(ほんの少し閲覧注意)学P「膝枕、ですか?」

  • 1二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 22:03:00

    なるほど、リーリヤにASMRを聴かせた程度では成仏はさせられないと。はあ、わかりました。仕方がない、3夜目です。
    以下SS注意






    「膝枕、ですか?」
    その日、今後の打ち合わせのために事務所に現れた担当アイドル、姫崎莉波は見るからに疲れ果てていた。『N.I.A』の『FINALE』を優勝し、一気に注目度が上がった莉波はここ数日間、取材やイベント、果てはテレビ出演まで分刻みのスケジュールをこなしてきた。明らかな過密スケジュールに文句も言わず、一言も弱音を吐かなかった彼女だったが、やはり疲れは積み重なっていたらしい。
    普段の彼女ならまず言わないであろう提案をされたことに学Pは少々驚いたが、これまでの頑張りを考えればこれくらいのわがままは通ってしかるべきだろうと結論を出す。
    「いいでしょう。打ち合わせは後回しということで」
    最近事務所に導入した簡易ソファに腰かけると、隣に莉波が来て座る。
    「それじゃ、どうぞ」
    「それでは、どうぞ」
    そして、お互いに自分の太ももを指した体勢で固まった。

  • 2二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 22:04:07

    「姫崎さん、膝枕だと……」
    「うん、膝枕だよ。さ、頭をこっちに」
    「はい?」
    「え?」
    どうも話がかみ合わない。お互いに首をかしげる。
    「疲れがたまっているから、膝枕をしてほしいということではなかったのですか?」
    「疲れがたまってるのは、そうだよ。だから、プロデューサーくんを膝枕して回復しようと思って」
    (……なるほど、そういうことでしたか)
    通常ならば疲れている側の人間が膝枕をされ、癒される側に回るのだろう。しかし、甘やかす側に特化したお姉さんである彼女に限り、役割が逆転するのだ。
    「ほーら、来ていいよ」
    太ももをぽんぽんと叩いて催促する姫崎さん。いつもならすぐに頭を預ける状況で、だが今日はこの誘いに乗るわけにはいかなかった。
    「姫崎さん、今日は俺に膝枕をさせてもらえませんか」

  • 3二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 22:05:09

    「ええ?どうしたの、急に」
    「いけませんか?」
    「ダメじゃ、ないけど……そんなにしたいの?」
    「はい」
    お姉さん力強化週間を乗り越え、お姉さんとしての魅力に磨きがかかった姫崎さんは、日常生活においても自然と姉としてふるまうことができるようになった。それ自体はとても喜ばしいことだ。
    しかし、学Pは思うのだ。それはつまり、姫埼さんに常に無理を強いることにならないか、と。姫崎莉波という少女には確かに姉としての才能があり、それは本人の気質にも合っている。だが、それだけではないのだ。姫崎莉波は強くて優しいお姉ちゃんだが、年相応の弱さやかわいらしさだってあることを学Pはよく知っている。
    「たまには、誰かに甘えることも必要だと思うんです」
    これはただのエゴだ。プロデューサーとして、弟として最適な行動ではない。それでも、姫崎莉波という少女を想う一人の男として、言いたかった。
    「俺に、あなたを甘やかさせてくれませんか?」
    ちょっとした沈黙が流れる。そのあと、ためらいがちに莉波が口を開いた。
    「気持ちはうれしいけど……きっとうまくいかないんじゃないかなあ」
    「それは、なぜですか」
    「だって私、最近はずっと膝枕してあげるほうだったし……プロデューサーくんに甘えるなんて、どうしていいかわからないよ……」
    (なるほど、お姉さん力強化週間の弊害か)
    「それならば、こういうのはどうでしょう?」

  • 4二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 22:09:35

    現在、私、姫崎莉波はプロデューサーくんに膝枕された状態で顔を見上げている。なぜかいつもより強情だったプロデューサーに押し切られる形で、頭を預けることにしたのだが……
    (これはいくら何でも、恥ずかしすぎるよぉ~~~!)
    「あ、あのね、プロデューサーくん……?」
    「違いますよね。今は、なんと呼ぶんでしたっけ?」
    もしかして今日のプロデューサーは熱があるんじゃないだろうか。そんなことを考えてしまうほど、今の学Pはいつもと様子が違った。
    「さあ」
    「……ぉ、お兄ちゃん」
    「よくできました、莉波」
    「~~~~~~っ!!」
    (は、恥ずかしい……!「妹になりきれば、素直に甘えられるはずです」なんて、そんなわけないよぉ……)
    身悶えしたい気分をなんとか押さえつけている莉波に対し、そんなことはお構いなしにプロデューサーが声をかける。
    「莉波。お兄ちゃんになにか、してほしいことはありませんか?」

  • 5通りすがりの莉波P25/07/01(火) 22:26:09

    ン゛ッ

  • 6二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:21:57

    「え、えーっと、特にない、かなぁ」
    「相変わらず無欲ですね。ではそんな妹のために、お兄ちゃんが耳かきをしてあげましょう」
    いつの間にかプロデューサーくんは竹製の耳かき棒を手にしていた。
    「さ、まずは右耳からです。右耳をこちらに向けてください」
    耳かきをしてもらうことは正直言って気恥ずかしいのだが、今のまま顔を見つめられ続けるよりはマシかと自分を無理矢理納得させて、莉波は体をひねる。
    「まずは浅いところから、擦っていきますね」
    硬い感触が耳にあたって、ぶるると身を震わせそうになるが、我慢して動かないようにする。耳の中にほんの少し入ってきた棒が、規則的に動き始める。
    「かり……かり……」
    耳かきが中をこする音に合わせて、プロデューサーくんが囁いてくる。いつもより吐息が混じったその声に、思わずどきっとする。
    「かり……かり……」
    (あ、でも気持ちいい。誰かに耳かきしてもらうなんて何年ぶりだろう)
    状況は何一つ変わってなどいないのだが、もとより信頼しているプロデューサーにされることだ。恥ずかしさはあっても嫌であるはずがない。リラックスしてみれば、ただ心地よい刺激に浸るだけであった。

  • 7二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:23:05

    「今更ですが、寝にくかったりしませんか?男の足ですから、もしかすると枕には不向きかもしれませんが……」
    「そんなことないよ。なんだか安心する」
    「……そうですか」
    (硬くて、ちょっとがっしりしてて……男の人なんだね)
    ふいに顔の下の太ももに頬を擦り付けたくなって、耳かき中なので動くのはやめておこうと思いなおす。もう恥ずかしい気持ちは霧散していて、体も脱力して耳かきを受け入れる体勢になっていた。
    「耳かき上手だね、ぷろ……お兄ちゃん」
    「莉波と一緒に勉強しましたから」
    「あ、そうだったね」
    お姉さん力強化週間の一環でASMRを配信することになって、二人で耳かきの練習をしたのを思い出した。なぜか自分も練習していたのは、このためだったのかな、なんてことをぼんやり考える。
    「それでは、奥のほうまで入れていきますね」
    耳かきが深く差し込まれて、刺激が強くなる。壁を優しくこすられるたびに、ぞわぞわした心地よさが体を震わせていく。音が耳の中で反響して、鼓膜から脳を刺激する。
    「がり……がり……」

  • 8二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:24:08

    「これで左耳もおしまいですね。動かずに我慢できて、えらかったですよ」
    そう言われて、頭を撫でられる。髪の表面をなぞるだけの、優しい手つき。それだけで心が幸福感に満たされていって、だから割とすぐに手が離れて行ってしまったとき、思わず言葉がこぼれてしまった。
    「あのね、頭、もっと撫でてほしいな」
    横目でちらっと顔を見上げながらのおねだりに、プロデューサーは驚いたようにちょっと目を身開くと、すぐに優しい目に戻って、それから頭にあたたかい感触が乗っかった。自然とおねだりの言葉が出てきたことに自分でもびっくりして、恥ずかしさをごまかすために目の前に広がるプロデューサーくんのおなかに鼻と額を押し付けてぐりぐりする。
    しばらくただ頭をなでられる時間が続いた後、ふいに手が頭から離れていった。いつの間にか閉じていた目を開いてプロデューサーくんの顔を見やると、何か少し困ったような顔で見下ろしてくる。にわかにプロデューサーくんが口を開いた。
    「少し、気持ちの整理がつきました。聞いていただけますか」
    なにか言いたげで、でも言いにくいことを話す時のようにちょっと口ごもった後、話し始める。
    「急に膝枕がしたいなんて言い出して、申し訳ありません。ちょっと強引でした」

  • 9通りすがりの莉波P25/07/01(火) 23:24:59

    口角ぶち上がってるんですけど
    どうしてくれるんですか()

  • 10二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:25:20

    (それは確かに、そうだなあ)
    いつもと違うと感じたのは、その強引さだった。莉波を気遣いすぎるきらいのあるプロデューサーくんが、今日に限って自分の意思を押し通したことに、微かな違和感を覚えていた。
    「自分でも、考えていました。なぜこんな行動に出てしまったのか。それがようやく、少しわかったかもしれません」
    そう言うと、ふいと視線をそらして続けた。
    「寂しかったんですよ。あなたは『N.I.A』で素晴らしいパフォーマンスを見せ、あの白草月花すらも下してみせた。トップアイドルになりえる器を大勢の前で示してみせた。それは喜ばしいことですが、俺にとっては少し怖くもありました。どんどんと理想のお姉さんになっていくあなたが、俺の『莉波お姉ちゃん』だったあなたが、手の届かない存在になってしまうようで」
    (ああ、もう)
    ちょっと唇を尖らせて、恥ずかしがっているように目をそらし続けているその顔を見つめる。
    (まったく、きみは)
    胸が高鳴る。とくん、とくん、と心臓が跳ねる音が聞こえる。優しくて、誠実で、いつも頼りがいがあって。だけど時々ちょっと情けなくて、危なっかしい。そんなあなたのことが。
    (ああ、好きだなあ)

  • 11二次元好きの匿名さん25/07/01(火) 23:44:38

    「ねえ、プロデューサーくん。妹は、もういいかな」
    「……そうですか」
    「あ、違うの。妹になるのが嫌だったわけじゃなくて。もう必要ないから」
    お姉さんになって、甘え方を忘れてしまっていた。妹になって、半ば強制的に甘えた。だけど、何かになりきることはもう必要なかった。姫崎莉波は、学Pに、好きな人になら、自然と甘えることができる。
    「プロデューサーくん。頭、撫でて」
    「……はい」
    「もっと強く」
    「……はい」
    さっきよりちょっとだけ力が籠められた左手に、だけどまだ足りなくて、自分から頭を擦りつける。ついでにさっきできなかったので太ももの感触を堪能する。するとちょっとくすぐったいのか、太ももをよじらせるので、
    「こーら、動いちゃダメ」
    とたしなめる。するとなにか言いたげな表情をしながらも動きを止めてくれる。頭の下の太ももに力が入って、ちょっと硬くなったのを感じる。
    「そういえばさっき、莉波お姉ちゃんって言ってくれたよね?」
    「っ!それは」
    「もう一回、言ってほしいな~?」
    「いやです」
    「え~?遠慮しなくてもいいんだよ?」
    「いやなものはいやです」

  • 12二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 00:59:44

    さっきまでお兄ちゃんで、すぐに弟くんになって、どちらとも違う本音が見えたかと思ったら今は子供みたいにそっぽを向くプロデューサーくんがなんだかかわいくて、それでもう少し踏み込んでみたくなる。
    「ねえ、プロデューサーくん。頭だけじゃなくて、別のところも撫でてほしいな」
    「それは、例えば?」
    「そうだなあ、お腹、とか?」
    「っ、それはさすがに」
    「いいから」
    プロデューサーくんの顔が少し赤くなっているのを見ながら、自分の頬も熱くなっていくのを感じる。気持ちが胸の中からどんどんあふれてくるようで、歯止めが効かなくなっているかもしれない。
    「いいん、ですね」
    プロデューサーくんの右手がゆっくり持ち上がって、それからそっとおなかに感触が加わる。
    (あっ……)
    ほとんど触れていない、ただ当たっているだけの手から、制服越しにあったかさが伝わってきて、心の中で声を漏らす。

  • 13二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 01:01:04

    「もっと強く、していいよ」
    そう言うと、お腹にほんの少し圧迫感が感じられるようになって、同時に触れられているところが熱を帯び始める。
    どくん、どくん
    心臓の音に合わせて、お腹の奥から熱が上がってきて全身に広がり始める。
    すり……
    「んっ」
    プロデューサーくんが手を動かし始めたので、思わず声を出してしまう。びくっと太ももが跳ねて手が離れて行ってしまうので、右手で捕まえて、お腹に戻す。
    「いいから。ほら、ちゃんと続けて」
    「……わかりました」
    すり……すり……
    「あっ……ん……」
    さっきより幾分か強くなった手で撫でられて、自然と声が出る。ちょっと恥ずかしいとも思うのだが、なぜか聞いてほしい気持ちが上回る。

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 01:02:05

    「もっと強く」
    圧迫感が増す。
    「もっと強く」
    夢中で繰り返す。
    「もっと」
    「姫埼さん」
    「いいの。もっと強くあなたを感じさせて?」
    ぐりっ
    「んああっ!?ふー、ふ、ふぅ、」
    ぐりぐりっ
    「ふぅぅ!?あ、ぅあ、もっとぉ」
    お腹から生まれた熱さが勢いを増して体中を駆け巡る。頭まで熱でゆだってしまったようで、気持ちのままに何度も名前を呼んでしまう。
    「プロデューサーくん、プロデューサーくん……あぅ、ぷろ、でゅーさー、くぅ!?ん、ん……」
    ぎゅっと閉じていた目を開くと、こちらを見下ろしてくる目と視線がぶつかる。肩で息をして、余裕がなさそうな表情で見つめてくる彼に、ゆだった頭がとうとう沸騰してしまう。

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 01:03:07

    「プロデューサーくん……!名前、呼んで?」
    「っ!莉波」
    「もっと近くで……」
    ぐっと顔を莉波の耳に近づける学Pの顔を捕まえる。それから、にわかに体を起こしてその無防備な唇に口づけた。
    「!?」
    驚きに目を身開くプロデューサー。その反応も愛おしくて、離した唇を再度重ねる。
    「ちゅっ……ちゅむ、ん、ちゅ」
    いつまでもしていたいけれど、流石に息が苦しくなって顔を離す。お互いに息が荒くて頭が回らない。
    「こんなこと、いけませんよ」
    「ごめんね、プロデューサーくん。気持ちが抑えられなくて。キミの気持ちは、どう、かな?」
    「ッ!!」
    今度はプロデューサーくんのほうから唇を合わせてくる。ちょっと乱暴で、でも優しい、彼らしいキス。
    「ぷはっ」
    唇を離して見つめあう。お互いもう、止まれる気がしなかった。

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 01:04:10

    「申し訳ありませんでした」
    すっかり日も沈んで、夕焼けも消えかけているので、明かりをつけていない事務所はかなり薄暗い。そんな事務所の床にはいつくばって、土下座を敢行する男の姿があった。
    「そんな、止めなかったのは私もなんだから」
    いたたまれない様子で土下座を向けられている少女は、簡易ソファに座り込んでいる。
    「だとしても、決して許されてはならないことです。何と謝っていいか……」
    「うーん、とりあえず、服着ない?いつまでもこのままってわけにもいかないでしょう?」
    「あ、そうですね」
    床に散らばった衣服をかき集め、身に着ける。お互い無言で、自然と背中合わせになる。薄暗いのがいい方向に作用している。気恥ずかしさが相手に伝わらないからだ。

  • 17二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 01:05:14

    「あのね、プロデューサーくん。私、謝ってほしいなんて思ってないよ」
    「しかし」
    「むしろ謝ったら怒るよ?気遣ってくれるのはうれしいけど、そんなに必死で謝られると、後悔されてるみたいでやだな」
    「……」
    「私は後悔してないよ。キミの気持ちを知れてうれしかったし、私の気持ちを伝えられてよかったと思う。だからいいの」
    施錠時間が迫っているので、掃除は仕方なく明日に回すことにした。最低限正すところを正して、慌ただしく荷物をまとめる。
    「だから、責任取って辞める、とか言っちゃだめだよ?まあ、責任は、とってほしいけど……」
    事務所を後にして、電気の消えた廊下を二人歩く。隣の彼の手をぎゅっと握って、少女は笑いかける。
    「だから、これからもよろしくね、プロデューサーくん」

  • 18二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 01:12:06

    Pくんかわいいねぇ

  • 19通りすがりの莉波P25/07/02(水) 02:21:51

    oh〜^
    純愛って最高

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 08:55:52

    後日談を今から書くからちょっと待って

  • 21二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 17:28:12

    清夏リーリヤと違ってインモラルじゃなくて普段通りな感じだと思ってたら一気にはみ出してきおったwww
    後日談期待してる

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 18:41:23

    後日談

    「麻央先輩、ありがとうございます!」
    そう言って雨の中を駆けていく後輩の背中を、手を振って見送る。傘を忘れた子を見かけたら、話しかけて自分の傘を渡すのが、有村麻央の雨の日の常だった。
    「もう、麻央ったら。また走って帰るつもりなの?」
    「やあ、莉波。そうだよ。かわいい後輩を雨にぬらすわけにはいかないだろう?」
    「相変わらずだなぁ。はい、これ」
    そう言って傘を差し出してくる親友の姿に、困惑を隠せない。
    「いや、ボクに傘を貸したら、莉波が濡れてしまうじゃないか」
    「ふふ、大丈夫だよ。私のほうは当てがあるから。それに」
    莉波はにこりと微笑んで、続ける。
    「私が麻央に濡れてほしくないの。大事な親友だもん」
    「っ!」
    向けられた笑顔に不覚にもどきりとする。最近の莉波は前にもまして女性らしい魅力があふれるようになって、学園内外からの人気もうなぎ上りに上がっている。
    「じゃあ、ありがたく借りていくよ。後で部屋まで返しに行くから」
    「うーん、寮の玄関の傘立てか、私の部屋の前に置いておいてくれるだけでいいよ。それじゃあまた明日ね」
    そう言って校舎に戻っていく莉波を見送って、麻央も歩き出す。傘にあたる雨の音を聞きながら、ぼんやりと考える。
    (また明日、か。別に寮でも会うだろうに)

  • 23二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 18:46:18

    「プロデューサーくん、そろそろ帰ろ」
    学Pが事務所でいつもの業務を行っていると、自主レッスンを終えた莉波が入ってきた。
    「わかりました。ここだけ終わらせたいので、もう少々お待ちください」
    「ゆっくりでいいよ」
    キーボードをたたく音と雨音がしばしの沈黙を満たす。
    「終わりました。お待たせして申し訳ありません」
    「謝らなくていいよ。仕事中のキミを見てるのも好きだから」
    電気を消して施錠し、廊下を歩きだす。莉波は彼の手を取ろうとして、まだ学内だということに気が付いて自重することにした。
    「今日は、どうしますか」
    「スーパーに寄るよ」
    「了解です」
    歩きながら交わされる、すっかり日常となった会話。下駄箱で靴を履き替えて、学Pは傘を傘立てから引き抜く。
    「おや、姫崎さん、傘は」
    「麻央に貸しちゃった。私のほうは当てがあるから」
    「なるほど。では、行きましょうか」
    学Pが傘を開くと、莉波がすっとその陰に入ってくる。
    「濡れていませんか?もう少しそちらに傾けます」
    「もう、それだとプロデューサーくんがぬれちゃうでしょ」
    一つの傘の下、寄り合って歩く二人は、アイドルとプロデューサーの関係だ。週に何日かの頻度で自宅に通い、何回かに一回は泊っていくとしても、家の中で何が行われていようとも、その関係はしばらくの間変わることはない。

  • 24二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 18:48:16

    以上です。あんまりエッ覧注意にならなかった……まだまだ徳を積む必要がありそうですね。

  • 25通りすがりの莉波P25/07/02(水) 18:55:42

    癒されるゥ...
    こういうのでいいんだよこういうので

  • 26二次元好きの匿名さん25/07/02(水) 22:44:48

    ふう癒される

  • 27二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 08:14:42

    誰か…一夜目と二夜目のスレも貼ってくれねえか…

  • 28二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 08:17:04

オススメ

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