- 1◆EPynOvGJx225/06/24(火) 16:58:28
- 2◆EPynOvGJx225/06/24(火) 16:59:26
- 3◆EPynOvGJx225/06/24(火) 17:00:47
長くなったのでざっと前スレの内容まとめ
アメジオはラクア脱出時の記憶を最後に無人島で目を覚ました。所持品はなく、森の奥にあった研究所の廃墟で同じ境遇のフリードと出会う。フリードに懐いた野生のマイナンと共に裸で海を渡り脱出を試みるが、途中で突如現れたマイティGに連れられパルデアの大都会に全裸で降り立つ。港に落ちていた二着の女子生徒の制服を着込み偶然通りかかったリコと再会。ファミレスで話している内にラクアでの一件から一年が経過していた事実が判明。アメジオは消えた一年の記憶を取り戻す為にリコ達と協力する決意を示した。 - 4◆EPynOvGJx225/06/24(火) 17:02:09
- 5◆EPynOvGJx225/06/24(火) 17:02:43
- 6◆EPynOvGJx225/06/24(火) 17:03:41
- 7◆EPynOvGJx225/06/24(火) 17:06:43
続き
「俺は部屋のバスルームを使わせてもらう」
他人の前で裸になるというのは……この3日間で経験してしまったが……あまり慣れていなかった。
「そっかあ残念。折角ならアメジオとも入りたかったんだけどな」
「はあ!?ロ、ロイ、テメェ何言ってんだ!?」
ロイの言葉に何故かウルトが顔を赤くして引いている。
皆は部屋を出ていき大浴場へと向かい、アメジオ一人になった。
dice1d4=2 (2)
(1.早速お風呂タイム2.テレビをつける3.窓の外を見る4.ひと抜きする)
- 8◆EPynOvGJx225/06/24(火) 17:23:46
- 9二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 17:26:25
選ばれなかったけどひと抜き…!?
- 10◆EPynOvGJx225/06/24(火) 17:40:38
シャワーを浴びる前に少し情報収集しよう。リモコンを手に取りテレビをつけると、ちょうどドラマがやっていた。何となく気になって見ているとどうやら恋愛ドラマのようで、dice1d2=1 (1) (1.若い女性2.若い男性)がdice1d2=2 (2) (1.若い男性2.若い女性)に対しdice1d4=2 (2) (1.ロマンチックに2.大胆に3.4.無理やり)dice1d4=4 (4) (1.キスしている2.抱きしめる3.押し倒す4.腹パンする)シーンが映った。それを見たアメジオはdice1d4=4 (4) (1.興味深く思った2.ドキドキした3.つまらなく思った4.やってみたいと思った)
- 11◆EPynOvGJx225/06/24(火) 18:00:36
- 12二次元好きの匿名さん25/06/24(火) 22:29:53
歯磨きかな?
- 13◆EPynOvGJx225/06/24(火) 23:14:25
シュコシュコシュコ……
アメジオの家ではバスタブに浸かりながら歯を磨くのが習慣だった……
歯を磨き終えると歯ブラシを咥えたまま髪や体を洗っていく……久々のシャワーはやはり気持ちがいい。
全て洗い終えると一旦外に出て洗面台で口をゆすぐ。バスタブに湯を張り直し再び浸かると、頭を壁にもたれさせくつろぐ。
目の前の白い壁をぼんやり見ていると、ふと昔の記憶が蘇ってきた。
dice1d4=4 (4) (1.ソウブレイズ2.ジル3.お父様4.ハンベル)とdice1d4=1 (1) (1.風呂2.海3.プール4.温泉)でdice1d4=1 (1) (1.話した2.遊んだ3.喧嘩した4.歯磨きした)のだったな……
- 14◆EPynOvGJx225/06/25(水) 08:41:46
- 15二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 10:26:17
結構成長してからもハンベルと風呂入ってたんか…?
- 16◆EPynOvGJx225/06/25(水) 17:05:38
ずっと昔、十数日に渡る任務を達成した後、久々に実家へ帰り暫しの休息を得た。広い湯船に浸かりながら、カーテンの外にいるハンベルと母の話をしたことがある。
物心つく前に母を失くしたアメジオに母の記憶はなく、ロビーの絵画と写真で想像する以外には、父やハンベルから話を聞くしかなかった。
〜〜回想〜〜
「アメジオ様、お着替えをお持ちしました。外に掛けておきます。それと……」
シュコシュコシュコ……
「失礼致します。こちらでお口をゆすいでください」
ハンベルがカーテンを開きトレーに乗ったコップとボウルを差し出した。アメジオはそれを使い口の中を綺麗にすると歯ブラシをトレーに乗せた。用事が終わり立ち去ろうとするハンベルをアメジオは呼び止める。
「ハンベル、久々にお母様の話をしてくれ」
ハンベルは立ち止まって振り返る。その目尻は心做しか優しげに弧を描いた。
「もちろんです。何についてお話しましょうか」
「dice1d4=1 (1) (1.母の性格2.母の特技3.父と母の馴れ初め4.母の趣味)について教えてくれ」
- 17◆EPynOvGJx225/06/25(水) 21:23:49
- 18◆EPynOvGJx225/06/25(水) 22:01:15
- 19二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:05:32
パルデアだしな
- 20二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 06:57:35
保守
- 21二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 07:42:23
保守
- 22◆EPynOvGJx225/06/26(木) 16:47:21
「フラメンコ……」
アメジオはバスタブの揺れる水面を見つめた。すると不思議なことに、スポットライトを浴びながら情熱的なリズムで踊る男女の情景がありありと浮かんでくるではないか。立ち上がる湯気がまるで舞台のスモークのように見えてくる。アメジオは焚き付けられたかのように立ち上がった。跳ねた湯がハンベルにかかるがそんなことはどうでもいい。今すぐステップを踏んで音楽に合わせて踊り出したい。
「ハンベル!今すぐ俺に衣装とシューズを仕立ててくれ!」
〜〜〜
(……そんな事もあったな)
アメジオは昔を懐かしんだ。あれ以来任務の合間に夢中でステップを踏んでいたが、今でも上手く踊れるだろうか。
逆上せてきたのでそろそろ上がろうかと思っていた時、ノックの音がした。
「アメジオ、入ってもいい?」
リコの声だった。
「構わない。どうした?」
入って来たリコとカーテン越しに会話する。
「洗濯物があったらもらおうと思って。一階のランドリールームでみんなの服まとめて洗っちゃうね」
dice1d2=1 (1)
1.「すまない。一緒に頼む」
2.(洗濯物……いや待て!)
- 23二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 00:18:36
見られるじゃん…
- 24◆EPynOvGJx225/06/27(金) 08:36:37
- 25二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 16:02:16
固まっちゃったのかな…
- 26◆EPynOvGJx225/06/27(金) 17:21:23
- 27◆EPynOvGJx225/06/27(金) 23:42:18
「な、何か悪いか!俺が何を穿いていようと俺の勝手だろう!」
追い詰められたアメジオはつい逆ギレしてしまった。言ってしまった後でハッとするが、口から出た言葉というのは二度と取り消せないものだ。
「ご、ごめん……そ、そうだよね。何を選ぼうかなんてアメジオの自由だよね。大きな声出しちゃって本当にごめんね」
謝罪するリコにアメジオは心が張り裂けそうになった。リコは何も悪くないのに。ましてや服を洗濯しようとしてくれただけなのに。
「この下着、多分洗濯機入れちゃうと傷んじゃうから、ここでササッと手洗いしちゃうね」
キュッと蛇口を捻る音と洗面台にジャバジャバと水が張られていく音がする。今まさにリコの手によってあのTバックが洗われているのだろう。アメジオは罪悪感と羞恥心でわなわなと震えていた。やがて洗面台の栓が抜かれ水が流されていき、最後にキュッと布を絞る音がした。
「下着、ラックのパジャマの横にかけておくね。 後でスカートの中に隠しながらハンガーにかけておけば、両方とも明日には乾くと思うよ。それじゃ他の服は一旦預かるね。お邪魔しました」
膝に顔を埋め黙りをきめこむアメジオを他所にリコが立ち去ろうとした瞬間――ドサッ。何かが倒れる音がした。
アメジオ「dice1d2=2 (2) 」
1.「リコ…?」
2.「リコ…!」
- 28二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 02:15:08
これは辛い
- 29二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 08:31:10
保守
- 30二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 18:22:37
早めに新しい服と下着手に入れられるといいね
- 31二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 01:24:18
保守
- 32◆EPynOvGJx225/06/29(日) 02:23:43
「リコ……!」
不穏な音にカーテンを開けると悪い予感は的中した。リコは床にうつ伏せで倒れていた。アメジオは急いでバスタブから出るとリコの傍で立膝をつき様態を確認する。今は裸であることや水滴が滴り落ちるのを気にしている場合ではない。
「リコ!しっかりしろ!何があった」
アメジオがリコの肩を掴んで起こすとその目は辛うじて開かれていた。転んだ拍子に切ったのか額からは血が出ている。リコが顔をアメジオの方に傾けると血も同じ方向に滴った。
「ううん……分からない……急にふらついて……」
「額から血が出ている。待っていろ。すぐに手当をする」
アメジオは素早くパジャマを着た。リコを抱き抱えバスルームを出ると、中央のベッドに寝かせた。止血のために傍にあったティッシュを数枚取り傷に優しくあてがう。
「痛むか?」
「ううん……平気……」
アメジオは押さえていたティッシュを一旦取り傷の状況を確認した。すると不思議なことに、血が拭われた額は傷ひとつなく綺麗な状態だった。
- 33◆EPynOvGJx225/06/29(日) 02:24:22
「ありがとう。もう大丈夫みたい」
リコは倒れてから数分経たないうちに自分から上体を起こした。その顔つきを見るに心配をかけないように気丈に振舞っている訳ではなさそうだ。
「立ちくらみか貧血かな?とにかく心配かけちゃってごめんね」
「構わない。だが……」
傷のことについて話そうとした時、部屋のドアがガチャリと開く音がした。リコ以外のメンバーも帰ってきたようだ。
「リコー!売店で飯買ってきたぜ!」「ヤミヤミ!」
最初に部屋に入ってきたウルトが待ちきれない様子で両手に抱えているビニール袋を掲げている。そういえば夕食がまだだった。
アメジオが食べるのはdice1d4=3 (3)
(1.クロワッサン2.カレーパン3.メロンパン4.パンケーキ)
- 34二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 09:55:23
何があったんだ…
- 35◆EPynOvGJx225/06/29(日) 10:13:06
フリードとロイはソファに座り、他のメンバーはベッドに腰掛けることにした。ポケモン達もベッドや床、トレーナーの膝など思い思いの場所で休んでいる。食事を取りつつ、ここにいるメンバー全員で今までに起こった出来事を共有し、これからするべきことをまとめた。
アメジオは選んだメロンパンをかじる。パッケージにはニャオハ、クワッス、ホゲータの可愛らしいイラストがプリントされていた。ちなみにおまけのデコキャラシールはdice1d20=1 (1) (第211弾より公式サイトの一覧から左順)だった。
「ぼく達がルシアスから受け継いだ使命は、ラクリウムをこの世から消し去ること。そのためにはラクリウムの調査を進めて、ラクリウムが危険なものであることをみんなに分かってもらわなくちゃいけない」
「ストロングスフィアの販売も早く止めないと。エクシード社の中にだって、自社の製品の危険性について知らされていない人達がいる可能性が高い」
「このままだとラクリウムの影響で苦しむポケモンが増えていく。トレーナーだって同じ。指示もせずに勝手にポケモンが戦うなんて、そんなのポケモンバトルじゃない。それで勝っても負けても得られるものなんて何もない」
ロイ、ドット、リコの言葉にアメジオも頷く。
「俺はおじい様が消える直前、エクスプローラーズの未来を託された。エクシード社も本来であればお父様が社長を続けていただろう。人とポケモンのために存在する組織……それを自分の野望のために利用するスピネルを、俺は許さない」
「スピネルは俺がラクアで死亡したと仲間に報告していた。俺とフリードが一年間の記憶を失っている件について、俺は奴が関わっていたと考えている」
アメジオの意志は今、はっきりと固まった。
「俺はスピネルをdice1d4=3 (3) 」
(1.倒す2.止める3.裁く4.制裁する)
- 36二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 10:16:01
- 37二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 18:16:28
ポケモンパンか
- 38◆EPynOvGJx225/06/29(日) 22:33:02
「俺はスピネルを裁く。奴はエクシード社からラクリウムを盗んで悪用し、ラクアの自然を破壊した挙句、その罪をRVCに擦り付けた。今なお各地ではラクリウムによる被害で人もポケモンも傷つけられている。俺は奴の行いを白日の下に晒し、その罪を償わせたい」
アメジオの言葉に全員が賛同した。
「その第一歩が明日のミスコンだな。ドット、頼りにしてるぜ」「ピカチュ!」
フリードが親指を立てるとキャップも同じように指を立てた。ドットを見れば前髪が目に被り一年前の姿に戻っている。あわあわとして落ち着かない様子だ。
「ほ、本当にボクがでるの……?」
「アメジオの推薦なら仕方ねえだろ?大丈夫、お前なら上手くやれるさ」
「て、適当言わないでよ!ああ最悪……」
「ぐるみんの撮影だと思ってやればきっと平気だよ!私達も観客席で応援してるから……」
項垂れているドットを隣のリコが慰めながらも元気づけている。
その後は暫しとりとめのない談笑をした。話は弾み、あっという間に夜は深けていった。皆は寝る準備に入りポケモンをボールにしまう。トレーナーのいないマイナンだけはそのままだ。
……そういえばベッドは3つしかなく、2人で共有しなければならないのだった。さてどこで寝ようか……
dice1d6=2 (2)
①② ③④ ⑤⑥
- 39◆EPynOvGJx225/06/29(日) 22:34:15
- 40◆EPynOvGJx225/06/29(日) 22:36:07
- 41◆EPynOvGJx225/06/29(日) 23:51:42
アメジオは壁際のベッドにフリードと寝ることになり、真ん中にリコとドット、窓際にロイとウルトという構図になった。
「マイマイ!」
「マイナンはおれ達のベッドで寝たいのか」
「マーイ!」
「おれとアメジオの間がいいのな」
マイナンはフリードに擦り寄り一段と甘えている。キャップが登場してからはあまり構って貰えず寂しかったのだろう。
「みんな明日に備えてしっかり寝ろよ。んじゃ部屋暗くするからな。おやすみ」
フリードが壁のスイッチを切り部屋がふっと暗くなる。残るのはベッドライトの仄かな淡い光のみだ。フリードはそのまま仰向けに寝転び、弾みでベッドが軽く軋む。その隣でアメジオはまだ上体を起こしたままでいた。
今夜の展開dice1d4=1 (1)
(1.少女マンガ的2.少年漫画的3.同人誌的4.一般的)
- 42二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 23:53:13
このレスは削除されています
- 43◆EPynOvGJx225/06/29(日) 23:54:14
- 44二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 08:08:51
保守
- 45◆EPynOvGJx225/06/30(月) 16:50:58
- 46◆EPynOvGJx225/06/30(月) 16:53:10
- 47二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 23:56:40
マイナン最終的にどうなるんだろう
- 48◆EPynOvGJx225/07/01(火) 01:21:52
フリードはマイナンに視線を落とした。
「野生かと思ってたが、もしかしたらこいつには元々トレーナーがいたのかもしれない。やけに人馴れしているし、研究所で出会った時なんかおれに向かって飛びついてきな。てっきり襲われるのかと思ったら頬を擦り寄せて甘えてきたんだ」
海で溺れているところを助けられてからフリードに熱を上げている様子だったが、たしかにそれ以前からマイナンはフリードに懐いていた。
「俺と浜辺で対峙した時は中々好戦的だったがな。だが危害を加えないと伝えれば分かってくれた。俺をお前の元に案内してくれたのもマイナンだ」
「そうだったのか」
あの時はうだるような暑さで水もなく、フリードと出会うのが遅れていれば最悪の場合死んでいたかもしれない。今思えばマイナンはアメジオの命の恩人だ。
「トレーナーがいたと言うが、このマイナンは無人島に住み着いていたのだろう。あそこには廃墟の研究所しかなかった。人間の影などなかったがな」
「いや、そのことなんだが……」
フリードは何か思うところがあるようだ。
dice1d2=2 (2)
(1.フリードの言葉を待つ2.問いただす)
- 49◆EPynOvGJx225/07/01(火) 09:40:15
中々語ろうとしないフリードにアメジオは焦れったくなってきた。
「気づいたことがあるのなら共有しろ。俺たちは仲間だろう」
仲間。無意識に口から出た言葉に今度はアメジオが口ごもる。その言葉はフリードの中でも引っかかったようで、目元や口元が段々ニヤついていく。
「仲間か。お前がおれに対してそんな言葉を使う日が来るとはな」
「うるさい。いいからさっさと話せ」
「はいはい、分かったって」
アメジオは気恥ずかしくて怒った口調になった。他のメンバーが寝ているので小声ではあったが。フリードは照れたアメジオを見て笑った後、視線を天井に移しまた少し考えている。暖色に照らされたその横顔は真剣な顔つきに変わっていた。
「おれは、あの島はdice1d4=1 (1) んだと思っている」
(1.元々無人島ではなかった2.研究所が機能していた3.最近まで人間がいた4.外から人間が出入りしていた)
- 50二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 17:57:10
フリードとアメジオの関係良いな
- 51二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 22:52:34
保守
- 52二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 07:16:47
マイナンかわいい
- 53二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 15:58:54
保守
- 54◆EPynOvGJx225/07/02(水) 17:44:46
- 55◆EPynOvGJx225/07/02(水) 22:01:56
「カ、カップラーメン……?」
予想外のアイテムに戸惑うアメジオに対し、フリードは懐かしそうに思い出を語り始めた。
「ああ、カップラーメンだ。腹減ってたから見つけた時はテンション上がったぜ。数個しかなくてお前が来る前に食べきっちまったがな。いやあ近くに木の実がなっててホント助かった」
饒舌なフリードだったが、アメジオが怪訝な顔をしているのに気づくと苦笑いした。
「悪い悪い、そのカップラーメンだがな、見つけた時に賞味期限が数ヶ月先でまだ切れてなかったんだ」
「……!つまりそこで生活していた人間がいたということか?」
「そういうことだ」
dice1d2=1 (1)
1.「そういうことはもっと早く言え!」
2.「他にも知っていることがありそうだな」
- 56二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 07:00:53
保守
- 57二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 15:08:45
そういや湯沸かせたんだっけか
- 58◆EPynOvGJx225/07/03(木) 23:02:55
「そういうことはもっと早く言え!」
アメジオはつい声を荒げ、はっとしてそばにいるマイナンを見た。短い手足を広げてすやすやと寝息を立てているのを確認し、改めてフリードに不満げな眼差しを送る。
「いやあ、あの時は一年経ってるとか何も知らなかったし、そこまで重要な事とは思わなかったんだ。ちなみに他にも見つけたものがあってな」
「なんだと……」
アメジオは追加でまた何か言いそうなフリードに半ば呆れる。こいつはスピネルとは違うベクトルで油断できない男だ。
「あの研究所二階まであって意外と広かったろ?階段登った先の廊下に壊れたタブレットが落ちててな、割れた液晶画面が固まったまま表示されてたんだ。んで文章の一部だけ読み取れたんだが、そこに書かれてたのが『dice1d4=1 (1) 』だ」
(1.赤い結晶2.機能強化3.被検体4.シンオウ)
- 59二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 07:57:14
赤い結晶何なんだろう
- 60◆EPynOvGJx225/07/04(金) 12:11:08
「赤い結晶……?」
アメジオはそのワードに思い当たる節があった。
「ああ。恐らくあの研究所では、ごく最近まで人が出入りして研究が行われていた。その赤い結晶というのが研究に関わっていた可能性はあるな」
結晶と聞いて連想するのはラクリウムだ。しかしそれなら結晶の色はピンクと表現されるはず。アメジオは少し考えた後、フリードにあの時見た光景について伝えた。
「ラクアから脱出を試みた際、飛行中に赤い宝石を見た」
「赤い宝石?」
「ああ。目の前の空中に浮かんでいた。俺はそれを目撃した後、記憶を失ったんだ」
フリードはアメジオの顔をまじまじと見た。
「その赤い宝石が赤い結晶ってことか?」
「いや……今のは思い出したから言っただけだ」
「そうか……いや、だが重要な情報だ。なんでおれに教えてくれなかったんだ?」
dice1d4=4 (4)
1.「タイミングを逃した」
2.「お前が嫌いだからだ」
3.「信じてもらえないと思った」
4.「言ってなかったか?」
- 61◆EPynOvGJx225/07/04(金) 18:16:32
「言ってなかったか?」
アメジオが真顔で言うと、フリードが眉をひそめ渋い顔をした。
「……それってまさかおれの真似か?」
「ああ、いつもの仕返しだ」
アメジオは言い終えるとフリードに向かってフッと笑いかけた。フリードは呆気にとられた顔をしたが、すっと腕を伸ばして大きな手のひらでアメジオの頭をガシッと掴んだかと思えば、わしゃわしゃと乱暴に撫で始めた。
「うわっ!何をする!」
「言うようになったじゃねえか。この!」
フリードはアメジオを犬型ポケモンと同じように扱った。他のメンバーが寝ているのでアメジオも大袈裟な抵抗はできない。
フリードはひとしきり撫で満足したのかようやく手を離し、今度は乱れた髪を優しく梳かすように指で掬う。
「悪ぃ、ボサボサにしちまったな」
アメジオは文句のひとつでも言おうと思ったが、フリードの指使いが何となく心地よくて何も言えないでいた。こんな風に誰かに触れられたのはいつぶりだろうか。アメジオの記憶の中では実の父にさえしてもらったことはなかった。
フリードの指を通じて父を連想する内に、ファミレスで会話した時、フリードが父を知っている素振りを見せたことを思い出した。
(フリードに父について聞いてみるか……)
dice1d4=4 (4)
1.出会いについて
2.会話について
3.仕事振りについて
4.息子について
- 62二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 22:59:49
保守
- 63二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 01:27:22
自分のこと…?
- 64二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 10:01:04
保守
- 65◆EPynOvGJx225/07/05(土) 13:03:42
「お前は俺の父を知っているのだったな」
「どうしたんだ急に。ああ、知っているどころかクレイブ社長はおれの恩師だ。おれがエクシード社に入社できたのは、社長がおれの論文を認めてくれたからだ」
「そう、だったのか……」
フリードがエクシード社で働いていただけでなく、父ともただの社員以上の繋がりがあったことに驚いた。
「入社してからも凄く良くしてもらってな。なのにおれは勝手に会社を辞めちまって、それでもまた会いに行った時は懇意にしてくれた。ラクリウムについて聞いた時も、こっそり社員証を渡して協力してくれたんだ」
嬉しそうに言うフリードに対しアメジオの顔は曇っていく。自分が聞きに行った時は一切仕事の手を止めず、息子の方を見向きもしなかったのに、フリードには親切に接したのだと知って心が段々と沈んでいった。
「まさかお前が社長のご子息だったとはな。世間ってのは案外狭いって言うのは本当で――」
「父は俺について何か話していたか?」
アメジオはフリードの言葉を遮って尋ねた。
dice1d2=1 (1)
(1.話していた2.話していない)
- 66◆EPynOvGJx225/07/05(土) 15:54:09
- 67二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:53:24
ほしゅ
- 68◆EPynOvGJx225/07/06(日) 00:08:35
- 69二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 09:10:06
保守
- 70二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 17:27:51
辛いな…
- 71◆EPynOvGJx225/07/06(日) 17:30:39
「父はギベオン様に傾倒する俺のことをよく思っていなかった。歳を重ねるにつれ父と会話をする機会はどんどんなくなっていった……」
アメジオは髪に触れていたフリードの手を掴み、彼に押しやった。
「お前はよかったな。社長である父に痛く気に入られていたのだろう?目をかけていた元部下が天才ポケモン博士という肩書きを手にした時は、さぞ父も喜んだのだろうな」
そんなつもりはなかったはずなのに、嫉妬めいた口調になってしまい悲しくなる。素直に謝ろうとも思ったが、きっと呆れているであろうフリードの顔を見たくなかった。
すると、押しやったはずの手がアメジオの頭をぽんぽんと優しく撫でた。
「晩飯の後、リコにスマホロトムを借りてたな。あれは家族と連絡をとってたんじゃねえのか?」
「……あれは俺と行動していた仲間と通話しただけだ。父とはまだ話していない」
「そうか。だが社長なら明日にでもお前の元に駆けつけると思うぜ?」
「……そうだろうか」
「……社長が俺に聞かせてくれた思い出話だって、昔のことなのにちゃんと覚えてて他人に語るくらい大好きな記憶だったってことだろ?結局どこの親も一番大切に想ってるのは自分の子どもだ」
アメジオが黙ると、頭にあった手は頬に添えられ、フリードがゆっくりとアメジオの顔を彼の方に向かせた。
「心配すんなって。俺を信じろ」
アメジオのデレ度(100-ヒロイン度(64)→36以上でデレる)
dice1d100=9 (9)
- 72◆EPynOvGJx225/07/06(日) 17:43:02
- 73◆EPynOvGJx225/07/06(日) 22:51:15
「ひっ…!」
アメジオはリコから逃げるように寝返りを打つなりマイナンごとフリードに抱きついた。
「うわっ!急にどうした!」
「リ、リコが!」
「リコ?」
「あ、あの、ごめんなさい……実は私もまだ起きてたんだ。びっくりさせちゃった……?」
まさかリコが起きてるとは思わなかった。暗い部屋にぼんやりと浮かぶ丸い大きな瞳と目が合って、不意打ちで正直怖かったのだ。
「そういうことか。よしよし、相手はリコだろ?怖くないってアメジオ」
「……!頭を撫でるのはやめろ!子供扱いするな!」
「こーら、あんまり大きな声出しちゃダメだろ?」
「……ッ!」
(最悪だ!フリードを無視しようとしたのに逆に抱きついて子供扱いされてしまった!しかもリコは今までのやり取りを全て見て聞いていたのか…?)
dice1d4=3 (3)
1.全部見てたけど内容は聞こえてない
2.全部見てたし内容も聞いていた
3.ついさっき見始めて内容は聞こえてない
4.ついさっき見始めて内容も聞いていた
- 74二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 07:11:34
保守
- 75◆EPynOvGJx225/07/07(月) 16:20:30
アメジオはフリードから離れマイナンを元通りに寝かせた。マイナンは少しも目を覚まさずすやすやと眠り続けている。アメジオはリコの方に振り返った。
「リコ……俺たちの会話を聞いていたのか?」
「ううん、さっきまで夢現で天井を向いてたし、二人の話の内容までは聞き取れなかったよ」
「そうか」
「でもフリードがアメジオの頭をぽんぽんして、頬に添えて自分の方を向かせて、アメジオがその手を押しやったのは見てたかな」
「……!」
「なんか少女マンガみたいでいいなって思った。あ、その、あくまでも例えだからね!気にしないで!」
(そうか……話の内容が聞こえないとそのように傍から見えるのだな……)
アメジオは落ち込んだ。
dice1d2=2 (2)
(1.眠る2.リコに質問を続ける)
- 76二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 17:35:41
いいなって感想が出るってことはリコちゃんもフリードさんに頭ぽんぽんされたいのかな?かわいい
- 77二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 23:13:19
アメジオかわいいな…
- 78二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 07:52:00
保守
- 79◆EPynOvGJx225/07/08(火) 13:49:27
「……リコ、寝付けないのか?あれ以降体調はどうだ?」
「全然平気だよ。あの時たまたまおかしかっただけ」
「なんだ?リコは体調が悪かったのか?」
事情を知らないフリードが尋ねる。
「みんなが戻ってくる前にちょっと立ちくらみで倒れちゃっただけ。おでこをぶつけて血が出ちゃったんだけど、傷もすぐに塞がったから大丈夫」
「そりゃ大ごとじゃねえか。いや、でもリコのおでこに傷痕なんてあったか……?」
「……あれ?たしかに不思議かも……」
アメジオも疑問に思っていた。リコは確かに額から血を流していた。しかしそれだと傷口はバスルームからベッドに運ぶ間に消え去ってしまったことになる。
「そういえば……俺も昨日ガラスの破片を踏んで足を切ったが、今朝起きたら傷が塞がって跡形もなく消え去っていた」
「ガラスで切ったのに…?私の傷より深そうなのにすぐに治ったんだね」
「うーん、若いから新陳代謝も活発で傷の治りが早いのか?いやそれにしても早すぎるがな……」
(傷が異常に早く治るのはなぜだろうか……)
アメジオは理由を思いつく?
dice1d100=6 (6) (50以上で思いつく)
- 80二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 20:30:16
体に異変あるのか…
何かの実験体にされた? - 81二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 22:53:10
- 82二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 08:03:58
これは発生する…?
- 83◆EPynOvGJx225/07/09(水) 16:08:59
翌朝……
「マイマイ!」
「っ……マイナンか」
「マーイ!」
顔の前で鳴くマイナンに起こされたアメジオは小さく欠伸をしながら起き上がる。部屋を見渡すとリコはまだ眠っており、他のメンバーは全員起きているのか寝室にはいなかった。
(昨夜遅くまで話していたせいで寝坊したようだな)
アメジオがバスルームに顔を洗いに行こうと思い立った時だった。
「うわあああ!何だこれ!!」
そのバスルームからウルトの叫び声が聞こえた。驚いてパジャマ姿のまま駆けつけると、ウルトだけでなくロイとドットもそこにいた。
「どうした!何があった!」
「アメジオ……これ……」
ロイが指を指す方を見ると……
(……!)
ラックにかかったまま忘れ去られていた黒いTバックがあった。
アメジオはどうする…!
dice1d4=4 (4)
(1.自分のものだと申し出る2.フリードが買ったものだと言う3.リコのだろうと言う4.しらを切る)
- 84二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 17:45:36
アメジオもしかしてノーパン?
- 85二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 23:40:59
事件がTバックなの草
- 86◆EPynOvGJx225/07/09(水) 23:44:34
「なぜこんなところに女性物の下着があるのだろうか……訳が分からないな」
アメジオはシラを切った。
「フリードがコンビニに朝ごはん買いに行ってくれてる間に、起きているみんなで顔を洗っておこうとしたんだ。そしたらここにこんなのがかかってた……」
ロイは気味悪がって黒いTバックをまじまじと見ており、ウルトはロイの後ろでヤミラミに抱きついて合間からチラチラと様子を伺っている。一方ドットは顎に手をやり考えているようだった。
「……昨日このバスルームでお風呂に入ったのはアメジオだけだ。その時にこのラックを使ったはず。アメジオ、もしかしてこのTバックは昨夜からあったのか?」
(……!)
ドットが鋭い質問を投げかけてきた。
アメジオは質問を上手くかわせる?
dice1d100=59 (59) (50以上でかわせる)
- 87二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 08:08:01
ギリギリだな…
- 88◆EPynOvGJx225/07/10(木) 08:35:23
- 89◆EPynOvGJx225/07/10(木) 17:32:59
「おはよう。みんなどうしたの?」
起きてきたリコの声に皆いっせいに振り返る。
「今朝見たらこんなのがかかってたんだ。リコは何か知らない?」
ロイが指さす方を見て、リコの顔がハッとして引きつり始めた。丸い瞳がアメジオの方をチラ……と見やる。二人の間に緊張感が走った。
「し、知らないかな……」
リコは苦笑いしてそう答えた。
「そりゃそうだよね。リコが知ってるわけない」
ロイはため息をついて再びTバックの方を振り返る。するとリコは慌ててフォローを入れた。
「ま、前の人の忘れ物とか?多分誰も気づかなかったけどずっとそこに置いてあったんだよ!わ、私が片付けておくね!」
リコは前に出てTバックを掴みみんなに向かって笑いかけた。その時、ドアがガチャリと開く音がした。
「おーいみんなー!朝飯かってきたぞー!」
フリードが帰って来たようだ。彼の呼びかけでアメジオとリコ以外のメンバーはバスルームを出ていった。残された二人は顔を見合わせる。
「あの……これ、アメジオがもってたほうがいいよね?」
アメジオは差し出されたTバックを……
dice1d2=2 (2)
(1.受け取る2.リコに託す)
- 90◆EPynOvGJx225/07/10(木) 23:09:36
「リコが持っていてくれ」
「へ!?わ、私が……?」
「すまない」
アメジオはTバックを受け取らず、リコをバスルームに残し皆が待つ寝室へと向かった。
(本当にすまないリコ……俺はもうあのTバックとは関わりたくない……!)
アメジオは酷い罪悪感に苛まれながらも、後ろでアメジオを呼び止めるリコの方を振り返ることはなかった……
「おはよう、アメジオとリコもようやく起きたみたいだな。今朝は近くのパン屋で買ってきたから好きなの食べろよ」
アメジオは荒んだ心で適当に掴んだパンを、ベッドに腰かけかじる。リコもしょげながら同じようにパンをもぞもぞと食べている。Tバックは恐らくパーカーのポケットに入れたのだろう。
「どうしたんだ二人とも。なんだか元気がないが……そうか、昨日は夜遅くまで話し込んでたからな。二人ともこのところよく体調を崩すし、体には気をつけろよ」
何も知らないフリードは大きな口でパンを頬張りペットボトルの水で流し込んでいた。
アメジオは何とか気を取り直しdice1d4=3 (3) に話しかけた。
(1.フリード2.ロイ3.ドット4.ウルト)
- 91二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 08:02:05
でもTバックないとまたノーパンミニスカになるのでは…?
- 92◆EPynOvGJx225/07/11(金) 14:47:41
「ドット、今日は任せたぞ」
アメジオがそう言うなり、パンに食いつこうとしていたドットはピタリと停止し、落ちてきた前髪で目元が隠されてしまった。
「おれ達は観客席から応援するからな。サイトを見るに小規模なイベントなんだろ?なあに心配するな、気楽に行ってこい」
「うう……お腹痛くなってきた……」
笑いかけるフリードに対しドットの顔は血の気が引いている。動画配信をしているのならイベント事は慣れていると思っていたが、どうやらそうでもないらしい。
「オレ様はパスだ。そんなくだらねえイベントなんかに付き合ってられねえ。お、女が沢山出てくるんだろ?メ、メガだりぃ〜!」
ウルトはパンを口いっぱいに頬張りながらそっぽを向いた。彼は応援には来ないらしい。
「ウルトは相変わらずだね。ドット、頑張って!サンゴが油断した隙にあいつからエクスプローラーズの企みを盗み出すんだ!」
ロイは勇ましく拳を顔の前で握りしめた。
「てかそもそも、その計画もかなり無茶振りだし……」
ドットはやはり乗り気ではないようだった。
アメジオはドットに対し何をする?
dice1d4=4 (4)
(1.謝罪する2.元気づける3.プレゼントする4.服の交換を提案する)
- 93二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 22:15:34
サイズ大丈夫なんかな
- 94二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 01:48:57
オーバーサイズっぽいし上だけならいけるか…?
- 95◆EPynOvGJx225/07/12(土) 09:58:37
アメジオは、ベッドに腰掛け項垂れるドットの前に立ち膝をついた。
「ドット、今回の件引き受けてくれて改めて感謝する」
「一応返事はしてないし凄く強引だった気がするけど……ここまで来たらボクが出るしかないよなあ……ああ嫌だよお〜!」
ドットは両手で髪を掻きむしっている。アメジオは真っ直ぐな目で彼女を見上げた。
「心配するな、ドットなら上手くやれる。ラクアの戦いではドットの知力に俺も助けられた。今回もその頭脳を活かすことを期待している。皆が言う通り、俺達も全力でフォローする」
「アメジオ……」
ドットは前髪の隙間からアメジオを見つめ返した。
「ところでこれを」
アメジオはドットに畳んだ服を手渡した。
「ここに俺が着ていた服がある。ミスコンなら女性らしい服装の方がいいだろう?少し丈は長いが、ぜひこれを着てイベントに出場して欲しい」
「え、あ、アメジオのミニスカを……?ボクが着るの……?」
「丈は少し長いがきっと似合う。代わりに俺はドットのパーカーを着る」
ミスコンが始まるまでもう時間もない。寝坊したこともあり、それまでに服を買いに行く余裕はなかった。
(これでドットはミスコンに適した服が手に入り、俺はようやくミニスカートから解放される……!)
本音を言えば、アメジオはミスコンがどうとか言うより単にミニスカートを再度着たくはなかったのだ。
「時間もない。バスルームで着替えてきてくれ」
「な、なんでボクがこんな目に!」
アメジオは強引にドットに服を渡し着替えさせた。ドットが脱いだ服を受け取り今度はアメジオが着替える。丈は合わないが緩い作りのおかげでシャツよりきつくなく、ミニスカートを履くよりはずっとマシだった。
ドットのアメジオに対するイライラ度dice1d100=9 (9)
- 96◆EPynOvGJx225/07/12(土) 16:02:59
「うう、足元がスースーするよお……それにサイズ大きくてちょっとダボッとしてるし……」
「ドットはいつもダボッとしてるしいいんじゃない?」
「ロイ、それはちょっとノンデリ」
ロイの発言にいつになくピリついた様子のリコが注意している。アメジオは時折リコと視線が合うが、こちらを見る目も何となく冷ややかだ。
(Tバックやミニスカを女子に押し付けたのは少々やり過ぎたか。だがこの開放感には変えられない。すまないな二人とも)
アメジオはリコの視線に臆することなく、むしろ堂々とすることにした。フリードはそんなアメジオを心配そうに見つめている。
「アメジオ、レギンスが伸びて肌が透けちまってるしパーカーも丈がかなりギリギリだ。本当にその格好で会場に行くのか?」
「今どきこのくらい普通だ。ミニスカートのような女らしいファッションよりこっちの方が余程いい」
「……なんかお前ヤケになってないか?」
「なってない」
アメジオは即答した。
……そろそろチェックアウトの時間だ。アメジオ達は支度を整えホテルを後にした。
- 97◆EPynOvGJx225/07/13(日) 00:26:42
ーイベント会場周辺ー
アメジオ達はミスコンが開催される公園へとやってきた。広場は想像以上に人が多く、かなり賑わっている。ちなみに応援に来ないウルトは適当に街を散策しているらしい。
「こりゃ思ったより人がいるな。屋台も出てるしちょっとしたフェスみたいだ。お、あの野外ステージが会場みたいだぜ」
背の高いフリードが真っ先に会場を見つけ、一同は野外ステージにたどり着いた。前方の観客席にはベンチがあったがそれもかなり埋まっていた。
「こ、これのどこが小規模なんだよお〜!て、てかなんかあそこにカメラいない?テレビ局が取材に来てるってこと……?ぜ、絶対ムリ!やっぱりムリ!」
ドットは予想外のギャラリーを前に怖気付いたのか、地面に小さくうずくまってしまった。
アメジオはドットに何をする?
dice1d4=4 (4)
(1.腕を掴み立たせる2.叱咤激励する3.優しい言葉をかける4.黙って見つめる)
- 98◆EPynOvGJx225/07/13(日) 07:20:11
アメジオが黙ってドットを見つめていると、ロイが傍にあった看板をしげしげと眺め始めた。看板には大きな文字で『ミスコン出場者募集中!』とあり、その下に細かな文字で注意事項が書かれているようだ。
「ねえ!ここ読んで!」
ロイが看板のとある文章を指さして皆を呼んだ。アメジオ達も看板を囲み指された文字を追う。
「……ミスコンは直前までエントリー可能です。ただし、エントリーには年齢制限があります……だと?」
「そうみたい。だからドットの年齢じゃ出られないよ。どうしよう……」
年齢制限。これは想定外だった。ドットも出られないなら当然リコも出られない。早速計画が破綻してしまった。
「何か他に策は……」
アメジオが計画を練り直そうとした時――
「待って。私に考えがある」
振り返ると、リコが笑みを浮かべ、とても頼もしい表情で立っていた。リコはアメジオに歩み寄り、ポケットから何かを取り出した。
「アメジオ、これ返すね」
リコが差し出したのは例の黒いTバックだった。
(リコは何を考えている……?)
リコ以外は皆困惑していた。いや、よく見たら出場を免れたドットがとても安堵した顔になっていた。
- 99二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 08:44:33
このレスは削除されています
- 100二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 14:33:31
やっぱりアメジオが出るのかな?
- 101◆EPynOvGJx225/07/13(日) 22:50:47
「ドットが出られないのなら、アメジオが代わりに出ればいい」
「なッ……!だ、だがミスコンは女性しか出られない!俺には年齢どころか性別の壁がある!」
「そんな心配なら要らない。だって、ミニスカートを履いたアメジオは女の子にしか見えないもの!」
「……!」
「ドット、トイレでもう一度アメジオと服を交換してきて」
「そ、そんなことできるわけ……!」
「アメジオ行こう、トイレすぐそこだから」
「ド、ドットまで……!」
ドットはにこにこと微笑み両手でアメジオの片腕をしっかりと掴んだ。アメジオはドットとリコの顔を交互に見て、迫り来る圧に背筋がゾクリとし思わず身震いした。
「ミスコンが始まるまであと30分……もう時間がないの。アメジオはこれ、受け取ってくれるよね?」
リコにTバックを胸に押し付けるように渡され、アメジオは助けを求めるようにフリードとロイの方を見たが、二人は目が合うなり自分は知らないとでも言うように明後日の方向を向いた。
アメジオに選択肢はなかった。
- 102二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 00:03:56
このレスは削除されています
- 103二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 07:55:48
保守
- 104二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 15:06:59
このレスは削除されています
- 105二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 19:14:42
このレスは削除されています
- 106二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 19:38:53
リコとドット大分キレてるなこれ?まあ仕方ないか…
- 107二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 23:47:44
保守
- 108◆EPynOvGJx225/07/15(火) 08:06:25
〜11時〜
「さあ、始まりました!エクシード社初主催、ミス・コンテスト!外見だけでなく内面も含め、最も美しい女性は誰かを今から競い合います!」
髭を生やした司会者の男性が揚々とミスコンの開催を宣言した。フリード、リコ、ロイ、ドットは運良く観客席の真ん中の列に座ることができたが、気づけば辺りは人で埋め尽くされており、振り返れば立ち見の列までできていた。
「凄い人の数……ボクが出場する羽目にならなくてよかったあー!アメジオには悪いことしちゃったけど」
「そうだね、あとで謝らないと……でも実を言うと私、今のアメジオにミスコンはぴったりだと思ってたの。アメジオならきっと優勝を狙える!」
「うん。ウルトも完全に女の子だと勘違いしてるみたいだったしね。ぼくもアメジオならいけると思う!」
「おいおい、目的はグランプリを取る事じゃなくあくまでサンゴから情報を……まあいいか」
「それでは早速ゲストの方にご登場いただきましょう。本企画の立案者兼特別ゲストのサンゴちゃんです!」
- 109◆EPynOvGJx225/07/15(火) 15:09:11
敵の名前の登場に4人の間に緊張が走った。ステージ上をよく見ると左右にドアがあり、裏に待機室があるらしい。
右側のドアが開き、中から人が飛び出したかと思えば瞬時にステージ前方に移動し観客席に向かってアピールを始めた。
「はぁーい!エクスプローラーズのアイドル、サンゴちゃんでぇーす!」
サンゴは相変わらず目立ちたがり屋のようで、満面の笑みでこの状況を楽しんでいるようだった。彼女の登場に観客席からも熱い声援が送られる。
「エクスプローラーズの幹部がこんなに人気なのか。あいつの本性を知ったらみんなビビるだろうな……」
「あはは……というかエクシード社って言うよりサンゴが企画の立案者だったんだね。通りで……」
四人はエクシード社らしくないイベントが開催された理由を察した。
- 110二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 17:50:27
ウルトいないから会話も聞いてないしアメジオを女の子だと思ったままなんだな
バレるときは来るのか…? - 111◆EPynOvGJx225/07/15(火) 22:53:25
「はーいサンゴちゃん元気な挨拶ありがとうございました!サンゴちゃんはここで一旦退場となります。ちなみに本日最後まで見てくれたご来場者の皆さんにはこちら、なんとサンゴちゃんのヘアピンとお揃いデザイン!特製ストラップをプレゼントいたします!ぜひ最後まで美しい女の子たちの勇姿をご覧ください!」
司会者が手を掲げるとカメラが手元にズームされ、ステージのスクリーンに映し出された。
「あ、あのストラップ私が昨日バイトで梱包したやつ。そういえばホテルに忘れて置いてきちゃった」
「サンゴのヘアピンがモチーフだったんだ。全然気づかなかった」
「ボクも全然」
「おれも」
「さて、女の子たちの準備も整ったようです。それではファイナリストの5名に登場していただきましょう!まずはエントリーNo.1、サンゴちゃんです!」
「はぁーい早速再登場でぇーす!みんなでサンゴちゃんを応援しってね〜!」
「何あれ!立案者兼特別ゲストも出場者なの……?」
さすがのリコもこれには引いている。
「ハハ…なんというか一周まわってあっぱれだな……直前まで出場者募集ならファイナリストとも言えねえし……」
- 112◆EPynOvGJx225/07/15(火) 22:54:50
四人以外の観客は「かわいい〜!」「こっち向いて〜!」などの熱い声援を送っている。
サンゴに引き続きNo.2からNo.4までの女の子が登場し、観客席は盛り上がりを増していく。
「五人しか出場してないのに女の子のレベルが高いな……こりゃアメジオの奴やべえんじゃねえのか?」
「いいや、アメジオならきっと大丈夫だよ!」
「うん!私達で思いっきり応援しよう!」
「そろそろ登場するね…頑張れ〜アメジオ〜!」
「最後にエントリーNo.5、アメジオちゃんの登場です!皆さま変わらず大きな拍手でお迎えください!」
ついに、ステージ右側のドアから見慣れたミニスカート姿のアメジオが上ってきた。
アメジオの態度dice1d4=1 (1)
(1.堂々と2.緊張気味3.恥ずかしそう4.無感情)
- 113◆EPynOvGJx225/07/16(水) 08:21:34
〜5分前〜
ーステージ裏の控え室ー
(ああ、いよいよミスコンが始まってしまう…! 男なのに出場して本当にバレないのか?こんなに観客も来るとは思っていなかった。クッ……これほど自信のない任務は今までなかった……)
アメジオは部屋の隅のパイプ椅子に座り、他の出場者の女性が和気あいあいと会話しているのを横目に一人で悶々としていた。
(だがここまで来たらやるしかない……!そうだこれは任務……ギベオン様に命じられたと思い込めばいい……そもそも目的はサンゴから情報を奪うこと。俺ならできる、問題はない)
アメジオが俯いて自己暗示をかけていると、ふっと目の前が陰った。
「お前さー、そんな隅っこで何してんのー?」
(こ、この声はサンゴ…!)
アメジオは顔を上げず黙り込んだ。
(俺の正体はバレているのか……?アゲートには一瞬で俺だと気づかれたが……)
サンゴにアメジオの正体はdice1d2=1 (1)
(1.バレる2.バレない)
- 114◆EPynOvGJx225/07/16(水) 14:35:04
- 115二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 23:11:32
「スピネルがお前たちに誤報を伝えたのだな」
「は?誤報?」
「現に俺は、この通り生きている」
「…………チッ、あの野郎ォ…ッ!このサンゴちゃんをはめやがってェ……ッ!」
サンゴはアメジオに背を向けると、怒りに任せて床を何度も強く踏みつけた。その音を聞いて気づいたスタッフが慌てて駆けつけてくる。
「あの、サンゴさんどうされました…?」
「っせえ!!どっかいけや!!」
「はっはいいい!!!」
サンゴの気迫にビビったスタッフは裏口から外に出ていってしまった……
未だにイラついた様子のサンゴは、アメジオの方を振り返ると、ギロリと睨みつけた。
「んで?生き返ったアメジオの坊ちゃんがなんでここにいんのさ?これミスコンだぞ?出ていいのは女だけなんだよ!」
「……ッ」
至極真っ当な指摘にアメジオはたじろぐ。
「そ…それはその通りだ……」
「分かってんなら出てけよ!てかそのキショい格好はなんなんだよ!やけに似合ってんのがオニ腹立つぅー!!」
「こ、これは……」
dice1d4=3 (3)
1.リコとドットに着せられた
2.本当はこういう服が好きなんだ…
3.何を着ようと俺の勝手だろう!
4.サンゴ、これを着てお前を倒しに来た
- 116二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 00:21:58
またキレてて草
- 117◆EPynOvGJx225/07/17(木) 08:42:09
- 118二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 10:18:04
フリードにキレたと思ったらリコとサンゴにも逆ギレしてる…
- 119◆EPynOvGJx225/07/17(木) 15:18:23
「ま、お前が死んでようが生きてようがサンゴちゃんにとってはどーでもいいんだけどさ、サンゴちゃんの邪魔だけはすんなよ?このミスコンはオニカワイイサンゴちゃんが目立つ為だけのイベントなんだからな?」
「サンゴさん、もうすぐ呼ばれるから階段上ってドアの前で待機してください」
「あーい」
エントリーNo.1のサンゴは司会者に名前を呼ばれるなり、控え室の顔とは打って変わって満面の笑みで勢いよくステージへ飛び出して言った。
(……ミスコン中に情報を聞き出すのは難しいだろう。チャンスがあるとすれば終了後の控え室……もう一度サンゴと接触し、奴らの企みに関する手がかりを掴んでみせる!)
続々と他の出場者の名前が呼ばれていき、アメジオも開いたドアの前に立った。そしてついに司会者がアメジオの名を呼んだ。
(待っていろサンゴ!……そしてスピネル!)
アメジオは堂々とした態度でステージに踏み出した。
- 120二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 23:04:00
アメジオ頑張れ!
- 121◆EPynOvGJx225/07/17(木) 23:11:18
「あ、アメジオ来た!」
リコの声にロイが首を伸ばしステージを見る。
「堂々としてて流石アメジオだ…!よーしぼくも精一杯応援するぞ!すぅー……アメジオ頑張れ!!!」
「うん!私も!すぅー……アメジオそのミニスカート凄く似合ってるー!!!」
「ボクも…!すぅー……よっ!アメジオこそ女の子の中の女の子〜!!」
「んじゃおれも…すぅー……アメジオいけえ!!サンゴなんかに負けんじゃねーぞ!!」
(なっ…あいつら何考えて……!)
アメジオは四人の声援にハッとしてサンゴの方を見た。案の定サンゴは観客席の彼らを睨みつけている。
(完全に存在がバレたみたいだな……まあいいが)
こうして出場者全員が一列にステージに並び、舞台は整った。
「さーてここでミスコンの審査基準についてお伝えしておきましょう!採点項目は外見だけではありません!インダビューの受け答え、個性、特技、最後の特別企画、その他ステージ上で見せる全ての活躍の総合点でグランプリが決まります!」
- 122二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 07:49:57
女の子の中の女の子!
- 123二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 14:20:11
保守
- 124◆EPynOvGJx225/07/18(金) 15:00:35
「早速意気込みインダビューからまいりましょう!会場の皆様から向かって左端、エントリーNo.1、サンゴちゃんからマイクを持ってしっかり自分の魅力をアピールしてくださいね!」
サンゴは司会者からマイクを奪い取った。
「はぁーい!みんなのアイドルサンゴちゃーんだよ〜!みーんな知ってると思うケド〜サンゴちゃんってオニカワイイからァ〜今日はグランプリ貰っちゃいまーす!全員もれなくサンゴちゃんを応援しってねー?」
「いいぞサンゴちゃーん!!」
「応援してるよー!!サンゴちゃんのオニカワイさは世界一〜!!」
サンゴの勝利宣言に会場は大いに沸き立った。
「あんなこと言ってるのになんでみんな応援してるの……?」
渋い顔をするロイの隣でドットが解説する。
「もうサンゴはこういうキャラとして世間に受け入れられてるんだ。むしろ世間がこれを求めてるって感じ。キャラじゃなくて地でやってるのがボクと違って凄いところだけど……」
「はーいサンゴちゃんお馴染みの勝利宣言ありがとうございました!次はエントリーNo.2!」
次々とインダビューが進んでいき、他の女の子達が本来のミスコンの雰囲気らしく可愛い態度で答えていく。
「他の女の子三人はまともだな……こんな身内贔屓なミスコンに参加しちまって不憫だぜ……」
「あ、次アメジオの番!」
アメジオの答え方dice1d4=4 (4)
(1.無難に2.強気に3.あざとく4.宣戦布告)
- 125二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 22:18:11
無人島展開が本編と被るとは…!
- 126◆EPynOvGJx225/07/18(金) 22:29:42
- 127二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 07:37:20
まあまあ好印象だな
- 128◆EPynOvGJx225/07/19(土) 08:02:46
「あのアメジオって子サンゴちゃん相手に怯まないなんてやるなあ〜」
「ボーイッシュでいいキャラしてるよな!俺あの子応援しちゃおっかな〜!」
「アメジオちゃんの髪色おしゃれ〜ウチも真似したーい!」
観客はアメジオに対して好印象を抱いた。
「凄いアメジオ!会場の空気を自分のものにしたんだね!」
「やるなあいつ。見ろ、サンゴの形相がもの凄いことに……こりゃアメジオがグランプリとるところをますます見たくなってきたな」
四人もアメジオの大胆さと熱意に感心したところで司会が進行する。
「さーて女の子達の意気込みが聞けたところで、観客席の皆様にお願いがございます!ステージ上のスクリーンに映されたパスワードを特設サイトからご入力いただけると各審査に参加できます!ぜひ良いと思った女の子に投票してあげてください!」
「わ、私、全審査アメジオに投票しちゃうから!」
「ボ、ボクも今からプログラム組めば一気にアメジオに一万票くらい入れられるかも!」
リコとドットが焦ってスマホを弄り始めたのをフリードとロイがたしなめる。
「お前らちょっと落ち着けって……アメジオの実力を信じようぜ?」
「そうだよ!アメジオならきっとグランプリとれるよ!」
- 129二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 15:22:45
俺って言って大丈夫か?って思ったけどポケモン界オレっ娘いるしな
- 130◆EPynOvGJx225/07/19(土) 22:58:46
「そしてそして!特別審査員のご紹介です!本日会場の皆様と一緒に審査を行っていただきますのは……なんとなんと!エクスプローラーズで最も寡黙なこの男!オニキスさんです!大きな拍手でお迎えくださいー!」
「……よろしく頼む」
アメジオと観客席の四人は絶句した。
「おいおい!審査員まで身内かよ!これじゃサンゴ優勝前提の出来レースだな……」
「卑怯なやつ!実力で勝負しないなんておかしいよ!」
しかし他の観客はそんなことは気にもせずオニキスの登場を喜んでいる。オニキスは観客席の一番前に位置するマイク付き特別席に座った。図体が大きいため、ステージが隠されてしまった後ろの観客が必死に首を伸ばしている。
「さて、いよいよここからは特技披露のお時間です!出場者の皆さんがさらに魅力をアピールする大切なお時間となっております!」
- 131二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 01:03:58
意外とアメジオがオニキスの気に入りそうなことをする可能性あるか…?
- 132◆EPynOvGJx225/07/20(日) 07:56:39
- 133◆EPynOvGJx225/07/20(日) 16:45:34
「ではエントリーNo.1サンゴちゃんから披露していただきましょう!他の出場者の皆さんはオニキスさんのお隣の席に移動をお願いいたします」
スタッフにステージの真ん中の階段に誘導され、アメジオは最後に降りた。その際オニキスと目が合った。オニキスは信じられないといった顔で唖然とアメジオの顔を見つめている。
(サンゴと同じくオニキスも俺が死んだものだと思っていたのだろうな。こんな状況では騒ぎ立てないとは思うが……)
オニキスとの間に他の女の子三人を隔てて端の席に座る。オニキスがこちらを覗いている気がしたが、アメジオは一先ず気にせずステージの方を向いた。
(サンゴの特技披露か……あいつにそんなものあっただろうか?)
サンゴの特技(100に近い程あとでアメジオが不利)dice1d100=85 (85)
自撮り(1~20)
早着替え(21~40)
自爆(41~60)
絵描き歌(61~80)
ピカチュウの声真似(81~100)
- 134二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 17:30:23
めちゃくちゃ得意なやつじゃん
- 135◆EPynOvGJx225/07/20(日) 23:01:45
「ではサンゴちゃん、今日披露してくれる特技は何ですか?」
サンゴは目を閉じため息をついた。猫被りではなく、今日始めて見せる素の気怠げな表情だ。
「サンゴのやつどうしたんだ?」
フリードの言葉にリコも頷く。
「もしかして特技ないのかな?」
他の観客も様子の違うサンゴにざわつき始めている。
「……やってやんよ。アメジオ、お前にはゼッテー負けねェ」
「……!」
その声は恐らくアメジオにしか聞こえなかった。
ついにサンゴは目を開き、満面の笑みで元気よくジャンプしてからポーズをとった。
「サンゴの特技は〜!!ピカチュウの声真似でぇーす!!」
サンゴは観客席に向かってパチッと綺麗にウインクして見せた。
「ピカチュウの声真似…!サンゴそんなことできたんだ」
素直に感心している様子のロイの隣でドットが悩ましげな顔をしている。
「ピカチュウの声真似か……出来栄えによっては会場の空気が干からびる可能性がある。こういうのって飲み会で一発芸やってって無茶ぶりされた女の子がとりあえずお茶を濁す感じでやる声真似だし……」
「それでは披露していただきましょう!サンゴちゃんピカチュウの声真似よろしくお願いします!」
- 136二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:39:02
アメジオの特技も気になるな
- 137◆EPynOvGJx225/07/21(月) 08:21:19
「ピッカッチュ。ピカピカァ!」
会場にどよめきが走った。
「か、かわいいいい〜!!似すぎ!!」
「てかもうホンモノじゃん!!ピカチュウじゃん!!」
「どうなるかと思ってたけどクオリティ高すぎ!!サンゴちゃん凄い!!」
「これはピカチュウそのものだ……敵ながらアッパレだぜ…!」
フリードは感動のあまり立場を忘れて拍手をしていた。サンゴの声真似はポケモン博士も納得するレベルで、他の三人もあまりの可愛さにうっかり笑顔を浮かべていた。
「ピカピカっちゅ?」
(つ、強い…!強すぎる…!最初にこんなものを見せられては後に披露する者の立場がないではないか!)
一方のアメジオは気が気ではなかった。
その後も女の子達が特技を披露していったが、誰もサンゴ以上の盛り上がりを見せることはなかった。
そして、ついにアメジオの番がやってきた。
- 138◆EPynOvGJx225/07/21(月) 16:04:45
- 139二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 16:14:43
ああ…
- 140◆EPynOvGJx225/07/21(月) 22:46:55
アメジオの目がゆっくりと開かれ、紫の瞳がまっすぐに客席を見据えた。指を鳴らし、アメジオは軽やかに動き出す。
アメジオは手拍子に合わせて左右の足を踏み鳴らした。身体は流れるように旋回し、腕が大きく弧を描く。指先までしなやかに神経が行き届き、観客の視線が彼の動きに吸い寄せられていく。
足元から火花のようにほとばしるリズム。パルデアの伝統、フラメンコだ。
「凄い!本場のフラメンコだ!」
ロイもアメジオのステップにつられて足でリズムを取り出した。
興奮で会場の手拍子が徐々に速まっていくが、アメジオの足は柔軟に応える。最後の一歩を強く打ち鳴らすと、アメジオは静かに動きを止めた。呼吸一つ乱さず立つ彼に暫しの沈黙。だがその沈黙は、やがて爆発するような拍手と歓声に変わった。
「ブラボー!いい踊りだったぞアメジオー!」
「最高にカッコよかったー!」
フリードとリコは歓声を送り拍手を続ける。
いつも冷静なアメジオが、これほどまでの熱量をその身一つで表現できるとは誰も知らなかった。
- 141二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 01:15:18
こんな盛り上がってるのに勝てないのか…
- 142◆EPynOvGJx225/07/22(火) 07:14:21
- 143二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 12:53:19
保守
- 144◆EPynOvGJx225/07/22(火) 17:25:19
「アメジオちゃんカッコイイ演技ありがとうございました!それでは審査員のオニキスさんに感想をお聞きしましょう。ずばりオニキスさん、五人の中で特に印象に残った女の子は誰でしたか?」
「……どの女性も素晴らしい特技を披露してくれた。だが一番はサンゴの声真似だな」
(必ずサンゴを選ぶよう口裏を合わせているのだろうが、実際サンゴの演技は凄すぎた……俺の完敗だ…!)
「オニキスさんありがとうございました!ではここで中間発表です!観客席の皆様からの投票結果をスクリーンに表示いたします!皆様が一番投票してくれた女の子は……」
「サンゴちゃんでしたー!」
「いっえーい!!みんなありがと〜!!」
「クッ……!」
アメジオは全力を出して負けた悔しさに歯を食いしばる。サンゴは最高のドヤ顔をキメてアメジオの方を見てにんまりと笑った。
(は、腹立たしい…!次の項目では必ず勝ってみせる…!)
- 145◆EPynOvGJx225/07/22(火) 23:07:27
- 146◆EPynOvGJx225/07/23(水) 07:46:46
ステージ上の彼だけでなく、観客席の空気も一気にざわつき始める。
「女の子の対応力、演技力、そして男を見る力……これら全てを一度に測れる超優秀な企画となっております!」
その説明にフリードが苦笑いしながら呟いた。
「ハハ……こりゃ中々ハードな企画だな。これもあのサンゴが考えたのか?」
隣で様子を見ていたロイも不安げに眉をひそめる。
「しかも観客の中から相手を選ぶって……」
ドットも腕を組み呆れ気味に吐き捨てる。
「出場者と観客に頼りすぎ……」
その一方で、リコだけは目を輝かせていた。無邪気な興奮を抑えきれない様子で思わず声を漏らす。
「告白シーン……?なんか少女漫画みたい!私ワクワクしてきたかも!」
- 147二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 15:16:18
誰に告白するのかな…?
- 148二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 00:12:53
保守
- 149◆EPynOvGJx225/07/24(木) 08:04:06
- 150二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 15:33:00
誰だろう
- 151◆EPynOvGJx225/07/24(木) 22:11:17
その先には審査員であるオニキスがいた。
「サンゴちゃんが選んだのはなんと審査員のオニキスさん!それではステージの方へどうぞ!」
「失礼する」
オニキスは静かに立ち上がった。壇上に上がるオニキスの表情はいつものように落ち着いていたが、どこか不服そうな感じがする。
(やはりサンゴはオニキスを選んだか。サンゴは前から理想の告白シーンをオニキスと練習していたに違いない。他の出場者には即興でやらせ、自分が有利になるように仕向けたのだろう)
アメジオが思案していると司会が再び声を張り上げた。
「お二人に演出していただくお題はこちら!dice1d4=4 (4) 」
1.人気アイドルとマネージャーの禁断の恋(10点)
2.クラスのマドンナと冴えない男子生徒のひと夏の思い出(20点)
3.お姫様と寡黙な騎士の決戦前の一夜(30点)
4.ヤンキー少女と殺し屋の秘密の恋(40点)
- 152二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 00:32:53
マジで得点高いやつばっか引くじゃん
- 153◆EPynOvGJx225/07/25(金) 07:39:19
- 154◆EPynOvGJx225/07/25(金) 15:50:57
- 155◆EPynOvGJx225/07/25(金) 15:52:14
- 156◆EPynOvGJx225/07/25(金) 15:53:19
「お前こそ相変わらず自分の立場が分かっていないようだな。今日こそお前の息の根を止めてやる」
オニキスのセリフにサンゴの表情がふっと変わった。葛藤と決意。二つの相反する少女の感情がたった数秒の間に観客に痛いほどに伝わった。観客の視線を一身に受けながら、サンゴはオニキスの方を振り返った。
「立場が分かってないのはお前の方だろ。いつもアタシの前に現れてはわざと負けて逃げやがって」
「なっ……オレはわざと負けたことなどない!言いがかりはやめろ!」
思わぬ展開に観客はざわつく。するとサンゴの表情や仕草が先ほどまでのケンカ腰から、照れを含んだものに変わった。
「アンタのことなんか、最初はただの冷血野郎だって思ってた。マジでムカつくし、ぶっ飛ばしてやろうって何度も思った。けどさ……アンタいつも手加減するしさ、本気でアタシを殺す気なんてないんだろ?」
オニキスは微動だにせず、その言葉を受け止めている。暫しの沈黙の後、オニキスが口を開く。唇を噛み、拳を握ったまま一歩前に出た。
- 157◆EPynOvGJx225/07/25(金) 18:44:56
「オレは最初、お前のことをターゲットとしてしか見ていなかった。だがその小さな体でオレに怯まず立ち向かってくるお前に興味が湧いた。お前を殺しに来る度に、オレはお前のことが……」
オニキスはそれ以上を口にはしなかった。俯く彼の方に向かってサンゴが歩き出し、どんどん近づいていく。しんと静まりかえった会場がその様子を固唾を飲んで見守っている。
サンゴはオニキスの目の前で立ち止まった。かなりの身長差があるが、小柄なサンゴが力強くオニキスを見上げ、オニキスも背を丸めているため、お互いが顔を近づけ合っているようにも見える。
サンゴは頬を染め少し震えているが、真っ直ぐにオニキスの目を見て言葉を紡ぐ。
「アタシの命を奪うってんなら……その前にアタシの心も一緒に奪ってけよ……」
そして勢いよく、叫ぶように告げた。
「アンタのこと、マジで好きなんだよッ!!」
- 158◆EPynOvGJx225/07/25(金) 22:26:19
会場がどっと沸き、中には立ち上がる観客までいた。
「ここまで!演技終了です!」
司会の合図と共に照明が元に戻った。
「凄い!凄いよサンゴ!オニキスの演技も凄くよかった…!感動したあ!!」
リコは敵にスタンディングオベーションを送っていた。他の三人もリコを止めることなくステージに向かって拍手をしていた。
「サンゴちゃん、オニキスさん!迫真の演技ありがとうございましたーッ!皆様もう一度おふたりに盛大な拍手をー!!」
割れんばかりの拍手と歓声の中、サンゴは観客席のアメジオを見て得意げに笑った。その顔はいつもの憎たらしいサンゴだった。
(しまった…ッ!つい敵に拍手を送ってしまった!クソッ……俺はこの演技を超えなければならないのか…!)
アメジオは頭を抱えた。
- 159二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 00:53:57
凄かったな…!アメジオもがんばれ!
- 160◆EPynOvGJx225/07/26(土) 07:34:02
その後も女の子が男性を選び告白シーンに挑んだが、やはり初対面の相手と即興で演じるというのは無理がある。しかもサンゴのあの演技の後にやらされたせいで、ハードルはぐんと高くなってしまった。次々と女の子達がしょんぼりした顔でステージから降りていく。
(彼女達は全員サンゴの被害者だな……厳しい状況だが、なんとか俺が仇をとってやれれば…!)
「最後に演技していただくのは、エントリーNo.5、アメジオちゃん!」
司会者は変わらず明るい声でアメジオをステージへ呼んだ。
アメジオはライトの下に立ち会場を見渡した。
(相手の男をこの中から選ばなければ。いかに演技力の高い男を選べるかが勝負の鍵だ)
「それではアメジオちゃん、お相手に選ぶ男性を指名してください!」
アメジオは少し悩んだ末、真っ直ぐdice1d4=3 (3) (1.フリード2.オニキス3.ロイ4.安価)を指さした。
※オニキスを選ぶとボーナス50点
- 161二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 11:41:48
ロイか!演技いけるかな
- 162二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 17:39:37
「ぼ、ぼく!?」
ロイは戸惑いながら自分を指さすが、アメジオは間違いないと頷き返した。
(芝居の経験はないだろうが、ロイは素直だ。俺の即興の演技に対して柔軟に合わせることができる)
(この企画で観客に求められているのは完璧な脚本ではない。“感情が動く演技”だーーならば、感情に対して誠実なロイならきっと……)
指名されたロイはステージに上がりアメジオの隣に立つ。顔を見れば表情は固く、ごくんと唾を飲んだ。かなり緊張しているようだ。
「身長も年齢も近いお似合いのおふたりですね!果たしてどんな演技を見せてくれるのでしょうか?」
司会者はスクリーンに向かって手を掲げる。
「それではお題の発表です!皆様スクリーンにご注目ください!おふたりに演じていただくのはこちら!dice1d4=1 (1) 」
1.元ライバル同士の熱い恋愛(10点)
2.社長令嬢とアルバイトの身分違いの恋愛(20点)
3.料理下手女子と爽やかな料理研究家のドキドキお料理教室(30点)
4.無人島に籠る少女を迎えに来た少年(40点)
- 163◆EPynOvGJx225/07/26(土) 21:31:10
- 164二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 22:28:04
お揃いじゃん!
- 165◆EPynOvGJx225/07/26(土) 23:08:09
- 166◆EPynOvGJx225/07/26(土) 23:10:49
- 167二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 23:39:01
このレスは削除されています
- 168二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 07:43:07
がんばれ…!
- 169◆EPynOvGJx225/07/27(日) 08:18:42
- 170二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 16:33:32
ツンデレ…!
- 171◆EPynOvGJx225/07/27(日) 16:34:00
「ぼくはアメジオのカッコイイところがいいと思う!アメジオはいつもツンデレで、ぼくはアメジオにハグしたい!」
(な……ッ!?)
ロイは息切れした呼吸を整えた後、自分の生み出した言葉を脳内で反芻したのか酷く狼狽え始めた。追い詰められて咄嗟に吐いたセリフだったのだろう。
「ロイのやつ何言ってるんだ…?」
フリードがリコとドットの方を向くと、リコは今にも立ち上がらんばかりに興奮しており、ドットは赤面して俯いていた。
「ハグだってハグ!!」
「うう……友達のあんな姿見てられないよ……」
観客席は緊張している二人を不安に思いつつ見守った。ステージでは、今度はロイがアメジオをじっと見つめて助けを求めている。
(な、何か応えなければ!)
アメジオも焦りながら口を開いた。
「俺もロイのdice1d4=4 (4) (1.性格2.歌声3.顔立ち4.ポケモンバトル)が好きだ!ロイとはこれからたくさんdice1d4=4 (4) (1.色々なところに行きたい2.美味しいものを食べたい3.デートしたい4.ベッドでチルしたい)し、dice1d4=2 (2) (1.手を繋ぎたい2.結婚したい3.ハグしたい4.キスしたい)!」
- 172◆EPynOvGJx225/07/27(日) 23:05:14
「俺もロイのポケモンバトルが好きだ!ロイとはこれからたくさんベッドでチルしたいし、結婚したい!」
アメジオは言い終えると、みるみる顔が赤くなっていく。
(な、何を言っているんだ俺は…!?)
何か言わなければと咄嗟に吐いたセリフだったが、それにしても唐突すぎる。
一方観客席では積極的なセリフにざわめき、中々に盛り上がっていた。
「結婚!!!」
リコは両頬に手をやり目をキラキラと輝かせている。
「ベッドでチルっとは言い回しがいかがわしいな……アメジオがそんな言葉を知ってるとは思わなかったぜ」
フリードは眉をひそめ、ドットの方にちらりと目をやる。
「ムリ!こんなのムリ!」
ドットは俯いて顔を横に振り続けていた。友人の恋愛ドラマを見せられるのが余程きついのだろう。
アメジオのセリフにロイが応える。
dice1d4=4 (4)
1.「け、結婚…?」(10点)
2.「ベッドでチルってどういう意味…?」(20点)
3.「嬉しい。ありがとう」(30点)
4.「ハグして結婚してベッドでチルしよう!」(ボーナス60点)
- 173二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 23:44:57
- 174◆EPynOvGJx225/07/28(月) 08:26:45
- 175◆EPynOvGJx225/07/28(月) 12:10:49
「そこまで!演技終了です!」
司会の声が響き渡り照明が元に戻ると、会場は大きな拍手と歓声に包まれた。
「きゃあああ!!凄い!!もの凄いよアメジオにロイ!!すっごくよかった!!」
リコは懸命にステージに向かってスタンディングオベーションを送った。
「ハハ……どうにか上手くやったなあの二人。ドット、大丈夫か?」
フリードが見るとドットは俯きながらも拍手をしていた。
「仲間同士の告白シーンなんて見るだけでも恥ずかしかったけど……でも、二人とも凄くいい芝居だった……!」
鳴り止まない拍手の中、司会者がとても満足気な顔で語り出す。
「二人の息がぴったりと合わさった素晴らしい演技でした!中立なはずの私もつい心の中で思わず頑張れ!と叫んでしまいました。皆様、この二人に今一度大きな拍手を!」
(やった……なんとかやりきった……)
アメジオはようやく力が抜けた。サンゴをちらりと見れば、頬杖をついてどう見ても機嫌はよくはなく、隣で拍手をするオニキスの横腹に肘鉄を食らわせていた。
サンゴ
40点+87点+40点=167点
アメジオ
10点+41点+41点=92点
+ボーナス120点
=212点
- 176二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 12:28:20
おおやった!
- 177◆EPynOvGJx225/07/28(月) 18:07:24
- 178◆EPynOvGJx225/07/28(月) 22:46:19
- 179◆EPynOvGJx225/07/28(月) 22:51:06
- 180◆EPynOvGJx225/07/29(火) 07:23:04
- 181二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 09:44:58
リコだけ知らないのはちょっと意外な感じになるな
- 182◆EPynOvGJx225/07/29(火) 15:23:02
- 183◆EPynOvGJx225/07/29(火) 22:02:07
司会者が観客席の方に注目する。
「オニキスさんもアメジオちゃんに得票されたんですね!」
(なに…!)
アメジオが驚いてオニキスの方を見ると同時にサンゴがブチギレた。
「はァ!?何やってんだテメーは!!」
サンゴがステージから怒号を浴びせるがオニキスは涼しい顔をしている。
「自分が参加した演技に自分で票を入れることはできん」
「ああん!?何言ってんだ今更!!オニムカつく!!」
司会者はサンゴに構わずオニキスに質問を続ける。
「オニキスさん。ズバリ、アメジオちゃんに入れた理由は?」
「ああ。彼女と相手の少年とのコンビネーションが素晴らしかった。緊張していたのに息の合ったいい演技を見せてくれた」
(オニキス……!)
アメジオはオニキスの方を見つめるがオニキスはアメジオに視線を返すことはしなかった。じっとサンゴの罵倒を受け流している。
- 184◆EPynOvGJx225/07/29(火) 22:26:14
司会者は勢いよく手を掲げスクリーンを指す。
「いよいよ最終結果の発表です!スクリーンにご注目ください!」
アメジオとサンゴ、そして他の出場者も振り返ってスクリーンに注目する。
「票数は……なんと!サンゴちゃんとアメジオちゃんが同率一位となりました!」
スクリーンにはサンゴとアメジオの名が表示された。
「なに……っ」
「はあ!?んだよそれ!!」
アメジオとサンゴは納得がいかなかった。二人にとって勝負に勝敗がつかないなどありえないことだった。二人の視線を受けた司会者は待ってましたとばかりに大きく頷いた。
「それでは決勝戦と参りましょう!この勝負の結果でグランプリが決まります!」
勝負の内容dice1d4=1 (1)
(1.叩いて被ってじゃんけんぽん2.かき氷早食い競走3.〇〇ソムリエ4.スイカ割り)
- 185◆EPynOvGJx225/07/29(火) 22:37:53
「グランプリを決めるのは……叩いてかぶってジャンケンポンです!」
「んだよそれ!ミスコン関係ねーじゃねえか!」
この企画はサンゴにとっても初耳らしい。女らしさの欠片もない企画にアメジオも呆れた。二人の気持ちを気にすることなく、早速スタッフが二人分のヘルメットとハンマーが乗った机を運んできた。
「それではお二人共位置についてください!」
二人は司会者の指示に従うしかなく、渋々机を挟んで立つ。
「チッ……こうなったらアメジオ!テメーをボッコボコにしてやんよ!!」
サンゴはハンマーをアメジオに向かって突きつけた。
「サンゴちゃん、まだハンマーには手を触れないでくださいねー」
「っせえ!!」
サンゴは司会者さえも怒鳴りつける。先程までのぶりっ子はどうしたのだろうか。
(……サンゴには負けない!)
アメジオも負けじとサンゴを睨みつける。
「サンゴ……お前を倒す!」
「ああ!?」
二人の戦意はピークに高まった。
- 186◆EPynOvGJx225/07/29(火) 22:47:03
- 187◆EPynOvGJx225/07/29(火) 22:49:29
- 188◆EPynOvGJx225/07/29(火) 22:56:57
- 189二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 00:15:06
アメジオ大丈夫かな…?
- 190◆EPynOvGJx225/07/30(水) 07:51:02
再び出場者の五人がステージに一列に並ぶ。アメジオの鼻は赤くなり頭のてっぺんにはたんこぶができていた。
「今から授賞式を執り行います。グランプリの方に審査員のオニキスさんから花束の贈呈です」
オニキスがステージに上がりサンゴの目の前に立つ。サンゴは差し出される前に花束を奪い取ると、ステージの前方に飛び出し客席に向かって花束を掲げた。
「いっえーい!!サンゴの美貌はー?」
「「せかいいちー!!」」
観客はサンゴを賞賛し歓声を送るが、アメジオを応援していた四人だけは苦い顔をしていた。
「暴力の勝利だな……」
フリードは眉をひそめ、リコ、ロイ、ドットも続けて不満を漏らす。
「アメジオのことあんなに強く叩き潰したなんて許せない……!」
「サンゴのやつ……!アメジオが可哀想だよ!」
「てかやっぱり八百長だったじゃん!あんなに喜んで……憎たらしい!」
ステージでは司会者が片手に何かを持って語り出す。
「最後に皆様にお知らせです!只今より観客席後方で、初めにご紹介したサンゴちゃんのヘアピンとお揃いのストラップを配布いたします。是非記念に持ち帰ってくださいね!それでは本日の企画は終了となります!皆様ご参加いただきありがとうございました!」
- 191◆EPynOvGJx225/07/30(水) 09:50:46
- 192◆EPynOvGJx225/07/30(水) 09:52:57
- 193二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 12:42:51
- 194◆EPynOvGJx225/07/30(水) 15:51:38
アメジオはサンゴに歩み寄る。
「サンゴ、今まで俺とお前はプライベートで話したことはなかったな……」
アメジオはサンゴの前に立ち、あくまで友好的な眼差しを送る。
「な、なんだよ!距離詰めんな!」
サンゴは先程とは打って変わったアメジオの言動に動揺している。
(今だ!)
アメジオは隙を見せたサンゴに襲いかかる!
- 195二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 15:55:48