助ける勇敢な猟師か、それとも。


    「私の狼役が見たかったか?」

    「見透かされてんなあ」


     周到で、傍若無人で、でも何処か愛嬌のある狼の方がシリウスには似合っている気がした。


    「ま、それはそうと」

    「なんだ?」

    「一枚撮らせてくれ。お前のそういう格好なんて滅多に見れないからな」

    「下手な撮り方したらやり直しだからな」


     分かってるって。そう言いながら一眼レフを取り出した。

    >>116

  • 157二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 13:54:01

    チームシリウスのトレーナーと絡むシリウス

  • 158二次元好きの匿名さん22/05/12(木) 20:37:34

    保守

  • 1591◆JeDP4cldSc22/05/13(金) 07:51:23

    「おい、どういうことだ?」


     シリウスは自身のトレーナーに詰め寄っていた。トレーナー室の壁に押しやって、いわゆる壁ドンの形になる。


    「な、何の話?」


     トレーナーは狼狽えた声で尋ねる。シリウスが不機嫌な理由に心当たりはない。もしかしたらと記憶の底まで探ってみたが、やはり何も思いつかなかった。


    「とぼけるなよ。さっき話してたの聞いたぞ」

    「さっき?」

    「私のことが苦手だって言ってただろ。どういう意味だ?」

    「そんなこと言ってないって……」


     シリウスに苦手意識を抱いたことなんてない。何を勘違いしているのだろうか。さっき、少し前に同僚とした話を思い返す。シリウスの話はしていない。確か、流行りの映画の話だ。勧められたは良いものの、いまいち食指が伸びなかった。なぜなら、


    「あー、とそれ。たぶん聞き間違いだと思う」

    「は?」

    「俺、そん時"シリアスなのは苦手だ"って言ったんだよ」


     映画はどちらかというと笑える方が良い。泣ける映画とか考えさせられるとか様々あるが、やっぱり娯楽は馬鹿みたいに笑いたい。そういうつもりで言った言葉が、シリウスには間違って伝わったらしい。


    「……本当だな?」

    「そんなに気にするんならさっき話してた同僚連れてこようか?」

    「……いや、良い」


     そう言ったシリウスは、心なしか安堵しているように見えた。

    >>117

  • 160二次元好きの匿名さん22/05/13(金) 12:23:11

    シリウス成分が沢山補給できてありがてぇ…

  • 161二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 12:09:11

    保守

  • 162二次元好きの匿名さん22/05/14(土) 23:12:42

    あげ

  • 163二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 10:30:32

    残りどれくらい残ってんだろ

  • 164二次元好きの匿名さん22/05/15(日) 19:39:41

    保守!

  • 165二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 01:00:03

  • 1661◆JeDP4cldSc22/05/16(月) 01:11:12

    ・トレーナーにベタ惚れしていることをルドルフにからかわれるシリウス
    ・顎クイの練習するトレーナーをからかうシリウス
    ・ドーナツ奢るシリウス
    ・ヤンデレシリウス
    ・トレーナーとコンビニ行くシリウス
    ・シリウスにおすすめアプリを聞く
    ・シリウスと二人目ぴょい
    ・アイネスのバイト手伝うシリウス
    ・チームシリウスのトレーナーと絡むシリウス

    抜けがなければこれで後9つですね。遅筆で済まぬ

  • 167二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 12:30:05

    お待ちしてます!
    無理はなさらないでくださーい

  • 168二次元好きの匿名さん22/05/16(月) 23:20:07

    待ってるぜ

  • 169二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 06:48:42

    保守

  • 170二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 09:40:00

    >>166

    次スレとかになりそうですかね...

  • 171二次元好きの匿名さん22/05/17(火) 20:39:19

    保守

  • 172二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 08:11:28

    9つはスレが足りないかもですね...

  • 173二次元好きの匿名さん22/05/18(水) 18:26:51

    今日85年当時の優駿を拝見したんだけどさ ルドルフの弟分!シリウスシンボリダービー勝利!とかシリウスシンボリヨーロッパの深い芝に完敗!しかしルドルフなら勝負になる!とか、どうもみんなシリウスシンボリというゴーグルを通してシンボリルドルフの話をしたがってたんだよな

    雑誌を破き静かに怒るシリウスシンボリの話とか見たいッスね

  • 174二次元好きの匿名さん22/05/19(木) 00:35:32

  • 175二次元好きの匿名さん22/05/19(木) 10:56:33

    保守

  • 176二次元好きの匿名さん22/05/19(木) 21:45:25

    保守

  • 177二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 08:49:49

    頑張って!

  • 178二次元好きの匿名さん22/05/20(金) 20:15:08

    あげ

  • 179二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 03:16:52

    保守

  • 180二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 11:57:00

    あげ

  • 181二次元好きの匿名さん22/05/21(土) 23:13:15

    保守

  • 182二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 09:54:12

    あげ

  • 183二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 15:38:59

    >>173

    そういうのってどこにあるんだ一体……

  • 184二次元好きの匿名さん22/05/22(日) 19:07:48

    保守

  • 185二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 02:01:42

    あげ

  • 186二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 13:08:58

    保守

  • 187二次元好きの匿名さん22/05/23(月) 23:58:01

    まち

  • 188二次元好きの匿名さん22/05/24(火) 00:22:02

    かね

  • 189二次元好きの匿名さん22/05/24(火) 11:14:51

    タン

  • 190二次元好きの匿名さん22/05/24(火) 22:08:18

    ホイ

  • 191二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 08:58:58

    ザ!

  • 192二次元好きの匿名さん22/05/25(水) 20:07:36

    保守

  • 1931◆JeDP4cldSc22/05/26(木) 02:38:27

    「おやシリウス。こんなところで会うとは奇遇だね」

    「皇帝サマか」


     ショッピングモールの中心には待ち合わせにも使われる銅像がある。その近くの壁にもたれかかって音楽を聞いていたシリウスシンボリは、話しかけてきたシンボリルドルフに視線を向けた。


    「こんなところに来るとは珍しい」

    「生徒会の備品を買いに来ただけさ。君こそ、誰かを待っている様子だがどうしたのかな」

    「アンタには関係ないだろ」


     ルドルフに話すことなど何も無い。ぶっきらぼうなシリウスにルドルフも困ってしまう。


    「分かった。不躾なことを聞いた私が悪かった」

    「だったらさっさと行きな。私も暇じゃない」

    「ああ、そうすることにしよう」


     去り際、ルドルフが振り返る。


    「そうそう、シリウス。ありのままを受けてくれる人は、滅多に出会えるものではないよ。その様子では要らぬ心配だと思うが、彼を困らせないようにね」

    「っおいそりゃどういう」


     噛みつこうとした頃にはルドルフは既に遠くに行っていた。代わりに近付いてきたのはシリウスのトレーナーだ。


    「悪い遅れた。機嫌悪そうだがどうした?」

    「別に、なんでもないさ」


     吐き捨てるように言いつつ、揺れる尻尾を隠した。

    >>122


    全然書けずにこのスレに収まりそうになくてすまない……貰ったリクエスト分は全部書く予定なのでよろしく頼む

  • 194二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 13:30:52

    次スレとかになるんかな

  • 195二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 20:43:47

    これ次スレ建てた方が

  • 196二次元好きの匿名さん22/05/26(木) 20:47:39

    >>183

    遅れたがgate jって施設で見れる。今は新橋にしかないけど


    他にもルドルフとシリウスが並走すると2ハロンまではシリウスとルドルフが並ぶけどそこを超えるとシリウスが勝てないとやる気を無くしてルドルフの後ろに着くらしい


    この鬼コーチに鍛え上げられたからシリウスシンボリはダービーに勝てたんじゃないかなって岡部さんが話してた 当時のタバコの広告やった

  • 197二次元好きの匿名さん22/05/27(金) 08:11:56

    保守

  • 198二次元好きの匿名さん22/05/27(金) 19:14:15

    行けます...?

  • 199二次元好きの匿名さん22/05/27(金) 21:06:33

    うんこ

  • 200二次元好きの匿名さん22/05/27(金) 21:06:45

    💩

オススメ

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