【閲覧注意】広「ふふ。目覚めた、よ」【閲覧注意】

  • 1二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:24:44

    ブラバ推奨です。ヤンデレ注意です。

  • 2二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:39:41

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  • 3二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:46:18

    「一回限りだけど。たいむりーぷ、できるようになった」
    「篠澤さん……」
    「ふふ。今プロデューサーは何言ってるんだこいつって思ったでしょ」

    夢を見た。誰かが、私にあなたは一度限りのタイムリープを使えるようになった、と伝える夢を。嘘だと思ったけど……なんでか、不思議と嘘のように思えない。リープする方法は、死ぬこと。セーブ地点は今この時。

    それを、プロデューサーに伝えてみたら案の定軽蔑の眼差しを向けられる。まぁ……そうなるよね。私も、信じられなかったし。

    「篠澤さん、疲れてます? 」
    「ううん。正常だよ。昨日もぐっすり寝れた」
    「……そんな原因不明の超常現象が起こるわけないでしょう」
    「でも不思議と嘘とは思えない」
    「そんな寝言を言う暇があるんだったらレッスンしますよ。はい、本日のメニューです」
    「ありがとう」

  • 4二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 21:50:32

    何がどうしてこれからどうなっちゃうんだ…!

  • 5二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:09:20

    ……けど、結局何も気にすることはなくて普通に過ごすだけ。普通にレッスンして、千奈と佑芽と楽しく話して。プロデューサーと何気ないやり取りをして一日を越す。この能力に使い道なんてないと思う……けど。もし、この先何か私が道を踏み外して歩んでしまうならいい、ね。

    「プロデューサー。起きてる? 」
    「はい、起きてますよ。どうかしましたか? 」
    「明日……ライブでしょ」
    「そうですね」
    「終わったらご褒美が欲しい」
    「……では、デートしましょうか」
    「ふふ……プロデューサーから誘ってくるなんて」
    「この関係なんです。たまにはカッコつけてもいいでしょう」

    私とプロデューサーは、両想いで付き合ってる。けどそれは、千奈や佑芽にも内緒にしていて、秘密裏にデートしたりとかしてる。……どうしても、大好きって気持ちが抑えきれなかったから。気持ちを伝えた。

  • 6二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:38:03

    やっぱりPと付き合ってるのは前提なのか……

  • 7二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 22:39:31

    まーた名作が生まれようとしてるよ

  • 8二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 23:58:41

    中々いまのあにまんにヤンデレSSはないからな……どうなるか

  • 9二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 00:50:59

    そしたらプロデューサーも私の事を好きでいてくれたみたいで。付き合うことになった……けど。何かあったら怖いからって、千奈にも佑芽にもそれを隠している。

    デートも、ライブのご褒美として。距離はいつもと変わらずお互い積極的になっては行けない。なんてもどかしい関係だけど……でも。私は、満足してる。

    「みんな。楽しもう、ね。篠澤広のステージ、始める……よ」

  • 10二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 01:31:32

    ヤンデレシノサワ

  • 11二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 08:58:29

    ほしゅ

  • 12二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 11:00:03

    ライブは成功した。いつも通りのことなんだけど……完璧にこなした、って訳じゃない。プロデューサーから言わせると、可もなく不可もなくな丁度いい塩梅。
    私としても完璧はつまんないから、これで丁度いい。デートもできるし、ね。

    「おはよ、プロデューサー。……待った? 」
    「大体三分ほどですね」
    「プロデューサーは覚めてる。そこは今来たとこ、って言うべき」
    「……仕方がないでしょう。俺だって広さんが初めての相手なんですし。元より恋愛知識には疎いほうなので」
    「……いいよ。プロデューサー、可愛いから」
    「ふざけたことを言っていないで早く行きますよ」

    着いたのはいつもの遊園地。プロデューサーといるから、ここは飽きる気が全くしない。千奈達と行くのも楽しいけど……プロデューサーと行くのが一番、好き。

    「おや……広さん。新しいアトラクションが出来てますよ」
    「わ、ほんとだ。……プロデューサー、あそぼ」
    「はい、わかりました」

    ふふ……プロデューサーって、ちょっと子供っぽいとこあるんだよね。凄い可愛い。

    「……ん? 」
    「どうかしましたか? 」
    「なんか今シャッター音が聞こえた気がしたから」
    「気のせいじゃないですかね。それに、こんなに大勢人がいるんですからあちらこちらでシャッター音が聞こえてきてもおかしくないですし」
    「うん、そうだね」

    本当に、気のせいなのかな。

  • 13二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 12:18:55

    それから私とプロデューサーはひたすらに時間を忘れて楽しんだ。いっぱい、いっぱい。いつも、いつでも、何回でも。プロデューサーと二人で過ごせるこの時は、まるで魔法にかかったように心がふわふわして、好きって気持ちが溢れ出してきて。感じたことの無い幸せを感じられる。

    「楽しかった、ね」
    「はい、そうですね。とても満足できました。……また来ましょう。ライブの後に」
    「……不思議、だね」
    「と、言いますと」
    「上手くいったらつまらないはずなのに。退屈なはずなのに。プロデューサーとの事になると、全部上手くいって欲しいなって思っちゃう」
    「……愛されてますね、俺も」
    「プロデューサー」
    「はい、なんでしょう」
    「……誰もいない、ね」
    「……? ひっ……」
    「いつもありがと。大好き……だよ」

    帰り道。疲れたから、近くの公園のベンチに二人で腰をかけて、ゆっくりと今日のことを話してた。そしたら、段々と気持ちが抑えきれなくなってきちゃった。
    本当に、恋って不思議。

    そっと、プロデューサーの名前を呼ぶ。前を見ていた彼は振り向いて私の方を見る。そして私の名前を呼ぶ。それを遮るように、私は口付けをする。
    大丈夫、かな。今の私……可愛いかな

    「……もう動ける、よ。帰ろ」
    「……はい、そうですね」

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 12:21:56

    このレスは削除されています

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 12:41:44

    翌日。私はプロデューサーに大事な話がある、と呼び出されていた。……ものすごく、嫌な予感がしていた。すごい、不思議と怖かった。

    「篠澤さん、これを」
    「……え? かい、やく……しょ? な、なんで」
    「目が覚めたんですよ。やはり俺は自分の夢を追うことに専念したい。これは繰り返しになりますが……今のあなたでは俺の夢を叶える役には立たない。恋人という関係も、これで終わりです」

    予感は的中した。プロデュースの解約。それから別れ。……私は、何も言わずに教室を出ることしか出来なかった。なんで、どうして……涙が、止まらない。こんなに痛いのは初めて。
    ……違うな。いちばん苦しいのはきっとプロデューサーなんだと思う。話してる時のプロデューサーは苦しそうな気持ちを隠しきれてなかった。今にも泣きそうだった。

    「篠澤さん!! ……篠澤、さん? 泣いているんですの? 」
    「広ちゃん大変!! って……大丈夫!? 」

    廊下を一人で歩いていると、私の元に佑芽と千奈が走ってきた。……ってことはやっぱりそうなんだ。あの時、もううっすら察していたことがあった。だからこそ、私は何も言えなかった。それにしても……プロデューサーって、やっぱり不器用だよね。

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 13:25:28

    「気にしないで。私は大丈夫。何があったの? 」
    「これなんだけど! これって本当なの!? 」

    佑芽がスマホのとある記事を私に見せる。……うん、やっぱりそうだった。全部、私のせいだった。だからプロデューサーは私を守るために突き放したんだ。……本当に。不器用な人。でも。すごく、優しくて……ごめん、プロデューサー。大好き

    『スキャンダル! 人気アイドル篠澤広、プロデューサーとデート!? 夜の公園でキス!? 』

    「……うん、本当。さっき、振られたよ」
    「なんで言って……えっ? 」
    「篠澤さん今、なんと」
    「振られたよ。プロデュースも解約されちゃった。きっと、私を守るために」
    「……広ちゃん。千奈ちゃん。お昼の授業、サボっちゃおうよ」
    「怒られる気もしますが……そう、ですわね。篠澤さん。私達で良ければあなたの気持ち、全部受け止めますわ。ですから聞かせてくださいまし。あの、公園で」
    「うん……ありがとう。千奈、佑芽」

  • 17二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 22:40:46

    ほし

  • 18二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 23:46:06

    ぐぬぅ.....シャッター音でもしやと思ったが.....つら

  • 19二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 01:23:38

    ……授業、抜け出してきちゃった。大丈夫かな。プロデューサーに──
    ……違う。何考えてるんだろう、私は。なんでまだ、プロデューサーの事を考えてるんだろう。

    「話せないなら話さなくていいからね。広ちゃん……あたし達に、聞かせてくれないかな」
    「花海さんの言ったように、無理のない程度で構いませんわ」
    「いいよ。二人には、話したいから……話す、よ」

    何回も来た、学園から少し離れた倉本財閥が保有する公園。自販機で冷たいジュースを買って。横に三つ並んでるブランコに三人で座って。そして、ゆっくり私は話し始める。付き合ってたことと、デートを取られたことを。今日彼に呼ばれて来たら解約書と別れを切り出されたこと。

    「プロデューサーさんらしいね。広ちゃんの事が大好きだから……例え傷つけてでも守りたいって思うのとか。あたしそういうの漫画で見た事あるよ。主人公がね、ヒロインを守るために傷つけるの」
    「まぁ……その後、主人公とヒロインはどうなりましたの? 」
    「気持ちがわからなくて。主人公の事を憎んで敵になっちゃうんだ。広ちゃんは……プロデューサーさんのこと、まだ好き? 」
    「うん……大好き」
    「じゃあ任せてよ広ちゃん! あたしと千奈ちゃんがプロデューサーさんとのよりを戻してあげる! 」
    「はい! 大切なお友達ですもの。何か力になれることがあったらなってあげたいですわ! 」
    「二人とも……」

    ……感じたことの無い気持ち。とても、暖かい。ジュースの冷たさなんて消えちゃうくらい、ぽかぽかしていて。でも、この日差しよりもずっと暑くなくて。
    そっか。友達って、こんなにも暖かいんだね。

    「ありがとう」
    「どう? 元気になった? 」
    「これからも私たちはずーっと、お友達! 小さな悩みでも、助け合いましょう! 」

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 08:48:16

    ほしゅ

  • 21二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 09:51:47

    お友達……何故か嫌な予感がするが杞憂であってくれ

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 16:17:36

    ho

  • 23二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 18:21:49

    ……話し終えてそのまま公園で遊んで、寮に荷物を取りに行って、もう何度目かも分からない千奈の家でのお泊まり会。千奈が、私を気遣って提案してくれた。
    それから夕食も、私の好物になっていた。美味しかった。千奈には感謝を言わないと、だね。

    それから三人でお風呂に入って。お湯の掛け合いをしたりして、とても楽しかった。私は……改めて、この二人のことが大好きなんだな。良かった。二人が、私の初めての友達で。

    「毎度の事ながら……お泊まり会をするとあっという間に時間が過ぎてしまいますわね」
    「だね~! もう千奈ちゃんのおうちには何度も泊まってるのに全くやること尽きないし! 」
    「専用の歯ブラシとベットが出来るくらいには泊まってるよね」
    「私ね。最近篠澤さんと花海さんのことを家族と思うようになりましたの」
    「家族? 」
    「はい! 篠澤さんも花海さんも私のお姉様で……」
    「あたしに、妹かぁ……でも、わかるかも! もう明らかに友達、って仲じゃないもんねあたし達」
    「親友……よりも、上を行ってると思う」

    各々ベッドに入って横になって。部屋の電気を消して、色んなことを話し合う。こういう時間がとても幸せで……心地いい。どうでもよくなんてならない、けど。それでも今日のことをかき消してくれる様な、そんな暖かさ。

    何があっても、佑芽と千奈とは離れたくないな。

  • 24二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 20:48:02

    ほしゅ

  • 25二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:33:21

    深夜の倉本邸。私は目を覚ます。

    「……え? なに? この、赤い……血? 」

    手には、夥しい量の血が多く付着している。この血は、なに? 一体、誰の……

    「し……さわ、さ」
    「ひろ……ちゃ」
    「えっ……佑芽!? 千奈!? 」

    うっすらと、声が聞こえる。声の方を振り向くと、そこに居たのは血塗れで横に倒れている佑芽と千奈だった。えっ……えっ? 私がやったの? これを、私が?
    嫌だ、信じたくないそんなの。そんなこと

    「……」
    「」
    「」

    私は二人の傍にかけよる。そしてそっと……二人を、刺した。二人の、息の根を止めた。

    「……待って。佑芽! 千奈! 」
    「返事はかえってこないよ。もう、死んだのわかってるんでしょ」

    また、声がする。声の正体は、部屋にある大鏡に映る……気持ち悪いほどの満面の笑みを浮かべている私。

    「……っ、あなたは誰!? 」
    「私は篠澤広。……未来の、あなた」
    「未来の……私? なんで、私が佑芽と千奈を」
    「それを言ったら面白くないしあなたは信じてくれないでしょ。ばいばい、人殺し」

  • 26二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 04:07:21

    ほしゅ

  • 27二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 08:57:36

    ほしゅ

  • 28二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 12:18:03

    鏡の私がそう耳元に囁く。直後、鏡はぱりんと音を立てて割れて……鏡の私は消えた。どういうこと? それは、ほんと? なんで、未来の私は千奈と佑芽を殺してるの? なんで、千奈と佑芽を殺しておいてあんなにも笑えるの?

    「……篠澤さんっ! 」
    「わっ……千奈? 」
    「広ちゃん大丈夫? さっきからずうっとうなされてるけど……嫌な夢でも見ちゃった? 」
    「夢、か……。ごめん、ちょっと気分悪いから今日休むね」
    「はい、わかりましたわ。先生には伝えておきますわね」

    視界がだんだんと真っ暗になっていく。そして次に聞こえてきたのは私を呼ぶ千奈の大きな声。あぁなんだ、夢か。良かった。とりあえず……気持ち悪いから今日はここで休もう。

  • 29二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 21:38:00

    ほしゅ

  • 30二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 00:07:44

    ……あれから更に少しだけ寝て今は十時頃。未だに、忘れられない。あの夢のことが。鏡を見るのが怖い。千奈と佑芽と関わってるのが怖い。

    「プロデューサー……」

    私……本当に、馬鹿だな。なんで彼の名前を呼ぶんだろう。呼んだところで来てくれるわけが無いのに。私は……私は、どうしたらいいの? 教えて、プロデューサー。

    「篠澤様。お昼をお持ち致しました。どうぞ召し上がってくださいませ」
    「うん、ありがと」

    ギィ……とドアの音がする。思わず期待してしまう。彼が来てくれたんじゃないのかって。違った。香名江だった。その片手には、ホットケーキ。美味しそうだな。

    「ん……美味しい」

    甘くて美味しい。やっぱり考えすぎには甘いもの……だよ、ね。これ以上お世話になるのもいけないし、もう帰りの用意をしておこう。

  • 31二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 06:11:18

    早く……無理せず続きを!!

  • 32二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 13:38:02

    ここからどうなるんだ…?

  • 33二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 19:50:43

    「ありがとう、千奈。楽になった」
    「いえ! お役に立てて何よりですわ! こういう時、もう少しちゃんとした言葉をかけてあげられれば良いのでしょうが……」
    「ううん、いいよ。いてくれるだけでも、嬉しかった」
    「……なら良かったです! 篠澤さん。私、あなたのお友達で入れて嬉しいですわ」
    「私も、嬉しい……よ」

    あれからごろごろしてると時間は過ぎていって、千奈が帰ってきた。から、千奈にお礼を言って私も寮に戻ることにした。……やっぱり千奈と話してると暖かい気持ちになるな。私は……もしかして、千奈が好き、なのかな。佑芽も、大好きだけど……佑芽とはまた、違う気がする。プロデューサーに前感じてたそれと、同じ感じがする。

    「千奈」
    「はい? 」
    「大好き」
    「ど、どうしましたの? 急に……」
    「気にしないで。また明日」
    「は、はい……? 」

    私はそうして倉本邸を後にして、寮に戻って行った。

    そして翌日。……私は──

    千奈に避けられるようになった

  • 34二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 23:47:31

    「千奈、おはよ」
    「……おはようございます、篠澤さん。では」

    ……え。千奈……何、その顔。なんでそんな、怖い顔してるの。私に話しかけられるのが嫌だった? ……いや。気にしても、しょうがない、か。

    「おはようございます、花海さん! 」
    「あっ千奈ちゃん、おはよう! 広ちゃんもおはよう! もう大丈夫なの? 」
    「おはよ、佑芽。……うん、大丈夫」
    「……少し、お花を積みに行ってきますわ」
    「行ってらっしゃい。……千奈ちゃんどうしたのかな。なんかヘンじゃない? 」
    「千奈は今、なんでか私を避けてるんだと思う」
    「千奈ちゃんが? 」

    良かった。佑芽は普通でいてくれて。本当に千奈はどうしたんだろう。また……胸が、痛いな。なんで私の好きな人は私から離れてくんだろう。

    「うん。さっきも凄い素っ気なかった。……話して欲しくないって気持ちが隠せてなかった」
    「……そっ、かぁ。あっ、あたしに任せてよ! あたしが聞いてきてあげる! 」
    「……ありがとう、佑芽」

    本当はあんまり頼りたくないんだけど。でも、今の千奈は私と話がしたくないみたいだから。佑芽にお願いするしかない。

  • 35二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 23:57:18

    「千奈ちゃーーん!!!! 」
    「わっ……花海さん」

    思わず逃げてしまいましたけれど……あれで、良かったと思いますわ。篠澤さんを見てると胸が痛んでしまいますもの。……今の私に、篠澤さんのお友達を名乗る資格なんてないのに。

    「どうしよう……実はあたし、広ちゃんになんで千奈ちゃんが広ちゃんを避けてるのか聞いてくるって言っちゃった!! 」
    「ひ、ひとまず落ち着いてくださいませ。……なんてお伝えするのがいいのでしょう」

    一人痛む胸を抑えながら廊下を歩いていると、後ろから花海さんが強く抱きついてきました。……本当、花海さんがいてくれてよかったと思いますわ。でなければきっと私は……。

    「正直に言えないもんね」
    「……あんな事を言った手前、篠澤さんに伝えられるわけがありません」

    ──私を彼が担当することになったから、だなんて。

  • 36二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 05:46:49

    ほしゃ

  • 37二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 11:14:45

    ほしゅ

  • 38二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 15:54:18

    あの後。篠澤さんが屋敷を出て言ってすぐのこと。私は、お爺様にお呼ばれしておりました。お爺様が私を直々に呼ぶということは滅多にないもので、もちろんそれにはお応えする気でしたわ。ですが……いつもと違う、嫌な予感もありました。

    「今の私は……最低な女なのでしょうね」

    予感は的中しました。お爺様がお呼びになった要件は、私にプロデューサーがつくというもの。最初はとても嬉しく思いましたわ。けれど。お爺様から見せてもらった写真は見覚えのある顔で。それもそのはず、大好きなお友達の恋人"だった"彼が。篠澤さんを守る為に距離を置いた彼こそが、お爺様がお選びになった私のプロデューサーだったのですから。

    「そんなことないと思うよ! あたしだって隠したいって思っちゃうし……お父さんやお姉ちゃんの決めたことに反対なんてできるわけないし」

    ……ですが。反発なんて、できるわけがありませんでした。普段からこんな我儘娘の我儘を聞いてくださっているのに……ご自分で決定されたことにさえご迷惑をおかけしてしまう訳には行かなくて。でも。これが篠澤さんに気づかれてしまえば、大きなキズを追わせてしまうのも確実です。

    「花海さん。篠澤さんには何も答えてくれなかった、と……お願いしてもよろしいでしょうか」
    「うん、わかったよ。……千奈ちゃん、無理しないでね」

    『絶対よりを戻させてみせる』なんて言っていた私が、篠澤さんの大好きな彼を横取りしていたと知ったらどうでしょう。嫌われてしまいますわ。……嫌われたく、ありませんわ。篠澤さんも、花海さんも、大好きなお友達です。嫌われるのは、怖いですわ。

    ……胸がずっと、痛いですわ

  • 39二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 16:15:45

    千奈ちゃんから相談を受けた。新しいプロデューサーが広ちゃんのプロデューサーさんで。断る事が出来なくて。だから広ちゃんをずっと避ける事にするから手伝って欲しい、って。

    「広ちゃん、ただいま! 」
    「……おかえり。どう、だった? 」
    「何も答えてくれなかったよ。……でも。凄い、苦しそうだった」
    「そっ、か。じゃあまだ私……嫌われてないんだね。よかった」

    最初は反対した。なんで、広ちゃんを避けるのかわからなかったから。……千奈ちゃんは、こう言った。篠澤さんが傷つかないように、篠澤さんを避けるんですの。……嫌われたらきっと、傷つけなくてすみますもの、って。

    「広ちゃん。ご飯、一緒に食べようよ」
    「うん、いい……よ」

    あたしは……どうしたらいいか分からなかった。千奈ちゃんの味方も広ちゃんの味方もしたい。誰も傷つかない方法で終わらせたい。でも。どれだけ考えても何も出てこなくて。あたしは千奈ちゃんに協力してしまった。

    「広ちゃん。千奈ちゃんの事は好き? 」
    「うん、大好き」

    ねぇ、千奈ちゃん。今ならあたしもわかるよ、その気持ち。こんなにも……痛くて苦しいんだね。

  • 40二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:42:41

    ほしゅ

  • 41二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 04:57:32

    ほし

  • 42二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 08:52:31

    ほしゅ

  • 43二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 14:54:34

    これがどうなってヤンデレ展開になるんだ……

  • 44二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 21:52:11

    「千奈ちゃん」
    「花海さん、おかえりなさいませ。篠澤さんは……何と」
    「まだ、千奈ちゃんが大好きだ、って。ごめんね。誤解されたくなくて、広ちゃんの事を嫌いになった訳じゃないって言っちゃった」
    「いえ、全然謝ることではありませんわ。それで? 」
    「広ちゃん、凄い安心してたよ。嫌われてなかったんだ、って。泣きそうだった」

    あれからまた篠澤さんの所に行くと言い、しばらくして花海さんが戻って来ました。……そう、なんですのね。篠澤さんは、まだ私の事を好きでいてくださってるんですの。本当に、お優しい方ですわね。

    「花海さん」
    「なあに? 」
    「やっぱり私、明日篠澤さんに話してみようと思いますわ」
    「この後じゃダメなの? 」
    「えっと……心の準備といいますか」
    「そっか、わかった。あたしもそこに居ていいかな」
    「はい! ぜひ、いてくださいまし」

    もうこんな痛いの耐えられませんわ。ですからもう、全てを覚悟して伝えてしまいましょう。この事を。隠し続けていても、ずっと苦しいだけですもの。

  • 45二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 01:01:44

    ho

  • 46二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 07:54:31

    翌日。私は、千奈に呼び出されていた。朝、下駄箱の中に千奈から手紙が入っていた。内容は、今まで避けてきたことに対しての謝罪と……それから、話したい事があるから放課後に来て欲しい、との事だった。

    折角だし佑芽にも相談した方がいいよね。じゃあ、佑芽を探そう。

    「佑芽……ど、こ……? 」
    「っ!? 篠澤さん!? 」
    「……っ!! 」

    それから佑芽を探していると。ちらっと、レッスン室が見えた。そこから見えた光景に、私は目を疑う。何故ならレッスン室にいたのは、千奈とプロデューサーだったのだから。

  • 47二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 11:05:57

    あっ

  • 48二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 14:25:28

    なんで。なんでなんでなんでなんで。なんで、千奈がプロデューサーといるの。なんで、プロデューサーが千奈に見覚えのある紙……レッスンメニューを渡してるの。私……千奈に、騙されてた?

    「げほっ……」

    痛い。体が痛い。胸が痛い。視界がぼやける。

    「っ……」
    「広ちゃん!? 大丈夫!? 」
    「う、め……」

    走っていたら、転んで……その先に、佑芽がいた。そして視界がゆっくりと、暗くなっていく。あぁ、そっか。私……裏切られたんだ、千奈に。取られたんだ、プロデューサーを。

  • 49二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:17:42

    保守

  • 50二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 06:02:12

    このレスは削除されています

  • 51二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 09:37:07

    「ちゃん……広ちゃん! 」
    「ん……佑芽? 」

    夢を見ていた。いや、夢のような何かを見ていた。視界は真っ暗で。地面から生えてきた黒い手のようなものに引きずり込まれる夢。それに引きずり込まれた影響なのかな。とても……憎い。千奈が憎い。私を騙して、プロデューサーを奪った。あの人は、私だけのプロデューサーなのに。

    「あっ良かった! 目が覚めたんだね! 」
    「……佑芽。ひとつ、頼み事をしてもいい? 」
    「うん、わかったよ! 」

  • 52二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 09:38:00

    おいやめろよ。
    やめろよ……。

  • 53二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 09:53:14

    佑芽には、プロデューサーに手紙を渡してもらった。中を見ないように、と強く念を押して。手紙の内容は、こう。

    『プロデューサー。話がしたいから今夜、私の部屋に来て。もし来ないようであれば、千奈を殺す』

    正直千奈に関しては今すぐにでも殺してもいい。けど私はプロデューサーに迷惑をかけたいわけじゃない。彼を困らせたい訳じゃない。だから、殺さないで脅すだけで留めておく。きっと千奈を人質に取られたらあの人は絶対に来るだろうから。

    「……次は絶対幸せになろう、ね」

    夜。そう独り言を呟いていると、ドアがノックされる。

    「プロデューサー。来てくれてありがとう」
    「……要件は、なんですか。あんな、倉本さんを人質にとるような真似までして」
    「要件……これ」

    寮の外にある、フェンスに軽くちょんとふれる。すると、フェンスは静かに外れる。……私には、したい事があった。だからその為に、フェンスを改造して簡単に壊れるようにした。そして私は……

    「一緒にいようね、プロデューサー」

    プロデューサーに抱きついて、歩みを進めていく。そして私とプロデューサーはついに足を踏み外し、一気に地面へと落下していく。彼は、誰にも渡さない。私だけのもの。死ぬ時も、私と一緒。

  • 54二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 11:02:57

    「さん。……篠澤さん? 」
    「……えっ、プロデューサー? ……あ」

    私は確かプロデューサーと……ってあぁ。そっか。そういえば私ってタイムリープ出来たんだった。ふふ……ふふふふふふ。これで、プロデューサーを独占できる。別れなくていい。距離を取られなくていい。千奈に奪われなくていい。

    「……ふふ」
    「どうかしました? 」
    「ううん、なんでもない。それよりもプロデューサー。次のライブが成功したら……ね。私の部屋でデートしよう」
    「はい、分かりました」

  • 55二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 19:45:26

    保守

  • 56二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 01:00:01

    保守

  • 57二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 07:06:33

    ここまでは前回と同じ流れで動けばいいから、もちろんライブは大成功。前回と同じ……いや、それ以上の大成功。あっという間に約束のデートの日になった。私と彼の、結婚する日に。

    「来たね、プロデューサー」
    「はい。失礼します」
    「さ。上がって」

    プロデューサーがドアをノックして、入ってくる。あぁ、ダメだ。もう既に、気持ちが昂ってきちゃってる。

    「プロデューサー。今、お茶いれるね」
    「いれれるんですか? 」
    「できる、よ。このくらいなら」

  • 58二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 15:14:48

    ほしゅ

  • 59二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 22:06:20

    「ほら。どうぞ」
    「ありがとうございます。それでは有難く、いただきます」
    「うん。……どう? 美味しい? 」
    「はい、これは美味しいですね」

    あとは時間が経てば……効いてくる、かな。ふふ。もうちょっと。もうちょっと、だね。即効性にしたとはいえ。露骨すぎてもバレちゃうから。自然体で、ね。

    「驚きました。篠澤さんがこんな美味しいお茶を入れられるなんて」
    「彼氏としてあるまじき発言」
    「彼氏だからこそ素直な気持ちを伝えたいんですよ」
    「でも……ありがと。プロデューサー、大好き」
    「はい。俺も、大好きですよ」

  • 60二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 22:31:54

    あれから二十分ほどが経った。……そろそろ、薬の効果も効いてきたはず。

    「そろそろ……いいかな」
    「篠澤さん、何、を……」
    「えいっ」
    「っ!? 」

    立ち上がって。ベッドの近くまで行って。プロデューサーの腕を掴んで、思いっきり押し倒す。……ふふ。うん。無事に効いてる、ね。

    「篠澤さん、何を!! 」
    「……まーきんぐ。あなたは私のものっていう、まーきんぐ。誰にも取られないために、ね」
    「力が、入らない……」
    「私特製のものすごく弱体化する薬。それを、お茶に入れてた」
    「何のために、こんなこと」
    「プロデューサー。私、ね。悪夢を見たんだ。プロデューサーが千奈に奪われちゃうっていう悪夢」
    「……それで、怖くなったと? 」
    「怖くなった? 違う、よ。私がいないとダメになるようにしたくなった」
    「言ったはずです。俺は一生そばにいると」
    「でも私以外の女の子を見て欲しくない」
    「……はぁ」
    「だから。これからいっぱい私の事を考えて言って、ね」

    fin

  • 61二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 22:34:15

    んー……やっぱり広って書くの難しいですね。ひとまず終わりです。最後かなり適当になってしまった気もしますが、そこは暖かい目で見ていただければ。ひとまず、また長い間お付き合い頂きありがとうございました。

  • 62二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 22:35:29

    おつ。
    よかったよ。

  • 63二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 22:35:43

    一応次の子は

    dice1d12=3 (3)

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