- 1ホットドリンク大好き25/07/05(土) 22:21:45
- 2ホットドリンク大好き25/07/05(土) 22:26:13
【歴代スレ:Part.1~3】
【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線|あにまん掲示板おやおやおやおや・・・連邦生徒会長が失踪ですか。それは早急な対処が必要ですね。・・・えぇ、リン行政官。1.護手(ケルビム)2.防衛室スタッフ3.監視者(オーバーシア)dice1d3=@2 (2)@──…bbs.animanch.com【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線 Part.2|あにまん掲示板【あらすじ】カイザーと防衛室 勢力の暗闘まで秒読み。bbs.animanch.com【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線 Part.3【建て直し】|あにまん掲示板【あらすじ】ミレニアム編がゴズとの暗闘に。bbs.animanch.com - 3ホットドリンク大好き25/07/05(土) 22:27:34
- 4ホットドリンク大好き25/07/05(土) 22:30:38
- 5ホットドリンク大好き25/07/05(土) 22:31:42
- 6ホットドリンク大好き25/07/05(土) 22:33:35
【歴代スレ:Part.13~15】
【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線 Part.13|あにまん掲示板【あらすじ】素晴らしい・・・これ以上の結果は望めないでしょう。カンナ、貴方は本当に可愛いですね。bbs.animanch.com【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線 Part.14|あにまん掲示板【あらすじ】まさか先客が知り合いなんてことは無いでしょう。※Part.13が過去ログに格納されてしまったので、その続きになります。bbs.animanch.com【閲覧注意・🎲】ここだけ不知火カヤの中身が、大体ボンドルド卿だった世界線 Part.15(建て直し)|あにまん掲示板【あらすじ】お茶会と参りましょう、皆さん。 ─── 歓迎しますよ。bbs.animanch.com - 7ホットドリンク大好き25/07/05(土) 22:35:07
- 8二次元好きの匿名さん25/07/05(土) 23:34:48
カヤホシユメの行方はいかに
- 9ホットドリンク大好き25/07/05(土) 23:53:15
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レシーマ:
「─── カヤ・・・じゃなかった室長 ───」
過去最大級の過酷さを見せた狩りを終え、事後処理も終了しつつある中、レシーマはカヤの下を訪れた。
─── しかし、そこには辛うじて人の形を保っている汚泥の怪物がいた。
影のような、しかしそれよりずっと悍ましいそれは、レシーマを見ると その歪んだ腕を伸ばす。
レシーマ:
「・・・。」
夜の輪郭:
【・・・。】
そしてレシーマの怯えた表情を見て、動きを止めた。
怯えさせるのは本意では無かったのか、壊れ物を前にした人間のように ゆっくりと後ろに下がった。
そして個室にポツンと置いてあったパイプ椅子に腰を下ろす。
しばらく見つめ合っていたレシーマと怪物だったが、やがて諦めたのか怪物はグジュグジュと湿った音を立てて本来の姿を取り戻していった。 - 10ホットドリンク大好き25/07/05(土) 23:55:08
カヤ:
「・・・あぁ、これが目覚めですか。」
そうしてレシーマの良く知る方のカヤが現われる。
レシーマ:
「カ ─── 室長、今の・・・。」
カヤ:
「おや、公の場でもないのですから、別に昔のようにカヤと呼び捨てにして貰っても構いませんよ?」
レシーマ:
「・・・まぁ、いいか。 で、カヤ・・・今のは・・・。」
カヤ:
「・・・貴方には見苦しいところを見せてしまいました。
あれは私の宿痾そのものですよ。 もっとも、幾らかは『かつての私』でもあったようですが。」
記憶を探りながらカヤは言う。
レシーマはハッとした表情をして、カヤに寄り添った。
レシーマ:
「・・・痛くない?」
カヤ:
「・・・レシーマ、やはり貴方は優しい子ですね。」 - 11ホットドリンク大好き25/07/05(土) 23:56:52
カヤは席を立つ。
普段は極めて”不動”に近い体幹をしているカヤも、このときばかりは不安定だった。
レシーマが そっと脇に身体を入れて支える。
カヤ:
「私のことは良いのです。
それよりもレシーマ。 貴方は私に用事があったのではないですか?」
レシーマ:
「あぁ・・・うん。」
レシーマは気まずそうな表情でポケットから小さな結晶を取り出す。
それは微かに蒼い光を放つ水晶のような何かだった。
レシーマ:
「これ、ラギアクルス希少種の落とし物。 ・・・本体は逃がしちゃったけど。」
狩りの成果を報告して褒めて貰おうとしていた己を、レシーマは責めた。
カヤが こんなに苦しそうなのに、自分は何て気楽だったんだろう。 - 12ホットドリンク大好き25/07/05(土) 23:58:53
カヤ:
「─── 素晴らしいではありませんか。 貴方も もう、一人前の冒険家ですね。」
カヤは震える手で、レシーマの頭を撫でた。
レシーマは何故か泣きそうになった。
レシーマ:
「でも、仕留められなかった・・・。」
カヤ:
「生きて帰ることが出来たということが重要なのですよ、レシーマ。
貴方が狩人を目指すのであれば反省する必要がありますが、貴方は冒険家を志しました。
生きていれば次があります。 そしてその機会を得られるというのは、冒険家にとって得がたい資質なのです。」
カヤはレシーマの頭から手を離した。
レシーマの気持ちは幾らか落ち着いていた。
カヤ:
「─── 貴方が大成する姿を見届けられないのが、本当に残念ですよ。」 - 13ホットドリンク大好き25/07/06(日) 00:00:46
レシーマ:
「─── あっ・・・。」
気付けば涙が頬を伝っていた。
心は凪いでいるのに、涙だけが止まらない。
カヤ:
「・・・貴方は可愛いですね、レシーマ。」
カヤがレシーマの涙を拭う。
その手があまりにも優しくて、レシーマの心は再び乱れる。
残酷な真実に、心が ようやく追いついてきた。
レシーマ:
「・・・消えないでよ、カヤ。 貴方は私達の家族なんだから・・・!」
カヤ:
「・・・。」
カヤはレシーマの涙を、泣き止むまで拭い続けた。 - 14ホットドリンク大好き25/07/06(日) 00:02:58
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カヤ:
「─── ここに貴方達を連れてくるのは初めてですね。」
カヤがレシーマ達を その部屋に連れてきたのは、つい最近のことだった。
レシーマ:
「・・・ここは?」
カヤ:
「・・・呪われた部屋です。
私も、出来ることなら余り近づきたくありません。 ─── 黒歴史ですから。」
その部屋には、分かり易い金銀財宝から、価値の分からない芸術品や骨董品が無数に並んでいた。
素人目からでも、この部屋に恐ろしいほどの価値が集まっていることが分かる。
いくらか そういったことを学んだ家族は、少し目眩すらするようだった。 - 15ホットドリンク大好き25/07/06(日) 00:04:57
しかし、それらすら この部屋の主役ではないようだった。
部屋の中央に、石棺が置かれている。
その周囲だけ、違和感を覚えるほど片付けられていた。
もし誰かが踏み入れば、何かしらの痕跡は残してしまいそうなほど綺麗に清掃が為されている。
カヤの言う、”元の持ち主”の石棺の中身に対する執着が、寒気のするほど伝わってきた。
カヤが遂に石棺を開ける。
─── 中には無数の紙が入っていた。
印刷されている文字を見れば、それはどうやら土地の権利書のようだった。
───── (嘔吐する音)
経済を囓っている家族が、床に這いつくばって嘔吐した。
どうやら その子には、石棺の中身の価値が分かったようだった。
分からなくて良かったと、レシーマは思った。
吐き気を催すほどの価値など、分からない方がいい。
カヤ:
「これは、この部屋の中にあるものでも最たるものです。
血によって購われた、呪われた財宝。
征服者であった『私』が、キヴォトス各地から奪った土地の権利を示すものです。」
それを聞いて、吐いた家族の気持ちが分かるような気がした。
いわば、これは征服者の財宝だった。
これだけの土地を征服するのに、一体どれだけの血が流れたのか想像もつかない。 - 16ホットドリンク大好き25/07/06(日) 00:07:42
カヤ:
「だからこそ、この価値は百の善の為に支払われなければなりません。
最初は連邦生徒会の為に捧げるはずでしたが、それは受け取って頂けませんでした。
ですから次に、旧い同僚が自立する為の資金として供出しました。
その次に、ヴァルキューレ、SRTが自らの手で予算を獲得する為の組織<金の子羊>の初期資金としました。
・・・しかし、それでも、この部屋全体の価値からすれば微々たるものです。
例えるなら、湖の水を桶で汲み取ったようなもの。」
カヤはレシーマ達の方を向いた。
その目には いつになく真剣な色が宿っている。
カヤ:
「貴方達は冒険家になりたいのですよね?
それならば、きっと この部屋の価値が役に立つはずです。
どうか この部屋を受け継いで下さい。
そして善いことに捧げて下さい。
貴方達であれば、それが出来るはずです。
─── 私はきっと、もう長くありませんから。」
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