- 1二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 19:42:24
私はトリニティ女子高生諜報員、桐藤マコ。
幼馴染兼後輩で数年後には連邦生徒会長の頼みにより、エデン条約の外交使節団員としてゲヘナに探りを入れて、雷帝の怪しげな実験施設を目撃した。
施設を見るのに夢中になっていた私は、背後から迫る奴の配下に気が付かなかった。
私はその女に抵抗を続け、なんとか逃げ延びたが……
白き両翼を失ってしまっていた。
桐藤マコが生きていると奴等にバレたら、また命を狙われ、周りの人間に危険が及ぶ。
鬼方カヨコの助言で正体を隠す事にした私は、羽沼マコトと名乗り、雷帝の支配を覆すべくゲヘナ学園に新一年生として入学した。
出会いと別れを重ね、雷帝が卒業した今でも私の在り方は変わらない。
忌々しき雷帝の遺産を全て破壊するため万魔殿議長となったが、トリニティ出身の者が身分を偽りゲヘナのトップに立っているとバレたら混乱を呼ぶ事になる。
「マコト。……その、遺産とは関係ない事なのだけれど……今度、私の部屋に来てほしい」
「マコトちゃん、NKウルトラ計画は順調よ。今度その成果を見せたいから、私の部屋に来てくれないかしら?」
「マコト先輩。あのね、イブキこの温泉に行ってみたい! ……ううん、みんなとじゃなくて、イブキとマコト先輩の2人で」
「マコト先輩。私と二人でサボりませんか?」
「先輩先輩。やっぱり先輩ってネタがいっぱいですね! 私、マコト先輩の側から離れませんよー!」
周囲の者たちからは探りを入れられ続けているが、この私は決して負けはしない!
たった一つの真実隠す、見た目はゲヘナ! 中身はトリニティ!
その名は、羽沼マコト!
っていう感じのトリニティ出身マコトの概念。 - 2二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 19:44:08
- 3二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 19:46:42
桐藤…桐藤ィ!?
ナギサの姉…ってコト!? - 4二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 20:00:24
姉の羽に包まれるのが好きだったからこそ羽を失ったマコトを姉と気づけないナギサ様だって!?
- 5二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 20:01:46
さいみんじゅつで性格反転するとマコト≒ナギサだったのはまさか…
- 6二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 20:02:37
いやあのそれ探りって言うか…
まあいいかあ!そのまま頑張れ! - 7二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 20:20:10
先生には話した事がありませんでしたね。
私には、一つ上の姉がいました。
明朗快活、という言葉が似合う人です。
いつも私を引っ張ってくれて……けれど、間の抜けた所もあって……支えるために私が奔走することもありました。
幼い頃は、姉の羽に包まれながら寝るのが好きでしたね。
……ええ。
残念ながら、姉は三年前に亡くなってしまわれました。
エデン条約の外交使節団の団員としてゲヘナに視察していた際に事故にあった、と。そう聞いています。
……ゲヘナを恨まないのか、ですか?
確かに、そういった感情もないとは無いとは言いませんが……姉は、ゲヘナを嫌っておりませんでしたから。
亡くなる前日にもゲヘナで出来た友人の話を私にしてきていた程でして、それを聞いていた私もゲヘナを嫌いにはなれませんでした。
ふふ。
会ったことのない先生にそこまで惜しんで頂けるなら、きっと姉も浮かばれることでしょう。
ありがとうございます、先生。
っていう感じでssや概念を下さい
- 8二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 20:25:17
そんな(素敵なナギマコ)もの、ウチにはないよ
- 9二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 20:36:35
あのその立派な角はどこから?
あ、もしかして付け角? - 10二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 20:43:04
- 11二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 20:58:09
えっ!?
普段人目に晒してる鋭い目付きの左目が実は戦闘用のピント調節機構が付いた義眼で
調印式襲撃で爆風になびいた髪の下にナギサと同じ金色の柔らかい表情の右目が見えたことでナギサが姉だと確信して
以降はナギサの頼みで髪を上げて両目を見えるようにしてスペシャル枠をナギマコ同時編成するとマコトの左目がウィィンとロックオンしてる間に逆さになった地図を地図をナギサがそれとなく上下直して二人で「「砲兵隊、撃てぇーっ!!」」って姉妹で号令を出す特殊カットインが見れるだって!? - 12二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 21:06:05
なにそれ素晴らしい
- 13二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 21:08:09またしても「置いていかれた者」の役をやらされるナギちゃんに悲しき過去ここだけナギサ様に姉がいたが……|あにまん掲示板何者かによりヘイローを破壊され死別してしまった世界。https://bbs.animanch.com/img/2144931/317尚、ナギサ様の姉の性格と容姿はヒフミと瓜二つのモノとする。bbs.animanch.com【閲覧注意】未亡人ナギサ概念 Part5(通算20スレ目)|あにまん掲示板 もしも桐藤ナギサに婚約して相思相愛だったけれど死別した幼馴染くん(♂)がいたら――という概念について語るスレ。 なお、幼馴染くんの夢はトリニティとゲヘナの和睦だったが、彼は本編前にゲヘナ生の手で殺さ…bbs.animanch.com
- 14二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 21:11:08
コナンじゃ無くてシェリーの方なんだろうな
自分から行方をくらますために実験中の薬を飲んだ感じの - 15二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 21:35:10
でも部屋に戻ったら溜め息つきながら角付きカチューシャがぽって外してるマコト様が見たいか見たくないかと言えばちょっと見たい
- 16二次元好きの匿名さん25/07/06(日) 22:01:58
最近よく万魔殿の周りで見かけると思ったら……マコトについて調べてたのね、先生。
マコトがトリニティ出身なのは、私も知ってる。
本人が隠してる事だから、私からは何も言わない。隠す理由も分かるから。
先生が言わないのも同じ理由? ……そう。それならよかった。
少し、話をしてもいい…?
……ありがとう、先生。
実はね。マコトが風紀委員会に嫌がらせをするのは、私がそういう風に言ったから。
「ゲヘナのトップなら、少しくらい我儘で悪童な方が“らしい”。だからもし、相手が必要なら……私を選べばいい。いくらでも相手になる」……なんて。
だからマコトの嫌がらせは、少し楽しくもある……。
知ってる? マコトのものなら、私がいくら壊しても咎められないの。仕返しって名目だから。
マコトも、「お前もゲヘナの風紀委員長なら、我儘で悪童な方がらしいだろう。ならばその相手はこのマコト様が相応しい! 何せゲヘナ最強の相手を務められるのは私くらいなのだからなぁ!」……なんて言ってて。
とはいえ、風紀委員のみんなを巻き込んでしまっているのは申し訳ないと思ってる……。
秘密は隠しつつ、ある程度の説明はしたのだけど……。
……うん。
ありがとう、先生。
話せて楽になった。こんな事、話す機会がないから……。
って感じのssや概念を下さい
- 17二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 01:25:52
条約を壊そうとしたのは何かしらの形でナギサを守るため、ってなりそう
大振りに動いて黒幕の矛先を万魔殿に向けさせるとか、トリニティ内部の結束を高めさせてナギサを絶対安全にするとか - 18二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 01:33:40
飛行船撃墜は戦力分散を狙ったマコトの思惑がきっちりはまった感じになるのか
- 19二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 02:00:28
イッチの設定とは多少食い違うが
ゲヘナの自室にてマコトは眩暈にも似た困惑に悩まされていた。
事の始まりは幾度目かのエデン条約に関する会議。ほんの数度であるがトリニティの重鎮と会合を重ねてきた。その中の一人、桐藤ナギサ――己の実の妹の視線が原因だった。
最初に羽沼マコトとして出会った時はよく言えばフラット、悪く言えば無関心とさえ感じられた凪の視線に、何も思わなかったと言えば嘘になる。それでもナギサの視線に嫌悪や憎しみの類が混ざっていないことには安堵した。自分のことがあったからゲヘナそのものを憎んでいてもおかしくはないと思っていたのだ。だが、それも会合を繰り返すうちに変化した。
縋るような、熱を帯びた視線。
十年以上傍で妹を見続けてきた姉だからこそわかる。桐藤ナギサは羽沼マコトに思慕の念を抱いていた。きっかけはなんだったのだろう。姉が望んだゲヘナとの和平に消極的ながら協力したからか。いや、どう始まったかなどどうでもいい。
その想いには応えられない。
エデン条約が成ればゲヘナとトリニティという境はなくなり、むしろ融和の象徴と持て囃されるだろう。しかし、そのような関係になれば己の正体が露見するやもしれない。今やトリニティのトップにまで上り詰めてしまったナギサに、ゲヘナの統領をしている姉がいたなど一大スキャンダルだ。エデン条約の実効性すら疑われるだろう。出来レースだった、などという結末、大衆は認めない。
それに比べれば実の姉妹だなどと小さなことである。それに。
「…幾度会っても、私だと気づけないか」
無理もない。雷帝に捕らえられ無数の人体実験を受けたこの身。
翼を失い髪の色は抜け落ち角すら生えてしまった変わり果てた姿。
顔つきだって、昔日の面影は残っていない。
「恋をするほどに――私は君の姉から、かけ離れてしまったのか」
かつては金色だった緑の瞳が、鏡の中から己を睨んでいた。
というマコ←ナギ概念を投げて俺は寝る。 - 20二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 05:44:31
えもいわれぬ趣がある
良いね… - 21二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 07:01:11
無茶苦茶良いけどせつねぇ……
- 22二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 07:27:30
I am your sister…
- 23二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 13:05:42
おいたわしいわ、
- 24二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 13:43:27
ナギサ様気付けはしないけど無意識にどこか姉の面影があるマコトに惹かれてる可能性はあるな
- 25二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 14:53:52
マコトが捕まって人体実験コースだったら捥がれた羽は剝製にしてそうだよね雷帝。という前提で
偶然だった。
ゲヘナ本校で迷い辿り着いた部屋。多くの荷物が乱雑に置かれ布を被されたまるで物置。そこでただ一つ覆いの外れた――大きな羽の剥製を、見つけた。
「これ、は」
大きな純白の羽。鳥のものとすれば相当大きな、しかし鳥の骨格とは似て非なる――ああ、わかっている。理性がどれだけ否定しようと、同じ羽を持つ者として、わからざるを得ない。これは、人の羽だ。私と同人種の誰かが、剥製にされたのだ。そして、この羽は――
「賓客とはいえ私室に無断で入るとは礼を失するぞ、桐藤ナギサ」
「…ッ、マコト、さん」
いつもの薄ら笑いを消して、何かを抑え込むような無表情の生徒会長が入り口に立っていた。
「これ、は…」
「トロフィーだ。雷帝の」
その言葉に、視界が朱く染まった。狩りの獲物?人が?あの人が?殺された上にこんな辱めを?
「…この、羽は、誰の」
撃鉄が上がる。怒りを、憎しみを爆発させる工程が進んでいく。目の前に居るのが仇ではないなど最早関係ない。ゲヘナの悪魔というだけで充分だった。
「――さぁな」
その一言で弾丸が装填される。私からあの人を奪った報いを、こいつに、
「今は、私のものだ」
荒げてなどいない、力の籠らぬ呟き。だけどその声はひどく鮮明に、私の怒りを撃ち抜いた。声に籠るのは悲しみ、そして執着。決して有象無象に向けるものではない強い感情。この人も、雷帝に奪われたのだと察するに余りある、想いの籠った言葉だった。
もしかしたら、この人は、マコトさんは、あの人を……
「……私の姉は、ゲヘナで事故死したそうです」
「そうか」
「遺体も戻っては来ませんでした。ティーパーティーも追及を止めた当たり、政治的な問題があったのでしょう」
「そうだな」
「それ、でも…私は……もう一度、会いたかった」
「……そう、か」
憎い。悲しい。恨めしい。負の感情は際限なく増大し私の心を苛む。だけれど隣に同じく苦しみ悼んでくれる人がいるから耐えられた。私と同じ傷を受けた悪魔がいてくれたから、私は私を保てている。
「……おねえ、ちゃん」
羽に触れる。
いつかのあたたかさなど微塵も感じさせない、ただただ冷たい躯がそこにある。
声もなく涙を零し続ける私を、優しい悪魔は黙って見守ってくれていた。 - 26二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 14:59:55
わぁ…ァ…
- 27二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 15:02:16
「もしかしたら生きているかもしれない」を否定する要素がまた一つ…
- 28二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 17:04:46
雷帝の人体実験でツノ生えてきたならなんかヘイローもいじられてそう
あとツノ生えてくる時クソ痛そうだよね - 29二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 19:28:41
の続き
「持って帰るか」
泣き止んだ私にマコトさんはそう告げた。
そうしたい。中身が綿の張りぼてでもあの人であることに違いはないから。だけど無理だ。
「いいえ…このような姿では騒ぎになりましょう。詳細が知れれば政治問題になります」
「そう、だろうな」
連れて帰りたい。せめてトリニティの土で眠らせてあげたい。しかしトリニティとゲヘナを取り巻く状況がそれを許さない。エデン条約は言うに及ばず、連邦生徒会への不信が高まっている昨今要らぬ火種は持ち込めない。それに、安らかとは言えずとも眠るにここは相応しいかもしれないのだ。
「…雷帝を討ったのはあなたですか?」
「…ああ、私が討った」
あの人を想い、その仇を取ってくれたこの人の傍ならば。
「ありがとうございます。姉の…仇を討っていただいて」
「礼など要らん。受け取る資格さえない。私は万魔殿――奴に連なる者。元を質せば部下だ」
「それでもあなたは雷帝を討ち取られた。姉のような犠牲者はもう出ないでしょう」
視線が逸らされる。本心から礼を向けられたくないようだった。
「……ゲヘナの悪魔を容易く信じるな。トリニティの要人が隙を晒すものじゃない」
帽子の鍔で目元を隠されても照れ隠しにしか見えなかった。思わず笑みをこぼしてしまうと、芝居がかった口調で告げられる。
「『悪魔が黒い罪を仕掛ける時は、まず天使の姿をとって仕掛けるものだ』」
「オセロー第二幕。イアーゴーの台詞ですね」
正直、ゲヘナの住人に教養があるなど考えすらしなかった。それを覆され己の浅慮に恥じ入るばかり。
すっと帽子が上げられ、初めて真正面からこの人と視線を交わす。
一回り高いところから向けられる緑の眼。鋭い視線に射竦められ動けない。恐怖にではなく、高揚に?ただ政治の相手であっただけの人が、特別な何かに変わっていくのを自覚した。
「嫉妬にしろ別のものにしろ、一つの感情に支配されてしまえば破滅する。努々忘れぬことだな――ナギサ」
そう告げる緑の瞳は、恐ろしいと思うほどに綺麗で――オセローで語られた怪物のようで、言葉通りに私の心を千々に乱した。
思い返せばあの日あの時、私の心は奪われていたのかもしれない。
- 30二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 19:42:13
ナギサが希望を見出すのと同時にマコトが絶望に濡れるの芸術点高すぎて好き
天才か? - 31二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:49:06
「貴女の存在はマコトの負担になる」と告げて引き離そうとしてくるヒナと激突して欲しい
- 32二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 21:49:26
ナギちゃんがおいたわしい事に…
- 33二次元好きの匿名さん25/07/07(月) 22:06:16
伝わるか分からんが
「羽沼マコト」に惹かれていくナギちゃんだけど、窮地に陥った時咄嗟に庇ってくれたマコトに対して「マコトさん!」では無く「お姉ちゃん!」って言ってほしい
無意識で眼の前の人が自分の姉だと悟ってしまって、一拍置いて自分の思わず発した言葉に驚愕する感じで - 34二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 00:10:47
ナギサ視点・死後の尊厳すら踏みにじられた姉を雷帝を討伐し解放して悼んでくれた恩人
真実・身も心も凌辱され尽くされながらも抗い雷帝を倒し奪われた翼を取り戻すもどうしようもなく破棄することもできずただ死蔵していた姉本人
どっちがマシでしょうねぇ - 35二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 02:09:12
マコナギが姉妹なら、ミカとも小さい頃の知り合いかも
個人的に実の姉みたいに懐いてくれてると嬉しい
それならミカのゲヘナ嫌いもよくわかるしね - 36二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 02:16:09
その人は変わり者だった。
トリニティ生にありがちな偏見も差別も全く無い、太陽のように明るい人。天使とは、こういう人を言うのだと思った。対立する学園の垣根を越えて友人になるのに時間もかからなかった。万魔殿情報部に所属しトリニティの内情を探っているという後ろめたさが、余計に彼女への感情を大きくさせた。引き出せる情報なんて何も持ってない、ただ名家の生まれというだけの彼女。騙し騙されの諜報員生活の中で、彼女が癒しとなるのは必然だったのかもしれない。
「があぁあぁぁaaあaあAぁあaあaaaあぁAッッッ!!?!」
そんな彼女が、目の前で獣のような悲鳴を上げていた。
古いアビドス映画で見たような、ミイラみたいに全身を血の滲む包帯に覆われた彼女。顔さえ見えないそれは、彼女の全身にメスが入れられたという証拠だった。
数日前に、彼女は捕まった。
トリニティの諜報員だと断定され雷帝の前に引きずり出され、気に入られたらしく連れ去られた。私は、それをただ見ていることしか出来なかった。あんな上機嫌で連れて行ったのだ、きっと悪いことにはならない。そう自分を誤魔化した。知らなかったのだ。雷帝に気に入られるということが何を意味するかなんて。
後日呼び出され、雷帝は言った。
『友人なのだろう?』
私たちの関係がバレている。背筋が凍った。背信に値するような真似はしなかったが疑われただけでどうなるかわからない。だけど、私への罰は、そんな軽いものじゃなかった。
次いで出された実験レポート。肉体を切り刻み無数の薬物を投与しヘイローさえ変質させるという狂気の実験の詳細が記されたそれに、私は声すら出せなくなる。
『落ち着くまで面倒を見てやれ。アレは友人だろう?カヨコ』
そして、変わり果てた彼女を見た。
悲鳴、絶叫。肉が骨が軋む音。皮を破り肉を割き歪な角が目に見える速さで伸びていく。包帯の隙間からこぼれる髪が異常な速度で生え変わり色が抜け落ちていく。
痛いのだろう、苦しいのだろう。全身を掻き毟り包帯が破れていく。そしてまた、血が噴き出した。
「――マ、コ……」
彼女が気絶して、変化は終わった。
どういう理屈か、傷口はほぼ全て塞がっていた。
私の知る桐藤マコの姿はそこには無い。天使の面影は何もない、悪魔の姿。
ただ、背中に――翼を捥がれた、大きな傷痕だけが残っていた。 - 37二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 06:11:04
想像してた倍は重い
最高 - 38二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 08:06:46
まさかのカヨコ
- 39二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 08:55:27
カヨコは18歳組ですし露骨なワケアリですし
ドレスマコトって少なくとも肩甲骨のあたりは肌出してるけど、翼の生え際がナギサと同じなら↑の傷跡が丸出しになるんだよな - 40二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 13:36:33
元の容姿は今よりもだいぶ柔らかめな印象なのかね
今が綺麗系な美形なら、元は天使見たいと言われるくらいだし可愛い寄りの美形だったんかな - 41二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 14:47:28
ナギサ様の血縁だし似た感じかねぇ
目付きとかはナギサ様より柔らかそう - 42二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 14:59:13
苗字の意味がめっちゃ重くなりそう…羽が地に落ちた的な感じで
- 43二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 15:13:32
- 44二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 15:13:36
翼は堕ちて真実は沼のごとき深淵にってか
- 45二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 15:22:27
- 46二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 15:39:28
- 47二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 15:53:44
「キシシ!何はともあれ…皆、今日のパーティはご苦労様だった!明日からも、このマコト様の権威を示すため、万魔殿としてドンドン活動していくぞ!では、解散だ!」
って言いながら別れた後、自室でシャワー浴びて髪を濡らし、角を撫で、シャワーで徐々に化粧が落ちてあらわになる背中の傷と自分の姿を鏡越しに物憂い気な表情で眺めるマコト様、良いな…。
- 48二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 17:46:10
マコトちゃんのことをどう思ってるか?
もちろん大切な親友だと思っているけれど……もっと詳しく? 私から見たマコトちゃんのことを知りたい?
ううん、そうね……。
いつも明るくって、万魔殿の頼れるリーダー……というのは、先生もわかってるわよね。
……これは、私の勘違いかもしれないのだけれど。
どこか緊張してるっていうか、不安そうにしてる所があるのよ。初めて会った時から、ずっと。
万魔殿で仕事をしている時も、みんなで遊んでいる時も。明るい様子だけど、よく見れば気遣わしげに見えて……。
……ええ。
私、心配なの。
誰だって怖いのは嫌でしょう? マコトちゃんが怯えているなら、それを振り払ってあげたい。マコトちゃんが心から安らげる場所を作ってあげたい。
NKウルトラ計画もその想いから始めたのよ。
うふふ。
私が秘密にしていたことをここまで話させるなんて、流石はシャーレの先生ね。恐るべき話術よ。
でも、この秘密を知ってしまった以上は先生を自由にはしてあげられない。最後まで協力してもらうわ、先生。
- 49二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 20:01:15
こう、イブキがマコトと水着で遊んでる時に特殊メイクが落ちてきて傷跡がチラッと見えてほしいよね
イブキは見間違いかと思って何も言わないけど後からやっぱりアレは何だったんだろうかと悩んで悶々とするんだ - 50二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 20:18:40
悪魔でも有翼の生徒はいるから羽の傷跡=元天使にならんのがミソよね
謎の多いマコト様 - 51二次元好きの匿名さん25/07/08(火) 23:08:29
マコトの自室の端にトリニティの頃の名残とかあるといいな
- 52二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 00:42:47
優しい人だった。
一つしか歳は違わなかったけれど、聡明なあの人なら私が桐藤家に通わされたのは政治的なものだと気づいていただろうに実の妹と区別せずに可愛がってくれた。それこそナギちゃんが私に嫉妬するほどに。常に政治が絡むドロドロしたトリニティの中であの人だけは別だった。慕うのは当然、姉妹のいない私には真実あの人だけが姉であると思い込むほどに。
その人が死んだのは3年前。トリニティ総合学園に入学してすぐのこと。
今でもティーパーティーの白制服を喜んでいた姿を思い出せる。そんな日常から、あの人は消えた。
調べた。得意じゃないなんて言っていられない。あらゆる手段と伝手を使って調べ上げた。なのに「ゲヘナで事故に遭い死亡。遺体は行方不明」としかわからない。桐藤の家が追及しなかったのも不自然。尋常でない何かが関わっているのは明白。そして、その時代そんなことが出来たのはただ一人、『雷帝』だけ。
つまりは――ゲヘナに殺された。
それ以来周りに合わせたポーズでしかなかったゲヘナ嫌いは私の本心となった。あの人がゲヘナとの融和を望んでいたと知っていても、憎悪を鎮めることなど出来ない。よくドラマでは死者はそんなこと望んでないなんて言うけど、誰がもういないあの人の本心を代弁できるの?本当にあの人が死の間際、己を殺すゲヘナの悪魔を憎まなかったなんてどうして言い切れるの?
だからさぁ……エデン条約なんて、認められないんだよ。なんであなたがそれを進めるの?あなたが一番憎んでいいんだよ?ねぇナギちゃん。あの人の想いを継ぐなんて、かっこつけたこと言わないで全部壊しちゃおうよ。
ああ苛つくなぁ……胡乱な物言いで煙に巻かないでよ。要はティーパーティーの私が表立って反対するのが困るってだけでしょ?だからアリウスを使って裏から壊そうとしてるのに、止めてこないでよセイアちゃん。これ以上邪魔するなら――しばらく退場してもらうことになっちゃうよ?
憎い。悍ましい。気持ち悪い。
どれだけ言葉を並べても私の心は表せない。
「ねえ、マコ姉様――あなたを殺した悪魔どもの心臓を捧げたら――褒めてくれる?」
血で贖え、悪魔共。
私からお姉様を奪った報いを受けろ。
ゲヘナなんて地図からも歴史からも、消してやる。
そうしたら。
「私の元へ――帰ってきてくれるよね?マコ姉様――」 - 53二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 01:51:34
本編のゲヘナヘイトが可愛く見えるレベルの憎悪だ……
それだけ愛されてたんだろうが、憎悪をぶつける相手のトップがその愛した人なのが心底悲劇だ - 54二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 07:32:28
おんも…
- 55二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 11:05:58
困ったことにミカがゲヘナに攻め入れば帰っては来るんだよねお姉さま
羽だけ - 56二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 11:32:14
良いこと考えた、性格も変質させよう
自認は桐藤マコのつもりだったのが、ふとした瞬間に“演技”ではなく“素”で羽沼マコトとしての情動が出てしまって、その場では取り繕えるんだけど、ふと自問した瞬間に
「今の自分は桐藤マコではなく、その亡骸を媒介に生まれただけの寄生蜂のような存在なのでは」
と疑ってくれ
なんなら、よくよく考えると今の姿に変質していく最中の記憶が無い(意識が無かったでも記憶が消されたでも半狂乱で認識してなかったでも良い)事から、過去の自分の今の自分に“意識の連続性”が無い事に気付いて確信を深めるんだ
そきてある日キチゲが限界に達しろ
部屋で独り半狂乱になって、訪れたヒナかイロハに縋り付いてくれ
頼む - 57二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 11:34:25
剥製見たら泣き崩れて、その後にヒナやツルギクラスでも止められない最狂のバーサーカーになりそう……
- 58二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 12:21:02
そろそろ収拾がつかなくなるから世界線分けして話の多様化を目指そう
雷帝の改造手術による肉体の変貌が後天的なものなら、カイかサヤが作った薬で若返った時に元の桐藤マコに戻るルートもあるだろう - 59二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 12:34:28
自室で1人になった時に、鏡に映る姿がマコトじゃなくてマコだったりすると嬉しい
マコト曇らせはいいぞ〜 - 60二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 12:51:58
サツキたちと過ごした三年間も(雷帝との争いを除いて)楽しかったから嘘ではない。羽沼マコトもまた真実の自分である。と思ってたらエモいよね
トリニティに帰りたいと願いつつゲヘナのことも捨てられないマコトお姉さま概念 - 61せんべい25/07/09(水) 18:47:47
結構皮肉な概念だな
- 62二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 19:15:01
1で出た総受け気味コメディ感もある世界線
(ゲヘナ組の好感度クソ高い、ナギサもかなり悲しいが心の整理をしっかりつけてる?)
19が出してくれた激重シリアス世界線
(カヨコの巨大な傷になってる、ナギサがマコが死んでしまった事を実感し交流の中でマコトに恋してしまってる、ミカのゲヘナ憎悪が限界値)
かな、所属諜報部らしいけど、ティーパーティーや正義実現委員会との系列組織だったのかな - 63二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 19:31:34
ふと思い出したんだがゲヘナの風呂って70度が基本だっけ
マコト人体改造されて悪魔ボディになってなければ風呂に入れなかったのでは - 64二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 20:04:10
トリニティはイギリスモチーフだから立派な諜報組織ありそうだよな
1世界線だとジェームズ・ボンド気取って調子乗った末に新一して19世界線だとカヨコとお互い諜報員だと気づかぬまま友人になり雷帝に取っ捕まると
どっちにしろそこまで優秀じゃなかったっぽいな…人に好かれる才能はあったっぽいが - 65二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 20:56:24
頭は良くて人に好かれるのは共通ぽいけど、共通して人を信じすぎてスパイに向いてなかったのかもしれない
- 66二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:37:29
- 67温度差で風邪引く25/07/09(水) 22:06:07
先生、あのね。相談したいことがあるの。
……それってマコト先輩のこと? って……すごい。先生はなんでもお見通しだね!
それでね、相談なんだけど……。
最近ね、マコト先輩と一緒にいるとすっごくドキドキするの!
マコト先輩に「イブキ」って名前を呼ばれるたびにね、ふわふわ〜ってしてね、ぽやぽや〜ってするんだよ!?
それでね、それでね! 前みたいにマコト先輩の背中に登ろうとしたら、なんだか恥ずかしくなっちゃって……イブキが迷ってたら、その時またマコト先輩が……。
あれ、先生? どうしたの?
相談事が思っていたより明るくって……?
うーん……………どういうこと?
- 68二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:33:32
あら^~
- 69二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:35:15
天然のタラシだなあ
- 70二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:36:51
1世界線でも羽失って背中にトラウマ持ちかねないのにイブキは登らせてあげるんですねマコト先輩…
- 71二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 00:23:53
ナギサと対面する時は帽子を前に傾けて顔を隠そうとしそう
- 72二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 07:29:02
私は□崎□□に憧れていた。アイツのような力があれば守れる物は増えるだろう。
私は桐藤□ギ□に憧れていた。アイツのような聡明さがあれば何か変わっていたのだろう。
私は□前サ□□に憧れていた。アイツの統率力と精神力は私が最も欲した物だった。
私には何もない。
私が何者か、知っているはずなのに知らない。
「やはり、"そう"なってしまったか。」
目の前の女が呟く。その女はかつての宿敵だった。
「私も詳しくはわからない。だが、それがお前の本質らしいな。」
新しく生えた6枚の羽を動かす。懐かしい感触と違和感が羽を包んだ。
私が何者か考えるのは、今は少しやめておこう。
少なくとも私の本質は"化物"なのだから
制約解除決戦:ルシファーの悟り - 73二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 07:34:12
すばらし…
- 74二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 07:42:40
ルシファーの翼が何枚かは色々説があるけどここでは定数から2枚欠けてるか形状が違ってたりして
- 75二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 11:01:14
知名度の高さからしてキヴォトス全土に影響与えそうな存在だ……雷帝め
- 76二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 12:37:03
雷帝の遺産として桐藤マコを羽沼マコトにした際の研究資料と実験材料が残っていたりしないかな?
- 77二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 15:03:04
マコトがバーローポジ カヨコが阿笠博士ポジ
万魔殿ズが少年探偵団ポジ
ナギサが蘭ポジなら
灰原ポジはいるかな、同じようにトリニティ系から改造された仲間 - 78二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 15:32:35
- 79二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 15:52:48
- 80二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 17:58:38
元トリニティとか実験台ってならイブキじゃない?
トリニティでの記憶もないような赤子の頃に攫われて悪魔に改造されて、それを知ったマコトに保護されてって流れで
これだとイブキ本人に元天使って自覚は一切無いけど - 81二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 18:20:08
イブキがゲヘナの悪魔要素フル盛りだし、あり得そう
マコトが成功を下に最終形態がイブキみたいな感じかもしれない - 82二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 22:06:48
「それでは、始め」
早朝。
ゲヘナ学園の寮室の一つで、2人の少女が鏡に向かい合っていた。
1人は氷室セナ。常と変わらず青いナースウェアに身を包み、患者に寄り添っている。
1人は羽沼マコト。露出の少ない普段とは異なり、腹部を大きく晒す軽装。背に白い羽を付けて、手にはリモコン。彼女は等身大の鏡に向かい合っている。
マコトがリモコンを弄れば、それに合わせて白い羽が緩やかに動く。鏡に映る羽の動きを、緑の目が追っていた。
2人がしているのは、幻肢痛の治療だ。
失われた羽の感覚がマコトに未だ残っており、かつその部位に痛みが起こる。日常生活の中で不定期に、短い時間だけズキズキとヒビ割れるような痛みが奔るのだ。
これは恐らくは脳や脊髄での伝達異常によって発生しているものだとセナは結論付け、ミレニアム製の義肢の羽を使い「幻肢は無傷である」と脳に情報を送る形で治療している。
その為にセナは毎朝マコトの自室を訪問し、20分のセラピーに勤める生活を続けていた。
治療を始めたのは、凡そ二年前。
雷帝が卒業して少しした頃に、幻肢痛に苛まれるマコトが信用できる医者であるセナに事情を話したのがキッカケだ。
桐藤マコが羽沼マコトに至るまで。その歩みを聞いたセナは驚愕の念を抑えきれなかったが、医者として切り替えて専門から少し外れる治療にも専念してくれた。義肢が必要であると判断すれば、そのために義肢装具士としての資格を取り、義肢の羽をミレニアムからわざわざ取り寄せる程だ。
その甲斐あって今では幻肢痛も随分と和らぎ、日常生活の中で少しの違和感を感じる程度に収まっている。 - 83二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 22:07:48
「この調子であれば、あと半年もすれば完全に解消されるかと」
けれど、マコトはそれを素直に喜ぶことが出来なかった。
「……なにか、気になる事でも?」
感情のない顔を伺い、セナが尋ねる。
毎朝の治療を二年も続けていれば、相手の機微も何となく察せられるのだろう。若干の後ろめたさを感じつつ、小さく口を開いた。
「怖いんだ」
すぐに、言わなければ良かったと後悔した。
口を閉じるべきだと理性が言っている。なのに、言葉は自然と零れ落ちた。
「私が、桐藤マコだった証が、体から無くなっていく気がして」
聞かせるべきではない。
「初めは痛みが苦しかった筈なのに、今では痛みがないことが苦しいんだ」
自分から頼んだのに、こんな事。
「……………すまない。……忘れてくれ」
返事はない。
リモコンに触る手の音と、義肢の羽の駆動音が嫌に響く。
少し目を向ければ見えるだろう彼女の顔を、マコトは見ることができなかった。
- 84二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 22:44:04
今のマコトに白い翼をつけるってビジュと幻肢痛のお労しさと消えていく過去の重さがたまんねぇなぁおい…!
- 85二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 05:40:32
全身真っ黒の中で機械の羽だけは白いというコントラストは素晴らしくないか?
- 86二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 13:29:17
お労しや姉上
- 87二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 19:28:15
雷帝の遺産でもあるのがマコトなのかも
- 88二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 19:29:54
ここのマコト90年代少女漫画でよくあった骨だけの羽を背負う構図とかCLAMPが書きそうなボロボロの羽に鎖が絡みついてるのとかめっちゃ似合いそう
ていうかぼんやり想像してみたけどCLAMP作画のマコトって容易に想像できるな - 89二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 19:31:02
顔が良いからな…
- 90二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 20:34:47
このレスは削除されています
- 91二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 20:36:51
え…すごいすき…
- 92二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 20:37:01
- 93二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 20:39:30
このレスは削除されています
- 94二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 20:45:38
- 95二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 20:50:45
- 96二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 21:05:54
ナギサ特攻になる素敵な絵だ
- 97二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 22:04:03
>>92 から着想を得て
ふと鏡を見ると私が映っている。
今よりも明るい色合いの髪。似ても似つかぬ柔和な線を描く金色の瞳。そして今の私が決して浮かべる事の無い優し気な笑み。奪われた、白い翼が背にあった。
鏡の中に過去の私が立っていた。
幻覚だ、と強く念じる。迷いが生み出したまやかしだ。否定すれば、拒絶すれば消えてしまうまぼろし。どれだけ戻りたいと願っても叶わぬ泡沫の夢。この穢れ切った身体では届かぬ願い。
だけれど、過去の私は消えなかった。
やめてくれ。戻れたと錯覚してしまう。
消えてくれ。無駄な希望なんて持ちたくない。
あの女にこの身を汚されてから幾夜願ったか。
あの女の下で泣かぬ夜など一夜として無かった。
実験動物で愛玩品だったあの頃の記憶が溢れ出す。
鏡像の私が血に塗れていく
翼を捥がれ泣き叫んだ。
あの女は飛んで逃げなくなったと喜んだ。
思い出の白い制服が赤く染まっていく
汚れた身体で妹たちの元には帰れないと泣き崩れた。
あの女はこれで私の元から離れられないと笑った。
純白の翼も赤で穢された
切り刻まれ薬漬けにされ変わり果てた姿に慟哭した。
あの女はお前は私だけのものだと名を奪い名を与えた。
嗚呼、私は未だ、悪夢/あの女に囚われている。
- 98二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 23:09:27
>>1だと施設を見ていて雷帝の刺客から逃げて、その途中で羽を失ったと
幼馴染(後の連邦生徒会長)の頼みでゲヘナへ来てカヨコの助言で正体を隠す為にマコトに変わった
羽を失う過程を妄想してみた
刺客から逃げ切ったと確信して息を整える。妹に褒められた翼も傷付いてはいるが支障無く動かせる
雷帝と呼ばれるゲヘナのトップが主導していた実験施設から遠く離れた場所で私は休んでいた
今回は逃げ切った。だが次は?
奴等は執念深い。一度逃した程度で諦めはしない。地の果てまで追ってくるだろう
どうする?どうやり過ごす?
答えの出ない疑問が渦巻く中、人が近付く気配がした
「誰だッ!!!!」
「うわぁっ!?ビックリした〜桐藤さんじゃないですか」
彼女は大声に驚いたようで銃を此方に向けたが知っている顔と分かって構えを解いて安堵していた
彼女は私がゲヘナに来た頃から不思議とウマが合い共に行動する同級生だった
「なんかヤバい事になってませんか?雷帝から狙われるってとんでもないですよ」
「わかってるさ。次は逃げられないだろう」
悩む私を見て懐から薬品のような物を取り出す同級生
「賭けでは有りますけど、隠れる方法はあります。コレを飲んでください」
「何だコレは?」
「どのみちその羽じゃすぐバレます。だったら私達と同じになればいい。その薬は貴女の翼を変えるものです。試作では有りますが効果は確かです」
思わず薬を凝視する。そんな効果がある薬など聞いた事が無い。彼女が薬学に精通してるとは知ってはいたが、だとしても信じられなかった
「副作用は?」
「それを飲んだら恐らくトリニティには戻れなくなります。それは性質を変えてしまうモノ。純白の翼は悪魔のような羽に変わりゲヘナに近付く角が生えるでしょう」
脳裏に妹の顔が過り、迷いを振り払うようにその瓶を傾けて液体を飲み干した
この時、桐藤マコは気付かなかった
薬品を飲む様を見ていた同級生が────影武者では無い本物の雷帝が三日月のような笑みを浮かべていた事を
- 99二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 23:09:31
つ、つらい……!
- 100二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 23:14:16
やっぱ雷帝ってカスやな
- 101二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 23:32:30
>>97これを絵で見たい自分が居る…!
- 102二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 02:15:06
元ネタもまあ最終的に元の姿に戻るだろうしこっちも最終的には救われると信じたいね
- 103二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 07:11:21
絵を見て気づいたけどこれ、ヘイロー変化してね?
- 104二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 08:14:58
- 105二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 15:46:55
- 106二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:00:45
- 107二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 19:19:57
このレスは削除されています
- 108二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 19:22:17
- 109二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 20:12:31
ゲヘナで出来た友人が雷帝だった説、あると思います
マコトとヒナが雷帝と親しい関係だったら?なもしも
桐藤マコと空崎ヒナ
彼女達は一人の生徒とよく話をする仲だった
よく泣き、よく喜び、よく怒り──誰よりも楽しむ女
雷帝と恐れられる生徒は笑いながらこう言った
「毎日が刺激的で楽しいよねえ、キヴォトスってさ」
夕焼けに照らされた教室でマコとヒナは机を挟んでそいつと向き合っていた。生徒は殆ど残っていない
「そうか?問題ばかり起こして困らされているのは此方なんだが……」
マコは机の上に広げた菓子の群れに手を伸ばしながら辟易とする
「落ち着きがある生徒の方が珍しいでしょ。ゲヘナではね」
ヒナは飲料水のペットボトルを揺らして諦めたように呟く
治安を憂う二人にくすりと微笑んだ雷帝
「やりたい事があるって素敵よ?エネルギーに満ち溢れているからこそルールで抑えられない爆発を起こす。それを制御してしまえば学校の為になるでしょう」
「制御って……出来ると思うか?」
「出来る。同じ人間だからね」
強い主張に閉口したマコに代わりヒナが尋ねる
「どうするつもりなの?厳格なルールは逆に反発を生む。それが分かっていない筈は無い」
「簡単よ。より強力な爆発をするように手助けすれば良い。『貴女のやりたい事をさせてあげる』とでも言って恩を売ってあげるの。ルールで縛るのではなくレールのように誘導して恩という火薬を注いで目標に発射する。そうすれば人は動いてくれる」
笑みを絶やさずに、悪魔のように語った
「言葉こそが私達の最大の武器。銃よりもなお手軽に使えて容易く人を貫く。まさしく奇跡だと思わない?」
- 110二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:57:21
- 111二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:34:41
- 112二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 01:50:40
わざわざマコトの本来の翼を剥製にして保管してるのが怖い
- 113二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 01:53:38
- 114二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 03:29:32
軽蔑していた。
雷帝の副官だという女。なのに何度も反乱を企ててはすぐに踏み潰されお仕置きだと鎖に繋がれて雷帝の自室に連れていかれる、雷帝に「我が叛逆者」と寵愛される意味のわからない女。大々的に倒錯的な睦事を見せつけるなんて気持ち悪いとしか言えなかった。
話したことはほとんどない。知ろうともしなかった。
だから、雷帝への決起寸前、私も参加した本格的な反乱の絵図を描いたのが彼女だと知らされ驚愕した。今まで潰されてきたのはこの本命を悟られないための見せ札。我が身を犠牲にして反雷帝同盟とさえ言える組織を作り上げたのは羽沼マコトという私が軽んじた女だった。
戦いが始まっても信じ切れない。それほどあの女は雷帝の近くにいた。
だけれど、苛烈に、冷酷に、正規軍たる万魔殿の戦力をあらゆる策略で叩き潰していく羽沼マコトの指揮に疑いなど差し挿む余地は無い。私たちと同じように、怒りと憎悪を以って雷帝に立ち向かっているのだと嫌でも思い知らされた。
そうして学園中枢の半分を焼け野原にした反乱は終結した。
雷帝は卒業したというカバーストーリーのもと追放。ヤツの研究の全てを破棄することが反乱組織で即座に決議された。私はその捜査に立ち会い――悍ましい真実を知った。
何百人もの、数え切れないほどの人体実験の犠牲者。
その中に羽沼マコトの名前があった。
消された過去。別人に変えられた顔。そもそも彼女は悪魔ですらなかった。
情報部にいたのだ。これだけピースが揃えばそれがどういう意味を示しているのか解ってしまう。思い起こされるのは雷帝が飾っていた羽の剥製。あれが、人の、人間のものだったとしたら。それを飾る部屋に何度も何度も連れ込まれていた彼女は、何を思って――
その後、崩壊した議会を建て直し万魔殿を掌握した彼女は議長となり、残った武力を統率した私は風紀委員長となった。内戦同然のゲヘナの荒れ様を他学園に悟られぬために万魔殿は横柄に振舞い風紀はそれに反抗するというお芝居を続けることになる。
雷帝を倒しても、享楽的な悪魔を演じなければならない彼女。
私、空崎ヒナは――軽蔑し遠ざけ、羽沼マコトを救うチャンスを失ってしまったことを永劫に悔やむことになった。
今もまだ、彼女は故郷に帰れずにいる。 - 115二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 05:22:29
良…
- 116二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 09:12:27
雷帝がサイコレズのボスキャラにしか見えなくなった
- 117二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 09:17:46
カヨコが便利屋にいるのはアルちゃんが雷帝に似てたからと仮定してみる
初めて陸八魔アルに会った時は生き写しかと鬼方カヨコは驚愕した
今でも悪夢を見るほど忘れられないあの女に似ていたからだ
人を惹きつけるカリスマを持ち、並大抵では敵わぬ実力を備えて、しかし時折ドジも踏むので支えてやりたいと思わせる
カヨコにとって陸八魔アルは雷帝の再来と最初だけ認識していた
共に過ごしていく内に決定的な相違に気付いた
記憶の中の雷帝にあった悪辣さ、異常な愛の深さ、そして常に爆発寸前のニトロのような憎悪をアルは持っていない
あの悪魔とは違うと気付いてから安心して眠る事が増えたのだ
雷帝の言葉がリフレインする
「何でいつも楽しそうなのかって?だって私達はいつも何が起こるか分からない現実に身を投じて生き残れるかどうかのギャンブルをしてる。一日ごとに私達は寿命という賭け金を消費してるんだ。こんなに楽しい遊びは他に無いでしょう」
否定したかった。しかし惹かれてしまったのも確かだった
あの愛に包まれてしまったらどうなるのか、今でも鬼方カヨコは考える - 118二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 10:24:48
クソ野郎だとしてもあの自由と混沌のゲヘナを束ねる能力はあったんだよな雷帝…
- 119二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 10:40:02
ゲヘナを「愛」で統治してそうだなこの雷帝
雷帝になってから自由と混沌のゲヘナ学園からナ〇スみたいな監視社会と過酷な統制になってそう - 120二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 10:45:17
- 121二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 11:54:02
- 122二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 17:24:08
- 123二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 17:53:59
凄惨な第一次大戦の影響で戦前の道徳観ぶっ壊れた戦後の狂騒の20年代とかロストジェネレーションの様な世代
- 124二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 18:01:06
雷帝はクレイジーサイコレズビアンな本性上手く隠して表向きはキレイな議長やってそう。側近とか支配済みのやつの前でだけ外道っぷりを隠さず晒して怯えさせ支配力を高めてそう
ヒナは次期最強として目をかけられた上に情報部だから気付けたとかそんな感じで - 125二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 18:14:47
マコトとカヨコは今も雷帝の指と舌の感覚を全身で覚えている…
- 126二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 22:55:38
- 127二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 23:15:23
>>126愛ほど歪んだモノは無いからな
- 128二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 23:16:29
多分拷問してもレズレイサしても折れずに刃向かう姿見て「(羽もぎ)まだ逆らう…根っからの反逆者…天使なのにサタンだこいつ!好き!本物のサタンにしてあげる!(人体改造)……あぁ~…美しい…完璧で究極の悪魔だこれ…好き♥️私のものにしちゃお♥️」ってなったやべータイプの愛
- 129二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 00:47:17
カヨコが片羽なのも雷帝に愛された(意味深)からだった…?
スキル構成的に雷帝お抱えの凄腕工作員とかありそうだし魂まで蕩されそうな雷帝の服従を迫る甘い囁きと愛撫の舌のぬめりを忘れたくてヘッドホンでヘビメタを聴くようになった…? - 130二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 06:55:33
トラウマになってるじゃあないか…マコトもカヨコも
- 131二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 08:07:56
マコトにとってのサツキやヒナ
カヨコにとってのアコ
辺りが雷帝の上辺に騙されてゲヘナの為に純粋に働いてるのを見て護るんだ…って頑張ってそう - 132二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 09:46:35
その分真実を知った時のダメージでかそう
- 133二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 09:51:29
- 134二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 12:00:01
天使の体にサタンが宿ってたから本来目覚めるはずがなかったサタンの神秘が悪魔に改造されたことで解放され雷帝を打倒しゲヘナという巨大学園を統治できるほどの政治力を得た説
雷帝は叛逆者としてのマコトを愛したみたいだから本望っぽいのが余計にアレだが - 135二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 12:07:48
サタンにしろルシファーにしろ反逆者の要素を持ってるのがまた
- 136二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 12:18:54
あ、もしかして桐藤の娘なのにティーパーティーのお政治要員にならず諜報員になってたのって天使時代のマコトはサタンが目覚めてないので政治力がカスだったから?
- 137二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 15:09:18
- 138二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 16:09:56
- 139二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 18:14:02
>>138なんて業の深い事を…
- 140二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 20:04:43
もしかしたら出来の良い優秀な妹派閥と出来の悪いお人形の姉派閥で別れていたのかもしれない
- 141二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 20:22:49
もし本当に桐藤の誰かが売ったとしたらマコトの素性知れた瞬間ミカのゲヘナ憎悪が反転してトリニティ滅殺になっちゃうじゃんね☆
ミカはマコトのこと聡明な人って見抜いてたし見る目ねえな桐藤の誰か… - 142二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 20:38:51
雷帝と桐藤家が裏で繋がってる説とても闇深で私性合……
- 143二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:01:33
キヴォトス全土に影響与える存在が居たのにトリニティが何もアクション起こさなかった辺り本編でも雷帝一派とトリニティ上層が繋がってたとかありそうで怖い
- 144二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 22:48:58
ナギサに「姉の最期を教えてください」って詰められたらマコトはどうすんだろ
誤魔化すのか互いが傷つくのを承知で話すのか - 145二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 23:47:39
- 146二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 01:22:15
朦朧とした意識を体中の痛みが繋ぎ止める。
もう自分が立っているのか倒れているのかもわからぬのに鈍らぬ痛みが眠ることさえ許さない。
『強情だな』
呆れた声。
耳がまだ聞こえることに驚いた。百を超える種類の痛みを味わわされてなお潰れていなかったとは。この尋問、否、拷問が始まってから何日が過ぎたのだろう。甚振られ、純潔を奪われ、羽も捥がれた。これ以上なにを奪おうというのだろう。なにを欲しがっているのか。
『なぁ桐藤マコ。いい加減トリニティに愛想が尽きたろう?』
ああ…何日前だったか、裏切れと言われた気がする。
何度問われても答えは変わらない。
『…何がお前をそうさせる?忠義か?郷土愛か?それとも私への憎しみか?』
憎しみ?憎んでないなんて言えない。何もかも目の前のこの女に奪われたのだから。
だけど違うと答えよう。
『…わからない。なんだ?皆私を恐れ憎み平伏した。何の力も無いか弱き天使が何故そうまで逆らえる?救いがあるなんてもう思っていないだろうに、一枚も残ってない爪を立てようとでもしているのか?何をよすがに耐えているんだ?』
無邪気なほどに幼げな表情で、本当にわからないと女は言う。
これほど恐ろしい相手がこんな簡単なこともわからないなんて、笑ってしまいそうだった。痛みに邪魔されて、そんなことはできなかったけれど。せめてもの意趣返しに答えを教えてやる。掠れた声を絞り出し、意地だと嘯いた。
ぽかん、とした顔。何を言われたか理解できなかったと言外に伝わってくる。
そのまま数秒、数分だったのだろうか。女は突然壊れたように笑い出した。
『ふっ、はは!ははは!意地!意地ときたか!ははは!意地だけでこれほどの責め苦に耐え抜いたか!!ふははははは!!なんだ!お前は天使なんかじゃなかったのか!お前は、■■■だったのか!!』
心底嬉しそうに、女の目の色が変わる。
遊び道具を見る目から、まるで仲間を、友人を、恋人を見るかのような蕩けた目に。
『最後の関門だ、桐藤マコ』
髪を掴まれ顔を上げられる。そして、女は言った。
『お前を売ったのはカヨコじゃない。お前の■だよ』
――そこから先の記憶はない。
意識が戻った瞬間拷問など比にならぬ痛みと苦しみの海に溺れ――再び目覚めた時には私は桐藤マコではなくなっていた。
羽沼マコト。
それが悪魔となった私の名。 - 147二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 06:15:28
- 148二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 14:21:28
ここで気に入られる答えを出しちゃったのが地獄への道になるのか……
- 149二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 18:19:09
- 150二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 18:20:26
- 151二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 18:26:06
生贄に捧げたられたら思った以上に気に入られて同種族に改造されちゃうし羽をもぎ取られるという尊厳破壊までされちゃった…
- 152二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 19:39:42
- 153二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 20:07:01
更にこれ「マコは下手人が誰か聞かされたけどショックのあまりその部分だけ記憶が飛んだ」とも読み取れるよね(その下手人にしても本当とは限らない)
マコトからしても妹も友も父も母も家も疑わなきゃいけないのか…
大穴で「夫」(卒業後に入籍が決まっていた婚約者だけどコイツがマコよりもナギサの方が好みだからというふざけた理由でマコを謀殺しようとした)とかもありますかね
- 154二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 20:19:28
夫が犯人だったらナギサをそんなクズにやれるかって意地でも記憶を保持して雷帝を打倒し新たな魔王となったマコトが社会的に抹殺しそう…って思ったけどその前に雷帝が「マコトの価値がわからないなんて生きてる意味無いから実験動物にしてあげよう♪」ってガチの抹殺してそうだな…
- 155二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 20:31:44
- 156二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 21:19:57
マコトの名前雷帝命名説だった場合
マコの漢字が真子だったら→お前はもう私が『女』にしたんだから『子』なんて付けなくていいだろう?(ネットリ
マコトの漢字が真実だったら→お前こそが真実の悪魔!全てを統べるに相応しい悪魔王!さあ叛逆するがいい!(ワクワク
マコにカタカナのトを足す→元天使だから欠けた十字をつけてあげよう!嬉しいだろう?(善意100%
って具合に下の名前だけでもキモい理由たくさん盛り込んでそうな雷帝マジキモい - 157二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:09:51
私のことについて随分と嗅ぎ回っている様だな、先生?
こんな少女の秘密を暴こうとするなど、いくら先生と言えど……。
いや待て、待て待て。
両手を地につけ頭を垂れるのはやめろ。頭を上げろ、上げるんだ先生。よし、それでいい。
全く、先生は己の立場を理解していないらしい。いいか、先生はこの万魔殿の議長であるマコト様が直々に勧誘する程の存在なのだ。そう易々と頭を下げるものではない。
それに先生が探ろうとしていた理由も理解している。私が同じ立場であったとしても探ろうとしただろう。別に気にしてはおらん。
尤も、このマコト様なら相手に気取られる真似はせんがな! キキキッ!
……で、先生は私の秘密を言いふらす真似などしないだろう?
うむ。それなら良い。私はお前の人格も高く評価している。だから、これは釘を刺しに来ただけに過ぎん。念の為にな。
──む。なんだ、先生。
今から一緒に出かけないか……だと? 悪いが、今朝から身に覚えのないクレームが多く来ていてな。その対応で忙しい。また今度に……すまない、電話だ。失礼。
どうした、サツキ。
……仕事の終わる目処が付いたから、私は来なくて良い? 折角だから何処かに出かけてきたら? いや、一体どういう……………切られた。
……というわけで、私は暇になったらしい。
何の企みかは知らないが、先生に付き合うことにしようじゃないか。 - 158二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:12:25
- 159二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:14:12
マコト議長とシャーレの先生じゃないですか!
ちょうど良いところに……っと、こんな場所まで一体なんの御用です? 何かあればまた依頼してもらえれば!
ほうほう。マコト議長が組んだ予定を邪魔した美食に報復すべく追いかけていた……ですか。
それで、その美食は……今は捕まえて風紀委員会に渡してある。それは良かった。
そうそう、そうですマコト議長。
私たちもマコト議長に報告したいことがありまして……先日依頼して頂いた銅像の設置。あれは結局、風紀委員会に阻まれ成す事ができませんでした。
だが、私たちは義理堅い問題児! 代わりに一つでも貢献せんと、仕事を果たして来ました!
そう! 万魔殿ポスターを各地に貼り付けてきましたとも!
校内のあちこちから商店街に、スラム街の隅々にまで。拒否するところあらば実力行使で分からせ、押し入り打ち破り任務完了してきました!
……今朝から身に覚えのないクレームが大量に来ていたのはそのせいか………?
……………、…………。
───すいませんでしたぁーっ!! - 160二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:15:44
やぁやぁ、先生にマコト議長!
随分とお疲れの様子じゃあないか。何かあったのかい?
……依頼していない万魔殿ポスターの強行貼り付けで出た被害の後始末で各地に謝罪へ回っていた? それはそれは、何ともまた…。
うむ、ならば温泉はどうかな。
いいや、一緒に掘ろうという提案ではないとも。
この道を真っ直ぐ進んだ先に私たちの建てた温泉がある。そこで休んでいくのはどうか、というお節介さ。
ハハッ、議長は察しが良いな。
『先生からも好評だった』というのは良い宣伝材料になる。私の狙いはズバリそれだ。
私は掘るのも建てるのも好きだが、さらに温泉を維持していく事もまた好きだからな! ハーッハッハッ!
……………ああいや、『万魔殿の議長からも好評だった』というのは別に宣伝材料として期待していないぞ? マコト議長。
- 161二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:16:51
“良い湯だった?”
“……良い湯なだけに以前起こされた問題に尚更腹が立つ? そっか……”
“今日はお疲れ様、マコト”
“ごめんね、本当はもっとゆっくりしてもらうつもりだったんだけど……”
“うん。マコトと2人で話がしたくて、サツキにも手伝ってもらったんだ”
“私はね”
“エデン条約のときに、マコトがアリウスと組んでたのは、カタコンベにいて手が出せない彼らを誘き出す為だったと思ってる。どうかな?”
“……もしそうだとしても、騙し討ちを受けいいように捨てられてたら意味がない? そんな卑下しなくても……”
“それで、マコトはアリウスに騙されてしまったけれど”
“きっとそれは、マコト自身に「ゲヘナを憎む」っていう前提が無かったからなんじゃないかな?”
“だからマコトには、もう何百年と関わりのないアリウスがゲヘナを憎むってことが想像すらできなかった”
“私はマコトのそういう、ゲヘナを愛しているところが好きだよ”
“だからさ”
“無理に過去を隠す必要も、ないんじゃないかな” - 162二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:23:19
「……なに?」
マコトの声が響いた。
──今、先生は何と言った? 過去を……隠さなくて良いと、そう言ったのか。
彼女の緑の瞳が一瞬揺れ、帽子を軽く押さえる手が無意識に強ばる。
「キキッ、どうやら先生は理解していないらしい。
ゲヘナとトリニティは対立関係にあるのだぞ? 全ては明かさないにせよ、トリニティ出身の者がゲヘナのトップであるということがバレるだけで一体どうなるか……」
先生の言葉を笑い飛ばす。
いつもの高飛車な口調で、彼女は自分の動揺を隠そうとする。
だが、心の奥底では、かつての桐藤マコの記憶がざわめいていた。純白の羽、ナギサの笑顔、トリニティの白い制服。そして、雷帝の実験室で聞こえた自分の叫び声。全てを押し込め、羽沼マコトとして生きてきたはずなのに、先生の言葉はまるでその仮面を剥がそうとするかのようだった。
「“どうなるのかな”」
先生の軽い口調に、マコトは一瞬言葉に詰まる。 - 163二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:24:45
「まず、生徒たちの間で暴動が起きよう」
「“何もなくても生徒は暴れてるけど”」
先生の冷静なツッコミに、マコトの眉がピクリと動く。確かに、ゲヘナの生徒たちは理由がなくても騒ぎを起こす。彼女の頭に、商店街の壁に貼られた無数の万魔殿ポスターと、それに憤慨する風紀委員会の顔が浮かんだ。
「生徒たちだけではない。ゲヘナで店を営む者にも影響は及ぶだろう」
「“何もなくても店を爆破する生徒はいるけど”」
今度は、美食研究会のナギサが爆破した店の残骸が脳裏に浮かぶ。マコトは思わず額を押さえた。あの連中、確かに理由なく爆破する。例え話として、まるで説得力がない。
「それだけではないのだ。ゲヘナの地盤すら崩れかねない程の事態だ」
「“地盤なら温泉開発部が崩してるね。物理的に”」
「………どうかしてるだろこの学園!?」
マコトの叫び声が反響した。
彼女の誇張された身振りは、まるで舞台の役者のようだったが、その声には割と本気の苛立ちが混じっていた。ゲヘナの無秩序さは、彼女が議長として統治する上での誇りでもあり、同時に頭痛の種でもあった。
「“そうだね…”」
先生の憐れむような目線が、マコトは耐え難かった。せめて呆れてくれ、と彼女は心の中で呟く。 - 164二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:27:33
「……………私が抱えた秘密は、ゲヘナで起きる数多くの問題の一つでしかないのか」
マコトは思わずため息を吐く。
マコトの胸に、鈍い痛みが走る。かつての自分を思い出すたび、背中の傷跡が疼くような感覚。雷帝に奪われた羽、変えられた姿、そして失われた故郷。それでも、彼女は羽沼マコトとしてここに立っている。
一体どうして、こんな事にさえ気が付かなかったのか……。
「………いや……そうか。私は……」
──怖かったんだ。
過去が怖くて、目に届かない所にまで遠ざけようとしていた。そして、考えることすら放棄していた。
雷帝による支配の記憶が、マコトの心を締め付ける。鏡に映る自分の姿が、かつての桐藤マコではなく、羽沼マコトとしてしか存在できないことに、彼女は怯えていた。
「………妹たちを、残しているというのに。」
マコトの声は、ほとんど呟きに近い。
マコトはすぐにいつもの笑顔を貼り付ける。仮面を脱ぐわけにはいかない。まだ、彼女にはその覚悟がない。
「“問題が何も起きない、とは言えないけど”」
先生の声が、静かに響く。マコトは帽子を軽く押さえ、視線を逸らした。
「“それでもきっと、悪いことばかりではないと思う”
“マコトが隠し続けたいなら、その選択を尊重するよ”
“だけどもし明かしたいと言うなら、私はその選択を全力で支えたい”」 - 165二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:28:37
先生の言葉が、ゆっくりと心に染み込む。
彼女は一瞬、目を閉じる。脳裏に浮かぶのは、トリニティの青い空と、ナギサの無邪気な笑顔。そして、雷帝の冷たい笑い声。全てが交錯し、マコトの心を揺さぶる。
「どうやら私は、随分と怖がりらしい。」
マコトは目を細め、口元に自嘲の笑みを浮かべる。だが、その声にはどこか安堵が混じっていた。
「それでもか?」
「“もちろん”」
先生の即答に、マコトは思わず笑い声を上げる。キキキッ、といういつもの高笑い。その声は少し、軽く感じられた。 - 166二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 23:06:57
羽沼→天使の羽を切り落とし悪魔として雷帝という沼に落とす
マコト→誠に非ず真実の姿、マコから十字の一部を付け足す、真子から魔子に変えた上で一文字足した
雷帝が羽沼マコトを命名した際に考えられる名付け理由
桐藤→桐は成長が早い、軽い、耐久性に優れている、狂いがない、木目が美しいなどの特徴がある。
藤は成長が早い、蔓が長く伸びる、豆は緑だが、乾燥すると茶色くなり真っ二つに割れて中から幾つかの黒い(焦げ茶色?)豆が出てくる。
桐と藤のこと調べたら面白かった - 167二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 02:32:14
何の根拠もない印象なんだけど一連のSSをアニ先とゲ部先生がやったら雷帝黙って見てそうだけど便利屋先生がやったら
「マコトを誑かすな。只人に貶める気か」
って表情消して現れそう
それはそうと救いが見えそうなのいいよね… - 168二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 08:01:21
>>167無表情だけど目はガンギマってそう
- 169二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 15:23:03
保守
- 170二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 18:38:22
ところでさぁ…雷帝って羽沼マコトの記憶イジったりしてない?大丈夫?
- 171二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 18:57:42
この世界のエデン条約編、というかミカ周りが地獄なんよな
本編と違ってちゃんと根拠のあるゲヘナへの憎悪だし、なんとなくでゲヘナを嫌うトリニティモブ達すら嫌ってそうな雰囲気さえあるし
ノリで突き進んでたら後戻りできなくなった訳ではなく、確固たる憎悪でアリウスすら利用する事を選んでる - 172二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:27:16
ミカはマコトと直接会って誤解を解かなきゃいかんのだがマコトのゲヘナ議長って肩書きがミカの殺意MAXにするからまず話すのが難しいという…まあ多分間近で目を見ればミカなら気づくかもしれんが…その距離って殺し間なのよね…
- 173二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:30:35
表向きには自分の大切な人の命を奪った雷帝の正統後継者だからなあマコト、これでマコト殺す一歩手前にいって気づいたらミカがマジで壊れそう
- 174二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:36:13
一番最悪のパターンがナギサが間に合っちゃって庇ってマコトもろとも死ぬこと。親友と慕っていた姉同然の人を殺してしまった…となればテラー化待ったなし
- 175二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:52:18
- 176二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:59:57
- 177二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:07:46
ここの雷帝の好みのタイプってマコト見るにトリニティだとミネ団長だと思う。真っ直ぐ自分を曲げない意思の強い女が好みっぽい。頭はいいけどその場の感情で流されやすいミカは興味の対象外な気がする。
- 178二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 00:13:51
- 179二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 00:33:47
1世界線の雷帝は思考回路が支配者とか神よりだから愛で試練を科すってのはやりそう。マコトたちを愛で縛り苦しむ様を愛でそう
19世界線の雷帝は思考が怪物よりで基本なにも愛していなさそう。だからマコトに狂喜した
打倒されたとき
「何故裏切ったんだ、友達だろう…?一緒にキヴォトスを…どうして…」ってなるのが1世界線の雷帝で
「素晴らしい。それでこそだ。また遊ぼう」ってなるのが19世界線の雷帝な気がする
- 180二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 00:40:41
- 181二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 09:46:07
良いぞぉ……様々なマコトと雷帝が生まれている……集合知の力が高まっているぅ……!
- 182二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 10:35:45
エデン条約もマコトが自分(雷帝)を軽く超える、ゲヘナの真の王になる為のイベント感覚で進めてる可能性もあるのか
- 183二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 13:55:18
- 184二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 14:02:45
- 185二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 18:31:09
- 186二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 23:31:34
確実にここの雷帝はエッな事にも迫ってる。
- 187二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 00:43:00
取り敢えずは飲まないのが吉
- 188二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 10:04:17
保守
- 189二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 10:15:47
若返りの薬だと言っても単純に元の姿で若返るわけではない可能性もあるし、もしも羽沼マコトとして生まれていた場合の若い頃とかにもなりかねないからメリットデメリットとか以前にどうなるかわからないから飲めたもんじゃないと思う
- 190二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 10:19:26
雷帝製品というだけで飲みたくねえ
- 191二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 14:06:59
そろそろ次スレか?
- 192二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 16:15:45
雷帝のやつなら躊躇わずに廃棄した方が身のためだろこれ
- 193二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 16:24:22
でも中途半端な若返りで天使の羽が骨だけ生えてくるマコトとか美しいと思うんですよ
- 194二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 17:21:53
- 195二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 18:12:02
悪魔としての羽沼マコトと天使としての桐藤マコが混ざり合って片翼の天使の羽と欠けた悪魔の角の生えた身長の縮んだ姿とかでも歪でどちら側からも拒絶されてしまうとかありそうで面白そう
- 196沢山の概念とSSにとても感謝25/07/18(金) 22:02:23
姉と一緒に美術館へ行ったあの日のことを、私は今でも鮮明に覚えている。
あれは、まだ私たちが幼かった頃の話だ。
トリニティでも名の知れた家に生まれた私たち姉妹には、未来のための「お勉強」が山ほどあった。挨拶の作法、筆の持ち方、立ち居振る舞い――どれも堅苦しくて、幼い私は息が詰まりそうだった。
姉は、真面目に取り組んでいた。私は、よく逃げ出していた。
今思えば、それはあまりに子供っぽくて、恥ずかしい行いだった。でも、不思議とその記憶は、いつ思い返しても苦くない。
そんなある日、私たちは美術館を訪れた。
理由は「勉強の息抜き」――半分はそう言われたけれど、もう半分は「芸術に触れる感性を育てるため」だった。
けれど小さな私にとって、美術館はただの謎空間。よく分からない絵が並んでいて、数秒で飽きてしまった。退屈で、時間が止まっているようにさえ思えた。
そんな私に、美術品の見方を教えてくれたのが、姉だった。
作品の背景を語り、作者の意図を想像し、絵の中に隠された意志や技巧を指差して見せてくれた。そうやって知識が一つ加わるたび、世界が違って見えた。
「美しい」は、知ることで楽しくなる。
初めてそう思えた日だった。
けれど――何より心を揺さぶられたのは、姉の姿だった。
実のところ、姉の語り口は決して上手とは言えず、説明もどこか曖昧で感覚的だった。けれど、それでも一生懸命に、私が楽しくなれるようにと伝えようとしてくれた。
不器用ながら、私を思ってくれていた。 - 197スレ主はすっごく満足です25/07/18(金) 22:06:54
カチャリ、と。
小さな音を立てて、私は手にしたカップにそっと口をつける。
一連の所作はいつも通り、優雅に、穏やかに。
感情を悟らせぬよう、慎重に――あくまで、普段通りに。
「………」
「……………」
沈黙が、ただそこにあった。
先生に誘われて、茶会に出向いた。
「大事な話がある」とだけ告げられ、胸の内に僅かな緊張を抱えたまま席についた私の前に現れたのは──羽沼マコト。
ゲヘナの生徒会長。
そして、どこかぎこちなく、妙に緊張した様子の彼女を、先生は「あなたの姉です」と紹介した。
最初は、冗談かと思った。
少し悪趣味で、すぐに訂正されると思っていた。
けれど、先生も、マコトさんも、その表情は終始真剣で。
戸惑う私に、最初から丁寧に、すべての経緯を説明してくれた。
打倒雷帝。
人体実験。
そして、遺産の抹消。
そのどれもに、トリニティの代表として、冷静に耳を傾け、適切に反応することはできた。
――しかし、一人の妹としては、違った。
理解しようとしても、心が追いつかなかった。
三年前に亡くなったはずの姉が、生きていた。
しかも、対立関係にあるゲヘナの頂点に立っていたなど、にわかには信じ難い話だった。 - 198建てたスレが完走なんて初めて25/07/18(金) 22:08:46
説明が一通り終わると、先生は「これからは姉妹の時間だから」とだけ言い残して、そそくさと席を立った。
……いえ、立たないでください。
こんな状況を丸ごと残されては、どうすればいいのか分かりません。
結果として、私たちはほとんど会話らしい会話もできずにいる。
最初は、お互いに形式的な言葉を交わしていた。
天気のこと、紅茶の味、今の季節の行事。
けれど、どれもすぐに途切れ、会話は続かなかった。
そして今――ただ、沈黙が続いている。
紅茶の香りだけが、二人の間をかすかに満たしていた。 - 199改めて、ありがとう。ありがとう25/07/18(金) 22:11:34
カップに残っていた紅茶が底を尽きた頃。
私はそれに気づきながらも、特に何もせず、ただそっとカップをソーサーに戻した。
カチャリ。
今度はほんの少しだけ大きな音がして、静かな空気を揺らす。
「……」
視線を落としたまま、私はそっと息を吐く。
この沈黙を破るには、何を言えばいいのだろう。
どこから話せばいいのか、それとも何も話さずに済ませるべきなのか。
迷いの中で、ふと、目の前のカップに湯気が戻ったことに気づいた。
「……え?」
驚いて顔を上げると、そこにはマコトさんが、ティーポットを手に立っていた。
ぎこちない動作。慎重すぎるほどの手つき。
彼女の手から注がれる紅茶はわずかに震え、少しだけ縁からこぼれた。
「あっ……す、すまない。拭くよ」
そう言って、マコトさんは慌ててハンカチを取り出し、私のカップの受け皿をそっと拭く。
その姿は、どこか不器用で、でも丁寧で――
昔の、あの人の姿と重なった。
不慣れながらも、私のために何かしようとしてくれたあの手。
うまく言葉にできないまま、それでも伝えようとしてくれた気持ち。
私はふと、口元がゆるんでしまった。 - 200二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 22:13:08
「……ありがとう、ございます」
ようやく絞り出せた言葉は、たったそれだけ。
でも、マコトさんは少し驚いたように私を見てから、安心したように小さく微笑んだ。
紅茶の湯気が、二人の間にまたふわりと立ち上る。
さっきまでの沈黙とは違う、どこかあたたかい静けさがそこにあった。