【閲覧注意】🎲リーリヤのことが大大大大大好きな13人の初星アイドル 2【百合注意】

  • 1◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 12:08:57

    前スレ落ちちゃったんで……2個目です。


    前スレ:

    https://bbs.animanch.com/board/5254888/?res=74


    彼女になった子:

    千奈、ことね、麻央、清夏、手毬。


    今は佑芽編です。

  • 2◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 12:09:58

    【ルール説明】
    1.基本的に運命の彼女と目が合うことで恋に落ちます
    (だから例えば星南の隣にことねがいても、目が合ったのが星南なら彼女だけと恋に落ちます)
    2.皆さんリーリヤが何股かけることに関しては寛容です(刺すとかの展開はない)
    3.リーリヤははみ出しを回避する方向に動きます。
    4.途中で学Pからお助けアイテムなどが付与されます

  • 3◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 12:11:24

    佑芽編を最初から再掲します

    ----
    清夏「リーリヤ、何見てんの?」

    廊下の掲示板。色々なチラシが貼ってあって、たまに見に来ます。
    見ると、気になる記事がありました。

    清夏「ん?アイドルバスケ大会?」
    リーリヤ「そうなんだ。いろんなアイドル養成校の子たちが集まって大会をやるんだって」
    清夏「へー……でもあたしもリーリヤもバスケできないじゃん」
    リーリヤ「たぶんそれは……他の学校でも同じじゃないかな」
    清夏「ふむふむ……えっ、優勝はハワイのプライベートビーチツアー!?」
    リーリヤ「行ってみたいんだけど……」
    清夏「だけど?」

    チームの人数は五人だけど、控え二人を加えた七人で登録する必要があるらしい。

    リーリヤ「一人足りないんだよね」
    清夏「そっかぁ、残念だ」

  • 4◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 12:12:33

    リーリヤ「この時期の持久走は大変だ」
    リーリヤ「あれ?」

    いま、まるでつむじ風の様に素早い何かが私の後ろを通過していった。
    え、なんだろう?

    佑芽「うおおおおおおお!!!」
    リーリヤ「あれは……花海佑芽さん。っというか早い!」

    私が一周するくらいの速さで約三周しちゃってる。
    あれ、持久走のはずなんだけどな……。
    3km走りきれば終わる筈の持久走、あの速さでバテないのは本当にすごいけど、何よりも3kmなんてとっくに走り終わってるはずなのに……。

    十分後。

    リーリヤ「ふぅ、疲れた……」

    佑芽「うおおおおおおおおおおおお!!!!」

    リーリヤ「えっ!?」
    リーリヤ「何周目なんだろう……でも、すごいな」
    リーリヤ「終わるまで見ていよう」

  • 5◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 12:13:33

    持久走をしていたのは午後二時ぐらい……だったはず。
    時間は流れて流れて……午後七時。えっ、午後七時!?

    佑芽「まだまだぁあああ!」
    リーリヤ「だ、だめだよ!?」
    佑芽「ふ、ふえ!?」

    ドン!

    止めに入ろうと思ったら二人でごっつんしてしました。
    あいたた……。

    佑芽「り、リーリヤちゃん大丈夫!?」
    リーリヤ「わ、私こそ割り込んでごめ――」

    ビビーーーーーン!!!!!!

    リーリヤ「!?」
    佑芽「う、うえええ!?」
    佑芽「え……」
    リーリヤ「え……?」
    佑芽「えっちなのは!!だめですよ!!!!」

    そう言って、佑芽ちゃんはさっきよりも早い速度で逃げて行ってしまいました。

  • 6◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 12:14:40

    以下からその続きです。
    よろしくお願いします。

  • 7◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 12:28:02

    リーリヤ「佑芽ちゃん、おは……」
    佑芽「ひゃあ!」ヒュン

    リーリヤ「佑芽ちゃ」
    佑芽「え、えっちですよ!?」ヒュン

    リーリヤ「佑……」
    佑芽「お姉ちゃーーーーーん!」ヒュン

    ----
    リーリヤ「佑芽ちゃんに逃げられてしまってる」
    リーリヤ「本人の意見を尊重したい気持ちはあるんだけど」
    リーリヤ「どうすればいいだろう……」

    佑芽ちゃんは運動が大の得意っぽい。
    よし、ちょっとした賭けになるけど……やってみるか。

  • 8二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 12:33:52

    続いてくれて嬉しい😊

  • 9二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 13:00:31

    待ってました!!
    佑芽!!

  • 10◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 13:03:27

    佑芽「うおおおおお!!!」ダダダダダダ
    清夏「うへー、佑芽っち、相変わらずすごい速度と持久力だ」
    リーリヤ「よしっ」体操服着用
    清夏「えっ、リーリヤどったの……?」
    リーリヤ「私も走ってくる!」
    清夏「えっ」

    --------
    佑芽「うおおおおおおお!」
    リーリヤ「うおおおおおおお!」
    佑芽「うおお……えっ? リーリヤちゃん!?」
    リーリヤ「一緒に走ろう!」
    佑芽「えっ、う、うん!」

    ダダダダダダ……。

    清夏「ええ……リーリヤ、もう30分は並走してる」
    清夏「あんなに体力あったっけな……」
    清夏「……愛の力ってすごいなぁ……」

    ダダダダダダ……。

    リーリヤ(すごい、私は気を抜けばすぐ倒れてしまいそうなのに)
    リーリヤ(でも、諦めないぞ)
    佑芽「り、リーリヤちゃん!?無茶しないで!?」ダダダダダダ……。
    リーリヤ「全然無理じゃないよ!」
    佑芽「で、でも息上がってるよ……?」
    リーリヤ「でもそれは前提だから」
    リーリヤ「うおおおおおお!!!」ダダダダダダ……。

  • 11◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 13:43:56

    清夏「ええっ!? リーリヤが佑芽っちを……抜いた!?」

    ------
    佑芽「なっ、そんな!? ま、負けないぞぉぉぉぉぉ!」
    リーリヤ「うおおおおおおおお!!!」

    ダダダダダダ……!

    何周走ったか覚えてないや、ただ、ある周回を終えたときに終わりが訪れた。

    佑芽「うあっ!?」

    佑芽ちゃんがつまづいてしまった。
    私の視界の端でそれが映った時には体が動いていた。

    リーリヤ「あぶない!」

    一回転して転びそうになった佑芽ちゃんをお姫様だっこしちゃいました。

    リーリヤ「だ、大丈夫!?」
    佑芽「えっ、ええと……ありがとう……?あっ!?」
    リーリヤ「ど、どうしたの?」
    佑芽「リ゙ー゙リ゙ヤ゙ぢゃ゙ん゙に゙負゙げだぁ゙ぁ゙ぁ゙!゙」
    リーリヤ「ええ!?」


    清夏(ああそっか……結果的にリーリヤが勝ったことになるのか……)
    清夏(ともかく無事でよかった……よし、これ以上見るのは野暮だからことねっち誘って遊びにでもいこーっと)

  • 12◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 15:45:01

    私たちは走り終え、シャワーを終えた私たちは今は誰もいない寮のロビーに一緒に座る。

    リーリヤ「佑芽ちゃん、アイス買ってきたよ」
    佑芽「わー!ありがとー!」

    少しの時間、アイスを味わった後……。

    佑芽「リーリヤちゃん!」
    リーリヤ「わっ」
    佑芽「あ、ご、ごめん!驚いちゃったね」
    リーリヤ「大丈夫だよ!」

    二人で元気よく笑う。なんというか、他の人とは違う不思議な時間だ。

    佑芽「リーリヤちゃん!私と、付゙ぎ合゙っ゙で!゙!゙!゙!゙!゙」
    リーリヤ「え、ええ!?」

    びっくりだった。
    でもその告白は佑芽ちゃんのまっすぐで、実直な性格を表すもので……。

    佑芽「私、お姉ちゃん以外に負けたくない!って思える人は初めてだし、何よりもお姉ちゃんぐらいに一緒にいたいって思える人はいなくて、その、その……」
    リーリヤ「うん! 私でよければ、よろしくお願いします!」

    告白と呼ぶには正々堂々過ぎるかもしれない。だけど、それが佑芽ちゃんの愛情表現だとよくわかって。
    それがうれしくってたまらなかった。

    リーリヤと佑芽は付き合うことになった!

  • 13◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 16:21:17

    ???「佑芽……どうして……覚えてなさい、葛城リーリヤ!!!!」

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 16:31:11

    たておつ!
    待ってました学マス百合

  • 15◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 16:32:01

    【閑話休題編】
    ことね「ねぇ清夏~」
    清夏「どったの」

    珍しくリーリヤ抜きの二人で遊んでいたことねと清夏。ぶらりとウィンドウショッピングに勤しんでいた。

    ことね「リーリヤちゃんってどんなアクセサリが好きなんだろう」
    清夏「……確かに」
    ことね「えっ、清夏もわかんない感じ?」
    清夏「そういうワケじゃないけど……リーリヤって意外とそういうのに無頓着なんだよね」
    ことね「ううむ、あたし達が流行に流されすぎているのかもしれない」
    清夏「急に消費社会への批判」
    ことね「じゃあこういうイヤリングとかはいらないのかな……」
    清夏「それはそれで喜んでくれるとは思うけれど……もっといい場所があるかな」
    ことね「?」

    訪れたのは「アニ〇イト」だった。

    ことね「古今東西で旅してそうだナー」
    清夏「リーリヤの好きなアニメの……そう、カードがランダムで入ってるやつ!」
    ことね「リーリヤちゃんはどのキャラが好きなんだろう」
    清夏「……そこまではわかんないや」

    以降、ことねと清夏のしばらくのおやつは”ウエハース”で統一されるのだった……。

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 16:34:56

    そういえば今のところそれぞれの相方来てないね(手毬→美鈴、ことね→会長、麻央→莉波、千奈→広、佑芽→咲季)
    清夏に関しては本人が相方だし。

  • 17◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 16:48:55

    【閑話休題 その2】
    アニ〇イト帰り、チェーン店のカフェにて。

    清夏「ことねっち、リーリヤと行ってるカフェとなんかレベル違くない?」
    ことね「しょ、しょうがないだろー。本気モードのときとは違うって」
    清夏「それはそうだね」
    清夏「で、さ」
    ことね「どうしたの、なんかすごい神妙な顔してるけど」
    清夏「ことねっちはさー」
    ことね「うん」カフェ.ラテをストローで飲む。
    清夏「リーリヤともうキスしたの?」
    ことね「っ!? ごほっ、ごほっ」
    清夏「うわ、大丈夫!?ハンカチ貸すから拭きなって」

    フキフキ……

    ことね「そっかー、清夏はまだしてないのか」
    清夏「だね。なんか、して、とも言い出しにくくて……」
    ことね「普通にお願いした方がいいときもあるよー、我慢してても伝わんないって」
    清夏「そりゃそうだけど」
    ことね「千奈みたいな甘え上手になりたいってぇのはわかるケド」
    清夏「…………」
    ことね「それに麻央ちゃん先輩みたいにおしゃれなお店をエスコートもできないし、あたしたち」
    清夏「庶民だからねぇ」
    ことね「だからもう勢いでいくしかないって」
    清夏「そうかな……そうかも……」

  • 18◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 16:49:55

    カフェ.ラテでNG入るの面白すぎだろ
    思春期か、あにまん君は

  • 19◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 21:08:41

    異常葛城愛者です、明日より旅行なんで旅先で書けそうなときは更新しますが基本保守になるかもです。
    よろしくお願いいたします。

  • 20◆WsV5Czf1Hs25/07/11(金) 21:09:41

    >>19

    楽しんできて!


    保守は任せろ。

  • 21◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 21:27:04

    もう一個の露出狂に関するダイススレは今日中に終わらせます!
    それではよい週末を!

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/11(金) 23:47:41

    ほしゅ

  • 23◆je8PYTqP5Ydc25/07/11(金) 23:53:20

    その日の夜

    清夏「そう考えるとあたしとリーリヤって実質同居だよね」
    リーリヤ「清夏ちゃん?」
    清夏「んーん、なんにもないよ」ススス……
    リーリヤ「?」

    お風呂上がり、ピタリと肩をくっつけて三角座りする清夏ちゃんは、普段と何か違った。
    それは何かを言いたいけど、緊張か何かの理由で言えない時の、それだ。

    リーリヤ「何か悩んでる?」
    清夏「んー……悩みとは違うかな」
    リーリヤ「?」

    清夏ちゃんは突然私の後ろに回り込み、そっと抱きしめてくる。
    あすなろ抱きってやつだ。

    清夏「ぎゅー……」
    リーリヤ(かわいい)
    清夏「いいにおい」
    リーリヤ「は、恥ずかしいよ。というかなんか語彙力落ちてない?」
    清夏「ないない」
    リーリヤ「落ちてるね」

  • 24◆je8PYTqP5Ydc25/07/12(土) 02:31:10

    ほしゅ

  • 25二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 09:32:00

    あさほしゅ

  • 26二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 18:00:42

    昼保守

  • 27二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 18:03:07

    >>26

    夕方定期保守

  • 28二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:58:47

    捕手

  • 29◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 01:12:59

    なにごともない時間。
    ゆっくりとながれる時間。
    別にこれまでもなかったわけではない。何度だってあった。
    清夏ちゃんと暮らし始めて、何度も、何度も。
    だけど今は、今まで以上に愛おしくてたまらない。

    たぶん、それ以上の言葉は要らないんだ。

    何度も何度も顔を見合わせ、確かめあった『好き』の気持ち。
    そっと頬が触れ、髪が触れ――静かな時間が訪れる。
    どっちかが示し合わせたわけではなかった。
    ただ静かに、顔と顔が近づいていって、そっと……キスをした。
    数秒間の、音もなくただ重ね合わせるだけの口づけ。

    あの日、白銀の世界で出逢った時に抱いて以来感じてなかった『初めて』。それを、追体験した想いだった。


    清夏ちゃん、あったかいね。

  • 30◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 01:14:15

    保守ありがとうございます。
    日曜夜には戻れると想います

    旅行時に撮ったりーすみ、置いときますね

  • 31◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 01:31:12

    清夏「〜〜〜〜〜!!!」
    リーリヤ「ど、どうしたの!?」
    清夏「リーリヤ、慣れすぎ!!!!」
    リーリヤ「え、ええ!?」
    清夏「千奈っちとも、ことねっちとも、麻央ちゃん先輩ともしてるとは聞いてたけど……」
    清夏「最初はあたしがリードすると思ってたのに……」
    清夏「あたしのリーリヤが穢れちゃった……」
    リーリヤ「穢れてないよ!?」
    清夏「知らないっ」プイッ

    清夏ちゃんが拗ねてしまいました。
    寝落ちしちゃうまで抱きしめて添い寝してあげて、額にそっとキスをすることでなんとか許してもらえたけれど……。
    清夏ちゃんにはリードしてもらった方がいいかもしれないね。

  • 32二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 08:24:30

    ほし

  • 33二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 10:30:05

    あさほし

  • 34二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 15:13:38

    はつほし

  • 35二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:40:56

    誘い受けリーリヤにヘタレ責めしゅみたんになる姿しか想像出来ない保守

  • 36◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 20:44:43

    帰ったんでぼちぼち更新していきますね

    バスケ大会編です

  • 37◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 21:32:47

    あくる日

    リーリヤ「という次第でございまして……」
    佑芽「いっぱいだ!!!」

    ことね「妹が先に来るとはナー」
    清夏「雨上がりならず」
    千奈「佑芽さんお待ちしておりましたわ!!!」

    佑芽「千奈ちゃん!!!!!」

    ガヤガヤガヤガヤ……。

    清夏「なんかリーリヤ前よりも少し筋肉質になってない?」
    リーリヤ「そうかな……」
    佑芽「へへん、定期的に一緒に鍛え始めたんだ!」
    ことね「ううむ、花海姉妹が一人増えたみたいだ」
    佑芽「お姉ちゃんは一人だけだよ!!!」
    麻央「そのスタンスはそのままなんだね……」

  • 38◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 22:04:23

    リーリヤ「それで提案があるんだけどね……」

    バスケ大会のことを話す。

    清夏「前言ってたもんね」
    佑芽「おもしろそう!!!!」
    リーリヤ「人数もちょうど7人だからどうだろう」
    清夏「あたしは参加してもいいよ、楽しそうだし」
    麻央「ボクも是非。バスケはやったことないけど……」

    ことね「あたしはちょっとナー……球技は苦手だー」
    手毬「アイドルなのにバスケって馬鹿じゃないの」
    千奈「わ、わたくしはボールになりたくありませんわ~!」

    見事に意見が割れてしまった。

    リーリヤ「一応優勝賞品もあってね……賞金もそうだけど、チームをハワイにあるプライベートビーチに招待だって……」
    全員「!!!!!」
    全員「参加する!!!します!!!」
    リーリヤ「えっ」

    というワケで参加が決まった。

  • 39◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 22:23:09

    そして月末に向けて特訓が始まった!

    ことね「ちょ、手毬!とんでもないところにパスすんなって!」
    手毬「は? 取れないことねが悪いんでしょ」
    ことね「こいつぅ……」
    千奈「ことねさん!だ、ダブルドリブルですわ!」
    ことね「あっ」

    麻央「ここはこうして」
    清夏「ふむふむ」
    麻央「清夏の動き、いいね」
    清夏「バレエの経験が活きてるのかな」

    佑芽「最近、リーリヤちゃんが私にすっごく近づいてきててびっくりしてるんだー」
    リーリヤ「一緒に咲季ちゃんを追い越しましょう!」
    佑芽「うん!」

    最初はどうなるか、とも思ったが思いの外、連携が取れて円滑に練習が進んだ。
    その日の夜。

    清夏「いたた、筋肉痛がひどい。って……」

    ドムドム……

    清夏「って、ええ!?」

    そこにはもうすぐ日が変わるというのに延々と練習を続けるリーリヤと佑芽の姿があった!

  • 40◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 22:45:44

    リーリヤ「ぜぇ、ぜぇ……負けないよ!」
    佑芽「ふぅ、ふぅ……私だって!!!」

    清夏「こらー!なにやってんの!?」
    リーリヤ、佑芽「「!?」」
    清夏「みんなで練習終わったの6時間くらい前だよね!?」
    佑芽「ええええ!?もうそんなに時間経ってるの!?」
    リーリヤ「もう真っ暗になってるや」
    清夏「……気付いてなかったの?」
    リーリヤ「えへへ」

    清夏ちゃんは少し大げさなのかな?

    リーリヤ「じゃあ後少しだけやって……」
    清夏「駄目だからね!?」
    清夏「あと二人とも、そこに正座」
    佑芽「え”!?」
    清夏「正座」
    リーリヤ「う、うん……」

    清夏ちゃんに居残り練習は禁止されてしまいました……。

  • 41◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 22:50:48

    放課後の3時間、みっちりと練習して週末に臨むことになりました。
    いざ当日。

    私たち以上に真剣に取り組んでる人たちはそう多くなく、とんとんと決勝戦まで進むことができた。

    リーリヤ「ええと、決勝戦は」
    佑芽「わ!極月学園だ!」
    リーリヤ「やっぱり参加してたんだね」
    佑芽「でも混成チームみたいだよ」
    佑芽「さっきの試合で一人怪我して欠員出たらしいけど、誰が来るんだろう……?」

    少しの謎を残しながらも……試合会場へと足を運んだ。

    四音「あら、貴方たちは……」
    リーリヤ「!」
    四音「これなら優勝したのは確定したものですね」
    佑芽「な、なんだとぉ~!?」
    ことね「冷静に考えたらアイドルバスケ大会ってなんだよ」
    麻央「これは……強敵だね」
    清夏「でも一人欠員なんだよね?怪我したのは撫子っちだっけ。誰が入るの?」

    ???「私よ!!!」

  • 42◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 22:53:49

    佑芽「うぇえええ!!?お姉ちゃん!?なんでそっちにいるの!?」
    咲季「だって一緒のチームだと戦えないじゃない!それに、葛城リーリヤ!」
    リーリヤ「ええと?」
    ※距離があるため目があってない判定。

    咲季「よくも私の佑芽をとってくれたわね!今日という今日はゆっるさないんだから!」
    リーリヤ「ええええ!?」
    佑芽「これだけはお姉ちゃん相手でも譲れないよ!リーリヤちゃんと頑張ってきたんだから!」
    咲季「なっ……私に食い下がることなんてなかったのにぃ!やっぱり許せないわ!」
    リーリヤ「っ……私たちも負けません!いっぱい練習してきましたから!」

    猶の事負けられなくなってしまいました。

    手毬「なにあれ」
    ことね「嫉妬って怖いよナー」

  • 43◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 23:10:58

    ※バスケミリしらです。許してね。

    ブザーが鳴り、試合が始まった。

    ポジションは、PGが私で、SGが機動力が一番高い清夏ちゃんが入り、SFはオールラウンドな麻央センパイと佑芽ちゃん。
    PFは千奈ちゃんと手毬ちゃんが交互で入る。そしてCは世界一可愛いことねちゃんが担う。

    リーリヤ「いきましょう!」

    最初のボールトスを頑張って白草さんから奪い、自陣にボールを送る。
    それを受け取った清夏ちゃんが一気に極月学園の生徒を三人抜きする。だけどあとちょっとでゴール圏内……ってところで、

    咲季「させないわ!」

    清夏ちゃんをも上回る速度でボールを咲季ちゃんが奪い取ってくる!
    だけど、それは織り込み済み――私に佑芽ちゃんがカバーに入る。
    それを悟った咲季ちゃんはなんと飛ぶ!


    千奈(今はベンチ)「あれは……!」
    麻央(今はベンチ)「まさか自陣の2ポイントエリアから3ポイントを……」
    千奈「無茶ですわ!?」

    だけど、綺麗な投球フォームで放たれたボールは乱れることなくゴールへと入ってしまう。

    四音「ふははは!初星学園、恐れるに足りません!」
    ことね「バケモンかよー……」

  • 44◆je8PYTqP5Ydc25/07/13(日) 23:21:08

    佑芽「さっすがお姉ちゃん!だけど負けないよ!リーリヤちゃん!」
    リーリヤ「うん!」

    私は佑芽ちゃんにボールを廻します。受け取った佑芽ちゃんはなんと……その場で飛んだ!
    そしてその高い跳躍力で一気に空中で敵選手を抜き去り、手に持ったボールがゴールへと吸い寄せられる。

    千奈「麻央先輩、あれは……」
    麻央「彼女なら可能とは思っていたけれど……あの距離からダンクシュートを決めるなんて!」

    無理を通してドリブルを決めようとすると、さしもの佑芽ちゃんでも人数に阻まれる。
    なら、空中で通過すればいい――佑芽ちゃんらしい戦術だ。

    佑芽「へへーん!」

    咲季ちゃんは技術の人だ、一方で佑芽ちゃんは純粋な力で戦う人だ。
    事前から聞いていたけれど――それがよくわかる。

    ことね「超次元バスケじゃん……」
    四音「くっ、皆! 花海佑芽を徹底マークするんだ! あいつさえ封殺すればただの案山子です!」

    まだ佑芽ちゃんへのマークが甘く、だけど咲季ちゃんの追撃も素早く、一進一退のまま第1Qは均衡したまま終了した。

  • 45◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 00:25:50

    勝利の可能性がわずかながらに見えたが、予想できたが考える必要もなかった悲劇が起こった。

    佑芽「痛いっ!」
    四音「あら、ごめんなさい?」
    ことね「おい!ファールだろ!」

    ラフプレー。それにより、第2Q序盤にして佑芽ちゃんが軽傷を負ってしまった。

    千奈「し、審判様は!?」
    麻央「悔しいけど……本当にギリギリの所をついている。腹は立つけど……」

    咲季「ちょっと!?何してるのよ!?」
    四音「おかしなことを言いますね。あくまでプレイ上での事故……貴女とてそれは理解しているでしょうに」
    咲季「っ……」

    軽い捻挫なので湿布で休めば4Q目には戻れるかもしれない。だけど……その不在の差は大きい。

    咲季「……ごめんなさい。ここまでしてくるとは」
    ことね「咲季は悪くねぇよ。勝負は勝負だからナー」

    咲季ちゃんもこの展開は望んでいなかった。
    だけど、仕方のないことだ。出せる限界を出し切ろう。

    PFを千奈ちゃんが担い、佑芽ちゃんの代わりに麻央センパイが入る。
    だけど、佑芽ちゃんの抜けた穴は余りにも大きい。勿論私たちも特典は稼いでいる。だけど、極月学園の皆は率先して咲季ちゃんにボールを回す。
    回れば、実質得点となるため、点差はあっという間に五十以上広がった状態で第2Qは終わってしまった。

  • 46◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 00:30:53

    休憩時間、どんよりとした時間がチーム全体を覆う。

    佑芽「リーリヤちゃん、やっぱり私……」
    リーリヤ「まだ駄目だよ……アイドル活動に支障が出ちゃう」
    清夏「テーピングはしているし、冷やしたよ。だけど……うん、あたしもリーリヤに賛成だよ」
    ことね「なぁ、別にバカンスだってなくて元々なんだからそこまでリーリヤちゃんと佑芽ちゃんが背負う必要はないんじゃないか?」
    リーリヤ「…………」

    学P「間に合ったようですが、お困りのようですね」
    手毬「えっと……誰?」
    リーリヤ「ああ、この人はプロデュース科の……」

    私はある程度、話を伝えた。皆の表情が絶望に染まり始めている。
    雰囲気で負けたら、勝てる勝負も勝てない。どうすれば……。

    学P「皆さんはまだ、アイドルとしての力を完全に発揮できていません」
    リーリヤ「え……?」
    学P「花海咲季さんと花海佑芽さんのように、秘めたアイドルパワーを発揮するんです。そうすれば、打開は不可能ではありません」
    学P「そして何よりも……皆さんには他のチームにない繋がりがある、違いますか?」
    全員「!」
    学P「そして葛城さん、貴女には皆の潜在能力を発揮できる力があります」
    リーリヤ「!」
    学P「導いてあげてください。貴女のアイドルパワーで、信じる力で」

  • 47二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 00:33:03

    チームを極光で照らすりーぴゃん、か

  • 48◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 00:41:31

    第3Qのはじまり。
    余裕ができた故か、白草さんも積極的に攻めてくるようになりました。

    四音「対して聴衆もいないのですから、サレンダーしても構いませんのに」
    リーリヤ「しません!」

    私に三人もの選手がついてくる。とりあえずことねちゃんであれば位置的にボールは回せるが、奪われて咲季ちゃんに回されるのは時間の問題だ。これ以上の失点は避けたいけど――。
    いいや、それでも!

    リーリヤ「ことねちゃん!」
    ことね「おう!」
    四音「馬鹿な……奪われるのはさっき散々見せたでしょうに」
    リーリヤ「確かにそうです。紛れもなく私たちは劣勢です」
    四音「ええ、力量差はわかりきっていますから」
    リーリヤ「でもそれは――前提だから」

    その時、まるでことねちゃんが輝いたかのように強い”威圧”を放つと、彼女を囲っていた三人はその場に倒れ込んでしまう。

    四音「なっ、なんだと!?」

    ――自信もない、上手でもない。でも「やめた」は言わない。

    ことね「私はここにいるんだ!うおおおお!」

    そう、それはアイドルとしての輝き。その光は、極月の生徒を慄かせるには十分だった。
    白草さんは私がカバーする。相対するは、咲季ちゃんだけ。だけど――。

    麻央「受け取るよ!」

    そう、バスケはみんなのスポーツだ。冷静に受け取った麻央センパイが、3ポイントを決めた!

  • 49◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 00:48:55

    学P「これは、藤田さんの『世界一可愛い私』」
    千奈「ご存知ですの?」
    学P「ええ、自他共に認める最大級の可愛さ。それは道行く人すべてを振り向かせ、虜にする。それを応用した彼女の目はまさに『天帝の目』そのもの」
    手毬「……なるほど、これがアイドルパワー!」

    四音「たかが3点取り返した程度で!」
    麻央「ボクのイリュージョンを侮ってもらっては困るね」
    四音「有村ッ……あきら!!!」

    麻央センパイが白草さんを可愛さと格好良さの両刀で翻弄する。

    学P「以前の麻央さんは自分の意思と乖離する可愛さと格好良さを拒絶していました。だけど、今や違う」
    手毬「可愛さは守り、格好良さは攻め……ということ?」
    学P「ええ。そのプリンス麻央イリュージョンを……易々と止められる人なんていやしませんよ。それほどに有村麻央さんは強い」

    そしてまた、点が入る。

    四音「紫雲清夏――」
    清夏「――」

    清夏ちゃんが通過した後には、彼女の翡翠の瞳が描く軌跡が残る。
    言葉はない。ただ圧倒的な技量を以て、咲季ちゃんさえも抜き去る。
    これは正に、”ゾーン”そのものだ。誰よりも直向きな清夏ちゃんだからこそ至れた領域に、追いつける人なんていやしない。

  • 50◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 00:53:27

    四音「ふざけるなっ!何がアイドルパワーだ!ボクはそんなもの、認めない!」
    リーリヤ「それでも!」

    白草さんと私の視線が交わる。だが、彼女の方が早くボールが奪われる。

    リーリヤ「っ!」
    四音「足掻こうが、変わりやしない!それにお前は違う!」

    そうだ、皆は力を発揮できているが――まだ私はできていない。これでは、駄目だ。

    清夏「リーリヤ」
    リーリヤ「清夏ちゃん?」
    清夏「リーリヤならできる。みんながここまでこれたのは、リーリヤの力なんだから」
    リーリヤ「……うん!」

    四音(個々は強力なのは認めましょう――ですが、司令塔たる葛城リーリヤはそこまでではない。故に、突き崩せる)

    ――だが、四音のみでなく極月チーム全員の視界から、葛城リーリヤは影の様に……消えたのだ。

  • 51◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 00:58:57

    学P「至りましたか。最後のピース」
    千奈「どういうことですの?」
    学P「確かに、白草四音さんの指摘通り、まだ葛城さんのパワーは十全に発揮できていなかった。だけど、もう違う」
    学P「多くのアイドルがひしめく初星学園において、決して葛城さんは目立った存在ではない。それがある意味でコンプレックスであった」
    学P「だけど、燦然と輝く星ではなくとも、彼女は皆を照らす『極光』――自分は影となり、道筋を示します」
    手毬「道筋……」
    学P「はい、最適な軌道を――『白線』を描くんです」

    四音「何故見えない!たった五人だろう!」
    咲季「一見するとそうだけど、リーリヤは……どこにでも存在できる!」

    パスボールの軌道は、配置されている面子の場所である程度読める。だが、どうあっても観測できない点があるとどうか?
    その”黒子”がわからない以上、その軌道は変幻自在。自在な速度に追いつける選手など、いまい。
    各々がアイドルパワーを発揮し、それを支える。

    リーリヤ「いきましょう!みんな!」

  • 52◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 01:07:02

    点差はあっという間に縮まり、残り10点差。そして運命の最終Qが始まりつつある。

    リーリヤ「清夏ちゃん、休んで。これ以上は負担が大きくなっちゃう」
    清夏「……わかったよ。手毬っち、千奈っち、お願い」
    手毬「任せて」千奈「頑張りますわ!」
    佑芽「私も出ます!!!」
    リーリヤ「佑芽ちゃん……」
    佑芽「無茶かもしれない、だけど、お姉ちゃんと闘いたい!」
    リーリヤ「……いきましょう」

    最後の面子は、私に佑芽ちゃん、手毬ちゃんに千奈ちゃん、そして麻央センパイだ。

    咲季「手毬が危険よっ!カバーするわ!」
    手毬「ふぅん、咲季、くるんだ。でも負けないから」

    なんと手毬ちゃんは体がぬいに変化し、ちっちゃくなって選手を抜き、ボールを千奈ちゃんまで届けた。

    四音「なっ、人間がぬいになるってどういうことだよ!?」
    千奈「わたくしですわ~!」
    四音(こいつは他に比べたらポテンシャルも低い……奪える!)

    だけど、極月の選手は一瞬だけ動きが鈍ってしまう。

    四音「何故だ!?」
    リーリヤ「千奈ちゃんは誰にでも愛される愛嬌があります。そのような可愛い子を害するのに戸惑わないワケがありません」
    四音「くそっ!」
    佑芽「いっくよー!」

    そう、主力である佑芽ちゃんが私たちにはいる。
    それぞれがアイドルパワーを発揮し、そして佑芽ちゃんがいる中――負ける道理なんてない。

  • 53◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 01:09:06

    咲季「佑芽!」
    佑芽「おねえちゃん!!!」

    ブザーが鳴る瞬間、二人は相対する。
    点差は2点でこちらが負けている。ここで決めないと、負ける。

    佑芽「こ、れ、で、どうだあああ!!!」佑芽ちゃんは3ポイント圏内からボールを投げた!

    全員が息を飲む中――ボールは綺麗にリングを通過した!

    リーリヤ「ブ、ブザービーター!」

    審判が高らかに宣言することで――私たちの優勝が決定した!

    佑芽「やったあああ!!!」
    リーリヤ「佑芽ちゃん!」

    私と佑芽ちゃんは抱きしめ合う。
    そしてなんと、突然佑芽ちゃんがキスをしてきた!
    彼女らしい元気溌剌な唇同士のキス。咄嗟のことだったけれど、とってもそれは嬉しかった。

  • 54◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 01:11:46

    咲季「……悔しいけど、今日は負けね。でもリベンジしてやるんだから!」
    学P「咲季さん、何処に?」
    咲季「これ以上いるのは野暮よ。敗者は素直に去るわ」
    千奈「超クールですわ~!」

    四音「くそくそくそ!何故だ!認めない、アイドルパワーなんて……!」
    リーリヤ「白草さん」
    四音「なんだ!」
    リーリヤ「勝ったのは……私たちです!」ドヤッ。ジョジョダチ!

    かくして、白熱のバスケ大会は優勝で幕を閉じたのだった。
    そして……バカンスの旅行券を入手したのだった!

  • 55◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 01:13:35

    というワケでバスケ大会エンドです。

    書き溜めなかったんでめっちゃ長くなりましたね。書いてて楽しかったからええか。


    というワケでバカンス編は次の子を加えた後に行きます。


    次の子ダイス(重複の場合+1)

    dice1d13=6 (6)


    また明日!

    よい夢を!

  • 56二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 08:10:46

    あさほしゅ

  • 57二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 14:21:18

    午後保守

  • 58◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 14:43:32

    【広編】
    リーリヤ「あれ」
    リーリヤ(よく見たらバスケ大会の旅券、八人分だ)
    リーリヤ(引率の先生用かな?)

    学P「なるほど。ですが俺は辞退させていただきます」
    リーリヤ「そうなんですか?」
    学P「はい。葛城さんや彼女.さんたちで水入らずの旅を楽しんでください」

    ------
    リーリヤ「困ったな」
    リーリヤ「でも無理に誘うのもアレだし、予定通り7人で……」
    リーリヤ「あれ?」

    なんと廊下で行き倒れている人がいた。

    リーリヤ「まさか……事件!?」

    倒れているのは、とても細い女の子だった。
    顔も真っ青で、今にも死んでしまいそうだ。

    リーリヤ「だ、大丈夫!?」
    広「ふふ、一歩も動けない。葬儀は宇宙葬がいいな」
    リーリヤ「あ、諦めないで」
    広「ままな――」

    ビビーーーン!!!!!!!

    広「!」
    リーリヤ「!?」

  • 59◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 19:26:59

    広「ふふ、不思議な現象」
    広「とっても気になる。だけどもう、それを表す余裕はないみたいだ、ね」
    広「残念無念」
    広「きゅう……」
    リーリヤ「あっ!」

    保健室。
    リーリヤ「大丈夫ですか?」
    広「うん、問題ない」
    リーリヤ「ならよかった」
    広「優しいんだね、リーリヤ」
    リーリヤ「目の前で倒れている人がいたんだから当然だよ」

    そこから少し歓談することにした。

    リーリヤ「広ちゃんはとっても賢いのに、どうしてアイドルを目指したの?」
    広「私が一番向いてないのは、アイドル。向いてないからこそ、やりがいがある」
    リーリヤ「歩いてて倒れるレベルだからかなりしんどいよ……」
    広「ふふ、言うね」
    リーリヤ「あ、いや、そういうワケじゃ……)

    私だって才能がないのに、何故だろう。
    広ちゃんを前にすると言葉が……少し辛辣になっている気がする。

  • 60◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 23:41:25

    結局起きることのできなかった広ちゃんを私は背負い、彼女の部屋へ運ぶことにした。
    だけど部屋を見ると、生活感はあまりなかった。
    汚いというワケではないが床に物や本が山積しており、唯一の机も物置になってしまっている。

    それよりも、同じ寮の筈なのになぜか実験ができる机があった。

    リーリヤ「これは……薬?」
    広「昨日できたばかり。体が、強くなる……たぶん」
    リーリヤ「たぶんかぁ……」
    広「飲んで、みるね?」
    リーリヤ「い、いや!だめだよ!」

    なんか濃い緑色だし、たぶん、きっとよくないと思う。
    というか広ちゃんの体だと耐えられなさそう。

    リーリヤ「飲むなら私が……」
    広「リーリヤ?」
    リーリヤ「私、広ちゃんよりかは丈夫だから」
    広「ふふ、辛辣」

    ということで私が飲んでみた。

  • 61◆je8PYTqP5Ydc25/07/14(月) 23:45:52

    すると、数度体が振動する。
    その後、ちょっとだけ体が重くなる。

    リーリヤ「これは……」
    広「肉体増強を目的としてたけど、驚いた。体そのものが変わっている」
    リーリヤ「ええっ、げ、解毒薬は?」
    広「つくる」
    リーリヤ「えっ、いつですか……?」
    広「今日中」
    リーリヤ「ええ……」

    広ちゃんが言うには、24時間以内に解毒薬を飲めば問題ないとのことだけど……。

    佑芽「広ちゃーーん!遊びにきたよーーー!!って、あれ、リーリヤちゃん!?」
    リーリヤ「こんにちは、佑芽ちゃん」
    佑芽「くんくん……」
    リーリヤ「う、佑芽ちゃん?」
    佑芽「なんかリーリヤちゃんから男の子の匂いがするよ!?」
    リーリヤ「ええ!?」

    そのとき、下半身辺りに……ちょっとした違和感が産まれた。
    こ、これってまさか……。

    広「おどろいた……性転換の効果が出るとは、ね」

  • 62◆je8PYTqP5Ydc25/07/15(火) 00:58:16

    リーリヤ「ええ!?私男の人に!?」
    広「ふふ、ほんの少しだけハスキーボイスになったね」
    佑芽「え、えっちだよ!?」
    リーリヤ「な、なんで!?」
    リーリヤ「まぁ……別に解毒剤があるから困らないかな」
    リーリヤ「体調に悪い訳ないからいいか」

    だけど何故か、皆に情報が漏れてしまった。
    そのときの皆の目は、少し、うん、怖かった。
    まぁ、でも大丈夫だろう……。
    ----
    ことね「あー!リーリヤちゃん、いたぁ~♥」
    リーリヤ「ことねちゃん!?」
    ことね「本当に男の子になってるんだ。うっひょー、胸板が厚い~!」

    ------
    手毬「ふーん、りーぴゃんがどうしてもっていうのなら、ことねみたいに抱きしめてくれてもいいよ」
    リーリヤ「……手毬ちゃん、ラーメン食べてきたでしょ」
    手毬「!?」
    リーリヤ「……おしおきです!」グリグリ……
    手毬「ぐすん」

    -----
    千奈「お、お姫様抱っこしてくださいまし!」
    リーリヤ「こ、こうかな?」
    千奈「最高ですわ~~~~!!!」

  • 63◆je8PYTqP5Ydc25/07/15(火) 01:04:10

    リーリヤ「麻央先輩?」
    麻央「ひゃい……」キューーーー
    リーリヤ(ゆでだこみたいになってる)
    麻央「だ、駄目だよリーリヤ。リーリヤの前ではボクは王子様でいたいのに……」
    リーリヤ(そうだ)

    見様見真似で傅き、そっと麻央先輩の手の甲に優しくキスをする。
    そう、例えるなら……騎士が姫に忠誠を誓うような……。

    麻央「ふ、ふわぁ……」
    リーリヤ「麻央先輩が気絶しちゃった……」
    リーリヤ「ってあれ……」

    麻央先輩の後ろに皆の列ができてしまっている……!

  • 64◆je8PYTqP5Ydc25/07/15(火) 01:20:47

    そろそろ騒ぎが大変なことになりそうだったので部屋に逃げ込んだ。
    だけど……。

    清夏「リーリヤ!?」
    リーリヤ「あ、清夏ちゃん……」
    清夏「その声……やっぱり男の子になってるんだ……」
    リーリヤ「き、清夏ちゃん……か、顔、近いよ?キスしたいの……?」
    清夏「ええと、とりあえず力強くあたしの手首を掴んで、壁ドンしてくれない?」
    リーリヤ「えっ?」

    -----
    リーリヤ「激動の一日だった……広ちゃんいる?」
    広「おかえり」
    リーリヤ「解毒剤はどうかな?」
    広「できたよ」

    受け取ってそれを飲むと、男っぽさや声が元に戻り始める。

    リーリヤ「ふぅ……」
    広「じー……」
    リーリヤ「どうしたの?」
    広「よく見ると、リーリヤ、とってもかわいい」
    広「それに、私を天才という人はいっぱいいた。だけど、心配してくれる人はいなかった」
    広「……うん」
    広「私、リーリヤのコト好き」
    リーリヤ「…………」
    リーリヤ「…………えっとね」

    リーリヤ「ごめんなさい!」

  • 65◆je8PYTqP5Ydc25/07/15(火) 01:25:34

    広「……振られた?」
    広「ふふ、ままならないね……」
    広「…………」
    広「リーリヤ? なんで抱きしめてくるの?」
    リーリヤ「広ちゃんは最初はこう言った方が喜ぶ……ような気がしたの」
    リーリヤ「広ちゃんのこと、私も好きだよ」

    でも、彼女は苦しいを楽しい、と思える心がある。だからこそ、それを否定したくない。

    広「ふふ……とっても鬼畜。私、乱暴されちゃうんだね」
    リーリヤ「広ちゃんに乱暴なんかしたらすぐ折れちゃうよ」
    広「それは、そう」
    広「ふふふ、私をよく理解してるんだね、リーリヤ。嬉しい。はじめて」

    そう言いながら広ちゃんは、静かにそっと、私の唇にキスをした。

    広「ちう」
    リーリヤ「広ちゃん!?」
    広「……油断はだめだ、よ」

    篠澤広さんは、出逢う前も出逢った後もよくわからないことが多い。
    だけど、彼女なりの愛情表現であることはわかる。
    初めて抱いた感情を、彼女なりのあまりにも不器用な方法で私に表出したのだ。
    そんな広ちゃんのキスは、冷たいながらも奥に秘めた熱を感じさせる――不思議なものだった。

  • 66◆je8PYTqP5Ydc25/07/15(火) 01:26:39

    ???「私だけりーぴゃんにキスされてないんだけど!!!!」

  • 67◆je8PYTqP5Ydc25/07/15(火) 01:29:30

    はい、というわけで広編でした。

    次は広を加えた上でハワイ旅行編です。

    いやぁ、広はその性格やスペックからトラブルの起点にできるから本当に描きやすいですね。

    バスケ大会の面子だったらどうしようか悩みましたが、本当に偶然のたまものですね。


    というわけで次の子ダイス(重複の場合+1):dice1d13=4 (4)


    登場自体はハワイ旅行編後です。

  • 68二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 08:18:47

    ほし

  • 69二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 16:10:01

    ゅう

  • 70◆je8PYTqP5Ydc25/07/15(火) 21:19:19

    リーリヤ「という次第でございまして……」
    広「よろしく、ね」

    佑芽「わー!広ちゃんだー!!!」
    千奈「嬉しいですわ!」
    手毬「補習組が揃ってしまった」
    ことね「人数がどんどん増えてきている」

    ここでとりあえず、広ちゃんをハワイに一緒に行っていいかを聞くことにした。

    清夏「一人分余ってるならちょうどいいね」
    ことね「いぎなーし」
    千奈・佑芽「「わぁい!」」
    麻央「人は多ければ多い程たのしいからね」
    手毬「ふぅん、勝手にすれば?」
    リーリヤ「ほっ、大丈夫そうだ」
    リーリヤ「ならそろそろ出発しようか、広ちゃんももう荷物をちゃんと向こうに送ってるし」
    ことね「尺のせいですごいハードスケジュール」

    広「リーリヤ、リーリヤ。これ、飲んでみて」
    リーリヤ「これはなんだろう……」ゴクン
    ことね「警戒心とかはないの?」

  • 71◆je8PYTqP5Ydc25/07/15(火) 21:54:49

    ぼふっ!

    リーリヤ(あれ、これって酔い止めじゃないの……?)
    リーリヤ(というか上手く喋れないや……)

    煙が晴れると、みんな驚いているようだ。

    広「ふふ、成功」
    佑芽「そ、そんな、リーリヤちゃんが……」
    千奈「赤ん坊になってしまいましたわ!?」

    ええ!?

    清夏「り、リーリヤ……ほら、鏡……」
    リーリヤ「!?」

    これは……アルバムとかで見る、昔の私!

    リーリヤ「りー……?」
    ことね「赤ちゃんでも『りー』は言わないだろ……でもどうすんだ……」
    清夏「どうしよう、飛行機の時間が近いよ?」
    ことね「解毒剤は……」
    広「ある。でも、時間がないね」
    ことね「仕方ない……」

    え、それはつまり……私は赤ん坊のままハワイに!?

  • 72◆je8PYTqP5Ydc25/07/15(火) 22:15:42

    ことね「だいじょうぶだいじょうぶ!あたしとかチビの扱い慣れてるし!」
    清夏「リーリヤのこんな姿、写真でしか見たことないからかわいいなぁ」
    手毬「ふぅん、お姉ちゃんって呼んでくれていいよ」
    佑芽「ふふん!私がお姉ちゃんだよ!」

    てな感じで私はかわるがわる皆に抱っこされている。
    勿論抵抗する術はない。
    悪い気はしないけど、折角の旅行なのにこれでいいのかな……?

    リーリヤ(でもみんな……とっても楽しそうな顔しているな)
    リーリヤ(なら、いいのかな?)

    清夏「誰がリーリヤを抱っこして座るかだけど、当然付き合いの長いあたしだよね」
    ことね「ここは経験長いあたしじゃないかな?」
    手毬「りーぴゃんは私のことが好きだから」
    千奈「わたくしにお任せください!香名江もいますから!」
    佑芽「お姉ちゃんのお守りをしたこともあるから私にまかせて!!!!」
    麻央「いえ、年長者でいるボクが……」

    ガヤガヤガヤガヤ……

    広「ふふ、前途多難だ、ね」
    リーリヤ(だめそうだ……)

  • 73◆je8PYTqP5Ydc25/07/16(水) 01:19:14

    今日はここまでです!
    よい夢を!

  • 74二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 07:51:36

    おは保守

  • 75◆je8PYTqP5Ydc25/07/16(水) 15:26:27

    飛行機にて。

    ことね「えっ、貸し切り飛行機じゃん!?なんで!?」
    千奈「実は……バスケ大会の主催は、倉本家ですの!!!」
    清夏「ええっ!? といいことは……千奈っちプレイベートジェット持ってるんだ!」
    リーリヤ「りー……」
    千奈「これで誰にも邪魔が入りませんわ!」
    佑芽「すご~~~い!!!」
    広「リクライニングがふわふわ、ぐっすり眠れそう」
    麻央「わぁっ、機内サービスがとっても美味しい!」
    手毬「こんなに美味しいのはじめて!!!」

    ことね「うーむ、贅沢生活に慣れたら戻れなくなりそうだ……」

    千奈ちゃんのおかげで快適な旅になりそうです。

    清夏「リーリヤはあたしと一緒に座ろうね」
    ことね「あたしと一緒の方がいいって」

    ガヤガヤ……
    うーん……大丈夫かな?

  • 76◆je8PYTqP5Ydc25/07/16(水) 16:01:01

    リーリヤ「あ……あ……りー……」
    清夏「あれ?」
    麻央「少し喋れるようになってる?」
    広「薬の影響。解毒剤がなくても、元の年齢までに戻ろうとする反動が起きる」
    ことね「今回の旅って一週間だよね」
    広「六日で元に戻る。最後の一日は元の姿」
    ことね「とても絶妙な調整」

    まだ上手く喋れないや。

    佑芽「誰の名前を最初に言うかな?」
    手毬「私でしょ」
    千奈「ここはわたくしですわ!」

    ガヤガヤガヤガヤ…………

    皆が口論?に勤しむ中、飛行機はゆっくりと陸を離れる。
    スウェーデンから来たときにも乗ったけれど、飛行機は楽しいな。
    なによりもみんなでこの場にいられる……それが嬉しい。

  • 77◆je8PYTqP5Ydc25/07/16(水) 22:12:49

    リーリヤ「りー……りや!」
    清夏「ハワイだ!!!」
    麻央「サマーマ!!!!!」

    ことね「無事についてよかったナー」
    佑芽「うええ、酔っちゃった……」
    手毬「ふふ、わ、わたしも……うぷ」
    広「飛行機酔いとかあるんだ」
    千奈「あちらに送迎者が来ていますわ!」
    ----
    学P「目的地まで案内しますね。安心して休んでください」
    千奈「あら、以前の……」
    ことね「知り合いなのは助かりますが、どうしてハワイで運転手を……?」
    学P「副業ですよ」
    清夏「プロデュース科って大変なんだねー」

    そうして空港を出発した一向は、目的のホテルへと進んでいった。

    リーリヤ「しゅみ……」
    清夏「そうそう、ゆっくりでいいからねー」
    リーリヤ「……たん」
    清夏「おしい」
    ことね「あながち間違いでもないというのが……」

  • 78◆je8PYTqP5Ydc25/07/16(水) 23:28:25

    飛行機に乗る前は座るか、ハイハイしかできなかった。
    だけど、ゆっくりとだが歩けるようになった。
    あんよがじょうず……状態なのかな。

    そしていつの間にか、私を抱っこする子が清夏ちゃんになっていた。
    付き合いが長いから……なのかな。

    色々と不便もあるけれど、なによりもトイレが困る。本当に困る。
    ハワイにおまるが売っていてよかったよ。本当に。

    で、今は清夏ちゃんが私をあやす番……らしい。抱っこしたまま海岸沿いを歩いている。

    リーリヤ「しゅみ、ちゃん」
    清夏「おー、可愛いね、暑くない?」
    リーリヤ「うん」

    ……コミュニケーションが難しいや。
    他の皆は浅瀬で遊んでいる。佑芽ちゃんや手毬ちゃんは沖まで泳いでいるね。広ちゃんや千奈ちゃんは砂浜で遊んでいる。
    でも、清夏ちゃんは海にあんまり近づいていない。
    もしかして足を気にしてるのかな?
    言葉にできないのがもどかしいなぁ。

  • 79◆je8PYTqP5Ydc25/07/17(木) 01:35:19

    今日は眠ります!
    続きはまた明日!
    よい夢を!

  • 80二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 08:30:32

    あさほしゅ

  • 81◆je8PYTqP5Ydc25/07/17(木) 16:06:27

    リーリヤ「うみ……!」

    とてとて歩きで浅瀬に入ろうとするが、清夏ちゃんに止められてしまう。

    リーリヤ「だめ?」
    清夏「だめじゃないけど危ないよ」
    リーリヤ「しゅみたん……入る……だめ?」
    清夏「……大丈夫だけどぉ」

    伝わってないなぁ……そうだ、木の枝を適当に拾って……。
    文字を書く!
    ……なんで小さくなると文字も汚くなるんだろう。
    ともかく、なんとか綺麗な砂浜に……ひらがなを描く!

    『すみか こわくない。あし もう だいじょうぶ。うみ こわくない』

    語彙力落ちてるなぁ……。

    清夏「……リーリヤ」
    リーリヤ「しゅみ……いたっ」デコピン
    清夏「ちっちゃくなったのに相変わらず一度決めたら頑固だねぇ」
    清夏「もう、本当に……」
    清夏「生意気だ―!」ワシャワシャ
    リーリヤ「やめ、やめてぇ……」
    清夏「ようし、そこまで言うなら海に入れてあげよう!怖くなって泣いても、助けてあげないんだから!」
    リーリヤ「うん!」

  • 82◆je8PYTqP5Ydc25/07/18(金) 01:00:07

    清夏ちゃんと浅瀬でいっぱい遊んでいたけど、急にふらりときたのは私だった。
    もしかして……体力も落ちてる?

    気が付くと眠ってしまっていた。
    目覚めると……。

    ことね「起きたね」
    ことね「清夏に何か言ってあげたの?遠慮がちだったけど今はみんなと海を楽しむようになったよ」
    リーリヤ「よかた」
    ことね「今は3歳児くらいかな?」
    ことね「にしちゃあ、配慮できすぎだぞー。もっと甘えてもいいってのにサ」
    リーリヤ「りー」

    気になるものは仕方ないよ。
    ことねちゃんは休憩がてら私の面倒を見ていてくれているらしい。

    ことね「とかいって、あたしが一緒にいたいだけなんだけどナー」
    リーリヤ「うんしょ、うんしょ」
    ことね「どうした?」

    コツは掴んだ。
    木の枝で再びコミュニケーションをとる。

    ことね「筆談かぁ、考えたね」
    『ことね ちゃんは うみ きたことある?』
    ことね「チビたちと同じまんまるい字なんだ」

    そう言われると恥ずかしい。

  • 83二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 08:11:58

    おはようの

  • 84◆je8PYTqP5Ydc25/07/18(金) 08:45:55

    ことね「だいぶ前かな、うん、本当にずっとずっと前」
    ことね「お父さんがいたころかな」
    ことね「まだあたしも、今のリーリヤちゃんくらいで……記憶だってあいまい」
    ことね「もちろん海外なんかじゃなかったし、ここほど綺麗でもなかった」
    ことね「だけど鮮明に残っているんだよね」

    ことねちゃんの抱える背景、本人が語ろうとするまでは無理に聞き出すつもりはなかった。
    だけど、会話の節々から……わかることはあった。

    リーリヤ「…………」カキカキ

    『それは つらい おもいで?』
    ことね「複雑かナー。許せない、で割り切れればもっと楽なんだろうけど……」
    ことね「割り切れないんだ」
    『でも そのおもいでが ことねちゃんを つくってる』
    ことね「ほんとに三歳児かー? つっても中身はリーリヤちゃんだから……こんがらがるなー」

    そういいながらも、強く私をぎゅっと抱きしめる。

    ことね「想い出があたしを作る、か。きっとそうだと思う」

    ことねちゃんのお父さんは、どこにいるんだろう?
    ことねちゃんを見るに……無責任に家を投げ出す人じゃない、ってことはわかる。
    探してみたいけど、今の私じゃまだ難しそうだ。

  • 85◆je8PYTqP5Ydc25/07/18(金) 14:24:06

    ことね「よーし、お腹すいたっしょ。何か食べよっか」
    リーリヤ「うん!」

    日本の海には、『海の家』があるって聞くけどハワイにはなくて、オーシャンビューみたいなカフェがいっぱいある。
    ことねちゃんが目に入ったのは、パンケーキだった。フルーツたっぷりで、なかなかヘビーに見えるけど……

    ことね「あれって……」
    リーリヤ「てみゃりちゃん?」

    そこには一人で店の奥にて、サングラスをしてドカ食いしている手毬ちゃんがいた。

    ことね「おい!手毬!何してんだ!?」
    手毬「こ、ことね!? りーぴゃん!?」
    リーリヤ「だめ!だめ!たべしゅぎ!」
    手毬「そんなに食べてないもん!」
    ことね「だったらその五枚も積まれた使用済みの皿はなんだよ!」
    ことね「ダンストレーナーに食べすぎるなって重々言われてただろ!?」
    手毬「食べてないもん」

    あれっ、ことねちゃんが手毬ちゃんを叱るのはいつもあったのになぜだろう、近くにいると怖くなって……。

    リーリヤ「うぇぇ……」グスッ
    ことね「えっ!?リーリヤちゃん怖がらせちゃった」
    手毬「ううっ……」グスッ
    ことね「なんで手毬まで泣くんだよぉ!?」

  • 86◆je8PYTqP5Ydc25/07/18(金) 14:54:53

    手毬「ううっ、なんでバカンス先で遠泳なんて……」
    リーリヤ「はんせいっ、はんせいっ」

    お冠なことねちゃんによって手毬ちゃんは食べた分を消費するまで遠泳が命じられた。
    ただ遠泳だとさぼりかねないし、事故があったら大変なので手毬ちゃんの腰に紐を巻いて、小さなゴムボートを引っ張ってもらうことになった。
    ことねちゃんと私が乗って監視するのだ。

    ことね「油断したらこれだよ。晩御飯はビュッフェなんだから我慢しろよナー」
    手毬「ビュッフェ!?やったぁ!」
    ことね「泳ぎ切らないと食べちゃダメだぞー」
    手毬「鬼、悪魔……」
    リーリヤ「がんばれ、がんばれ」

  • 87二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 18:12:55

    ひらがなリーリヤかわいい

  • 88◆je8PYTqP5Ydc25/07/18(金) 20:48:10

    翌日の朝。
    なんとか手毬ちゃんはしっかりと運動をこなし、ビュッフェを楽しんだ。
    普段よりも私は疲れがたまりやすいのか、眠ってしまった。
    夜明けごろに目覚めた私の体は六から七歳くらいになっていた。

    少し外の空気を吸おうと思ったら朝から全力で走り込んでる佑芽ちゃんがいた。

    佑芽「あ、おはよう!!!」
    リーリヤ「おはよう、佑芽ちゃん」
    佑芽「昨日より話せるようになってるね!これから走ってくるね!」
    リーリヤ「私も走る!」

    だけど、この体じゃ数分くらいでばててしまうようだ。
    悔しい……。

    佑芽「私に任せて!」

    そう言って佑芽ちゃんは私をおんぶしてくれた。
    そのまま先程と同じ速度で走りはじめた!
    朝の風を浴びて、とっても気持ちよくなる。定期的な揺れに、佑芽ちゃんの香り……眠くなる。

    佑芽「り、リーリヤちゃん!?え、えっちだよ!?」
    リーリヤ「な、なにもしてないよ!?」
    佑芽「嘘だ!匂い嗅いだでしょ!!!!」
    リーリヤ「い、いい匂いですよ!?」
    佑芽「言わなくていいからっ!!!」

  • 89◆je8PYTqP5Ydc25/07/19(土) 01:14:06

    佑芽「ふえー、まさかハワイの宿に露天風呂があるなんてね」
    リーリヤ「びっくりだねぇ」
    佑芽「リーリヤちゃん、溺れちゃだめだよー」
    リーリヤ「大丈夫!」

    普段はわいわい楽しく話すけど、今はゆったりとした時間になっている。

    佑芽「お姉ちゃんと実家の温泉にきたことしかなかったから」
    リーリヤ「花海トレーニングセンター?」
    佑芽「うん!」
    佑芽「お姉ちゃんは今だって好きだけど、こうやって本当に好きな人と来れるのははじめてなんだー」
    リーリヤ「私もだよ」
    佑芽「ねぇ、お願いしていい……?」
    リーリヤ「なぁに?」

    のぼせたかのように佑芽ちゃんが顔を赤くしてしまう。
    佑芽ちゃんは自分の気持ちを言うときは意外と恥ずかしがるんだ。

    佑芽「もう一回、ちゃんとキスしたい。あ!もちろんこれからもしたいけど、あのときは勢いがあったから」モニョモニョ……。
    リーリヤ「わかった!きて!」

    二人だけの秘密が、また増えた……そんな朝だった。

  • 90◆je8PYTqP5Ydc25/07/19(土) 01:32:30

    葛城リーリヤ、九歳くらいになりました。
    今回の旅行の予定に、豪華客船での旅もあって……今はそこで皆楽しんでいる。
    船内には運動場もあり、佑芽ちゃんや麻央先輩はバスケをしている。あのときからハマっているようだ。
    手毬ちゃんはバイキングに行っちゃった。
    ちょっと心配だけどことねちゃんがいるから大丈夫だと思う。

    千奈「眠ったようですわ」
    リーリヤ「よかった。船酔いになったときはびっくりしたよ」
    千奈「わたくし一人では混乱してましたわ!」

    少しだけ二人で、何もしゃべらずにゆったりと過ごす。
    すると、ウェイトレスさんがスイカをそのまま器にした大きなドリンクを持ってきた!
    律義にカップル用のハートのストローだ!

    千奈「す、すごいですわ!」
    リーリヤ「じ、実在するんだ」
    千奈・リーリヤ「「おいしい~~~!」」

    最高のスイーツに舌鼓しながら、いろんな話をする。学園での話、佑芽ちゃんや広ちゃんがいる二組の話……。
    そして千奈ちゃんが大好きなメイドさんや家の話。

    千奈「わたくし、学園に入ってから毎日がとーっても楽しいんです」
    千奈「リーリヤさんはどうですか??」
    リーリヤ「こんなに楽しんだら罰が当たるんじゃないかって思うくらいには……毎日感じてるよ」
    千奈「一緒ですわね!」パァッ……

    とても強い日差しだった。そこに雲がかかり、ほんの少しだけ……曇りの影が拡がった。

  • 91◆je8PYTqP5Ydc25/07/19(土) 01:41:20

    千奈「わたくしね、たまに……すごーく不安になる日がありますの」
    千奈「みながアイドルを目指し、一番星を目指し……いつか戦わないといけなくなるかもしれません」
    千奈「そのときに……今のようにいられなくなるんじゃないか、と」

    千奈ちゃんは、きっと誰よりも優しい心を持っている。
    だからこそ、たまに……どうしようもない現実を前にして、いっぱいいっぱいになってしまうんじゃないかと思ってしまう。
    そしてそれを表に出さないで……いつだって気丈に振舞える。
    私にない力を持っているアイドルなんだ。

    リーリヤ「そんな悲しいことにはさせないよ」
    リーリヤ「もしかしたら、どこかで目標が交わるかもしれない。逆に……まったく思いもよらない方向に行ってしまうかもしれない」
    リーリヤ「だけど、それでも私たちの関係性は変わらないし、全員を幸せにしたい」
    千奈「リーリヤさ……きゃっ!?」

    千奈ちゃんは比較的小柄だけど、それよりももっと小さくなっている私が千奈ちゃんの頭を抱きしめる。
    初めての運命の人は、倉本千奈ちゃんだった。
    これから彼女は増えるかもしれないけど……大切なのはいつだって変わらない。

    千奈「リーリヤさんは優しいですわ。でもちょっと悔しくもあります。今ばかりはお姉さんになろうと思いましたのに……憧れているのですよ?花海さんのような姉妹を……」
    リーリヤ「じゃあ、今日はお姉ちゃんになってくれる?」
    千奈「ええ、喜んで!」

    そういい、千奈ちゃんは私の額にそっとキスをしてくれた。

  • 92二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:48:01

    おはほし

  • 93◆je8PYTqP5Ydc25/07/19(土) 13:45:22

    おはようございます、異常葛城愛者です。
    今日の更新は夕方くらいになりそうです
    よろしくお願いいたします。

  • 94二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:06:05

    ほしゅ

  • 95◆je8PYTqP5Ydc25/07/20(日) 01:55:48

    成長は早いもので・・・・・・十歳になりました。少しだけだけど夜更かしができるようになった。

    ということで、私は麻央センパイと豪華客船内にある舞台で上映されるオペラを鑑賞することになった。
    上映が夜九時過ぎるのもあって、眠ってしまっていたけどもう大丈夫。
    来日公演もよほど幸運じゃなければチケットがとれないらしく、とても楽しみだ。それに貸し切りだから、周りを気にしないで楽しめる。
    濃密でいて高いクオリティの上映に、私と麻央センパイはただただ息を呑むばかりだった。

    そして終演後、バーラウンジに私たちは移動した。
    みんないるかな、とも思ったけど誰もおらず、また私と麻央センパイの貸し切りとなった。

    麻央「おいしいね、ワイン・・・・・・は飲めないからカクテル風のソフトドリンクだけど」
    リーリヤ「はい、とっても美味しいです」

    今日は普段と違い、二人ともドレスで正装している。なにか、大女優になった気分だ。

    麻央「リーリヤは、楽しめているかい?」
    リーリヤ「ええ、ずっとこの旅が続いてほしい、そう思うくらいには」
    麻央「ボクもだよ」

  • 96◆je8PYTqP5Ydc25/07/20(日) 02:02:00

    カラン、と氷の音が鳴る。

    麻央「リーリヤと出会うまではアイドルとしてもうこれ以上は見込めない、そう思ってた」
    麻央「だけどリーリヤと出会ってからは、どんどん伸びてきて、自分でも・・・・・・見違えるくらいに日々が変わったよ」
    麻央「改めて、お礼を言いたかった」
    リーリヤ「お礼だなんて・・・・・・」
    麻央「言わせて欲しかったんだ」

    静かな空間で二人きり、とても胸がドキドキする。
    何度目かの静寂が訪れた後だろうか。
    麻央センパイがそっと私の肩にしなだれかかってきた。二人きりのときは、麻央センパイはこういうことが多い。
    私だけに見せる可愛い、甘えたがりの姿は特に大好きだ。
    だけど今日だけは、ちょっと積極的だった。

    麻央「ん・・・・・・」

    しなだれかかった後に、麻央センパイはそっと口づけをしてきた。普段の優しいものとは違う、センパイが優位に立った攻めたキス。
    今日の麻央センパイは間違いなく王子様だった。私はされるがままに、フレンチキスをしてしまう。

    麻央「この続きは、お互い卒業してからだね」

    そう意地悪にじらす姿に、ああ、私はまだ勝てないなぁ、と思うのだった。

  • 97二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:53:32

    イケメン寮長

  • 98二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 14:30:25

    hoshu

  • 99◆je8PYTqP5Ydc25/07/20(日) 21:09:01

    広「今回の旅行でずっとリーリヤを観察してた」
    リーリヤ「広ちゃん?」
    広「全員と付き合う。どういうことか、最初は理解が難しかった」
    広「必ず優劣が出るんじゃないかと、そう思っていた」
    広「でも存在しなかった」

    ゆっくりと広ちゃんは豪華客船の展望エリアの端へ進んでいく。

    広「みんなを幸せにする、その言葉に偽りはなかった、ね」
    リーリヤ「ま、まって」

    広ちゃんは入ってはいけない鎖で区切られた場所――これ以上進むと船から落ちる危険性がある――をずんずんと進んでいく。
    不安になったけど、一人で行かせる訳にはいかない。

    広「だから、安心してこの場所に立つことができる」

    ふわりと、その広ちゃんのか細い影がゆれて、あわや水面へと落ちかける。

  • 100◆je8PYTqP5Ydc25/07/20(日) 21:14:32

    私は急いで彼女の体を巻き込むように、後ろ側に倒れ込んだ。
    危ないところだった。

    リーリヤ「広ちゃん!?広ちゃんの弱い体じゃ、死んじゃうかもしれなかったんだよ!?」
    広「リーリヤは助けてくれる、口ではいろいろと言うけれど・・・・・・私を助けてくれる」
    広「事実、そうなった、ね」
    リーリヤ「馬鹿・・・・・・もう次はしませんから」
    広「ふふ、流石にもうしない」

    広ちゃんはそういい、私にキスをした。

    リーリヤ「私、怒ってるんだからね?」
    広「ごめん。この旅、私に居場所があるかずっと疑問だった」
    リーリヤ「その疑問は・・・・・・解けた?」
    広「うん、私は幸せ者だ」

    海猫の声が響く。
    もうすぐ、この豪華客船は船場へとたどり着く。ハワイに残された夜はあと二日・・・・・・はやいものだ。

    リーリヤ「幸せはこれからもあるよ。みんなで同じ舞台にたつんだ」
    広「私・・・・・・アイドルになれそうかな」
    リーリヤ「今は・・・・・・1%もないと思う・・・・・・言いたくはないけど」
    広「ふふ、辛辣」
    リーリヤ「でも立てるよ、私が立たせる」
    広「信じられる、ね。そうだ」
    リーリヤ「どうしたの?」
    広「婚約しよ」リーリヤ「まだしないからね!?」

  • 101◆je8PYTqP5Ydc25/07/20(日) 21:52:49

    最後の一日です!リーリヤが元の姿に戻れました!

    よかったですね。


    最後の一日を誰と過ごすかはダイスで決めようと思います。

    長丁場になったハワイ編、クライマックスです。よろしくお願い申し上げます。


    dice1d7=6 (6)

  • 102◆je8PYTqP5Ydc25/07/21(月) 00:19:37

    最終日。

    広「無事に戻った、ね」
    広「後遺症は?」
    リーリヤ「特にないよ」

    フライトは深夜だ。
    変な感じではあるけど、そのおかげで夕暮れ時に二人で海岸沿いを歩くことができた。

    広「海の音、不思議」
    広「・・・・・・今まで何も感じることはなかった」
    広「風景も、音も、五感のすべてが」
    リーリヤ「・・・・・・広ちゃん」
    広「千奈や佑芽やリーリヤが初めてできた友達だった。そして・・・・・・好きな人ができた」
    広「パパとママみたいになれるとは思っていなかったから」

    海風に揺れる広ちゃんの髪は、夕日の光を吸ってキラキラと輝く。

    広「リーリヤが、私という存在に『コントラスト』を与えてくれた」

  • 103二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:47:10

    りー広の可能性

  • 104◆je8PYTqP5Ydc25/07/21(月) 02:11:13

    だけど、ゆっくりと歩いていても広ちゃんは疲れちゃったみたい。
    誰もいない砂浜にそっと二人、座り込む。

    広「見て、リーリヤ。大きな貝殻」
    リーリヤ「ほんとだ、大きい」
    広「・・・・・・本当に海の音が聞こえるんだ」
    広「本で読んだときは半信半疑だった」
    リーリヤ「今はどう?」
    広「とってもよく聞こえる」

    そっと後ろからあすなろ抱きをした広ちゃんが、同じ貝殻を私の耳に当ててくれる。

    リーリヤ「広ちゃんの歌声みたい」
    広「っ・・・・・・!?」
    広「急に、びっくりする」
    リーリヤ「そうかな?」
    広「予想以上にリーリヤは攻め攻め。私、がくがくに腰が砕けちゃうね」
    リーリヤ「そんな鬼畜なこと、しないよぉ」

  • 105◆je8PYTqP5Ydc25/07/21(月) 03:06:47

    広「帰りたくない、ね」
    リーリヤ「・・・・・・・・・・・・」
    広「リーリヤは、違う?」
    リーリヤ「どっちもあると思う。もっといたいとも思う・・・・・・でも、また来ることもできるって、そうも思えるんだ」
    広「将来の夢になったんだね」
    リーリヤ「ちょっと違うかな」
    広「?」
    リーリヤ「絶対に叶える・・・・・・それは夢じゃないかなって」
    広「ふふ、予定だね」

    ふと、広ちゃんが立ち上がると私の手を引いて、近くにあった岩場へと向かっていく。
    人気もなく、誰にも見えない場所。

    そこに入った広ちゃんは、強引にむさぼるように、私の唇をうばった。

    リーリヤ「どうしたの?」
    広「・・・・・・ちょっと、意地悪」

    お互い、汗が零れる。
    それでもキスをやめなかった。ちょっと背徳的で、ちょっと内緒の求愛行動。
    やっと元の年に戻れた私は、予期せぬ広ちゃんからの攻めにタジタジになってしまうのだった。

  • 106◆je8PYTqP5Ydc25/07/21(月) 03:07:52

    はい、という訳でハワイ編、エンドです。
    彼女追加もいいですが、時にはこういうのもいいですね。

    明日以降は莉波編です。
    よろしくお願い申し上げます。

    良い夢を!

  • 107二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 11:07:00

    保守

  • 108◆je8PYTqP5Ydc25/07/21(月) 17:42:51

    こんにちは!

    なんと前スレをまとめていただけました!画像ありで見やすくやってるので良ければ是非


    【閲覧注意🎲】リーリヤのことが大大大大大好きな13人の初星アイドル【百合注意】に対する反応【学園アイドルマスター/学マス】


  • 109◆je8PYTqP5Ydc25/07/21(月) 18:29:42

    リーリヤ「あっという間の一週間でした」
    学P「楽しめたようで何よりです」
    リーリヤ「ところでセンパイもハワイで観光を?」
    学P「いえ、あのあとはマグロ漁船にて遠洋漁業の手伝いをしてました」
    リーリヤ「センパイはいったい……?」

    そう話していると、センパイは何らかの資料をまとめはじめた。

    学P「生徒会に提出する資料がありますので、申し訳ありませんが失礼しますね」
    リーリヤ「それなら私が持っていきましょうか?」
    -------
    リーリヤ「失礼します」
    リーリヤ「資料を持ってきたのですが」
    莉波「こんにちは、貴女は……葛城リーリヤさん」

    後ろを向いていた姫崎先輩が振り向いて、私に対し微笑む。

    ビビーーーン!!!!!!

    莉波「まさか……」
    莉波「ここにいたんだね、妹ちゃん……」
    リーリヤ「!?」

  • 110◆je8PYTqP5Ydc25/07/21(月) 20:16:17

    幼少期、年上のお姉さんと思しき人と遊んだ……記憶なんてないよ。
    私スウェーデンだったし……。
    それに年上の姉なんて……あれ、なにも違和感はないや。

    莉波「懐かしいね……」(ハイライトオフ)
    リーリヤ「ええ!?ま、待ってください、私たち初対面ですよ!?」
    莉波「はっ……」
    莉波「……どうしてだろう、私もそんな経験がないのに……」

    姫崎センパイ。
    麻央センパイと一緒にいるのを見たことがある。すごく包容力があるというか……。
    母性がすごい?
    昔は妹系アイドルで売っていたけどあまり飛ばなかったと、センパイ(学P)から聞いている。

    莉波「でも問題ないよね。リーリヤちゃんを妹にしても……」
    リーリヤ「い、妹じゃないですよ!?」
    莉波「ううん!記憶あるもん!一緒に遊んだ記憶が……」
    リーリヤ「思い違いですよ!?」

  • 111◆je8PYTqP5Ydc25/07/21(月) 21:45:47

    一呼吸置きました。
    姫崎センパイが紅茶を入れてくれた。

    リーリヤ「ありがとうございます」
    莉波「聞いているよ、リーリヤちゃんのおかげで麻央が前よりも元気になったんだよね」
    莉波「私からも伝えておくね、ありがとう」
    リーリヤ「私は何もしていません。麻央センパイが頑張っているからです」
    莉波「それでどうして生徒会室へ?」
    リーリヤ「あ、忘れる所でした。学Pさんから書類を預かっていて」
    莉波「受け取るね」

    莉波は受け取って、素早く処理する。

    リーリヤ(すごいなぁ……仕事がはやい……)
    リーリヤ(包容力……バブみともいうかな……)
    莉波「しっかり確認したよ」

    そう告げた姫崎センパイは手を広げ、まるで私を招く様な素振りを見せる。

    リーリヤ「どうしました?」
    莉波「妹がお姉ちゃんに甘えるのは当然だと思うな」
    リーリヤ「そうかな……そうかも……」

    気が付けば姫崎センパイ……もといお姉ちゃんの勢いに飲み込まれていた。

  • 112◆je8PYTqP5Ydc25/07/21(月) 21:51:29

    姫崎センパイに甘えれば甘える程思考力が落ちている気がするな……。

    莉波「さ、一緒に家に帰ろうね」
    リーリヤ「はい……」
    莉波「さ、一緒にお風呂入ろうね」
    リーリヤ「はい……」
    莉波「さ、晩御飯だよ。一緒に食べるのは久しぶりだね」
    リーリヤ「はい……」
    莉波「さ、一緒に寝ようね」
    リーリヤ「はい……はっ!?」

    私は一体何を……?
    というかここは……麻央センパイの部屋!?
    そうか、姫崎センパイと同室なんだった。
    私はなんで……?

    これが……お姉ちゃん力?
    私が飲み込まれるなんて……。
    だけど、否定するのは違う。これが姫崎センパイの『素』なのだ。
    ではどうするか?

    ――私がより大きな妹力で圧倒するんだ!

  • 113二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 01:34:08

    りーちゃん

  • 114◆je8PYTqP5Ydc25/07/22(火) 01:39:26

    明くる日。

    莉波「今日も書類を……」
    莉波「あれっ」
    リーリヤ「書類は終わらせておきました!妹なので」
    -----
    麻央「美味しいよ、リーリヤ」
    莉波「えっと、何を……?」
    リーリヤ「妹なのでご飯を作ってみました!今日は味噌汁にチャレンジです!」
    -----
    莉波「あれ、私眠って……」
    莉波「布団がかぶせられてる」
    莉波「あっ」
    リーリヤ「zzzz……」

    莉波は負けじと行われるリーリヤの妹行為に驚いてしまった。

  • 115二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 08:00:50

    ほしゅ

  • 116◆je8PYTqP5Ydc25/07/22(火) 08:30:48

    莉波「リーリヤちゃん、本気みたいだね」
    莉波「それなら、私も負けてられない」
    莉波「お姉ちゃん強化月間だ……!」

    -----
    麻央「わぁ……家が綺麗になりすぎて新居みたいだ」
    麻央「わぁ……三食しっかり出来立てだ」
    麻央「わぁ……服も布団も洗い立てでふわふわだ」
    ことね「うーん……?」
    -----
    清夏「えっ、片付けてなかった化粧品が整頓されてる」
    清夏「それも使う順になってる……」
    清夏「それに帰ってきたタイミングでいつもごはんが炊けている……」
    ことね「うーん……食堂のはずなのに」
    -----
    手毬「聞いてよことね!!!」
    手毬「剝がされていたとんかつの衣が!治ってる!」
    手毬「やったー!!!」
    ことね「物理法則どうなってんだ……」
    ことね「これは……」
    ------
    ことね「わぁ!?なんだあれ!?」

    まるで台風だった。目にもとまらぬ速さで移動するリーリヤと莉波が、皆の生活環境のありとあらゆるものを解決していっているのだ。
    最初は寮内にて見られる現象だったのだが……

    ことね「えっ、今日のバイト、おやすみですか!?」
    ことね「給料がちゃんと出るのはありがたいですが……」
    ことね「…………」

  • 117◆je8PYTqP5Ydc25/07/22(火) 08:44:11

    ことね「リーリヤちゃん!姫崎先輩!正座」
    リーリヤ「えっ」莉波「えっ」
    ことね「正座」

    ことねちゃんが怒っている。なんでだろう。

    ことね「お世話しすぎ」
    莉波「ええ!?」
    莉波「みんな私の妹なんだからお世話して当然だよ」
    ことね「妹じゃないですからね!?」
    リーリヤ「私はお姉ちゃんみんなを助けたくて……」
    ことね「お姉ちゃんっ子リーリヤちゃんかわいい……」
    ことね「じゃなくって!」
    ことね「お世話してくれるのはありがたいですが、さすがにバイトまで代わられたらもうみんな自分で生活できなくなってしまいますよ」
    莉波「そうかなぁ」

    ここは姫崎センパイと麻央センパイのお部屋。
    ことねちゃんは麻央センパイを指さす。

    ことね「見てくださいよ!」
    麻央「すやぁ」
    ことね「特にお世話され続けたせいで麻央ちゃんパイセン、おくるみまで着せられて赤ちゃんみたいに眠ってるじゃないですか!」
    ことね「これじゃあ赤ちゃんアイドルですよ!!!」
    ことね「うれしいですがぁ……ほどほどにしてくださーい!」

    ことねちゃんにすごく絞られてしまいました。

  • 118◆je8PYTqP5Ydc25/07/22(火) 13:36:56

    リーリヤ「姫崎センパイ」
    莉波「莉波って呼んでくれるかな?センパイも……いらないかな」
    リーリヤ「ええと……莉波ちゃん?さすがにそれは失礼ですよね……」
    莉波「っっっ!!!!!」
    リーリヤ「だ、大丈夫ですか!?」
    莉波「大丈夫だよ……!むしろいいっていうか……」
    莉波「こほん」

    莉波「確かに……私とリーリヤちゃんはこの前が初対面」
    莉波「それでもね、お姉ちゃんでいたいと……そう思えるの」
    莉波「だけど……それ以上も求めちゃっている」
    莉波「リーリヤちゃん、好き、だよ? 麻央たちと付き合っているのも知っているけど……」
    莉波「それでも……」
    リーリヤ「はい、莉波ちゃん……私と付き合ってください」
    莉波「うん……!」


    ----
    通りすがり四音「年上の姉などっ……存在そのものが……」
    通りすがり四音「……別に矛盾してないな」
    通りすがり四音「は?姉妹で交際?」
    通りすがり四音「存在そのものがっ!矛盾している……!」

  • 119◆je8PYTqP5Ydc25/07/22(火) 15:48:44

    リーリヤ「という次第でございまして……」
    莉波「よろしくね!」
    麻央「なんとなく予想してたけど麻央も来た」
    リーリヤ「莉波ちゃんは私のお姉ちゃんです」
    ことね「違うからな?」

    ガヤガヤガヤガヤ……。

    莉波「手毬ちゃん、口に汚れついてるよ」ハンカチフキフキ
    手毬「ありがとうございます……」
    莉波「千奈ちゃん、襟が立ってるよ」
    千奈「ありがとうございますわ!」ペカー
    莉波「佑芽ちゃん、擦り傷できてるよ。絆創膏はろうね」
    佑芽「わー!ありがとうございます!!」

    -----
    広「莉波莉波、チョコレート作ったから味見してほしい」
    莉波「わぁ、食べてみるね」
    清夏「うう、聞いてよリーリヤがひどくてぇ」
    莉波「ふふ、お姉ちゃんが全部聞いてあげるからね」
    リーリヤ「も、もう!清夏ちゃん!?」

    -----
    麻央「…………」ことね「…………」
    ことね「麻央ちゃんパイセン」
    麻央「なんだい?」
    ことね「莉波パイセン、来てから1時間も経ってませんよね」
    麻央「そうなるね」
    ことね「もう私たちだけになってます、みんな『妹』になってしまいました」

  • 120二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 17:01:25

    ほしゅ

  • 121◆je8PYTqP5Ydc25/07/22(火) 21:37:33

    燕「なにやら屋上が騒がしいぞ……」
    燕「確か倉本が何か勝手に家を作ったんだったか」
    燕「学園長は容認するなど何を考えているんだ」

    燕「おい!うるさいぞ!」

    しかし、そこには莉波の前で皆、『妹』となって甘えまくっている面々の姿があった。
    それを見た燕は……底知れぬ恐怖を感じながらも逃げ出すのだった。

  • 122◆je8PYTqP5Ydc25/07/22(火) 21:39:02

    莉波編、完結です。

    お姉ちゃんって一番100カノっぽいキャラしてますよね


    ということで次の子ダイス(重複の場合は+1)

    dice1d13=4 (4)

  • 123◆je8PYTqP5Ydc25/07/22(火) 21:40:35

    次は美鈴編です。
    ちなみに本編は全員揃ってからです!

  • 124◆je8PYTqP5Ydc25/07/23(水) 00:41:34

    リーリヤ「ゆたんぽ?」
    手毬「うん、最近夏が過ぎて涼しくなってきたから使おうと思ったけど」
    リーリヤ「そうだね、最近夜は冷えるね」
    ※今は九月です。
    手毬「前に使ってたのがあったんだけど、もう使えないから新しいの買わないと」
    リーリヤ「壊れたの?」
    手毬「壊れたわけじゃないけど……」
    -----
    リーリヤ「えっと、確かこの部屋だっけ」

    たしか、中学時代の手毬ちゃんはユニットメンバーと同じ部屋だったとか。
    喧嘩してそのままらしい。
    いつかは解決すべきだけど、今日はその目的ではない。
    手毬ちゃんからカギを預かり、代わりに私がここにきた。

    リーリヤ「ええと」
    リーリヤ「あった、あのハリネズミの」
    リーリヤ「かわいい」
    リーリヤ「手毬ちゃんらしい」

  • 125◆je8PYTqP5Ydc25/07/23(水) 01:57:17

    リーリヤ(冷静に考えたら勝手に持って行っていいのだろうか)
    リーリヤ(というか誰と同居していたんだろう)

    リーリヤ「!?」

    途轍もない殺気を感じた。
    バスケ大会の時にあったギラギラとした闘気とは違う。
    冷え切った、故郷の冬日よりも寒い絶対零度の瞳。何かが……私を見ている。
    幽霊?
    まさかね……。

    リーリヤ「っと急いで戻らないと……」

    泥棒さんみたいだ……。
    まぁ、頼まれてたしなんとかなるかな。


    ???「まぁ……」
    ???「これは――予想外ですね」
    ???「直接お話する必要がありそうですね」
    ???「葛城リーリヤ」

  • 126二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 08:30:35

    美鈴始まったーやったー

  • 127二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 16:24:14

    ほしゅ

  • 128◆je8PYTqP5Ydc25/07/23(水) 16:45:29

    リーリヤ「手毬ちゃん、これでよかったかな?」
    手毬「うん、あ、ありがとう……!」
    リーリヤ「かわいいね、この子」
    手毬「……私の宝物なんだ」

    ???「少し、お時間よろしいですか?」

    ヒュウ……。
    一陣の風が吹いた。それは先程と同じ、殺気の乗せられた酷く鋭いもの。
    鋭い風が、私の頬を刺す。

    美鈴「話したいことがあるんです。構いませんね? 葛城リーリヤ」
    手毬「……美鈴」
    リーリヤ「えっ」フリカエリーリヤ
    美鈴「葛城リーリヤ、あなた、まりちゃんのなんなんで――」

    ビビーーーン!!!!

    美鈴「……か」
    リーリヤ「!?」

  • 129二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 16:53:34

    奪還編(にもなってないけど)枠はこっちだったか。
    やるとしたら二択ではあったが。

  • 130二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 20:13:20

    ほしゅ

  • 131二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 21:12:12

    保守

  • 132◆je8PYTqP5Ydc25/07/24(木) 00:28:49

    【閑話休題 誕生日】
    美鈴と一触即発する少し前の7月24日。

    リーリヤ「みんなに屋上に呼びだされたけど」
    リーリヤ「なんなんだろう……」

    屋上の家に入ると、大きなクラッカーの音が響く。

    全員「お誕生日おめでとう!!!!!!!」
    リーリヤ「わぁ!?」

    そこにはみんなと、天井くらいに高く大きなホールケーキがありました!

    ことね「リーリヤちゃんの誕生日だからね」
    千奈「みんなで用意しましたの!」
    清夏「といっても千奈っちにまかせっきりだったけどねー」

    麻央「さ、リーリヤおいで」

    麻央先輩がそっと手を引き、エスコートしてくれる。

    莉波「ケーキだけじゃないよ、食べ物も、いっぱいだよ」
    広「みんなでチョコやご飯、作った」
    佑芽「今日はとーーーっても楽しもうね!」
    手毬「……おめでと」

  • 133◆je8PYTqP5Ydc25/07/24(木) 00:35:09

    【閑話休題 誕生日】
    机には様々な料理が並んでいた。

    リーリヤ「これは……!」
    清夏「へへ、スウェーデン料理だよー。勿論再現でしかないけど」
    莉波「よりをかけたよ、さ、皆で食べよう」
    ことね「その前にケーキだよ」
    千奈「入刀しましょう!」

    大きなホールケーキを切り分けるのだけど、入刀用の包丁を私と一緒に持つ人が誰かで事前にひと悶着あったらしい。

    千奈「というわけで全員が握れる巨大なものを作りましたわ!」

    持つ部分がとっても長いのはそうなのだけど、右側には取っ手がひとつ。左側には全員分の取っ手がついていた!

    ことね「戦隊の必殺武器かな?」
    清夏「これでみんなで切れるね!」

    そして和気藹々と、ケーキ入刀ができた!

    ことね「すっげー!普通のホールケーキって中央部以外はないのに、これは全部ケーキだ!」
    リーリヤ「た、食べきれるかな……」
    手毬「…………」
    リーリヤ「手毬ちゃん?」

  • 134◆je8PYTqP5Ydc25/07/24(木) 00:39:10

    ことね「あー、手毬はケーキ我慢してるんだよ」
    手毬「ち、違うし!い、いや、それもあるけど……」
    リーリヤ「手毬ちゃん、あんなにケーキも大きいし、ご飯もいっぱいあるからみんなで今日は一杯食べようね」
    手毬「ほ、ほんと!?」

    手毬「だけど……そ、そうじゃなくって」
    リーリヤ「?」
    手毬「わ、私と、姫崎先輩だけ……キスしてもらってない……」
    手毬「今日言うのは、ち、違うかもしれないけど……」
    莉波「あ、あはは……私や手毬ちゃんは加わるの遅かったから……」

    なるほどね

  • 135◆je8PYTqP5Ydc25/07/24(木) 00:43:57

    リーリヤ「おいで、手毬ちゃん」
    手毬「う、うん」

    近づき目を閉じた手毬ちゃんは、ずいっと唇を私に突き出す。
    なんとなくその所作が手毬ちゃんらしくって、笑みがこぼれてしまう。

    手毬「笑わないでよっ」
    リーリヤ「笑ってないよ、可愛いから」
    手毬「うう」
    リーリヤ「手毬ちゃん」
    手毬「ん」チュッ……。

    少し長めのキスだった。何よりも、手毬ちゃんが離さずにいて、それが赤ちゃんみたいに可愛かった。


    莉波「え、あ、わ、私は今日は……」
    麻央「莉波、逃げちゃだめだよ」ガシッ
    リーリヤ「いきますね」
    莉波「えあ、あわわ、ん――」チュッ……

    莉波ちゃんは、そっと触れた時優しいさくらんぼの香りがして、とても安らかな気持ちになれた。

    終えると、莉波ちゃんを抑えていた麻央先輩を含めた全員が真っ赤になっていた。

    ことね「なんか見てたら……」
    清夏「あたしたちもしたくなった……キスさせろー!」
    リーリヤ「う、うわぁ!?」

    そんな感じで、ご飯にありつけたのはみんなと一杯キスした後だった。

  • 136◆je8PYTqP5Ydc25/07/24(木) 00:49:34

    というわけで、美鈴編の途中ですが誕生日イベントを挟みました

    自語りで申し訳ないですが、自分が学マスに入ったのもリーリヤの『白線』でした。
    アイマス歴はそこそこあるんですが学マスは、そのアイドルマスターシリーズの『到達点』とか考えてます。

    とりあえず次から美鈴編に戻ります。
    美鈴編待ってた人申し訳ございません。よろしくお願いいたします。

  • 137◆je8PYTqP5Ydc25/07/24(木) 08:50:01

    【美鈴編】

    両者に、沈黙の時が流れる。
    その間は十数秒もないだろう。
    だというのに、無限に時間が引き延ばされている――そういう特殊な異能力に晒されているようだった。

    美鈴「……貴女はいったい」
    リーリヤ「私は、私ですよ」
    リーリヤ「みんなを幸せにします」
    美鈴「まぁ……」

    くすりと、秦谷美鈴さんは笑いました。

    美鈴「なんて……」
    美鈴「……傲慢な方」クスッ
    手毬「美鈴がそれ言うんだ」

  • 138◆je8PYTqP5Ydc25/07/24(木) 13:30:27

    美鈴「まりちゃんを誑かした相手を確認しに来たのですが」
    美鈴「少し……想定とは違う展開になってしまいましたね」
    手毬「誑かされてないけど!?」
    リーリヤ「……私は待つよ。秦谷さんの中で、整理がつくまで」
    美鈴「優しいんですね。それでは」

    美鈴ちゃんはどこかへいってしまった。

    美鈴(…………)ドキドキドキドキ……


    -------
    手毬「美鈴は昔からずっとああだった」
    手毬「いつも本気を出さないし」
    手毬「いつも私のパフォーマンスを邪魔してくる」
    リーリヤ「……」
    手毬「だけど、リーリヤと……その、そういう関係になってからは……なんとなくだけど、考え方が変わった」
    手毬「私の全力と、あいつの全力は違う」
    手毬「私が煙たく思って、”本気を出してない”と思っていてもそれは違って、”本気を見せない”ことが……きっと美鈴の全力なんだと思う」

    手毬ちゃんは、私たちの中で一番に秦谷美鈴という子を理解している。
    理解しているから許せないこともあって、許せないからこそ気にかけている。
    きっと……美鈴ちゃんも、手毬ちゃんのように不器用なだけなのだ。それが、SyngUp!という容なのだ。

    リーリヤ「手毬ちゃんは、仲直りしたい?」
    手毬「……複雑な気持ち。許せないこともあるけど、感謝もしている」
    手毬「ごめん、まだ答えは出せない。だけど、あいつはきっと無理をしているのは、わかる」
    手毬「それを救えるのは、リーリヤだけだと思う。私じゃだめだ」
    手毬「だからお願い、美鈴をすこしだけでもいいから気にかけてやってほしい」

  • 139二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 22:21:35

    保守

  • 140二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 01:37:30

    ほしゅぅ

  • 141◆je8PYTqP5Ydc25/07/25(金) 03:22:50

    (美鈴視点)

    美鈴「葛城リーリヤ」
    美鈴「まりちゃんと”親密”になったと……」
    美鈴「……初めてですよ、ここまで私に敗北を叩きつけ……愚弄したのは」
    燐羽「それ私が聞かなきゃダメな話?」
    美鈴「重要な話ですよ。あのまりちゃんが――私たちに意を介さなくなっている。それは由々しき事態」
    燐羽「独り立ちってことでいいんじゃないの?それに……」
    燐羽「前見たときのような危なっかしさは手毬から感じられない」
    燐羽「なら……多少は喜ぶべきことだと思うけれど」
    美鈴「むぅ……」

    -----
    美鈴「仕方ありません、私が一人で彼女を偵察するしかありません」

    美鈴は物陰に隠れた。

    美鈴(レッスン中ですか)

    手毬とリーリヤは自主レッスンに励んでいた。

    美鈴(あのまりちゃんが自分のキャパシティ……体力を把握して適切なレッスンを行っている……?)
    美鈴(以前はりんちゃんと私がいなければ満足に完遂さえも難しかったのに)
    美鈴(その結びつきさえも貴女は奪っていくのですね、葛城リーリヤ)
    美鈴(貴女が憎いです。だけど……気のせいでしょうか。危なっかしさで言えば、まりちゃんより貴女の方が……)
    美鈴(これではいずれ自壊してしまう……。っ、何故私は憎い相手のことを……?)

  • 142二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 11:43:30

    ほし

  • 143二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 11:50:09

    世話好きの性を無自覚に突いていく…

  • 144二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 20:41:20

    保守

  • 145◆je8PYTqP5Ydc25/07/25(金) 22:04:26

    美鈴「…………」ジー……

    リーリヤ「………えっと、秦谷さん?」
    美鈴「……ふふ、なんでしょう?」
    リーリヤ「見てました……?」
    美鈴「いいえ?」
    リーリヤ「…………」

    -----
    ことね「でさぁ」
    美鈴「…………」ジー……
    リーリヤ「ことねちゃん?」
    ことね「……視線がすごくない?」
    リーリヤ「まぁ、うん」
    ことね「自覚はあったんだ」

    事情を簡単に説明する。

    ことね「あちゃー、地雷踏んじゃったナー」
    ことね「たぶんそのハリネズミ、美鈴ちゃんと手毬を繋ぐ最後のアイテムだったんだ。あわよくば、美鈴ちゃん的にはこれを仲直りの起点にするつもりだったとか?」
    リーリヤ「……失敗したかな」
    ことね「だとしても、怒るのは違うけど……てか、ビビーーーン来たんだよね?」

    私が頷くと、少し悪だくみした顔をしたことねちゃんは私をそっと抱き寄せて。
    キスしてきた!

    そのとき、ピキッって軋んだ音が……鳴ったような気がした。

  • 146◆je8PYTqP5Ydc25/07/26(土) 01:20:42

    リーリヤ「着々と冬が近づいて来た。日が暮れると肌寒いや」
    リーリヤ「スウェーデンよりかはマシだと思っていたけど、この刺すような寒さは慣れないや」
    リーリヤ「ただいまー……そっか、今日清夏ちゃんは遅いんだった……あれ?」

    そこには清掃され、かなり綺麗になった部屋が拡がっていた。
    まだ出していないはずの洗濯物も既に洗濯済みどころか綺麗に畳まれている。

    リーリヤ「布団もふかふかになってる……」

    妙に思いながら、冷蔵庫を開くとまた驚く。

    リーリヤ「明日のお弁当だ……」

    清夏ちゃんに聞いても知らないらしい。
    何故かこの日から、身の回りをお世話されるようになった。相手はわからない……。

  • 147◆je8PYTqP5Ydc25/07/26(土) 04:28:33

    翌週。

    清夏「じゃ、リーリヤ、行こ」
    リーリヤ?「……うん」

    -----
    清夏ちゃんたちが寮を出て5分くらいだろうか。扉がガチャリ、と開く。

    美鈴「…………」

    おもむろにはいってきた美鈴ちゃんは、さも当然のように家事をしはじる。
    やっぱり……。

    リーリヤ「こ、こらー!!!!!」
    美鈴「!」ビクッ
    リーリヤ「やっぱり秦谷さんでしたか」
    美鈴「何故……貴方は紫雲さんと一緒に出掛けて行きました。戻ってくる隙など……」
    リーリヤ「ええ、そもそも私は外に出ていませんから」
    美鈴「――え?」
    リーリヤ「あれは……髪を束ねて私の髪色と同じウィッグを付けた……手毬ちゃんです!」
    美鈴「!」
    美鈴「ふふ、ふふっ……ふふふ……」
    美鈴「これは……一本取られましたね。この私が……出し抜かれるとは」

    笑みを零してはいるけど、目は笑っていなかった……。

  • 148二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 12:42:36

    怖い🥺

  • 149◆je8PYTqP5Ydc25/07/26(土) 16:19:49

    美鈴「貴女は本当に……私を困らせる」
    リーリヤ「うーん、侵入されたのはこっちなんだけど……まぁいいか」
    リーリヤ「まず秦谷さんに言いたいことがあるんです」
    美鈴「まぁ、なんでしょう?」
    リーリヤ「ごめんなさい!」
    美鈴「!?」

    流石に美鈴ちゃんも困惑の様子。

    リーリヤ「勝手に手毬ちゃんの湯たんぽを盛っていっちゃったこと」
    リーリヤ「秦谷さんにとって、かけがえのない繋がりだった湯たんぽを……ちゃんと話を通すべきでした。本当に……ごめんなさい」
    美鈴「…………これでは、私が一方的に大人げないみたいではないですか」

    彼女はどうしたかと思えば、突然私の胸辺りに顔を埋めて拳でぽかぽかと叩いて来た。全然痛くはない。
    もしかして……照れてる?

    美鈴「なんでなんですか。貴女が……気になって仕方ない」
    美鈴「かつての彼女を見ているような危なっかしさ、だけど真っ直ぐな強い意志――どうしても私は貴女に惹かれてしまっている」
    美鈴「そうですよ、私は貴女に……恋をした」
    美鈴「無性にお世話したくて仕方がない」
    リーリヤ(恋……お世話……繋がらないけど、秦谷さんにとってはそうなんだろう)
    リーリヤ「ご存知かと思うけれど、私には彼女が何人もいるよ?」
    美鈴「構いません、私が……一番になるので」

    美鈴は傲慢が10である!
    ともかく、美鈴が恋人になった!

  • 150二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 21:42:15

    保守

  • 151◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 01:21:08

    リーリヤ「という次第でございまして……」
    美鈴「よろしくお願いします」

    ことね「わぁ」
    美鈴「貴女は……あのとき葛城さんと……そうですか」
    ことね「へへ」
    美鈴「絶対に許しませんよ、藤田ことね」
    ことね「ええ!?」

    千奈「秦谷さんですわ!」
    麻央「噂はかねがね……」
    佑芽「やったぁ!」
    莉波「生徒会メンバーが増えたね」
    清夏「うーむ、リーリヤの生徒会掌握も時間の問題だ」

    広「麻央、なんで美鈴はことねに怒っているの?」
    麻央「……うーん、たぶん嫉妬じゃないかな」
    手毬「…………」

  • 152◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 02:07:45

    ことね「なんだよー、わかるように監視してくるからだろー」
    美鈴「とはいえあれは挑発です」デュクシデュクシ
    ことね「いたっ、いたっ、ごめんって」
    千奈「とーっても仲良しですわね!」
    ことね「仲良くないからな?」美鈴「仲良くありません」

    ガヤガヤガヤガヤ……。

    手毬「…………」
    リーリヤ「手毬ちゃん、大丈夫?」
    手毬「……うん」
    リーリヤ「しんどくなったら言ってね。私はみんなで……」
    手毬「大丈夫だよ。リーリヤは私のお願いをかなえてくれた。だから、今度は私が……頑張る番だから」

    美鈴「まりちゃん」

    そっと、美鈴ちゃんと手毬ちゃんだけの世界が作られる。

    美鈴「少し、お話しましょうか」
    手毬「そうだね」

    これは、きっと私たちはいないべきだ。私は目配りすると、皆は静かに去ろうとする。
    だけど二人は、それぞれ私の手を引いてひきとめた。

    こうして部屋は3人になった。

  • 153◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 02:29:08

    美鈴「ちゃんと話すのは、とても久しぶりな気がします」
    手毬「そうだね」
    美鈴「まりちゃんは、あのときからずうっと、全力疾走でした。見ているこっちが、怖くなるくらいに」
    美鈴「だけど、いつしか……まりちゃんはちゃんと、全力疾走できるようになっていました。リーリヤさんのおかげで……同時に私という存在が、不要なのではないかとも思うようになりました」
    手毬「不要なワケないじゃんっ!」

    声を荒げたのは手毬ちゃんだった。

    手毬「美鈴は勘違いしている、ずっとだよ。燐羽もそうだ、昔から……ずっとずっと」
    手毬「私は二人を追い越すって決めた。後少しで追い越せそうだ。だけど、仮に追い越したとしても……」
    手毬「二人への想いが変わるわけないじゃん!」
    手毬「むしろ、追いかけてきてよっ、私、負けないように走り続けるから!」
    美鈴「まりちゃん……」ウルッ
    手毬「ちょ、ちょっと、泣かないでよ……」
    美鈴「泣きますよっ……私は私なりに走っていて、全力で……それでも気付けば追いつけない場所に行ってしまって」
    美鈴「私の前からまりちゃんがいなくなるんじゃないかって……」

    私と清夏ちゃんが一度衝突したように、二人もこうやって本音をぶつけ合う必要があったんだ。
    そうすれば、きっとわだかまりも氷解できる。
    そう、私は信じている。
    もう一人、大切な人がいる……と聞いている。だけど、その人ともきっと大丈夫な気がするんだ。

  • 154◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 04:17:19

    手毬「もうSyngUp!は戻らない。だけど、これからはみんなでやり直せる。やり直そう」
    美鈴「はいっ……」
    リーリヤ(よかったぁ……)

    手毬「でも!」

    そう言った手毬ちゃんは私をそっと傍に抱き寄せる。

    手毬「りーぴゃんの一番は……私だから」
    美鈴「まぁ」
    リーリヤ「皆一番だよ……?」
    手毬(そういうことにして!)小声でつぶやいて来た。
    手毬「リーリヤ」
    リーリヤ「え、あっと……うん」チュッ。

    キスをすると、また美鈴ちゃんが凍りついてしまった。

    手毬「私はもうリーリヤとキスしてるよ、遅れてるね」
    リーリヤ「手毬ちゃん!煽っちゃだめだよ」
    美鈴「………………」ゴゴゴゴゴ……
    美鈴「やはり許せません、葛城リーリヤ。貴女は私だけを見ていてください」
    リーリヤ「ええっ!?」

  • 155◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 04:18:59

    ということで美鈴編完結です

    やっぱりSyngUp!の絆は尊いまりねぇ……


    てなわけで次の子ダイス:dice1d13=10 (10) (重複の場合+1)


    そろそろ全員揃いそう

  • 156二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 11:57:51

    星南か。楽しみにしてます

  • 157二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 17:45:29

    やっぱりSyng Up!の話は良すぎるなぁ…

  • 158◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 18:03:22

    星南「最近ことね成分が足りないと思うの」
    燕「お前は何を言っているんだ?」
    星南「……今の彼女を見てみなさい、余すことなくアイドルパワーを発揮できている。担当しているPがいないというのに」
    燕「それは……そうだが」
    星南「会いに行ってもいつも葛城リーリヤさんと一緒にいるんだもの」
    星南「許せないわ」
    燕「許せないって何をだ」
    星南「私のことねを奪ったからよ」
    燕「お前のでもないぞ」

    一方その頃。

    リーリヤ「くしゅん」
    ことね「風邪?」
    リーリヤ「うーん、誰かが噂しているのかな」

  • 159◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 18:13:59

    学校屋上にて。最近は涼しいので家の外でピクニック?をすることが増えた。

    ことね「んー……」
    リーリヤ「どうしたの?」
    ことね「誰かに見られている気がするんだよね」
    ことね「ストーカー……みたいな悪質な奴じゃない感じはするんだけど」
    リーリヤ「それは怖いね」
    ことね「一瞬美鈴かなとも思ったんだけど」
    美鈴「まぁ、人聞きの悪い」
    ことね「今目の前にいるし」
    美鈴「やはり決着をつける必要があると思います、藤田ことね」
    ことね「なんの決着だよ、乗るわけないだろ」
    美鈴「どちらがリーリヤさんの隣にふさわしいか」
    ことね「乗った」

    ガヤガヤガヤガヤ……

    ことね「あ、そうだ。美鈴のときと同じことすればいいんだ」
    リーリヤ「え」美鈴「え」
    ことね「えいっ」チュッ
    リーリヤ「!?」美鈴「!?」

    ???「くぁwせdrftgyふじこlp!?」

    三人「「「えっ」」」

  • 160◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 18:20:04

    ばたーーーん!と倒れる音がした。

    三人「「「!?!?」」」

    ???「おい馬鹿者、ここで気絶する奴があるか」
    ???「ぐす……うぐっ……」
    ???「ええい、ばれるではないか!連れて行くぞ!」ソソクサ

    私たち三人が音の元へかけつけると、そこにはもう誰もいなかった。

    ことね「うーん」
    美鈴「……リーリヤさん」
    リーリヤ「なぁに?」
    美鈴「私の目の前でキスをするだなんて……お悪い人ですね」
    ことね「美鈴もしたいだけだろー」
    美鈴「っ!? ち、違いますけど?」
    ことね「ほれみろー」
    美鈴「…………ぐぬぬ」
    リーリヤ(二人でキスしてるのをみたいとか言ったら……怒られそうだな)

    -----
    生徒会室。

    星南「由々しき事態だわ……私のことねが傷物に……」
    燕「お前のではないぞ」
    燕「それはともかく、倉本に有村、姫崎に花海まで手籠めにしたとなると風紀が大変なことになるぞ」
    星南「私が物申してやるわ」
    燕「やめといた方がいいと思うが……」
    莉波「?」

  • 161◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 20:21:50

    明くる日。

    放送『1年1組葛城リーリヤ!至急〇〇室へ来なさい!葛城リーリヤ!葛城リーリヤ!!!』
    優『ちょ、や、やめてください!』
    ???『大丈夫よ!責任は私がとるか――』プツン

    リーリヤ「…………」
    清夏「リーリヤ?行くの?あの声……」
    リーリヤ「十王会長だよね」
    清夏「普通に怪しいし罠な気がする、やめといた方がいいって」
    リーリヤ「別に取って食べられるわけではなさそうだから……」
    清夏「何かあったら呼んでね」

    呼ばれた部屋にやってきた。

    リーリヤ「失礼します」
    星南「きたわね……泥棒猫……ではなくて葛城リーリヤさん」
    リーリヤ「あまりにもあんまり」
    星南「貴女を呼んだのは他でもないわ。私の目を見て答えて頂戴」
    リーリヤ「あ、はい」
    星南「それは――」

    ビビーーーン!!!

    星南「…………」
    リーリヤ「…………」
    リーリヤ「十王会長?」
    星南「……わ」
    リーリヤ「わ?」
    星南「私のものになりなさい、リーリヤ!!!!」

  • 162二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 20:23:34

    奪還編展開こっちかよ!

  • 163◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 23:38:54

    リーリヤ「えっ、もの?えっ……」

    星南「何度だっていうわ。貴女はわたしのものになるべきよ」

    リーリヤ「……それ前にことねちゃんに言ってましたよね」

    星南「!?」

    リーリヤ「誰でも彼でも口説く人はちょっと……」

    星南「それ貴女が言えるの……?」

    リーリヤ「そう言われるととてもよわい」


    -----

    リーリヤ「それで御用というのは?」

    星南「あ、えっと、その、あれよ」

    星南(……呼ぶ理由がなくなってしまったわ)

    星南「…………」

    リーリヤ「会長?」

    星南「わ、私と勝負しなさい!!!!!」

    リーリヤ「ええっ!?」


    急に対決することになってしまった!

    しかし星南も錯乱している!


    星南「あ、貴方が負けたら彼女全員もらうわ!」(お目々ぐるぐる)

    リーリヤ「えっ!?ことねちゃんだけじゃなく!?全員!?」

    星南「うふふ、当然受けるわよね?」


    しかし、その言葉がリーリヤに火をつけた!


    アイドル力バトル!Vo,Da,Viの3種目のダイスを振るぞ!

    リーリヤ:dice3d9999=3227 2970 798 (6995) (やる気補正でどの項目も+1000)

    星南:dice3d999=214 895 529 (1638)

  • 164◆je8PYTqP5Ydc25/07/27(日) 23:40:24

    ※リーリヤが9999で星南が999なのは仕様です

  • 165◆je8PYTqP5Ydc25/07/28(月) 00:03:13

    星南「なっ――話しているときはそのようなアイドル力なかったというのに!」
    リーリヤ「うおおおおおおお!」
    星南「アイドル力が……3万をこえた!?きゃあ!」

    あまりにも膨れ上がったアイドル力に星南会長は吹っ飛んでしまう!

    リーリヤ「あぶない!」

    だけど私は急いで回り込み、彼女を抱きかかえます。

    リーリヤ「怪我はないですか?」
    星南「え、ええ……」
    星南「解せないわ……それほどの力があるのに、皆と一緒に歩もうとするの?」
    リーリヤ「当然です。私一人では、この力は発揮できませんでした」
    リーリヤ「みんながいるから……出せる力です」
    星南「そう、なのね」

  • 166◆je8PYTqP5Ydc25/07/28(月) 01:51:30

    星南「私は一人で頂点に立つのだと思っていたわ」
    星南「だけど、違う様ね。事実、貴女は違う道を示した。恋人たち……全員で一番星を狙うつもりなのね」
    リーリヤ「ええ、そうです」
    星南「ふふ、どうするつもり?従来の形と違うけれど」
    リーリヤ「変えてみせますよ。愛の力で」
    星南「力強い言葉ね……私そっくりね!」
    リーリヤ「そうかな……そうかも……」

    星南「だとしても私の主張は変わらないわ」
    リーリヤ「といいますと?」
    星南「私のものになりなさい!」
    リーリヤ「ひゃあ」
    リーリヤ(こういう告白は初めてだ)
    リーリヤ「それは……」

    ことね「ちょ~っと待て~!!!!」
    リーリヤ「!?」星南「!?」

    突然部屋に突入してきたのは、ことねちゃんだった。

  • 167◆je8PYTqP5Ydc25/07/28(月) 09:17:20

    星南「あら、ことねじゃない」
    ことね「あら、じゃないですよ!!!」
    リーリヤ「ことねちゃん……?」
    ことね「あっ♥リーリヤちゃん……じゃなくって、私が文句あるのは星南会長ですよ!!!」
    星南「えっ、私?」
    ことね「そうです!

    ことね「さんざん『私のことね!』とか言っておいて……」
    ことね「リーリヤちゃんに鞍替えですか……」
    ことね「たしかにリーリヤちゃんはとーっても魅力的ですが、それはあまりにもあんまりじゃないんですか!?」
    リーリヤ「それはそう」
    ことね「もう星南会長なんて知りません!べーっだ!」
    星南「そんなっ、ことねっ……」
    リーリヤ(これは自業自得な気がする……)
    ことね「ということでリーリヤちゃん」
    リーリヤ「はい?」
    ことね「会長の前でいっぱいキスしちゃおう」

  • 168◆je8PYTqP5Ydc25/07/28(月) 15:10:01

    星南「こ、ことね!?いつの間にそんな淫売に……」
    ことね「誰が淫売ですか!純愛です!」
    リーリヤ「ことねちゃん……?」
    ことね「リーリヤちゃんも怒っていいよ。だって放送であんな呼び出しされて……」
    リーリヤ「それはそうかも」
    ことね「ということでしまーす!」

    チュッチュッチュッチュッ……

    星南「くぁwせdrftgyふじこlp!?」
    星南「ぐすっ……」
    リーリヤ「あっ、泣いてしまった」

  • 169◆je8PYTqP5Ydc25/07/28(月) 20:18:45

    たんこぶに絆創膏を貼る。

    星南「私としたことが粗相してしまうとは……」
    ことね「いっつも粗相してるじゃないですか」
    星南「私はしたことないわよ!?」
    ことね「もう……いいですよ。言いたいこと言えたんで」
    星南「よ、よかったわ。それじゃあことね、私ともキスを……」
    ことね「しません!!!!」
    ----
    星南「お待たせしたわね」
    リーリヤ「あ、はい」
    星南「ああは言ったけれど、貴女に恋をしたのは紛れもない事実よ」

    一切の気後れもなく、自信満々に言い切るその様は勇ましく、格好よく、そして美しい。
    これが一番星の輝き――それを想うと、途端に恥ずかしくなる。
    それを察した星南会長は、そっと指で私の顎をくいっと持ち上げる。

    星南「リーリヤ、私のものになりなさい」
    リーリヤ「は、はい!」

    そう言って、リードするように星南会長は私の唇にキスをするのだった。
    優しく、だけど力強い――大人の女性のキスそのもので……私はされるがままだった。

  • 170◆je8PYTqP5Ydc25/07/28(月) 23:21:41

    翌日。

    リーリヤ「という次第でございまして……」
    星南「よろしく頼むわ!」

    手毬「ことね、なんで部屋の端っこで三角座りなんかしてるの?」
    ことね「ほっといてくれ……」
    手毬「?」

    莉波、麻央、佑芽「会長!」
    千奈「星南お姉様!」
    美鈴「まぁ、星南会長」

    ガヤガヤガヤガヤ……

    清夏「リーリヤが遂に生徒会のトップを墜とした」
    広「ふふ、これで名実ともに学園の女王様だね」
    リーリヤ「そ、そんなことしないよ……」

    そのとき、ピシっと星南は指を立てる。

    星南「一つだけ宣言しておくことがあるわ!」
    莉波「なんだろう」
    麻央「やっぱり会長だから風紀に関することかな?」
    星南「ことねの一番は私のものよ!」
    ことね「勘弁しろーーーー!!!!」
    清夏「通常運転だね」
    千奈「ですわね」

    また家が賑やかになりました!

  • 171◆je8PYTqP5Ydc25/07/28(月) 23:23:48

    残り三人です!


    全員揃ってからの内容的に3スレ目いっちゃいそうですね。

    よろしくお願いします


    しばらく日常回ですが、次の子ダイスだけ振っておきますね

    dice1d3=3 (3)

  • 172二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 23:49:28

    永遠に続いて欲しい😊

  • 173二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 08:04:01

    保守

  • 174◆je8PYTqP5Ydc25/07/29(火) 08:45:07

    【閑話休題 それぞれの日々】
    咲季「…………」
    手毬「ここのステップなんだけど」
    ことね「あーこれはな」
    咲季「なーんか、変な感じね」

    ことね「変ってなんだよ」
    咲季「明らかにあなたたちの練度が高くなっているわ。二人だけじゃない、佑芽だってそうよ」
    手毬「それって私が優秀すぎるってこと?」
    咲季「……癪だけど認めざるを得ないわね」
    手毬「っ……ふふん」
    ことね「この場合でちゃんと認められるケース初めて見た」
    ------
    佑芽「ま゛だ負゛げだぁ゛~!!!!」
    咲季「ふふーん!いつでもかかってきなさい!」
    佑芽「まだまだぁ!もう一回!」
    咲季(佑芽が食い下がってくるなんて!?)

    咲季「絶対に葛城リーリヤね……」
    咲季「だけど悔しいわ、今挑んでも勝てるヴィジョンが見えない……」
    咲季「どんな妙技を使ったのかしら」
    ことね「リーリヤちゃんはなんもしてないと思うぞ」

  • 175◆je8PYTqP5Ydc25/07/29(火) 09:14:23

    手毬「…………」
    美鈴「…………」
    手毬「なんで美鈴が?」
    美鈴「幼馴染なんですから一緒にいてもそうおかしなことないでしょう」
    手毬「まぁいいけど」

    ラーメン屋にきました。

    美鈴「まりちゃん、特盛はだめですよ」
    手毬「わ、わかってるよ」

    ゴユックリー

    手毬「正直、意外だった」
    美鈴「と、言いますと?」
    手毬「リーリヤを好きになってこと」
    美鈴「…………好きになっていませんよ?」
    手毬「そうなの?」
    美鈴「ええ、私は何よりもまりちゃんファーストです。まりちゃんが幸せそうにしている姿を見ていったいどのような感じなのかを知りたかっただけです。そこに好意なんてありません。ありませんってば。ただ今の葛城リーリヤさんを見ているとすごく危なっかしくて見ててつらいからです。あのままでは体を壊してしまいます。だから私が見守る必要があるんです。そこに好意なんて……」
    手毬「美鈴、めっちゃ好きじゃん」
    美鈴「……悪いんですか」
    手毬「悪くないよ。私だって……そうだし」
    美鈴「ん……」

    手毬と美鈴の関係が、少し縮まった気がしたのだった。

  • 176◆je8PYTqP5Ydc25/07/29(火) 10:08:09

    【閑話休題 それぞれの日々3】
    星南「ことね!お出かけしましょう!」
    ことね「いいですよ」
    星南「そこをなんと……えっ、いいの!?」
    ことね「いいですよ」

    へなへな、とその場に座り込んで呆然とする星南。

    ことね「ど、どうしたんですか!?体調でも悪いんですか!?」
    星南「ことねと一緒にお出かけできることがうれしくて……」
    ことね「あー!もう!顔はいいんですからしゃきっとしてくださいよ!もう!」
    -----
    星南「最近のことねは今までと考えられないアイドルとしても女の子としても輝いていると思うの」
    ことね「はやく星南会長に追い付きたいですからっ」

    クレープを食べながらことねはそう言う。

    星南「えっ、私に?どうしてかしら……」
    ことね「何言ってるんですか、私にとって一番星・十王星南はあたしのオリジンですよ」
    星南「知らなかった……」
    ことね「負けてられませんね。リーリヤちゃんのおかげで私は伸びれたけど、その恩恵を星南会長も受けることになりますし」
    星南「ことね……」ジーン

    二人の間に静かな間が訪れる。

    星南「ことね」

    そっと、星南はことねに唇を近づけ――。

    ことね「いやキスしないからな!?」

  • 177◆je8PYTqP5Ydc25/07/29(火) 10:39:15

    【閑話休題 それぞれの日々4】

    千奈「補修組集合ですわ!」
    佑芽「おーー!!!」広「おー」
    佑芽「それで何かするの??」
    千奈「今日は!リーリヤさんへのプレゼントを探しましょう!」
    広「なにがいいかな」
    佑芽「ススキの季節だからどうだろう?お姉ちゃんは喜んでたけど」
    千奈「でも一つだけ摘んじゃいますと他のススキさんがかわいそうですわ!」
    佑芽「それはそうかも!」
    広「じゃあ、媚薬とか?」
    佑芽「えっちなのはだめだよ!!!」

    ガヤガヤガヤガヤ……。

    佑芽「そうだ!なんか工作しようよ!」
    千奈「いいですわね!場所は屋敷を使いましょう!」
    広「ふふ、まかせて」

    その後、屋上の家の隣にノーベル賞もびっくりな宇宙とコンタクトできるマシンができて、清夏とことねが三人を絞ったのはまた別の話。

  • 178二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 18:50:29

    保守

  • 179◆je8PYTqP5Ydc25/07/29(火) 23:30:51

    【閑話休題】
    リーリヤは3年1組に囲まれてしまった!

    星南「今日は」
    莉波「お姉ちゃんたちに」
    麻央「好きにさせてもらうよ」
    リーリヤ「え、えええええええ!?」

    私が連行(?)されたのは、星南会長の屋敷でした。
    クロークを開くと、そこには何百着以上もの衣装が飾られていた。

    莉波「ここにあるのはリーリヤちゃんにぴったりのサイズの衣装だよ」
    リーリヤ「す、すごい」
    リーリヤ「でもどうして……?」
    星南「今日、リーリヤは着せ替え人形になるのよ!」
    リーリヤ「ええ!?」
    麻央「逃げられないからね」

    リーリヤ「うう……はずかしい」アマロリーロヤ
    莉波「とってもかわいい……!お持ち帰りしていいかな?」
    麻央「駄目だよ。今度はこれを来てもらうから」
    リーリヤ「や、やめてよぉ」シツジフク
    星南「こういうのもあるわよ!」
    リーリヤ「ええっ、これは肌面積が薄い気が……」

    ガヤガヤガヤガヤ……

    今日一日リーリヤは着せ替え人形となり、夜になるとかわりがわり抱き枕にされてしまうのだった……

  • 180二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 04:21:17

    【閑話休題 お休みの日1】

    リーリヤ「今日は劇場版シルヴェスタの封切り日だった」
    リーリヤ「やっぱり公開日に映画館で鑑賞できるのは日本の強みだね」
    リーリヤ「小腹が空いた……あれは」

    それは名前は聞いたことのあるメイドカフェだった。

    リーリヤ「一人ではちょっと怖いけど、物は試しだ。入ってみよう」

    ガチャ。

    清夏「お帰りなさいませ~、ご主人さ……ま……」
    リーリヤ「!?」
    清夏「え、なんで、リーリヤ、えっ……」
    ことね「申し訳ありません~、すぐにお席にあんな……い……」

    なんで清夏ちゃんとことねちゃんが……メイドカフェに?
    ----
    ことねちゃんのバイト先で欠員が出たため今日だけ臨時で清夏ちゃんに来てもらったようだ。
    メイドカフェに働いていること自体驚きだけど、清夏ちゃんもたまたま働いてるなんて……。

    ことね「ええっと、だ、誰かご指名……」
    リーリヤ「二人でお願いします」(即答)
    清夏「ええっ!?」

    というわけで倍の料金になるけど私は迷わず二人に机についてもらうことになった。

  • 181二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 05:04:50

    清夏「あ、あの、リーリヤ、今更だけど、や、やめといた方がいいよ?あたし応援だし……」
    リーリヤ「その初々しさが尊いからいいんだよ!」
    清夏「ええ……」
    リーリヤ「ことねちゃんも働いてるなら通うのに……」
    ことね「うぇっ、だ、だってリーリヤちゃんに浪費させるわけにはぁ……」
    リーリヤ「食費と同じ!浪費にならないよ!」
    ことね「そ、そうかな?て、てかテンション高い……?」
    清夏「リーリヤにスイッチ入っちゃった」

    まずは手始めに、オムライス。メイドカフェの定番って聞いている。
    清夏ちゃんが顔を赤くしながら震えた手でオムライスにケチャップで「リーリヤ♥しゅみたん」と描いてくれた!
    来店したのが夕食時なのでついつい閉店まで長居しちゃった……。

    満足して退店し、帰路についていると――なんと寮の入り口で二人が待ち構えていた。

    リーリヤ「ええっと……お、怒ってる?」
    ことね「怒ってないよ?」
    清夏「うん、だけど聞いたよ、この前星南っち会長の家でメイド服を着たって」
    リーリヤ「着させられたんだよぉ……」
    ことね「業務中、散々楽しんだんだから……今度はあたしたちが」
    清夏「楽しませてもらうね」

    二人が取り出したのは、先程まで着用していたメイド服と同じものだった。

    リーリヤ「ひ、ひぃん……」

    日が変わるまで二人は許してくれなかった。

  • 182二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 12:27:06

    保守

  • 183◆je8PYTqP5Ydc25/07/30(水) 15:31:11

    【閑話休題 お休みの日2】
    今日はどんよりな曇りの日。だけど私にとっては途轍もなく有難い日。

    手毬「おはよ、りーぴゃん」
    リーリヤ「おはよう、手毬ちゃん。自主レッスン?」
    手毬「そんなとこ。りーぴゃんも?」
    リーリヤ「うん、そのつもりだけど……」

    手毬ちゃんが私の視線の先に目をやると、そこには美鈴ちゃんがレッスンする姿があった。

    手毬「美鈴が朝からレッスンしてるだなんて……」

    本当に珍しいものを見た、といった表情だ。

    リーリヤ「曇りの日は頑張るって約束だからね」
    手毬「あの美鈴をコントロールしてるんだ……私や燐羽でもできなかったのに」
    リーリヤ「うまいこといったね」
    手毬「ここ数日の曇り日和ってもしかして、雨ごいでもしたの?」
    リーリヤ「それもあるけど……広ちゃんに天気を操作する機械を作ってもらったんだ」
    手毬「ええ……」
    手毬「でもそれって美鈴に言わない方が」
    リーリヤ「うん、だから……」

    美鈴「まぁ……楽しそうに何のお話ですか?」

  • 184◆je8PYTqP5Ydc25/07/30(水) 17:12:38

    手毬「ふええ……」
    リーリヤ「み、美鈴ちゃん?」
    美鈴「いま……聞き捨てならない言葉が聞こえた気がしますが」
    リーリヤ「気のせいじゃないかな……」
    美鈴「まさか人為的に曇りの日を作り出していたとは……」
    リーリヤ(聞こえてた!!!)
    美鈴「これは……お仕置きが必要なようですね」

    そんなぁ……。

    リーリヤ「そ、それで……何をしているの?」
    美鈴「口を利いていいとは、言っていませんが?」
    リーリヤ「ハイ」

    何をするかと思えば、私のレッスンの後に徐に近づいて来た美鈴ちゃんは無言で私を人形のように抱きしめ始めた。
    そして、首筋……うなじのあたりに顔を埋める。

    美鈴「………………」
    リーリヤ「あまり嗅がないでほしいかな……汗かいてるし……」
    美鈴「………………」

    駄目みたい。
    美鈴ちゃんは幸せそうだけど、これでいいのだろうか。

    手毬「すんすん……」

    なんか手毬ちゃんも感化されたのか太腿にすりすりしてくるし……これは一体何の時間なんだろう。
    私の部屋だし、消灯時間ちょっと前まで解放してくれなかった。

  • 185◆je8PYTqP5Ydc25/07/30(水) 17:14:38

    ※燐羽編は次スレ立ってからにしますね

  • 186二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 00:43:24

    ほしゅ

  • 187二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 07:24:32

    ほしゅ

  • 188◆je8PYTqP5Ydc25/07/31(木) 12:46:24

    【閑話休題 お休みの日3】

    今日はあいにくの雨の日。完全休養日だけどやることがない。
    とはいえ部屋に籠っては気が滅入るので、食堂で何か食べようと部屋を出ると、広ちゃんが倒れていた。

    リーリヤ「大丈夫!?」
    広「ふふ、リーリヤの部屋に行こうとした。けどぎりぎりダメだった」
    リーリヤ「ここまで来れるようになっただけ成長なのかな……」
    広「たまには褒められるのも、いいね」
    リーリヤ「いや休養日だから体休めようね????」

    何やら私に用事があるようだけど……。

    広「作ったものを、見せたかった」
    リーリヤ「作ったもの?」

    なんだろう。

    そうして案内された場所にはおよそ1m大のシルヴェスタプラモがあった!

    リーリヤ「こ、これは……!」

    ちょっと前に発売された最高グレードのプラモ!
    私も既に購入していた。まだ組んでいないけど……。

    広「これを動けるように、してみた」
    リーリヤ「!?」

  • 189◆je8PYTqP5Ydc25/07/31(木) 13:38:17

    預かった操縦桿(これもアニメ本編仕様)を模したリモコンを動かすと、ゆっくりと……シルヴェスタは動き出す!

    リーリヤ「す、すごすぎる……!」
    広「うまくいった、よかった」

    ただ動くだけで驚愕なのに、なんとスラスターも装着済みでちゃんと飛んでいる!!!

    広「ほんとはもっと大きい等身大を作りたかった……」
    広「だけど星南もおじいちゃんも許可出してくれなった。残念」
    リーリヤ「さすがにむずかしいねぇ」
    広「これは、誕生部プレゼント。遅くなった」
    リーリヤ「ええ!?い、いいの!?」

    こうして私はかけがえのない宝物を手にしたのだった。
    清夏ちゃんは少し困惑していた。

  • 190◆je8PYTqP5Ydc25/07/31(木) 16:55:03

    【閑話休題 お休みの日4】
    ここはことねちゃんの家。

    「こんにちはー!」「こんにちは!」「こ、こんにちは……」

    家に入ると、ことねちゃんの家族のみんながあいさつしてくれた。何度か既に会ってはいるけどね。

    「わー!千奈ちゃんだ!」
    千奈「こんにちはですわ!」

    今日はことねちゃんの家でお菓子作り。ひょんな流れから千奈ちゃんも一緒。

    ことね「なんだか千奈ちゃんもちびたちに混ざると同じくらいに見えるんだよナー」
    リーリヤ「あはは、少し……わかる」

    千奈ちゃんは愛嬌たっぷりで今日初対面だというのにすでにみんなと打ち解けている。

    ことね「ま、ちびたちの面倒を見てくれるのは本当にありがたい。今のうちに作っちゃおう」
    リーリヤ「だね」

    クッキーをはじめ、ケーキやフルーツパフェといった子供が大好きなお菓子を今日はいっぱい作ることとなっている。
    次女ちゃんがテストで100点とったのと、末っ子が誕生日なのを祝ってだ。

    リーリヤ「あ、あれって手毬ちゃんのグッズ……」
    ことね「一回遊んだことがあってさ、そんときから妙に手毬になついているんだよね」
    リーリヤ「そうなんだ」

  • 191◆je8PYTqP5Ydc25/07/31(木) 22:20:51

    「「「「できたーーー!!!」」」

    お菓子やスイーツが全部完成した!

    ことね「なんとかなったナー」
    リーリヤ「だね、手伝ってくれてありがとう!」
    ことね「本来ならあたしが全部やらなきゃなのに、皿洗いまで手伝ってもらって……」
    リーリヤ「お邪魔させてもらってるんだから当然だよ」
    ことね「なにか、あたしたち……譲ってばっかりだね」
    リーリヤ「だね」

    そして、私たちはお菓子を楽しむ妹さんたちや千奈ちゃんを見て小さく笑うのだった。

    ことね「まさか入学したときにこうなるとは思ってなかった」
    リーリヤ「私も、だね」
    ことね「それに……奨学金とかの手続きめっちゃ手伝ってもらったし、お礼しきれないよ」
    リーリヤ「お礼なんて……一緒にいられればそれでいいんだよ」

    「あー!お姉ちゃんがイチャイチャしてる!」

    ことね「う、うるさーい!黙って食べろ~!」

  • 192◆je8PYTqP5Ydc25/07/31(木) 22:24:13

    こんにちは、異常葛城愛者です。

    190を超えたんで一旦物語の更新は〆ますね。
    早ければ明日にでもPart3を立てます。立て次第、燐羽編始まります。

    また、明日までスレ落ちてなかったらこっちにもリンク張りますね。
    読んでいただき、そして保守していただきありがとうございました!
    今後ともよろしくお願いいたします。

  • 193二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 01:13:49

    毎日の楽しみ😊

  • 194二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 01:23:54

    主乙、何だかんだ楽しみにしてるわ

  • 195二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 11:09:56

    お疲れ様です!楽しみにしてます!

  • 196◆je8PYTqP5Ydc25/08/01(金) 20:05:20

    こんばんは

    3スレ目がたてたんでここに共有しますね


    https://bbs.animanch.com/board/5392750/?res=3

  • 197二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 00:02:09

    お疲れさまです。
    そんじゃ佑芽

オススメ

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