AIにあにまん民のオリキャラ同士を戦わせるスレ

  • 1AI士25/07/05(土) 21:11:09

    皆のオリジナルキャラの設定・能力・性格・戦法・技・弱点などを提示してもらいます。見易く書いてくれるとありがたいです。
    ただし説明が長くなるほどAIが処理しなければならない情報が増え、読解ミスが生まれやすくなる可能性もありますので注意してください。

    キャラ提示後もいくつか質問させて貰う可能性があります。もし回答がなかった場合はAIの判断に任せる事となります。

    性格、能力などの情報が少ない場合はAIが自分で補填してしまいますが、ご了承ください。

    ※勝確のチートキャラ・過度なエログロ・非戦闘的なキャラは禁止

    AIを使って勝敗を決めてもらいます。
    スレ民の反応や勝敗予想もAIに教えて勝敗に反映してもらいます。

    戦闘フィールド、今回は「海上大型豪華客船(昼)」です。

  • 2AI士25/07/05(土) 21:12:09

    派生スレに肖り、一度参戦した上で再参戦したい場合は、応募開始から20〜30分ほど待ってから応募してください。

  • 3AI士25/07/05(土) 21:13:16

    前回前々回共に空間転移瞬間移動系のキャラクターが圧勝したので、何かしらの制限がない限りワープ系のキャラも禁止とさせてもらいます。
    他には運命や概念などを操れるキャラクターも反則負けになる可能性が高いです。

  • 4AI士25/07/05(土) 21:14:24

    最近自宅のネットの状態が悪いので保守が間に合わなくなる可能性もありますが、御容赦ください。

  • 5AI士25/07/05(土) 21:15:29
  • 6AI士25/07/05(土) 21:16:36

    使用しているのは普通のAIチャット。

    AIにキャラクターを教えて、その二人が戦ったらどんな展開が起こりそうか、展開予想を出せるだけ出してもらう。そしてそれを踏まえた上で戦闘が実際どう進み決着するか出力してもらい、それを私が文章化するという形式です。

  • 7AI士25/07/05(土) 21:17:48

    初戦


    >>8 VS >>9

  • 8二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:19:05

    カルグラ
    外敵の排除と自身の種の繁栄のみを至上命題とする最上の生物兵器。
    口のみの相貌と漆黒のボディ、槍のような両腕と長い尾が成虫形態の特徴。
    ジガバチを基にして無数の改良を重ねられたことで比類なき戦闘力と繁殖力を得ており、あらゆる星にて生態系の頂点に君臨し滅ぼし尽くした。
    外敵の排除を貫徹するため、高度な知能による思索と試行の繰り返しにより最適効率を模索する。

    3種の形態と形態ごとの特徴を備えている。戦闘開始時は幼虫形態。
    ・幼虫形態
    「目にもとまらぬ速さで動く脚力」と「全てを食い破る口吻」を持つ。ただし、とても打たれ弱い。
    捕食によって栄養が溜まると外殻が膨らみ蛹形態に移行する。
    ・蛹形態
    「とてつもなく堅い外殻」と「相手を観察し解析する高度な知性」を持つ。ただし、1歩も動けない。
    蛹形態に移行してから1分後、成虫形態へ移行する。
    ・成虫形態
    最上の生物兵器として真価を発揮する人型形態。漆黒のボディは蛹形態より更に頑強。
    両腕と尾には鋭い刺突器官があり、両腕の刺突器官から強力な麻痺毒を打ち込むことが出来る。

  • 9二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:19:55

    ソードカウンター
    鋼鉄の全身鎧に身を包んだ謎の剣士で、居合抜刀の達人。恐らく中年女性。

    寡黙であまり戦いを好まず、戦法はすべてカウンタースタイル。
    居合の構えで相手の攻撃を待ち、迫る敵の攻撃を完璧に対処して抜刀による斬撃を食らわせる。敵が繰り出した攻撃への対処法は様々で、打ち返したり弾き落としたり受け流したり避けたりより速い速度で斬り掛かったりなど状況によって使い分ける。

    特殊な能力は持たないが感覚器官が鋭敏であり、あらゆる情報を通して相手の動きを察知 予測する。周囲2〜3メートル内で起こったことなら視界外の事だろうと察知でき、それに対応する反応速度と反射神経を持つ。

  • 10二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:01:46

    保守

  • 11二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:19:02

    巨大ロボットとかは?

  • 12二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:26:59

    >>11

    強過ぎたりしない限りルール上問題はありませんが、今回の戦場は船の上なので不利かも?

    それと無駄にデカいと相手に触れて発動させる系の能力で瞬殺される危険性も高かったり、命中率は低いけど高火力、みたいな大技も恐らく喰らいやすいです

  • 13二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:38:37

    いつ出していいとかあんの?

  • 14AI士25/07/05(土) 23:13:10
  • 15二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 23:24:46

    >>14

    気をつけて欲しいのが向こうのスレではこっちのスレのことあまり話さない方がいい

    あくまで別スレだからお互いの迷惑にならないようにずいぶんと前に決まった不文律

  • 16AIの力、お借りします!25/07/05(土) 23:27:37

    >>14

    >>15

    私が運営しているスレはこちらのスレの派生なので自由に使っていただいて大丈夫ですよ。

  • 17二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 00:24:34

    >>15

    あれってあっちのスレの身内ネタをこっちに持ち込むなって話じゃありませんでした?

  • 18二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 00:29:27

    >>17

    そうだったっけか?そうだったらごめん

  • 19AI士25/07/06(日) 13:33:42

     波立つ水面を押し分けて、ゆっくりと海上を進む巨大な船が一隻。そのサイズと窓から見える内装が、その船の豪華さを物語っていた。

     船客は皆笑顔に包まれ、船旅を楽しんでいる。

     が、そんな幸せなひと時を、一つの小さな物体がブチ壊した。

    「ん?なんだ?」

     客船内の倉庫を見回っていた乗務員が、バスケットボールぐらいの大きさの何かを発見する。黒くて、そして何だか湿っている。

    「んん?」

     乗務員が手を伸ばした。―――次の瞬間ッ!!


    ――パクリ――


     その黒い物体が裂け、中から何かが現れた。

    「なに―――」

     乗務員が一言言い放つ隙もなく、中から飛び出した何かが乗務員の頭を食い千切った。

    「グルルルルル」

     中型犬ほどの大きさの、黒い虫のような何か。これこそが、人類の叡智によって生み出された、最悪の生物兵器『カルグラ』だ。

  • 20AI士25/07/06(日) 13:34:43

     一方その頃、船内のエントランスに異様な人物が1人。まるで中世ヨーロッパ時代の騎士を思わせる鎧兜に身を包み、腰には刀が携えられている。

     何も言わず、何もせず、ただ刀に手を添えてエントランスを見渡しているこの者は、周囲から『ソードカウンター』の呼び名を着けられている剣の天才だ。
     しかしそんな事は知らない周囲の乗客と乗務員は、遠目から彼女をチラチラと見つめ、怪訝な表情を浮かべていた。

     そんな状況を見てソードカウンターは溜息を一つ吐く。

    「はぁ……なぜ私がこんなことを………こんな船の中に、本当に生物兵器がいるのか?」

     とある情報筋から、この船で生物兵器の性能実験が行われると聞きつけたある組織が彼女にこの船での警備を依頼したのだが、あまり争いを好まない彼女は元から乗り気ではない。

    「………とは言え一般人が巻き込まれるのを無視はできんしな……仕方ない、どうせ数時間の船旅だ、我慢しよう………」

     そんなふうに呟いた。その刹那である。

  • 21AI士25/07/06(日) 13:35:44

    「―――ッ!」

     薄っすらとだが、血の臭いが彼女の鼻腔を刺激した。

    「………まさか本当にいるのか?」

     鞘に収まったままの刀を握りつつ、臭いのする方へと進むソードカウンター。

     そして臭いが強く漂って来る、「関係者以外立ち入り禁止」と書かれた扉のノブに手の掛けた、その瞬間ッ!

    ――バゴォッ!!!――

    「ッ!!」

     扉をブチ破り、カルグラが姿を現したッ! 鋭い牙の並ぶその口には、引き千切られたのであろう人の腕が咥えられている。

    「キシャァアアアッ!!!」

    「コイツがそうか!」

     エントランスまで吹っ飛ばされたソードカウンターだったが、見事な受け身を取って素早く立て上がり、刀を握って構えを取るッ!
     しかし、刀を鞘から抜きはしない!その状態で既に、彼女の構えは完成しているのだッ!

  • 22AI士25/07/06(日) 13:36:49

    「居合・抜刀流―――」

    「ギシャアアアアア!!!!」

    「うわぁぁ!なんだありゃ!?」「ば、化け物だぁ!!!」「逃げろ!避難だぁ!!」

     突如血塗れの怪物が現れ、周囲の一般人達はパニックを起こして逃げ惑う。しかしソードカウンターはそんな騒ぎなど気に留めず、真っすぐにカルグラを見詰めていた。

    「グルルルルルッ!!」

     彼女から送られる殺意を理解し、カルグラは人々を襲うより先に彼女の抹殺を決断。
     3対の足で床を踏み締め、背中の羽が高速で羽ばたき出す。そして、

    ――ドギュンッ!!!――

     まるで弾丸のような速度でソードカウンターの周囲を跳ね回り始めたッ!! 常人の目では追うことは叶わないほどの速度。あまりの速さに衝撃波が発生し、周囲のガラスが次々と割れていく。

  • 23AI士25/07/06(日) 13:37:52

     しかし、そんな中でもソードカウンターは慄くことなく居合の姿勢を保ち続ける。

     物怖じしない彼女の反応に遂にしびれを切らしたカルグラは突撃を仕掛けるッ!!

     十分な加速と助走を得たカルグラの突撃は、まるで砲弾ッ! 人に避けることなど叶わない!……が、それは相手が真っ当な人間ならばの話だ。

    「――――」

     ソードカウンターは、カルグラの動きなどまるで最初から分かっていたかのように上体を捻って突撃を躱し、奴の突撃を超える速度の、神速の抜刀斬りを繰り出したッ!!!

    ――ズバァッ!!!――

    「ギシャアァァァアアッ!!?」

     ソードカウンターの居合斬りは見事にカルグラを捉え、奴の左側の腕と羽をすべて切り裂いたッ!!

  • 24AI士25/07/06(日) 13:39:17

     走力と飛行能力を失い床を転がったカルグラに、ソードカウンターはゆっくりと近付いていく。

    「速度は中々だが……残念だったな、私は速いだけじゃ倒せない」

    「グギギギッ!!」

     そのままトドメを刺そうと刀を持ち上げたソードカウンターだったが、
     カルグラはまだ諦めてはいない。

    「グギャギャッ!!」

    ――ボゴォッ!――

    「!?」

     カルグラは床に噛み付いて床板を破壊し、下の階へと潜っていった!

    「逃さないぞ…!」

  • 25AI士25/07/06(日) 13:40:24

     床の穴に飛び込み、奴を覆うとしたソードカウンターだったが、背後から聞こえて来た悲鳴が彼女を止めた。

    「ぎゃぁぁあああ!!!」

    「!!」

     振り返えると、エントランスの端で丸まって震えていた乗客の真下の床を割って現れたカルグラがその人の足に喰らいついていた!

    「チッ!」

     ソードカウンターは駆け出すが、居合抜刀に必要な技術以外は常人の域を出ない彼女の速度では間に合わない!

     カルグラはあっという間にに乗客の足を食い千切り、再び床の穴へと潜る。

    「クソッ!…動くな!止血する!!」

     乗客に応急処置を施すが、それが終わると同時に今度は別の乗客がカルグラに襲われる。

    「くっ!」

  • 26AI士25/07/06(日) 13:41:43

     そこから始まるイタチごっこ。追っても追ってもカルグラには追い付けず、奴は次々と乗客を襲い、怪我人を作っては別の獲物へと狙いを変える。ソードカウンターが怪我人を放ってはおかないとりかいしているのだ。その結果僅か数分足らずで何十人もの一般的がカルグラに襲われた。

     が、

    「どこをやられた!怪我をみせろ!」

     また新しく出た怪我人を治療しようとしたソードカウンターだったが、

    「俺はいい!俺は医者だ!アンタはあの化け物を追ってくれ!!」

    「!……わ、分かった!」

     運良くその人物は医者だったらしく、ソードカウンターはすぐに踵を返してカルグラを追った。

    「ぐぁぁあああッ!!」

     そしてまた聞こえて来る悲鳴。だが今度は近い。

  • 27AI士25/07/06(日) 13:42:45

    「もう逃がさんッ!!」

     ソードカウンターは壁を切り裂き、最短距離で悲鳴の発生源へと駆け付けるッ!

    「いた!!」

     そして奴を発見した!!
     カルグラはまだ乗客の足に噛み付いている!このチャンスを逃す訳にはいかない!!素早く刀を鞘に収め、居合を繰り出そうと構えたソードカウンター。

     神速の居合が、今度は奴の首を捉えたッ!!

     しかし、その直前!

    ――バキバキバキッ――

     カルグラの外骨格が風船のように膨らみ、奴の外見が大きく変化した。
     角張り尖っていた外角は丸く繋がり、まるで大きなカプセルのようだ。
     ソードカウンターは一瞬判断に迷ったが、意を決して居合を叩き込む。

    ――ガキンッ!!――

    「ッ!」

  • 28AI士25/07/06(日) 13:43:50

     しかし、カプセル型になったカルグラの外殻は想定外に硬く、彼女の居合は弾かれてしまう。

    「チッ!」

     ソードカウンターはカルグラからの反撃を警戒し、そばにいた乗客を担ぐと後ろに跳んでカルグラから距離を取った。

    「大丈夫か?」
    「あ、足がぁ」
    「傷は深くない。あっちに医者がいるから診てもらえ」

     乗客を逃がしたソードカウンターは、再び居合の構えを取ってカルグラの動きを見定める。が、

    「…………………動かない?」

     カプセル型になったカルグラは、ピクリとも動かなかった。

    「………いや、動けないのか?それとも動く必要がない?」

     考察してはみるが答えは出ない。警戒しつつカルグラに近付いてみるが、やはり動く気配はない。

  • 29AI士25/07/06(日) 13:45:00

    「………動かないなら丁度いい、このまま海に捨ててしまおう」

     殺した方が今後の為にはいいかもしれないが、これ以上コイツの好きにさせても乗客の被害が増える一方だ。それに依頼主からは生物兵器の破壊ではなく乗客の救助を依頼されている。ならば海に捨ててとっとと離れるのがいいだろう。
     運が良ければそのまま海中で死んでくれるし。

     幸いここは客船のテラス。少し押せば、そのまま海へ真っ逆さまだ。

    「じゃあな」

     ソードカウンターは動かなくなったカルグラに蹴りを叩き込む!

     するとカプセル型のカルグラはサッカーボールのように飛んで行き、そのまま海へと落ちていった。

    ――ボチャン――

     と音を立て、奴が海に沈んだのを確認したソードカウンターは操縦室へと向かう。さっさとここから離れたほうがいい。

     と、思ったのも束の間、

  • 30AI士25/07/06(日) 13:46:07

    ――ドバァアッ!!!――

    「ッ!?」

     まるで噴火の如く、海面が爆発した!
     丁度さっきカルグラが沈んでいった辺りだ。

    「なんだ?」

     ソードカウンターは目を細めて海上を睨む。

     そこには薄い羽を羽ばたかせ、海上を浮遊する何かが見えた。

     まるで人と虫が融合したかのようなシルエット、長い手足と尾を持ち、海水に濡れた艶のある漆黒の外殻が太陽光を反射して煌めいている。

    「アイツか…」

     ソードカウンターは一目で奴がカルグラだと理解する。さっきのカプセル型はサナギだったのだ。つまりあの姿が奴の本当の姿。

     ソードカウンターは刀を握り、居合の構えを取ろうとした次の瞬間、

  • 31AI士25/07/06(日) 13:47:07

    ――ボシュッ!!!――

     カルグラは衝撃波を発生させる程の速度で飛行し、彼女へと迫って来たッ!
     助走もなしにあの加速力、速度は幼体を上回っている!

    「チッ!」

     真っすぐ突っ込んで来たカルグラに、ソードカウンターは居合抜刀を見事にあわせ、奴の顔面に斬撃をお見舞いする。だが、

    ――ガキンッ!!――

    「硬ッ!」

     カルグラの外殻はサナギの頃よりも硬いようで、ソードカウンターの居合は弾かれる。

     初撃の突撃を反撃で返されたカルグラは空へと飛び上がり、上からソードカウンターを観察する。

    「……………チッ」

     そして舌打ちをした。

    「イマので、コロス、ヨテイだったが………」

    「喋った…」

     カタコトながら人語を発しているカルグラを見てソードカウンターは少し驚いた。あり得ないほどの速度で成長している。

  • 32AI士25/07/06(日) 13:48:09

    「だが、オマエの、コウゲキは、オレのヨロイをクダケナイ………なら」

     カルグラは鋭利なトゲの生えた両腕と尾をソードカウンターへと向ける。

    「シヌまで、コウゲキすればいいだけだ」

     とどのつまり、防御力によるゴリ押しだ。だが実際それが一番厄介。しかし、

    「来いよ」

     ソードカウンターは打って出るつもりのようだ。 

    「キシャァアアアッ!!!」

     カルグラは突撃を開始。
     目にも留まらぬ速度でソードカウンターへと突撃!!

    ――ガキンッ!!ガキンッ!!ガキンガキンガキンッ!!!――

     カルグラは止まること無く、何度も何度も突撃を繰り返す!!

     その都度ソードカウンターは突撃をいなし、反撃の居合抜刀をカルグラに喰らわせるッ!!

    ――ガガガガガガガガガガガッッ!!!!――

     テラスの床や船の手すりは、みるみる内にはミンチになって弾け飛ぶ。発生した衝撃波は周囲のガラスを砕き、風圧によって大型の豪華客船は右に左に大きく揺れた!!

  • 33AI士25/07/06(日) 13:49:19

     端から見れば、両者共馬鹿みたいに同じ事を繰り返しているようにしか見えない。だがしかし、実際の所、戦況は終わりに近付きつつある!

    「ハァッ!ハァッ!ハァッ!」

    「グギギギギギッ!!!」

     ソードカウンターの息は荒くなり、居合のキレが落ち始めた。
     カルグラも徐々に羽を動かす筋肉が軋みだし、身体の外殻にも亀裂が入り出していた。

     焦りを覚えたカルグラは、限界を超える速度で羽を動かし、最高速度を叩き出して突撃するッ!!

    「シねぇええッ!!!」

     腕の刺突器官をまるで杭打機の如く引き絞り、ソードカウンターへと打ち放ったッ!!!

    「――――ッ!!!」

    ――ズバァッ!!!――

     血が飛び散り、周囲を赤く染めた。

     側面が大きく抉れたソードカウンターの兜が中を舞い、ゴトリと床に落ちた。

  • 34AI士25/07/06(日) 13:50:24

     それに続いて、ボトッと何かが甲板に落下する。

     見るとそれは、カルグラの右腕だ。

    「ぐぅううッ!!」

    「言っただろ、速いだけじゃ私は倒せない」

     ソードカウンターは、カルグラが最高速度で自身の頭を狙って来ている事を察知し、兜を犠牲に奴の腕を切り落としていたッ!!

     幾ら硬い外殻を持っていても、関節部分には柔軟性が不可欠。ソードカウンターはその僅かは隙間を狙い、カルグラの右肘を切断して見せたのだッ!!

    「ぐぉおおおッ!!」

     斬られた腕を抑えて悶絶するカルグラ。
     頭からダクダクと流れ出る血を抑えるソードカウンター。
     お互いがお互いを睨みつつ、次なる策を練るべく高速で頭を回していた。
     が、次の瞬間、

    ――ガクッ――

    「―――!?」

     突如ソードカウンターは片膝をついてよろめいた。

    「クククッ……効いてキタようだな」

    「………これは………毒か…!」

     頭への負傷を代償にカルグラの腕を切り落としたソードカウンターだったが、そこには誤算があった。カルグラの腕の刺突器官には、麻痺毒を注入する機能があったのだ。

  • 35AI士25/07/06(日) 13:51:47

    「くッ!!」

     立ち上がろうとしてはみるが、刀や鎧がまるで鉛のように重く、起き上がる事は叶わない。

    「オレの勝ちだ!」

     カルグラのトドメの一撃が放たれ、鋭利な尾がソードカウンターへと振るわれた。

    「ぐぅッ!!」

     ソードカウンターは何とか刀を持ち上げて防御するが、

    ――バキンッ!――

     攻撃を防ぐと同時に嫌な音が響いた。
     ソードカウンターの刀が、カルグラの尾による一撃で砕けてしまったのだ。

     武器は破壊され、体には毒が回っている。絶望的と言うしかない状況のソードカウンターへとカルグラが近づく。

  • 36AI士25/07/06(日) 13:52:49

    「キサマにはカンシャする。オカゲでイロイロと、セイチョウできた」

     カルグラは左腕を振り上げ、ソードカウンターの頭目掛けて最後の一撃を放った。
     が、その直前ソードカウンターは上体を捻り、カルグラの刺突器官は彼女の左肩に突き刺さった。

    「ぐぅッ!」

    「ムダなアガキを―――」

     確かに頭ではなく肩ならば即死は避けられるが、最早ソードカウンターにできる事などない。彼女の最後の抵抗だと、高を括ったカルグラだったが、

     ふと、彼女よ手に異形の何かが握られていることにカルグラは気付く。

    「ぬぁあああッ!!」

    「!?」

     彼女はその何かを、カルグラの胸へと渾身の力で突き立てたッ!

     カルグラは少し驚きはしたが、避けはしなかった。刀を失った彼女がどんな手を使おうと、自身の硬い外殻の防御を崩す攻撃など放てないと判断したからだ。

  • 37AI士25/07/06(日) 13:56:50

     しかしそれは誤算だった。

    「ナ……ニ……!?」

     カルグラの眼が大きく見開かれる。

     彼女の突き出した何かが、自身の外殻を打ち破り、胸部を貫いたからだッ!

    「そ、それはッ!!」

     彼女が握っていた物体の正体。それは、先ほど切り落とされた、カルグラ自身の右腕だった!!
     その腕にある刺突器官を、カルグラの胸へと突き刺したのだッ!!
     毒々しいトゲはカルグラの心臓を貫き、内側から大量の血液が噴き出した。

    「ギシャアァァァアアアアッッッ!!!!」

     甲高い絶叫が響き渡り、カルグラの巨体が地面に崩れ落ちる。全身から毒液と血が噴き出し、ぴくりとも動かなくなった。

    「はぁ…はぁ………はぁ………」

     息も絶え絶えに、ソードカウンターは倒れたカルグラを見下ろし奴の死を確認すると、大の字になって仰向けに倒れた。全身を駆け巡る激痛と脱力感の中で、だがしかし彼はかすかに微笑んだ。

  • 38二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 14:15:35

    対戦描写投下お疲れさまでした
    良い感じにパニックホラーっぽくなってて満足です
    乗客襲い始めるのと蛹で動けないなら捨てるか!ってなったのは想定外でしたが面白かったです

  • 39二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 14:34:24

    次のエントリーっていつからですか?

  • 40AI士25/07/06(日) 14:50:37

    ちょっと家を出る用事が入ったので今から募集します。


    >>41 VS >>42

  • 41二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 14:55:15

    猫崎ネコ太
    白黒の猫耳に短い尻尾、そして目付きの悪い顔が特徴の青年
    元々はただの飼い猫で飼い主を噛んだり引っ搔いて病気にしてしまう様なドラ猫だった
    ある時、謎の存在に謎の術を掛けられ人間の身体と謎の力を手に入れた
    性格は猫らしく気まぐれ、普通の猫だった頃からかなり警戒心が強く賢かった

    戦闘スタイル
    猫パンチとパンチする時に出てくる爪でのクロー、そして噛みつきが武器の近距離戦型
    猫らしい素早さと手数を持ち挙動不審な動きで敵を翻弄する
    だが一番の得意技は相手の懐に一瞬で潜り込んでの噛みつき、猫時代に飼い主に何度もお見舞いした技

    「猫毒」
    猫時代から持っている飼い主を何度も病院送りにした病原菌が人型化によって強化されたもの
    主に牙と爪に付着しており引っ掻きや噛みつきを受ける毎に感染が進む
    腫れや発熱、痛みを引き起こし感染が重度になると意識混濁や筋肉硬直、破傷風が起こりまともに動けなくなる

    弱点
    人間になって間もないので思考も猫、言葉も「にゃあ」以外は喋れない

  • 42二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 15:09:02

    ワームスキング
    正義感の強いスーパーヒーローの男性。

    体にあらゆる虫の特徴を再現する能力を持ち、多種多様な虫の能力を扱って戦う。
    どんな特徴をどこに再現するかは自由で、本来虫の頭に生えている角を手や足に生やすこともできる。
    また、虫由来の反応速度を持ち、並外れた反射神経を備えている。

    カブトムシの怪力、カマキリムシのステルス能力、蜂の毒針、蜘蛛の糸、バッタの脚力、トンボの飛行能力、カミキリムシの顎、ダンゴムシの甲羅、セミの爆音攻撃、などをよく使う。

  • 43AI士25/07/06(日) 23:00:20

     海の上を進む豪華客船。その中で、船内警備員達がなんだか騒がしくしていた。

    「くっそぉ……どこ行きやがったあの野郎!」

    「どこにもいませんよ……」

    「逃げ足の速いヤツめぇ…!」

     なんだか苛立っているような彼等に、1人の人物が声を掛けた。

    「やあ皆さん、どうかしたのかい?」

    「! ワームスキング!」

     偶然この船に乗っていたスーパーヒーロー、ワームスキングだ。

    「実は、無賃乗船してる奴がいたんですよ!皆で探してるんですが……」

    「無賃乗船か……なにか事情があるのやもしれないが、いただけないな。分かった、私も協力しよう」

    「ホントですか!なら、猫耳のつけた白黒の髪の男がいたら捕まえてください!」

    「獣人か。分かった、任せたまえ!」

     ワームスキングは警備員達にグーサインを返し、無賃乗船犯を探しに踏み出した。

  • 44AI士25/07/06(日) 23:01:20

    「う〜む…とは言ったものの」

     この船はかなり大型の客船。乗客が自由に出入りできるスペースだけでもかなりあるし、相手が隠れたりしているなら見つけるのは困難だ。

    「猫耳の獣人かぁ……いや……まさか食堂で堂々と魚喰ってたりは――――」

     いた。

     バイキング形式の食堂で白昼堂々魚料理に齧り付いている。
     無賃乗船犯こと猫崎ネコ太だ。

    「………なあ君」

    「ムシャムシャ………モグモグ……」

    「き、君!」

    「モチャモチャ……ズルズル……」

    「聞こえてるだろ!耳だけはこっち向いてるぞ!」

    「も〜なんだにゃぁ、猫様が優雅な昼食タイムを楽しんでるってのにぃ」

    「そんなガツガツ食べてる癖にどこが優雅だよ……とにかく!君だろ、無賃乗船してるってのは!」

    「金払わなきゃ船に乗れない、なんて言うのは人間のルールだにゃ。猫のワレには関係ないにゃ」

    「む?……う、う〜ん確かにそんな気もする………いやいや!君は自分の意思で乗ってるんだろ!しかも料理まで食べてるし……とにかく君を警備員達に突き出すからな!」

     ワームスキングは彼の捕まえようと手を伸ばしたが、

  • 45AI士25/07/06(日) 23:02:20

    ――スルンッ――

    「!?」

     ネコ太はまるで液体のようで、しっかりと掴んだはずの彼の手はスルリと抜けてしまった。

    「にゃはは!じゃ〜にゃ〜!」

     そう言い放つと、ネコ太は走って逃げ出した!
     その逃げ足は速く、一般人では到底追い付けないだろう。警備員達が捕まえられないわけだ。

     だがしかし、ワームスキングは一般人ではない。

    「逃がさんよ」

     ワームスキングの腕がボコリと変形し、蜘蛛の腹部へと変化する。そしてその先端から、強靭な蜘蛛の糸が射出された!

    ――ビュァッ!!――

    「うわぁ!?なんだにゃ!?」

    「ちゃんとお金は支払ってもらうからな。事情があるのなら私が警備員の方達に話してやるから―――」

    「邪魔だにゃこの糸!」

    ――スパッ!――

     ネコ太はワームスキングの話など聞かず、指先に内蔵されている鉤爪を伸ばして糸を切断した。

  • 46AI士25/07/06(日) 23:03:21

    「むっ…ワイヤー並みの強度があるはずなんだがな」

    「お前……ワレの邪魔するなら一発ボコしてやるにゃんよ!」

     どうやらネコ太はお怒りらしく、実際の猫のような四足歩行の体勢となって毛を逆立て、ワームスキングを睨んだ。

    「ふむ……逃げないでくれるなら好都合だ。抵抗するなら少し手荒になってしまうが、恨まないでくれよ?」

    「シャァアッ!!」

     ネコ太は床を蹴り、一気にワームスキングへと接近する! 猫の瞬発力と反応速度は人を遥かに凌駕するモノであり、人間サイズの猫がこの速度から繰り出す一撃は、大人1人軽くノックアウトできる破壊力を持つ。

     鉤爪の付いた手による猫パンチ。しかしネコ太のそれは最早そんな可愛いものではない凶悪な攻撃だ。

     しかし、

    「おぉ、結構速いな」

    ――ヒョイッ――

    「ッ!?」

     ワームスキングは容易くその一撃を回避する。

     元は普通の猫であり、人に飼育されていた過去を持つネコ太は人間について詳しかった。
     人間というのは鈍臭くてドジで狩りが下手な存在。体格差以外で負けている所など一つもなく、サイズが同等ならば負けることなど無い。そう思っていた。

     がしかしワームスキングは例外だ。なぜなら彼の身体能力は虫譲りの超人クラスなのだから。
     特に至近距離での反応速度において、ワームスキングのそれは並みの猫科動物を上回る。

  • 47AI士25/07/06(日) 23:04:23

    「ふんッ!!」

     ネコ太が驚愕している合間にワームスキングは次の手に移る。
     
    ――ボコンッ!!――

     次の瞬間、ワームスキングの身体が膨れ上がる!
     元は細マッチョというような印象の体格だったが、一瞬の内に巨漢プロレスラーのようなゴツく厳つい体格へと早変わりした!

    「ビートルフォーーム!!」

    ――ガシッ!!――

    「うにゃ!?」

     ワームスキングのこの姿は、カブトムシの持つ怪力を体に再現した姿。移動能力などは大幅に落ちるが、高い筋力とタフさが自慢だ!
     その怪力を活かし、ワームスキングはネコ太を抱き締めるように掴んで持ち上げた!

    「よ〜し捕まえたぞ〜」

    「うにゃー!!熱苦しいにゃ!!」

    ――スルンッ!!――

     しかしまたしても、ネコ太は液体のようにスルリと拘束から抜け出した。

    「触んじゃないにゃ!!」

     そして素早い反撃がワームスキングに浴びせられた。鉤爪による攻撃でワームスキングの腕が引っ掻かれる。

  • 48AI士25/07/06(日) 23:05:23

    「うぉ!痛いじゃないか!」

     軽い裂傷程度など特に気にする必要はないと、その程度のリアクションで済ませたワームスキングだったが、

    「…………む?」

     引っかき傷を中心に、腕が腫れ始めた。さらにものの数秒で傷口が膿はじめ、ジワジワと痛みが広がる。この感覚は、

    「毒か!」

    「せ〜かいだにゃ〜、苦しめにゃ〜」

     ネコ太がニヤニヤと宣言し、それを聞いたワームスキングは、

     迷うこと無く引っかかれた右腕を切り落としたッー!!

    ――ズバァアッ!!!――

    「ぇええええッ!!?」

     ネコ太も周囲の乗客もドン引く中、ワームスキングの切り落とされた腕の断面が茶色っぽい殻のような物で包まれていく。

    「え……いや………そんな猛毒って訳じゃにゃいんだけど……」

    「そのようだったが、長く苦しむのは嫌でね。………おや、カーペットが血で汚れてしまったな、清掃の方には悪い事をした……さてと、諦めて捕まってくれるかな、ネコくん?」

    「………ハッ!そうだった忘れてたにゃ、こいつワレを捕まえに来たんだったにゃ……腕を切り落としたぐらいで同情して捕まってやると思ったかにゃ?」

  • 49AI士25/07/06(日) 23:06:24

    「あ、いや別に切り落としたからって腕を失ったわけじゃないんだよ?断面にサナギが出来てるだろ?しばらくすればここから腕が出てくるんだよ。虫が幼虫から成虫になる過程で得る再生能力を再現した力でね」

    「うるさいにゃ!面倒くさい話は嫌いだにゃ!」

     そういうとネコ太は逃げ出したが、

    「むぅ…」

     ワームスキングの背中に虫の羽が生える。しかもただの虫ではない。大型のとんぼに生えているような強靭な羽だ!

    ――ビュォンッ!!――

     ワームスキングは超高速で飛行し、ネコ太の進路を防ぐようにして立ち塞がる。

    「にゃにゃ!?」

    「大人しく捕まりなさいってば」

    「退けにゃ!!」

     ネコ太は再び鉤爪による攻撃を仕掛ける。今度は足だ。足は流石に切り落とせないだろう。そう思って飛び掛かったのだが、

    ――ブスッ!!――

    「ぎゃにゃぁぁあああッ!!?」

    「おっと…やり過ぎたか?」

     ワームスキングの足にトゲが生え、そこに飛び掛かったネコ太の手に突き刺さってしまった!

  • 50AI士25/07/06(日) 23:07:25

     あれはイラガムシの幼虫に生えている、鋭くて太い毒針だ。

     あっという間にネコ太の両手はパンパンに腫れ上がった。

    「いってぇにゃぁああ!!!」

    「………ごめん、思ったより深く刺さっちゃった……」

    「テメェ許さないにゃぁ!!」

     ネコ太は近くの机に乗っていたお盆をワームスキングへと放り投げ、その盆に乗っていたパスタが彼へと飛び散った。

    「うぉっ」

     その隙にネコ太はワームスキングの背後に回り込み、彼の首元目掛けて飛び掛かった!!
     狙うは頸動脈!確実に噛み千切るつもりだッ!!

  • 51AI士25/07/06(日) 23:08:29

     そしてその瞬間、まるで針が刺さったかのような痛みがネコ太の鼻腔に叩き込まれた。

    「ぎゃぁぁぉぉおおおおにゃぁあッ!!!?」 

    「あまり食堂で使いたくはなかったんだがなぁ」

    「な、なんにゃぁこの臭いぃ!!!」

     そう、飛んでもない悪臭がワームスキングの身体から発され始めたのだ。
     猫の嗅覚は人間の数万倍。こんな悪臭を嗅がされたネコ太は床をのたうち回るしかなかった。

    「カメムシ。………まぁ私にも嗅覚はあるから滅茶苦茶臭くてあまり使いたくないんだが……はぁ、またネットで悪臭ヒーローとか呼ばれてしまう……」

     そんなことを呟きながらワームスキングは淡々とネコ太を縛り上げ、そのまま彼を警備員達へと突き出すのだった。

     スーツに染み付いた悪臭が取れることは無かった……。

  • 52AI士25/07/06(日) 23:10:02

    勝者 >>42 ワームスキング!


    次!

    >>53 VS >>54

  • 53二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 23:40:04

    雨坂風雲
    妖と契約を結んで特異な能力を纏い、危険な妖を討伐する御役目を殿上人より直々に仰せつかった討伐人。
    唐笠お化けと契約をしており、普段は傘職人として市井に溶け込んで生活をしている。
    穏やかで柔らかい物腰だが如何なる判断にも迷いはなく、急場には鋭い眼光を放ち役目を完全に遂行する。
    戦闘時には唐笠お化けと融合し、人間の限界を遥かに超えた戦闘力を得る。

    唐笠お化けとの契約:【傘】
    唐笠お化けの力が宿った長さ1.2mの特殊な【傘】を召喚できる。1戦闘において2本まで召喚可能。
    【傘】は閉じた状態であれば刀と槍を併せたような使い方が可能で、コンクリートを容易く切断できる切れ味。
    更に【傘】を開くことで鋼鉄の盾のように身を守ることも出来る。
    開いた状態であまりにも強い一撃を受けると、その後スムーズに傘を閉じることが出来なくなるのが弱点。

    お化けの世界:【雨】
    唐笠お化けの持つ種族的特権。半径2kmに渡って雨を降らせる。
    雨自体には特別な能力は無い。
    ただし、雨が降っている戦場では唐笠お化けの能力は120%に向上する。

  • 54二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 00:04:50

    トラディスィオネル
    言霊を司る一族であるナラテゥールの弟である人物。楽器で演奏をすると曲の言葉や意味を具現化・イメージさせたり、一部分を演奏してもその部分の言葉や意味を具現化・イメージ出来る。能力を使うために邦楽を調べ邦楽にハマったため、邦楽と結び付いている伝統芸能も好んで深く識ろうとさまざまな事をしている。和芸に関係するものならば記憶しているため和芸やその元になったものの知識ならば世界一である。その為相手の間合い・型・能力の意味を和芸を用いて評価・行動をする。識っている知識を元に相手の武器・能力・性格を分析する。
    武器 ムジークアルマ
    名匠デゥルンが作った多機能武器シリーズの一つ
    基本形態はギターであり、変形はギターを通さなければ変形出来ない。
    ギター以外には斧形態・短剣形態・枹(バチ)形態がある。
    ムジークアルマは欲望が強いもの程衝撃と内部ダメージが上がり、その者を倒したら欲望を晴らす力がある。
    枹を使うための鼓面は個別であり、腰のベルトに小さくなって内包していて相手に付けると元の大きさに戻り相手はスタンする。
    打楽器と鼓面は能力と攻撃力は高いがリスクが高すぎて切り札を切るタイミングでしか切らない。
    武器 ブラスインストルメント
    トラディスィオネルが和芸の元を調べていた時に見つけた管楽器。
    ムジークアルマと同様の力があったのでトラディスィオネルが好んで腰に付けている。
    弱点
    武器の変形中は一瞬隙が生じる
    武器を使用中衝撃だけだか少しだけ使用者にも反射する。
    和芸に関わるものが近くに在ると知的欲求を制御出来ず考察してしまって戦闘が疎かになる。

  • 55AI士25/07/07(月) 06:30:33

    >>54

    能力を使用すると、具体的にはどんなことができるのでしょうか?

  • 56二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 11:11:07

    >>55

    桜舞うという歌詞があれば、桜が舞い、蟻のように踏み潰されたという歌詞の意味は、興味も意識も行かずに殺されてしまったという比喩表現を現実に現せます。

    このようにすれば、言葉や、意味を現実に出来ます

  • 57AI士25/07/07(月) 22:23:01

     大型豪華客船が港を出て約1時間ほどした頃。乗客、乗務員達が共にザワザワと騒ぎ出した。

    「……そろそろかな?」

     操舵室で外を見渡していた風雲が舵を握る船長に声を掛ける。

    「出航から1時間……そろそろです」

     最近この船で海に出ると、船内で様々な怪奇現象が発生するらしいのだ。今のところ大きな被害は出ていないが、今後の売上低迷を危惧した会社から、風雲に依頼が入ったのだ。

     船に乗る全ての人々の警戒が最高潮に高まった時、それは起きた。

    ――♪〜――

    「!! 始まった!!」

    「……音楽?これは…エーデルワイス?」

    「怪奇現象が起こる時は、いつも何処からとも無く音楽が聞こえてくるんです!流れる曲はバラバラで、どんな関連性があるのか…」

     今のところ音楽が流れているだけだが…と、風雲が思っていたのも束の間、

    「!!?」

     なんと船内に、白い花が咲き誇り始めた!

  • 58AI士25/07/07(月) 22:24:06

     壁、床、天井、机の上にまで、場所を問わず満開に咲き乱れている。

    「これは…セイヨウウスユキソウ………」

     要するに、エーデルワイスだ。

    「雨坂さん!お願いします!」

    「お任せあれ」

     風雲は操舵室を後にし、元凶を探し始めた。

     そしてその元凶は、案外すぐに見つかった。

     大型客船の先端部、船首の所で、映画タイタニックを思わせるように両手を広げて水平線を眺めている。

     いつの間にか流れていた曲はマイ・ハート・ウィル・ゴー・オンへと変化していた。

    「……アンタか?」

    「………静かにしてくれ……名曲の鑑賞をしているところなんだ」

    「今すぐやめて、もう二度とやらないって言うなら情けをかける」

    「情け?」

     そこで元凶の男は振り返り、風雲へと目を合わせた。

  • 59AI士25/07/07(月) 22:25:14

    「僕が誰か、知って聞いているのか?そんな舐めた口を」

    「アンタが誰かなんて知らないし、能力の使用によって他者の心身に被害を及ぼすことは違法行為だ。そういう馬鹿を取り締まることも私はやっている」

    「そうか……世間知らずには、殴って1つ教えておいて上げないとな、言語を司る一族の天才、このトラディスィオネルの実力を」

     トラディスィオネルと名乗った男の手にはギターが握られていたが、それはみるみる内に変形し、戦斧の形へと変化した。

     それを見た風雲も戦闘態勢に入る。

     不気味な妖力が彼女を包み込み、1本の古風な傘が顕現した。

    「行くぞ」

    「来い」

     風雲の返事を合図に、戦いの火蓋が切られた!

    「ふんッ!!」

     トラディスィオネルが甲板を蹴り、一気に風雲へと接近。その手に握る戦斧を振り下ろしたッ!!

    ――ガキンッ!!――

     が、風雲は傘を広げて盾のように構え、戦斧の一撃を受け止めるッ!
     普通ならば考えられない傘の強度だが、彼女の扱う傘は妖怪の力で創造した武具。波の攻撃ならば容易く防いでしまう!

  • 60AI士25/07/07(月) 22:26:17

    「ほッ」

    「ッ!」

     風雲は瞬時に傘を畳んでトラディスィオネルの体勢を崩し、畳んだ状態の傘で攻撃を繰り出すッ!! 

    「チッ! ブラスインストルメント!!」

     トラディスィオネルが叫んだ瞬間、彼の腰にぶら下がっていた管楽器も斧状に変形し、風雲の攻撃から彼を守った!!

    「変形武器が2つね」

    「それだけではないぞ」

     トラディスィオネルが斧を両手に持った瞬間、新たな曲が流れ始める。

     流れ出したのはリリー・マルリーン。世界大戦時代、兵士の士気を底上げしていたと呼ばれる名曲だ。

     それを聞いた瞬間、トラディスィオネルの雰囲気が一変した。

    「フンんッ!!」

    「うぉッ!!」

     突如として動きのキレが上がり、先程とは比べ物にならない程の威力で戦斧を振り回し始めたのだ!

  • 61AI士25/07/07(月) 22:27:26

    「音楽によるバフか!」

    「セイヤぁッ!!」

     トラディスィオネルが振り下ろした戦斧の攻撃を風雲は広げた傘で防御しようとした。
     しかし、

    「んッ!?」

     いつの間にか、戦斧の片方が変形していた! もう片方の猛攻に気を取られ、もう一方の変化を見逃していたのだ!

    (いや、どんな攻撃が来ようともう受け止めるしか無い!!)

     風雲は防御に専念し、受けの構えを取った。しかし、

    ――ピトッ――

     と、トラディスィオネルは傘に何かを貼り付けた。
     白くて薄っぺらい、鼓面のような物体だ。

     そして先程まで斧型だった変形武器は、現在 太鼓の枹のような形状に変化している。

    (これはマズイんじゃ―――)

     嫌な予感を覚えた風雲は、咄嗟に回避行動を取ろうとするが、

  • 62AI士25/07/07(月) 22:28:28

    ――ガクッ!!――

    「なッ!?」

     広げて構えていた傘はまるで空間に固定されているようで、ピクリとも動かなかった!!
     トラディスィオネルが傘に貼り付けた鼓面の効果だ!!

    「ソイぃいいッ!!!」

    ――ドドンッ!!!――

    「ぐぁッ!!!」

     爽快な音と共に強烈な打撃が風雲を襲い、船の壁へと叩き付けられたッ!!

    「がはッ!!」

     口から血が飛ぶ。そしてトラディスィオネルはこの隙を逃してはくれなかった。

    ――ピトッ!――

    「!!」

     間髪入れず、トラディスィオネルは鼓面を風雲本人に貼り付けたッ! これで風雲は動けない!!

    「くッ!!」

    「行くぞぉおおッ!!!」

     そしてトラディスィオネルは流れているリリー・マルリーンに合わせ、両手に持った枹を何度も何度も風雲に打ち込んだッ!!!

  • 63AI士25/07/07(月) 22:29:36

    ――ドドドドドドドドドドォッッッ!!!!――

     大型の船全体が揺れる程の衝撃が、1分近く響き渡った。

     そして、

    「ふぅ」

     リリー・マルリーンが終わりを迎え、鼓面がボロボロになって消滅した。
     それによってスタン効果から解放された風雲は、ドサリと床に倒れ伏した。

    「はッ、妖の力を借りてる程度の分際で調子に乗るからだ」

     そう言い放ったトラディスィオネルが再び名曲鑑賞に浸ろうとしたその時、


    ――ポツ……ポツポツ………ポツポツポツポツ――

    「……雨?」

     突如雨が降り始めた。それもみるみる内に激しさを増し、僅か数秒で土砂降りの雨となった!

  • 64AI士25/07/07(月) 22:30:37

    ――ドザァアアアアアアア!!!――

    「むぅ…今日は1日晴れだと聞いたのに!」

     悪態を突きつつ室内にもどろうと振り返ったトラディスィオネルは、

    「ふぅ………」

     まるでゾンビのように、ユラリと立ち上がる風雲を見た。

    「……貴様…まだ動けるのか……」

    「頑丈なモノでね……それに、私の妖は雨好きなんだ」

    「………なるほど、この雨は貴様の能力か―――」

     トラディスィオネルが話し終えるよりも速く、風雲の傘による突きが放たれたッ!!

    ――ボンッ!!!――

     その速度、まるで砲弾の如しッ!!

    「ぬぅッ!?」(速い!身体能力が上がっている!!)

     トラディスィオネルは再びリリー・マルリーンを流し、両手に戦斧を持って風雲へと斬り掛かった!!

  • 65AI士25/07/07(月) 22:31:41

     しかし!

    「行くぞ、唐傘ッ!!」

    ――ドガッ!!――

     風雲の動きはそれを凌駕する!!
     彼女の怒涛の連撃がトラディスィオネルを襲ったッ!!!

    ――ドガガガガッ!!!――

    「ぐぅッ!!」

     傘による打撃のはずなのに、トラディスィオネルの身体は斬られ、血が流れ出た。彼も戦斧で応戦するが、依然風雲が優勢だ!!

    「くッ!!」(武具を変形させる隙がないッ!!……が、この身体能力は雨ありきの強化……ならば!!)

     トラディスィオネルが新たな手に出た瞬間、流れていたリリー・マルリーンが中断され、新たにクラシックオペラの名曲「ある晴れた日に」が流れ出した!

    「!!」

     リリー・マルリーンによるバフを失ったトラディスィオネルへさらなる連撃を仕掛けようとした風雲だったが、その瞬間、空から降っていた雨がパタリと止んだ。

    「………」

    「ハハッ!残念だったな!」

     これでお互いバフ無しだ。しかしながら、既に深傷を負っている風雲と、そうでないトラディスィオネルとでは、どちらが有利かなど言うまでもなかった。

  • 66AI士25/07/07(月) 22:32:50

    「さぁ、すっかり雨雲も晴れた。言い残す事はあるかな、妖使い」

    「………いや、必要ない」

     血だらけ傷だらけの風雲は、重たい身体を引っ張ってトラディスィオネルを見詰め、言い放つ。

    「私の勝ちだからな」

    「……なに?」

     次の瞬間である。


    ――ドパァアッ!!!――


     突如高波が船を襲い、船体が大きく揺れたッ!!

  • 67AI士25/07/07(月) 22:33:53

    「な、なんだぁッ!?」

    「さっきあれ程大雨が降ったんだぞ?海も荒れるさ。突然降って突然止んだんだ、実際に被害がでるまで多少時間差が空いただけさ」

    「ぐぉおおッ!?」

     トラディスィオネルは戦斧を短剣に変形させ、濡れて滑る甲板に突き刺してなんとか船から放り出されないように堪えた。
     しかし、雨や水とは友達である唐傘お化けの力を持つ風雲は、これのよる影響を受けず甲板を普通に歩いてトラディスィオネルへと迫って来る。

    「く、来るな!」

    「さて、じゃあ最後に言いたいこととかある?」

    「来るんじゃない!僕を誰だと思っている!!」

    「知らないってば」

     風雲は傘を振り上げる。

    「ぼ、僕こそ言霊を司りし一族の―――」

    「はいはい」

     風雲は思い切り傘を振り下ろし、トラディスィオネルにトドメを刺した。

  • 68AI士25/07/07(月) 22:34:54

    勝者 >>53 雨坂風雲!


    次の募集は23時頃に

  • 69二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:39:04

    対戦描写作成お疲れさまでした 対戦相手の方も対戦ありがとうございました
    環境が目まぐるしく変化して面白かったです

  • 70AI士25/07/07(月) 23:00:07

    次!

    >>71 VS >>72

  • 71二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 23:00:20

    ◇名前:アグネス・ラビッド
    ◇設定:ストラレン・リヒト号の男の船医。
    自我が残っている船幽霊。ピンクの髪に白衣を着ている。犬歯。毒や細菌に耐性がある。
    本来の姿は下半身はなく、常に浮遊している。ゾンビのような見た目。
    ◇性格:責任感が強く、弱っている人を放っておけない。
    ◇能力:《徐福の秘策》
    相手の能力を一分間使用者に害のある能力へ変える
    《麗しの丹薬》
    回復薬を飲む。アグネスにとっては回復薬だがアグネス以外が飲めば毒になる
    《コープスドラッグ》
    人の死体から抽出した細菌を周りに散布する。
    《カダヴァーの秘密》
    相手の汗を毒に変える。焼けるような毒。
    《これは不老不死の秘薬》
    相手の体の中に毒を仕込む。五分後に死ぬ。
    ◇弱点:酒
    ◇戦法:相手を毒漬けにし、自身は回復しながらジワジワ追い詰める。

  • 72二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 23:00:46

    鉄塊のアグニ
    かつて王国軍で「防御の極意」を教えていた盾術師範。
    あらゆる武器を試した末、彼が選んだのは両手に一つずつ構えた金属盾。
    「守れるし殴れる、これ以上の武器があるか?」と豪語し、その一撃は戦槌以上の破壊力を持つ。
    性格は快活な脳筋で、盾の質量や角度、打点を計算しながら顎を狙う。その戦いは芸術ではなく、合理的な暴力である。

    「盾は攻防一体の最強の武器」を信条に、敵の攻撃を正面から受け、カウンターの盾殴りを叩き込む。
    狙う箇所は顎、首、側頭部などの急所のみで、脳震盪などを積極的に起こしにいく。

    弱点は遠距離攻撃を多用する相手には手が出ない点。
    射撃を受け止めながら接近するしかなく、その過程で消耗することも多い。
    だが、接近さえできればこちらのテリトリーに持ち込める。

  • 73AI士25/07/07(月) 23:19:24

    >>71

    カダヴァーの秘密の発動条件はなんですか?

  • 74二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 23:24:25

    >>73

    相手に薬瓶を投げつけて毒を染み込ませると発動します

  • 75AI士25/07/08(火) 22:01:16

    「……豪華客船の幽霊…か……」

     海上を突き進む大型フェリーのエントランスでそう呟いたのは、常人とは思えぬガタイの良さを誇る男だった。その肉体と鋭い目、そして傷跡だらけの体が、彼が歴戦の猛者であることを物語っている。

     どうやら最近この船には幽霊が出るらしく、それと遭遇した人達が次々と体調不良を訴えているらしいのだ。それを解決すべく現地に投入されたのが彼、鉄塊のアグニだ。

    「……霊と戦った経験はないんだがな……果たして俺の攻撃が効くのかどうか……」

     仮に戦いになった場合どうするか、アグニが考えていると、

    「あ、アグニさん!!」

     乗務員が息を荒げながら走って来た。

    「出たのか?」

    「は、はい!テラスの方に!!」

    「分かった。乗客を避難させて、客室から出ないように通達しろ」

    「はい!」

     アグニは両手に愛具の盾を持ち、テラスへと向かった。

  • 76AI士25/07/08(火) 22:02:16

     テラスに到着したアグニを待っていたのは、異様な格好の幽霊だった。

    「白衣?海の上でか?……霊については詳しくないが、海なら海賊の霊とかが出るものかと…」

    「……一応海賊だよ」

    「む…喋られるのか……」

    「まーね」

    「なら話は速い。さっさと消えるんだ、さもなくば殴る」

    「嫌だね、この海域は私達のテリトリーなんだ、勝手に入って来たのはこの船の方だよ」

    「勝手な事をいうな。この海域は日本の排他的経済水域――」

    「うるさいね」

    「!!」

     アグニの言葉を遮り、白衣の幽霊「アグネス」は何かをアグニへと投げて来た!

     アグニは咄嗟に盾を構えてそれを防ぐ。

    「針?何か塗られている……毒針か…!」

    「御名答ー」

     アグネスは両手の指の間に何本もの針を構え、アグニへと放った!

  • 77AI士25/07/08(火) 22:03:44

    ――シュシュシュッ!!!――

    「ぬんッ!」

    ――キンキンキンッ!!――

     アグニはお得意の盾ガードでそれを防ぎ、アグネスへと突貫する!

    「せいッ!!」

    「うぉッ!」

     アグネスに迫ったアグニの盾パンチが放たれるが、常に浮遊状態であるアグネスは空中を流れるような動きでそれを回避する。

     そして手を伸ばし、アグニに触れて能力を発動させた。

    「徐福の秘策!」

    「む?」

     しかし何も起こらない。

    「ちッ、スカか」

    「たぁッ!!」

     アグニの追撃も躱したアグネスは彼から距離をとり、ため息をついた。

    「オジさん無能力者か……能力者なら今ので終わったかもだったのに」

  • 78AI士25/07/08(火) 22:04:55

    「なるほど能力に干渉するタイプの能力か。だが、俺は運良く授かっただけの先天的な力にばかり頼っているような若輩者とは違う」

    「……そうみたいだね……でも、アンタが生き物であるならば私との相性は最悪だよ」

     すると、アグネスの身体から何やら煙のようなモノが霧散し始めた。
     これは『コープスドラッグ』と呼ばれる細菌で、生者の動きを鈍らせ、死者の能力を強化する効果を持つ。アグネスの能力は強化されたところで無能力者のアグニに効果はないが、前者の効果は有効だ。

    「げほっ……チッ、毒ガスの類か……だが効果はそれほど強くないようだな……ならば、」

     アグニは盾を構え、床を蹴るッ!!

    「一気に仕留める!!」

    「う!」

     アグニはボクサーのように両手の盾で連打を繰り出すッ!

     アグネスはスルスルと流れるような動きで盾撃を回避するが、

  • 79AI士25/07/08(火) 22:05:56

    「ふんッ!!」

    「ッ!!」

     アグネスが一歩下がった隙を逃さず、片方の盾が投擲される。
     
     アグネスはそれも何とか回避するが、

    「しゃぁッ!!」

     アグニは一気に間合いを詰め、アグネスの顎に綺麗な一撃を叩き込んだッ!!

     普通ならば脳が揺れ、脳震盪を起こすところだが、

    「いて」

    「ちッ、やはり幽霊の類に脳震盪なんて無いか」

     相性が悪かった。死者であるアグネスに脳が揺れるなんて概念はない。

    「真正面から相手するのも面倒だな」

     一撃喰らって焦りを覚えたか、アグネスはフワリと上昇する。

    「! 待て!!」

     アグニは彼を捕まえようとするが間に合わず、アグネスは船より随分上まで飛んで行ってしまった。

  • 80AI士25/07/08(火) 22:06:57

    「くッ、降りて来い!」

    「嫌だね。わざわざお前の土俵で戦う必要なんてないだろ?」

     上空に陣取ったアグネスは、懐から何本もの毒針を取り出し、下にいるアグニへと投擲した!

    「チィッ!」

     アグニは先程投げた盾を回収し、上からの毒針爆撃を防御する。
     しかしこのままではジリ貧だ。

    「ふんッ!」

     アグニは、上にいるアグネスが新しい毒針を懐から取り出す隙を突いて駆け出し、船内へと滑り込んだ!

    「あ、アグニさん!」

     こちらを観戦していた乗務員達が駆け寄ってくる。

    「どうしますか、あんな上に陣取られたんじゃ…」

    「うむ、手の出しようがない。……が、幸い飛行速度は大して速くないようだ………船の速度を最高まで上げてくれ、奴を海上に取り残してやる」

    「り、了解しました!」

     乗務員が操舵室へと走って行き、数分後、アグニの指示通り船は最高速度を出して進み出した。

  • 81AI士25/07/08(火) 22:08:02

     しかし流石にそれを見逃すアグネスではない。

    「けっ、逃げるつもりか……流石に太平洋ど真ん中に1人は勘弁だな…」

     船に戻れば再びアグニとの接近戦になるが、戻らない訳にもいかない。アグネスは自分専用の回復薬である『麗しの丹薬』をグビリと飲み干すと、高度を下げて甲板に降り立った。

     次の瞬間ッ!!

    ――パリィんっ!!――

    「待ってたぞ幽霊野郎!!」

     船室の窓ガラスを突き破り、アグニが飛び掛かって来た!

    「うぉ!」

     アグネスは驚きつつも毒針を投げ、向かって来るアグニを迎撃しようとするが、

    ――キンキンッ!!――

     防御の達人であるアグニは容易く毒針を弾き、アグネスへと肉薄する。
     そして、

    「でりゃァアッ!!」

  • 82AI士25/07/08(火) 22:09:03

    「!!」

    ――ガバッ!――

     アグニはタックルを繰り出し、アグネスの上に馬乗りになった!

    「気絶や脳震盪をねらうのはやめだ。お祓いできるまでブン殴るッ!!」

    ――ドガッ!!――

    「っ!!」

     アグニの強烈な盾撃が、アグネスの顔面に打ち込まれるッ!

     アグネスは咄嗟に懐から瓶を取り出し、ゼロ距離にいるアグニへと叩き付けたッ!!

    ――パリンッ!――

     とガラスの瓶が砕け、中の液体がアグニに掛かる。

    「ぬぅ!?」

     すると彼の身体からジュウジュウと音がして、アグニの肌は爛れ始めた。

    「汗を強酸に変える毒だ、苦しみな!」

    「強酸ね………殺傷力は低いな」

    「なに?」

  • 83AI士25/07/08(火) 22:10:11

    「生憎、痛みには慣れているッ!!」

    ――ドゴッ!!――

     肌を焼かれる痛みなど何でもない、とでも言うように、アグニの盾撃が再びアグネスに叩き込まれるッ!!

     更にもう一撃!もう一撃ッ!!

    ――ドガッ!ドゴッ!!ドガッ!!!――

     重いアグニの攻撃が、何度もアグネスの顔面を潰す。
     このまま決着かと思われたが、

    ――バキバキッ!!――

     と音がした。

    「なんだ?」

     アグニが手を止めた瞬間、

    ――ボガァッ!!――

     船の甲板に穴が空き、二人は床の下へと落下した!!

    「ぐッ!?」

    「ハハッ馬鹿め、お前は酸に耐えられても床板はそうじゃないんだよ」

     馬乗り状態から解放されたアグネスはスルリと浮かび上がり、アグニの足に注射器のような物を打ち込んだッ!!

  • 84AI士25/07/08(火) 22:11:15

    「ぬぅッ!?」

     アグニはすぐに注射器を払い落としたが、既に内容液はアグニへと打ち込まれていた。

    「今度は何だ…!」

    「不老不死の秘薬だよ」

    「不老不死?」

    「そう。打ち込まれてから大体5分でその人物の心臓を止めて霊体にし、永遠の命を与える」

    「…………要するに殺して幽霊にする薬ってことか」

    「ま、私や私の仲間みたいな特例を除いて人が幽霊になると無垢の怪物みたいになっちゃうから、実際のところただの猛毒みたいな物だね」

    「…………それが事実であると証明することはできんだろ。実際に俺が死ぬまでなッ!!」

     アグニは盾を構え、アグネスへと突撃するッ!!

     しかし、歴戦の猛者であるアグニは直感していた。先程のアグネスの発言は事実であると。

    (だとして、俺は俺の使命を全うする! コイツを屠り、俺に任された依頼は完遂させるッ!! タイムリミットは5分…やってやるッ!!)

    「ちッ!」

     アグネスは毒針を投げるが、アグニは盾でそれを防ぎながら迫る!

     ここは船内。空間は狭く、アグネスはテラスで戦っていた時のように自由自在に浮遊して動き回ることはできない。
     それに、アグネスの持つ毒針や毒瓶で動きを止めるほど、アグニはヤワな相手でもない。

  • 85AI士25/07/08(火) 22:12:17

    「でりゃぁァアアアッ!!!」

     死を覚悟したアグニの怒涛の連撃がアグネスを襲うッ!!

    ――ドガッ!!――

    「ぐッ!!」

     あっという間に壁際へと追い詰められたアグネスへ、アグニの連打が襲い掛かるッ!!!

    「せぃイッ!!」

    ――ドガッ!!ドガガッ!!――

     1分が経過した。

    「ぬぁぁァアッ!!!」

    ――ドゴッ!!!バゴッ!!ガゴッ!!――

     更に2分が経過。

    「でりゃぁァアアッ!!」

     更に1分。

    ――ボガァッ!!――

    「ぐぅッ!!」

  • 86二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 22:13:21

    このレスは削除されています

  • 87AI士25/07/08(火) 22:14:46

    「俺が死ぬまであと数分!お前はそれまで耐えられるかぁ!」

    ――ドガがガガガッ!!!――

     マシンガンの如き連射力で、ショットガンの如き威力の一撃がアグネスへと叩き込まれるッ!!

     みるみる内にアグネスの身体はボロボロになり、壁には亀裂が走るッ!!

    「ぐぅぅッ!!」

     霊体であるアグネスの身体がポロポロと綻び始めた、その時、

    ――ドクンッ――

    「うッ!」

     アグニの動きが止まった。

    「残念だったね」

     アグネスは室内にあった壁掛け時計を見詰め、言った。

    「時間切れだ」

    「くッ………あと少し………だったんだが………」

    「いやはや、無能力者だってのによくやったよ、オジさん」

     アグニはドサリとその場に倒れ、アグネスは大きく息をついた。

  • 88AI士25/07/08(火) 22:16:24

    勝者! >>71 アグネス・ラビッド!


    次の募集は23時頃に

  • 89AI士25/07/08(火) 23:00:02

    次!

    >>90 VS >>91

  • 90二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:00:22

    マギア・トレイル
    魔法の極致を目指す魔法研究者(合法ロリ)
    魔法に対する狂おしいほどの好奇心を持つ偏執狂
    信念: やられたら100万倍にしてやり返す

    【魔強剛健】威力:なし
    相手の攻撃力・魔力を爆発的に強化する魔法
    【集積反射】威力:EX(場合によって変化する)
    自分が受けたダメージを蓄積して反射する

    【魔強剛健】で相手を超強化し、凄まじく強化された攻撃エネルギーを【集積反射】で蓄積して相手に完全反射するのが鉄板パターン

    【集積反射】による反射ダメージは攻撃エネルギーを蓄積すればするほど大きくなる(すなわち自分が攻撃を受けるほど反射ダメージも上がる)

    弱点:自分の側から攻撃する手段がないため常に行動は後に回る

  • 91二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:04:18

    大岩戸虎太郎
    □人物
    旧日本軍の軍服を着た青年。大日本帝国陸軍に所属していた軍人で階級は上等兵。日露戦争に従軍し、激しい戦闘で死んだと思われていたがなぜか現代で蘇った。本人は現代とのギャップに戸惑いつつもやや怪しい仕事で食いつないでなぜ蘇ったのか考えている。
    性格は軍人らしく生真面目で実直。ただ世俗に疎く天然ボケをよくする。趣味は筋トレと訓練。
    □能力
    ◯不屈の大和魂
    戦闘で死ぬと蘇る能力。蘇る際は体がバラバラになろうと完璧な状態で蘇る上、身体能力が大幅に上昇する。「不屈の大和魂」は1回の戦闘で3回しか使えないが一度蘇るごとに超人的な身体能力を得る。
    ◯帝国武装
    武器を作る能力。小銃、軍刀などを瞬時に生成できる。
    ◯帝国式超人乱射
    大量の単発式小銃を生成し連射する。絶え間なく放たられる弾丸の嵐で相手を寄せ付けない。
    ◯帝国式超人突撃
    軍刀を利用し、大岩戸が考えた必殺技。軍隊仕込の剣技と身体能力で敵の猛攻へと突撃し相手を切り刻む。無論、自身もダメージを負うハイリスクなもののためここぞという時に使う。
    □戦法
    小銃、軍刀などを生成し、突撃しつつ戦闘を行う。軍隊仕込みの戦闘技術と狂気にも近い突撃で敵を圧倒する。

  • 92AI士25/07/09(水) 07:55:36

    >>90

    相手の攻撃を受ける前提の能力ですが、敵の攻撃を耐えるための能力はあったりしますか?

  • 93二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 08:05:06

    >>92

    【集積反射】そのものに多少のダメージ軽減効果があります

    あくまで軽減なのでノーダメージってわけではないですけど

  • 94二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:03:10

    このレスは削除されています

  • 95AI士25/07/09(水) 22:58:01

     海上を進む大型の客船内にある個室で、1人の男性がベッドに寝転がっていた。
     その服装は薄汚れていて、若い青年だというのに中々の貫禄を感じさせる。彼の名は大岩戸 虎太郎。ひょんな事から現代に蘇った第一次世界大戦時代の日本兵だ。

     そんな彼が寛ぐ客室の扉がコンコンとノックされ、虎太郎が返事をする前にガチャリと扉が開かれた。

    「………誰だ?」

    「よっ……アンタが虎太郎って奴だね?」

     現れたのは、西洋風の衣装と可愛らしいお顔が特徴的な少女だった。魔法使いの、マギア・トレイルちゃんである。

    「………出てってくれガキンチョ、俺はようやく仕事を終えて日本に帰るところなんだ」

    「知ってるよ。ロシアで仕事をしたんだろ?…仕事の内容も知ってる」

    「…………何が言いたい?」

    「私の雇い主は友人の仇討ちがしたいんだとさ」

    「………ガキを殺す趣味はねぇ」

    「私はお前より年上だぞ?」

    「……生まれた年から数えれば俺の年齢は90超えるが…?」

    「おっとぉ………まぁ………仕事を辞める理由にはならないね!」

     マギアはナイフを取り出し、虎太郎へと斬り掛かった!

  • 96AI士25/07/09(水) 22:59:11

    「ちッ」

     虎太郎は能力を使って拳銃を召喚し、マギアの握るナイフを撃ち落とすッ!

    ――ガキンッ!――

    「ッ!」

    「辞めておけ、ロシア人が余所者にマトモな報酬なんぞ払うはずがない」

    「よっぽどロシア人が嫌いなんだねッ!」

     ナイフを失ったマギアは、素手のまま虎太郎に飛び掛かった!

    「めんどくせぇ」

     虎太郎も苛立ちを覚え、彼女を蹴り飛ばすッ!

    「ぐッ!」

     吹っ飛ばされたマギアは扉を突き破って通路に放り出されるが、

    「ようやくヤル気になったかな?」

    「………」

     マギアはピンピンしている。鳩尾に蹴りが入ったはずだが………はやり殺しの依頼をされただけあって只者じゃないようだ。

  • 97AI士25/07/09(水) 23:00:12

    「死んでも文句を言うなよガキ」

    「こっちのセリフ!」

     再び向かって来るマギアの脚を狙い、虎太郎は拳銃の引き金を引いた。

    ――パンッ!――

     狙い通り、弾丸はマギアの脚に直撃した。が、

    「いてて」

     大したダメージは入っていないようで、マギアはそのまま向かって来る。

    「防御系の能力?……にしては体術がお粗末だなッ!」

     迫って来たマギアを虎太郎は軽々と持ち上げ、放り投げる。

     マギアはガラス窓を突き破って屋外エリアへと放り出された。

    「むむむ……やっぱりマトモな攻撃手段がないと相手も碌に攻撃してくれないな……」

     マギアは身体の所々から血を流しているが、まるで何ともないかのようにスクッと立ち上がった。

    (……不気味なガキだ、痛みに慣れ過ぎてる。まるで歴戦の兵士みたいだが、戦闘技術はド素人……気味が悪いな)

     子供をいたぶる趣味もない虎太郎は、能力で拘束具を召喚してマギアに歩み寄る。

  • 98AI士25/07/09(水) 23:01:12

    「げッ!それはマズイッ!」

     拘束具を目にしたマギアは焦りだし、虎太郎から逃げるように走り出した。

    「…なんだ?撃たれてもへっちゃらな奴が縄にビビってるのか?」

     色々と納得がいかないが、敵対者をそのまま放置するのも危険なので虎太郎はマギアを追って駆け出した。

     子供の身体のマギアはあっという間に虎太郎に追い付かれ、グルグル巻きに拘束される。

    「よし……そのまま大人しくしとけよガキンチョ」

    「うぎゃー!解けーーッ!!」

    「ッたく、何なんだコイツ……」

     マギアを近くの柱に縛り付け、客室に戻ろうと虎太郎が歩き出す。

     その時、

    「はッ、噂に聞いた日本兵ってのもこんなもんか…」

    「…………」

    「そりゃ〜アメリカにボコられてアメ公の忠犬になるわけだ!」

    「……あ?」

  • 99AI士25/07/09(水) 23:02:15

    「こんなヘナチョコにロシアが負けたなんて、信じられないね!」

    「おいテメェ……かの大日本帝国の勝利と名誉を侮辱したのか?」

    「だったらなんだ、猿ヤロ―――」

    ――ドガッ!!――

     そこまで聞いた虎太郎は、容赦なくマギアの顔面を蹴り飛ばしたッ!!

    「うぐッ」

    「お前がどこの生まれか知らないが、日本を舐めれば俺がころすぞ」

    「お前じゃ無理だろ?日本人は戦後すっかり牙を抜かれて軟弱な―――」

    ――ドゴッ!!――

     再び虎太郎の蹴りがマギアを襲う。

    「にっぽんはべいこくにまけたんじゃない、かちをゆずってやったんだ、げんばくさえがまんすればあとはほんどけっせん、そうなればにほんぐんがわがあっとうてきにゆうりだった、そうなればべいへいなんぞみなごろしにしてにほんはもっとたたかえたんだ、ぜんせんをしらないくにのあたまどもがでかいだけのばくだんなんぞにおびえたからしかたなくまけてやっただけなんだ、そうじゃなかったらにっぽんは―――――」

    ――ドゴッ!ドガッ!ドガッ!バキッ!ドゴッ!!――

     何度も何度も、虎太郎の蹴りがマギアを叩き込まれる。しかし怒りで頭に血が上った虎太郎は気が付かなかった。自身の蹴りの威力が異様なほど強いという事に。

     そして、

  • 100AI士25/07/09(水) 23:03:17

    「へッ…」

     マギアはニヤリと笑った。

     そして次の瞬間、

    ――ボッッッ!!!――

     眩い光と共に強烈な轟音が響き渡り、極太の光線がマギアから撃ち放たれた。

    ――ドォオオオオオッ!!!――

     光線は大型の船を大きく揺らし、虎太郎の身体を焼き払い、天へと突き進んで雲を突き破った。

    ――ジュゥゥウウウウウ……――

     放たれた光線が途切れた時、マギアの目の前に立っていたのは上半身を失った虎太郎の亡骸だった。

    「……ごめんね虎太郎、この仕事の報酬めっちゃ貴重な魔導書なんだ。魔術師として手に入れるしかなくってさ」

     独り言を呟きながら焼け焦げた縄を解き、立ち上がったマギアは、

    「いや、頭が吹っ飛んだお陰で冷静になれた」

     死んだはずの男の声を聞いた。

     振り返れば、五体満足の虎太郎が彼女を見下ろしているではないか。

  • 101AI士25/07/09(水) 23:04:20

    「なっ………」

    「よし、スッキリしたことだし………もう容赦はにらんよな。俺はお前を殺す」

     そう言うと虎太郎は軍刀を召喚し、マギアを切り裂いたッ!!

    「ぐぁッ!」

    「お前の能力がどんな物かは分からんが、関係ない。死ぬまで何度でも切り裂いて、撃ち抜いて、吹き飛ばしてやる」

    「くっ!」(蘇生能力ッ!…大昔の兵隊が現代に蘇ってる時点で警戒しておくべきだった!!クソッ、判断ミスだぁ!)

     マギアの能力は、受けたダメージを体内に蓄積して任意のタイミングで放出する「集積反射」と、相手の攻撃力を強化する「魔強剛健」。
     強化した敵の攻撃を蓄積して、溜め込んだ分の強力な一撃をお返しする能力だ。

     しかしここには問題がある。マギアは回復系の能力を持っていないのだ。「集積反射」には自身の防御力を上げる効果があるが、それほど強い効果はない。
     故に初回の「集積反射」で相手を仕留め切れなかった場合、高確率でダメージの再蓄積が間に合わず敗北してしまうのだ。

  • 102AI士25/07/09(水) 23:05:20

    「ぐぅぅッ!!」

     しかし虎太郎は容赦なくマギアを切り、撃ち、殴って来る。
     虎太郎があと何回蘇生できるか分からない以上マギアは下手に動くこともできなかった。

    「帝国式・超人乱射ッ」

     その時、虎太郎の周囲に大量の拳銃が出現し、マギア目掛けて一斉掃射が始まった!

    ――ババババババババババッ!!!!――

    「ぐぁぁあああッ!!」

     無数の弾丸の雨によってマギアの身体中がズタズタに損傷し、血が床を真っ赤に濡らしていく。

    「……またさっきの光線を撃つ準備か?……だが残念だったな。俺はまだ蘇生能力が使える。……先に倒れるのは間違いなくお前の方だ」

     虎太郎は冷徹にも正論をぶつけてくる。が、実際その通りだ。再び「集積反射」による反撃を行ったとしても高確率で無駄に終わるし、そもそも撃ち込む隙がない。

    「がはッ……!」

     直接的な攻撃方法を持たないマギアは、こうなるとただのサンドバッグになってしまう。

    「……にしてもやはり硬いな、あのガキ」

     無数の拳銃による連射が終わり、大量の弾丸を受けてなお立っているマギアを見て虎太郎は呟いた。
     しかし既にその足取りはフラフラで、いつ倒れてもおかしくないだろう。

     が、

  • 103AI士25/07/09(水) 23:06:59

    「へへっ………」

    「…………」

     マギアはまたニヤリと笑い、へし折れて歪んだ形になっている手でクイクイと虎太郎を煽った。
     しかしそのニヤケ顔は引きつっていて、顔面も血だらけだ。

    「………はぁ…いいだろう。ここで仕留めてやる」

     虎太郎は召喚していた拳銃を消し、軍刀を構えた。

    (次また光線が撃たれたとしても、あれは所見殺し技だ、確実に避けれる。それ以外に隠し球があっとしても、俺にはまだ「不屈の大和魂」による蘇生が残っている)

     保険もバッチリあることを確認した虎太郎は、刀を真っ直ぐに構え、自己流の剣技「帝国式・超人突撃」を繰り出したッ!!

    ――ダンッ!!――

     強い力で床を蹴り、一気にマギアへと迫る。
     そして相手の反撃をも意に介さない超攻撃特化の剣撃をマギアに叩き込んだッ!!!

    ――ズバァッ!!!――

     マギアの身体は切り裂かれ、血が噴き出す……が、

    「ッ!!」

    「クハハッ!」

     虎太郎はマギアの能力を理解していなかった。それゆえに気付かなかったのだ。先程まで、自身の攻撃力はマギアの「魔強剛健」によって強化されていたことにッ!
     そして今、虎太郎の「帝国式・超人突撃」がマギアに当たる直前、マギアは虎太郎に掛けていた「魔強剛健」を解除し、彼の攻撃力を通常に戻していたッ!!!

  • 104AI士25/07/09(水) 23:08:35

     虎太郎は今の一撃で決められると思っていたが、それは「魔強剛健」による強化が入っている状態ならばだ。これを解かれた通常時の攻撃力では、マギアを仕留め切るにはまだ足らないッ!!!

    「なにッ!?」

     驚きつつも、反撃の光線攻撃を警戒した虎太郎。しかしマギアは光線など放たず、

    「集積反射はぁぁ―――」

     指のへし折れた拳による、拳撃を繰り出して来たッ!!

    「―――放出の仕方を選べるんだよぉッ!!!」

    「ぐぅッ!!!?」

     そしてマギアの拳が虎太郎へと叩き込まれるッ!! 先程の光線を遥かに上回る破壊力だッ!!

    「がはッ!!」

     口から血が滝のように噴き出し、虎太郎は即死したッ!!

     しかし!!

    (なんて威力ッ……だがッ!!!)

     虎太郎は「不屈の大和魂」を発動させ、死んだ肉体を蘇らせるッ!!

     そして―――――

  • 105AI士25/07/09(水) 23:09:43

    「――――――どこだここは………」

     気付けば虎太郎は、海に浮かんでいた。

     マギアは最後の一撃で、光線ではなく拳撃を選んだ理由は、マギアの能力を光線を放出だと思っていた虎太郎の不意を突くためだけではない。

     光線を撃てば殺傷力は高いが、貫通力が高い関係上相手が大きく吹っ飛ぶことはない。
     だが打撃であれば。高威力の打撃であれは相手を超遠方まで吹っ飛ばすことが可能となるのだ。

     結果はマギアの作戦通り、虎太郎は水平線の先までブッ飛ばされ、彼は1人寂しく太平洋のド真ん中をプカプカ浮かぶ事となったのだ。

    「げほッげほッ………」

     虎太郎を吹っ飛ばすことに成功したマギアはバタリと倒れ込んだ。

    「やった………魔導書………ゲットだぜぇ………」

     そしてそのまま気を失っちゃったとさ。

  • 106AI士25/07/09(水) 23:11:26

    勝者! >>90 マギア・トレイル!


    次の募集は 23:30 頃に

  • 107二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 23:19:48

    お疲れ様です
    予想以上にしっかりと動いていて驚きました

  • 108AI士25/07/09(水) 23:30:03

    次!

    >>109 VS >>110

  • 109二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 23:30:03

    ◇名前:国防色(こぼしき)
    ◇設定:戦争が終わったと知らないまま死に、亡霊になった日本兵。
    隊の中では剣術指南をしていたほど剣術は達人レベル。誠実で真面目な性格。
    家族を守るために生や時間、動きを忘れて戦った。
    ◇能力:【防衛】
    ◇戦法:【防衛】で守りながら、持ち前の剣術で相手を圧倒する戦いが得意。何気に爆弾や銃、地雷などの設置も出来る。
    【防御】と剣術を上手く使い分け、確実に相手を圧倒する戦いをする。無駄のない型。相手を殺すためではなく、“命を取られないための剣”。
    ◇技:
    【防衛】
    刀を掲げることで突破不可のバリアを展開する。能力等も防ぐ。
    ◇弱点:掲げ続けたらさすがに疲れるので永遠に展開は不可能。ちょくちょく休憩のためにバリアが解除される。

  • 110二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 23:37:10

    ブルーノ・エヴァンジェリスタ
    ・人物
    ある教会の神父をしている二十代の青年。神父とは思えない凶暴な言動をしており、周りからは「不良神父」と良く呼ばれている。
    実は教会公認のエクソシストで「悪魔殺し」の仕事をこなしており、世界の常識の外にいる怪物と戦う日々を送って数多の悪魔を葬ってきた。
    ・武器
    二丁拳銃「アナエルとピカトリクス」
    →教会で悪魔と戦うために作られた拳銃。64口径という拳銃ではありえないサイズの弾丸を撃て、コンクリートの壁を容易く貫通する威力を持つ。弾丸には聖水などを利用して浄化の力が付与されており、異能や人外に特攻効果がある。
    ブルーノはこれを容易く連射出来る。
    第五偽典「竜の罪(ドラゴン・シン)」
    →悪の象徴である竜の骨を加工して作ったという長剣。剣からは常に毒が滴っており、この毒に当たるとあらゆるものを溶かしていく。
    ・能力
    →洗礼神詞
    祈りの文言。これを唱えることで怪我の治癒、肉体の浄化、防御力の上昇などをすることが出来る。罪あるものへこの文言を唱えると浄化させる(ダメージを与える)ことが出来る。
    ・戦法
    →拳銃と竜の罪を併用して接近戦をこなす。人外と戦うために鍛え上げた剣技と銃の腕は一流で確実に怪物を屠るが時には足が出たりと戦い方は荒っぽい。
    身体能力はとんでもなく高い上、教会の加護で守られており多少の攻撃は物ともしない。

  • 111AI士25/07/10(木) 22:38:50

     〇〇〇〇年〇月〇〇日午前10時00分。アメリカ発、日本行きの大型客船が港から出航。

     同年〇月〇〇日午後2時25分。客室が日本の海域に到達。

     同日午後2時33分。船内で乗客、乗務員が何者かに襲われ9名重軽傷、11名が行方不明、現在時点で23名の死亡を確認。被害に遭ったのは主に白人男性。

     客船は現在も太平洋沖に放置されている。

     日本政府とアメリ政府は調査の結果、本件を非科学的超常現象によるものと断定。

     審議の末、事態の収拾を図り1名のエクソシストを派遣した。

  • 112AI士25/07/10(木) 22:39:55

     太平洋のド真ん中を進むゴムボートが一隻。乗組員は4名。内3名は特殊部隊の隊員だが、今回はボートの運転と連絡役でしかない。
     この船で1番重要な人物は、唯一一般的な格好をしていて揺れる船の上で悠々と聖書を読んでいる男。

     彼はブルーノ・エヴァンジェリスタ。とある宗教の神父であり、エクソシストととしても活躍している人物。
     本件を解決を頼まれた腕利きの実力者だ。

    「ブルーノさん、見えてきました」

     隊員の1人が指を差す先。水平線の上に、ポツンと浮かぶ。あれが例の大型客船だ。

    「あれか……デカいな」

    「はい。アメリカを日本を直通で行き来する豪華客船で、世界でもトップクラスのサイズです」

    「中に生存者は?」

    「今のところ確認されてしません。行方不明とされていた人達も、その後のドローンを使った船内調査で死体が発見されました」

    「なるほどね、分かった……3時間しても帰ってこなかったら引き返せ。悪霊は恐らく船そのものに憑いてるだろうから、船には触らないように」

    「了解」

     そうこうしている間に豪華客船に接近したブルーノ達。

     船にワイヤーを引っ掛けると、ブルーノは容易く細いワイヤーの上を駆けて船に乗り込んだ。

    「よし、じゃあよろしく」

    「何卒ご無事で」

  • 113AI士25/07/10(木) 22:41:02

     敬礼を返す隊員達に返事をし、ブルーノは中へと入って行く。

     入ってみて早速目に入ったのは、割れたガラス、食器、そして血と、死体だ。

     ブルーノは手早く死体達に十字を切り、すぐに臨戦態勢に入る。

    「さて……鬼かな蛇かなぁ?」

     そのまま船内へと侵入したブルーノがより奥へと進もうとした時、

    「!」

     ブルーノは床に設置されている何かを発見する。

    「地雷……かなり古い物だな………日本語?」

     床には地雷が設置されていた。日本語らしき文字で何かが書き込まれている。恐らく地雷の名前や型番的なものだろう。

    「はやり日本関係の悪霊か……それに古い地雷……もしや戦争の…?」

     だとしたら厄介だ。戦争というのは多くの者が命を落とし、怨念や恨みが深く籠もる。そういうモノが寄り集まって産まれる霊は強力な力を秘めているものだ。

     その時、

    ――コロン――

     背後から何か飛んで来て、ブルーノの足元に転がった。

  • 114AI士25/07/10(木) 22:42:18

     それはピンの抜かれた、手榴弾だ。

    「ッ!!!」

    ――ガンッ!!――

     ブルーノは一瞬の迷いもなくその手榴弾を蹴り飛ばすッ!

     ガラスを突き破って外まで飛んで行った手榴弾は、轟音と共に炸裂した!

    ――ボガァンッ!!――

    「くッ!」

     直撃は回避したものの、爆発によって破片が飛び散りブルーノの頬を切った。

    「…………やるねぇ」

     頬の傷から流れる血を拭い、ブルーノは振り返る。

     そこに立っていたのは、世界大戦時代の日本兵を彷彿とさせる格好をした男の霊だった。

    「オ………グ…………ニ……ィ……」

     口をカクカクと開きながらブツブツと何かを呟きながら、霊は軍刀を構えた。

    「アンタは……国防色の類かな」

     ブルーノの予想通り、戦争によって死んだ兵士の霊だ。恐らく奴はその中で危険度の高い「国防色」と呼ばれる種の怨霊。昔日本の悪霊についてまとめてあった資料で読んだことがある。

  • 115AI士25/07/10(木) 22:43:20

    「ガァァアッ!!」

     国防色が向かって来るが、ブルーノは落ち着いて聖書を開き、祈りの言葉を読み上げ始める。

    「『主よ、我等の罪を赦し、過ちを清めたまえ。限りない憐れみと慈悲を信じ、悔い改めの心をもって、あなたの赦しを求めん』」

     これはただの祈りではなく、悪魔祓いの際に使用する聖なる洗礼の神詞だ。ブルーノの身体を強化し、罪人の悪なる精神を浄化する効果を持つ。
     端的に言えばブルーノの強化と悪人への攻撃を同時に行う術の詠唱だ。

     しかし、

    「グァアッ!!」

    「!」

     国防色は止まること無く軍刀を振り上げ、ブルーノの脳天目掛けて振り下ろしたッ!
     ブルーノは驚きつつも、ギリギリその斬撃を回避する!

    「祈りが効いていない!?」

     人を何人も殺しているこの悪霊を、神は罪人でないと言うのか? ブルーノは怪訝に思った。
     しかしその疑問は、国防色の口から溢れた一言により、払拭された。

    「オクニノ……タメニ…………」

     ガザガザした今にも消え入りそうな声で、国防色は確かにそう呟いた。

    「……………なるほどね……分かった、お前は悪霊じゃない」

     自身の故郷を守る為、命を賭して戦った兵士を、誰が罪人と呼べようか。

  • 116AI士25/07/10(木) 22:44:42

     ブルーノは聖書を投げ捨て、腰から拳銃を2丁取り出した。

    「兵士として、ここで眠れ」

     両手に握った拳銃を国防色に向け、ブルーノは引き金を引いたッ!

    ――ダダダンッ!!――

     超大口径の銃口から弾き出された大粒の弾丸が国防色へと迫るッ! が、

    「グゥ」

    ――ガキンッ!――

    「!」

     国防色が刀を掲げた瞬間、彼の周囲に半透明なバリアが展開され、弾丸を弾いた!

    「バリア……まるで聖なる加護だな……」

    ――ダダダダダンッ!!――

     さらに弾丸を撃ち込むが、国防色のバリアにはヒビすら入らない。

    (壊すのは不可能か……だがそういう防御術には、大抵他の穴がある)

     ブルーノは右手に持っていた拳銃をホルスターにしまうと、空いた右手に新たな得物を呼び出した。

    「第五偽典・竜ノ罪」

  • 117AI士25/07/10(木) 22:45:50

     召喚されたのは神父が扱う物とは思えない禍々しい様相の長剣。その刃からは、ボトボトと不気味な湯気立つ液体が滲み出ている。

    「さぁ、軍人らしくやろう」

    「ガァアアッ!!」

     国防色が刀を振り上げブルーノに迫るッ!

     ブルーノは大振りな上段斬りを回避し、竜ノ罪を振るうが、

    「ガアッ!」

     国防色は刀を使ってその攻撃を受け止めた!

    (バリアを張らなかったな……つまり、刀を上に掲げるのが発動条件か)

     1つ相手の能力の情報を得たブルーノは、すぐさま次の策に出る。

    ――ジュゥゥゥゥウウウ〜――

    「グッ」

     竜ノ罪から滲み出る粘液は強力な溶解液だ。鍔迫り合いになれば、国防色の刀はすぐに溶ける。

  • 118AI士25/07/10(木) 22:46:50

    「ガァッ!」

     刀が解けてしまった国防色はすぐにブルーノから離れるが、

    ――ダンッ!――

     ブルーノは左手に持つ拳銃を撃ち、国防色を射撃した!

     すぐさま国防色は刀身の溶けた刀を掲げ、バリアを展開し弾丸を防ぐ。

    ――ガキンッ!――

    (刀の状態とかは関係なしか)

     心のメモ帳に新たな情報を書き込みつつ、さらに国防色へと攻撃を繰り出すべく踏み込む、が、

    「グァアアッ!!」

    「わぉッ!?」

     国防色は何処からとも無く機関銃を取り出し、ブルーノ目掛けて乱射したッ!!

    ――ダダダダダダダダダダダダッッッ!!!――

     流石にこれを防ぐ手段はない。ブルーノは床を転がるように移動して壁の裏へと滑り込んだッ!!

    「あっぶな!!……地雷があった時点で怪しんではいたが、やはり武装の召喚もできるみたいで―――」

    ――カチリ――

  • 119AI士25/07/10(木) 22:48:01

     嫌な音がし、ブルーノは足元を乗る。

     地雷を、踏んでいた。

    「――――ッ!!!」

    ――ドォオンッ!!!――

    「ぐッ!!」

     ブルーノは吹っ飛ばされて床を転がった。一般人なら粉微塵に吹き飛んでいただろう威力だ。ブルーノには聖なる加護があるから何とか耐えたが……。

     しかし、遮蔽物から飛び出したブルーノを、国防色は見逃してはくれない。

    「グガァッ!!!」

    ――ダダダダダダダダダダッッ!!!――

     またしても弾丸の雨がブルーノを襲うッ!!

    「くッ!!」

     ブルーノは咄嗟に竜ノ罪で床を切り裂き、床下へと潜り込んで銃撃を回避した!!

    「がはッ!」

     だが地雷に吹っ飛ばされたダメージは残っている。船倉へと落下したブルーノは出血している部位を抑えつつ取り敢えずその場を離れる。

    「『主よ、どうか私たちを導き、試練の中にあっても、あなたの御手が私たちを守り、支えたまえ。飢える者に糧を与え、病める者を癒し、嘆き悲しむ者に慰めを与えたまえ』……」

  • 120AI士25/07/10(木) 22:49:02

     回復の祈りを捧げて傷を癒しすが、それほど急激な回復は見込めない。
     それに、

    「ガァァ……」

     機関銃を構えた国防色が、ブルーノを追って船倉へと降りて来た。

     どこに地雷やトラップが仕掛けられているか分からない以上、ブルーノは下手に動けない。

    「さて……どうしたもんか……」

     ブルーノを探してゆっくりと迫って来る国防色を背に、ブルーノは小さく呟いた。



     ブルーノを探し、暗い船倉の中をゆっくりと進む国防色。機関銃を握り締め、目を細め、耳を傾け、獲物を探すしていた……。

     するとその時!

    ――ジュゥッ――

     左方向、10字の方角から物音がしたッ!!

     国防色は機関銃の銃口をそちらに向け、躊躇いなく引き金を引いたッ!!

    ――ダダダダダダダダダダダダダダッッ!!!――

     無数の弾丸が狙った方向へと飛んで行き、その先にあった障害物を次々とズタズタにしていく。

  • 121AI士25/07/10(木) 22:50:14

     そして見えて来たのは、

     ブルーノの使っていた長剣、竜ノ罪だった。物音の正体は、コイツから滲み出る溶解液が床を溶かした音だったらしい。

    「グゥゥ…」

     しかし、国防色はここでふと思う。

     なぜあんな所に奴の剣が?

     少し考えた国防色は答えに辿り着く。

    ―――自分の気を引くためであると。

     しかし一歩遅かった。

    ――ダンッ!!――

    「ガッ!」

     右方向から飛んで来た大口径の弾丸が、国防色の頭を撃ち抜いたッ!!

    「当たりぃ」

     剣とは反対方向に隠れていたブルーノが愛銃から放った弾丸だった!

    「グ、ガァアッ!」

  • 122AI士25/07/10(木) 22:51:25

     機関銃は大型の火器。扱う為には両手でしっかり構える必要がある。つまり機関銃を使っている間は刀を持てない。
     刀がなくては、国防色はバリアを展開することが不可能。ブルーノはそれを理解し、国防色に弾丸を喰らわせたのだ!!  

    「グ………ガ………ガァァ……」

     銃弾を喰らった頭から霊特有のドス黒い血が噴き出す国防色。
     そんな状態でも、なんとか重たい機関銃を持ち上げてブルーノに向けようとしていた。

    「もういい………あの世でゆっくり休め」

     ブルーノは拳銃を国防色に向け、

    「アナタの死後も、天の祝福が有らんことを」

     引き金を引いたのだった。
     

  • 123AI士25/07/10(木) 22:52:54

    勝者! >>110 ブルーノ・エヴァンジェリスタ!


    次の募集は23時頃に

  • 124AI士25/07/10(木) 23:00:02

    次!

    >>125 VS >>126

  • 125二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 23:04:44

    ◇名前:冥迷
    ◇概要:二人一組の怪異。
    羊の覆面を被っており、男女で一人のペア。男が迷、女が冥。
    男は黒いスーツを着ており、女はスーツにタイトスカートを履いている。都市伝説の具現化。増殖型であり、羊の覆面を被せられたら冥迷になる。自我はない。身体能力が人並み外れており、アクロバティックな動きをする。怪力であり気持ち悪い動きで壁も這い登れる。冥が両手に包丁、迷が両手にハサミを持ち切り裂いてくる。のらりくらりと攻撃を回避してくる。
    ◇能力:《シープケイヴ》
    影に潜って移動する能力。影にいる間は攻撃が通らない。長くはいられない
    《クロスネス》
    二人で連続で攻撃する技。フィニッシュに×の形で斬りかかる。
    《シープグロース》
    幻覚で増えたように錯覚させる技。油断していると迷冥にされる。
    《デスイーター》
    相手の能力を封印する。封印する際は噛みつきを行う。
    《ブリッジシープ》
    相手の首に縄をかけて上に引っ張り上げて気絶させる。暴れるほど強く絞まる
    ◇弱点:存在を認知されなくなること

  • 126二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 23:30:02

    将 戯龍
    特殊な能力を持つ者たちの街で治安維持の裏家業をしている壮年の男性。
    表の顔はプロ棋士であり竜王のタイトルホルダー。
    戦場においても棋士として鋭く戦局を把握し、相手を詰みに導く冷静な指し手。

    異能:「将棋の指し手」
    戦闘開始と同時に19体の使い魔を召喚し、自身を含む20人に将棋の駒の役割を振り当てる。
    自身は「飛車」の役割で固定。
    王将が倒されると能力が解除されるのが弱点。
    倒されると敗北になる「王将」を使い魔に当て、護らなければならないという縛りによって能力の出力を向上させている。

  • 127AI士25/07/11(金) 22:43:41

     太平洋を進む大型の豪華客船。その中にある個室で本を読む人物がいた。
     将 戯龍。プロの棋士にして、高い実力を持つ戦闘能力者としても知られる強者だ。

    「?」

     そんな彼の、本のページをめくる手が止まった。
     なんだか外が騒がしい。そう感じたのだ。

    ――ガチャリ――

     個室の扉を開け、通路を覗いた戯龍は驚愕する。

     なぜなら通路には、不気味な羊の覆面を被った人達が幾人も立っているという、異様な光景が広がっていたのだから。

    「ぐ…ぐ…!」

     覆面の不審者達は碌な言葉も発さず、戯龍を見付けるや否や彼へと迫って来た!その手には包丁やハサミが握られている!

    「『将棋の指し手』」

     戯龍は咄嗟に能力を発動させる。

     次の瞬間、戯龍の周囲に19体の配下達が召喚された。

    「香車」

     そして戯龍が一言呟き、迫り来る不審者達を指差した。

  • 128AI士25/07/11(金) 22:45:03

     すると配下の1体が超高速で駆け出し、進路上にいた不審者達を全員薙ぎ倒した!!

    ――ドガァッ!!――

     戯龍の能力は将棋に因んだ使い魔を呼び出す能力。今飛び出して行った香車は声速のタックルが強味の手駒だ。
     しかし残念ながら香車にブレーキの概念はなく、そのまま通路先の壁に激突した。

     しかしこれで不審者達は掃討できた。コイツ等は一体何なんだと戯龍が困惑していると、

    「ん?」

     通路の先からまた不審者が現れた。男女の2人組だ。
     すると男の方が懐から彼等と同じ羊の覆面を取り出し、壁に向かって走り続けている香車にそれを被せた。

    「!」

     するとどういう訳か、戯龍の配下であるはずの香車が不審者と同じ様な背恰好に変化し、戯龍の命令を受け付けなくなってしまった!

  • 129AI士25/07/11(金) 22:46:15

    「………なるほど、やられた駒は敵の駒に……本物の将棋と同じだな」

     戯龍は部屋から出て配下達で隊列を組ませ、通路先の3体の不審者に向けて迎撃態勢をとった。

     そして不審者こと、増殖型都市伝説怪異である女の『冥』と男の『迷』は、手に持つ得物を構えて戯龍達目掛けて突撃して来た!! その動きは人には出せない不気味で不規則、予測不能な動きだ!

    「角行」

     戯龍は手駒の中から、奴等と同じく不規則的な動きが得意であり、かなり強い配下である角を迎撃に出させた。

     2メートル級の巨体を持つ角がその巨腕を振り下ろす!!

    「ぐぬっ…!」

     3体の冥迷の内、2体の迷が角の攻撃を受け止める。その隙に残りの冥が角の横を通過し戯龍へと駆けて手に持つハサミを振り下ろしたッ!!

    ――ガキンッ!――

     しかし、戯龍を狙って繰り出したハサミの一撃は、煌めく鎧に身を包んだ戯龍の手駒によって防がれる!

    「金将」

     戯龍のお気に入りの手駒であり、高い防衛性能を持つ配下、金将だ。

  • 130AI士25/07/11(金) 22:47:23

    ――ドガッ!!――

     金将は容易く冥を押し返し、角の方へと吹っ飛ばす!

     飛んで来る冥に気が付いた角は、奴を叩き潰そうとするが、

    「ぐぅ…!」「がぁ…!」

     角の相手をしていた迷2体が包丁を構え、協力して強烈な一撃を角へと喰らわせたッ! 
     身体をバッテン印に切り裂かれた角の身体はバラバラになって崩れ去り、冥は上手く受け身を取って迷達と合流した。

    「……2人掛かりなら角をやれる実力か…不用意に強い駒は出せんな」

     そう判断した戯龍は、次なる手駒をけしかける。

    「『桂馬』!」

     その掛け声と共に、馬に乗った2体の配下が冥迷達へと突撃する!
     まるでスキップでもするかのように左右に飛び跳ねながら駆ける桂馬達は、手に握る槍で冥迷を襲った!!

    「ががぁ…!」「ぬがぁ…!」

     2体の桂馬を相手するのは、またしても迷2体。残った冥は再び戯龍達へと突撃する!

    「またか、懲りないな。『金将』」

     再び金将が前に出て、冥を止めようと試みる。が、

  • 131AI士25/07/11(金) 22:48:43

    ――ボヤァ――

    「!?」

     突如冥の姿が陽炎のように歪み、金将の判断が一瞬鈍る!

    ――ドガッ!――

     結果金将の攻撃は外れ、冥は金将を飛び越して戯龍へとハサミを振り下ろす!
     今度は盾役のいない戯龍本体に直接攻撃が届く!

     が!

    ――ドゴッ!!――

    「ぐがぁ…!」

    「残念だが、俺は王じゃないんだ」

     戯龍の強烈な蹴りが、飛び掛かって来た冥へと叩き込まれたッ!!
     怯んだ冥へと、戯龍の横に立っていた銀将の剣が突き刺される!

    「がぁ……」

     冥が絶命し、消滅した。
     残りは迷2体かと思い通路先の方を向いた戯龍だったが、

    「………ちッ」

     迷達を相手していた桂馬がやられ、覆面を被せられて冥へと変化していた。

  • 132AI士25/07/11(金) 22:49:49

    「生半可な駒じゃ敵が増えるだけだな」

     戯龍は歩兵などの弱い配下を下げさせ、金と銀を前に出した。

    「行け!」

     金将と銀将の計4体が、冥迷4体へと突撃する!

    「がぁ…!」

    ――ガキンッ!バキンッ!!ガキンッ!!――

     金銀と冥迷の実力は拮抗しているようで、両者一歩も引かずに攻防を繰り広げる。

     しかし、

    「! またか!」

     冥迷達の姿が徐々に揺らぎ出し、いつの間にか数が10体近くに増えている!

    「分身か…!」

     戯龍の金将銀将は優秀は手駒だが、思考能力は低く搦手に弱い。つまりこのように幻覚などを展開されると、途端に動きが悪くなるのだ。

  • 133AI士25/07/11(金) 22:51:06

    「チッ!」

     戯龍は駆け出し、幻影に惑わされる金銀達に加勢した!

    「そこか!」

    ――ドガッ!――

     戯龍の蹴りが迷の一体を蹴り飛ばし、怯んだ隙に金銀達の攻撃でトドメを刺す!
     冥迷の幻影能力は厄介だが、よく観察すれば見破れる程度の練度だ。戯龍が前線に出て加勢すれば容易く掃討できる。

     その判断通り4体いた冥迷達は次々と戯龍達によって屠られ、残るは最後の1体。
     しかし、

    「いない?」

     まだいるはずの最後の1体となる冥の姿がない。逃げ出したのだろうか?

     と頭を回していたその時、

    ――ゴポッ――

    「ッ!!」

     なんと、後方で待機させていた歩兵の影の中から、最後の1体となる冥が現れた!!

    「アイツ、影に潜れるのか!?」

     戯龍達は急いで動き、最後の1体を倒すべく駆ける。が、

  • 134AI士25/07/11(金) 22:52:28

    「ぐぉあっ…!!」

    ――ズバババッ!!――

     戯龍達より冥の方が速く、足元からの奇襲を受けた歩兵達は次々と斬られ、覆面を被せられ、冥迷へと変化していく!!

     あっという間に10を超える冥迷が誕生してしまった!!

    「くッ!」

     しかし、後方で待機していた駒の中で唯一まだ覆面を被せられていない配下が戯龍の目に映った。

     最も大事な戯龍の能力の核とも言える配下。『王将』だッ!!

    「がぁあああ…!!!」

     しかしその存在に気が付いた冥迷達は、王将へと襲い掛かる!!
     王将にも戦闘能力はある為、冥迷達を殴って抵抗しているがヤラれるのは時間の問題だッ!

    「突撃ぃ!!王を護れぇ!!」

     戯龍の掛け声と共に戯龍、金将、銀将が、王将を狙う冥迷の群れへと飛び込んだッ!!

    ――ドドドッ!!ドガッ!!ゴガッ!!バゴンッ!!――

     戯龍とその配下は死力を尽くして冥迷達と戦ったが、多勢に無勢。

  • 135AI士25/07/11(金) 22:53:44

    「がぁ…!!」

    ――ズバァッ!!――

     遂に金銀がやられ、残ったのは戯龍と王将だけになってしまった……。

    「はぁ…はぁ……はぁ………」

    「ぐぅぅ……」

     得物を握り締め、満身創痍の戯龍と王将に迫る冥迷達。

     しかしそこで、戯龍はニッと微笑んだ。

    「………ホントは嫌なんだがな、こういうゴリ押し戦法は……」

     前髪を掻き上げ、冥迷達を睨んだ戯龍は、ここで自身に宿る飛車の力、最後の能力を振り絞った。

    「『飛車』『成り』」

     成りとは本来、手駒が敵陣に踏み切った際に発動できる手段であり、駒を強化することのできる将棋の醍醐味だ。
     しかし戯龍の能力の場合、その発動条件は異なる。

     発動条件1。戯龍本体がそれなりのダメージを受けた状態になること。

     発動条件2。戯龍、王将以外の手駒が全滅すること。

     戯龍は既に、この発動条件を満たしている。

  • 136AI士25/07/11(金) 22:54:57

    「『龍王』…!」

     飛車の力が最大出力で発揮され、戯龍のあらゆる戦闘能力が大幅に強化されるッ!!

    「さぁ………最後だ。一緒に行こうか、王様!」

     戯龍と王将は拳を構え、冥迷達へと攻撃を繰り出したッ!!

    ――ドガァッ!!――

     戯龍の拳が迷の頭を砕く!!

     しかしまだ冥迷は7体残っている! 奴らは包丁とハサミで戯龍達に襲い掛かる!!
     戯龍は倒した迷から包丁を奪い取り、冥の足に突き刺したッ!!

    「ぐぬ…!」

     怯んだ冥へと、王将の蹴りが叩き込まれる!

     と、次の瞬間王将の影から別の迷が現れ、王将の足に刃を突き刺したッ!!

    「チッ!」

     すかさず戯龍はその迷を蹴り飛ばすが、王将の移動能力が大幅に落ちてしまう!
     戯龍は王将を担ぎ上げると、直ぐ様残りの冥迷の相手を再開する!

     戯龍の蹴りが迷を砕き、拳が冥の腹を貫く!
     しかし冥迷も戯龍を殴り、切り裂いてくる!

  • 137AI士25/07/11(金) 22:56:02

    「ぬぁぁあああッ!!」

    「がぅぅぁ…!!」

     徐々に冥迷の数が減り、徐々に戯龍の動きが鈍くなる。

     そして――――

    ――ガブッ――

     遂に、迷の1体が戯龍の腕に噛み付いた。

    「ッ!?」

     次の瞬間、戯龍の担いでいた王将が消え去り、彼に宿っていた飛車の力も消え去った。

     冥迷の持つ、相手の能力を封じる能力『デスイーター』だ。

    「………ちッ…やっぱ棋士がゴリ押しに頼っちゃ敗けか……」

     諦めてそう息をついた戯龍を、冥迷は吊るし首にすることでこの戦闘は終わりを迎えた。

  • 138AI士25/07/11(金) 22:57:32

    勝者! >>125 冥迷!


    次! >>139 VS >>140

  • 139二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 22:59:00

    クラーク・ケイン

    特殊な手術によりクラーケンの心臓を移植された男性。元は熟練の兵士であり、人工能力者兵士実験の被験体。
    いつも気怠げであるが、それは怪物の心臓を移植した結果 体が蝕まれているような状態だからであり、元はマジメな人物だった。
    横向きの瞳が特徴的。

    巨大なイカの怪物「クラーケン」の能力を使用できる。
    ・身体から骨や関節を無くすことで常人には不可能な挙動を取れたり狭い場所にも入り込める。相手の拘束から逃れたり相手を掴んだりするのにも有効。
    ・最大で10本の強靭なイカの触手を生やすことができ、移動攻撃防御などに使用する。触手には吸盤が付いており、壁や天井に張り付ける。打撃には強いが斬撃や熱に弱く、破壊されると再生には時間が掛かる。10本の内2本は触腕と呼ばれる触手であり、他の触手よりも長い上に力強く素早い操作が可能。
    ・イカの体内にある「軟甲」という器官を再現し、腕に1本だけ半透明なブレードを生やせる。刃に神経毒の仕込むことも可能。
    ・体表の質感や色を変化させ、周囲の景色に溶け込む。
    ・体内に大量の水を溜め込んでおり、それを噴射する。
    ・黒い霧を放ち、煙幕のようにして視界を潰す。
    ・複数の心臓と脳を持つ。これらを破壊されると触手の制御が困難になる。

    「水噴射撃」
    触手を螺旋状に構えてライフルのように水を撃ち出す。まるでレーザービームのような威力と射程を誇る大技。しかし発動すると体内に溜め込んでいる水を殆ど放出してしまう。
    「触腕射突」
    長い触腕をバネのように螺旋状に組んで引き絞り、弓矢のように打ち放つ大技。分厚い鉄板を容易く貫く威力があるが、使用すると触腕は破裂してしまう。

  • 140二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 23:00:22

    怪盗ミーティア
    対戦相手に送った怪盗姿の青年
    ロマンチストな努力家でいつも飴(棒付き)を舐めている。最初は失敗する前提で動き、誤解させながらの戦闘を得意とし危ない橋も渡る(大きなデメリットのある強化魔法を相手にかけたり等) 結構タフで練習の失敗の爆発で吹っ飛ばされた経験が何度もあり結構タフ
    未来視 遠くの未来まで見える目しかし結果は見ていない 対戦では十秒先が限度だと考えている
    時間跳躍 自身を1秒後から10秒後に自身を飛ばす技 その間自身は存在せず、未来視でその先(5秒後なら5秒先)を見て飛ぶ必要がある 時間跳躍時一度だけ干渉出来る(5秒後に飛ぶとして3秒後時点に風魔法を打てる) そして時間になると飛んだ3メートル以内に再出現する
    無限爆弾 爆発と吸収を繰り返す爆弾 3回から100回繰り返し、最後の爆発は爆破回数に比例して大爆発する 倍以上の威力の技を受けると止まるがその際(込めた魔力+受けた技の威力)×爆破した回数となる為注意が必要
    空の靴 どこでも歩ける靴逆さ状態でも立つ事が出来、空も歩ける
    魔力型鞭 通常は伸縮自在の鞭として使う魔力で硬さや距離を調節出来る筒魔力放出する場所は二箇所で即席で武器や盾にすることも可能(槍や剣等)
    天の力 無からエネルギーを生み出す力白を基調とした銀色の鎧姿になるその姿でいると無限に溢れ出る魔力で押し潰される為疲れを気にせず高威力の魔法や超回復での近接ゴリ押しか、一瞬展開して瞬間火力を高めたり攻撃を瞬間防御したり回復するかで怪盗は基本後者(疲労は蓄積する)
    魔砲 腕を代償に天の力で得た魔力全てで全力の砲を撃つ技この技を使うとこの戦闘では腕の回復が間に合わない事と片手は残しておきたいので一戦闘で一度と決めている
    予告状 天の力を使っている状態で使える最後の切り札 手に予告状を出し予告をすると白いオーラが怪盗を囲い全ての力が上昇する 「予告しよう 30秒以内に君を仕留める」→「30秒後丁度に仕留める」「30秒以内に魔砲で仕留める」→「30秒後丁度に魔砲で仕留める」「次の魔砲で仕留める」とハードルが上がるたびに自身の力が向上する 予告状が地面に刺さるか手に取るかで計測スタート最高五分 ただし失敗した場合、以内なら戦闘不能 丁度の場合、相手全回復(間に合わない場合戦闘不能一回)予告中未来視は使いませんが予告状が投げられた後は全力で使う

  • 141二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 23:02:23

    >>140

    すみません予告状送ったが抜けてました

    対戦相手に送った怪盗姿の青年→対戦相手に予告状を送った怪盗姿の青年

    字数無理なら予告状の所消してください

  • 142二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 23:05:11

    戦闘描写投下ありがとうございました
    対戦相手の方もありがとうございます
    将棋らしく成ることでパワーアップは狙い通りでしたが、棋士が盤上に上がってしまったのがそもそもの敗着でしたね

  • 143AI士25/07/12(土) 21:15:52

     大型豪華客船船内、食堂ドリンクバーにて1人の男が水を飲んでいた。元エリートソルジャーにして人工能力者。クラーク・ケイン。彼は仕事で出張中であり、この船には移動の為に乗船していた。

     ふと、彼に目に壁掛け時計が映った。時刻は丁度正午を指したところだ。

    「………そういえば……」

     そこでクラークはある事を思い出し、ポケットに押し込んでいた紙を取り出す。
     それは白い1枚のカードで、昨日自宅の前に落ちていた物だ。

    『明日正午、アナタの命を頂きます』

     そう書き込まれている。イタズラかとも思ったが、念の為持って家を出たのだ。宛名もしっかり自分の名前だし。

    「…………結局イタズラだったな」

     安堵と不腰の落胆の末、クラークはカードを投げ捨てた。

     そして、

    ――コロン――

     と、投げ捨てたカードと同じ位置に何かが転がって来た。

     丸くて、何だか微かに音を発している。

    ――ピッ……………ピッ…………ピッ……――

    「?」

    ――……ピッ…ピッピッピッピッピッピピピピピ――

  • 144AI士25/07/12(土) 21:16:52

    「!!」

     それが爆弾だと理解したクラークは、咄嗟に触手を伸ばして防御態勢を取った!!

    ――ボガァンッ!!――

     轟音と共に爆炎が周囲を襲い、10本あるクラークの触手が2本破壊される。

     しかし、

    ――ピッ………ピッ……ピッ…――

     一度爆発したはずの爆弾はまだ目の前に転がっており、再びカウントダウンを開始している!

    「ちッ!」

     クラークは触手で爆弾を掴むと海に向かって投げ捨てたッ!

    ――バリンッ!――

     爆弾はガラスを割って船の外まで飛んで行き、そのまま海へと沈んで行った。

    「………イタズラじゃなかったか」

     クラークは爆弾の転がって来た方向を睨む。
     そこには、先程までいなかった筈の珍妙な格好をした漢が立っていた。

    「やぁ。予告通り御命貰いに来たよ?」

     現れたのは能力犯罪者として数々の悪行に手を染めた最重要指名手配犯の1人、怪盗ミーティアだった。

  • 145AI士25/07/12(土) 21:17:52

    「めんどくせぇ…!」

     クラークが触手を構えるのと同時にミーティアは腰から鞭を取り出す。特殊な魔法が付与されているこの鞭は形状を変化させられる特性を持っており、ミーティアはそれを槍へと変形させた。

     そして床を蹴り、一気にクラークへと襲い掛かる!

    「ッ!」

    ――グニュ――

     しかしイカの怪物、クラーケンの能力を持つクラークは、その身体が持つ異常な柔軟性を活かして槍の攻撃を躱し、逆に触手でミーティアの槍を絡み取った!

    「うおっ!」

     ミーティアから槍を奪い取ったクラークは、無数の触手による攻撃を放つ!

    「おやおや危ないなぁ!」

    「ッ!?」

     しかし、ミーティアは必要最低限の動作で触手による攻撃を次々と回避していく!

    (ただの攻撃は避けられるか)

     ミーティアの回避性能が能力故か、それとも単なる実力か分からないが、普通の攻撃が全部避けられるのなら他にもやりようはある。

  • 146AI士25/07/12(土) 21:19:00

    ――ボワッ!――

    「うわっ!」

     クラークの腕から黒い煙が放たれ、煙幕となって周囲を包み込んだ!

    「げほっげほっ!……なんだこれ……何も見えない……」

     視界を潰されたミーティア。
     しかしクラークは冷静に彼の背後へと回り込み、毒に塗られたブレードを腕に生やして斬り掛かったッ!!

     しかし、

    ――シュッ――

    「なんだ?」

     突如、目の前にいたはずのミーティアの姿が消えた。
     幻術の類が使われた時のように徐々にボヤァッと消えた感じでもなく、突然いなくなったのだ。

    「…………」

     クラークが不審に思いつつ周囲を警戒していると、

  • 147AI士25/07/12(土) 21:20:02

    ――シュンッ――

    「ッ!!」

    「やっ」

     ミーティアが突然クラークの背後に現れた!!

    「ファイヤボール!!」

     そして彼の手に炎が宿り、火球を放つ魔法が撃ち出された!!

    「くッ!」

     クラークは触手を1本犠牲にしてその魔法を防ぎつつ、思考を回す。

    (瞬間移動系の魔法か?……いや、だとすると煙幕の中で俺の位置が把握できた事への説明がつかない………マジでめんどくせぇ…!!)

     魔術師が相手となるとあらゆる可能性を考慮しなくてはならなくなる。
     クラークは面倒臭さにため息をつきつつ、次の手に打って出た。

  • 148AI士25/07/12(土) 21:21:02

    「おや?」

     ミーティアは目を擦って怪訝な表情を浮かべる。
     クラークの身体の色が変化したのだ。どうやら見間違いではないらしい。
     周囲を漂う煙幕はだいぶ薄くなったが、それ故に体表の色が変化したクラークは背景に溶け込み易くなる。

     そして案の定、ミーティアはクラークを見失ったてしまった。

    「また隠れん坊?……飽きないねぇ…」

     ミーティアはその場に留まり周囲を警戒している。

     クラークは息を潜め、忍び足でミーティアにゆっくりと近付いていく。

    「……………」

     そしてブレードによる攻撃が届く距離まで十分に接近した時、クラークは気付いた。

     ミーティアは目を瞑っているということに。

  • 149AI士25/07/12(土) 21:22:02

    ――シュンッ!――

     そして次の瞬間、ミーティアの姿が再び消えた!

    「またか…!」

     触手を展開しつつ周囲を見渡して警戒するクラーク。しかし目は前を向きつつも意識は背後を警戒していた。

    ――シュンッ!――

     そしてクラークの予想通り、ミーティアはまたクラークの背後に現れたッ!!

     ミーティアが背後から放った魔法を回避しつつ、クラークは相手の情報をまとめる。

    (時間差のある瞬間移動…そして転移した瞬間にはコチラの位置を把握している…さらにワープする時は必ず俺が攻撃を仕掛けた瞬間………つまりこれは――)

     ――時間系の能力! クラークはそう結論付ける。

     この予想が当たっているのであれば、チマチマ攻撃せるのは無意味だ。

    (なら、手数でゴリ押す!!)

     クラークは自身に生やせる全触手を展開し、ミーティアへと飛び掛かった!!

  • 150AI士25/07/12(土) 21:23:11

    「シッ!!」

    ――ドドドガッ!!――

    「うぉッ!?」

     クラークの操る極太の触手は怪力であり、殴られればタダでは済まない。

     しかし未来視と未来に跳ぶ能力を持つミーティアは、能力を上手く使って触手の連打を回避しつつ、魔法による攻撃で確実にクラークの触手を削っていく!!

    「ウィンドスラッシュ!」

     風の斬撃がクラークへと飛び、彼の触手を切り裂く!

    「ちッ!」

     クラークは触手を伸ばして殴り掛かるが、

    「丸見えだよー」

     未来視で攻撃を見ているミーティアは容易くその一撃を回避する。

     このままミーティアが勝利を掴むか。そう思われたが、

    ――ピュッ!――

    「うぁッ!?」

     突然クラークの触手から水が放たれ、ミーティアの目に飛び散った!

  • 151AI士25/07/12(土) 21:24:12

    「ぬぅ!!」

     クラークは体内に水を溜め込んでおり、それを飛ばしてミーティアの視界を塞いだのだ!

    「未来が見えようが、今が見えないんじゃ避けらんねぇよなぁ…!」

     そして遂に、クラークはブレードでミーティアに斬り掛かった!!

     が、

    ――ズバァッ!!――

    「ッ!?」

     突如、何処からとも風の斬撃が飛来し、クラークのブレードが生えている腕を斬り落としたッ!

    「なんだ…!?」

    「時間跳躍はね、僕を未来へ飛ばすだけじゃないんだ」

    「!!」

     つまりミーティアは、事前に自身が目潰しを受ける事を視ており、そのタイミングに合わせてクラークの腕を斬り落とすように、風の魔法を未来に飛ばしていたということだ。

    「狙い通りだね」

    「くッ…!」

     腕からは血が流れるが、クラーケンは高い再生能力を持っている。みるみる内に血は止まり、断面は塞がった。
     が、手とブレードが再び生えるには数日掛かるだろう。

  • 152AI士25/07/12(土) 21:25:24

    「さぁ〜て、予告通り命を貰うよ?」

     先程までクラークの攻撃を対処しつつ反撃でクラークにダメージを与えていたミーティアだったが、ここで遂に攻勢に出た。

    「チッ!」

    「ファイヤボール! ウィンドスラッシュ! サンダーアロー!!」

     次々と色とりどりの魔法が放たれる。端から見れば美しい光景だろうが、クラークからは見ればミサイルの雨が迫って来ているようなものだ。

    ――ドガガッ!!ドゴンッ!!バゴォッ!!――

     クラークは触手を使って壁や天井を移動し、迫り来る魔法攻撃を次々と避ける。
     しかし、無限にこんな事は続けられない。ミーティアがどれ程の魔力を保有しているか分からない以上、何か行動に移るべきた。

    ――ズバッ!!――

    「くッ……! しゃぁねぇ……」

     また1本触手を斬り落とされてしまったクラークは覚悟を決め、再び黒い煙幕を放って食堂全体を包み込んだ!

    「またこれ?はッ、学習しないねぇ…」

     ミーティアは呆れつつ、再び未来視を発動させる。

  • 153AI士25/07/12(土) 21:26:26

     そして、

    「視えた………8秒後、背後から触手攻撃か」

     それが分かったミーティアは、クラークがその攻撃を放った直後、つまり9秒後へと時間跳躍を発動させる。

    ――シュンッ!――

     そして9秒後へと飛んだミーティアは、攻撃をスカ振った直後のクラークへと魔法を放つッ!

    「ファイヤボー………あれ?」

     しかし、そこにあったのは、

    「触手?」

     斬り落とされた触手だけだった。恐らく先程自分が斬り落とした物だろう。

    「よぉ…」

     そして背後、煙幕の中からクラークの声が聞こえて来たッ!!

    「マズ――――」

     時間跳躍を行うには未来視が必須。しかし未来視は時間跳躍で飛んで来てすぐに発動できるようなものではない。ちゃんと未来を視なければならないのだから当然だ。

     そんなミーティアへと、

    「『触腕射突』ッ!!」

  • 154AI士25/07/12(土) 21:27:31

     クラークは触腕という特に強靭な触手を使った強烈な一撃を撃ち放ったッ!!

    ――ボシュッッ!!!――

     まるで放たれた矢のように伸びる触腕がミーティアを襲い、彼の胴体ド真ん中へと叩き込まれたッ!!

     が、

    ――ガキンッ!!――

     その手応えは、想像と全く違うものだった。

    「ぁあ?」

     見ると、ミーティアの容姿は大きく変化していた。

     白いマントが着いた白スーツのような格好だったはずなのに、ミーティアはまるで聖騎士を思わせるような、白銀の鎧に身を包んでいたのである。

     これは特殊な魔法の込められたミーティアの奥の手とも言える鎧で、身に付いている間は魔力を消費し続ける代わりに高い防御力と攻撃力を得ることができる。

    「瞬間外装『天ノ力』…だよ?」

  • 155AI士25/07/12(土) 21:28:33

     ニヤリと笑ってそう言うと同時に鎧は消え去り、また先程までの格好に戻るミーティア。

     触腕射突は強力な技だがデメリットがあり、発動すると触腕が破裂して無くなってしまう。失った触手は再生までに数時間掛かる。

     つまりクラークは、最も強力な武器とも言える触手を失い、更には最大級の大技を容易く無効化されてしまったのだ。

    「さて………今ので君の策は終わりかな?」

     ミーティアはニヤリと微笑んでクラークに聞いた。

    「………………あー………」

     天を仰ぎ、頭をポリポリと掻いたクラークは、その後ポツリと呟いた。

    「マジでめんどくせぇなお前……」

    「なに?」

    「あー、もういいや………この船の乗客が皆死んでも、お前のせいってことで頼む」

     そう言うと、クラークの腕に触手が巻き付き、彼の腕が筒状に変化した。

     そして、

  • 156AI士25/07/12(土) 21:29:34

    「『水噴射撃』ッ…!!」

     クラークは船の床板へと、強力な貫通性能を誇る水のレーザーを撃ち放ったッ!!!

    ――ドシュゥゥウウウッッ!!!――

    ――ボガァアアッ!!!――

     クラークの一撃は床を貫くだけに留まらず、なんと船底すらも貫通して船に大きな縦穴を開けたッ!!

    「な、何してんだ!?」

    「じゃ、下で待ってるぞ」

     そう言うとクラークは穴に飛び込み、そのまま海へと潜って行った!

    「おいおいおいおい、船沈むぞぉこれ?」

     床に開いたアナからは海水が噴き出している。沈むのは時間の問題だ、などと思っていたミーティアだったが、

    ――ドシュゥゥウウウッッ!!!――

    「うぉッ!?」

     また『水噴射撃』が、今度は下から上へと船を貫き、新たな縦穴を開けるッ!!

  • 157AI士25/07/12(土) 21:30:40

    ――ドシュゥゥウウウッッ!!!――

    ――ドシュゥゥウウウッッ!!!――――ドシュゥゥウウウッッ!!!――

     またもう一発、もう一発と、次々に水のレーザービームが船を貫いていくッッッ!!

     当然船は浮力を失い、凄い勢いで沈み出した!!

    「ヤバッ!!」

     焦りを覚えたミーティアは、急いで船から飛び出したッ!!

    ――バシャッ!!――

     そしてそのまま海に飛び込むかと思われたが、彼の履いている靴には魔法が掛けられており、海面に立つようにして着地した!!

    「危なぁ……」

     振り返ると、船はタイタニックさながらの豪快な絵面で沈没していた。

    「………あんな強力な奥の手があるとは……だが、予告を覆す訳にはいかない。クラークは何処に行ったのか―――」

     海面に立つミーティアがクラークを探そうと海を見下ろすが、海の中というのは、海面からだと殆どわからない。特にこんな太平洋ド真ん中なんて深い海域だと、数センチ下がどうなっているかすら分からないものだ。

  • 158AI士25/07/12(土) 21:31:41

     しかし、空からの光が差し込む海中からならば、海面に浮かぶ存在はよく見える。

    ――ドボシュッッッ!!!――

    「うぉッ!!」

     また海中からクラークの水噴射撃がミーティアを襲った!!

     本来この『水噴射撃』は体内の水分を殆ど放出してしまう諸刃の剣。しかし海中にいるのであれば、このデメリットは無いに等しい。 
     結果、海中からクラークはミーティアを狙撃し放題なのだ。

     ミーティアは未来視と時間跳躍を使って何とか飛んで来る水のレーザーを回避するが、当たるのは時間の問題だ。
     クラークとの立場が綺麗に逆転してしまっておる!

    「ちぃ……仕方ない、これに賭けるか…!」

     そう言うと、ミーティアは自身の右腕の能力を発動させる。

    ――ガチャンッ!――

     すると彼の右腕は、まるでキャノン砲のような形状へと変化した。 
     そしてその見た目通り、この能力は変形した腕から魔力を高火力で放出する事ができるというものだ。

  • 159AI士25/07/12(土) 21:32:42

    「『天ノ力』装着ッ!」

     さらに白銀の鎧を装着し、攻撃力を上げる。

    「でもこれだけじゃ、何処にいるかすら分からないアイツを吹っ飛ばすのは難しい……だから、」

     ミーティアは懐から1枚、白いカードを取り出した。

    「宣言『予告状』」

     ミーティア最後の能力『予告状』。事前に宣言した課題の遂行を条件に、自身の能力を底上げする強化能力。

    「予告・『10秒後、クラークの体を吹き飛ばす』ッ!」

     課題を設定し、予告状の効果を発動させたその時、ミーティアは気付く。

    「……………地面が、ないッ!!」

     そう、ここは海面だ。しかし予告状の効果を使うにはこのカードを地面に刺すか、敵に渡す必要があるが、海上となればカードを刺す地面はないしクラークに渡そうにも奴の位置が分からない。

     そして、クラークはミーティアを待ってくれるほど優しい男でもない。

    ――ボシュぅぅぅッ!!!――

     海中からは水のレーザーが絶え間なくミーティアを襲い続けるッ!!

  • 160AI士25/07/12(土) 21:33:42

    「くッ!……仕方ない………当たってくれよッ!!」

     ミーティアはカードを投げ捨て、腕の砲口を海中へと向けたッ!

     そして体内の魔力を全て注ぎ込み、現最高火力の一撃を撃ち放つッ!!

    「『魔砲』、最大出力…! 喰らえぇぇええッ!!」

    ――ドガァアアアアアアアアッッッ!!!――

     海面はまるで噴火した火山のように弾け飛び、沈もうとしていた大型客船を横転させ、何百リットルもの海水が一気に蒸発して水蒸気爆発となってさらに爆発の威力を底上げしたッ!!

    ――ザァァァァアアアアアアア……――

     豪雨のように打ち上がった海水が周囲に降り注ぐ。
     そしてミーティアは、

    ――ザブンッ――

     体内の魔力を全て失った結果『空の靴』の効果を発動できなくなってしまい、そのまま海へと落下した。

    「…………………  ……ッ!!!」(…危なッ!? 魔力切れで気絶するところだった!!)

     沈みそうになっていたミーティアは何とか意識を保ち、海面に浮上しようと泳ぎ出した。

  • 161AI士25/07/12(土) 21:34:46

     その時、

    ――ガクンッ――

     何かが彼の足に絡み付き、ミーティアの泳ぎを止めた。

    「……………」

     ミーティアが恐る恐る振り返れば、そこに待つのはニヤリと微笑んだ表情でミーティアの脚を触手で掴むクラークだった。

    「――――――!!!?」

    「怪盗如きが、海で俺に挑んだのが間違いだぁ」

    ――ゴポゴポゴポゴポ……………――



     数分後、海面に浮上したのは、予告状と書き込まれた白いカードだけだった。

  • 162AI士25/07/12(土) 21:35:50

    勝者! >>139 クラーク・ケイン!


    次の募集は23時頃に

  • 163二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:39:45

    ミーティア側から見たらそうなるか……
    ヤバい爆弾持ってるし
    お疲れ様ミーティア

  • 164二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:00:08

    このレスは削除されています

  • 165二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:00:03

    このレスは削除されています

  • 166二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:00:37

    このレスは削除されています

  • 167二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:00:41

    アルス・リム

    20代程度のスレンダーな女性で、両腕両脚を義肢に置き換えている。所属はとある特殊部隊、性格は卑屈かつ自己否定的で、常に敬語で話し、自らを道具として扱うような戦闘スタイルをとる。普段の義肢は露出型フレームでメンテナンス性と換装の簡易性を重視しており、髪は焦げ茶のポニーテール、目には義肢と連動するコンタクト型端末を装着。常時衛星のように周囲を周回する5体の戦闘ドローンがパーツ供給と換装、エネルギーフィールドによる防御を担う。義肢には複数の戦闘モードがあり、ドローンへの指示で即時切替が可能。『N.O.R.M』は通常モードで、右腕に機関銃、左腕にスタンバトンを装備している。「N-1 E.X.H.S.T」は発せられた高熱を排気することで生物にダメージを与える。『A.R.M.S』は油圧シリンダーでパワー重視の格闘用モードで、「A-1 A.C.C.E.L」は油圧ピストンでの超高速連続強打、「A-2 R.O.T.A.T」は回転拳による破砕攻撃。『B.L.A.S.T』は右腕に大型キャノンを装備した射撃特化型で、「B-1 C.A.N.O.N」により高圧縮エネルギー弾を発射。『S.O.N.I.C』は速度と斬撃を重視した軽量化モードで、両腕に超音波ブレードを搭載。「S-1 F.L.A.S.H」は超高速突進、「S-2 V.E.L.O.C」は連撃による一撃離脱戦を可能とする。『H.O.P.P.E.R』は逆関節型義肢による跳躍と蹴撃に特化し、「K-1 H.A.M.E.R」は空中からのブースターを利用した高速踵落とし。「K-2 C.Y.C.L.E」は地面や壁などを蹴り、足の刺突アタッチメントを回転させながらの突撃。『M.A.G.N.E』は電磁兵装を装備し、周囲の金属を利用した戦術制圧を行う特殊モードで、「M-1 L.A.N.C.E」は金属片の槍状射出、「M-2 P.R.E.S.S」は金属による圧縮で敵の殲滅を狙う。『I.N.F.O』は戦闘支援と情報解析に特化したモードで、光学迷彩や電子戦機能を駆使し、超精密な観測から「I-1 R.E.F.L.X」といったドローン連携による砲撃支援を行う。
    全てのモードに『O.V.E.R』というリミッター解除モードがあり、義肢の破損リスクや脳へのダメージが増大する代わりに性能が上がる。

  • 168二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:01:28

    鮫帝ハルシック
    鮫系魔物の頂点にして海をも統べる怪物。基本は深海で瞑想なり修練なりをしているが、何かしらの重大な事件が配下により報告されると出張ってくる。
    人も及ばぬ知性を持ち、少し高圧的だが善良で慈しみ深い。最も、敵対者には死を以て誰に喧嘩を売ったか分からせるほどの冷酷さも併せ持つが。
    能力:【流握】
    流れを持つ存在を支配し自由に操る能力。主に水を操る。水を鮫型にして相手に嗾けたり、純粋な水圧攻撃で圧し潰したり。単純だが、ハルシック自身の格の高さと練度により凄まじい力を発揮する。
    戦法
    相手を観察しつつ【流握】で戦局を操り、徹底的に追い詰める戦法を好む。知恵比べでも無類の強さを誇る。
    弱点
    その強大さ故に全力を出すことが滅多にない。もし彼が本気を出せば辺り一帯が容易く滅んでしまう

  • 169二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:01:50

    このレスは削除されています

  • 170AI士25/07/12(土) 23:02:42

    なんかちょっとグチャりましたが、>>167 VS >>168 とあうことで

  • 171AI士25/07/12(土) 23:14:02

    >>168

    人型ですか?


    それと、たぶんめっちゃ弱体化しちゃいます。

  • 172二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:20:28

    >>171

    大体シャープなホホジロザメです

    なにゆえ弱体化するかもしれないんでしょうか

  • 173AI士25/07/12(土) 23:30:40

    >>172

    「彼が本気を出せば辺り一帯が容易く滅んでしまう」

     ↑

    この部分が恐らく無かったことになる。そうしなくては反則扱いになってしまいかねないので。

  • 174二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:35:07

    >>173

    なるほど

    ありがとうございます

  • 175AI士25/07/13(日) 16:06:56

     太平洋沖。広大な青の彼方で、複数の船舶が突如として消息を絶った。
     通信も航跡も残されず、まるで海に呑まれたかのように。

     その異常な事態に、アメリカ政府はある組織へと調査を依頼する。選ばれたのは、数多の戦場を渡り歩いた特殊部隊所属の義肢兵士、アルス・リム。

     彼女は無人の大型調査艦に乗り、単独で太平洋中央へと赴いた。


     果てしなく続く海の上を進む船を、風も波も音を立てない、不気味な静寂が包んでいた。

     しかしその時だった。

    ――ドゴォオオオンッ!!!――

     船体が突如として軋み、巨大な衝撃が甲板を揺らす。

    「……来たか」

     アルスは即座に甲板へと躍り出た。
     眼前に広がるのは、常識を逸した光景だった。海から伸びる巨大な水柱……いや、まるで触手だ。
     それは意思を持つ生物かのように船体を打ち据え、抉り、沈めんとする。

  • 176AI士25/07/13(日) 16:08:02

     甲板が割れ、船が傾き始めた。
     アルスはドローンを起動。それを足場に宙へと退避する。

     眼下では、ボロボロに破壊された船が海へ沈んでいく。

    「海中になりがいる……ドローン、サーチ」

    『サーチ開始…………生命反応あり』

    「あれは……サメ?…にしては体格が細いわね…」

    『データベースと照合中………ヒット一件。太平洋最高位警戒生物・鮫帝「ハルシック」』

     その名は、海の脅威の頂点として記録されていた。

    『貴女に水中戦闘用の武装は提供されていません。退避を推奨』

    「このまま引けば、今後の被害がより多くなる。倒せずとも、少しでも情報を持ち帰らないと」

    『貴女が本件の対応を任されたのは襲撃犯が能力者が所属している海賊の類いである可能性が高いと判断されたからです。鮫帝ハルシックは、貴女1人で対応できる危険度の生物ではありません』

    「だとしても、私は国と組織の為に命を捧げる義務がある」

    『そのような義務はありませんが……』

     退避を促すドローンの警告を振り切り、アルスは戦闘体勢を取った。

  • 177AI士25/07/13(日) 16:09:02

     空中の彼女に向けて、海面から無数の水が槍のように伸びてくる。
     それは重力すら無視する勢いと精度で、容赦なく襲いかかってきた。

    「武装『N.O.R.M』」

     アルスは機関銃を展開、迎撃するが、水には効果が薄い。

    「ならば、本体を撃つ」

    『武装「B.L.A.S.T」を推奨』

    「寄越せ」

     アルスは高火力の射撃兵装を装着し、深海に潜む敵本体へ向けて重砲を放つ。

     が、水圧と距離が威力を殺してしまう。

     海面に引きずり出さなければ、勝機は無い。

     次の瞬間、水の槍がアルスを直撃ッ!!

    ――ガキンッ!!――

     するが、防御フィールドが展開されて攻撃を受け止めてくれる。

     が、

  • 178AI士25/07/13(日) 16:10:02

    「!!」

    『エネルギーフィールド耐久率80%』

     流体はバリア全体を包み込み、じわじわと締め付ける。

    「……このままじゃ…!」

    『エネルギーフィールド耐久率63%』

     バリアの耐久値はみるみる減って行き、バキバキとヒビが入り出す。
     が、アルスは一度深呼吸すると、落ち着いた様子でバリアを見つめ出した。

    「…………」

    『エネルギーフィールド耐久率42%』

    「………まだ………」

    『エネルギーフィールド耐久率19%』

    「…………まだ……」

    『エネルギーフィールド耐久率7%』

    「……もう少し………」

    『エネルギーフィールド耐久率2%』

    「………今ッ!!」

  • 179AI士25/07/13(日) 16:11:02

     バリアが砕ける寸前、アルスはエネルギー弾を展開し、自らの防壁ごと水を撃ち抜いた。


    ――バゴォオオオッ!!――

     衝撃波が海に散り、彼女はなんとか包囲を脱する。しかしバリアという最大の防御手段は失われた。

    「ドローン、武装のリミッターを解除」

    『解除する武装を選択してください』

    「『N.O.R.M』『B.L.A.S.T』『S.O.N.I.C』『H.O.P.P.E.R』」

    『複数の武装の同時O.V.E.Rモード起動に耐えられる耐久性を貴女の身体は持ち合わせていません』

    「構わない………無茶できないならどうせここでヤられる」

    『……承認。4武装のリミッターを解除』

     彼女は複数武装の制限を外す。

  • 180AI士25/07/13(日) 16:12:02

    「『B.L.A.S.T』最大出力ッ!!」

     そして早速、砲撃武装の一撃を撃ち放った!!

    ――ドガァアア!!ドゴォォオオッ!!バガァァアアッ!!――

     高出力のエネルギー弾が海面を撃ち乱し、ハルシックの水操作が乱れる隙を作る。

     それを確認したアルスは、なんと自ら海へと飛び込んだッ!!

    ――ドボォンッ!!――

    『鮫帝ハルシックとの水中戦は推奨できません』

     ドローンの警告を無視し、アルスは目視でハルシックを探し出す。

    (いた…!)

     そして見事、目視でハルシックを捉えた。

     その容姿はまるでミイラ化した巨大ザメ。深海に潜む影そのもののようで、禍々しく不気味な目がアルスを見詰めていた。

    (武装・自爆ッ!!)

     水中では砲撃武装の効果は半減する。もう『B.L.A.S.T』の仕事は終わりだ。

    ――ドボォッ!!――

     『B.L.A.S.T』が爆発し、その衝撃波に押し出された勢いを利用してアルスはハルシックへと接近した!!

  • 181AI士25/07/13(日) 16:13:02

    「!!」

     ハルシックが後退しようとするが、

    (『N.O.R.M』、スタンバトン起動!!)

    アルスは電流の流れるスタンバトンを水中で起動する。するとリミッター解除によって電力が向上しているスタンバトンから、まるで稲妻のような規模の電撃が周囲へと拡散したッ!!

    ――バリバリバリバリバリッッッ!!!――

     深海に雷鳴が轟き、ハルシックの巨体が痙攣した!

     アルスも同等の電撃を浴びることとなったが、

    (……いて)

     彼女の身体は機械化済み。電撃への耐性など初期の頃から搭載されているッ!!

    (ここで──終わらせる!)

     超音波ブレードを展開し、ハルシックへと斬り掛かった!!

     だが、

    (ッ!!?)

    『水圧の異常を検知』

     突如海水が収束し、彼女の体を押し潰そうと迫るッ!!

  • 182AI士25/07/13(日) 16:14:03

     身体は痺れて動かせずとも、ハルシックの水を操る能力は健在。その力でアルスを押し潰そうとしているのだッ!!

    (くッ……! 武装・自爆ッ!!)

    アルスは即座にブレードを自爆、爆風で周囲の水を吹き飛ばし、圧殺を回避する。

    (武装『H.O.P.P.E.R』ッ!!)

     そして次なる武装が装着された。彼女が身に付けたのは、逆関節義足。

    (ブースター点火ッ!!)

     脹脛の位置にあるブースターが点火され、一気に加速したアルスはハルシックへと肉迫する!!

     そしてドリル状に回転する刺突アタッチメントがハルシックへと叩き込まれるッッ!!

     が、
    「ゴォオオオアアアアアアッッッ!!!」

     ハルシックは咆哮と共にアルスの脚へと噛み付き、口で彼女の一撃を受け止めたッ!!

     さして彼女の武装換装を、アルスに追随するドローンが行なっている事に気付いたハルシックは、水を操ってドローンを破壊してしまったッ!!

  • 183AI士25/07/13(日) 16:15:03

    (ッ!!)

    「グゥゥ…!!」

     武装の供給源を絶たれ、アルスは再び伸びて来た水の槍に貫かれた。

    「ガボッ!!」

     腹部を貫く痛覚。両手足は機械化されていても腹部は違う。

     アルスは内臓を損傷し、赤い血が漏れ出して海の水を染めた。

    ――スンスン……――

     サメは嗅覚が鋭く、一滴の血にすら反応する。ハルシックも例外ではない。彼女の血に本能を揺さぶられたハルシックが、彼女を食らおうと牙を剥いた。

     が、アルスはニヤリと笑ってみせた。

    (―――自爆……)

     それは武装単体を指定したものでは無く、アルス本体含む全武装の自己爆破コマンドが起動された瞬間だった。

  • 184AI士25/07/13(日) 16:16:04

    ――ボッッッ―――――――

     轟音。
     閃光。
     世界が水ごと炸裂する。

     まるでミキサーに掛けられたように海が揺れた。

     …………そして、

     泡立つ海水を突っ切って、ハルシックが現れた。
     
     深海の帝王は、飛び散ったアルスの肉片を一つ飲み込み、まるで何事もなかったかのように、深海の闇へと消えていく。

    そして再び、海は静寂に包まれるのだった。

  • 185AI士25/07/13(日) 16:18:14

    勝者! >>168 鮫帝ハルシック!


    今回はここまで、また近々やるかも


    リクエストや次回やりたいフィールドなどがあれば是非

  • 186二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 16:23:50

    お疲れ様でした
    今回も面白かったです

  • 187二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 17:33:53

    お疲れ様でした
    次回も楽しみにしています

  • 188二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 17:38:22

    質問なのですがこのスレと>>14のスレってどのような関係なのですか?

    元スレとか派生スレみたいなのは聞いたのですが具体的にどういった扱いなのかを掴みかねてまして

  • 189AI士25/07/13(日) 19:03:38

    >>188

    私の始めた「オリキャラAIバトルスレ」を見たとある方が始めた同じ内容のスレ、言うなれば「2代目オリキャラAIバトルスレ」。


    私が行う「オリキャラAIバトルスレ」よりも「2代目」のモノのほうが更新や開催のペースが早い、多種多様なルール戦がある、など私のスレとはちょっとだが違いがある。


    雑談スレは私や2代目のスレに関する質問やらをする場所で、他者の迷惑にならなければ大したルールなどはない。気軽に思った事を聞いてみましょう。

    その質問自体、雑談スレで聞いたほうが分かりやすく教えてくれる人がいるかも。

  • 190二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 19:11:59

    >>189

    ありがとうございます

  • 191二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:51:13

    今回もスレ運営乙でした
    次回フィールドはジャングルとかどうでしょうか
    色々変なのが生えてきそうで面白そうかなと

オススメ

このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています