- 1ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/04(金) 21:46:35
襲来した異星人!
侵略されるエネルギー資源!
存亡の危機に晒されてなお人類は……
未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!
【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(各種ページへのリンクあり)】
ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界あらすじ(とりあえずこれだけ読んでくれたなら最低限大丈夫な筈の簡潔にまとめた世界観)その1:どういう世界なの?
特殊なエネルギー鉱石「コア鉱石」を動力源とする人型歩行兵器「バディフレーム(通称:BF)」が兵器として一般化した高度な機械文明が築かれている、地球に酷似した惑星が舞台だよ!
元々は人類同士で細かい諍いとかはありつつもそれなりに穏やかな世界だったんだけど、本編から20年くらい前に惑星外性生物「インベイド」が隕石に乗って地表に飛来、どうやら上述のエネルギー塊「コア鉱石」がインベイドにとっては食糧として美味しくてたまらないらしくて、人類に敵対行動を取り始めたんだ!
必死に抵抗したんだけど、現在では地表のおよそ3~4割程が完全にインベイドがうようよ闊歩している危険地帯になっちゃって、そこから時々インベイドが攻め寄せて来る油断できない状況なんだよ……。
その2:で、今どうなってるの?
インベイドとの緒戦により人命を多く失いながらも、結果として「クロノス・インダストリー(通称:K.I社)」が世界を主導、地表や地下に「コロニー」と呼ばれるいくつかの居住拠点を制定してそこを中心にインベイドに対抗する様になったんだ!…00m.in次スレは>>190の方が
- 2二次元好きの匿名さん25/07/04(金) 21:46:47
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- 3ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/04(金) 21:48:10
前スレはこちら
【R-18】ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界【part31】|あにまん掲示板襲来した異星人!侵略されるエネルギー資源!存亡の危機に晒されてなお人類は……未だ一つになり切れず、壮大な内ゲバを繰り広げ続けていた!!【出来れば読んでいただきたい世界観および初期設定集(テレグラフ)(…bbs.animanch.com【禁止事項】
・無敵ムーブ(戦闘でダメージを受けない、回避し続ける、など)
・必要性の認められない確定ロール
・相手PLが嫌がっていることを強要する行為(特にR-18関連はデリケートなところなので扱いには気を付けて、事前相談忘れずに)
【世界観やパワーバランスを保つ上での禁止事項】
・版権設定の利用
・「地形を変えられる火力」を個人で設定し所有すること
・3勢力(K.I社、人自連、デスペラード)+インベイドよりも立場や規模が大きい勢力を設定すること
・なんでも高い水準で出来るキャラ、なんでも高い水準で出来る機体禁止(他の人の活躍機会を奪いかねないため)
・メタネタ禁止(「この世界は作り物だ~」や背後さんへの言及をキャラの目線で発言させるなど)
- 4ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/04(金) 21:49:45
【テレグラフ(設定やキャラシート、R-18な文章を書いたりにどうぞ)(※URLのhとttpsの間のスペースを消して検索してください)】
h ttps://x.gd/Z5SAZ
【URL短縮用サイト(テレグラフのデフォルトURLだとあにまんのNGワードに引っ掛かってしまうのでこちらでURL短縮してから投稿してください)】
- 5ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/04(金) 21:51:09
《スイです。保守作業を開始します》
《私が茶々を入れては色々と台無しなので、ずっと黙っていました》 - 6ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/04(金) 21:53:57
《……くそぼけですが、ええ。龍影さんもいらっしゃれば。台様も抱えることは可能でしょう》
《私はああいう場面では蒼風改など、BFの中に退避しています》
《出歯亀は馬に蹴られてなんとやらといいますので》 - 7ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/04(金) 21:58:04
《このご時世です。男はいくらでも強く、抱えられる人数は多ければ多いほど良いもの、というのが理想的……というのがクロノスの価値観であり》
《そこからある程度は自由であるのが人自連ですが》
《そういう生き方をしたいと思うのならば、して良いし、させても良いと私はある程度捉えています》 - 8ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/04(金) 22:00:31
《……ケイは、ああいう人です》
《他人に畏れられるならばともかく、嫌われるのも。あるいは好いた人同士が物別れになってしまうのもでしたので》
《だからいっそと覚悟を決めて投網をしようとしたら、まさかはじめから狙われていたというのも……ケイらしい》 - 9ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/04(金) 22:03:51
《どこまでも、どこまでも……自分が傷つくならばともかくという他人優先というのも》
《男らしく、男らしくないといえますね》
《まったく。ケイから陽中の陰を引き出させた龍影さんには、一生分の責任を取らせなければ》 - 10ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/04(金) 22:06:37
《これは私が情報を収集したなりの予測ですが》
《ケイにとってのヒーローは、龍影さんだと思われますので》
《ヒーローにしてヒロインとは。渋滞すぎて……三人組で丁度いいというものですね》
《以上、保守を終了いたします》 - 11リンゼイ◆Fd5AlHEdkk25/07/05(土) 12:54:05
前スレ198
【心地よい気怠さに蕩けはじめた自分とは裏腹に、未だ冴え冴えとしている空色の瞳がこちらを見ている】
【寝転ぼうとしたところでかけられた批評の内容は、パッと眠気を散らして上体を起こさせるほどの衝撃があった】
「まあ、プロの方に褒められるなんて!嬉しいわ。……本格的に鍛えてみようかしら」
【喜色満面。これはもう太鼓判を押されたと思っていいだろう。きゃあきゃあと華やぐオーラを背負いながら、スマホ片手に湧き出たアイデアをメモしていく】
【教室に通うか、動きのデータを組み上げてそれ用のロボットを作るか】
【どっちがいいかなと考えつつ、ある程度書き上げると、おやすみなさいと一言断って、枕に頭を沈みこませた】
【すぐにスー、スー……と静かな寝息を立てはじめたあたり、今日は相当はしゃいだようだ】 - 12ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/05(土) 13:18:34
前スレ196
一切、承知しました
【気の揺らぎが消えて全くの静に包まれた部屋で、メビは扉に声を投げ掛けた】
【まるで、深海で水を相手にするようであった……】 - 13サンフラワー◆fDey8JUvvk25/07/05(土) 13:47:24
- 14ミハエル◆j28rRKKOSY25/07/05(土) 15:58:25
【水を掬うように揃えられた愛機の掌から昇り始めた朝日を眺める、野外での寝泊まりの際のルーティーンだ】
「おはようウィルヘルミナ、今日もよろしくな!」
【明かりの灯っていないメインカメラをこちらに向ける相棒に声を掛けると傍らに置いた袋から乾パンをつまみ少し早い朝食、或いはまだ夜食と呼べるかもしれない食事を始める】 - 15エリナ◆5Q4kt6Q.kc25/07/05(土) 21:12:51
- 16サンフラワー◆fDey8JUvvk25/07/06(日) 00:08:23
「……あら?恐れ入ります。では、先着。」
【煩悩もそこそこに1度目を閉じ、開いて、肯定する】
【距離感を確かめながら慎重に布団の上をロールし、エリナの側にその躰を預けた】
「ふふ、綺麗なお顔。でも、案外可愛い系ですね」
【回転数の都合、向かいあうカタチになりながら奥面なく笑う】
「確かに添い寝には相応しい。ああ、何が確かに、なのかと言いますと愛嬌があったほうが安心できるということで」
【そういうサンフラワーの顔色は変わらず、少し冷えた……具体的には35度くらいの体温が伝わるかもしれない。仕様である】
「とは言え、私は寝つきが良い方ですから、貴方も慮りますとも。」
【だから】
「良い夜を、エリナ」
【寝かしつけるように囁く。少しだけ年上面した】
- 17ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/06(日) 19:41:21
【空は蒼く澄み、地は青く潤む】
【そしてここ、華が人を象る修練場には、名も無き存在から発せられる幾重もの氣に満ちていた】
…………
「師父、大丈夫っスか?」
…………あぁ、少し考え事をしていた…………
「これから俺とガチンコだってのに、随分と余裕有るんスね?」
一も人が悪いな?
俺から出てる氣を見て、何処にそんなのが有るって?
考え事ってのも、どうやってお前の鼻を明かそうかについてだったしな
(目が明らか俺よりも向こうに行っていたのによく言うっスよ……)
【金龍は棒立ちからニヤリと笑い、一はそんな彼の本心を見透かし、互いに舞台の中央へ歩む】
ルールは一本、戦闘不能と判定されるまでなら追撃あり、だったな?
「そうっス。確認が取れたのなら、手慣らしに手合わせを始めるっスよ」
応よ - 18二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 19:55:53
このレスは削除されています
- 19ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/06(日) 20:40:26
【言葉はこれ以上不要だと、2人は拳が身体を貫ける間合いに立つ】
それではワタクシ、六が場を取ります
双方、よろしいか?
【彼女が横に立つと、氣が一段とうねる】
【俗に言えば、臨戦態勢に入っていた】
では、始め
【彼女の右手が振り下ろされたと同時、劇的に、静かに動き出す】
【ゆらりゆらりと、金龍の拳が一の掌に受け止められ、そこから一が突き返しては金龍に止め返される】
【武闘より演舞、この様を表すのに適していた言葉であった】
スゥゥゥ……「コォォォ……」 - 20ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/06(日) 21:04:07
【10、20、幾手と繰り返されれば、徐々に掛け合いは速くなる】
【フゥ…….ポス…………ヒュウ……パン……】
【4つの腕(かいな)が、ただひたすらに軌道上の空間へ氣を送り続ける】
……破ァッ!「……疾ィッ!」
【ビュンッ! ゴンッ! ブオンッ! ガンッ!】
【そしてやがて、溜め込まれた氣が激しい風を編み出す!】
・・
(これで中盤、何度見ても無駄が無い……純粋に美しい光景だ……) - 21ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/06(日) 22:34:12
【ゴッパァン!!!】
【時間にして10秒後、空気が弾ける】
【それを合図に、先までの轟音と勢いが嘘であったかのように、2人の拳は静まり返ってぴたりとも動かなくなる】
(長かった時を経た今が終盤……自分が瞬きしている間、自分が呼吸をしている間、その刹那にも、彼らの内では既に100以上の手が重ねられている……最早動かないからこそ動く極点……)
【事実、目の前で構えたままの2人と実力が近しい彼女には、その脳内でしか開かれていないはずの技の軌跡が視えていた】
…………「…………」
(右で鉤突き、沿うように裏拳、屈んで突き上げ、背転からの蹴り……)
……「……」
(場面が変わった。今度は左で手刀、逸らして貫手、回避後に膝蹴り、中に飛んでの投げ…….)
【傍目で応酬を視ているだけの六も、随所で散りばめられたフェイントに反射してしまうほどの氣当て】
【普段の金龍なら、一との応酬を5分は続けていたのだろう。だが、彼は普段と違っていた】 - 22ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/06(日) 22:35:55
(肝臓!)フゥッ!
【金龍は、気付けば左正拳を放っていた。普段なら耐えられたフェイントに対し、被撃予定箇所を庇って反撃しようと……】
「だから大丈夫かって聞いたんスよ……好朋友……」
【ゴッ】
【キリにも見紛える拳を金龍の顔面へ向けて折り曲げ、一は体重を掛けて、彼の肘と肩を押して勢いを少しばかり上乗せした……】
【結果、彼は目の前が真っ黒になり、意識がぷつりと途切れた】
「……一本、勝負あり」
【線香花火が前触れも無く落ちた時と同じく、呆気ない終わりであった】 - 23サンフラワー◆fDey8JUvvk25/07/06(日) 22:40:15
【穏やかな時間、未来への語らい】
【精鋭たちによるそんな『非日常』は微睡みの中に溶けていきました】
【──そしてまた『日常』が。終わりはあり、そして先の見えない戦いが始まるのです】
【どうか長生きしましょうね】
【私たちは、カードを配られた者なのですから】
【メタ:駆け足ですがクロノス女子会は一先ず〆といたします】
【翌朝ビュッフェ食べてそれぞれのお迎えに依って解散した想定です】 - 24シンカイ◆9BZ6kXGcio25/07/07(月) 10:32:50
前スレ185
「い、いえ!中隊長の顔には何も!」
女々しい言い訳だがあそこまで美形であるとこうもなろう。だが宣言しておく。決して男色では無い。
『君の所感について。』
と言われても直接戦闘をした訳じゃない自分に取ってどう伝えたものか。そう思い、思考をめぐらすと、バレアレス少尉と戦った個体を思い出す。
「はい、特異中型種...識別種名『影法師』との戦闘は、バレアレス少尉1機、エクリプス含むスレイガン複数機による分散戦闘でした。」
中隊長はその硝子宝細工のように深淵まで覗くことを赦さぬ瞳でコチラを見る。ほんの少しだけ瞼を動かして目を細めたその顔は獲物を見つけた猛禽類の様だ。
「バレアレス少尉と戦闘した個体、ソイツはよく喋ったそうです。」
知性のようなものよりはオウム等が行う『声の反芻』であることを付け加えて。 - 25斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/07(月) 11:13:39
- 26シンカイ◆9BZ6kXGcio25/07/07(月) 11:27:10
- 27レイナード◆PPyRfvMZl625/07/07(月) 13:38:11
(※待ち人あり)
【クロノス・インダストリー領、A-1コロニー、クロノスの統治体制を確固たるものとする基幹、“完璧”を標榜する対インベイド防壁に囲われた絶対堅守の都市】
【そんなコロニー内での食事と言えば、全天候型のオートファーミング施設による安定した環境で飼育された食肉用家畜や養殖された魚介類、……それらは基本的に、市民にとっては“贅沢品”として外食施設で月に一度か二度の頻度で食べられるものであり】
【社員としての役職や階級が上がる程により贅沢というものも出来る様にはなるが、原則は、人間の健康的な生活に欠かすことの出来ない栄養素を過不足なく補える、それらの遺伝子情報から栄養価や味、食感などを再現された培養合成食料が中心となる】
【社ビルの食堂で提供される平時の食品も、当然そういったものになる、昼時には貴重な休息を求めて人混みでごった返し、厨房に注文を伝達する電子モニターの前には社員が列を成す】
【完璧に空調の効いた施設内とは言え、人口密度は熱気を生む、額に浮かぶ汗をハンカチで拭い、ようやく回って来た順番に手早く入力を済ませてから、レイナード・ハルトは手近な空席に安息を求めた】
【幾何学的で美しい直方体の成型肉がこんがりと焼かれたステーキが200gに、屋内農場産野菜のサラダ、ジャガイモと豆乳の冷製スープと主食には堅パンが一つ、そしてその横に、献立に不足した栄養素を一括で補える複合栄養ドリンクとタブレット食が置かれている】
【その並びは見慣れてしまえばなんということも無い完璧なバランスで成り立っていた】
「……」
【几帳面に両手を合わせ、まずはメインよりも先に冷たいスープを匙で掬った、食事の順番は、必ず水分で舌と喉を十全に潤してからと決めている、ルーティンを変えれば調子が狂うのだ】
【冷たさが喉を通い、胃へと落ちて往く感覚を確かめながら、次いでメインとなる成型肉にフォークとナイフを刺し込む、容易く切れた】
【科学的でわざとらしい脂の旨味、天然肉と比べるとあまりに軟弱な歯応え、それだって慣れれば舌には馴染む】 - 28二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 15:29:20
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- 29斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/07(月) 16:03:15
- 30ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/07(月) 16:31:21
なぁメビ、どうして俺の時だけデータは手渡しになるんだ?
【同時刻、クロノス本社】
【顔の傷が跡も残らずに癒えていた金龍は、自分の手でも事務作業をするようになってから何度目になるか分からない愚痴混じりの問いを、己の斜め後ろに付いて行くメビに投げ掛ける】
『私達の技術は比較して強力な物が多く、活躍は重要性が高く、万が一にも漏洩する事が無いようにするためです』
だったら、子供の出産時期が近付いているのをあちらさんも知っているんだよな?
『対人自連強硬派以外にも、金龍様の従順ぶりを示すためには致し方ないと』
これも、今までの報いの1つだって?
『……そうです』
……分かったよ
【十字路に差し掛かると、何度目になるか分からない受け応えも終わる】
(ん? あの人は……)
【そして、金龍は何気にふと横を見ると、とある者の姿が目に入る】
【活気立つ食堂の中でも、機械のように精巧な動きで一際目立つ者の姿が】
レイナード・ハルト少佐……で合ってますね?
食べている最中に失礼しますが、少し相席しても?
- 31レイナード◆PPyRfvMZl625/07/07(月) 17:35:20
────────────カツッ、コロン……
【セラミックプレートを叩くフォークの音、突き刺し損ねた小ぶりなトマトが皿を転がる光景は、なんだか間の抜けたものだった】
【忌々しくも聞き覚えのある声、眉間にじわりと皺を寄せ、公務員はざらついた怪訝な視線を頭上に向けた】
「……勞大佐、A-1に出向いているとは。
俺に何か入用でしょうか、生憎と、今は食事中につき……叶うならば、手短に願いたいのですが」
【公共の場、理性で抑されてなお嫌悪を隠し切れぬ棘立った声色は、きっと、金龍も想像していた通りのものになるだろう】
・・・・・
【組織の歯車たる軍人、凍てつきそうな双眼に、己の意思に率直なまま生きる年下の上官の姿が映り込む】
【その心意を探る様に】
- 32シンカイ◆9BZ6kXGcio25/07/07(月) 17:59:00
- 33ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/07(月) 19:49:30
- 34レイナード◆PPyRfvMZl625/07/07(月) 21:14:23
【この状況で食事を続けられる程の無神経ではない、それに、冷めて滞った空気に、火の通った筈のステーキさえも硬く冷えて感じられて】
【小さく息を吐き、タブレット食を口に放り込むと栄養ドリンクで飲み下す、目の前の席に着座する一回り二回り若い青年の姿を、怜悧な瞳は捉えて決して離さなかった】
「勞大佐、貴方はまだ勘違いをしている様だ。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・
貴方個人で何かを成すことなど出来ない、貴方個人が何かを成すのでは無い」
【────────────それは、率直な言葉選びだった、彼にレイナードと話すことを薦めた何処かの女性大佐の様に、柔らかなオブラートに包んだものではない、丁寧に手入れが施された鏡面の如き刃物、そんな口ぶりだ】
【誤魔化すことも、優しく接してやることも、この場に於いては何の為にもなりはしない、故に、本来上官に向けるべきではないそうして鋭利さを、敢えて突き付ける】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「いち兵士は戦場の英雄にはなれるかもしれないが、戦争を終わらせる英雄には決してなり得ない。
人間が一人で出来ることなどたかが知れています、より多くの物を、より多くの人間を、確実に守る為に必要なのは個人の力ではない、より巨大で安定した“総体としての力”であり、それらを滞りなく行き渡らせる洗練されたシステムだ。
誰かがいない時に他の誰かが補う、貴方がいない時には貴方以外の誰かが補っている、それが組織というものであり、クロノス・インダストリーという巨大企業統治態勢の基本理念です」
- 35ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/07(月) 21:42:52
- 36レイナード◆PPyRfvMZl625/07/07(月) 23:13:34
「貴方の心掛けなど関係は無い、形は違えど、最終的な平和を願って戦っているのはこの組織に於いては大前提に過ぎません。
頼ろうが頼るまいが、組織とはそうして成り立っていると言っているのです」
・・・・・・・・・・・・ ・・・・・・・・・・・・
【金龍が誰かに頼る間も無く、極東半島奪還作戦は成立した、金龍が何かに頼る間も無く、旧西方列強領では防衛の為戦線の維持と再編とが常に流動的に行われている】
・・・・・・・・・・
【そして金龍が戦うまでも無く、この世界の何処かで人は生まれ、人は守られている】
・・・・・・・・・・・・・
【そして────────────金龍が動いてしまったせいで、命を落とした人々がいるのもまた、どうしようもない事実であるのだ】
「貴方は自分がどれだけちっぽけな存在であるかを自覚するべきだ、貴方や俺如きが思いつく程度のことなど、他の誰かがとっくに考えついている。
そしてだからこそ、貴方個人の選択で総体としてのクロノスの力が揺るがされる様なことが、万に一つもあってはならない。
・・・・・・・・・・・・・・・
安易な行動は慎んでいただきたい……以上です」
【眉間の皺を、レイナードは指先を宛がいゆっくりと解した、或いはそれは、頭痛を誤魔化す為の行為であるやもしれない】
「階級差にあるまじき言動、失礼いたしました、処分を求めるならば上申するがよろしいでしょう、粛々と受け止めさせていただきます」
- 37龍影◆9BZ6kXGcio25/07/07(月) 23:15:55
前スレ190
パチリと目が覚める。腕に抱いていたはずのケイがいない。身体を起こして周囲を見る。丁度ケイが着替えているところだった。あんなに抱いたというのに義体のようなタフさだ。そんな彼であるが、背中や首筋には私と台で付けた生傷がある。愛しいものだ。
「おはよ、早いのね。」
音もなくケイの背中から腕を回して顎を肩に乗せてすり寄る。
「昨日の続きは…いや、今は聞きたいことが別にあるんだった。ケイはBFのレスポンスに不満を持ったことはある?」
まず粗悪品でもなければ出てこない意見を求めた。 - 38ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/08(火) 01:04:20
俺が……そんなチンケな事を気にするタマな訳ないじゃないですか……
【椅子から前屈みになり、酷く穏やかな声で返す】
【己の所業だけでなく、心の臓に深く撃ち込まれた杭に、レイナードの未だ固さが残る表情に、目を背けないように】
とにかく……今日はここまでにします
折角の憩いの時間を、これ以上俺との談義に割いてもらう訳にもいかないですしね
【そう言って、飛行場へ向かおうと膝を伸ばして立ち上がる】
【込めた力には、怒哀は無かった】
最後に1つ、ありがとうございました……
- 39斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/08(火) 08:06:52
- 40二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 08:20:46
このレスは削除されています
- 41シンカイ◆9BZ6kXGcio25/07/08(火) 08:22:08
特別、期待。中隊長自ら語るそれは広報や慰安部隊、他部隊からのお世辞ではなく、実力を持った男に認められたという証明である。
シンカイにとってはアルテミス足りうるのかと甚だ疑問であったが、こう言われたのだ。自分の価値が認められ、それを正当に評価された。それは迷いを晴らし、闘志に変えるには充分な言霊であった。
「はい!中隊長、背中は任せてくだい!」
期待された!隊長に!場違いじゃなかった!
必要とされた!他のメンバーでは無く僕が!
ハグを返してから離れ、斑鳩へ敬礼をする。
「シンカイ・イラストリア少尉!僚機としての責務、必ず果たしてみせます!」
シンカイの瞳は、湧き上がる闘志のお陰か、いつも以上に光が入り、キラキラと輝いていた。
- 42ベルリ◆EY2wfgakAQ25/07/08(火) 14:02:22
前スレ197
〔坑道(ドリフト)だ…インベイドのネストがあるってのか?〕
アランの見つけたそれは縦が63mで横38mの楕円形。おそらくその穴の先は傾斜が付いていて、何百m、下手したらkm単位で伸びているネストへの道だった。
〔坑道の入口を見つけた…かなり大きい。インベイドの反応は無いため既にここを使った探査隊が地上を移動している可能性がある。〕
脂汗がベルリの来ている加圧服の背面をじっとりと貼り着くように濡らす。
『…了解した。これ以上は投射級の対空攻撃を受ける可能性がある。2機は帰投しろ。』
〔了解。帰投します。〕 - 43ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/08(火) 19:43:47
「おはよ……なんか起きちゃった」
腕を回され、顎を肩に乗せてくる龍影の髪へケイは優しく左手を伸ばした。生傷はもはや意に介してすらいない。愛された証を疎ましく思うことなどないのだから。
「聞きたいこと?」
静かに首を傾げ、龍影の話を聞くには『BFのレスポンスに不満はないのか?』という意見。
髪に伸ばしていた左手を戻し、右手の指は顎に乗せられて……ふむ、と鼻がなった。
「反応速度に関しては、確かにちょっと不満があるかも。あとは出力……パワーと、関節負荷……ああ、でも一番きついのがあった」
幾つか指を折っていく。不満、というには小さいが。激戦続きではアレが欲しい、これが欲しいと思うものだ。とはいえ。
「耐G機能。あれがないと、たぶん今後が保たないと思う」
ケイとしては、一番の問題は高G緩和についてだったが。
- 44ノイン◆fDey8JUvvk25/07/08(火) 20:31:43
「この子は蒼月より繊細だな」
【極東戦線。今日もBF『スクルド』を駆り近中距離戦でインベイドを殲滅しながらふと口にする】
「バウンドスタビライザー、スラスタを使わないのは画期的だが、その分フレームに負荷が掛かる……通常機の倍近いな」
【空間を叩くような三次元的機動を売りにするそのユニットの特性を体感し、自分なりに分析し、何となく得た結論であった】
「高機動でありながら、それを引き出せば引き出すほど消耗が進む。いやそれはどの機体でも同じだが、スクルドは特に顕著だろう。」
「──本当にそうか?」
【特殊機動モード。本体周辺の粒子散布領域目掛け可動肢の質量移動を実行することでその場に推力を発生させる】
【スクルドの脚が回し蹴りの様に前方へ振り込まれ、推力が生じて機体は空を跳ねる】
・・・・・・・
【振り込んだ姿勢はそのまま、進行方向だけが変わり、重装兵級の光線を透かしながら脚部先端からのビームを撃ち込み返す。爆散。】
【突撃兵級の群れが射撃を終えたスクルドへと迫る】
【くるり。回転しながら次は右手のサーベルを振り込んだ。機体の体幹がブレ、横に滑りながらサーベルを薙ぐ形となる。溶断。】
【サーベルを振る。滑る。切る。サーベルを振る。滑る。切る。サーベルを振る。滑……らない】
「操縦桿を握っているのはこちらだ」
【一つ覚えと、躱される分より深く踏み込んできたインベイドを特殊機動せず正面からけさ切りにする】
「……!」
【突撃兵の後ろから武士級が振動刃を閃き、迫る。対するスクルドは逆袈裟の構え】
【光が2度瞬く。1度はスクルドが逆袈裟の動きで横に滑ったこと。2度目はサーベルを伸ばした回転切りが武士級の上半身と下半身を泣き別れさせたこと。】
【単純にして鮮烈。細く、長く。然して一つの芯を失わぬ螺旋を描くその姿】
【誰かが呟いた】
【あれが、ペペロンチーノか、と。】 - 45ルノアール◆Fd5AlHEdkk25/07/08(火) 21:47:00
pert30 92
夜に溶けるR-18(G)パート⚠️注意事項⚠️
・ベッドシーン(または過激なゴアシーン)が苦手な方は閲覧しないでください!
・本文章はエロ(グロ)を多分に含み、場合によってはキャラ崩壊が起きます。
・行為のシーンは必ずしも閲覧者の望み通りに行かない場合があります。
――――
【引いた熱のかわりに身体へ染み込もうとする射精後の独特な虚脱感を妨げるようにもたれてきた頭を覗き込む】
「……あはぁ……♡らいりょぶ、れぇ〜……す………♡」
【甘い吐息と一緒に崩れた呂律で答えながら、先まで赤く照った指先が、未だ健在な直棒に張りつくゴムを剥がした】
【中に溜まった白濁の煮凝りへ愛おしそうに頬を擦り寄せながらの挑発的な誘いに、つい喉が鳴る】
「えゝ 持ってますよ。……次は、少し激しくしましょうか」
【素早い身のこなしで、デスクの下に閉まった鞄から箱を取り出し、新しいゴムを装着する。今度は箱ごと戻ってきた雄に堪らぬ様子で絡みついてくる女体を抱きとめて、濡れたシーツの上に横たえた】
「次は……ナニ、してくれるんですか……?♡」
「こんなコト、ですよ」
【期待で潤んだ双眸と目を合わせながら、二つの指を可憐な…x.gd夜に溶けるR-18(G)パート⚠️注意事項⚠️
・ベッドシーン(または過激なゴアシーン)が苦手な方は閲覧しないでください!
・本文章はエロ(グロ)を多分に含み、場合によってはキャラ崩壊が起きます。
・行為のシーンは必ずしも閲覧者の望み通りに行かない場合があります。
――――
【中身の詰まったゴムを外し、空のボトルと一緒にゴミ箱へ投げ捨てる】
【そうして次のプレイのために新しい袋を開けていると、不意に膝へ青い髪がかけられた】
「どうされました?」
【猫のようだと思いつつ、こちらを見あげる淫蕩な瞳に尋ねてみるも、彼女はただ静かに微笑むだけ】
【先ほどまで腹の底から喘いでいたとは思えない振る舞いに、シルヴェストルはいささか面食らった】
【くらっときた、とも言う。少なくとも、その衝動に従って頭を撫でてしまうくらいには】
「……ふふっ」
「……」
【不躾な手にも寛容に微笑む女は、やはり血統書付きの猫のような貫禄があった。だが、その眼差しは発情期真っ只中の獣のソレで】
【上等なヴェールの裏から覗くギャップに眩んでいると、いつのまにか身を起こした彼女に、あっさりと唇を奪われた】
「ん……ふぅ……ちゅる……っ」…x.gdーーーーーーーー
ーーー
ーー
【早朝の冷えた空気に甘い熱気を散らされた部屋の中で、目が覚めた】
【心地いい気怠さに包まれた上体を起こして横を見れば、そのままの姿で寝息を立てているミゾレが目に入る】
【静かに髪を捲り、何の跡もない真っ白なうなじを見て小さく安堵のため息をつく。何とか理性の間抜きをかけたまま、ことを終わらせられたらしい】
【いや、しっかり全部を覚えてはいるのだが、記憶違いがあったらと思うと気が気ではなかったのだ】
(……シャワー、浴びますか)
【外から聞こえてくる鳥の鳴き声をBGMにシャワールームへ向かう。脱衣所の籠に入っていた女の抜け殻には気づかないふりをして、寝汗を落とした体を拭き、着替える】
【次に窓から差し込む陽光がシルヴェストルを照らしたときには、昨夜、汗に濡れた前髪を雑に掻き上げた雄はおらず、無法者の肩書きを背負うにはちと足りない、優男が立っていた】
- 46龍影◆9BZ6kXGcio25/07/09(水) 07:28:58
「慣性制御か…濃縮点火式なら重粒子作用で…」
しかしそれでは今使っている蒼風改から転換する事にのなる。
「コックピット周りの慣性制御ってなると桜空の技術復興になるかな…でももしかしたら星間航行可能なシャトルを開発してたところが技術をもってるかもだし、一旦カンナちゃんに話してみる?」
自分の駆る望月も既に同じ仕様の廉月に2回更新している。機体磨耗が早いせいだ。
「機体磨耗の問題は月風時代に考えたこともなかったのに…」
部分的な炭素筋繊維の導入により軽減こそされているが、それでも焼け石に水という状況である今、桜空で運用していた専用フレームの復刻か、完全新規のワンオフ機建造の2択が龍影の頭をよぎる。しかしそれは40名を超える月風乗りの機体を最高の状態に仕上げる為、生産ラインの統一を行っている逆巻に多大な負担を強いる事となる。それだけは回避したい…
- 47賢人会議◆YMCgTirJag25/07/09(水) 08:28:51
UNBFを本格的に配備してから、人自連が対処しているインベイド戦線での兵士損耗率は目に見えて低下した。
〈UNBFの実戦配備はほぼ成功。各企業から追加での配備依頼が着ている。教導はどうなっている?〉
〔はい、現在はゴエティアのデータも使って教導を行っています。それにより、従来機から43%も戦闘技能が向上、キルレシオも中型種5と好成績です。〕
《老人共がしまい込んでたゴエティアにローテーションを組んでもらっての出撃。その際に取れた戦闘ログの共有。UNBF達も格段に質が上がっている。が、だ。性能向上に伴い、先行配備したメイツー型以外の機体で磨耗が激しくなっている。派遣機体はメイツー型への順次更新を具申する。》
【同意。ゴエティア機の随伴にはメイツー型を使うべきだ。出撃の度に機体交換は金がかかりすぎてしまう。】
[肯定。ゴエティアの随伴はメイツー型に更新すべきである。]
『流刑大陸戦線の侵攻圧を鑑みてメイツー型の追加配備に賛成する。』
〔賛成。兵の損耗は少なくあるべきです。〕
{異議なし。メイツー型の増産に賛成。}
〈賛成が過半数を超えた為可決。メイツー型を追加増産。可決内容は逆巻氏へ転送。以上だ。〉
無人機の歯車はまた新しい物へとかわり、より強固なものとなる。
それは民の盾となり、兵の槍となる。 - 48カロ◆XGxCas/OAU25/07/09(水) 09:23:20
〜数日前〜
【人の多くいる場所から外れた所にそこそこ大きな建物がある】
【その側のこれまた大きな格納庫へ、一台のバイクが突っ込むように入っていった】
「あーくそっ少し遅れた!やばいやばいヤバイ!!」
【バイクから飛び降りて近くの男へ駆け寄る】
「遅れました!本当にすみません!!」
「大丈夫だ、ルーキー。お前が間に合うとは思ってなかったから早めに伝えてる。」
【謝られた男が答える。軽く言いつつも目線を前からずらさない】
「…いや、待ってくださいよ…そんなに信用無かったんですか!?まさか前に遅れたの相当根に持って…」
【そこまで言って男の目線の先を見た。自分の機体『NINPY』が数人の整備士に囲まれて点検を受けている。が】 - 49カロ◆XGxCas/OAU25/07/09(水) 09:26:37
- 50カロ◆XGxCas/OAU25/07/09(水) 09:27:58
〜続き〜
【ギリギリ10字に届くかどうかの言葉が、重く、鋭く発せられた】
「パイロットは、お前だ。…俺は反対したが、通らなかった」
「…」
【確かに自分はテストパイロットだ。つまり十分な訓練を経験していて搭乗時間も上々。他の軍人を乗せるより時間もコストもはるかに低い。自分以上にこの機体を動かせる人物はそういないだろう。言うまでもなかった】
「はぁ〜〜〜〜…お土産、何が良いですか?」
【軽口を叩き、相手と自分に余裕だと言い聞かせる。】
【…それに、戦場〔現場〕に興味が無かった訳ではない】
【…そんなこんなで、1機か2機か良くわからないスシが空を飛んでいる。】
「観測ポイント到達、データを繋ぐ。…やっぱり気味が悪いな、インベイドってのは。」
【少々軽口を叩きながら、インベイドの密集している地帯の輪郭に沿うようルートを取っている。最も安全にある程度のデータを取るにはこれが最適だ】
『データを確認…よーし、バッチリだ。飛行形態を維持したまま一周してその後帰還しろ』
「…了解。」
【『拍子抜け』】
【そんな言葉が脳裏をよぎったが、頭を振ってかき消した。
- 51ラルト◆C01O2YJoxg25/07/09(水) 13:21:55
【いつもの如く金稼ぎとして依頼を受け動く日々、今日も他のパーティーに入れてもらい囮兼斥候として動いている。】
【ビームサーベル2本とレーダー探知機を持っているだけの簡易改修機体であるムリアンだが背中に装着している粒子ジェネレーターのおかげでスピードだけはあるので偵察と囮が性にあっている。】
【極東地方の大陸にて】
「今日はよろしくお願いしますね、それで私はどう動けばいいんですか?」
【パーティーに入ってする事といえば軋轢を生まないようにそのパーティー主にどう動けばいいか問う事。聞いておかないと後で文句をつけられる事があるとどこかで情報屋が言っていた。】
【そして答え次第で相手がどう考えているかの一助にもなる。】
〈今回は小型インベイドが集まってるからそこを殲滅、怪しいものがないか警戒しながら周囲を探索して何も無かったら撤退…って感じだな〉
〔お前は自分に近付いてくるインベイドを倒しながら奥へ進み偵察、俺達が援護しながら一緒に進むって事だ〕
〈小型インベイドが集まってるだけで何も無いなら良いんだがな、何かあったらちゃんと言えよ!〉
【なるほど…と言葉を零しながらレーダーを作動する準備をしてムリアンで頷いておく。仲間達は頷いたのを見てから目的地に向かい始め、その姿を見て軽く息を吐き吸ってその後を追う。】 - 52ラルト◆C01O2YJoxg25/07/09(水) 13:23:08
【目的地に近付くにつれて小型インベイドの姿を確認出来る、どこにでもいる突撃兵級と射撃兵級だ。】
【どこにでもいて対策を知ってるからこそ恐ろしく感じる事は不思議じゃないと信じたい所だが、今はそんな恐怖より任務だ。】
〈いたな、という事で任務開始だ。〉
〔さっき言ったように頼むぞ、今回はお前のレーダーが頼りだからな。〕
「了解、援護は頼みますよ?」
【初対面だから完璧には信用出来ないためそう言いながら警戒しつつ突貫する。】
【深緑色の接近に気付いた射撃兵級達による射撃が開始されるが上に飛び上がり一射目を回避、その隙に仲間が射撃兵級にビームライフルを放ち数を減らしているのを見て止まらずにそのまま空中から突進する。】
【その突進のスピードを保ったままビームサーベルを抜き近くにいる射撃兵級を3体倒す。だが前方を見る限り小型インベイドが20体以上は確実にいるのが分かる。】
「流石に数が多過ぎるな…言われた通りにやるしかないですね。」
〈そのままそっちに引き付けてくれ!その方がこっちもやりやすい!〉
〔囮……いや、近接で気を引いてくれる奴がいるだけでこんなに狙いやすいとは思わなかったぜ〕
【インベイドを狙い撃ちするかのように遠距離からビームライフルが飛んできている。二射目を放とうとした射撃兵級も放つ前にやられてしまった。】
【仲間の援護射撃に当たらないようにすんでのところでかすらないくらいの回避をしながら殲滅していく。射撃兵級がやられてる最中に巻き込まれで突撃兵級も撃たれているのを見て遠距離武器も必要かもな…と心の中で思ったが口には出さずレーダーを作動させる。】
- 53ラルト◆C01O2YJoxg25/07/09(水) 13:24:43
─────
───
─
〈どうだ?何か怪しいものはあるか?こっちは殲滅完了だ、怪しい奴やインベイドの一匹すら残っちゃいない〉
〔何も無いのならこのまま帰って報酬金もらうだけだな、どうよ?〕
【残っていた突撃兵級も呆気なく遠距離からの狙撃によって倒されてしまった。レーダーを見ながら倒れていく姿を見ていた為インベイドや怪しい物はもうない事が分かり】
「皆無ですね、今回は突撃兵級と射撃兵級が集まっていただけで中型種もいませんし、人っ子一人いません。」
【レーダーからの情報を全て話す。つまり今回の依頼はこれで終わりであり、あとは帰るだけ。】
〈よっしゃ!じゃあ帰ろうぜ!今日はありがとうな!〉
〔またどこかで会えたらその時もよろしく頼むぜ!〕
「私は掃除屋の方が楽なんですけどね……」
【でも頼られて悪い気はしなかったので嬉しさを隠さずに微笑みながら3機一緒に帰って報酬金を受け取り別れる。】
- 54ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/09(水) 13:56:33
「機体性能の進歩、ってことなんだろうね」
ケイは嬉しいやら難しいやら、と少しだけ苦笑い。
初期インベイド戦争時代ならばいざしらず、現在はあちこちの陣営が月風特有のマニュアル過多な操縦を行わずとも複雑に、そして性能の高い機体を動かすことができるのだから。
「望月、龍影に追いついてないんでしょ?」
もはや廉月でも、龍影の技量に追いついていないのだ。これまでの戦いから想像がつく。
周りの進歩の速さは、月風乗りたちにすら影響を与えている――――ケイも、蒼風改を完全に痛めつけてしまったのだから。
「やるなら、完全新規のワンオフになると思う。たぶんカンナさんは大歓迎だと思うよ」
月風すらも、その殻を破る時が来たのかもしれないとケイは思った。
- 55斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/09(水) 14:42:46
「まさか勞先生のご子息と話すことになるとは…」
極東に来てしばらく経った或る日、訪問予定の目の前にある屋敷は昔と何一つ変わっていないのを見てポツリと呟く。それは斑鳩をほんの20年前の少年へ戻された気分にした。
門に取り付けられたベルを押して、そのマイクスピーカーへ話す。
「先日コチラにお伺いさせて頂くと連絡した斑鳩大和であります。」
何処か無機質な音声が返事をして門が開く。昔よりも人間の使用人が減っている様で、その事に何処か寂しさを感じた。 - 56龍影◆9BZ6kXGcio25/07/09(水) 15:08:20
- 57アラン◆ZuzRu6L3rs25/07/09(水) 15:45:53
「そいつは確かに面倒だな。了解、帰投する。」
【ユニットのマイクロミサイルのロックを解除し、マニュアルで照準を穴に向けるアラン.
なにかしらが出てくれば迎撃するつもりだったが、それよりも早く退散出来るなら万々歳.命令に従い、反転するだろう】
- 58二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 19:01:44
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- 59ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/09(水) 19:20:38
【チリンチリン】
「先日コチラにお伺いさせて頂くと連絡した斑鳩大和であります。」
【大きさも形状も様々なロボットが配備されている第2別荘全体に、郷愁的な鈴の音が電子に乗って流れる】
【ドアベルのカメラ越しには、凛々しく端正な顔付きでありながら、どこかあどけなさが残る男が映っていた】
『アルジ、キノウノジュンショウガコラレタ。タイオウモトム』
【アンドロイドであるメビとは違って、肉が一片とも備わっていない円盤型の掃除ロボットが、金龍へ内線を送る】
連絡ありがとう
メビ、応接間へ准将を通してくれ
『承りました』
【主人の言葉に応じ、モーター音が混ざった環境音を聞きながら、召し使いは正門まで赴いて迎えた】
『遠路はるばるようこそお越しくださいました、斑鳩様。一息付けますよう、金龍様が飲茶をご用意していますので、道中を私がご案内させて頂きます』
- 60斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/09(水) 19:36:37
- 61ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/09(水) 20:38:00
『先代当主曰く「使用人は全員俺がガキンチョだった時代から働いていたベテランだから、歳で引退した」との事です。この屋敷の写真を拝見した時に伺った際、そう返されました』
【小石が敷き詰められた長い舗装路から、履き物を変えて、年季が入っていながら手入れも欠かされていない欅の床を踏み、やがては丁寧に竹が彫られたドアの前に着く】
『「ならば新しく雇えば」と仰るかもしれませんが、こちらも現当主の金龍様曰く「俺がトレーニングがてらメンテナンスした方が色々手間が省けるだろ」との事です』
【後ろで推量の色を零していた斑鳩に対して、その色を1つ1つ上塗りしてから、メビは服の揺れを最小限に留めて向き直る】
『最後に斑鳩様のそのご様子を見る限りだと、金龍様の名は広く知られても、私はそうでは無いようですね。どうか、最初に自己紹介を失念した無礼をお許し下さい』
【深いお辞儀を3秒、そこからまた向き直す】
『不躾ながら改めさせて頂きますと、私はメビです。以後お見知り置きを』
- 62斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/09(水) 23:24:53
「お久しぶりです、金龍坊ちゃん。」
ほんの18年前にあった旧友の子の名を呼んだ。まあ、当然のようにキョトンとしている。
「お父上様から私のことは聞いていなければ覚えてもいないか。まあ君は生後2週間だったし先生は今、趣味の人になってるわけで。」
にこやかに入室した紳士は濡羽色の黒服。クロノスの軍服ではない姿であった。しかしその胸にはクロノスで授与された勲章のオリーブリーフがついた略章であり、その数で数ある戦線を走り抜けた豪傑であるとわかる。
「ああ、この服は私の持っている”唯一の”正装でね。クロノスの制服より格はこれのほうが上なんですよ。」
ころころと音が聞こえてくるような笑顔で桜空の制服を着こなす男は椅子に座り、応接机に置かれた湯気の立ついれたてのお茶を一口飲み、金龍と向き合った。
- 63二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 00:21:08
このレスは削除されています
- 64ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/10(木) 00:45:53
(あの時から親父の話を真摯に聞くようになった……だから准将の経歴はある程度把握しているし素性の推測だって立てられている……!)
【ドアが開けば、己から先に挨拶するつもりであった】
(だけどコイツは何かの冗談か……!? 勲章は違えども明らかに王姐が着ていたのと同じ服装じゃぁねぇか……!!!)
【キョトン顔というのも、心と顔とで出力するのに同調するのにラグがあったからであり、本来なら窓を突き抜けて派手に飛び出せるほどに、金龍の身体は力んでいた】
【だが、かつてナカトウの猿叫に驚いていたように、金龍の反射でクロットリンプが作動していたお陰で、0.05秒で平静を装う事が出来た】
(いや待てよあのメビが言及せずにあえてそのままにしているんだ……ならばここは落ち着くんだ……!)
俺を大佐ではなく坊ちゃんで呼ぶなら、斑鳩"叔父さん"でも構いませんね?
いやぁ何、実は叔父さんについては、ここ最近の親父との会話でよく出るようになってきた物ですから知っているんですよ
とりあえず、ジャスミンティーと菓子は口に合いましたか?
【あくまでも自然体を徹する。金龍は砕けた表情と態度で、目の前の准将の調子に合わせ始めた】 - 65斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/10(木) 07:53:15
「ハッハッハッハッ、叔父さんか。」
斑鳩は笑っている。
「お互い特務が付くとはいえ階級は違う。なんなら私の方が君より階級が高い。言葉選びには気をつけ給え、特務大佐殿。」
そしてその笑顔が消え、何もかもを飲み込む深淵の様な瞳で子供を見つめる。気質も先生譲りなのか…クロノスにはとことん向かない家族だ。本当に。
「ジャスミンティーの趣味は先生と同じか。流石は親子。…っと、話が逸れる前にここに来た目的について話しておこう。まとめると、君に対して行われた捜査とそれの報告。そして君の直近の素行について。」
もう一口飲んで口を湿らしてから話し始めた。
「君個人で有している戦力に対して懐疑的であった理事会はアルテミス、バベルを用いた強行捜査をしようとした。コレはきみもしっているだろう?そしてその潔白を証明するために君は個人で契約していたデスペラードの傭兵組織を捧げた。確認として、ここまでで、事実と異なるところはないかね?」
- 66東雲 台◆5Q4kt6Q.kc25/07/10(木) 10:33:38
- 67ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/10(木) 11:18:13
(弾ではなく言葉を交わす分、何だったら殺意も無ぇ分、とにかくやり辛ぇな……ここは俺のテリトリーだってのに、さっきからこの人のペースに翻弄されてばかりだ……)
【斑鳩の様相が一変したのを見て、金龍は乱れずに彼に合わせる】
これは失礼しました、特務准将殿
如何せん自分は若輩故に、相手方との個々の距離感を掴むのはどうしても不得手でして……
【今覚えている喉の渇きも錯覚だと、斑鳩への視線を茶器には一切移さずに話し続ける】
ただ、そのジャスミンティーについては、親子《だからこそ》です
親子《だからこそ》、似るのではなく教わるのです
「…っと、話が逸れる前にここに来た目的について話しておこう。まとめると、君に対して行われた捜査とそれの報告。そして君の直近の素行について。」
(やっぱやり辛ぇな……)
「君個人で有している戦力に対して懐疑的であった理事会はアルテミス、バベルを用いた強行捜査をしようとした。コレはきみもしっているだろう?そしてその潔白を証明するために君は個人で契約していたデスペラードの傭兵組織を捧げた。確認として、ここまでで、事実と異なるところはないかね?」
…無いです
【彼の心に、綻びが一瞬生じた】
- 68斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/10(木) 12:07:46
無い。金龍の口から言われたソレにより、あの作戦は上層部との間で公的に残せはしないが取引をした事による合意のものであると言う事実がこの場で出来上がった。
「良かった。では本人による事実確認が取れたとして最終報告でこれをあげておくよ。」
サラサラと紙ファイルで綴じてある書類にサインをしてそれをしまった。
「お恥ずかしい事に私も君を色々疑っていてね。解体されたキルケーを虚偽の死亡報告までして匿って暗躍していたんじゃないかとひやひやしていたよ。でも君の捧げたのは腕利きのデスペラード。これで疑いは完全に晴れた訳だ。それに直近の素行も誠実。君を中心とした事案については近々正式な通知が来ると思うよ。大丈夫、特務階級の剥奪などさせないさ。」
斑鳩はまたニコニコと微笑む。
2杯目のジャスミンティーを啜り、半分ほど飲んだところでソーサーにカップを置いた。
「…ここからは個人的な話として。アブソーバーだったか。北方戦線の敗残兵。彼らと交戦する前に人自連のパイロットと接触したそうじゃないか。そのパイロットの名前を教えてくれるかい?…ああ、何も殺すだのはしないさ。君はこれ(桜空操縦士礼装)を知っている様だ。見たことあるのだろう?桜空の生き残りをその目で。」
口調は友人同士で行われる「昨日は〇〇に会った?」程度のものであるが斑鳩の口から放たれた言霊は臓物を一つ一つ撫でていくような形容できない「何か」を含んでいた。
- 69ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/10(木) 12:17:21
「蒼風改の整備主任が、そろそろやるかも……って話をしてたんだ。だから分かっただけ」
要するにハイエンド品とはいえ既存製品の高性能版だけでは、性能向上や操縦士の要求に応えきれなくなってきた……という戦場とBFの進歩が生じて、逆巻重工も新しい機体や部品の道を探している。ということなのだろう。
「カンナさんならGOサイン出すだろうし……ユズハさんに連絡入れればすぐじゃないかな?」
こういう時、動きが早いのが逆巻重工だ。藻掻いてこそいるが、その藻掻きに無駄は……たぶんない。
「なんなら、スイを通して連絡させるよ」
その起点が、文字通り月風を壊すほどに使いこなす少年、または青年と、龍影であることは想像に難くないが。
「いってらっしゃい。たぶんカンナさんどこかにいると思うから、探してみて」
開発者どうしだからこそできる話もあるだろう……何より朝風呂は心地が良いのだ。
そっとでていく台にケイは目ざとく気づいて。軽く手を振っていた。
- 70ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/10(木) 12:22:50
「お恥ずかしい事に私も君を色々疑っていてね。解体されたキルケーを虚偽の死亡報告までして匿って暗躍していたんじゃないかとひやひやしていたよ。でも君の捧げたのは腕利きのデスペラード。これで疑いは完全に晴れた訳だ。それに直近の素行も誠実。君を中心とした事案については近々正式な通知が来ると思うよ。大丈夫、特務階級の剥奪などさせないさ。」
…どうもです
【紙を受け取ったあとの彼の様子は、酷く静かであった】
「…ここからは個人的な話として。アブソーバーだったか。北方戦線の敗残兵。彼らと交戦する前に人自連のパイロットと接触したそうじゃないか。そのパイロットの名前を教えてくれるかい?…ああ、何も殺すだのはしないさ。君はこれ(桜空操縦士礼装)を知っている様だ。見たことあるのだろう?桜空の生き残りをその目で。」
…服に関しては、王姐と俺は呼んでいる"王 龍影"が着ていました
…そして彼女の恋人"ケイ・サヤギリ"を主に、アブソーバーについての情報を聞き出していました
【時間にして0.05秒、話し始めるまでに若干の間ができていた】
- 71斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/10(木) 12:51:56
「ケイ・サヤギリ?恋人の?」
防衛班として撃墜偽装をするまで戦っていた斑鳩はてっきり離脱に成功した後アズマと結婚すると思っていた。まさか王がサヤギリ女史の息子と恋仲になっている事に衝撃だった為に腑抜けた声を出してしまった。
「そうか…アズマは死んだ訳か。」
そして拾い切れていない外部情報の中に戦友の死が埋もれていたと、ここで知り、胸の奥がズキリと痛む。とうに捨てた故郷破壊の幇助。それの罪の意識がまた顔を出てきた。
「…という事はアイナナの廉月は彼女か。」
それと同時に、スレイガンのカスタムとソルジャーカスタムを守備隊に置いていたあの艦隊が敵に被害を与えることなく負けたという情報が腑に落ちた。
「そうだ、王は息災だったか?」
無理やりにでも表情を戻して罪悪感と喪失感を飲み込む。その上でクロノスを心の底から恨んでいるであろう友人の様子くらいは知りたいものだ。
- 72ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/10(木) 13:03:00
- 73斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/10(木) 14:28:49
「40近い男の顔をコソコソ撮ることも無いぞ、そこのドロイド。」
よくある「追っかけ」の盗撮よりもわかりやすい。腹芸が苦手なのも親譲りか。
「そうか、彼女らしいな。」
身振り手振りで説明している様子に斑鳩は目元こそ笑うが心からではない。
「アズマについて…彼は操縦士として優秀だった。スレイガン導入前に使っていたクロノスの近接OS開発にも参加してるからな。まぁ配備当時から大真面目にナイフ抜いて使ってるやつは居なかったが。」
しかしソニックナイフ2本で大立ち回りしたデータをどうこねくり回したら基本格闘OSになったのだろうか。
「おや、話し込んでしまったな。おいとまする前に私から最後に1つ。あまり没名を使って詮索しないように。情報は鮮度が大切であるが、活きが良すぎると食えたものではないのだよ。」
にこやかに笑って席を立ち、部屋を出る為に扉へと向かった。
「昔の先生と話している気分だったよ。特務大佐殿、本日はわざわざすまなかったね。では。」
斑鳩はヒラヒラと手を軽く振ってから部屋の扉を開けた。振り向きはしない。
- 74二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 17:47:08
【荒地の岩場に墜落した機体が寝そべっている】
アァ…アレハバディーフレイム…?
ナラバ…実験ヲ開始シヨウ…アァァァァァッ!
【墜落した機体にズルズルと侵入して行くと機体の損傷箇所が修復されていく】
ウゥ…大分コア鉱石ヲ消耗してシマッタナ…
【少しすると機体の照明が付き起動する】
サテ…小手調ベデモ行ウカ… - 75二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 18:23:38
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- 76寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/10(木) 18:25:01
【機体の中にて】
「!%&$%#~*‘+@…」
『人間の言葉は疲れるな…極力使うのは辞めよう』
「’&%$#&$””!:。+;‼‼」
『キャンプ地…面白そうな獲物だなぁ…』
【地図を起動し周辺を探知する】
【機体の4枚の羽を展開し移動する】 - 77寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/10(木) 18:30:44
【キャンプ地を確認する】
「|='&%"!\?//…!$"&'"'"!("」
『狩りの時間だぁッ!』
【腕が展開されると機銃が装備され乱射する】
「%&&$$"#$$~~|))」
『この体も…悪くない』 - 78ハンス◆yqYXjvHgbk25/07/10(木) 18:44:13
- 79寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/10(木) 18:51:07
- 80ハンス◆yqYXjvHgbk25/07/10(木) 19:05:18
- 81寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/10(木) 19:12:24
- 82龍影◆9BZ6kXGcio25/07/10(木) 19:20:23
- 83ハンス◆yqYXjvHgbk25/07/10(木) 19:36:54
- 84寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/10(木) 19:41:22
- 85寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/10(木) 19:53:49
【高速移動するも追尾してくるFOX3】
「!E#%%&$##"!…⁉」
『追尾機能だとッ⁉』
【後ろから幾つかのドローンに射撃命令を出し破壊させる】
「!##&'#'"#&%…??」
『さて閃光弾は聞いたかな…?』 - 86ハンス◆yqYXjvHgbk25/07/10(木) 19:57:18
- 87寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/10(木) 20:02:03
- 88対空級強化個体◆OXAm1h6odk25/07/10(木) 20:05:58
【───────────────航空機。人類が発明した技術の中でも其れは特に広域殲滅に優れた兵器を開発する事が可能であった】
【クロノス軍旧西方列強領空軍による“大空爆”が数千万を超える数のインベイドの軍勢を完膚なきまでに消滅させた様に、制空権は人類が物量で勝る異星体を屠る上で重要な要素の一つである】
・・・・・
【だからこそ、人類の“壊滅”を誕生命題とする統率個体が新たに制空権の奪取に向けた新型インベイドを建造するのも自然の成り行きだった】
『ギィィィィィィィィィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!』
【大気が震える。成層圏が恐懼する。その叫び声は異星体の示威行為であり、適切に恐怖による兵士の弱体化を図るべく不快感と嫌悪感を引き出す音色として設計された『機能』である】
【バサリ、と漆黒の羽根が蠢めく。鴉にも似た容貌の、しかし殺傷を前提にした生体構造が既存の惑星生命とは全く違う『異物』である事を強調する】
【酷く鋭利な鉤爪は鋼であろうと切り裂ける硬度を有しており、胴体から突き出た機関銃を想起させる生体器官は体内で合成した弾薬を装填しての無尽蔵の射撃が可能な射撃武装だ】
『ギィィィィィィィィィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!』
・・
【再び、新型が啼く。超音速にも達する航空速度は純粋な生命としては有り得ざるスペックだが、然れども注視すれば音速突破のソニックウェーブとは別の原理によって空気が『弾かれている』様子を確認する事が出来るだろう】
・・・
【─────────その正体は、電磁力。磁石と類似した未知の元素によって構成された羽根は自然と一定の質量と運動エネルギーを下回る物質を弾く器官であり、其れによって空気抵抗を無視して自在に動き回る事が可能であった】
【グリン、グリンと強化個体の眼球が蠢めく。標的を捉え、正面から突撃するのではなく機体の下方に陣取る様な形で進む】
【高空に逃れようとしたなら、其れは機体が自壊に至るまで追跡を行うだろう】
- 89ハンス◆yqYXjvHgbk25/07/10(木) 20:17:24
- 90ケイ◆ECPjTIh3Iw25/07/10(木) 20:19:21
「うん、そうしよっか」
話をしに行こうという龍影に頷いて、方針を立てる。専用機への更新……心踊らぬ理由はない。
(とはいえ俺の場合、蒼風と蒼風改が実質専用機みたいなものだったからなぁ)
誰にも扱えぬほどピーキー化した、ハイエンド機体。これを専用機と呼ばずなんと呼ぶか、なんて気分であった。
「えー、と。スイ」
《逆巻重工としても、ワンオフ機体の発注や建造に関しては知見が必要、という流れになるということなので……テストパイロットとしての立場も込みで、龍影さんやケイへの負担は許容範囲に収まるかと》
そういうことであった。
- 91寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/10(木) 20:31:51
- 92ハンス◆yqYXjvHgbk25/07/10(木) 20:42:07
「なんだったんだよアレ...BFだったのか?」
四門のガトリング砲はカラカラと余韻を残して回る。
「そうだ!被害は!」
すぐに足元にあるキャンブをスキャンする。派手にやってた割には思ったより死傷者が出ていないようだ。民間人はコチラを見上げて手を振っていたりする。しかし音が拾えない為、ルナルチェーを大きく旋回させ安全とみた場所に着地させてから歩いて向かう。その途中でコックピットハッチを開けて外の音を入れる。その第一声として聞こえてきたのは
「ありがとう。」だった。
- 93おでかけ◆Fd5AlHEdkk25/07/10(木) 22:12:04
(1/3)
【A-1 コロニー。世界を二分に分けるK.I社の手中に収められた広大な箱庭。その中で天蓋から差し込む陽光を乱反射して輝くビル群から目を逸らし、羊雲が散らばる青空を眩しそうに仰ぎつつ、エイダンは人を待っていた】
【シンプルなホワイトシャツの襟元から垂れ下がる小洒落た柄のストールタイが、ハンディファンの風を受けてたなびく】
【いつものスーツの上に白衣という格好からは想像つかないカジュアルな装い。もし同僚が今の彼と出会したら、間違いなく二度見するだろう】
「……エ、ディー!」
「リジー」
【そんな彼のもとに、颯爽と駆け寄る元気な人影が一つ。夏の日差しを束ねた黄金の髪を揺らし、煌めきすら感じる笑顔とともに、リンゼイは上機嫌でエイダンの隣に並んだ】
【その場でくるりと一回転すれば、爽やかなパステルグリーンのスカートが花開くようにふうわりと浮かぶ。綺麗なハーフアップを形作る後頭部で、蓮の花を模した髪飾りがきゃらきゃらと揺れた】
「どう?似合ってる?」
「うん。髪型、変えたんだね」
「そうなの!前に可愛いって言ってもらえたから、それに合うコーデにしようと思って」
「へぇ、良いじゃないか」
「ふふっ、ありがとう」
【淑やかな所作で口に手を当て、小さく微笑む。今まではパンクスタイルが中心だったがゆえにギャップがあったその振る舞いも、今の清楚なファッションにはよく馴染んでいた】
「じゃあ、行こうか。今日はどこにお供すればいいんだい?」
【ハンディファンをポシェットの中にしまいつつ、かけたサングラスの位置を調整しながら尋ねるエイダンに、リンゼイは笑顔で答える】
「先ずはブティックで新作のチェック!その後はコスメを見て、ランチでお腹を満たしたら、ゲームセンターでキャトルチャレンジ!」
「いつものコースだね。ランチはどこで?」
「モールの近くに抹茶フェアやってるカフェがあるみたいだから、そこにするつもり」
「あゝいいね」
【燦々と輝く太陽の下にお互いの影を並べて、2人は歩き出した。休日の昼下がりということもあって、中央通りは大変賑わっている。モールもやはり混んでいた】 - 94おでかけ◆Fd5AlHEdkk25/07/10(木) 22:14:44
(2/3)
【その三階、エレベーターを上がってすぐの吹き抜けに面した一角に目当ての店はある。エントランスに入ると、淡い光をまとったホログラムのマネキンたちが、各々のポーズと共に2人を出迎えた】
「エディ、どっちがいいと思う?」
【堂に入った姿勢で姿見の前に立ちながら、リンゼイは問いかけた。その間も手元の操作パネルに指を滑らせ、鏡に映った自分の服装を切り替えていく】
【一つはリキッドクロス生地の青いワンピース。光の加減で微妙に色調が変化するソレは、鏡の中で彼女が身じろぎするたびに全体がさざなみをたてた】
【もう一つはパステルピンクなワンピース。モード系な一着目とは雰囲気が違い、こちらはキュートより。肩口にあしらわれた刺繍は特殊繊維が使われているのか、キラキラと輝いている】
「そうだね……。どちらも似合ってるけど、今の髪型や雰囲気にあうのは二つめじゃないかな」
「オッケー。じゃあ、こっちにするわね」
【そんな感じでコスメやアクセサリーを見て回った2人は、両腕に大きな紙袋をぶら下げてモールを出た。次に入ったカフェのテラス席で戦利品を鑑賞しながら、リンゼイは目の前で抹茶アイスを味わうエイダンに目を向ける。正確には、わずかに汗が伝うその顔に】
「エディもメイクしたらいいのに。絶対様になるわよ」
「僕は最低限のケアで充分だよ」
「せめて、コンシーラだけでも買ったら?クマを隠すのに役立つって部長言ってたわ」
「ジム……。……僕は徹夜とは無縁だからいいの」
【おそらく若い頃の話だろうが、あの精悍な容貌に濃いクマを作った同僚の姿が思い浮かんでしまい、すぐにイメージを散らす】
【まあ、言ったように自分はお世話にならないだろう。生まれてこの方、どんな修羅場に入っても睡眠と食事を欠かしたことはないのだから。だてに医者から万年健康優良体の太鼓判を押されていない】
「備えあれば憂いなしって言うじゃない」
「備えの仕方が違うんだよ。ほら、パンケーキきたから食べなさい」
「わー!かわいい!おいしそう!!」
(よし)
【プレートに盛られたクリームとフルーツとスフレ生地の城を前にして、目を輝かせながら夢中で写真を撮るリンゼイの姿をみて、エイダンは机の下で静かにガッツポーズをとった】
- 95寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/10(木) 22:16:21
【荒廃したビル街の一際大きなビルの屋上の上で休んでいる】
「!#'$)~|_;@..>&」
『ふむ…中々の戦闘だったな…次は何処を襲うかね?』
- 96おでかけ◆Fd5AlHEdkk25/07/10(木) 22:16:34
(3/3)
【すっかり日が傾き、茜空の向こう側から月が顔を出し始めたころ。カフェに入った時よりも大量の紙袋を両腕から下げながら、2人は家路についていた】
【先まで道の幅を狭めていた人混みは既になく、まばらに自分達以外の存在が見えるくらい。ゲームセンターの方にはまだ大勢の若者がいたが……まあ、彼らは深夜になってもあそこから出てはこないだろう】
「楽しかった〜!でも、エディってば大人気ないわ。子どもに格闘ゲームで勝っちゃうなんて」
「相手が幼児なら勝利の演出に一役買うけどね。他者を煽り散らすような輩にはお灸を据えるのが大人だよ」
【第一、自分がやってなかったら、もっとえげつない方法で彼女が鼻をへし折ったろうに。それを指摘すれば、何のことやらとあざとく首を傾げられた】
【リンゼイはあらゆるゲームを等しく愛する、どこに出しても恥ずかしくない廃ゲーマーだ。-ただし、悪質なプログラムが仕込まれている物以外をのぞく-】
【そんな人物が、ただ自らの下衆な欲求を満たすために他者をいびる小悪党を放っておくかといえば否である】
【先ず間違いなく、今後レバーを見るたびに酸欠と胸焼けと動悸と倦怠感に見舞われるトラウマを脳に刻みつけるに違いない】
【というか、事実、過去にやっていた。ターゲットはゲームにハッキングプログラムを仕込んだ野良ハッカーだったが】
(……僕が先に怒っておくことで、救われるものがあると思うんだよな)
「……でぃ……エディってば!大丈夫?ぼーっとしてたけど、ばてちゃった?」
「いや、大丈夫。ところで、今日のディナーは冷製パスタでいいかい?」
「トマトとツナの!?私、あれ大好き!」
「こら、危ないよ」
【ぴょん。とうさぎのように飛び跳ねたリンゼイを嗜めながらも、エイダンの顔には嬉しげな微笑が浮かんでいた】
【いくつになっても、自分が手がけた作品を賞賛されるのは嬉しいものなのだ】
- 97カロ◆XGxCas/OAU25/07/10(木) 22:55:26
ブーーーッ!!ブーーーッ!!
「!!何かが高速で接近してきます!」
(おかしい、インベイドに空を飛ぶ奴は確かいない筈だろ!?)
【考えたのとほぼ同時、今までに聞いたことのない異音が響く】
「グゥッ…コノヤロ…!」
【異音が不快感を呼び、思考が妨害され、そこから来る恐怖に顔が歪む。
そんな中でもレーダーに映る『何か』だけは視界に意地でも捉え続けた。】
(この機体より速い!奴らの新型か?…)
(指示を待つか?その前に追いつかれる!まず奴が何なのかさえ…)
(…クソッ!頭が…)
【不快感・恐怖・思考の妨害。それらが絡み合い、怒りに変わった】
【スシが右に姿勢を傾け、右に旋回しながら急速に高度を下げていく】
- 98ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/10(木) 23:09:28
(気取られた。これ以上は止めなければ)
【"瞬きを忘れている事"を指摘され、メビは身体がビクリと起きる仕草を自然に演じる】
……メビ? どうかしたか?
「いえ、噂に違わぬ顔に見入ってしまっただけです。2度目の非礼、今回もお許し下さい。これ以上は繰り返さない旨を示しますので」
珍しいな……1日にそこまでやるなんて
准将に惚れたのか?
【斑鳩の言葉が響いた為か、周りの変化に気付いていない金龍は、感情を持つメビに対して昔のような調子で問い掛ける】
『ハテナンノコトデショウ』
(あッとぼけた)そうか……
「おや、話し込んでしまったな。おいとまする前に私から最後に1つ。あまり没名を使って詮索しないように。情報は鮮度が大切であるが、活きが良すぎると食えたものではないのだよ。昔の先生と話している気分だったよ。特務大佐殿、本日はわざわざすまなかったね。では。」
…………色々と手厳しいですね
ただ、折角です。ひとっ走り付き合いませんか?
- 99流刑大陸総司令官◆OXAm1h6odk25/07/10(木) 23:11:17
【流刑大陸、西方列強が帝国主義を掲げて積極的に対外進出した時代に『ガリア』によって支配された大陸─────その首都で、一人の軍人が執務室で紙束を手に息を吐いた】
「今月に入ってから、インベイドの侵攻が減少している──────大規模な侵攻作戦の兆候だな。
第四軍団は先日の対地級を中核に置いた航空艦隊に与えられた打撃から立ち直るのにまだ時間が必要だろう。
第六軍団の陸戦部隊も車輪級を伴った投射機級によって古参兵が大幅に削られてしまったのが痛い、同じ練度まで戻るのは容易ではない」
【防衛作戦を確認する。散発的な襲撃なら従来通りの方法によって充分に撃退可能だが、計画的な侵攻は現状の物資の配分を見直し配置転換を行う必要がある】
【侵攻方向を見定めなければならない。流刑大陸は四方全てが海に囲まれており、人類勢力圏が広がる諸島が存在する北部を除けば全てが侵攻のルートと成り得るのだから】
(……………私のサイン一つで、何百何千もの人間に命を生贄に捧げる事になるだろうな)
【賢人会議によって派遣された戦力は確かに有難いが、しかし万にも届く距離の海岸線全てを監視下に置けるだけの物量ではない】
【必然的に、最初の標的となった都市と部隊には命を賭けての遅延戦闘を強要する羽目になる。凡ゆる手段を使って最前線から何とか戦力を抽出した第二軍団が向かうまでの時間稼ぎ、その為に彼らの命を捨てさせるのだ】
・・・・・・・・・・・・
「最悪の事態を常に想定しろ。打てる手は全て打つ必要がある。インベイド戦争は、人類の勝利で幕を閉じなければならない」
【言い聞かせる様にして、深く言葉を吐く。其れで漸く最前線を保てる】
【戦争に浸り続けて、戦争を繰り返し続けて、終にはBMA社内で自分以上の戦略家を全て喪失した結果として総司令官の座に就いた老将は疲れた笑みを貌に浮かべた】
「この戦争は………………何時になったら終わる、どうしたら我々は勝てるのだ」
【全ての作戦目標を成し遂げた老将は、しかし目標なき戦争を前に頭を掻き毟った。今日もまた、彼の采配によって彼の部下が何千何万もの命を左右するだろう】
【此れが最前線の日常であった。絶えず犠牲が数字となって羅列されて、無機質なインクの染みとして消費され続けて、そして戦線は膠着する─────その均衡の終わりが近付きつつあった】 - 100対空級強化個体◆OXAm1h6odk25/07/10(木) 23:30:16
『ギィィィィィィィィィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!』
【ケラケラと、従来の対空級と比較しても明らかに異なる機能を与えられたインベイドが啼く。高度を下げる機体に対して、逆に高度を上げる事で肉薄を試みて──────ギシリ、と機関銃に似た形状の前肢が持ち上げられる】
【音速突破の轟音が耳を劈く。雷鳴の如き破裂音を伴って金属質の破片組織が超音速で追跡する異形の鴉より断続的に吐き出され、奇妙な形状の機体の翼を狙い澄ます】
・
【観の動きだ。楔型の銃弾を無尽蔵に消費しながら間合いを一定に保ち、敵機の動向を伺う─────敵機が自ら接近を試みた、という事実は何か近接の間合いでアドバンテージとなる武装を有している事だろうから】
【右に旋回する敵機に対して、追随せずに直線的な軌道を保ったまま高度を急速に上げる────互いに高い機動力を持つからこそ、極めて迅速に上下が逆転した】
【グルリ、グルリと機関砲肢が不気味な関節運動と連動して瞬時に射角を切り替える。固定された武装類とは異なり、“迅雷怒濤”の武装は非常に広い攻撃範囲を誇る生体組織だ】
【───────────────月明かりを背にして、鋼鉄の嵐が戦場を薙ぎ払った】
- 101カロ◆XGxCas/OAU25/07/11(金) 00:04:23
【高度を下げていくスシが、避けきれずに銃弾を受ける。
上に載る戦闘機から黒煙が吹き出て、軌道に沿う筋を形成していた。】
「『鳩』被弾!左翼と一部機関にダメージ!」
・
(声が止まらない…妨害特化か。間違いなく新型のインベイド…それにしても速度の他に、機転も精度も何もかもヤバい…!)
「偵察は中止!」
(さながら、新型の機体を駆るエースパイロット…)
「ー 戦闘体制に入ります!分離!」
(…『本気出さなきゃ』勝てないんじゃない。『本気出して』勝ってやる!)
【インベイドの目の前で、スシが左右真っ二つに分かれた。
分離された戦闘機が右へ回転する軌道のまま高度を下げていった。
その一方でスシのシャリあたる灰色の物体は、右に回りながら更に速く墜ちていく】
- 102二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 07:25:34
このレスは削除されています
- 103斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/11(金) 07:30:59
「ドライブデートの誘いにしては色気がないな。」
その提案に笑いながら斑鳩は振り返る。
「それと誘うなら相手が何を持っているか確認したほうがいい。疑いなく誘うと刺されかねない。」
そう言って腰から57口径の拳銃を取り出して、その場でマガジンを外して排莢して見せた。
「その辺の警戒作法は先生から学んでいない...いや、学ぶ必要が無い…って所か。思考と肉体加速のインプラントか専用の義体ってところだろう。」
どこか危機感の薄い彼はそれをカバーしきれる技術があるのだろうと推測した。
「あるいは倫理的に色々あったクロットリンプとやらを使っているか。」
排莢した弾をマガジンに込めるがそのまま拳銃には付けず、分けてホルスターにしまった。
「とりあえずはそのドライブデートに付き合うよ。基地まで距離もあるからちょっとした会話くらいはできよう。」
- 104二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 10:59:11
このレスは削除されています
- 105ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/11(金) 11:05:46
「学んではいるが今それをお披露目する必要が無い」
その可能性は無いのですか?
【斑鳩の敵意を含んでいない洗練された動作を、金龍は先の言葉の意味を横目にして表し、召し使いから4WDの鍵を受け取る】
殺気の無い相手にまで無闇矢鱈に力を振るうほど、俺は授けられた技術を蔑ろにしていませんから
ちなみに俺は義体じゃありません。ほとんど生身です
戦闘用インプラントとして明確に分別されている物なら、背中と全身の外皮に移植した物だけですよ
【何気なく重要情報も吐いた。駄目押しだ】
【これで却って敵意があると怪しまれても、ここまでの准将によるプロファイリングとこれまでの関係性でいくつか誤魔化せる方法はあると、金龍は踏んでいた】
では、俺が車を運ぶ間、准将はその"正装"を着替えてください
メビが部屋まで案内しますので
- 106対空級強化個体◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 11:48:12
【─────────────────一分の逡巡もなく、惑星外起源生命体が判断する】
・
【先に翼を墜とすべきだ。敵機にとっては制空権の要となるであろうパーツを欠落させれば、後は一方的に嬲るだけの仕事になる】
・・・・・
【何故ならば、『迅雷怒濤』は空を飛べるからだ。同じ高度まで上昇する術を破壊したのなら、成層圏を縄張りとする『迅雷怒濤』は距離の暴虐によって回避率を高めながら敵を狙える】
【ジジジジジッッッ!!!!異音を奏でる磁翼が、放たれた楔型の散弾の内の一つに反応して飛翔する─────内包するエネルギー量によって、柔軟に磁力の出力を変動させる新元素が激しく反応した】
『ギィィィィィィィィィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!ギィィィィィィィィィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!』
・・
【再び、啼く。急速に高度を落とす片割れへの対策として、今度は“統率個体”を介して周囲の投射機級を静かに集結させる─────機動力を考えれば、追い付くのは不可能だろう。だからこそ、罠の如く事前に待ち構えさせる】
【其れと並行して、超音速の速度で磁翼が大気圏を切り裂きながら“鳩”を砕くべく空を駆け抜ける──その代償として、『迅雷怒濤』の航空速度が亜音速近くまで低下する。構わない】
【命中した機関銃の弾を道標にして、疾き敵を刺し貫くべく設計された生体構造が冷たい殺意を露わにした】
- 107斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/11(金) 11:57:03
「それは無い。」
否定した。
「私が銃を取った時点でそれが必要となるからだ。」
斑鳩は続ける。
「君の使うインプラントは質と接続効率が非常に高い。リアルタイムでポーカーフェイスを保つために使っていただろ?表情筋を動かし過ぎだ。正式な交渉の場でやろうものなら君の首は無いだろう。軍用インプラントを公的な場で使ったと言われて。」
表情は崩さない。
「まぁ、私以外に使うなよ?外交問題になるからな。」
説教紛いの事を話していると、着替えた方がいいと金龍から促されて自分の格好を見る。
「ああ、そうだった。ではお言葉に甘えて。」
そう言ってメビと呼ばれた例のドロイドが会釈をして案内を始めたのでその後ろをついていき、その部屋に入る。
すぐさま鞄からクロノス地上軍のパイロット士官服に着替え、略章を付けて姿見で確認する。シワ無し、型崩れなし…ヨシ。
そのまま部屋を出てドロイドに再度案内してもらい、金龍自ら運転する車に乗る。
「こういうものは運転士を雇うが...いや、いい。安全運転でたのむよ。」
- 108双砲白鯨◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 12:26:07
(1/3)
【人類自由連盟領、流刑大陸東岸軍港、其れこそは南開拓大陸より海洋を渡って侵攻するインベイドを堰き止める最前線である】
【常に戦艦が常駐し、海の向こう側から訪れる忌々しき侵略者を睨む守り人───────それだけでなく、徹底した火力重視と重装甲の要塞砲すら悠然と待ち構えている】
【最後の一兵となるまで遅延戦闘を行えるように、要塞砲はそれ自体が一個の独立した要塞として内部に侵入されたとしても継続して戦闘を行える仕様として仕上がっている】
【また戦線を突破された場合も考慮して、軍港周縁部には『内側』に向けた無数の砲と防御陣地が整備され、10km以上の範囲を誇る】
【そして、流刑大陸の最前線を預かる彼らに油断も慢心もなく、故郷を背にした士気もまた相応に高く戦意に燃えていた────────不運であったのは、その戦意が塵芥にも満たない程の隔絶した差を有する“大敵”が訪れた事だった】
・・・・
「報告します!海洋より、超大型種が急速接近中!現在、超高エネルギー反応が尚も上昇!」
「主砲の偏差射撃システムを切り替えよ。対艦ミサイルの用意は?」
「全て、既に完了!いつでも撃てます!」
「─────────宜しい。即刻、撃ち方始め!穢らわしい侵略者に、一歩たりとも我らの故郷の土を踏ませるなッ!」
【既存の戦闘艦艇とは比べ物にならない速度で海洋を潜航する巨いなる脅威を目前にしても、流刑大陸東岸分艦隊を預かる提督に恐れは微塵もなかった】
【BMA社軍事部門統制官、ヴィクター・ロッド大将の采配によって彼らは常に想像し得る限りの最悪の事態に備えていたのだ────クロノス軍の最新鋭ストラクチャーの航空速度さえも織り込み、そして組み上げた戦術は『過剰』と言っても差し支えない殺意を秘めている】
・・・ ・・・・・・
【だから、其れは想像力の限界であった】 - 109双砲白鯨◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 12:36:55
(2/3)
「は?」
・・・・・・
【何一つとして、巨いなる脅威を堰き止める術にはならなかった。緻密な観測と計算によって、急速に接近する目標に全ての戦艦砲が直撃した。技術の髄を凝らした誘導機器によって、全ての対艦ミサイルが目標に命中した】
【巨影が津波と共に浮かび上がる。白銀の装甲に、ギラリと覗く鋭い牙が最先鋒の戦艦を文字通り粉々に噛み砕いて咀嚼した────────其れは、鯨にも似た空前の怪物だった】
【その両舷には、胴体と同じだけの長さを誇る砲身が極光を束ねており────────────】
「退、避ィ────────ッッッッッ!!!!」
【その“極光”が意味する事実を、誰よりも疾く理解した提督が必死に叫ぶ。反射で提督の指示に従い、分艦隊が全速力での後退を開始する。後退を補助すべく牽制砲撃が放たれる。彼らは最善を尽くした】
・・・ ・・・・・・
【そして、全てが死んだ】 - 110双砲白鯨◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 12:52:17
【──────────────……………………騒がしかった軍港は、静寂が満ちる荒野と化した】
【第一に、至近距離で“極光”の余熱を浴びた分艦隊と付近の海水が瞬時に蒸発を遂げた】
【第二に、分艦隊を一瞬で昇華させた“極光”は速度を緩めずに軍港に殺到して同じく蒸発させた】
【第三に、軍港を周縁部の防御陣地諸共に消し飛ばした“極光”が大地と山脈にその爪痕を刻んだ】
【そして第四に、蒸発した海水が超高温の水蒸気となって付近の生命を例外なく焼殺した】
【焼き滅ぼされた軍港跡地に、足を踏み入れるモノが存在する。金属質の外殻を有する、インベイドの小型種たる突撃兵級──────其れを皮切りに、海洋から続々とインベイドが地上に這い上がる】
【突撃兵級が。射撃兵級が。榴弾兵級が。重装兵級が。騎兵級が。車輪級が。航空兵級が。武士級が。装填手級が。投射機級が。対地級が。対空級が。】
・・・ ・・・・・
【────────────其れは、津波だった】
【静寂を切り裂いて、羽虫の如く群れる異星の軍勢が、絶望と惨劇を引き連れて人類生存圏に足を踏み入れる】
【そして、その背後で。巨大極まりない建造物-ストラクチャー-がゆっくりと姿を現しつつあった】 - 111流刑大陸総司令官◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 13:14:09
・・・・・・・・・
「─────────遅延戦略は破綻した!至急、青天市街に救援要請を送れ!」
【鉄閉都市、アイアンロックシティ、流刑大陸最大の工業都市にして心臓部で、老将は歯をギリギリと軋ませながら号令を下した】
【呻く時間さえも惜しい。一秒の判断の遅れが何千もの人命を左右する。年老いた躰に不相応の重圧が胸を締め付け、積み重ねた経験と理論が一種の直感となって彼を突き動かす】
「来るぞ!総員、戦闘用意ッ!!!高射砲部隊砲撃始めッッッ!!!!!」
「え、は?ロッド司令官、一体何を」
「ッ!上空に強襲級二体と、不明反応を確認!降下を迎撃───────高射砲が弾かれました!」
【絶叫めいた観測手の報告と同時に、司令部の天井を突き破って漆黒の機体が降り立った────蜘蛛にも似た八つの脚と、赤熱する心臓。つい先程まで強襲級を掴んでいた巨大な腕が、武装を掴む】
【並大抵のバディフレームを遥かに凌駕する巨躯を顕にしながら、美しい声で悪魔は囁いた】
『我、天の遣いに仇なす異端に罰を下しましょう』
「戯言ばかりの大根役者が。恥辱を噛み締めろ」
【流刑大陸東岸軍港、消滅。二分後、鉄閉都市司令部からの通信途絶】
【確定死者数、30万人超。一個分艦隊、消滅】
・・・・・
【其れが、現時点での被害だった】 - 112第一軍団将軍◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 13:24:47
「必要物資の備蓄はどれだけ残っている」
「ハッ!ロッド大将の采配で、二週間は戦闘を継続可能なだけの物資が集積されております!」
・・・・・
「ならば、三日が限界だな。それ以上、我々が持ち堪えるのは不可能だ」
【流刑大陸をルーツとするBMA社の企業直属戦力、名高き「第二大陸軍」の第一軍団司令官はアッサリと言い切った】
【────────南極大陸からの侵攻圧は、前日と比べて一気に跳ね上がっている。総司令官の予測によって幾らかの備蓄はあるが、しかし直ぐに枯渇するだろう】
【それだけの物量であり、それだけの種類だった。彼らに戦力を分割する余裕も猶予もない。そうしたが最後、戦線を食い破られて流刑大陸は二方面からの大規模侵攻に晒される】
(………………我々が抑えきれなくなる前に、間に合えば良いのだが)
【流刑大陸の残存戦力は、戦力の温存によって侵攻開始と同時に今までの侵攻を上回る大規模な攻勢を開始した南極方面のインベイドで忙殺され、停滞を余儀なくされた】
【同時期に、南開拓大陸、イルベリア半島で大規模攻勢が発生。クロノス軍は激化する戦線を前にする事となった】
【────────────新たな戦争が始まる】 - 113カロ◆XGxCas/OAU25/07/11(金) 13:56:46
- 114賢人会議◆YMCgTirJag25/07/11(金) 14:02:34
「速報!流刑大陸より『被害甚大、救援欲ス』!繰り返します!『被害甚大、救援欲ス』!」
伝令が息を切らしながら飛び込んできた。
〈ゴエティアとメイツーの輸送を前倒しだ!マスドライバーを使って低軌道輸送!議決は取らん!即、実行!コンディションレッド!〉
グレイブは迷う事なく出撃を言い渡した。
〈流刑大陸軍に打電!『ゴエティア派遣。半日耐エヨ。』〉
伝令は頭を下げて駆け足で通信室へ戻った。
マスドライバーにはすぐさま輸送用のシャトルが取り付けられ、急ピッチで輸送する中身が積み込まれていた。
『発射まで80...50分下さい!『軌道計算出ました!『対地迎撃用の随伴?積載時間が無い!カーゴを切り離して下ろすんだよ!『機体固定甘いぞ何やってる!』
積載するBFは55機。内50機がUNBFである。
議会もその対応に追われる。
〈クロノスに繋げ!あの要塞がやられたんだ、ゴエティア5機でどうにかなる敵では無い可能性がある...〉
《ホットライン、繋がったぞ。》
クロノスの支援は取り付けれるか。
グレイブはそう思いながら受話器を握った。
- 115ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/11(金) 14:07:30
- 116アリソン◆PPyRfvMZl625/07/11(金) 14:24:25
【流刑大陸は、人類自由連盟の心臓部である青天市街への海からの侵攻を食い止める玄関口であった】
【それ故に戦略的重要度が非常に高い、大陸前線より発された緊急通達は、人自連に属する傭兵達に直ちに届く依頼の文面へと変換される】
【薄暗い宿の一室で、電子端末を鋼の指先が撫でる、寝癖の染み付いた頭を掻き毟りながら、アリソン・キャラドールは翳んだ視界にその依頼を目撃した、────────────寝起きの一発目に見る報せにしては、あまりにも劇的な内容だ】
「────────────、」
・・・・・・
【理由など要らぬ、アリソンは軽い手荷物を抱えてルームを後にした、仕事の時間だ】
【フロントのモニターに端末を翳し早々とチェックアウトを済ませる、ホテルの設備である地下ガレージには、車や、バイク、或いは同じホテルに泊まる傭兵達の機体に混じり、一際目立つ紅い色彩の愛機が膝を折って搭乗者を待っていた】
「……行くぞ、キャンディボール、あのクソッタレの侵略者共に、とびきりのしっぺ返しを喰らわせてやる」
【誰にも命令されていない、誰の下にも付いていない、だからこそ、傭兵業が丁度良い】
【コックピットに伝う震動はいつも通りに内蔵を揺らす、震える肺を宥める様に、煙草の一本に火を灯し】
【コンピューターの制御でゆっくりと開く天窓から、まだ朝焼けの青黒い空へと、深紅のBFが飛び出して行った】 - 117グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/11(金) 14:27:02
{大尉....!}
『........准尉から連絡があった。把握済みだ。』
{流刑大陸への遠征は....免れないでしょうな}
『....やれやれ。また子供達との約束を
破ってしまう事になるな....詳細な情報の収集と
戦況の状況を出来る限り把握して来て欲しい』
{畏まりました....}
神父は溜め息を吐く。
英霊たちへの弔辞をまた読む事になる故だった
『嗚呼、神よ。我等にどうか御導きを....』
せめてもの祈りを捧げ、大尉もまた動き出す - 118斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/11(金) 15:05:05
「ありがとう、大佐。」
シートベルトを締めて椅子にゆったりと座る。その時だ。
ピリリリリ
緊急連絡端末が鳴った。
「失礼。」
金龍に断ってからそれに出る。
「私です。はい、...了解しました。他アルテミスには?了解、失礼します。」
端末をポケットにしまう。
1呼吸置いてから別の端末を出して連絡する。
「イラストリア少尉か?斑鳩だ。流刑大陸に飛ぶぞ。ああ、すぐだ。どうも統率個体と思しきやつが現れたとかで人自連の方面軍が潰れたらしい。人類自由連盟の軍事部門からの救援要請を承諾した。コレは思想が後に付いてくる徹底抗戦となる。死ぬ気で生き残るぞ。以上だ。」
端末をしまう。
「極力急いでくれるかい?スクランブルになった。」
斑鳩は焦っている様子が無く、落ち着いていた。
- 119対空級強化個体◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 15:05:24
・・・ ・・・・・
【────────────磁翼は、止まらない。異形の鴉から分離した漆黒の翼は超音速を保ち続けながら『鳩』を追随する】
【繰り返すが、その原理は機体に食い込んだ楔型の銃弾へと磁石と同様の性質を有する磁翼が引き寄せられる事で実現するのだ】
・・・・・・・・・・
【フレアは無意味である。食い込んだ楔が取り除かれるか、或いは“迅雷怒濤”がエネルギー供給を打ち切らない限りは延々と追尾を続ける】
【熱源探知の乱れも、視界の遮光も、そもそも一介の羽根でしかない磁翼にとっては観測する事すら不可能なのだから】
『ギィィィィィィィィィヤァァァァァァァァァァァァァァァァァッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!』
【鴉が啼く。『鳩』を追い回す磁翼から一定の距離を保ち、亜音速での飛翔と機関銃による射撃を繰り返す強化個体が殺到する粒子の弾に対してバサリと羽根を閉じた】
【───────────急上昇。進路を塞ぐ形で広範囲に拡散された粒子弾を避けるべく、「点」に近い形となって飛翔する】
【今直ぐに撃墜する必要はない。磁翼が分離した片割れを仕留めてから、各個撃破するのが最効率だと認識している】
【其れに、人類の運用する機械には燃料切れの概念が存在する事を彼は認識している。真っ向から敵を倒そうとする矜持なぞ『非合理的』である。最終的己が生存し、敵が死滅したのなら全て勝利だ】
【故に、機を伺いながら、“迅雷怒濤”は付近の異星体が集結する地点に静かに接近しつつあった】
- 120◆KPwoT407kA25/07/11(金) 15:23:28
1-01、2-05、2-06を中心に部隊編成を
【緊急通達を受けたカミラの判断は速かった。迅速に流刑大陸派遣部隊の構築が開始される】
戦況を一変させる程の非常時…統率個体が現れたか、それとも
【別のイレギュラーか。聞いた所によれば鉄火場と化しているのはどうも流刑大陸のみではない、人事連だけでなく、クロノスの動きもどこか浮ついているようにカミラは思慮していた】
…惑星最大規模の企業なのですから余力くらいあってもくれても良いものとは思いますが。向こうの出方、それ以前に賢人会議の動向と代価次第…ですね - 121シンカイ◆9BZ6kXGcio25/07/11(金) 15:27:21
ピリリリ
極東にある基地のパイロット寮でくつろいでいる時、携帯端末が鳴った。
「はい。」
1コールでそれに出た。
『イラストリア少尉か?斑鳩だ。流刑大陸に飛ぶぞ。』
中隊長から突然言われた。
「い、今からですか?!」
シンカイは驚く。
『ああ、すぐだ。どうも統率個体と思しきやつが現れたとかで人自連の方面軍が潰れたらしい。人類自由連盟の軍事部門からの救援要請を承諾した。コレは思想が後に付いてくる徹底抗戦となる。死ぬ気で生き残るぞ。以上だ。』
中隊長はそう伝え終わると通話を終了した。
数秒放心した後、バネのように立ち上がって、パイロットスーツに着替える為、ロッカールームに走る。
脱いだ制服は綺麗に畳んでカバンに詰め、滑走路に出る。
丁度、エクセリアと狼月が派遣用の高速大型輸送機に積載されているところだった。
- 122逆巻カンナ◆ECPjTIh3Iw25/07/11(金) 15:45:25
「ユズハ、現地の戦況は」
緊急通達が入った時点で、逆巻カンナの動きは早かった。補佐官であるユズハ・ミドリマが詰めている作戦司令室に入り、開口一番に現地戦況を求める。
『現在、流刑大陸周辺で統率個体と思しき存在が最低でも1、最大で複数確認されています。流刑大陸周辺の艦隊は大打撃を受け、大陸そのものが孤島と化しています』
その言葉に、まずうなづく。流刑大陸自体は屈指の激戦区の一つ。だからこそ簡単に落ちるほどヤワではない。
……だからこそ、今まで以上の戦力圧に屈しかねない危険もある。
「クロノスもイルベリア半島を中心に大規模な戦闘を行っている。増援を出してくれる可能性はあるが、此方もやれるだけはやらねば」
『分かっています。流刑大陸への救援部隊を選抜しました』
目の前の大きなモニターに、パイロット達と機体……廉月を積んだ複数の輸送機が離陸する実況映像が流れる。
その中には、陸上戦艦との戦いをくぐり抜けたエースたちはいない。出し惜しみ?いや、違う。
疲労が抜けきれていないのだ。輸送機で向かう行程では休むこともままならないし、最悪単独飛行だ。代わりに、機体数に関してみれば多いのだが。
(それでも足りるかどうか……)
考え込むカンナの元に通信音声が届く。ユズハ宛……つまり、軍事に関わる部門のものであり。
『……えっ!?《銀河》を出す要請に協力しろですって!?』
「!? ユズハ、ヴァルハラテック含めた各企業に《銀河》出撃についての伝達を頼む。たぶん艦長からの私信だろう?」
そう言って、カンナは身を翻した。
「話をつけてくる」
賢人会議に席を置く身としての仕事だ。
- 123ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/11(金) 16:12:38
安全に、雷速、了解……
シートベルトにしがみついててください!
【剥き出しの赤土にタイヤを切り付け、語気が強くなるとアクセル全開で《ショートカットコース》へ進路を変更!】
メビ!
『既に剣龍に乗ってそちらに向かっています』
准将、俺を信じて舌噛まないように歯を食いしばってくださいよ!
タッチダウンするから!
【メビとの通信を最低限で終わらせると、コース終盤の崖が見え始める!】
【それに合わせたように、一際大きなエンジン音も轟く!】
『受け止めます』
【ジャッ! ゴガン! ボフッ!】
【崖から飛び込み、そのまま剣龍の開いたカタパルトへエントリー! 】
【さらにその奥で、待機していたタイガーが構えるクッションに包まれて停車した】
ふぅー……ナイスだメビ
このまま飛行場直行で良いですね?
【金龍は賞賛した後、斑鳩へ再度確認を取った】
- 124カロ◆XGxCas/OAU25/07/11(金) 16:18:08
【銃弾を受け続けた『鳩』に限界が訪れる。エンジン部から煙を吹き出し、制御を失い落下していった。途中でコックピットの部分から何かが飛び出す】
「…ヤバいな」
【モニターに映された文字列が『鳩』の撃墜された事を無機質に伝えていた。この状態で奴を墜とすのは先ず不可能だ】
「お前、そんなにもヤバい奴だったのか…」
【ヘルメットの中で、額から冷や汗の垂れる感覚がした。】
「…」
ー 俺は、そんなのに『勝った』のか。
(正直、未だに信じれない…)
【『今直ぐに撃墜する必要はない。』】
【それはカロも同じだった。偵察機が戦闘など、勝敗の結果は明らか。
偵察機の仕事は『データの採取』だ】
(これで奴の行動や武装、スペックも何もかもが分かった。次にこいつと戦う奴は、こいつの対策を十分に取った状態で戦う事になる…)
「普通なら結果は違っただろうけれど、相手が悪かったなぁ…真っ向からやり合う気は無いんだ。ごめんよ」
【戦って勝つ気など微塵も無かった。『真っ向から敵を倒そうとする矜持なぞ『非合理的』である』のだから。】
【NINPYが回転し、推進機関を下に向けて強行減速をして姿勢を整え出す。もう奴との距離はかなり遠い。地上からの攻撃を警戒して機雷を撒き、推進の為のブースターを噴かせた】
- 125二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 16:41:58
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- 126斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/11(金) 17:00:08
ゆったりとした拍手をしながら斑鳩は金龍をみる。
「罪状は危険運転か...切符は切らないようにしとくよ。」
将校を乗せていながら車両で飛び込むとは。確かに時短ではあるが。
「しかしBFで飛び降りてもなんとも思わないのに不思議なものだ。」
斑鳩はそう言って車から降りた。
「しかしいい船だな。剣龍だったか。研究用も兼ねた高速飛行艇として購入したいものだ。」
そういってグルりとカーゴ内を見る。
このまま飛行場直行で良いですね?
それへは「頼む。」と一言返した。
- 127対空級強化個体◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 17:07:35
【ジジジジジジジッッッッッ!!!!!!!!】
【響く異音と共に、再び磁翼が“迅雷怒濤”の躰へと逆戻りする────────それはつまり、超音速での飛翔能力を取り戻したという事だ】
【音速突破の衝撃波が大気圏を突き抜ける。長距離を踏破する為の翼は既に砕いた。ならば、然程遠くへ向かう事は不可能だろう─────燃料切れか、或いは近接の間合いに持ち込んでの斬撃か。殺傷の手段は無数に存在する】
【そうして追跡を重ねようとして、それよりも疾く冷徹な計算が磁翼を止めた】
【このまま速度差で追跡したとして、人類自由連盟の対空陣地までに追い付くのは不可能だろう。故に無駄なリスクを冒すよりも、この場で撤退するべきだと判断を下す】
【───────────人類が獲得したデータによって新たに対策を整える様に、インベイドもまた獲得した経験によって新たな進化を遂げるだろう】
【血を血で洗うマラソンは、今も続いている】
【惑星外来生物との戦いは、まだまだ続くだろう】
- 128ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/11(金) 17:10:09
- 129逆巻カンナ◆ECPjTIh3Iw25/07/11(金) 17:14:41
カンナは逆巻重工本社を出たあと、護衛とともに車両へ乗り込んで賢人会議の会合場所へと向かっていた。
車両の中でカンナは手早く端末を操作し、通信を取る。
「――――で、わざわざ私にも話を通しにきたのか」
《手続き上必要だろう。インベイドの脅威に対してストラクチャーが動きませんでしたでは笑われる》
それは賢工による私物化を恐れた結果、改修という名の飼い殺しを受けていた巨鯨……対インベイドストラクチャー、通称『バトル・ストレイド』の艦長との話し合いであった。
端末越しに聞こえる、齢にしてそろそろ47はいくだろう彼の声は意志に満ちている。
「艦載機と支援物資は」
《既に積み込んだ。海と空で密かに戦いながら、クロノスのワイアットに疑われているのも中々に良い日々だったが……やはり、戦場に出れないというのは鬱屈してしまう》
「それでは戦場が好きと思われてしまいますよ?」
《軍人の行き場は戦場しかないよ、カンナ君……さて、私からの要求なのだが》
とんとんたん、と話が続く。ボールを投げ合うように。一度カンナの手で止まって。
「済まないがケイ・サヤギリは出せない。蒼風改も酷使しすぎてるし、彼自身……」
《重体ということか、分かった。であれば乗りたいと思うものを乗せて、増援に向かう》
相手の望まぬ球を投げたはずが、にこやかに返されてはたまらない。おそらく彼は今すぐでも流刑大陸へ!と願う者たちもかき集めて向かうつもりなのだろう。
「――――星河級三番艦、《銀河》の出向許可に一票。大陸を頼んだ。大将に死なれては、人自連の未来が暗くなってしまう」
《任された……とはいえ、こちらも所詮は少将なのだがね》
企業を率いるものと、船を手繰るもの。
役割は違えど見据える敵と、守るものは同じだった。
- 130斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/11(金) 17:46:56
- 131グリーン◆fDey8JUvvk25/07/11(金) 18:16:57
【その海軍少将は電子海図を卓上に広げ、左の人差し指で自らの前髪を年甲斐もなく弄びながら、右の手で情報を流していた】
【鷹揚な鍍金も剥がれ、その眼は一縷の解れも見逃せぬような神経質のそれである】
【故に周りの佐官は皆一様に押し黙り、口が開かれるのを待つ】
「流刑大陸、南開拓大陸、イルベリア半島。」
「……早すぎます、しかし止むを得ません。」
「クロノス領海の全面通行許可を下します。将官は私が説得する。諸君らはまず極東に伝達。」
「見返り?今は求めず貸しを作ります。他には?無いようですね。では解散。」
「(インベイド共は合理にのみ生きる。惑星規模での連携など簡単に取れる。そして……奴らは人間を区別しない)」
【続いて内心に浮かぶ暴言をかき消し、少将は通信機を取った】 - 132賢人会議◆YMCgTirJag25/07/11(金) 18:23:12
- 133エイダン◆Fd5AlHEdkk25/07/11(金) 18:58:08
【嵐の前の静けさ、とはよく言ったものだな。流刑大陸に向かう輸送機の中で整備を終えた愛機に乗り込みながら、エイダンは思った】
-インベイドによる人類自由連盟領 流刑大陸への大規模侵略。軍港は消滅、鉄閉都市は壊滅。新種の超大型種によるものと思われる-
【昨日に穏やかなショッピングに連れ立った相手からもたらされた報せを見たときは、昨日の穏やかなショッピングとのギャップに頭痛がしたものだ】
【おまけに、現地からは『ストラクチャー』らしき影も確認できたという】
・・・・・・・・・・・・・・・
【しかも、自分たちが手を痛めて拵えたものの!】
(目の付け所は評価しようじゃないか、モノマネ上手め。焼き潰してやる)
【その情報を確認してすぐに上層部へと出撃を要請した一連の流れは、我ながら良い動きだったと自賛したい】
【あちらも人自連から要請を受け取っていたようで、『現場で利用されているストラクチャーの判断』及び『新しい統率個体のデータ収集』を名目に掲げれば、すんなりと首を縦に振ってくれた】
(代わりに生存した状態での帰還を厳命されたけど……ま、そこはいつも通りか)
「目標地点、到達しました!」
「オーケー。《……こちらSyringe's、離翔許可願う》 」
《離翔を許可》
「了解。……出撃する」
【解放されたハッチの向こう側。重苦しい灰色に包まれた空を切り裂くように、白銀が飛び出した】
- 134◆fDey8JUvvk25/07/11(金) 19:18:48
- 135ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/11(金) 19:33:00
- 136エイダン◆Fd5AlHEdkk25/07/11(金) 19:59:10
【よき旅を。短いながらも、確かな親愛が込められた文章】
【それを見て、心の内で煮たたっていた熱い憤りが鎮まっていくのがわかる】
【同時に脳裏に浮かぶのは、あの時、自分が捲ったカードの意味】
「……感情的になっては、''空回り'' の元か」
【彼女にそんな意図は無いだろうが、大切なことを思い出させてくれた礼をしなければなるまい】
【いや、建前か。自分がしたいから送るのだ】
Merci toi-même.
Bien amicalement.
【遠くの友へ、ありがとう】
- 137流刑大陸侵攻軍◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 20:08:23
【─────────────────本来は異星の軍勢を食い止める筈の戦略が破綻した以上、流刑大陸に異星体が跋扈するのは当然の帰結であった】
【闇雲に踏み荒らすのではない。インフラの破壊を念頭に置き、復興の妨害を兼ねた進軍である】
【舗装された道路を、突撃兵級がその外殻を使って剥がし落とす。その地下からは採掘兵級が異星体の為の坑道を掘り進めて、意図的に地盤を脆弱に変質させる】
【車輪級、航空兵級、重装兵級、騎兵級、武士級、投射機級、強襲級のような貴重な戦力を作り上げた地下坑道によって迅速に移動させながら地表を小型種が這い回る】
【小型種はその数と増殖力によって地上を制圧する主戦力である。坑道を気付かれずに通過可能な物量ではなく、また空爆によってコストの高い戦力が仕留められるのを防ぐ陽動と撹乱の為の囮でもある】
【地表を埋め尽くすインベイドの反応は、地下坑道を移動する中・大型種の反応を隠してくれるだろうから。クロノス空軍の貫通クラスター爆弾と雖も、投下目標が定まっていないのなら効果は激減する】
・・・・
『──────────さて、さて。対人類用ストラクチャーはまだ暫く時を要するでしょうか?』
【散乱した機体の残骸を踏み砕き、鉄閉都市を蹂躙した異形の悪魔は酷く「人間らしい」言ノ葉を口にした。穏やかで優しげな声音、敬虔なる修道女にも似た美しい響き】
【然れども、彼女こそが都市を地獄に化した元凶にして実行犯に他ならない。異星の軍勢よりも一足先に都市に降下し、司令部要員の尽くを殺傷せしめた怪人───────銘は、“余燼”】
『人類自由連盟の粒子炸裂弾頭は強力ですが、一方で汚染も酷い。加盟企業の本拠地に撃ち込むのは、些かの議論を巻き起こすでしょう─────当然、実行させる気もありませんが』
【燃え上がる都市のインフラを手駒のインベイドによって効率的に破壊しながら、異形の悪魔は上空を見上げた。居並ぶ対空級に対地級。クロノスの爆撃艦隊を仮想敵として整えられた彼らは制空権を確保する上での要だ】
【軍港の跡地から上陸した異星の軍勢も、既に都市の外殻近くで合流を果たしつつある】
【鉄閉都市は単なる工業都市ではない。鉱業を中心に発展したBMA社の本社が置かれるアイアンロックシティとは、つまり流刑大陸で尤も豊かな資源地帯でもある】 - 138流刑大陸侵攻軍◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 20:21:25
【「壁」が、その動きを止める】
【聳え立つは鋼鉄-はがね-の巨壁は、クロノス軍が作り上げた対インベイド用ストラクチャーの鹵獲品であった】
【重厚な黒い装甲面はインベイドの生体組織による増設が施されており、文字通りの要塞としての用途にも耐え得るだけの耐久性と防御力を確保した】
・・・
【数キロメートルにも及ぶその体躯に紫電を迸らせながら、洪水級と銘打たれた其れは牙を研ぐ】
【「壁」の上に待ち構えているのは、無数の投射機級の群れである。装填手級によるエネルギー補給を受けて砲身を不気味に発光させて、その閃光を解放する時を待ち侘びる】
【──────────その中でも、際立って特異な個体が一つ。空襲(ガンシップ)級、過去に数例のみ確認される超大型種が一種】
【通常の重装兵級の上位互換と称しても差し支えはなく、其れだけでも戦線を崩壊させ得る強敵が軍勢の歯車としての役割に殉じている──────其の光景は、此度の侵攻の脅威を如実に伝えるだろう】
・・・・・・・・・・・・
『戦力の逐次投入を撃破する。
我ながら実に単純な作戦でしたが、極東列島からの侵攻のリスクが依然として存在する以上は有効な手段ですね。
陥落前に侵攻まで漕ぎ着けて何よりでした』
【淑やかに笑いながら、異形の悪魔が流れ込む情報を精査する。侵攻に伴い、偵察兵級も空を覆う黒雲の如き勢いで流刑大陸に雪崩れ込んだ。戦闘機部隊が出動したとしても完全な駆逐は困難な程に】
【────────────真っ向から増援部隊を壊滅させるべく、異星の軍勢は態勢を整え続ける】
【唯、無感情に。統率に従い、機械的にその役割を実行する。世界史上で最も勤勉な軍隊と言っても、何ら差し支えない程に】 - 139斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/11(金) 20:28:57
- 140シンカイ◆9BZ6kXGcio25/07/11(金) 20:39:51
- 141アリソン◆PPyRfvMZl625/07/11(金) 21:20:07
────────────ィィィィィィ
────────ィィィンンンン……!
【その光線は、紅い】
【遠い地平の彼方から飛んで、行き掛け、地上の貯水槽が水面に反射する軌跡には、火の粉じみてチリチリと弾ける輝きが付いて纏う】
【艶々としていて、流線的なシルエット、さながら融け往く飴玉の様な】
【けれどその片腕に、一陣の深紅の輝きが閃けば】
「────────────ッッッッるぅゥゥウウウウァァあァあああアアアッッッッ!!!」
【空中を、羽虫の様に飛び交っていた小型種のインベイドの群れを、直線が貫いた】
【何ら工夫も為されていない、単純愚直なただの突撃である、されど数十kmにも及ぶパイロット人体への負荷を度外視した長距離飛行によって齎された加速エネルギーは、衝突の寸前に、左肩の増設タンクにケーブル接続された粒子サーベルに爆撃に似た瞬間的破壊力を付与するに至る】
────────────ヂュィィイイイイインンッッッッッッ!!!!
・・ ・・
【故に、この規模であれば必殺、先駆けの群れを薙ぎ払って尚キャンディボールは不停止、津波の様に押し寄せる異星の群勢を睨み付けて、衝突によって緩んだ速度を再び機体に乗せる】
・・・・・・・・・・・・・・・・・
「ハロー、ハロー、宇宙の果てから飛んで来た羽虫共、一匹でも多く叩き潰して死んでやるよ!!」
【アリソン・キャラドールは吼える、インベイドによって、何もかもを奪われた】
【何もかもを失ったこの肉体を、突き動かすものは、怒りか、妄執か、いずれにせよ、やることは変わらなかった】
- 142流刑大陸侵攻軍◆OXAm1h6odk25/07/11(金) 21:47:03
【─────────────薙ぎ払われた最先鋒のインベイドの犠牲の中に紛れた僅かな生き残りが細かく刃殻を震わせる頃には、異星の軍勢は態勢を既に立て直している】
【一直線の突撃。高威力の近接装備。危惧すべきは繰り返し。異星の軍勢の最先鋒、その中に身を置く影法師級が戦術単位での対応を開始する】
【「壁」の頂上、余りにも不自然な巨大砲身をその身に具える軟体動物めいた容貌の投射機級が仰角を上げて、一斉に砲撃を開始する】
・・・・
【狙うのは、一歩後ろ。後退を封じながら、更なる突撃を牽制する形で音を置き去りにした閃光が次々と大地に突き刺さる】
【一瞬で加熱された岩石が爆裂して、細かい石礫を無数に撒き散らして土煙を上げる。爆炎と轟音、耳を劈く砲撃音。極大の殺意を秘めた制圧砲撃】
……………ギ、ギギギギギ
………………ギィィィィィィィッッ!!!
───────ギャハハハハハハハ!!!!!
【神経を逆撫でする様な喧しい羽音を奏でながら、装甲をも噛み砕く顎門を掻き鳴らして蜂にも似た姿の中型種・航空兵級が隊列を組んで殺到する】
【一匹一匹が量産型BFと同等の戦力評価を下されるインベイドが、平均的な群れでは五体を超えることすら滅多にないインベイドが隊列を成している】
───────ガッ、ガガガガガッッッッッ!!!!!!!!!!
【重い音を響かせて、鋭く先端を尖らせた有針弾頭が続々と隊列を組んだ航空兵級の半数の尾から風を裂いて放たれる─────命中を狙ってではなく、回避軌道の途上に置くことで回避を制限する目的の牽制だ】
【もう半数はその小回りの利く飛翔力と強靭な顎門を頼りにしての吶喊を敢行する。真正面からだけではない、地表近くスレスレを飛翔しての真下からの奇襲と、月明かりを背にしての目眩しを織り交ぜた吶喊が本命】
【そして、其れすらも陽動として、最先鋒を務める突撃兵級の影に隠れた重装兵級が同じインベイドを巻き込む形での“交換”に狙いを定める】
- 143星河級三番艦・銀河◆ECPjTIh3Iw25/07/11(金) 22:14:55
――――海を往く巨鯨が海を往く。全長1kmを超える、白灰色と赤い線を船体に塗った巨大な船だ。
あるものは三つのイカダと呼ぶ特殊な形状。ワニの口に似た艦首の溝と、そして船体に左右でくっついたフライトポッドには、左右一つずつで40機近いBFが格納できる。
……いや、無理をすればそれ以上も可能な船体が、フライトポッドの下半分を海に沈めて海原を突き進んでいた。
それこそが対インベイドストラクチャー、星河級バトル・ストレイドの三番艦……『銀河』である。
現在進行系で、流刑大陸に向けて最高速度を出していた……水上速度、50kmだ。
「……オペレーター、状況報告」
『海中にインベイドの反応なし。広域レーダーでは既に流刑大陸で何やら……なにかが、進んでいるように動いています。それ以外は何も』
「アイアンロックシティが落ちた可能性もあるか」
その『銀河』のCICで、艦長を拝命している男が眉をしかめた。となればやることは一つだ。
「艦載機発艦準備。第一、第二、第三中隊の順だ。第一は強襲(アサルト)装備。第四中隊は4機1組で偵察装備だ」
『了解……クロノスが極東方面の海域通行許可を出してくれて助かりましたね』
「ああ。それと、戦略部門の先見にもな」
様々な運に助けられた、と艦長はひとりごちて。左右のフライトポッドの上半分が開き……BFたちが射出されていく。
帯びている任務は二つ。流刑大陸に侵入したインベイドたちへの攻撃、偵察。そして……アイアンロックシティから逃げ延びただろう、生き残りたちの確認だ。
「うまくいってくれよ」
サイコロの出目は、果たして良いものか悪いものか。未だ知らずであった。
- 144グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/11(金) 22:25:29
『────....Mr.イラストリアス。
君も私も恐らく同じ行き先だろうが、
戦況の程は把握しているかな?』
社内用の通信からの音声が入る
声の主はいつかの神父であった。
『地上も勿論の事守りが固いが、
何と言っても空中の布陣が手堅い。
地上が100なら空中には300ある....
次に、流刑大陸のインフラは壊滅状態だ
あちらにある補給物資は期待しないでくれ
そこも念頭に入れて作戦を練って欲しい。
そこにいる筈のアルテミスの隊長にも、
この連絡を通じて伝えておこう。
そして最後に....あくまで今伝えた情報は、
氷山の一角に過ぎないとも伝えておく。
あそこまで緻密に練られた破壊工作をし
隊列を備えて上陸して来た以上、十中八九
何か隠し玉があると思っておいて欲しい。
これは下手をするとクロノスの史上、
最大規模の有事に匹敵する可能性がある....
何か質問があればすぐに答えよう、
私は今、君たちが向かう場所にいる』
- 145寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/11(金) 23:16:40
【流罪大陸へ何かが飛来する】
「!#$%~|)>;;@,…"&'(#=^」
『私も動くとしよう…行くぞ我が同胞達よ』
飛行型インベイド「ギギギギギギギッ…オォォォォォォオオオ」
【黒ベースに黄色のラインが入ったBFはエイ型の飛行インベイドに乗り飛来してくる】
- 146寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/11(金) 23:23:41
【既に同胞達が撃破したBFを眺めている】
「!"$%%&~|<?>@,;」
『随分と暴れている様だな…同胞達の勝利もあるかもな』
「…?#$%(=~|\\」
『何だ?あの物体は…バディーフレイムの兵器か…?』
【近づきその物体を回収すると観察する】
- 147シンカイ◆9BZ6kXGcio25/07/12(土) 00:34:22
- 148斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/12(土) 00:50:28
- 149アリソン◆PPyRfvMZl625/07/12(土) 00:55:14
【────────────後退、逃げる?】
【否、始めからその選択肢は存在していない、存在していないから、退路へと降り注ぐ砲火を背負い、飛んだ】
【はらわたに外からずんと圧し掛かる力が彼女をコックピットに縛り付ける、鋼の腕は、操縦桿を寸分も狂いの無い動作で捻る】
・・・・・・・・・・・
【アリソンの得手とする回避運動は、予知や予測の類では無い、敵の攻撃を見てから躱す純然たる動体視力と反射神経の勝負、回避地点に先んじて撃ち込まれているのなら、射線と射線の僅かな間を進路として縫って飛ぶ、またはその隙間すら埋めようとするならば、急転により射線の更に外側へと逃避する】
【大陸湾岸を壊滅させた悪魔の軍勢、有象無象の群れに非ず、統率された群体たるインベイドの本領、よくも一人でやって来たものだと嘲る様に波濤の猛攻が活路を妨ぐ、羽音はさながら侮蔑の哄笑か】
【嗚呼、確かに愚かな行為だ、一人で敵うものか、これほどの敵を相手にして】
「笑え、哂え、嗤え……ッ!」
【愚かな行為だと自覚を以て、アリソンは血の滲んだ舌を覗かせた、勝てるだなんて思ってはいない、最初から】
・・・・・・ ・・・・・・・
【勝てないから、それで終わりか?】
【眼下に広がる鉄の街、人類が築き上げた英知と文明は得体の知れぬ存在に蹂躙され焼け落ちて往く、鉄屑と変わり果てる街、崩れて落ちた瓦礫の隙間に、ほんの僅かな空間に】
「嗤ってろ、クソッタレ共────────────ッッ、ハハハハハァッッ!!」
・・・・・・ ・・・・・・・・・
【もしかしたら、僅かにでも息を潜めて生き残っている人間が居るかもしれない、結局はそれだけの話】
【己が無謀であることは、蛮勇であることは、勝ち目が皆無であることは、この場に立ち塞がらぬ理由にはなり得ない】
【斬り払う、急転、加速、旋回、飛翔、上昇、下降、斬る、薙ぐ、廻る、────────────】
- 150グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/12(土) 08:48:28
『────諸君らに問おう。
我等の大地に犇く不埒者を恐れるか?』
[{〈........否!〉}]
『諸君らに問おう。我等の同志が生命を、
砂利粒の様に踏み躙った愚者を許せるか?』
[{〈....否!!!〉}]
『諸君らに問おう!我等の仕えるべき、
怯懦するべき"神"はあの怪物共であるか!』
[{〈否ッ!!!〉}]
『ならば聞こう!我等が裁き、滅すべき、
血肉を用い祓うべき魔とは奴等であるか!』
[{〈然り!〉}]
『ならば聞こう!これは敬愛し、恐れ敬う
天の父より与えられし我等への試練なのか!』
[{〈然り!!〉}]
『ならば問おう!その一人一人の魂を以て、
この破滅と暗雲を打ち破る覚悟はあるか!』
[{〈....然り!然り!!然りッ!!!〉}]
白磁の機体は遍く光を閉ざす暗雲の内側で、
黒い曲刃と白い光刃を構え、組み構える。
それは、ヒトが見出した"神"への祈りであり
またヒトが犯した罪の尤も端的な象徴────
即ち、十字を模した構えであった。 - 151グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/12(土) 09:04:50
『"求めよ、さらば与えられん。
尋ねよ、さらば見出さん。
門を叩け、さらば開かれん"』
〈"汝ら立ち返りて、静かにせば救いを得、
穏やかにしてより頼まば力を得べし"〉
{"初めに言があった。
言は神と共にあった。
言とは神であった。
此の言は初めに神と共に有った。
総ての物は、此れによって出来た。
出来た物の内、一つとして
此れによらない物は無かった。
此の言に命があった。
そして此の命は人の光であった。
光は闇の中に輝いている。
そして、闇は此れに勝たなかった"}
["全てを求める者は与えられ、
尋ねる者は見出し、門を叩く者は開かれる"]
『[{〈──────"AMEN"!〉}]』
聖句を唱え、神に誓う。
鉄の駆体(からだ)は敵を見据え、
数的有利を以て化け物共の滅却に掛かり
これを機に、闘争の火蓋は切って落とされた。 - 152◆OXAm1h6odk25/07/12(土) 11:15:04
【────────────戦略を以ってしても、其れは限界以上の力を与えるものではなく、だからこそ異星の軍勢は際立った動体視力と反射神経を前に遅れを取って蹂躙される】
・・・・・
【数十秒だけ、という枕詞が付くが】
【敵の機体の戦術と武装を確認して、近距離武装が主体であると推測する。シールドの類いは持ち合わせておらず、射撃武装も弾数の多い物は見受けられない】
【投射機級による牽制砲撃は続いている。絶えず最先鋒と後方部隊を区切る形で音すら置き去りにした閃光が駆け抜け、爆炎と轟音を広げる】
………………ジ、ギィィィィィィ!!!!!!
……ギャハハハハハハハ!!!!!!!
───────────キシャァァァァァァ!!!
・・・・・・・・・
【重装兵級の狙撃、それを目眩しにして榴弾級と銘打たれた異星体が戦場を駆け抜けて一直線に紅色の機体に何匹も何匹も殺到する】
【斬撃で撃墜したとしても、自爆によって広い範囲にダメージを与えられる小型種である】
【ある程度の装甲を備えていれば、ダメージは抑えられるだろう、射撃兵装を有していれば、攻撃範囲に入る前に撃ち落とせるだろう】
・・・・・
【だからこそ、キャンディボールの攻略には最適の種であるとして抜擢されたのだ】
【そして、他の機体によるカバーも投射機級による牽制砲撃で妨害している。プラズマが降り注ぐ只中を突き進まない限り、救援には赴けないように】
【敵の戦術と機体に合わせて相性の良い兵科を運用する、それは純粋な質で劣る場合での異星の軍勢の基本戦術であり────────】
・・・・・・・
【そして、純粋な質で勝る個体、空襲級がゆっくりと戦場の空をその影で覆い始めていた】
【もし観測士がいたならば、空襲級が内包する超高エネルギー反応を容易に観測できるだろう】
- 153ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/12(土) 13:07:57
【少し行ってくる 『ご武運を』】
ってな訳だが……何をどうすればインベイドに襲われるんだよコノヤロー!
【??? とある荒野】
【灼熱の太陽が照り付けるこの地で、黒いスポーツバイクにまたがる金龍は、熱烈的なファン集団に追っ掛けられていた】
【BLAMBLAM!!】
【12.7×50mmの穴を拵えるが、作る速度よりも迫り来るインベイドの速度が早かった】
銃弾だって限りあるってんだから、いい加減諦めやがれってんだよ!
【乾くこの地で大声が響いていた】 - 154カロ◆XGxCas/OAU25/07/12(土) 15:31:12
『よおルーキー。ヤツのデータはもう上に送った。初仕事にしちゃ上出来だな。』
【感慨に浸る間に、無線から聴き慣れた声が。気分が高揚して軽口を叩く】
「全くだ。まあ奴は、俺を襲った時点で運の尽きだったのさ」
『ハッ、言うねえ。…で、前に言った内容を覚えてるか?』
「…」
【脳内で、前に話した事が蘇り、再生された】
(単純な変形のみを備えるBFと違って、この『鳩』は全体が稼働しまくる。こいつらのコストは他の3.7倍ってのは良く言われるが、『その内2.1倍はこいつにかかってて…』まあ『合体機構の技術実証において必須の機体だからな』。)
「…」
『…察したか。ひとまず生き延びた事を喜びたいのは山々だが、この後どうなるかは帰ってからだ。機体も多少やられてるだろうし、早く戻って来いよ』
【『勝ち』はしたが、その代償は釣り合わない程に重い。少なくともいい気分ではいられなかった】
「…初仕事で、これか…」
- 155北極戦線◆OXAm1h6odk25/07/12(土) 18:33:44
(1/2)
【───────────────流刑大陸で開戦の火蓋が切られたのと同時に、北極の資源採掘施設に駐屯するクロノス軍もまた新たな戦争に足を踏み入れていた】
【寒冷地は人類の生存には適さない地帯であることは、北方戦線での凍死者の数と降雪によって生じた数々の予期せぬ被害が物語っているだろう。しかし今宵の北極は寒さとは無縁であった】
「─────────対空レーダーに反応!未確認飛行物体が急速に接近中、数は四〇!」
「侵略者-インベイド-め、小賢しい真似を…………自動砲塔の電磁高射砲によって迎撃しろ!クロノスの技術の何たるかを奴らに示せッ!」
【長大な砲身が身を起こし、次々と電磁力によって極超音速を超える速度の弾頭が異常に加速した榴弾級を迎撃して焔の華が寒空に咲き誇る】
【人類同士で戦争していた時代から、クロノス社は存在していたのだ。ミサイルを自動で迎撃する高射砲も既に開発済みの技術であり、その上で大規模なコロニーには当然のように設置されている】
【住環境を整えるコストが劣悪である故にコロニーが存在しない北極圏であっても、インベイドとの最前線である沿岸部には存在しているものだ】
【危うげなく、居並ぶ無数の自動電磁高射砲が榴弾級の空爆を白い氷の大地に叩き落とす。沿岸から常に溢れ出している異星の軍勢に“統率個体”の軍勢の如き規律はなく、獣性によって突き動かされる貪慾な個々の集合でしかない】
【オルトロス陸軍少将は戦況の全体図を睨みながら眉を顰めた。違和感がある。インベイドの上陸自体は砲撃艦隊とBF部隊の射撃で予防している筈だ】
【そうでありながら、一体どうやって榴弾級が上空から進んだのか】
【その思考が戦況の観測を務める部下の、震えた声での報告が遮った】
「報告します!新たに対空レーダーに反応!先程と同じく榴弾級であると推定され、数は、数は……」
「数が、どうした?」
・・・・
「─────────────約二〇〇〇匹です、オルトロス少将!現在砲撃艦隊に急速接近中、迎撃が間に合いませんッ!」 - 156北極戦線◆OXAm1h6odk25/07/12(土) 18:55:39
(2/2)
【その報告は、もはや悲鳴にも近い絶叫であった。レーダーを埋め尽くす程の巡航爆弾が複数のルートを経て戦況図を縦断する】
【一つ一つの威力と速度は脅威ではない。アポロ社の様な人類が製造するミサイル類には及ばない程度の品質だ───────だが、その物量こそが脅威だった】
【凍える様な寒空を、熱気が吹き抜ける。炎上する軍艦の残骸は上陸を試みるインベイドに対する重要な対抗策の一つが潰えた事を意味していた】
【インベイドの惑星的大規模攻勢に伴い、一時的に旧西方列強領方面での海洋重装兵級の動きも活性化している。掃海を終わらせてから再び艦隊するまで何日が必要になるか、想像したくもない】
・・・・・・・・・・
「第二波、第三波が来襲!数は全て約二〇〇〇匹、目標は高射砲と物資集積所!我々の抵抗手段を刈り取るのが目的かと!」
「インベイドが上陸を開始しました!最先鋒に強襲級が、極超音速での突撃で防護壁に猛攻を加えつつあります!」
「偵察兵級が上空から浸透中、同時に戦闘機部隊が対空級によって打撃を!」
「───────────臆するなッ!偵察兵級による観測がなければ小目標への高精度での命中は不可能だ、陸戦部隊には上陸したインベイドの撃滅に専念させろ!
対空級に対してはローン・ソルジャー部隊による撃墜を行わせろ!ロングビームライフルの射程なら空にも届く、戦闘機は偵察兵級狩りに徹しろ!」
【目紛しく戦況が変わり続ける。オルトロスは確信すらしていた。インベイドが、あの悍ましき生命共が、一度切りの再現性のない爆撃で済ませてくれるほど「優しく」はない、と】
「─────────戦線を縮小させろ!既に上陸を許した以上、広範囲に広がる陣形では各個撃破のリスクが大きい!
攻撃範囲の大きい炸裂武装を揃え、インベイドの猛攻に備えよ!榴弾級による空爆も、同じく広範囲を制圧可能な兵器で対処せよ!」
【次々と上陸するインベイドの群勢は、コア鉱石を求めて駆け出し始めていた】 - 157クロノス軍派遣部隊◆OXAm1h6odk25/07/12(土) 19:40:06
「───────────────だぁっ!!生き急ぎ過ぎってンだ、そこの紅い機体!」
【プラズマの雨が作り出す「壁」を真正面から突き破って、赤熱した増設装甲のスレイガンがプラズマをお返しとばかりに榴弾級の群れに叩き込んだ】
【重装兵級の狙撃は自力でカバーするだろう、と。真っ先に戦線に切り込んだキャンディボールの暴れ具合を間近で見たが故に「信用」して】
【プラズマ弾の食い残しである突撃兵級が吶喊するのを、その増設装甲で膨張した腕部で叩き潰して、それから若い女の声が通信に響いた】
「気が逸っちまう気持ちはアタシにも分かるけど、それでおっ死ンじまったら終わりだよ。もうだァれも助けられなくなっちまう。
───────一回、なんとかして後方に下がンぞ。さもなきゃ、」
【勝気そうで、しかしクロノス軍人として異星体についてクロノスの『異星体研究所』から発表される情報をこまめにチェックしている少女は、上空を見上げて呟いた】
・・・・・・・・・・・・・・・
「空襲(ガンシップ)級が来ちまう」
【図鑑でしか見たことのない人類にとって最大級の脅威が、形を持った現実として立ち塞がっている】
【前方から津波の様に殺到するインベイドと、退路に降り注ぐプラズマの雨に挟まれて少女は歯噛みをした】
(─────────やっぱり、勢いで動くんじゃなかった!私ってなんでいつもこうなの!?!?)
- 158エイダン◆Fd5AlHEdkk25/07/12(土) 20:45:32
【雲が重たく垂れ込める空の下をSyringe'sは飛んでいた。白銀の機影は黙々と、灰色の雲間に穴を開けるように進む】
【エイダンは操縦席に身を預けたまま、グラス越しに拡張された視界を見つめる。隅に表示されたレーダーに、未だ自分以外の存在は確認できない】
── メッセージ を表示します
【現場に着いたら、先ずは他の機体と合流を……と動きの予定を立てようとしたとき、再び通信が届いた。差出人は不詳、発信元は個人端末、IDは見慣れた英数字の組み合わせ。内容は】
ー 人類自由連盟 準ストラクチャー 星河級3番艦 《銀河》 クロノス領海を進み 流刑大陸へ出航 ー
「リジー……GJだ。マイクロ、今から述べる番号に連絡を頼む。回線はVPNを使用。内容は ''電撃戦の申し出。貴方達の《銀河》に加わらせてもらいたい。A.L'' 」
── Yes. Dr.
【本社直属のパイロットという立場上、どうしても個人での出撃が主となる自分を気遣って送ってくれたのだろう】
【出来のいい義姪の働きに感謝しつつ、銀河の出航に一役買ったであろう、尊敬する知人へメッセージを送った】
【その間に索敵範囲を拡張し、眼下に広がる大海を進む巨影を探る。返事がきたら、すぐに行動に移せるように】
- 159ノイン◆fDey8JUvvk25/07/12(土) 20:47:07
【痩身の機械天使は黄色の燐光を纏って空を駆け、そして躊躇いなくスレイガンの影にその躯体を滑り込ませ、プラズマの壁を相乗りして抜ける】
「持てよ……」
【まだ序の口だが、限界を引き出し続けねばならないことは容易に想像がついた。リミッターが作動するまで、どれだけ動き続けられるか。どうか、戦いが終わるまで作動しないでくれ。限界一杯で持ちこたえてくれ】
【そんな呟きだった】
【腰部のスタビライザが羽ばたくように稼働し、軌道は緩やか、速度は迅速に上昇へと移る】
【脚を下、頭を上。重力と人の形に従った基本的な飛行姿勢。しかしその脚先は展開し、鋭く絞られたビームを解き放つ】
【狙いは壁上の投射機級。一歩後ろへの一手の確保】
【名も知らぬクロノスの一人が、人類の同志が通信を響かせている。尤もだ。異論なし】
【であれば操縦に集中できると、機械天使は優雅に舞う】
【直角機動なんてのは推進剤と慣性が無駄だ。三次元的な弧が絡み合った軌道をスロー、スロー、クイッククイックスロー。一定のリズムを刻んでいるようで、それを僅かに狂わせて。パターンを読ませない】
【そのツインアイは眼前の航空兵級を見据えながら、脚先からのビームを次々と投射機級へ返礼する】
「っ」
【一度弾かれるようにして身を翻し、進んでいた軌道を有針弾頭が通り過ぎて行った】
【ロールからのビームサーベルによる回転切りで吶喊する航空兵級を絶命させつつ、また円軌道と壁上への射撃へと動きを戻す】
- 160ミハエル◆j28rRKKOSY25/07/12(土) 20:55:55
- 161ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/12(土) 21:14:34
【BZZZZZ】
【もう1発インベイドの眉間に狙いを定めると、突如としてインベイドが腹から弾け、奇色の血飛沫を吹き上げる!】
「何だ急に!?」
【光弾が飛んできた方向へ振り向くと、何やら一際小さいBFが緑色の煙を焚いていたのを見つけた】
(あれは……BFか……何が何だか分からんが、とにかく合流優先!)
【ブィィイイイン!】
【電磁モーターの回転数を上げ、丘上のBFに針路を切り替える!】
- 162流刑大陸侵攻軍◆OXAm1h6odk25/07/12(土) 21:52:38
『────────────────あら、あら。粒子ビームによる狙撃、ですか?面白い構造の機体ですね』
【異星の軍勢の只中で、穏やかな声を響かせ、異形の悪魔が思案する。その無言の意思を代行し、一部の異星の軍勢が如実にその動きを変えた】
・・
【前線から捕捉出来ていた「壁」の上の投射機級が後退して「壁」の影に隠れる、投射機級はあくまでプラズマ弾を放つインベイドであり、対地級を始めとする飛空インベイドの観測支援があれば曲射すら行える】
『では、こういった趣向はどうでしょうか?』
【吶喊を織り交ぜていた航空兵級が一斉に機械天使と距離を取り、有針弾頭による射撃に専念し始めると共に、榴弾級が今度は機械天使に向かい地表付近から接近を試みる】
【確かに、ビームサーベル以外の攻撃手段を持っている機械天使にとって榴弾級は絶対的脅威ではないだろう】
【ならば、と異星の軍勢が採択したのは異なる方向からの同時攻撃。並べた航空兵級による横軸の有針弾頭の射撃と榴弾級による縦軸の自爆特攻を混ぜて実行する】
【パターンを読ませない高速機に対して、そもそもの攻撃範囲で圧殺する。それだけが可能な物量が、インベイドにはある】
・・・・
【尤も、大型種を空襲級の巻き添えにしてしまうのは惜しいと対空級と対地級が上空に退避しているのは不幸中の幸いであり】
【その影響で「壁」の上の投射機級の曲射開始まで猶予が生じたのも同様であろう】
【退路を塞ぐプラズマの「壁」は、一時的ではあるものの確かに消失していた】
- 163斑鳩◆EY2wfgakAQ25/07/12(土) 22:08:26
- 164星河級三番艦・銀河◆ECPjTIh3Iw25/07/12(土) 22:35:34
『艦長、上空を飛ぶクロノス機からVPN……暗号です』
「内容は」
『本艦に同道する、と』
簡潔に情報を読み上げたオペレーターに、銀河の艦長はふむと呟いた。CIC内部にあるレーダーに表示されている機体名は……数秒経って、Syringe'sと表示された。
『銀河』のレーダー網ですら即座の照会ができなかったのである。
クロノス最高峰に位置する戦力。奇襲であれば本艦のCICを破壊することも十分可能であろうほどの凄腕。
だがそれは……『できる』ことと『する』ことの大きな差を知っている艦長の前では、如何ほどの恐怖でさえなかった。
「こちらも暗号通信で送れ。『同道歓迎す、電撃戦の申し出、受け入れたし』だ……彼には第五から第七中隊を預けたい」
[艦長、二四機もクロノス機の指揮下に入れるのか?]
副艦長があえて反対意見を出す――――そういう役割だ。
「クロノスだからこそだ。既に第四中隊には偵察、第一から第三には前線への急行を行わせている。直掩は第八だけでいい……発艦準備をさせつつ、Syringe's受け入れのためフライトポッドを開けろ。右側だ!」
『了解。Syringe'sへ、右舷側フライトポッドに着艦せよ。第五から第七中隊の発艦に合わせるべし』
仮に空を浮いていたならば、楕円形右舷側フライトポッドのゲートが開くのが見えただろう。上が開くのではなく、中央が開く形式は着艦技術が必要になる。
それが上または下からの攻撃を防ぐための措置ということは、設計に関わるものならすぐわかるはずだ。
「第二中隊のスターレターに連絡。敵の攻撃、行動に対しては受動に徹しろ。なにか起きるならば、盾を使い捨ててでも防げとな!!」
前線への指示も、簡潔だった。
- 165寄生インベイド◆Ek1c0a9/hA25/07/12(土) 22:39:28
【戦いの様子を遠くから眺めている】
「#")&&%$$~|=,;@」
『標的を確認』
【次の瞬間…BFが串刺になる】
「#"'(!(#('&&~」
『ターゲット撃破』
※誰か戦ってくれませんか? - 166ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/12(土) 23:07:42
いやー助かったー助かったー
実を言うとジリ貧みたいな状況だったから、助けてくれなかったら今頃こんなに元気ピンピンでいられなかったよ
【合流してから3分後、金龍はひと段落着けた事に安堵し、目の前の男に礼を示していた】
【インベイドの群れとは言っても、普段相手にしている物とは桁が違ったのだ。低い方に】
それはそうと自己紹介がまだだったな
俺の名前は龍(ロン)、ただのしがない青年だ。以後よろしく
そっちは?
【右の手抜きグローブを差し出し、敵意を全く込めていない眼差しを向ける】 - 167ミハエル◆j28rRKKOSY25/07/12(土) 23:45:51
- 168流刑大陸侵攻軍◆OXAm1h6odk25/07/12(土) 23:51:27
『───────────────────えぇ、勿論、聞こえているわ。クロノスの兵隊さん』
【其れはクロノス軍ではなく、人類自由連盟の企業直属戦力でもなく、同じく人類自由連盟所属の傭兵でもなく、不明な機体からの通信であった】
【穏やかで優しげな美しい声音に、理知的な響き、上品な女性の澄み渡ったソプラノボイスが通信の海に流れる】
────────ジィィィィィッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!
【──────────────────夜空を、白熱光が切り裂いた】
【〈熱線砲〉と銘打たれた武装は「壁」の上から超遠距離に至るまでを一気呵成に薙ぎ払い、その軌道上に存在していた空気が一瞬でプラズマの爆裂へと変質した眩いばかりの閃光を放った】
【熱波と爆風は閃光の軌道付近の全てを破壊する。空を飛ぶ鳥がその余熱で一瞬にして燃え尽き、黒く焦げた炭となってパラパラと風に舞い散る】
【既にアルテミスの機体を降下させた輸送機の進路を的確に狙い澄ました殺戮の為の攻撃だった。其れを実行したのは、立ち塞がる「壁」に立つ悪魔】
【並大抵のBFを凌駕する巨躯に、黒色の重厚な甲殻と大型爬虫類──────或いは肉食恐竜にも似た頭蓋骨に、胸核と顎門を繋がる赤熱する接続回路。昆虫めいた関節と外骨格の四肢を有するインベイドの個体】
『我、天の遣いに仇なす異端に罰を下しましょう──────────全ては、人類に“平和”を齎す為に』
【サイファーカルト主戦派の謳い文句に、個人的な欲望を付け加えて、そうして堂々と宣告する】
・・・・・・・・
『反撃はさせません。この大陸の全ての生命に死を賜りましょう───────私、殺すのは得意なんですよ?』
- 169ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/13(日) 00:06:14
- 170ミハエル◆j28rRKKOSY25/07/13(日) 01:25:22
【龍の取り出した指輪が太陽の光を受けて金色の煌めきを放つ、しかしこれが本物かよく出来た偽物か、値打ちを判断する目はミハエルには無い、興味無いと数歩、後ろに下がる】
「本物かどうか分からん物を出されて受け取る運び屋は3流しかいない、依頼内容に対して高すぎるしな」
【ミハエルの中で龍は既にただのバイク乗りでは無い、裏に何を抱えているか分からない怪しげな男へと変わっていた、いつでも戦闘か或いは逃走に移れる様に意識を向ける】
「……報酬は要らん、BFの手の上で良いなら運んでやる、バイクを乗せろ」
【短く答えると返答を待つ事なくコクピットに登り機体の手を地面に向けて下ろしバイクと龍が乗るのを待つ】
- 171ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/13(日) 01:48:14
- 172カロ◆XGxCas/OAU25/07/13(日) 05:56:11
「遅刻したかった。」
【補給基地に着いて最初に言い放ったのがコレだ。着地用のスペースの内一つにNINPYが佇む】
「おま…言いたいのは分かるが、流石にここじゃ言うな…」
【話す2人の横を整備班が駆け抜けていく。】
【片方の肩の板が外れ、周辺に疎な弾痕が際立つ】
【空中で落下しながらの変形や強行減速は、見えない関節にも多大な負荷をかけていた】
「生憎、アレの関節はジジババと張り合える程には弱いからな。お前のやり方は正しかったんだろうが…」
【様子がおかしい】
【コア粒子が補充され、壊れたプレートの残りが外され、予備のプレートが運ばれてくる。
まるで再出撃の準備だ】
「…そんなのは置いといて、お前に伝えなきゃいけない事があるんだ。
…良いのと悪いのと、全部話す。」
(裏スレで話した方がいいよ)
【R-18】ここだけ3勢力入り乱れ惑星外性生物と戦うリアルロボットSFな世界の裏スレ【part142】|あにまん掲示板夢のエネルギーをただのご飯にしちまう異星人!ここぞとばかりに人類の覇権を握ろうとする大企業!惑星(※地球じゃないよ)がヤベェ!!……な「ここ3ロボSF」スレの裏スレ、設定スレです【出来れば読んでいただ…bbs.animanch.com - 173カロ◆XGxCas/OAU25/07/13(日) 07:00:52
「まず悪いニュース。さっき墜とされたお陰で、下請けの会社だったココの切り札『合体・可変機』のデータはもう取れなくなった。つまり、もうアレでこの底辺から脱出する事はできなった」
「だが、そこに良いニュースが入ってきた…戦闘データを見て、BF部だけでも事足りる可能性が出てきたんだ。もしそうなら実用性がかなり上がる、ってな訳で…そう考えた『上』がGOサインを出した。それは、アイツが新たな『希望』となったって事で…」
【さっきまで色々言ってきた口がピタリと止まる。次の開き方はやたらと重かった】
「…で、『最悪のニュース』だ。同時に『生贄』になった。
今まで取ってきたデータとは違う、完全に新しいデータが必要になった。
…と言うより、『上』が要求した。
いくら革新的であれ、机上で凄く高性能だったとしても、実際のデータが無いなら何もできない。って話だ。」
【顔を背けて、カロのいる方とは反対を見つめる】
「…こんな事はしたくなかった。
お前みたいなルーキーに、濃汚いいざこざの贄になれなんて言いたくなかったさ。
…でも、俺たちが這い上がるには、これしか無いんだ。…いってくれないか」
【2人の間に、しばらくの静寂と、無機質な金属の音が流れていく】
- 174カロ◆XGxCas/OAU25/07/13(日) 07:15:07
「…えっ、それだけ?」
【カロが曇りなき目でそう言い放つ。コレは相手の度肝を抜いた】
「…冷静に考えろ。お前は今からあの機体でもう一度最前線に立たされるんだ。『それだけ』で済む筈が無い」
「あの機体は、あなた方が持てるだけの技術を使って作った、実質的な最新鋭機。それにパイロットとして、アイツの性能も癖も何もかも把握してる。アイツならできます。」
【さらりと多大な信頼を置いている事を暴露して、退路をゴリゴリと削っていった】
「……戦闘だけはするな。あくまで偵察機だからな、不味くなったら直ぐに逃げて来い」
【彼自身もカロの事は一目置いている。その結果、励ましの言葉ぐらいしか出てこなかった】
〜少々経過〜
「…って言ったのは俺だけどさ…」
【流刑大陸の空を、灰色のシャリが飛んでいる】
「…俺って、現場に出る度にヤバいのに出くわす体質だったのは初めて知ったよ。」
【偵察機故の高性能なセンサーによって、1~2キロ離れた場所からでも何かヤベーのがいることを精密に確認できた。】
「一応、接近してデータの確保を試みます」
【旨を無線で伝え、徐々に接近するルートを取る】
- 175ノイン◆fDey8JUvvk25/07/13(日) 09:03:12
【投射機級の弾幕が自らの想像以上に迅速な減少を見せたこと、何より聞こえてきたこの場に似合わない声から一つの結論に至る】
「怪物か」
【敵意は感じない。だが純然たる殺意は感じた。それはインベイドの在り方だ】
【航空級が一斉に距離を取りだした段階で飽和攻撃を確信し、横軸の有針弾頭の射撃を斜め下に潜り込む】
【そこからもう一段。脚と翼を振り込み機体を滑らせ榴弾級による縦軸の自爆特攻の範囲から逃れようとしつつ、脚部ビームと同時に宙返りして一気に火線を薙ぎ払う】
【三次元的な動きはバウンドスタビライザーの本領であった】
【歯噛みする。痩身の機体にビームキャノン2門を内蔵させながらその機動性を全く損なわせないのは流石ヴァルハラテックのジェネレータとバッテリーセル技術という他ないが、それでも高速戦闘中にビームを垂れ流して平気でいられるほどの余裕はない】
【その上相手の狙いには自身の粒子消耗も含まれ、さらにその掌に乗るしかないというのが正直なところである】
「……」
【屈辱に駆られたか、激情に溺れたか。機械天使はその脚を止めず空を舞いながら粒子兵装を流し榴弾級を処理し続け、あわよくば空戦級も返しに持っていこうとする。右脚。左脚。ビームキャノンが2門ある以上交互に撃てば過熱もしない】
【だがそれは寿命間近の老蜂が必死に舞う様にも似ていた】
「プラズマ一時停止、下がるぞ。このままでは全滅だ」
【そして、周囲の機体にこの一瞬しかないと呼びかける】
【丁度熱波と爆風が戦場を照らした。連射は効くまい】
・・・・・・
「(いや、今はしてこない。確実ではないからだ)」
【シャークトレードに応じつつ、一斉に下がるタイミングを伺い続ける】
- 176カロ◆XGxCas/OAU25/07/13(日) 09:46:39
「確かにあんなのを喰らえばひとたまりもないか。ありがとう!」
【同じく公開無線で感謝の旨を伝え、ギリギリ相手を確認できる程度の距離まで離れるルートに切り替える】
「…そういえば、無線から女性の声?を聞いたけど、何かに返答するような言い方だったから盗聴されているかもしれない。あくまで推測だけれど警戒してくれ」
【大雑把な推測を全体に流す。まあ何もしないよりマシだ】
- 177ミハエル◆j28rRKKOSY25/07/13(日) 10:25:47
- 178アリソン◆PPyRfvMZl625/07/13(日) 11:12:13
【一秒が、何倍にも引き延ばされている、呼吸が重く、息苦しい】
【何も特異な能力では無い、ただの感覚で、幻覚だ、────────────良くは、極限の集中状態とも言えるか】
【威並ぶ重装の異星体が放つ光弾に、高跳び宜しくの軌道で射線の側面へと擦り抜ける、余波の熱がキャンディボールの機体表面を焼いた、僅かに融けだした塗装色、それは粒子サーベルがチリチリと弾けさせる火の粉に撒かれて、紅く紅く輝いていた】
・・・・・・・・
(────────────クソ、ここにもガキかよ)
【至近で鳴り響く砲火の炸裂音にぼやけた聴覚、届いたのは、歳若い少女の声質だった】
【BMA社の残存兵力だろうか、それとも他企業が寄越したものだろうか、もしくは己と同じ雇われか、……記憶の彼方にある嘗ての己に似たその声がどれだけアリソンの感情を掻き毟るか】
「……だれ、か、が、止めて、ねぇと……ッ、コイツらに先に行かれちまうんだろうが、クソガキ!」
【悪態を吐いたところで、分かっている、キャンディボールは短期的に単身で敵中を突破する能力に長けてはいるが、戦線の維持や持久戦に向いた機体ではない、ここで無理をしたところで何も得られはしない】
【分かっていて、尚、感情の部分は地団駄を踏む、鉛色の空にまた一筋光線を刻みながら、アリソンは引き延ばされた時間の中で、燃え広がる眼下の惨景に視線をやる】
【また一つ、家屋が崩れ、苦々しく下唇を噛み締めて】
「……クソ、クソッ!」
【けれど、意地を張れるのはそこまでだった、到着した増援が空を裂いて、退路を塞いでいたプラズマの砲火に穴を作り出す】
【先駆けの女傭兵は、また強かに悪態を吐き捨てて、そうして出来上がった穴の向こう側へと愛機を翻した】
- 179ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/13(日) 11:20:27
- 180流刑大陸侵攻軍◆OXAm1h6odk25/07/13(日) 11:28:25
『───────────────────ふふ、嬉しいです。折角拵えた陣地ですもの、使わず死蔵するのは勿体ないですわ』
【嫋やかな声で童女のように無邪気に笑って、悪魔が鋼鉄を引き裂く爪をくるりと廻す。その動作一つで、異星の軍勢は悪魔の手足となって蠢くのだ】
【先ず、上空を好き勝手に飛び回っていた小型種が一斉に来訪した機体へと密集し始めた。羽虫の如き小型種である。その攻撃力も防御力もたかが知れており、それだけでは脅威には成り得ない、“黒雲”】
……………ギ、ギギギギ
…………ジィィギィッ!
………………ギャハハハハハハハ!!!!
・・・・・・
【音と光は別だ。その一つ一つが、紛れもなく人類の脅威たるインベイド。だからこそ、回遊する鰯の如き常軌を逸した群体は、正常で精密なセンサーであればある程に観測を狂わせる】
【一方、インベイドにとっては小型種の感覚と情報を束ねる事で、人類が駆る機体の位置が容易に特定可能であった───────そして、大陸侵攻を見越して準備されたインベイドの物量は小型種のみに留まらない】
・・・・・・ ・・・・・・
【対空級が五体、対地級が三体。バディフレームの一隊を単騎で壊滅可能と認定された大型種が、八体が連携をして殺意を剥き出しにする】
・・・・・
『でも、少し物足りないかしら?わざわざ突入するような欲しがり屋さんですものね
たっくさん殺したい気持ちは、私にも分かりますもの。是非とも応えて差し上げますわ』
【────────────────クロノス空軍の空爆は、重装兵級と投射機級が陸戦部隊によって排除された後にのみ行われる】
・・・・・・・ ・・・・・・・・
【そうしなければ、撃墜されるからだ】
【地表を進軍していた重装兵級の一部、約百門近い粒子ビームの射出孔が小型種による観測を受けて空に向けられる──────そして、一斉に対空砲撃を開始した】
・・・・・・・・
【その結果として、地上の最前線の侵攻圧が一時的に低下した。其れに気付ける人間が何人いるだろうか?】
- 181ミハエル◆j28rRKKOSY25/07/13(日) 11:44:47
- 182合同軍◆OXAm1h6odk25/07/13(日) 11:57:09
・・・・・・・・・・・・
「だけど、アンタの機体は向いてないでしょうがッ!止めるような仕事はアタシらがやった方が効率が良いのッ!
────アタシたちは、一人で何でも出来る様な超人じゃないんだ。互いに補い合わないと!」
「同感だな。歴戦の傭兵を雑兵如きに奪われるのは人類の損失だ、無闇な特攻は謹んで頂けたい。此処は我々の戦場、手柄を奪うな」
【クロノス軍の若き女兵士に同調するのは、救援の為に同じく後方から現れた神経質そうな声の人自連の傭兵である】
【紅陽機関の企業標準機『歳獣』のコアパーツだけをミュール・コーポレーション製に換装し、重散弾砲の代わりに同社のプラズマライフル『ソナタ』を装備した機体だ】
【四つも装備した十連装ミサイルを遠慮なく異星の軍勢に叩き込んで侵攻を牽制し、その隙にチャージを終えたプラズマ弾で前線を抉り取る】
【其れに負けじと「殲龍」も肩部の加粒子砲を開放して狙撃を狙っていた重装兵級の射出孔を逆に撃ち抜く。双方、共に殲滅力に優れた機体である】
「………とは言え、我々もそろそろ撤退しなければ蜂の巣だろう。迫撃用戦力は削った筈だ、後方陣地に迅速に下がらなければ」
【機械天使の勧告に従って、傭兵もまた獣型四脚を旋回させて進行方向を転換する】
【────────────────────絶対的な死が、インベイドの超大型種が、最前線の空に到着した】
- 183ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/13(日) 12:00:24
- 184ミハエル◆j28rRKKOSY25/07/13(日) 13:06:47
- 185ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/13(日) 13:25:21
- 186グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/13(日) 15:09:20
『(....何か、少しだけではあるだろうが
地上部隊の侵攻の勢いが弱まったような....?)』
とはいえ、だから楽になった訳ではない。
元々100だったのが99か98になったところで、
熟達していない兵士では何ら違いはないのだ。
とはいえ、先導を担う神父には僅かながら
インベイドの指揮系統を考察する隙が出来た
『(指揮官として動いているのはあの巨体、
それ以外はあくまで指揮下で、命令通りに
各々の使える技を駆使して襲い掛かっている
そしてクロノス軍へ徹底的にメタを張り、
事実、空軍の火力を警戒しているのは明白....
統率個体ではないにせよ、あの巨体は
かなり優秀な指揮官として鎮座しているな
ならば指揮官を崩せれば....だがしかし、
そんな悠長な隙を作れる手筈は期待出来ない
心臓部やコアを一撃で撃ち抜ける兵器辺りが
欲しい所だが....まずそんな物があるかどうか。)』
『(そもそも、送電系統などは破壊された。
ならまず地上の淘汰圧が減っている今の内に、
ある程度は地上の兵力を削っておかねば....)』
ひとまず、指揮官の意識が空にあるうちに
出来る限りの地上の軍勢を削る事を選択した
- 187ミハエル◆j28rRKKOSY25/07/13(日) 15:13:52
- 188ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/13(日) 16:02:52
早とちりし過ぎだ
俺は郊外としか言ってねぇよ
まぁ……そんな所に居るわけだから、ごく小規模で多方面に融通が効くんだけどな
【首を小刻みに揺らして、さもありなんといった具合に訂正する】
【そうして同じように懐から代金を少し多めに取り出してから、ミハエルの後ろについて行く】
「それにしてもクロノスの人間がBF探しにこんなとこまでねぇ、敵討ちでもするつもりか?」
敵討ちじゃねぇ。知り合いからの依頼だよ
さっきも言ったように"ごく小規模"でしか顔は効かないから、こうやってセコセコ自分の脚も使って探し回っていたんだ
六次の隔たりとか何とか言うが、ありゃぁ多分嘘だね
【倉庫に着くと、ストリートキッド達が雲のように集まっていた。彼らの遠巻きに見るのは、BFとここら一帯ではあまり見かけないフォルムのバイク】
おら、これやるからどっか行ってな
【使い道が消えた指輪を投げ渡すと、キッド達は大はしゃぎで消え去った】
- 189ソフィー◆KPwoT407kA25/07/13(日) 16:11:56
(この戦術…)
【クロノスが常日頃インベイドへ取っているという戦術体系への類似点を、ソフィーは計上した。それが学習の結果か、それとも別の何かであるかについては更に考察する余地があるが…この侵攻圧の低下は作戦行動上の一環にして、こちらを誘う罠。だとすれば】
『拡散結晶弾頭部隊ハ一時停滞シツツ敵前線ノ戦力ヲ引キ続キ牽制。全友軍機ニコノ予測ヲ通達シ被害ノ最小限化ニ努メマス』
「津波の前の引き潮という訳でありますか。一筋縄では行かないでありますね」
【その予測結果算出を皮切りに地上の、ヴァルハラテック部隊の動きが違和感を極力抑えつつ何時でも後退できるような動きへと切り替わる。シュヴェルトライテの直衛を務めるヴァルキリーが人自連と救援に来たクロノスへ向けて“罠の可能性がある”という事を提示し、何時でも下がれるようにスラスターの準備はしておけ、と忠言した】
- 190銀河艦載機部隊◆ECPjTIh3Iw25/07/13(日) 17:13:14
「――――第三中隊、『アーエス』の展開準備。どうやら敵は対空を重視しているようだ」
その動きに対し動きを見せたのは、ストラクチャー『銀河』から派遣された艦載機部隊のうち、第三中隊だ。
エースたるソラ・スターレターは現在別の用事で別行動だが、戦場の動きは偵察も行っている第四中隊からある程度通っている。
・・
SHINSEIの改造機たるロングソード12機が、高機動機体達のいる空中ではなく地上でゆったりと動きながらビームマシンガンとダブルアサルトライフルで敵榴弾型や射撃型など、遠距離攻撃を行う敵への牽制を取る。
「装甲が薄い機体はロングソードの後ろに回れ!!『アーエス』で守ってやる!!」
第三中隊長から、全回線での声だった。対地圧が減っているとはいえ重装型が地上機を撃たないというわけではなく……一機のロングソードに向けて放たれたそれが、左腕から展開された盾に当たる。
熱と衝撃はあれど、防御しきっていた。
「空襲型が動くかもしれん、すぐ逃げるか防御できるようにしろよ!!」
油断はない。だが、予想外はあるかもしれない。危惧だった。
- 191流刑大陸侵攻軍◆OXAm1h6odk25/07/13(日) 17:23:05
>>175>>178>>182>>186>>189>>190
(1/3)
【空襲級と、そう銘打たれたインベイドは重装兵級の上位種であると考えられている】
【重装兵級を上回る巨体と浮遊能力を有しており、弱点であった射出孔も開閉が可能となり、更に任意の位置に射出孔を生成可能となり、そして電磁障壁によって従来型よりも一層防御能力に優れた個体群である】
【──────────────────その真価は、与えられない名前の通り、インベイドが制空権を確保している条件下での空襲能力に他ならない】
【異次元の超高エネルギー反応を伴って、鋭角的なエイにも似たその異形の姿が、天空より異星の軍勢と衝突する合同軍を見下ろした】
【ゆっくりと、地表に水平な正面に、数々の射出孔が姿を覗かせる。一つ一つが人類の扱う粒子兵器に匹敵する威力を誇るであろう口径が合同軍の最前線部隊に向けられて】
────────────────────ジ、
【其れは、驟雨だった】
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
【コンマを経る度に射出孔の位置が変動し続けて、観測と予測が追い付かない物量と攻撃範囲が地表へと降り注ぐ】
【前線で突出してしまった機体が、文字通り浴びる程の粒子ビームを喰らって白色の閃光と化して夜闇に爆ぜる。地表を薙ぎ払う様に縦横無尽に動き回る粒子の線は、刹那の内に戦場を白熱する灼熱地獄に変えてしまった】
【無差別に、無作為に、爆風と熱波が瞬時に戦場を燃やし尽くす。降り注ぎ続ける粒子光線の余波だけで瓦礫が融解して、辛うじて生き延びた若芽も炎上する】
【当然、警告に従った、或いは空襲級の脅威を事前に識っていた部隊はその猛爆の攻撃範囲から逃れる事が出来たであろう】
【咄嗟に機体を後退させて、正に目の前を通過した粒子ビームに冷たい汗を背中に流しながら安堵の息を吐いたパイロットは、そしてその一秒後に灼熱の光線に呑まれて蒸発した】
- 192流刑大陸侵攻軍◆OXAm1h6odk25/07/13(日) 17:43:17
(2/3)
────ガンッ!!!
「───────────────────コッ、イツゥゥゥ……………ッ!」
【クロノス軍、東方大陸極東方面軍、红乐糖曹長は愕然としながら震える腕でコクピットの壁を殴って叫んだ】
【目の前に広がる光景から逃避したくて、だが間近に迫る熱波と爆風が現実を突き付けてくる】
【迅速に撤退の判断を下した、その筈だ。ホバーを搭載しているとは言え念には念を入れて大きく距離を離した─────だが、事実として空襲級の猛爆は目前に迫りつつある】
・・・・・・
「動きやがった、こンのクソ野郎がァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!!!」
・・・・・・・・・・・・・・・
【最戦線を、五〇〇〇メートル以上も直進した】
【重装兵級が浮遊しながら前進するように、空襲級もまた地表に猛爆を加え続けながら高空を傍若無人に前進している】
【岩盤が融解する。補給路が煤塵と化す。その巨躯で、粒子光線の驟雨を降らせながは、一般的なBFと同じ速度を保ちながら進むだけ─────それだけで、戦線は崩壊するのだ】
────────ギャハハハハハハ!!!!!!
「クソッ、クソッ、クソッ─────────この腐れインベイド共めが………………ッッ!アタシの邪魔を、するなァァァァァァ!!!!!!!!!」
【逃走経路には、合同軍が到着するまでの間に予め埋め込まれていたのであろう榴弾級が這い上がって撤退を図る機体の前に立ち塞がっている】
【砲を撃てば一撃で消し飛ばせる敵に過ぎず、だがその刹那の時間が命を左右する絶死の戦場で、彼女は決断を下した】
「…………良いぜ、チョイと刺激が足りなかったンだろ?
ならアタシが満足させてやるよ……………………死ンじまいな、こンのバケモノ共がァァァァァァァァァッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!」
【意図的に「殲龍」をオーバーロードさせて、地中に潜伏していた榴弾兵級を土砂諸共に大規模火力で消し飛ばす────────その直後に降り注いだ粒子光線が、红の躰を焼き尽くした】 - 193カロ◆XGxCas/OAU25/07/13(日) 17:45:03
…ガッ ジジーーー
ザザッ ザザザザザッ
ピーーーーーーーーーーーー
「オイオイなんだよ!情報過多によるエラー!?」
【複合センサーはその名前の通り数種類のセンサーとそのデータを複合させる。通常であればより詳細ないデータを取れるが、今回はそれが裏目に出た】
(ただ訓練でやってるぞ…赤外線センサ以外を再起動させて…)
【慣れた手つきで横の多様なスイッチを触り動かしていく。少ししてモニターから字が消え、カラフルで荒い画像を映し出した】
「手順通り再起動中。接続も確認…?」
【最後の方の言い方が変になる。モニターに映るもの、それは異様に大きな、明るい色の塊】
「…巨大な熱源を探知!詳細不明によりBF形態による有視確認に切り替える!!」
【空を飛ぶ塊が速度を落とし、開いて人型に変わった。】
【見てしまった。自身に寄る、黒い雲となったインベイド達を】
「…おい…そんなの…」
【呆気に取られた瞬間、直ぐ真横を粒子の光線が掠め、機体の左側を腕ごと奪い去った。全体が揺れ、画面が機体の損傷を伝える赤色の点滅を続ける】
「いっ!?!?くそっ…試験中止!!退避します!!」
【操縦桿を思い切り引き、推進機関を全力で吹かせた】
- 194グリゴリー◆5Q4kt6Q.kc25/07/13(日) 18:01:50
『全く、成程....この流刑大陸の戦況を、
短時間でひっくり返したのも頷けるな!』
驟雨の如き光線、それは当たれば死は免れず
当たらなくても熱に灼かれる二段の構え。
合理性と凶暴性を合わせ持つインベイドを
象徴するような、無慈悲かつ残酷な光だった。
『(昔、こんなゲィムをやった事があるような...)』
現実逃避だろう、そんな考えがふと頭に浮かぶ
サポートAI.は回避と生存にリソースを全て割き、
あのゲィムのように気さくな声は聞こえない。
"飛翔の奇跡"は5分しか持たなかったものだが、
今はそれであっても喉から手が出る程欲しい。
『───、ええい!鬱陶しい!』
長年の戦いで得た第六感に近い勘の鋭さは
何とか無数の光線を掻い潜りつつ、その内
機体へ落ちて来る光線を時折、自武装の
液体金属を削りながら弾いて弾幕を抜け....
大幅なエネルギー損耗と引き換えに、
死地を抜け出す事に成功したのだった。
- 195エイダン◆Fd5AlHEdkk25/07/13(日) 18:02:02
「 《了解。快諾感謝する》 」
【黒海を往く大戦艦。ストラクチャーの称号に恥じぬ雄々しい巨鯨の姿を視界に収めつつ、与えられた指示に短い礼を併せて返しながら、開けられた口へ乗り込んだ】
【まるで空中に不可視のレールでも敷かれているのかと思わされるほどに、危うげの無い動きで着艦したSyringe'sを24機のロングソードが出迎える】
【そのうちの一機。おそらく隊長格と思われる者が進み出て、真っ直ぐにバイザーアイを向けながら敬礼を示した】
「同道、歓迎致します、Mr.リー。自分は第五中隊の隊長を任されております、分隊長のエインズワース・ヒースと申します。第五から第七中隊を代表して、ご挨拶申し上げます」
【澱みない挨拶の後、本作戦の完了もしくは同道の解消まで自分の指揮下に入ると告げるエインズへ、こちらも敬礼を返しながら応える】
「ご丁寧にどうも、Mr.ヒース。……しかし、僕は大隊の指揮に慣れてなくてね。必要最低限の指示しか出せないが、構わないかな」
「結構です。こちらも必要以上の干渉はしません。互いの効率を損なわないよう、心掛けましょう」
「あゝ僕もそうしよう」
【互いに礼を解き、配置に付く。ヒースの後ろに控える機体群からは鋭い視線を感じるが、あえて気に留めない。個人的な感情でバカを起こすような輩は、そもそもストラクチャーに載せられないと知っているからだ】
《第五から第七中隊、全機発艦準備》
【少し経って、フライトポッド内に付けられたスピーカーから指令が下る。ゲートが開き、雲の代わりに空を埋め尽くす異星の軍勢が見え、雨粒の代わりに不快な羽音が絶え間なく入り込んでくる】
「飛び出したら第五中隊は僕に、第六から第七中隊は味方機の援護を」
「了解」
《発艦始め!》
【号令に従って白銀が、次いでロングソードが続々と飛び立つ。25つの目が初めに見たのは、空と地の境すら埋め尽くす大軍勢。その中央に悠々と佇む異形から、雷撃の如く降り注がれる白熱光】
【Syringe'sの拡張された視界に映るは、この大陸に住まう人々の軌跡を残らず剥がさんとする狼藉の数々。熱線に焼かれ逝く兵士たちの残影】
【────── 地獄だった】
- 196流刑大陸侵攻軍◆OXAm1h6odk25/07/13(日) 18:05:06
(3/3)
【空襲級による猛爆による戦線の押し返しと、事前に用意した罠による逃走経路潰し】
【粒子光線の驟雨は大地を穿ち、巻き上がった砂塵さえも燃え上がって、眩い爆発が津波の如き閃光の「壁」となって夜空に悠然と浮かぶ空襲級を煌々と照らした】
【クルリ、と空襲級がエイに似たその姿を仰け反らせて反転して、今度は背面が地表に向けられる】
【満載された榴弾(グレネード)級が、猛爆を潜り抜けた機体に追撃を行うべく、一直線に俄雨の如く爆破の雨を降らせる】
【──────────────────目標は、速度に優れる代わりに装甲と装備類が乏しい機体。依然として変わらず、同じ空のステージに上がって空襲級に肉薄可能な戦力を削る為に】
・・・
【地上戦力が比較的航空戦力よりマシだとしても、航空戦力が地表への攻撃を行えない道理は存在していないのだ】
【クロノス空軍は二十年間、億を超える数の異星の軍勢を勤勉に爆撃のシミに変えた。合理的であるのなら、インベイドは敵の戦術を模倣するのに躊躇いはない】
【─────────────────だが、空襲級は非常に燃費が悪い個体でもある】
【エネルギー供給のために低空へ降下する姿が頻繁に確認されており、そしてその隙を突いて少数精鋭に討伐された事例も存在する】
【だが、今、空襲級は「壁」へ───────無数の投射機級が鎮座し、隊列を組む地上戦力によって厳重に守られ、そして何よりも異形の悪魔が殺戮の欲を漲らせて立つ要塞へと帰還を果たした】
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【コレは、第一波に過ぎない】
【「壁」の陥落まで、空襲級は適度な補給と頻度で延々と攻撃を繰り返す事だろう─────────そして、時間を稼がれれば対人類用ストラクチャーが戦線をプラズマの洪水で呑み込む】
『あはっ♡やっっぱり、戦争は愉しいですねっ!』
【舞い散る屍の山を前にして、異形の悪魔は深々と息を吐いた】 - 197『銀河』艦載機部隊◆ECPjTIh3Iw25/07/13(日) 18:06:31
- 198◆j28rRKKOSY25/07/13(日) 20:18:13
- 199ゴルドラ◆ncKvmqq0Bs25/07/13(日) 20:35:25
既に言っただろう
顔が《ごく小規模で多方面に効く》んだって
【訝しげな視線を向けられるも、去り行くキッド達を見ながらニヤけて往なす】
まぁそうだな……君と遭遇できた場所から北西50kmだ
が、さっきのジャーキー以外の駄賃はどうする?
【バイクを叩き起こし、不備が無いのを確認してから掌に固定する】
【いつでも出立できていた】
- 200アリソン◆PPyRfvMZl625/07/13(日) 21:12:46
【────────────死んだ】
【死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、死んだ、……遍く屍は機械油と火によって撒かれ、焼かれ、コックピットすら貫いて薫る悪臭と腐り果てる】
【広がるは鉄屑と鉛色の海、押し寄せるは、異形のインベイドが形作る大津波】
「……ッ、」
【身を賭して敵中を焼いた少女の末期の反抗が、それ以上の砲火に掻き消えて行く光景を前にして】
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【彼女と入れ替わる様に後ろへと退いた、退いてしまった己が、子供を犠牲にして生き残ったという事実を苦悶の形相で噛み締める、留まってさえいれば、せめて少女一人撤退する暇くらいは稼げたのではないか】
【焦熱の戦場で、なおも抗おうと叫んだ彼女の慟哭が、幼少時代の自分自身の姿と重なって消えなかった】
「チィ────────────ッ!」
『な……オイ!』
【じっとしていられずに奔る、傍らで弾幕を張っていたスカッドソルジャーの手元から、アサルトライフルを毟り取り、キャンディボールは再び空へと帰還する】
【降り注ぐ榴弾級への対処だ、接近すれば炸裂するのなら、射撃で】
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【嗚呼、この戦闘射程は苦手だ、収奪品でCPUによる補正も働かないキャンディボールの銃口の狙いは射撃反動でガタガタにブレる、ブレはするが、雨の様に隙間なく敵が降って来るのなら、どれかには当たり続けてもくれるだろう】