- 1二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 10:35:10
- 2二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 10:40:40
ちなちゃんはいきなりのステキなおさそいに思わずとびはねて、
ぱん! ぱん! と、手をたたいておおよろこび。
「ぜひ! ごいっしょいたしますわ!」
「ふうん。まあ、そんなに出たいならついておいでよ」
ちょっぴりすなおじゃないてまりがそう言って、会場まであんないしてくれました。
森のおくへ、おくへとすすんでいくと、やがてひらけたばしょへやってきました。
おいしげっていた木はそこだけぽっかりあいていて、かわりにまんなかには大きなステージ。そして、それをかこうのうにきりかぶのイスがたくさんこしらえてありました。
「きょうのおひる、お日さまがいちばん上にのぼったらはじめるよ」
「つきむらさん、せっかくのおさそいですから、わたくしひとつごていあんがありますの」 - 3二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 10:45:56
ちなちゃんがそう言うと、てまりはすこしふしぎそうな顔をしてたずねます。
「どんな?」
ちなちゃんにはたくさんの考えがありました。きのみやジュースをたくさん出してランチショーにしたいだとか、あしたの朝までやりましょうだとか。
けれどもちなちゃんの一番はそのどれでもありません。
ちなちゃんが本当にしたいことは、
「わたくしのおともだちもごしょうたいしたいですわ!」
うめやひろもよんで、みんなで歌をうたうことでした。
「ふうん。いいんじゃない」
ちなちゃんのていあんに、てまりもすごくうれしそう。
こうして、てまりとほしゅうぐみでおんがく会をひらくことにきまりました。 - 4二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 10:47:01
初星童謡部!?
- 5二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 10:51:46
こんなんなんぼあってもええですからね
- 6二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 10:52:46
そして、お日さまがいちばんたかくのぼったころ。
ついにもりのおんがく会がスタートしました。
ふだんはかくれているおくびょうなリスさんや、ちょっぴりらんぼうもののクマさん、いじわるなキツネさんも、きょうだけはみんななかよし。たのしくうたって、きのみをたべて、手をつないでおどります。
「どんどこ、どんどん!」
やさしくて力もちのうめが、ちからいっぱいたいこをたたきます。
「ぽろぽろ、ぽろりん」
たいりょくはないけれどあたまのいいひろが、アコーディオンをていねいにえんそうします。
「ぴーひょろ、ぴーひょろろ」
ひといちばいからだの小さなちなちゃんは、じぶんのおなかほどもある大きなふえを、いっしょうけんめいふいています。
「ひとつーのゆーめ♪」
お歌のとくいなてまりが、きもちよさそうにステージのまんなかで歌います。
ほしゅうぐみのこてきたいと、てまりの歌。
森のおともだちは、みんなおおよろこびでよいしれます。 - 7二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 10:56:29
おんがく会はよるまでつづきました。
小鳥がうたって、さるがおどります。
たいこのやくめをたぬきにとられたうめは、クマさんとすもうをとりはじめました。
「はっけよーい、のこった!」
「うわわ、どひょうから、おちちゃった」
「あたしのかちー!」
けっちゃくがつくとこんどは、ぎょうじのさきがとびいりさんかでもうたいへんです。
みんながわらって、たのしいじかんがすぎました。 - 8二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 11:01:44
そうして、あっという間にお月さまのじかんになり……。
「あー、たのしかった!」
「ふふ、ふくろう、ものしりだった、ね」
「歌ってるあいだに、食べものがなくなっていた。ゆるせない」
みんながそれぞれかんそうを言い合って、森のおんがく会はぶじしゅうりょうしました。
「わたくし、とーってもたのしかったですわー!」
おうちにかえり、おふとんのなかでもまだワクワクがとまらないちなちゃんは、もうつぎのおんがく会のことをかんがえています。
またみんなでできるといいね、ちなちゃん。
おしまい。