(SS注意)過保護

  • 1二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:12:45

     ゆさゆさと、優しく揺さぶられる感覚。
     重い瞼をゆっくりと開けていくと、見慣れた天井と窓から差し込む日の光。
     そして、上から覗き込むように見つめている、少女の顔。
     さらりと伸びた芦毛の長い髪、幼さを残すあどけない顔立ち、左耳にはムーブメントを模した髪飾り。
     担当ウマ娘のクロノジェネシスは、俺が目覚めたことに気づいたのか、表情を柔らかく緩めた。
     
    「おはようございます、トレーナーさん」
    「……おはよう、クロノ」
    「ふふ、昨日は良く眠れたみたいですね、気持ち良さそうなお顔をしていました」

     くすくすと肩を震わせるクロノ。
     その笑いに合わせるように彼女の髪が揺れ、少し濃い色になってる毛先が俺の鼻を掠めた。
     ほんのりと香る甘い匂いとちょっとしたくすぐったさが、妙に心地良い。
     もう少しこうしていたいくらいなのだが、流石にそうもいかないだろう。
     後ろ髪を引かれつつも、俺は意を決して身を起こした。
     直後────冷えた空気が襲いかかってくる。

    「……やっぱり、この時期の朝は寒いね」
    「ええ、来る途中、水溜まりが凍っていたくらいでしたよ」
    「そんなにか、顔を洗うのにも勇気が入りそうだな」
    「……暖かいご飯をご用意していますので、頑張ってください、なーんて」
    「…………だったら、冷たい水なんかには負けられないね」

     はにかんだ笑みを浮かべるクロノは、制服の上にエプロンを身に付けている。
     俺はそんな彼女を見つめながら、布団から身体を出していくのであった。

  • 2二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:13:48

     痺れるように冷たい水を顔に浴びせて、頭をすっきりとさせる。
     そしてリビングへと向かうと、椅子に腰かけたクロノが待っていてくれた────新聞を片手に。
     
    「……時計は良い、ただ少し良すぎるような気もします、これは映像も見てみないとわかりませんね……もう一人の子は順調そうに見えますが、トレーナーのコメントが控え目なのが気になります、短い間隔で走るのも初めてですし、逆にこちらは────」

     クロノは真剣な表情で、一人ぶつぶつと呟きながら紙面に目を走らせていく。
     何時もの光景に安心を覚えながら、俺は出来るだけ音を立てずに彼女の対面に座る。
     時折、耳や尻尾をぴょこぴょこと動かす彼女の姿は、割と見ていて飽きないのだ。
     そしてしばらくした後、彼女は満足そうな表情で新聞を置いて────俺の姿を見つけて固まる。

    「……」
    「週末の重賞は、誰が来そう?」
    「枠が決まってからではありますが……ってトレーナーさん!? いっ、いつからそこに!? いや、朝ご飯の準備をっ!?」
    「待ってクロノ」
    「はっ、はい!?」
    「配膳くらいは、俺にも手伝わせてよ」
    「……はい」

     少しだけ頬を染めながら、クロノはこくりと頷いた。

  • 3二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:14:51

    「ん……もしかして、お味噌変えた?」
    「はい、お友達に塩分控えめで美味しいお味噌を紹介してもらって、どうでしょうか?」
    「前のも美味しかったけど、俺はこっちの方が好みかも」
    「ふふ、それは良かったです、私も同じ感想だったので……えっと」
    「クロノ、お塩どうぞ」
    「ありがとうございます、トレーナーさんもお醤油使いますよね?」

     ちょっとした会話を交えながら、俺達は朝食を進めていく。
     クロノは料理上手だ。
     契約前にご馳走してくれたもつ煮などは勿論、料理の幅はなかなかに広く、そして深い。
     ご飯、味噌汁、焼き魚、目玉焼き、そんなシンプルなメニューですら、俺が作るものとは雲泥の差があった。
     ……俺ももうちょっと、精進しないとだな。

    「御馳走様でした、今日も美味しかったよ」
    「はい、お粗末様でした」
    「じゃあ、ちょっと着替えてくるから」

     食事を終えて、一緒に片付けを済ませて。
     そして俺は着替えを終えてから、クロノの下へと戻って来る。
     彼女はリビングのソファーに腰かけながら、再び新聞を片手に思考へと沈んでいた。
     好きにさせてあげたいところだけど、さすがに時間が時間だ、そうもいかない。
     ソファーへと近づき、軽く彼女の肩をとんとんと触れて、声をかけた。

  • 4二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:15:55

    「クロノ、お待たせ」
    「……! す、すいません、また、やってしまいました」
    「気にしなくてもいいよ、それじゃあ学園に向かおうか」
    「はい……あっ、トレーナーさん、ちょっとネクタイが乱れて…………ちょっと失礼しますね?」
    「わっ」

     ソファーから立ち上がったクロノは、俺を見つめるやいなや、突然距離を詰めて来る。
     そして、両手を首元へと伸ばすと、ネクタイにそっと触れた。
     早く戻らないと、という思いで急いでいたのかもしれない、少しだけ頬が熱くなる。
     彼女は一旦しゅるりとネクタイを解いて、結び直そうとしてくれる、のだけれど。

    「あっ、あれ?」

     クロノは困惑の表情を浮かべながら、何度もそれを繰り返していた。
     見てみれば、その都度結び目が奇妙なオブジェと化しているような気がする。
     ……自分のならともかく、向かい合った相手のネクタイを着けるのは慣れていないと難しいよな。

    「教えてくれてありがとうクロノ、でも自分で出来るから大丈夫だよ」
    「……ごめんなさい、あの、練習しておきますので」
    「いや、別にそこまでは、よっと、これでOKっと」

     ネクタイを結び直して、お互いに忘れ物がないか確認して、準備完了。
     二人揃って玄関先まで向かい、まずはクロノが靴を履いて、ドアを開ける。
     瞬間入り込んでくる、澄み渡るような冷たい空気。
     それはなんとなく、年の瀬の訪れを感じさせるものだった。

  • 5二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:17:02

    「今年ももうすぐ終わり、ですね」
    「ああ、それに、もう少しだね」
    「はい…………あれから一年、あっという間でした」

     クロノの瞳が、微かに揺れた。
     それはどこか不安を感じさせる、寂しげな感情の表れ。
     弱々しい表情を浮かべる彼女の顔を見ると、一年前の失態が、容赦なく俺の心を苛んでくる。
     そもそも────今、彼女がここにいるのは、そのことが原因なのだから。

    「ではトレーナーさん、お手をどうぞ」
    「……ああ」

     靴を履き終えた俺に向けて、クロノは手を差し伸べて来る。
     じっとこちらを見つめながら、どこか張り詰めた表情を浮かべて。
     そんな必要なないのだけれど、それを拒むことが出来なくて、俺は手を伸ばしていた。
     触れた瞬間、彼女の暖かくて小さな手がぎゅっと俺の手を握りしめて来る。
     
    「…………じゃあ、行きましょうか?」

     安堵のため息をつきながら、柔らかな微笑みを浮かべるクロノ。
     その瞳に映っているのは、一年来の、後悔の想い。
     そしてそれはきっと、俺の瞳にも映っているのだと思う。

  • 6二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:18:10

     昨年の有馬記念枠順抽選会の直前、俺は事故に遭った。
     幸い命には別状なかったものの、しばらくの入院を余儀なくされて、抽選会へも行けなかった。
     周囲の協力もあって有馬記念当日は何とかレース場へ行けたものの、彼女を不安にさせてしまった。
     そのことは、俺の中に深い後悔として、未だ胸の中へ残っている。

     そしてそれは────クロノも同じだったようだ。

     12月に入ってから、彼女は突然、俺のことを迎えに来るようになった。
     最初は何の風の吹き回しだろう、と少し気になる程度だったが、次の日もまた次の日もそれは続く。
     やがて、朝どころか、学園内でも、休日でも、彼女は出来る限り俺の傍に居ようとする。
     そして妙に何かから俺を守るように、妙に身を寄せようとしていた。
     流石、俺でも異変に気付く。

    「……そっか、クロノちゃん、最近朝が早いと思ったらそんなことを」

     ある日の昼下がり、俺はある人物にクロノの話をした。
     明るい色合いの赤い髪、目元にはハートマークのラメ、左耳にはハートを模した髪飾り。
     クロノの同室であるラヴズオンリーユーは、目を丸くしながら俺の話を聞いている。
     ……ちなみにクロノ本人は広報委員の用事で、この場にはいなかった。
     ラヴズオンリーユーは奢ったフラペチーノをテーブルの上に置いて、困ったようなため息をつく。

    「やっぱり気にしているのね、去年、貴方に何もしてあげられなかったことを」
    「……そんなの、俺が一方的に悪いんだから、気にしなくても良いのに」
    「でもクロノちゃんは優しい子だから、どうしても気にしちゃうのよ、貴方も良く知っているでしょう?」
    「…………まあね」

     彼女が心優しい少女であることは、担当トレーナーとして傍にいた自分も良く知っている。
     俺が見たところ、彼女の日常生活やトレーニングにおいては影響は出ていない。
     ただ、俺が見ていない場ではどうなのだろう、と思ってラヴズオンリーユーに話を聞いていたのだ。

  • 7二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:19:18

    「私が見ている限りは、ちょっとそわそわとしている時があるけど、概ねいつも通りよ?」
    「そっか、それなら良かった」
    「無理しているようだったら私も止めるから、だから、その、ね?」
    「ん?」
    「…………しばらくは、クロノちゃんの好きにさせてもらえませんか?」

     ラヴズオンリーユーは、真剣な表情を浮かべてそう訴えかけた。
     彼女達は、同期のグランアレグリアやカレンブーケドールと併せて、良き友人である。
     去年、沈んでいるクロノのため、入院していた俺のリハビリに協力をしてくれたほど。
     そんな彼女からの訴えを、どうして退けることが出来ようか。
     まあ、もっとも────。

    「大丈夫、最初から無理に止めようとする気はないから」
    「……良かった、きっと、有馬記念が終わる頃にはクロノちゃんも気が済むと思うから」
    「うん、俺も今年こそは二人で出られるように、気を引き締めないといけないな」
    「ふふ、そうね、怪我だけじゃなくて健康にもしっかりと気を付けないと」
    「クロノも朝ご飯から考えてくれてね、だしの使い方であれだけ変わるとは思わなかったよ」
    「朝ご飯?」

     俺の言葉に、ラヴズオンリーユーがきょとんとした顔で首を傾げる。
     そういえばこの辺りは説明していなかったな、と思いながら俺は話を続けた。
     最初の頃は迎えに来るだけだったのだが、寒空の下で待たせるのはどうかと思い、合鍵を渡したのである。
     すると更に早く家へ来るようになって、朝ご飯を作ってくれたり、起こしてくれたりするようになった。
     完全に裏目に出てしまった形だが、結局そのままになっている。

    「…………クロノちゃんってば、いつの間に、そんな」

     一通り話し終えると、ラヴズオンリーユーは微かに頬を染めながら、ぽそりと呟いた。
     そして何かを探るようにジトっとこちらを見つめると、小さな声で問いかけて来た。

  • 8二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:20:29

    「あの、トレーナーさんは、気づいているのかしら?」
    「気を遣わせてるなあ、とは思っているよ」
    「……なるほど」

     ラヴズオンリーユーは何故か、呆れた表情でため息をついた。
     そして残ったフラペチーノを一気に飲み干す……それってそういう飲み方するものだったっけ。
     やがて彼女は無言で立ち上がり、小さく頭を下げた。

    「御馳走様でした♡」
    「ああ、今日は相談に乗ってくれたありがとう」
    「どういたしまして……クロノちゃんには、私の方からもちゃーんとアドバイスしておくわね?」

     そう言いながら、ラヴズオンリーユーは微笑みを浮かべる。
     その笑みは何かに挑むようであり、そしてその目はどことなくやる気に満ち溢れていた。

  • 9二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:21:42

     窓の外から聞こえてくる鳥の鳴き声に目を覚ます。
     重い瞼をゆっくりと開けていくと、見慣れた天井と窓から差し込む日の光。
     そして、布団の中から感じる湯たんぽのような暖かい温もり、そしてほんのりと甘い香り。
     少し視線を下げると、布団の中からぴょんとはみ出ている芦毛の大きな耳が目に入る。
     布団を持ち上げてみれば────心地良さそうな表情で丸くなっている、クロノの姿があった。
     
    「んん……あっ」

     クロノは冷たい空気に身を捩りながら目を開けて、俺の視線に気づいて目を見開く。
     やがて、悪戯のバレた子どもみたく、困ったような笑顔を浮かべた。

    「えへへ、お布団の誘惑に耐えられなくて、つい潜ってしまいました」
    「……ちゃんとキミ用の布団もあるんだけどな」
    「でも、ここだったら、トレーナーさんの温もりを感じるので」
    「そっか」

     まあ、潜り込むなら冷たい布団よりも暖かい布団が良いのかもしれない。
     肌寒い中で来てくれているのだ、これくらいのことを咎める気にはならなかった。
     ちらりと時計を見れば、まだまだ余裕のある時間帯。
     ゆっくりと朝ご飯を堪能出来そうだ、そう思いながら起き上がろうとするのだが。
     ふと、きゅっと寝巻を掴んでいる小さな手に気づく。

    「クロノ?」
    「あっ、あの、ですね、その…………後十分だけど、こうしていたい、です」

     顔を赤くしながら甘えるような上目遣いで、じっと見つめるクロノ。
     俺はそんな彼女に微笑みを向けながら、掛布団をそっと戻すのであった。

  • 10二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:22:46

    「ん……? お味噌汁の味付け、少し変わった? 何か、懐かしい感じが」
    「先日、トレーナーさんのお母様にお会いした時に教えてもらったんです」
    「…………なるほど、そりゃ懐かしい味がするわけだ」

     先日のことを思い出して、苦笑いを浮かべてしまう。
     俺の家でクロノと、たまたま俺の様子を見に来た母さんが遭遇するという大事故。
     母さんからはしこたま怒られた、まあ、それはそうだろう。
     クロノのフォローで何とかその場は収まり、その後、すっかり二人で意気投合していた。
     正直、俺が完全に蚊帳の外だった気もするけれど、それはさておき。

    「お母様からも、何時でもお嫁に来られると太鼓判を押してもらいました」

     クロノは嬉しそうに尻尾を揺らめかせながら、そう語る。
     まあ、彼女ほどの器量ならば、いつでもお嫁に行けるのは間違いないだろうけども。

    「この玉子焼きも、お母様から教わったレシピなんですよ?」
    「……ああ、この葱が入っている玉子焼き、すごい懐かしいな」
    「是非、食べてみてください…………は、はい、どどど、どうぞっ!」

     クロノは玉子焼きを一切れ、箸で摘まみ上げると、それを俺の方へと向けた。
     微かに震えて、目をぐるぐると回しながら、彼女は真っ赤な顔で言う。

    「あ、あーん、です」

     ……これは誰から教わったんだろう、母さんではないと思いたいけど。
     何故かラヴズオンリーユーの気配を感じながら、俺は促されるまま玉子焼きを食べる。
     玉子焼きは、本当に美味しかった。

  • 11二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:23:49

    「初めてのダートではありますが、このレース場は芝のウマ娘が結果を残すこともある特殊なバ場、適応出来るか出来ないかを見極めなければいけませんが難しいところですね、もちろん日本から参戦する方々も実績のあるウマ娘ばかりで」
    「お待たせクロノ、いよいよだね」
    「はい、トレーナーさんはどう予想を……あっ、ちょっと失礼しますね」

     着替えを終えて、ソファーに座ってスマホを見ていたクロノに声をかける。
     こちらに振り向いた彼女はすぐに立ち上がって、そして何かに気づいたように耳をぴょんと反応させた。
     そして俺の首元へと手を伸ばして、ネクタイに触れる。

    「……♪」

     楽しげな様子のクロノは、手慣れた手つきでネクタイの結びを直していく。
     あっという間に綺麗になった首元を見て、彼女は満足そうな表情を浮かべた。

    「ふふ、はい、これでばっちりです」
    「うん、ありがとうクロノ」
    「……えへへ」

     俺がお礼を告げると、クロノは照れたように微笑んだ。
     実を言えば、着替えて彼女の下に戻ってくるときは、必ずネクタイを乱した状態にしてある。
     以前彼女がネクタイを直すのに失敗して以来、きっちりとした状態だと露骨に残念そうな顔をするからだ。
     それに、こうしてお礼を言うと、毎回嬉しそうにしてくれるから、というのも正直ある。
     やがて二人揃って玄関先に向かっていると、ふと、彼女は辛抱堪らないといった様子で口を開いた。

    「それにしても本当に楽しみですね────サウジカップ!」

  • 12二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:24:55

    「今夜は、うちに泊まるんだっけ?」
    「はい、寮だと、リアルタイムで見ることは難しいので」
    「出来ればリアルタイムは避けて欲しいんだけど…………まあ、仕方ないな、俺も楽しみだし」
    「ありがとうございます! その分、晩御飯やお夜食には腕を奮いますから!」
    「まあ、ほどほどにね」

     有馬記念の抽選会も本番もとっくに終わっているが────まだクロノは俺の家に通い続けていた。
     それどころか頻度も上がり、泊まる日も増えて来た。
     いつの間にか部屋にはクロノの私物や物々しいサイズの除湿庫、数日分の着替えも置かれている状態。
     おや、何か話が違うぞ? と思わなくもない。
     ただ、それを指摘するつもりには、まるでならなかった。
     彼女と過ごす朝が、俺にとって当たり前のものに、なってしまったから。
     それを、失いたくないと、思ってしまったから。

    「ではトレーナーさん、お手をどうぞ」
    「……ああ」

     いつの間にか靴を履いて、玄関のドアを開けていたクロノは、俺へと手を差し伸べる。
     俺は靴を履いて、そして吸い寄せられるように、彼女の手を取った。
     冬の冷たい風を物ともしないような、温い手のひら。
     クロノはその指先を一本一本、丁寧に絡めるようにしながら、ぎゅっと手を握った。
     その時、ふと気づく。

  • 13二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:25:57

    「クロノ、もしかしてちょっと背が伸びた?」
    「そう、でしょうか? あまりそんな気はしないんですけど」
    「……いや、気のせいだったかもしれない、変なこと言ってごめん」
    「いえ、今年の健康診断の楽しみが増えた、と思っておきますから」

     くすりと笑いながら、クロノは手をにぎにぎとしてくる。
     そんな彼女に少しだけドキリとしてしまいながら、俺はようやく気付いた。
     少し白くなってきた長い髪、ふわりと漂う上品で芳しい香り、薄く塗られた淡い口紅。
     背が伸びたように見えたのではなく────彼女が、大人びて見えたのだ。

    「……ふふっ♪」

     見つめる俺の視線に気づいたクロノは、流し目を向けながらどこか妖艶に微笑んだ。

  • 14二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:27:06

    お わ り
    過保護なクロノちゃんが書きたかったはずなのに変な方向に飛んで行った

  • 15二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:30:25

    書き乙 一分規制でssスレ立ててくれる人少なくなってたんで助かる

  • 16二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:31:04

    お疲れ様です。
    最近クロノのSS増えてきて推しとしては、嬉しい。
    僕もクロノが作った玉子焼き食べたい

  • 17二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 20:35:59


    こういう話好きだけど
    ロリっぽいクロノがやってると絵面がやべえ

  • 18二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 21:13:26


    トレーナー順調に外堀埋められてるな
    クロノが思った以上にグイグイ攻めてて大変良いと思います

  • 19二次元好きの匿名さん25/06/26(木) 22:37:33

    いつもありがとうございます、おかげで明日も頑張れます。

  • 20125/06/27(金) 00:08:22

    >>15

    この量でも投下するのに10分かかりますからねえ・・・

    外部サイト使って1レスも視野に入れています

    >>16

    クロノちゃんいいよね・・・

    絶対玉子焼きは美味しそう

    >>17

    少し大人の女性と化したクロノちゃんだからセーフ

    >>18

    ラヴズインストールの成果

    >>19

    そう言っていただけると幸いです

  • 21二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 02:02:15

    恋心を自覚してそれと向き合ったクロノちゃんは強すぎる

  • 22二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 03:13:17

    幼さのあった子が大人の女性になった時の破壊力はやはり凄まじい…マヤノとかの
    ラヴズアドバイスもあるのが強すぎる、勝てねえ

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