- 1二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:09:29
- 2二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:19:57
キャラクターシートを作ったか
冴「……」
(雑に机に乗せる)
ならKPCを設定する
キャラシは俺が過去に使ったやつを使い回す
関係性は一緒に家に住んでて違和感がないやつ
冴「母さん父さん凛しかいねぇだろ」
一人にしろ
冴「ならお前でいいか」
それはやめろ
冴「はぁ……」(クソ呆れたため息)
冴「注文が多いな。くだらねぇ遊びに付き合ってやってんだから少しは折れろ」
現実にいるとキモいから架空の人物をつくれ
冴「なんでいちいち面倒なことしなきゃならねぇんだよ」
冴「ただのゲームだろ」
冴「……どういうゲームかよく知らねぇが」
冴「……」(思案中)
冴「架空の弟(凛)、これでいいか」
勝手に架空にしやがって……
……まあいい、進めていく - 3二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:28:16
導入だ
お前は玄関の前に立っている
扉を背に立っているから今帰ってきたところだ
今までどこに行っていたのか記憶はない
そんな不思議な感覚がしている
冴「どこの家だ」
実家でも何でも、勝手に想像しろ
冴「なら家に入るか」
待て
冴「あ? 何だよ」
もう少し探索をしろよ
何か落ちてないかとか、時間とかあんだろ
冴「家に入る時にそんなこと考えねぇだろ」
冴「荷物を置いて手を洗いにいく」
……なら、荷物を置いたときに声がかけられる
お前の弟がリビングから出てくるな
「帰ってたのかよ」
冴「凛、ブルーロックはどうした」
架空の弟はブルーロックに行ってねぇんだよ - 4二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:28:54
やりとりめっちゃ好きだわ
- 5二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:29:03
架空の弟で草
- 6二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:33:49
>架空の弟はブルーロックに行ってねぇんだよ
このツッコミ好き
- 7二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:34:48
んで、その弟を見たとき
お前は気づく。妙な音がしてることに
冴「何の音だ」
金属音だ
ジャラリ
その音は、俺の手首からして……
俺じゃない、架空の弟
冴「どっちでもいい」
ちっ……
見ると、そいつはその両手を手錠で繋がれている
冴「手錠? 見せてみろ」
冴「お前昔、おもちゃの手錠の鍵を失くして取れなくなってただろ」
冴「懲りねぇやつだ」
俺に手錠嵌めたのも鍵失くしたのもてめえだろうが
冴「……だったか?」
……話が脱線した
お前の弟は手首の手錠を見せつけてこう言う
「どうしたクソ兄貴」
「俺を監禁したのはてめぇだろ」 - 8二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:41:58
冴「違うが?」
いや、お前は思い出す
確かに、お前は弟を監禁した
自宅に閉じ込めた
そんな当たり前のことを、当たり前のように思い出した
冴「なんで監禁した」
冴「そんな趣味はねぇが」
確かにそんな趣味はないはずだ
あったら引く
冴「ねぇよ」
だがお前は確かに俺を監禁している
しかもお前の意思で
そんな自分に気味悪さを覚えたお前はSAN値チェックしろ
冴「何だそれ」
いいからダイス振れ
<SAN値>
冴(65)dice1d100=6 (6)
失敗でdice1d3=1 (1)
- 9二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:50:13
成功なら1減少だ
冴「どっから1引くんだよ」
65から引け、キャラシ貸せ
こうだ、わかったか
冴「……」
お前は手錠つけた弟が出てきて
それを着けたのが自分だとわかっても大して動揺しなかった変態だ
冴「あ?」
冴「ちっ、何で手錠つけたかは知らねぇが外してやる。見せろ凛」
鍵がないし、お前は鍵をどこにやったかも思い出せない。だから外すのは無理だ
冴「前は針金をねじ込んだら開いただろ」
あの時のおもちゃとは違う、本物の手錠だ
そう簡単に外れるわけねぇだろ
冴「なら鍵を探しに外に行く」
冴「お前も来い」
「手錠つけたままでか? 嫌に決まってんだろ」
冴「なら俺の上着をお前の手にかけて、手錠隠してやる」
「それテレビでよく見るやつだろ。犯人が連行されるやつ。余計嫌だ」
冴「わがまま言いやがって……」 - 10二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:57:05
そもそもお前は
弟を絶対に外に出したら駄目だと思っている
冴「理由は」
わからない
わからないのに、死んでも出さないと思ってる
冴「……」
冴「お前、大人しく監禁されてたのか?」
冴「馬鹿じゃねぇのか?」
「お前の許可がねぇと外に出れねぇんだよ」
冴「何でだよ」
「こっちが聞きたい」
冴「……意味がわからない」
他に聞きたいことはあるか
……付け加えるなら、弟は別にお前に怒っているわけでも、不機嫌なわけでもない
拍子抜けするくらい普通に接してくる
冴「……」(思案中)
冴「>>11」
①聞きたいこと、話したいこと何か
②特にない
- 11二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 14:59:56
①
この冴さんあんまり架空の弟と弟の区別ついてないからもしかして人とか殺したのか聞きそう
外に出してはいけない→指名手配されてるみたいな - 12二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 15:01:30
アイス食うか?
- 13二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 15:06:34
冴「まさかお前……」
冴「人を……やったのか?」
(心外だという顔)
冴「おい、どうなんだ」
冴「当たりか?」
んなわけねぇだろ
当たりだとして、何でお前が監禁する必要がある
冴「匿ってやってんだろ」
んなことやらねぇくせに
「ほんとに何も覚えてねぇんだな」
冴「じゃあお前は覚えてんのか」
「……その内思い出すだろ」
冴「教えろ」
「嫌だ」
冴「は?」
「忘れたのはそっちだろ。いや……」
「忘れたいから忘れたんじゃねぇのか?」
冴「……つまり、どういうことだ」
「もういい。飯にする」
「手を洗ったらさっさとリビングに来い」 - 14二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 15:18:33
飯は食卓に用意されている
冴「お前が作ったのか」
そういうことにしていい
冴「よくその不自由そうな手で作ったな」
弟は手錠のせいで食べにくそうにしてる
何回も溢したり落としたり、汚しながら食べてんな
冴「大変そうだな」
「仕方ねぇだろ」
冴「外せねぇのか」
「さっきも言っただろ。無理だ」
冴「父さんのノコギリがあったはずだろ」
「待て、どうやって外す気だ」
冴「真ん中切れば……」
「……」
冴「多少のスリルは味わうかも知れねぇが」
冴「そういうの好きだろ」
架空の弟は首を横に振って拒否する
「平気だから放っておいてくれ」
冴「……」
「さっさと食べ終われよ。俺はゆっくり食う」
冴「……ノコギリは確か2階の」
「いいから黙って食えよ」 - 15二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 15:28:47
冴「手伝うか?」
別に手伝わなくても食べることは出来てる
冴「出てきた涎くらいは拭いてやる」
手錠関係ないだろそれ
垂れてねぇし
冴「なら食べ終わるまで待つか」
……食べ終わった弟はお前にこんなことを聞いてくる
「さっき、監禁した理由を覚えていないって言ったな」
冴「ああ」
「……思い出には忘れていた方が良いこともある」
「兄ちゃんは、忘れたくないことはある?」
「逆に、忘れてしまいたいことは?」
冴「そうだな……」
冴「>>16」
①忘れたくないことがある
②忘れたいことがある
③その他自由に
- 16二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 15:36:39
①かな
- 17二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 15:47:34
冴「お前の涎を拭いてて思い出したが」
冴「じいさんばあさんは歳とって何でも忘れていくだろ」
「何で涎拭いて思い出すんだよ」
冴「介護みてぇだなって」
「ふざけんなよ」
ふざけんなよ
冴「2回も言わなくていい」
冴「歳とってぼけんのは仕方ねぇが」
冴「身内のことは忘れたくねぇだろ」
冴「それに、死ぬときくらいはいい思い出を思い出して逝きてぇからな」
冴「覚えておかなきゃそれも出来ない」
「……そうか」
「逆に言えば、忘れたいことはないのか」
冴「さぁな」
冴「ないかもしれねぇし」
冴「あっても、もう忘れたのかもしれねぇが……」 - 18二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 15:53:43
「……記憶だって自身を形作る一要素だ」
「記憶を一部でもなくしたら、それはそいつ自身と言えるか」
冴「言えるんじゃねぇか。一部なら」
「例えば、忘れたい辛い記憶があるとして」
「辛い記憶のせいで、性格も暗くなっているやつがいたとする」
「その辛い記憶だけを忘れることが出来て、そいつは心の底から明るい人間に変わった」
冴「……」
「それは、そいつ自身と言えるか?」
「その変化はそいつにとって、良いことなんだろうか」
冴「……」
「兄ちゃんはどう思う?」
冴「…………」
冴「もっかい説明しろ。ゆっくり」
わかってねぇのかよ - 19二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 16:07:34
兄ちゃんw
- 20二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 16:09:56
「別に深い意味はない」
「ただ、何も思い出せないなら」
「ここら辺を調べてみろ」
冴「どこら辺だ」
探索しろってことだよ
冴「どこを?」
とりあえずはリビングだけだ
お前はおれ……架空の弟が逃げないか心配でこの当たりから離れられない
冴「だったら近くにつくように指示すればいいだろ」
逃げるわけねぇだろって言いながら茶碗を洗ってる
お前について回る気はないらしい
冴「ちっ」
調べる場所は実家のリビングを想像しろ
冴「テレビはつくのか?」 - 21二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 16:14:50
昼のニュースがやってる
数m先も見えないほどの濃霧が異常発生しているというニュースだ
窓を確認すれば外は真っ白になっていて、遠くの様子は全く見えない
ニュースを聞けば、数日前から濃霧注意報が出ていたことを思い出すだろうな
冴「おい凛」
冴「凛」
茶碗洗ってるから気づかねぇよ
何を聞く気だ
冴「塩昆布茶」
自分で持ってこい
……ここで幸運を振れ
冴「成功したら茶が出てくるのか」
んなわけねぇだろ
<幸運>
冴(65)dice1d100=85 (85)
- 22二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 16:24:35
失敗だ
冴「ちっ」
冴「仕方ねぇから自分でいれにいく」
丁度弟も茶碗を洗い終わって、テーブルに座ってる
で、次は
冴「次って何だ」
どこを探索するんだよ
冴「他に何かあんのかよ」
実家を思い出せ
冴「……」
冴「……テーブルに座って雑誌でも読む」
なら旅行雑誌が置いてある
冴「要らん。サッカー雑誌にしろ」
旅行雑誌しか置いてない
冴「んなわけあるかよ」
いいから黙って旅行雑誌を読んでアイデアを振れ
<アイデア>
冴(60)dice1d100=47 (47)
- 23二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 16:30:22
初心者にいちゃんの雑探索面白い
- 24二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 16:30:23
ならお前は弟を誘って旅行に行く計画をしていたことを思い出す
冴「旅行か」
冴「どこに」
適当に決めろ
冴「どこでもいい」
冴「それこそ、お前がいきたいところだろ」
興味ねぇよ
冴「……で、これがなんだ?」
……
ならもう目星振れTRPG雑魚
冴「あ? 小馬鹿にしやがって」
<目星>
冴(60)dice1d100=35 (35)
- 25二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 16:38:44
なら買った覚えのない本を発見する
「人間の意識について」というスピリチュアル系の本だ
前書きの概要をまとめれば……
冴「……」
……人間の意識が奇跡を起こすかもしれないっていう内容だ。ポルターガイスト、雨ごい、生霊がその例だ
冴「……で?」
……
冴「……まあ、段々わかってはきた」
冴「要は脱出ゲームだろ」
冴「俺はお前を監禁した理由を思い出して、ここから脱出する。それでクリアだ」
冴「違うか?」
……合ってるけど
冴「なら次の部屋を探しに行く」
冴「ついてこい、凛」 - 26二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 17:04:54
お前の弟は返事をしない
冴「なら一人で行く」
……
いや、何となく、お前は弟の顔を見る
つか見ろ
冴「なんかあったか」
弟は呆然と空を見つめている
その目には何も映ってないように見える
ガラクタの人形みたいな目だ
ぶっ壊れたような人間になってるな
冴「おいどうした」
冴「おい」ユサユサ
俺を揺さぶるな、俺はKPだ
で、少しして弟はいつも通り返事をする
「……なんだよ、そんなに必死そうな顔して」
冴「何だったんだ?」
お前はさっきの弟の顔が頭から離れない
それどころか、さっきの顔をどこかで見たことがあるような気がしている
どこで見たかは思い出せないが、見たことがある
薄気味悪くなってSAN値チェックだ
<SAN値>
冴(64)dice1d100=27 (27) 失敗でdice1d3=3 (3)
- 27二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 17:21:33
冴「思ったんだが」
冴「ここにお前が監禁されているのは」
冴「お前が何かやらかしたんじゃねえか」
少しは自分を疑え
冴「愚弟に聞いてみるか」
「何でそう思った?」
冴「俺もおかしいが」
冴「お前の様子も大体おかしい」
冴「そもそもこの状況でクトゥルフに誘ってきた時点でおかしい」
……
「兄ちゃんは」
「優しさって、人のためか、自分のためにやるのか、どっちだと思う?」
冴「あ?」
「相手を身を挺して庇うのは、相手のため? 傷ついた相手を見て、自分が傷つきたくないから?」
「どっちだ?」
冴「>>28」
①自分のため
②相手のため
③知るか
- 28二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 17:41:26
不穏な空気を察知
②で - 29二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 17:49:50
冴の雑探索と身内卓故の適当感含めてめちゃくちゃ面白い
冴がいちいち凛本人にアクション起こしてくるの面白すぎる - 30二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:07:24
>冴「そもそもこの状況でクトゥルフに誘ってきた時点でおかしい」
現実の二人にも何か起きてるの…?
- 31二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:21:19
冴「相手のためだ」
冴「自分のために何かをするなら」
冴「そもそもそれを優しさと言わない」
冴「自己満足、エゴだ」
「本当に?」
冴「疑うのか」
「じゃあ、仮に、もしも」
「俺が今、殺してくれって頼んだら」
「兄ちゃんは俺を殺してくれるの?」
冴「いや」
「相応の理由があったとしたら、俺を殺すのが優しさじゃないのか」
「兄ちゃんは多分、理由を聞いて、俺が死にたがるのを止めようとするだろ」
「それは兄ちゃんが、心の底から、俺に死んでほしくないって思うから、俺の為を思っての行動なのか?」
「それとも、自分が嫌だから止めるのか?」
冴「……」(考え込む)
冴「…………」
冴「…………キレていいか?」
「別に答えはねえよ。おちょくったわけでもない」
「自分のためと相手のための境がどこにあるのか」
「曖昧で分からないって話だ」 - 32二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:28:01
ここで、弟は席を立つ
冴「どこ行く」
「茶をいれてくる」
「向こうの部屋に茶菓子があんだろ」
「取ってこい」
冴「こいつがいないと部屋から出られねえんだろ」
いや、さっきくらいの不安感はもうない
勝手に出て行っていい
冴「……」
冴「なら、茶菓子を取りに行く」
隣の部屋に行けば、料理本が置いてある
冴「どうでもいい。茶菓子だ」
読めよ
冴「無駄なことはしねえ」
ゲーム中にわざわざ指摘したんだから無駄なわけねえだろ
冴「お菓子はどこだ」
もういい、勝手にしろ
<目星>
冴(60)dice1d100=32 (32)
- 33二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:30:02
凛ちゃん匙投げちゃった…
兄ちゃダイス運は悪くないね - 34二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:31:17
りんちゃんのツッコミがツボすぎるw
- 35二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:35:22
戸棚から一枚の古ぼけた紙を見つける
冴「なんだこれ」
お前の筆跡で、見覚えのない文字列が記されてる
これは「記憶を曇らせる」呪文だ
冴「呪文?」
相手の目を見て唱える必要がある
内容は具体的でないと失敗する
「昨日お前がやったことを忘れろ」これは無理だ
「昨日、洋服を買いに行った記憶を忘れろ」これは可能だ
冴「昨日の試合内容を忘れろは無理だが」
冴「昨日の1点目を誰が決めたか忘れろは出来るってことか」
……まあそれでいい
あとは、見覚えのない本が部屋に転がってる
冴「茶菓子持って部屋に戻る」
表紙はレ・アールだ
冴「開くか」
中身は医学書だが
冴「そんな医学書ねえだろ」 - 36二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:38:39
サッカーに喩えてサッカーに釣られて本開く兄ちゃんおもしろ
- 37二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:42:31
栞が挟んである箇所がある
そのページを開けば解離性健忘について書かれてる
冴「……」
どうせ長々説明しても聞かねえだろうから簡単に言うが
ショックな出来事が起きた時に記憶を忘れる障害のことだ
忘れていたはずの記憶がフラッシュバックすることもある
冴「つまり俺は解離性健忘だってことか」
冴「記憶が吹っ飛ぶほどのショックな何かがあって」
冴「凛を監禁してるわけか」
冴「これがあってるとするなら」
冴「凛もそのショックな出来事が起きた時にいたか」
冴「そもそも凛が何かやらかしたか」
冴「まあ、どっちにしろまだ思い出せねえんだろ」
冴「凛のところに戻るか」
……
冴「何だ」
急に饒舌になったと思っただけだ
冴「さっきから馬鹿にしてんだろお前」 - 38二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:47:52
戻ろうとした時
急に部屋の電気が消えて真っ暗になる
冴「ブレーカー落ちたか?」
冴「スイッチを押せばつくか」
つかないな
冴「まあいい、ブレーカーを上げに行くか」
冴「凛はリビングにいるんだろ」
いや、いない
冴「あ? どこ行きやがった」
部屋の奥から音がする
冴「なら見に行く」
そこに俺はいた
だが、兄ちゃんが近づいても顔を上げない
暗闇の中で背中を丸めてうずくまっている
冴「どうした」
冴「大丈夫か」
…… - 39二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:53:25
俺の肩は小刻みに震えている
顔を覗き込めば、額には冷たい汗が滲み、髪が皮膚に張り付いている
口元から洩れる呼吸は浅く、ひゅっ、ひゅっと喉の奥でかすれた音を立てている
震える手で胸元を掻きむしり、首元は掻きすぎて肌を裂き、血が滲む
けれどそれにすら気づいていないほど、怯えていた
その目は見開かれ、焦点を定めず宙をさまよっていた。その目の奥にあるのは理性でなく、恐怖だ
それだけが、そいつにあった
冴「凛?」
直後、電気が付く
お前の後ろに弟が立っている
お前の前で恐怖にうずくまっていた俺は消えていた
幻みたいに
冴「……どういうことだ?」
「何してんだよ」
「早く茶菓子持って来いよ。茶が冷めるぞ」
弟はいつも通りだった - 40二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 18:57:12
冴「待て、つまりさっきのは何だ?」
冴「幻覚か?」
さあな
冴「……」
ただ、お前にはその光景に覚えがある
お前は錯乱するさっきの弟を見たことがある
どこで見たかは忘れたが、確かに見たことがあるはずだ
冴「…………」
思い出せ
冴「……凛」
冴「顔色が悪いぞ」
…………
とにかく、SAN値しろ
<SAN値>
冴(64)dice1d100=88 (88)
失敗時dice1d4=4 (4)
- 41二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:02:26
よし
冴「減ったらいいのか」
0になったら廃人になってゲームオーバーだ
冴「駄目じゃねえか」
お前は弟と一緒に茶菓子を食べ始めるだろうな
何か聞きたいことがあるなら話せ
冴「ブレーカー上げたのか」
「あ? スイッチ押せばついた」
冴「ドライヤーと炊飯器と電子レンジと洗濯機は一緒に使うなって言ってんだろ」
「使ってねえよ」
他に聞きたいことはあるか
冴「…………」
冴「>>43」
①聞きたいことなど
②特にない
- 42二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:07:49
何時ぐらいの幻覚だったんだろう
①で怪我ないか聞く - 43二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:08:16
①そういや旅行の予定っていつだっけ?
- 44二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:17:19
冴「旅行を予定してたのを思い出した」
冴「いつだったか覚えてるか」
「あ?」
「初耳だ」
冴「一緒に計画してたんじゃねえのか」
「俺はそんなの言われた記憶はねえよ」
「ひとりで勝手に計画してたんだろ」
「それか、俺以外と行くつもりだったのを勘違いしてるか」
冴「そうだったか?」
冴「あと、お前怪我してないのか」
「怪我?」
冴「首とか」
冴「…………」
冴「それ、いつ怪我したやつだ」
…………
冴「お前、首掻きむしったのか」
冴「いつの傷だ? 今ついた傷じゃなさそうだが」
……………………
「怪我はしてない」
冴「…………」
触んな、次進むぞ - 45二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:20:39
どこまでがゲームなんだい
- 46二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:24:37
冴「あとは…………」
冴「お前か、医学書の表紙をレアールにしたのは」
「なんだそれ」
冴「解離性健忘について書いてあるやつだ」
「…………」
「兄ちゃん」
「兄ちゃんが何も覚えてないのはさ」
「それが兄ちゃんにとって思い出したくない記憶だから?」
「記憶から消したいほどのものだったから?」
冴「あ?」
「ここにいれば、多分兄ちゃんは一生思い出さない」
「ずっと幸せなんだと思う」
「変わらずにいられる」
冴「変わらないものなんてねえだろ」
「……そうだよな」
「兄ちゃんは死にたいって思ったことある?」
「兄ちゃんは何で生きてんの?」
「俺はさ」
…… - 47二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:29:15
「思い出したいなら、もう外に行けよ」
「別に、話をしたいなら、勝手にすればいい」
「俺はここにいる」
冴「……さっきは外に出るなって言っただろ」
外に行きたいなら行け
俺は止めない
冴「なら凛、一緒に来い」
俺は動こうとしない
冴「引っ張って連れて行く」
無理だ
冴「あ?」
冴「てめえ図体デカいからって調子に乗りやがって」
そういうことじゃねえよ
冴「……」
「いってらっしゃい」
冴「……何なんだよ」 - 48二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:33:28
玄関に向かうと、一枚の紙が落ちてる
こんなことが書かれてる
それは死をもたらすものである。
それは手を差し伸べるものである。
その神は深い霧の中でただ待っている。
霧の中で対象に何度も対象自身が死ぬ幻覚を見せ、限りある生に救いなどないのだと教え込ませる。
そうして、絶望に染まった対象は、救いをもたらす神の手を取るのだ。
しかし、死は終わりではなく始まりである。
また新しい生を迎えるための門出なのだ。
――彼は、神の手を取ろうとした。
それを、お前はその目で見たはずだ。
冴「……」
冴「何言ってるかさっぱりだな」
兄ちゃん、目星して
<目星>
冴(60)dice1d100=71 (71)
- 49二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:37:46
なら、兄ちゃんはその紙から目を離した瞬間、思い出す
ほんの少し、前のことだ
兄ちゃんは深い霧の中を歩く俺を見つけた
声をかけても、腕を引いても、俺は反応を示さなかった
抜け殻みたいになって、何かを探してた
それでも兄ちゃんは諦めなかった
何度も何度も、声をかけた
やっと俺が、焦点の合わない顔で兄ちゃんを見た
その時、俺の顔に表情が戻って
持っていたハサミで、俺は自分の首を
「それで、気づいたら俺は、兄ちゃんに監禁されてた」 - 50二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:43:48
冴「……」
背後に立ってるのは弟だ
呆れた顔をして立ってる
「ここは兄ちゃんが作った箱庭だ。ここに居れば俺は死なない」
「首にハサミを突き立てた記憶はある。だが、今はピンピンしてる」
「たぶん」
「俺の生死は、兄ちゃんに握られてる」
冴「何で死のうとした?」
「ありえないことがあった」
「言ったって理解されないようなものだ」
「映画を見ていたように全部他人事だ。今は、発狂することもない」
「ここから出たらまた死ぬかもしれない」
「いやそもそも、あの自殺が成功しているのかもしれない」
「ここから兄ちゃんが出ていけば、俺は死ぬかもしれない」
冴「……どうにかならないのか」
「わからない」
冴「……」
SAN値チェックだ
<SAN値>
冴(60)dice1d100=34 (34)
失敗時dice1d4=2 (2)
- 51二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 19:49:33
冴「……」
選んでいい
ひとつはここに留まる
もうひとつは、ここから出ていくことだ
冴「出て行ったらお前はどうなる」
どうでもいいだろ
冴「……」
冴「ここに残ればどうなる」
俺が絶対に死なない、それだけだ
ついでに言えば、兄ちゃんは記憶を曇らせる呪文を覚えてる
それを使ってもいい
冴「…………」
さっさとしろ
これでエンディングだ
冴「>>53」
①出て行かない
②凛に呪文を使って出て行く
③呪文を使わず出て行く
④凛と話をする(話したい内容も)
⑤その他
- 52二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:17:52
④お前は俺にどうしてほしい
部屋から連れ出しそう感あるけど出た瞬間に弟が死んでたら怖いんだよな - 53二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:20:27
難しいが脱出ゲームだと思っていて忘れたくないものがあるって冴兄的には③か…
- 54二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:21:49
悩むけど③
兄ちゃなら何とかしてくれると信じる! - 55二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:28:58
冴「このまま出ていく」
そうか
鍵はかかってないから、行けよ
冴「……」
冴「……何も言わねぇのか」
「別に」
冴「……」
冴「俺は確か、お前がハサミを突き立てた瞬間の記憶を持ってない」
冴「なら、チャンスはある」
冴「……」
冴「何とかしてやる」
「……」
冴「行くぞ」
……ドアノブを捻ると、まばゆい光に包まれる
ようやく目を開けられるようになったら
兄ちゃんは薄い霧の中に立ってた
ドアノブを握っていたはずの兄ちゃんの手は
ハサミを持つ俺の手を掴んでる
冴「……凛」 - 56二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:31:17
<SAN値>
凛(50)dice1d100=55 (55)
失敗時dice1d100=50 (50)
成功時dice1d10=5 (5)
- 57二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:38:38
…産地直送?
- 58二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:39:05
冴「……」
冴「何振った?」
俺のSAN値だ
冴「……0になったら、まずいんじゃねぇか?」
エンディングだ
腕を掴まれた弟は、力なく腕を下ろす
それからゆっくりと顔を上げてお前の顔を見つめた
その瞳には、光が戻ってる
「……酷い夢を見てた」
「兄ちゃんが起こしてくれたのか」
冴「……」
「…………兄ちゃん」
日差しが差し込む
薄くなっていた霧は晴れ、太陽が姿を見せた
冴「……心配かけさせやがって」
<アイデア>
凛(60)dice1d100=100 (100)
- 59二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:42:06
ファンブルか
締まらないなKP - 60二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:45:50
ファンブル草
おいしいとこ持っていくなあ - 61二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:46:04
冴「また黙って何か振ったな」
これは失敗していいやつだ
冴「なんだ」
冴「100って見たことねぇな」
冴「大成功か?」
大失敗だ
……
兄ちゃんが話を聞いてくれたおかげか
弟の精神は安定しているらしい
……とはいえ、相当消耗しているが
凛(50)→(10)※5分の1分は冴との会話で緩和したことになっている - 62二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:50:24
SAN値10か…
次やべぇ出来事に遭ったら廃人コースだが大丈夫か? - 63二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:51:55
思ったよりやばいくらい減ってた
- 64二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:52:01
……よかったな
生還だ
冴「……」
ゲームは終わりだ
冴「……で、結局お前は何がしたかったんだ?」
冴「こんなゲームを使って」
冴「回りくどい真似をして」
冴「まさか、この空間が」
冴「このゲームみてぇに」
冴「俺が作った箱庭だと言うつもりじゃねぇだろうな」
わかってんならさっさと行けよ
冴「……このゲームのように」
冴「お前は無事でいるのか?」
冴「保証はあんのか?」
…… - 65二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:53:10
え
怖い - 66二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:54:24
そういえばホラースレだった
- 67二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:56:41
クトゥルフだからホラー要素あるだろな思ったらまさかの展開
- 68二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 20:58:01
ハッピーエンドにしてくれ兄ちゃ…!
- 69二次元好きの匿名さん25/06/22(日) 21:03:08
隣の部屋にある料理本
兄ちゃんは見なかったけど
冴「……」
コラムの切り抜きがあった
たぶん、兄ちゃんがやったやつ
不安やストレスの解消法のコラム
だから兄ちゃんは旅行雑誌なんて、珍しい本を読んでた
俺のために調べてたんだろ
俺の様子が可笑しいことに、気づいてたんだろ
ずっと前から
冴「……凛」
冴「何があったんだ」
冴「その首の傷は」
掻きむしった痕だ
ハサミじゃない
冴「…………」