- 1二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:24:44
- 2二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:39:41
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- 3二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:46:18
「一回限りだけど。たいむりーぷ、できるようになった」
「篠澤さん……」
「ふふ。今プロデューサーは何言ってるんだこいつって思ったでしょ」
夢を見た。誰かが、私にあなたは一度限りのタイムリープを使えるようになった、と伝える夢を。嘘だと思ったけど……なんでか、不思議と嘘のように思えない。リープする方法は、死ぬこと。セーブ地点は今この時。
それを、プロデューサーに伝えてみたら案の定軽蔑の眼差しを向けられる。まぁ……そうなるよね。私も、信じられなかったし。
「篠澤さん、疲れてます? 」
「ううん。正常だよ。昨日もぐっすり寝れた」
「……そんな原因不明の超常現象が起こるわけないでしょう」
「でも不思議と嘘とは思えない」
「そんな寝言を言う暇があるんだったらレッスンしますよ。はい、本日のメニューです」
「ありがとう」 - 4二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:50:32
何がどうしてこれからどうなっちゃうんだ…!
- 5二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:09:20
……けど、結局何も気にすることはなくて普通に過ごすだけ。普通にレッスンして、千奈と佑芽と楽しく話して。プロデューサーと何気ないやり取りをして一日を越す。この能力に使い道なんてないと思う……けど。もし、この先何か私が道を踏み外して歩んでしまうならいい、ね。
「プロデューサー。起きてる? 」
「はい、起きてますよ。どうかしましたか? 」
「明日……ライブでしょ」
「そうですね」
「終わったらご褒美が欲しい」
「……では、デートしましょうか」
「ふふ……プロデューサーから誘ってくるなんて」
「この関係なんです。たまにはカッコつけてもいいでしょう」
私とプロデューサーは、両想いで付き合ってる。けどそれは、千奈や佑芽にも内緒にしていて、秘密裏にデートしたりとかしてる。……どうしても、大好きって気持ちが抑えきれなかったから。気持ちを伝えた。 - 6二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:38:03
やっぱりPと付き合ってるのは前提なのか……
- 7二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:39:31
まーた名作が生まれようとしてるよ
- 8二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 23:58:41
中々いまのあにまんにヤンデレSSはないからな……どうなるか
- 9二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 00:50:59
そしたらプロデューサーも私の事を好きでいてくれたみたいで。付き合うことになった……けど。何かあったら怖いからって、千奈にも佑芽にもそれを隠している。
デートも、ライブのご褒美として。距離はいつもと変わらずお互い積極的になっては行けない。なんてもどかしい関係だけど……でも。私は、満足してる。
「みんな。楽しもう、ね。篠澤広のステージ、始める……よ」 - 10二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 01:31:32
ヤンデレシノサワ
- 11二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 08:58:29
ほしゅ
- 12二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 11:00:03
ライブは成功した。いつも通りのことなんだけど……完璧にこなした、って訳じゃない。プロデューサーから言わせると、可もなく不可もなくな丁度いい塩梅。
私としても完璧はつまんないから、これで丁度いい。デートもできるし、ね。
「おはよ、プロデューサー。……待った? 」
「大体三分ほどですね」
「プロデューサーは覚めてる。そこは今来たとこ、って言うべき」
「……仕方がないでしょう。俺だって広さんが初めての相手なんですし。元より恋愛知識には疎いほうなので」
「……いいよ。プロデューサー、可愛いから」
「ふざけたことを言っていないで早く行きますよ」
着いたのはいつもの遊園地。プロデューサーといるから、ここは飽きる気が全くしない。千奈達と行くのも楽しいけど……プロデューサーと行くのが一番、好き。
「おや……広さん。新しいアトラクションが出来てますよ」
「わ、ほんとだ。……プロデューサー、あそぼ」
「はい、わかりました」
ふふ……プロデューサーって、ちょっと子供っぽいとこあるんだよね。凄い可愛い。
「……ん? 」
「どうかしましたか? 」
「なんか今シャッター音が聞こえた気がしたから」
「気のせいじゃないですかね。それに、こんなに大勢人がいるんですからあちらこちらでシャッター音が聞こえてきてもおかしくないですし」
「うん、そうだね」
本当に、気のせいなのかな。 - 13二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 12:18:55
それから私とプロデューサーはひたすらに時間を忘れて楽しんだ。いっぱい、いっぱい。いつも、いつでも、何回でも。プロデューサーと二人で過ごせるこの時は、まるで魔法にかかったように心がふわふわして、好きって気持ちが溢れ出してきて。感じたことの無い幸せを感じられる。
「楽しかった、ね」
「はい、そうですね。とても満足できました。……また来ましょう。ライブの後に」
「……不思議、だね」
「と、言いますと」
「上手くいったらつまらないはずなのに。退屈なはずなのに。プロデューサーとの事になると、全部上手くいって欲しいなって思っちゃう」
「……愛されてますね、俺も」
「プロデューサー」
「はい、なんでしょう」
「……誰もいない、ね」
「……? ひっ……」
「いつもありがと。大好き……だよ」
帰り道。疲れたから、近くの公園のベンチに二人で腰をかけて、ゆっくりと今日のことを話してた。そしたら、段々と気持ちが抑えきれなくなってきちゃった。
本当に、恋って不思議。
そっと、プロデューサーの名前を呼ぶ。前を見ていた彼は振り向いて私の方を見る。そして私の名前を呼ぶ。それを遮るように、私は口付けをする。
大丈夫、かな。今の私……可愛いかな
「……もう動ける、よ。帰ろ」
「……はい、そうですね」 - 14二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 12:21:56
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- 15二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 12:41:44
翌日。私はプロデューサーに大事な話がある、と呼び出されていた。……ものすごく、嫌な予感がしていた。すごい、不思議と怖かった。
「篠澤さん、これを」
「……え? かい、やく……しょ? な、なんで」
「目が覚めたんですよ。やはり俺は自分の夢を追うことに専念したい。これは繰り返しになりますが……今のあなたでは俺の夢を叶える役には立たない。恋人という関係も、これで終わりです」
予感は的中した。プロデュースの解約。それから別れ。……私は、何も言わずに教室を出ることしか出来なかった。なんで、どうして……涙が、止まらない。こんなに痛いのは初めて。
……違うな。いちばん苦しいのはきっとプロデューサーなんだと思う。話してる時のプロデューサーは苦しそうな気持ちを隠しきれてなかった。今にも泣きそうだった。
「篠澤さん!! ……篠澤、さん? 泣いているんですの? 」
「広ちゃん大変!! って……大丈夫!? 」
廊下を一人で歩いていると、私の元に佑芽と千奈が走ってきた。……ってことはやっぱりそうなんだ。あの時、もううっすら察していたことがあった。だからこそ、私は何も言えなかった。それにしても……プロデューサーって、やっぱり不器用だよね。 - 16二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 13:25:28
「気にしないで。私は大丈夫。何があったの? 」
「これなんだけど! これって本当なの!? 」
佑芽がスマホのとある記事を私に見せる。……うん、やっぱりそうだった。全部、私のせいだった。だからプロデューサーは私を守るために突き放したんだ。……本当に。不器用な人。でも。すごく、優しくて……ごめん、プロデューサー。大好き
『スキャンダル! 人気アイドル篠澤広、プロデューサーとデート!? 夜の公園でキス!? 』
「……うん、本当。さっき、振られたよ」
「なんで言って……えっ? 」
「篠澤さん今、なんと」
「振られたよ。プロデュースも解約されちゃった。きっと、私を守るために」
「……広ちゃん。千奈ちゃん。お昼の授業、サボっちゃおうよ」
「怒られる気もしますが……そう、ですわね。篠澤さん。私達で良ければあなたの気持ち、全部受け止めますわ。ですから聞かせてくださいまし。あの、公園で」
「うん……ありがとう。千奈、佑芽」 - 17二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 22:40:46
ほし
- 18二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 23:46:06
ぐぬぅ.....シャッター音でもしやと思ったが.....つら
- 19二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 01:23:38
……授業、抜け出してきちゃった。大丈夫かな。プロデューサーに──
……違う。何考えてるんだろう、私は。なんでまだ、プロデューサーの事を考えてるんだろう。
「話せないなら話さなくていいからね。広ちゃん……あたし達に、聞かせてくれないかな」
「花海さんの言ったように、無理のない程度で構いませんわ」
「いいよ。二人には、話したいから……話す、よ」
何回も来た、学園から少し離れた倉本財閥が保有する公園。自販機で冷たいジュースを買って。横に三つ並んでるブランコに三人で座って。そして、ゆっくり私は話し始める。付き合ってたことと、デートを取られたことを。今日彼に呼ばれて来たら解約書と別れを切り出されたこと。
「プロデューサーさんらしいね。広ちゃんの事が大好きだから……例え傷つけてでも守りたいって思うのとか。あたしそういうの漫画で見た事あるよ。主人公がね、ヒロインを守るために傷つけるの」
「まぁ……その後、主人公とヒロインはどうなりましたの? 」
「気持ちがわからなくて。主人公の事を憎んで敵になっちゃうんだ。広ちゃんは……プロデューサーさんのこと、まだ好き? 」
「うん……大好き」
「じゃあ任せてよ広ちゃん! あたしと千奈ちゃんがプロデューサーさんとのよりを戻してあげる! 」
「はい! 大切なお友達ですもの。何か力になれることがあったらなってあげたいですわ! 」
「二人とも……」
……感じたことの無い気持ち。とても、暖かい。ジュースの冷たさなんて消えちゃうくらい、ぽかぽかしていて。でも、この日差しよりもずっと暑くなくて。
そっか。友達って、こんなにも暖かいんだね。
「ありがとう」
「どう? 元気になった? 」
「これからも私たちはずーっと、お友達! 小さな悩みでも、助け合いましょう! 」 - 20二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 08:48:16
ほしゅ
- 21二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 09:51:47
お友達……何故か嫌な予感がするが杞憂であってくれ
- 22二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 16:17:36
ho
- 23二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 18:21:49
……話し終えてそのまま公園で遊んで、寮に荷物を取りに行って、もう何度目かも分からない千奈の家でのお泊まり会。千奈が、私を気遣って提案してくれた。
それから夕食も、私の好物になっていた。美味しかった。千奈には感謝を言わないと、だね。
それから三人でお風呂に入って。お湯の掛け合いをしたりして、とても楽しかった。私は……改めて、この二人のことが大好きなんだな。良かった。二人が、私の初めての友達で。
「毎度の事ながら……お泊まり会をするとあっという間に時間が過ぎてしまいますわね」
「だね~! もう千奈ちゃんのおうちには何度も泊まってるのに全くやること尽きないし! 」
「専用の歯ブラシとベットが出来るくらいには泊まってるよね」
「私ね。最近篠澤さんと花海さんのことを家族と思うようになりましたの」
「家族? 」
「はい! 篠澤さんも花海さんも私のお姉様で……」
「あたしに、妹かぁ……でも、わかるかも! もう明らかに友達、って仲じゃないもんねあたし達」
「親友……よりも、上を行ってると思う」
各々ベッドに入って横になって。部屋の電気を消して、色んなことを話し合う。こういう時間がとても幸せで……心地いい。どうでもよくなんてならない、けど。それでも今日のことをかき消してくれる様な、そんな暖かさ。
何があっても、佑芽と千奈とは離れたくないな。 - 24二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 20:48:02
ほしゅ
- 25二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:33:21
深夜の倉本邸。私は目を覚ます。
「……え? なに? この、赤い……血? 」
手には、夥しい量の血が多く付着している。この血は、なに? 一体、誰の……
「し……さわ、さ」
「ひろ……ちゃ」
「えっ……佑芽!? 千奈!? 」
うっすらと、声が聞こえる。声の方を振り向くと、そこに居たのは血塗れで横に倒れている佑芽と千奈だった。えっ……えっ? 私がやったの? これを、私が?
嫌だ、信じたくないそんなの。そんなこと
「……」
「」
「」
私は二人の傍にかけよる。そしてそっと……二人を、刺した。二人の、息の根を止めた。
「……待って。佑芽! 千奈! 」
「返事はかえってこないよ。もう、死んだのわかってるんでしょ」
また、声がする。声の正体は、部屋にある大鏡に映る……気持ち悪いほどの満面の笑みを浮かべている私。
「……っ、あなたは誰!? 」
「私は篠澤広。……未来の、あなた」
「未来の……私? なんで、私が佑芽と千奈を」
「それを言ったら面白くないしあなたは信じてくれないでしょ。ばいばい、人殺し」