【閲覧注意】咲季「負けない」【閲覧注意】

  • 1二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 18:51:24

    ブラバ推奨です。それでもついて来てくれる人、もしくは好奇心に駆られて見に来てしまった人は最後までお楽しみください

  • 2二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 18:56:33

    私は一度、あの子に負けてしまった。佑芽は、私の予想とは違って離れたりしなかった。私を見捨てたりなんてしなかった。嬉しかった。安心した。ただ、それと同時に苦しかった。痛かった。辛かった。あの子を嘘つきにしてしまったことが。私が、最強のお姉ちゃんで無くなってしまった事が。私を信じてくれたプロデューサーの期待を裏切ってしまったことが。

    今でこそ立ち直れはしているけれど、当時はもう上の空で話なんて何ひとつとして頭に入ってこない状態だった。そんな中、私は彼の……プロデューサーの提案をしっかりと聞かず、何も考えずに飲んでしまった。そして私と佑芽は、彼に一緒にプロデュースしてもらうことになった。今となっては後悔しかない。私だけのあの人だったのに。あの人が、居てくれたからまたこうして立ち直れたのに。あの人を私が独占できてたから、立ち直れたのに。

    ──じゃあもし、今。次、佑芽に負けてしまったら。私は、どうなる?

  • 3二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 19:04:49

    「……」
    「お姉ちゃん、聞いてる? 」
    「ごめんなさい、佑芽。私としたことが、ぼーっとしていたみたいだわ」
    「もー……考えすぎは良くないよ! お姉ちゃんもゆっくり休もうよ」
    「ええ、そうね。明日は完全休養日だもの。ゆーっくり、休ませてもらうとするわ」

    佑芽の部屋。思い出すのはあの日のこと。あの日、負けてしまった時のこと。わかってる、私が一番に私を追い詰めていることくらい。でも、止められない。
    それは焦り。強い焦り。それは予知。私はその時私がとる行動を知っている。誰よりも。

    「……ね、お姉ちゃん。今のお姉ちゃんに言うことじゃないかもしれないけど。あたし、出来たんだ。好きな人が」
    「へぇ、あなたが。それはきっと、さぞかし素敵な人なんでしょうね。でも佑芽、うつつを抜かしすぎちゃダメよ? 」
    「うん、分かってるよ。……聞かないの? あたしが誰に恋したのか」
    「聞かなくてもきっと素敵な人な事はわかるもの」

    違う。もう、とっくにわかってるのよ、佑芽。だから、あなたの口からそれを聞かせないで頂戴。せめて、この気持ちくらいは私に独占させて……

    「さっすがお姉ちゃん。あたしのことよく分かってるね。うん、すっごい素敵な人だよ。……プロデューサーさんは」

  • 4二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 19:19:42

    えぇ、知ってたわ。だって私、お姉ちゃんだもの。

    「へぇ……そう。プロデューサーが、好きなのね」
    「うん。大好き」
    「なら、また……勝負ね。私とあなたの」
    「……うん、そうだね。勝負だよ、お姉ちゃん!
    プロデューサーさんは渡してあげないから! 」

    ……こんな事、思いたくなかったのだけれど。佑芽。あなたはいつからそんなに悪い子になったの? なんで、私のただ一つの頑張る理由を、あなたと戦うための力を奪い取ろうとするの?

    「さ、もう寝るわよ。とりあえずありがと。明日はゆっくり過ごすわね。おやすみ」
    「うん! おやすみなさい、お姉ちゃん! 」

    ……行った、わね。

    「……っ!! 」

    行き場のない焦りと不安を拳に乗せてベッドに叩き付ける。どうしよう、どうしようどうしようどうしよう。もし、佑芽にプロデューサーを取られてしまったら? 佑芽とプロデューサーが付き合ったら?

    もしそうなったら私はどうなる? もう、二度と頑張っていけない? もう二度と歌えない? ステージには立てない? もう二度と佑芽の前で強がることが出来ない?

  • 5二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 19:37:46

    ……眠る事が、出来なかった。夢に見るのが怖かったから。有り得ない、有り得て欲しくない未来を。

    今日が完全休養日でよかったわ。寝なくても、ゆっくり休める。それにしても……まさか、この私ともあろう人間が一睡も出来ないなんて。ことねや手毬達に心配させてしまうわね。もしこれが……彼にバレてしまったら、まぁ当然に物凄い心配するでしょうね。なら、それは避けないと。今の彼に心配されたら余計に痛いだけだもの。

    「……いいわね。たまにはこうやって、何も考えないでぼーーっとするのも。……お腹、すいたわね。今何かあったかしら」

    何も考えず、窓から外を眺めている。……たまにはいいわね。外を眺めてるだけでも、リラックスできるもの。……あ。

    「佑芽と……プロデューサー」

  • 6二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 19:44:44

    P日記の人か?
    待ってた

  • 7二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 19:53:50

    ……窓から、グラウンドにいる佑芽とプロデューサーの姿が見える。見なきゃ良かった。何してるのかは分からないけれど。なんでだろう。あの二人を見るだけで、心がモヤモヤする。気持ち悪くなる。怒りが湧いてくる。あの焦りに、拍車がかかる。

    「……やめましょう」

    窓を眺めるのをやめて、ソファに座る。……やめましょう。こんなことをしていても、苦しいだけだわ。
    少し、昼寝をしようかしら。時間を潰せて休めるのはこのくらいしかないもの。

    ……怖いのだけれど、ね。

  • 8二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 20:09:04

    寝れないわ。どうしても頭に二人は今何をしているのかが気になってしまって。中々、眠れないわ。
    ……ていうか。どうして私はこうも弱気になっているのかしら。私が何もしてないんだもの、佑芽が一方的に優勢になるのは火を見るより明らかじゃない。

    怯えていても仕方がないわ。私はお姉ちゃんなんだもの。どうせあの子の前では完璧を演じなくちゃいけない。なら、その流れでプロデューサーにアプローチを仕掛けることくらい容易いことじゃない。……なんで、こんな単純なことを忘れていたのかしらね。恋は盲目、ってやつかしら。

    「それじゃあ……出ましょうか」

    二人がいる場所に、ゆっくりと足を進めていく。あーあ。足、ご立派に震えちゃって。こんな調子で大丈夫?

  • 9二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 21:00:24

    「あっお姉ちゃん! 」
    「おはようございます、咲季さん。……おや、珍しいですね。あなたがクマを作るなんて」
    「私だって人間なのよ? 一日くらい眠れない日があってもいいでしょ」
    「お姉ちゃんが眠れないなんて生まれて初めてです! 」
    「それより、二人は何をしていたのかしら? 」
    「えっとね、デート! 」

    ……運命の神様は私で遊んでいるのかしらね。どうしてこうも一歩進もうと思う度にその都度足に傷をつけてくるのかしら。あーあ、聞かなければよかったわ。

    「……良かったら咲季さんも一緒にどうですか? 」

    否定、しないのね。

    「ええ、じゃあお邪魔させてもらうわ」
    「じゃあ三人でデートですね、プロデューサーさん! 」

  • 10二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 21:56:07

    何も、何も頭に入ってこない。生きてる感覚がない。私は歩けている? 息、吸えている? 手は握れる?

    「ちょっと……佑芽、近すぎないかしら? 」
    「えっそーお? 」
    「別にこのくらいであれば構いませんよ。咲季さんも、いかがです? 」
    「……いいわ。私は、遠慮しておく」

    へぇ。そうやって胸押し付けられて構わないって思うのね。……もう、ずっと前から奪われてたのかもしれないわね。露骨に否定も嫌がったりもしないあたり、そうなのね。私の時は周りの目がどうこうって言ってたくせに。

    「……お姉ちゃん? 」
    「ごめんなさい、どうやら体調が悪いみたい。私、帰るわね」
    「はい、分かりました。どうかお気をつけて」
    「気をつけてね! ばいばい、お姉ちゃん! 」

    ……佑芽と彼に憤ったって仕方ないわよね。私がもっとアプローチをしなかったのが悪いんだもの。私って……なんてダメなお姉ちゃんなのかしらね。自分が原因のことに対して怒って。妹を蔑んで。

    あぁ……あぁぁぁぁ……

    いや、もういいわ。どうなっても。私はお姉ちゃんよ。無敵の、お姉ちゃん。だから私は佑芽に勝つの。もう、手段なんて選んでられないわ。どんな手を使ってでも勝ってやるの。もう、二度と──

    「負けない」

  • 11二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:08:46

    ほしゅ

  • 12二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 00:06:17

    ……それから何年かが経った。佑芽とプロデューサーは案の定付き合っていて。もう、婚約もしている。二人は佑芽をプロデュースする前から付き合っていた。なんて皮肉な話なのかしらね。付き合うきっかけになったのは、この私。私の話で意気投合したらしい。

    私は日に日に彼に対する気持ちを募らせていく一方で。佑芽にずっとずっと、勝ち続けてきたけれど。でも、これだけは勝つ事が出来ない。

    ある日のこと。佑芽だけが出張で、私とプロデューサー二人で酒を飲んでいた。……二人の家で。今しかないと思った。佑芽から彼を奪い取るチャンスは。

    「あら、プロデューサー……顔赤いわよ? 酔っちゃったの? 」
    「そう、みたいですね。すいません……お先に、寝てます」
    「ええ、おやすみなさい」

    目の前が、真っ黒に染る。何も見えない。ただ、聞こえるのは声だけ。私は今、何をしている? 私がしたかったこと、ちゃんとできてる?

    ……しばらくして。段々と視界が開けてくる。すぐに目に入ったのは、全裸のプロデューサー。私と強く抱き合っている。もちろん、私も全裸で。彼の手は、私の胸を握っていた。頭にゆっくりと、快楽が走ってくる。これで、佑芽に勝てる。私はまだ、最強無敵のお姉ちゃんでいられる。

    勝利の証もしっかり残しておかないと、ね。

  • 13二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 05:28:34

    あさのほしゅ

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 06:01:01

    この流れ知って……いけない気がする!!

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 06:15:42

    「……勝った」

    しばらくすると、突然急激な吐き気に襲われるようになって、胸も強く痛み出してきた。もしやと思い、妊娠検査薬を使ってみたら……陽性だった。私は、佑芽に勝った。こんな形を残して。この子は、何がなんでも私が産む。例えそれで死んだとしても。

    「お姉ちゃん開けて」

    いつもと違い、明るさが一切ない怒りの籠った声で佑芽がドアを叩く。……うるさいわね。

    「あら、どうしたの? 佑芽」
    「答えて。あたしが出張に行ってる間、お姉ちゃんがプロデューサーさんを襲ったって……ほんと? 」
    「ええ、ほんとの話よ。ほら見なさい佑芽、陽性反応よ。これでまた、私の……」
    「……っざけないでよ」

    こんな、らしくもない佑芽なんて初めて見たわ。私を強く睨みつけて……挙句、叩いてきて。私、そんな酷いことしたかしら? 勝つ為には仕方がないことなのに。

    「ふざけないでよ!!!! なんで!? お姉ちゃん、あたしとプロデューサーさんが婚約してるの知ってたよね? なんで、ねぇなんで!? なんであたしから奪おうとするの!? なんでこんな真似ができるの……」
    「勝つ為よ、佑芽。私はもう二度とあなたに負けるわけにはいかないの。私は無敗のお姉ちゃんでいなきゃダメなの。例え、どんな手段を使ってでも、ね」
    「それはあたしの為でしょ知ってる。じゃあおかしくない? なんであたしを守る為にあたしを傷つけるの? なんであたしを守るためにあたしの命と呼んでもいいものを……」
    「命と呼んでもいいもの、ね。それは私も同じよ」

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 08:56:59

    ほしゅ

  • 17二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 15:10:03

    ちょっと早いけど保守

  • 18二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 18:06:47

    「ねぇ、佑芽。あなた……私にそんなこと言える立場かしら」
    「……え? 」

    さっきまでお姉ちゃんの目に入っていた光が急にすっと消える。初めて見たそのお姉ちゃんは、どう表したらいいのか……ただ、怖いとしか言えなかった。溢れるくらいの恨み、妬み、怒り。絶望と諦め。その全てをひとつに凝縮したような。そんな瞳に、あたしのさっきまで募りに募らせていた怒りが全てかき消された。

    「知ってるんでしょう? 私があなたよりもずっと、ずぅーっと前から彼に恋をしていたことくらい。彼のおかげで私はあなたに勝てて、負けても立ち直れたってこと」
    「……」
    「ねぇ、何とか言ったらどう? 」

    言葉が、上手く出てこない。喉の奥につっかえて、出せない。言いたい事も沢山あるのに。全部全部お姉ちゃんの黒く濁った瞳に吸い込まれて吐き出せない。

    「元はと言えばあなたが悪いのよ、佑芽。私の彼を……私の頑張る理由を奪い取ってきたんだから。私はあなたに奪われたものを奪い返しに来ただけなの。いつものようにあなたに勝った、それだけの話じゃない」
    「ちが……う、こんなの……こんなの、お姉ちゃんじゃない!! お姉ちゃんはそんな事言わないもん!! 」
    「……そうね。もう、私も私が誰だかわからなくなっちゃったわ。とりあえず、この勝負は私の勝ちよ。それから……あなたとも今日限りでお別れね。さようなら、佑芽。愛しい愛しい私の妹」

  • 19二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 18:21:05

    あれから、どうなったんだっけ。なーんにも覚えてないや。あはは、不思議だね。全部全部やる気が出てこないや。もういいや。アイドル、やめちゃお。このままずっと負け続けてくだけだしね。何よりプロデューサーさんも今はそんな状態じゃないし。

    「……あたし、何食べてるんだろ」

    味がしない。匂いもしない。食感も何一つとして感じない。……あたしっておにぎり好きだったっけ? いや、確か嫌いだったよね。うん。あたしはおにぎり大っ嫌いだった。じゃああたしは何が好きだったんだっけ。あはは、思い出せないや。

    このまま生きていいの? わかんない。
    今のあたしが生きる理由って何? わかんない。
    あたしは何をしたらいいの? わかんな……い? うん。わかんない。
    あたしは生きてるの? 死んでるの? わかんない。わかんない。わかんない。わかんない。ぜんぶぜんぶぜんぶぜんぶ、ぜーーーーんぶわかんない。
    あたしにお姉ちゃんっていたっけ? あたしは今まで何してきたんだっけ? あたしにお友達はいたっけ?

    「考えたってしょうがないよ、ね」

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 20:51:30

    こんこん。

    「プロデューサーさん。今、いいですか? 」
    「……どうぞ」

    咲季ちゃんが妊娠した事実が発覚してから、すぐに壊れたのはまず彼だった。あれ以来部屋に閉じこもって一人で過ごしてばかり。ご飯は食べてくれてるけど……あたしと同じで、何も味を感じないんだって。

    部屋にはロープが吊るされてて……何回も死のうとしてる。その度に、あたしはそれを止めてる。だって大好きな彼だけが今のあたしの生きる理由だから。……でも、いつかきっとそんな気持ちもなくなっちゃうんだろうね、近いうちに。最近色々な「好き」が消えてきてる。広ちゃんも千奈ちゃんも美鈴ちゃんも、今はなんとも思わない。好きとも大切とも、なんとも。

    彼に対して好きって思えなくなるのは絶対に嫌。だから、あたしは思いついた。

    「何の用ですか」
    「プロデューサーさん。心中しませんか? 」
    「……はい? 」

    あたしの急な発言に驚いたのか、プロデューサーさんがぽかんと目を丸くする。……ふふっ、かーわいい。
    あたしが思いついたこと。あたしのしたいこと。それは、彼との心中。

    「お願いです。どうか……どうか、あたしがまだあなたを好きでいるうちにあたしと死んでくれませんか? 」
    「……はい、わかりました」

    あー……思い出してきた。全部。うん、そうだね。そうだったね。あたしが全部悪かったね。あたしがずっと負け続けていたら。あたしがこの人に目をつけていなかったら、こんなことにはなってなかったもんね。
    うん。全部あたしが悪いね。

    ごめんね、お姉ちゃん。お腹の子と、幸せになってね。

  • 21二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 22:39:39

    誰も救われない…

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 22:41:02

    あれから一年。私は、女の子を出産した。……誰もそばにいてくれもせず一人で。名前は桃。花海桃。由来は……私の由来が桜の花で、佑芽の由来が梅の花と日本を象徴する綺麗な花の名前から取られてるから、桃。

    「ふふ……これで。本当に、私の勝ち、ね」

    そういえば……なんで、プロデューサーは来てくれなかったのかしら。あの人は性格上たとえ苦しい事だとしても来てくれそうなのだけれど。いや……愛想つかされちゃったのかしらね。

    「っ……」

    病院を出ようとする。すると、一枚の新聞記事が目に入る。丁度、今から一年前の記事。

    「結局……そう、なのね。結局私はまた負けちゃったのね、佑芽」

    『花海佑芽 プロデューサーと心中』

    ……また、負けた。勝てるわけないじゃない。心中だなんて。ふふ……あはははは。私ってば、どこまで最低になれば気が済むのかしらね。

  • 23二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 22:50:28

    「あぅ……」
    「…………」

    勝手に怒って。勝手に襲って犯して孕んで結果心中されて。本当に、どこまで私は救いようのない人間なのかしら。……ただ、恋をしていたはずなのに。どうして、こんなことになっちゃったのかしらね。佑芽、プロデューサー。そっちは、楽しいかしら?

    「……ごめん、なさい」
    「ぅ? 」
    「桃ちゃん。あっちに行ったらパパと佑芽お姉ちゃんが優しくしてくれるからね」

    あーあ。我ながら呆れるわね。それだけでも救いようのない最低なクズなのに。妹を殺してまで作った子供と心中しようだなんて……本当、私はどうしちゃったのかしら。ねぇ、教えて……佑芽。プロデューサー。

    ……桃ちゃん。どうか、来世では幸せになりなさい。私は一人で地獄へ行ってくるわ。だからあなたは天国に行くのよ。そうしたらきっと、パパと佑芽お姉ちゃんがいっぱい甘やかしてくれるはずだから。

    「言葉も、愛も、何もかも……教えてあげられなくて、ごめんなさい」

    そっと、優しく……桃を抱きしめる。そしてそっと、キスをする。どうか……幸せに、なるのよ。もう二度と、私のような最底辺の人間の元には産まれてきちゃダメだからね。

    「……最初で最後の贈り物。愛しているわ」

    写真立てからかつて三人で撮った写真を取り出して。それに、ライターで火をつける。私の部屋は全くと言っていいほど火に弱い部屋なので、すぐさま炎は燃え移り大火事を起こした。

    見たかったわ。桃、あなたが立派に輝く姿を。佑芽。プロデューサー。ごめんなさい。愛しているわ。

    fin.

  • 24二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 22:52:34

    やはりあんまり慣れませんねこういうのは。我ながらだいぶやりすぎてしまった気もしますが……最後まで見てくださった方はありがとうございました。こちら、参考にさせていただいた作品です。


    【閲覧注意】咲季「え? 佑芽を?」【見ないに越したことないよ】|あにまん掲示板※話の都合上、各コミュとの矛盾が生じる場合もありますが、雰囲気で感じ取ってください。 あとキャラの解像度低いなというところもあるかもしれませんが、こちらもニュアンスで捉えてください。 多分だけど本当に…bbs.animanch.com

    また気が向いたら別の子で書こうと思います。

  • 25二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 22:56:32

    あのさぁ……。
    もう少し救いをさぁ……。

  • 26二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 23:03:48

    >>25

    自分でもやりすぎたと思いました、すいません。次はなるべく緩くできるよう精進しますね

  • 27二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 00:02:37

    >>26

    いやめっちゃよかったと思います!


    やるならとことんやらないと、ね。

  • 28二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 01:04:37

    わりい、やっぱ辛えわ

  • 29二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 08:32:58

    折角ですし自分もダイスで次を決めてみようかと思います


    dice1d12=8 (8)

オススメ

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