- 1二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 04:03:18
ドゥーちゃんがスカした天パ技師にむかつくスレです
1スレ目
すごい腹の立つ出来事があったんだよね|あにまん掲示板今日は非番だったし僕らの乗る機体をちゃんとメンテしてるか監視がてらドックに遊びに行ったらさなんか試作機開発したはいいけどテストパイロットが足りず試乗回数不足で認可通らないとか頭抱えてんの正直どうでもよ…bbs.animanch.com2スレ目
すごい腹の立つ出来事があったんだよね2スレ目|あにまん掲示板ドゥーちゃんがスカした天パ技師にむかつくスレです↓前スレhttps://bbs.animanch.com/board/5053159/bbs.animanch.com3スレ目
すごい腹の立つ出来事があったんだよね3スレ目|あにまん掲示板ドゥーちゃんがスカした天パ技師にむかつくスレです1スレ目https://bbs.animanch.com/board/5053159/2スレ目https://bbs.animanch.com/boar…bbs.animanch.com - 2二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 05:25:01
ジークアクスにアムロが間違って乗ったらアムロinアムロなのでは?
- 3二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 06:33:24
なんか凄そうなのになんだろう凄く勿体無く感じるこの感じ
- 4二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 06:38:32
まだガンダムXのビットMSで増やしたならな
- 5二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 06:44:19
10まで保守
- 6二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 06:50:55
保守
- 7二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 06:54:40
保守
- 8二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 06:57:02
保守
- 9二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 07:38:35
保守
- 10二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 07:44:31
保守
- 11二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 12:15:02
- 12二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 12:39:09
この所、激しく気になっている事が有る。それはジークアクスだ
Ωサイコミュだっけ、それが妙に人間臭く動いたりする、特に地球への脱出の時の行動は顕著だった
普通、補助アームがパイロットを抱きしめたりするか? どう考えてもオカルトだろ? と言うかマチュも普通に受け入れるなよ
そう言う訳で、ボクは自分の身体のギャプランを見に行きがてら、ジークアクスを観察しているが、怪しい所は一切見せない
一応、天パにジークアクスの事を聞いてみたが「あれにはブラックボックスが多すぎて、専任の整備兵しか触れないんだ」との事
なので、秘蔵のお菓子をあげるという条件でマチュに頼み込み、どうしたらジークアクスが反応するか試してみた
逆立ちをさせてみたり、ダンスを踊らせてみたり、ヨガのポーズを取らせてみたりしたが、微動だにしなかった
……ダメだ、このMSは猫を被るのがかなり上手な様だ
諦めてボクとマチュが離れようとした矢先、粗忽な整備兵がうっかりレンチを手放した、
無重力の格納庫の中、ハーネスも付けられて無いレンチが真っすぐマチュへ向かってくる、ヤバい!
咄嗟にボクがレンチを受け止めようと動く間も無く、今まで微動だにしなかったジークアクスが手を動かしてマチュを守った
おい!!動いたじゃん!!いやマチュも「ありがとう、ジークアクス!」って礼を言ってる場合じゃないよ、オカルトだよ!!
そして何事も無かった様に手を下ろすジークアクス、ボクは強い疑念の目を向けたが、ジークアクスは素知らぬ様子だった
その後、約束の通りにマチュと一緒に秘蔵のお菓子を食べた、マチュは「美味しいね、これ」と笑顔を浮かべる
なんか最近、一人でお菓子を食べるよりも、誰かと食べる方が美味しいと感じるのは、ボクの気のせいか - 13二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 13:21:48
前スレの涙もろいおっちゃんってもしかしてテム…
- 14125/06/26(木) 15:29:16
保守
- 15二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 18:16:11
このレスは削除されています
- 16二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:53:38
最近、馴染みの技師の人から、ボクが「キラキラが~」と言う文言を使ってないと指摘された
そういえばそうだったな……あの時、ヒゲオヤジに前の身体ぶっ壊されて脱出機構で命拾ってからだったっけ?
なんか、それからキラキラに対する執着が無くなったと言うべきか……あ、でもキラキラで遊びたいと思うのは変わらないよ
でもね、キラキラが無くなってしまっても「これくらい、死ぬのに比べれば何ともないや」と思うようになったんだよね
それに、あの天パと一緒にいると、時々キラキラを感じるんだよ、ふわーって感じに……もっとも、天パ自身は気付いてない様だけど
普通、ボクの様な強化人間が定期的な調整加えられずに放置されるとね、心の安定が壊れて使い物にならなくなるんだ
それにも拘らず、今のボクは心の安定を保ち続けられている……悔しいけど、これはヒゲオヤジの忠告通りなのかも
天パからなるべく離れない方が良いって……ま、言われなくてもこれからも天パに付き纏ってやるつもりだよ
さて、そろそろ新しい身体での訓練の時間だ、サイコスーツに袖を通すのは久しぶりだ
それにジークアクスに乗ったマチュと模擬戦するのも楽しみだ、キラキラと遊べるかな? - 171725/06/27(金) 06:21:25
- 18二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 08:29:36
アムドゥーだぁ!
- 19二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 15:49:32
- 20二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 20:03:15
コックピットにじゃがりことハッピーターンとか持っていこうとしたけど、
整備の人に万が一の場合は事故の原因になると言って取り上げられたから悲しい
コックピット備え付けのレーションってあんまり美味しくないんだよね、飽くまでお菓子と比べての話だけど
『ギャプラン、カタパルト固定完了、進路クリア。発進タイミングをパイロットへ委譲します』
「おっと、アイハブコントロール、ドゥー・ムラサメ、ギャプラン出るよ」
今の身体(ギャプラン)のスラスターを全開にするとソドンの設備を壊しかねないのね、加減してスロットルを引く
同時にボクの身体にかかる心地よいG、カタパルトの加速も込めてボクは宇宙へと飛び立つ。ああ、ミノフスキー粒子の匂いが懐かしい
その横に隣のカタパルトから同時に飛び立ったマチュの乗ったジークアクスが並走し、ボクのギャプランの装甲に手を当てて接触通信を行ってきた
「ドゥーっち、そのギャプランってスラスターが全部後ろに向いてるんだ、とっても早く飛びそう!」
「この身体はもともとは強化人間専用に開発されてたからね……と言うかマチュ、ボクの事を「ドゥーっち」って呼ぶの何さ?」
「え? 仲良くなったらあだ名付けてるんだけど? ちなみにコモリさんにはコモリん、シャリアさんはヒゲマンって感じで」
どう考えてもそのあだ名のネーミングセンスに問題あると思う、と喉元まで出かかった言葉は飲みこんでおいた
それより、今のこの身体の能力を確かめたくてうずうずしてたんだ、早くキラキラしたい
「マチュ、巻き込まれたら危ないから離れてて」
「え、何するの?ドゥーっちって、うわ速っ!?」
疑問符を浮かべたマチュのジークアクスが離れた所で、ボクは身体のスラスターを全開にする
グンッ、と掛かるGが心地いい、前の身体も良かったけど、この身体も良いな、何より速いのが良い
一瞬でジークアクスが置き去りにして、ボクの身体は宇宙(そら)駆ける流星となる
『パイロットの肉体への加速度、危険域に到達!? ドゥー・ムラサメ、直ちに加速を停止してください!』
何かソドンの方からやいのやいの言われたので、この速度のままアクロバット飛行を見せつけてやった
そしたら後からやってきた天パとヒゲオヤジに無茶な飛行はするなと叱られた。くそ!!後の模擬戦でギャフンと言わせてやる!!
- 21二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 21:04:24
模擬戦は、お互いのMAVを入れ替えつつ行う事となった。
最初はボクとマチュがMAVを組んだ、相手は天パとヒゲオヤジのMAV
「宜しく、ドゥーっち!」と元気に手を振るマチュだけど、この後に地獄を見るのは彼女は知らないだろう
ニュータイプでなくとも、この模擬戦の結果は見えている、マチュが暢気でいられるのは何時までだろうか?
模擬戦開始の信号弾が上がり……30秒で勝負がついた。ボクとマチュがあっという間に撃墜判定を貰うという形で
開始5秒、視認外の距離から天パの放ったビームライフルの模擬ビームがマチュのジークアクスのコックピットへ命中し撃墜判定
開始20秒、ボクは新しい身体を加速させてヒゲオヤジのビットの無数の火線から逃れるも、
実はビットは囮で、ボクが逃げた先にキケロガ本体が待ち構えていて、そのモノアイからの模擬ビームの直撃を受けて撃墜判定
あんなところにビーム砲あるの反則だろ!! マチュなんて「何が起きたか分からない内に終わった」としょげてるぞ!!加減しろ!!
『相手がどのような手段を仕掛けるか分からないのが実戦です、二人とも良い勉強になったでしょう』
『そうだ、相手が如何しかけてくるかの意思を読むんだ、戦域全体に目を広げてみろ』
クッ、どっちも強いからぐうの音も出ない……!!
その後、ボクと天パのMAV、マチュとヒゲオヤジのMAV
更にその後、ボクとヒゲオヤジのMAV、マチュと天パのMAVと言う形で互いのMAVを入れ替える形で模擬戦は続けられた
天パの目の前でボクの身体をMS形態に変形させて、虚を突かれた所をヒゲオヤジのビットのビームによって撃墜判定させたり(直後にボクもマチュに撃たれた)
天パがボクの身体にぴったりとくっつく形で位置を分からなくさせて、隙を突いて天パがヒゲオヤジを模擬ビームで撃墜判定させたり
凡そ30分ほどの模擬戦だったけど、その頃にはさすがの強化人間のボクでもへとへとになっていた
『この辺りで良いでしょう、各機はソドンに戻り戦闘データを提出、戦術評価を行います』
『明日も模擬戦を行うから、休憩はしっかり取っておくんだぞ』
え……明日もやるの? ボクはまぁ何とか行けるけど、マチュが「もう勘弁」って目に見えてぐったりしてるけど大丈夫なの?
そんな感じでソドンでの一回目の模擬戦は終わったのだった……キラキラで遊ぶ余裕すらなかったな…… - 22125/06/28(土) 01:21:12
ほしゅ
- 23二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 06:28:19
- 24二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 07:06:37
- 25二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 09:20:01
保守
- 26二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 11:28:08
何言ってんの5秒は「も」じゃ無くて「で」なんだよ。そうだ、やったの天パ(天才パイロット)だったわ。「も」だったわクソが。誰が分かるかなんで技術士官の中に天才パイロットが混ざってんだ
- 27二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 11:49:16
あーこれヒゲマン技師天パとMAV組んだ時滅茶苦茶活き活きしてたやつ
何なら一緒に悪い顔してる - 28二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 12:17:48
- 29二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 12:25:00
流石に新人ほど容易い相手ではなかったからかな?
- 30二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 18:23:17
この天パ技師ですよね????
- 31二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 18:31:01
- 32二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 22:30:39
保守
- 33二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 23:34:42
ん……朝か、次の模擬戦に備えて機体の整備をしないと……
なんだ? 格納庫に向かう俺に顔を合わせた人が、一様に変な顔したり笑いをこらえる様な顔をしているが……?
首を傾げている所で「あの、アムロさん、鏡見てください」とコモリ少尉に手鏡を渡され、それを見て俺は驚いた
俺の頭の髪の毛が、ストレートヘアーにされている!? しかもヴィッグでロングヘアーにされている念のいり様だ
こんな事をするのはドゥーしかいない! そう思ってヴィッグを外して探してみるが、こんな時に限って姿を見せない
其処へシャリア中佐と会ったので、彼女の居場所を聞く
「そういえば、ドゥーなら『してやったしてやった!』と言いながらマチュさんの部屋へ向かっていきましたね」と思い出す様に言う
早速、俺はドゥーに一言言わないとと向かおうとした矢先、中佐に引き留められた
「おそらく、彼女はマチュさんの部屋で女子会をしていると思います、今の状態で突入したらネタにされますが、行きますか?」
真摯な眼のシャリア中佐の忠告を前に、俺は止む無く諦めざる得なかった、俺にはネタにされる程の勇気はないと自覚したからだ
諦めて熱めのシャワーを浴びて、一日も早く元の髪形に戻るのを願うしかなかった
ただ、ドゥーがイタズラするくらいに元気になってるのは嬉しく感じつつもある
- 34125/06/29(日) 00:16:07
保守
- 35二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 05:07:09
どこかの海外の人がファースト、ゼータ、ダブルゼータ、逆シャアのそれぞれの女体化アムロ描いてたな
シャアが心臓に直撃受けてたけど - 36二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 05:34:30
これアレだ、天パを自分の体で隠してる時に接触してて会話が出来て
「いいかドゥー、あの二人は~」とか話しかけられて
「うっさい天パ!」とか反発するんだけどその声と状況がすっごく心地良くて我知らず穏やかな笑みを浮かべてるんだ
ヒゲマンを撃墜した時はテンションあがって「ヒャッハー!やったぞ天パ!」とか叫ぶんだ
更に「ああ、お見事だ、やったなドゥー!」とか褒められて爆発的に動きが良くなるんだ
模擬戦終了後に管制官に指摘されて「あ、あ、あ、あの天パー!!」とか喚いて走り去って微笑ましい視線を浴びるんだ
それはそれとして30分で強化人間がヘバるほどの模擬戦の後ピンピンしてるメカニックってどういう事なのさ天パ…?
更にスーパーエースの中佐に敬語で話しかけられるって何者なのさ天パ…?
- 37二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 06:42:34
整備は頭脳と肉体の双方を酷使する過酷な仕事なので冷静な判断力と体力(主に持久力)が必要だからかな(棒
- 38二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 09:33:19
- 39二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 13:36:10
- 40二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 14:06:59
こ(こ)の天パやば、、、
記憶はリセットされて経験値が馬鹿高い周回系? - 41二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 17:01:40
そろそろ5スレ作った方が良いかも
- 42二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 17:03:31
まだこのスレ終盤じゃないだろォ!!?
- 43二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 18:38:43
???「イオグマヌッソか……その完成式典にギレンとキシリアが揃ってやって来るとはな、これほどの好機は逃す手はない」
???「前のサイコガンダムの反省点を生かして建造したサイコガンダムⅡ(セカンド)も完成した。これでビグザムが何機あっても物の数ではない」
???「パイロットも、前のと違い少しの事で制御不能にならない強化人間を用意した、其処に至るまで二人無駄にしたがまあ良いだろう」
???「後は、既に放ってある諜報員からギレンとキシリアが揃ったと知らせを聞き次第、即座に出撃し両者を宇宙の塵に変えるだけだ」
???「ジオンの宇宙人の事だ、イオグマヌッソもどうせろくな事に使う物じゃないだろう、それも完全に破壊せねばなるまい」
???「そうだ、何時までもジオンの宇宙人共に好き勝手にはさせん、連中のほえ面を想像したら笑いが止まらんわ、グハハハハハ」 - 44二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 19:18:31
- 45二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 22:03:29
ドゥ―の次だからトロワか?>強化人間
でもその次がフォウだから、案外言語を入れ替えるルールがあるかもしれない・・・?
強化人間の出身国で変えてる可能性もあるから・・・トレス、ドライ、トレース辺りになるのだろうか?
- 46二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 23:59:02
- 47二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 02:38:00
ちょっと書いてみたけどドゥーの言い方に全く似ない
書いてる人の文才すげぇと再確認 - 48二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 06:02:18
テストパイロットも兼任できそうな技師(すっとぼけ)かな?
- 49二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 11:44:07
天才パイロット
略して天パ - 50二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 15:41:45
正確(性格)には、天災パイロット
- 51二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 20:54:38
今日はとても腹が立つ出来事があった
いや、今回は天パじゃなくて別の奴に腹を立てた話だ
ソドンでの訓練や模擬戦を何度かこなしていく内にボクとマチュと天パとヒゲオヤジとの連携も深まり
ここで貰うお菓子や食事もおいしいし、ソドン生活も悪くないと思い始めた頃だった
今回は何時もの通り、ボクの身体(ギャプラン)を見に行こうと格納庫に行くと見慣れない技師が沢山、
何だと思って技師の間をすり抜けて見ると、ボクの身体の関節周りの装甲が外されて剥き出しにされ弄られている状態!?
ちょっとこれは如何言う事なんだよ!!誰がボクの許可なしに弄って良いって言ったんだ!!
つい激高して叫ぶと、恐らく見知らぬ技師の中で一番偉いだろうと思われる白髪のおっさんが出てきて、ボクを見て一言
「子供か? 今大事な作業中なんだ、事故でも起こされたら面倒だから出て行ってくれ」
ああもうキレたね、久し振りに大噴火レベルでガチでキレたね
思わず殴りかかってしまおうかとした所を身を張って止めたのは天パの親父
「済まない、ドゥー!彼は私の元同僚のモスク・ハン博士、彼はMSのマグネットコーティング技術の第一人者で、今から君の身体にマグネットコーティングを施す所だったんだ」
マグネットコーティング?耳慣れぬ言葉にボクが首を傾げたら「簡潔に言えばMSの関節稼働効率を格段に引き上げる技術だ」と天パの親父が説明する
続けて話を聞いてみると、このモスク・ハンのおっさんは連邦が負けた後、在野に出て研究していた所を天パの親父が見つけ、呼び寄せたらしい
そして天パの親父はモスク・ハンのおっさんへ「彼女がドゥー・ムラサメ、その可変MSギャプランのパイロットだ」と紹介する
するとモスクのおっさんは目を見開き、人が変わった様に「君がこのMSのパイロットか!」「この歳でギャプランを扱いきるとはな」と褒めだした
このモスクのおっさんの行き成りの態度の変化に、流石のボクもちょっと引いたな - 52二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 20:56:42
そしてモスクのおっさんは、笑みを浮かべてボクに「そうだ、せっかくだから君の身体がパワーアップする所を見ると良い」と言い出した
天パの親父は「博士、もし事故が起きた場合、どうするのです」と言うが、モスクのおっさんは「大丈夫だ、起きても大丈夫な様に距離を取らせる」と返す
そして手渡されるサングラス、どうも作業を直視すると目がやられるとの事、ボクは仕方なく装着する
そしてたくさんの技師が様々なケーブルをボクの身体(ギャプラン)の関節に接続し、モスクのおっさんの合図と同時に機器を操作する
バチバチと電気が流れる音と共にボクの身体の関節が光を放つ。一瞬大丈夫かと思ったが、何事も無く作業は終わった
モスクのおっさんは額に浮いた汗を機械油で薄汚れたタオルでふき取ると「今回は無事に作業が終わったな」と言う
……え?という事は無事じゃなかった事もあるの?ボクの不安げな眼を見て取ったか「最初の頃は爆発する事もあったからな」とモスクのおっさんが笑う
いや、全然笑い事じゃないし!!下手したら周りの人間、つまり僕も天パ見たいな頭になってたって事じゃないか!!
この後も全身の関節に同じ作業を施すとの事で、安全の為にボクは天パの親父に連れられ格納庫から離れる事になった
その際、モスクのおっさんからジャブロー名物、地下源泉まんじゅうを貰った、なんか菓子で諫められた気がしてムカつく
……まぁ、まんじゅうが美味しかったからちょっとだけ許す - 53二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 21:06:03
待って、ねぇちょっと待って?
今までマグコ無しのギャプランで実戦中に可変機動してたの?
下手したら可変中にバラバラにならない? - 54二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 21:16:56
もっと複雑な変形をするであろうキケロガがマグコ無しで普通に実戦中に変形機動していたので、変形構造も簡単?なギャプランなら構造的にも大丈夫と思ったのです
ただ、キケロガもギャプランも整備点検は大変だっただろうなと整備の人達の心中を察するに思う所
- 55二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 01:39:07
さすがにジークアスクには手は出せないだろうけど
ギャプランにはドゥーの為にメインに近い立場で整備するだろうし
自分の機体は当然自分で調整するし
部隊最高のパイロット同士としてヒゲマンとハイレベルな意見交換や打ち合わせはするだろうし
それでテストパイロットとして強化人間が30分でヘバる濃厚な模擬戦して撃墜しまくって
マジで何者なのこの天パ? - 56二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 02:55:08
ドゥーの為にみんなでお菓子の事を調べ出す整備スタッフ
初めて見たお菓子を食べて「何これ美味いじゃん!」って喜ぶドゥー
「お気に召して何より。お菓子作りなんて初めてだから上手くいって良かったよ。」
って天パに気恥ずかし気に微笑まれて反射的に喚こうとして喉に詰まらせて慌てて天パにジュースを貰うドゥー
一息ついた後に「あ、う…な、あーーー!!!」とか叫んで走り去るドゥー
「…何なんだ、あんなに顔真っ赤にして、そんなに苦しかったのか…?」とか首をひねる天パ
誰かドゥーっぽく清書してくだちい - 57二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 02:57:48
ボクがへばる程の訓練で平然としているあの天パが凄いって? そんな訳ないでしょ
あの訓練が終わってソドンに帰還して、MSから降りて戦闘データの提出と戦術評価を終えた後
自分の部屋に向かう天パの足、ふらふらだったし、それで様子見に行ったらドアに鍵も掛けずベッドでぐったりしてたよ
余りの無防備ぶりに顔に落書きしてやろうかと思ったけどさ、かなり疲れてる様子だったから、流石のボクも許してやったよ
代わりにちょっと冷蔵庫のアイスをくすねてやったけどね……まぁ、多分ボクが来ると見越しておいてあるんだろうけど
ともあれ、天パのあの様子を見て、やっぱりこの辺りは普通の人間なんだなってボクは安心した気分だ
あ、それとその翌日からの訓練のメニューも大幅に緩和されてた、それを見てマチュは喜んでたよ
口には出してない様だけど、天パも流石に「根を詰め過ぎた」と懲りたみたいだね - 58二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 03:50:28
「…との事です」
「了解です。うまく誘導出来ましたな。お疲れ様でした」
「いえ、中佐のご提案に感謝します。これならあの子達も疑いなく休めるでしょう」
「特にマチュさんは疲労困憊でしたからな。流石に飛ばし過ぎましたか」
「ドゥーが『あの天パがヘロヘロになってたんだ、飛ばし過ぎだよあの天パ!』とマチュに言っていましたからね」
「『だからマチュも無理しなくていいんだよ、悪いのは天パなんだから!』って慰めてるんだか俺の文句言ってるんだか分からない事を言ってたそうです」
「好かれておりますな」
「勘弁してください。いっつも隙あらば脛を蹴ろうとしてくるんですよあいつは。」
「好かれておりますな」
「…楽しんでますね中佐?」
「子供達の仲がいいのは良い事です。そして基地のクルーの友好が保たれているのもまた良い事です。あの子が一番懐いているのは貴方です。どうかあの子を護り導いてやってください」
「微力ながら全力を尽くします」 - 59二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 03:52:46
最近知った事なんだけどね
なんかさ、技師の人達や整備兵達がさ、ボクの為にお菓子なんて用意するって話になってたみたい
道理ででこそこそと何か調べてるなと思ったら、そんな事をしてたんだなって
まぁ、どんなお菓子が出てくるか期待しないで待っていたんだよ
そして、休憩している時に出されたのは、なんか四角形の表面が白く焼けた何か
ボクは何だろうこれ、初めて見るなと思いながら警戒しつつ齧ったらね、これが美味しいんだよ
表面の白く焼けた部分は程よくぱりぱりしていてね、中の漉し餡が程よく甘くてしつこくなくて、癖になる感じ
気が付いたら用意されたソレを殆ど食べちゃって「何これ、凄く美味しいじゃん」ってつい声に出しちゃった
そしたら天パが恥ずかしそうに笑みを浮かべて出てきてさ
「お気に召して何より。お菓子作りなんて初めてだから上手くいって良かったよ。ドゥーが食べたそれはきんつばっていう日本の和菓子なんだ」
って、ちょっと待てこれ作ったのお前か!!
丁度、最後の一個を頬張ってる最中だったから、思わず驚きで喚きそうになって喉に詰まらせそうになっちゃったよ!!
その様子を見て慌てた天パからジュースを貰って何とか事なきを得たけどさ!!ビックリさせんじゃないよ天パ!!
でも、その後、ボクは急に気恥ずかしさの余り顔が熱くなるのを感じて思わず「あ、う、な、あーーー!」って声出しながら逃げちゃった
……ああ、強化人間たるボクがなんと情けない
多分、今頃は天パの奴、行き成り逃げ出したボクの後ろ姿を見て
首を傾げながら「…何なんだ、あんなに顔真っ赤にして、そんなに苦しかったのか…?」とか思ってるんだろうな
ちがうんだよ、そうじゃないんだ、天パにあんな才能もあったのかと驚いてるし、同時に美味しいと思ってしまったボク自身が恥ずかしいんだ
よし!この事は死ぬその時までずっと黙ってる事にしよう、そうしよう
(こうですか、分かりません)
- 60二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 09:44:41
ニヨニヨしたよありがとう
- 61二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 12:19:06
粉が出る食べ物とか無重力状態で精密機械相手とかどこに漂って紛れ込んでショートさせるか分かったもんじゃないもんな
「んでさ、いたずらで隠して持ち込もうとしたら見つかって『嬢ちゃん、それは流石に戴けねぇな?』って怒られるんじゃなくて叱られたんだだよ」
「おっちゃん達も天パもみんな厳しい顔してて…あんなに必死で謝ったの久しぶりだよ」
「あそこで意地張ったり我が儘言ったらきっとみんなに見限られて嫌われてた…本気でそう思ったよ」
(ドゥーっち泣きそうだったもんね…許してもらえた後のドゥーっちの顔を見てみんな内心ほっこりしてたのは秘密にしといた方がいいよね)
- 62二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 18:57:14
お見事。
- 63二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 21:49:35
- 64二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 22:25:07
何かの拍子に天パ呼びからアムロ呼びに変わることもあるかもしれないんですよ
でもそれはそれとして最後まで天パ呼びするのも捨てがたいんですよね - 65二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:16:04
自分で考えるとすぐにドゥーがデレてしまう
このワガママ嬢ちゃんな感じが上手く出せない… - 66二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:52:26
今日も何時もの通りに訓練飛行、模擬戦ではヒゲオヤジは相変わらず強い、天パも尚更に強い
何時かはギャフンと言わせてやりたいな、と思って模擬戦にトライしているけど、ボク自身で墜とせたのは数える程なのがムカつく
更に言えば、その代償に墜とした十数倍の被撃墜判定貰っているのが猶の事にムカつく
訓練も終わり、待機しているソドンに向かいがてら、ふと地球へ目を移す
太陽の光を受けて青く輝く地球、その大気上層にくっつく様に見えるのが完成間近のイオマグヌッソ
改めてその異形に近い威容を見ると、本当にそれが地球の環境改善の為の施設か怪しく思う
そう考えていた所で、並走してたジークアクスがボクの身体の装甲に触れ、接触回線を開いた
『ねぇ、ドゥーっち、あのイオグマヌッソを見てさ、どう思う?』
「少なくとも、地球の環境改善の為の施設とは思えないね、前にも話したけど名前の由来の件もあるし、怪しさ大爆発だよ」
『やっぱりドゥーっちもそう思う? それにさ、あのイオグマヌッソを見ていると、時々小さく聞こえるのよ、変な音が』
「マチュ、その音って何?」
『んー、何というか、『ラ・ラ……』って悲し気に鳴いているような、そんな音』
言われてボクは改めてイオグマヌッソへ目を向ける、肉体的ではなく感覚的に耳を凝らしても、マチュの言う音は聞こえない
これが本物のニュータイプと疑似的なニュータイプ能力を付与された強化人間の差か、そう思うとボクは自分が情けなく思える
その心情が思わず溜息に出てしまったらしく、それを聞き逃さなかったマチュが声をかける
『まぁ、別に聞こえるのが私だけって事もある訳だし、ドゥーっちは気にしなくても良いと思うよ!』
マチュのその気遣いが殊更にボクの心に突き刺さる。良いんだよ、そういう慰めは却って傷つくだけだから
果たして、誰かの手によって作られた紛い物であるボクが、天パやヒゲオヤジ、そしてマチュの様な本物を超える事が出来るのだろうか?
しかし幸いにして、マチュにはそのボクの心情を悟られなかったらしく『帰ったら一緒にアイス食べようね』と暢気に語っていた
そうだね……帰ったらマチュと一緒にアイスでも食べて、その後でシャワーを浴びて気を落ち着けよう
今のボクは自分に足りない物に嘆いて腹を立てている場合じゃない、その代わりに、ボク自身にある物で前に進まなくちゃ - 67二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 02:55:06
やっぱりこの前の人のは重厚さが違うな
場が引き締まると云うか
とうとうあの音が聞こえてきたか… - 68二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 07:07:02
どちらも良いですな。
- 69二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 14:28:15
イオグマヌッソ完成式典の日まで一週間を切った頃
もう寝ようかと言う時間になって、個人回線でボクと天パだけがヒゲオヤジの自室へと呼び出された、一体何の用だろうか?
妙に落ち着いている天パの一方で、疑念の目を向けるボクに対し、ヒゲオヤジは何時になく真剣な眼差しで問う
「アムロさん、ドゥーさん、一つ聞きたいですが、この世界は平和だと思いますか?」
何を聞いているんだこのヒゲオヤジ、ボクの眼の疑念の色がより濃くなる
それに対して天パは、ヒゲオヤジの問いに落ち着いた様子で答えた
「表向きは平和に見えます……しかし、それはとても危ういバランスで保ってる。何かしらの切っ掛けがあれば、それは直ぐ崩れる、そう俺は見ています」
「その通りです、アムロさん。今この世界はギレン総帥の派閥とキシリア閣下の派閥が睨み合いを続け、更にその横から隙を伺う者がいる、まさに綱渡りの様な状況です」
どこか遠くを見る様にワイングラスの中の赤ワインを揺らしながら、ヒゲオヤジはこの世界の実情を語る
そして一口だけ赤ワインを飲むと、決意を固めた様子で打ち明けた
「私は、このイオグマヌッソ完成式典に訪れるギレン総帥とキシリア閣下の双方を同時に排除する事を考えています。
あの二人をこのまま放って置けば、またあの戦争と同じ凄惨な内戦が始まる事でしょう。それは何としても避けたい」
え?ちょっと待って??このヒゲオヤジ、自分の上司を殺すってマジか??とボクは一瞬こそ思った
けど、ヒゲオヤジの纏っている雰囲気が、自分がこれからやろうとしている事が本気であるという事を雄弁に物語っていた
そして、ワイングラスを机に置いたヒゲオヤジは小さく溜息を漏らすと、恐らく本題であろう話を切り出した
「しかし、私が行動に出れば、その機に乗じて動き出す者がいます。その者はこの世界を混沌に落とす程の強い悪意を持っている」
「……ひょっとして、その悪意を持っている者って、ボクが良く知っている人だよね」
「気づいていましたか、ドゥーさん。そう、かつて貴女が搭乗した大型MSによる、キシリア閣下の暗殺計画を実行に移した首謀者、その者こそが私にとっての最大の懸念要項です」
やっぱり、バスク少佐か……あの暗殺計画が失敗してから、ずっと疎遠になっていたけど、まだ諦めて無かったのか
地球連邦が再びこの世界の覇権を取り戻すという野望を - 70二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 14:38:57
ヒゲオヤジはボクと天パへ真正面に向き直ると、真摯な眼差しを向けて言う
「そこでお二人にお願いしたい。私が計画を実行に移す段になって、確実に姿を現すであろうその者を止めていただきたい」
ボクの「止める手段は問わない、と言った所でしょ?」との返答に対し、ヒゲオヤジは少しだけ考える素振りを見せ、鋭い眼差しで問う
「良いのですか? 貴女を手駒の様に扱ってたとは言え、かつての上司ですよ?」
「あのね、ボクは少佐には何の恩義もないし、むしろ居なくなった方が良いと思ってる、それに、これから自分の上司殺しを行おうと計画を立てているヒゲオヤジに言われたくないね」
ジト目を向けたボクの返答に対してヒゲオヤジは僅かに笑みを浮かべると、天パの方へ視線を移して「では、アムロさんはどう思いますか?」と問う
「バスク少佐は危険な人です。なので俺もバスク少佐の行動を止めて、その上で正式な軍事法廷にて裁きを受けさせた方が良いと思ってます」
あんな奴、わざわざ軍事法廷に連れて行かずとも宇宙の塵にしてしまえばいいのにと天パに視線を送るが、それを感じ取った天パは無言でボクの眼を見て、頭を小さく横に振った。どうやら天パには天パなりの考えがある様だ。
対するヒゲオヤジは「そうですか」と一言漏らし、ワイングラスを一呷りすると小さく頭を下げて言う
「では、その日まで、この件は内密にお願いします、事は慎重を要します故」
「諒解しました、中佐。その時になるまで、この事は決して口外しません」
「ボクも黙っておくよ、まだこのソドンで美味しいお菓子を食べていたいからね」
そんな極秘の会談を終えて、僕と天パは自分の部屋に戻る最中、ボクは思った事を言う
「少佐の事だから、確実に使うだろうね、かつてのボクの身体の同型を強化した物を」
「そうなると厄介だな。只でさえサイコガンダムは強力な兵器だ。それが強化された物となると、俺でも勝てるか分からないな……」
珍しく弱気な発言をした天パの隙を見て、ボクはその脛にローキックを浴びせる。突然の痛みに声にならぬ悲鳴を上げ蹲る天パの眼を見て、ボクは言う
「天パ!そんな弱気になって如何するんだ!例え相手が強くても何とかして見せるのがアムロ・レイだろ!」
「ドゥー…!」
天パの驚きの眼差しを背に受けながら、ボクは自室へ足を向ける。恐らく、乗るのはボクの弟か妹だろうと確信しつつ - 71二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 14:50:03
ちょっと離れてたけど、めちゃくちゃ熱い展開になってきたな…! ヒゲマン達との掛け合いの情報量が濃厚で読み応えがすごい
とはいえ冷徹な本編バスクのことだから差し向けて来るのはたぶん「4」だろう… ドゥーにとっても決して無視できない相手になるな - 72二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 17:36:55
そうなるとその子の結末は0087の「主人公」による救いか、姉による妹殺しか…それかはたまた…
- 73二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 20:04:03
- 74二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 20:15:15
流石に彼女は別世界でも悲劇に遭わせたくないな……
物語に係る事なく強化人間研究所から保護されて、女みたいな名前の少年と幸せに生きて欲しい。 - 75二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 20:47:52
痛たた……まさかドゥーから思いっきり脛を蹴られるとは思わなかった
何時もだったらあいつの「これから蹴る」と言う気配を感じて、反射的に避けれた筈なのに
今回はその気配を一切感じさせる事なく、見事な一発を貰ってしまった。これは湿布が必要そうだな
しかし、ドゥーからあんな発破をかけられるとはな
成長したと喜ぶべきなんだろうけど、こういうので感じたくなかったな
「アムロ、こんな夜中に通路でどうした?」
痛む脛を堪えつつ立ち上がった所で、技師服を若干よれよれにした親父に声を掛けられた
「親父か、いやついさっきドゥーに脛を蹴られてね、親父こそこんな時間にどうしたんだ?」
「中佐殿に頼まれてね、ソドンにいる技師総出であの子の機体に改装を施していたんだ」
「改装……?」
「ああ、相手にサイコマシーンが出るだろうと言う中佐殿の予測でな、その対策の為にコックピット周りに改装を施していた、あの子には生きていて欲しいからな」
親父……相変わらず不器用だな、他人に対する愛情の掛け方がこういう事で表せないなんて
俺がそう思っていた所で、親父がふっと笑みを浮かべて
「しかしアムロ、お前があの子に蹴られるとは、まさか鈍ったか?」
「揶揄わないでくれ親父、これでも少しは傷ついてるんだ」
「痛みを知ってこそ大人になるんだ、アムロ。ああそうだ、お前の機体の為に新しいデバイスを作ったんだが、試してみるか」
「止めてくれ親父、また出所の分からない機材で作ったんだろ? それ」
「おっと、バレてしまったか、相変わらずカンが良いな……だから、生き延びてくれよ、アムロ」
言って、親父は真剣な眼差しを向けて俺の頭を撫で、自室の方へ去っていった
そうだな、俺も生き延びなくちゃならない、俺自身、親父、周りの皆、そしてドゥーの為に
もう見えなくなった親父の背の方を見て、改めて気を引き締めた俺は蹴られた足を庇いつつ自室へと戻ったのだった - 76二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 22:39:24
すげえ、ちゃんとifとして話が展開してる…!
3じゃなくて4が出てくるのか
スリー、トロワ、ドライ、トゥリー、トレ…あとは何かあるかな - 77二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 23:43:34
設定上あるのだとサード・ムラサメだったはず
- 78二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 01:28:24
アナザー系ならリペアスーツの眼帯ゲーツが乱入してきそうだw
- 79二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 02:44:15
「…何かドゥーの嬢ちゃんが難しい顔してたな?」
「テムさんもレイの兄ちゃんもだ。中佐殿もいつにも増してって感じだし」
「何かあったのかな」
「戦局に…特に情報なんて出てないよな?」
「『アレ』のお披露目が迫ってるからか?」
「『アレ』かぁ…ありそうだな。警備とかに駆り出されるのかね?」
「ありそうだが…まあ俺達が悩んだって始まらん。俺達に出来るのはパイロットの皆に安心して乗ってもらえる整備をする事だ」
「だな。警備ならレイの兄ちゃんも駆り出されるだろうし、俺達の方でそれ位はやらないとな」
「そういう事だ。おらお前等仕事するぞ!手ェ抜くんじゃねえぞ!」
「…ドゥーの嬢ちゃんが何かしてやったりって顔してる?…急に顔を赤らめて猛ダッシュで見えなくなった…」
「んでレイの兄ちゃんが足引きずって歩いてる…」
「…まあ何だ、嬢ちゃんにお菓子でも持っていくか」 - 80二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 03:15:19
- 81二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 04:23:46
重力負荷のかかるパイロットは全身運動みたいで体力の損耗も過酷らしいので。
前の大戦で
「補給が苦しいから、歩兵と違って椅子に座っているだけの楽なパイロットの食事を減らすべき」
と主張した奴が、助手席に載せられ飛行体験させられたら前言撤回したという逸話が各国に。
- 82二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 08:07:54
- 83二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 13:53:43
今さらだけど「ドゥーの嬢ちゃん」って呼び方が好きなんだよな あの子にもそういう呼ばれ方があるのかって感心しちゃったよ
ここのドゥーならすごく似合う感じするしさ - 84二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 14:59:04
イオグマヌッソ完成式典二日前
この日もボク達は訓練を行っていた。その際の模擬戦は何時になく本気であった
もうこの頃になると、模擬戦も最初の頃の様な一方的な戦闘ではなく、互いに気を抜けない戦いとなっていた
しかし、相変わらずパイロットスーツを着ようとしないマチュがちょっと心配だ
ボクの方は天パから「生き残りたいなら必ず着ろ」と言われて、仕方なく着ているのに
嫌なんだよなぁ、髪形に変な癖が付いちゃうからヘルメット着けたくないんだ
訓練が終わり、ソドンへ帰還する最中、ボクの身体の装甲に不意に何かが当たる感覚
見れば、それは並走するヒゲオヤジのキケロガから伸びた有線ビットの一基の底面だった、同時に接触回線が開かれる
『聞こえてますか、ドゥーさん』
「どうしたの、ヒゲオヤジ、こんな方法で話しかけてくるなんて、ちょっと昔のトラウマ思い出したんだけど」
『もう気づいているかと思いますが、貴女の機体、いや身体のコックピットに機器が増設されていますね』
「うん、どういう物か分からないから不用意に触らないでいたけどさ、これ、何なの?」
『一言でいえば、サイコマシーンによる無線攻撃端末――ビットに対するカウンターシステムです』
ビットに対するカウンターシステム……?
そういえばボクの前の身体も、装甲を分離させて質量ビットとして使っていたけど、それの対策の為の機器?
ボクのその思考を読み取ったのか分からないが、ヒゲオヤジが話を続ける
『フラナガン研究所に突貫で作らせた物なので、負荷が大きい為、使用は一回きりですが、効果は絶大だと思います』
「これ、使ったらどうなるの?」
『そうですね、簡潔に言えば、ミノフスキー粒子を介して相手のビットをハッキングし、操作権を上書きする事が出来ます』
「何それ!!とんでもない奴じゃないの!? これでオールレンジ攻撃の脅威は減らせるって事か」
『いえ、何分急造品なので、どれだけ相手のビットをハッキング出来るか如何かは正直、未知数です』
なんとなく、通信越しの声と雰囲気からヒゲオヤジの不安を感じ取る事が出来る
でも、何だってその役目を天パじゃなくてボクに選んだんだ?
中途半端なボクよりも、天然のニュータイプである天パの方が、もっとうまく扱えそうな気がするんだけど? - 85二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 15:03:50
頭の中をぐるぐる巡るボクの疑問に答える様に、それを察したのかヒゲオヤジは声を真剣な物に変えて言う。
『貴女を選んだ理由として、今の貴女の身体のコックピットユニット、それは貴方の前の身体から移植した機器で作られてます』
「つまり、少佐が出してくるであろうサイコガンダムの強化型のシステムに非常に近い構成、という事?」
『はい、なので相手のサイコミュと親和性も高く、ハッキング出来る確率が高いと見ています』
「そう言う事ね、だからこそこの身体を使うボクを選んだ訳か」
ボクの返答に対し、ヒゲオヤジは『そうです』と一言だけ返した後、何処か含みを持たせた声で言う
『それに、私は賭けたいのです。ドゥー、貴女の可能性に』
「ボクの可能性?」
『貴女は、本来ならばイズマコロニーにて、私の手によって撃墜され、戦死している筈の存在です』
「うん、あの時は本気で死んだかと思ったよ。天パとその親父が脱出機構なんて余計な物を付けたお陰で今も生きてるけどさ」
『ええ、本来なら死んでいた筈の貴女を再び目にした時、私は驚きと共に予感したのです、貴女にはやるべき重大な事が有るのだと』
「やるべき重大な事……それが少佐のやろうとしている事の阻止、という事かな?」
「そうです。本来あるべき死を乗り越えた貴女の可能性は実質無限大です。だからこそ、私は貴女を選んだのです」
「随分と買いかぶられた物だね、でも頼まれた以上、ボクは出来る限りの事はやるよ」
笑みを浮かべたボクの返答に対して、ヒゲオヤジは通信越しに安心した様に含み笑いを漏らすと、声をいつもの調子に戻して言う。
『ヒトとニュータイプの間に立つ貴女ならきっとやり遂げてくれるでしょう。しかし、くれぐれも無理はしない様に』
「そういうヒゲオヤジこそ、無茶して死んだりしないでね? どうもなんか生き急いでる感じがするから」
『ええ、その御忠告は有難く受け止めておきます。では、これで』
その言葉を最後に、ボクの身体から有線ビットが離れ、キケロガが加速してソドンへと戻って行く
それを見届けたボクは、ソドンへ向かう身体の操縦をオートに任せ、ヘルメットを脱いで笑みを浮かべる
「随分と大変な事任されちゃったな……まあ、いいや、生き延びれたら後でたっぷりお礼は貰うからね、ヒゲオヤジ」
モニター越しに見た虚空に煌めく星々は、まるでキラキラの様に輝いて見えた - 86二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 15:07:50
ヒゲマンのドゥーへの期待……これは、本編知ってる身としてはめちゃくちゃ熱い展開なんだが!?
- 87二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 15:09:42
(ドゥーがヘルメットを付けている画像が無いので、読者の方々は各自ご想像していただけるとありがたいです)
- 88二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 15:19:50
なんとなくだけどチュチュっぽい見た目になってるイメージがある 可愛くて丸い感じにね
- 89二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 17:08:09
今気づいたんだけどバスクは少佐でヒゲオヤジは中佐なのね
一階級差だと憲兵とか使って処罰するとか難しいんだろうか
そもそも証拠は何だって話になるし
ドーモ、バスク少佐=サン。憲兵です - 90二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 20:01:51
特に理由のある憲兵がバスクを襲う!
- 91二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 20:42:50
大尉がキャプテン
少佐がメジャー
中佐がコマンダー
大佐がカーネル
あと知ってる人います? - 92二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 23:24:19
イオマグヌッソ完成式典前日
この日の訓練は翌日に備え、万全を期す為に模擬戦のメニューは少なめに抑えられた
ソドンへの帰り、明日の式典に備えてなのか、沢山の報道船が規制線ギリギリに輪になって詰めかけているのが見えた
暇な連中だね……まぁ、あれだけの大事業な上に、キシリアとギレンが来るとなれば報道したいのは分かるけど
「空気がピリピリしているなぁ、イヤな感じ」
ソドンに着艦し、待機エリアで身体のコックピットハッチを開けてヘルメットを取ると、何時もと違う空気感を感じた
明日の式典に備えてだろう、何時もは穏やかな様子の整備兵や技師の連中は、今日は打って変わって緊張した面持ちだ
其処へ後に到着したディジェから降りた天パが、ボクに近寄り声をかける
「いよいよ明日だな……何か酷く嫌な予感がする、ドゥー、何時でも動ける様に身体から離れるなよ?」
「天パに言われなくても分かってる、ギレンもキシリアももうすぐ来る頃だ、何かあるならこの後だろうね」
この時、ボクは確信していた、もうすぐ大きな事が起きると、しかしそれが何かは分からなかった。そんなボクの反応に天パは僅かに目を見開いてボクに聞く
「ドゥー、何時になく勘が鋭くなったな」
「ニュータイプ三人を相手に毎日のように模擬戦をやってれば、嫌でも感は鋭くなるよ」
「そうか、なら何時でも出撃出来る様に待機しておいてくれ、ドゥー」
「言われなくても、嫌な空気感だからね。戦闘データの提出は任せたよ、天パ」
「ああ、提出したらすぐに格納庫に戻る」
天パも嫌な予感を感じているらしく、パイロットスーツからヘルメットを外す事なくブリーフィングルームへと向かった
ボクは身体の中へと戻ると、其処で美味しくないレーションを摂りつつ、モニター越しに慌ただしく動く整備兵や技師達の様子を眺める。そうして暫くの時間が経った頃、ボクだけしか認識できないある匂いを感じた
「ミノフスキー粒子の匂い……? 式典前日なのに、何で?」
それはボクにとって嗅ぎ慣れた匂いであり、同時に組織的なMS戦闘の際の匂い、それを式典前日に感じるという事は……!
酷く嫌な予感がする、それも最大級の予感。始まるのだろう、キシリア派とギレン派による戦争が。恐らく、今感じている予感はほどなく当たる事だろう
昔のボクだったら心躍らせている所だけど、今のボクにとってはこの状況が酷く心に重い - 93二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 23:27:07
予感は的中し、酷く慌てた様子の天パが格納庫へと戻ってきた。そして同時にヒゲオヤジから通信が届いた。
『緊急事態です!キシリア様が動きました!完全に私のミスです!ドゥーさんもアムロさんも直ちに出撃してください!』
「あのマスクをかぶったオバさんか、分かった、すぐに出撃する。天パはもう出撃しようとしている所だよ」
既に天パの乗ったディジェが動き出し、カタパルトデッキへ向かう所を見つつボクはヒゲオヤジに返す
ボクも整備兵に退去するよう促しつつ、待機状態にしていた身体(ギャプラン)を動かして、天パのすぐ後に出撃出来る様に動く
直後、天パから通信が入り、焦燥感を混じらせた声で言う
『ドゥー、お前が出撃したら身体に摑まる、その後は周囲を回ってバスク少佐が何時出ても良い様に監視飛行してくれ』
『分かったよ天パ、グリップは展開しておくからしっかり摑まってて、振り放されても知らないからね』
『ああ、済まない! アムロ・レイ、ディジェ、出るぞ!』
通信を切るのも忘れて出撃してゆく天パ。しかしだからこそ事態が切迫しているのがボクには分かる
射出器具に脚部を固定した所で、カタパルト要員からの通信が入る
『進路クリア、発進タイミングをパイロットへ委譲します、どうかお気を付けて』
「はいはい、ユーハブコントロール、ドゥー・ムラサメ、出るよ!」
スロットル全開にしたい気分を抑えつつ、程々にスロットル操作して身体をソドンから発進させる
程よいGを感じつつ、ボクは身体をMA形態へ変形させると、直ぐにバックパックに増設されたグリップを展開させる
それを待っていた様に天パのディジェが接近し、グリップを掴む。グリップの圧力センサーが緑になったのを確認したボクは、スロットルを操作して身体を加速させる
『もう既に彼方此方で戦闘が始まってるな。ドゥー、意識を張り巡らせて周囲への警戒を怠るな』
「言われなくても分かってるよ天パ。そういう天パこそ流れ弾に当たらないようにね」
周囲を見回してみれば、既にギレン派とキシリア派の戦闘が始まっており、虚空のあちこちで火球が開き、消えるのが見える。
その度にミノフスキー粒子を介して聞こえるのは、撃破されたMSパイロットや撃沈された戦艦の乗員の断末魔の悲鳴
倫理的思考を排除されている強化人間のボクだから如何でもよく感じるけど、感受性高い人間だと地獄だろうな - 94二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 23:28:38
始まっちゃったな
- 95二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 00:21:08
- 96二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 00:57:38
仕事しろって言った瞬間嬢ちゃんの所にサボりに行こうとしてるんじゃねぇ!
…ちょっと待てボク、何で天パのフルネーム呼んだってだけでこんなに動揺してるんだよ!?
息が吸えない、顔が熱い、胸が苦しい…何だこれ心臓おかしくなった!?
何もかんも全部テンパが悪い!もっかい蹴りに…ってこんな顔見せられる訳無いだろボクのバカ!
- 97二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 02:29:13
「伝えましたか?」
「ええ、接触法で伝えました」
「これで俺達に出来る事は粗方実行しましたかね?」
「ええ、これからはドゥーさんもマチュさんも、勿論貴方も私も。兵や人員を守る、無駄な犠牲は出さない。その為に動きます」
「その為にドゥーもマチュも、俺も貴方も腕を磨き鍛えてきました。後は己を信じ動くだけです」
「貴方とドゥーさんには一番厳しい所に当たってもらう事になっています。それが一番作戦成功の確率が高い」
「分かっています。俺達だけではなく中佐もマチュも最前線に飛び込む。少しでも被害を押さえる為に」
「そうです。皆が少しでも多く生きて帰れるように全力を尽くしましょう」
「…無事に終わったら皆で泳ぎにでも行きますか。以前にドゥーと約束したんですよ、海に行こうって」
「それは良いですな。いつか地球の海で泳げるといいですな」
「ドゥーに言ったら喜びますよ。前に人工ビーチでスイカ割りやら何やらで大騒ぎになりました」
「ドゥーさんから聞きましたよ、貴方のお知り合いの女性や仮面をつけた変質者?まで来て大変だったと」
「あの仮面の変質者を捕まえられなかったのは痛恨でした。まあドゥーがハシャいでいたんで良かったですが」
「ドゥーにも宇宙や戦争のキラキラだけではなく、もっと別の、地球の海や空のキラキラも味わわせてやりたいですからね」
「ええ、今の彼女には無限の可能性がある。あの子達には輝かしい未来を見せてあげたい」
「その為には俺達大人が頑張らないと、ですね。あの子達の力も借りないとならないのは不甲斐ないですが」
「彼女達の持つ未来を切り開く力、という事にしておきましょう」
…天パめ、何でヒゲオヤジと話してる時にあんな穏やかな笑顔を浮かべてるんだよ
ボクと話してる時はあんないい笑顔浮かべた事無いくせに!
- 98二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 03:53:30
男同士の笑みとは違う笑みが浮かんでいると思うよ。
- 99二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 10:56:31
ほしゅ
- 100二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 16:35:04
シリーズすごい進んでるから改めて1からストーリーを把握してくるよ ここのドゥーも好きになりたいし
- 101二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 17:04:05
出撃して数分、天パのディジェが摑まっている身体を緩やかに旋回させつつ、意識を集中して少佐の気配を探る
其処へ前方からどの派閥か分からないが、グリーンの塗装をされたゲルググの小隊がビームピストルを放ちつつ襲い掛かって来る
ああもう!!少佐が何処にいるか探している最中だって時に!!
「邪魔だ!!」
『前に出るから!』
ボクの声と天パの声が重なり、同時にボクの身体のムーバブルシールドのメガ粒子砲と天パのビームライフルの火線が放たれる
それは狙い違わずゲルググの武器を持った腕を吹き飛ばし、あるいは頭部を消滅させる、これで逃げ帰る言い訳も立つだろ?
そんな感じで邪魔者を排除しつつ飛行していた所で、ある物を見てボクの目が見開かれる
「イオマグヌッソが動いてる……!」
『あんな巨大な物が……狙いは月の向こう側か!』
凄まじく巨大な筈のイオマグヌッソが滑らかな動きで、月の方向へイソギンチャクの口の様な部分を向けた。
ボクと天パがその光景に驚いている間も無く、宇宙(そら)を染めんばかりの凄まじく濃密なキラキラがイオマグヌッソから放たれる
それはイズマコロニーで感じた物の比ではない、同時に脳が締め付けられる様な頭痛がするが、ボクは何とか必死に堪える
頭に響いて来るのは引き裂かれんばかりの誰かの悲鳴、それはまるで無理やり何かをされるような感じだった
『くっ、何だこれは……! なんだ!あれは、ア・バオア・クーじゃないか……!?』
通信越しの苦しげな天パの声に、イオマグヌッソの方へ視線を向けてみれば、信じられない光景が見えていた。
光の中から浮かび出るそれはジオン公国の最終防衛拠点、ア・バオア・クー、そして周りに小さく浮いているのは戦艦やビグザムだった
ボクは頭痛すらも忘れ、余りにも異常な現象を唖然と眺めるしか出来ないでいた
直後、灰色の何かがア・バオア・クーと周辺の艦隊を包み込むと、収縮する様に飲み込み、搔き消してしまった
『人が、無数の人が悲鳴を上げて消えていった……こんな、こんな事が有っていいのか!』
「これが、これが、戦争なんだよ……でも、これは余りにも度を越している! こんなの……人間が起こしちゃいけない!」
ア・バオア・クーが消える寸前、ボクは確かに感じた、誰かの泣く声と、無数の人間の意思が「向こう側」へ飛ばされていった事を - 102二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 17:06:28
「ジオンの宇宙人共が使う物だから、ろくでもない物だろうと思っていたが、まさか要塞すら消し去る戦略兵器だったとはな」
「だが、我々があのイオマグヌッソを手にすれば、忌々しいサイド3とグラナダを消し飛ばす事が出来る」
「そうなれば我が地球連邦の復権の思いのまま、そしてジオンの宇宙人共を駆逐することも出来る」
「もう少し様子見をするつもりだったが、行動に入る事しよう。今すぐイオマグヌッソを我が手に納めるのだ」
「ドライ・ムラサメ、もうすぐお前の任務の時間だ。存分に力を振るい、我が道を阻む者全てを駆逐せよ!」
『マスターより任務を受領、ドライ・ムラサメ、戦闘行動へ移行します』
イオマグヌッソが光を放ち、要塞を消し去ったその直後、悪意を持った存在が好機とみて動き始めていた
……しかし、それに気づいた者は、まだ、居ない - 103二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 17:24:54
ドライか!! それにドゥーのメンタルもヤバい感じするし、大丈夫かな…?
- 104二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 19:05:58
ギレンVSキシリアが開戦しそこにバスクが介入するだろうからそれを掣肘するためにグレイファントムの一味が参戦
これどれが敵だか分からない状況での乱戦とか訳分からん事になってるな - 105二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 19:10:35
- 106二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 19:15:43
- 107二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 20:35:48
- 108二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 20:37:47
- 109二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 20:58:25
- 110二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 21:09:15
- 111二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 21:19:00
- 112二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 23:07:37
- 113二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 23:12:34
ここのドゥーなら絶望的苦境も乗り越えられると信じてる…!!
- 114二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 01:33:35
「…どうなっている!状況を確認しろ!!」
「…ア・バオア・クー周辺が…消滅!?消滅だと!?どういう事だ!!」
「文字通りです、イオマグヌッソが稼働し…ア・バオア・クー近辺の一切が消滅しました!!」
「付近に居たビグ・ザムやMS、艦船や艦艇…一切が確認できません!」
「敵味方…いや、これは…人員の損害は一体どれ程に…!!」
全員が狼狽え動揺していた。それも致し方あるまい、目の前で何万という人員を抱えた要塞が文字通り消滅したのだ
敵味方、否、この宙域に居る全ての人間が混乱し動揺している。報道関係の生中継もいっそ笑えそうな程混乱している
「…落ち着け皆!!狼狽えている場合ではない!!」
カタパルトに隣接している整備場…その場を制する様な叫びが響いた
「我々は整備兵だ!整備兵の役割は何だ!?」
その言葉にその場にいた者の心が弾かれた。整備兵という仕事についている者のプライドが
「整備兵の役目、それは戦場を駆けるパイロット達の為に働く事だ!」
何日も何か月も何年も。パイロット達と共に最前線に立ちパイロットの為に寝食を惜しんで働き修理し整備をし調整をする
「今パイロット達の為になる事、それは情報を集め整理し状況を解析し彼等の助けになる事だ!そして彼らが…あの子達が戻って来た時の為に補給・整備に対する万全の準備をする事だ!」
その場の整備兵達の背が伸びる。もう誰も動揺の叫びは発していない
「己の担当パイロットとの連絡はアクティブではなくパッシブ、こちらから呼びかけて混乱を助長するな、彼等からの連絡を逃すな、耳を澄ませ!」
「それ以外の者は情報を各部と共有、解析を進めろ!メカニックの名に懸けて調べろ、考えろ!」
「今も戦場をあの子達は駆けている!あの子達に顔向けできない様なみっともない真似はするな!」
「全員、最適を為せ!宜しいか!!」
踵が打ち合わされる音。号令が掛かったかのような揃った敬礼
「それでは総員、掛かれ!!」
一瞬で溢れる喧噪。だが先程の様な混乱や狼狽は無い。皆が理路整然と最適を目指して動いている
「…アムロ…子供達…無事でいてくれ…。」
テム・レイの絞り出す様な小さな声に答えは無かった
- 115二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 06:04:12
直前までマスコミの取材で民間船も多数いたから、報道とかも大事になっていたでしょうな。
- 116二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 08:23:55
テムさん、、、カッコ良すぎだろ
- 117二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 09:57:41
『大丈夫か! ドゥー!しっかりするんだ!』
「……う…ぐ……う、うん、ちょっと頭痛はするけど、戦闘には問題ない」
心配の声をかけてきた天パの声に、ボクは崩壊寸前だったメンタルを何とか持ち直して返答する
見れば、凄まじいキラキラの放出と共に、ア・バオア・クーを「向こう側」へ飛ばしたイオマグヌッソは、放電しながら沈黙していた
あんな凄まじい効果を起こしたのだ、多分機器の冷却の為に次の使用までインターバルが必要なのだろう
程なく小さく煌めく物がイオグマヌッソに入るのが見える、あれはマチュが搭乗するジークアクスであるのは間違いない
それを見届けたボクは、自分の役目を果たす為、目を閉じて意識を集中して周囲の空域を感覚的な目で「見る」
混乱している報道船の輪の遥か向こう側、向きにして14時方向サイド4方面、其処に悪意の塊の如き思念が「居た」
「見つけた」
『バスク少佐か?』
「うん、間違いない。こっちへ向かってきてる。民間の船に被害が出る前に急ぐよ、Gで潰されないでね天パ」
天パへ注意を促した後、ボクはスロットルを全開にして身体を一気に加速させる。
傍から見れば、スラスターの噴射光を引いて飛ぶボクの身体はさながら重力に逆らい飛ぶ流星の様に見えただろう
『うっ、ぐっ、これは……! 流石に、きついな……!』
全身を座席に押し付けるGが掛かる中、通信越しに天パが苦しげに呻く声が聞こえる、まだ喋れるから大丈夫だろう
一方で、ボクは「この為」に作られた強化人間だ、だからブラックアウトする事もなく正確に目的地へ向かえる
やがて遠くに見えてきたのは、サラミス級2隻マゼラン級1隻、護衛の見た事の無いMS9機、その後ろに控える懐かしい巨体
それを確認したボクは、ムーバブルシールドを逆方向に向けてスラスターを噴射し加速を緩めてゆく。相手もこちらに気付いただろう、護衛のMSの動きが俄かに慌ただしくなる
『ギャプランの全開の加速、これほどとは……死ぬかと思ったよ』
「天パ、Gでへばってる場合じゃないよ、少佐だ」
通信越しに荒い息を漏らす天パに活を入れつつ、ボクはオープン回線を開き、前方の一群に向けて通信する
「そこの所属不明の人達、ここへ何の用かな? そんな物騒なの連れてのイオマグヌッソへの接近は禁止だよ」 - 118二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 10:01:42
ボクの呼びかけに対して、一瞬の沈黙の後、応答したのは聞き覚えのある傲慢そうなだみ声
『その忘れようのない声、そしてあの無茶苦茶な加速での接近……まさか貴様、ドゥー・ムラサメか!?』
「お久しぶり、バスク少佐。地獄の底から舞い戻ってきてやったよ。感動の再開だね?」
『ドゥー、貴様、その機体の紋章からして、ジオンの宇宙人共に寝返ったのか!?』
「ああ、これ? 少佐に見捨てられてから色々あってね、美味しいお菓子貰えるから付いちゃった」
直後、通信越しに何かを強く叩く音、恐らく怒り心頭の少佐が壁か何かを殴ったのだろう
そして少佐が怒りを露にした声で、後ろに控えている者へと命令する
『ドライ、少々早いが命令だ! あの宇宙人共に与した二機を貴様の全力をもって撃墜しろ!!』
『任務受諾、ジオン所属の敵機二機の撃墜命令了承、戦闘を開始』
感情の無い冷徹な声と共に、ボクの前の身体に似た”それ”がボク達の方へ向かってくる
同時に巻き添えを恐れたのだろう、少佐の艦隊が後方へ退避してゆき、通信越しに少佐の勝ち誇った声が聞こえる
『ドゥー! そのⅡ(セカンド)は貴様の前の身体とは比べ物にならない位に強化されている!覚悟する事だな!』
「だってさ、来るよ、天パ」
『相手はどんな攻撃をするか分からない、回避に専念してくれ』
「分かった、さっきも言ったけど振り放されない様にね」
ごく短いやり取りの間に迫って来るⅡ(セカンド)と呼ばれたソレ、動きがかつてのボクの身体以上に速い、流石は強化型か
ボクが感心する間も無く、Ⅱ(セカンド)の装甲が次々と分離して行き、自分の周囲を取り巻く様に動いた後、一斉に襲い掛かって来る
早速使ってきたか、質量ビット――いや違う!あれの機能は質量とビーム反射だけじゃない! 悪寒の様に走る予感!
反射的に身体を加速させると同時に、質量ビットと思われたそれからビームが放たれ、先程ボク達がいた位置を通り過ぎる
『ちぃっ、あの装甲にビーム砲を増設したのか!』
「全く厄介な強化をしたものだね、これじゃ避けるしか出来ないよ!」
無数に降り注ぐビットからのビームと突進、本体の拡散メガ粒子砲、そして腕部五連メガ粒子砲からのビームの雨をぎりぎり回避しつつ、ボクと天パは額に汗を浮かばせるのだった - 119二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 10:04:31
- 120二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 10:24:35
ちなみに護衛のMSはGQ世界のマラサイと想像してください(投下したのにも間違いあったと気付き頭抱えつつ)
- 121二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 12:04:59
- 122二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 18:12:46
気にならんほど面白いので、気にせず書き続けてくだされ。
- 123二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 20:59:21
四方八方から無数に降り注ぐビームの雨と装甲ビットの執拗な突進の中を、ボクはムーバブルシールドを可動させて急角度に動く事で回避する最中
背中の天パのディジェが装甲ビットの一つへビームライフルを撃つが、対ビームコートが施されているらしく表面で弾かれる
『チッ、MSのビームライフルじゃ撃ち抜けないか! ならバズーカは如何だ!』
天パは即座にバズーカに持ち替え、装甲ビットへ撃つが、命中し爆発した後には殆ど無傷の装甲ビットの姿
前の身体の時も通常のMSの火器程度じゃ壊せなかったんだ。それが強化された物なら猶更だろう、其処でボクは決断した。
「アムロ! 後退した少佐の方をお願い! こいつはボクが相手をする!」
『……分かった! ドゥー、くれぐれも墜とされるんじゃないぞ!』
一瞬の沈黙の後、ビームの雨の間隙を縫ってディジェがボクの身体から離れ、少佐の艦隊の方へ向かっていく
その際、装甲ビットの何個かが追撃するも、そのいずれも見事な回避機動で避けきっていった
これで天パのディジェの重量分だけ軽くなって、天パの身体を気にせず回避に専念できる。そうボクがそう思った矢先だった
「嘘だろ!?」
あろうことかⅡ(セカンド)の腕が分離し、有線ビットとして指の五連装ビームだけでなく、砲身を展開して青い光の砲弾を放ってきた
待て、そんな機能まで追加しているのかよ!!さっき放ってきたのは電磁投射砲か!?多分あれはビグザムのIフィールド対策に追加したのか!?
くそ、相手はボクが想定していた以上に強化がされている、まともに戦っても宇宙の塵にされるのがオチだ
かといって、ただ避けるだけしか出来ない状況のままじゃ何れガス欠で宇宙の塵だ。だけど、こいつを行かせる訳には行かない!!
あそこにはまだ戦ってるマチュやヒゲオヤジ、そしてソドンの人達が居るんだ! だから、何としても諦めて堪るか!!
「!!」
ボクを決意を固めたその瞬間、イオマグヌッソの方から不可視の波動が放たれ、何時もと違うキラキラが空間を埋め尽くす
それは偶然のタイミングだったのだろうけど、Ⅱ(セカンド)は突然の事に戸惑う様に装甲ビットの動作も攻撃も止めた
そして様々な色に変わるキラキラの中で、Ⅱ(セカンド)のコックピットの方へ視線を向けてみれば、
其処にパイロットと思しき、ボクより若い白髪の少年が驚愕の表情を浮かべていた - 124二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:02:39
多分、Ⅱ(セカンド)のパイロット、ドライ・ムラサメにとってこれほどの濃密なキラキラに包まれるのは初めてだったのだろう、困惑の声を漏らす
『原因不明の現象?? 理解不能、理解不能』
「これはキラキラと言うんだよ、ボクはこのキラキラが好きなんだ、ぱぁって広がってね、とても綺麗なんだよ」
『キラキラ……綺麗……?』
「そう、キラキラの中だとね、何でも出来そうな感じがして、とても安心する。君もあんな奴に利用されず自由に生きた方が良いよ」
『駄目だ、マスターの命令は絶対、守らないと、処分される』
ドライの怯える声と共にキラキラの空間が消えて、通常の空間へと戻る。ああクソ、これで説得出来れば……
ふと目を移せば、未だにキラキラの影響が抜けて無いのか、Ⅱ(セカンド)はまだ止まっており、装甲ビットも有線誘導式腕部も虚空に漂っていた
分かったよヒゲオヤジ、今こそこれを使う時なんだね。そして弟君、ボクが君をくびきから解き放って自由にしよう
ボクはとても落ち着いた気分でコックピットに増設された機器を操作し、カバーに覆われた作動スイッチに拳を振り下ろす
『PSYCO Usurper System start-up!』
モニターにその表示が出た瞬間、ボクの身体(ギャプラン)を中心にして不可視の力が解き放たれる
その瞬間、視界はキラキラに包まれた時と同じ状態となり、虚空に浮かぶ装甲ビットが黒く色づいた状態に見える
それに感覚的な手を伸ばしてみると、装甲ビットがボクのキラキラの色と同じ色に染まり、感覚で効果を実感する
こうやってビットをハッキングして乗っ取るのか、それを理解した後は周囲に浮かぶ装甲ビットを次々とボクの色に染め上げていく
だが、周囲に浮かんでいた装甲ビットの半分までボクの色へ染めた所で警告音が鳴り響き、視界が通常の物へと戻る
『Shutdown due to load limit』
モニターを見ればその一文が表示されていた、どうやら時間切れの様か。だけど、半分も奪えれば十分!
そのタイミングでⅡ(セカンド)が再び動き始め、狼狽したドライの声が響く
『僕の身体の一部が……お前、何を、何をした!』
「悪いね、ちょっとばかり、君の身体の一部を頂いちゃったよ」
ボクの言葉と同時に、先程までボクに襲い掛かっていた装甲ビットの半数が、ボクの身体を守る様に周囲を取り巻いた - 125二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 01:00:15
回避機動を取っていたマラサイの一機の胴体をビームが貫き、火球へ変える
それにうろたえる事なく、周囲のマラサイが相手へ十字砲火を浴びせるべくフォーメーションを組むが
相手はむしろそれを逆に利用し、撃つと味方に当たる様に仕向けて此方の攻撃を制限してくる
三隻の戦艦も、巧みに動き回る一機に対して砲撃を加えようとするも、どれも味方機に当たる位置へ移動する為
うかつに砲撃を出来ないでいた
旗艦のマゼラン級コンゴウ
随従艦のサラミス級バッファローとシャーロット
そして新鋭機であるマラサイ九機三個小隊
それに対して、機種不明のジオン軍機はたった一機で向かってきた
当初は、この行為に対して旗艦コンゴウに搭乗していたバスク少佐を始めとしたほぼ全員が自殺行為だと嘲笑した
だが、戦闘が始まって数分、既にマラサイ一個小隊が全滅し、残る二個小隊も相手を必死に撃ち落そうとするも、まるで予知した様に避け
逆に回避した位置にビームを放たれ、撃墜されるという信じられない光景を目の当たりにしていた
『たかが一機に何をしている、撃て、撃って撃って撃ちまくれ、この際誤射しても構わん! 奴を撃ち落とせ!』
旗艦のコンゴウからバスク少佐が怒り心頭に叫ぶが、それをやろうとしてもできない状態に陥っていた
バスク少佐以外の誰もが、今相対しているたった一機のMSのパイロットがニュータイプだと思わずにいられなかった - 126二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 01:40:41
射撃では余りにも回避される為、MS部隊はやむなく戦術を変更し、
一個小隊が接近戦で攻撃を試み、もう一個小隊が後方から支援射撃を行うフォーメーションに移行する
三機のマラサイがビームサーベルを抜いて一斉に相手へ襲い掛かる、しかしそれを読んでいたかの様に相手はビームサーベルの攻撃を潜り抜けると
支援射撃を物ともせず、ナギナタ状の近接武器を抜いて、体勢を立て直そうとした二機を纏めて両断し、火球へと変えた
この時点でサラミス級のバッファローとシャーロットも対空火器にて射撃を開始するが、
それが仇となって、体勢を立て直し追いすがろうとした近接担当のマラサイを誤射し、撃墜してしまう
これによりマラサイは三機だけとなり、焦った彼らはマゼラン級の対空火器によって生まれた隙を突く作戦に切り替えるが
対する相手は、無数に降り注ぐ対空火器の隙間を縫って移動し、的確な三斉射でバッファローの主砲塔と艦橋とエンジンを撃ち抜き轟沈に追いやる
その爆発の余波で残った三機が体勢を崩され、一機がビームライフルで撃ち抜かれ、もう一機は縦一文字に両断され、残る一機はシャーロットへ蹴飛ばされる
マラサイを激突させられたシャーロットは姿勢を大きく崩し、狂った様に対空火器と主砲を撃ちながら体勢を立て直しにかかるが
その時にはシャーロットの後部へ回った相手が、シャーロットのエンジンノズルへバズーカを数発撃ち込み、シャーロットは膨れ上がる様に爆発轟沈する
この戦闘の流れによって、完全に不利となった残るコンゴウは必死に射撃を行いつつ相手からの逃亡を図る
切り札である筈のドライ・ムラサメのサイコガンダムⅡ(セカンド)に救援を求めるも戦闘中なのか応答がない
この時、コンゴウの乗員はやっと気づいた、もはや自分達を助ける者はいない、全てが遅すぎたという事を
狂乱状態に陥る艦橋の中で、バスク少佐は「やはりニュータイプは化け物だ」という事を実感せざる得なかったのだった - 127二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 03:11:17
イオマグヌッソが稼働し…ア・バオア・クーと呼ばれる要塞とその周辺に展開された兵力が消滅した
流石に我が目を疑った…あんな、威力でも無い、攻撃だとすら思えない、だが現実に要塞が瞬時に消滅するなど!
「奴等め、あんなものを作っていたなど…だがこの私が正しく使用してやろう、奴等は己が作り出した刃で己の喉笛を引き裂かれる事になるのだ!」
「ドライ・ムラサメ、もうすぐお前の任務の時間だ。存分に力を振るい、我が道を阻む者全てを駆逐せよ!」
「…少佐、高速で近づく物体があります、とんでもないスピードです、大きさは…ミサイルではなくMS!?この速度で!?」
「何だと?ここを狙っているのか!?総員戦闘配置!迎撃態勢を取れ!」
その命令の直後、オープン回線の通信が入った
『そこの所属不明の人達、ここへ何の用かな? そんな物騒なの連れてのイオマグヌッソへの接近は禁止だよ』
「その忘れようのない声、そしてあの無茶苦茶な加速での接近……まさか貴様、ドゥー・ムラサメか!?」
生きていたのか。最初に出た思いはそれだった。あの機体の損傷具合から死体は蒸発したものと思われていた
我ながらどんな気まぐれだったのか、あの強化人間には目を掛けていたように思う
突然部屋に押し入りかばんにスイカを入れて無言で立ち去ったなど…はっきり言って十二分に不審者と言うか異常者だ。あの時の私は一体何を考えていたのか
そんな心情が漏れなくて幸いだった。いつもの声が出ていただろうか?
- 128二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 03:14:55
『お久しぶり、バスク少佐。地獄の底から舞い戻ってきてやったよ。感動の再開だね?』
そんな言葉が返ってきたという事は私の内心はばれなかった様だ。我ながらそんな事を考え安堵した事に驚愕した
だがそれも一瞬、ドゥーが駆っているであろう見慣れない機体の紋章に目を奪われる
「ドゥー、貴様、その機体の紋章からして、ジオンの宇宙人共に寝返ったのか!?」
あの子が寝返った!?ジオンの宇宙人共に!?
『ああ、これ? 少佐に見捨てられてから色々あってね、美味しいお菓子貰えるから付いちゃった』
目の前が赤く染まった。そして怒りのまま机を殴りつけていた。そんな理由でお前は私を裏切ったのか…!?
裏切られた。その憤激の衝動に我知らず怒りに満ちた声を上げた
「ドライ、少々早いが命令だ! あの宇宙人共に与した二機を貴様の全力をもって撃墜しろ!!」
ドライの復唱も耳に入らず言葉を続ける。私の怒りを思い知るがいい!
「ドゥー! そのⅡ(セカンド)は貴様の前の身体とは比べ物にならない位に強化されている!覚悟する事だな!」
裏切りなどという反逆行為にはお仕置きが必要だからな! - 129二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 03:31:56
ドゥーのハッキングと天パの無双キタ!これで勝つる!!
- 130二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 04:25:20
「ユーハブ」ではなく「ドゥーハブ」って言っちゃったとかゴリ押ししてみる
最初はドゥー・ムラサメ、ギャプラン出るよって言ってたのが
ここではドゥー・ムラサメ、出るよって言ってるのがギャプランを自分の身体に出来たと思えるほど訓練で鍛え馴染んだんだな、とか思ってみた
- 131二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 06:23:29
- 132二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 10:41:23
『返せ、返せ僕の身体!僕の身体ぁぁぁ!!』
さっきまで感情の無いAIのような口調だったのが嘘の様に、ドライが怨嗟の声を上げる
ああ、これ、イズマコロニーでキラキラが感じられなくなって錯乱したあの時のボクと同じだ
尤も、ドライの場合は彼の身体の一部である装甲ビットを奪われた事によるのだが
「初めて感情を出せたじゃない、ならもっと発露してみなよ」
言いながら、簒奪してボクの物とした装甲ビットに対して命令を下す、ターゲットは……奪えなかった装甲ビット
ボクへⅡ(セカンド)の装甲ビットが襲い掛かろうとした矢先に、先程まで己の物だった装甲ビットが阻み、体当たりを仕掛ける
彼方此方で装甲ビット同士が衝突し合い、Ⅱ(セカンド)自身の攻撃も己の物だった装甲ビットに阻まれ状況は混迷に陥る
『くそ!!僕の身体を勝手に使うな!!』
「良い感じの怒りだよ、少佐に従ってた時より人間らしい」
ドライが怒りの声を上げながらボクへ残りの装甲ビットを差し向け、胴体の拡散メガ粒子砲と有線誘導式五連装ビーム砲を浴びせるが、しかしそれはボクが奪った装甲ビットに阻まれ、あるいは雷の如くジグザクに動き回るボクの身体の機動に翻弄され、かすりもしない
次第にぶつかり合う装甲ビットが、己自身の硬さに耐えきれず、其処彼処で相討ちの様に破壊され火球と化してゆく
『僕の、僕の身体がぁ!!よくも!よくもぉ!!』
「ほらほら、度を越した怒りは冷静さを欠く、冷静さが欠いたら隙も生まれる――其処っ!」
狂乱状態と化したドライの意思を受けて闇雲に攻撃を行うⅡ(セカンド)
ボクはその隙を見逃さず、攻撃を行おうと一瞬動きを止めた右の有線誘導式五連装ビーム砲目がけ、抜き放ったビームサーベルを投擲
深々とビームサーベルが食い込んだ有線誘導式腕部五連装ビーム砲は膨れ上がる様に火球と化す
そのまま動きを止めずもう一本のビームサーベルを抜き放ち、すれ違い様に左の有線誘導式腕部五連装ビーム砲を両断し火球に変える
だが直後、最後の一基の装甲ビットが放ったビームが左足を貫き、誘爆する前にボクは咄嗟に左太もも下からビームサーベルで切り離し、退避する
「慢心も隙を生む、か……ボクもまだまだ天パには程遠いね」
装甲ビットの殆どを失い、両腕を失っても尚怒りのオーラを滾らせるⅡ(セカンド)を前に、ボクは自嘲気に漏らしたのだった - 133二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 10:45:51
その時、ミノフスキー粒子を介して声が聞こえた。マチュの声だ
感覚を研ぎ澄ませば、マチュの乗るジークアクスとジークアクスの同系機がMAVを組み、白いMSと戦うのが見えた
それを見た際「白い悪魔」という言葉が脳裏をよぎる。あれはキラキラの向こう側から来た存在か、何故かボクはそう確信できた
瞬間、ボクは身体を動かして無数のビームから回避し、その隙を突こうとした最後の一基の装甲ビットをビームサーベルで両断する
しかし僅かに回避しきれなかった物が装甲を抉ったが、この程度の痛みくらい問題無い、我慢できる!
それに対し、ビームを放ったⅡ(セカンド)から聞こえるのは、中のドライからの疑問符
『何故だ、何故、僕がたかがMS1機に圧されてるんだ……!?』
「弟君はお姉ちゃんに勝てない物だよ、それに誰かに縛られた状態だと猶更ね」
『う、煩い煩い煩い消えろ消えろ消えろ!!』
「まったく、聞き分けの無い弟君は躾をしなくちゃね」
言いながらボクは、Ⅱ(セカンド)が胸部メガ粒子砲を放つ瞬間に、簒奪した装甲ビットの残り二基を盾にする
直撃を受けた装甲ビットは盛大に爆発を起こし、その爆炎を割って飛び出てきた何かをⅡ(セカンド)は頭部ビーム砲で迎撃する
しかしそれは切り離された右のムーバブルシールド、ビームの直撃を受けたそれが爆発し、ドライは一瞬ボクの姿を見失う
『何処だ!?』
「上を見なよ、弟君」
狼狽するドライに対し、ボクは一言だけ返すとⅡ(セカンド)の頭上からビームサーベルを振り上げ急襲する
驚愕したドライが咄嗟に頭部ビーム砲で迎撃するも、焼き溶かしたのはビームサーベルを持ってない方の右手
直後、加速を付けてボクが振り下ろしたビームサーベルがⅡ(セカンド)の頭部ビーム砲に胴体の大型メガ粒子砲をまとめて縦一文字に焼き切った
Ⅱ(セカンド)が全ての武装を失うと共に、発光していたフレームが光を失い、その巨躯が糸の切れた操り人形の様に力を失う
そして空色のキラキラの空間の中、ドライが何処に向ける事なく疑問を漏らす
『なんで、なんで勝てなかったんだ、僕の、僕の身体の方が強かった筈なのに』
「教えてあげようか、弟君。君には足りなかった物がある、それは戦いの経験値と、自分が幾ら傷つこうとも誰かを守る強い意思だ」
『誰かを守る強い意思、か…』
したり顔のボクの答えに対し、ドライは目に涙を浮かべ呟いた - 134二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 10:56:24
- 135二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 17:58:00
保守
- 136二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 19:02:15
これだけ濃厚な物語を描けるのは純粋に尊敬できる めっちゃ引き込まれてちゃうもん
しかももう4スレ目なのがすごすぎる… - 137二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 19:29:02
僕とボク、、、
ドライは男の娘と、、、 - 138二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 21:27:48
- 139二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 22:19:54
ドライからの抵抗が完全になくなったのを確信したボクは、ボロボロになった身体(ギャプラン)から出ると、
前の身体と同じならと思いつつ、機能を失ったⅡ(セカンド)のコックピットハッチを緊急解放操作をして開ける
「ほら、弟君。何時までもこんな身体に固執してるのさ、外に出るよ。殴ってでも引っ張り出してやるからね」
『…………』
真っ暗になったコックピットで蹲っているドライを見つけると、ボクは無理やりドライを立たせ、その手を引いてⅡ(セカンド)から出る
そして、外に出たボクはイオマグヌッソの方を指さして、ドライへ其処で起きている光景を見せつけてやる
「ほら、見なよ、弟君。あそこに傷ついても自分の自由と誰かを守る為に戦ってる子がいる。あの子はボクの友達だよ、強いよね?」
『……友達……』
丁度、巨大化した白いMSの上を駆け上がり、ビームサーベルを巨大化させながら最後の一撃を振るわんとするジークアクスが「見える」
その際、ミノフスキー粒子を介して、マチュの強い意志と想いを込めた言葉がボクの意識へ響き渡る……ああ、本当に強いね、マチュは
『ドゥー! 無事か? こっちは全て終わった! バスク少佐も確保した』
不意に掛った通信に振り向き見れば、トリモチで身動きを奪われた脱出艇を片手に抱えたほぼ無傷の天パのディジェが近づく所だった
戦艦三隻とMS9機相手にして殆どダメージ無しな上に、少佐を捕獲してくるとは、やっぱり天パは別次元に強いな。本当に技師なのか?
「こっちも終わった所だったよ、身体はボロボロになっちゃったけどね」
『頑張ったな、ドゥー、俺も大変だったよ』
「天パ、ほぼ無傷で勝っておいて、大変だったって言うのかな?」
天パとそう語らっていた所で、不意に聞こえる、何処かで聞いた事のある女性の声
『ありがとう こちら側のニュータイプさん』
その声と共に、イオマグヌッソから今までに感じた事の無い暖かいキラキラがあふれ出し、ボクと天パとドライを通り抜けてゆく
やがてキラキラが消えた頃には、頭を失った巨大な白いMSは消え去り、イオマグヌッソもかつての威容が見る影もない残骸と化していた - 140二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 22:23:03
最早イオマグヌッソの僅かな残骸しか残ってない空域を眺め、何とも言えない感慨を込めて天パが呟く
『彼女が向こうの世界へ帰っていったか……良かった、本当に良かった』
『さっきのキラキラ?……とても、暖かった……』
ドライは、あのキラキラで先程の戦いまで見せていた殺気を完全に抜かれたのか、大人しく純粋な少年として素直な感想を漏らした
一方、ボクはミノフスキー粒子を介してある声を感じ取っていた、それは友達であるマチュの嗚咽
それを聞いたボクは居ても立っても居られず、
右手を焼かれ、左足を喪失し、装甲の彼方此方が溶解した外見ボロボロの身体へ乗り込むと、モノアイを天パに向けて頼み込む
「天パ、悪いけどその子を任せた。後、ソドンにこのⅡ(セカンド)の処分をお願いしておいて」
『ドゥー、何処へ行くつもりだ?』
「今、マチュが泣いているんだ、慰めてやらないと」
そう伝えた後、ボクは身体をMA形態にして、残ったスラスターを噴射してマチュのいる方へ急がせる。まだもうちょっと頑張ってねボクの身体
その際、ミノフスキー粒子を介して天パとドライの会話が聞こえた
『あのお姉ちゃん、何処へ行くんだろう』
『昔傷つけてしまったけど、今は和解して友達になった子を慰めに行ったんだよ』
彼方此方からアラート音が鳴り響くボロボロの身体に鞭を打って急ぎつつ、ボクは思う
そもそも、マチュが犯罪者にしてしまい、故郷を離れ去る得なくさせてしまったのは、かつてのボクが引き起こした事が始まりだ
だからこそ、ボクは彼女を慰めてあげないといけない。贖罪と言うのも難だけど、友達ならやるべきじゃないかなと思う
「着いた」
数分ほどして、イオグマヌッソがあった付近で、力なく漂うジークアクスの元へたどり着く
ボクは身体をMS形態に変形させ、無事な左手で触れると、聞こえるのはマチュの嗚咽とハロの的外れな心配な言葉だった - 141二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 22:31:39
ボクはジークアクスに接触回線を開き、マチュに声をかける
「どうしたのマチュ、そんなにべそなんてかいちゃって、何時ものマチュらしくないよ?」
『うっ、くっ、シュウちゃんが、向こう側に帰っちゃった……うっぐ、ひっく』
「シュウちゃんって、大切な人だったんだね? でも、死んだ訳じゃないでしょ?」
『でも、向こう側に行っちゃったら、どうやって会えるのさ、そんなの、分からないよ』
ああもう、ボクはこういう湿っぽいのは嫌いだ。ボクはちょっと声を強めにして言う
「だったらさ、こっちから会いに行けばいいじゃないか!」
『ドゥーっち、会いに行くって言ってもどうやって?』
「そうだね、あのキラキラと同じの引き起こして向こう側への道を作ればいいんだよ」
『出来るかな、そんな事……』
「あのねぇ、ボクには聞こえていたよ『私たちは毎日進化するんだ。明日の私は、もっと強くなってやる!』って、そんな大言壮語言ったニュータイプが、こんな事くらいで不安がって如何するんだよ!!今日できなければ明日に出来る様にする、明日出来なければ明後日に出来る様にする、それがマチュなんだろ?」
『あ、あはは、ドゥーっちに全部聞かれちゃってたの、恥ずかしいね』
「何か知らないけどボクの認識能力が爆増しててね、こっちまでガンガン聞こえてたよ。それで、どうするの? マチュ」
『会いに行く、どんなに時間が掛かっても、どんなに苦労を重ねても、きっとシュウちゃんに会って抱きしめて見せる』
この時、ボクは自然と微笑みを浮かべていた。何時ものマチュに戻ったという安心感を感じて
「そうと決まれば、先ずはソドンに帰って身体を休めよう、皆が待ってる」
『ねぇ、ドゥーっち、そのボロボロの身体(ギャプラン)で大丈夫なの? いきなり爆発しない?』
「彼方此方からアラート鳴りまくってるけど、幸い致命的な物は無いよ、ほら、グリップに摑まって」
ボクは身体をMA形態へ変形させ、グリップを展開させる、其処をジークアクスが掴んだのだろう、グリップの圧力センサーが緑へ変わる
「さ、帰ろう、帰ったらシャワー浴びて、美味しい物食べて、ゆっくりとベッドで寝よう」
『そうだね、ドゥーっち! あぁ、行き成りの出撃だったからお腹空いてきちゃったよ』
ボクはマチュと他愛のない会話をしつつ、近づいて来るソドンに向けて無事だと通信を送り、帰りに就くのだった - 142二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 23:13:58
- 143二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 00:29:02
- 144二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 01:49:48
見入っちゃった…って文章だと表現おかしいけど
ここまでifでストーリーくみ上げられる筆力に脱帽ですわ - 145二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 02:24:13
この話ではヒゲマンどうなるんだろう
しばらく出て無いから忘れてた… - 146二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 03:52:16
ドゥーが操縦するMAモードのギャプランがガチ回避する急制動急加速の中で普通にビームライフルに続いてバズーカ当てる天パマジ天パ
信頼からなのか全開での戦闘状態という極限状態だからなのか我知らず「アムロ!」って言っちゃうドゥーの嬢ちゃんマジツンデレ天使
虚を突かれて黙っちゃう天パも精進が足りんわ!
ここにきてドゥーにお姉ちゃん属性開花…だと…!?
- 147二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 06:29:08
乙です。
- 148二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 08:02:16
圧巻しました……。 やっぱり面白すぎる!! そしてこれからどうなるんだろうな…
- 149二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 12:24:24
何度読み返しても面白い
そしてその度にセイラさんがふつーにいるのが刺さる
あの人どうやって軍艦に入ってきてるんだ
突然のスクランブル発進…スクランブルなんだから突然に決まっているんだけど
戦闘終了して満身創痍で帰投したドゥーは涙目で抱きしめられてほぼ無傷の天パにはそれでも熱いちゅーかな?
そんでドゥーの嬢ちゃんの秘められた感情が大爆発と
「テン・・・アムロはボクのだ、お姉さんにだって渡さない!!」
その一瞬後に整備デッキ全体が凍結する様な気がお姉さんから放たれるんだ
人生最大の覇気に圧倒されてる嬢ちゃんにお姉さんが優しく微笑むんだ
「ふふ、ようやく正直になったわね?」って
「これからよろしくね?ドゥー・ムラサメ」って
いいのかこんな妄想駄文投稿して - 150二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 14:54:48
「こちらドゥー・ムラサメ、これより着艦するよ、片足無いから保護柵の展開お願い」
『こちらマチュ、同じく着艦するよ、なんか食べ物と飲み物お願いね』
『了解、ドゥー・ムラサメのギャプランは一番へ、マチュのジークアクスは二番へ着艦してください』
「はいはい了解、それと後で天パが大きな得物と捕虜を連れて戻って来るからその受け入れ準備もよろしく」
ソドンへ通信を送ると、その通信越しに多くの人達の歓声が聞こえたのを感じた
恐らく皆待ちわびていたのだろう、マチュとボクの帰還を
まぁあれだけの大きな戦いだったのだ、ソドンにいた皆は気が気でなかっただろう
ほどなく、要請通りに保護策が展開された一番の着艦デッキへ身体を滑り込ませる
そして整備デッキへ自動的に移動し、コックピットハッチを開けるや否や、待っていたとばかりに整備兵や技師だけでなくソドンの乗員などが群がって来る、流石にこんなに来られると困惑するんだが
その人の群れから何とか逃れ、無重力下用の栄養剤(イチゴ味)を飲んでいると、声をかけてきたのはヒゲオヤジ
「ドゥー、無事に帰ってきましたか」
「お、ヒゲオヤジ、無事だったんだね、キケロガの方は見えなかったけどひょっとして壊しちゃった?」
「はは、色々ありましてあの様ですよ」
言ってヒゲオヤジが指さした方には、ボールみたいなキケロガのコックピットブロックだけが係留されていた
それでボクはどうしてこうなったかを察し、ヒゲオヤジにしたり顔で言ってやる
「ふーん、ボクに無理しない様にと言っておきながらこのザマなんて、灰色の幽霊も地に落ちたね」
「返す言葉もありませんよ、おまけに若者に説教もされましたからね……面目次第もありませんよ」
そう語るヒゲオヤジは、何か重たい荷物をようやく下ろせた様な雰囲気をしていた
そしてヒゲオヤジは何処か真剣さを混じらせた言葉でボクへ言う
「しかし、私の見込んだ通り、貴女は見事にやってのけましたね」
「そうさ、自ら進化を望んだボクだからこそ出来た事だよ、ヒゲオヤジ」
「そこですよ、ドゥー。自ら進化を望み、死の運命を乗り越え、困難辛苦を物ともせず自分の為ではなく誰かの為に絶望に打ち勝った貴女も、ある意味では真のニュータイプと言えるかもしれません」
ヒゲオヤジから殊勝な言葉を投げかけられたボクは、少しだけ戸惑いを隠せず、返す言葉に困ったのだった - 151二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 14:56:10
ごちゃごちゃになった考えを取りまとめたボクは気を取り直して言葉を紡ぐ
「真のニュータイプって、そんな大袈裟な。確かにあの時はああ言ったけどさ、ボクは所詮は紛い物に過ぎないよ?」
「いえ、本物も紛い物も、天然も養殖も関係ないのです、真のニュータイプは何を成して如何結果を残したか、それに尽きるのですよ。其処は貴女もマチュも変わる所はありません」
うぬぬ、其処まで言われると今度はボクの方が返す言葉が無くなっちゃ――そこで唐突に横から何かが飛びついてきて体勢を崩しかけた、犯人はジークアクスから降りたマチュ
「ドゥーっち! 私はやるよ!何としてもシュウちゃんを見つけ出してやるから!ドゥーっちの言葉で決意着いたよ!」
「ああ、そう、決意したんだねマチュ。だからそんなに強く抱きしめないで、ちょっと苦しい」
「フフ、お二方が元気な所を見た所で、私は大人としてやるべき事をやりましょうか、それではこれで」
ボクとマチュの様子を見て、笑みを浮かべるやジオン式の敬礼をして何処かへ行くヒゲオヤジ。こらー!まだ話終わってないぞ逃げるな―!
「ドゥー! 大丈夫だったか? 怪我はないか?」
「あ、天パ。やっと帰ってきたんだ」
「アムロンも無事だったんだ! みんな無事でよかった!」
マチュにしがみ付かれた状態で声を掛けられ、振り向いて見れば恐らくバスク少佐を引き渡し、ドライを保護させてきた天パ
見れば天パのディジェはやっぱりほとんど無傷で、満身創痍なボクの身体とはやはり大違いだ、なんかそれがムカつく
天パはボクとマチュが無事そうだと見ると、安心した様に溜息を漏らし
「やっと、全部終わったな、なんだか肩の荷が下りた気分だ」
「いや、まだだよ、天パ、これからが始まりになるよ、事後処理とか色々忙しくなりそうだと予想するよ」
「そういえばそうだったな、ドゥーもマチュも覚悟しておいた方が良いぞ」
それを聞いて「えーっ、あんなに大変だったのにまだやる事あるの」と肩を落とすマチュ、そんな能天気さにボクは呆れつつ、天パへ声をかける
「天パ、何かボクに言う事あるでしょ、例えばほら」
問いかけたボクに対し「言う事……何だったかな?」ととぼけて見せてくれた、なので隙を見て脛にローキックをしたが見事に避けられた、ムカつく - 152二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 14:58:16
マチュが戦闘の経過状況について報告をする為に離れた後、整備兵たちや技師達が早速帰還したボク達の機体へ群がっていた
「うわぁ、これで良く帰ってこれたな、彼方此方の関節がガタガタだし推進器関係もオーバーヒート寸前だぞ」
「これ、後数分戦闘機動をやっていたら空中分解している所だったんじゃないか? 良く持たせたな、ドゥーの譲ちゃん」
ボクの身体に群がっている整備兵が口々にそう言っている。お前達はそういうけど、ギャプランはボクの身体なんだからどこまで大丈夫か分かるから好き勝手言うなよ
しかし、技師の一人が言った言葉にボクは愕然とせざる得なかった
「残念ですがドゥーさん、損傷がフレームまで達しているため実質修理不可能です、なので使える機器を取り外して解体せざる得ません」
「えっ、ちょっと待って!!やっとこの身体と一つに慣れたのに解体しちゃうの? 止めてよ!!そんな事されたらボクが不安で押しつぶされそうだよ!?」
技師に食って掛かった所で肩を叩かれ、振り向いて見ればなんか優し気な笑みを浮かべた天パ
「大丈夫だよ、心臓であるドゥーが無事なら、また新しい身体を用意できるから。ドゥー、それまで我慢できるか?」
「……ふん、天パがそう言うならまぁ我慢してやるよ。でもなるべく新しい身体を用意できる様にして欲しい所だね」
ボクの言葉に天パが困ったような表情を浮かべた後、表情を真面目な顔に変えてボクへ言う
「さて、面倒臭いだろうけど戦闘の経過状況の報告だ、ドゥーは行けるな?」
「言わなくても行ってやるよ、それにしても強化人間のボクでも疲れたよ、終わったらたっぷり寝たい所だね」
そうしてボクは背伸びしつつ天パと一緒にブリーフィングルームへと向かう
……多分この一連の騒動が終わったらソドンから降りる事になりそうだけど、たとえそうなっても天パに付き纏ってやる
本来死ぬ筈だったボクを生き残らせ、色々と大変な目に遭わせてくれたんだ。だから地の果て宇宙の果てまでも付いて行ってやるからね
ボクら強化人間は執念深いんだ、覚悟しろよ、天パ
「どうしたんだ、ドゥー? 何かあったのか」
そんなボクの考えを知る事もなく、首を傾げる天パ。それに対してボクは意味深な笑みを浮かべてやるのだった
今まで凄く腹を立たせてくれたけど、今度はこっちの番だからね、天パ - 153二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 15:01:01
怒涛の展開もひと段落、後はエピローグです
ドゥーは何処までも言ってもツン八割デレ二割で居て欲しい物だと思うのです - 154二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 15:05:08
- 155二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 15:43:12
セイラ(アルテイシア)やらコモリやらララァから色々聴いて天パを堕とすんですな?
- 156二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 15:46:37
- 157二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 20:19:43
そりゃあ天才パイロット略して天パですから
- 158二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 20:24:45
- 159二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 20:26:55
- 160二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:24:29
- 161二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:25:50
- 162二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:41:02
イオマグヌッソを巡る一連の事件は、ソーラレイの暴走事故という事で決着がついた
そして捕縛されたバスク少佐は、軍事法廷の場に引き出され、
数多くの虐殺行為や非人道的実験の関与などの数々の罪と証拠から禁固2千年と言う死刑より重い罰が課せられた
その後、ボクが何より驚いたのは、何度か会った事のある金髪のお姉さんが、ジオンの次期総帥の座についたという事だ
まぁ、最初会った時から普通の人じゃないなとは思ってたけど、まさかジオンのお姫様だったなんてね
更に長らく消息不明だったゲーツの奴、意識不明でイズマコロニーの病院に入院していたそうだが
何と驚いた事に、意識を取り戻して身体が動く様になると、居なくなったボクを探すべく行動をしていたらしい
その際にカネバン有限公司とか言う怪しい会社に就職してMSパイロットをしていたそうだ
それを知ったボクが連絡を取ったら「うわぁぁぁぁぁぁ生きてたぁぁぁぁぁ!?」と酷く驚いていた
なんだよ、まるで幽霊にでも遭ったような感じに、酷いなゲーツの奴
後、マチュはある日忽然とジークアクスとともにソドンから姿を消していた。どうやらシュウちゃんとやらを探しに行ったらしい
その際、無論の事ながらソドンは大騒ぎになったが、ヒゲオヤジは「放って置きなさい、彼女にはまだやる事があるでしょうから」と言ったそうな
その時のソドンの皆の困り果てた顔が何となく頭に浮かぶ。マチュはやはり不言実行即断即決だなとボクは思う
天パは親父と共にイズマコロニーにて、ロンデニオン商会と言う小さな会社を立ち上げた
主な業務はスマホからMSまでの修理と、発明した電子機器の販売、そして様々な機器の改造
そして、ボクはと言うとそのロンデニオン商会の一社員として働く事となった
……実はと言うと天パもボクもジオンを辞めてはいない、陰ながらサイド6の動向の監視を行っているからだ。これは内緒だよ
ドライはと言うと、行方不明だったボクの弟、と言う名目で引き取った。今は人間らしさを取り戻す為のリハビリ中
彼はあのキラキラを受けた事で純粋無垢な少年となり、天パとその親父に可愛がられ、ボクの熱い指導を受けている
その度にドライは困った様に言う
「皆べったりとくっつかないで、僕は一人でもできるから」
弟君、そう言いながらフォークの使い方も碌に出来てないのは、お姉ちゃんは知っているんだぞ - 163二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:43:05
そして今、ロンデニオン商会はある業務に力を注いでいる
そう、ジオン公国、地球連邦、コロニー側の三国協議にて公営競技となったクランバトル事業だ
今まで非合法だった物を公営にする事で、金の流れを透明化する事に加え
コックピットへの攻撃の原則禁止を始めとしたルールの厳格化と、民間への被害の出ない競技場の設営等を行い
同時に非合法なバトルを原則禁止とし、払い下げられたMSの不正使用を防ぐというのが目的
だが実は、イオマグヌッソの一件で凄まじい大損をした三国の利害が一致したのが本当の理由らしい
それで呆れたのは、使うMSを何にしようかと悩んでいた所、唐突に差出人不明の巨大なコンテナが到着
何だろうと思ったら、コンテナの中にあったのは明らかにジークアクスの系譜を受け継いだMS二機
ご丁寧に一機は白に塗装されていて、もう一機はボクの前の身体(ギャプラン)を思わせる紫に塗装されていた
同封されていた手紙を要約すると『クランバトルにて実戦的なデータ収集をお願いいたします、収集したデータは後で回収に伺います』との事
多分これを送りつけたのはヒゲオヤジだろう、コンテナが来た時はボクや天パやその親父だけでなく税関職員も困り果ててたぞ
それは兎も角として、今、ボクは新たな身体となった紫のジープラフ(G-Plugh)のコックピットで、バトル開始の時間を待っている
『ドゥー、余り暴れすぎるなよ? 前みたいに競技場の一部を壊しかけるとか正直ヒヤヒヤ物だったんだ』
隣の白のジープラフに搭乗した天パから通信が入る、言われなくても分かってるよ天パ
『さぁ!バトル開始までカウントダウン開始!怒涛の五連勝中ユニコーン&バイコーンは今回もどんな熱いバトルを見せてくれるでしょうか!』
オープンチャンネルからクランバトルの解説が熱い中継を行っている
コックピットでカウントダウンが行われる中、ボクはもう直ぐ始まる戦闘に心を胸を躍らせている
操縦桿を握り締め、舌なめずりをしたいのを抑えつつ、ボクはあの言葉を口に漏らす
「さて、今回もキラキラで遊べるかな?」
カウントがゼロとなると同時に、白と紫の二機のMSがスラスターの尾を引いて虚空へと飛び出してゆく
そして熱い語り口の実況の中、バトルを見ていた者は誰もが目を見開いて驚くのであった - 164二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:45:17
今回はすごい腹が立つ出来事があったんだよね
それはロンデニオン商会の社員旅行という事で、地球へ降りて海で遊ぶと言う話になった時だ
本来なら民間のシャトルに乗って地球へと降りる予定だったのが、何故か近代化改修を終えたソドンの試験航行に付き合わされる事になった
如何してかと言うと、此方へ無理やり送り付けた筈のジープラフの重力下試験と言う名目で無理やり接収させられたのだ
そう言う訳で、ボク達はソドンの懐かしい面々とご対面となり、地球へと降りる事となったのだが……
しかし、ヒゲオヤジ、すかした顔をしているつもりだけど、その仮面はちょっと似合ってないと思うぞ?
まぁ、それはともかく、ソドンの試験航行とジープラフの重力下試験も無事に終えて、晴れて海で遊びに出る事になった
ボクと天パと親父とドライ、そして仮面ヒゲオヤジとコモリんの面々で辿り着いたのは、
コロニーの人工ビーチとは違う、自然の白亜の砂浜と、何処までも続く水平線の青く輝く海
以前、地球に来た時は色々あって泳げなかったから、ボクは待ちきれず服を脱いでその下に着た水着姿となって海へと向かう
と、誰も居ない筈のビーチに、ビーチパラソルを広げた先客の姿があった……あれ? あの赤い髪の子は何処かで見た気が、そう思った所で相手が此方に気付き、驚きの声を上げた
「ドゥーっち??何でここに??」
「いや、それはボクのセリフだよ、何でマチュがこんな所で遊んでるのさ??」
「おかしいな、バレない様に人が来る筈のない場所を選んだ筈なのに……?」
首を傾げるマチュに対して、ボクはある可能性を提示する
「ねぇマチュ、ひょっとしたら近くにジークアクスを隠してない?それで位置がバレてるんじゃないの??」
「あっ、いや、こっそり持ち出したつもりだけど、まさか全部筒抜けだった……?」
そこで、ボクとマチュは同時に電撃の様なカンが働き、これを仕組んだ犯人二人に思い当たる
ボクとマチュのジト目を受けて、海遊びセットの設営をしていた天パと仮面ヒゲオヤジが同時に視線を逸らす
「天パ!!これらの一連の出来事は全部お前の仕業か!!」
「ヒゲマン!!そう来るなら連絡位してよ!!」
そして、そそくさと逃げだす天パとヒゲオヤジを追うボクとマチュの姿を見て
長い黒髪の水着姿の少女が「どうしたのだろう」と首を傾げていたのだった - 165二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:47:38
FIN?で御座います
皆様、長らくご付き合い有難うございました
これよりROMに戻ります、ひょっとすればたまーに顔を出すかもしれません - 166二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:52:17
ちなみにオリジナルのMS設定や人物など
設定
MRX-010-Ⅱ サイコガンダムⅡ(セカンド)
ムラサメ研究所が開発したサイコミュを搭載した大型可変MA
多数の強力な武装を搭載し、キシリアの暗殺作戦にて投入されたが
その際に防衛火力の不足と性能がパイロットの精神状態に左右される不安定さが露呈し
それらを改善する為に改修を行った機体、そのため新規の機体ではなく二号機と言う扱いである
主な改修は、Iフィールド内に入り込んだ敵機迎撃の為に頭部へビーム砲の増設。
分離し、質量ビットとなる装甲へのビーム砲の設置。更に腕部を有線式攻撃端末として運用可能にした上で、
Iフィールドを搭載した敵機(主にビグザム)対策として電磁投射砲の増設を行った。
サイコミュも改良されており、パイロットの精神状態に左右される事無く安定した性能を発揮する筈である
gMS-γ ジープラフ(G-Plugh)
ジークアクスとジフレドをベースに、量産を前提として特殊な機能を排する事で生産性を高めた機体
イオマグヌッソ事変により、ア・バオア・クーと共に多数のベテランパイロットが犠牲となった事で
必然的に少数精鋭を主眼とした高性能量産機を求められ、ゲルググの後継機として開発される事となった経緯を持つ
(ただし、生産性を高めたとはいえ、一機に付きゲルググ五機分のコストがかかるとされている)
特徴として、ニュータイプでないパイロットでも微弱な脳波を検出して増幅する事で
ニュータイプパイロット並みの性能を発揮するγサイコミュを搭載しており、
更にニュータイプパイロットが搭乗した場合はリミッターが解除され、性能が大幅に引きあがる機能を持つ
その他、ジークアクスやジフレドと同じく、パイロットの生存率を高める為のコアブロックシステムも標準搭載されており
MSよりも貴重なベテランパイロットを失わない配慮が行われている。
武装はジークアクスやジフレドと同様のビームライフルとシールドとビームサーベルの他、
頭部外付け式の機関砲、射程を短くした代わりに小型化した上で速射可能なビームピストルと実弾式の伸縮式バズーカを装備する予定である
現在の所は先行量産型が試験運用中との事だが、何処で試験が行われているかは機密との事である - 167二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:59:00
ディジェ(GQ)
元々は地球連邦にて開発されていた試作重MS、しかしフレームまで完成した所で地球連邦が敗北、
開発は中止となり、ジャンクとして放棄される所をある技師が引き取り、作業用MSとしてくみ上げる予定であった
しかしかつてのガンダムの開発者テム・レイに素体の優秀さを見出され、戦闘に耐えうるMSとして開発が行われる
その際、連邦が負けた事によって職を辞した元連邦のMS技師や戦争の終結で職を辞したジオンのMS技師が開発に参加し
テム・レイ主導の元、連邦とジオンの技術のハイブリット機として完成する事となった
機体としては全領域に運用可能な機動性重視の汎用重MSで、武装は頭部の機関砲とビームライフルとバズーカを使用可能
背中に放熱器とスタビライザーを兼ねたフィンが備え付けられているのが特徴である
暫くの間は名無しの状態であったが、ジオン軍に接収されて運用される際に、運用していた技師によってディジェと命名された
宇宙でも運用可能な事であるから、向こう側の世界ではリック・ディジェに相当する物である
ドライ・ムラサメ
ムラサメ研究所にて育成された三人目の強化人間(実際は彼が完成するまで二名が命を落としている)
徹底的な洗脳により、急激な状況変化に対する耐性を施されており
マスターの命令は絶対として行動する様にされている
しかし、ハッキングによる”身体の一部”であるビットを簒奪された事で安定性が崩壊
それによって二人目の強化人間、ドゥー・ムラサメに翻弄された挙句に敗北を喫した
その後、イオマグヌッソ崩壊に伴うゼグノヴァの影響を受けて洗脳が無くなり
純粋無垢な少年としてもどり、ロンデニオン商会で人間性を取り戻す為のリハビリを行う事となった - 168二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 23:00:16
ではROMに戻ります、長々有難うございました
- 169二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 00:45:50
まずは完結おめでとうございます、お疲れ様でした!
圧倒的な展開力と筆力に続き見たさに一日に何度リロードしたか分かりません
ようつべのまとめ動画から来た身としてはリアルタイムで見るようになってから本当に引きこまれました
本当に楽しませて頂きました、ありがとうございました! - 170二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 01:43:39
お疲れ様でした。(*´ω`*)
クロスボーンみたいに、生えるんですね?解ります。
プラフをピラフと読んだのは、俺だけではない筈。 - 171二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 08:23:12
なお中身はツン8デレ2なニュータイプラブコメ?の模様
- 172二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 12:28:01
乙でした。
- 173二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 16:59:57
もうすぐこのスレも終わりか…俺なんかの駄文貼って圧迫しちゃっていいもんなのかどうか
次スレってあるのかな - 174二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 17:28:52
今日はすごく腹に据えかねた事がある
それはドゥーが下着を着ようとしてくれないという事だ
あまつさえ、先日は風呂上りに全裸でコーヒー牛乳飲みながら涼んでいた。
流石の俺ですら仰天して目を逸らして「タオルくらい巻いてくれ!」と言ったのだが
「えー、良いじゃん天パ、風呂上がりの爽快なこの瞬間に服なんて窮屈な物着る気しないよ」
等と言ってくれた、しかしさらに強く言おうとしたが、
ドゥーの事だ「ははぁん、ひょっとして天パ、ボクに気があるの?」と言うのは必然だ。なので敢えて何も言わずに無視をした
それからしばらくしてようやくシャツとズボンを履いてくれたようだが
あいつ、下着を履いてない上にシャツのサイズが合ってない所為で、食事の時は俺も親父もずっとドゥーから目を逸らし続けになる羽目になった
一方、ドライは何故俺と親父が目を逸らしているのか分からない様子で、ドゥーは何処かしたり顔で食事を食べていた
こればかりは何とかしたいと思う所ったが、男所帯の悲しさ故か、この場に強く言える者が居ない!
どうする俺、流石のニュータイプでもこの事態ばかりはどうしようもない! - 175二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 17:30:41
そう頭を悩ませている所で来客を告げるインターフォン、
誰かと思ったら戦闘データの受け取りに来たコモリ少尉だった
それに気づいたドゥーがと顔を出す
「おー、コモリん、今週も来たの、ご苦労だね」
コモリ少尉は一目でドゥーが履いてない事に気づき、目くじらを立てて注意する
「ドゥーさん! また貴女履いてないのですか? ソドンにいた頃に散々注意したと思いますが――ってちょっと待ちなさい!」
「えー! 良いじゃん、望んで進化したボクらに下着なんて不要だってー!」
そして始まったドゥーとコモリ少尉の追いかけっこ、なまじドゥーの運動能力が高いのであっという間に滅茶苦茶になる作業場。その様子を見ている内に、俺の中で膨れ上がり耐え切れなくなった何かがブツンと切れる音
「いい加減にしてくれ!!こんなこと程度で俺を怒らせないでくれ!!」
喉を突いて出た怒声に俺がはと気づいた時には、ドゥーもコモリ少尉も親父もドライも目を丸くして動きを止めていた
そして「あう、天パが切れた……」と焦るドゥー「わ、私何かしたでしょうか!?」と困惑するコモリ少尉
「久し振りに怒るのを見たな」となぜか感心する親父、呆然とするドライ
俺はその状況に耐え切れず「コンビニに行ってくる」と適当な事を言って外へ出ざる得なかった
そしてしばらく経って気が落ち着き「何をやってるんだ俺は」と思いつつロンデニオン商会に帰ってみると
「はぁ、天パがあそこまで怒るとか……コモリんにも叱られたし仕方ないか……」
と、服の下に恐らくコモリ少尉が渡したのであろう下着を履いてしょげるドゥーの姿があった
……なんだか悪い事をした気分がするので、後でドゥーにケーキでも買ってやろう - 176二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 17:33:07
- 177二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 19:45:22
ロンデニオン(ロンド・ベル)の本拠地
ユニコーンに対するバイコーンなんだろが
清純(乙女)に対する不純(つまりは天パと?邪推した)
セイレーンやらバンシーで良くねw
ドゥーって裸族だったなそいえば、、、。 - 178二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 19:58:07
SSまとめたのをどこかのサイトにアップする予定とかってあったりしますか
- 179二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 20:32:24
書き手さんたち超お疲れ様です!
良いモノ見せていただきました
やはりハッピーエンディングはよいものだ… - 180二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 21:05:26
何でもない日常という幸せ。
- 181二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:37:06
「居ないと思ったら、コックピットで何やってるんだ、ドゥー?」
「次のクランバトルに備えてね、過去のエースパイロットのデータを基にした相手とシュミュレートしてた」
「そうか、今は実戦をする機会がクランバトル位になったから、少しでも腕を磨きたいって所か」
「うん、天パと模擬戦するとしてもMS動かすのもタダじゃないからね……それにしてもこの魔女って呼ばれてた人、最初はびっくりしたけど、
ワイヤー使って来ると分かったらビームサーベルで焼き切れば簡単だと分かったよ、こんなターザンじみた手品で倒されたジオンの兵士が可哀そうだね」
「シイコ・スガイか……確か非合法クランバトルの際に死亡したとかされているが……ん、チャイム? 来客か」 - 182二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:40:41
貼ろうと思ってやってたけどシイコ=サンキター!!
新たなヒロインのエントリーだ! - 183二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:44:24
お言葉に甘えて
「チッ、MSのビームライフルじゃ撃ち抜けないか! ならバズーカは如何だ!」
バズーカに切り替え発射。命中…やったか!?
だがそこには無傷と言っていい装甲ビット。これじゃ埒が明かない…
『アムロ! 後退した少佐の方をお願い! こいつはボクが相手をする!』
そこに聞こえるドゥーの声。確かにこのまま俺がここに居ても状況の打開には繋がらない
「……分かった! ドゥー、くれぐれも墜とされるんじゃないぞ!」
アムロと呼ばれた事に一瞬間が空いてしまった。だが今はそんな事はいい、俺は俺の為すべき事を為す!
「この戦力に向かってたった一機…?」
バスク少佐でなくともそう嘲笑したのも無理からぬ事だろう、だが戦闘が始まって数分、既にマラサイ一個小隊が全滅し、残る二個小隊も手玉に取られている
次々にマラサイが、僚艦が落とされていく。狙われている事を知っているように避け、次にどう動くか分かっているかのように予め銃撃しマラサイがそれに当たりに行ったかの様に被弾し爆発する
「たかが一機に何をしている、撃て、撃って撃って撃ちまくれ、この際誤射しても構わん! 奴を撃ち落とせ!」
恐怖と狂気に囚われつつあるバスク少佐が叫ぶ。だがたった一機のMSを落とすには至らない
切り札である筈のドライ・ムラサメのサイコガンダムⅡ(セカンド)に救援を求めるも戦闘中なのか応答がない
「まさか、あれだけの強化をしたセカンドとドライがドゥーに抑えられているのか…!?」
この時、コンゴウの乗員は気づいた、自分達を助ける者はいないという事を
『…バスク少佐、投降しろ、これ以上の抵抗は無意味だ!』
オープン回線で名指しで呼びかけられた内容に動揺と狼狽が広がる
「投降…投降だと!?この私がジオンの宇宙人にか!?」
『これ以上の抵抗は無意味だ、それでも抵抗するなら撃沈もやむを得ない!』
「…少佐、投降しましょう、既に本艦は…我が部隊は抗戦能力は喪失しております。残念ですが我々の命は敵の掌の上です」
「ここで投降し次の機会を待ちましょう、今反抗しては…あっ!?」
バスクは走り出した。この艦を囮にして脱出艇で…!
脇目もふらず走り脱出艇に飛び乗り操縦士と自分のみだけで発艦させる。少しでも早く奴から逃げ
『逃がすと思ったか?』
その音声と同時に衝撃が来る
- 184二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:46:00
「な、何だ!?」
「何だこれは…と、トリモチの様な粘着剤が…発艦も航行も出来ません!ひッ、て、敵MSが!!」
『これ以上の抵抗は無意味だバスク少佐。貴官には捕虜になって頂く』
トリモチに絡め捕られ、目の前で鈍い輝きを放つ敵MSのモノアイの光に…バスク少佐は椅子に頽れた
『…一つだけ教えてくれ、パイロット』
「答えられる事なら」
『貴様はドゥーと共に来た者だな?ドゥーは…どうなった?』
「ドゥーはあのMSを抑えている。まだマーカーが激しく動いているから戦闘中だろう」
『…そうか』
バスク少佐の声から安堵が感じられる。以前はドゥーの事を気にかけていたようだったな
そんな以前の事を思い出したからか、移動中の無聊を慰める為か。こんな事を言ってしまった
「お久しぶりです、バスク少佐。ドゥーの事を気に掛けて頂いて感謝しています」
『!?何だと、貴様は一体…!?』
「アムロ・レイ。ドゥーからは天パと呼ばれている技術士官です」
『天パ…!?レイ!?あのテム・レイ技師のご子息のか!?』
「そうです、このような形の再会になり残念でなりません」
『…何故だ、何故この様な事になっている!?何故貴様は私を裏切った!?』
「望んで裏切った訳ではありません。キシリア少将暗殺未遂事件…あの戦闘の後、座していれば我々は間違いなく処刑されていました」
その事はバスク少佐も理解しているだろう
「俺…私はドゥーを死なせたくなかった。だから介入し…そのまま命を守る選択をし、後は状況に流されてここに居ます」
『だが…だからと言って!何故ジオンの宇宙人共に!』
「それこそ状況に流されて、です。最初に私達の命の保証をしてくれたのが彼等でしたから」
「そして少佐、貴方はやりすぎた。理想の二文字では贖えない程の罪を貴方は犯してしまった。我々はそれを看過する事が出来なかった」
『貴様に何が分かる!私が今までどんな思いをしてきたか、この両目はなぜこうなっているのか!ジオンの宇宙人共に何をされたのか!!』
「ええ、私には貴方の心中を理解する事は出来ません。貴方が受けた苦痛は心よりお見舞い申し上げる。だが、だからと言って人体実験や拷問紛いの事が許される事は無い!」 - 185二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:48:21
こんな上っ面の正論ではバスク少佐の心は変える事は出来ない、それは俺にも分かる。俺だって拷問を受けたら…
「だから貴方には生きて罪を償っていただく。被告として軍事法廷に立ってもらう、その為に捕虜にした」
『貴様…!!』
「貴方はドゥーを心配してくださった。それはドゥーからも聞いています。あの子の為にも早まって自決などなさりません様に」
息を呑む声が聞こえる。
「今はまだ無理でしょう。ですが、いつかドゥーに会って頂ければ、と思うのは私の我儘でしょうか?」
『………まだ生き残っている部下には寛大な処遇をお願いしたい。彼等は私の命令に従っただけだ』
「私の権限の及ぶ範囲ではありますがお約束いたします」
「…そうか。すまない」
背もたれに体を預ける音が聞こえた。ドゥー達の戦場は落ち着いただろうか?
バスク少佐の居る脱出艇を抱え、周囲の警戒を怠る事無くドゥー達の戦場に戻る
あの派手な攻防は鳴りを潜め…どうやらドゥーが抑えきったようだ
「ドゥー! 無事か? こっちは全て終わった! バスク少佐も確保した」
傍から見てもギャプランも敵MS…MA?もボロボロの満身創痍だ。ギャプランは右腕と左足を喪失しているようだ
『こっちも終わった所だったよ、身体はボロボロになっちゃったけどね』
ドゥーもこちらを目視した様で、マゼランとサラミス合わせて3隻にマラサイ9機とやり合って脱出艇まで確保してほぼ無傷…?マジで何なの天パ…等とブツブツ言っている。そういう事は聞こえない様に言うべきだぞ?
「そうか、あの戦力を相手によく頑張ったなドゥー、お疲れ様。俺も大変だったよ」
『天パ、ほぼ無傷で勝っておいて、大変だったって言うのかな?』
「ドゥーの方の敵に比べれば大した事は無いさ。俺じゃあのMSには攻撃が効かなかったからな」
そんな事を言い合う位の余裕は出来たようだ。全体の戦局を確認するべきだろうか? - 186二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:51:29
「彼女が向こうの世界へ帰っていったか……良かった、本当に良かった」
『さっきのキラキラ?……とても、暖かった……』
ドゥーが確保した敵パイロット…ドゥーによく似ている少年…が呆然と呟いている
先程までの殺気はもうどこにもなく、ドゥーより年下の純粋な少年といった雰囲気だ
と、ドゥーが動く。ボロボロのギャプランに乗り込む…動かして大丈夫なのか?
『天パ、悪いけどその子を任せた。後、ソドンにこのⅡ(セカンド)の処分をお願いしておいて』
「ドゥー、何処へ行くつもりだ?」
『今、マチュが泣いているんだ、慰めてやらないと』
マチュが…?今までの戦闘と二人の言うキラキラ?が感覚を鋭敏にしているのだろうか
「…分かった、俺はここからソドンに連絡を入れる。戦闘も収まっている様だが油断はするなよ?マチュとの話が終わるか機体限界が来たら俺とソドンの両方に連絡しろ」
『大丈夫だよ、ボクを誰だと思っているのさ?』
そんな軽口を叩きながらギャプランが動く。自分の身体だと言うだけあってあの状態でもきちんと把握できている様だ
『そんじゃドライ、大人しく待ってるんだよ?』
あの状態でMAモードとか無理しすぎだと思ったが言えばヘソを曲げるだろう
ギャプランを見送ると確保している敵パイロット…ドライ?が口を開いた
『あのお姉ちゃん、何処へ行くんだろう』
本当に朴訥な少年、という感じで言葉を紡ぐ。お姉ちゃんという事はムラサメ研究所からのパイロットなのだろうか
ドゥーよりもっと幼い印象の少年を怖がらせない様に気をつけて返事をする
「昔傷つけてしまったけど、今は和解して友達になった子を慰めに行ったんだよ」
しばらく話してドライも気を落ち着けた様なのでオープンチャンネルでソドンに連絡。ジャミングは…収まっている様だ
「こちらディジェ、アムロ・レイ。ソドン、聞こえるか?」
返事は爆発的な歓声だった - 187二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:58:29
このレスは削除されています
- 188二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 02:47:29
とりあえず寝たい
とりあえずお菓子食べたい
お腹すいたー!!
「いや、ここはいつから小学校になったんだ…?」
ドゥーとマチュはぎゃんぎゃん騒いでいる。その体力が残っているうちにデブリーフィングを済ませればいいのに
「アムロンおかわりー!!」
マチュはあだ名をつけるのが好きなようだが…いや俺生まれて初めてだぞアムロンなんて呼ばれたの
中佐はもう概要は報告を上げている様だしドゥーのは俺のと概要は被るだろう、セカンドとの交戦記録は出してもらうが
「だがなマチュ、君だけは自分で出してもらわないとならないんだ。そんなに食べたら眠くなるぞ?」
「今の私はまるで人間火力発電所なのだ!!」
うおォン、とか訳の分からないシャウトをしながらえらい勢いで食べている。周りの連中がやんややんやと褒め称えつつどんどん追加を持ってきている。正直俺では食えない量だ。どこに入るんだあれ…? - 189二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 04:47:06
>>デブリーフィングが壺った。
- 190二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 07:19:31
保守
- 191二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 07:50:26
~イズマコロニーで暗殺に失敗して投降した後、何回目かの聴取・尋問の時期~
「ガンダムの生みの親テム・レイ氏の長男。一年戦争時は頼った父の下で連邦へ。最前線で技師になり現在に至る。と」
「驚きの経歴ですね」とセミロングの女性士官がつぶやく
「あの連邦の女傑セイラ・マスとも面識があるようです。戦後は療養後に除隊。現在は別荘暮らしなのだとか」
「…フム」
あごに手を当て考え込むシャリア
「キミはイズマコロニーに『赤いガンダム』が現れた事を知っていましたか?クランバトルという非合法なMSの賭け試合は?」
「アレは囮だ、ヤツは別にいる…」
「たしかに彼は世界中で指名手配されています。ですが自らをシャアと名乗る小悪党は後を絶ちません。それでも本人であると?」
「…」(この反応。にわかには信じがたい話ですが、まさか本当に?)
翌日~夜~
「アムロくん、少し話があるのですがどうですか?ひとつシミュレーション訓練でも」
「シャリア・ブル…中佐?実は僕もお聞きしたいことがあるんです」
探るように目を合わせ、シャリアが答える
「…私も『彼と同じなのでは?』ないかと?…」
「…ええ」
「でしたらキミの目で直接確かめて下さい。シミュレーションでわかることもあるでしょう」
連れ立って歩く二人にざわめくハンガードックの技師達
シミュレーターの開始直後、たった数秒でビームの応酬が始まる
「これは、すごい。まさか先手を取られるとは」
「なに、下か!…狙いきっていない?動揺している?…僕を試しているのか?いや違う!」
「技師と聞いて驚きましたが、ここまでのパイロットとは…彼は真のNTに違いない」
「シャアのMAVはこんなに強かったのか!」 - 192二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 07:52:09
目にもとまらぬ応酬に騒然とする技師達
独房で何かに気付くマチュと、寝ていたドゥーがうっすらと目を開ける
ジークアクス「…」(センサー部分にかすかにキラキラが映っている)
「互いに敵対しあう相手ではないのかもしれない…アムロくん!」
「コイツは!」
有線サイコミュのビームを避けつつ、その砲門の一つを破壊するアムロ
「冷静に私の話を聞けますかアムロくん」
「戦闘中に!?…はい!聞こえています」
「…キミはシャア大佐に対して過敏になり過ぎている。」
「…!?あなたは!シャアを庇うんですか!?」
困惑と共にプレッシャーが増すアムロ
「?!…私の意思を感じているのに怒りが勝る、信じすぎたのか?いや。私は何か重大な認識違い(ミス)を犯している」
オールレンジ攻撃の合間を縫ってキケロガに迫るディジェ
「うおおおおおおお」
「過信しすぎた?いや『それこそ』が自分の能力をすぐ制圧(戦い)に結び付けられてしまう理由か」
ディジェのシールドを弾き飛ばすシャリア、だがすぐさま体制を立て直し突撃するアムロ
「チィイ!」
「…この正確さと怒り!…ならば仕方ありませんね」
突如人型へ変形し突撃してきたキケロガと正面衝突し、その衝撃に怯むアムロ
「うわあああああ!!」
「悪く思わないで下さい」
「!?脱出した!?まさか」
コックピット内が閃光に包まれる。次の瞬間、キケロガが大爆発する - 193二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 08:05:25
「まさかの自爆とはなぁ」ざわめくハンガードック、しばらくしてシミュレーターから出てくる2人
「危うかったですね。やはりシミュレーションにして正解でした」
「…くっ、さすがですシャリア・ブル中佐。僕なんかまだまだで…」
うなだれるアムロの横に立ち、遠くを見つめてゆっくりと語り掛けるシャリア
「…キミがシャア大佐を追っている理由を伺っても?」
「……怖かったんです。いえ、今でも怖い。ヤツは、人を人と思っちゃいない。」
黙ったまま話を聞くシャリア
「消息不明になったヤツを見かけた時、何かすでに始めている。そう思いました」
「ヤツは!度々俺の前に現れてはさも『自分も人間だ』というような真似事をする…」
(…凍て付いた眼の奥底に燻ぶる憤りを、前髪なんかで隠して…!!)
うつむき震える肩、アムロは歯を食いしばりながらつぶやく
「ヤツを、止める為には…」
「…アムロくん、私はNT達の未来を考えています。」
アムロが訝しげにシャリアを見上げる
「今はそこまでしか言えません。ただそのNT達にはキミやアマテくんやドゥーくん、強化人間、シャア大佐も含んでいます。ですから…」
「キミも、キミ自身が考えた選択をして下さい。その複雑な感傷だけではなく、NTとしてNTの今後を見守れる側の一人として」
「無理に付き合わせてすみませんでしたね。今日はゆっくり休んでください。…それと、あなたの気持ちを聞けてスッキリしました。」
立ち去るシャリア。まだ何かを考え込むアムロ
「ドゥーッち。あれがNTなんだね…」
「まったく、頭にくるよ…ボクよりスゴイのがゴロゴロいるなんて。でもこの感じ、なんだろ、少しだけ…楽しいのかな」
「ふたりとも!中佐の件はわかったから、早く部屋に戻りなさい?」
少し離れた通路でマチュ、ドゥー、そしてコモリが二人の話に聞き耳を立てていた
しぶしぶ独房に戻る2人の背中をやれやれと言った面持ちで見送るコモリであった - 194二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 11:49:01
「ほらマチュ言われてるよ?」
「アムロン誰がデブじゃこの天パ華の乙女捕まえてぇぇぇぇ!!」
「違う事後報告とか言う意味でブリーフィングの対義語としてあるんだよナイフとフォークで襲い掛かってくるなぁ!」
「アムロ君も女の子の前では形無しですな」
どなたか次スレ立てをお願い申し上げまする
- 195二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:54:24
これらの濃厚なSSってスレ主さんだけじゃなくていろんな人が書いてたってことに驚きを禁じ得ないんだが… 文才があったら参加したかったぜ
- 196二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:34:03
- 197二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:35:26
スレ立てありがとうございます
- 198二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:45:35
パート4楽しかった
これからもこのシリーズを盛り上げていこう!! - 199二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 23:34:14
うめ
- 200二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 23:35:51