- 1125/06/30(月) 00:12:40
「俺は一応『全知』の弟な訳じゃん」
そんな一言から始まったハーレム構築ストーリー!
設定振り返り
俺 明星ヒマリの弟。チショウや煩悩。全恥や恥将と呼ばれる。高い能力を持つがハーレムを構成するのに費やしてしまった。
エイミ 一人目の彼女。正妻
ユズ 二人目の彼女。エイミとユズは感情が意外とさっぱりしてる
アリス 三人目の彼女。感情がもうかなり重くなりそうな予感がしている
トキ 四人目…なのか?少なくとも恥将の事は放っておけない弟くらいには見てる。
https://bbs.animanch.com/board/5216610/?res=
↑前スレ
- 2二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 00:17:52
たておつ
ナカがよろしいようで何よりです - 3二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 00:24:29
立て乙です
応援してます - 4125/06/30(月) 00:25:38
俺は一応全知の弟な訳じゃん
と言う一言で次に出たのが『ハーレム』が故に全てが始まってしまいました() - 5ニ次元好きの匿名さん25/06/30(月) 00:28:25
埋め
- 6二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 00:28:51
とりま梅
- 7二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 00:29:12
取り敢えず10まで
- 8二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 00:30:50
埋めよう
- 9二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 00:34:13
うめ
- 10ニ次元好きの匿名さん25/06/30(月) 00:36:01
埋め
- 11二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 07:01:01
保守
- 12125/06/30(月) 08:01:07
「…少し…いいかしら。ヒマリ」
「あら…私に用事とは珍しい…」
「どうすれば私も彼の…彼女…と言うものになれるのかしら」
「本人に聞けばいいでしょうそんな事!!!」
調月リオは負けヒロインになりたくない
「ヒマリ…貴女にしか聞けない事なのよ。これは」
「何カッコつけてるんです!?別にアレだって貴女のことを嫌ってる訳ではないのですから素直に聞けばいいじゃないですか!?」
「…でも確かに…少し落ち着くと不思議でなりません。…アレが一番最初に手を出したのはエイミ。一番最近はトキ。…二人の要素を足して割って、そこに生活力を大きく削りコミュニケーション能力を無にしたのが貴女…アレの好みのタイプと言われれば確実に貴女でしょう。リオ」
「…!分かったわ。ヒマリ」
「ほう?期待しないけど一応聞いてあげましょう」
「私今、貴女に侮辱されたのね」
「…はぁ…」 - 13二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 12:55:33
保守
- 14125/06/30(月) 13:40:51
「あれ、部長に会長。珍しい二人だね」
「あらエイミ。…良いところに」
「うわ、嫌な予感する」
「悪い様にはしませんよ。…でしょう?リオ」
「えぇ。…少しだけ、話を聞いてもらえるかしら」
「つまり…なんで自分の元には来てくれないのか、って悩んでるんだ」
「えぇ。あろうことかこのリオとか言うへたれっぴは両想いがほぼほぼ確定していても尚自ら動こうとはしないのです」
「…いっそ『私と結婚するのは合理的よ』とか言えば良いんじゃない?」
軽くこの言葉を口にしたエイミとリオを対面で見ていたヒマリは後にこう語った
すっごいそう言う事じゃなくてちゃんと恋愛したい乙女の顔してた、と - 15125/06/30(月) 13:46:23
女先生が果てしなく人気あって驚きでしたネ…
マキちゃんはヴェリタス組いつか行く予定だったので結構早めに回収出来そうですわ。…コユキちゃんにヴェリタス引っ張ってこいつは何するつもりなんでしょうか…()ガチ犯罪可能ですけども… - 16二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 13:50:22
全知を姉に持っているのに何を今更
- 17125/06/30(月) 14:26:30
「次のゲームはチショウをモデルにギャルゲーを作ろうよ!」
「…モデルのアリスとユズはすぐそこに居る、他の人達もミレニアムに居るからキャラデザにも困らない…うん。良い案なんじゃない?」
「アリスは賛成です!」
「俺とユズちゃんの人権はどこ?」
「うぅ……」
恥。彼について悩む女性は多い。他を全員手放させたいと思う生徒もいれば、どうにか割り込む余地はないかと考える生徒もいる。正に争いの種。せめてちからやすばやさであってほしい存在である。
「でも絶対売れるって!チショウをモデルに女の子の心を盗む怪盗を…」
「それ、絶対あだ名が屋根ゴミだぜ。きっと屋根裏に住んでるんだ。俺には分かる」
そして、ここにも悩める少女がまた一人。
「…失礼するわ」
「あ!リオ先輩です!」 - 18125/06/30(月) 16:19:07
「その…調月さん?要件って…」
「……あ!!!」
気まずい空気の中、モモイさんがふと閃いた様に声を上げて立ち上がる。
「リオ先輩に質問しようよ!チショウについてどう思ってるか!」
…毎度そうだが、この人の思いつきって俺の人権が保証されなすぎじゃないか?
「私にユズ、アリスにミドリがいてもなかなかこう言うタイプの女の人居ないからね!参考資料参考資料!」
「絶対お姉ちゃんが聞きたいだけでしょ…その…リオさん。嫌だったら断ってもらっても…」
「…いいえ。受けるわ。…誰からでも、どんな質問でもしてきて頂戴」
と完全に俺置いてけぼりの空気だが、まず真っ先に手を挙げたのはアリスちゃん。
「はい!はい!ずばり!リオ先輩はチショウの事が好きなんでしょうか!」
「なぁアリスちゃん。君の武器はレールガンで爆弾を投げるのはむしろグレネードランチャーのユズちゃんの仕事だと思うんだけど」
「そうね…」
「調月さん?スッゲェ真面目に答えようとするじゃん?」
「好き…かは分からないけど。お互いに理解しあっている関係性、と言ってほしいわ」
訂正、この人も大概爆弾を落として来た。
「む!それは聞き捨てなりません!初めてキスをしたのはアリ───
「落ち着けアリスちゃん!光の剣の方に向かわないで!」
「…弟子くん?キスしたってどう言う」
「後で幾らでもしてやるからちょっと落ち着いてくれ!ユズちゃん!ゲーム開発部の空気が死ぬ!」
…ここから暫くこんな空気が続くってマジ? - 19125/06/30(月) 19:10:13
「えっと…次は私から、いいですか?」
と次に行ったのはミドリさん。
「印象、とかリオ先輩から見てどう思いますか?」
「印象…すぐ無理をするけど、出来ると思ってるから動く。そんな人の印象ね。…後、とにかく小難しい事が嫌い」
「まどろっこしい理論とか理屈とか嫌いなんですよね俺。対人関係だと」
「良くそれで成績維持できるね…」
「そりゃ勉強の時は真面目にやってますから」
出会いは彼の入学前から。
「ほら、挨拶なさい。…気に入らない事ですが、私の次に成績が良いと聞かれるとこの女になるのですから」
「…初めまして。調月さん」
その時は今よりも少しだけ身長も小さくて、明るい感じも頼れる感じもなかったかしら。ヒマリに連れられる形で、彼の勉強を教えてあげてほしい。なんて言われたりしたのが関係性の始まりだった。
それから必然的に私達の背中を追う事が多くなって行って、一番驚きだったのはネルとアスナがあそこまで気に入っていた事。勉強も、戦闘も、常に気高く飢えていて吸収力も高い。
だからこそ、彼の心が折れた日の事は今でも覚えてる。
【─── 俺って、怖いんだな…?……誰かを守ったフリしてるだけなんだよな…?なぁ!教えてくれよッ!!!……『リオ先輩!!!』】
誰かを守ったと言っていた。ただ、その誰かに一番恐れられていたのはその子に迫る脅威ではなく自分だったと彼は言っていた。ネルからの戦闘力、後に『全知』と呼ばれた姉の知力。…そして私の合理性と、アスナの直感。どれも完璧ではないけど『全て使える』…何より、彼の戦い方は常に自分が傷だらけになる戦い方。
─── …正直言って、そうとしか言えないでしょうね
その日だけは、合理的判断しか出来なかった当時の自分を恨む事もあった。…アリスや先生の件があるまで、それだけの経験をしても直りはしなかったけど。 - 20125/06/30(月) 19:12:11
リオさんやトキさんの時はちょっとだけ彼の奥深くに入り込んでいく感じの書き方になってしまって…()
オール80点の裏には入学前からヒマリをきっかけにリオ、ネル、アスナと絡んでいたから。と言う事だったんすね。その上ただ80点のモノマネじゃなくて80点の能力を全部常にフル活用して来る
ギャグ作品に見せて実は主人公がおっもいですって言うのは書いてたらこうなってしまったから仕方ない…() - 21125/06/30(月) 19:51:27
なんだかこう書いているとヒマリさんがあれだけ付き合ってくれていたのも心が折れた弟一回見てしまったので放っておけない、みたいで素晴らしいですね()
- 22二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 20:19:30
ゲームのステータスに落とし込むと全ステータスが各最強キャラの80%みたいなぶっ壊れキャラですねこれは…
特定のステータスで上回ってるキャラを使うと物足りなくて最終的に戻ってくるやつ - 23125/06/30(月) 20:40:49
「……固まっちゃった」
「アリス知ってます!今リオ先輩の脳内には所謂『回想』シーンが流れてるんですね!」
「…弟子くんの昔って事…?」
「俺の昔?…今となんも変わんないですよ。女の子好きで、無茶苦茶。まぁ強いて言うなら今の俺のこの万能型ステータスは死ぬほど努力して得たものってぐらいですかね」
調月さんがアリスちゃん曰くの回想から戻ってくると、少しだけ俺に向けて慈悲深い様な視線を向けて来る。
その後も、かなり会話は盛り上がった。
最終的に、次ゲーム開発部が作るゲームはロボットタクティクスRPG(コミュ要素あり)になったらしい。…ウルロボとかファイヤーエンホノオ的な話だろうか。
「…ごめんなさい。急に押しかけてしまって」
「こ、こちらこそ…ゲームのネタにして良いと言ってもらえて嬉しかったです…」
「こう言う会話上手いのは流石ユズちゃんだよなぁ…モモイさんもあれぐらい出来たらユウカさんからのお金ちょっと増やしてもらえるんじゃないの」
「そんな事しなくてもチショウがユウカ彼女にして頼んでくれればいいじゃん!」
「そんな事したらとうとう才羽姉妹以外のゲーム開発部関係者が全員俺の嫁になるのが良いならそうしてやるよ」
…結局、調月さん側の目的は分からず仕舞いだった。 - 24125/06/30(月) 20:54:45
「……」
「珍しいね。ボーッとしてる」
「いや…なんて言うか…燃え尽き症候群?って言うのかな。…今ここにだってエイミちゃんがいて、ユズちゃんアリスちゃんがいる。…トキちゃんも、なんだかんだいる」
「もっといろんな子を愛せる筈なのに、もういいんじゃないの?って」
「…隣、座って」
「これは私の意見でしかないんだけど…普通、四人に愛を向けるだけでもすごい事、なんじゃないかな」
「そうかなぁ…」
「そうだよ。…って、なんで私がハーレムで悩んでるの肯定してるんだろ…」
「すごいのはその向け方。…ちゃんとみんなと時間取って、それに日々悩んで」
「だって幸せにするつもりで貰ってるんだからちゃんと…」
「……もっと私達を頼ってほしい、って思うけどね」
「貴方が一人で予定組んで、なんてしなくても私達は自分で遊び行きたいって主張もするし、今日は会えないかもって言うからさ」
「もっと最初みたいに自由に、みんなの事愛してあげたら?」 - 25125/06/30(月) 21:09:07
「…やっぱり特別扱いっていうかこういう事相談出来るのがエイミちゃんだけっていうか…」
「そう?相談してないだけでユズとかアリス、トキも絶対ちゃんと返してくれると思うけど」
「なんでかエイミちゃんの前では言っちゃうんだよなぁ…」
「じゃ、そろそろ寂しがりな調月さんの所行って来るわ」
「うん。頑張って」
「と、いうわけで姉貴。『俺と結婚する方が合理的だと思うんです…俺と貴女で最高の子供を作りましょう』か『好きです。調月リオさん』どっちが刺さると思います?」
「いえ。ここは『ふっ…待ってても来ないから迎えに来ちゃったぜ、こねこちゃん』とかにしましょう」
「ダメだ姉貴がツッコンでくれない。調月さん周りの話をする時は俺が真面目にやらないと───
「お呼びですか?」
「それトキね。…じゃなくてなんでいるの!?」 - 26二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 22:06:49
つい先ほどこの概念見つけて前スレパッと見してきたけど、閲注付いてるけどあっちの描写に期待はしないほうがいいっすかねやっぱ
- 27125/06/30(月) 22:21:15
「…なんだかんだ俺、こうやって人呼び出すの初めてなんですよね」
「…そう…」
「一番最初は全然上手く行かなくて、そのままそこからは全部向こうから来てたので。…調月さん」
「俺の嫁になりませんか。全員ちゃんと愛します」
「……その…一つ、いいかしら」
「昔みたいに『リオ先輩』と呼んで」
「…いつの話ですか。それ」
「忘れたとは言わせない。…それに、その日の『罪』は私のものでもあるもの」
「確かにあの日の貴方は怖いと言われても仕方なかった。全身を真っ赤に染めて、返り血なのか自分からなのか分からない程」
「だけど、見ず知らずの女の子の為に立ち向かった貴方の勇気を、私は知っている」
「知っていたのに、貴方に一つの優しさもあげられなかった」
「だから、今言わせて頂戴」
「あの日の貴方は、誰よりも優しかった」
「…ダメですよ『リオ先輩』」
「何がダメなのかしら?」
「…暫く泣いていいですかね。…なんかすっごい悩んでたのに…どうでも良くなった自分の浅ましさと…色々に…」
「泣きなさい。それで、満たされるなら」
…貴方のそれは浅ましいんじゃなくて
誰かと愛し愛される方法をちゃんと知れた。人との出会いと別れで傷ついた心を癒すのは、また他人だとリオは考えた。…そして、他でもない彼にもそれを教えてもらった。 - 28二次元好きの匿名さん25/06/30(月) 22:22:26
「俺はみんなを幸せにする。だからみんなは俺を幸せにしてくれ」が言えるようになるといいですね
- 29125/06/30(月) 22:27:46
- 30125/06/30(月) 22:35:18
後閲覧注意は弟概念とオリキャラハーレムだからつけたって言うか…()
コハルちゃんが喜んでしまう様な文も希望多ければ書きます書きます!暫くはこんなノリで進めるよ!とだけ - 31125/06/30(月) 22:49:17
「あ、いたいた」
ミレニアムに存在する反省部屋。…別に、俺がここに入れられた訳じゃない。最近は脱いでもないし、嫁も増えたので真面目に生きているから。
「コユキ、俺達結婚しよう」
「え、えーと……」
「ユウカ先輩ノア先輩!!!助けてください!!!!ここに変態が居ます!!!」
「ざっけんじゃねぇぞお前ぇぇぇぇ!!!」
「ユウカせんぱぁい…」
「よしよしコユキ…それで?わざわざ反省部屋に用事がある、なんて言うから通したらこの有様。…何か弁明する?」
「いや違うんですよユウカさん。こいつ俺の口座から金引き抜きやがって…」
「ならもう結婚だろ」
「うん。それはおかしいと思うわ」
「良かったなコユキ。変態の俺と反省部屋行きにはならないみたいだ。…お前は戻ってしまったけど」
「うわぁぁぁぁ!!!ここでハジ男の事なんて反省部屋行きにしてやりたかったのにぃぃぃ!!!」
「おう。今ここにネル先輩連れてきてやってもいいんだぞ」 - 32二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 01:08:50
- 33125/07/01(火) 06:42:25
お互いに了承した想定ですね。トキちゃんもなんだかんだ着いていってますし、ここ二人はちょっと分かりにくいから後々掘り下げられれば…
「そ、そもそもハジ男はなんで次に私なんですか!…やっぱり貴方は趣味がイカれて…」
「ねぇよ。…そんなに嫌なら無理にとは言わないけどな。『お前の才能を見込んで』の話でもある」
「…才能?」
「あぁ。…ミレニアムや他校からの横領。とてもじゃないけど見逃せる行為じゃない筈」
「それ、俺の所で上手く使わないか?」
「ハジ男……」
「それって私に求婚する事の何に繋がるんですか!?」
「あクッソ騙せなかった」
- 34二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 08:18:02
増えるのもいいけど各ヒロインの交流とかもいいよね
とかいってみます - 35二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 08:19:24
自分に求婚するのは趣味がイカれてるって自覚あるんかいコユキ
ならまあ俺も趣味イカれてる扱いでもいいや - 36125/07/01(火) 08:29:48
- 37二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 08:33:49
㌔㍉コン
- 38125/07/01(火) 12:26:34
ヒロイン交流は定期的に行う予定です。裏で頑張ってはいるんすけどね?()予定かっつかつですよ彼
- 392625/07/01(火) 13:35:58
- 40125/07/01(火) 14:09:31
黒崎コユキ、と言う人物の俺からの解釈はこうだ。
行動の割に、自己肯定感が足りなすぎる。
例えば俺。俺は自己肯定感に溢れているし、姉貴もそうだ。姉貴の場合はそこまでだが、俺の場合は溢れ出る自己肯定感を元にこれだけ無茶苦茶している。
だが、事黒崎コユキにおいては違った。
【私を選ぶなんて貴方は趣味がイカれてる】
俺のロリコン疑惑が浮上している事もあるだろうが、それでも一部の自己肯定感が高い層は『お前じゃ私に釣り合わない』なんて言って来るだろう(これはうちの姉貴な感じだが)
「はぁ…どうしたものか…」
「…珍しいわね。貴方がため息だなんて」
「あ、リオ先輩」
「…次はコユキを?」
「はい。…なんだか放っておけないっていうか、アイツに足りないのは面と向かって思いやってやれる相手なのかなって。…別に、ユウカさんやノアさん、リオ先輩に無理って話じゃなくて…」
「今のあの子には、同じぐらいの立場で同い年って境遇の子が少ない、んですよ」
「…今はセミナー、と言う立場がないのだけれど」
「それでもですよ。…一回なっていた、その理由も『能力を買われて』ですから。…俺ぐらいなんじゃないですかね。一年生から能力買われてセミナースカウトだなんて」
「…どうして貴方は蹴るのかしら」
「そりゃ、セミナーになったらこの立ち位置続けられないでしょ」 - 41二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 17:25:20
だいぶ早めの ほ し ゅ
- 42二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 19:18:31
このレスは削除されています
- 43125/07/01(火) 19:26:28
「…とは言っても、俺完全に不審者扱いなのがなぁ…」
「…意外と、コユキは貴方の事はあの部屋にも素直に入れるし満更でもないんじゃないかしら?」
「だと良いんすけど…」
「じゃ、そろそろ行きますわ」
「行く?何処に用事が?」
「トレーニング部っす。恋愛とかじゃなくて単純に仲良くなりました」
(…トリニティ、なのかあそこは。…まぁいい。その辺りの地下にある『カタコンベ』。あれの攻略には『暗号解読のプロ』であるコユキは必須。…その上、俺は正直あぁいうタイプは好きだ。天賦の才能で全部を無双する。そういう『天才』の道をつくるために俺みたいな『秀才』は居る。…ちょっとでも、アイツの才能を活かしてやれる舞台を作ってやらねぇと…)
スミレさんと話があったのは向こうからだった。俺としてもこれから更に酷使する事であろう肉体を鍛えられるのは都合が良かったので、今では度々お世話になっている。
【普通、人間というのはなりたい自分とやりたい事があります。…貴方はなりたい自分とやりたい事が一直線で繋がっている。機材や部屋はいつでも貸します。貴方の様な人の為でもあるのがここですから】
めっちゃ強くなってモテたい。みんなを守れるぐらいになりたい、そんな事だがここまで褒められてしまった。
「ティーナ!スミレンティーナ!!!タオルを取って来てくれたまえ!」
「前から思ってたんですけど、なんで私に『ティーナ』ってつけるのか…」
…全てはシュタインズゲートの選択。エル・プサイ・コンガリィ。 - 44125/07/01(火) 19:39:37
今日の作戦はこうだ。…一回真面目に言ってみる
「…コユキ。俺だ、話がしたい。…開けるぞ」
「どうしたんですかそんな改まって。…なんか元気なくないです?」
「…コユキ。確かお前『どんな暗号でも解ける』んだよな?」
「え、なんですかそれ」
「…マジ?」
自分の才能に自覚がない天才だったらしいので、出直す事にした。
「と、言う事があったんですよねはっはー!…トキちゃんジュースおかわり」
「これ以上は私の分が無くなるので嫌です。ネル先輩に持って来てもらいましょう」
「それもそうだな…ママー!俺のジュース取ってー!」
「誰がママだ誰がぁ!」
「しっかしまぁ…一時あんなネクラだったお前が今じゃ…何人だっけ?」
「この間調月さん増えたんで5っす。勿論トキちゃんも含んでます」
「ぴーすぴーす」
「そんな女作るとはなぁ…全員幸せそうだしな!どうだ?アスナなんかはお前と付き合いも長いし───
「んな事言わないでくださいよ。俺はネル先輩だって十分ターゲットなんですから」
この後、何故か追い出された。…コユキと半分因縁に近いけれど、関係性自体は深めのネル先輩にならいい話が聞けると思ったんだが。 - 45125/07/01(火) 20:29:44
私、黒崎コユキとあの人…ハジ男との出会いはあの船の上だった。
「…黒崎コユキ。で、合ってるだろうか?」
「俺は全能。…俺と勝負しようぜ」
その日の運はノっていたので勝てる自信があったから勝負を受けた。内容はポーカー。ディーラーからカードが配られた瞬間、彼は声を上げた。
「俺はカードは変えない」
一枚も見ていないのに、その宣言。…なんだ、勝てると言ってもただのハッタリ…
「俺は俺の全財産と姉貴の全財産を賭ける!…なんだったら、負けた時に黒崎コユキ。一生お前の元についてやる。ミレニアムの『全知』の弟にしていろんな方面にコミュを持つ俺が…欲しくないのか?」
「その代わり!俺が勝ったらミレニアムから分どった金を全額きっちり返済してもらおうか」
「どうする?」
その時、私は考えてしまった。
─── ツキが、終わってたら?
私の運が悪いターンがちょうど良く来て、彼の方の手持ちが強かったら?
イカサマはしてない。公正なディーラーだから出来る訳がない。…なのに、なんだ?あの自信は
「賭けるのか?」
賭ける、その一言が出なかった。…目の前の男のオーラはただものじゃないから
結局、私が負けを認めた後に見た彼のカードは役なしだった。 - 46125/07/01(火) 20:59:04
「やるぞコユキィ!」
「はい!…所でこれ、なんの紙ですか?」
「コイツはトリニティ…正確にはちょっと違う場所に存在する『カタコンベ』とか言う所らしい。…俺も詳しくは分からないが、日によってルートが違うんだ。…んで、だいたいのマップがそれ」
「…つまり?」
「ある程度法則…と言うか閉まるシャッターは数字に起こしてみた。…解読、やれるかコユキ」
「……」
「幾つかパターンあると思うので、待っててください」
「…!」
やはり、天才は面白い。
「解けました!」
「おいおいおい…まだ五分しか経ってないぜ…?」
「解けはしたんですけど…多分ですけどこれ、ちゃんとパターン化されてるって言うよりはもっと細かい区分が沢山ある感じですね」
「いや…十分だ…凄いなコユキ!」
「…そう…ですか?」
「あぁ!この調子で暴れてやろうぜ!」
その日、俺達は色々な事をした。
「コユキ!このきな臭いカイザーコーポレーションだか言う会社から金盗もうぜ!」
「はっちゃ!」
「コユキ!ゲーセンでスロットしに行こうぜ!」
「ごんちゃ!」
「コユキ!そいつは俺のメダルだぜ!まだやりたいなら自分で買いな!」
「私お金ないです!」 - 47125/07/01(火) 21:46:23
“コユキの才能をちゃんと使わせたい…ね”
「はい」
“…それがどうしたら企業のお金を盗む、なんて言うのに繋がるのかな?”
「…先生。お言葉ですが」
「悪党を殴るとスカッとするぜ!」
「…と言うわけで、暫く奉仕活動に当たれと言われました。…折角なので『表向きには』メイド部となっているC&Cで暫く働いてもいいですか?」
「…なぁ…明星弟」
「はい。なんでしょう?ネル先輩」
「なんでお前ちゃっかりメイド服着てんの?」
「事情を説明したらトキちゃんがくれました」
「くれました。…じゃねぇよ!?お前もお前で何平気な顔で着てんだ!?」
「いえ。メイド部に執事服は違くない?と思ったので…」
「あーもういい!…その服装でも普通に動けんだよな?」
「はい。余裕ですね。なんなら今からタバコを五本口に咥えて火を消さずにジュース飲んでみてもいいですよ」
「言ったな?」
「嘘です許して下さい」 - 48125/07/01(火) 22:50:28
「いやまぁ俺似合っちゃうんですよねメイド服。…どうです?」
「似合ってますよ恥将」
「ありがとトキちゃん。…それでお仕事なんだけど」
「つってもなぁ…お前、カイザーコーポレーションに喧嘩売って今奉仕活動させられてんだろ?」
「うっす」
「おとなしくするついでに、女側の役作りでもしてみたらどうだ?」
「…やってみます」
「おうおう。流石にそうだよ…は?」
「俺、やります。ミレニアム一の美少女になります」 - 49125/07/01(火) 22:56:39
関係性
恥とネル
基本的には恥がふざけてネルがツッコミをする。なんだかんだ面倒見のいいネルと出来る事が多いけど人を頼る事を知ってる恥で相性がいい。
恥の戦闘のかなりの部分はネルから影響を受けているが、彼女ほど近接好きでもない
恥とアスナ
描写してないけど仲よし
恥の性癖が歪んだ原因。彼女さえ居なければ恥は女性一人で満足できた。アスナ、そしてリオネル姉に囲まれて(全員俺の女にならないかな…アスナさんとか距離近いんだよな…)と悶々としていたのが今になって爆発した - 50二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 02:01:04
二人に付けられた傷と業がふけぇ……、ってかネルパイとも殆ど姉弟みたいな距離感だな
- 51二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 06:15:07
ほしゅ☆
- 52125/07/02(水) 08:03:49
「…と、言うわけですので。暫く宜しくお願いしますね。アスナ先輩」
「えー!めっちゃ似合ってるじゃん!かわいー!え?てか声もちゃんと…」
「はい。昔色々出来る様になる時に声の出し方も学びました。…身長だけちょっと高すぎるのでアカネさんと同じロングスカートにさせてもらっていますが…」
「身長高くなったもんね〜」
「昔はあんなに暗いしちっちゃかったのに」
「…今の俺、どうですか?」
「すっごい良いと思う!」
「なら…良かった」
「所で貴女の捜索頼まれたんですけどどうしたんですか?」
「多分スマホ無くしちゃった!」
「前も先生にそう聞いたんですけど」
「あはは…」
俺は事情を知っていても疎く扱うだとか、腫れ物触らずなんて出来ないししたくもない。
「んっんん…仕方ない人です。アスナ先輩は。…私も探しましょう」
「お、コールサイン06って事?良いじゃん良いじゃん。本当に入っちゃえば?」
「入りませんって。全知の弟が何処かについた、だなんてなれば大問題ですから」
「それに、自分のコールサインは-13【マイナスサーティーン】が良いです」
「…ダサくない?」
「ダサくないです」 - 53125/07/02(水) 12:41:53
このスレがいつか完結したらその時は
ワイ、百合園の弟なんだけど死んだらしい姉から毎日モモトーク来てる
か
俺、ゲヘナ最強の弟なんだけど万魔殿に引き抜かれた。〜美食研究会のハルナって人がドタイプでなんも出来ない〜
か
俺、魔女の弟なんだけどテストで全部満点なのに補修授業部行きらしい
を書くと思います()全知弟シリーズで拾えないであろうヒロイン達はそっちになるかな…() - 54125/07/02(水) 15:17:48
「あ!アスナ先輩です!エイミ!メイドの人です!」
「ちょっとアリス…あれ?隣に居るのって…」
「アスナ先輩。着替えてきても…」
「え〜!?さっきまであんなに楽しそうにしてたのに!」
「いや…彼女達にみられるのは訳が違うって言うか…」
「…似合ってるよ」
「はい!似合ってます!チショウからメイドリーダーにジョブチェンジですね!」
詳しく事情を説明した。
「奉仕活動…本当にちゃんとやってるの?」
「失敬なエイミちゃん。…この様に、声までしっかり変えてエージェントとして活動してますわ」
「すっごいコッテコテなお嬢様言葉のメイドだね」
「ん…後輩ちゃん!任務だって任務!」
「あら…それではお二方。失礼しました」
「…ねぇアリス」
「はい!なんでしょうエイミ!」
「ありだと思う?」
「はい!とってもありだと思います!」
「…同感かな」 - 55125/07/02(水) 16:20:37
私の知ってる彼は本当に情けない…言ったら失礼だけど、本当に情けない子だった。
今からは考えられないぐらい内気で、正直姉と比べても飲み込みはいいけどそんなに賢いと言う印象もなかった気がする。…それが、私達に会わせてから、そして何より『あの日』から。なんでも積極的に行うしすっごい明るい子になった様な気がする。…あんまり覚えてないんだけどね。
それでもずっと覚えてるのは、まだ私の『体質』も良く知らないうちに彼が私のことを見つけてくれた事。
【はぁ…はぁ…アスナ先輩!】
あの言葉、君からすれば軽い言葉なのかも知れないけど
【何処に行って…え?…俺が誰か…ですか?】
【明星─── っす。…忘れやすい、って事なんですかね?その体質って言うのは】
【なら、何回だって思い出させてあげますよ】 - 56125/07/02(水) 18:42:27
「…女の子は撃たないんじゃなかったっけ?弟くん」
「いえ。この姿の時はコールサイン-13ですので。メイドとして、果たすべき任務をこなします」
「…本音は?」
「最初はノリで着てたけど恥ずかしいので普通に女の子のフリしてます…」
「あはは!本当後先考えないで動くよね!」
「ぐっ…」
「ハーレムだってそうだったし!」
「いやこれに関しては思ったよりも俺の事を好いてくれてる女性が多くて───
会話しながらも、少しずつ自分とアスナの立ち位置を変えていく。ロングスカートの中、普段よりもふわふわとしていてボディラインが隠れやすく、スペースも多い服の中から狙撃銃を一本取り出すと発砲した。
「…え?」
「先輩の『直感』よりも先に気づいて撃ち抜きました。…当たってなかったとしても、恐らく攻めては来ないでしょう」
「なんで…」
「恐らくですが、アスナ先輩はその直感を使い過ぎると忘れてしまう。と仮説を立てていて」
「…今俺の事は分かりますか?」
「うん。明星───
「オーケイ。そこまでで大丈夫です。普通に弟くんで」
「貴女が忘れると言うのなら思い出させてあげる。と言ったのが昔の俺らしいですけど、忘れるって辛い事なんでしょう?出来るなら、忘れないほうがいいと思いまして」 - 57125/07/02(水) 18:47:57
Q.なんで彼は直感が生えてきたの?
A.数年間彼女を後ろで追ってきた事で近い物を得ている、後は姉と会長のモノマネで直感に合理性を足して大体の位置を割り出しました。漫画で強キャラの良くやってる『戦闘後にそこにいるんだな』が出来るタイプの主人公。それが全恥 - 58二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 19:05:20
自分の言動忘れてるから若干デメリットも受け継いでるな? この恥
- 59125/07/02(水) 19:35:47
早く条約編行きたいけどなぁ俺もなぁ!
後ミレニアムだけでもエンジニア部とヴェリタス二人とぼかし気味に一旦終わってしまいそうなアスナちゃんコユキ回収あるからなぁ!()
たっぷりギャグで味方回収してガチバトル編以降するのは面白いバトル漫画あるあるなので頑張ってます - 60125/07/02(水) 19:39:30
- 61二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 19:42:09
- 62125/07/02(水) 19:47:17
まだ…とは言いますけどミドリちゃんと合わせてゲーム開発部メンバーとの深掘りでちょっと進める予定です。
女先生のビジュについてはお好みのものを…
自分としては完全に某よわよわな人イメージで進めるので大人の女性が少年に負けてしまう、なんてセクシー展開はありません()
- 63125/07/02(水) 20:02:22
「…ちょっと何それ。やめてよ?」
「女の子って、そう言うことされると恋に落ちちゃうんだからね?」
「って言う会話が最近あったんだよ。…はいそこサンダー!!!落ちろ先頭のモモイ!ざまぁざまぁ!」
「あーー!!!やったなこの女たらし!ハーレム主人公!」
「ざぅわぁんねんながら褒め言葉にしかなってませーん!!!」
「アリスはチショウとモモイが醜い争いをしてるうちに先頭に出ます!」
「甘いよアリス。お姉ちゃんとチショウが争うのを読んでたのは私もなんだから」
勝ち抜け、と言うルールで俺の膝上に座らせて放置させているユズちゃんを置いて俺達はレースゲームに勤しんでいた。俺の使っている悪そうな細めの親父が芋虫のバギーに乗っている。順位はビリ。なんでだろうか。
「くっそこのままじゃ負ける……!そうか、その手があったか!」
「へへーん!私の邪魔ばっかしてもチショウがビリなのは変わんないよー!」
負けそうになった俺はアリスちゃんの胸に手を伸ばして───
“ちょっといいかな?”
見事。先生に邪魔されてしまった - 64125/07/02(水) 20:24:41
今一スレ目見返してたらすっごい伸びてて笑いましたね。一レス目が赤くなってら
“それで、どうしてあんな事を?”
「その…今回ばかりはゲーム開発部の仲間として、ユズとアリスを任せないといけないとして…見過ごせないかなって…」
騒がしくゲームを続けるモモイさんにアリスちゃんとユズちゃんを添えて。俺だけは一人お説教を喰らっていた。
今まで俺に関しては無関心…と言うか、黙ってくれていたミドリさんからもこの評価。先生も珍しく怒っている…いや、そう珍しくもなかったな。前にボロボロになった時も同じ様に怒られた事がある。
「いや…その…負けたくなくて…」
「負けたくないからってあそこまでする?」
「普通は…しないんじゃないですかね…」
“…ただでさえ女の子がいっぱい周りにいるって複雑な環境なんだから、ちゃんと気をつけないとダメだよ?”
「うす…さーせんした…」
「…そもそもチショウって周りにもっと大きい人たくさんいるんだから別に───
その時、アリスちゃんがこちらを見ていた。…いやん、なんて地獄耳。
「…なんでもない。今のは私側にもデリカシーがなかった」
「……」
ミドリさんも似た様なサイズだから自虐だもんな、なんて言いかけたが先生が何かに気づいた様な視線を向けてくる。…ゲーム開発部に居ると真面目な脳みそが柔らかくなってふざける様になってしまうのかもしれない。
おのれ才羽モモイ! - 65125/07/02(水) 22:07:29
「…あ、お説教終わったならいいですか?」
「『二百年浦鉄』って地獄みたいな遊び思いついたんですけど」
説明しよう!二百年浦鉄とは!『浦太郎電鉄』と言う有名ゲームをまず別れて百年プレイ!その際、『最初の100年で最も稼いだ順』から上半分と下半分に分ける!その後は普通に勝ちを目指してもう100年!一試合目はどれだけ借金を負うことになろうと稼げればいい!闇のゲームだ!
「ちょうど俺、先生、ミドリさん、モモイさん、ユズちゃん、アリスちゃんで六人なので三人三人でやりません?」
「…先生は明日の仕事。大丈夫なんですか?」
“今日付き合う分明日、当番で仕事もやってもらうよ”
「だってよ。頑張れミドリ」
“明星くんだけどね?”
んな理不尽な。…と言うわけで俺はアリスちゃんとユズちゃんに『決勝で会おう』と盛大にカッコつけてミドリさん、先生とやる事にした。ふっ…まぁ俺なら勝ててしまうだろう。
「ん…んん…」
気づけば寝ていたのか。と言うか布団までちゃんと敷かれていた。…体が重い。寝ぼけた目を擦る事も出来ずに、なんとか唯一動く首を右を向けると───
「!?」
先生がそこに。…嫌な予感がして左を向けばユズちゃんが。体に抱きついてるのはアリスちゃん。両足には才羽姉妹。
「……もう一眠り、するか!」
結局、この日の先生は仕事が全く終わらずにユウカさんに詰められていた。俺はそんな姿を横目に頼まれた仕事を持ち寄ってコユキの隣で仕事をしていた。
「見てろよコユキ。…奥義!ハンコ十六連打!」
「すごいです!」
提出したら死ぬほど怒られた - 66二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 06:32:47
なんでこの手の弟って例外なく発言や行動がキモいんだ?
- 67125/07/03(木) 13:09:59
「…そういえば、ずっと聞きたかったんですけど」
“どうしたの?ユウカ”
「どうして先生は彼の事だけ『明星くん』って苗字呼びなんですか?」
“…初めて会った時に本人が名前があんまり好きじゃないって言っててね”
「…まぁ確かに、女性的な名前ですもんね彼」
「……降参です」
「はっ…もうちょいやればいけんじゃねぇの?」
ネル先輩に銃を突きつけられて、両手をあげる。…かれこれ入学前と合わせて三年以上は戦っているが、よーいドンで勝てた試しがない。
「銃口突きつけられてる時点で実戦なら負けですからね…」
「はん…つーかお前。何本銃使ってんだよ」
「リボルバー二本、ハンドガン一本、サブマシンガン二本にアサルトライフル一本、マシンガン一本とガトリング一本。ショットガンも使ってグレネードもですかね」
「いっつも思うけどその量何処にしまってんだ?」
企業秘密だ。…とは言っても、だが。
「無駄に多く使ったって勝てる訳でもないですしねぇ…一本に絞った方がいいのかなとか」
「…テメェの事はテメェが決めな。一人で尻も拭けないガキでもないだろ?」
「それに、女と同じだろ。お前は色んな奴に手を出してる様に見えて一本一本全力。なら、それでいいじゃねぇか」
「…ネル先輩」
「ま、あたしに勝てる様に頑張んな。…今年中に勝てるといいな?」
「卒業までどころか雪が降る前に倒してやりますよ」 - 68二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 21:23:14
ほ、
- 69二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 21:33:37
女の名前なのに…なんだ男か(ナンダオトコカ(ナンダオトコカ
- 70二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 22:40:46
もしもあの改札の前で立ち止まらず歩いていれば♪
- 71125/07/03(木) 22:59:12
「…やっぱり執事服以外も着ない?すっごい似合ってるんだけど!」
「実はあれ、エンジニア部製のマシンが搭載されてる万能衣装なんですよ」
「だから私とは絶対戦いたくない、って言ってたんだね」
「アテナ3号のEMPなんて喰らった日には全部メンテナンスですからね」
ハロー凡人共。全知だ。今日の俺は珍しくミレニアム外に連れ出されている。相手はマキさんとハレさん。ちょっと前に協力してもらった事のお礼として二人の外出に同伴する形になっている。
「絶対執事服とかみたいな硬い服よりもラフな方が似合ってると思うんだけどなぁ…」
「ですって。ハレさんどう思います?俺も結構気に入って入るんですけど」
「いいんじゃ…ないかな。私はマキ程詳しい訳じゃないけど」
「なら買いで。すみませーん!」
普段着てる執事服とはまた違う黒や赤を基調とした派手目なパーカー。下も所謂ダメージジーンズの…なんだか女の子を殴ってそうな服装(偏見)オシャレ、と言うものには残念ながらあまり縁がないので(そんな事しなくても顔が整ってるし)ファッションに気を使うのは中々珍しい事だ。
「なんか、二人へのお礼なのにすみませんね俺ばっかり楽しむって言うか得しちゃって」
「全然!男の子ってなかなか居ないからついコーディネートも楽しくなっちゃう!結構センス合う部分多いし!」
「マキさんセンスいいじゃないっすかそもそも」
「同感。…それに、今のうちに仲良くしておけば来年にはヴェリタスに…」
「ハレさんには悪いっすけどそうはいかないんですよね。…つーか今でも全然回ってるじゃないですかあそこ。…俺よりもノアさんかユウカさん誘った方が期待できると」
「?なんで?」
「ユウカさんが次期セミナー会長だと仮定すると、それと仲良しの白髪はヴェリタスに行くからですかね」 - 72二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 00:48:11
そんなカップリングみてぇな……
- 73125/07/04(金) 05:33:40
「パーカー着てるとグラフィティ似合うね!」
「俺の芸術性を見よ…!」
「シャーレの壁にやって怒られないかな…」
カジュアルファッション俺。ハレさんの用事であるパソコンのパーツ購入は終わったので今度はマキさんの用事だ。シャーレの壁を対象に、彼女の趣味に付き合っている。
「…そういえば、弟さんは最近話題なってるよね。彼女いっぱいいるんだっけ?」
「あ、そうですそうです」
「と言うか、お二人もなってもらえません?」
「…かなり人間として怪しい発言だけどそれ」
「じゃあ真面目にやります。…付き合ってください。マキさんみたいに明るくてセンスある子が俺には必要だし、ハレさんみたいなのは姉貴にもバレてるぐらいストレートにタイプです」
「おぉう…」
「ふーん?」
「そっちがヴェリタスに入るって言う方法はないの?うちの部長だって中々行けると思うんだけど」
「ないっすね。何度も言ってる様に、俺にはやりたい事があるので何処かに所属してしまうのと相性が悪いです」
「…ただまぁ、全部が終わってもなお俺が欲しいって言うなら入っても……」
「言ったからね!」
「…ハッキングもなんもかんも中途半端な俺でいいならって話ですけど」
「中途半端…なのかなあれ。ゲヘナ学園のミサイルハッキングして軌道変えておきました、なんてする癖に?」
「ハレさんには負けますよ。…と言うか、姉貴が居た所に行くのは癪ですし」 - 74125/07/04(金) 12:15:04
結局の所、俺と言う人間は女性が何人増えようと自由気ままな気質なのは変わらないのだろう。一緒にいれば誰もが魅力的に感じてしまう。そう言う体質なのだ。
「とは言っても、無闇に増やしすぎても時間取れないから今は行けそうな子たくさん保留してるんだけどな」
マキさんもハレさんも悪印象ではなさそうだったし、アスナ先輩とネル先輩も押せばいけるだろう。…ただまぁ、遊んでもいられなさそうだが。
「すいませーん。ウタハさん居ますかー」
…遊んでも居られない、と言う事でうちの姉貴とリオ先輩。ネル先輩に続いて頼りたい人物が一人。彼女を訪ねるためにエンジニア部へと訪れていた。 - 75125/07/04(金) 16:58:41
俺と彼女…白石ウタハの出会いは俺が姉達に憧れてこの学校の所謂中学生に向けた体験入学、とでも言うのだろうか。そこでだった。当時は『今』に近い状態に俺はなっていたのでもう既に立ち方は今の従者らしい立ち姿で、銃も大量に服の中に仕込む。今考えるとヤバい奴でしかないだろう。
(姉貴や調月さんの所行くのもなぁ…)
「あれ…ヒマ…」
「じゃないですね。弟です」
「弟?君、今幾つだい?」
「今年で十四っす。姉貴と二つ差なんで姉貴が三年の時に高校一年生ですね」
「へぇ…彼女の…」
初対面の印象は美人、と言う他ないだろう。色んな意味で大きい人か逆にゼロかに囲まれていた俺には眩しすぎる存在。何より距離が近い。
「ちょっ…ち、近いっす…」
「いやすまないね。…男性の肉体データは少ないものだから記録しておきたいと思って…」
「そうだ、君。今空いているかい?お礼はするよ」 - 76125/07/04(金) 22:09:17
「…おーい」
思い出に耽っていた所、目的の人が来たらしく。ヘイローなのかそうでないのか微妙なウサ耳にも見えなくもないパーツを浮かばせたその女性がそこに立っていた。
「うどんげさん…」
「ウタハだよ?…昔から定期的に私のこと間違えてるけど一体誰なんだいそれは…」
「貴女にそっくりな美少女ですよ。そっちの子は薬の方面ですけど」
「へぇ…」
「それで、真面目な話に戻ろうか。君が私を訪ねてくる、と言うことは何か大事な事がある時だろう?」
「…流石っすね。いやまぁ、最近の俺の活発さで大体わかると思うんすけど」
今思うと、俺はどんな女の子も魅力的に感じる…と言えど実際に思いを伝えたメンバー、そう言う空気まで持ち込んだメンバーには法則性がある。 - 77125/07/04(金) 22:15:33
「君の姉の右腕にして一年生ながら高い武力、そして戦闘以外の面でも活躍ができて精神的にも安定しているエイミ。現在は権力を失っているものの、高い知能と判断力、推測力は変わらないリオ。そしてその専属のメイドのトキ。…何より、『アリス』
「付き合えてはないですけどネル先輩とアスナ先輩にもある程度話はつけられそうですよ今は。後ヴェリタスの二人も。流石に反リオ会長のチヒロさんとあんまり関係性ないコタマさんは無理でしたけど」
ここまで言ったところでニヤリと笑い
「それに、『アビ・エシュフ』を破る奇策を編み出してゲームコントローラー型でさえあればアヴァンギャルドくんすら操縦してみせるユズちゃんを忘れてます」
「…本当、戦争でも売るのかい?ってメンバーだが…」
「売りますよ。正確には恩を売る、必要そうなら戦争をふっかける、ですけど」
「…詳しく、聞かせてもらえるかい?」 - 78125/07/04(金) 22:28:45
「もうかなり近づいてしまいましたけど…来たるエデン条約調印式。…ゲヘナ側からミサイルを使おうとしていた痕跡が見つかったり、トリニティ側に『カタコンベ』とか言う定期的に構造が変わる地下通路…なんですかねあれ。が存在してます」
「んで、大体コユキに解読してもらったのがこちら」
「…読んでもいいものなのかい?」
「暗号つっても数学的なものに無理やり当てはめただけの雑なものですからね。多分これじゃ無理がある気がしてます」
この反応なら、煽るべきだろう。
「…しません?ウタハさん。ワクワク」
「…君の事だ。先に言っておく。私に、私達エンジニア部に協力しろと言って私達に得があるか?」
「勝てば武装はエンジニア部製のものだって言います。宣伝には素晴らしいでしょう?」
「負けたら俺がエンジニア部に入らせてもらいます。そりゃ、なんも作れないかもですけど俺のコネと人脈丸々ここのものです」
「……」
「そりゃ、ミレニアムとトリニティに喧嘩売るなんて怖いでしょうね。向こう二校は伝統もあるし、うちよりも大きい。二つの間にあるものも、俺達が割って入れるものじゃない」
「ですけどね?そう言う伝統とか因縁とか、くだらないって吐き捨てて。常識を疑うバカがいたから科学は発展してるんですよ」
「いつの時代だって、巨匠を老害と言ってバカに出来る人物だけが時代を回してきた」
なるべく盛り上がる様に。同じ様な話し方はきっと他の子には通用しない。…ロマン、あの日俺を信じてくれた貴女を信じて今はピエロにでも語り手にでもなってやる。
「狙いはこうです。俺の『彼女達』利用して全員で頃合い見て向こうに突撃します。…そんで、その頃合いって言うのが」
「…対立した時。と言うのかい?」
「…ま、されなければされないでいいでしょう」
「多分、俺達以外にも二つの対立を煽って何かを成そうとする勢力はいるでしょうが」
「どこまで見透かしているんだ君は……」 - 79125/07/05(土) 07:18:33
「…と言うわけで。ウタハさん」
「力を貸してもらえませんか?」
「…他校との対立を楽しめる、そんな人物に私が見えるとでも?」
「見えないですね。なんだかんだ、ウタハさんは優しい人ですから」
「でも、俺の為に力を貸してくれる人には見えます」
「……」
「それに、これは俺個人の感想なんですけど…校内の団結力だけで見れば、ミレニアムに敵う学校は少ないと思いますよ?」
「ほう?」
「反リオ先輩派を除けばうちは内部争いも派閥もほとんど存在してませんからね。その姉貴とチヒロさんですらほぼほぼ許した様な形ですし」
「その上、うちにはネル先輩がいる」
「『射程内ならキヴォトス最強』の彼女がいます。ゲヘナとトリニティにも強い人物はいれど、彼女と交戦距離が同じ最強格はアビドス、だか言う廃校寸前のところの人物だけです。…最も、彼女達は先生によって蛮行を働く様な人物ではないと確認済みです」
「ちょっと待て。…先生にこの事は話したのかい…?」
「話しましたね。とは言っても、本当都合よく話しましたよ。『ゲヘナとトリニティが争うなら、俺達は本当にどうでもいい理由でしっちゃかめっちゃかに掻き回す』そう伝えました」
「実際それ以上の理由もないですから。…向こうにも美少女が多い訳ですし、それに対して宣戦布告したい訳でもありません」
「なら……」
「きな臭いから。長らく対立してきた二つを結ぼう、なんてここまで怪しい時期はありませんよ。だから対立しようものなら…そう、まるで夫婦喧嘩に幼い幼児が『辞めて』と割り込む様に、シリアスで長らく続いた空気をぶっ壊せばいいんです」 - 80二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 14:47:19
保守させていただきま〜す!
- 81二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 14:58:44
エデン条約にミレニアムが本格参戦とかもうこれハメあたりのSSに投稿できるレベルだろ
- 82125/07/05(土) 18:16:37
「うーむ…こうしてみんな集まると本当に美人揃い」
「どうしたの?わざわざみんな集めて…」
「アリス騙されました!デートの誘いだと思って行ったらみんないます!」
「ごめんごめん。…今回ばかりは大事な話でみんなに聞いて欲しかったからね。まずは付き合えた五人をって事で」
「まず単刀直入に言うと、俺の為に命を賭けてくれるか、って言う所かな」
こんなことを言うと言うのにノリが少し軽過ぎただろうか。まず真っ先に反応してくれたのはゲーム開発部の二人だった。
「突然です!アリスはチショウ直々に『守ってくれ』と頼まれましたから!」
「…うん。私もアリスと同じ。ゲーム開発部に所属してなくても、弟子くんは大事な仲間だから」
「ゲーム開発話お二人はよし…モモイさんやミドリさんは心配しないんですかね?」
「…二人もチショウの頼みならきっと行ってくれるよ」
そしてお次はあの二人。
「当然よ。…あの日、エリドゥでの一件で貴方は私ではなく自分を犠牲にすると言ってくれたのだから。私も当然、貴方の為に命を、全てを賭けるつもりでいるわ」
「…一言、足りないのではありませんか?すぐ無茶をする全能さん」
「助けてくれ。スーパー美少女トキちゃん」
「…いいでしょう」
「飛鳥馬トキ、計画を説明されるまでもなく貴方に協力させていただきます」
これで二人も。…後は
「エイミちゃん」
「……」 - 83125/07/05(土) 18:24:59
「私は、まず私に相談して欲しかったんだけどな。…最初に相談したの、誰?」
「…先生かな。ミレニアムが『他校の場所で動くには』名目だけでもシャーレが必要だったから」
「そう…」
「何しようとしてるのか、ちゃんと教えてよ」
「エデン条約調印式の日。トリニティとゲヘナの間に怪しい動きがあったら俺達が割り込むつもりです」
「…それ、なんで行く必要があるの?教えてよ。…なんで、なんで危険を払ってまで動くの?」
「二つの学校がきな臭いから、じゃダメかな?」
「私達に関係ある?」
……ダメだな本当。ちゃんと言い返せない。
「…ごめん。また後で、話はちゃんと聞く。今は協力したい、なんて言えないよ」 - 84125/07/05(土) 23:32:40
【エイミちゃん。デートしよ】
あんな事があったと言うのにこれでいいのか。悩んでも仕方ないのでメッセージを送る。意外と返事は早かった。
【分かった。今何処?そっち行くから】
「……」
「……
二人の間に流れるのは初デートの時並みの寒い空気。エイミ側にしてみれば心地よい…訳はなく、気まずいものであった。
「「あの」」
「…どうしたのエイミちゃん」
「そっちからでいいよ。どうしたの?」
「…その…改めて聞きたい。俺に協力して───
「だからさ。さっきの私の話聞いてた?」
「なんで、出る必要があるの?他の学校のために」
「…だってきな臭いし、多くの子が犠牲になるかもしれないし…」
「弱いのに?」
「…え?」
「いっつもボロボロになって、女の子には手出しできないって言うのに?」
「…辞めて欲しいかな。だって、私達の彼氏は貴方しかいないんだよ?」
「もう、一人の命じゃないんだよ」 - 85125/07/06(日) 01:47:59
「……」
沈黙。彼だって何も考えていないバカではない。…思えば、エイミと出会う前、今の自分になるきっかけ。『怖い』と言われた時もボロボロで血だらけだった。
「…エイミちゃん」
「なに?」
「なら、そんな俺を守って欲しい」
「……」
「こんなこと、頼むのは最低だって分かってるけど頼むよ。俺を守ってくれ、助けてくれ」
「俺は、トリニティの子もゲヘナの子も救ってめちゃくちゃにして俺のものにする」
「えぇ…?」
「その為には戦略が練れて、武力もあって、機械に強い。そして何より」
「俺が居ない間、みんなの指揮を取れる人物が欲しい」
「お願いだよ。エイミちゃん…いや、和泉元エイミ」
「俺の、一番最初に選んだ女の子」
「…ずるいよ。その言い方」
「言う事聞くしかないじゃん…」
「…愛してる」
「言葉が軽い…」 - 86125/07/06(日) 08:53:01
“…まさか本当にみんな集めてくるなんて”
「予定通りエンジニア部にヴェリタス。C&Cに特異現象捜査部、ゲーム開発部と個人的に必要だったコユキにリオ先輩と姉貴です」
先生に協力を貰えた人物や組織の名簿を渡す。…あの後、もし失敗した時には俺と言うミレニアムないでも圧倒的に強い人材を手元に置かせる条件で各地に頭を下げた。
「先生は最近『補修授業部』とかで忙しいんでしたっけ」
“うん”
“みんなの退学がかかってるからね…”
「マジですかトリニティ」
なんだかトリニティと言っても物騒な学園な気がしてきた。そのうちゲヘナ生徒の角へし折って楽しみ始めるんじゃないか?
「なので先生。来たるべき調印式の日はどうぞ我々を頼ってくださいな」
“頼りにしてるよ”
“なんなら、今からでも補修授業部の講師としてどう?”
「聞けば二年生しかいないじゃないですかそこ」
“でも周りに教えてもらってやってなくはないでしょ?”
「流石に先生の仕事奪っちゃうのはねぇ?シャーレ周りの書類仕事ならいつでもユウカさんか俺辺りが手伝うから頑張ってくださいよ」
“ありがとうね…”
“あ、そうだ。聞きたいことが”
「どうしたんですか先生。去り際に」
“本当の実力を隠してる子”
“について何か知らないかな?明星くんは物知りだし”
「……っすねぇ…」
「その人物を肯定してあげる。じゃないでしょうか」
“肯定?”
「えぇ。まぁ。…そう言う奴は過去の出来事が原因で力を見せたくない、ってパターンが多いですからね」
「出来る、とやるは案外別ものなんですよ?先生」 - 87125/07/06(日) 17:04:29
『その日』が来るまでは恐ろしい程にすぐだった。
本来なら、このけたたましい程の音を立てて空を飛ぶミサイルが落ちるのはこの辺り。…なのだろうけど
「『マキさんハレさんハッキングお願いします!』」
俺が通信機にそう叫ぶ。ミサイルは完全にこことは違う方向へと飛んでいっていた。ハッキングに成功して、ビルなどの映像がぷつりと止まる。
「『あーあー。マイクテストマイクテスト。ハロー、この一帯の生徒のみなさん』」
「『俺の名前はミレニアムの全能。いいかこの付近の生徒達。たった今からここには危険区域になる。たった今どこかに飛んで行った飛行物体。あれはここに落とされようとしていたミサイルだ』」
「『信じられないかもしれないがここからただちに退避してくれ。これはテロだ。何者かがこのエデン条約調印を狙っている』」
「『信頼出来ないと思うなら今すぐミレニアムサイエンススクールまで俺をぶっ倒しに来い!』」
これでいい。説得して響かない人物には『煽り』を加える。ある意味での人心掌握術だ。
俺が協力を依頼した人達は俺を除いてグループで配置させてもらった。トキちゃんを除くC&Cの皆様とうちの姉貴、リオ先輩にはミレニアム側の防衛を。俺の話をマジにして攻め込まれたら困るからな。
トキちゃんとエイミちゃん、ゲーム開発部のみんなには避難誘導を任せてその上で手が空いたら俺とは別サイドから戦力になって欲しい。と依頼している。こう言う場面でのゲーム開発部のアイデア力は信頼出来る。
そしてヴェリタスとエンジニア部には全員のサポート。これが全知なる俺の素晴らしき仲間達によるフォーメーション。名付けるなら
「『フォーメーション…パーフェクト』」
「『センスなーい!』」
「『弟子くんごめんね…それはダサいと思う…』」
「『うっ、うるせいやい!』」
…改めて。ネル先輩の言葉を借りるなら
「さぁ…お前ら。『ぶっ壊しに行くぞ!』」 - 88125/07/06(日) 20:45:39
「ふっ…ガスマスクをつけた女の子達ね。…悪いが、ここから先は通行止めだぜ?」
逃げ遅れた少女達を保護しながら、俺はガスマスクの少女達の対処にあたっていた。
「『こちらコードネーム全能。そちらの状況は』」
「『多分そっちと同じかな。ガスマスクの子達が』」
「『おいおい。コードネーム『ファーストヒロイン』コールをしたまえコールを』」
「『真面目にやって。切るよ?』」
「『さーせんした』」
流石の俺もこの状況で女の子を撃たない、なんて情けない事を言ってはいられない。軽く一発撃って気絶させる事を意識していく。
「…アリウス、ね」
前にコユキの力を借りてトリニティ、ゲヘナにデータ攻撃を仕掛けた時につかんだ情報の一つ。彼女達が身につける校章はまさにそれだった。
「女の子達にガスマスクまで付けさせて碌な教育してないぜ…可哀想に」 - 89125/07/06(日) 21:16:29
「…なんだこの…幽霊?」
「…いや、思い出したぜ。トリニティとゲヘナの問題に生えてくるシスター、つまりお前達は『ユスティナ』だかなんだかだろ。…死人はレディ扱いしないぜ…!」
数が多いのでガトリングを二丁取り出して装備。一斉にトリガーを引く。
「『こちらコードネームアルティメイド。ゲヘナ風紀委員会会長、空崎ヒナさんに接触しました』」
「『オーケイアルティメイド。…そのままそっちは援護してあげて。俺はここ抑えてるから』」
「『…いえ。どうやら貴方にもこちらに来てもらうべきなようです。ボス』」
「『こちらに、貴方の大好きな美少女が何人も来ているらしいですから』」
「『…コードネーム全知。合流します』」
「空崎ヒナ。ゲヘナの風紀委員長。…ボス曰く、ゲヘナのNo.1は貴女だと、そう伺っています」
「私達は貴女達の味方です。我々の仕事は『調印式を無事に成立させる事』らしく。貴女に倒れられては困ります」
私の目の前に現れたメイド服の少女は、そう言うと私を抱き抱えて走る走る。何処からか現れたガスマスクの人物達を無視して走っていく。
「可愛いアリス。出番ですよ」
「魔力充填…100パーセント…」
「行きます!」
私、空崎ヒナはこの日知らされた。
ミレニアムサイエンススクールの名前を、無理矢理にでも - 90125/07/06(日) 22:22:28
「ヒナ…さんだよね。先生を連れてここから逃げて。早く」
「…分かったわ。でもそうなるとそっちは…」
「私達は平気だよ。任されたんだもん」
「アリスまだまだやれます!強いけど弱っちいチショウの元には誰一人として行かせません!」
「まさか私達の連携力を『キヴォトス最高峰』とか評価してるなんてね!」
「あんまり油断しないでよお姉ちゃん…」
「そ、そういう訳ですので…」
先程から『彼』や『チショウ』と呼ばれる人物は誰なのか。私には誰か分からないけどひとつだけ、分かった事がある。
「…きっとその人は、貴女に近いのね。先生」
“…私なんかよりも、よっぽど彼は凄いよ”
“明星くんは” - 91125/07/06(日) 23:05:44
「ふっ…ふはは…ふははははは…!」
「見つけたぞアリウスの一派を束ねるレディ達よぉ…探したぞぉ…?ミサイルを用意して、ゲヘナ学園のあのお世辞にも素晴らしいとは言えない支配者を騙して機能停止させて。確かに刺さる作戦だっただろうなぁ…混乱に乗じて先生を討ち取る、なんて考えてたんだろうなぁ…」
普段の執事服に加えて、今回はちょっとカッコつけたかったので白衣を羽織っている。風で白衣をたなびかせながら、明らかに強そうな少女達の元に歩み寄る。
「…何者だ」
リーダー格のキャップの少女がこちらにそう銃を向けてくる。…名乗るべきだろうな。
「そう危険視するな。…俺はただこの調印式が荒れそうならしっちゃかめっちゃか有耶無耶にしたいだけだ」
「ふざけた事を───
「ふざけているのはどっちだろうな?」
相手が撃つよりも早くこちらも抜く。ガトリングガンだけだと思っていた所にハンドガンまで抜いたのだ。
「我名は全能。ミレニアムサイエンススクール全知の弟にしてやがてミレニアムサイエンススクールを三大学園の中でもトップにする男」
白衣を投げ捨てる。
「悪いが、先生とゲヘナ風紀委員長の元には俺が行かせないぞ?」
四対一だが…まぁ、やろうか。 - 92二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 00:38:48
耐久戦、レッツfight!
- 93125/07/07(月) 07:06:51
(倒すならまずは…狙撃手から!)
女の子を撃たない、撃てない。そんな悩みが少し前まで彼にはあった。…が、その悩みは解消された。もはやそれは過去の話。
「俺、この距離感なら一人にしか負けた事ないんだわ」
大きく前にステップを踏みながら両手にサブマシンガンを構えて相手側の狙撃手に一斉掃射。
「ヒヨリ!」
流石に通らずリーダー格の少女のカバーが入るが、ならばと即座に左手のサブマシンガンを収納してグレネードを投げた。
「…大道芸人とでも?」
「残念。一個一個に向ける愛と情熱は本物さ。…博愛主義なんだ…ってなぁ!」
この時、もう既に彼は見切っていた。
(多分だけど…この子達は『ちゃんと味方意識がある』ランチャー持ちのマスクの子は誰かしらに接近してれば諸共で射撃をして来るようなバカじゃないし、狙撃手の子が落とされないようにカバーして来る)
「つまり、万能型の俺相手じゃ擬似的な一対一って事だぜ」
「ふざけたことを…!」
顔を全部マスクで覆ってるあの子はどちらかと言うと守られ気味であまりこちらに何かをなして来る気配はない。…この世界に魔法でもあれば、メイジかプリースト辺りがあの子なのだろうと予想したかもしれないがそんな事はない。
「…ここでお前も来るのか…!」
「よそ見してる暇がおありで?」
と後ろを見れば白髪で小さめの女の子が。…あぁいう目つきの子はダメだな。俺好みだ。後で連絡先を聞いておかないといけない。
「サオリ…!」
…これは邪魔しちゃいけない空気。俺はクールに───
「やっぱり、甘いよ貴方」
カッコつけて立ち去ろうとした俺。振り返ると目の前には放たれたロケットランチャーの弾丸が─── - 94125/07/07(月) 14:46:51
「驚いたね。先生ではなくまさか君が来るとは。君の様に言うのなら」
「これも運命の出会い、と言うのだろうか?私としては不可解な怪奇現象なのだけれども」
「…ここ、は…」
「やぁ。目が覚めたかい?ここでの事を『覚めた』と言うのは少し違和感だが…仕方あるまい。便宜上、そう言うしかないのだから」
「私は百合園セイア。ティーパーティーサンクトゥス分派の…長?リーダー?どう言えば伝わりやすいんだろうね?」
「…うちで言う『会長』みたいな?」
「いちばん近いのは恐らくそれだろうね。…私は一応『ホスト』君達風に言うなら会長、多くの学校で使われている名称を使うなら『生徒会長』と言うものをしていたんだ。…生憎、こんな空間によくお呼ばれしてもらうものだから現在はナギサ…別の人が勤めているのだけれども」
…俺は決してロリコンではないはずだが…この人すっごいタイプだ。多分この人は掘り下げれば調月さんみたいに天然ギャグとかが出来る様になるし、でも表情は無表情系。話し方はおっとりしていて体型は小柄。…いや別に俺は小柄が極端に好みと言う訳でもないのだけれど─── 」
「凄いな君は。私は口が回る…回りすぎるとまで普段はペラペラと話す癖に今回に何も語らなかった彼女に良く言われるものだが…今の君はそれを超えていたと思うよ?」
「…口に出てました?」
「この人、すっごいタイプだ。の所からかな。…残念ながら、私はこんな窮地に告白されたって覚醒の誤帰属…わかりやすい言葉に直すなら『吊り橋効果』は引き起こさないけれど」
…そうじゃないか。俺は確かロケットランチャーが直撃して…
「…今外の君がどうなってるか。教えてあげよう。私には『見えていた』し再び見る事になったからね」 - 95125/07/07(月) 22:23:21
「君にあれが直撃した後、先生と空崎ヒナは無事だったよ。君の念願は叶った、という訳だ。良かったではないか」
「…あの子は…白髪のあの子は?」
「アズサは強いからね。それと、あれでもあの子は君の先輩だよ。無論、私もなのだが」
「見えない…じゃなくて、学校でも何でもないんだからいいじゃないですか。ここぐらい」
「…それもそうか」
「余計な話してる場合じゃないんでね」
「…君について、私なりの見解を言わせてもらいたいのだがいいかな?」
「…俺について?」
「君、負ける事よりも勝つ事に恐れを抱いているだろ」
「……」
「この空間は現実じゃないんだ。それに、君の目の前に居るこの私は君が生涯をかけて添い遂げて、守るべき少女達じゃない」
「ここで一つ、自分自身の事について吐き出してしまえよ」
「……」
「それとも悩むなら、私から切り口を出してあげよう。この場合はヒントと言うのかもしれないし、はたまた君を絶望に突き落とす今かけるべきではない余計な言葉、になるかもしれないけれどね」
「君はガスマスクの少女達は平気で射撃したじゃないか」
その一言を言われて、彼は気づいた。否、気づかされてしまった。無意識のうちに、いろんなエピソードと出来事をごちゃ混ぜにして自分を誤魔化していた部分に。
「…俺…結局モテたいなって惚れた子には銃向けてなかったんだ」
蚊の鳴く様な声で、独り言の様に彼は言った。…言ってしまった。 - 96二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 00:53:14
保守
- 97125/07/08(火) 06:51:46
「う、うあぁぁぁぁぁぁ!?やっぱりそうなんじゃないか!過去のエピソード全部混ぜてそれっぽく理由作ってただけ!結局は俺は自分に酔ってるだけのクズだったんだ!クソックソッ!最低な男なんだ俺は!!!」
一度自覚してしまうと彼の塗装はボロボロと剥がれ落ちる。気取ってきた立ち姿が崩れて頭を抱えて蹲り、落ち着かせていたテンションが荒れる。そして何より、『自分が嫌いだったあの頃に戻る』
「結局俺はあの頃から何も変わっちゃいない!誰かの為とか言って常に自分の為!だから怖いんだ!守る為じゃなくて己の為に戦うから、綺麗事しか言わないから───
「それでいいじゃないか」
「…は……?」
「君の今の状態じゃ、少し理解に難しかっただろうからもう一度言うけど」
「いいじゃないか。それで。綺麗事だらけでも。例えそれが虚実に塗れていたとしても」
「それで他人の為動けていれば、君に救われたと語る女性が居るのならばそれはきっと大勢から見た真実なんだ。…それとも、君は汚いのが好きなのかい?泥と汚物に身を包まれて、それでも尚抗えば勝てるかもしれない。なんて漫画の世界だけの幻想に縋るのかい?」
「…なんだよ…それ…」
「…第一関門、と言うと聞こえが悪いかもしれないね。君は今『自分を知る』と言う部分を改めて乗り越えたんだ」
「次はここに居る間に、私の『これ』世間一般的には『未来視』や『予知能力』と呼ばれるこの力を君に『模倣』してもらおうか」
「…え?」 - 98二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 09:16:59
まあ好きな子に銃を向けれないはまあいいとおもう
- 99125/07/08(火) 11:30:13
「君は意外と器用なもので、他人の先端的に生まれ持ったもの…所謂センスやプライド、誇りすら模倣してみせた。君は気づいていないかもしれないがね」
「だから今ここで、私の未来を読む能力を模倣してもらおう。何、これから君に必要になるものさ」
「…俺、早くみんなの所に戻らないとなんですよ」
「今の歪んだ表情で戻る気かい?」
「鏡も何もないんで分からないですけど…そんな顔してたんですか。俺」
「あぁ。見てるだけで憂鬱な気分になる、とても大人数の女性を抱えていると思えない陰鬱とした顔だよ」
暫く考えた後、口を開いた。
「お願いします。師匠」
「ふふ…師匠。誰にも言ったことないその称号を私に言うのか。君は想像よりも面白い男らしい」
「さぁ、やろうか」
「…で、これは今何をしてるんですか?」
「残念ながら、と言えばいいのだろうか。私自身はそれ程思っていない事なのだけれど、戦闘で体に覚えさせるなんて出来ないからね。安心してくれたまえ。この空間は時間軸が少し俗世とは離れている。ここで私とじっくり目と目を合わせて会話をし続ける。なんて非効率的な特訓が出来るのもここだからだ」
「いやそれも何ですけど。…何の意味が?」
「…さぁね。私としても、君には理解できない所が多いんだ。だからこれはある種のテスト。しっかり私の先の言葉を予測して聞いてみてくれ」 - 100二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 20:01:34
保守
- 101125/07/08(火) 20:40:36
「さぁ、次に私は何を言うと思う?」
「……」
「何も言わない、が答えだ」
「…驚いた。正解だよ。あぁ。何も言わないつもりだった。正確には、君が何を言っても不正解とするつもりだった。まさか、本当に未来視を理解してしまうとはね」
「とは言っても、数秒先までですよ。…それに、貴女の予知と違って随分と変えようがある未来らしいです」
「それでも十分だろう?それに、数刻先が見える、と言うのは随分と私よりも便利そうだ」
「次に私が何を言うか、分かるかい?」
「「行ってきたまえ」」
「…正解だよ」
「…おせわになりました」
「…全く。そこまで視えたのならここまで言って欲しいものだがね」
「あの日、君を拒絶してしまった恩知らずで、愚か者で、弱かったのは私なんだ」
「あの日から君の事をずっと想っていた」
「…口で言え、と言う事なのだろうけれど」 - 102125/07/08(火) 23:46:42
「おはよーございまーす!!!」
“明星…くん…”
「先生…隈、大変な事なってますよ?」
“…誰のせいだと思ってるの……”
先生から抱きしめられる。…というのも、『分かっていた』敢えて受け止めた。
「…こんなの見られたらまずくないです?」
“…そんな事言うならもうあんな事しないで”
“分かった?”
「…分かりました」
聞けば、あの後彼女達…『アリウス』の生徒達は退散したらしい。先生、そして何より───
「その…ごめんなさい。大したお見舞いもなく…」
「お構いなく。にしても良くあそこから先生守り切れましたね」
「何処かの誰かがミサイルの軌道を変えてくれたお陰様で。あのまま落ちていたらきっと…」
ゲヘナ学園風紀委員長空崎ヒナ。彼女も無事だった。完全無傷…とはいなかったらしいが、俺にはとてもそう見えない。
「…なんで貴方は私を守ろう。なんて判断になったの?」
「簡単な予想と賭けですよ。…わざわざミサイル落とす人が現場に居るわけない。後はそれを彼女達に信じてもらいました」
「…そんな…事で…?」
「実際的中したんですから。それに───
「もし貴女が彼女達を倒そうとしても、勝ててたと思いますからね」 - 103125/07/09(水) 07:00:32
俺の目が覚めた、と言う報せでみんなが駆けつけて来てくれた。
「ちょっ…熱い!エイミちゃんすっごい熱い!焦げる!火傷する!抱きしめる力強い!燃える!」
「……」
「妥当ですね…愚弟が」
みんなが順々に来た中で最後だったのはこの二人。姉貴とエイミちゃんだった。ゲーム開発部とリオ先輩トキちゃんの時は案外すんなり俺が暫く眠りこけてた件については解決してたけどやっぱりエイミちゃんにはそうはいかなかった。
「…もうこんな事しないで」
「それは無理かな…」
「なんで…」
「少なくとも、あの子達の件はまだもう一悶着あるよ。俺はその為に動かないとね」
【あぁそうだ。最後に君に一つ】
【…?なんでしょうか】
【ミカとハナコ。頭髪の色が両方ともピンク色だから分かりやすいその二人。後はナギサ。今は私の代わりにティーパーティーのホストをしてくれている子がいるんだ】
【その二人を、頼んだよ】
「…任されちゃったし。とある女の子達を」
「…次は気絶なんてしないで」
「勿論」 - 104二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 16:10:41
このレスは削除されています
- 105二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:59:37
保守
- 106125/07/09(水) 23:01:32
そうは言っても所詮はミレニアムとトリニティ。あのテロの日以来、特に何も起きる事はなく俺はみんなとの日常へと戻っていた。
「…なんか強くなってねぇか?」
「気絶して目が醒めてから、文字通り『目が違う』んですよね」
「ほーん…ま、この距離ならまだまだあたしの方が上だぁ!!!」
「さて。君からの依頼はエンジニア部総出で達成した訳だが…君が気絶した以上『失敗』と言えるんじゃないかい?君を賭ける、とかなんとか言ってたようなそれを聞いたような…」
「……実は同じ発言。ヴェリタスにもしちゃってて……」
「…知っているかい?一応私は君の『先輩』なんだ」
「さーせんしたぁ!」
「うわーん!チショウの択がズルすぎます!勝てません!」
「…私でも押されるなんて…」
「ふっ…今の俺は未来が見え─── あぁぁぁぁぁぁ!!!目が!目が!モモイテメェ!」
「へっへーんだ!勝負だチショウ!」
「…それで勝って嬉しいのかな。お姉ちゃんは…」
「…あの日はエイミの事を考えて何も言わなかったけど…私達だって、貴方を本当に心配していたのよ…」
「……」
「二人で挟み込むように抱きつかれるのは…その…恥ずかしいと言うか…」
「貴方を守るのに合理的な体勢です」
「トキちゃんにリオ先輩のがうつった!?」
その日はやって来た。
“なんで私がそっちに守られて…”
「俺の時間稼ぎがなかったら貴女空崎さんいても撃ち抜かれておじゃんだったかもしれな───
数秒先を見た。あれは…アリウスの… - 107125/07/10(木) 07:38:18
「頼む…先生…」
「どうか…アツコを……姫を……」
「助けてくれ……」
“立って、サオリ”
“私はサオリと、対等に話がしたい”
“…それに、彼が君を許してるしね”
「…あ?俺です?」
「お前は…ミサキに…」
「あぁ。それなら寧ろ感謝してますよ。お陰で気絶してた数日間。とある人物に修行をつけて貰えたので」
“…ね?”
「……」
他のスクワッドのメンバーを捜索して救出する。と言う事なら最短効率を目指すべきだろう。…つまりだ。
「ミレニアムの全能たる俺の能力を全て解放する時が───
“静かにして。敵がいるかもしれない”
「あはいすいません。…ま、任せてくださいよ」
「未来が見えるし直感もある。それ程までに強力な存在がここにいるんですから」 - 108125/07/10(木) 17:30:55
「あ、例の人と先生が…私はこのまま二人に罰されて、色んな女の子を連れてたこの人に好きなように扱われて人生を終えるんですね───
「…俺ってどんな目で見られてるの?」
“妥当”
「…全ては虚しいのに?」
「どうせ虚しいなら、って考え方にならないかな?」
「…何それ。どうせ虚しいんだから苦しめって?無理難題に挑戦してみろって?…そもそも、貴方を撃ったのは───
「俺は気にしてない。可愛い女の子にされた痛みならどんな物だって気にならないから」
「…は?」
長らく忘れていたが、彼がいる所はいつだってシリアスと真逆だった。 - 109125/07/10(木) 22:04:02
「…それに、虚しいって言うぐらいなら全部終わったら俺の所においでよ。退屈はさせない」
「…それもいつかきっとなくなるから虚しいって───
「でも、君に撃たれた俺はこうしてここに立っている」
「っ…」
「…ミサキとしても…彼には何か思う所があるんだろうな」
“サオリはみんなの事をよく見ているね”
「…あぁ」
「カタコンベ…?」
「…何その反応。知ってたの?」
「…いや…そうか…ふ…ふはは…ふーっはっはっはっ!」
急に笑い出したので周りの目が痛い!
「…いやぁ…実に苦しめてくれたよ。ここは…頼んだぞ…
『コユキ』!!!」
『あいどべー!!!』
彼女とヴェリタス。我が姉が育てた親愛なる彼女達の力を借りて超高速攻略を目指す。
「…こっちだ…迷える小娘達よ…」
「…先生。…その…」
“安心してサオリ”
“普段からこんな感じだから…”
「…はぁ…」
「こんな頼りない人に任せられません!このままついて行ったらおしまいなんですぅ!…でも着いていくしかないんですね…」 - 110二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 07:28:38
朝だよ
- 111125/07/11(金) 13:22:14
「悪役登場☆ってところかな?…あはは!歓迎されてない…って感じだね?」
「…お前は檻の中に居ると聞いたが」
「出て来ちゃった☆…と言うかさぁ。そんな魔女みたいな歓迎してない顔しなくても良くない?」
ミカ、と呼ばれている所を見るに彼女は俺があそこで頼まれた人物の一人なのだろう。
「私もそこそこ貴女達と行動してたからさ。…まさか、こんな早さで?とは思ったけど」
彼女は一度俺の方をチラリと見る。
「多分貴方のせいだよね。…『全能』くんだっけ?」
「覚えてもらえて光栄です。…お会いした事はないですけどね」
「私側は話は聞いてるよ?白髪の『彼』がいつか私と対立してる未来が見えたんだってさ。…ねぇ?『バケモノ』くん?」
バケモノ。…俺が過去に言われて、今こうやっておとぼけキャラを作る事になった始まりの言葉。…どこまで俺のこと調べてるんだ?
「…その名前は過去に捨てたので。…ミサキさん、ここが閉まるまでは?」
「後28分…まさか…」
「いいや、君達は巻き込まないよ。…俺がお相手せてもらうよ。お姫様」
勝てる見込みはない。…立ち姿から分かる。向こうはナチュラル強者。だが、それがなんだ。こっちだって強者とは何度もやり合っている。…何より、最近じゃ『彼女』にも協力してもらっている。
「お姫様…バケモノくんに言われても嬉しくないかな?」
「…美女と野獣、って事で」
「わーお…褒めるのが上手いね。流石女たらし。とは言っても───
私は君のものと違ってバカじゃないから通用しないよ?」
「上等だ───
泣いて許しを乞うまで叩きのめしてやるよ」 - 112125/07/11(金) 20:22:23
(向こうも持ち武器はSMG…速攻!)
両手にSMGを装備して体勢は低く向こうに突撃。少々手荒だがそんな事も言ってられないだろう。ネル先輩直伝のスタイルだ。
「…離れろ!」
数刻先の未来を見る。…隕石が降って来るとかマジかよ!?…ゲームならこいつは裏ボスだぜ…
「…へぇ?先の事が分かるんだ?」
「数秒先だけですけどね。何処かの誰かと違って」
「…全部聞いたんだ…ッ!」
銃を使わない格闘戦と洒落込まれる。咄嗟にSMG二丁を犠牲に受け止めるが…おっもたい!なんだこのグーパンチ!?
「行かせ…ねぇぞ!」
「わーお☆SMGの次は狙撃銃。…女の子みたいに銃もコロコロ切り替えてるんだ?」
「悪いけどそれ、ちょっと前に言われてるんですよ。…俺は一つ一つ全力で愛してますから」
「…なにそれ。カッコつけてるつもり?」
「かっこいいんです」
サオリさん達の方にミカさんが向かわない様にの牽制。こちらに興味を引くのが目的で当てるつもりはない。…一瞬でもこちらを見ればいい。
「まだまだ終わってませんよ俺は!」
「ッ…ガトリングガン…!ほんっとう女癖も手癖も悪いね貴方!」 - 113125/07/11(金) 22:44:04
戦闘も長引いて来た頃…タイムリミットが来た。俺がミカさんを足止めしてカタコンベの通路が変わる。…向こうの『分からない』発言が真実ならこれで一時的に勝ちとなった訳だ。
「時間切れ、ですよ。聖園ミカさん」
「あーあ……どうして…」
最初は表情を崩さず。だが途端に泣き出しそうに崩れ落ちて女の子座りになってしまう。
「ずるいよ…ずるいよ…私は全てを失ったのに…」
「あー………セイアさん、多分まだ生きてるよ」
「…知ってるよ。そんな事。そう言われる未来は予想出来なかったの?やっぱり能力だけのバカなんだね貴方。もう近寄らないで?バカが移っちゃうか───
「黙って抱かれてろ」
「…は?」
「俺のみんなをバカな女と呼んでくれたよな?…今お前もバカにしてやる。移してやるよ」
「ちょっ…離して…っこの…!」
「おいおいおいおい!全然抵抗出来てないじゃん!?」
「…私はっ…復讐…しないと…」
「おっけい。なら手伝うよ」
「…え?」
「復讐は手伝うよ。…だってほら。復讐の気持ちを忘れてのうのうと生きろとか、許してあげないと恨みが連鎖するだけとか、そんなくだらない理由で感情を抑えられる訳ないじゃん」
任せろ、と言われた。だから肯定も否定もしない。
「だから、その順番をって話だ。…サオリさんは、頭下げたんだ。次は貴女だ」
「…私…?」
「あぁ。一回みんなに頭下げるんだよ。セイアさんにも…ナギサさんにも」
「……みんな…許してくれるかな…」
「…俺は許す側になる事が多いから言わせてもらうと」
アリスちゃんのこと、その件でのトキちゃんリオ先輩の事。…直近のサオリさんミサキさんの事。全部俺は許す側だったけど…
「許してもらえるよ。きっと。ちゃんと謝りたいって気持ちがあれば。その後どうしたいかって言えれば」 - 114二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 07:52:30
保守だよ
- 115125/07/12(土) 16:27:08
「いいのかな…私…」
「ま、それはこれからじゃない?」
辺りを見回す。…聖園ミカはアリウスを裏切ると見たのだろうか。…なら折角だしお披露目と行こうか。
「…なぁミカさん。『ビーム』の定義ってなんだと思う?」
「…ビーム?を光や電子などの粒子が一定方向にそろった流れ…の事じゃないの?」
「残念ながら銃からそれを出す人がいるんですよね。…つまりは、銃弾を一定方向に揃える事が大事なのでは、と俺は考えたんですよ」
そう言いながらマシンガンを構える。…エデン条約を通して理解した事がある。
『空崎ヒナは俺【秀才】側だと言う事』
確かに彼女の戦闘能力や耐久力は群を抜けている。まさにゲヘナ最強だ。…だが、その本質は天才のそれとは違う。『射程内最強』のプライドを持つネル先輩、『独特のセンスと一人で走り切る計画力』を持つリオ先輩、そして『直感』のアスナ先輩と言った『天才』側とは違う考え方を空崎ヒナ、彼女はしている。
─── なら、俺は彼女を完全に模倣出来るんじゃないか?
俺が今まで模倣して来た人物はどれも『天才』だった。なら…『秀才』は?
集中しろ。銃をぶらさず…一点を撃ち続けろ。
「─── ここ…!」
一筋の光がアリウス生徒達の間を走る。…成功だ。
「99%模倣【コピー】完了…ってね。あの人のに比べたら全然な威力だけど…」
「ここ切り抜けるだけなら十分だ。やれるかい?お姫様」
「……ちゃんと守ってよ。私は暫く戦えないから」
「了解」 - 116二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:31:21
関係ないけど、1スレ目がつべで動画化されたときのコメントで、痴将さんに劣情を抱いてる男性がコメントにわらわらで笑っちゃったんだよね
掘りたいとか自分が痴将に遺伝子を注ぎ込みたいとか好き放題言われてた - 117125/07/12(土) 19:01:10
顔だけ見たら姉そっくりなので男装してる様にしか見えませんしね…()
- 118二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:18:55
夜だけど保守
- 119125/07/13(日) 00:15:59
「…なぁ先生。彼は…平気なのだろうか。聖園ミカは強い。今頃…」
“…案外さ、あぁ言う心が弱ってる子に明星くんは染み渡る様な子だし”
“仲良くなってるかもね?”
「最低最低最低最低!信じられない!」
「ちょ…隕石降らせてんじゃねぇ!巻き込まれますって!」
「巻き込まれて潰れちゃえばいいんじゃないかな☆」
何がいけなかったのか。アレだけカッコつけた後に【お姫様の眠りを覚ますのは─── 王子様のキスだぜ】とか言って思いっきり唇を近づけたのが良くなかったのか。何故だか分からないけど凄まじく嫌われてしまった気がする。
「…貴方のせいでどうでも良くなっちゃった。私はぜーんぶ失って、あっちは何も失ってない。そんな状況な筈なのに」
「と言うかミカさんなら頭いいしこっちくればいいじゃないですか。ミレニアム」
「…え?」
「寧ろ貴女のした処遇考えれば次見ないとやってられないでしょう?」
「……そこはトリニティから追い出されないよ、って言ってくれないんだ」
「はい」
「だって話を聞けばアリウスを最初に追い出したのはトリニティだ」 - 120125/07/13(日) 00:20:27
「……」
「そのトリニティの一人がアリウスを利用したんだ。寧ろ、貴女一人追い出されるだけで済む事に感謝した方がいい」
今彼女に必要なのは何度も言うが完全なる肯定ではない。…だからこそ、リオ先輩の様に厳しくも、否定的ではなく事実を述べる様に必死になる。
「貴女は全てを失って、向こうは何も失っていない、と言うがね。寧ろ俺にしてみれば生まれた時から何もなかったが大事な存在を見つけた彼女達と、生まれた時から全てを持っていたが故に失った事に、失う事に怯えて救いの手を待つだけにしか見えないんですよ。貴女は」
返事はない。…流石に、言い過ぎただろうか?
…だけど後悔はない。俺は先生じゃないし、先生だって俺じゃない。…向こうが言えない事は、俺が言うべきだ。聖園ミカは幼馴染に恵まれた。才能に恵まれた。強さに恵まれた。容姿に恵まれた。立場に、頭脳に、唯一持ち合わせないものは…これはきっと、彼女だけでない。トリニティが全体で向き合う問題なのだろう。
「だからこそもう一度言わせてもらうぜ聖園ミカ。君は罪を償うしかない。セイアさんにした事、黙って動いた事全部」
ここで、俺は一息吸う。…繰り返すしかない。今の彼女に何かを伝えると言うのは、向き合うと言うのはそう言う事だ。
【怖くなんかねぇよ】
…少なくとも、俺はその言葉を信じられなかった。ネル先輩の一言も、
【さぁ?貴方も自覚があるならそうなのでは?…と言いたい所ですが。今回ばかりは否定させてもらいますよ?何せこの私と同じ顔の貴方なのですから】
姉の一言も。 - 121125/07/13(日) 00:24:41
「その上で!アリウスに復讐したいと言うのなら俺は付き合う!復讐は何も生まない、なんて人は言うだろうけど俺は違うと思うね!」
漫画の一説を借りるのならば
「復讐ってのは自分の人生に決着つけるものだろ!お前はまだ失いきってない!取り戻せよ!その後に幾らでも失ってたらすればいい!一回振り返ってちゃんと顔を合わせるまで頑張れよ!」
…この人の前に居ると調子が狂う。過去の俺に、飄々としていないクールで落ち着きのあるハンサムな俺と違う時期に戻ってしまう。
「私…私…」
長く口を閉ざしていた彼女が涙ながらに言う。…気を失ったアリウス生に囲まれながらだからロマンも何もない。
「会っていいのかな…許されていいのかな…そもそも許されるのかな…」
「…いいに決まってるだろ。申し訳ない、って思うならそれは相手に伝わるぜ」
そう言い、彼女の涙を指で拭う。…調子戻って来たな。
「…だからミカさん」
「あの子達の『復讐』の為に、付き合ってあげてくれよ」
お姫様は、俺【野獣】の手を取り、頷いた。深く深く。…遠くにいる友人に、謝罪のお辞儀をするかの様に。 - 122125/07/13(日) 00:41:30
「よぉサオリさん!元気!?!?」
現在俺は何をしているか。そりゃあ勿論
「聖園ミカつえぇぇぇぇ!!!このまま邪魔な存在全員ぶっ殺してやろうぜ!」
彼女の怪力を利用して壁を全部ぶち抜いて、みんなの元に合流してやった。
「……その…」
聖園ミカと錠前サオリ。二人の間にある関係は…まぁ…深い…んじゃない?少なくとも俺には分からないし、浅かったとしてもあそこまで敵対した以上気まずいのだろう。…だが、先生も俺も声を出さない。ヒヨリも、ミサキさんも
「…ミカ。お前はあの時、アリウスと和解したいと言った。だから私はアズサを送り出した」
「その言葉は、嘘だったのか?」
「……」
「私はその言葉を聞いて『そんな未来』を期待した。だから勝手に言わせてもらうぞ」
「お前だって、それを望んでいた。違うか?」
「……その時の事なんて、分からないよ。私は嘘をつき過ぎた」
そう言いながら、ミカさんはこちらをチラチラと見る。先生の方も、サオリさんもミサキさんもヒヨリも…ヒヨリだけちょっと回数少なくて面白いな。おい待て銃を向けるんじゃねぇあの卑しいおん───
「でも…私も…幸せになりたかった。全てが虚しい世界で…彼に言われて気づいた。『救いを待つ』だけだった…」
「だから、あなたは私だよ。サオリ」 - 123125/07/13(日) 00:44:14
自分一人で背負う所、自分一人汚れ役を買って出る事、強い事、何もかも確かに彼女達二人は似ている。…からやめて欲しい。深刻に俺がかなり好きだからやめてほし───
「痛い!」
“不真面目な事考えてるでしょ”
「…だからこそしないんじゃないよ」
「貴女達も『悪い大人』に復讐するんでしょ。だから、私も止めない」
「貴女達がしてよ。その上で全部ちゃんと謝ってよ。そしたら私もこの件についてアリウスに復讐して、ちゃんと謝って罪を償うから」
「ミカ…」
「それに…私、見つけちゃったもん。王子様、って言うのかな」
「…え?」
彼女のその柔らかいものが、俺の腕に。…腕に…
「…だからさ、貴女達も諦めないでよ。……頑張れ、サオリ」
「その…彼が何も考えれていなそうだが…」
“…君に任せて良かったよ”
「…俺にはこんな事向いてないと思ってたんですがね…」 - 124125/07/13(日) 00:56:00
『認めませんよ!!!』
…おっと。ラスボス様のご登場、と言った所か。
『大体…貴方が来てから全てが狂っています!』
「おっと…褒め言葉か?」
『これが褒めていると思うのでしょうか?』
「あっすまん。お前は自分以上の存在いると思ってないから何言っても上から目線だもんな。尊敬語なんて使えないし褒めも出来ないか?クソ教師じゃん?」
『このっ…!』
舐めるなよ。俺は伊達に女王が師匠やってない。(ゲームの話だけど)煽りなんぞ何度だってされて来たし何度だってし返して来た。…確かに凶悪な存在だが、ホログラム上だけならゲームと変わらない。寧ろ顔が見えるだけ怒ってるのわかってて草…と言うものだ。
『良くも私のパシリカで…そもそも、貴女達の位置を知らないとでも?ねぇ』
『先生』
“……”
『こんなつまらない茶番は終わりに───
あまりにも腹立つのでハレさん直伝のEMPでぶっ壊してやった。…さて
「…行ってこいよ。先生、サオリさん、ミサキさん、ヒヨリ」
「うわぁぁぁぁぁん!私だけさんもちゃんも付いてません!」
途中でぶっ壊してしまったせいで何者か分からないが…所謂あのおばさんの配下だろうか。霊体の様な人物達がここに来る。
「何、ここに居るのはミレニアムの『全能』そしてトリニティトップクラスのお姫様だぜ」
「さぁお姫様。…シャルウィーダンス?」 - 125125/07/13(日) 01:10:52
キリエが流れる。辿り着いた場所から、彼女の『赦し』そして『祈り』のキリエが。
「…しんみりしてる所悪いんですけどね?」
「分かってる分かってる。…行くんだね」
「そりゃあね。行くって言ってしまいましたし…」
とスマホを見る。…返事が大量に帰って来てると言う事は、『みんなここに居る』と言う事だろう。
「…やりたい事も、ありますから」
『私たちに搾取されるべき存在であるのです!!!』
“黙れ”
…完璧なタイミング、だな。
「良く言ってくれた。先生」
「…まさか…まさか!あの人数のバルバラを…たった二人で…?」
質問には答えない。…何が大人に搾取されるべきだ。呪いあうべきだ。
「…先にサオリさん達にあやまっておく。…仮にも君達の校舎を───
【魔力充填100%】
─── ぶっ壊してごめん」
【光よ!!!!!!!】
閃光が、空間を切り裂いた。 - 126125/07/13(日) 08:01:14
「…この一歩は、お前にとっては無意味で、バカバカしいかもしれない」
見事にレールガンでぶっ飛ばされた方を見れば…みんなが。
「だが、少女達にとっては大きな一歩だ」
「いや…これだけ派手にやってればどこから見ても大きい一歩だけどね」
「あ!またチショウの周りに新しいヒロインが居ます!」
「…ありがとう。頼ってくれて」
「パーフェクトメイド、ここに参上。ピースピース」
「絶対私場違いだよこれ……」
…一気に空気が和んだ気がするが気のせいだ。まだまだ油断してはならない。
「…紹介しようベアトリーチェ。とか言ったか。『全能』なる俺の『素晴らしき』女の子達だ」
『黙りなさい黙りなさい…』
ベアトリーチェの瞳?が怪しく光る。…レーザーで俺狙い…か。
「師匠!」
「え…?え…?」
師匠のおでこで弾き返してやるわそんなもん!
「あっこれ───
「はっはーん!またまたやらせていただきましたぁ!…毎日毎日磨かれた美しさ100%のこのおでこ!ゲスな心のレーザーなんてフル反射してやるぜ!」
「ふ、ふざけた真似を…!!!」
「あぅ…あついよ…」
「本当すいませんユズちゃん。後日埋め合わせしますから」
なんだか今はスイッチが入っているのでユズちゃんの額にキスを落とす。 - 127125/07/13(日) 16:46:35
「ミカさん!」
「人使い荒くなーい?」
「仕方ないでしょう!これだけの人数いるんだ!」
数は力だ。現に、ここまでかなり楽に戦えている。…それに、だ。
「そーだおばさん。…一つだけ、忠告だ」
「─── 案外、俺達の作戦ってのはアンタを倒す事だけでもなかったりするんだぜ」
「…まさか…!!!」
俺やトキちゃんの戦闘スタイルは目立つ。と言うよりもちょこまかとしている部分が大きい。…だからこそ、俺達を警戒すればする程、ミカさんが目立てば目立つ程アイツの様な人物は意識から離れる。…と言うよりも、力を解放しすぎて理性を失いかけているんだろうな。
「アツコ…!!」
彼女達が、『姫』と呼ばれた人物の救出を完了していた。
「外傷がひどい。血を流しすぎて…」
「いえ。時期に目を覚ますわ。…弟くん、私達は」
「あぁ!そっち頼みますよリオ先輩!」
万が一にでもアツコ、姫と呼ばれた彼女に傷が残ろうものなら俺はこいつを許さないであろう事から早めに後ろに下がってもらう。…こう言うとき、リオ先輩の冷静さは本当に役に立つ。
“明星くん”
“戦闘指揮は私が”
「…っす先生」
「逃すわけないでしょう!彼女は…私の…」
「うるせぇぞババァ。静かに寝てな」 - 128二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 16:51:20
人たらしは努力の結果って言われても理解できるけど模倣は天才側のものに思える
直感や未来予知の模倣とは…? - 129二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 23:04:18
保守
- 130二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 08:07:32
朝だよ
- 131二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 17:36:44
保守
- 132125/07/14(月) 17:39:02
噂になってたまとめ動画見に行ったんですけど本格的に名前を考えないといけないなと…()
- 133125/07/14(月) 22:32:08
先生の指揮、と言うのを受けて戦闘する事が俺はこれまで非常に少なかった。…だからこそ分かる。三人称の人間の大事さ、と言うものを。
「今までは脳のリソース指揮に割きすぎだったんじゃない?」
「エイミちゃんがそう言うならそうなんだろうなぁ…」
こんな会話をする余裕すらある。…それにしても、俺は思ったのだが。
「…アツコ、だっけ。あの子の服装趣味悪くない?え?おばさんの趣味?」
「そんな訳───
「趣味じゃないのにこれ着せるのかよアンタ」
こうやって煽り続ければ反応する。…完全に冷静さをかいた者など、敵ではない。
「先生」
“分かってる”
「“トドメはどうしたい?”」 - 134125/07/14(月) 22:37:10
“サオリにミサキ、ヒヨリにアツコが刺さなくてもいい。…その責任は同じ大人の私が負う事が一番だと思う”
「俺はアンタらを尊重するよ。…罪を被るって言うなら、仮にも学舎のここ大破させてしまった俺も俺だし」
実際にやったのはアリスです!などの声を軽く流しながら俺と先生で問う。
「…お前は、尊重すると言ってくれたよな」
「うん」
「…ハンドガンを、貸してくれないか」
俺にハンドガンを渡されたサオリさんが一歩一歩迫り、瀕死のベアトリーチェに銃を向ける。
「…私は、今まで『お前』に逆らえずに居た」
「…サオリ。私の可愛いサオリ。…貴女は優秀です。今ここで先生を、彼らを見かぎり私につけば───
言いかけたところで、まず一発目。
「その弱さは私のものだ。…だが…だがッッッ!」
「お前のせいで苦しんだ過去は消えない!!!苦しめた人も!私達の想いもなくならない!」
「これはミカの!ミサキの!ヒヨリの!アツコの!」
何発も何発も打ち込む。止めようとする先生を腕で静止する俺。
「…何も、復讐に囚われてるんじゃないですよ」
「そして…アズサの分だッッッ!!!」
憎き人物を倒した筈なのに、何処か満たされていないような彼女。俺は周りを見る。…みんな諦めた様な表情だったが、エイミちゃんを代表に許可が降りたので俺はサオリさんの元に歩み寄る。 - 135125/07/15(火) 06:50:55
「…お疲れ様。貴女はちゃんとリーダーでしたよ」
「そう…だろうか…」
「…彼女達を見れば、全てが分かると思います」
スクワット、と呼ばれた彼女達の方にサオリさんを向ける。
後の顛末は、きっと皆様が知っての通り。…未来予知すら要らない程の事なのでしょうね。
「あーそうそう。他の女の子のみんな」
「私、お姫様だから。みんなとレベルが違うんだよね☆」
「…弟子くん?」
「チショウ?」
「どう言うたぶらかし方したら…こんなことになるのかな?」
ただ一人、俺と言う人間を除いて。ですが… - 136125/07/15(火) 07:03:25
“それで結局、暫くはトリニティの方に出入りする。『シャーレの権限を持って』ね”
「ですです。…結局、スクワッドの皆様方をトリニティに引き込む事は出来ませんでしたが」
シャーレの権限を持って、と言う部分を強調されていると言う事は『余計な事はするな』と言う事なのだろう。
表向きには俺は今でこそ独立状態にあったといえど、トリニティの一部であるアリウス分校を大破させた作戦の立案者。ミカさんの事もあるし、せこせこ奉仕活動とやらに勤しんでいる。
“…それで?どうしてそんな君が『トリニティ生徒に暴行を働いた』なんて結末になってるのかな?”
「いや、違うんですよ。…ただちょっとキッチンカーを追い出したり他の子を突き飛ばしたりしてておいたが過ぎたので…」
“…はぁ”
ため息をつき悩んだような顔をしながらも、次に先生は少しだけこちらを見て笑い
“…前よりは、人間らしくなったんじゃない?”
「…そうっすかね」
“前ならきっと、やり返さずに攻撃されるだけだったと思う”
“…自分の中の何かを、乗り越えたんじゃない?”
「…全部お見通し、ですか」
薄く笑みを浮かべる。…あの後の『俺は怖くなかったか』と言う思い切り過ぎた質問。割り切れなかった自分が、戦いの後に行き過ぎた質問。
【怖い?どうして?】
【…ありがとう。お前には感謝しても仕切れないな】
「そう、ですね。…俺は、ちゃんと乗り越えましたよ。過去の自分を」
“…そっか”
暫くは、日常が続くでしょうね - 137125/07/15(火) 07:04:25
と言うわけで次回からはまたハーレムハーレムです。トリニティへの訪問も(勝手に)自由となりましたが、まだまだミレニアムに未回収の人も多いですからね。顔出しますよ
- 138125/07/15(火) 16:16:01
そろそろR-18方面に手を出すかもしれない
- 139125/07/15(火) 21:11:46
次はミレニアムに戻るよ。トリニティ組に浮気しそうな自分に言い聞かせるよ
R-18はかなり待って欲しいよ。サオリちゃんかミカになるよ。意外で書いてしまわない様に宣言しておくよ - 140二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 21:32:32
弟君の当初の目的は優秀な遺伝子を残すだし妥当だな!
- 141二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 21:37:39
ミカか
楽しみ - 142二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 03:17:44
サオリもワンチャンないかな?
- 143125/07/16(水) 06:39:58
「…それで、何の用です?」
「何の用って君な…『君の全てを賭ける』だったか?その賭けについてだよ」
「……あ」
「気づいたかい?」
エンジニア部の部室に来てくれ。そうウタハ先輩に呼ばれて向かったはいいものの…まさかこうなるとは。
「君は最終的に全て解決した、と言えど私達の力を相当借りて、その上で『一度気を失うほどのダメージを受けている』」
「えーと…その…」
「エンジニア部とヴェリタスに同じ条件を言う、だなんて相当自信があったみたいだが…どうするんだい?」
「えーと…その…」
「ウタハさん、俺とデートしましょう」
「…本当。それで嬉しく思う程度の私で良かったと思えよ?」
ミレニアムの皆様には多大な迷惑をかけていた。…それに、暫くはミカさんもまた幼馴染の人達とじっくり話し合う時間が必要だろう。…と、言うことで、俺はここに戻ってきて色々な精算をしている。
今はエンジニア部、次はヴェリタスでその後はC&Cの予定だ。
「着替えて来ますね」
「私としては全然その執事服のままでも構わないが…」
「俺が構いますから。…エンジニア部製のものに守られながら貴女を守る、って言っても説得力がね」
「…律儀だな。君は」 - 144125/07/16(水) 06:41:08
- 145二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 06:50:29
- 146125/07/16(水) 14:33:29
ですです
- 147二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:54:33
保守
- 148二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:59:48
これまで閲覧注意要素なかったしね
R-18要素こっちまで漏れてきてもいいのよ - 149125/07/16(水) 23:13:14
- 150125/07/16(水) 23:39:01
- 151125/07/16(水) 23:51:49
どっち書こうかな→二人行けるだろ!
この世界線のミカとサオリはどっかの一人のせいで思ったよりも互いに失ってないな…?なのと『復讐』自体は済ましている事、何より好きな男の子が同じなので意外と仲良しです。
この世界線のミカは祈るねせずにそのままアツコ救出の場に連れ出されたのでそれもあってかベアトリーチェの悪い空気もスクワットの家族愛も見せつけられてるのでコハルと全恥、二人分の救済としっかり話し合った上での友情を浴びた無敵ミカです。最終編で壁をぶち抜くどころかトリニティを丸々引きずって歩き出すタイプの(大嘘)ミカです - 152二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 04:17:12
保守
- 153125/07/17(木) 08:40:14
しばらく18とウタハパイセンで進むよ
- 154二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 11:07:05
コレはこれはありがたい
- 155二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 19:45:01
良くてキスまでだろうと高を括ってたら、正妻である自分を差し置いて新入りで童貞捨てた恥将にわりとガチでキレるエイミの姿が見えた
- 156125/07/17(木) 22:28:41
「……」
「…何か言わないか」
「…いえ…その…似合ってますよ」
普段は作業用の服ばかり着てる人の私服。それもちゃんと女性的なものと言うのは破壊力が高くて困る。…かく言う俺も
「…そっちこそ。似合っているんじゃないか…?」
「執事服、だいぶ無理させちゃいましたからね。…今日は軽めの服装で」
以前ヴェリタスの二人に選んでもらったコーデできている。別の女の子に選んでもらった服はどうなの、と言う話だがこれぐらいしか相応しいのがなかった。
「じゃ、いきましょうか。プランぐらいは考えてありますよ」
「おっと。…なら、エスコートしてもらおうかな」
「最初の時は…エイミちゃんに対しては何も考えずでまぁ酷かったですからねぇ…」
と色々言ったところで服の裾が少し引っ張られた。見れば、ウタハさんが少し恥ずかしそうにしながら
「……君の目の前にいるのは白石ウタハだ。…エイミとか…他の子の話は…」
…ギャップ萌え。ずるいと思う - 157二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 07:17:04
ウタハパイセン、ずるいぜ……
- 158二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 13:34:31
ウタハ先輩ヒロインとかマジ希少
- 159125/07/18(金) 21:27:15
- 160二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 22:42:26
自分の心に従うんや
- 161二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 06:51:26
時間をかけたなら両方書けるはず
- 162二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 15:38:46
このレスは削除されています
- 163125/07/19(土) 23:28:24
「分かりました。貴女がそう望むなら…とか言うのもやめます。いきましょう。ウタハ先輩」
「…えぇと…」
「…ほら。手、握って下さい」
「あ、あぁ…」
戸惑うウタハ先輩の手を握る。
「トリニティの方で結構いい店見つけたんですよ。いき『ましょう』」
ませんか?の提案よりも行きましょう、で漢気を見せる。年上のウタハ先輩専用の会話スタイルだ。
「…一つ。君に聞きたい事があった」
「はい。なんでしょうか」
「君は、何故戦うんだ」
「私はずっと前から、君がミレニアムに来た頃から例の執事服を作成してきた。…君は、どうしてそこまで戦うんだ」
ウタハ先輩は決して俺から目を合わせずにそう俺に問うような、独り言を呟く様にそう言った。
「…今思うと、俺自身も結構不思議なんですよね」
「…そんな…そんな気持ちで今まで命を…?」
何処か怯えた様な表情で、そう聞いてきた。…あぁ、結局俺はまたやってしまった。と言う事なのだろう。
誰だけ俺が人の心を持ったフリをしようと、何をしようと。所詮は他人から理解されない。…そして、天才の様に俺は突き進む事が出来ない。世評ばかり気にする秀才だか───
「もっと…もっと人を頼る気持ちを覚えてくれ…!」