- 1◆inHfJzxsMg25/07/01(火) 13:53:57
長い戦乱は終わりを告げ、世は開拓と冒険浪漫の時代へ!
凶暴な魔物、荒れ果てた大地、北の氷原、南の砂原、積み重なる栄誉、名誉、巨万の富!
魔法列車が大地を走る!飛行船が大空を渡る!
夢追い人達よ集え!未だ見果てぬ『新大陸』へ!
【参加するにあたって最初に必ずご一読頂きたい世界観、設定集】
ここだけ魔法と才器の開拓世界戦乱の時代から、遍く欲望を踏破する開拓の時代へ!夢追い人よ、参画せよ!
果ての無い冒険の大地へと踏み出すのだ!
~あらすじ~
長きに渡った旧厄戦争は共和国の勝利で幕を閉じた、多くの血が流れた戦乱の世は晴れやかに舞台を去り、失ったものを取り戻し、更に新しいものへと手を伸ばす開拓の時代がようやく訪れたのである。
戦災と深い傷跡からの復興を遂げた人類が、未だ謎多き新大陸の開拓へと勇んで踏み出してから、はや百年近くの時が過ぎた。
今もなお、この広大な大地は欲深き夢追い人達の冒険心を擽ってやまない、ダンジョンや、魔物や、謎や、危険な香りに満ちて誰もを誘い続けていた。
Q:どんな世界?
A:魔法列車が大地を横切り、飛行船が空を飛ぶ、魔法を主要な原動力にして発展した、産業革命期ヨーロッパの様な背景の近代風ファンタジーです。(※イメージは大体「ハウルの動く城」と同じかそれよりちょっと発展しているくらい)
---まずはここから---
世界観案内入り口
新大陸案内入り口
キャラ登録のすゝめ(キャラクリエイトの一例へ)
-------------
才器と魔法の一覧へ
登録済みキャラクター一覧
魔物、魔獣の一覧00m.in>>10到達まで書き込みはご遠慮ください
- 2◆inHfJzxsMg25/07/01(火) 13:55:25
【マナー及び注意事項】
・即レス豆ロル等でどんどんレスを流していく行為の禁止(「スレに参加する纏まった時間が取れない!」「スレのアクティブな時間と自分の取れる時間にズレがある!」という方に向けたのんびりペースでも参加出来るスレを目指しています)
・絡んでいるお相手を無言で待たせる行為の禁止(置きレス推奨ですので時間が掛かることは良いですが、あまり長く待たせてしまいそうな場合はご一報しましょう)
・上記のルールに抵触していない方に対する過度に返信を急かす行為の禁止
・最後の返信から三日間(72時間)以上ロールが進展しない場合最後に返信をした方の判断でロールを切り上げることが出来ます
・確定ロール、オウム返し、無敵、全回避、過度なマウント、その他「自分がされたら嫌な行為」全般の禁止
・上記でなくともお相手から「やめて」と言われた行為の禁止
・R-18、R-18Gロールの強要禁止
・版権設定をそのまま利用することの禁止
・異世界転生、異世界転移を彷彿とさせる様な設定、及びメタネタ使用の禁止 - 3◆inHfJzxsMg25/07/01(火) 13:56:48
【想定されるQ&A】
Q:キャラクター登録やトリップの使用は必須ですか?
A:同一設定のキャラクターで複数回ロールに参加、長期に渡って参加されたい場合はどちらも必須でお願いさせていただきます!そのロール単発でのご参加や討伐される魔物、魔獣役を好まれる場合なら、上述の禁止事項に抵触しない範囲でご自由にどうぞ!
Q:キャラクターの登録数に制限はありますか?
A:ありません!なので一度お試しに作ってみたキャラが動きにくいなと感じたりしたら別のキャラを作っても良いのよ?
Q:初期設定が多すぎる、複雑過ぎる!
A:ごめんなさい!!!!!!言い訳はいたしません!!!!!!どうしても理解が進まないという場合は、「とりあえず参加」してみていただいて、「こんな感じでええのんか?」とご確認をしていただくか、もし問題がありましたらこちらで指摘いたしますのでご容赦ください!
Q:魔法習得周りのコスト制ってなんだよ!キャラクター登録が小難しいんだけど!
A:スレ主なりに考えてみた「キャラ作成の自由度」「インフレの抑止」「キャラ間に於けるパワーバランスの崩壊阻止」の三兎を追ったシステムです、難しくなってしまってすいません、ゲームのステ振りをするみたいな感覚で触れていただけると冥利に尽きます!
Q:R-18指定……はは~ん、エロスレか?
A:“どう見えるか”だ。描写に制限をかけない為だけのR-18指定です、ワンクッションさえあればエロもグロも大丈夫、スレ主は青年誌くらいの濡れ場や一般誌元ネタのエロ同人誌とかが好きだからそんな感じの傾向になります、苦手そうな人に強要はダメ、絶対! - 4◆inHfJzxsMg25/07/01(火) 13:57:53
- 5◆inHfJzxsMg25/07/01(火) 13:58:54
(※こちらのスレの保守が完了次第、キャラ登録や相談等の為の裏スレを建てます)
- 6◆inHfJzxsMg25/07/01(火) 14:00:07
(※にしても連投規制キツいっすわ)
- 7◆inHfJzxsMg25/07/01(火) 14:01:14
(※now loading)
- 8◆inHfJzxsMg25/07/01(火) 14:02:16
(※誰も来ずに落ちたら大人しくそれまででございますので過度な保守はご遠慮願いますね)
- 9◆inHfJzxsMg25/07/01(火) 14:03:19
(※OPシチュエーション、自由参加、07月08日までゆっくりと進行)
(ロール1/2)
新大陸は大都エデンより、北東の空は青々と晴れ渡った好天である。
ハテノ林海丘陵へと続く草原地帯、野に敷かれた深緑の絨毯に燦々と陽光が降り注ぐ。
さらさらと草葉を薙ぐ穏やかな風は普段と何も変わりなく、されど、微かな獣臭を纏い漂っていた。
「────────────さぁて、集まってもらったのは他でもないさ!」
ギルドから緊急の通達が入ったのは、今から1、2時間程前のことだ。
支度を整えて街の外縁に集まるまでの時間は十分あった、場には既に、鎧に身を包んだ騎士や、一転して軽装の戦士、またローブを纏った魔法使いなど、多様な姿形の開拓者達が集まっている。
その輪から一歩、外れた位置、身軽なレザーメイルとガントレットを装し、ロングソードを腰に帯びた黒猫の女獣人が緊張を伝えさせない軽快な口を開いた。
ギルドに名を置く開拓者、“ハンナ・スカイリード”である。
「ハテノ林海丘陵からこの街へ、ゴブリンの集団が向かっているという情報が斥候(スカウト)達から入った」
ゴブリン、緑褐色の肌、腐乱した匂いを放つ牙を持ち、二足歩行する小鬼の様な姿をした魔物の一種。
それは駆け出しにとっては最初に越えるべき小さな壁、それなりに歴を重ねた者にとっては、わざわざ集まる程かと拍子抜けする様な容易い獲物。
されど集められるには相応の理由があるもので。 - 10◆inHfJzxsMg25/07/01(火) 14:04:25
(ロール2/2)
「1つ10匹前後の群れが、ざっと見積もって30、はぐれの個体も合わせて締めて300匹を越える大群だ。
ゴブリンは大体群れて生活する魔物だが、これだけの規模に膨れ上がることはそう滅多にあるもんじゃない、林海丘陵だけでなく、その向こうの森やら山岳地やらからも押し寄せて来たんだろうね」
ざわ、と、草原の果ての輪郭が僅かに騒めいた、眼の良い者ならば、鬱蒼と生い茂る林海の木々は隙間から、小鬼達がその姿を見せ始めていることにも気が付くだろう。
一つや二つでは収まらない、十、二十と膨らんで、やがては吹く風に不快な腐乱臭までも乗せて。
・・・・・・・・・・・・
「十中八九、成長した個体に統率された集団だ、たかがゴブリンと思って放っておくとエデンだって食い散らかされる」
つまりそれが“緊急”の理由、ゴブリンの成長個体、キングゴブリンならばそれだけの群体を統率することも可能である。
勿論のこと、エデンはそう易々と魔物に落とされる様な都ではないが、そうであっても犠牲が出ることは免れない。
それ故に、今、戦える者達に片端から声が掛けられたのだ。
「そうなる前にこの草原で堰き止める、つまり、私らは防波堤の役割さ!
向かってくる敵を片っ端から切って捨てて、一際目立つ“大ボス”を討伐する!分かりやすい仕事だろう、そして、自分の名を売る好機でもある!」
ハンナ・スカイリードは奮い立たせる様に声を張り上げた、実際、それはもしかすればこの戦いで命を落とすかもしれない者にとっての勇気を掻き立てる鼓舞である。
草原を掻き分けて着々と接近するゴブリンの大群へ、左腰のロングソードを抜き放ち、また、己の周囲足元からボコボコと音を立てて隆起し浮き上がった土くれの塊を、旋回する刃の様に身辺へと纏わせながら。
「腕試しか!?一獲千金か!?この大陸に集まった数だけ願いがあるな!全部全部、まずはこの窮地を乗り切ってから始まるのさ!
さぁ、行くぞぉ────────────ッ、突撃ィッ!!」 - 11ユンツァー◆ALM0500gkk25/07/01(火) 22:59:11
【コォォォォ…………ホォォォォォォ…………】
【心臓の奥深くから響くような怪音を奏でる兜から覗く紅色の眼光が鋭く林海丘陵を睨む。酷く大柄な影は、腰に提げた業物ではなく有り触れた石礫を指で弾いた】
【バチンッッッ!!!!と肉が弾ける音がした。唯でさえ頑健な山人(ドワーフ)が《身体能力強化》を行使した上で投石したのだ。砲撃めいた威力の礫が一匹のゴブリンの頭蓋を正確に爆散させて、続くゴブリンの足を止める】
・・・・・・・
「…………焦る必要はない。少しずつ、確実に討伐するぞ。数を頼りにするのなら、先ずはその頼みの数を奪ってやろう」
【ゴブリン種は狡賢く、投石の様な戦術を行う事もあるが、同時に体格相応に非力でもある】
・・・・・・
【つまり、同じく石を投げてもより力の強い開拓者の方が射程と威力は長いのだ。数を揃えて飽和的に攻撃されれば危ういかもしれないが、幸いな事に敵はまだ少しずつしか草原に姿を現していない】
【偶然にも“北域”からの開拓者ギルドへの報告書を携えて大都エデンを訪れていた巡回者(ウォッチャー)の一人は、後方に控えて全体の様子を見ながら口を開いた】
「ホブゴブリンは更に狡猾だ。待ち伏せとして罠を用いる。
林海に突入する者は充分に気を付けろ。ゴブリンでも死角から急所に攻撃されるとダメージが大きいぞ。周囲への警戒を怠るな」
・・
【少なくとも、彼女の頭の中にある知識は全て言葉にして伝える。まだ魔物に詳しくない者も来ている可能性があるからだ】
【また一つ、投石でゴブリンを仕留める。万が一にも討ち漏らしがエデンに向かわない様に、巡回者は草原での迎撃に専念した】
- 12ハンナ◆inHfJzxsMg25/07/02(水) 10:05:45
────────────グシュウゥゥッッ!
白刃が滑り込む小鬼の頸から、濁った血液が噴水の様にパッと飛び散った。
ハンナの身体周囲で旋回する土礫の嵐は、その返り血ごとゴブリンの小さな躯体を浚うと、草原に転がる岩場へと叩きつける。
土礫は生物の薄皮を剥ぎ取る剃刀だ、“感知”するまでもなく林海から溢れ出る群れに、身軽な黒猫獣人、跳び蹴った小鬼の頭を踏み台にして更に前へ。
「北域の開拓者が偶々来ていたのは、ゴブリン共には不運だったね、……ユンツァー!!」
もう一体、斬り抜け様に片足で回転し、空いた左手に握り込んだ掌大の“石”を、時折北域で開拓を共にする同志、投石を行うユンツァーの元へと投げ込んだ。
・・・
「拡声石だ!貴女の声はくぐもってるからさ、ちゃあんと後ろにも届けてあげな!北域の巡回者の声を!」
- 13二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 10:14:22
- 14ユンツァー◆ALM0500gkk25/07/02(水) 11:27:00
「──────了解した。些細余す事なく伝えようとも、ハンナ」
【投げ渡された拡声石を逸脱の動体視力でしっかりと掴み取り、文字通りの片手間で投擲された短剣が樹木の裏で機を伺っていたホブゴブリンを樹木諸共に貫いて爆散させる】
【《魔力探知》では届かない間合いから攻撃を行う魔物への対抗手段として、帝政“エヴァーラント”は《身体能力強化》を推奨していた】
【つまり、優れた聴覚と視覚や腐敗臭によって敵の姿形と位置を暴く戦闘技能である】
「林海に入った途端に奇襲される恐れがあるぞ!
腕に覚えのない者は見晴らしの良い草原での迎撃に専念しろ!それだって立派な“役割”だ!」
【誰も彼もが勇敢という訳ではないと、長年の戦場で理解している。だからこそ、名誉よりもその日の糧を安全に得る事を望む者を鼓舞する】
【再び短剣を投げる。数打ちの安物。だがそれすらも極めて高練度の《身体能力強化》を修めた戦士の手に掛かれば易々と木々に潜伏するホブゴブリンを仕留める狙撃となる】
【林海への扉を強引にこじ開けながら、巡回者は力を温存した】
- 15アイネ・エル◆inHfJzxsMg25/07/02(水) 13:56:26
たかがゴブリン、とは言え初めて実地で相対する者も開拓者の中には居る、例えば、“新大陸学園”の未だ学生であるとか。
前線を戦う大人達からは一線退いた位置で、討ち漏らした僅かな小鬼を相手にしながら。
その一角に負傷者を癒す簡易的な救護所が置かれていた。
『悪いアイネ、こんな大規模な戦闘、俺、初めてで……!』
「それでも3体も倒して来たんでしょ?大丈夫、すぐに治すから!」
救護所、とは言っても野外に吹き曝しのシートが敷かれただけの無防備だ、前線からでもその様子を垣間見ることは出来る。
白と青のグラデーションカラーをした髪、左右異なる奇妙な色彩の瞳孔を持つ少年が、同級生と思しき少年の軽鎧を剥がし、ゴブリンの棍にて打ち据えられた青痣に治癒魔法を施していた。
身に纏った学生服、学園から派遣された後方支援要員だろう。
戦場の想定では、ゴブリンの攻撃はその位置までは届かない、万が一にも届き得る投げ石程度の威力では、擦り傷を負わせるのが精いっぱいだ。
・・
だからこそ、────────────それは、奇襲だった。
『アイネ、あぶねぇ!』
「えっ……!?」
林海の中から、木々を折り突き破って人間大の岩石が一つ、救護所に座り込む白髪の少年の元へと飛んだ。
ただのゴブリンの投石では有り得ない巨重の一撃、対応が間に合わなければ、小柄な彼等は瞬く間にその下敷きとなってしまうだろう。 - 16ユンツァー◆ALM0500gkk25/07/02(水) 18:29:31
【ギジリ、と草原の柔らかな土が撓む。踏み出した脚がその巨体に見合わぬ速度で疾走して跳躍した。二呼吸の間に岩石との距離を詰める】
【一歩、腰に提げた長大な曲刀を抜く。二歩、魔力を循環させて《身体能力強化》を重なる。三歩、刃の“芯”を投げられた岩石の中心に激突させる】
・・
(────────重い)
【僅かに目を細めて、敵の膂力を分析する。純粋な山人(ドワーフ)としての力だけだったのなら押し負けていた可能性もあるだろう】
【だが元“皇帝近衛兵”は既に《身体能力強化》の力を重ねており、そうでなくても“悪魔”を埋め込んだ躰は純粋な山人(ドワーフ)とは程遠い】
【ガンッ、と硬質な音を響かせて岩石が爆散する。叩き込まれた曲刀の一撃は斬撃というよりも打撃に近く、衝撃は岩石の奥深くまでを粉々にした】
「シュー………………ホブゴブリン以上で、尚且つ負傷者を狙う狡猾さもある。逃がせば被害が大きくなるやもしれんな
若者よ。一度別の所に退避するするか、この場で我々と共に異種との殺し合いを続けるか…………今なら、傷を負わずに次に繋げられるぞ」
【見たところ、致命に繋がる怪我は負っていない筈だ。だが初陣ならば多少は心理的なダメージを負う事もあるだろう。これから先も彼らには人生があるのだ。一度退却しても良い、と巡回者が口にする】
【思い遣り、というよりは効率の判断だ。経験値を積まなければ強くはなれないが死んでしまったなら強くなるも何もない。将来の開拓を担う人材は丁重に扱うべきである、というのが彼女の考えだ】
- 17アイネ・エル◆inHfJzxsMg25/07/02(水) 21:15:04
投石が直前に迫って、白髪の少年が取った行動は、今しがた手当をしている途中であった少年へと覆い被さり庇い立てするというものだった。
命の危機に瀕してけれど逃げ出そうともせず、ただ襲い来るであろう衝撃にのみ備えるように、固く両眼を閉じて。
しかし直後に響き渡る轟音と、共にパラパラと飛び散った岩の欠片が、僅かに散発し背中を打つだけと分かれば。
不思議そうに、恐る恐る背後へと振り返る。
「────────────あ、ありがとうございます!」
堂々と佇むドワーフの大柄が、二人の少年を覆って余りある影を落としていることに気が付いて、助けられたと自覚を得た。
頭を下げ、恐怖から解放された穏やかな笑顔をパッと表情に浮かべて。
「……大丈夫です、それなら、戦います。
もう油断はしません、────────────若輩ですが、僕も開拓者の端くれですので」
肌に纏う微光は治癒術の輝きで、石礫が背中を打った僅かな痣は、衣服の内で痛みと共にゆっくり薄れていく。
ぷく、ぷく、と、掌から湧き出す水の雫が。
矢の様に解き放たれて、前線から零れた小鬼を穿った。
- 18アイネ・エル◆inHfJzxsMg25/07/02(水) 21:16:14
小鬼の群れは、ハンナやユンツァーらが指揮の下で敷かれた防衛線に弾かれる。
戦況は緩やかに変化を見せていた、前線を押し戻しながら、先を行った開拓者達がいよいよ林海へと差し掛かろうとして。
瞬間、先程ユンツァーが砕いた岩石と同様の“牽制砲撃”が、彼らの足元へと叩きつけられた。
・・・・・
「群れが行くぞ!気を付けな!」
宙返りにて礫を躱すハンナの怒号と同時、ごぼり、と音を立てて、木々の隙間から堤防が決壊するのに似た緑褐色の波が起こった。
先程までのただ闇雲に獲物へと向かって突進する個体ではない、素人仕事ながら陣を組んだゴブリンの“群れ”だ、その中心には、周囲のゴブリンと比べてひと際大柄なホブゴブリン達の姿が紛れている。
ホブゴブリンは、少数の群れならば統率するだけの知能を持っている。 - 19二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 21:23:10
このレスは削除されています
- 20シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/02(水) 21:29:50
【ふよりふより、風に漂う蒲公英の種のように草原の上空に漂う影一つ
《飛行》の魔法により上に陣取りハープ奏でるは流れ者のエルフの男】
「籠れる昏きゴブリンの城、木漏れ日知らぬ罠ある林海
巡回者(ウォッチャー)の”ノック”が扉を開き、お返しとばかりに救護所へは押し入りが」
【謳うは揺れ動き続ける戦場の事
固有魔法《風の噂》による彼の歌は”なんとなく”伝わるもの
足を止める事要せずに、戦場に凌ぎを削る集中力を奪う事無く伝えながらに呑気な風情】
「されど剛力大岩砕き、奇襲の鬼兵は姿も露わ」
【そして岡目八目、奇襲の隠れながらの動きであれば見えずとも、攻撃に移った“群れ”であれば明白だろう】
「目付の火は今ここに」
【群れにおける怠け者という”余裕”はこういう時のためにこそ
《生成:火》、矢筒より出した、油布を巻いた数本の矢がささやかな魔法の火にて燃え上る】
「頭目に刻む焼き鏝を、逃れる事無き目印に」
【天罰覿面奇襲で補助を
《遠隔操作:風》/《精密操作:風》、ハープを兼ねた弓より放たれる矢は上空に吹く風に乗り放たれる
操作された風は長さにして50mの筒、矢を包み加速と補正を乗せ続けての太陽背にした燃える油矢の精密射撃】
「これでそちらのゴブリンは明確なマーキング付き、飛び切りに目立つし割と痛いだろ?」
【狙うは数体の”ホブゴブリン”。大柄であれば上から狙いやすいにこの上なし
まして統率者が動揺すれば”群れ”全体がそれだけ止まるような者
火の矢を打ち込み「狩るべき首はこいつらだ」とお墨付きの”マーキング”】
- 21魔獣学者◆YMmFsKxocY25/07/02(水) 21:39:16
- 22リコ◆M6F9IPFpqs25/07/02(水) 22:03:25
【丘陵の一角、周りより高くなった場所から赤いベストが目を引く青年が戦場を見下ろす、灰褐色の髪から突き出る狼の耳が戦況を知らせる声を拾う】
「久しぶりに大都まで来てみれば追加の稼ぎのチャンスとはね、キャラバンは他の連中に任せちまうか」
【ハーバーシティからのキャラバン護衛の依頼だったが嫌な匂いを警戒して先行してみれば戦端は既に開かれていた、護衛対象に停止を知らせる狼煙を上げると杖を片手に走り出す,目指すは新たに森から現れた群れだ】
【上空より降り注いだ火矢が数体に突き刺さり狩るべき首を示す、群れの中心に陣取る標的を視界の中心に捉え、身体強化の魔法を自身に使う】
(どこの誰かは知らないが良い援護だ……!)
【獣人の高い身体能力、それをさらに強化する魔法の組み合わせ、シンプルだが強力な戦法でゴブリン達に襲いかかる】
「命が大事なら道を空けな!お前らの首は後回しにしてやるよ!」
【進路上のゴブリンの頭を杖で砕き、強化された蹴りの一撃で意識を奪い、臆した敵を踏み台に飛び上がり、瞬く間に火矢を受けた1体に接近すると杖に仕込まれた剣を抜き打ち様に首元に走らせる、数秒後にはその首が地面に落ちる音が周囲の雑兵の戦意を削るだろう】
- 23ユンツァー◆ALM0500gkk25/07/02(水) 22:25:31
「シュー……………そうか。開拓者の端くれとして戦う事を選んだのなら、私が口出しすべきではないな。
栄光に降り注ぐ塵埃を払い、文明外の異種を根絶させるだけ……」
【頷きを返して、静かに巡回者が林海を睨む。開拓者として断言したのなら、信じるべきである。事実として、少年は魔法によってゴブリンに攻撃したのだから】
「コォォォ…………………臆するな、開拓者達よ。敵は林海から姿を現した。草原に罠はない。純粋な戦力の衝突なら、我らに軍配が上がるだろう」
【兜によってどうしても声量が抑えられてしまうのを、拡声石によって克服する。周囲を見渡せる草原ならば、予期せぬ“奇襲”の被害は抑えられる筈だ】
「敵は現在密集陣形を取っている、火属性の魔法で攻撃すれば延焼を狙えるだろう。
山火事については水属性の魔法を使える者が後で迅速に後始末をすれば大事には至らない。どうしても危ない場合の手段として考えて欲しい」
【岩石の砲撃を必ずしも真正面から押し返す必要はない。ユンツァーが岩を砕いたのはあくまで二人の学生を庇う為であって、普通に相手するのなら横か後ろに避けるのも可能だろう】
【“マーキング”に従って《身体能力強化》を重ねた五体で槍を投げれば、取り巻きのゴブリン達を巻き添えにしてホブゴブリンを貫く】
【投げた槍がゴブリンに回収される恐れもあるが、死体の山が槍を回収する上の邪魔になるであろう。尤も、攻城用の槍槌は一介のゴブリンには荷が重いだろうが】
「必要ならば、手足を削いで研究材料にするか?
今後の対ゴブリン戦術の発展に役立つのなら、今の我々が多少の苦労をしても長期的に人類にとっての利益となるだろう」
- 24ショルト◆5yObvBxEwU25/07/02(水) 22:49:52
【北域要塞都市の一角で】
....黒パンと塩、あとミルクを頂戴
それだけで良いわ。余計な物は結構よ
【毛皮付きのローブを纏った人物が、
杖をついて買い物をしていた】 - 25ハンナ◆inHfJzxsMg25/07/03(木) 17:58:12
『ギャアッ!ギャッ!ギャッ!!』
小鬼が腐臭を放つ激憤の奇声。
手斧の届かぬ空からの火に、前触れ無く隆起し阻む土の槍に、林海より勇んで溢れ出した群れがたまらず侵略の脚を止めれば。
狼の獣人が攻撃の手を掻い潜り陣形をズタズタに引き裂く、またその中心を、ドワーフの槍は防御能わぬ威力と速度で投げ穿つ。
元々は別個に群れ合っていた小鬼達による付け焼刃の連携など、魔物の討伐に卓越した開拓者達の阿吽の呼吸にて蹴散らせる程度のものでしかない。
『ギィッ……!!ギィッ!!ギャッ、ギャアッ!!』
なれば、魔の群勢は種の本能に立ち返る、即ち捕食欲と同族にすら獲物を奪われることを嫌う獰猛な野生。
ホブゴブリンは、部下、味方であった筈のゴブリンの首根っこを発達した腕で鷲掴むと、遠距離からの攻撃に対する盾として構え。
また或いは、大地に敷かれた屍の山を、舗装された道と認識して踏み越え走り出す。
・・・・・・・
(────────────これがゴブリンだ、同族の死をなんとも思わない、人間と違って外道に走ることを全く厭わない……それにも増して厄介なのは、この援護砲撃だね)
“呼吸を止めて”樹上に隠れたハンナが睨むのは、林の奥。
ホブゴブリン達が姿を見せ始めても、投石は未だ止む気配が無かった、巨石を連続で投げることを可能とするスタミナと膂力、この群れの統率者が深くに潜んでいる。
(頭を討たなきゃこの戦いは終わらない、……迎撃の手は足りてる、草原に誘き出すか)
先んじて敵勢の様子を探る、それが斥候(スカウト)の役目ならば、ハンナは気配を断ち、黒猫の跳躍力で木々の上から上へ、林の奥に居る“キング”を探すべく跳び出した。
- 26ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/03(木) 20:01:11
(……開拓者たちが戦闘している少し近く……)
(黒髪の剣士が薬草を採取していた)
えっとこれが確か……あー、傷薬になるんだっけ?えっと、それでこれが………
(剣士の名前はユウヤ。まだまだ駆け出しの開拓者である) - 27二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 20:25:33
- 28ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/03(木) 20:31:30
- 29ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/03(木) 20:44:10
魔力感知!
(少し警戒しながら誰かが飛んだ場所へ向かい……) - 30リコ◆M6F9IPFpqs25/07/03(木) 20:55:52
- 31魔獣学者◆YMmFsKxocY25/07/03(木) 21:00:06
「素晴らしい即断即決!やはり優れたキングがいるのでしょう!ずっと森から出てこない臆病っぷりもグッドです!」
【感嘆の声を挙げながら魔法を発動し、地面から礫をつくり幾つも自分の周りに浮かべたのち、ゴブリンに向かって斉射する。一網打尽の土槍衾が難しくなった以上、いつものやり方で戦う方が確実だと考えたようだ】
「うーん……費用対効果が微妙ですね……。少なくとも僕がやる分には皆さんを危険に晒すほどの利益は得られないと思います」
「僕は生態学メインでしてね。戦闘状態になった時点で求める結果を得るのは難しいんです。友人の研究の役に立つかもしれませんからちゃんと記録はしますけどね」
- 32ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/03(木) 21:22:16
あ、誰かいる……(ようやく見つけた)
- 33ユンツァー◆ALM0500gkk25/07/03(木) 23:02:14
「あぁ、──────────つまり、私が行う分には釣り合いが取れるかもしれないか?」
【斥候が林海の奥に姿を消したのを見送って、黒衣の巡回者が前に踏み込む。体格に優れる彼の山人の前ではホブゴブリンすらも矮躯に過ぎない】
【進軍する。腕の一振りが壮絶な速度を伴って醜悪な小鬼の頭蓋を真正面から粉砕し、投げられる礫を避けもせずに突撃で弾く】
【高練度の《身体能力強化》で既に鍛え上げた肉体暴力を高め、同じく高練度の《自己治癒力活性化》で些細な傷を無視して進む】
【防御力だけあっても、細かい傷の積み重ねで死に至る事がある。治癒力だけあっても、耐えられない威力の攻撃で死に至る事がある──────だが、皇帝近衛兵すら経験した巡回者は双方を併せ持つ】
「私は、前に進む。突撃を志向するのなら正面から叩き潰してやろう。
しかし、“援護砲撃”を行い続けている頭目は厄介だ。魔法の準備を頼みたい」
【ブチリ、と力任せにホブゴブリンが肉盾として前に構えたゴブリン諸共に骨肉を断ち切る。戦闘技巧を凝らす必要もない。ゴブリンは所詮は下級の魔物で、その下級の魔物を肉盾にしても得られる効果は一定の域を出ない】
「開拓者達よ、惑わされるな!見た目こそ奇抜ではあるが、しかし柔肉の盾が鉄の盾に勝るか!?
外道、奇策が必ずしも強い訳ではない!冷静さを保ちながら応戦しろ!」
【長大な曲刀が振るわれる度に血飛沫が舞う。その大振りの攻撃の隙に巡回者に迫ったホブゴブリンを殴り飛ばし、蹴りの一撃で胴体を爆散させる】
【その暴威は人型大の嵐、或いは魔法によって駆動する重機にも等しい。斬る。殴る。蹴る。正面からの白兵戦という唯“一つ”を突き詰めた結果として、彼女の攻撃は一つ一つが魔法並みの威力を有する】
【素手でゴブリンの頭蓋を掴んで砕き、首無しの屍となった胴体を振り回して薙ぎ払う。不幸にもその屍に衝突したゴブリンは、触れた端から肉が衝撃によって粉砕された】
【作業の様に、淡々と。無機質な暴力が片っ端から前線のゴブリン達を“壊して”行く──────その傍若無人たる暴れっぷりは、意図的に“援護砲撃”を自らに集中させようとしてのものである】
【斥候が敵の頭目の位置を掴み易くなり、後方への負傷者を狙った攻撃も少なくなるだろう、と】
- 34ショルト◆5yObvBxEwU25/07/04(金) 16:00:42
- 35シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/04(金) 16:22:04
ごうごうと燃え上る炎の灯りが照らす中ゴブリン達が薙ぎはらわれていく
いやあまっこと凄い勢いだねと軽薄な声で簡単しつつ指先紡ぐは戦歌
「巨躯が刈り取る鬼の兵たち、いや溜まらぬと逃げるに刺すは死神の影
前門の獅子に後門の狼とでもいうべきかな」
呑気ですらある様子で謳うエルフの楽師。気に入らぬと石を投げるゴブリンがいれど”何故か”その軌道は逸れる
おお見よ合間に”良く燃える”密集を狙い放った火から上がる焚火を!ごうごうと燃え幾つもの炎が生む天への風を!
その上昇気流こそが彼の掌握する風の源、精密に操作された風が矢避けとなって彼を、そして後方や怪我人を守っている
「おや、ようこそ戦場へ
後方の手伝いならばそちらの救護所、武勲を立てにというなら正に今そこさ」
ハープかき鳴らすエルフの男、戦場であるのを知らぬとばかりに飄々とした態度で、しかし当然のように突撃と落ち穂狩りの兵が生み出す空白所、防御の土壁を生やす術師の壁の後ろにと位置取りを替えながら
「成程、とすると研究に向けた目当てとしては”次”に向けた顔売りかな?
ギルドにしてもより事前につかめれば越した事無し、功を立てれば次善の調査が回って気安くなるものさ」
さりげなくそのやや後方辺りに歩き位置取りしようとするエルフの男
腰を据えた術師の迎撃や防御、そのおこぼれに預かるように
「人にして台風の如し。歩く大樹のような勢いだ!
まあ恩恵はありがたく受け取るとして…おうい!槍槌の回収なんかは要り用かな?」
快進撃、というかもはや怪獣映画を観るような心地で応援を兼ねた歌を奏でていたがエルフの男がとは言え助けられっぱなしもね?と
斥候が引き出してくるだろう”頭目”。一際強いホブゴブリンか、或いはキングなるものか
その出る前に手にしておきたいならばと声を
- 36ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/04(金) 18:59:59
- 37ハンナ◆inHfJzxsMg25/07/04(金) 20:34:34
緑豊かな草原を薙ぎ倒す小鬼の群勢は、開拓者達の迎撃を受け、次第にその勢力を弱めていた。
味方すら踏み越えて前進する異形の行軍も、群れを指導する頭を失い、手足を捥がれればそれで終い。
積み重なった屍の山は100を越え、200を越え……やがて耳を劈く様な奇声も疎らに果てて往く。
・・・ ・・・・
これで、終わりか、各々に返り血を纏い、惨たらしい程の朱に身体を染め上げた開拓者達の間に、自然と終着を見据えた緩やかな安堵の兆しが見え隠れし始めた。
そんな折である。
『────────────ゲャァァァァァアアアアルルルァァララララ!!』
唾液が喉奥に絡みついた様な、醜悪な粘性を伴う哮声が、林海の向こうより高らかに響き渡った。
吹き付ける風に乗って、鼻を抓みたくなる様な汚臭が流れ込む。
それと同時、樹上より草原へと降り立つ黒猫獣人が、肩口から裂け割れたレザーメイルとだらんと力の抜けた右腕を抑えながら駆け抜けて来るのを、そして、それを追って一つの巨大な影が木々を圧し折りながら現れ出るのを。
その場の全員が目撃することになるだろう。
・・・
「来るぞ皆!とびきり、大ボスだッ!!」
巨岩を食って折れた肩を庇い、痛みに耐えて流るる脂汗を額に浮かべながらも、黒猫獣人の斥候、ハンナは快活に声を張り上げた。
彼女が大ボスと呼んだそれ、遍く獣を殺し、魔物を屠り、統率するゴブリンの変異種、時にそれは一つの町を飲み込み支配する知性を獲得し、人間の積み上げた文化や技術すらも吸収して蹂躙する。
丸太を削り出した歪で鋭利な巨槍を携え、胴には嘗て行方を眩ませた開拓者達が身に着けていたものであろう、幾つもの鎧を繋ぎ重ねた防具を纏い。
・・・・・・・・・・
人間を遥かに越える巨躯の頂点に、小鬼のそれが変質した、ともすれば王冠にも似て見える角を生やしている。
王(キング)ゴブリン、と、呼ばれる個体である。 - 38シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/04(金) 20:38:18
「しかしまあ囮、盾役を買って出てくれる者がいるというのは助かるね」
エルフの男はゴブリン達と激突する最前線よりわずかに後ろで琴を奏で戦況を謳い共有している
その余裕が癪に障ったゴブリンがギギィと唸って群れを逸れ走り来て
「ああそんな隙だらけを晒しては」
ざくり、当然の様にゴブリンを狩る戦士達が群れを逸れた雑魚を狩る
”おう吟遊詩人の兄ちゃん大丈夫かい?”と確認の声に
「お陰様でね。その活躍は割り増しで謳わせて貰うよ」
そう礼と共にウィンクを一つ
「おっと、水属性の魔法使いが今ここに!
やあ水使いの君!いい水の鋭さだ!」
ハープを鳴らす手を止めおおいと手を振るエルフの男
戦場に幾つか燃え上がる火柱、そこから上がる風の流れを風の源としている風の魔法使いだ
「この火の始末は後回しで一つ宜しく!
すまないが今しばらくはこいつがどうにも要りようなのでね」
ウィンクをしながらお願いとジェスチャーをする彼を狙ったゴブリンの投石は”上昇気流を操った風”逸らされギリギリに外れていく
躍起になって繰り返される投石に「おっとっと!」「間一髪だ危ない危ない!」とステップを踏みながら
「勿論ここは誰だろうと歓迎さ
後でミス・ハンナに参加した旨言うとよい」
【かくかくしかじか、軽く戦況をハープの調べに乗せて語り伝えつつ
詰まる所この草原は今正にゴブリン達との激突中
出て来た軍勢の部隊長は凡そ始末されぶつかり合うは烏合の、しかし野性と獣性をむき出しにしたゴブリンの群れ
そして頭目を根城からこの草原に引きずり出すべく斥候が今森の中】
- 39ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/04(金) 20:44:04
- 40魔獣学者◆YMmFsKxocY25/07/04(金) 21:38:06
- 41ユンツァー◆ALM0500gkk25/07/04(金) 22:26:04
「お頼みしよう。景気良く投げたは良いが、小鬼の雑兵を狩る上で斬れ味に拘る必要がないのに今更気が付いてな。
彼方の槍槌の方が曲刀よりも間合いが長い。薙ぎ払えばより効率的に殺せるだろう」
【両手を掴んで力比べを仕掛けてきたホブゴブリンを“縦に”引き裂きながら、巨躯の巡回者は問いかけに頷きを返した】
【左と右とで真っ二つになった小鬼を投げ捨てて、とは言えとため息を吐く】
「尤も、私は普段は“北域”で活動しているからな。大都エデンの危機ということで駆け付けたが、後進の育成の為にも多少の自重は必要なのかもしれないと思うよ」
【老人があんまりにも暴れ過ぎるのは健全ではあるまい。例えば先程彼女が助けた学徒の様な若い世代にノウハウが伝わらなくなってしまう恐れもある】
【暴れるにしても、開拓者全体に気を配るというのであれば適切に負担や脅威を次世代に“任せる”必要があるのだろうが】
「──────問題は、私はそこまで賢くないことに尽きるな。
単純暴力を振るうだけで生きてきたもので、残念ながら頭脳労働とは無縁だったのだ」
【膝蹴りの一撃でまた新たなホブゴブリンに灰褐色の液体となった内臓を吐かせて、巡回者は唸った】
- 42ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/04(金) 22:30:05
ほらほら!こっちだぜ!
生成、火!!!
(火を最低限の大きさにしてボブゴブリンに投げつけて撹乱に出る) - 43ショルト◆5yObvBxEwU25/07/04(金) 22:33:40
- 44シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/04(金) 22:39:58
それが現れ、世界がどろりと塗り替わる
積み重なった屍の山、その死臭すら花の香りと想える程のすえた汚臭を先駆けに
醜悪な粘性を伴う哮声がその存在を叩きつける
「現れたるはゴブリンの王、瘴気を纏う雲突く巨体
王冠の如き角を見るには仰ぎ見るのみ、その体躯たるや大鬼(オーガ)の如く」
浮かれて証の耳を削いでいた男の脚が小鹿のように震えている
治療を繰り返し消耗していた癒者の女が耐えられぬと胃液を吐き出し手をついている
凱旋を前にした空気も今は昔、絶望を前にした最前線。それを留める防衛線がここである
「ゆえに、それを祓い謳おう!戦場の詩人(ライアー)はその為にいるんだからね!」
美麗な顔つきと人と比べて永き寿命、人世離れしていると言われるエルフはへらへらとした笑顔のままで
ピン!鳴弦の如く弦が一度弾かれて
「さあ新鮮で美味しい空気と入れ替えようか!大きく息を吸うと良い!
さあ耳を洗う代わりにこれを聞こうか!そうしたらあれをようく見て!」
彼の操作する風、火による上昇気流がぐるりと曲がって降りて上空の冷たく清廉な空気がこの地を満たし入れ替わる
彼の鳴らす音、呑気ですらある明るい歌声に畏怖が緩んでゴブリンの王を見たならば
「そりゃあまあ大きいけどね?我らが巡回者(ウォッチャー)と比べてみたらそれほどかなあ」
三面六臂の奮戦をした大嵐、体格優れたドワーフの上に大鎧を着た彼女と見比べた人々は言う
”いやデカいだろ!””目ん玉洗ってこいよ長生きし過ぎてボケてねえか吟遊詩人!”
…だが、ブーイングを飛ばすその顔にもはや畏怖は無い。向き合う脅威、死への恐怖はあれどもだ
「そりゃあ奢って貰う為に腹が減るのさ!奢りのただ飯ただ酒程に美味しいものは無いからね!」
滅茶苦茶にいい加減な事を言い出す吟遊詩人
- 45ユンツァー◆ALM0500gkk25/07/04(金) 22:55:13
「なるほど、なるほど。───────素晴らしい働きだな、ハンナ。
林海に紛れて逃亡されていれば、次はもっと戦略と準備を重ねて来襲していたかもしれない。
最悪の事態を未然に防げた。最高の仕事だ。その戦傷は勲章級だとも」
【状況を咀嚼して、心からの賞賛の言葉を黒猫斥候に送る。僅かに動きを止めた巡回者に対しゴブリンが粗末な棍棒を振るおうとして、】
【グシャリ、と鈍い音を響かせて潰される。棍棒を振るおうとしたゴブリンだけでなく、巡回者が進む上で邪魔になるゴブリン全てが真紅の血染華を咲かせた】
【これまた高練度の《放射:ショックウェーブ》である。射程を延長する技能こそないが、元皇帝近衛兵は近接の間合いに於いて純粋な肉体暴力と不可視の衝撃の二種を織り交ぜるのが真の戦術である】
「しかし燃費が悪いのでな。手加減していたというのは誤りではないが、間違いなく本気ではあったと言い訳した方が良いかね?」
【ギシリ、と土が撓んで山人(ドワーフ)が首魁に向かって疾走する。生半可な障害、つまりゴブリンの残党を質量と速度で文字通りに轢殺しながら前に突き進む】
【不意打ちに使えば大きな損傷を与える事も可能であろう初見殺しを開帳した理由は単純だ。ゴブリンの首魁、“王”の名を冠するゴブリンに警戒させる為である】
「足止めは私が務めよう!回避する隙は与えない。存分に魔法を撃ち込み、斬痕を刻み込んでやれ!
是非とも経験を積んで強くなって欲しい。そしてその後にでも“北域”に来てくれ!絶賛、我ら巡回者は人手不足なのでな!」
【高い知性を有するからこそ、山人(ドワーフ)の身体の何処から放射されるかも分からない不可視の衝撃波を警戒してしまうだろう】
【その隙を突いての攻撃は任せた!と他力本願を何の躊躇もなく口にして、巡回者は曲刀を片手に戦の咆哮を雄叫ぶ】
「今こそ英雄譚の作り時だぞ?その武勲を誇りたい者、大将首を討ち取る名誉が欲しい者、或いは莫大な賞金を手に入れたい者は私に続け!」
【開拓者達を鼓舞する様な言葉を吐きながら、魔力で身を固める。コレで多少のフレンドリーファイアにも耐えられ、癒せるだろう】
- 46ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/04(金) 22:58:58
ならまずはオレから!!
(剣を構えて……炎と闇が混ざり合い、剣に流れ撃つ……)
星の瞬き、月の狂気、夜の温もり……
光を捉え地を飲み天に宿る!
(足を強く踏み込み猛スピードで斬りかかりに行く)
ナイトロード・バスタード!!! - 47シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/04(金) 23:05:32
「了解了解!それじゃあさて、少しばかり集中してと」
片目を瞑りエルフの古語が呟やかれる。ごうごうと燃える炎が生む風、それを”遠隔操作”し”精密操作”する
階梯にして3たる二つの組み合わせ、魔法の粋が振るわれる
「”腕”」炎の熱気を含んだ風の腕が形成され
「”伸ばし”」陽炎に歪んで見える大気の大腕が伸び、ゴブリンの骸を押しのけ槍槌を掴む
「”吸え”」大腕が引き抜き運ぶのか?いいや、いいやそれでは遅い!巻くように吹く腕の空洞が真空となり矛槍を吸い上げて
「そうら超特急だ受け取って!クリーニングはサービスさ!」
風腕の掌から吸われた矛槍はあなたの元に送られた腕の付け根よりキャッチボールの玉のように飛び出すだろう
途中風にて血糊も綺麗に拭われた矛槍が今再びあなたの手元に
「いやあごめんごめん!ほら、こういうのって水の使い手には邪魔かもだろう?
だからお願いしておかなきゃってさ」
めんごと片手でポーズを取りながら詫びるエルフの吟遊詩人。何せもう片手はハープを支えているので
「それじゃあお詫びに謳おうか!外套に隠れた鋭き瞳、抜けば魂散る水の刃が…」
そんな戦場の誉を謳う即興歌
- 48リコ◆M6F9IPFpqs25/07/04(金) 23:11:35
【奇声を上げて飛び掛かるゴブリンを鞘で地面に叩き伏せ返す刀でもう一匹に横殴りに叩きつける、倒れ伏した敵の首筋を一突きして致命傷を与えすぐさま別の獲物へ】
【死体の山を軌跡として描きながら戦場を走る、狼の姿があった】
「こいつで何匹目だ?もうそれなりにやったが……、って今度は大将の出陣か」
【黒猫の獣人を追いかける様に森から姿を表した巨体、この大集団を統率する総大将が出陣したようだ】
「それじゃあまずは脚を止めさせてもらう!」
【周囲のゴブリンがその姿を見失う速度でキングへ襲撃を開始する、狙うは右脚、側面から駆け抜けながらの斬撃、そして離脱しながらのショックウェーブ、岩を砕く衝撃波の並が巨体を支える脚の1本へと向かう
- 49キングゴブリン◆inHfJzxsMg25/07/05(土) 11:10:12
ズズン、ズン、キングゴブリンの踏み締める地表がこそげて剥がれた、鑢の様にざらついた緑褐色の皮膚には、汚らわしくこびりついた返り血が酸化鉄の如き臭いを放っている。
威圧的に頭を振って、充血した眼は獲物達を見渡した、────────────それが、狩るべき対象に優先順位を設けるための動きであることを、察することも出来よう。
『ギャルァッッ!!ギャギャガァァアアアッッ!!』
ゴブリンにのみ通ずる奇声による言語体系が周囲に侍る小鬼達を突き動かす、遠巻きに戦場を見据え、前衛を務める戦士達への援護射に徹しようとする者達には(>>40 >>43 >>44)、残存した小鬼の群れ悉くを差し向けて手出し出来なくしてやろう。
そうはさせぬと小鬼の前に立ち前線を維持しようとした勇ましき鎧姿の開拓者の眼前に、キングの巨体はその容貌に見合わぬ敏捷にて跳ねて着地し、驚倒に身を固くした彼を手にした槍で簡単に突き貫いて見せた。
『ゲャァアッッ!!』
そうして、鎧の開拓者の手の内から直剣を奪い取ると、この場に於いて一段と際立つ存在感を放ち吶喊するドワーフの女(>>45)へと、その双眸を向けて。
指先の直剣を手遊び、くるりと切っ先を向けて、投げつける────────────それこそは、先程まで巨岩を立て続けに投擲していた膂力の正体である。
その間、詠唱を伴う暗影の一撃を振るおうとする若き戦士(>>46)には、鬱陶しそうにその片瞳のみがぎょろと傾げられた、生半可な者ならばそれだけで震え上がりそうな威圧の仕草。
『お前如きに構っている暇は無い』とでも言うかの様に、キングゴブリンは再度高い跳躍を以て必殺を躱すと、少年の頭上を越え。
背後へ着地すると同時に、その脚を狙った狼獣人(>>48)の連撃は、携える丸太の巨槍を回転させる暴風を伴い、ガヅリ、と、鈍い音と共に弾き上げ、防いだ。
彼が木っ端の様に蹴散らせていた取り巻きの小鬼達とは文字通りの格の違い、それを思い知らせる様に。
- 50ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/05(土) 11:21:04
- 51ブレド◆EgTBtFCev.25/07/05(土) 12:18:22
- 52ユンツァー◆ALM0500gkk25/07/05(土) 12:41:36
「やはり、先ずは脚を止めなければ始まらないか。流石に俊敏だな、簡単には当たらせてくれない」
【人外の膂力から繰り出される凄まじい速度の直剣を《身体能力強化》の恩恵で一瞬だけ受け止める。酷く重い感触。真正面から防ぎ続ければスタミナが切れるだろう】
【だからこそ、発動に使う魔力を調整した《放射:ショックウェーブ》で受け止めた直剣を“弾く”。別方向からのベクトルを加えられ、直剣の軌道は容易に変動した】
(………《身体能力強化》と《自己治癒力活性化》のお陰で、一撃二撃なら直撃しても生存自体は可能だな。
だが魔力の消費で戦線離脱を余儀なくされるか。マトモに受けるのはやめた方が賢明だろう)
【一度の戦闘で使える魔力は無尽蔵ではない。娼館通いなら多少の余裕を有しているだろうが、しかし無闇矢鱈に使えばやはり枯渇の恐れがある】
【可能な限り、魔力の消費を抑えながら足止めする必要があるだろう。少なくとも他の開拓者がトドメを刺すまでは耐えなければならないのだから】
「分かっているとは思うが、ゴブリンと言って侮るなよ!中身は全くの別物だ、ドラゴンと同列の位階の魔物だと考えろ!
力が強いということは、脚力も相応に強いということだ!敵は常に高速での回避と離脱を行える!」
・・・・
【ドラゴン。上古の時代、其れは単独で都市国家を攻め滅ぼした記録さえ残されている魔獣の中の魔獣である】
【事実としてキングゴブリンとドラゴンが全く同じ強さ、という訳ではないが。しかし注意喚起としては上々の筈だ】
【恐怖だけでは戦えないが、勇気だけあっても蛮勇に過ぎない。恐怖と勇気の均衡、冷静に敵の戦力を判断して戦場に臨む心構えが肝要である】
- 53ユンツァー◆ALM0500gkk25/07/05(土) 13:04:28
「そして感謝しよう、詩人(ライアー)。最高階梯の一角を相手する上で、備えは幾らあっても足りることはないのだから
この戦いが終わったら、馴染みの開拓者でも紹介しよう。良い冒険譚が聞ける筈だ」
【槍槌を手元に取り戻し、山人(ドワーフ)の女がまた足を踏み出す。一歩。二歩。三歩。それだけの動作で最高速度に達して、地上を駆け抜ける黒い風の様に小鬼の首魁に肉薄を試みる】
【繰り返すが、元より頑健な種族特性に《身体能力強化》を加えて鍛え上げた末に得た逸脱の身体能力である。小鬼の首魁、高階梯の魔物には劣るが十分に驚異的な力に違いない】
【そうして片手に曲刀、もう片手に槍槌を握りつつも魔法列車よりも疾く駆け抜ける巡回者は仮面の奥で歯噛みした】
・・・・・
【相性が悪い。ユンツァーの魔法構成は魔法主体の魔物や魔獣、或いは兵士を想定したものだ。高練度の《魔力探知》と魔法殺しの固有魔法。そのいずれも、自らの肉体で戦うキングゴブリンには無意味な魔法である】
【言ってしまえば、《身体能力強化》だけでは目の前の敵の下位互換にしかならないのだ。《自己治癒力活性化》と《放射:ショックウェーブ》を足しても到底埋め切れない能力差が存在する】
【だからこそ、仲間に頼る必要がある】
「私の固有魔法は、魔力汚染の瘴気による魔法威力の減衰と魔法行使の妨害だ!その副産物として、他の者よりは魔法耐性が高い!
囮は引き受ける。私に魔法が当たっても気にするな!」
【再び吶喊を行いながら、“悪魔”の破片を埋め込まれた改造山人は吼えた】
- 54魔獣学者◆YMmFsKxocY25/07/05(土) 13:32:34
- 55ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/05(土) 14:01:49
……なら、生成、土!
(剣をしまい槍を生み出して)
遠隔操作、闇!(生み出した槍に盾に付与されていた闇を纏わせてそのま投げる。闇を撒き散らしながら貫通させる嫌な一撃だ) - 56リコ◆M6F9IPFpqs25/07/05(土) 15:42:33
「おっと……やっぱ簡単には狩らせてくれねぇか」
【こちらの連撃をいとも簡単にキングが受け止める、巨体だがその動作はかなり素早い、速度を維持して距離を取り休息、次の襲撃の好機を見計らう】
(奴がデカイ攻撃に意識を向けた瞬間……そこを狩る!)
- 57ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/05(土) 16:40:44
みんな、悪いんだけど叩けるやつは俺の槍をケツから思いっきり殴ってくれるかな!チェインして一点特化貫通する!
- 58ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/05(土) 16:41:52
(あ、槍ってのは投げたやつのことです)
- 59ショルト◆5yObvBxEwU25/07/05(土) 16:50:44
『(固有で不意打ちするには水が足りないし...
あんな木っ端連中でも同士討ちになりかねない
どうにか隙を突いて、精密操作での水の刃を
急所か関節に当てないと倒せそうにないわね)』
(ゴブリンたちの屍山血河を築き上げつつ、
命からがら群れから抜け出したゴブリンを
杖を狙撃銃のように扱い、脳天から撃ち抜く)
『...前線の奴らが隙を作るのを待つしかない』
- 60シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/05(土) 17:20:47
「どういたしまして。君の馴染とあらばそれは楽しみだね!
これ自体に加えてとあらば当分歌には困らなそうだ」
囮を引き受け気にせず撃てと堂々謳う改造山人の声を聴きながら
くるり森人は向き直る
王の指令に襲い来た小鬼の群れ、前線を張る戦士達の網を抜けてしゃむにに襲い掛かるゴブリン達に
「おっとっと!流石に王の勅命とあらば必死だね!?」
錆びた小刀、節くれだった枝の棍棒、粗製の武器で襲い掛かるゴブリンの攻撃をハープ片手に下がり避ける
矢切れの弓など恐れる事無しと嘲笑いながら攻め入る小鬼
びりりとローブが裂かれてひやり、べちゃりと振り飛ぶ血糊にうぇぇ
「…おっと?追い詰められてここでかな」
一歩、また一歩と下がり…とうとう積みあがった死体の山に背が当たる
軽快に弾いていたハープの弦も指強張ったかぎりりと引かれ留まったまま
邪悪な笑みでゴブリン達が俺の得物だと我急いで飛びかかり
「纏めてその距離に来てくれるタイミングは、ね?”短矢””4本”」
呟く言葉はエルフの古語
生成:土の矢が引かれた4弦に添い、四体のゴブリンの喉を狙うハープ・ボウに装てんされた状態で具現して
タタタタンと小気味よい音が連なった
後に響くは罵声でも叫びでも無く、コヒューコヒューという空気の漏れる音だけだ
「おやあれは…もしかして助っ人かな?
ここでとは運が向いて来たものさ!ナイスブレスだよ竜人の君!」
タラランと称賛にハープを一弾き
- 61凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/05(土) 20:38:40
- 62キングゴブリン◆inHfJzxsMg25/07/05(土) 23:07:02
熱波の気配に上空を一瞥(>>51)、大鬼は地面に突き立てる丸太槍にて、カチ上げた土塵を焔を一瞬でも妨げる壁とし。
唾液を撒き散らしながら猛り狂った様に吼え前駆する、ドラゴンのブレスはその背後へと着弾し、草原へと赤々燃え広がるだろう。
退路を断たれたことになる、が、構わない、元よりこの場の誰も逃すつもりはなく。
蹂躙し、壊し、犯し、喰らってやる、────────────彼からすれば、それだけの話であるからだ。
ドワーフの指摘は的を射るものだった(>>52 >>53)、改造され、強化を施した、開拓者の中でも屈指のフィジカルを誇る彼女であっても。
ただ無策で正面からぶつかり合えば圧し潰されることになる、それが王たるゴブリンの力だ。
ゴツゴツと膨れた両腿には見る目にも分かる程隆起した筋肉の稜線、ただ前進する為に踏み込むだけでその足元には、草葉の根から抉れた黒土が残される。
・・・・・
ユンツァーが得物を手元に取り戻したその様に、大鬼はニタリと口元を歪めて、都合が良い、と。
彼女を木っ端の如く叩き壊してやればさぞかし開拓者達は動揺し、絶望するだろう、人を食った悪辣な思考回路はその醜い顔貌に愉悦の感情を隠しもしない。
駆ける勢いそのままに巨槍を振り翳す、ドワーフの身の丈よりもずっとずっと長く太い、破壊的な武器を。
有り余る膂力で叩きつける。
────────────直前に、視界の縁より飛来する黒槍が留まった(>>55)。
『グルァッ!?ギャゥルルルララァァアアッッッ!!』
ドワーフへと向けて振り落とす筈だった槍を咄嗟に突き上げ、暗影を迸らせる黒槍を上空へ弾くことへと用いる、文字通りの“横槍”に額に青筋を浮かべた大鬼が足を止め、投擲手である少年へとその怒りに震える双眸を向けた。
その隙を、狙撃手(>>61)の銃口が捉える、そのタイミングは狙い通りであったか、はたまた偶然だったか。
分裂する魔弾は見開いた眼を突き貫いて。
『ゲギッ!?!??ゴァッッ、ギャ#ガル#&”!%’”%’!&$”&%’#!?!??!!!』
後頭部より弾ける、醜悪な奇声が、響き渡り。
- 63キングゴブリン◆inHfJzxsMg25/07/05(土) 23:08:03
それは確かに断末魔であっただろう、眼孔より侵入を果たした弾丸が脳漿を掻き乱して弾け飛ぶ、より人型に近しいゴブリン種の魔物にとって、それは致命的と言って良い損傷だった。
終幕である、草原を押し寄せる鬼共の大津波は、この首魁の討伐を以て終わりを迎える。
誰もがそう信じて疑わない光景が眼前にあり。
そして大鬼が。
ゆっくりとその巨体を前傾させて。
『────────────ギャアッ、ギッ、ガギャァァァアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!』
・・・・・・・・・・・・
巨槍を横薙ぎに振り抜いた。
『ゴギャラララララララララァァァァァァァアアアアアアアアアアアアッッッッッ!!!!!!』
たったそれだけで、樹木が圧し折れる様な風圧だった、研ぎ澄まされた切っ先が草葉を狩り落とし、傷口からはびちゃびちゃと脳汁を吹き溢しながら焦点の定まらぬ片瞳が戦場を尚も見渡している。
肉体の損傷は間違いなく致命的だ、放っておけば一刻と持たずキングゴブリンは死に至るだろう、されど。
とうにまともな意識すら留めていないその最中でも、大鬼は敗北を認めることはしなかった。
ひと振り、ふた振りと片腕で巨槍を薙ぎ、空いたもう片方の腕では、自らが纏っていた継ぎ接ぎの金属鎧を引き千切って、有り余る膂力を用いその破片を弾頭とする砲撃を後方の開拓者達へと叩き込む。
末期の大暴れだ。 - 64ショルト◆5yObvBxEwU25/07/05(土) 23:20:46
『(地面に落ちた水分もまぁ及第点レベル....
うん、これなら丁度良い具合で使えるわね)』
『塊肉になりたくないなら、アンタ達全員
地面の上を動く水分を踏まないようになさい』
視認性向上の為、少し躊躇したがフードを脱ぐ
褪せた金髪に鋼色の瞳....もしかすると、
エルフならあっ、と気付くかもしれないし
他の種族は普通に気付かないかもしれないが
そんな事はお構い無しに女は魔法を行使する
『knave(悪党)...leave(去る)...
remove (取り除く)...resolve(解決する)...
derive(導き出す)...prove(証明する).........』
血潮、脳漿、体液ほか....その他諸々の水分が、
キングゴブリンを取り囲むように動き始めた
- 65凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/05(土) 23:32:51
- 66シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/05(土) 23:55:14
「鬼王怒りて狂乱す。槍薙ぎ鎧を礫とする様地獄の鬼もかくやの様で…」
冷や汗。これは…ちょっと不味い
理性理屈で動くならば読みが通じる。対応が間に合う
だが狂乱の儘の動きであれば…
鎧の破片の弾頭がエルフの男も又襲う
辛うじての風の防御と、ハープを盾としながらも吹き飛ばされてごろごろと
「がっ…!げほっ、げほっ、このハープ高かったんだけどな…
まあ生きてるだけ丸儲けって事で」
だらだらと血は流れ、叩きつけられた全身が痛む。盾としたハープに至ってはべこべこで使い物にもなるまい
しかしまあ、動きはする。喉は無事だ。ならば
「うん、弓は無理だけど最後まで出来る事を…ってあれは?とするともしかして…年上だったり…」
【褪せエルフ、つまりエルフ(同族)だ。とすると年齢は”人間の見た目通り”ではなくて…】
「いやいや、その辺りは後々。さて、こっちもマナを絞り切る気で行くとしようか…げほ」
【ぺっと口の中を切った血を吐き捨てて、エルフの古語の言葉を紡ぐ】
「”鶏を裂け””」
風が啼く。今一時に少しでも多くと根こそぎに風が奪われ、酸素の循環が止まる事で風を生み出し続けていた火柱が次々と消えていく
「”虚ろに満ちて”」
その風が中空、ゴブリンキングの上に集められて、ごうごうという音が響く
「”天落ちる事憂のまま”」
──そして風が、つまり空気が落とされる。贅沢無比に浪費される風の下降気流が上から押し付け、ゴブリンキングの動きを阻む
その体感は突然重力が増したようか、或いは空気の密度ゆえに突然水中での動きになった感覚か
僅かな時間稼ぎ、僅かな間ゴブリンキングを”歩かせない”ただそれだけに全霊を
- 67リコ◆M6F9IPFpqs25/07/06(日) 00:14:38
「今が好機、狩りの時間ってやつだ!」
【剣を納めた杖を片手で軽く回すと地面に突き立てる、石を弾く音と共に淡い魔力の光が灯り、次の瞬間には土を蹴った跡を残して走り始める】
【銃弾に目を潰されて尚、戦いを続けるキングへ再度の突撃、しかしその影は1つではなく3つ、全く同じ姿の狼獣人が横合いから襲いかかる】
(血液……だけじゃない、液体が動いてる?あのエルフさんの魔法か!)
【響いて来た声と周りの現象から状況を判断するとそれを察知した様に2人の分身体がキングの側面、潰された眼の死角から接近し斬撃を喰らわせながらの旋回を試みた】
【致命傷で無くとも気を引いて足を止めさせ、出来るだけ多くの血液をその身体から吐き出させる動きだ】
「そこのエルフの人!キングの近くにいる俺は分身だから気にするな!派手にやってくれ!」
【駆け抜け様にそれだけを伝え再び前へ、射程ギリギリの距離からのショックウェーブで再度の投擲を妨害しに掛かる】
- 68ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 08:51:38
- 69魔獣学者◆YMmFsKxocY25/07/06(日) 09:51:58
- 70ユンツァー◆ALM0500gkk25/07/06(日) 13:49:01
「ふむ。──────撤退するか」
【《放射:ショックウェーブ》で正面から迫る鎧の破片を撃墜しながら、巡回者はアッサリと戦線離脱を開始した】
【既に致命傷を負っており、如何に大暴れしようと最早大都エデンに到達する恐れはないだろう。それなら近接戦しか行えない己が留まる理由もない】
【敗北を認めないのならば、それで良い。開拓者側の勝利条件は果たされている。わざわざ魔物の自己満足に付き合う義理はない】
「防御が薄い者は私と共に撤退するぞ。礫が飛んでくるようなら私が迎撃する。
既に大勢は決した。今、重要なのは死者を可能な限り減らすことだ」
【《身体能力強化》による知覚速度の向上と、衝撃波による弾頭の粉砕。二つの作業を淡々と繰り返しながら、山人(ドワーフ)は後方の開拓者の護衛に回った】
- 71ブレド◆EgTBtFCev.25/07/06(日) 14:16:09
- 72二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 15:59:35
このレスは削除されています
- 73二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 16:13:25
このレスは削除されています
- 74ショルト◆5yObvBxEwU25/07/06(日) 16:31:40
何人かの動きを横目に見て)
『(...人払いの意図くらいは汲んでくれたか)』
『"So sorry for your loss、good-by"』
("お気の毒にね、さようなら"と言い放ち)
『"墓標剣"(glaive・grave)』
地表に蠢いていた水分が凝縮し、そして
超高圧で噴出した水分が特別鋭い刃と化し
そのまま無数に噴出してキングゴブリンへ
ギロチンの如くその身体に刃を迫らせる。
その水柱はまるで、立ち並ぶ墓標のようだ
『簡易版とはいえ...上手くできたわね』 - 75キングゴブリン◆inHfJzxsMg25/07/06(日) 18:45:08
地響きが鳴り渡る、残雨の如く降りしきる大鬼の汚液が、足元を毒々しく染め変えていた。
末期の雄叫びは空気を揺らし、最早何処へとも向けられていない眼孔をぐるりぐるりと瞬かせながら、尚も大樹を圧し折るだけの巨力が丸太の槍を振り翳す。
ずん、と、前へ踏み締める脚を止めたのは。
その巨体を更なる頭上より圧し潰す、天の力とも思しき轟風の幕(>>66)。
『ギガャィィィイイイイイイイイイ────────────!!!!!!』
頭を振りながら、それでもと振り上げる槍の先は、間合いへと跳び込んで来る狼獣人達の元へ(>>67)。
どう、と、衝撃と共にそれは内一つの胴を刺し貫き地面へと突き立てられる、……手応えが無い。
其れがただの分身であると認識する暇も無く、足元から弾けた緑褐色の肉片は、残る分身とその迎撃圏外から叩き付けられる衝撃波が、キングゴブリンの歩行の要となる脛を抉り裂いたものだった。
────────────#”&!!6’%!”&”!!’”$&”「:;*?¥、<&!%!!!!!!!
最早、鳴き声とも呼べぬ、“音”だった。
歩行不全となった足元に絡みつく己の影の正体すらも掴めない(>>68)、巨体が、突き立てた丸太槍のみを支えとして膝を折り地面へと崩れ落ちる。
それは上空より戦場を俯瞰していた竜人(>>71)にとって格好の的になった、宛ら火葬の嵐、吐き付けられる竜の吐息はシルヴァンの放つ突風を纏い鬼を焼き焦がす。
灼炎に飲み込まれた巨影が、尚も、足掻こうと。
何をすることも叶いはしない。
褪せエルフの詠唱の後(>>74)、他ならぬ自分自身が溢した体液すらも、部下であった小鬼達や、勇敢な開拓者達の血糊すらも、全てが大鬼の身体を刺し貫く血槍として隆起し。
灰と化して行くその腐肉を、一片たりとも残さぬと引き裂いて。
がり、がり、と、地面を頻りに掻き毟る抵抗音を最期にして、やがて、何もかもが静まり返る。
エデンを焼こうとしたゴブリンの王の進撃は、ただの煤灰として、草原に潰えたのである。
- 76ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 18:46:39
………はあ……ようやく倒れたか……
おやすみ、闇が温もりを与えんことを。 - 77凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 18:54:35
終わった…?
【また頭が痛い。今度のコストは何を支払うのか
あぁ嫌だな】
……あ、ぅ…私は何を殺してた……? - 78ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 18:56:35
- 79ブレド◆EgTBtFCev.25/07/06(日) 19:02:57
【空からゆっくりと降りてきて】
お腹減った〜……
【とぐでっと倒れてしまった】
【ブレス使うとお腹減るのだ】 - 80凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 19:05:08
- 81ショルト◆5yObvBxEwU25/07/06(日) 19:06:51
- 82イレーネ◆jfQu6oXIMq6d25/07/06(日) 19:07:30
- 83二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 19:17:25
このレスは削除されています
- 84魔獣学者◆YMmFsKxocY25/07/06(日) 19:18:29
- 85ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 19:21:27
- 86クレタ◆0gHACDMwsHIC25/07/06(日) 19:25:09
ゴブリンたちとの戦いが終わり負傷者の回収や治療、損害の把握が行われる草原地帯は慌ただしい事後処理が行われていた。
「ミルクはいかがですかあ~」
血を出す戦いは終わったが、血を流す別の戦いの最中であるため些か場違いな声がする。穏やかで、安全圏の都で商売をしているようなそれは致命的な損失を被った者には反感を買ってしまいそうだ。
「魔力、体力回復。負傷にも効果がありそうなクレタさんのミルクですよお」
そのミルクが入っているのか荷物を背負い、歩きながら女性は手に持つ商品をアピールする。女性には少々大荷物そうだが牛の角、耳、そして長身にその体格といった獣人の特徴が重量の問題を解決した。
ミルクの効果は開拓者ギルドの印が付いているため信用はできるだろう。値段は、効果が真実なら手頃である。
「ミルクがいらなかったら力仕事もやりますよ」
一見、ただの戦闘後の需要を狙った売り手に見えるがクレタという名と商品売る彼女もまた開拓者。事後処理のために訪れていることを力こぶを作るようにアピールしている。 - 87シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/06(日) 19:27:06
【二撃、三撃、魔法を紡ぐ間に来る砲撃は壁に防がれ、風の制御は阻まれる事無く完遂された】
「これは…ナイスサポートだね!いやもう一度ふっとばされたら流石に立ち上がれそうも無くてね」
「うん、無事に終わったようだね?
嗚呼戦は終わり響く歓声、いや、いやそれだけにはあらず
来る癒し手の時の声、治療にいててと叫ぶ声。騒がしくとも平和の裡に…いてて、ちょっと響くねこれは」
【曲は無しながら軽く謳って、打撲の痛みにいててと顔を歪ませるエルフの男】
「これは…もしかして治癒の魔法?」
【そこに刺すはランタンからの蒼白の光
導かれるように振り向くそこには影を差す怜悧な笑顔、”風の噂”を聞く彼は或いは知っている
”救済”を語る囁き手の噂を。ゾクリと寒気に冷や汗をかき、しかし辛うじて引きつった笑顔を作り】
「や、やあ。もしかして治療に来てくれたのかな?」
【警戒と一縷の希望、未知への恐怖とここで殺しに来るにはリスクが高すぎるはずという理性に心を揺らされながら】
- 88凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 19:28:53
まだ大丈夫、…まだ思い出せるから……
いや、関係ないことね。
何度でも言うけれど影響はないの。
【柔らかく拒絶の意思を向ける。
実際記憶の欠落だけで大した外傷は見えない
記憶の損失を、目の前の者が知る由もないが】
- 89アティファ◆x/zMh9zqyE25/07/06(日) 19:29:05
【ハテノ林海丘陵 草原地帯】
【前線から幾分か離れた場に設けられた救護所では、小鬼たちから痛手を受けた開拓者たちが屯していた】
【棍棒で打ち据えられ、変形した利き手を包帯で覆った者。屍を土台に飛びかかってきた個体に牙を突き立てられた者。金属の雨霰に頭を血まみれにされた者。etc etc……】
「くそっ……何だって、たかだか頭の皮膚が破けた程度で担がれなきゃ……イテッ!」
「 ''破けた程度'' ではないからです。騒ぐと傷に響きますよ……はい、できました」
【傷口を手当てし終えた開拓者をベットに寝かせ、次の患者に《聖水の加護》を施す】
【夜のオアシスを映し取った瞳で全体を見渡す彼女の名はアティファ】
【救護役として招集に応じて、戦いが始まってからずっと、次から次へとやってくる怪我人たちを癒し続けていた】
────────────#”&!!6’%!”&”!!’”$&”「:;*?¥、<&!%!!!!!!!
「!?」
「きゃあっ!!なに、何の音?!」
「落ち着いて、学生さん!大丈夫、モンスターの声よ、きっと……」
【時折り襲いくる流れ弾にも動じずに、ただ無心で手足を動かしていたとき、突然、外から醜怪な大絶叫が響き渡った】
【……救護所内に緊張が走る。数秒経って、誰かが言った】
「……おい、戦いの音が聞こえないぞ」
【はた、と沈黙が降りる】
【全員が固唾を飲んで耳を澄まし、ある救護者が外の様子を見るためにテントの幕を捲ろうと立ち上がり──────】
「伝令、伝令!!キングゴブリン討伐!!作戦完了!我々 -人類- の勝利です!!」
【それよりも早く飛び込んできた、鮮やかな金髪を輝かせる少年の報告に、皆が歓喜の声をあげた】
- 90ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 19:29:16
- 91シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/06(日) 19:38:58
「負傷にも効果がありそう、か」
【正直というかなんというか。うん、面白い売り文句だと苦笑して】
「やあミルク売りの…クレタさんかな?
こちらに二杯貰えるかな!」
【あるなら使い捨てのコップも込みで二杯注文
少々飛ばされ転がったとはいえ財布が吹っ飛んだりはしていなかった】
「お疲れ様だねドラゴンさん。良いブレスだったよ
ほら、これで良ければ…勝利の乾杯、奢らせて貰っても?」
【ミルク売りさんのミルクを買えたならその一杯をよければと差し出すエルフの男】
「ああ、お疲れ様だね。無事に生き延びて何よりさ
ともあれこれで暫くのあいだこの森からは安心だろう」
【勿論この開拓地、他の脅威は幾らでもあるけれど…それは言わぬが花という物】
- 92ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 19:43:05
- 93クレタ◆0gHACDMwsHIC25/07/06(日) 19:45:00
誰かに呼ばれたクレタは耳を動かし、距離と方向を定める。振り返ると色素の薄い耳が隠れる長さの髪が揺れ、青い瞳が黒髪のまだ若い雰囲気の男性を捉えた。
「はあい」
穏和な声と、ゆったりとした雰囲気ながら背が高く脚も相応に高いためか近付く速度は遅いようで早く、その身体的特徴もあって迫ってくる威圧感を覚えるかもしれない。
「ふたつ、ですね?どうぞ~」
ミルクを売り歩くための首や肩から紐で下げられる箱、胸下で陰になったそこから瓶を2つ取り出し、お金を受け取るよりも先に商品と笑顔を渡してしまう。
草食動物の耳が動き、優しげな目が金髪の美丈夫を認識する。
「まあ、エルフさんですねえ」
どこか親しげに瓶ごとミルクを差し出す。こちらでもまた代価を受け取らずに賞品を先に手渡してしまっている。
「はい。今はミルク売りのクレタさんですよお。力仕事もできますけど」
- 94イレーネ◆jfQu6oXIMq6d25/07/06(日) 19:47:17
- 95ショルト◆5yObvBxEwU25/07/06(日) 19:49:13
- 96リコ◆M6F9IPFpqs25/07/06(日) 19:50:42
- 97ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 19:52:00
- 98凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 19:54:53
- 99ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 19:56:54
- 100クレタ◆0gHACDMwsHIC25/07/06(日) 19:59:25
- 101凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 20:01:58
- 102シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/06(日) 20:09:03
「そうそう、エルフのシルヴァン・ウィンドシード!
吟遊詩人やっているからどうぞそっちもよろしくさ」
【軽い笑顔でウィンクを一つ、便を二つ受け取ったなら】
「とはいえ暫しは店仕舞い、本当なら一曲御礼と行きたいけれどそうもいかない
という訳ではいお代だよクレタさん。いやあ新鮮な牛乳をこんな所で飲めるとは嬉しいね!」
【渡す金子は少し割り増しチップ込み。出たり消えたりの吟遊詩人はちょっとばかり気前よく振舞うのも処世術の内である
まああまり表立って料金以上を渡すものでも無いから一応秘密ね?と自分の口元に指を立てて秘密のポーズ】
「うん、美味い!」
【片手は腰でごくごくと。牛乳のんでぷはぁと一息!】
「ああ、宜しくだね。シルヴァン・ウィンドシード、吟遊詩人をやっているよ」
【色んな所にいたり消えたり。ふとした時に見かける事もあるかもさ!】
【《聖癒術》にみるみる傷が癒えて行く。吟遊詩人の生命線、指もすぐさま元通り
しばしほっと息をはき】
「いやあこれはありがたいね!見事な良い腕だ…救済?」
【口の回りも軽やかに称賛の言葉を吐くも不穏な言葉に止まる】
「い、いやあ…既に随分既存の檻から自由に生きてる身だからね?
これ以上自由になったらふわふわ浮いていってしまうよ!」
【あ、明らかにヤバイ!成程噂通りの…!と冷や汗目逸らしじりじりと下がりつつ】
- 103ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 20:11:50
- 104ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 20:18:12
あーそうだ、オレはユウヤ・ライトロード。聞こえてたならあれだがよろしくな!
- 105ブレド◆EgTBtFCev.25/07/06(日) 20:19:25
ミルクの人チーズも売ってるかなー……?
- 106凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 20:24:04
- 107イレーネ◆jfQu6oXIMq6d25/07/06(日) 20:24:19
「あら、酷い汗……そう怯えなくてもよいではありませんか……。」
【目を細めて手を下げ、代わりに清潔な布を手に取り貴方の首筋を拭いてやろうとして】
「フフ。ですが承知しました。貴方が本心から望まれました時に。」
【やはり止めておきましょう、と笑顔のまま一歩下がる】
「《聖癒術》は穏やかな癒しを齎すものです。見た目が治っても暫く、1日ほどは無理をなさらぬよう。」
「貴方方のことは、このイレーネ・アイスヴァインがいつも見守っておりますから……ね。」
「ではまた何れ。」
【にこやかというには威圧感のある雰囲気で、修道服の女はその場を去っていく】
「(また怖がらせてしまいました……)」
「(ですが痛みを和らげるこの『洗礼』という固有魔法はきっと、貴方の様に好奇心旺盛な方には、どこかで必要な時が来るでしょう)」
「(その時に、その場に居られますように)」
「(しかしよく笑い丁寧な言葉遣いを心がけたのですが、どうしてまた怖がらせてしまったのでしょうか……うう……)」
- 108魔獣学者◆YMmFsKxocY25/07/06(日) 20:26:27
「戦利品探しでしたか。確かに死骸に好んで近づくような人はレア者かもしれませんね」
(そういえば僕等っておかしい側でした……。後彼女よく見たら褪せエルフですね。久しぶりに見ました)
【学者という立場上麻痺していたが、そういえば魔獣の死骸を見て喜んで近づく奴は少数派だったことを思い出したようだ。後結構近づいたので流石に普通のエルフじゃないことに気づいた】
「うーん血塗れですねぇ。肉片ならまだしも金属類はちょっと洗浄が大変そうです」
【そう言いながら死骸の周りにある金属片や死骸の一部を懐から取り出した容器にしまっていく。基本的に大きなものは取らず、より多様なサンプルを採ることを優先しているようだ】
- 109ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 20:27:10
- 110凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 20:32:18
- 111ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 20:35:11
- 112シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/06(日) 20:40:30
「さて、これはもう完全に廃棄で新調かな
同じように作ってもらうか、いっそ木製で試して貰うのも面白いかも
幸いこれで予算は潤沢だろうしね?」
【ぐしゃぐしゃになったハープを手に取り、無事な弦だけでもしゅるしゅると取って回収】
「ああ宜しくさユウヤ
開拓者をやっていれば会う事もかち合う事もきっとあるだろうから!」
【だからこそいい詩になるんだよね。因縁皆無でも面白くは出来るけれど、矢張り向かい合う前の関わりは矢張り美味しい
そう吟遊詩人として鼻歌交じりに】
【じりりと下がる足が止まる
イレーネが止まり、引く気遣いを見せたならば、こちらの心を汲んだのならば】
「ありがとうイレーネさん。癒し手の言葉は重々大事にするよ
また何れ、その時はこちらからも御礼を出来ればいいけれど」
【吟遊詩人は心と思いを拾い上げ、磨いて詩とし伝える者
恐れも不安もあるけれど…それで大切なものを見なかった事にしてはそれこそ失格論外だ!】
「風に揺れるは銀の髪、輝き示すは蒼白の光
囁く終末その意味如何に、されども示すは癒しと慈悲で…」
【彼女を見送った吟遊詩人はエアハープにて歌を吟じる
ミステリアスで、恐怖と不安は確かに会って…しかし同時にその行いは確かに善だった
彼女の”噂”を否定するでも肯定するでもなく、ただ判断材料を一つ付け加えるようなもの
…いつかきっと、彼女をよく知り本当に理解する者が現れるのだろうか?それが邪悪と恐怖であれ、善と優しさであれ】
- 113ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 20:42:55
- 114ブレド◆EgTBtFCev.25/07/06(日) 20:47:10
- 115フランキー◆x/zMh9zqyE25/07/06(日) 20:52:00
【幕が上げられた白いテントから、1人の若者が四肢を振るって飛び出した】
【生ぬるい鉄の臭いを運ぶそよ風にのってやってくる灰燼を吸い込まぬよう、フードの下のマスクを引き上げながら地をかける】
【救護が必要な者が外にいないか、探すために】
「……アレ……誰だろう、あの人。シスター?」
【踏み慣らされたばかりの道を走って、怪我人はいませんかと声をあげながら辺りを見回していると、下の方に人影をみつけた】
【心なしか影を背負っているように見える、凛とした背中。まとう衣服はエデンの孤児院で、子供たちに微笑みかける優しい人たちと同じもので】
「そこの人!討伐が終わったとはいえ、一人じゃ危ないですよ!向こうの救護所まで案内しましょうか?!」
【すたたっと巻き上がる土埃を置き去りにして、足早に駆け寄る】
【警戒させないようにマスクをおろし、人懐っこいとよく言われる童顔を晒しながら、フランキーは見知らぬ修道女の背中へ声をかけた】
- 116リコ◆M6F9IPFpqs25/07/06(日) 20:55:36
「ありがとう、助かるよ」
【ミルク売りの女性に礼を述べ、代金と交換に手渡されたミルクを喉に流し込む、新鮮な甘さのミルクを一気に半分ほど空にすると腰のポーチから取り出した携帯食料をテーブルに乗せて食事を始めた】
- 117クレタ◆0gHACDMwsHIC25/07/06(日) 22:32:45
黒髪の若者やエルフ、狼らしき獣人たちにミルクを売り歩いたクレタは小さく息を吐いた。
「今日もよく売れましたね」
商品を見せながら歩くための箱の中は空になり、背負っていた荷物の中身も残り数は少ない。こちらの数本はどうしても欲しい人や、魔力欠乏で苦しんでる人、そして何よりもしも不足の事態で自分が負傷したとき用に残しておく。
比較的新鮮なので中の下程度の回復薬に似た効果のミルクを全て売ってしまうのは簡単だが、自家製の商売道具でもあるのだ。はぐれゴブリンといった魔物などの脅威、事故などは警戒しなければならない。
「……さあて、つぎは力仕事です」
効果に対して、手頃な値段で売っているので目標売上数をクリアしても目標の金額には届かない。家族を食い繋ぐだけではなく欲しいものを不必要に我慢させず、豊かな暮らしをさせてあげたい。
クレタは箱を片付けると獣人であるため腕力があることを胸を張るようにしながらアピールする。運搬や後片付けなどもこなすことを前提にギルドから報酬を貰う話がついているため、彼女は率先して動き出した。
「チーズはないですね~」
- 118ショルト◆5yObvBxEwU25/07/06(日) 22:34:47
- 119凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 22:39:11
- 120クレタ◆0gHACDMwsHIC25/07/06(日) 22:58:38
戦いの後の商機を逃さないキャラバンの荷物の運搬作業が一段落し、前線から少し離れた草原には小さな市場が築かれていく様を見ていると話し掛けられた。
「あなたは……さっきミルクを買ってくれた人ですね」
正確には買った人は別だが購買に繋がり、ミルクを飲んだのなら大事な顧客だ。胸元の前で両手を合わせて嬉しそうな表情で対応する。
突然の質問、あまりに唐突なので意味が定まらない。こんな危険な場所になぜか、戦える力があるのに後から商売だけしにくるなんて。単純にミルク売りという生業への疑問。意味はいくつか考えられた。
「……クレタさんのミルクは特別で、回復ポーションみたいな効果があるんですよお。なので、このタイミングが売れると思ったからです」
危険な場所にわざわざミルクを売りに来た理由の方を答えた。他の疑問や質問、皮肉には一言で答えるのが難しいというのもある。需要に供給を、一般的な売り手や生産者とは違う方法でミルクを入手するクレタにも商売の基本は知っている。
「それに、ミルクを売る以外でも役立てるからですよお」
人間族であれば成人男性でも見上げなければならない長身で胸を張り、色々な意味で単なるミルク売りではないのだと伝えた。
- 121凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 23:03:29
- 122二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 23:17:57
このレスは削除されています
- 123ハンナ◆inHfJzxsMg25/07/06(日) 23:18:20
「終わった、終わった、ぁ~~~……!!」
大ボスの誘引を果たした黒猫の斥候は、戦況を見渡すことの出来る後方の岩場にて、安堵する様にごろりと身体を横たわらせた。
右腕の感覚が無い、骨折と、脱臼、早く治療をすれば十分癒せる程度の負傷であっても、動かす為の体力を回復させるには暫し休息が必要だ。
心臓は平時より幾許も早く鐘を打つ、死と生の狭間を行き来するこの感覚は、いくら味わっても慣れるものではない。
「……ん、上出来じゃん?」
街への被害は無し、開拓者達も、キングゴブリンの手によって屠られた者などほんの僅かに死傷者は出たものの、あれだけのゴブリンの侵攻を受けた結果としては少なすぎるくらいだ。
今晩くらいは盛大に酒盛りと洒落込んでも罰は当たらないだろう、その前に、斥候の仕事としてはギルドへの戦況報告などしなければならない仕事は控えていたが。
「よく頑張ったぞみんな~……よく頑張ったぞ私~……!!」
くす、くす、と、一人愉しそうに朗らかに笑いながら、雲一つない青空が、まるで己の物であるかの様に息を吸った。 - 124アイネ・エル◆inHfJzxsMg25/07/06(日) 23:20:21
「近く、の、負傷者、は……ひとまずっ……こんなところ、ですか……!?」
白髪、オッドアイ、目を惹く容姿の少年が。
引き摺って歩くにも余りある開拓者の成人男性をその背に負って、今にも潰されてしまいそうな風情で救護所へと転がり込んだ。
彼もまたこの戦場に派遣された救護要員の一人であるが。
「はぁっ……ふっ、はぁ……っ!おわり……っ!おわり、ましたぁ……ぶえっ……!」
無論、未だ学生、大きな戦いは初めて経験するところで、これだけの労働も当然初めてだった。
戦いの終わり、緊張から解放されたことで一気にやって来る虚脱感は未だ怪我人を背負ったままで。
がしゃん、と、金属鎧の擦れるけたたましい音と共に、小柄で細い身体は床へと雪崩れ圧し潰されることに。
「ぅっ……!」
……たん、たん、たん、地面を必死にタップする。
- 125クレタ◆0gHACDMwsHIC25/07/06(日) 23:28:49
こんな場所に商売をしに来た理由を説明すると、女性は平坦な声で聞いてくれた。それは人間であるはずなのにどこか冷たく、まるで人形を思わせる。
「……そうですね~、誰かに覚えてもらえたら上々ですね。しかし私は守りたいものを守られたらそれでいいですし」
なぜこの女性が覚えてられないかは分からない。知らず、詮索する気もない。できることと言えば、残り少ないミルク入りの瓶を取り出して差し出すくらいだ。
「忘れてしまうなら、また飲んだら美味しいと思えるかもですよお。あ、火を通してないのでお早めに飲むか煮沸したり……料理に使っても美味しいらしいですよお」
魔力回復効果くらいしか残らないが、オススメのミルクの消費方法を伝えた。
- 126シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/06(日) 23:29:49
【多少は落ち着いた、いや無理にでも落ち着いて一度休もうとしている夜
それでも眠れぬ者が焚火の前にたむろしぽつぽつと話をしている
その中に吟遊詩人の姿も又あった】
「どうだい鍛冶屋殿?これを作り直すならどれくらいかかりそうかな」
【ともあれ壊れたハープの新調について従軍というか一緒に来ていた鍛冶屋に質問をする為に
返ってきた言葉は「形だけなら一瞬よ。土と金の魔法をちょいと使えばいい。だがしっかりとした楽器と弓を兼ねるとなれば…」】
「2、3日とは流石にか。うん、とりあえず頼んでおいても良いかな?
当座はなんとかやってくからさ」
「…さあこちらの話も終わったし始めようか
吾らの唄を、彼らの唄を。その戦いと誉の詩を」
【エアギターならぬエアハープの指の動きと共に風の魔法が紡がれる
風が代わりに音を奏でて「風の噂」が吟遊詩人と彼らの物語を伝え伝えられ共有する
死んでいった彼らが如何に最後まで戦ったか、抗ったか
傷ついた彼らが何を守ったか、仕留めたか
そして我々が何を継いで、取り戻したか
謳う声をBGMに思い出話が語り合われて一人、又一人と心落ち着けテントの中へ
眠れぬ彼らの最期の一人が眠りにつくまで】 - 127ブレド◆EgTBtFCev.25/07/06(日) 23:32:19
- 128凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 23:33:44
- 129シルヴァン◆3c/VYbauFY25/07/06(日) 23:39:43
「ああ、そうだ。勿論彼女の大仕事についても謳わねば
何せ斥候一番仕事。───え?最前線の魁だから全体語る視点に使いやすいだけだろうって?…それもある」
【焚火の前で謳われ、囁くように広く伝わり沁み行く歌、その中には勿論彼女についてのものも
特定の場面についてではなくこの戦いのあらすじをなぞるような歌に飛び切りのフォーカスポイントでもあるのだし】
「よろしくブレドさん。私はシルヴァン・ウィンドシード、吟遊詩人さ
といっても今はハープがこれだ。ちょっと格好憑かないけれど」
【肩をすくめる男の一応持ったハープは見事な壊れっぷり
修理目的じゃなくてその辺に捨てるのも憚られるだけだなという具合
焚火の前で謳いながら救助に向かうのを応援するように手を振った】
- 130ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/06(日) 23:41:44
オレもそろそろ帰らないとかな。(仕事の納品がある)
- 131クレタ◆0gHACDMwsHIC25/07/06(日) 23:43:10
「もちろんです。お代金はもらいますよお」
ピョコンと獣人の特徴的な耳が跳ねた。代金のことがら頭から抜けていたことを隠し、何食わぬ顔で3本のミルク入りの瓶を売買する。たまに、よくミルクを無償で提供してしまうこともあるのだ。
「……?分かりましたあ、ミルクをまた買ってくれるってことですね~」
記憶とか次の彼女について理解は浅い。しかしまた同じ機会があるのなら、それはもう毎回新規のお得意座である。そんな考え方をするクレタは優しげに微笑んだのだった。
銃を手入れする相手を見て、自分も他にできることはないかと戦勝ムードで酒盛りなど開拓者たちが騒ぎ始めた草原地帯を歩いて回る。
「チーズにするほど熟成させると意味がないので……」
- 132凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/06(日) 23:48:38
ん…ありがと。
お釣りはいらないよ
【数万ぐらいだろうか、それぐらいポンと支払う
ミルクを受け取る左手の薬指にくすんだ指輪が煌めいていた】
騒いでるね、みんな。襲われないと良いかな。
【相も変わらず抑揚などの変化が見えない声で喋り
彼女の元を離れ、キングゴブリンが来ていた方向に】
【カチャッ、銃をまっすぐに構え微動だにしない
声をかけられない限りずっとそのままだろう】
- 133アティファ◆x/zMh9zqyE25/07/07(月) 00:01:37
「大丈夫ですか、エルさん!?……誰か、お手隙の方!」
【息苦しさと熱で真っ赤になった顔を床に伏せて、無言で助けを求める少年の元へ、真っ先に駆け寄ったのはアティファだった】
【次いでやって来た男衆が、えっちらおっちらと怪我人をベットまで運び、彼を解放する】
「本当にありがとうございました。さ、こちらをどうぞ」
【近くの椅子に座らせ、げほげほと咳き込む汗だくの背中を撫でさすりつつ、横から差し出されたコップに生成した水を入れて渡す】
【なみなみ注がれた清潔な真水。キンキンに冷えたそれは、緊張と興奮で茹だった体を芯まで冷やし -癒し- てくれること受け合いだ】
「貴方の言うとおり、付近の怪我人は彼の方が最後です。遠くはロビンソンさんを初め、戦場に手慣れた人たちが見に行ってくれています。今は、体を休めてください」
【先にエデンから追加の包帯や医薬品が届き、ここでは容体が安定しない重症者も都市の病院へ連れられて行った】
【おかげで救護所は落ち着きを取り戻し、やはり忙しいながらも疲労困憊の少年1人が英気を養う時間くらいは、たっぷりあげられる余裕がある】
- 134リコ◆M6F9IPFpqs25/07/07(月) 00:10:16
- 135イレーネ◆jfQu6oXIMq6d25/07/07(月) 07:26:20
「あら……始めまして。」
【鷹揚に向き直り、懐っこい声の主に改めて顔を向ける】
「先ずは質問にお答えしましょう。案内はお願いしても?旅は道連れというではありませんか……。」
【その笑みを深め、紫の瞳は貴方の全身を観察する】
「それにしても、かなり練り上げられて。貴方へ今、私からの救済は必要なさそうです。ああ、いえ。忘れてください、フフフ……。」
【イレーネは決して自分勝手ではない。むしろ相手が幼いならば難解な表現を取り下げる配慮があった。それに多くの相手を視てきたことによる観察眼もある。鍛えられていることに言及し、称賛を口にした。つもり。】
【現実としては若干配慮がズレ、非常に胡散臭いのだが】
「では、3歩後ろから貴方を追いましょう」
【案内に後ろからついて行くよ、ということである。難解】
- 136魔獣学者◆YMmFsKxocY25/07/07(月) 09:56:52
「血液は魔獣素材の中ではなかなか汎用的ですよねぇ」
【持っている容器を概ね使い終わり、最後に血液を回収する。不純物だらけで資料としては劣悪だが、何かの役には立つかもしれない。その後手帳に幾らか記述を加えたのち、その場から立ち上がる】
「採れそうなサンプルはこんなところでしょう。死骸を触った後は貴女も《聖水の……いえ、既にご存知でしょうね」
【死骸に近づいた後ので《聖水の加護》を利用することを勧めようとしたが、血液を素材扱いできるほどなら承知であろうと考え、言葉を取りやめる】
「では、また」
- 137ハンナ◆inHfJzxsMg25/07/07(月) 10:35:58
風の音に乗せて運ばれてくる吟遊詩人の詞は、死線の最前を潜り、擦り減った心に沁み込んでいく様だった。
元々感傷に浸るタイプではないのに、そんな錯覚に身が安らぐのは、それだけ己が疲れ果てていたことの証左であるのか、それとも偏に彼の吟遊詩人の技が優れている故か。
ゆっくりと身を起こし、不意に、掠める香りにスンと鼻先を揺らせば。
「……いやぁ、もう、毒だなぁ、その香り!」
酒好きの性は抑えきれぬ、岩場からすとんと降り立ち。
ゴブリンに踏み倒されずに済んだ草原を掻き分けて、酒盛りの席に寄った。
「お疲れ様はこっちの台詞、みんな、本当に来てくれて助かったんだよ!
結局、キングの討伐は任せきりになっちゃったしね、ちゃんとギルドに報告しておくよ?」
- 138アイネ・エル◆inHfJzxsMg25/07/07(月) 10:37:34
もごもごもご、鎧と地面に挟まれて埃塗れの少年は、暫し藻掻いた末にようやく救助されて。
手を煩わせてしまった罪悪感やら、己の非力に対する気恥ずかしさやら、そしてそれ以上に夏場の暑さにも中てられた様子で、荒く息をしながら休息の席へとありついた。
「……すいません、お手数をおかけしてしまって……」
ただでさえ小さな背中はそうして益々のこと小さく、自分が連れて来た開拓者が無事にベッドに寝かせられるのを遠巻きに見つめては安堵の溜息を吐く。
そういえば、水分は魔法に使うばかりで補給することはすっかり忘れていた。
差し出されたコップを丁寧に両手で包み込む様に受け取って、渇いた喉を潤した。
「ありがとうございます、アティファさん、けれど、お気遣いはこのくらいで大丈夫です。
僕は回復魔法を使えます、怪我をしているひとには必要です、……ですから、まだ働きます!
まだ誰か残っているなら、林海の方まで行かないと……」
……とは言うものの、救護所での仕事から前線で小鬼対峙まで、駆けまわった少年は色白の肌が熟れた果実に見える程、傍目にも疲労は明らかだったが。
- 139二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 10:52:03
このレスは削除されています
- 140ショルト◆5yObvBxEwU25/07/07(月) 10:54:05
- 141フランキー◆x/zMh9zqyE25/07/07(月) 12:30:58
「救……? よくわかんないですけど、ありがとうございます!」
【意味深な言葉遣いに妖しい微笑。普通なら胡散臭すぎて構ったことを後悔するだろうが、この少年は違った】
【柔和な目や、心地よく耳に馴染む声音でよくわかる。彼女は善い人だ】
【20も経っていない若造が何をと思うかもしれないが、これでも5つの頃から独りで歩いてきた身。善悪の区別ならそこらの大人よりもできている】
「こっちです。足元に気をつけてくださいね」
【茜色の空から差し込む光が、連れ立つ二つの影を照らし出す。油断なく辺りの気配を探りながら、後ろで歩く淑女に配慮した足取りで進む】
【そうして2人は少しの危うげもなく、救護所へと辿り着くことができた】
- 142アティファ◆x/zMh9zqyE25/07/07(月) 14:02:07
「待ってください。今の貴方は、明らかに疲弊しています。せめて汗が引くまでは、ここで安静にしていてください」
【今にも椅子から立ち上がりそうな少年の肩を抑え、懇々と言い聞かせるように言葉を紡ぐ】
【一息で水を飲み干す前の虚を突かれたような表現を考えるに、彼は塩分どころか、まともに水分すらとっていないようだ】
【要は熱中症一歩手前の準患者。そんな人間をみすみす林の中で倒れさせるほど、ここに集められた者たちは甘くない】
【そうだ、そうだ。と口々に言いながら、サイドテーブルに塩飴やピッチャーを置いて、休養を促す】
「それに、回復魔法が必要なのはここもそうです。……どうでしょう。もうじき暗くなりますし、外は他の人に任せて、こちらを手伝ってはくれませんか?」
【少し落ち着いたとはいえ、救護役より傷病人の方が多い現状は変わっていない。そのため、人手はいくらでも欲しいのだ】
- 143凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/07(月) 15:31:13
…敵襲無し、帰還する。
【今に至るまでただ直立し銃を構え続けていた。
戦場の勘も働かなくなったことに失望するか
あるいは敵が来なかったことに安心すべきか
とりあえず今は、一度戦線を離れて集まりの場に戻ろう】 - 144リコ◆M6F9IPFpqs25/07/07(月) 15:43:55
「そりゃありがたい、あんたのおかげで臨時収入にありつけるよ」
【テーブルに椅子をもう一つ用意しつつ近寄ってきたハンナに礼を述べる、ポーチから出した木製のショットグラスに琥珀色の蒸留酒を縁ギリギリまで入れると負傷していない左手の側に差し出す】
「度数が高いだけで上等なもんじゃないが……、ほら乾杯だ」
「水出すってのはこういう時便利だなって思うよ、ちなみに俺はコーヒーで割るのが好きだ」
【フードを被ったエルフの女性が水を操り酒を飲む姿を眺める、グラス要らずというのが羨ましい】
「あんたも椅子要るかい?それともこっちか?」
【椅子をもう一つ手に取り問いかける、片側の手にはスキットルを掲げて見せる】
【もう一つ椅子を手に取り
- 145ショルト◆5yObvBxEwU25/07/07(月) 16:01:23
- 146ブレド25/07/07(月) 16:01:31
- 147ブレド◆EgTBtFCev.25/07/07(月) 16:02:39
※少しミスった……
- 148ハンナ◆inHfJzxsMg25/07/07(月) 17:59:02
- 149アイネ・エル◆inHfJzxsMg25/07/07(月) 18:00:16
「で、ですが……!」
反論の口調は、優しくも強く説き伏せるアティファの正論に押し留められて、アイネはしょぼりと背を丸めて言い訳を引っ込めた。
どくどく溢れるアドレナリンに自覚症状を遮られているが、実際、限界が近いのは確かであるのだ。
額に張り付いた白髪に籠った熱が、俄かに鬱陶しくも感じられてきた。
「……はい、先程の戦いで、僕は碌にお役に立つことも出来ませんでした。
せめて、“こちらの戦場”では、どうか働かせてください、……若輩ですが、いっぱいに、役立ちます……!」
経験不足、キングゴブリンの前に立つことも出来なかった度胸不足、そして何よりも、純然たる力量不足。
まざまざと見せつけられた大人達の力に、────────────嗚呼、羨ましい、と。
嫉妬心すら抱いてしまった。
- 150凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/07(月) 18:08:28
- 151イレーネ◆jfQu6oXIMq6d25/07/07(月) 18:13:04
「ありがとうございます。ですが貴方こそ、足元にお気をつけて。慣れもまた恐ろしいものですから。フフ……。」
【いっそう笑みを湛えた。茜色の空から差し込む光に気にもとめない様子で蒼白のランタンを片手に後について行く】
「ああ、お上手ですね。人の喜ばせ方をよく知っている……。」
【体力や身体能力に自信があるわけでもないが、それでも息をあげる事なくついて行けるのは確かな配慮を感じたのだ】
【そして救護所に到着すれば改めて貴方に感謝の言葉を述べ、然しその身を震わせた】
「ああっ……!!」
【目に映すは名もしれぬ負傷者達。勇気ある者達に差し伸べられる手は全く足りていない──】
「『抉り、鎖し、貴方の神へ祈りなさい』」
【詠唱と共にランタンを掲げれば、そこから蒼白・球状の光が更に浮遊していき、一転して薄く、巨大なヘイローへと転じる】
【蒼々と照らすは《聖癒術》の光。直径100mの範囲を等しく癒していくだろう】
【尤も、《聖癒術》は死に至らない程度の負傷をじわじわと癒すことが出来るだけだ】
【だから、光を失ったランタンを置き、イレーネは手を組み祈り続ける。貴方達の神に。潜在能力、生きる意思、あるいは可能性に】
- 152ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/07(月) 18:57:31
ひーふーみー……うん、こんくらいあればいいかな
(そこそこの量の薬草のはいったかごを背負って) - 153アティファ◆x/zMh9zqyE25/07/07(月) 19:01:30
【切々と語られる言の葉に耳を傾けながら、汗ばんだ額に張りついた髪をよける】
【白いカーテンを捲った先で露わになった強い意志。向こう見ずで、危うい、けれどもまっすぐな光をともした瞳】
「頼もしい心意気です。英気を養われたあとは、どうぞよろしくお願いしますね」
【自分は持ち得ないそれらを眩しく感じながらも目は逸らさずに、アティファはただ敬意と歓迎の意を表した】
【そして自らの職務に戻るため、席を立とうとしたとき。何者かから声をかけられた】
【顔を向けてみれば、そこにはおずおずとこちらの様子を伺う、長銃を携えた女性が1人】
【少しも気配を感じなかったが、話が終わるまで待っててくれたのだろうか】
「どうも、ありがとうございます。見たところ……怪我や疲労はないようですね。では、あちらで手の消毒をしてから、手伝いをお願いします」
【共用の手洗い場を手で指し示しつつ、ありがたい申し出に頭を下げる】
【服装や佇まいから察するに、医療経験は無さそうだ。頼むなら備品の運搬や、暴れる重症者を押さえつける係か】
- 154ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/07(月) 19:03:13
(開拓ギルドに戻り)
採取以来終わらせましたー。
規定量の初等薬草25本と中級薬草15本。確認お願いしまーす
(仕事を終わらせていた) - 155凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/07(月) 19:25:08
- 156リコ◆M6F9IPFpqs25/07/07(月) 19:38:12
「嫌いなもんか、ありがたくいただくよ」
【差し出されたリキュールを貰うためにもう一つのショットグラスをテーブルに置き、こちらはスキットルを差し出す】
「グラスは?さっきやってたみたいに水に注ぐか?」
「確かにな!今日の勝利に乾杯!」
【ショットグラスを掲げて相手に合わせる、鈍い音を響かせそのまま中身を一気に煽る、アルコールが喉を焼く感覚を目を閉じて堪能すると空いたグラスに2杯目を注ぐ】
「良い飲みっぷりだな、ほらもう一杯!」
【相手のグラスも満たして反応を待った】
「気に入ったらキャラバンの連中のとこに行きな、売ってくれる筈だ」
【竜人の少女にも声を掛けておく、見た目の年齢からして酒を勧めるのは憚られるか】
- 157フランキー◆x/zMh9zqyE25/07/07(月) 19:48:33
【都市の病院ほど広くはない。けれど、絶対に狭くもないテントの中へ、満遍なく光を届ける蒼白のヘイロー】
【傷病人の疼きも、救護人の疲弊も平等に癒す祝福を見上げて、フランキーは思わず感嘆の息をついた】
「わ……すごい……」
【綺麗だなぁ。なんて不謹慎とも捉えられる感想は、さすがに口には出さなかったが】
代わりに雄弁な表情で祈るシスターと巨大な光輪を交互に見つめるフランキーの肩を、寄って来た救護役の1人が叩いた】
「な、なぁ……あの人って……」
「外で1人でいるところを見かけたので、案内しました。優しい人ですよね」
「いや、でも……えぇ……」
「ちょっと、アンタ!今は猫の手も借りたいんだから、怪しいくらいでまごつかないの!」
【行くよ!!と馴染みの女性に耳を引っ張られていった男性を見送りつつ、何だったんだろうと小首をかしげる】
【しかし、詮無いことかと結論づけて、俺も手伝いますよと後を追いかけることにした】
- 158ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/07(月) 20:58:15
………(ちらりとギルド内の者たちを見る)
(何人かはパーティーを組み今日の成果を話してる。
たまに知り合いにパーティーを組んでみてどう?と聞いてみたり先輩開拓者にアドバイスをもらってるけど金の問題だとか取り分だとか剥ぎ取ったものの扱いだとか野営の時のアレコレとかets、ets、ets……
問題はいくつもあるし中には組んですぐ開館するようなところや最悪のタイミングで爆発してとんでもないことになるケースもあるらしいけど……でも……)
…………楽しそうだよなぁ。
(素直に羨ましいと思った) - 159ブレド◆EgTBtFCev.25/07/07(月) 21:01:23
あっそういえばギルドで登録してこなくちゃ!!!!
- 160ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/07(月) 22:03:28
ん?(誰か入ってきたなって顔)
- 161二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 23:36:12
このレスは削除されています
- 162ハンナ◆inHfJzxsMg25/07/07(月) 23:37:23
- 163ショルト◆5yObvBxEwU25/07/07(月) 23:43:14
- 164凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/07(月) 23:51:38
【ガチャリ,パァン!
開拓者たちが各々楽しむ中、一人銃を定め、マトを撃ち貫く影がある】
…ヒット、ヒット。
【淡々と、ただ機械のように的を撃ち抜く姿は
どこか凍氷に近い冷たさを感じさせた】 - 165アイネ・エル◆inHfJzxsMg25/07/07(月) 23:59:58
- 166ユー◆0U5xCezJ9Y25/07/08(火) 00:10:39
人の噂とは早いもので、キングゴブリン討伐の報せは街中に広まっていた。
市政は窮地が去ったことで安堵し、歓喜しに包まれ、なんだか祭のような喧騒が生まれつある。
やり手な者共はこれは好機と、討伐帰りに寄ってくる開拓者のため宿の値段を下げる宿屋。傷ついた武器防具を特別価格で補修、買い換えのサービスを展開する武具屋。倉庫を空にする勢いで料理の下ごしらえをする酒場。
なんならキングゴブリン饅頭なる胡乱な商品も市場に出回っている。
そんな中、獣人の少女が1人採集籠を背に歩いている。
ピョコピョコと忙しなく頭頂部の耳を動かし、人好きのする笑顔を浮かばせ、足どりは軽やかでピクニックでも出掛けているかのよう。
待ち行く人に『頑張ってるね~』だとか『うちの新作食べていかない?』だとか『お茶でもどう?』だとか。
そんな声かけににこやかに手を振って応えたり、やんわり断ったり。なんというか純真可憐で良い意味で開拓者らしくない、そんな印象を受けるだろう
はてさてそんな彼女の腹の中はというと
(おいおいおい!こりゃチャンス到来なんじゃねえか?
大規模な討伐隊が組まれたみてえだし、んならアタシにピッタリの王子様だっているだろうよ。
ひとまず納品して、そんで酒場で情報収集だな
首洗って待っていやがれ!マイ・プリンス!!) - 167ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/08(火) 00:17:06
(色々チームとか考えないとなぁ…オレが前衛だしできれば後衛・・・或いは斥候とか…)
- 168リコ◆M6F9IPFpqs25/07/08(火) 01:32:37
「あいよっと、やっぱハーブは良い匂いだな」
【生み出された水の塊に酒を注ぐ、透明な珠の中に琥珀色が混じる光景はコップの水に注ぐのとは別の趣があった】
【リキュールから香るハーブの爽やかな匂いを楽しみながらエルフの女性に向けてグラスを掲げ、飲み干す……】
【直前で横に座る獣人の女性が負傷した右腕を動かそうとしたのか悶絶している光景にグラスを持つ手が止まる、だが元気に乾杯しているところを見るに杞憂だったとこちらも乾杯に答える】
「乾杯!だけど怪我人なんだから安静にな、えっと……猫の姉さん」
【声を掛けようとしたところで名前が分からない事に気づきとりあえずの呼び方を決める、言動と多少の敬意を込めた姉さん呼びだ】
- 169クレタ◆0gHACDMwsHIC25/07/08(火) 08:28:45
ゴブリン討伐の戦場近くの草原地帯でミルクを売り終えた牛獣人の売り子は力仕事を所々で率先して手伝っていた。人間と比べると目立つ背丈や角に耳といった特徴は一部に威圧感や警戒心を抱かせかねなかったが「クレタさんがお手伝いしますよお」という穏やかな声、人好きのする表情、そしてその歩むと揺れ動く胸元といった柔らかさが自然と和やかな空気を作った。
それにそのほとんどが開拓者で構成されるので、大なり小なり腕に覚えもあるのだろう。見上げるほどの長身の獣人は、柔和な女性という認識となり力仕事でなく酒を注いでほしいなんて言葉も出てくる。
「ごめんなさい、今のクレタさんはできないんです」
力仕事を含めてギルドから報酬を受け取る予定なので半分は本当、あとの半分は酒の席でのトラブル回避のために笑顔で優しく断る。ここでの力仕事は粗方終わったので、次は救護テントの方か荒れた森林の方角か。
他人を回復させる手立てはあるが特殊であり、クレタは癒手でもない。しかし人を運んだり物資を運んだりなら力になれるだろう。荒れた戦場と、鉄火場のテント。まず後者に顔を出してからでも戦場の後処理は遅くないだろうと、牛のような歩みながら何故か常人かそれ以上に速さで移動するのだった。 - 170ショルト◆5yObvBxEwU25/07/08(火) 09:34:40
- 171ハンナ◆inHfJzxsMg25/07/08(火) 09:39:57
- 172リコ◆M6F9IPFpqs25/07/08(火) 12:20:35
- 173◆inHfJzxsMg25/07/08(火) 14:05:26
────────────創歴1825年7月1日の出来事である。
ハテノ林海丘陵より発生したゴブリンの群れによる、大都エデンへの大規模侵攻は、こうして幕を閉じた。
戦争の夜は幕を閉じ、開拓の朝日が昇る、新大陸の日々。
長く続いた旧厄戦争が終わり、人々は失ったものを取り戻すべく、そしてまた新しいものへと手を伸ばさんと、憧れを生きていた。
それは今日の様な戦いの時であるかもしれないし、緑豊かな森林を歩む平穏な時であるかもしれないし、学び舎で友と過ごす健やかな時であるかもしれない。
人の数だけ夢がある、人の数だけ欲がある、人の数だけ出会いがあり、人の数だけ別れがある。
この見果てぬ謎多き大地にて、何を求め、何を成すのか。
全ては開拓者のみぞ知ることである。
(※OPシチュエーション〆) - 174ショルト◆5yObvBxEwU25/07/08(火) 14:47:33
自家製ね。元のお酒は買った物だけれど、
蒸留は自分でしたわね....良い水なら作れるし
ボッグセージ、クレソン、イラクサ....あと
クランベリーにリンゴンベリー、それと
幾つか薬草を調合した独自製法なんだから!
(褒められたのが嬉しかったのか、少し得意気)
........と、とにかく自家製よ、そのリキュール
(そして我に帰って恥ずかしくなったらしい)
- 175ブレド◆EgTBtFCev.25/07/08(火) 19:42:19
【開拓者登録ができたのでウキウキで何受けるか見ている】
- 176二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 19:52:24
このレスは削除されています
- 177ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/08(火) 20:07:38
- 178ラクレス◆5yObvBxEwU25/07/08(火) 20:43:39
【さて、騒ぎも落ち着きほとぼり冷めて
またもや人々の喧騒で塗れてきた街中へと、
ある名の知れた開拓者の帰還が噂され始めた】
「聞いたか?あの噂」
《知ってるよ....あの"雷公"の帰還の噂だろ
俺の知り合い曰くどうやらガチらしいが、
あの野郎...今度は何持ち帰って来るのかねぇ》
【"雷公"(アステリオス)の二つ名を持つ男。
彼は数々の開拓の最先端に立ち名を上げた、
開拓者ドリームの申し子のような人物であり
エデンへ帰るたびに珍しい物から派手な物、
美しい物を持って帰るのが恒例となっていた】
{あのラクレスが帰って来るんだとよ!
多分中央広場に戦利品を持って来るから、
コイツは面白いモンが見れそうじゃねぇか?}
[広場に面した宿屋の予約が満室だ!
クソ、こんな事あるんなら予約しとけば....]
【その名を"ラクレス・アリクラス"、
今尚最前線に立つ第一級の開拓者である】
『........あァ、懐かしい匂いだ....相変わらずな』
【大都エデンへと近づく輓馬の背の上にて、
ニヤリ、と笑う男は少しずつ街へ近づいていた】 - 179ブレド◆EgTBtFCev.25/07/08(火) 20:47:58
- 180ユー◆0U5xCezJ9Y25/07/08(火) 20:56:48
納品を済ませた。多いとは言えない報酬を手元でチャリチャリ遊ばせながら酒場へと向かう。
(はーあ、湿気た報酬だこと。別に報酬目当てで活動してる訳じゃねえとはいえ、これじゃやる気が落ちるってもんだ。
やっぱ魔物を殺るか危険地帯で採集しなきゃ稼ぎになんねえな。
『戦えないけど健気に頑張るユーちゃん』として活動してる手前そういったことは避けてえけど…………)
「いや違えな、逆だ。」
(か弱い子が危険地帯に入る⇒当然のごとく大ピンチ!⇒そこで颯爽王子様登場⇒なんやかんや二人は結ばれめでたしめでたし。
おー、我ながらナイスプランじゃねえの。着いたら依頼の話も漁っておくか)
などという皮算用をしてたら酒場に到着。
ウェスタンな両開きのドアの片方を両手を使い押し開けて、『始めて来ましたよ~』な雰囲気を出すため恐る恐る店内を確認しながら
「ご、ごめんくださあい。……わ!お客さんでいっぱいだ、どうしよ、座れるかな?」
とうるさい酒場の中埋もれてしまう程度の、だが知覚が優れていたり店内でも警戒を解かない者には聞こえる程度の声を発する。
(これで誰かと相席できりゃ御の字だな。だめなら適当なとこ座りゃいいか。なんなら奢ってもらえたりしねえかなぁ) - 181凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/08(火) 21:00:38
【トコトコ歩く】
【街を彷徨う姿は道に迷った子供のようだ】
暮らし…どうしようかな。定住…どうしよう - 182リコ◆M6F9IPFpqs25/07/08(火) 21:01:57
「この味で自家製ってのは凄いな!」
【先程までの静かな口調から少し早口、得意げになっている相手に追撃の賞賛、実際このリキュールが見事な味というのは世辞ではなかった】
「こんなに美味いのが作れるんだからもっと堂々としてもいいと思うがなぁ……」 - 183ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/08(火) 21:09:00
- 184ショルト◆5yObvBxEwU25/07/08(火) 21:15:10
- 185二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 21:19:12
- 186ブレド◆EgTBtFCev.25/07/08(火) 21:33:26
- 187クレタ◆0gHACDMwsHIC25/07/08(火) 21:34:37
ハテノ林海丘陵に繋がる草原地帯を戦場としたゴブリンの大進攻、及び大規模討伐。その後処理にミルク売りや力仕事を終えたクレタは交通を利用して大都へ戻ってきていた。
獣人ならばその足で帰れるのではと思う者もいるだろうし実際は丈夫な足腰なら可能ではある。ただし時間が掛かるし野盗や魔物のリスクは否めない、なので多少の支払いが生じたとてもクレタは主に馬車や列車を頼る。
「……こちら、ミルクの売上表と……はあい」
開拓者ギルドにて報告を行う。開拓者の本業と違いそこまで厳正でもないが報告すると印象が良くなる。そして運搬業務の分も、報酬が貰えた。あの場にいる開拓者やギルド運営側の人員がしっかり査定でもしてるのだろう。
クレタは基本的にそういった給金を貰えないことはなかったが、サボっていた者が報酬を差し引かれる場面は目にしたことあがるのでそう勝手に思っていた。
「ありがとうございます」
ミルクの売上は生活に困る程度で、雑務の報酬を合わせてどうにか家族で食い繋げる金額。やはり、もう少しリスクを上げてリターンを得るべきかと大きな胸に憂いを宿しながらギルドの建物内をゆっくりと歩く。 - 188ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/08(火) 21:38:29
- 189ブレド◆EgTBtFCev.25/07/08(火) 21:52:38
- 190ラクレス◆5yObvBxEwU25/07/08(火) 21:53:43
- 191ユー◆0U5xCezJ9Y25/07/08(火) 21:53:54
- 192ユー◆0U5xCezJ9Y25/07/08(火) 22:01:23
※途中送信申し訳なく
「それで注文は……(ウィスキーとジャーキーでカーッといきてえとこだがこのナリにゃ合わんな。女の子っぽく甘い果実酒でも頼むとするか)
シードルで」
とりあえず注文を済ませてふと依頼書が目に入り
「なにか依頼をお受けになるんですか?」 - 193ユウヤ◆rD0r3FqCL7KV25/07/08(火) 22:04:46
- 194フランキー◆x/zMh9zqyE25/07/08(火) 22:10:02
【皿と机をぶつけ合って奏でられる剛気なリズム。合間に聞こえてくるのは酒焼けた喉で歌われる酔いどれのメロディ】
【真昼間から夜の喧騒を表した酒場の一角。その壁に高々と目立つように掲げられた……というよりは浮いている張り紙を、1人の少年が見上げていた】
(''森林調査'' ……悪いおじさんが直々に名前を書いた依頼が、これっぽちの小冒険?)
【胡散臭い、というよりはきな臭い】
【屑に食いついた鼠を使って、囮にでも使おうというのだろうか】
【……何だかひりつく冒険の予感がする。この紙切れ、もしや黄金のチケットだったりするのではないかしら】
- 195クレタ◆0gHACDMwsHIC25/07/08(火) 22:12:35
- 196リコ◆M6F9IPFpqs25/07/08(火) 22:13:31
「そりゃ残念だ、買いたいくらいには気にいっちまったからな」
【口惜しげに苦笑してキャラバンに目をやる、草原を離れてエデンへの移動を再開しようと動き出した彼らに合わせてこちらも身体を伸ばして立ち上がった】
「そろそろ他の開拓者も街に行くみたいだが……ハンナの姉さんと……エルフさんはどうする?」
- 197魔獣学者◆YMmFsKxocY25/07/08(火) 22:17:53
(森林調査……趣味と両立できそうですね!)
【パッと見少年のように見えるエルフが楽しそうに依頼書を眺めている。まぁ依頼主が結構怪しいけど面会してからでもどうにかなるだろうとかなり楽観視しているようだ】
- 198二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 22:19:38
このレスは削除されています
- 199凶魔射手(◆VvavqWhIHwcj25/07/08(火) 22:30:21
【巡り歩きて欠落はあるが
体が覚えている。活気のあるところには情報が多い】
…今のところ、騒がしいのは酒場だね。
【となれば酒場へgo】 - 200ラクレス◆5yObvBxEwU25/07/08(火) 22:33:18
ほぅ....おい、とりあえずこれを頼んだぞ
(隣にいた職員へ紙を渡して下がらせて)
この街に戻って初めて話す開拓者、か...
折角だ、その困り眉をオレに戻させてくれ
(空いた椅子をぽんぽん、と叩いて示す。
どうやらクレタの悩みを見抜いた様子だ)
安心しなァ、悪いモンじゃねェからよ!
(グワハハハハッ、とよく通る声で男は笑った)