- 11主25/06/27(金) 17:50:51
- 21主25/06/27(金) 17:52:22
- 31主25/06/27(金) 18:24:45
外は地獄絵図、エンデヴァーさんはまだ起きてないらしい
酷い大怪我だったそうだ
でも、貴方が生きているだけでいい
もう少しで解りそうだ、命の価値が
痒い…そういえば皮膚移植したとか言ってたっけ
こんなに痛くて、こんなに苦しいはずなのに…
貴方が生きてるってだけで…どんな辛くて苦しいことにも耐えられそうな気がする
訳もないのに、なんだか悲しい
静かな天井に目を奪われた
泣けやしないから、救いがない
退院したら何をしよう…
まずは…母さんのところに…いや、もう大体わかってる
人でも殺しにいこうか、その方が色々手っ取り早い
市民の命を守るのが俺の役目だとか、殺すことは悪だとか
そんなの俺は習ってない
教えてもらったことなんてない - 41主25/06/27(金) 18:33:42
あれから何日か経った後俺は退院できた
「ホークス、身体の調子はどうだ」
〔元気かと言われると、あまり〕
俺は今スマホに文字を打って話していた
めんどくさいが、喉を使いすぎると一生声が戻らないと言われたので、仕方なくだ
俺はあの時のことを少し思い出した
ジーニストさんのことを殺そうとしてヒリついた感覚を
でも、今はそんなもの全くなくて
なんでだろうな、殺したいと思ってるはずなのに
罪悪感が邪魔をする
晴れのような気持ちなのに、頭に稲妻が走るみたいだ
死にたくないからコロす、弱肉強食の世界では当たり前だ
「医者から聞いた、薬をやっていたそうだな」
〔マジすか〕
文字を打つ手が止まる
なんて返せばいいのか分からない
〔いやあ、バレると恥ずかしいものですね〕
「荼毘からだろう?」
〔勘がいい、そうですね〕
勘がいいもクソもないか…当たり前だ
トガやコンプレスや分倍河原やスピナーがそんなものを持ってたとしても、性格から考えて渡すケースは少ないだろう
死柄木は、殼木のところに居たので、ありえない
ゆっくり考えていけばすぐに答えにたどり着く話だったな
「やめられそうか?」
その言い方が妙に引っかかった
〔飲むこと自体に否定はしないんですね〕
「…ヒーローだって人間だ、逃げ道のひとつはないと死んでしまう」
〔変なの〕
「やらないに越したことはないがな」
〔すね〕 - 51主25/06/27(金) 18:38:23
「何かやりたいことはないか?」
〔かぞ〕
「家族に会いたいのか?」
俺は首を横に振った
〔すいません、誤字です、特にありませんよ〕
「…嘘をつくのが下手になったな」
〔そうすか、俺、今どんな目してますか?〕
「目?何故…?」
俺はジーニストさんから答えが返ってくるまで、スマホをぎゅっと握りしめた
「言ったら悪いと思うが、ふつふつとした怒りを感じる」
〔怒りすか?〕
「表現するのがなかなか難しいが…私のことを今すぐにでも殺そうとしているようにも感じる」
〔大当たり、さすが色んな人を矯正してきただけありますね〕
〔最低なクズ人間だと思いません?〕
〔すいません、少しテンションおかしかったですね〕
何となく、ジーニストさんの答えに納得してしまった
俺は、少しの嗚咽と涙を流しながら、その場に崩れ落ちた
「っ…ぐ…ぅっ…」
「何がしたいのか分からない、これから先どうすればいいのか分からない、その辺か?」
スマホの画面にゆっくり指を添えた
〔すごいな、ジーニストさんは、なんでもお見通しなんすね〕
「悪いが私が言えるのはここまでだ、ホークスの全てを知っている訳では無いからな、答えを見つけるのは自分自身、辛いと思うが…全てから逃げるのだけはダメだ」
俺はマスクを外し、ジーニストさんに話しかけた
「わ…がらない…いぎ…だいだど…か…」
「人の命…だ…とか」
「理解できなくていい、深く考えすぎだ」
「…」
〔すいません、俺の事家まで送ってくれると助かります〕
「分かった、私に出来ることならそのぐらいお易い御用だ」 - 61主25/06/27(金) 18:49:57
〔ありがとうございました〕
「エンデヴァーが起きたら連絡をした方がいいか?」
〔なんて声をかければいいか…分かりません〕
「なら、断っておこう」
〔あ〕
〔なら、一言だけ〕
〔どうしようもなくなったら、俺らを頼ってください〕
〔それだけお願いします〕
ジーニストさんは頷いた後、すこし溜息をつき言った
「それはお前もだ」
俺の中にある、もう見えないほどに掠れたオリジン
正しくあろうとする人を支えたい
ふと、正気に戻ると、なんでこんなに涙が溢れて止まらなくなるんだろうか
情けない、こんな顔見せたくないのに
「では、また」
俺は軽くジーニストさんに手を振ったあと家の中へと戻った
イカレ野郎…ね
そうだな、もう純粋に笑えて、ヒーローに憧れたあの頃の俺には戻れない
ただ、そんな光る思い出を掴もうと必死に手を伸ばすことしか出来ない
「…たす…けて」
身体が重い、皮膚を肉を骨を、引っ張られて
バラバラにされるような…そんな感覚が
何人の恨みを買ったのだろうか、なぜ俺はそんな行為を正当化しようと日常に溶け込まし始めたのか
いい加減に気づけよ
ヒーローに憧れた鷹見啓悟なんて人間はもう居ない
居るのは、血に塗れて、前すら見えなくなった罪人だ - 7二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 18:54:08
このレスは削除されています
- 81主25/06/27(金) 18:56:39
ホークスの罪悪感は?
dice1d9999=5328 (5328)
剛翼はどのぐらい使える?(70以上で本編と同じぐらい)
dice1d100=88 (88)
薬の飲む量は増えた?
1 増えた10+dice1d10=4 (4)
2 そのまま
3 できるだけ我慢してる
dice1d3=3 (3)
- 9二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 19:02:43
剛翼は本編レベル…
薬は我慢しちゃったか、苦しみそうだな - 10二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 19:16:08
曇らせくるか…!ひとまず10まで埋め!
- 111主25/06/27(金) 19:51:38
カーテンを締め切った部屋
薄い光が差し込んだ
ベットの上で、薄い呼吸を繰り返しながら天井を見つめる
ただ、涙だけが溢れ、枕を濡らしていく
目の端に写るのは、あの薬
手を伸ばしてみるが、届かない
いつもなら何がなんでも飲んで気持ちよくなるだろうが…
苦しくても今は我慢しないと…
我慢…嫌いだな
思いっきり叫びたいのに、喉の痛みがそれを邪魔する
ただ、シーツをぎゅっと握りしめることしか出来ない
どこか期待してたのかもしれない
誰かが俺を助けてくれるって
地獄の底から俺の手を掴んで引っ張りあげてくれるんじゃないかって
他人任せ、笑えるね
誰か助けてって言えればどれだけ楽なんだろう - 121主25/06/27(金) 20:09:11
俺は悪くないなんて言う気は起きない
だって殺したのは俺なんだから…
監視されてないと、幾分か楽だな
暑苦しいスーツを脱いだ後、ぶかぶかのTシャツを着た
日本が終わったというのに、なんで俺は生きてるのかよく分からない
そして、俺はずっと考えてた
ヒリつく感覚も、罪悪感も、躊躇もなかったはずなのに
急所を外した
…情がわかなかった訳でもない、可哀想な人間と思っていなかった訳でもない
でも、任務は任務、私情は私情で割り切ってたはずなのに
「…ごほっ…」
血が出てきた
唇が嫌にかさついていた
…顔の皮膚の半分だったか?火傷して、皮膚移植したから、ずっと違和感が抜けない
触ってみても、なんか自分じゃないみたいだ
それこそ…他人みたい…な…
ガリッ…ガリガリガリガリ
妙にかさついて、水分が無くなった死体みたいだ
気持ち悪い、いっそ剥き出しの方が楽だ
「…や…だ…ぁぁぁああ!!」
幸せになりたかった、本物のヒーローになりたかった
壁に体をもたれ掛けながら、俺は洗面所まで歩いていった
カミソリで、自分の顔の皮を切った
血が出てきた
何故だかそれが嫌になるほど、安心して
また泣き始めてしまった - 131主25/06/27(金) 21:11:48
ゴミみたいな生活を続けていた
飯は、水とか、冷蔵庫に残ってた賞味期限切れの何か
ベッド周りは、まだ新しい血が、夕日に反射していて
風呂には確か入ったけど、ベッドと同じ有様だ
やっと喉が治ってきて、話せるようになって最初にしたことは
「ごめんなさい」
と、何回も何回も謝罪することだった
俺にも誰にも見えない、けど、確かにそこにいる何かにずっと謝り続けていた
喉が渇いた…水
水分補給をする度に思う
この行為は世界で1番無駄なのでは無いか?
そう思うと、全身がそれを拒絶する
「…あ…」
運動していなかったせいか、筋力も落ちた
我慢できる程度だったはずなのに…
床に嫌に熱を含んだ液体が垂れる
静かな部屋にその音だけが響き、ただただ、俺は絶望した
身体までぶっ壊れた
そんな中、着信音が鳴り響いた
びちゃびちゃと音を鳴らしながら、嫌な匂いがする部屋の中を歩き、スマホを手に取った
画面には、轟炎司と表示されていた
震える手で俺は通話ボタンを押した
「ホークス」
暖かい声が聞こえてきた
何日かぶりに聞いた、生きた人の声
「はい…なんですか」
「泣いていたのか、それとも俺のせいか?悪い…すぐに」
「き、切らないでください…」
「俺を必要だって言ってください…!」
「なんでも…しますから」 - 14二次元好きの匿名さん25/06/27(金) 23:45:04
ホークス、もしかして漏らしちゃった?
あらら……
壊れてきてるホークスにしかない栄養素があるからなんか嬉しい - 151主25/06/28(土) 02:11:02
「ちょ、ちょっと待て、落ち着けホークス」
「お願いします…俺もう無理です…エンデヴァーさんの声まで聞こえなくなったら俺…俺…」
「切らない、切らない…落ち着いてくれ」
エンデヴァーさんの声に一気に興奮した脳が少しづつ落ち着いてきた
「ダツゴクの確保を手伝ってくれ、AFOに繋がる情報を持つダツゴクが複数人いる可能性が高いとこちら側は見ている」
「ダツゴク…を?」
「殺せばいいんですか?情報を吐かせればいいんですか?エンデヴァーさんに頼まれるなら俺なんでもやりますよ」
「あ、いや…俺みたいにもうぶっ壊れた人間を囮に、ダツゴクをおびき出しましょうか」
「そうした方が効率的っすよね!」
「俺を使ってください…役に立ちたいです、何でもしますから、命令してください…全部従いますから…だから…」
「だから落ち着け…使うが、そんな非人道的なことはせん」
「え、あえ?じゃ、じゃあ俺何するんすか?」
混乱して、よく分からなくなった俺は傷跡を掻きながらエンデヴァーさんの返事を待つ
「お前の頭脳を借りたい、居てくれるだけでもいい」
「あんな馬鹿な選択をした俺をですか?」
「お前は馬鹿じゃない、変なところで真面目すぎるだけだ」
「お前がいいと言うなら、21時にセントラル病院前に来い」
行かないなんて選択肢は無い
今の俺に命令や任務を与えてくれる人間はいない
ただ、1日、1分、1秒だけでも生きる目的が欲しい
電話を切った後、俺はまだ時間があることを確認した後部屋を片付け始めた
風呂にもはいらなきゃいけない
なんか、久々に…フツーだ