- 1二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:01:01
最初は特に気にしていなかった。同期のおふざけの延長としてたまたま愛してるゲームが選ばれ、たまたま抽選でスカイさんが相手に決まっただけ。今の今まで、あっさり終わると思っていた。当然だろう。たった一言「愛してる」と呟くだけ。なんら難しい事ではない、数秒で終わる単純な遊び。なのにーーーー
「あ……」
「愛してる」と呟こうとした口の動きが止まる。目の前にあるスカイさんの顔。何時も見ている筈の表情。それを正面から見た段階で、私の思考が硬直する。彼女の顔は、こうも綺麗だっただろうか?
思わず言葉を区切った私。そんな私をからかうように、スカイさんはいつもの笑みを浮かべる。
「あらあら〜?どうしたのキング〜何か思うことでもあるんですかね〜?」
「…何でもないわよ」
大丈夫よ私。何ら問題はない。たった五文字の言葉を口にするだけ。それだけでいい。それだけでいい筈なのに。
ドクンーーーードクンーーーー
この胸の高鳴りは何だ?胸を締め付けるような気持ちは?これじゃまるで、異性に告白でもするような。
頭に浮かんだ考えを振り払う。いやいやいやいや、あり得ない。そんなはずはない。スカイさんは同性。そう、ただの同級生だ。トゥインクルシリーズを競い合う一流のライバルで、気の許せる友人で、一見怠惰なようですしっかりとした信念を持っていて、私が辛い時は支えてくれる、大切なーーーー
妙な方向に逸れようとする自分の頭に否定の言葉を言い聞かせるも、頭の中を駆け巡るのはスカイさんの顔。今まで育んできた彼女との記憶。記憶の中のスカイさんはとても輝いて見えた。何故このような記憶が脳裏をよぎるのか。余りにもわかりやすく単純な答えだ。こうなると認めざるを得なかった。私はスカイさんのことがーーーー
「キング?」
黙ったままの私の様子に気付いたのか、スカイさんが顔を覗き込んでくる。いつもより近い距離。空色の瞳も、透き通る肌も、首を傾げる動作も、全てが美しいと感じた。彼女を構成するあらゆる要素が私の琴線に触れている。
「ーーーーーーーッ」 - 2二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:01:15
早鐘を打つ心臓。レースでもここまで鼓動が早くなったことがあるだろうか。頬が僅かに朱を帯びるのを感じる。心のままに告げてしまえば、この胸の熱も少しは冷えてくれるのだろうか。ああ、これはまるで…愛しい人への恋慕のようで。
お母様が見たら何と言うだろう。ふしだらな娘と糾弾するだろうか。でも、私は胸に募る思いを言葉にしたくて。今までの葛藤が嘘のように、すんなりと言葉になった。
「ーーーー愛してる」
言ってしまった。しかも、自分でも信じられない位の甘ったるい声で。今の私はとんでもなく恥ずかしい顔をしているに違いない。
「え……あ………」
一瞬硬直したスカイさん。その後、私の言葉をゆっくり咀嚼するような数秒の沈黙の後、顔全体が真っ赤に染まった。
「二人ともアウトデース!!!」
「エル。空気を読みなさい。」
「ケ!??」
余談だが、その後グラスさんとエルさんは追いかけっこを繰り広げ、私とスカイさんは暫く口をきけなかった。
- 3122/04/11(月) 18:02:48
- 4二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:04:07
えーっ!?
- 5二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:05:43
とんだハニートラップじゃないか!?
- 6二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:09:00
何が閲覧注意なんだって思ったらさあ…
- 7二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:09:45
出してええええええええええええええええええ!!!!!
- 8122/04/11(月) 18:13:01
「尊い」と心の中で思ったならッ!その時スデにSSは書き終わっているんだッ!
ってプロシュート兄貴も言ってた - 9二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:18:44
ここだけの話、俺はフラウンスよりウンスキンの方が好きだ
- 10二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:20:57
腹筋ダイスよりキツめのトラップだ…
それはそれとして良SS感謝 - 11二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:34:57
スレ主!過去作品とかある!?
- 12二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:37:09
このレスは削除されています
- 13122/04/11(月) 18:40:12
それは私が過去に書いたSSを教えてという意味で合ってます?
- 14二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:41:23
な、何を言ってるか分からねえと思うが、俺は尊いssを読んでいたと思ったらssを書けというトラップに引っかかっていた…!
- 15カワスイです。出してください22/04/11(月) 18:48:56
「……やーめたっ。カワカミったら、覚悟を決めるまでが長いから飽きちゃった。アタシ、これから森に大事な用事があるの」
「ぬぁっ!? ……ど、どうして私だけが恥ずかしい想いをしなければなりませんのっ! 私! ルールに則って!! きちんと言い切りましたのに!! 『愛してる』と!!」
「ふーんだ! バカ正直に言っちゃうアンタが悪いわ!! 絶対絶対言ってあげないんだから! ……べー!」
グランマが言ってたわ。言の葉の魔法は、魔法使いが使えるなかでも最強の魔法。だから、いまのアンタに使うのは惜しいの。口が割れても、言ってやんない。
……でも、そうね。
アタシは咄嗟に席を立って、教室を飛び出す。
背中を猛追してくるアイツの気配を感じながら。
──これは簡単な束縛の魔法。対象者を、術者の虜にしてしまう魔法。ずっとアタシだけを見てくれるように。ずっとアタシに夢中でいてくれるように。声を出さずに唇だけを動かして、対象者に気付かれないようこう唱えるの。
「……ア・イ・シ・テ・ル。」 - 16二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 18:54:49
おう、一生ここにいるからみんな書きな
- 17レス14、オグタマ。出ます22/04/11(月) 19:05:46
- 18カワスイで脱出した人22/04/11(月) 19:08:07
ホラ出ろ出ろ!! ……やっぱり出るな!!
- 19122/04/11(月) 19:10:48
- 20RRIでやったら多分こう22/04/11(月) 19:30:54
「ほうほう、今トレセンでは愛してるゲームが流行っているようですねぇ…我々も流行に乗り遅れてはいけません!RRIの結束力!見せてあげましょう!!」
「オーダー受領。ミッション、愛してるゲームを開始します」
「ふえぇぇ…愛してるゲームってそういうものなの…?」
「それでは私から!ブルボンさん!愛しています!」
「はい。ありがとうございます」
「(さ、さすがサイボーグブルボンさん…ピクリともしない…)」
「続いてはい!ブルボンさんからライスさんに!」
「え!?2人でやるんじゃないの!?」
「はい。ライスさん。愛しています」
「あ、ありがとうございます…?」
「…さすがライスさん。この程度ではびくともしません」
「(びっくりしすぎて反応できなかっただけなんだけど…)」
「では最後!ライスさんから私へ!どうぞ!」
「ええと…バクシンオーさん。あ、愛してます…」
「はい!知ってます!」
「これそういうゲームじゃなくない…!?」
「全員勝利!これで私たちが愛してるゲームでも模範的なことが証明されました!」
「ミッションコンプリート。誰が来ても、負ける気はしません」
「勝ち負けの問題じゃないよ…」
「皆さん!勝利に向かって、バクシーーーン!!!」
「おー」
「お、おー…?」 - 21122/04/11(月) 21:07:49
- 22二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 21:33:29
パンくずちぎってスズメを誘導してザルで捕獲するタイプのワナにかかった気分ですね
- 23テイネイテイネイテイネイ~22/04/11(月) 21:48:18
「ねーねーネイチャ~?」
「んー? どしたのテイオー」
盤上の駒に触れては指を離し、もう一度触ってみてはまた迷ってため息。
しとしとと降り続く雨をBGMに、アタシは指を口元に添えながらウマホの画面をじっと見つめて……薬指で画面を暗くして一旦休憩する。
流石にcpレベル30はまだ早かったと反省しながらしょぼしょぼする目を右手で揉みほぐしていると、読んでいた雑誌を放り投げたテイオーがアタシの左肩からひょっこり顔を出す。
「あのさ。愛してるゲーム、って知ってる?」
「あー、……あれね。前にマヤノたちとやった気がするかも」
おぼろげな記憶を引っ張り出してそう返事をすると、心なしかテイオーの耳がピコンと機嫌よく跳ねた気がした。
「じゃあさ、今からやらない?」
「え~、なんでよ」
「んー、なんとなく」
まったくこのじゃじゃウマ娘は……と呆れるアタシをよそに目の前の少女はすっかりやる気になってしまっているもんだから、仕方なくこの遊びに付き合うことにする。
じゃんけんの結果先攻となったアタシをじっと見つめながら挑発的な笑みを浮かべるテイオー。その余裕綽々な態度をどうにか崩せないか思案するけど、正攻法じゃまったく効かないだろうし。
かと言ってオヤジギャグはーー絶対に効果がない。むしろ笑いの沸点が低いアタシの方が自爆する。
「ネイチャ~、まだ~?」
痺れを切らしたテイオーがパシパシと尻尾を床に打ち付けるのを見て、ようやくアタシは覚悟を決める。 - 24テイネイテイネイテイネイ~22/04/11(月) 21:48:30
「ごめんごめん、作戦考えてたとこでさ」
「へぇ~、それは楽しみぞ、っ!」
「……愛してる。だってテイオーのこと、ずっと見てきたから。どんなときも、これからも」
ダッ、と前のめりになってその均整の取れた顔を覗き込みながら、囁くように優しく、それでいてはっきりと。
多分余裕なんて欠片もない顔をしてしまっているけどどうでもいい。ほら、予想通り目をぱちくりさせて────
「ふふっ……ボクも愛してる。大好き、ネイチャ」
「ーーーーッ」
心臓がバクバクと音をたてる。頬がじゅわっと熱を帯びて吹き出した汗を一瞬で蒸気に変えてしまうくらい熱い。自分が今、何をしているかさえ分からなくなるくらい頭が回ってくれない。
「っ、っ、って、ていおー?」
──アンタ、そんな艶かしい声も出せたんだ。
なんだか頭がクラクラして、飛び散った火花がそのままツインテールに引火してしまいそうな気分。
「もう……ムリ……」
アタシは布団にくるまって、そんな情けない声をあげることしか出来なかったのだった。
- 25二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 21:49:14
このレスは削除されています
- 26テイネイテイネイテイネイ~22/04/11(月) 21:49:30
急造なのでなんかよくわからない流れになってしまいましたが……ともかくサラバ!
- 27二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 21:54:00
このレスは削除されています
- 28122/04/11(月) 21:55:30
特に過去作が駄目みたいな縛りはないですね
- 29二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 21:59:03
スレ主のssマジで好きだわ...ss宣伝スレに置いた?
- 30122/04/11(月) 22:00:41
忘れてた、レスしときます
- 31二次元好きの匿名さん22/04/11(月) 22:03:35
このスレにいて良かった…テイネイssを見られるなんて…
- 32122/04/11(月) 23:38:30
ありがとうございます
- 33二次元好きの匿名さん22/04/12(火) 00:00:18
「やあ、シャカールくん。愛してるゲームというものを知っているかい?」
「はぁ?なンだ、それ」
「ふふ、愛してると言い合って、照れた方が負けという簡単なゲームさ。相手に恋愛感情があろうとなかろうと、愛の言葉というものはどうも言う側にも聞く側にも強い羞恥心、興奮、困惑といったさまざまな感情を抱かせるようでねぇ。それがゲームという強制的な——」
「オイ。無駄話するんじゃねぇ。なんのためにここに来たと思ってんだ」
「ああ、もちろん!ウマ娘研究学会に所属している私しか持っていない、走法論最新の研究報告だろう?フフ、キミが私に頭を下げてきたときには驚いたよ」
「チッ。テメェに下げる頭なんざなかった、と言わせる前にとっとと寄越せ」
「ああ。——愛してるよ、シャカールくん」
タキオンの悪戯っぽく細められた瞳を見る。その虚ろな目が嫌いだった、不気味で、なにを考えてるかわからない——読めない女。そのくせ手のかかる女。早くトレーナーでもつけて生活を管理して貰えばいいのに、彼女が望めば引く手数多だろうに。頑なにトレーナーをつけず、レースにも出ず、ただ速さを追求している。
シャカールがレースで勝つために走りを研究しているのに対し、タキオンは勝つためでもないのに速さを、限界を、研究していた。利害が一致するだけ、目的も性格もまるで合わない、変な女。
「あァ、オレは大っ嫌いだけどな」
「フ、っアハハハハッ、そうかい。それもまたキミらしいね」
タキオンは微笑んだ。そこに落胆もなにも、感情の揺らぎはまるでない。それにイラついて、思わずタキオンの額を指で小突く。「イテッ、なにす……」シャカールは、不満そうに額を押さえるタキオンに向かってべ、と舌を出した。
「なに信じてんだ、お前は」
報告書、ありがとな。と、そのまま振り向かずに部屋の外に出た。ポカンとした顔のタキオンを残して。
「……はは、そう、来たか」 - 34二次元好きの匿名さん22/04/12(火) 00:01:49
はじめてSS書いたけど、掲示板だと文字や行が詰まってると見づらいな
物語の書き方は知らんが、少なくとも適度に改行は入れたほうがいいということをしれた、SSを書く機会を与えてくれたスレ主に感謝 - 35二次元好きの匿名さん22/04/12(火) 00:05:49
愛してるを言わなさそうなシャカールに「嫌い」と言わせた後で「嘘」と言わせることで愛を告げさせるの良いな…
- 36二次元好きの匿名さん22/04/12(火) 08:28:19
いいスレだな...スレ主、ぜひ新しいss書いてスレ建てた時はこのスレを出したりしてくれ、書いたのがスレ主だと分かるから。マジで応援してる
- 37122/04/12(火) 12:02:59
ありがとうございます
- 38やっつけ22/04/12(火) 12:25:57
スペ「スズカさん、愛してます!」
スズカ「私もよ、スペちゃん」
スペ「スズカさんが走ってる時の真剣な眼差しがカッコいいです!」
スズカ「スペちゃんが美味しそうにニンジンを食べてるとこが好き」
スペ「クルクル回ってるスズカさんはとっても可愛いです!」
スズカ「お母さん思いで優しいスペちゃんを愛してるわ」
スペ「えへへ///」
スズカ「ふふ…///」
テイオー「ねーあの2人愛してるゲームのルール分かってるのかな?」
ゴルシ「テイオー、ああいうのは放っておいてやるのが優しさってもんだ」
テイオー「ナニソレ…」 - 39二次元好きの匿名さん22/04/12(火) 18:21:53
このレスは削除されています
- 40122/04/12(火) 18:22:55
ありがとうございます
- 41シャカファイ22/04/12(火) 18:30:57
何故かは知らないがオレは愛してるゲームに参加させられていた。
「じゃあ負けた方は何でも言うこと聞くってのはどう?」
誰かがそう言ったのを皮切りに、王様ゲームのような愛してるゲームが始まった。
オレの相手はファインだ。
「シャカール…」
いつもの騒がしさは鳴りを潜め、恥じらう乙女の表情をしたファインがそこにはいた。
「あ…あのね、シャカールは確かに乱暴な所はあるし、そっけないけど」
ファインはしどろもどろに鳴りながら言葉を繋ぐ。
「私はそんなシャカールの何気ない優しさを知ってるし、普段見せない熱く、高潔な光を纏ったレースをしてる時のシャカールが、いや、シャカールの全てを、」
まずい、これは。
「…愛してるよ!」
…刹那、オレの顔は痛みに歪んだ。 - 42シャカファイ22/04/12(火) 18:33:03
「さぁ…これはどうだ!?シャカール選手!」
…恥ずかしかった、言ってる方が恥じらいすぎて負けると思ったよ。
さぁ…シャカール!大人しく私の言うことを…
「おっと、これは!!!シャカール選手無表情!顔色一つ変えません!」
う、嘘…強いとは思ったけど…まさか無表情なんて…
「さぁ、次はシャカール選手のターンです!」
どう動くんだろうと思考を巡らせていた所、シャカールが突然私の方へ歩いてきた。
「おっと、シャカール選手、ファイン選手の近くへ…こ、これは!」
ダァン!と顔の隣で音がした。
これは…ドーベルの本で見たことがある。俗に言う…
「壁ドンだぁーっ!そして更に近づいて…!」
…ぎゅっ。シャカールは私を抱き締めた。
シャカールの体温、吐息、鼓動、全てが伝わる…そして、そんな私の全てを奪うように彼女は囁いた。
「…愛してる」
私は腰が抜けてしまった。そして、気を失った。 - 43シャカファイ22/04/12(火) 18:33:29
- 44二次元好きの匿名さん22/04/12(火) 18:34:42
シャカール暗殺教室読んでて草
- 45122/04/12(火) 19:56:43
ありがとうございます
- 46二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 00:34:19
保守しとく
- 47二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 11:23:33
保守~
- 48二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 22:30:57
愛してるを言えるウマ娘達いいよね
- 49二次元好きの匿名さん22/04/14(木) 09:52:47
いい…
- 50二次元好きの匿名さん22/04/14(木) 19:15:58
マヤ「ブライアンさん、愛してる♡」
ブラ「おい、今日は何のおふざけだ」
マヤ「愛してるゲームだよ」
ブラ「…くだらん」
マヤ「え~!?ブライアンさんのケチ~!!」
ブラ(無言のキス)
マヤ「へ?」
ブラ「建前などではなく、好意はストレートに伝える物だろう」
マヤ「」 - 51二次元好きの匿名さん22/04/14(木) 19:17:07
バニーファイン見たい…
- 52122/04/14(木) 21:56:16
生産者表示
- 53二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 01:05:21
・・・ふと考える。私は、目の前の少女のことをどう思っているのかと。
いつものケンカ、意地の張り合い、お互い引くに引けなくなってから、少しクールダウンした頭が回りだす。
そして、あぁ、と腑に落ちる。そうなのね、これが・・・
とある日の放課後、誰かが愛してるゲームをしようと言い出して、誰かが乗っかって、あんまに乗り気じゃなかったけれど煽られてしまったならしょうがない。襲い来る気恥ずかしさと戦いながら「愛してる」の言葉を投げつける。
―――しかし想像以上に気恥ずかしい。恋なんて感情は生まれてこの方憧れこそすれ抱いたことなどないため解らないが、世の恋人たちはよくぞまあ平然と愛をささやけるものだと感心する。ここまで冷静になれたのも本来初心な彼女が必死に言葉を紡ぎだそうとしている様子が少し可笑しくなってしまったからなのだが、それにしても・・・。
(・・・やっぱ可愛いわね、コイツ。カッコイイ路線じゃなくてもいけるんじゃないかしら?)
たまにこっちを見ては泳ぎだす目、少し赤く染まった頬、どこか所在なさげに揺れている尻尾。いつも見慣れている彼女の少し見慣れない動きを眺めつつ、スカーレットの思考は心の海を潜っていく。
ウオッカ。目の前の少女。同級生であり、同室であり、この学校でおそらく一番よく知っている女の子。バイクが好きで、カッコイイが好きで、少し子供っぽいところもあるけど芯が強いいいヤツ。私と何もかもが正反対の、最高のライバル。どれも正解だ、でも・・・。
(何かが違う気がする。何かもっと大切な、それこそ・・・)
一番。そう、一番なのだ。いつもの日常でも、真剣勝負の場でも、スカーレットの生活を、スカーレット自身を構成するものの中で、常に「一番」であり続けているのだ。離れたくない、失いたくない、そばにいるのが当然で、そこにいない生活を想像できない、だからこその「一番」。
あぁ、と腑に落ちる。そうなのか、と。
いまだに恋なんてわからない。運命のようなひとめぼれも、想いに苦しめられる胸の内も、いまだに遠いフィクションのお話だ。それでも、この心が抱くこの感情に名前を付けるのなら、それはきっと――― - 54二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 01:05:39
「っ・・・あっ・・・愛してるっ!ほら言ったぜスカーレット、お前の番だ!」
その声で現実に引き戻される。そうだ、そんなゲームをしていたのだった。
ならばちょうどいい。今、自分の中で確かに形を持ち始めたこの思いの結晶をこの言葉に乗せようじゃないか。
「いいわよ、覚悟なさい。ウオッカ―――
―――愛しき私の一番へ - 55二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 01:09:35
うーん、普段から頭の中にある妄想の一つなんだが出力するのってだいぶ難しいな…
小説読むときもっと表現の仕方とかにも注意しようかしら
初ss投下で駄文、キャラブレ等々ありますが頭の中でうまく補正してくだせぃ
ではおさらば - 56二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 11:22:14
いいね...
- 57122/04/15(金) 12:15:18
ありがとうございます
- 58二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 22:00:01
保守
- 59二次元好きの匿名さん22/04/16(土) 09:33:20
良いスレだ...