【CP・閲覧注意】ヒゲマンから連絡が来ない……【シャリマチュ】

  • 1二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:31:23

    最終回から少し経った地球の海。

    ビーチチェアに寝転んでいたマチュは、今日何度目かのスマホチェックの後、画面をオフにしてバッグに放り投げた。

  • 2二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:32:57

    あの、最終決戦のとき。

    ハイパー化した正体不明のMSとの交戦を終えた後、マチュはジークアクスと共にソドンに回収された。

    涙を拭き、努めて何でもないような顔を装ってジークアクスを降りたマチュが目にしたのは、負傷したシャリア・ブルの姿だった。
    「ヒゲマン!」
    「……マチュ君。無事でよかった」
    「あたしは大丈夫!ヒゲマン、怪我したの?大丈夫?」
    「心配するようなことはありませんよ。それより、よく頑張りましたね。見ていましたよ」
    微かに笑みを浮かべて優しく答えるシャリアの姿に、こらえていた涙がまた出てきそうになって、マチュはそっぽを向いた。

    「中佐!こんなところにいたんですか!救護室に戻ってください!」
    駆け寄ってきたコモリ少尉が、マチュに気付いて立ち止まる。
    「へへ、ただいま、コモリン」
    「マチュ!あんた……!」
    コモリ少尉に抱きつかれて、マチュはひっくり返りそうになった。
    「よくまあ、無事で……!」
    「心配した?」
    「誰があんたなんか!」
    言葉とは裏腹に、コモリ少尉は目に涙をためている。
    「ごめん、もう大丈夫だから」
    「何がよ、もう!みんな勝手なことばかりして!」
    怒ったり泣いたり安心したり、と忙しいコモリ少尉の相手をしているうちに、シャリアの姿は消えていた。

  • 3二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:34:05

    その後、ニャアンもソドンに拾われ、二人はしばらくジオンの庇護下で過ごしたのちに、地球へ赴くこととなった。

    ソドンを離れるとき、コモリ少尉からは、軍事用の通信機器を渡された。
    「いい?連絡を取るときは必ずこれを介してね?」
    「えー、めんどい」
    「ダメ!居場所を探知されないように、必ず使いなさいよ」
    「へいへい」
    返事をしながら、マチュはさりげなくコモリ少尉の背後を確認する。
    「……ねー、ヒゲマンは?前にコモリンから、残務整理で忙しくしてるって聞いたけどさ。結局全然会えてないんだけど」
    マチュの質問に口ごもるコモリ少尉。
    「中佐は……色々とお立場があるの」
    「何それー。可愛い弟子の旅立ちだよ、顔くらい見せてくれたっていいじゃん」
    「中佐は、落ち着いたら連絡するとおっしゃっていたわ。それに、あなたたち二人が地球に行けるよう手配してくれたのは中佐なのよ。感謝なさい」
    「ふーん」

  • 4二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:42:28

    そっかぁ。そういえば前に、地球の海で泳ぎたかったって話、ヒゲマンにしたっけ。
    『……でさぁ、結局ジークアクスごと海に飛び込んだから、あたしは泳いでない』
    『そのおかげでシャロンの薔薇が見つかったのだから、感謝していますよ』
    『そーだよ、感謝してよね』
    『ふふ、いつか泳げるといいですね、地球の海で』
    ……覚えててくれたのかな。
    マチュは、厳しい訓練の合間の、他愛ない会話を懐かしく思い出した。

    「マチュ、お待たせ」
    支度を終えたニャアンがやってくる。
    「ニャアン、行こっか。じゃあね、コモリン!ヒゲマンに、必ず連絡しろって言っといて!」
    「気をつけてね!そっちこそ、何かあったら必ず連絡するのよ!」
    ヒラヒラと手を振って、マチュはソドンを出立したのだった。

  • 5二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:43:44

    それから数ヶ月。
    シャリア・ブルからの連絡はないままだ。
    たまに、コモリ少尉に連絡を取ってはシャリアの様子を聞いているが、言葉を濁されるばかり。
    連絡先も教えてもらってないから、こちらから連絡もできない。
    ……まだ忙しいのかな。
    ひょっとして怪我が治ってないのかも?
    最終決戦の時、確かにマチュはシャリアの声を聞いた。
    彼の想いが伝わってきた。
    また、会いたい。会って話したいのに……。

  • 6二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:45:16

    MSに乗る直前の、彼の言葉を思い出す。
    『軍人には軍人の、責任の取り方がありますから』
    いつもとは明らかに異なる、余裕のない表情だった。
    「……あー、もう!」
    不穏な想像ばかりが頭を巡り、マチュはぶるぶると首を振った。
    「マチュ、どうしたの?」
    そんなマチュの様子を見たニャアンが声をかけてくる。
    「んー、何でもない。何でもないけど、なんかモヤモヤするぅ!」
    ハロが「ドウシタ、マチュ?」と言い、コンチがピロリロリ、と答える。
    ……そうだ。ビーチチェアの上でジタバタしていたって仕方ない。
    向こうが連絡をくれないなら、こっちが動くべきだ。

  • 7二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:46:35

    マチュは砂浜に勢いよく降り立って、高らかに宣言した。
    「もーいい、こっちから会いに行く!」
    「……誰に?」
    「ヒゲマンだよ、ヒゲマン!」
    「ヒゲマン、さん……マチュが言ってた、ソドンでお世話になった、人?」
    「そう、MSの師匠」
    よく考えたら、彼は今、自分と同じ世界にいるのだった。
    このまま突き進んでいけば、会える場所にいるのだ。何を迷う必要があるだろう。
    マチュは、海に向かって思い切り叫んだ。
    「首を洗って待ってろよー!ヒゲマン!」

  • 8二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:47:54

    ここからダイス使います。

    まずはマチュ→ヒゲマンへの好意度 dice1d100=51 (51)

    数値が高いほどLOVE、低いほどLIKEに近い。

  • 9二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 16:49:35

    何かいい感じの数字出た。


    「会いに行くことは決めたけど、どうするか、とりあえず、誰かに相談してみる?」

    dice1d4=1 (1)


    1 コモリに相談する

    2 エグザベに相談する

    3 ニャアンに相談する

    4 誰にも相談しない。マチュは信じた道を行く。

  • 10二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 17:05:47

    おおシャリマチュスレ!
    51かー

  • 11二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 20:06:49

    すっっごいほどよい数値

  • 12二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:01:43

    「コモリンに連絡してみよ」

    ポチポチ

    『ねー、ヒゲマンってまだ忙しいの?』

    しばらくすると返事がきた。

    『寝る間もないくらいね。少しは休んでほしいんだけど』


    「そんなにかー」

    マチュはガックリとうなだれた。

    「……いや、ここで諦めちゃダメだ!」


    もうちょっと粘ってみよう。 dice1d3=2 (2)

    1 何でそんなに忙しいの?

    2 ヒゲマンの連絡先教えて!

    3 ヒゲマンに、ちょっとでもいいから連絡するように伝えてほしい

  • 13二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:16:49

    ポチポチ
    『じゃあ、ヒゲマンの連絡先教えて。私から連絡するから』
    『私からは教えられない。マチュから連絡があったことは中佐には伝えておくから、必要があれば連絡が行くはずよ』

    ぐぬぬ……。
    やっぱり、こっちから出向くしかないか!
    マチュは決意も新たに、ニャアンに言った。
    「ねえ、ニャアン、宇宙に行こう!」
    「うん、でもどうやって?」
    「それは……今から考える!」

    誰か、地球で頼りになりそうな人、いないかな。
    マチュには一人だけ、心当たりがあった。
    「あの人に会いに行ってみるか……」

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:20:31

    一方、ジオン公国。

    シャリア・ブルはアルテイシア直属の特殊部隊として、現在はコモリ、エグザベと共に活動していた。
    軍上層部は一時期混乱を極めたが、イオマグヌッソが事故扱いとなり、アルテイシア擁立からしばらく経って、ようやく落ち着きを取り戻しつつある。
    シャリアは結局軍法会議を免れたが、表向きは責任を問われる形でソドンを離れることとなった。
    表舞台を去る体を装った方が、今後の活動に都合がよかったからだ。
    コモリ少尉がついてきたのは予想外だったが、信頼できる部下がいてくれるのは、シャリアにはありがたかった。
    怪我から復帰した後は、寝る間もないほど多忙を極めた状態が続いている。今も大小の問題が、ひっきりなしに彼のもとに舞い込んでくる。
    自分が描いた構想を軌道に乗せるため、万難を拝さねばならない。
    それが、生きて責任を取るため、彼が選んだ道だった。

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:22:03

    マチュとニャアンの二人は、「イオマグヌッソの事故」の重要人物としてシャリアの管理下に置かれている。……と、いう体裁が取られている。二人がシャリアの元に所属していることは、極秘事項とされていた。
    実際はほとぼりが冷めるまで匿って、そのうち解放する予定だ。
    マチュの公開指名手配を解除するために、シャリアは今も様々な工作を続けている。

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:28:46

    彼女たちには、ジオンに関わりない場所で、何物にも縛られずに生きていってほしい。
    もしかしたら、いつか本当に、向こう側の世界にだって行けるかもしれない。

    心からそう願っている一方で、シャリア・ブルは複雑な感情を抱いていた。

    いつか自分の手を離れていく存在だと分かっていた。自分の元にいるのは、ほんの僅かな時間であろうことも。
    なのに、離れてみるとこんなに寂しいものだとは。

  • 17二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:29:49

    マチュは「偉そうに!」と言うかもしれないが、つかの間の師弟関係を、自分は心から楽しんでいた。
    彼女にMSの操作を教え、導くのは、シャアとMAVを組むのとは全く別の面白さがあった。
    正体不明のMSと戦うマチュの姿を目の当たりにして、彼女こそが真のニュータイプだと思った。
    いつの間にか、彼女は自分を追い越し、先へ進んでいた。師として最上の喜びではないか。

    それで十分なはずだ。
    余計なことを考えている暇はない。やるべきことは山のようにあり、先はまだ見えない。

    彼女たちの門出を祝福し、自分は自分の成すべきことをする。
    それだけだ。

  • 18二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:32:32

    ……。


    ヒゲマン→マチュへの好意度

    数値が高いほどLOVE、低いほどLIKEに近い。

    dice1d100=40 (40)

  • 19二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:33:15

    これまた面白そうな数値!!

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:53:32

    今のところ師弟愛って感じ?

  • 21二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:00:42

    なかなか、釣り合いがとれた数値が出ましたね!

    一応自分の中では、LIKEは完全に師弟愛で、数値が50を越えてくると、何か、ちょっと、違うかも……、ってなってきて、100以上は激重感情ってイメージです。
    なので、今のところ二人はめちゃくちゃ強い師弟愛で結ばれてます。

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:02:59

    「中佐!」
    執務室で仕事をしているシャリアに、コモリが声をかけてきた。
    「何です?コモリ少尉」
    「お願いがあります。マチュに連絡してあげてください」
    「必要な連絡はコモリ少尉が取ってあげているでしょう」
    「そうですけど、でも……」
    コモリは言い淀む。
    「でも、マチュはずっと心配してたんですよ。地球に行った後も、中佐はどうしてるのかって連絡があって。さっきも、中佐の連絡先を教えてほしいって」
    「今、必要以上に連絡を取るのは危険です。公開指名手配が解除されるよう、手筈を整えている最中ですから、もう少し待つようにとマチュ君に伝えてください」
    「それは、伝えてるんですが……」
    「何か問題が?」
    「……何だか胸騒ぎがして」
    コモリの言葉に、シャリアは眉をひそめた。
    正直なところ、自分の感情を持て余して、できるだけマチュのことを考えないようにしていた。ことさら意識の外に置いていた。
    コモリは何かを感じ取った……?
    何が木星帰りの勘か、肝心なときに役に立たずでどうする。
    「……分かりました。コモリ少尉がそこまで言うなら、連絡してみましょう」

  • 23二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:05:37

    シャリアは自分のスマホを手に取り、メッセージアプリを立ち上げた。
    いざ、入力しようとして、ピタリと手が止まる。
    マチュの連絡先は知っている。ミラーリングもしていたくらいだ。
    だが、自分がメッセージを送るのは初めてだった。
    (これは思った以上に難問ですね……!)

  • 24二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:11:05

    シャリアがマチュに送るメッセージを考えあぐねていると、部屋のドアが勢いよく開き、エグザベが飛び込んできた。

    「中佐!大変です!」

    「エグザベ君!?」

    「エグザベ少尉、どうしたんです?」

    「至急の案件が……!」


    エグザベが持ち込んだ案件とは dice1d2=2 (2)


    1 アルテイシアに関すること

    2 シャアに関すること

  • 25二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:20:21

    シャアがマチュと接触してなんか動き出したの察知されたかな?
    隠れて動いてるだろうから大事になりそう…

  • 26二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:25:02

    「実は、シャア・アズナブルを名乗り、市民を扇動している者がいるという情報が入りました」

    話を聞いたシャリアの顔の色が変わる。
    「すぐに行きます。エグザベ少尉、案内を」
    「はいっ!」
    「コモリ少尉、後を頼みます」
    「分かりました、中佐」
    シャリアとエグザベは急いで部屋を出ていった。
    一人残されたコモリ。
    (あれ?結局中佐はマチュに連絡してない?……あーあ、大丈夫かな)
    (このまま連絡しなかったら、マチュがとんでもない無茶やらかしそうな、嫌な予感しかしないんだけど……)

  • 27二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:36:31

    一方マチュたちは……。


    海で思い立ってから、数日後。


    地球で頼りになりそうな人といえば、ララァしかいない!

    ということで、マチュたちはララァに会いに、ジークアクスのコアファイターでひとっ飛び、以前カバスの館があった場所までやってきた。


    「ここか……」

    焼け落ちたカバスの館跡地周辺で聞き込みをした結果、ララァの居場所を突き止めることができたマチュたちは、難民キャンプに辿り着いた。


    ニャアンはキャンプの状況に心を痛めている様子。そうだ、ニャアンも元難民なんだった。

    「ニャアン、大丈夫?連れてきちゃってごめん」

    「ん、平気。少し昔を思い出しただけ。」


    ララァたちには dice1d2=2 (2)


    1 すぐに会えた

    2 なかなか見つからない

  • 28二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:37:59

    あわててスマホ忘れていったのか…

  • 29二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:45:14

    続きが気になる

  • 30二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:45:49

    ララァを探し歩いている途中、マチュは見覚えのある人物と出会う。

    「おや、君はジークアクスのパイロットか」

    「ん?んん?……もしかして、シャアさん!?」


    マチュはシャアとシャリアの対決を dice1d2=2 (2)


    1 コモリから大体聞いた(コモリはシャリアから聞いた)

    2 世間の噂程度しか知らない(死んだと聞いていた)

  • 31二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 00:19:33

    ヒゲマンがマチュに送るメッセージ悩んでる感じがなんかかわいい

  • 32二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 06:28:06

    あの時のマチュはガンダム(シュウジ)相手にしてたし、シャアとヒゲマンが戦ってるのまではさすがに気が回らなかったんだろうね

  • 33二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 06:49:21

    マチュが知っているのは、赤いガンダムが、キシリアの乗っていたチベ(パープルウィドウ)を撃墜したことと、その後ジオン軍と交戦してMSが大破し、パイロットは死亡したらしい、という話だけだ。


    (ヒゲマンは、あの時ギャンの大群と交戦中だったから、シャアさんと会えたのかどうか、ずっと気になってたんだ!)

    「嘘でしょ、生きてたの!?」

    「まあ、見てのとおりだ」

    「えっえっ、ヒゲマンはこのこと知ってるの?ちゃんと会って話したんですか?」

    「ヒゲマン……シャリア・ブルのことか。そうか、君は何も知らないのだな」


    シャアは事情を dice1d2=2 (2)


    1 話す

    2 話さない

  • 34二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 09:02:27

    「もちろん奴は私が生きていることを知っているが……」

    「えーっ!?」

    「まあ、詳しいことが知りたければ、奴に尋ねてみるのだな」

    (気になる……。けど、シャアさんはこれ以上教えてくれそうにない雰囲気!)


    気を取り直して、別のことを聞いてみよう dice1d2=1 (1)


    1 「そうだ!シャアさんならヒゲマンに連絡する方法を知らないですか?地球に来てから全然連絡取れなくて」

    2 「ここにいるってことは、もしかして、ララァに会えたんですか?」

  • 35二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 09:08:20

    「悪いが私も知らん。君はソドンにいたのではないのか?連絡先を聞いていなかったのか」
    「いたはいたけど、一応勾留中の身だったし。シャアさんなら知ってるかと思ったのに、残念」
    (ん?連絡先知らないってことは、ヒゲマンとシャアさん、ちゃんと会えなくてすぐに別れちゃったのかな?)
    「勾留とは、事情はよく分からんが、複雑な状況だったようだな。……ところで、私は今はクワトロと名乗っている」
    「クワトロさんかー」
    「君の名も聞いておこうか」
    「あっ、アマテです。こっちはニャアン」
    「アマテ壌か。敬語もやめたまえ。今の私は何者でもないのだからな」

    (別スレで、シャアのマチュに対する呼び方が素敵だったので、真似させてもらいました)

  • 36二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 09:51:23

    マチュとニャアンはシャアの案内でララァの住まいへやってきた。
    「こんにちは。あなたにはまた会えると思っていたわ。」
    「ララァ!元気そうでよかった」
    「全部あなたのお陰ね。感謝しているわ」
    ララァの姿に安心するマチュ。
    カバスの館を去った後から今までの出来事をお互い報告しあう。
    ララァはシャアと出会い、今は難民キャンプの運営に取り組んでいるようだ。

    「……それで、あなたはまた宇宙へ行きたいのね?」
    「そうなんだ。でもまだ宇宙のどこに行けばいいかも、どうやって行けばいいかも分からない。」
    「大丈夫、きっかけは向こうからやってくるわ」
    ララァの謎めいた言葉にマチュは首をかしげる。
    「どういうこと?」
    「そのうち分かるわ。ねえ、せっかくここまで来てくれたのだから、しばらく滞在したらどうかしら?」

  • 37二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 10:52:34

    おぉう…
    いいスレだ… いいスレだ…(貪り喰って(読んで)満足

  • 38二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 13:51:24

    一方、ジオン公国では……。

    マチュたちがシャアとララァに再会したのと、ちょうど同じ頃。

    「つまり、シャア・アズナブルを名乗り、市民を扇動している者がいる、と?」
    アルテイシアは、憂いた表情で手元の書類に目を落とした。
    ランバ・ラルが嘆息する。
    「まさか本物ではあるまいな」
    「あり得ません」
    シャリア・ブルは即答した。
    「少なくとも、アルテイシア様の行く末を阻むような行いをする方ではありません」
    「まぁ、シャリア・ブル、あなたはひょっとしたら私より兄に詳しいのね」
    アルテイシアがからかうような口調で口を挟む。
    「……失礼しました」
    「いいわ、私も兄さんではないと思っているの」言いながら、アルテイシアは手をぎゅっと組み合わせる。表面上は落ち着いた様子だが、内心は不安なのだろう。

  • 39二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 13:53:58

    「それで、どこまで調べがついているの?」
    報告書は、シャリア・ブルがエグザベからの連絡を受け、数日かけて調べてまとめあげたものだ。
    「政権への不満派を装っていますが、連邦がバックにいることは間違いないでしょう」
    「何故?」
    「シャア・アズナブルを名乗る人物は、アルテイシア様の連邦軍時代の偽名まで調べあげているようです。」
    ランバ・ラルの目が光る。
    「なるほど。情報の出どころは連邦というわけか」
    アルテイシアの連邦時代の偽名がセイラ・マスであるということは公にされていない。連邦軍でも知っている者はほんの僅かだ。
    ただ、連邦内部に内通者がいるとすれば、情報を得ることは可能だろう。

  • 40二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 13:58:49

    「これは、ギレン派が連邦と繋がっているとみてよいかと」
    「なに?まさか……」
    「実際に、サイド6で起きたキシリア様の暗殺未遂事件、あれは地球連邦軍の過激派の暴走と見せかけてはいましたが、ジオン側の手引きがなければ実行できません」
    「しかし、こんな、あからさまなことをするものかね」
    「功遅は拙速に如かず、と申します。多少強引でも、この政権が固まる前に、コトを起こしたいのでしょう」
    人の心を読む力に長けているシャリア・ブルにとって、こういった調査はお手の物だ。
    「分かりました」
    アルテイシアは静かに言った。
    「私の方でも調べてみることにします」
    「アルテイシア様が?しかし……」
    「実は、地球にいるジャーナリストのツテがあるのよ。腕は確かだと思うわ」

  • 41二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 18:18:58

    アルテイシアとの会合を終えて、執務室に戻ってきたシャリア・ブルは、椅子に深く腰かけて天井を仰いだ。
    会合の間付き従っていたエグザベが声をかける。
    「お疲れ様です、中佐。……少しお休みになっては?」
    「いえ、大丈夫です。この件はアルテイシア様預かりになったとはいえ、我々がやるべきことはまだ残っている」
    「ダメです、中佐!」
    執務室で待機していたコモリが、語気強く訴える。
    「後は私たちが引き受けますから、休んでください。このままでは本当に倒れちゃいますよ!」
    「しかし……」
    「お願いですから!」

  • 42二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 18:20:19

    確かに、少々根を詰めて働きすぎた。
    とはいえ、今回の件は、シャリア・ブルにとって無視できない何かがあった。
    こういうときのシャリア・ブルの勘はよく当たる。
    場合によっては、自分が出撃すべき事態に発展する可能性もあるかもしれない。

  • 43二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 18:21:59

    思案しているシャリア・ブルに向かって、エグザベが言った。
    「コモリ少尉の言うとおりです。万が一のとき、中佐が出撃できなかったら、事態がさらに悪化する可能性があります」
    シャリア・ブルは目を見開いた。
    (彼のこういうところは、とてもニュータイプらしいですね。無意識に何かを感じ取っているのかもしれません)
    「……確かに。お二人の言うとおりです。分かりました、少し休ませてください」
    シャリア・ブルは椅子から立ち上がった。
    二人にほっとした空気が流れる。
    「そうですよ、とりあえず、今日はゆっくり休んで、マチュに連絡でもしてあげてください」
    「……は?」

  • 44二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 18:23:47

    ※ ちなみに、シャリア・ブルたちが働いているのは、ズムシティ公王庁の別棟で、執務室のほか、自室があって仮眠もできます。忙しすぎて、みんな全然自宅に帰ってません。

    あと、仮面は外で正体を隠したいときはつけてるけど、普段はつけていない設定です。


    自室に戻ったシャリア・ブルはマチュに連絡できた? dice1d100=44 (44)


    ゾロ目 連絡できた

    5以下 連絡しようとして、途中で寝落ちして意味不明の文章を送ってしまった

    それ以外 できなかった

  • 45二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 18:28:54

    引きが強いなヒゲマン

  • 46二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:16:04

    ダイス神の計らいで、最速で連絡きちゃった……。

    自室に戻ったシャリア・ブル。
    (そういえば、マチュ君に連絡するよう、コモリ少尉から言われてたんでした。明日以降もしばらく忙しいでしょうし……)
    「ふむ……」
    ポチポチ

  • 47二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:24:35

    そして、こちらは地球にいるマチュ。

    「なんか、見覚えないアイコンからメッセージ来た……えっ!?」

    『マチュ君、元気にしていますか?くれぐれも無茶はしないように』

    「はっ?これ、もしかしてヒゲマンから?」


    このメッセージでマチュ→ヒゲマンへの好感度は 51+dice1d30=23 (23)

  • 48二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:30:27

    好感度 51+23=74

    「もー、名前くらい入れといてよね……。誰から来たかなんて、すぐ分かっちゃうけどさ」
    ニヤニヤ
    「よけーな心配してるし」
    ニヤニヤ
    「マチュ、どうしたの?」
    「えへへ、ヒゲマンから連絡来た」
    マチュはニャアンにスマホの画面を差し出した。
    「すごいね、私たちがララァさんに会いに来たの、知ってるみたい」

  • 49二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:38:15

    (そういえば、ララァに会いに来て、シャアさん、もといクワトロさんに会っちゃったこと、ホントは伝えた方がいい気がするけど)

    (でも、クワトロさんがヒゲマンとのこと言いたがらないの、何か気になるんだよな……。ヒゲマン、クワトロさんが生きてることは知ってるみたいだし、うーん……)

    (それに、ヒゲマンは勘が鋭いから、あたしがララァに会って宇宙に行こうとしてるのがバレそう。バレたら絶対ダメって言われそうだしな……)


    ヒゲマンに、シャアと会ったことを dice1d100=20 (20)


    ゾロ目 報告する

    それ以外 報告しない

  • 50二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 23:38:55

    ヒゲマンから連絡きたマチュ嬉しそうでかわいい

  • 51二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 02:09:42

    (わくわくとにやにやがとまらない~…(嬉
     ダイスがいい感じなのにもほっとしてます

  • 52二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 06:41:06

    メッセージが実にヒゲマンらしい…!

  • 53二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 07:19:42

    「うん、やっぱ黙っとこっと」
    ポチポチ
    『ヒゲマンだよね、久しぶり』
    『こっちは楽しくやってるよー』
    『てか、コモリンに聞いたけど殺人級の忙しさなんでしょ』
    『そっちこそ無茶しちゃダメだよ』
    「これでよし、と」
    (絶対会いに行ってやる!)

    いつの間にか、連絡云々よりも、シャリアに会いたい気持ちが上回っている。
    もはや、マチュの踏み出した身体は止まらないのだった。

    「でも、連絡できるくらい仕事が落ち着いたってことだよね、よかった!」

  • 54二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 07:21:16

    一方、ジオン公国。


    マチュへ連絡した日、自室でそのまま寝落ちしてしまったシャリア・ブルが、マチュのメッセージを確認したのは翌朝だった。

    「……元気でやっているようですね」

    久々にまとまった睡眠がとれたことに加え、マチュからのメッセージを確認して、疲れも大分癒えたようだ。


    シャリア→マチュへの好感度  40+dice1d30=29 (29)

  • 55二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 08:08:33

    ほぼ最大値で癒されてる

  • 56二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 12:38:25

    ほしゅ

  • 57二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 14:09:27

    数値高っ!ダイスの結果を見て、マチュと同じくらいニヤニヤしてます。

    好感度 40+29=69

    いつもよりゆっくり支度を終えて、執務室へ行くと、既にコモリが来ていて、書類仕事を片付けていた。
    「おはようございます、中佐」
    「おはようございます」
    「少しは休めました?」
    「おかげさまで」
    シャリア・ブルの返事にコモリは安心した表情を浮かべた。
    「よかったです。……マチュに連絡は?」
    「ちゃんとしましたよ。元気にしているようです」
    シャリア・ブルはスマホを軽く掲げてみせた。
    「今回の偽者事件が片付いたら、マチュ君の公開指名手配の解除の方も進めなければ」

  • 58二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 14:10:34

    上機嫌なシャリア・ブルだったが、ひとつ重要なことを見落としていた。
    それは、マチュたちの位置情報だ。
    定期的にコモリから報告を受けているのだが、昨日の彼女たちの位置情報が、前回とはずいぶん離れた場所に移動していたことに、彼は全く気付いていなかった。

  • 59二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 14:12:10

    その頃、マチュは地球でスマホをチェックしていた。
    「あっ、ヒゲマンから返事が来てる!」
    『元気そうで安心しました。こちらは当面は忙しい日が続きそうです。あと、公開指名手配が解除されるまで、できるだけ連絡は避けてください』
    「もー、塩対応過ぎ!」
    (で、結局まだ忙しいんじゃん。やっぱ会いに行くのがてっとり早いな!)

  • 60二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 18:18:09

    ヒゲマンから連絡きたけど、このまま話は進みます。

    マチュとシャリア・ブルが連絡を取りあった数日後、舞台は地球。

    マチュとニャアンは、ララァの「きっかけは向こうからやってくる」という言葉に従い、ララァの元に滞在していた。
    その日、シャアは一人で出かけており、マチュたちは、夕食の支度をしているララァの手伝いをしていたのだが……。
    不意にララァが手を止めて、呟いた。
    「……何かあったのかしら」
    「どうしたの?」
    「いいえ、多分大丈夫。夕食の支度、少しお願いしてもいいかしら?」
    「いいけど」
    何かを感じたらしいララァが奥の部屋に引っ込んでしばらくした後、シャアが帰ってきた。
    「クワトロさん、おかえりー……って、誰それ!」
    シャアが肩を貸していたのは、負傷した男性だった。
    すぐにララァが出てくる。
    「その方は奥の部屋へ。……ご無事ですか?」
    「ああ、私は問題ない」
    「痛つつ……、悪いね」
    男性は顔を歪ませている。
    「少し休んだ方がいいだろう」
    マチュとニャアンはぽかんとして、シャアが男を奥の部屋に連れていくのを見送った。
    「ララァには、こうなることが分かってたのかな?」
    「未来が見えるって、本当なんだ……」

  • 61二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 18:19:52

    男を寝かせたあと、ララァとシャアが戻ってきて、ようやく夕食になった。

    「クワトロさん、結局あの人誰なの?知り合い?」

    「いや、彼が物陰で複数人に襲われていたところを、たまたま通りかかって助けただけだ。しかし……」

    シャアは何かを取り出して、食卓に置いた。

    「彼の内ポケットから拝借した。単なる旅客というわけではないようだな」

    「何これ、名刺?あの人の?……カイ・シデンって……」

    「連邦の有名なジャーナリストだ」


    マチュは彼のことを dice1d3=2 (2)


    1 知ってる

    2 名前は聞いたことあるかも?

    3 知らない

  • 62二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 19:20:46

    「あー、何となく名前に聞き覚えあるかも?」

    マチュは首を傾げた。

    「ニャアン、知ってる?」

    ニャアンは黙って首を振る。


    「そんな有名人が、何で襲われたんだろ?」


    カイを襲ったのは dice1d2=1 (1)


    1 連邦軍の残党

    2 ジオンの手の者

  • 63二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 20:36:11

    「理由は分からないが、彼を襲った連中は、連邦軍の残党のようだな」
    「そうなの?!」
    「ああ。どうやら口封じをするつもりだったようだ」
    「でも、あの人も連邦の人なんでしょ?」
    「連邦も一枚岩ではないということだろう」

  • 64二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 00:13:01

    シャリマチュ再会祈願保守!

  • 65二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 06:44:27

    続き、お待ちしてます…!

  • 66二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 07:26:04

    保守、コメント、ありがとうございます。
    規制に巻き込まれて書き込めませんでした。

    続きです。

    皆の食事が終わったあと、ララァが様子を見に行くと、男は少し休んで、大分体調が回復したようだった。
    「起き上がれるようなら、居間で夕食をお召し上がりになりますか?残り物でよければですが」
    「いいのかい?そりゃありがたい」
    居間に案内された男は、シャアに改めて謝意を述べた。
    「いや、助かったぜ、本当に」
    「礼には及ばん。ところで……」
    シャアは鋭い眼光でカイを見据える。
    「連邦軍の残党に命を狙われるとは、なにか心当たりがあるのではないか?」

  • 67二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 07:28:26

    「さあてねぇ、奴ら、連邦軍の残党だったのかい?狙われる心当たりなんざ……」
    「カイ・シデン、私も名を知っている、有名なジャーナリストだ」
    「おっと、バレてたのね」
    カイは両手を上げて降参のポーズを取った。
    「ま、ジャーナリストなんて、どこで怨みを買ってても仕方ない商売だからな」
    「いくら怨みを買いやすいといっても、口封じに殺されるほどのことが、そうそうあるとは思えんが」
    「いやー、おれも驚いたよ」
    「ところで、ここへは何故来た?何を探っている?」
    シャアの質問は、尋問の様相を帯びてきた。

    (もしかしてクワトロさんは、この人が自分の正体を探りにきたんじゃないかって疑ってるのかな……?)

  • 68二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 07:31:47

    「いや、本当にたまたま通りかかっただけさ」
    「そうか」
    シャアは懐から銃を取り出して構えた。
    「私も自分の身を守らねばならんのでな」
    突然の出来事に反応できず、固まるマチュとニャアン。
    「あー、いや、違うんだ。あんたの素性を探りにきたわけじゃない」
    銃を突きつけられても、カイは落ち着き払っている。
    「ここまできたら、隠していても仕方ないか。あんたと接触するつもりはなかったんだがなぁ。シャア・アズナブルさん、いや、キャスバルさんの方がいいか?」
    カイの発言で、その場に緊張が走った。

    「害意はないんだ。知ってるかい?あんたの偽者が出てるって話」

  • 69二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 11:12:09

    カイは、自分がアルテイシアの連邦軍時代の仲間であること、彼女からの依頼で、例の事件を調べていることを明かした。
    シャアがようやく構えていた銃を下ろしたので、マチュとニャアンはほっとした。

    「びっくりしたー、クワトロさん、ホントに撃っちゃうかと思った」
    「脅しだ、本気で撃つつもりはなかった。奴が襲われていたとき、助けに入った私の顔を見た反応が妙だったのでな。鎌をかけてみたのだ」
    (うーん、目はマジだったけどなぁ……)

  • 70二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 11:14:39

    ジャーナリストとして難民問題にも携わっているカイは、調査や取材をしている内に、偶然シャアの正体を知ったのだという。
    「勿論他所にバラすような、ジャーナリストの倫理にもとることはしてないから安心してくれ。ただ、今回の話を持ち込まれて、念のため、本当に関係がないかを少し調べさせてもらった」
    「いい迷惑だ。こちらは全く関係ない」
    「それはすぐ分かったんでね。あんたにバレる前に、早々に引き上げようとしていたところを、たまたま狙われたってワケだ。ついてねえや」
    カイは頭をかいた。
    「奴らは、ここに来る前に俺が探りを入れていた奴らだろう。始末するのに都合が良い場所だと思ったんだろうよ」
    「確かに、あの辺り一帯は治安が悪い」
    「いや、あんたが通りかかってくれて助かった。助かったんだが……、何しろあんたにだけは絶対にバレないようにしろって言われてたんでね。こりゃあ、セイラさんにどやされちまう」
    アルテイシアの連邦軍時代の呼び名を口にして、カイは少し懐かしそうに目を細めた。

  • 71二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 11:20:05

    一応、カイ・シデンについて。
    ファーストで出てきたキャラで、ホワイトベースのクルー。主にガンキャノンに搭乗し、Z以降は軍を退役して、ジャーナリストになってます。
    ジークアクスの当初のプロットでは、第9話で登場する予定だったとのこと(その後、ララァに変更)。
    セイラさん(アルテイシア)には「軟弱者!」とか言われて、ひっぱたかれたりしてたけど、多分仲良し。

  • 72二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 17:06:08

    保守♡

  • 73二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 18:42:13

    さて、カイの話を聞いたシャアは dice1d2=2 (2)


    1 自分の偽者が出たと聞いては、放っておけない

    2 シャリア・ブルとの約束を守っておとなしくしていよう

  • 74二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 18:53:17

    「……なるほど。話は分かった。だが、改めて言うが、こちらには一切関係のない話だ。巻き込まれてはかなわん。」
    「こっちもそのつもりはなかったんだ。悪かったな。予定どおりすぐ引き上げるさ」
    「ちょーっと待ったぁ!!」

    待ったをかけたのは、横で勝手に話を聞いていたマチュだ。
    「な、なんだぁ?」
    「今の話って、つまりジオンが大変なことになりそうってこと?」

  • 75二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 19:27:34

    「まあ、そうだな」
    「そんなの放っておけないよ!」
    マチュは身を乗り出して、カイに訴える。
    そりゃ、ジオンの制服はダサいし、戦争なんて関係ないってずっと思ってた。
    でも、ソドンにはお世話になったし、何よりあのイオマグヌッソの事件、せっかくみんなが苦労して、やっと収まって、これからってときなのに、めちゃくちゃにしようとしてる奴らがいるなんて、黙ってられない。

    「それに……」
    マチュはララァの方を顧みた。
    「せっかくララァとクワトロさんが、一緒に幸せに暮らせるようになったのに……勝手に名前を使って悪いことするなんて、絶対に許せない!」

  • 76二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 20:14:56

    あ~… なんかいいなぁ、こういうの
    まま~り続きお待ちしてます

  • 77二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 20:45:09

    息巻くマチュの様子にカイは面食らっている。
    「しかしな、あんたがこんな話聞いてどうする?そもそもお嬢さん、一体何者なんだ?」
    「あたしのことはどうでもいいの!その、悪いことしてる奴らの情報教えてよ!」
    カイは呆れた表情で、シャアの顔を見た。
    「こう見えてアマテ嬢は、MSの腕前はかなりのものだ。本当にまとめて倒してしまうかも知れんぞ」
    シャアは完全に面白がっている様子だ。
    今まで黙って成り行きを見守っていたララァが口を開いた。
    「彼女たちは、アルテイシア様直属の特殊部隊に所属しています。……そうですよね?」
    一瞬キョトンとしたマチュだったが、すぐにハッとした。
    「そうだった!コモリンからも言われたもん!」

  • 78二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 20:47:52

    確かにマチュは、コモリから言い含められていた。

    『いい、一応あなたたちは、私たちの部隊に所属してるってことになってるからね。そうじゃなければジークアクスを渡しておくことなんてできないんだから』
    『はぁーい』
    『もう!……地球でも補給が受けられるよう、手配してあるから』

    (ララァ、ナイスアシスト!)
    内心でマチュはガッツポーズした。
    「へえー、人は見かけによらねえなぁ」
    最初は呆れていたカイも、ララァの言葉を聞いて、思い出す。
    アルテイシアからは、応援の人員を手配するので協働するよう、連絡を受けていたのだった。
    (もしかして、セイラさんが言ってたのって、こいつらのことか?)
    既に地球にいるという話は聞いてなかったが……。
    (どうみても女子高生にしか見えないがね。いやはや、ジオンの人員不足もここまで来たか)

  • 79二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 04:33:51

    支援☆

  • 80二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 07:42:49

    こうして、マチュは今回の事件に首を突っ込むことになったのだった。

    「ねえニャアンも一緒に行こ!」
    「行きたいけど……、ジフレドは、もうないんだよ」
    「うっ……」
    そうだった。MSって、どこで手に入れればいいんだろ?
    マチュは、カイにお願いできないかと一瞬考えたが、そんなことを頼めば、ジオンの特殊部隊所属であるという嘘は、すぐバレてしまうだろう。
    「クワトロさん……」
    「悪いが、私もMSは持っていない」
    仕方ない!あたしとジークアクスで何とかするしかないか!

    「それにマチュ、指名手配の件は、大丈夫なの?」
    「へーきへーき、サイド6に近づかなきゃいいんでしょ」
    「そ、そうなのかな……」

  • 81二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 07:44:54

    ところで、マチュの元にシャリア・ブルから連絡がきた後、二人は連絡を取り合ってる? dice1d5=2 (2)


    1 マチュはしょっちゅう連絡している。わりと返信がある。

    2 マチュは連絡しているが、返信は滅多にない。

    3 マチュから何度か連絡してみた。ちゃんと返信があった。

    4 マチュから何度か連絡してみたが、返信はない。

    5 あのあと連絡していない。


    1のとき

    マチュ→ヒゲマンへの好感度 74+dice1d20=13 (13)

    シャリア→マチュへの好感度 69+dice1d20=1 (1)

    2のとき

    マチュ→ヒゲマンへの好感度 74+dice1d5=4 (4)

    シャリア→マチュへの好感度 69+dice1d5=5 (5)

    3のとき

    マチュ→ヒゲマンへの好感度 74+dice1d10=2 (2)

    シャリア→マチュへの好感度 69+dice1d10=2 (2)

    4、5

    変動なし

  • 82二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 07:56:59

    マチュ→シャリアへの好感度 74+4=78
    シャリア→マチュへの好感度 69+5=74

    ダイスの最大値5でこの値……!
    ダイス神、シャリマチュをめちゃくちゃ応援してくれてる!?

  • 83二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 07:59:28

    マチュはしょっちゅう連絡しているが、シャリア・ブルからはあまり返信がないようだ。


    (やっぱ忙しいんだろうな……)

    (結局ヒゲマンには、シャアさんと会ったことは伝えてないんだよね)

    (シャアさんの偽者退治に協力するってことは、さすがにちゃんと報告した方がいいかな?)

    (でも、「ジークアクス使っていい?」って聞いたら「ダメです」って返ってきそうだー!どうしよう?)


    誰かに相談する? dice1d2=2 (2)


    1 ララァに相談してみる

    2 シャアに相談してみる

  • 84二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 12:28:18

    マチュはコソコソとシャアに囁いた。
    「クワトロさん」
    「なんだ、アマテ嬢」
    「ヒゲマンにはさ、クワトロさんの偽者退治に協力すること、知られたくないんだけど」

    「ふむ……」

    シャアには、シャリア・ブルから連絡がきたことと、シャアと出会ったことは秘密にしていることを既に伝えてあった。

    「黙っておいてもよいのではないか?」
    「でも絶対バレちゃうよー」
    「その時はその時だ」
    「んんん……、まあ、そうするしかないか」
    「私は表立っては動けんが、アマテ嬢に協力するくらいは構わんぞ」
    「えっホント?助かるー!」
    シャアとシャリア・ブルが交わした「約束」をしらないマチュは、無邪気に喜んだ。
    「クワトロさんが一緒なら百人力じゃん」

    「マチュ」
    「ん、何?ララァ」
    ララァがマチュの肩にそっと手を置いて、囁いた。
    「あなたが一緒なら、二人の「約束」を違えるようなことは、きっと起こらないはずです。……よろしくお願いします」
    (約束?何のことだろ?)

  • 85二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:26:40

    保守保守

  • 86二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:28:23

    マチュは、手助けしてくれることになったシャアと共に、引き続きカイの話を聞くことにした。

    カイは今回の事件について分かっていることを教えてくれた。

    シャリア・ブルの睨んだとおり、ギレン派閥の中の一部の過激派が、地球連邦軍の残党の協力を得て、政権奪取を企んでいるようだ。

    「私の偽者というのは、一体何者なんだ」
    「調べてみたが、どうやら単純に容姿が似ているだけの人物のようだな。シャア・アズナブルの存在は、単に騒ぎを起こすきっかけに過ぎない。ギレン派にしてみたら、クローンだの強化人間だの、もっともらしい奴を用意したところで担ぎ上げる気は一切ないんだから、むしろその程度の方が都合がいいってわけさ」
    「なるほど」

  • 87二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:32:25

    「それより問題なのは、偽者を隠れ蓑にして動いている連中の方だ。そいつらは着々と蜂起の準備を進めている。俺を狙ってきた連邦の奴らは、そいつらにMSを横流しする手引きをしていた。ただ、まだ準備は完全には整っていないようだ」


    今回の首謀者は、今どこに滞在している? dice1d3=3 (3) 


    1 月にいる

    2 地球にいる

    3 ジオン公国にいる

  • 88二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:39:50

    書き込みと展開が遅くてすいません……。
    気長に待っていただければ、幸いです。

  • 89二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 01:03:53

    いつまでも首を長くして続きを待ち続けます!
    どうかご自愛くださいね

  • 90二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 07:05:17

    保守

  • 91二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 07:39:33

    ありがとうございます。
    週末はもうちょっとペースを上げられると思います!

  • 92二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 07:41:32

    「奴らの通信相手がジオン公国内のどこにいるかまでは突き止めた。ここから先は宇宙にいる連中に任せるさ」

    カイは今回の事件の首謀者とおぼしき者の名前を告げたが、シャアには聞き覚えがなかったようだ。

    「……知らん名だ。少なくとも一年戦争時代は佐官級ではなかっただろうな」

    「ギレン直属部隊の、少尉だったようだ」

    「流石に尉官級までは全員把握していない」


    これからどうする? dice1d3=2 (2)


    1 首謀者のところへ突撃する

    2 MSを横流ししようとしている連邦軍の残党をやっつける

    3 シャアの偽者を捕まえる

  • 93二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 07:43:50

    「じゃあ、MSを横流ししようとしてる奴らをやっつけちゃえばいいんじゃない?」
    「ふむ、補給を断つ作戦か。初手で取る戦法としては悪くない」
    シャアは親指で顎をなぞり思案する。
    「……敵の戦力は?」
    「ジオンと取引しているところは複数ある。俺を襲った奴らの所であれば、武装は型落ちのMS数台ってとこか。ただ、扱っている商品が商品だ、迂闊な行動をすれば、たちまち敵が倍増するぞ」
    「あー、そっか、相手がみんな、売り物のMSに乗り込んだら大変なことになっちゃう」
    「……密かに侵入して、破壊工作を行うのはどうだ?」
    シャアの提案に、マチュは指をパチンと鳴らした。
    「いいね!それで行こう!」

  • 94二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 11:21:23

    保守!

  • 95二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 12:24:09

    作戦方針が決定したところで、マチュたちは今後の行動について協議した。

    まず、ララァたちの今の住まいは、連邦軍の残党に狙われる可能性もあるので、念のため一時的に避難することにした。
    シャアは、万が一のために隠宅を複数所有しており、そのうちのひとつに移ることになった。
    「少し不便な場所だが、しばらくの間だ、我慢してくれ」
    「ええ、問題ありません」

    ニャアンはララァと共に待機する。
    「マチュ、気をつけてね」
    「大丈夫!任せといて!」

    カイは、怪我の応急処置が済んだので、自分の隠れ家へ戻り、マチュたちに敵の情報を送ってくれることになった。
    「セイラさんにも取り急ぎ報告しなきゃな」

    マチュは、急いでジークアクスを取りに行く。
    ジークアクスは、マチュたちが少し前まで滞在していた海岸沿いの、ジオンの小規模ドックに保管してあった。
    「コアファイターで戻って、取ってくる!」
    「ではその後私と合流しよう」

  • 96二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 20:45:24

    保守

  • 97二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 21:23:13

    一方、ジオン公国では。

    シャアの偽者については、エグザベを中心とした部隊が調査を進めていたが、なかなか尻尾を掴めずにいた。
    彼らは、シャア・アズナブルを名乗る人物を中心に街宣行動を行い、そのせいか市内は目に見えて治安が悪化してきている。

  • 98二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 21:24:31

    そもそも、シャア・アズナブルは、ソロモン落下阻止作戦行動中に行方不明となった、というのが公の扱いである。
    彼がイオマグヌッソの「事故」のときに突如現れ、そこで死亡したというのは、あくまで噂であり、真実を確認した者は誰もいない。
    噂を流したのは、もちろんシャリア・ブルだった。
    その後、彼はシャアと同じ仮面をつけ、ジオン国内で現政権のために活動している。
    ジオンでの「赤い彗星のシャア」の求心力は未だに大きい。
    一度死んだと言う噂も相まって、人々は仮面姿を見かけただけで、勝手にシャアの英雄伝説を流布してくれるのだった。

    しかし、その「赤い彗星」のカリスマ性を、敵も利用しようとしている。
    彼の二つ名が、政権を揺るがす道具として使われるのは、アルテイシアたち現政権にとって大きな痛手であった。
    シャリア・ブルの思惑を、逆手に取られた形だ。

  • 99二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 21:27:22

    更に、シャリア・ブルは、仮面のせいで表立って偽者事件に対処できない。
    偽者情報の分析作業を受け持っているコモリからは、
    「中佐の目撃情報も混ざってしまうので、仮面をつけて出歩くのはやめてください!」
    と注意される始末だ。

    シャリア・ブルにとって、仮面をつける行為は、「赤い彗星」という偶像の一端を引き受けて本物の彼から世間の目を逸らす、一種の贖罪であり、最後に袂を分かつことになったシャアへの餞別のつもりでもあったのだが、それすら思うに任せぬ状態となってしまった。

  • 100二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 21:28:36

    「参りましたね……」
    仕方なく、シャリア・ブルは実地調査をエグザベに任せて後方支援に回っている。
    使命感の強い性格が災いして、ストレスは溜まりに溜まっていた。
    余計に仕事を抱え込んで、コモリにしょっちゅう心配されている。
    そんな彼の唯一の気晴らしは、マチュから来る連絡を確認することだ。
    忙しくてなかなか返信できないが、たまにスマホのメッセージアプリを立ち上げては、心和ませていた。

  • 101二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 21:30:13

    マチュの位置情報について、コモリから定期報告があったのは少し前のことだ。
    「すみません、中佐。一応ご報告です」
    コモリから声をかけられて、シャリア・ブルは書類から目を離した。
    「何でしょう?」
    「マチュの、位置情報のことです。北緯28.**、東経77.**で、前回確認したときと、ずいぶん離れた場所だったので、本人に確認しました。」
    「本人は何と?」
    「友だちのとこに遊びにきてる、と」
    「そうですか……」
    シャリア・ブルは僅かなひっかかりを覚えたが、そのまま見過ごしてしまった。
    「分かりました。報告ありがとうございます」
    「マチュから中佐のところに連絡来てますか?」
    「ええ」
    シャリア・ブルはうなずいた。
    「しょっちゅうです」
    「呆れた!傍受の恐れがあるから気を付けるようにって言ってるのに!中佐もちゃんと注意してください」
    「一応言ってはいるんですがね」
    シャリア・ブルは苦笑いする。
    コモリは返答しなかったが、彼女の思念がすぐ伝わってきた。
    (もう!相変わらずマチュに甘いんだから!)

  • 102二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 01:23:45

    マチュ大好きおじさんいいぞこれ
    コモりんはもはや思ってることが顔に出やすいから心読まなくても考えてること分かりそうですき

  • 103二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 07:01:52

    マチュのメッセージに癒やされてるヒゲマン、よき…

  • 104二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 07:01:53

    待ちに待ったカイからの連絡が入ったのは、アルテイシア含め全員が、この事件に振り回されて疲弊しきっていたときだった。

    一縷の光、とばかりに喜んで一報を受けたアルテイシアだったが、中身を見たとたん、頭を抱えてしまった。
    「アルテイシア様、いかがしました?」
    「ああ、ランバ・ラル、恐れていたことが起きてしまったわ」

  • 105二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 07:04:19

    「今回の件、兄さんに知られてしまいました」
    「なんと!」
    「参ったわね、カイは上手くやってくれると思っていたのだけれど」
    「すぐにシャリア・ブルを呼びましょう」

    呼び出されたシャリア・ブルは、話を聞いて表情を固くした。
    「……そうですか」
    ただ、幸いなことに、本人は今のところ積極的に動く気はないようだという。
    シャリア・ブルは、シャアが別れ際に言った台詞を思い出す。
    『貴様に殺されずに済むような人生を探してみるか』
    (彼の、あの言葉に嘘はなかったはずだ。……だからこそ、今回の件に彼を巻き込みたくない)

  • 106二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 12:05:20

    「よいニュースもあるわ。首謀者が誰か分かったそうよ。シャリア・ブルの言うとおり、ギレン派の一部が暴走しているようね。ただ、残念ながら、確たる証拠はまだ掴めていないようだわ」

    アルテイシアが首謀者の名前を告げると、ランバ・ラルがすぐに部下を呼びつけ、軍の人事情報を調べるよう命令した。

    「……私が査問しましょう」
    シャリア・ブルが、冷たい表情で申し出る。
    「そうね、そうしてもらえるかしら」
    シャリア・ブルの取調べを受けて、悪事を隠し切ることができる者はいないだろう。

  • 107二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 12:07:15

    「それと……」

    アルテイシアは、カイからの報告を見ながら続ける。

    「現地にいるジオンの特殊部隊員と合流した、と書いてあるのだけれど。誰のことかしら?心当たりはあって?」


    心当たりは…… dice1d2=1 (1)


    1 まさかとは思うが……

    2 心当たりはない

  • 108二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 18:01:28

    保守!

  • 109二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 21:51:37

    「報告には、兄の元にいた、とあります。兄の居場所を把握していた者がいたのかしら?そんな報告は受けていないけれど……」
    アルテイシアが不審気に呟く。
    シャリア・ブルは急に胸騒ぎがしてきた。
    (そんなことはあり得ない。あり得ないはずだ。だが……)
    「……その、ジャーナリストが、特殊部隊員と合流したという地球の位置情報は分かりますか?」
    「ええ」
    カイからの報告を見たシャリア・ブルは、言葉を失った。
    (コモリ少尉から報告を受けた、マチュ君の位置情報と同じ……!まさか……。マチュ君と大佐が接触していた?一体どういうことだ?)
    「どうしたの?」
    「……いえ、その。確証はないのですが。特殊部隊員というのは……、多分、互いの認識の齟齬が生じている可能性が高いかと」
    シャリア・ブルの歯切れの悪い言い方に、アルテイシアとランバ・ラルは顔を見合せた。
    「つまりあなたは心当たりがあるということ?」
    困惑したアルテイシアが尋ねる。
    「申し訳ありません。至急確認しますので、少しお待ちください」

  • 110二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 21:53:29

    シャリア・ブルは自分の執務室まで戻ってきた。コモリがシャリア・ブルの顔を見て驚く。
    「早かったですね、中佐……どうしたんですか?怖い顔をして」
    「今、マチュ君の位置情報はどうなっていますか?」
    「マチュの?」
    「至急確認してください」
    切羽詰まったシャリア・ブルの様子を見たコモリは、急いで確認する。
    「わりと高速で動いてます。……これ、まさか、MSに乗ってる!?」
    「ジークアクスが格納されているドックに、直ちに連絡を」
    コモリは慌てて連絡を取り始めた。が、すぐに振り返る。
    「やられました。マチュがジークアクスに乗って出ていったそうです。今急いで行方を追っていると」
    シャリア・ブルは深く息をついた。
    「……多分行方は分かります。こちらで何とかするので、追わなくてよいと伝えてください」

  • 111二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 21:59:59

    ジャーナリストが合流したという、ジオンの特殊部隊員というのは、ほぼマチュで間違いないだろう。
    今回の事件の話を聞き、MSを持ち出して何かやろうと考えたに違いない。
    シャリア・ブルは心中穏やかでなかったが、ともかく一旦はアルテイシアの元に戻らねばならない。
    混乱しているコモリを置いて、急いで廊下を歩いていく。

  • 112二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 22:03:08

    戻ってきたシャリア・ブルは、沈痛な面持ちで経緯を説明した。
    「では、カイが会ったのは、あなたが保護している、例の事故の重要参考人の女の子ということ?兄とのところにいたのは偶然なのね」
    「はい、どういう経緯かは不明ですが。彼女の状況を把握していなかったのは私のミスです。申し訳ありません」
    「困ったわね」
    アルテイシアは眉をひそめた。
    「報告によると、彼女は敵へのMSの供給を断つために、独自で作戦行動を開始すると言っているそうよ」
    シャリア・ブルの顔は沈痛を通り越して、無表情になってきた。
    「あちらに連絡して、止めるよう伝える?」
    「……いえ、既がMSが持ち出されています。こうなってしまっては、止める方が難しいでしょう。彼女のMSの操縦技術は、いまや私を超えています」
    「ジオン最強のニュータイプと言われている、あなたを?」
    「はい」
    加えて、マチュが止めろと言われて素直に言うことを聞くような性格ではないことを、シャリア・ブルは重々承知している。
    「それに、作戦自体は、成功すれば非常に効果的ではあります。……できるだけ作戦が上手くいくよう、支援する方がよいかと」

  • 113二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 22:04:15

    ほどなくして、軍の人事情報を確認しに行っていたランバ・ラルの部下が戻ってきた。
    「分かったか?」
    ランバ・ラルがせっつく。
    「申し訳ありません。その者は、既に地球の占領地への配転願いが出ており、一昨日出立したとのことです」
    「何だとっ!?」

  • 114二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 22:05:41

    「一昨日か……」
    ランバ・ラルが口惜しがる一方で、アルテイシアは冷静沈着に分析する。
    「一昨日というと、こちらの動きに気付いた訳ではないでしょう。大方、MS入手の手引きをするために出願したのでは」
    「確かに、その可能性が高いですな」
    ジオン公国から地球までは、一週間程度かかる。
    「今から地球に通達するか、それとも呼び戻しますか」
    ランバ・ラルが提案したが、アルテイシアが首を振った。
    「全く証拠がない今の時点で強権を発動すれば、無駄な反発を生みかねないわ」
    「しかし、このまま手をこまねいているわけには……」
    「相手を止めるより、今から追いかけた方が早い」
    ランバ・ラルの言葉を遮ったのはシャリア・ブルだった。
    「私が地球に向かいます」

  • 115二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 01:00:27

    うおおそろそろ対面できそうな予感⋯!

  • 116二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 02:06:51

    ♪(わくわくわくわく…(←心待ちにしすぎてテンションがw)

  • 117二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 07:58:41

    「中佐が?」
    ランバ・ラルは驚いたが、シャリア・ブルの決意は固いようだ。
    「どちらにしろ、私は今、ジオン国内であまり身動きが取れません。それに、確実な証拠がないのなら、私が直接接触するのが最も早い」
    木星帰りのニュータイプは、まるで心を読むかのように他人から情報を入手する。そんな噂を、ランバ・ラルも聞き及んでいた。
    「確かにそうかもしれんが……。しかし、地球へ行くとなると、しばらくこちらを留守にすることになるが、大丈夫か?」
    「エグザベ君に、私の影武者をやってもらいます。私が後を追っていくことが相手に悟られるとまずいですから。何、彼もニュータイプです。何とかするでしょう。事務方の応援は、シムス大尉にお願いしましょう」

  • 118二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:17:42

    「しかし、場合によっては地球で交戦する可能性があるだろう。MSはどうするかね?」

    ランバ・ラルに言われ、シャリア・ブルは考え込む。

    キケロガが大破したあと、シャリア・ブルは専用機を保有していなかった。


    シャリア・ブルが乗る機体は dice1d3=1 (1)


    1 リック・ドム

    2 グフ

    3 ジオング

  • 119二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:20:20

    「以前、リック・ドムに乗っていましたから、それを手配していただければ」
    ランバ・ラルはうなずいた。
    「宇宙用だが、地球での活動も問題ないだろう。すぐに準備しよう」
    「ありがとうございます。」

  • 120二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:24:40

    MSは、一番無難な機体になりましたね。

    一応、グフにとジオングについて

    グフ
    ファーストでランバ・ラルが乗っていたMS。
    「ザクとは違うのだよ、ザクとは!」
    と、
    「貴様が勝ったのではない!そのモビルスーツの性能のおかげだということを忘れるな!!」
    という台詞で有名。
    ヒートロッドという見た目が面白い武器を装備している。

    ジオング
    MA(モビルアーマー)みたいなMS(モビルスーツ)。
    ファーストで最後にシャアが乗った。でも専用機ではないので赤くない。
    サイコミュが搭載されていて、オールレンジ攻撃もできる。
    あと、頭だけで動ける。
    GQ世界では脚部の開発が済んでいたのかどうか、ダイス判定したかった。

  • 121二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:47:06

    コモリは、シャリア・ブルからの依頼で、たまたまズムシティに停留中で、地球方面の経路を取る予定があって、すぐに出航できそうな艦を手当たり次第に探す羽目となった。
    結局、融通が利いたのは、あの艦だけだった。
    「……はい、ラシット艦長、そうです、一刻も早く出立したいと。いえ、今回は私は同行しません。至急の用件で、中佐と、あとリック・ドムが乗る予定です。……そうですか、ありがとうございます!」

    こうして、シャリア・ブルは数時間後には機上の人となっていた。

  • 122二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:52:10

    エグザベが事態を知ったのは、シャリア・ブルが出立してからのことだ。


    ランバ・ラルから、シャリア・ブルの言伝てを聞いたエグザベは、悲鳴を上げた。

    「中佐の影武者なんて無茶ですよ!なんでできると思うんですか!」

    「エグザベ君、頑張って」

    シムスが応援に来てくれることになったコモリは涼しい顔だ。

    「他人事だと思って……」

    エグザベは恨めしそうにコモリを見る。

    だが、仕方ない。残念ながら、他にできそうな者はいないのだから。

    (もう!中佐、すぐバレても知りませんからね!)


    (それにしても……)

    コモリは気がかりな表情で、マチュの位置情報を見つめる。

    (マチュが今回の件に関わってるって、どういうこと?また無茶してそうで心配なんだけど!)


    ちなみに、エグザベの影武者は、何日もった? dice1d6=6 (6)

  • 123二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 09:17:33

    だいぶ頑張ったエグザべくん

    なお最大値でも1週間は無理な模様

  • 124二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 12:07:45

    エグザベ君は相当優秀でした。
    さすがフラナガンスクール首席なだけのことはあります。
    あと、6日ももったのは、何だかんだ言いつつコモリがたくさん手伝ってくれたおかげでしょう。

    続きです。

    さて、シャリア・ブルは、久々にソドンに乗ることとなった。
    この艦を、責を負う形で離れることになった彼だが、事情を知っているクルーたちは、好意的に迎えてくれた。

  • 125二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 12:11:35

    「ラシット艦長、しばらくお世話になります」
    「やあ、シャリア・ブル中佐、今回はまた、どういった隠密行動だ?」
    歯に衣着せぬラシットの物言いに、シャリア・ブルは苦笑する。
    「そんな、大ごとではないですよ。内密なのは事実ですが、急遽地球へ行く用事ができただけです。」
    「ふん、どうだかな。副官のコモリ少尉も連れないくらい急ぎの用件で、大ごとではない、ねぇ」
    ラシットは肩をすくめた。
    「まあ、いいさ。中佐が来ると聞いて、以前使っていた部屋を急遽片付けさせた。使ってくれ」
    「ありがとうございます」
    ラシットの心遣いに感謝して、シャリア・ブルは自室へ向かった。

  • 126二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 14:35:09

    荷物の整理を追えた後、スマホを取り出して、しばし考え込む。
    マチュからの連絡は、前回確認して以降、来ていなかった。
    スマホを眺めながら、彼は自問する。
    (私のこの、釈然としない気持ちはなんなのでしょう)

    彼女の勝手な行動に腹を立てているのか。それとも彼女が危険な目に遭うことを心配しているのか……。
    いくつかの心情が浮かんでは消えていく。
    無論それもある。が、それだけではない気がする。
    マチュのメッセージをしばらく遡って読み直しているうち、シャリア・ブルは気付いた。
    (……連絡はくれていたのに、私には一切相談がなかったから、か)

  • 127二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 14:36:20

    彼女に相談してほしかった、と思っている自分がいる。
    ……相談したら、反対されると思ったのだろうか。

    確かに、シャリア・ブルは、マチュに対し、ジオンに引き込んでMSの操縦を教えた責任を感じていた。
    勝手かもしれないが、せめて彼女のこれからの人生、できるだけ危険なことはしてほしくない。MSで交戦などもっての他だ。

    だか一方で、彼女には彼女の望むことをやってもらいたいと思っていることも、また、事実なのだった。

    (分かってませんね、マチュ君は……)

  • 128二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 14:37:25

    そう思いながらもシャリア・ブルは、自業自得だ、と自嘲する。

    マチュがソドンを離れる時に顔も合わさず、連絡もしないようにしていたのは、自分と関わりを断つ方が、彼女のためだと思ったからだった。

    (今さら、分かってほしいなどと思うのは、都合がよすぎる)


    この後シャリア・ブルは、自分が地球に行くことをマチュに dice1d2=2 (2)


    1 連絡した

    2 連絡しなかった

  • 129二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 14:53:54

    お互い相手に秘密のままサプライズ登場しようとしてない?
    この似た者師弟がよぉ⋯

  • 130二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 15:33:26

    なんかすごい激アツ展開になってきてるぞ

  • 131二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 17:03:13

    シャリア・ブルはスマホのメッセージアプリを閉じて立ち上がった。

    地球でのジークアクスの補給拠点について、手配しておかねばならない。

    その他にも、まだやることはたくさんある。


    自分がジオンを出立したことは、いずれマチュの耳に入るだろう。

    その時、彼女はどういう反応を示すだろうか?

    少し気になったが、それよりも彼女の作戦行動が滞りなく進むよう、手を尽くす方が先だ。

    シャリア・ブルはスマホをポケットにしまい、急いで部屋を出ていった。


    ヒゲマン→マチュへの好感度 74+dice1d10=4 (4)

  • 132二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 17:48:17

    ヒゲマン→マチュへの好感度 74+4=78

    少しだけ時を戻して、こちらは地球。

    カイから話を聞いて一晩経った、翌朝。
    マチュはコアファイターで、ジークアクスが格納されているジオンの小規模ドックまで戻ってきた。
    コアファイターを見た作業員が、ドックの扉を開けてくれる。
    「ありがと!これからちょっとジークアクスで出かけてくるね!」
    マチュは作業員に声をかけ、そのままジークアクスを強奪していった。
    「え?いや、それは、上の許可を取ってもらわないと……あっ、ちょっと、こら待て!!!」

  • 133二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 17:49:24

    「急がなくっちゃー。えっと、待ち合わせ場所はこっちの方角だっけ?あー、ハロいないの寂しいな」
    ハロとコンチには、前に滞在していた家で留守番をしてもらっていた。
    一人でMSに乗るのは、少しだけ心細い。

    ほどなくマチュはシャアと合流した。
    シャアは赤いガンダムのコアファイターに乗っている。
    「シャアさん、お待たせ!」

  • 134二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 17:51:21

    シャアの元には、カイが調べ上げた連邦軍の残党の拠点の場所と状況が送られてきている。

    拠点はどこも、居住区から離れた場所に設置されていた。

    「これならMSで侵入しやすい。まあ、ある程度の面積を確保する必要があるから、当然かもしれんが」

    二人は情報を見ながら作戦会議を開始した。


    拠点の数 dice3d4=1 2 1 (4)

  • 135二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 17:56:12

    「思ったより少ないね」
    「油断は禁物だぞ、アマテ嬢。いいか、私はあくまで補佐だ。そもそもコアファイターは攻撃の手段が少ない。実際の作戦行動はアマテ嬢が中心となって行うのだ」
    「うん、分かった」
    「陽動は私に任せろ」
    基本狙うのは深夜、シャアが囮になって、護衛を引き離している間に、マチュがジークアクスで侵入し、片っ端からMSを壊して回り、速やかに引き上げる。
    「完璧な作戦じゃん!」

  • 136二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 19:29:48

    しばらくすると、カイから連絡が来た。
    アルテイシアの元に情報を送った結果、ジオンがマチュたちの作戦行動を全面的に支援してくれることになったという。
    そして、カイがマチュたちとジオンとのパイプ役となり、順次連絡を送ってくれるとのことだった。
    MSの補給拠点も、ジオン側で手配するという。
    「ふむ、ちょうど、MSの補給をどうすればよいか考えていたところだ。助かるな」
    マチュは少し気になった。
    (カイさん、あたしのこととかジークアクスのこととか、どういう風に伝えたのかな。ちょっと心配)

  • 137二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 19:32:04

    また、二人はカイからの情報で、首謀者が地球に向かっていることも知った。
    「地球に来るの?あたしたちでやっつけちゃえばいいじゃん」
    「さすがに二人ではどうにもならんだろう」
    ジオンは、地球上に配置されている者で部隊を編成する準備を開始するようだ。
    ただ、秘密裏に事を進めるため、今回は少人数での編成となるだろうと書かれていた。
    そして、ジオンから、部隊の指揮をするために、佐官級の人員が1人派遣されてくるということだった。

    「ジオンが部隊を編成するとなれば、そちらに任せた方がよかろう」
    「それもそっか」
    こっちはこっちで、できることをやろう。そう、マチュは思い直した。

  • 138二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 19:38:39

    こうして、二人はカイからの情報を元に、作戦行動を開始した。


    敵の拠点4か所のうち、破壊工作が成功した数 dice2d2=2 2 (4)

  • 139二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 20:29:49

    (わぉ胸熱…で、ダイスのご加護も健在みたいだな
     でもちょっと心配だなぁ… ふたりとも無茶しないでね)

  • 140二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:17:09

    二人はカイからの情報を元に、順調にMSを破壊していった。

    「これだけ壊せば、相手の戦力を相当削ぐことができただろう」
    「ねえ、あたしって破壊工作の才能あるんじゃない!?」

  • 141二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:27:59

    マチュたちが行動を開始してから、数日が経過した頃。
    最初にカイから連絡を受けた拠点は全て潰したが、敵は連邦からのMSの供給を諦めていなかったようだ。
    カイから新たな情報で、首謀者とおぼしき人物が地球に到着したことと、敵が新たにMSを準備する拠点を設置したことを知った。

  • 142二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:30:48

    マチュとシャアは新たな拠点に侵入するため、さっそく作戦行動の打合せを開始した。
    「今回の拠点は、今までよりも少し規模が大きい。要注意だな。決行は明日の夜でよいか?」
    「うん、構内図のデータちょうだい。ジークアクスにインポートしとく」
    作業をしていると、カイからの定期連絡が届く。
    中身を確認したマチュは、シャアに声をかけた。
    「クワトロさん、前に言ってたジオンから来る人、明後日着くっていうんだけど……」
    「そうか」
    「到着後、あたしたちと合流したいんだって」
    シャアが訝しげにマチュに視線を向けた。
    「こちらに?」
    「うん、名前が……」
    続きに目を通したマチュは、思わず声を上げた。
    「えっ、うそでしょ!『シャリア・ブル中佐』って……!」

  • 143二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:32:39

    マチュは狼狽した。

    「ヒゲマンが来るの!?こっちとわざわざ合流するって、これもう、あたしのこと絶対バレちゃってるじゃん!クワトロさん、どうしよう!」

    「言っただろう、その時はその時だと」

    シャアはそ知らぬ顔だ。

    (もしかして、クワトロさん、自分も何かやらかして、ヒゲマンに見つかっちゃったことがあったんじゃ……?)

    (あーもう、相談する人間違えた!)


    一方シャアは心の中で、こう思っていた。

    (ジークアクスを動かしてシャリア・ブルにバレないと思っていたとは、アマテ嬢も存外のんき者だな)


    一時は驚いたマチュだったが、ずっと会いたいと思っていたシャリア・ブルがまさか地球に来るとは思いもよらず、じわじわと嬉しい気持ちが込み上げてきた。

    (ヒゲマンが来てくれるんだ!嬉しい!)


    マチュ→ヒゲマンへの好感度 78+dice1d10=1 (1)

  • 144二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:28:45

    >>143

    最低値だ

    流石に説教されると思って身構えてる?

  • 145二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 02:11:18

    ダイス値は低いもののヒゲマンに会えるってウキウキなマチュかわいい
    そしてこいつら強すぎないか?

  • 146二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:02:01

    マチュ→ヒゲマンの好感度 78+1=79
    これは、隠し事してたことを相当気にしてるっぽいです。

    その夜。
    マチュはベッドに仰向けに寝転んでいた。シャリア・ブルが来るという連絡が気にかかり、なかなか寝つけそうにない。
    (明後日。いよいよヒゲマンと会えるんだ)
    (ヒゲマンに会いに宇宙に行こうと思って、ララァに会いに行ったけど、こんなに早く会えることになるなんて思わなかったな)
    (……やっぱり怒ってるかなー)
    手を伸ばしてスマホを手に取る。
    ジークアクスを取りに行って以降、なんとなく後ろめたくて、シャリア・ブルには連絡できていなかった。
    (こんなことなら、ちゃんと報告しとけばよかったんだ。ララァに会いに行ったことも、クワトロさんに会ったことも、全部)
    マチュは上半身を勢いよく起こした。
    (こんなんじゃダメだ。ヒゲマンはとっくに知ってるのかもしれないけど、あたしから、ちゃんと報告しよう)
    「よしっ!」
    マチュは気合いを入れて、メッセージを入力し始めた。

  • 147二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:03:43

    一方ソドンの中。

    シャリア・ブルは艦橋の窓から宇宙を眺めていた。
    ソドンのおかげで航行は順調に進んでいた。明後日には地球に着くだろう。
    シャリア・ブルが地球に着く前に、部隊編成の準備も完了する見込みだ。
    部隊といっても数人だけである。
    確たる証拠を掴めていないのに、騒ぎを大きくして、事情を知らないジオンの正規軍を敵に回したくはない。
    標的は、反乱分子である特定の人物と、その周辺の者たちだけだ。彼らを制圧できる、必要最低限の人数を揃えれば十分だった。
    相手はまだ、シャリア・ブルの動きを掴んでいない。このまま油断していてくれるとよいのだが。
    (エグザベ君が思ったより頑張ってくれているようですね)

  • 148二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:07:59

    (それにしても……)
    シャリア・ブルは、カイからの連絡を思い起こす。
    (まさか、大佐がマチュ君の補佐に回ってくれるとは思わなかった)
    それは、彼が知るシャアの性分からは、到底想像できない姿だった。
    (正直助かった。マチュ君1人だけではさすがに危険すぎる)
    二人は存外うまく連携しているようだ。
    (あの「赤い彗星」が……)
    宇宙の海を眺めながら、彼はシャアを探していた頃に思いを馳せるのだった。

  • 149二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:09:39

    自室に戻ったシャリア・ブルは、スマホの画面にマチュのアイコンが表示されていることに気付いた。
    (マチュ君からメッセージ……?)
    彼女からメッセージが来るのは、ずいぶん久しぶりな気がする。
    アプリを立ち上げて、メッセージを確認した。
    『ヒゲマン、ごめん。もう知ってると思うけど、あたし今、ジークアクスで出撃してる』
    『もっと早く伝えとけばよかった』
    『もしかして、怒ってる?』

    (ああ、私が地球に向かっていることを知ったのだな)

    メッセージを眺めていると、追撃が来た。
    『やっぱめちゃくちゃ怒ってる?』
    マチュがどんな顔でこのメッセージを打っているか、なんとなく予想がついて、シャリア・ブルの頬が緩んだ。

    (マチュ君の真っ直ぐさには、いつも救われている気がします)
    シャリア・ブルはメッセージを入力した。
    『怒ってませんよ』
    少し考えて、文章を追加する。
    『こちらこそ、地球に行くことを伝えなくてすみません』

  • 150二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:11:16

    『最初はね、ララァに会いに行ったんだ。そしたらそこにシャアさんがいて、あたし死んだって噂聞いてたからビックリした。今はクワトロって名乗ってる。ねえ、ヒゲマンとシャアさん、何があったの?シャアさん、聞いても教えてくれないんだよね』
    『マチュ君には詳しい話をしていませんでしたね。今度説明します。彼が今ララァの元にいるのというのは知りませんでした。』

    『ヒゲマンは結局、シャアさんとちゃんと会えたってこと?』
    『あれがちゃんと会えたということになるかというと、難しいですね』

    『そっか、じゃあ明後日地球に来たら今度こそ会えるんだ!』
    『そうですね、もしも彼が会ってくれるのなら』

    『なに、もしかしてケンカしたの?』
    『それも含めて、今度説明しますよ。それより作戦行動、上手くいっているようですね』

    『そう、ヒゲマンが色々教えてくれたじゃん、あれけっこう役立ってる』
    『それは良かった』

    ……

  • 151二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:12:30

    メッセージのやり取りはつきない。

    再びベッドに仰向けに寝転んでスマホを操作していたマチュだったが、手がだるくなってきたので、一旦胸元にスマホを伏せて置き、息をついた。

    「はー……」


    (メッセージもいいけど、やっぱり会って話したいな)

    改めてスマホを手に取り、入力する。

    『ねえ、ヒゲマンが地球に来たら、ちゃんと会って話をしよう』

    間もなくシャリア・ブルから返事が送られてきた。

    『そうですね、ちゃんと会って、話をしましょう』


    シャリア・ブルからの返信を見てスッキリした気分になったマチュは、ベッドの上で目をつむった。

    明日の夜、もう1つ拠点への攻撃が終わったら、明後日はヒゲマンに会えるんだな。

    「楽しみー……」


    マチュはそのまま、夢の世界へと落ちていった。


    マチュ→ヒゲマンへの好感度 79+dice1d20=18 (18)

  • 152二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:14:25

    シャリア・ブルはスマホをデスクの上に置いた。

    マチュを、ジオンのゴタゴタに巻き込みたくないという気持ちはまだ残っている。

    だが、彼女を避けるのは、やめることにした。

    正面から向き合おう。

    シャリア・ブルは小さく呟いた。

    「……楽しみですね」


    ヒゲマン→マチュへの好感度 78+dice1d20=6 (6)

  • 153二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 12:39:07

    マチュ→ヒゲマンの好感度 79+18=97
    ヒゲマン→マチュへの好感度 78+6=84

    そういえば、シャリア・ブルの仮面ですが、エグザベ君に託してきたので現在はつけてません。

  • 154二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 12:40:28

    翌日、夜明け未明。
    マチュとシャアは、予定どおり、進攻を開始した。
    「じゃあ行こっか」
    マチュはシャアに声をかけて、ジークアクスで進んでいく。
    もう少し進んだところで二手に分かれ、シャアは陽動、マチュは侵入作戦を実行する予定だった。
    ところが、今回はずいぶん手前の地点で既にMSが待ち受けていた。
    「おっと、危な」
    どうやら見張りのようだが、こちらには気付いていない。
    「じゃあこっちから回り込んで……」
    「妙だな、アマテ嬢。ちょっと待て」
    何かに気付いたシャアが、マチュを呼び止めた。
    次の瞬間。
    複数のMSが現れて、二人を包囲しようとする。
    どうやら、既に情報が回っていたらしい。
    激しい交戦が始まった。
    「ちっ、さすがに読まれていたか!」
    「わー、ちょっとちょっと、ヤバイんだけど!」
    「アマテ嬢、無理するな、下がれ!」
    「分かってるけどっ……!」

  • 155二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 12:41:35

    マチュは下がろうとしているが、二体同時に相手をしていて、なかなか退却できない。
    決死覚悟で突っ込むべきか、迷っていたシャアは、離れたところから飛んで来る、一機のMSを目にした。
    (まさか新手か!?)
    シャアは焦ったが、そのMSは、ジークアクスと敵のMSの間に割り込むと、一体の片腕を落とし、もう一体を押し戻してマチュを庇った。
    「どうやら間に合いましたか」
    マチュの目に飛び込んできた見覚えのない機体と、接触通信で聞こえてくる、よく知った声。
    マチュは声を上げた。
    「うそ、ヒゲマン!?」
    助っ人に入ったMSの様子を見て、シャアも気付く。
    「リック・ドム……!シャリア・ブルか!」
    「やれやれ、さっき地球に着いたばかりなのですがね」
    シャリア・ブルはぼやいた。
    「しかし、肩慣らしにはちょうどよいかもしれません。MS操縦は久しぶりだ」

  • 156二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 12:44:12

    シャリア・ブルは、敵のMSと切り結びつつ、マチュに素早く指示を出す。
    「マチュ君は戦線離脱を最優先!私はここを抑えます!」
    「サンキュー、ヒゲマン!」
    シャリア・ブルが助太刀に来たと気付いたシャアは、いち早く撤退を開始していた。
    それを追いかけて、マチュはジークアクスで退却を図る。
    追いすがってくるMSを振り切って、何とかその場を逃れることができた。
    (ヒゲマン、大丈夫かな……)
    マチュは心配していたが、やがて黒い機体が追いついてきたのが見えて、ほっとした。

  • 157二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 14:07:34

    (おぉ一気に! そして合流できたようでなにより。
     それぞれの関係の深化・改善(シャアとシャリア)に繋がるといいな…)

  • 158二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 17:16:23

    空が、うっすら明るくなり始めている。
    MSで降りられる場所を探してしばらく飛行した三人は、海岸沿いの開けた場所に、無事着陸することができた。
    ジークアクスを降りたマチュが、同じくそれぞれMSとコアファイターを降りたシャリア・ブルとシャアの元に駆け寄ってくる。
    「ヒゲマン、来るの明日じゃなかったの?」
    「私が地球に向かっているという情報が、敵にバレましてね。少し急いで来たんです。ソドンが頑張ってくれました」
    「ソドンで来たんだ!」
    マチュが目を輝かせる。
    「ええ、離れたところで下ろしてもらいました。拾ってもらうよう呼びましたから、そのうち来るでしょう」
    シャリア・ブルは、マチュとシャア、二人に向かって頭を下げた。
    「今回はこちらのゴタゴタにお二人を巻き込んでしまって、大変申し訳ない。しかし、おかげで相手の戦力を大分削ぐことができました。ありがとうございます」
    「詫びと礼は、アマテ嬢に言った方がいい。私はアマテ嬢を手伝っただけだからな」

  • 159二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 17:17:41

    「ちょっと、二人とも」
    マチュがシャリア・ブルとシャアの顔を交互に見ながら言った。
    「会うの5年ぶりでしょ?もしかしたらイオマグヌッソのときにちょっと会えたのかもだけど、何があったか知らないけど、ちゃんと話し合った方がいいよ!あたしは邪魔しないからさ」
    そう言ってマチュは少し離れたところへ歩いていく。
    シャリア・ブルとシャアは彼女の背中を見送った。

  • 160二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 17:19:30

    「……よい子でしょう?」
    「異論はないがな。アマテ嬢のことで、貴様が得意気になる理由はなかろう」
    「マチュ君は、私の愛弟子ですから。それに、私はクランバトル時代から、彼女のファンなんですよ」
    シャリア・ブルのスマホには、未だにポメラニアンズのステッカーが貼ってある。
    「まさか、こんなに早く貴様と邂逅することになるとは思っていなかった」
    「私もです。……マチュ君の、おかげですかね」
    シャリア・ブルは続ける。
    「MAVの先陣を誰にも譲らなかったあなたが、マチュ君のサポートに徹するところを、この目で見ることになるとは思いませんでした」
    「貴様との約束を守っただけだ。」

  • 161二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 17:20:35

    その後に続いた台詞は、シャリア・ブルにとって意外なものだった。
    「それに……。アマテ嬢に言われて気付いた。私は今、存外幸せなのかもしれん」

    偽者事件の話を聞いたとき、マチュはカイに向かって、こう言った。
    『せっかくララァとクワトロさんが、一緒に幸せに暮らせるようになったのに!』

    「……マチュ君が、そんなことを」
    「この生活が、本当に自分の居場所なのか、釈然としない気持ちが続いていたが、彼女のあの言葉で、この生活を守るのも使命のうちかと、ひとつ答えが見つかった気がした」
    幸せ、か。
    もしかするとそれは、天涯孤独で、今も戦いに身を投じているシャリア・ブルにとっても、分からない感覚かも知れなかった。

  • 162二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 17:22:49

    シャリア・ブルはシャアから視線を外して、遠くを見やった。

    水平線から、朝日が昇ってくるのが見える。

    コロニーでは決して見られない光景だ。

    「……近い将来、ジオンは共和国制に移行するでしょう」

    シャアが目を見張る。

    「アルテイシア様の発案です。彼女は公国最後の君主として、移行までの間国を支えるのが自分の役目であると、仰っていました。私はその考えに感銘を受け、できる限り尽力するつもりでおります」

    「そうか」

    それは、アルテイシアを擁立したからこその、ジオンの未来のかたちなのかもしれなかった。

    「妹を、頼む」

    「はい」

    シャアは改めて、シャリア・ブルに向き直る。

    「……私たちは、今度こそ本当の友人同士になれるかもしれんな」

    シャリア・ブルもシャアに向き直り、今回は自分から先に手を差し出した。

    「……はい、よろしくお願いします」

    そして、二人は固い握手を交わしたのだった。


    ところで…… dice1d2=2 (2)


    1 アマテ嬢、と呼んでいるのですね

    2 マチュ君は私のことを、何か言っていましたか?

  • 163二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:02:23

    「ところで、マチュ君は私のことを、何か言っていましたか?」
    「ああ、そういえば、貴様に隠しておきたいことがあると相談されたな。絶対にバレたくないのだと言っていた」
    「は?相談?あなたに?」
    まさか、黙っているようアドバイスしてませんよね?と、聞こうとしたシャリア・ブルだったが、マチュがこちらへ近づいてくるのを見て口をつぐんだ。
    どうやら話が終わったことを察したらしい。

  • 164二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:04:50

    「積もる話は終わった?」
    「ええ」
    「アマテ嬢、本部隊の司令塔が来たのだから、手伝いも不要になっただろう。私はそろそろララァの元へ戻るとしよう」
    「そっか、ララァのこと心配だもんね。クワトロさん、色々ありがとね!」
    「こちらこそ、アマテ嬢のお陰で私はシャリア・ブルに殺されずに済んだ」
    「ええー!?何それ?」
    「まあまあ、後でちゃんと説明しますよ」
    シャリア・ブルは笑った。

  • 165二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:07:08

    さて、今度はマチュときちんと話す番だ。
    「マチュ君、久し振りです」
    「ほんと、直接会うの、久し振りだね。ヒゲマン、ずっと忙しそうだったもんね」
    「それもありますが、本当は、もうあなたと会わない方がよいと思っていたのです」
    「どういうこと?」
    「勝手と思われるかもしれませんが、これ以上ジオンのゴタゴタに巻き込みたくなかった。……それに」
    シャリア・ブルは思い切って言った。
    「実は、私は、あなたと会うのが少し怖かった」
    「えっ?何で?」
    「何ででしょうか……。せっかく手に入れたものを失うことに、怯えていたのかもしれません」
    「難しくってよく分かんないんだけど」
    マチュは膨れた。
    「あたしは!ヒゲマンと会えなくて寂しかった!ソドンを離れるときも顔見せてくれないし、連絡だって全然くれないし!……あ、忙しくって大変だってことは分かってるんだけど。返信がなかなか来なくてもいいから、たまには連絡とかしたい、あたしは」
    「すみません」
    シャリア・ブルは素直に謝る。
    「どうやら私が間違っていたようだ」

  • 166二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:08:15

    シャリア・ブルは真面目な顔になった。つられてマチュも、膨れっ面を止めてシャリア・ブルの顔を見つめる。
    「これから敵の本陣へ向かいます」
    「うん。ヒゲマンは、その指揮を取りに来たんでしょ」
    「ええ。……マチュ君、私とMAVを組みましょう」
    「!」
    マチュの反応に、シャリア・ブルはからかうように言った。
    「おや、MAVの相手が私では不足ですか?」
    「そんなわけないじゃん!」
    心が読めるくせに、分かってるくせにワザと言ってる。マチュは唇を尖らせたが、すぐに上目遣いでシャリア・ブルを見つめた。
    「……ホントに?」
    「ええ。マチュ君がよければ」
    「組むよ、組む!」
    マチュは嬉しさのあまり、跳び上がって喜んだ。

  • 167二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:10:37

    「正規軍を敵に回したくはありません。少人数で一点突破、標的だけを確実に押さえる必要がある」

    「何度MSで潜入したと思ってんの、ヨユーだよ」

    「それに、今回の敵は必ず生かして捕らえなければなりません」

    「そうなの?」

    「色々と、聞きたいことがありますからね」

    シャリア・ブルは口元に笑みを浮かべたが、目は笑っていなかった。

    (怖いんだけど!)

    「単に討ち取るよりも、ずっと難しい。マチュ君、できますか?」

    「あったり前でしょ!」


    「行こう!ヒゲマン!」


    マチュ→ヒゲマンへの好感度 97+dice1d30=13 (13)

    ヒゲマン→マチュへの好感度 84+dice1d30=6 (6)

  • 168二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:14:22

    マチュ→ヒゲマンの好感度 97+13=110
    ヒゲマン→マチュへの好感度 84+6=90

    一応、ジオンの共和国制について

    元々正史では、ジオンは、ザビ家の主要人物が死亡した後、共和国制に移行しています。
    GQ世界ではアルテイシアが擁立されたけど、公国制から共和国制へ移行して、その後は晴れて自由の身になってたらよいな。

  • 169二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 23:47:17

    マチュ→ヒゲマンがついに100突破!

  • 170二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 23:58:09

    ヒゲマン→マチュも90いった…!

  • 171二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:44:24

    ヒゲマン→マチュの徐々に上がってる感たまらんね
    焦れったくもあるけど!

  • 172二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 07:10:36

    MAVになろうって言われて、うれしさのあまり飛び跳ねちゃうマチュ可愛い

  • 173二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 07:57:05

    マチュは、シャリア・ブルを迎えにきたソドンに、ジークアクスを格納してもらった。
    シャリア・ブルは帰投後すぐ、忙しそうに行ってしまう。
    勝手知ったるソドンの中、マチュは適当にぶらぶらしながら、顔見知りに挨拶して回った。
    艦橋を除くと、ラシットがマチュを目ざとく見つけて声をかけてきた。
    「やあ、またあんたか、指名手配のお嬢さん。シャリア・ブル中佐はあんたとジークアクスにずいぶんご執心のようだな」
    「艦長、久しぶり。ねー、コモリンは?」
    「彼女は本国で待機中だ」

  • 174二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 08:03:53

    シャリア・ブルが戻ってきた。
    彼は明け方に、既に部隊を突入させており、その結果の報告を受けていたのだ。
    しかし、首謀者一味は、取るもの取り敢えず脱走していたという。
    「やはり、逃亡していました。これで大義名分ができましたね」
    「……もしかして、それを狙ってた?」
    「こちらも確たる証拠を持ち合わせていない。徹底抗戦されたら厄介でした。これもマチュ君が彼らへのMSの供給を断っておいてくれたおかげです」
    「でも、どうするの?」
    「我々はこのまま、ソドンで先回りします。逃亡ルートは予測済みです」

    シャリア・ブルの指示を聞いたラシットは、やれやれ人遣いの荒いことだ、と呟いたとか呟かなかったとか。

  • 175二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 13:05:42

    一刻ほど後、ついにソドンが目標を捕捉した。小型な輸送艇で、艇自体に攻撃力はほぼなさそうだ。

    『さすがに戦闘行動には参加できない。とっとと行ってくれ』
    ラシットからの通信が入った。既にジークアクス内で待機していたマチュは、出撃体勢に入る。
    「マチュ、ジークアクス、出ます!」

    ジークアクスがカタパルトから勢いよく射出された。
    こんな風に出撃するのは久しぶりで、気分が高揚してくる。地球の重力に負けないように、推進力を最大に保って、マチュは輸送艇に向かって一直線に進む。
    すぐ後ろにシャリア・ブルのリック・ドムが続いた。

  • 176二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 13:06:50

    輸送艇もこちらに気付いたのだろう、護衛のMSを出してきた。
    「……4台か」
    『輸送艇からの攻撃は気にしなくていい。MSを押さえてしまいましょう』
    「りょーかい!」

    「いくよ、ジークアクス!」
    二人は息の合ったコンビネーションで、MSを一台ずつ戦闘不能状態にしていく。
    この師弟のMAVに敵うものはそういないだろう。
    二台のMSは、時には背中合わせに、時には前後して、次々に攻撃と防御とを繰り返した。

  • 177二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 13:08:11

    ついに、敵の最後の一台が、コアファイターを射出して脱出する。
    墜ちてきた機体を避けようとしたジークアクスは、シャリア・ブルが乗るリック・ドムと、触れ合いそうな位ギリギリをすれ違った。
    その瞬間。
    マチュの脳裏に強い閃光が走り抜けた。

    これは……。

    光の粒が流れ込んできた。
    マチュの感覚は、周囲に溶けていく。体が、光に包まれる。
    「キラキラ」だ。
    上下も、距離も、時間さえ存在しない、不思議な空間。

  • 178二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:02:00

    (久しぶりだな)
    緑の粒子に包まれたマチュは、ぐるっと周囲を見渡す。
    (ヒゲマン?)
    彼の姿は見当たらない。

    光の粒子の中に、時おり暗い色が混ざる。
    暗い色が向かってくる方向に意識をやると、何かがだんだん広がって見えてきた。
    これは……多分木星の風景。
    遠くに人影が見えた。
    (あれは……)
    シャリア・ブルだ。ずいぶん若く見える。ひどくやつれて衰弱している様子だ。
    光が届かない方へ吸い込まれるように、彼の姿は墜ちていく。
    (行っちゃダメだ!)
    胸が締め付けられるように苦しくなった。まるで自分の半身が引き裂かれるようだ。
    その痛みで、マチュは自覚した。

    (……そっか、あたしはヒゲマンのこと、好きなんだ)

  • 179二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:04:40

    彼の後ろ姿に、マチュは思い切って手を伸ばした。
    (待って!)
    遠ざかったり近づいたりしながら、少しずつ、その距離は詰まってくる。
    (戻、って、こい!)
    とうとう手を触れた。その瞬間。
    どこかで、カチリと歯車が合うような音と、機械の起動音が聞こえた気がした。
    彼がこちらを振り返って、視線が交差する。

  • 180二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:06:39

    『マチュ君?』
    声が聞こえて、マチュはハッとする。
    彼女はいつもの、ミドリ色のキラキラの中にいる。

    目の前にいるのは、今の姿のシャリア・ブルだ。
    二人は上下逆さまで向かい合って、視線を交わした。
    『何か、見ましたか?』
    『……見た、かも。ううん、よく分かんない』
    マチュは首を振った。
    だが、シャリア・ブルは何かを察知したらしい。
    『……私は本当に、あなたに助けられてばかりだ』
    シャリア・ブルは言う。

    『あなたは本物のニュータイプだ。いつか、時も空間も超えて、向こう側の世界に行けるかもしれない』
    寂しげな、儚げな声。
    まるでさっきの、墜ちていく姿のような。

  • 181二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:09:20

    『ヒゲマンこそ、どっか行こうとしてる?』
    『私が?』
    『そう』
    マチュはくるりと上下反転して、真っ直ぐにシャリア・ブルを見つめる。
    彼は少し困ったような顔をしている。
    『あたしから、離れようとしたって無駄だよ』
    そのままマチュは、シャリア・ブルにギュッと抱きついた。
    『マチュ君』
    『もしどっか行こうとしたって、あたしはどこまでだって追いかける』
    『だって、あたしは……』
    最後の言葉はシャリア・ブルに届いただろうか。彼なら聞こえなくても分かるだろうか。

    もっともっと、彼に近づきたい。

  • 182二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:11:39

    意識が現実世界に戻ってくる。キラキラが、どんどん晴れてくる。

    マチュは我に返った。
    彼女の意識は、ジークアクスの中に戻っていた。
    (輸送艇……!)
    見ると、リック・ドムが、輸送艇の主翼を正確に射貫いたところだった。
    バランスを崩した輸送艇は、みるみるうちに高度を下げていき、やがて海に不時着した。

    「終わったー……」
    シャリア・ブルが部隊に連絡し、敵を確保するよう指示を出している。
    通信で入ってくる彼の声を聞きながら、マチュは大きく息をついた。

  • 183二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:42:20

    マチュはジークアクスを着水させた。
    シャリア・ブルも、ジークアクスの隣にリック・ドムを着水させる。
    二人ともコックピットから出て、声を掛け合った。
    「ヒゲマン、お疲れ!」
    「マチュ君も。……すぐに応援が来ます」
    「そっか」

  • 184二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:30:04

    マチュがリック・ドムの上に移動してきて、二人は揃って海を眺めた。
    口火を切ったのはシャリア・ブルだ。
    「……ところで、そもそも何故突然ララァに会いに行ったのですか?」
    「あー、うん。実はララァに相談したいことがあって」
    「相談?」
    「そう。宇宙に行きたくて。でももう目的は達成したからいいや」
    (だって、ヒゲマンに会えたから)
    彼女の真っ直ぐな好意が、ひしひしと伝わってくる。キラキラの中で触れ合ったからか、心を読もうとしていないのに、彼女の感情がどんどん流れ込んでくる。
    シャリア・ブルには眩し過ぎて、直視できないくらいだ。
    ……空っぽの自分は、彼女の気持ちを受けとるに値する人間なのだろうか?

  • 185二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:32:15

    シャリア・ブルは自問する。
    自分は、彼女に何か渡せるような価値があるものを、果たして持っているのだろうか?
    それも、自分の心に彼女が与えてくれたものと、同じくらい大切に感じられる、何かを。
    そこまで考えて、彼はようやく気付いた。

    (そうか、私は、彼女のことを……)

  • 186二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:34:18

    「……1つ、約束しましょう」
    シャリア・ブルは、ようやく口を開いた。
    「私は今後一切、他の誰ともMAVを組まない」

    空っぽの自分にできること。
    せめて、私の隣は、あなたの為だけに空けておこう。

    マチュはきょとんとした。
    シャリア・ブルは構わず続ける。
    「この先私がMAVを組むのは、マチュ君だけだということです」
    「えっ……それってどういう意味?」
    「言葉どおりの意味ですよ」
    そういって、シャリア・ブルは微笑んだ。

    シャリア・ブルのその言葉が、彼にとって最上級の愛の告白であるということに、マチュが気付くのは、少し先の話。

  • 187二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:35:26

    終わりです。

    最後までお読みいただき、ありがとうございました。
    コメント、保守、いいねにたくさん励まされました。

    マチュが、キラキラの中で木星時代のシャリア・ブルに会うのは、以前Xで拝見したイラストが、とても素敵な発想と思ったので、参考にさせていただきました。

  • 188二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:36:33

    あと、お話は一旦区切りをつけましたが、一応後日談的なのがあるので、よければもう少しお付き合いください。

    そんなに長くはないけど、このスレには収まりきらないので、次スレ立てます。

  • 189二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:45:54

    https://bbs.animanch.com/board/5339219/?res=1


    こちら、次スレになります。

  • 190二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:57:57

    完走お疲れ様です!
    最初から最後まで、とても良質なシャリマチュを見させていただきありがとうございました。
    ダイスが良い仕事しすぎてる…
    最後らへんのキラキラ空間はとてもとても良すぎて何回も読み返してしまうくらいヤバかったです。
    後日談も楽しみに待ってます!

  • 191二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 19:12:50

    乙です!
    読んでいてとても楽しかったです!

  • 192二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 19:27:43

    良かったです!
    マチュが見た木星のヴィジョンは過去のあんときの……ですやね?

  • 193二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 19:55:07

    めちゃくちゃワクワクして読みました!完結立ち会えてよかった〜!

  • 194二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 20:23:35

    うおおおおおおお…!!!

    完走お疲れさまです…!(敬礼
    とっても楽しかった。こういうの読みたかったんだって何度も思ってました。
    ダイス神加護切れなくてそれも良かった…(もしもが怖いもんで…杞憂でよかった

  • 195二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 21:17:31

    >>192

    そうです。

    「本当の自由になれたまま死 ねるのなら、それでいいのかもしれない」

    のときの話です。


    皆さま感想ありがとうございます。

    スレ立ても初めてで、こういう二次創作も初めて書いたので、楽しんでいただけるのか不安でしたが、本当によかったです。

  • 196二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 21:21:20
  • 197二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 03:33:06

    乙うめ

  • 198二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 11:10:27

    立て乙
    うめうめ

  • 199二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 19:32:03

    埋め埋め

  • 200二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 04:16:38

    シャリマチュ

オススメ

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