- 1125/07/03(木) 11:15:09
- 2125/07/03(木) 11:16:16
前スレ
【クロス注意】幼馴染inNRC Part19|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼プロローグ
【クロス注意】ここだけ|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>個性は dice1d3=@2 (2)@1. 二人とも使えない2. かっち…bbs.animanch.com▼第一章
【クロス注意】幼馴染みinNRC|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第二章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part3|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第三章
幼馴染inNRC Part5|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第四章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part8|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第五章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part11|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第六章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part14|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com▼第七章
【クロス注意】幼馴染inNRC Part18|あにまん掲示板ここだけデクとかっちゃんがツイステのNRCにトリップしちゃった世界【以下前提条件】>トリップ地点は入学式の棺桶の中>トリップしたのは最終決戦後の二人>個性はかっちゃんだけ使える(反動…bbs.animanch.com - 3125/07/03(木) 11:20:27
- 4125/07/03(木) 11:21:33
素敵な支援SS様
……ノーコメントで | Writeningパソスト風じゃなく普通のSSです。お目汚し失礼。 登場人物:出久+勝己+グリム+エース+デュース+ジャック+エペル+セベク ふわっと頭に浮かんだワンシーンを書きたいなと思ったらなんか長くなってしまいました…writening.netなんてことない普通の日 | WriteningパソストではなくSSです、ご注意を。 登場人物 トレイ・クローバー 尾白猿夫 砂藤力道(名前のみ) 個人的に尾白くんとトレイ先輩は仲良しであってほしいなぁと思う今日この頃。 アリアーブ・ナーリヤとかいっ…writening.netマスターシェフ〜地獄のニラ〜 | Writening登場人物:轟、リリア、砂藤、トレイ、エペル、デュース、エース、麗日、峰田、青山、学園長 ちょっと体調不良表現あるので苦手な方要注意、なんでも許せる人向け 「食」それは生命の礎。 清き海。強き山。優…writening.netもぎもぎパニック!ドアと化したフロイド | Writening登場人物:フロイド、峰田、緑谷、エース、デュース、ラギー、カリム、ジャミル、ルーク、リドル、セベク、飯田、イデア、オルト キャラエミュ間違い、キャラ崩壊あるかも なんでも許せる人向け 「おーいエ…writening.netドキッ!漢だらけの新メニュー決定戦〜飯テロもあるよ〜 | Writening登場人物:アズール、ジェイド、フロイド、ラギー、青山、飯田、上鳴、切島、瀬呂、砂藤(回想のみ) キャラエミュ間違いあったらスマソ、後半キャラ崩壊あるかも 何でも許せる人向け 「……皆さんが集まっていた…writening.net - 5125/07/03(木) 11:23:54
- 6125/07/03(木) 11:27:34
- 7125/07/03(木) 11:30:05
現在好感度まとめ
【出久→相手/相手→出久、 爆豪→相手/相手→爆豪】
*😺グリム 100/100、 93/91
*❤エース 100/100、 42/88
*♠デュース 100/100、 100/93
*🌹リドル 91/93、 79/100
*🔶ケイト 99/100、 85/87
*☘トレイ 30/27、 60/40
*🦁レオナ 26/74、 53/44
*🍩ラギー 14/59、 72/21
*🐺ジャック 84/100、 52/91
*🐙アズール 75/100、 94/31
*🐬ジェイド 26/65、 21/43
*🦈フロイド 8/33、 28/69
*🦦カリム 77/100、 49/86
*🐍ジャミル 95/84、 69/63
*👑ヴィル 100/100、 80/100
*🏹ルーク 100/100、 95/100
*🍎エペル 100/100、 100/100
*💀イデア 100/82、 71/64
*🔥オルト 84/46、 25/36
*🐲マレウス 95/70、 27/22
*🦇リリア 73/53、 100/31
*⚔シルバー 71/89、 98/22
*🐊セベク 4/41、10/15
*🐶クルーウェル 56/-、 13/-
*📚トレイン 78/-、 36/-
*🦾バルガス 16/-、 6/ - 8125/07/03(木) 11:35:22
前回までのざっくりあらすじ
リリアが魔力を失って学園を中退するということで、ディアソムニア寮で開催された送別会に参加した出久たち。
送別会に顔を出さないマレウスを探しに行ったシルバーを追って送別会を抜け出した出久だったが、偶然二人の会話を聞いてしまったことでリリアがシルバーの養父であり、寿命が近いことを知ってしまう。
悲しむシルバーを見たマレウスは、「悲しみのない世界」を実現させるため、送別会に乗り込んでその場にいた全てのものを眠らせ、「幸福な夢を見せ続ける」手段に出た。
夢の世界に閉じ込められてしまった出久たちは、夢と夢をわたる魔法をもつシルバーに同行し、現状打破のためにマレウスとの関係が深いリリアとの接触を試みたのだが、リリアはかなり昔の年代の戦時中の夢を見ているようで―― - 9125/07/03(木) 11:44:22
現在リリア過去夢編ですが、この辺は第三章と同じくらい書きにくいです
この辺のエピは過去&夢という手を出しても仕方がない事象、かつディアソムニア4人の家族問題(基本的に円満家庭)みたいなところがあるので幼馴染は傍観する立場になりがちになりますのでご承知おきください
あと単純にセベクのエミュがエペルと並んで難しい
セベクは読書が趣味でかなり文語体よりの話し方で語彙力も豊富なので、書いてる人の語彙力の限界がそのまま表れるキャラだと思っている
原作と比べるとボキャ貧のセベクになるかもしれない - 10二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 11:51:43
うめ
- 11125/07/03(木) 16:58:13
幸いにも『銀の梟』の野営地にはヒスイネズミやハガネトカゲ意外にも見慣れた食料が多くあったため、調理すればなんとか普通の食事にありつけそうだった。
シルバーはチーズリゾット、セベクは香草を使った鶏肉のロースト、勝己はキーマカレー、出久は野菜炒めをそれぞれ作って、野営地に食欲をそそる香ばしい匂いが立ち込めた。
🥦「カレーってルーがなくても作れるんだね」
🧨「こんだけ香草が揃ってりゃ余裕だわ」
🥦「……僕、スーパーのスパイスコーナーの瓶をみても、どれがどんなスパイスなのかよく分かんないんだよね」
🧨「ハッッ、雑ッッッ魚」
🥦「勝ち誇った顔やめてよ!」
🐊「……さ!皆様、お待たせいたしました!お食事の支度が整っております!」
料理が完成すると、(人間相手を覗いて)礼儀を重んじるセベクが真っ先に近衛兵たちに給仕しにいった。
リリアは野菜炒め以外の料理は馴染みがないようで「なんだこれは」と文句を言いながらスプーンを手に取ったが、口に会ったようでガツガツと食べ進めた。
🦇「うん……悪くねぇ」
*リリア 食事の好み
出久の野菜炒め dice1d10=10 (10)
爆豪のキーマカレー dice1d10=6 (6)
シルバーのチーズリゾット dice1d10=7 (7)
セベクの鶏の香草ロースト dice1d10=9 (9)
- 12二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 17:07:30
セベクの語彙力はすごいですよね…スレ主さん頑張ってください
- 13125/07/03(木) 17:17:37
🦇「特にこれが美味いな。素材そのままの味がする」
🥦「ありがとうございます!」
🧨「下処理もしてねぇ野菜を油で炒めて塩振っただけじゃねェか。馬鹿舌かよ」
リリアには香草の効いた複雑な味は理解できなかったようで、味付けがシンプルな出久の野菜炒めとシルバーのチーズリゾットを特に気に入ったようだった。
食事が始まってしばらくすると、「『鉄の者』たちは風鳴き渓谷の方面に撤退した」という情報をもったバウルがリリアのもとにやってきた。
セベクは敬愛する祖父にも食べてもらおうとニコニコと食事を差し入れたが、バウルに「いらん」と一蹴され、萎れた草のようにしょんぼりと項垂れた。
⚔「セベク、これは夢だ。現実のバウル殿はちゃんとお前のことを……」
🐊「そんなことはわかっている!『銀の梟』さえいなければ、若かりしお祖父様ともっと親睦を深められたかもしれないのに……許さんぞ、アイツらめ!」
『銀の梟』に流れ弾が飛んでいく横で、グリムが「食わないならオメーのぶんもオレ様が食べてやるんだゾ!」とバウルに出された食事に手を出し始めた。
🪓「なっ……この魔獣!なんという図々しさだ!」
🥦「コラっ、グリム!人のご飯を勝手に食べたらダメだよ!」
🧨「鱗ジジイが食わねェなら食事じゃなくて残飯だろ。残されンのも気分悪ィし、全部食っちまえ」
😺「バクゴーもこう言っているし、遠慮なくいただくんだゾ!ふがふが!うめぇ~!アツアツとろとろのチーズと、肉汁じゅわじゅわのお肉、それからピリッとスパイスの香りが絡んだひき肉が最高なんだゾ~♪」
🥦「……僕の野菜炒めには言及されなかった!」
🧨「このクソ狸、雑食のわりに味の違いだけは分かるからな」
🥦「そういえば、グリムは『美食研究会』を立ち上げたんだっけ。僕たちが図書館に行ってる間にちゃんと活動してるんだね」
グリムが美味しそうにバウルの目の前の料理を腹の中に収めていく。グリムは言語の成績は良くないが食レポはかなりのものであり、やせ我慢しているが空腹状態のバウルは「ぐぬぬ……」と唇をかみしめた。 - 14125/07/03(木) 17:33:02
🦇「ははは!バウルに喧嘩を売るとはいい度胸してやがんな」
🪓「くっ……魔獣ごときの腹に入るくらいなら、私が食べる!」
空腹には勝てなかったようで、バウルは残った料理をグリムと取り合い始めた。セベクが「まだ沢山ありますので」と慌てて盛り付け直した食事を運んで差し入れる。結局、「よく考えれば食べ物に罪はない」という謎理論を持ち出して、バウルはリゾットを3回もおかわりしたのだった。
出久たちは食事をとりながら、情報収集のためにリリアとバウルの会話を横で聞いていた。
妖精たちが暮らす大陸に人間たちがやってきたのは100年ほど前のこと。当時は帆船一隻分の人数しかいなかったのが、瞬く間に数を増やして妖精の人口を上回り、風鳴き渓谷よりも東側の領土はすっかり人間のものになってしまったらしい。
🦇「自然や動物たちを敬い、慎ましく暮らすってんなら捨て置くところだが……これ以上あちこちの山や森を掘り返されちゃたまらねぇ。急いでマレノア様の書状を東の鶏でまで届けねぇとな」
😺「マレノアさま?誰なんだゾ、それ」
🐊「貴様、マレノア様を知らないのか?かのお方は若様の……この茨の国の姫君であらせられる」
この夢の正確な年代はよく分かっていないが、シルバーとセベク曰く「まだマレウス様がお生まれになっていない時代の可能性がある」とのことで、セベクは明言を避けたが要するにマレノアはマレウスの母親であるらしい。
🦇「小僧の言う通りだ。現女王マレフィシア様の一人娘であり、俺たちの主であり、『野ばら城』の城主でもある」
⚔「『野ばら城』?竜の都にある王城、『黒鱗城』ではなく?」
🦇「茨の国の南に広がる湿地、翠が原。その中央で、珊瑚の海や風鳴き渓谷の向こうからやってくる不届き者に睨みを効かせている城塞……それが『野ばら城』だ」
🪓「マレノア様は、我ら近衛隊を指揮するこの国の守りの要でもある。我ら王宮近衛隊は、マレノア様から『銀の梟』への要求書を届ける使節団として、今日、野ばら城から出立したところだ」
🐊「要求書、というと……」
🪓「決まっているだろう!!我らの国での『銀の梟』による無礼な振舞いを即刻やめよとの最後通牒だ!!」 - 15125/07/03(木) 17:49:15
王宮近衛隊の第一の目的は「東の砦にマレノア王女からの書状を届けること」。しかし、彼ら以前にも書状をもって東の砦に向かった使節団が次々と行方不明になっている、とリリアは浮かない顔でため息をついた。
彼らは飛行術を使わずに陸路で行軍しているのは、道すがら行方不明になった仲間を探し、妖精に無断で採掘行為を繰り返す『銀の梟』を見つけ次第駆逐するため、なのだそうだ。
🦇「なぁナイトレイブンカレッジの使者ども。この俺に学校なんぞに通ってる暇があるように見えるか?悪いことは言わねぇから、さっさとテメーらの学校に帰れ」
⚔「……いえっ!こうしてお話をうかがったことで、ヴァンルージュ殿にナイトレイブンカレッジへご入学いただきたい気持ちが、より一層強くなりました」
送別会冒頭の挨拶でリリアが述べた「この学園で過ごした時間は若さ溢れる青春の日々だった」との言葉には、一切の誇張はないのだろう。シルバーは思わず口をついて出たといった風に、リリアに是非学園に来てほしいと熱く語り掛けた。
そのために、命の危険があってもリリアにくっついていくとも。
🦇「人間のことはよく知らんが……もしかしてナイトレイブンカレッジってのは、人間の中でもかなり変なやつが集まってんじゃねーのか?」
⚔「確かに、かなり個性的な者は多いです」
🐊「出身地も、種族も、文化も……多種多様だ」
⚔「だからこそ、毎日多くの学びがある」
🦇「はぁ……勝手にしろ。もう俺は知らん」
⚔🐊「「ありがとうございます!!」」
二人の熱さと頑固さにリリアは折れたようで、人間の随行に反対するバウルを「飯炊きと荷物持ちくらいにはなるだろ」と言いくるめて同行を許可してくれた。
最も、一切の責任はとらないので危険な状況になればその辺に放り出す、との忠告付きだったが。 - 16125/07/03(木) 18:08:15
🦇「俺は野ばら城のことが心配でたまらねぇんだ。さっさと仕事を終えて戻れるなら、妖精だろうと人間だろうと使えるものは何でも使うぜ」
🥦「残してきた王女様が心配ですよね」
🦇「心配?俺がマレノア様を?心配なのは姫じゃねぇ。野ばら城自体と俺の命だよ!」
絵にかいたような姫君を想像していた出久の言葉を聞いたリリアは、心底愉快そうに噴き出した。
リリア曰く、マレノアは茨の国を治めるドラコニア一族。夜の眷族の頂点と謳われるドラゴンの末裔で、近衛隊が束になってかかっても歯が立たないほど強いらしい。さらに、お転婆で、喧嘩っ早くて、わがままで、癇癪もちで、とんでもない性悪、とその性格を形容した。
🥦(アンナさんみたいな人を想像してたけど、どっちかというとミルコみたいな人なのかな?)
🧨(うちのババアとミルコを合わせたようなヤベェ奴ってことか)
リリアの言葉を聞いて、二人の脳内に女性の武闘派ヒーローとしては圧倒的トップの某ラビットヒーローの姿がよぎった。閑話休題。
🦇「物心ついて以来300年もあのお姫様には振り回されっぱなしだ。ま……あと2、3年は野ばら城で大人しくしていてくれそうなことだけが救いだな
。さすがの姫も、大事な卵が孵るまでは無茶しねーだろ」
「「卵っ!!??」」
🥦「ドラゴンの妖精って卵生なんだ!」ヒソヒソ
🧨「爬虫類だし当然っちゃ当然だが……よく考えりゃ糸車も歳いくつだ?」ヒソヒソ
妖精の生態など全く知らない二人がヒソヒソするのは置いておいて、リリアが驚いて固まったセベクたちに呆れながら説明してくれたところによると、ドラゴンの卵は親からの愛情と魔力を注がれないと孵らないため、この国で一番安全な場所でもあるマレノアの腕の中、つまり野ばら城にあるという。
🦇「ふぁ~あ……空が白んできやがった。俺はそろそろ寝るぜ。お前らもさっさと寝ろ。――夜の祝福あれ」
🪓「はい。ゆっくりお休みください。夜の祝福あれ」 - 17125/07/03(木) 18:16:38
⚔「聞いたか、セベク」
🐊「聞いたとも!!わ、若様がすでにお生まれになっているとは!あぁっ……ひと目でいいから拝見したい!若様の玉のようなお姿をッ!!」
🧨「玉のような姿っつーか、玉だろ」
マレウスがすでに誕生している、という話を聞いてセベクはテンションがおかしなくらいに高まっているが、反対にシルバーは頭を抑えて難しそうな顔をしている。
🥦「シルバーくん、どうかしたの?」
⚔「……おかしい。先程親父殿は、『物心ついたから300年』と言っていた。現実の親父殿は700歳だから、親父殿は400年ほど前の夢を見ていることになる」
🥦「400年前……」
⚔「しかし、『お世継ぎの卵はあと2、3年で孵る』とも言っていた」
🐊「はっ……そうか!確かにおかしいな。現実の若様のご年齢と、かなりの食い違いがあるぞ」
🧨「テメーらだけで話進めンな。結局糸車は今いくつなんだよ」
🐊「若様は、今年178歳でいらっしゃる!!」
*衝撃度
出久 dice1d99=50 (50)
爆豪 dice1d25=12 (12)
- 18二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 18:27:28
リリアショックがあったからか
なんかもうそういうもんと受け入れつつあるな - 19125/07/03(木) 18:53:13
🥦「178歳!?……でも700歳と比べるとものすごく若く感じるぞ」
😺「ふなぁっ!?ツノ太郎、すっげー爺さんじゃねーか!」
🐊「失礼な!長命なドラゴンにおいては、まだ非常にお若くていらっしゃるのだぞ!」
🧨「アイツが若くてもジジイでもこの際関係ねぇわ。要するに、200年くれぇ時間が食い違ってるってンだろ」
🐊「ふむ。長命な妖精族は往々にして時間の流れに頓着がないとはいえ……流石にズレが大きすぎるな」
⚔「お前もそう思うか。マレウス様の誕生ほど重要な出来事ともなれば、親父殿の記憶違いとも考えづらい」
茨の谷での出来事に関して出久と勝己は何も知らないためお手上げ状態なのだが、シルバーとセベクも腕を組みながら眉間に皺を寄せている。
⚔「……うぅん……親父殿もマレウス様も、あまり俺の前では昔の話をしなかったからな。実家の本棚や、学園の図書館にはあまり茨の谷の歴史に関する書物はなかったし……セベク、お前はなにか知らないか?」
🐊「お祖父様からはドラコニアご一族や、リリア様をはじめとした英雄の武勇伝は多く伺ったが……マレノア様……マレウス様のご両親がお隠れになったことに関しては、多くを語らなかった。そのことに触れた書物もほとんどない。それに現代では、野ばら城のある翠が原は茨の谷の領土の外だ」
⚔「混乱の時代が長く続いていたというからな……一体なにがあったというんだ……?」
シルバーは17歳でセベクは16歳。リリアとマレウスとはあまりにも歳が離れていて、彼らの故郷の話といえど分からない話も多いらしい。
今手元にある材料で推理を立てても実のある結論は出ない。だが、出久と勝己はマレウスたちや茨の谷についての知識が不足しているため、就寝前に軽くシルバーたちと会話をすることにした。 - 20二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 19:05:59
このレスは削除されています
- 21125/07/03(木) 19:07:49
火の番のついでに、出久たちは焚火の傍に腰を下ろした。
😺「そういえばよぉ、シルバーはたまにリリアのこと『オヤジドノ』って呼ぶけどどういう意味なんだゾ?あだ名かなんかか?」
⚔「リリア先輩……親父殿は、孤児だった俺を拾って育ててくれた。あの方は、俺の父親なんだ」
😺「へっ?チチオヤって……父親ぁ!?」
🧨「マジで親父なんかよ……」
*衝撃度
爆豪 dice1d100=3 (3) (グリムが70くらい)
- 22二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 19:32:40
これはNRCのトンチキに慣れすぎたかっちゃん
- 23125/07/03(木) 20:13:37
⚔「混乱させてすまない。学園内では気をつけて『リリア先輩』と呼ぶようにしていたんだが……実家にいた頃の癖でつい『親父殿』と呼んでしまう」
🧨「別に混乱してねェ。アイツなんかそういう貫禄あったしな。テメーもあんま驚いてねェみてーだな出久?」
🥦「……実は僕、送別会から出てるときにシルバーくんとマレウス先輩の会話を聞いちゃったんだ。盗み聞きなんてするつもりなかったんだけど……ゴメン」
⚔「謝る必要はない、ミドリヤ。マレウス様が親父殿の送別会に少しでも早く戻られるよう、ともに探してくれたんだろう?むしろ俺から礼を言わなければならないことだ、ありがとう」
*好感度変動
出久→シルバー(71) + dice1d10=6 (6)
シルバー→出久(89) + dice1d10=10 (10)
🐊「人間には馴染みがないだろうが、茨の谷では年若い見た目をしたものが年長なことは珍しくないからな。僕の母も妖精で、父より若く見えるが父よりも年上だ」
😺「ふな……でも、たしかに400年前のリリアと今のリリア、見た目は全然変わってねーよな」
⚔「見た目は同じだが、俺の知っている親父殿とはかなり違う。俺は本当に……何も知らなかったんだな」
パチパチと薪を弾いて燃える焚火をみながら、シルバーが遠い目をした。
🥦「……戦時中の話は残酷なことや辛いことも多いと思うから、子どもである君に聞かせたくなかったんじゃないかな」
⚔「そうなのだろうか……。親父殿……」
話の途中、不寝番の近衛兵から「騒がしくするな」と注意を受け、その晩は一旦宛がわれた天幕に戻って睡眠をとることになった。
😺「むにゃむにゃ……スピー」
🥦「夢の中で寝るって変な感じだね」
🧨「妙ちきりんな現象ばっかでなんも驚かなくなってきたわ」
*安眠レベル
出久 dice1d100=55 (55)
爆豪 dice1d100=78 (78)
- 24125/07/03(木) 20:27:11
夜が明けて、予定通り正午の頃に東に向けて出発した近衛隊に出久たちも同行した。
道中で遭遇した『銀の梟』の団員たちを追い払いながら数時間かけてたどり着いた風鳴き渓谷は、狭い岩の間を雷鳴山脈から吹き下ろす強い風が通り抜け、絶えず唸り声のような音が鳴っている自然の要塞だった。
そこで大型の機械を使って山林の開拓を行っていた『銀の梟』たちを見つけたリリアたちは、「キシャアア!!」と威嚇声を上げながら奇襲を仕掛けて彼らを追い払った。
🪓「な、な、なんだったのだ、あの鉄のゴーレムは!?」
⚔「……この装甲車、ショベルカーのような装備がついている」
🐊「『鉄の者』たちはこれを装甲掘削機と呼んでいたな。ということは、おそらく土木作業用の機械だろう」
🪓「土を掘り返すためのからくりということか?面妖な!」
魔法とともに生きる妖精たちは機械文明に疎いようで、リリアとバウルは『銀の梟』たちが操っていた装甲掘削機を化け物を見るような目で見た。
🦇「全身ひでぇ鉄と油の匂いだ。水浴びしねぇとやってられないな……。渓谷を抜けたら、小さな湖がある。今日はそこで野営としよう」 - 25125/07/03(木) 20:38:09
湖畔に野営地を展開し、軽く食事を済ませた後、情報収集のために出久たちは再びリリアたちの近くの席に陣取った。
⚔「ゴホン!あの、おや……ヴァンルージュ殿。少し質問をいいでしょうか。『鉄の者』や近衛兵がたびたび口にする『ヘンリク』や『夜明けの騎士』とは何者なんですか?」
行軍の最中、採掘を行っていた『銀の梟』たちの会話が聞こえてくる機会が何度かあり、『ヘンリク』と『夜明けの騎士』は特に何度も聞いた名前だ。
リリアはシルバーの質問にあっさりと答えてくれた。
曰く、『ヘンリク』は『銀の梟』の首領の人間で、強欲で下品で樽のように大きな図体の人物、とのことだ。
『夜明けの騎士』は『銀の梟』の警備隊隊長で、リリアでも一目置くほどの実力者なのだそうだ。ついでに「噂じゃとんでもない美形らしい」との情報も付け足してくれた。最も、普段は鉄の面をしているそうで、リリアはその素顔を見たことはないそうだが。
🦇「まぁ、俺はヤツとやり合ったことはないがな。ヤツは普段東の砦を守っててめったに渓谷の西には現れない。1度お相手願いたいと思っているんだが」
🧨「東の砦……っつーことは、書状を砦に届けにいくときにソイツと戦闘になる可能性もあンだな」
🦇「そういうことだ。……最初にマレノア様の書状を持って砦に向かったレヴァーンも、ヤツと鉢あったんじゃねぇかって噂されてる」
😺「レヴァーン?そいつはどんなヤツなんだゾ?」
🦇「竜眼公レヴァーン。この国の外交任務の要だった男の名前だ。レヴァーンはマレノア様の目であり、手足であり……夫でもあった」 - 26二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 21:02:07
かっちゃんぐっすり寝るときはちゃんと寝てんの偉い
- 27125/07/03(木) 21:04:49
🦇「行方知れずになった使節団を率いていたのもレヴァーンだった。ヤツは貴族だったし、特使としてこれ以上ない男だったからな。『すぐに戻る』と嫁と卵を残して野ばら城を飛び立ったっきり……本当に、どこをほっつき歩いているんだか」
🥦「……子どもがいるのに父親に頼れないとなると、王女様も心細い思いをしているかもしれないですね」
🦇「フッ。アイツにも殊勝な心があればな」
🐊「……ウッ、ふぐっ……!ウゥッ!うぉおおぉ~~~~ッ!!」
🧨「なんだテメェうっせェな!急に泣きわめくなや!」
🐊「これが涙せずにいられるかッ!残された卵様と姫様とリリア様のお気持ちを考えたら……!あんまりですッ!あんまりすぎます!!」
この夢に尋常でなく感情移入しているセベクは、リリアの話を聞いて激しく涙を流した。
🦇「こんな時代だ。よくあることだろ。そのうちひょっこり帰ってくるかもしれねぇし……。だからそれまで、俺は命に替えても姫と卵を守らなきゃならねぇ。約束したからな……あいつと」
口では悪く言うものの、リリアが主を想う気持ちは本物で、「守らなきゃ」と呟くリリアの目には鋭く強い光が宿っていた。
⚔「親父殿……」
🦇「おい、だからそのオヤジってのをやめろ。俺はまだ300歳になったばかりだぞ。……長話が過ぎた。お前たちを見てると、昔を思い出していけねぇな。俺はもう寝る。お前らもさっさと寝ろ」
リリアはぶっきらぼうに言い捨てて立ち上がると、自分の寝床がある天幕へと引っ込んでしまった。
🐊「ウッ、ウッ……グスッ……」
⚔「そろそろ泣きやめ、セベク。悲しいのはわかるが……目が腫れて明日に響くぞ」
🐊「これは悲しみの涙ではない!怒りだ!!人間さえ、『銀の梟』さえいなければ、若様のお父上は……!」
セベクは昨晩の野営地でマレウスの両親について「お隠れになった」という言葉を使った。レヴァーンはこの先も戻ってこなかったのだ。
🐊「僕たちの知っている若様に、ご両親はいない。今“ここ”ではご存命である、マレノア様もだ!!なにゆえ若様はご両親を失わねばならなかったのだ!答えろシルバー!」
⚔「はぁ……俺に当たるな」
🐊「僕はもう、傍観しているだけなど耐えられない。若様のためにも、リリア様と共に命を賭してマレノア様をお守りしなくては!」
*口を挟むのは dice1d3=3 (3)
1.出久
2.爆豪
3.シルバー
- 28125/07/03(木) 21:19:20
⚔「セベク。何度も言うが、これは夢だ。ここで何かを成してもそれは幻で、現実は変わらない」
🐊「ならば……現実に戻らなければよいのではないか?」
マレウスに寄り添おうとする気持ちが強すぎるあまり、セベクは危険な結論を打ち出した。
🥦「セベクくん、何を言ってるんだ!」
🧨「寝言は寝てシね、戯言垂れ流してんじゃねーよクソが」
😺「そうなんだゾ!オレ様たち、夢から覚めるためにココに来たんだゾ!」
🐊「現実に戻らなければ、これから夢の中でお生まれになる若様は、お母上と共に暮らせる。夢の中なら、シルバー、お前もリリア様と共に生きていけるのだ。これ以上があるか!?」
⚔「それはっ……、いや、しかし!」
この夢があまりにも生々しい戦争の気配に満ちているから忘れかかっていたが、ここはマレウスが見せている甘い夢の中。夢を見る者が望めばどんな願いも叶う、幸福な誘惑に満ちた世界だ。セベクの言葉が、父を喪う悲しみに耐えているシルバーの心を揺さぶる。
😺「ふなっ!?黒いぐじゅぐじゅしたヤツが湧き出てきたんだゾ!」
🥦「これは『闇』……!?どうして急に……!」
⚔「……セベクの感情を嗅ぎつけて、より深い眠りに落とそうと現れたか!セベク、武器をとれ!『闇』に取り込まれるな!」
どこからともなく現れた不定形の『闇』は、セベクの周りに集っていく。
🐊「このまま夢の中にいれば……若様は……!」
『闇』は流れる水のようにあっというまにセベクを取り囲み、取り込んでしまった。
⚔「今ならまだ引き戻せる!さんにんとも、力を貸してくれ!」
🥦「もちろんだ!」
🧨「言われンでも!」
😺「ったく、世話がかかるヤツなんだゾ~!」
*霊素ダメージロール
出久(11) dice1d5=3 (3)
爆豪(7) dice1d5=2 (2)
グリム(8) dice1d5=4 (4)
シルバー(4) dice1d5=1 (1)
セベク(15) dice1d5=2 (2)
- 29125/07/03(木) 21:32:24
🧨「チッ!!次から次へと湧いてきてうざってェな!!」
『闇』は際限なく湧き続け、勝己がいくら爆破で追い払っても尽きる気配がない。
魔法と違って魔力残量やブロット許容量という制限こそないものの、勝己の『爆破』はあくまでの身体機能の一つであって、限界が存在する。掌の汗腺から分泌するニトロのような汗を由来としている以上、勝己の体内の水分が尽きればそこで打ち止めだ。
🥦「『闇』が相手だと僕は戦力になれない!後ろから戦況全体を見てる!」
『闇』はドロドロとした不定形の物質で、下手に物理攻撃をしかけるとかえって纏わりつかれてしまう。事前と出久は一歩下がって指揮を執る役割を担うことになった。
🥦「っ、シルバーくん!君の服の中、何かが光ってる!」
⚔「この光は……親父殿にもらった指輪?」
シルバーの服から零れたのは、セベクの夢でマレウスから逃れる際に見たものと同じ、オーロラ色の光だった。シルバーは首元のチェーンを手繰り寄せると、金色の地金の指輪を取り出した。指輪には曇りひとつないオーロラ色の宝石がついており、眩い光はそこからあふれ出している。
『闇』はオーロラ色の光を嫌うような動きで避けた。
⚔「指輪の光に触れている部分から、力がみなぎってくる。なんなんだ、この指輪は……?」
😺「なんだっていい!早くアイツらを追っ払うんだゾ!」
⚔「ああ!――光よ、『闇』を追い払え!」
シルバーが呪文を唱えると、オーロラ色の光がセベクの方に向かって伸びていった。セベクを取り込んでいた『闇』は、蜘蛛の子が散るような動きでセベクから離れていった。
*最初に口を出すのは diec1d3=
1.出久
2.爆豪
3.シルバー - 30125/07/03(木) 21:34:10
- 31125/07/03(木) 21:47:56
⚔「セベク!無事か!?」
🐊「うう……僕は……?闇に取り込まれていたのか……」
⚔「セベク。確かにお前の言う通り、このまま夢の中にいれば辛い想いをせずに済むだろう。でも……それでも。俺たちはこの夢から脱出しなくてはいけないんだ」
⚔「眠らされている学友たちの未来はどうなる。お前の帰りを待つ家族はどうなる!そして何より……たったひとり、孤独に夢の世界を紡ぎ続けるマレウス様はどうなる!!」
🐊「…………!」
普段はもの静かなシルバーが強い声で諭すのを聞いて、セベクは目を丸くした。
🐊「だが、リリア様はこの眠りから覚めれば……」
🥦「だからこそ、マレウス先輩を止めなくちゃ。大事な人が間違ったことをしていると知ったら、リリア先輩は苦しむはずだ。……これは受け売りだけど、死ぬ間際にどんな表情だったが大事だって、僕の師匠は言ってた。きっとマレウス先輩がこんなことをしているって知ったら、リリア先輩は悲しむと思う」
出久は『OFA』の継承者が集う精神世界で、孫である弔の凶行に胸を痛めていた七代目の姿を思い出した。彼女は『OFA』の継承者として、最愛の息子の子であるはずの弔を「ころす覚悟はあるか」とまで出久に聞いてきた。そうまでして彼を止めたかったのだ。
大切な人が多くの人を踏み躙っているという事実はそれほどまでに耐え難く、人の心を苦しませる。きっとリリアも同じだ。
⚔「ミドリヤの言う通りだ。親父殿なら絶対に、今のマレウス様を諫めるだろう」
🐊「それは……きっと、そうだろうな」
出久とシルバーに諫められ、セベクは俯いた。 - 32二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 22:09:38
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- 33125/07/03(木) 22:10:50
🧨「大体よォ、早く止めさせねぇと魔法災害とやらを引き起こした糸車の立場も危ねェんじゃねーの?のんびり夢なんか見てる暇なんかねェだろ」
🐊「なっ……!!」
🧨「テメェが盲信しとるヤツを、他の奴も全員盲信してるわけじゃねェ。いくら糸車が茨の谷の王族だっつっても、あの学園にゃライオン野郎みてェな別の国の王族もいるし、生デニムみてェな世界的に支持を集めとる芸能人もおる。下手すりゃ国際問題だ。いくら緘口令敷かれたって、情報発信できるヤツがいくらでもいる現代じゃ情報統制にも限界がある。世界中からヘイト買うのは避けらンねェぞ」
🐊「……それはッ」
🧨「糸車がどんだけ強い魔法士なんだか知らねェが、完璧なヤツなんかいねーよ。イエスマンで周りを固めた指導者ってのは腐っていくもんだ。腹ァくくれ。もしテメェの王が完璧だって言い張ンなら、テメェが信じてんのは糸車じゃなくて、自分の妄想が作り上げた偶像だ」
⚔「セベク。臣下の役目は、ただ王を肯定し従うことだけではない。ときには諫めることも大切だ。お前も同じことを親父殿に教わったはず。違うか?」
🐊「……お前たちの言う通りだ、バクゴー、シルバー」
セベクは俯いていた顔を上げると、涙を手の甲で拭って立ち上がった。
🐊「僕はずっと迷っていた。若様に逆らってしまったことを。怒りと悲しみを込めて僕を睨んだ若様の瞳が……目に焼き付いて離れない。まだ、迷いはある」
🐊「だが……僕は……僕の夢は!願いは!若様にとって誰より良き臣下となること!!この夢は、夢の中では叶えられない。僕が命をかけてお仕えしたいのも、尊敬しているのも、現実の若様ただおひとり」
🐊「ご両親がいらっしゃらない孤独に耐え、リリア様とともに歩み……ガーゴイルがお好きで、廃墟がお好きで、氷菓がお好きで……茨の谷の次期当主でありながらッ……民草とともに制服に身を包みっ、ナイトレイブンカレッジに通っていらっしゃる……現実の若様ッ、ただ、おひとりなのだ……!!」
涙声で、それでもセベクは力強く宣言した。
🐊「だからもう、夢に耽ることはしないッ!必ず現実の若様のもとへ馳せ参じてみせる!!僕はもう二度と迷わないぞッ……わかったか、シルバー!」
⚔「……ふ、お前らしいな。その言葉、違えるなよ」
🐊「ふんっ!お前に言われずともッ!……グス」 - 34125/07/03(木) 22:28:52
😺「やれやれ、セベクのヤツ、ようやく大声出す元気が出てきたみてーだな」
🥦「よかった。セベクくん、思い直してくれたみたいだね」
🧨「ったくよォ、とんでもねェクソ理論出してきやがって」
🐊「情けないところを見せたな。魔獣……いや、グリム。それからミドリヤとバクゴーも。迷惑をかけて、すまなかった」
*好感度変動
出久→セベク(現在値4) +dice1d20=20 (20)
セベク→出久(現在値41) +dice1d20=13 (13)
爆豪→セベク(現在値10) +dice1d20=13 (13)
セベク→爆豪(現在値15) +dice1d20=2 (2)
😺「ふなっ?オメーが謝るなんて、空から槍でも降ってきそうなんだゾ」
🥦「あれっ?名前の呼び方……」
🐊「でっ……では、僕はもう休む!お前たちも早く寝ろ!」
セベクは早朝の鶏のような声量で「おやすみ!!!」と言い放つと、こころなしか赤くなった顔を背けて天幕に戻っていった。
🧨「てめ……俺ンときは無反応だったクセに……」ボソッ
😺「夜中にデケー声だすんじゃねーんだゾ!おやすみ!」
⚔「……あいつなりの照れ隠しと感謝だろう。誤解されやすいが、本当は状に厚い男だ。これからも仲良くしてやってほしい」
🧨「俺とコイツはもうすぐ元の世界に帰るから無理」
⚔「そ、そうか……無茶なことを言ってすまない」
🥦「かっちゃん!……別れがいつ来るか分からないけど、それまでは親交を深めたいって思うよ。もちろん、君ともだ」
⚔「ミドリヤ……ありがとう」
🧨(コイツの真に受けがちなクソボンヤリ花畑なとこ、なんか轟を思い出すな……)
😺「ふぁ~あ……いっぱい歩いて、戦って、もうクタクタだぁ~」
🥦「そうだね、明日に備えてもう寝ようか」
🧨「夢の中なのに眠って疲れをとるってのも意味不明だけどな」
グリムが大きな欠伸をしたので、出久たちもオンボロ寮の3人で宛がわれた天幕に戻ることにした。
- 35二次元好きの匿名さん25/07/03(木) 22:36:18
このレスは削除されています
- 36125/07/03(木) 22:57:01
⚔「……ミドリヤ、寝る前に少しだけいいか?」
🥦「うん、もちろんだよ」
天幕に戻ろうとしたところで、出久だけシルバーに呼び止められた。シルバーは少し硬い表情で佇んでいる。
⚔「…………」
🥦「どうかしたの?」
⚔「俺も、セベクの心に一瞬だけ心が揺らいでしまった。このまま夢の中にいれば、親父殿もマレウス様も……と」
シルバーは罪を告白するようか、重苦しい声色で言葉を絞り出した。その表情には陰がかかっている。
🥦「……幸せな夢に心が揺らがない人はいないよ。僕、実は前にも一度こういう現象に巻き込まれたことがあるけど……他の人に叱られるまでは夢に溺れてた」
ダークマイトの要塞で眠らされたとき、一瞬だが出久も幸福な夢に浸っていた。ただオールマイトという偉大なヒーローを無垢に信じるばかりでいられた、オールマイトの抱える苦悩もヒーローが背負う責務の重さも重圧も何も知らないままでいられた、無責任で幼稚な夢に。
出久が目を覚ますことができたのは、『OFA』の初代が導いてくれたからにすぎない。
⚔「もし俺が夢に縋り、『闇』に飲み込まれそうになったら……ミドリヤ。どうか俺を止めてほしい」
🥦「……わかった、約束する」
⚔「……ありがとう」
出久が返事をすると、シルバーは詰めていた息を吐いて表情を緩めた。
⚔「晴れた日の夜は良く冷える。暖かくして寝るといい。おやすみ」
🥦「おやすみ、シルバーくん」
シルバーと手を振って別れ、出久は天幕に戻った。
*かっちゃん dice1d2=1 (1)
1.もう寝ている
2.まだ起きている
- 37125/07/03(木) 23:02:18
- 38二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 06:22:37
かっちゃん流石に寝てるか
優しい夢はね、逃げにくいもんだよ…… - 39二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 11:24:37
ほしゅ