【トレウマ SS】ゴンズイ

  • 1◆VmmyubK/W225/06/25(水) 21:01:09

     水族館に時々行く。
    眼前に広がる水色を自由気ままに舞う魚たちをただただ何も考えずに眺めている。
    普段の生活では出会うことはないであろうヤツらなどもいるので気軽に味わえる非日常だ。何の気なしに行きたくなるくらいの頻度だが、今回はついでに一つの目的がある。


    自分が担当しているドリームジャーニーがファンや世間からどう思われているかインターネットやSNSで時々調べることがある。
    『ミステリアス』『小さいのに強い』『走りにステイゴールドを思い出す』など様々な意見が飛び交う中に、ふと目を惹く一文。

    『ドリームジャーニー、ゴンズイ説』

    ゴンズイ。全身は褐色系の暗め、そこに白黄色の縞模様が入る。トゲを持ち、刺されると激痛に襲われるらしい。
    小さい頃に図鑑で見たことはあった。はっきりと思い出せないのでネットで検索してみたが、確かに色合いが似ているなぁと思うくらいだ。
    まぁ今度の休日に行く新しく出来た水族館にいるのなら確認してみるか。それくらいの気持ちだった。


    実物を見た感想。説、立証。
    河魚の展示の中にいわゆる『ゴンズイ玉』で泳いでいたのだが、見ているとあまりにも似すぎていて少し笑ってしまった。思わずスマホに一枚。いや3枚くらい。


    とある日。一人、トレーナー室で呆然とスマホを眺める。画面にはこの間のゴンズイの写真。

    「やっぱ似てるよなぁ…」

    「おや、何がですか?」

    「ジャーニーとゴンズイ」

    「…詳しくお聞きしても?」

  • 2◆VmmyubK/W225/06/25(水) 21:02:10

     ふと鼻をくすぐる香水のかおり。嗅ぎなれた匂いに血の気が引く。
    誰もいないはずの部屋で自分は今、だれに返答したのだ?
    顔を上げるとそこに確かに居るドリームジャーニー。腕を軽く組み、笑顔を見せる。
    だが、今は何故かその笑顔がどこか怖くて仕方がない。



    「…という次第でございます。本当に申し訳ございません」

    「なるほど…」

    かいつまんで経緯を説明する。思わず最後の方は口調まで変わってしまっていた。
    だが仕方がない。なぜだか先ほどから背筋に悪寒が走り続けているのだから。
    耳は絞っていないので怒ってはいないのだろうが、何も言ってくれないのはそれはそれで辛いので何か喋ってほしい。
    放課後、沈黙、トレーナー室にて。ふとジャーニーが口を開く。

    「知ってはいましたよ。自分がどのように思われているか、それを把握するのも大事だと思っていましたので。怒ってなんかいません。
    ですがやはりアナタもそう思ったと考えると、何故だか少しですが。悲しいですね…」

    「ごめん。お詫びとしては物足りないかもしれないけれど、何でも言う事聞くよ」

    「何でも、ですか?」

    「…出来る範囲でね?」


    マズい事を言ってしまったかもしれない。思わず零れてしまった発言に後悔しつつも何かを考えるジャーニーを見ていると、思いついたのか突然自身の鞄の中から封筒を取り出した。そして封筒の中を取り出すと出てきたのは先日行ってきた水族館のチケットが2枚。

  • 3◆VmmyubK/W225/06/25(水) 21:03:11

    「では今度の休日に、こちらの水族館に一緒に行きませんか?先日出来たばかりの所でして関係者の方から是非と送られてきたのです。
    委員会に所属する身としても一度行かないといけないとは思っていたのですが、中々機会に恵まれなかったので」

    「そ、そんなことでいいのか?なら今度の休みに行こうか」

    「良かった、これでこのチケットも無駄にせずに済みますね」

    既に脳内では既に荒れ果てた海に浮かぶ漁船に乗っていたのであまりにも平穏な提案に驚く。それくらいで済むならよかったと油断しきっていると、

    「あぁ折角の機会だ、実は最近新たなコースのプランニングをしていまして。
    ご協力いただけますか?」

    「あぁ、いくらでも手伝うよ!」

    「良かった…。実は、先の水族館を含めたデートの計画を頼まれていまして。
    よろしければ、今度の休日は『アナタの考えたデートプラン』で案内して欲しいのです。
    …出来れば私を恋人だ、としてエスコートして欲しいですが」


     デート。文面だけで捉えるのならいわゆる恋愛関係のお出かけだ。
    そう言った色恋沙汰には縁がなかったので思わぬ発言に目が点になる。その前にまず教え子と教師の関係だ。何でも言う事は聞くといったがはっきりとそこのラインは弁えてほしい。
    そう思い彼女の顔を見ると、上目づかいにこっちを見ている。普段の彼女からは考えられない表情に思わずドキッとしてしまった。ジャーニーさ、そんな顔すんの……反則。


    「…楽しんでくれるよう、頑張ってみるよ」

    「ええ、楽しみにしていますね」

    そういって響く扉の閉まる音。
    大変なことになったぞと思いながらどこかワクワクしている自分がそこにはいた。

  • 4◆VmmyubK/W225/06/25(水) 21:04:19

    水族館でついゴンズイを見かけたので書きました。

  • 5二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:12:22

    お疲れ様

  • 6◆VmmyubK/W225/06/25(水) 21:38:12

    「ただいま、オル」

    夜、とある一室。

    「…随分と楽しめたようだな、姉上」

    「あぁ!とても楽しかった一日だったよ」

    とても楽しかったのだろう、珍しく感情を隠し通さずに喜々として帰ってきた姉の感想を耳にふと思いにふけるオルフェーヴル。『水族館デートだ!』と言っていた時は何を言っているのかと少し不安になったが、どうやら杞憂に済んだようだ。



    今日のデートの思い出を熱く語るジャーニーがふと。思い出したように言う。

    「ところでその水族館のチケットなんだが、まだ2枚ほど余っているんだ」

    「…それが?」

    「今度、トレーナーさんと行ってみたらどうだい?たまには一緒のお出かけも悪くないものだよ」


    少しの逡巡の後に口を開いたオルフェーヴル。
    「…不要だ。あれは杖。余の歩む道に傍にいればいい。
    ただ、余の隣にいれば…」

    「そうか…」

    天上天下唯我独尊。まさしくそれにふさわしい妹が珍しく顔を赤くして言葉を濁すのだった。
    そんなオルフェーヴルを前に、姉たるドリームジャーニーは、覚悟を抱くのだった。
    そして、

  • 7◆VmmyubK/W225/06/25(水) 21:39:19

    「イヤーッ!」
    「グワーッ!」

    ナムサン!ドリームジャーニー=サンがアンブッシュめいたカラテをオルフェーヴルの身体に打ち込んだ!

    「イヤーッ!」
    「グワーッ!」
    「イヤーッ!」
    「グワーッ!」

    続いて繰り出す連撃がオルフェーヴルを襲う!オオブッダよ寝ているのですか!

    「アイエ!姉上、何を!?」
    「ザッケンナコラー!そんな顔しておいてなぜ断る!デートくらい行ケッオラー!
    私は詳しいんだ、いつもトレーナーの横でお耳ピコピコしやがって、エェッ!」
    「アイエエエ!そんなことはあろうはずがございませ「欺瞞!」
    グワーッ!?」

    ゴウランガ!同室が故に知られていた事だが、オルフェーヴルも自分の担当トレーナーを恋慕している!実際隠し通しきれていない!

    「ザッケンナコラー!早く思いを伝えてみろオラー!」
    「アイエエエー!そんな覚悟出来てない余―!アイエエエ!」

  • 8◆VmmyubK/W225/06/25(水) 21:40:39
  • 9二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:40:54

    気持ちは分からなくもないがサプライズニンジャ理論に逃げるな

  • 10二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:41:59

    なんで蜂蜜ぶっかけるようなことするの

  • 11二次元好きの匿名さん25/06/25(水) 21:47:26

    卿のssは面白いぞ?
    完遂してみせて欲しいものだな。

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています