- 1◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 18:06:00
- 2◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 18:07:31
「ことね! あなたをプロデュースさせてちょうだい!」
「だーから、あたしにはもうプロデューサーがいるんですってば!」
「関係ないわ! ことねほどの逸材、サポーターなんて何人いてもいいはずよ!」
「評価の高さが却ってしんどい!」
「さあことね! 私と共にプリマステラになりましょう」
「あー! そういえば友達と約束があるんでした! 十王会長、また来世!」ドヒューン
「あ、ことね! ……行ってしまったわ」
「なかなかうまくいかないわね、スカウトって難しいわ。……先人の知恵を借りてみましょうかしら」 - 3二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 18:08:08
はじまったわね
- 4◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 18:33:08
「それで俺を呼んだと」
「話が早くて助かるわ、ことねのプロデューサー!」
「しかし、一体俺にどうしてほしいんですか」
「私もことねのプロデュースに参加させてほしいのよ。あなたから言えば、きっとことねも受け入れてくれるはずよ」
「まず俺があなたを受け入れないことには始まらないんですが」
「それは問題ないわ。あなたは間違いなく私を受け入れる」
「……その自信はどこから」
「勘よ。でもただの勘じゃないわ。一番星として培われた私の人を見る目に裏打ちされた、根拠のある勘」
「……船頭多くして船山に登る、という言葉があります」
「山の頂まで登り切れば済む話だわ」
「…………わかりました。話を詰めてみましょうか。それから考えます」
「いいわ。答えは見えているもの」 - 5◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 18:47:39
「というわけでプロデューサー補佐の十王星南よ! よろしくね、ことね!」
「…………プロデューサー? どういうことですか……?」
「すみません、あまりに押しが強くて」
「そ、そんなのないですよお!」
「しかしただ押し負けたわけではありません。藤田さんの魅力をより引き出すために、彼女の力が必要だと。俺が判断しました」
「ええ~……」
「優秀なプレイヤーが優秀な監督になるわけではありません。が、優秀なプレイヤーにしか教えられないこともあるのは事実です。そして彼女には、その能力がある」
「……ま、プロデューサーがそこまで言うならわかりました」
「……ことね!!」
「ちょ、抱き着くなァ!」 - 6◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 19:00:04
「先輩、少しいいかしら」
「先輩というのが俺を指しているのなら、少しだけならいいですよ」
「あなたはプロデューサーとしての先輩だもの。三年生の私にとって、先輩はあなたしかいないわ」
「そうですか。それで、何の用です、後輩」
「フフ。ありがとうセンパイ。――で、ことねのプロデュース方針についてだけど……」
「長くなりそうですね、事務所に行きましょう」 - 7◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 19:12:53
「先輩。今日もことねについて話し合いましょう」
「ええ、いいですよ」
「じゃあ、事務所でいいわね?」
「はい」
「先輩。今日も時間を貰える?」
「昨日かなり話し込んだじゃないですか」
「まだまだ足りないわ。さあ、事務所へ行きましょう」 - 8二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:22:32
Pを巡ってことねと対立するのかな?
- 9二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:22:46
前に教皇と枢機卿でキャッキャッしてるスレあったけど
ことねの心境どうだったんかなぁ
ここのことねのメンタルどうなってんのかなぁ - 10◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 19:25:22
「先輩。今日もいいかしら」
「ええ、いいですよ。俺も盛り上がってしまっているので、ぜひ」
「じゃあ……。ね、先輩。今日は外に行かない?」
「というと?」
「駅前にカフェがあるわよね? この時間、テラス席から見える夕日が素敵なのよ」
「いいですね、行きましょうか」
「先輩。この時間が、ずっと続けばいいと、思ってしまうわ」
「そうですね。俺も星南さんといると退屈しません」
「……ふふ、そうね」
「先輩。私ね――」
「――俺も、同じことを言おうと思っていました」 - 11二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:44:39
このレスは削除されています
- 12◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 19:47:59
「星南プロデューサー」
「なにかしら、私のことね」
「……最近、プロデューサーと、仲いいですよね」
「…………そうね。同じ夢を持っている同士だもの、それなりに仲は良好のはずよ」
「……。そスか。あたしが言っているのはそういう事じゃないって、わかってますよね?」
「ことね、私は――」
「どうしてですか」
「――っ」
「あたしのキモチ、わかってましたよね? あたしのことは全部わかるって、言ってましたもんね?」
「ことね……」
「…………もう、いいです。過ぎたことは、しょーがないんで」
「…………」 - 13二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:51:16
(これ曇らされてるのことねでは⋯?)
- 14二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:52:04
>>13(俺も思った)
- 15◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 19:54:15
「先輩」
「どうしました、星南」
「ことねに、気付かれたみたい」
「……そうですか」
「冷静なのね」
「まあ、いつかはバレることですから」
「……そうね」 - 16二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 19:54:19
さあ学Pがどちらに転ぶか
- 17◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 19:58:40
「ことね! 今日も最高ね!」
「……す」
「ことね! 相も変わらず世界一かわいいわね!」
「……」
「うっ! 今日は太陽が近くて眩しいわ――と思ったら、ことねじゃないの!」
「……はあ」 - 18二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:02:10
ことね曇らせスレでしたか
- 19◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 20:03:06
「ことね! こんなところで何しているの。プロデューサーも探していたわよ」
「……別に、ちょっと気分転換に散歩してただけですよ」
「そう、それならいいけど……。今日もレッスンなのだから、学園に戻りましょう。もうじき先輩も迎えに来るわ」
「……」
「そういえば先輩、ことねのことを褒めていたわ。この前も――」
「……さい」
「……え?」
「うるっさい! あたしに構わないでもらえます!? あたしから、あたしからプロデューサーを奪ったくせに!!」
「――っ、違うの、私は」
「あー! もういいですってば!!!」
「ことね! 待って──」
「……え?――」
「藤田さんっ――!」
「…………あ、え……?」
「ことね……? せ、先輩…………?」
「……………………う、嘘……」 - 20二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:04:48
学P…お前まさか…
- 21二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:07:02
会長曇らせはやはり難しいしことね巻き込むか……
- 22二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:10:24
わーお二人同時とはまいったね
- 23二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:11:03
あぁ…せなことどっちもかよ
- 24◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 20:23:20
実はここまでです。
解説というと偉そうですが、あとがきのようなものを一つ。
人によっては蛇足にしかならないと思うので、苦手な方はスルーしてください。
今回のSSは、いわゆる台本形式と呼ばれる形をとりました。
地の文を削ぐことで、細かい心理描写や場面の想像を読んでいる人に委ねることができます。
この後、学Pとことねは、そして星南がどうなったのか。
それを想像してもらうために、あえて「終わり。」と書きませんでした。
皆さんはどのような想像をしましたか?
その想像の先で、星南はどんな感情になっていましたか?
つまるところ私が出した答えとは、”自分じゃ星南を曇らせることができないから、皆さんに曇らせてもらおう”というものでした。
星南を曇らせたのは、私でもことねでも学Pでもなく、あなたですよ、ということです。
目論見が成功したかはわかりませんが……。
ということで、終わり。
星南曇らせは俺には難しすぎる。変化球に頼るしかなかったんだ……。いずれいいのが浮かべば別で立てるかもしれないです。
ところで今日俺の娘の誕生日なんだ。
娘の誕生日プレゼントより学マス課金の方が予算多くとってるパパでごめんね……。
はい、これが娘曇らせです。 - 25異常葛城愛者25/06/25(水) 20:24:21
確かに突然Pとことねが悪魔合体して暴走して会長に襲いかかってきたら怖いわな……
- 26二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:28:01
- 27ヅラじゃねぇ葛城だ25/06/25(水) 20:30:20
あ〜、最後のシーン何が起こったか人によって変わるのか…面白いな
お疲れ様です
娘だけはく曇らしてやるなよww - 28◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 20:38:48
- 29二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:42:25
まぁ娘さん小さいなら高いもの買ってあげるのが良いに繋がらないからね…
会長は自分自身に諦観入ってるから基本何やっても曇らなそう
だからこそ周りを自分のせいでひどい目に合わすね… - 30二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:42:59
個人的にはめちゃくちゃ大好き
読者が干渉する余地がある読み物大好き - 31二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:44:49
星南って時点で曇らせ難易度上がる気がする
間接的にでもことねを傷つけてしまったってのと(恐らく)好きになった学Pが目の前で(たぶん)亡くなったってのは相当星南の心に来る描写やろうなとは思う
…学Pまだ半端に生きてる可能性もあるのか…受けて次第でストーリーが変わるのはこれはこれで楽しい
次広かぁ… - 32二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:57:42
- 33二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:58:22
とっておきなんでしょ
- 34二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 20:59:11
このレスは削除されています
- 35◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 21:01:12
- 36二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:26:59
- 37二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:28:03
俺にはことねに刺されるPが見えた…一瞬だけど
- 38◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 21:35:25
こ、ことね……?
「返してよ……」
ことね、違うの、私は……。
「いいから返してよ! あたしの体、返せよ!」
ことね、話を聞いて……!
「酷いですよ、星南さん。あなたを信じていたのに」
違う、やめて……。
あなたまで、そんなことを言わないで……。
「どうしてくれるんですか、俺の人生」
ごめんなさい、ごめんなさい……。
お願いだから、許して────。
「────は!?」
「ぜぇ……ぜえ……。……夢……」 - 39二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:37:22
- 40◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 21:39:02
- 41二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:41:24
晴れる娘をみて曇るアイドルを思い浮かべる男
- 42二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:44:16
- 43◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 21:44:40
明るく輝く星ほど、燃え尽きる時は一瞬だ。
一番星として全校生徒の憧れを一身に受けていた私の立場は、あの一日で地に落ちた。
当たり前だ。目の前で、将来を嘱望されていたプロデューサー科の優等生と、N.I.A.を席巻していたプリマステラ候補をみすみす殺したのは、他でもない私。
何度も死のうと思った。二人の後を追おうと思った。
でもそれが、本当に贖罪になるのか、私は自信が無かった。
私が選んだのは、やっぱりこの学園でアイドルを。光り輝くプリマステラを育てることだった。 - 44二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:51:21
満面の娘の笑顔から何で曇らせが出るんだ
- 45◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 21:51:47
けれど、そんなに甘くはなかった。
誰も私にプロデュースされたがる人なんていなかった。
少し考えたらわかることだけれど。
人殺しに、プロデュースされたいアイドルなんて、いるわけがない。
それでも四年間しがみついた。
コネだなんだと騒がれた。肩身は狭かったけど、私はかつて一番星だったんだと、その誇りにすがって耐え抜いた。
- 46二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:53:23
学Pと星南との関係うっすら周りにもバレてて痴情のもつれって感じで噂広まった感じか
- 47二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:54:53
- 48◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 21:56:52
卒業後すぐ、私は100プロに就職した。
やはりプロデューサーとしての仕事はなかったけれど、どんな雑用でも死ぬ気でやり抜く覚悟だった。
それから数年の時が経ち、今日。
いつも通り最悪の目覚めで迎えた朝、出社した私を待っていたのは、それは神様のいたずらとしか言い様がない、残酷な希望だった。
「今日からよろしくお願いします、プロデューサー! あたしは、初星学園一年、藤田──」 - 49二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:57:36
死んで化けてでた夢の解釈じゃないか?
- 50二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:58:45
妹来ちゃったかんじか
- 51異常葛城愛者25/06/25(水) 21:59:09
ああ素晴らしい呪いです、たまりませんね
- 52二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:59:10
ちびどもかぁ…
- 53二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:00:32
星南の自責の念が夢の中でことねの霊魂として出てきてる感じだと思う
- 54◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:02:31
「あなたは……」
「はい! 昔、初星学園にいた、藤田ことねの妹です。覚えてますか?」
忘れるはずがない。一日だって、忘れたことなんてない。
それは、私のせいで命を落とした、誰よりも輝く才能を秘めていた少女の名前だ。
「あたしのお姉ちゃん、家でもいっつも星南さんのことばかり話していて、何するときでも星南さんの歌を大声で歌って……少しだけウンザリって感じだったんですケド……。でも、星南さんがプロデューサーになってからは、それまで以上に楽しそうで、幸せそうで……」
何を言っているのかわからなかった。ことねが幸せそう? 私に出会ってから?
そんなはずがなかった。私に見せたあの姿は、とてもそんなものではなかった。
けれど同時に──目の前の、ことねと同じ輝きを瞳に湛(たた)えた少女が、嘘をついているとも思えなかった。 - 55◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:05:23
「そんなお姉ちゃんを見てたら、あたしもアイドルやってみたいナーって思ったんです。そして、星南さんにプロデュースしていただきたいって」
少女──ことねの妹は、私の記憶の中の彼女を彷彿とさせる口調で、希望に満ちた声音で、私にそう語った。
「だからあたし、この100プロに入所したんです!」
こうして私に、初めての担当アイドルができた。 - 56二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:05:29
星南が人殺し呼ばわりされるのつれえよ
- 57二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:06:57
- 58二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:08:16
- 59◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:14:23
私は彼女のプロデュースに全身全霊を注いだ。
次は間違わないように。決してこの宝石に、ヒビを入れないように。
ことねと同じ歌声で、ことねと同じ表情でパフォーマンスをする彼女をみるのは、すごく辛くて、けれどすごく幸せだった。
彼女はみるみるうちに実力をつけていった。
天才の愛嬌。見るものを虜にする可愛さに、多くのファンをたちまち虜にしていった。
なにより私が、心から彼女を愛した。
私の全てを投げ打ってでも、彼女をトップアイドルに──。 - 60◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:18:12
一年も経たないうちに、彼女はテレビで見ない日はないほどの人気アイドルになってきた。
学園で高等教育のカリキュラムをこなす余裕がなくなって、中退してアイドル活動に専念した。
小間使いに甘んじていた私も、あっという間に彼女のプロデュースに忙殺される日々にのまれ、気がつけばあの夢を見ることもなくなっていた。
私は彼女をトップアイドルに育てることを、二人への贖(あがな)いにしよう。
それだけを生き甲斐に毎日を過ごした。
神様はまだ私を許してはいなかった。 - 61二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:19:40
嗚呼、もう……
- 62二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:20:45
やめてくれよ…
- 63二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:22:02
初星学園3組ですらフォローできず中退せざるを得ないとか才能の鎌足すぎる
- 64二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:29:28
踊れ星南!死のダンスを!
- 65◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:29:57
『大人気アイドルに暗い影──』
そんな見出しが、メディアを埋め尽くした。
彼女のプロデューサーは、かつて彼女の姉──藤田ことねを死に追いやった悪魔だと、日本中のゴシップ誌が取り沙汰した。
迂闊だった。
プロデューサーはあくまで後方。まさか掘り起こされたりはしないと、高を括っていた。考えが甘かったのだ。
連日、彼女の元にはマスコミが押し寄せた。
事務所の電話は鳴り止まなかった。
彼女のSNSアカウントに、心無いメッセージがたくさん届いた。
それはすべて、彼女を慮るような言葉で覆い隠した、嘲(あざけ)りや揶揄いだった。
やがて、彼女から笑顔が消えた。
あの時のことねと、同じ表情を見せるようになった。 - 66◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:32:35
たった十日後のことだった。
彼女はアイドル活動を休止した。そんな精神状態ではなくなってしまったのだ。
彼女は私に物を投げつけるようになった。暴言を吐くようになった。
私はその全てを受け止めた。決して避けたり、やり返したりしなかった。
顔に切り傷ができた。体に痣ができた。
私はそれを受け入れた。
彼女はその度に、声を上げて泣いた。 - 67二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:34:51
やずやでも曇らせの二度打ちはしないんよ、どうして……どうして……
- 68◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:36:39
「星南さん。あたしを殺してください。お姉ちゃんのところへ連れてってください」
ある日彼女は、私を気が済むまで詰った後、嗚咽混じりにそう言った。
涙で顔をぐちゃぐちゃにしながら、私の体に縋り付いて、叫ぶようにそういった。
「あたし、あなたに殺されたいんです。あなたの手で、アイドルのあたしを捨てたいんです。命を捨てたいんです」
──解放されたいんです。
私は最後まで、彼女の望みを叶えてあげられなかった。 - 69◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:40:15
やがて彼女は泣き疲れて眠りについた。
眠っている彼女は、本当にことねと瓜二つで、私の胸はまるで張り詰めた風船に針をあてがうように、肺に刃を突き立てるように、破れるような痛みに締め付けられた。
私は、彼女の額にそっと唇を落とした。
次の日の朝。彼女は天井からぶら下がっていた。 - 70二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:40:30
このレスは削除されています
- 71二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:41:53
Oh……
- 72二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:42:54
あぁ
これでメディアもSNSも自分たちがしたことを棚上げにして
自由形の悪い子は好き放題するんだ - 73◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:43:03
ああ、私は最期まで、プロデューサーに向いていなかった。
アイドルを輝かせることなんて、私にはできなかった。
けれど今、私は確かに幸せだった。
あの日から初めて、心から笑っていた。
やっと会えるね、ことね──。
おわり。 - 74二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:43:50
過去一心が抉られた……
- 75二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:44:00
娘の笑顔によってコレが生み出されたって事実が
娘にとっての最高の曇らせじゃねぇかな… - 76二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:44:10
- 77二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:45:43
娘の誕生日になんて怪作生み出してやがる…
やっぱ光と闇は表裏一体、光(娘)が強ければ闇(曇らせ)もまた深さを増すのか - 78◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:48:19
- 79二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:50:35
酷いよ…こんなのあんまりだよ…
でも何故だろうな、美しいと思えてしまうのは… - 80二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:51:16
- 81二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:51:45
- 82異常葛城愛者25/06/25(水) 22:53:31
トラックリーリヤも好きでしたが、それを超える最高傑作でした!!!!いつもありがとう!
- 83◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 22:53:44
- 84二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:58:51
- 85二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 22:59:32
家族には手を出さないって…
- 86二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 23:05:46
これが娘への誕生日プレゼントですか
- 87二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 23:09:50
スレ主はよぉ、これを娘に前で朗読できんのかよ!
- 88◆WsV5Czf1Hs25/06/25(水) 23:10:55
シルバニアファミリーあげた。
- 89二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 00:01:03
十王社長、邦夫はもちろん千奈も倉本の爺もブチギレ案件だし
これに関わった人間、誹謗中傷した奴らまともな生活送れるのかな… - 90二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 00:24:55
結局ことねが星南がPになってから幸せそうだったという謎がのこっているわけだが...
星南とPが付き合うまでの話なのか、メンタルがぶっ壊れて家族の前では笑顔を張り付けていたのか...
もし後者だったらPも星南も妹すらもことね寄り添える人間はいなかったということになりますね() - 91二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 00:26:17
まじですごい最適解だった