【SS】鬼龍「ふんっ、ずいぶんと寂れた村だな」

  • 1二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 15:45:33

    鬼龍「おいっ、今晩泊まれる場所はないのか」

  • 2二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 15:46:10

    何が始まる…?

  • 3二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 15:46:29

    ミッドサマーやん元気しとん?

  • 4125/07/05(土) 15:46:41

    >>1

    村長「す・・・すいません・・・この村では何年も前から裏山にある寺にバケモノが出て和尚や住職が来るたびに襲われて荼毘に伏してしまい、それを恐れて年々村人が出て行き村唯一の旅館も潰れてしまっているのです」


    鬼龍「ほう、化け物か・・・警察や自衛隊はどうした?」


    駐在警官「ウム、本部や自衛隊に通報はしたが、流石に信じてもらえなかったんだなあ・・・」


    村長「そういうことだから早くこの村から出るか、どうしてもというならワシの家に泊まるかした方がいいと思われるが・・・」


    鬼龍「いいや、折角だから例の寺に泊まることにした」


    駐在警官「そうかそうか・・・なにっ」


    村民「なんだあっ」

  • 5二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 15:46:45

    おっSSスレが立ったぞ!

  • 6125/07/05(土) 15:48:06

    >>4

    鬼龍「結局村長や警察が『寺だけはやめろーーーっ』と五月蝿いから睨みつけて有無を言わさずに下がらせたが・・・この寺の荒れ具合は無惨だな」


    「仏像や仏具といった美術品もこれでは哀れだ」

    「絵だけじゃない・・・彫刻や装飾・・・俺はあらゆる“美”を作り出す奴は無条件で尊敬する」

    「そして“美”を蔑ろにする奴は無条件で愚弄する」

  • 7二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 15:49:49

    改めて文章に組み込まれると火葬するって意味の“荼毘に付す”が死ぬって意味になってるの違和感強いっスね…

  • 8125/07/05(土) 15:51:02

    >>6

    そして夜も更け、電気の利器のない周囲は静寂の闇に包まれた


    鬼龍「幸いにして眠ることのできる準備はできた、あとは化け物の出る丑三つ時まで待つだけだ」


    しかしそこに声をかけるものが現れた


    「ボクぅ?今夜ここで寝泊まりする子やね?」

    「ちょうお兄チャンとなぞなぞにつきおうてや」


    そこには品行方正とはまるで無縁の危険なオーラを放ちながら、得体の知れない大入道が練り佇んでいた

  • 9二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 15:51:44

    ブタマンやんけ
    一発で終わりスね

  • 10二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 15:52:02

    あーががw

  • 11125/07/05(土) 15:52:47

    >>8

    鬼龍「ほう・・・いきなり始まるのか!」


    大入道「“両足八足大足二足、横行自在にして、両目は天を差す”これが何を指しているのかおどれにわかるか あーん?」

    「ちなみに答えられなかったらこれまでの奴ら同様に首を刎ねてバリボリ喰ったるさかい、覚悟しときや」

  • 12125/07/05(土) 15:54:25

    >>11

    鬼龍「フンッ、この程度の問答が解けないわけがないだろう」

    「何がバケモノだ、貴様は所詮“4対8本の歩脚とはまた別に1対2本の鉗脚(ハサミ)を持ち、その体勢故に横方向移動が最も効率的であり、眼は柄が伸びてある程度自由に動かせて折りたたむことも天をつくように伸ばすこともできるが、湯だれば朱色になる”蟹にすぎない!!」


    そう答えながら鬼龍の「龍腿“ドラゴン・フット”」から放たれる一撃が大入道の顔面を捕らえた

  • 13二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 15:55:58

    おーっ ワシがガキッの頃に読んだ民話やん

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 15:56:34

    >>12

    しかし・・・


    「笑がすなあババタレがーーっ」


    鬼龍「かにっ・・・いや、なにっ」


    気がつくと大入道の体は皮だけになっており、その背後には得体の知れない影が蠢いていた



    「“蟹坊主”の正解もわからないやつは・・・」

    「“頭が柔らかくなるまで噛み砕く”ペナルティじゃーーっ!!」

    そこにはシマキン1人分はあろうかというほど大きな甲羅に人の顔が浮き上がった、不気味な姿の大蟹がいた

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 15:58:32

    >>14

    ◇この擬音まで浮き上がった背甲は…?

  • 16125/07/05(土) 15:59:21

    >>14

    「しばきあげたらあっ」

    不気味な咆哮とともに、大蟹“蟹坊主”が問答通りに横歩きで鬼龍の元に向かった

    だがしかし


    鬼龍「答えられたのが悔しくて暴力に走るか」

    「面白い、それこそ俺が求めていた化け物退治だっ」

    そう言うが早いが鬼龍は空いた腹部に拳を叩き込んだ


    「腹がガラ空きだぜ」


    しかし

    蟹坊主「・・・なんやそらあっ」


    腹部もまた甲殻に被われた蟹坊主にとっては軽く触れられたも同然だった

  • 17125/07/05(土) 16:00:44

    >>16

    蟹坊主「こそばゆいんじゃあっ」

    蟹坊主の振るった巨大な鋏が鬼龍の頭を掠める


    鬼龍(速度こそあったが動きが大ぶりなのが幸いしたな)(万が一両腕で受け止めでもしたら、一発で両腕が折れていただろう)


    鬼龍(しかしあの甲殻だ、単純な打撃技は通用しない...)(ならば...!)


    鬼龍「灘神影流“霞突き”!!」


    鬼龍は目にも止まらぬ速さの突きを蟹坊主の脚に幾つも繰り出した

  • 18125/07/05(土) 16:02:19

    >>17

    「さっきから何度も何度もこそばゆいんじゃあっ」

    しかし堅牢な甲殻に包まれた蟹坊主にとっては効き目がなく、鋭い脚先の爪で逆に踏み貫きにかかる


    鬼龍「灘神影流“弾丸すべり”」


    しかし鬼龍も灘神影流の技を持って爪の軌道を逸らしつつ、距離を逆に詰めそして...!


    鬼龍「さっきの回答を修正する必要があるが...その前にお前を潰せばいいだけだっ」ボキィッ


    蟹坊主の脚に抱きつき、

    彼の甥・宮沢熹一の用いるどの技とも違う、また別の関節技によって締め上げ、左の一番後ろの脚を捻り切った!

  • 19二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 16:03:23

    >>18

    W

  • 20125/07/05(土) 16:07:55

    >>18

    蟹坊主「あががっ」


    先ほどの霞突きは反響音によって、関節でも特に柔らかい部位を探っていたのだ

    間髪入れずに次々と脚を捻じ切っていき、4本にまで脚を減らしていく


    蟹坊主「あががががっ....なんでやっ、なんで脚が生えてきいへんのじゃーっ」


    蟹というのは元々、脚を失っても脱皮を重ねることによって再生する

    そして妖怪・蟹坊主ともなれば脚が折れても直ぐに元通りに生え揃う

    過去に蟹坊主と戦った僧侶やファイター達もこの能力に苦しめられた末に蟹坊主の餌食と化した

    しかし、何故か今は一向に脚が再生する様子は見えないのだ

  • 21125/07/05(土) 16:11:32

    >>20

    鬼龍「ギリシャ神話にヒドラという怪蛇がいる」

    「それは首を断つと2倍になってまた生えるのだそうだ」

    「英雄ヘラクレスはそんな化け物をどう倒したと思う?」

    「首の断面を火で焼き払ったのだ!」


    実は鬼龍は脚を捩じ切った断面に即「灘神影流“塊貫拳”」を叩き込み、体内の再生機能を破壊していたのだった

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 16:13:28

    普通にバトルが面白いなんてワタシは聞いてないよっ

  • 23125/07/05(土) 16:14:19

    >>21

    そうして鬼龍は左腕の鋏に抱きつくと


    鬼龍「流石は腕代わりの器官、へし折るには工夫が要りそうだ」


    蟹坊主「笑がすなババタレがあーーーーっ」


    自身を貫かんとする右腕の鋏を見過ごさずに


    鬼龍「灘神影流“弾丸すべり”」

    弾丸すべりによって軌道を逸らされ、左腕の付け根に深々と右腕鋏が突き刺さった!!

  • 24125/07/05(土) 16:15:27

    >>23

    その隙を見逃さずに、左腕の付け根に「龍腿“ドラゴン・フット”」が一撃を放つ!


    鬼龍「灘神影流応用・“塊貫蹴”!!」


    蟹坊主「うぎゃああああああああああああ」


    気を込めた龍腿から放たれる蹴りによって生命体の内部を破壊する一撃を喰らい、左腕が2度と再生できなくなった挙句に、ダメージは頭部の左半分にまで及んだ

  • 25125/07/05(土) 16:17:40

    >>24

    悲鳴を上げた隙を逃さずに鬼龍は蟹坊主の懐に入り込む


    鬼龍「戦っているうちに思い出した」

    「確か蟹の腹部はこのように折りたたまれているんだったな」


    そういうが早いが蟹類の折りたたまれた腹部、通称「フンドシ」を無理矢理にこじ開けるがいなや


    鬼龍「この技を使ったことはあまりないが...使わせてもらおう」

  • 26二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 16:20:19

    このレスは削除されています

  • 27125/07/05(土) 16:22:13

    >>25

    鬼龍「灘神影流」




              「“爆 丹 拳”」




    気を込めた拳をフンドシの関節部分に叩きつけることで体内で気が爆発し腹部の付け根が吹き飛ぶ!!


    その衝撃波が体内に及び、全身の毛細血管をはじめ脳にまでダメージが通った・・・!!

  • 28125/07/05(土) 16:24:15

    >>27

    「ウギャアアアアアアアアア!!!!!」


    甲羅についた入道の顔がピカソの絵のように歪み、全身の甲羅は内側から罅割れていき、各部から血や体液を噴出させながら、ついに蟹坊主は逃げ出した


    鬼龍「やれやれ...“経つ蟹後を濁す”だな...こんなに汚くては寝れやしない」


    そう言って鬼龍が周囲の掃除を終え、自身も体を洗い流すために近くの川へ向かった時にはもう日はとっくに昇っていた

  • 29二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 16:30:09

    >>28

    川の水が注ぐ、寺の近くの池の底には全身がバラバラになった、見るも無惨な蟹坊主の死骸が沈み、多数の魚や蟹に食われたことで、甲羅の顔をはじめとする原型はほとんど残っていなかった


    鬼龍「無様な最後...だな」


    鬼龍は身を清め終えるとすぐに寺に戻り荷物をまとめて村まで降りて行った

  • 30二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 16:35:07

    >>29

    村長「いやあまさかバケモノの正体が巨大な蟹だったなんてねえ」


    駐在警官「本当に倒すなんて驚いたよ」


    鬼龍「フンっ、俺があんな蟹如きに負けるわけがないだろう」

    「そんなことよりもだ、俺は神や仏など信じちゃいないが、あの寺の美術品はこのまま埋もれさせておくのは人類の損失だ、蟹のいなくなった間に金しか見ていない蛆虫に盗まれないうちに、丁寧に管理しておけ...ルーブル美術館のように」


    村民「ウム、蟹のバケモノがいなくなったなら、出て行った村民もきっと戻ってくるから、皆でちゃんと寺を守ってやらないとなあ」


    駐在警官「いっそのこと、寺を山の上から移してもいいかもしれないね」


    村長「そうだ、不躾かも知れないがあなたさえよければどうでしょう、この村に寺を守るのは...」


    鬼龍「俺が...?冗談だろ」

    鬼龍「俺は“怪物を超えた怪物”、“悪魔を超えた悪魔”だ、こんな場所では居心地が悪い」


    そういうと鬼龍は振り返ることもせず、惜しまれる声を受けながら村を去っていった



    鬼龍は何者にも縛られない、鬼龍が従うものは己の武だけである


    (完)

  • 31二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 16:41:05

    キミ今月のグッドスレとして認めるネ

    他の妖怪、怪異でのストーリーの構想はあるのか教えてくれよ ワシめっちゃ読みたいし

  • 32125/07/05(土) 16:43:08

    というわけで、初めてのタフSSだったのん

    ここまで読んでくれた皆、ありがとうございましたあっ


    >>31

    あざーっす

    今のところは続編新作構想はナイっすね

    でも、こういう話が見たいとかを感想のほかにこのスレに書いてくれるのは大歓迎やで

  • 33二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 17:56:46

    見事やな…
    尊敬するでっ

スレッドは7/6 03:56頃に落ちます

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