- 1スレ主25/06/28(土) 21:33:19ここだけノエル先生が『一周目の記憶』を引き継いだ世界 11.5|あにまん掲示板https://bbs.animanch.com/board/5036708/ただしその記憶を自覚したタイミングはフランス事変が起きた後とする現在、シエル√編のDAY16/暁の心火を進行中bbs.animanch.com
ただしその記憶を自覚したタイミングはフランス事変が起きた後とする
現在、シエル√編のDAY16/暁の心火を進行中
- 2スレ主25/06/28(土) 21:34:34
今までの復讐譚
記憶引き継ぎニューゲームノエル先生inスレまとめ | Writening始まり https://bbs.animanch.com/board/4292864/ 分岐/アルク√ https://bbs.animanch.com/board/4305346/writening.netEND8『未来へ進むジュブナイル』
(リンク先に有志の方が描いてくださったとっても仲良しで尊いノエシエの神絵があります)
遠野志貴死亡IFまとめ | Writening「…………ん……」 眠りから目を覚ます。ようやく見て見ぬ振りをやめて、目の前の現実を視る。 そうだ。これからわたしは、わたしの存在価値を、意味を示す為に動く。 「彼を―――遠野くんを、救(たす)けなくちゃ。…writening.netDAY16まとめ
DAY16/暁の心火 | Writening【DAY15/夜の虹】 D■Y15/夜の■ DAY1■/■の■ D■Y■■/■■虹 ■■■■■■■■■ ■■■■■螟懊�陌ケ ■■■■■證√�蠢�↓ 【DAY16/暁の心火】 ――――。 ――――――。 ――――――――――。 「――――――んっ……ぁ………」 …writening.net - 3スレ主25/06/28(土) 21:35:38
このスレのノエル先生
・フランス事変後に修道院に隔離されて間もなく『一周目の記憶』を自覚する
・隔離後すぐに代行者として就任。この時点でエレイシアに対する報復を決意し復讐者として生きる
・エレイシアが目覚めて代行者になるまでの六年半でひたすらに自己研鑽&限界を超えるための代償を払い続ける。その甲斐あって原作とは非にならない強さを得る
・人間以上の耐久を得るための一環で左足を聖別化した義足に改造してもらってる
・偶然にも手に入れた十四の石を用いて人外と化す。外見の変化は肌が白くなったくらい。完全に適応してからは恐らく瞳孔も十字になってると思われる
・幻想種の中で神獣に区分される『白鯨』モビーディックの遺骸を直接的な経口摂取で取り込み、更に肉体の存在規模を拡張させる事に成功している
・現時点での強さは少なくともシエルとの連携でなら後継者をも斃せるまでになっている
・というよりシエルとの連携の末に二十七祖のクロムクレイに引導を渡すという大快挙を成しえてしまった
・↑の功績もあって教会から『焔(ほむら)のノエル』という異名をつけられる
・着実に強くなっていってる事と『一周目の記憶』の自分を反面教師にしてる事もあって大分精神が安定している
・ただし完全な復讐者として生きているので高い身分だの裕福な生活だのと言った人並みの幸せには全く固執していない。もはや彼女が望んでいるのはロアやシエルに対する復讐のみとなっている
・そんなんだからマーリオゥからは『手を焼かせる制御不能の猪』と厄介に思われてる
・ここまで復讐鬼に振り切っているものの、無辜の人々が死徒に虐殺されるのを何よりも許せない代行者としての正義感もちゃんとあったりする
・実はシエルを誰よりも憎み蔑んでいる一方で、憎んでいる故に誰よりも彼女を気にかけていたりする。シエルの理解者 - 4スレ主25/06/28(土) 21:36:38
- 5スレ主25/06/28(土) 21:40:43
現在の状況
・ノエルが先輩に無理やり志貴の血を吸わせようとしたところでアルクが襲来する
・そして、とうとう何ヶ月にも渡って調子に乗りすぎたツケがこれから嫌というほど彼女に襲いかかる - 6二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 21:51:12
ノエルさんが完全勝利できる√っておそらく死徒化する事に思い当たらなかった√でかつシエル√だった時の場合よね
割と可能性ありそうだけどどうだろ - 7二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 22:34:06
「……おまえ、なんで来て、くれたんだ」
「それに答える前に、ちょっと大人しくしててね。首のそれ治すから」
アルクェイドが俺の首筋に手を添える。すると、微かに何かが流れてくるのを感じた。
途端に、痛みと気持ち悪さと喪失感が消えていく。見やると、どうやら血も止まっているようだ。
それに伴って、突き破られていた血管や神経、筋肉や皮膚が細胞単位で急速に修復していくのが実感できる。
死という暗闇に霧散しかけていた遠野志貴の意識が、生に向かって明確に浮上していく。
「………よし。半分ほど死徒になってるおかげで、再生速度も速くできたわ。
けれどこの感じだと、あと数十秒でも遅れていれば手遅れになっていたかしら。本当、間に合って良かった」
「……すごい。完全に治ってる。ありがとう、アルクェイド」
「ふん。シエルに惚気きって一度フった男に感謝されても嬉しくないんだから。かつての運命の人の好みとして助けてあげただけよ」
「はは………そう言われると、何も返せないな」
そういう割には、心から安堵している微笑みを浮かべているが。
本人に言うと殴られそうなんで、口にするのはグッと我慢しておこう。
「とりあえず、コレは邪魔ね。えいっ!」
アルクェイドが右腕を払うと、俺を縛り付けていた椅子の拘束具が全て破壊される。半年以上に渡ってずっとずっと無力感を味わっていた俺は、いとも簡単にあっさりと自由の身になった。
「うん、これでよし。見たところ何処も鬱血はしていないようだし、これと言った外傷も他にないみたいね!」
「ああ。それは、そうだな。……それで………」
「わたしが何故ここに来たか、よね? それは、」
「――――わたしの中にある自分の血(ちから)を取り戻しに来た。そうでしょう、アルクェイド?」
自分がここに訪れた理由。それをアルクェイドが語る前に、先輩が彼女に代わって口にする。
ノエルが説明していた事を思い出す。あの女は、先輩を死徒にした魔薬には真祖の血も入っていると言っていた。
それならアルクェイドがここに来たのは、14年前のように先輩を殺して自分の血を取り込む為なのか? - 8二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 22:51:29
おおいに大暴走してこのあーぱー吸血鬼と言われるのかアルクェイド貴女……なんて発言のシリアス展開になるのかまったく分からないけどたのしみです
- 9二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 23:01:04
10まで保守しないと落ちちゃうので保守します
- 10二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 23:02:55
とてつもなく珍しいくらいに同情するわと言ったアルクはシエル先輩に何を思うのか
ノエルをどうするのか……非常に楽しみ保守 - 11スレ主25/06/28(土) 23:03:51
- 12二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 23:05:13
まぁノエルからしたら後どれぐらいシエルから絞り取れるかどうかで
絶対後悔やら懺悔はもうしないだろうからなんか虚しいな - 13二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 23:08:28
祖を二体単独で始末してる以上簡単にはくたばらないとは思うがアルク相手だとキツいだろうからなぁ
とはいえ魔薬の原理血戒にノエルが自爆機構セットしてる可能性もゼロじゃないし最後まで気は抜けないな - 14二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 23:18:45
あのドレス姿のアルクに、ノエル先生が倒されるのか……これ以上ない因縁になるよなあ……
- 15二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 23:22:01
- 16二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 23:55:25
「―――――貴女は、どう思っているの?シエル」
「…………………」
アルクェイドが瞳孔を細めて、四肢を失った先輩に向き合う。
その顔はとても冷ややかな表情だが、同情の念も見え隠れしている。
「わたしとしては、そのつもりで来てはいるわ。
貴女とは相容れない敵同士ではあるけど、それ故にお互いにお互いを理解している腐れ縁だからね。
そんな貴女がこうして死徒にされて、ロアだった頃と同じ姿にされて、これ以上ないほどその尊厳を辱められているのはハッキリ言って不快だわ。わたしとしても、そんなのは見たくもない。
だから血を取り込むついでに、介錯として一思いに殺してあげると考えていたわよ」
「…………考えていた、とは?今は、違うと?」
「ちょっとだけ、ね。……質問よ、シエル。
貴女は、どうしたい?このままここでわたしに殺されるか、それとも―――――志貴の為に、志貴と一緒に生きることを選ぶか」
「…………!!」
「わたしね。あの日の夜に貴女たちのもとから去った後、一度冷静になって色々と考えたの。
志貴が好きなのは今も、これからもずっと変わらない。でも志貴はわたしじゃなくて貴女に愛を向けている。ええ、今もそこを気にしてないかと言われれば気にしてるわ。酷く、それはもう酷くよ。
でもだからと言って、考えを改めずに貴女を引き裂いてしまえば、志貴を強引に奪おうとすれば、どうなるかは既に思い知っている。同じ過ちはわたしだって繰り返したくない。
だから、今ここで貴女にこうして問いかけているの。貴女の意思を無視せずに、貴女の選択を聞き届けた上で殺すか生かすかを決めたいと考えているのよ。
そして、できればわたしは貴女に生きる事を選んでほしい。だって、仮に貴女をこの場で殺してしまえば、志貴から嫌われてしまう。
もし嫌いにならなかったとしても、貴女という唯一わたしを止められるブレーキを失ったら、今度こそわたしは志貴の意思や尊厳を無視して城へと連れ帰ってしまう。
わたしは、そんな事はしたくない。志貴に嫌われたくない。貴女をこの手で殺したくもない。
もう一度訪ねるわ、シエル。―――――貴女は、どうしたいのかしら?」
「…………アル、クェイド。それ、は…………………」
アルクェイドは、徹頭徹尾、大真面目に語った上で、先輩にそう問いかけた。 - 17二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 23:58:55
凄い冷静に相手をおもんばかってる…………
あのアルクが……貴女って吸血鬼姫は…悪い生き物じゃないんだね、なんだかんだ… - 18二次元好きの匿名さん25/06/28(土) 23:59:54
生きて欲しい…ね
けど平穏な道はもうノエルが燃やし尽くして無くしてしまったからなぁ…
残る道はノエルがいなくなろうとも苦難だけが襲いくる地獄のような道しかない
そういう意味でもノエル先生は最低限の領分では勝ってるのか - 19二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 01:14:44
「……わたしは、吸血鬼です。人間の血を飲まないと、死んでしまう化け物です」
「うん、知ってるわ。どのみち生きるという事は、そうしないといけないものね」
「けど、本当は血なんて吸いたくない。吸血鬼として生きるぐらいなら、自分から死を選びます」
「うん、それも知ってる。貴女は、ロアとして多くの人間を殺した。それを繰り返すかもしれない可能性が僅かでもあれば、迷いなくそうするでしょうね。
でも、志貴をそこの壁に埋まってる女に人質にされていたからできなかった。違うかしら?」
「そう、ですね。でも、わたしは……この半年間の中で、越えてはいけない一線を、越えてしまった。
夢幻にすぎないとはいえ、大切な人を………こ、殺して、食べちゃったんです。笑いながら、血を、吸ったんです。
彼にも、いつかそうして手にかけるかもしれないと思うだけで………怖くて、たまらないんです……っ!」
「…………………じゃあ、ここで死ぬ?
志貴の想いを一方的に無視して、自分が怖いからというそれだけの理由で、ここでわたしに介錯される?
貴女の志貴に対する愛の大きさは、運命の人と共に生きていきたいという覚悟は、たったその程度のモノだったの?」
「――――――――――っ」
先輩が、息を呑む。アルクェイドは容赦なく、されどシエルという人間の意思を重んじて発破をかける。
………コイツは今、先輩を試している。そして、同時に期待している。
おまえの覚悟は、今まで遠野志貴と積み上げてきた思い出は、そんな簡単に切り捨てられるようなモノではない筈だろうと。
「…………し、だって。
――――――わたしだって、遠野くんと、一緒に生きていきたいに、決まってるじゃないですか。
彼と一緒に、笑って、愛し合って、恋人らしい事をいっぱいして、苦難を共に乗り越えて………失った幸せを掴み取りたいって……………思っていないワケが、ないでしょう………っ!!!」
「――――シエル、先輩」
今この瞬間、この人は、心からの本音を口にした。代行者としてでも、吸血鬼としてでも、学校の頼れる先輩としてでもない。
俺を一人の人間として愛し、俺と一緒に苦楽を過ごしたい。そういう、人生の伴侶として俺と支え合いたいという“普通の恋(ねがい)”だった。 - 20二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 01:24:48
ノエルはアルクに対しては血を使った事への謝罪というか謝るぐらいはやりそうだけどね
でも復讐を邪魔するモノに対してはなんであろうと燃やし尽くすとも決めてるしどうなるのか… - 21二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 01:28:47
ここまで来たら全員にとってのバッドエンドで終わらないかな
正直志貴の自刃エンドが一番丸く収まってた - 22二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 01:56:53
ノエルによって死徒として蘇ったとはいえ
この√でシエルと志貴が二人ともに生き残って過ごすのはあまりにも都合がいい話ではあるから片方(おそらくシエル)は確実に死ぬだろうな
本来なら志貴の命と引き換えにシエルが蘇らなければならない訳だし - 23二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 10:02:33
「ええ、そうですよ。これが、わたしの本当の想い。嘘偽りのない、切なる願いですよ。
でも、だからこそ……その願いを自分の手で壊してしまう未来が、何よりもイヤなんです。
当たり前でしょう!?遠野くんには、最期まで人として生きてほしい。けれど、わたしが側にいたらいつか血を吸って、吸血鬼にしてしまうかもしれない。
わたしは、そんな事になったら堪えられない。怖ろしくて、怖ろしくて仕方がないんですよ………!」
……先輩は酷く狼狽している。この人は、自分が望んでいる幸福を自分の手で踏み潰してしまう事を怖れている。
14年前の惨劇のトラウマが、この人に本当の願いを選ぶ事を邪魔している。
「だから、志貴の目の前でわたしに殺される事を選ぶの?
貴女はそう望んでいても、それを見せつけられる志貴はどういう気持ちになるかしら。
それもまた、志貴を憂いての事かもしれないでしょうけど……もう少しコイツの気持ちに寄り添う事を考えたらどう?
本当にこの男を心から愛しているのなら、死徒の本能に向き合いながら生きていく覚悟ぐらい括りなさい。
自分を律し、他者の幸福を重んじる。それが貴女という人間の美点でしょう、シエル」
対するアルクェイドは、どこまでも冷静だった。言葉を選びながら先輩を諭していた。
一度頭を冷やして考えを改めたというのは、どうやら本当らしい。一方的な暴力ではなく、ちゃんとした言葉で説得するという意思が、俺にも分かるぐらいに伝わってくる。
こう思うのは今のコイツに対して失礼かもしれないが、総耶で好き勝手に暴れていた時とはまるで別人だ。
「………分かっています。それも、分かってはいるんです。でも、それでも……わたしは………!」
「……ああ、もう!相変わらず鉄みたいに頑固な女ね! いいわ、ならこうしましょう。
志貴、貴方の想いをこの女に聞かせてあげなさい。どうやらコイツ、わたしの説得じゃ何を言われても死ぬ意思を曲げないみたいだし、貴方の方からも言うべき事を言ってやって。
貴方の言葉なら、面倒くさいほど頭でっかちなシエルも考えを改めてくれるでしょう」
「……俺が、か」
「ええ、容赦なくズバズバと言ってちょうだい。ていうか言わないといけないわ。
それでも尚考えを改めない、志貴の為に生きるという覚悟と勇気が持てないというのなら―――――わたしが、貴女を殺した上で志貴を貰うからね。シエル?」 - 24二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 12:11:06
というか志貴に関してはシエルが死んだ後に教会に来なければ巻き込まれなかったのかな?
ノエルも地の文で邪魔をしてきたから巻き込んだって言ってるけど変わらずに日本で過ごしてたなら被害を受けるのはシエルだけで済んだかも? - 25スレ主25/06/29(日) 14:29:00
まあぶっちゃけるとそうですね
例えノエル先生にとって志貴クンも気に食わないとしても復讐の邪魔さえしなければノータッチでした
仮に志貴が教会の門を叩かずに遠野邸で生活する道を選んでいれば直接的な被害を受けるのはシエル先輩だけでしたね
もっとも魔薬にアルクの血が使われている以上、どのみちアルクがやってきてノエル先生もシエル先輩も彼女に殺されるという後味の悪い結末になってたでしょう
でもまあこの時点でアルクは大分柔軟になってるからこの場合でもシエル先輩を殺さずに城にお持ち帰りする可能性もあり得ると思いますよ
アルクって先輩の事も何だかんだで大好きですし
- 26二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 16:01:37
アルクが対話してるのが凄い嬉しい
あんなに複雑で嫌いあって殺しあう仲なのがこんなにもちゃんとお互いに気持ちを吐き出してどうにかこの場を納めようとしてるのがなんだかとても凄い嬉しい
アルクとシエル先輩って本当に好き - 27二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 21:59:17
保守
アルクが来たのでちょっとだけ戦闘お休みだから嬉しいのと三人が三人幸せを考えてるのが本当に素晴らしい - 28二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 22:05:46
ここまで考えが回ってるかどうかは別にしてシエルに組み込まれた二つの原理血戒にノエルが予め細工を仕掛けてたりしないかな?
駆動させるならともかく暴走させてオーバーヒートさせる方なら前者よりも仕掛けやすいだろうし
何より用心深いノエルさんがそこらへんを考慮してそうでもあるし - 29二次元好きの匿名さん25/06/29(日) 23:57:25
そう口にするアルクェイドの目は、声色は、本気のそれだった。
自分が幸せを壊す未来を怖れるあまり、今を生きている恋人からの言葉も無下にするような選択をすれば、そんな女に恋人を名乗る資格はない。好きな人と一緒に生きるという覚悟も持てないようであれば、その覚悟と愛を持っている自分がソイツを手中にして共に生きてやる。
今しがた先輩に告げたコイツの言葉には、暗にそういう意思が籠っていた。
なら、そうはさせない為に俺からもこの人を説得しなくちゃいけない。
「――――先輩、聞いてください」
「……遠野くん」
「俺は、これまで貴女に何度も何度も救(たす)けられてきた。貴女のおかげで、今の俺がある。
貴女が俺を手にかけてしまうかもしれないと怯えているのなら、そういう未来になるのが怖いと言うのなら、それこそ俺と一緒に支え合って生きていけばいい。
それでも不安が拭えないなら、アルクェイドにも目をかけてもらえばいい。コイツが俺を強引に自分のモノにしないように、先輩が俺の血を吸ってしまわないように、お互いに暴走しないよう監視していけば大丈夫な筈だ。
いや、絶対に大丈夫。アルクェイドも、俺も保証する。先輩は吸血衝動に呑まれたりしないし、させない。
貴女の善(つよ)さと弱さは、俺もコイツも嫌ってぐらいによく知っている。挫けそうになったら、折れそうになったら、溺れそうになったら、その度に俺たちで支え合っていけばいいんだ。
だから―――――どうか、生きる事を諦めないで。お願いします、シエル先輩」
「――――――――――」
今ここで死を選ぶよりも、これからを生きてほしい。
死徒になったとしても、先輩が先輩のままであれば、そして俺たちと一緒に支え合って生きていけば、いつか必ず幸せは掴める筈なんだ。
だから、俺は尚更に諦める訳にはいかない。過程はどうあれ、アルクェイドという救いの手が来てくれたおかげで俺と先輩はノエルのもたらす地獄から解放された。
だったら、どんな苦難がこの先に待ち受けていようが怯んでたまるか。
この人が自分一人では幸せを見出せないとしても、俺がこの人を幸せに導いてみせるんだ。 - 30二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 00:07:40
なんか希望を持ち始めちゃってんな
志貴に関しては手段はどうであれシエルと再会できる機会という奇跡を手に入れられた以上高望みしすぎのような気がする
かといってノエルのツケを回収されないのももどかしいので
ここにいる全員に等しく絶望を与えられる&失意の最期を迎えて欲しい感 - 31二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 01:04:04
「聞いたでしょう?これが志貴の意思よ。
それで?ここまで言わせておいて、尚も考えは揺らがないかしら?」
「………遠野、くん………アルクェイド。わたしは………わたしは、」
「――――――わたしは、なに?」
「!」
瞬間、教会の扉だった瓦礫が弾け飛ぶ。アルクェイドは即座に反応し、飛んでくる瓦礫片を片手で一掃する。
砂ぼこりの中からゆっくりと出てきたのは――――――憤怒の顔を剥き出しにしているノエルだった。
「ノエ、ル……!」
「ああ、まさか真祖の姫サマがご来訪なされるだなんて思ってもみなかったわ。
でも考えてみればそうよね。確かにそこの女におまえの血が流れているんだからおまえはそれを取り戻しに来る筈よ。14年前の時も総耶でもそうだったのをすっかり失念していたわ。
――――で、おまえさ。今なんて言おうとしたワケ?」
「…………っ!」
「瓦礫に埋もれながらずーーーっと大人しく聞いてやってたけど、おまえもしかして『一緒に生きたい』だなんて口にしようとしなかった?
いやぁ、それはおかしいわよね?今のおまえは人類の敵なんだからここで無様に死んだ方が世界にとっての幸福に繋がるってのにさ。穢いモノは須らく地上から消え失せなきゃならないじゃないの。そうでしょ、そうよね?
なんであの時のようにまた絆されようとしてんの?なんで言いくるめられてんの?おまえはまたそうして私を一人にして置いていくの?
違うわよね、あってはならないよね、もう前提がおかしいよね。何を勝手にゴミみたいな希望を抱いてやがるの?
いい?おまえはね、エレイシア――――ここで!私に!ぶち殺される事が!おまえにとっての最善で相応しい末路なんだよっ!!」
先輩に顔を向けるなり、ノエルは狂態を晒しながら怒りのままに言いたい放題を口にする。
だが、この場で怒りを覚えているのは何もこの女だけじゃない。
「……ねえ、なんで邪魔するの?今―――――わたしが、志貴と一緒にシエルを説得していたでしょう?」 - 32二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 01:19:07
というか十四の石って魔性特効だからある意味アルクに対しても属性的に有利ではあるのか
死徒みたいに吸血鬼特効もノエルの場合にはかかってるだろうから白鯨の力を全部焔に変えられるならまだ太刀打ちできるかも…?