- 1二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 17:38:59
- 2二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 17:57:21
その少女は私の足音に驚いて顔を上げた
その美しい姿に私は思いがけず一目惚れするところであったが、憐憫の情に打ち負かされて気づけば声をかけていた
学P「どうして泣いているのですか?関係のない他人なら、かえって力になれることもあるのではないですか」
広の泣いていた理由
dice1d3=3 (3)
1 葬式の為の資金が無い
2 つよつよ最強エクササイズ
3 研究が失敗した
- 3二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:01:31
広が失敗で泣くとは…余程の事では
- 4二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:11:07
広「んと、ね…。1d3の研究に、失敗しちゃった…。」
研究内容
dice1d3=1 (1)
1 惚れ薬
2 身体操作
3 タイムマシン
- 5二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:12:59
蘇生とかあったらエグかった
- 6二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:30:12
失敗した惚れ薬の効果
dice1d3=2 (2)
1 親しい友人に嫌われる
2 みんなの記憶から自分がいなくなる
3 アポトキシンと同様
- 7二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 18:42:48
学P「惚れ薬ですか…。信用なりませんが、何か副作用でもあったんですか?」
広「えっと、ね。あの薬を飲んだら、みんなの記憶から、私が、いなくなっちゃったみたい…。うめも、千奈も、おじいちゃん…ううん、学園長もみんな…私を、忘れちゃった」
学P「記憶から消える?そんなことが起こり得るんですか」
広「起こり得た、だから、私がここにいるんだ、よ。それで、ね。『部外者は出ていきなさい』って、言われちゃった。だから解毒薬を作る環境も資金も無くて……もうみんなと一緒、に居られないの、かな」 - 8二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 19:03:12
学P「なるほど、それなら某省に掛け合ってみましょう。上手く行けば君を私の留学している大学に一時的ではありますが、編入することができるかもしれません。もっとも、私は法科の人間ですから力になれないかもしれませんが。ですが君は『人から自分についての記憶を消す薬』を作れる人間です。大学は欲しがるのでは?」
広「これでも初対面、だよ?それに変な薬を作るような人間を信じるって、言うの?」
学P「声をかけてしまったのは私です。困っている人に声をかけておいて助けないなど、母に顔向けできませんし」
広「……。ん、分かった。私が、恥知らずになるのを許して、ね」
学P「そんなことを言わないでください。そうですね、君の家まで送って行きましょう。まずは心を落ち着けてください。一応ここは人通りもあるのですから」 - 9二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 19:20:03
広「少し落ち着いた、よ。でも家にも帰れない、よ。パパも、ママも、私を覚えてないし」
学P「あぁ、そうでしたか。……仕方がありません。私の下宿に泊まってください。もう1人入るくらいの広さはあります。」
広「そこまでしてくれるんだ。ありがとう。この恩、はどうにかして返す、ね」
私を見上げる少女の瞳には、人に否と言わせない媚態があった。
脳裏をよぎる邪念を振り払い私は話を変える。
学P「あぁ、君の名前を聞いていませんでしたね。名前を知らなければ某省に掛け合うこともかなわないですし」
広「すっかり忘れてた。私は広、篠澤広だ、よ」
学P「篠澤さんですね、私は学Pと言います。これからよろしくお願いします」
広「うん。よろしく、ね」 - 10二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 19:35:45
学P(篠澤さんと共同生活を送るようになってしばらく経つが、どうやら変な噂を立てられているみたいだ。)
変な噂の内容
dice1d3=2 (2)
1 学Pが踊り子を毎晩下宿に呼んでいる
2 マッドサイエンティストと共同研究をしている
3 篠澤広と付き合っている
- 11二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 19:46:34
遠からずでは
- 12二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 20:30:45
学P(俺がマッドサイエンティストと共同研究しているだって…?彼女がマッドサイエンティストであることは否定できないな…。)
広「プロデューサー、何悩んでる、の?」
学P「あぁ、篠澤さん。どうやら私とあなたが何かを共同研究していると噂が立っていまして。私は篠澤さんに資金提供しているだけだというのに…。」
広「噂には尾ひれがつくものだし、ね。それとも、私と付き合ってる、って噂される方が良かった?」
学P「なっ!?馬鹿なことを言わないでください。そういうことが噂に繋がるんです」
広「それもそう、だね。私は付き合ってるって噂されても良いんだけど…」
学P「ん?何か言いましたか?良く聞こえなかったのですが」
広「ううん、何でもない、よ」 - 13二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:02:23
その後、学Pは篠澤広と共同研究をしているという噂が官長の耳に届いてしまい、『本業である法学を疎かにしている』として官長により職を解かれてしまった。学Pは金を貰い日本に帰るか、職を失いこのままベルリンに残るかという選択を迫られた。
学Pの思いがけない免官を知った広は血の気が引く感覚を覚えた。彼が帰国するかもしれない、その事実が広を震え上がらせた。それは「友人の記憶を取り戻す薬を作ることができなくなる」ことへの恐怖によるものか、「再び自分を知る者を失う」ことへの恐怖であったかは定かでなかった。
そして広は学Pに何もかもを貰っていながら自分は何も返すことが出来ていない自分に一体何ができるのかを考えはじめたのであった。 - 14二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:05:32
初星文学ダイスだ
- 15二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:07:51
広の考えた自分のできること
dice1d3=1 (1)
1 学Pと交際
2 結婚
3 はみ出し
- 16二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:09:28
ダイススレだと言っているのにSSスレみたいになっててすまない
初ダイススレだから大目に見てくれると嬉しい - 17二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:12:26
3回くらいしかダイスを振らないダイススレもあるから大丈夫っしょ
- 18二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:25:53
広(私にできること……うん、やっぱりプロデューサーと付き合うことくらいしかできない、ね)
広「プロデューサー。私ね、考えたんだ。何を返せるか。」
学P「あぁ、そんなこともありましたね」
広「私、にできる恩返しは、あなたと付き合うこと、くらいしか無いな、と思ったの」
広「だから、私と付き合って、くれる?」
付き合う?
dice1d2=2 (2)
1 YES
2 NO
- 19二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:39:07
これは誠実な学P
- 20二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:48:46
学P「お断りします」
広「えっ……」
学P「元を辿ればあなたの友人の記憶を取り戻す為に研究できる環境を提供していたのですよ。それだというのに噂一つでそれもできなくなってしまったのです。私は恩を返して貰えるような人間ではありませんよ。」
広「そうだよ、ね…。」
学P「……。ですが、このままでは学問の成果も無く汚名を背負ったまま帰ることになってしまうのでは母に顔向けできません。前にも言ったでしょう?決断までまだ猶予はあります。一度あなたの通っていた学園とやらに足を運んでみましょう。協力者を見つけることができるかもしれません。」
広「………うん、分かった。じゃ、案内する、ね」
こうして2人は初星学園へと足を運んだ。
門をくぐり少し進んだところで1d14と遭遇した
dice1d14=11 (11)
広なら+1
- 21二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 21:58:39
学P「ここが初星学園ですか」
広「そう、私が通ってたところ。今じゃ多分誰も私を覚えてないけど」
学P「悲しいものですね。ん?あのベンチ、誰か座っていませんか?」
広「あ、美鈴だ」
美鈴(Zzz)
学P「寝てるんでしょうか」
広「うん、そうみたい。美鈴は、お昼寝が好き、だから」
学P「なるほど…。他に人は見当たりませんし声をかけてみましょう。」
何を聞く?
dice1d3=2 (2)
1 広について
2 学園で噂になったこと
3 友人について
- 22二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:17:46
学P「すみません、少しお話を聞いてもよろしいですか?」
美鈴「ふわぁぁ…おや、見ない顔ですね。会長かりんちゃんが起こしに来たのかと思ったのですが」
学P「それは申し訳ない。どうしても聞きたいことがあったのです」
美鈴「なんでしょうか、もし私が力になれるならお手伝いしましょう」
学P「ありがとうございます。以前この学園で何か妙な噂が立ったことは有りませんか?」
美鈴「うわさ……。そういえば少し前に私と私の友人達から一斉に記憶が消えたことがありました。もう一人、一緒にいた人がいたような気はするのですが…思い出せないんです」
広(やっぱり私、記憶から消えちゃったんだ、ね) - 23二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:30:22
学P「なるほど、ありがとうございます」
美鈴「……。あなた、本当に聞きたいことが他にあるのでは無いですか?例えば、そこの女の子について、とか」
学P「良くお気づきになられましたね。彼女について聞きたいことは確かです。しかし説明をしたとしても信じることは無いでしょう」
美鈴「それは話を聞かないと分からないことです」
学P「…。」
広「分かった、私が説明する、ね」
学P「篠澤さん…。」
美鈴「よろしくお願いしますね」
広「うん、実は、ね」
広は事の顛末を美鈴に説明した。惚れ薬を作ろうとしたこと。実験に失敗したこと。そして、美鈴達の記憶から消えたことを。
美鈴は信じる?
dice1d3=1 (1)
1 信じる
2 信じ難いが手伝いは続ける
3 広と長時間接触したことで記憶を取り戻す
- 24二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 22:50:30
広「……以上が、その噂の真相、だよ」
美鈴「まぁ、そうだったのですか」
広(前はショックで逃げ出しちゃったけど、ちゃんと接触したら変化があるのか、な)
美鈴「…、信じましょう。記憶は有りませんが、あなたからは懐かしいような、会ったことがあるような、そんな雰囲気を感じます」
広「うん、美鈴と私、は仲良しだった、よ」(ただ接触するだけじゃ駄目、か)
美鈴「ふふふ、そうだったのかもしれませんね」
広「だからね、美鈴。みんなの記憶を、取り戻すのに力を、貸して」
美鈴「良いですよ。私も記憶を失ったままでは気になって満足にお昼寝もできませんし」
学P「思い切り寝ていたではありませんか」
美鈴「あら、そのようなことは言わないお約束ですよ?」
学P「そういうものですか」
美鈴「まぁそれは一旦おいておきましょう。1d14を呼んでみましょう。彼女なら何か知っているはずです。」
dice1d14=4 (4)
被りは+1
- 25二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 23:12:37
美鈴「寮長、少し相談があるのですが、学園の正門前まで来て頂けますか」
『美鈴が相談だなんて珍しいね、僕で良ければ力になるよ』
美鈴「ふふっ、嬉しいです。それではよろしくお願いします」
麻央「さて、着いたはいいけどこの2人は誰だい?不法侵入であれば容赦はしないよ」
美鈴「その2人が相談の原因なんですが、悪いことをしようとしてるわけではありませんよ」
麻央「そうなのかい?では何があったのか詳しく説明してもらえるかな?」
広「説明する、ね」
麻央「なるほど、『記憶から消える』か。そういえば寮でオカルトが流行った時に1d3をすると失った過去の記憶を思い出すという噂を聞いたことがあるよ。もっともそれが本当かは分からないけれどね」
記憶を取り戻す方法
dice1d3=2 (2)
1 キス
2 ライブを成功させる
3 はみ出す
- 26二次元好きの匿名さん25/07/09(水) 23:31:42
広「ライブを…」
美鈴「成功させる、ですか」
学P(らいぶ?西洋の文化か?伯林にしばらく住んでいたがそんなものは聞いたことがないな)
麻央「やるかどうかは君次第だよ?」
広「うん、…私は、やりたい。やらせて、欲しい」
麻央「分かった。それじゃあ、ステージを手配しよう話を聞く限りでは君も初星学園の生徒だったんだろう?」
広「うん。これでも、学園の一員。やってみせる、よ」 - 27二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 00:14:36
『なんか新人アイドルのライブやるらしいよ〜』
『篠澤、広…ってだれ?』
『この子可愛い〜』
客席に集められた人々は皆胸中に秘めた思いを口にする。当然の反応であろう。皆の記憶から消えていた存在が突如として現れたのだ。誰も篠澤広を知らないことは自明である。その中でライブをしようと言うのだ。反応が悪いことなど分かりきっていたことだ。
広(観客の反応が、悪い…。そうだよ、ね)
歌を聴いてもらえば思い出してもらえる。そのような安易で儚い願いは無情な静寂に掻き消された。
広(これで最後、だね。私、何もできなかったの、かな…)
広「迎える、あなたを」
最後の台詞を告げて彼女は歌い出す。
トランペットの軽快なメロディとは裏腹にその歌声は細く弱々しいものであった。それでもその内に秘められた想いは確かなものであった。
私の
(あぁ、これが最後だ)
まつ毛の向こうの
(誰も思い出してくれないかもしれない)
あなたたちを迎える
(それでも、みんなの記憶を戻したい。また、一緒に、笑いたい…!!)
『聴いたことある…かも』
『私、この歌知ってる!』
そう言い出したのは誰だったのだろうか。一人また一人とその歌声を思い出す。その少女を思い出す。
曲が終わる。もうその少女は確かに存在したと誰もが気づいた頃だろう。 - 28二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 00:30:14
〜ライブ終了後〜
美鈴「お疲れ様でした、’’篠澤さん’’」
麻央「素晴らしいライブだったね」
広「2人とも、ありがとう。ふふっ、やっぱり嬉しい、ね」
学P「お疲れ様でした。篠澤さん」
広「ありがとうプロデューサー。プロデューサーがいなかったら、きっと私、壊れちゃってた、ね」
学P「えぇ。ですが、どうにかなったようですね。……それでは、私はこれで失礼します」
広「プロデューサー、待って」
学P「何故です?私は『あなたの問題が解決するまで協力しなければ母に顔向けできない』から手伝ったまでです。問題は解決しました。もう私は部外者ですし、帰国の準備をしなければいけません」
広「どうして?プロデューサーも、ここに残れば良い」
学P「ここに残る理由は先ほど無くなりました。これならば母に顔向けできる」
広「……。まだ終わってない、よ。私が、『恩返し』できてない」
学P「元から恩返しなど期待していませんでしたから」
広「それだと『私』がパパやママに顔向けできない」
学P「…」
広「前にも言ったけど、改めて言う、ね」
私と付き合って、くれる? - 29二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 01:26:49
元ネタ知らないけど面白い😊
- 30二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 05:45:14
- 31二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 15:28:36
ほし
- 32二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 20:31:12
あと少しだけ続き書くのでもうちょい待っててください
- 33二次元好きの匿名さん25/07/10(木) 21:04:25
ほしゅ
- 34二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 00:26:50
祖父が天へと旅立ち、遂に誰一人と住む者がいなくなった屋敷を、私はただ一人で片付けていた。その中で私は祖父の書斎に残された一つの日記を見つけた。時が経ち汚れが酷く読めたものではない。私に読めたのは表紙に残された『我が人生の概略を文に綴りてみん』の文字と最後の項のみであった。
◯月某日
思い返してみれば、帰国してからもうしばらく経ったものだ。職を解かれ日本に帰国した私の扱いというものは酷いものであった。かつては優等生であり、国の未来を担う人間になると持て囃されていた私が、学問を疎かにしていたことで国に返されたのだ。恥晒しだと言われるのも無理はないであろう。
しかし、そのような扱いをする家族も私が嫁を取ることは許したのだ。父を早くに喪い、一家の長となった私に家を再興して欲しいという思いはまだ残っていたようだ。
私の妻は日本に来てからも舞台に立ち続けた。数日前、妻は舞台で倒れ、人に助けられて帰宅した。物を食うごとに吐くようになったのが、悪阻であると初めて気が付いたのはしばらく後のことであった。家を継ぐ者が産まれるかは定かでない。だが、この喜びが私達を心の深くで繋いだということは言うまでもない。この喜びを綴るにはこの冊子ではひどく足りないであろう。
それに、ここにはまだ書き記すべきものが他にあるのだ。
これから続くままならない日々を。 - 35二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 00:33:10
ここまで読んでいただきありがとうございました。
初のスレ立てだったので上手くいったかは分かりませんが、個人的には楽しくできました。
このスレの元ネタである『舞姫』からは大きく逸れてしまう結果となりましたが、一つのifとして楽しんでいただけたら幸いです。 - 36二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 00:33:56
面白かった
- 37二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 00:44:44
乙、学マス文学に新たな1ページ
舞姫だから油断ならねえと思ってたけど幸せになってよかったわ - 38二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 02:19:16
また新しい作品を待ってる😊