- 1ポメ主25/07/12(土) 18:51:50
- 2二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 19:07:58
- 3二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 19:09:52
- 4二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 19:14:12
続いてくれて嬉しいです!あらすじ感謝!!
- 5二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 19:19:16
たておつ
シュウジはどんな未来を選ぶんだろう
向こう側のシュウジとの関連もありそうな描写も気になる - 6二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 19:37:32
立て乙です
所々に気になる伏線があって目が離せない感じだ - 7二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 19:39:19
人物紹介
シュウジ・イトウ
高校3年生。趣味は絵を描く事と機械弄り。興味のない授業中は寝ているか起きていてもノートにらくがきばかりしている。自身の進路をあまり真面目に考える事が出来ず、とりあえずジオンの工科大学を目指してはいるもののあまり気乗りしていなかった。しかし最近は少し前向きに大学進学を考える事が出来るようになってきている。
最近好きな子が出来た。
マチュ
シュウジが思いを寄せている赤い髪の小柄な美少女。傭兵を自称する、白いMSのパイロット。気さくに見えていつも一歩引いたような態度をとっている。シュウジの事を以前から知っているようだが……?
ニシモリ
シュウジの友人でクラスメイト。一人称はオレ。陽気な性格で友人思い。元陸上部で後輩達から慕われている。イケメンではないが意外と精悍な顔立ちをしている。
キタムラ
シュウジの友人でクラスメイト。一人称は俺。基本的に落ち着いた性格だが友人の恋バナにめちゃくちゃ食いつくなどの一面がある。シュウジとニシモリによくノートを貸してあげている良い奴。童顔。
シュウジの保護者
シュウジに対して基本的には放任している。しかしたまに連絡が来ると長文メールを送るなど構い過ぎて鬱陶しがられている。間が悪い時にデートはどうだった?と聞いてしまった結果、大量の変な画像を送り付けられるという地味な嫌がらせを受けた。インド人の奥さんがいる。 - 8二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 19:57:05
まさかの記入漏れ
チャット
シュウジが作ったペットロボット。故障してしまったマチュのハロを修理する間、対話経験を積ませる為という名目でマチュに預けている。映画を観たりゲームをしたりカラオケをしたりとマチュに沢山構って貰っているからか随分とお喋りが上達している上、何故か歌ったり踊ったりもするようになった。怪我をしたマチュの力になりたいとチャットなりに考えた結果、勝手にシュウジに住所を送って呼び出してしまいマチュにちょっと叱られた。チャットはまたひとつかしこくなった。
外見はやや平べったい黄色のボディに魚やクラゲなどのポップな絵が描かれている。マチュ曰く黄色いカニみたいな姿で可愛い。
- 9二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 20:14:41
マチュとの関係どうなるんだろ
- 10二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 20:20:11
とりあえず10まで
- 11二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 20:42:58
ピンポーン
……
………
ガチャ
「おはよう、マチュ」
「……また来たの……おはよう……」
「連絡はしてたでしょ。そもそも念押しした通りに君の方からちゃんと連絡してくれてれば押し掛ける事もしなかったよ」
「むぅ……」
「はい、これ今日の分」
「……ありがとう」
「アイスティーとサラダと……何でも良いって言うから卵サンドにしたけど、これで大丈夫?本当に足りる?」
「それ聞くの何度目……?十分だってば。食べられるなら何でもいいよ……お金渡すから、中入って」
「いや、今日はすぐ帰るからここでいいよ」
「え……」
「ん?」
「……上がっていかないの?」
「うーん…本当はそうしたいんだけど……今日やっと注文してたパーツが届いたって連絡が来たからさ」
「パーツって……あ、もしかして」
「うん。もうすぐハロに会わせてあげられる」
「! そっか……やっと……!」 - 12二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:10:16
(まだ足は痛そうだったけど、だんだん元気になってきてるみたいで良かった。湿布の匂いも薄くなってたし、順調に治ってるんだろうな)
(これ以上怪我を悪化させない為にも、もうしばらく大人しくしててくれるといいけど……なんて)
(……それにしても日差し強いな……擬似太陽光なんだから、こんなに光らせなくてもいいのに……)
(もうすっかり夏だ……マチュと出会ってから、もうひと月以上経ったんだな……)
(夏、かぁ……)
(……マチュが怪我してなかったらプールとか誘ってみたかったかも……いや、いくらマチュが無防備だって言っても、そこまで下心のある誘いをしたら流石に引かれるかな……水着姿、見てみたかったけど……)
(水……マチュの頭って、水に濡れてもまん丸なのかな……あそこまで見事な丸い頭の持ち主、他に見た事ないってくらい綺麗な形してる)
(あの丸さは思わず撫でたくなる……でも流石に頭撫でさせてって頼むのは流石に変だよなぁ……) - 13二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:47:22
「ありがとうございましたー」
(よし、これでハロを治せる。マチュも喜んでくれるし、もっと元気にもなってくれるよね)
(……)
(ハロかぁ……)
(チャットのことは、どうしよう……マチュはチャットの事気に入って可愛がってくれてるし、チャットもマチュに懐いてるから彼女にこのまま……って思ってたけど……)
(……自作のペットロボットだから、僕以外に点検や修理が出来る人が限られて来そうなんだよな……)
(だからといって僕の手元に置いていても……チャットはきっと、寂しい思いをするだろうな)
(……マチュにチャットを譲って、定期点検の名目で一年に一度は会いに来て貰う、とか……?)
(いや、ダメだな。というかこれじゃあまるで旧世紀のお伽話じゃないか……一年に一度しか会えないなんて、そんなの……)
(だからといって、このコロニーを飛び出して行くのも簡単じゃない……傭兵なんて職に就ける程の操縦技術なんて一朝一夕じゃ身に付けられないし……そもそもマチュに迷惑がられるかもしれないし……)
(……)
(マチュは僕のこと、どう思ってるんだろう……ああもう、何度も同じ事考えちゃうなぁ)
(もういっそのこと、マチュの考えてる事が分かるようになればいいのに……) - 14二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 00:54:06
シュウジ!ピキーンするんだ!
- 15二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 02:14:40
健気だねシュウジ…
- 16二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 08:42:29
- 17二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 16:11:15
保守ュウジ
- 18二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:38:01
「おー!ここがイトウとりんごちゃんが初デートしたという噂の食べ放題の焼き肉屋か!」
「デートじゃないよ」
「でも一緒に何処かに行ったのはここが初めてなんだろ?」
「その前は迷子の案内だからな」
「初デートが焼き肉の食べ放題は嫌だ」
「ははは」
「なーもういいから入ろうぜ。この匂い腹が減るよ」
「お前がデートとか言い出したせいだろ……」
「そんなんどうでもいーから!肉だぞ肉!」
「部活引退したのに食べる量変わってないみたいだけど、大丈夫なのか?」
カランカラン
「いーんだよ!トレーニングは続けてるから!……あれ、イトウは?」
「すみません、3人お願いします」
「あれっ、えっ?さっきまでここに居たよな⁉︎」
「お前が話してる間に店に入ってった」
「なんか最近のイトウって目を離すとすぐ居なくなるよなぁ」
「前からそうじゃないか?」
「まぁそうなんだけどさ……」
「2人ともいつまでそこで突っ立ってるの?」
「お前最近フリーダムさに磨きかかって来てないか?」
「そう?それより早く入りなよ。お店に迷惑だよ」
「……ま、そうだな」 - 19二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 00:53:18
保守ウジ
- 20二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 02:49:08
「ご飯大盛り3つと、カルビ、タン塩、豚トロにハラミ……他は?」
「テールスープとチョレギサラダ」
「ウーロン茶も頼むけどお前らは?」
「あ、僕も欲しい」
「俺も。あとわかめスープ」
「ほいほい……っと、よし、注文完了!」
「外観といい内装といい、思ってたよりも綺麗な店だな」
「うん。デザートにも力入れてるし、比較的女性も入り易いようにしてるんだと思う」
「現にりんごちゃんが釣れてるもんな」
「たしかに結構種類あるな……あ、これが噂のレモンシャーベットか」
「へぇ〜、確かに女の子はこれ好きそうだな。オレ後で頼もっかな」
「店員さん来るよ」
「お?」
「失礼しまーす!こちらウーロン茶3つとカルビ3人前でーす!」
「来た来た!」
「よく気付いたな。話してたし店内結構騒がしいのに」
「そう?それより早く焼こうよ」
「そうだな。皿返さないと置く場所無くなるし」
「よーし焼け焼け!って、何だよ火ぃ強過ぎだろ!」
「悪い俺だ。火力上げるスイッチ蹴ってた」
「お前か!肉が焦げるだろ!」
「あはは、めっちゃ熱い」 - 21二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 05:32:41
覚醒してきてる…?
- 22二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 07:43:12
シュウちゃん楽しそうでなにより
- 23二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 14:56:05
このレスは削除されています
- 24二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 15:03:16
>>23 画像添付ミス
「ありがとうございましたー!」
「ご馳走様っした〜!」
「いや〜、あの店当たりだったな!肉もデザートも全部美味い!見つけてくれたりんごちゃんに感謝!」
「大通りから外れた店なんてあんまり行かないからな……道も少し入り組んでるし、よくりんごちゃんこの店見つけられたな」
「この辺りの道は大体知ってるみたい。よく待ち合わせしてるファミレスもあんまり目立たない所にあるからいつも空いてるし」
「へぇ……」
「ファミレスなのに空いてる事あんの?」
「……大体の人は駅前の店に流れるからだろ」
「あーそっか。オレらがよく行くのも駅チカか学校の近くだもんな」
「ガラガラだから何時間居座っててもあんまり罪悪感無いんだよね」
「いつもそのファミレスで会ってるのか?」
「図書館以外だと……大体はそうだね」
「ふーん」
「そういえば、りんごちゃんの怪我の状態はどうなんだ?よくなって来てるのか?」
「まだ痛みはあるけど、だいぶマシになって来てるみたい」
「おっ、そりゃ良かったな」
「彼女、なんで怪我したんだ?」
「……走ってる時につまづいて思いっきり転んだりしたらしい」
「あー、走ってる時につまづいちゃったのか、そりゃ確かに怪我するわ……」
「転んだからってそこまでの怪我するか?」
「打ちどころとか転んだ時の体勢によっては脱臼とか骨にヒビとか、普通にあるぞ。転んだ先に障害物があったらそれこそ大怪我しかねないし」
「そうか……」
「もし頭打ってたりしたら最悪の場合……」
「やめてよ……」
「ハハッ、悪い悪い。まぁ怪我で済んで良かったよ」
「うん……本当にね」
「……」
- 25二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 19:20:08
(よし、充電終わってる……)
「お願いだからちゃんと起きてよ……」
ピッ
ウィーン……コロン
「あ」
ピピッ
ピョン!
「わっ」
《Hello!》
「喋った」
《? アレ?》キョロキョロ
「おはよう、ハロ。調子はどう?」
《オハヨウ?ココドコダ?》コロン
「ここは僕の家だよ。不具合を起こして喋らなくなってた君をマチュから預かっているんだ」
《マチュ!マチュハドコダ?》ピョン
「マチュはここにはいないよ」
《マチュ!マチュ!》コロコロコロコロ
「落ち着いて、危ないからそんなに転がらないで。明日一日様子を見て、問題が無ければすぐにでもマチュの所に帰れるから」
《ウゥ〜……ソウカ……》
「ごめんね、マチュを安心させる為にもちょっとだけ我慢して」
《ワカッタ……》
「あ、そうだ……はい、これ」
《ン?》
「一緒にマチュから預かってた君のニット帽。うん、それ被ってる方がしっくり来るね」
《ソウカ?……シュウリ、アリガトウシュウジ》
「どういたしまして」 - 26二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 19:39:18
「マチュのこと覚えてるって事は、記憶に問題は無さそうだね。良かった」
《マチュハドコニイル?》
「ん?自分の家に居るよ」
《イズマコロニーニカエッテキタノカ》
「え?……いや、違うよ。ここは……」
《チガウノカ》
「……イズマコロニー……そこが、マチュの故郷なの?」
《? ソウダゾ》
「……地球じゃないんだ」
《ナニイッテルンダシュウジ》
「ううん……何でもない」
《マチュハゲンキカ?》
「……元気といえば元気、かな」
《ナニカアッタノカ》
「怪我しちゃって。暫くの間安静にきてないといけないんだ」
《ケガ⁉︎マチュ、ケガシタノカ!》ピョンッ
「うん、あ、でもだいぶ良くなって来て……《マチュ!》」ゴンッ
「痛ッ、ちょ、やめてハロ、体当たりしないで」
《マチュ!マチュ!》ピョンピョン
「暴れないで、マチュは大丈夫だから」
《カエル!マチュノトコカエセ!》ゴロゴロゴロ
「待って待って、本当に待って落ち着いて。転がらないで危ないから。あっ待ってその棚に体当たりは雪崩が起きるからやめて……!で、電話しよう、テレビ電話」
《マチュ〜ッ!》ゴロゴロ……ガンッ
《ワァッ》ポーン
《アアア〜ッ!》くるくるくる……
「あーあ……とんだ暴れ玉だね君……ふふっ……マチュとそっくりだ。彼女も軍警相手に大暴れしてたし」 - 27二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 19:44:19
ハロ(を介して話していると思われるジークアクスの中の人)はやっぱり心配性だなー
ところでこの時空のハロってシュウジに自己紹介してたっけか? - 28二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 20:11:58
ハロはこのスレのシュウジとは本来ファーストコンタクトのはずだからおそらく目の前にいるのは本編のシュウジだと思ってる感じなのかな?
- 29二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 01:52:05
ハロの起動音が「Hello」なのか
- 30二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 05:51:36
ポコンッ
「ん……?シュウジからだ。こんな遅い時間に珍しい……」
〈起きてる?〉
〈起きてるよ。どうしたの?〉
〈ごめんね、こんな時間に突然〉
〈実は、ハロの修理が終わってさっき起動したんだ〉
「良かった!修理、ちゃんと終わったんだ」
〈流暢に話すし君の事もちゃんと覚えてたから修理自体は無事に出来たと思うよ〉
〈念の為明日も預かって様子見ようとは思うけど、問題が無ければすぐに帰せるよ〉
〈そうなんだ!ありがとう!〉
〈どういたしまして〉
〈ただ、今ちょっと困った事になってて〉
〈困った事?〉
〈君が怪我をした事を知った途端に、ハロがマチュの所に帰らせろって大騒ぎしだして〉
「ええ……ハロってば……」
※マチュのスマホは心の目で白く塗って見てください - 31二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 06:48:01
- 32二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 13:41:05
保守ュウジ
- 33二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 13:47:58
《マチュ〜‼︎》
《ハロ!ひさしぶり!わー!本当に元気になってる!》
《マチュ!ケガシタッテキイタゾ!ダイジョウブナノカ?》
《へーきへーき。もうだいぶ良くなったし》
「ダメだよマチュ、ちゃんと本当は結構な大怪我でしたって言わないと」
《ナンダッテ!?》
《ちょっとシュウジ!》
《ソンナニヒドイケガダッタノカ?》
《あー……まぁ、うん》
「君が話さないなら僕から言うけど」
《わざわざバラさなくてもいーじゃん!》
「隠しててもすぐにバレるよ。チャットは聞かれたら答えるだろうし、そもそも怪我自体まだ治ってないじゃないか」
《うっ……それもそうだね、今のあの子なら話しちゃうか……》
《マチュ、ドウナンダ?》
《あー……詳しくは帰って来てから説明するよ……ま、何はともあれ、元気になって良かったよ。ありがとうシュウジ!》
「ふふ、うん。どういたしまして」 - 34二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 14:05:38
「それにしても、ハロって想像してた以上に知能高いんだね。凄くスムーズに会話出来て驚いたよ」
《何言ってんの、シュウジが作ったチャットだっておしゃべり上手じゃん》
「それは君がたくさん話し相手になってくれたからだよ」
《ハロだってそうなんじゃない?》
「このハロ、君が育てたんじゃないの?」
《元は他所の子だったんだけど、私に懐いてついて来るようになったからそのまま貰ったの》
「へぇ……そんな事あるんだ……」
《ナァ、チャットッテダレダ?》
「チャットは僕が作ったペットロボットだよ。今はマチュに預かって貰ってる」
《コンチノキョウダイカ》
《あ》
「コンチ?きょうだい?」
《チガウノカ?》
《シュ、シュウジ!私、ちょっとハロと2人だけで話したいんだけど、良いかな!?》
「え?……いいけど……」
《ありがとう!ハロ!続きは私とだけで話そう!あの……怪我の事とか、諸々説明するから!》
《?ワカッタ》
「マチュどうしたんだろう、急に慌てだして……」
「……」
「そういえば……さっき凄く自然にハロに名前呼ばれたけど……僕、ハロに自己紹介したっけ……?」 - 35二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 21:57:19
- 36二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 22:30:11
ピンポーン
……
カチャンッ
ガチャッ
「はーい」
「おはよう、マチュ」
「おはよう」
《マチュ!》
「ハロ!ひさし……うわっ、とと……」
「っ、大丈夫?」
「う、うん、ありがとう……」
《マチュダイジョウブカ?アシイタイノカ?》
「い、いや、大丈夫……」
「まだ足治ってないんだから、気を付けないと」
《ソウダゾ、キヲツケロ!》
「あはは、治りかけがいちばん気を付けなきゃいけないのって怪我でも病気でも変わんないね……」
「そうだね」
「ところで、それどうしたの?すごい荷物じゃん」
「色々と持って来た」
「いろいろと」
「お昼と……せっかくだから、DVDの他にもゲームとか。あとお菓子も」
「本当に色々持って来たんだね。ま、いいや。とりあえず入って」
「お邪魔します」
《オジャマシマス……イヤタダイマカ?》
「ふふ。おかえり、ハロ」
《タダイマ、マチュ!》 - 37二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 02:40:59
《Ciao!シュウジ!》
「おはようチャット、今日も元気そうだね」
《チャット、ゲンキ!》
《ソイツガチャットカ?》
「そうだよ。チャット、こっちおいで?」
《Ciao!ボク、チャット!》
《ハロダ。ヨロシクナ、チャット》
「ふたりとも仲良くね」
《《ワカッタ!》》
「結構気が合いそう」
「ハロと過ごすのはチャットにとっても良い経験になると思うよ」
「そうだね」
「とりあえず、お昼ご飯に唐揚げ弁当とハンバーグ弁当買って来たよ。あとこれ、お味噌汁」
「ありがとう……結構量多いんだね」
「そう?……もしかしてお惣菜のお弁当とか、あんまり食べた事無い?」
「あー……うん」
「そっか……食べられる分だけ食べて無理はしないで。残ったら僕が食べるから」
「ありがとう。じゃあ……唐揚げの方貰うね」
「どうぞ」
「アンタはそれひとつで足りるの?」
「おにぎりも持って来たから大丈夫だよ。お菓子もあるし。プリン冷蔵庫に入れておくね」
「うん」 - 38二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 02:55:31
「お茶淹れようか。この間買って来てくれたティーパックのやつまだあるし」
「そうだね……あれ?電気ケトルがない……」
「あぁ、寝室に持って行っちゃってるんだった」
「寝室に?」
「夜に喉乾いたに時すぐ飲めるようにね。取って来るよ」
カタカタカタ
《マチュ、オテツダイスル?》
「チャット?」
「じゃあお願い。ケトル運ぶの手伝ってくれる?」
《テツダウ!ケトルハコブ!》カタカタカタ
《チャット、マチュノテツダイ スルノカ?》
《スル!ケトルハコブノ ボクノシゴト!》
《ソウナノカ、エライナ》
《ボク、エライ?》
《エライゾ》
《エライ、エライ!》
「早速仲良くなってるね。ところで手伝いって……」
「あの子、私が足の怪我してからケトル運ぶの手伝ってくれるようになったんだ。お手伝いしたいって」
「そうなの?」
「うん。そんなに負荷かけて大丈夫なのか心配だったけど、意外と器用に運んでくれてる。もう立派なお手伝いさんだよ」
「そうなんだ……」
「でも、ちょっと心配だから後で診てあげてくれない?本来想定してない重量運んでるだろうし」
「分かった」
「ありがと。じゃあちょっと待ってて」
「うん」 - 39二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 06:24:41
青春してるねぇ……
- 40二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 06:45:59
ハロとチャットが親子に見えてきた
- 41二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 08:12:08
看病シチュはいいぞマン「看病シチュはいいぞ」
- 42二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:37:42
カタカタカタ
《シュウジ!ケトル!》
「ありがとう、チャット。お疲れ様」
「助かったよ、ありがとう」
《マチュ!ナデテ!》
「はいはい、ありがとうね」
「撫でられて喜んでる……」
《オドロイテルノカ?シュウジガ ツクッタンダロウ?》
「まさかここまで成長するとは思ってなかったよ……まさかあの人、持って来てくれた素材の中に何か仕込んでたりしないよな……」
《タブン、カンガエスギダゾ》
「そうかな……」
《タイワデ セイチョウスルAIハ、トキニ セイサクシャノ ソウゾウヲコエタ セイチョウヲスル》
「?……ハロ、君……なんでそんな事知って……」
「シュウジー?お茶淹れないの?」
「あ、うん、ちょっと待って。今お湯沸かすから」
《……デモアイツナラヤリカネナイカモナ》ボソッ
「ん?ハロ、今何か言った?」
《ナニモイッテナイゾ》
「そう?」
《ソレヨリ、マチュハ オトナシク スワッテイロ》
「えー?でも……」
「お湯沸かすだけだから、ハロの言う通り座ってて」
「……分かったよ」 - 43二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 11:42:52
「……パックのお茶なのに、何だかマチュが淹れてくれた方が美味しい気がする」
「気のせいじゃない?私、特に淹れ方とか気にせず普通にじゃばばってお湯注いでるし」
「そうかな……」
「それより食べようよ。せっかく温めたのに冷めちゃうよ」
「そうだね」
「それじゃあ、いただきます」
「……いただきます」
「唐揚げちょっと貰ってくれない?やっぱり多いと思うからさ」
「うん……ハンバーグ、少し食べる?」
「……いいの?」
「うん……はい、どうぞ」
「ありがとう……じゃあ唐揚げもう一個あげる」
「唐揚げ、半分以上僕の方に来ちゃったけど……」
「豪勢じゃん」
「もっと食べなよ。君、ただでさえ細いんだから」
「私のお腹、そんなに入らないから」
「たしかに薄そうだけど……」
「薄いって何よ」
「……」
「ん?どうかした?そんなにジッと見て……服に何かついてる?」
「い、いや……なんでもないよ……」 - 44二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 12:30:37
読み返しててGQ世界の1年後のGQシュウジかと最初思ってたけど推定シャアと知り合いみたいだしGQ世界じゃ無かったりする?でもマチュとニャアンが何処かに所属しているように見えるしウーンわからん続きが楽しみ
- 45二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 17:10:40
「ご馳走様でした」
「ご馳走様でした……片付けちゃうね」
「いいよ、それくらい自分でやるから」
「怪我人さんは座ってて」
「過保護すぎるって」
「心配くらいさせてよ」
「むぅ……」
《オテツダイ、スル?》
「ありがとうチャット。じゃあ、このお弁当の空箱キッチンに運んでくれるかな」
《マカセテ!》
「じゃあ乗せるね」
(……なんか親子みたい……そもそもチャットはシュウジが作ったんだし、間違ってないか)
《マチュ、ドウシタ?》
「んー……何でもないよ」
《ソウカ》
「……そういえばハロ。アンタ半年くらい前から調子悪かったけど、どれくらい前の事まで覚えてるの?」
《ニャアント チキュウデ クラシテタ》
「うん……なんかもっと、具体的なエピソードは覚えてない?」
《ウゥン……》 - 46二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 17:17:19
《カニ……》
「かに?」
《ビーチデ ニャアンガ ユビハサマレテ ヒメイアゲテタ》
「……あー……飲み物取ろうとしたニャアンが指挟まれて飛び上がってたあれか!そういえばあの時、大騒ぎするニャアンに蹴り飛ばされて砂に埋まってたね……」
「……」
「まさか……」
《アレイライ、スコシボンヤリシテル》
「……いや、うん……ニャアンは悪くない……砂が入り込んでるかもしれなかったのにちゃんとメンテしなかった私の責任だ……」
《ソモソモ パーツモ フルクナッテタ》
《ニャアンモ アヤマッテタ ワザトジャナイ》
《マチュノセイデモ ニャアンノセイデモ ナイゾ》
「……ありがとう。でも、そっか……それなら……あの日の事も、よく覚えてないんだね」ボソッ
《アノヒ?》
「……」
《マチュ、アノヒッテ、ナンダ?》
「……彼が帰ったら、話すから……それまで、待ってて」ヒソッ
《……ワカッタ》 - 47二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 18:24:48
「お待たせ」
「ありがとう。悪いね、任せちゃって」
「いいよ、いつもやってるし」
「……シュウジってさ、なんか……意外と色々出来るよね」
「そうかな?」
「買い出しにも行ってくれるし、買って来たものの整理とかそういう食べた後の片付けもしてくれるし……失礼だと思うけど、正直、ちょっと意外」
「うーん……まぁ、僕もあんまり覚える気は無かったんだけど……今の部屋に住ませてもらう事に決まった時に、一人暮らしがしたいならせめて自分の身の回りの事くらい出来るようになりなさいって言われて、ひと通り叩き込まれたんだ」
「……そうなんだ」
「面倒だったけど、教えて貰わなかったら生活破綻してたかもしれないなって、今は思うよ」
「じゃあ、感謝しないとだね」
「うん……ちょっと鬱陶しいけど、彼に引き取って貰えなかったら今頃どうなってたか分からないし」
「……」
「感謝はしてるんだよ、本当に。鬱陶しいけど」
「……2回も言った」
「だって、普段はあんまり干渉して来ないのにこっちから声かけたら長文メール送って来たりするんだよ。しかもお節介とお説教付きで」
「うーん……それはたしかにちょっと……」
「この間も……」
「この間も?」
「あー……いや、何でもない……」
「えー、なにそれ?」
「き、気にしないで。本当に、くだらない事だから……」
「ふーん?」 - 48二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:08:56
「さて。それじゃあ早速、映画見ようか」
「何持って来てくれたの?」
「アニメーション映画と、少し前に話題になってたアクション映画も持って来たよ。あともう一本あるけど……旧世紀の映画の中でもかなり古いんだよね」
「そうなの?」
「画面が白黒なんだよ。でも色褪せない名作って書かれてて、気になって思わず借りて来ちゃった」
「へぇー、いいじゃん……あっ、これ……」
「上映期間、終わっちゃってたから」
「そっか……」
「でもおかげで続編も一緒に借りて来られたよ」
「一日で何本の映画見る気?」
「全部を今日見なくて良いんだよ。外に出られない君の暇つぶしにでもなれば」
「……ありがとう」
「うん。それで、どれにする?」
「うーん……やっぱり、これかな」
「……いいの?」
「うん。一緒に観に行く約束だったしね。画面小さいし音響も映画館とは比べ物にもならないけど……」
「そうだね……チャットに映写機能でもつけておけば良かったかな?」
「え?……ふふっ、何言ってんの」
「!……へへっ」 - 49二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 23:37:16
「面白かった〜!ね、チャット」
《オモシロカッタ!》
「ハロはどう?観るの初めてだよね」
《イイパンチダッタ》
「だよね!やっぱり何度見てもあのパンチシーンスカッとするよ!面白い作品ってやっぱり時代を問わないんだね」
「……」
「シュウジ?黙りこくっちゃってどうしたの?面白くなかった?」
「ううん……映像もストーリーも凄く良かった。一人一人の表情がかなり細かく変化するから感情もしっかり伝わって来るし、でもくどすぎないから観てて違和感も無い。質感の表現も凄かったな……特に服の生地とか、観てるだけで肌触りが想像出来た。CGだからこそ出来る表現をこれ以上無いくらいよく活かしてて…… それに氷やガラスに映る細かい光の反射や炎の揺らぎ…… BGMや歌も各シーンによく合ってたし、氷の城を作る所の表現とか特に凄い……音楽とキャクターの動きに合わせた滑らかなカメラワークを引きと接写で使い分けてその場面の……って、あ……」
「……」
《……》
《?》
「ご、ごめん……」
「いや、大丈夫だけど……映画、好きなの?」
「……あんまり見たこと自体無い、かも」
「そうなんだ」
「でも……そうだね、好きなのかも……うん、今日好きになった。ここの制作スタジオの映画他にも観てみたいな……それにもしまたリバイバル上映する機会があったら映画館でも観たいし」
「……ごめん、私のせいで……」
「謝らないで。むしろ、君のおかげで好きな物が見つかったんだから」
「……そうかな」
「うん」
「……なら、良かったって思っておく」
「ふふ、うん」
「……続編の方も観る?」
「うん……でも、ちょっと休憩しよう……」
「何でそんな汗かいてるの?部屋暑かった?」
「いやぁ……あはは……」 - 50二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 06:43:45
ででにー好きなマチュかわいいな…
- 51二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 06:53:21
>氷の城を作る所の表現
皆で見てた映画ってア●雪か…?
- 52二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 12:33:59
うーん…これは好きなものについて早口になってしまう普通の男の子
- 53二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 13:17:14
「あ……もうこんな時間か……」
「え?……本当だ。外真っ暗だね」
「随分と長居しちゃったね。ハロも問題無さそうだし、もう帰るよ」
「そっか」
カタカタカタ
《シュウジ、カエルノ?》
「うん」
「今日はチャットもシュウジと一緒に帰るんだよ」
《ボクモ?》
「うん。たくさんお手伝いしてくれたから、疲れたり怪我してないかシュウジが診てくれるって」
《……ボク、ケガシテナイ》
「見えない所に傷あったりするかもしれないでしょ?」
《ウー……》
「どうしたの?」
《……》
《ダイジョウブダゾ、チャット》
「ハロ?」
「……問題が無ければすぐに帰って来れるよ」
《ホントウ?》
「うん。マチュに安心してもらう為にも、今日は僕と一緒に来てね」
《……ワカッタ》 - 54二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 19:34:15
「……シュウジ」
「なに?」
「あの言い方だと、チャット……」
「随分と君に懐いてるからね。僕よりも君と過ごした時間の方が長いし」
「……シュウジはそれでいいの?」
「……今、どうするのがチャットにとって1番良いのか……色々と考えてる所なんだ」
「そう……」
「……点検が終わって問題が無かったら、また……もう少しだけ、君に任せてもいいかな?」
「……うん……あのさ」
「うん?」
「今日、ありがとう。ハロのこと連れて来てくれて……」
「ううん……僕の方こそ、急に押しかけて居座ったりして……」
「たしかにちょっと急だったね」
「ご、ごめん……」
「でも……楽しかった。誰かとこんなに賑やかに過ごすのなんて、凄くひさしぶりだったし」
「そっか……」
「うん。だから……ありがとう」
「……うん。じゃあ、また。おやすみ」
「おやすみ」
《マチュ、ハロ!オヤスミー!》ウィーンカシャカシャ
「おやすみ、チャット」
《オヤスミ》 - 55二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 22:44:01
二人のやり取りに癒される…
- 56二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 06:52:28
《ヤダー!》カタカタカタカタ
「ちょっ チャット、待って。走り回らないで、危ないから」
《ヤダ!ヤー!》カタカタカタ
「怖くないからっ、ほら、こっちおいで」
《ヤダ!マチュ!マチュー!》
「すぐに会えるから、問題ないか少し調べるだけだから」
《ヤダ!スリープヤダ!》
「そんな調子でマチュのところではどうしてたのさ……」
《マチュトイッショ、スリープコワクナイ!マチュオコシテクレル!》
「!」
《スリープコワイ!マックラコワイ!マチュ!マチュー!》
「……まいったな……流石にこれでまたマチュに宥めるのを頼む訳にもいかないし……」
《ウー……!》
「……必ず起こすよ、約束する。点検が終わったら、すぐにマチュの所に帰すよ」
《……ホントウニ?》
「本当に」
《ゼッタイ?》
「絶対だよ。マチュを悲しませるような事、しないよ」
《……ワカッタ》
カタカタカタ
《……マタ アエル?》
「うん。必ず……だから今は、おやすみ、チャット」
《……オヤスミ》
「……」
(嫌がるのも当然だよね……スリープモードにした後電源落として仕舞い込んだりしてたし……マチュに会わなければ、チャットはあのまま……)
(やっぱり、チャットはマチュに任せるべきなのかもしれないな。今度、改めてお願いしよう) - 57二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 07:02:24
読んでるこちら側がチャットに庇護欲が湧いてしまうのは何故だ
- 58二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 08:28:32
チャットはコンチではないんだろう
- 59二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 16:13:52
気になる要素がちらほら出てきている……続きに期待
- 60二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 19:28:59
そっかスリープ苦手になっちゃってるのか…譲渡するか悩んでたみたいだけど少し会話してチャットとの仲が回復しないかなぁ
- 61二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 22:10:41
カチャ、カタン、カチャカチャ……
《へぇー、じゃありんごちゃんの怪我大分良くなったんだな》
「うん。でも痛みがマシになったらこれまでジッとしてなきゃいけなかった分動こうとするんだよね……」
《ははは、お転婆なんだな》
「お転婆っていうか……落ち着きが無い訳ではないんだけど、どうも不自由だった反動で動き回りたくなるみたい。今日も杖使わずに玄関まで歩いて来て転びかけてたし」
《ええっ、大丈夫だったのかよ?》
「うん。転ぶ前に支えられたから」
《……ふーん?》
「……なに?その含みのありそうな声は」
《べっつにぃー?》
「声笑ってるの分かってるからね。何?」
《いやいや大したことじゃねーから!っていうかさ、お前今日1日りんごちゃんと2人っきりで過ごして何も無かったのか?》
「な……何も無いよ。そもそもハロとチャットが一緒だから2人っきりではなかったし」
《カーッ!好きな女の子の部屋で1日中一緒に過ごしたってのに何の進展も無いとか!お前それでも男か⁉︎》
「い、いや進展とか……そんな目的で行ったんじゃ、ないし……そもそも彼女怪我人だし……」
《そこは補助の名目で手ぇ繋ぐとかさ……》
「そういうのはやろうとしても躱されるんだよ……」
《実践済みだったかー》
「い、いや下心は無かったんだよ。でもなんか……やっぱりそういう直接触れ合ったりするのは避けられてる感じがあるというか……」
《ガード硬いなりんごちゃん……》
「警戒されてるのかな……」
《でもその割には部屋に入れてくれたり結構信用されてるっぽいよな……やっぱちょっと不思議な距離感だよ、お前達》
「そうかな……」
《てかさっきからなんかカチャカチャ音してるけど何してるんだ?》
「チャットのメンテナンス中」
《へぇー……本当に器用だよな、お前。自作のロボットも作っちまうし。さすが、工科大目指してるだけあるわ》
「まぁね」 - 62二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 06:58:53
いいなぁ日常パート
- 63二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:29:22
トマトちゃんではないのか
- 64二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 12:45:33
カチッ
ピピッ、ウィーン
パラピロピロ
カシャンッ
《Ciao!》
「おはよう、チャット」
《……シュウジ?》
「うん。約束したでしょ?ちゃんと起こすって」
《……ウン》
「チャット?」
《……シュウジ!Ciao!》
「……うん。チャオ、チャット。調子はどう?」
《ウーン》カタカタカタ、ウィーン
《ゲンキイッパイ!》
「よかった。少し緩んでる所があったから締め直したんだけど、動き辛かったりもしなそうだね」
《ナイヨ!イイカンジ!》
「よかった。これでいつでもマチュの所に帰れるけど……チャットからは要望とかは特に無い?」
《ヨウボウ?》
「塗装し直してほしいとか、新しいアームが欲しいとか……」
《……テ!》
「て?」
《テ、ホシイ!ツカメルテ!ハンド!》
「なるほど、手か……何か掴めるようになりたいの?」
《マチュ、クスリ ユカニ オトシタ。ボク、ヒロッタケド、ムズカシカッタ》
「ああ……そっか、そのアームだと何かを拾ったりするのには向いてないからね」
《ダカラボク、テ、ホシイ!》
「そっか、分かったよ。でも手か……あんまり複雑な構造には出来ないし……うーん……」 - 65二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 14:12:18
《テ、ムリ?》
「……いや、無理じゃないよ。要するに物が掴めるようになればいいんだから……ちょっと待ってね。えっと、ノートは……あった」さらさらさら
「……こんな感じでどうかな」
《?コレ、テ?》
「手ではないかもしれないけど、物を掴むのに不足は無いよ。それに、マチュが君の事カニみたいって言ってたからね。この新しいアーム見たらきっと更にカニっぽくなったって笑ってくれるんじゃないかな。可愛いって」
《カワイイト、マチュヨロコブ?》
「うん」
《ジャア、コレ!》
「分かった。じゃあ、少し待ってて。材料揃えて来るから」
《オカイモノ?》
「うん」
《ボクモイク!ボクノ アタラシイアーム サガス!》
「うーん……そうだね、それじゃあ一緒に行こうか」
《オデカケ!オデカケ!ワーイ!》
「はしゃぎ過ぎだよ……あ、そうだ……マチュにもう暫くの間チャットこっちで預かるって伝えておかないと」
「……うん、これでよし。それじゃあ出掛けようか」
《シュウジ!ハヤク!》
「今行くよ」 - 66二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 15:51:47
- 67二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:01:01
チャットに萌えてきた
- 68二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:23:42
《……という訳で、もう少しチャットはこっちに居ることになったんだ》
「なるほどね……何か問題が見つかったとかじゃなくて良かったよ」
《ごめんね、ちゃんと説明しなくて》
「いや、大丈夫。そもそもはハロを修理してもらってる間だけ預かるって話だったし……」
《そんな事言うとチャットが寂しがるよ》
「えっ、チャットも聞いてるのっ?」
《ううん。今はテレビ見てるよ》
「びっくりした……」
《あはは、ごめんね》
「もぉ…… でもまぁ、ふたりで過ごす良い機会なんじゃない?たくさん話してあげなよ」
《うん》
「それじゃあ、あんまり作業の邪魔しても悪いし、もう切るね」
《あ……うん。また連絡するね》
「じゃあね」プツッ
《チャットハ ダイジョウブ ダッタカ?》
「うん。新しいアーム増やしてほしいってシュウジにお願いしたんだって」
《ナルホド。アームガアルト イロイロ ベンリダカラナ》
「……ハロもアーム欲しかったりする?」
《トクニハ ヒツヨウナイゾ》
「そう?」
《ホシイト イッタラ ドウスルツモリダッタ?》
「え?」
《オカネ カカルゾ。メカニックモ サガスノ テマダゾ》
「お金は問題無いし……やってくれる技術者は……ネットで調べるよ」
《ソウカ》
「……」
《マチュ?ドウシタ?》
「……なんでも、ない」 - 69二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 01:07:04
いるだろ!メカニック!チャット作った人が!
多分頑張って応えてくれるぞ! - 70二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 06:31:56
見た目が本人だけど別人だから躊躇しているのか?
- 71二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 12:36:54
続け―
- 72二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 12:47:10
受験生にこれ以上負担かけるのもよくないしね
- 73二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 13:04:02
普通の少年として平和に生きてるシュウジを戦いの世界に近付けたくないのも大きいと思う
シュウジの優しさは誰よりも痛いほど知ってるから - 74ポメ主25/07/20(日) 13:18:27
- 75二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 13:23:22
承知しましたー
あまり無理せず、更新をお待ちしております - 76二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 14:57:14
じゃあ、保守しときますね
- 77二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 21:57:38
ポメ主かわいい
- 78二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:02:20
「せっかくの夏休みでも遊んでばかりはいられないのが受験生の悲しい性なんだね……」
「お互いに頑張ろうな、イトウ。あと数ヶ月の辛抱だ」
「そうだね……入試に落ちる時は君も一緒だからね……」
「いや俺は合格したらそのまま進学するけど」
「裏切り者……」
「真面目にコツコツやって来なかった自分を恨むんだな」
「くそぅ……」
「勉強が嫌過ぎてイトウのテンションが今日もおかしいな……ところでさぁ……なんでオレ、イトウとキタムラの受験勉強に巻き込まれてんの?」
「その分夏休みの宿題手伝ってやってるだろ。ニシモリはスポーツ推薦貰ってるんだし、一般入試の俺達に少しは付き合え」
「えー……いーけどさぁ……」
「えっと……U.C.0079に1年戦争が……」
「お前また同じ所やってんのかよ……イトウってなんでそんなに近代史苦手なんだ?」
「分からない……自分でも理由は分からないけどなんか変に混乱する……」
「……まぁ、コレに関しては仕方ないのかもしれないな……」
「それにしたって、なんか1年戦争の辺りから変にごちゃってるよな。その前は問題無いのに」
「この前なんか何故か保護者さんの奥さんが戦争に参加してたとかシャア・アズナブルのM.A.V.だとか言い出して何が何やらだったよな」
「うん、自分でも分かってる。なんかおかしいなってのは分かってるよ。でも何故かめちゃくちゃ混乱するんだ……シャア・アズナブルが戦死したのは……えっと……あれ?……シャアって戦死してるよね?」
「一応は行方不明って扱いだけど……まーMIAって書いとけばおっけーだろ」
「……なんか集中出来ないし、いったん休憩するか。そこのカフェでなんか飲もう」
「そうだな」
「頭がぐるぐるする……」 - 79二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:07:01
おや…?なにか受信しているような…?
- 80二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:08:32
世界を巡りすぎてワケワカになったか?
- 81二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 04:11:40
ララァの夢みたいに無意識下で情報が流れ込んでるのか…?
- 82二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 08:22:23
どこから受信してるのやら……
- 83二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 08:42:54
別人じゃなく記憶を失くした本人かもしれない…?
- 84ポメ主25/07/21(月) 09:12:46
- 85二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 16:37:55
- 86二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:27:39
チャットの中に誰かがいるような気がしてならないしループのしすぎで世界線がこんがらがってる感じ
続きがとてもたのしみ - 87二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 00:33:51
気になる展開
- 88二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 01:29:29
「……じゃあどんなアームにするかは決まってるんだな」
「うん。買い物中、チャットがはしゃいじゃって大変だったよ。彼女が怪我しちゃったのもあって向こうに居た時は殆ど外出とか出来なかったらしいし」
「へぇ……なんか意外だな。色んな所連れ回しそうなタイプだと思ってた」
「りんごちゃんって、結構インドア派なのか?」
「ううん。単純に、チャットが結構重くて大きいからあんまり外に連れ出せなかったんだと思うよ。抱えて歩くのも大変だし、そもそも彼女にとっては預かり物だった訳だし」
「そっか……でも新しいアーム付け終わったらチャットはりんごちゃんに完全に譲る事にしたんだよな?」
「うん。確認は取れてないけど……彼女が良いって言ってくれるなら、そのまま任せてしまおうかなって。チャットもその方が嬉しいだろうし」
「引き受けてくれそうなのか?」
「かなり可愛がってくれてるし可能性は高いと思うよ。仕事の関係とかで引き取れないって言われる可能性もあるけど……」
「えっ、りんごちゃんって社会人なのか?でもオレ達とそんなに年変わらない筈だよな?」
「あ……」
「……ひょっとして聞いちゃまずい事だったか?」
「いや……その、周りに黙ってバイトしてるらしくて。それで……」
「あぁ、りんごちゃんの秘密だった訳か。じゃあこれ以上聞かない方がいいな」
「うん……そうして」
「……」
「キタムラ?どうかしたか」
「いや……なぁ、イトウ」
「ん?」
「前から聞きたかったんだけど……りんごちゃんって何者なんだ?」
「は?」
「……何者って?」 - 89二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 02:16:04
「いきなりどうしたんだよ」
「いきなりじゃない。ずっと気になってた事だよ」
「だからって何者って言い方は無いだろ」
「それ以外に言いようが無いんだよ。名前については、まぁお前の言い分も分かるよ。でも年齢は?最寄りの駅は?何の仕事をしてる?家族は?学校には通ってるのか?……そもそもりんごちゃんは、正規の市民なのか?……お前、どれくらい彼女の事情を知ってるんだ?」
「……」
「……いくつかは知ってそうだな」
「……」
「でも言えないんだな。そんなに変な事聞いた訳じゃないのに」
「……個人情報だよ」
「それは個人情報だから“言わない”のか?それともそれ以外に“言えない”事情でもあるのか?それとも……“知らない”のか?」
「……」
「おい、キタムラ」
「ニシモリは黙っててくれ……別に、さっきの質問も本気で答えろって言ってるわけじゃない。ただ、こんな普通の情報すら何ひとつ話せないのって、流石におかしいって思うだろ?……お前だって、俺達に自分の事情を全部じゃなくても説明してくれてる。じゃあ、りんごちゃんはどうなんだ?」
「……」
「お前の話を聞く限りだとりんごちゃんは可愛くて面倒見の良い、良い子だよ。最近はお前もよく笑うようになったし、良い影響を受けてるのも分かる。でもそれを差し引いたって怪しいところが多いし、お前に対する態度もちょっと変だ」
「……それは、オレもちょっと思ってた……一人暮らしの部屋に入れるくらいには信用してる割に、なんつーか……深くは踏み込ませないようにしてるよなって」
「……」 - 90二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 03:04:52
周りから見たら本編シュウジと同じく不思議で不穏な存在だもんなあ
- 91二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 03:06:24
「目立たない場所にあって人気の少ないファミレスで、いつも会ってるんだよな?それにあの焼き肉の店。どうしてりんごちゃんはあんな入り組んだ所にある店を知ってたんだ?何であの辺り一帯の道を知ってるんだ?普通に暮らしてたら必要ない知識だろ」
「……何が言いたいの」
「人目を避けるような暮らしをしているんじゃないかって言ってるんだよ」
「……えっと……な、難民って事か?」
「もしくは不法移民か」
「……もしそうだとして、それが何か問題ある?」
「大有りだろ。りんごちゃん本人が良い子だとしても、その仕事の関係で本人すら知らないうちにヤバい事に関わってるかもしれないんだぞ」
「……難民や不法移民だったら全員犯罪者だとでも思ってるの?」
「そうじゃない。ただ、そういう奴らは表で生きていけないような事して生活してるだろ。だから……」
「君に心配されるような事は何も無いよ。彼女の仕事はそんな後ろ指を差されるようなものじゃない」
「ならどうして人目を避けるような生活してるんだよ。チャットを連れて外に出掛けなかったのは、本当にお前が言うような理由なのか?それに、りんごちゃんの怪我。お前、怪我の理由話した時ちょっと悩んでたよな?ニシモリの解説で有耶無耶になったけど、本当は別の理由で怪我したんじゃないのか?」
「それは……」
「……お前の気持ちは否定しないけどさ……お前だって、そんなに隠し事だらけで嘘吐いてまで誤魔化さなきゃならないような事してる子と、いつまでも今と同じ関係続けられるなんて思ってる訳じゃないんだろ」
「……っ」
「あのさ……オレもちょっと気になってたんだけど……イトウ、お前……りんごちゃんとの距離縮めたがる割に、具体的にどんな関係になりたいとか言った事なかったよな?」
「……」
「お前、彼女とどうなりたいんだ?」
「……」
「僕は……」 - 92二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 04:31:08
この状況でマチュが向こう側のシュウジ好きなの知るのって劇薬じゃね…?
- 93二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 05:15:00
自分のそっくりさんが相手となると好きな人が別世界から来ましたとはまた別ベクトルで脳が壊れるわ
- 94二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 08:56:12
本編の立場が逆転したみたい
- 95二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 09:34:57
(いつもなら3人でテキトーな店で飯食って帰るけど……流石に今日はそういう空気にならなかったな)
(イトウのやつ、大丈夫かな……キタムラは言い方はちょっとアレだったけど、イトウを心配してるんだって分かってくれてるとは思うけど……)
(まさかあのイトウの恋路でこんなに悩む事になるとはなー……)
(りんごちゃん、イトウのことどう思ってるんだろうなー……イトウの方は結構分かり易く好きなの態度に出てる筈なのに何にも言って来ないみたいだし……向こうもちょっと天然で気付いてないだけ疑惑もあるけど……全くの脈なしではなさそうなんだけどな……)
(いつもつまんない顔して死んだ目でただぼうっとしてるだけだったイトウがあれだけ感情も表情も豊かに笑うようになったのは、絶対にりんごちゃんの影響だ。頼むから悲しい事にはならないでくれよ……)
(……ん?)
(なんだ?あの女の人……もう夜なのにサングラス付けてるとか、美人っぽいのに変な奴……)
(関わりたくねーし、さっさと帰ろーっと)
「……」
「ここが、今マチュが居るコロニー……」
「はぁ……ようやく着いた……検閲だの何だのって、うるさいんだから…… それにしても、ジフレドも無いのにこんなにこき使われるなんて……ヒゲ仮面さんってば容赦無いんだから……」
(ピロピロピロ)
「うん……ちゃんと分かってるよ。自分のせいだっていうのは……私がワカワカになって暴れてたせいで重要な情報を調べるのが難しくなっちゃったし、そのせいで事態の解決が長引いてるのも……でもまさかこんなに長い間マチュと会えなくなるなんて思ってなかったよ……」
(ピピコピロピロ)
「……そうだね。もうすぐマチュに会えるんだから、元気出さなきゃ」
(ピロピロ!)
「マチュ、元気かな……怪我したって聞いたけど、良くなってるかな……」
(ピコピコピコ)
「こんなに長い間離れ離れになるの久しぶりだもん。早く会いたいなぁ……」
(ピロピロピロ)
「うん、早く行こうか。えっと、この住所によると……」 - 96二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 09:51:35
話が勢いよく動き出してるな…
ジフレドは無しか - 97二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 10:05:21
でも本編マチュには居なかったタイプの身近な人達だなキタムラとニシモリ良い友達だ
- 98二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 11:10:17
シュウジを見たニャアンの反応が気になる
- 99二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 20:04:36
>もう夜なのにサングラス付けてるとか、美人っぽいのに変な奴……
目立ち過ぎだろ…
- 100二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 20:15:46
(僕は……マチュとどうなりたいんだろう……)
(マチュは……確かにたくさんの隠し事がある。本当の名前や誕生日、家族の事、どんな学校に通っていたのかも、どうして傭兵になったのかも僕は知らない。でもプロフィールを知る事って、そんなに重要な事かな)
(彼女は、僕自身も気付いていなかった僕の事を見つけ出してくれる。上手く言葉に出来なかった不満をちゃんと理解して、共感してくれた)
(僕は……マチュと居ると楽しい。彼女の側ではいつもの自分っぽくない瞬間も多いけど、そんな感情が自分の中にある事に驚いたし、感情に振り回されてる自分の事も……嫌いじゃない)
(それに……マチュの側は、居心地が良いんだ。本当はずっと、いつまでも一緒に居たい)
(でも……マチュはいつか、このコロニーを出て行く。それを縛るような事は……出来ないし、したくない)
(僕は……大学に進学して、技術者としての資格を取って……それで……それで……?)
(……)
(……大学に行く事は、嫌じゃない。ハロの修理をした事も、チャットの新しいアームを作るのも楽しいし、それを仕事にする事も嫌じゃない)
(……それを知れたのは、マチュに出会えたからだ。彼女に会えなければ、きっと何かに熱中する事は楽しいんだって思い出せなかったし、誰かと一緒に過ごす事の心地良さも分からないままだった)
(自分の殻に閉じ籠もって、頭と心の空白を埋めるために何冊ものスケッチブックを塗り潰して、色んな回路をたたひたすらに弄くり回して作っては壊して……そんな事ばかりをしていた)
(僕を思ってくれている人達の好意にも、きっと気付けないまま……)
(……)
(……このまま何も伝えずにずるずると今の関係を続けて離れ離れになったら……僕はきっと……いや、絶対に後悔する)
(でも……どうしてだろう……)
(今のまま伝えるのは、絶対にダメだって予感がある)
(何か、取り返しのつかない事になってしまうような……そんな気がする……)
(……彼女が何者でも関係ない……でも……)
(僕はきっと、知らなきゃいけない。マチュの事、そして……僕自身の事も) - 101二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 22:58:06
保守
- 102二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 04:48:18
保守
- 103二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 06:42:28
めっちゃ続きが気になるー!
頑張れイトウくん - 104二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 09:21:44
ピンポーン
「?、シュウジ……じゃ、ないよね。連絡来てないし……こんな時間に誰だろ……」
《マチュ、シンチョウニ カクニンシロ》
「うん」
《チェーンハ、ゼッタイニ ハズスナヨ》
「分かってるって……念の為、『お守り』も持って行くか……はぁ……いくら安いからって、インターフォンにカメラも無いアパート借りたの失敗だったな……チェーンロックあるだけマシだけど……」
(さてと、誰、が……)
「えっ……ニャアン⁉︎」
ガチャガチャ、ガチャッ
「あっ!マチュ!ひさしぶり!」
「ひさしぶり!でもとりあえず早く中に入って!」
「えっ?あ、うん……」
ガチャンッ
「マチュ?どうしたの?」
「……ニャアン……こんな時間に1人でここまで来たの……?」
「え?うん」
「……次から夜には出歩かないで。ここ、イズマコロニーよりも治安良くなくてさ……夜になると女の子の独り歩きを狙った変質者とかもたまに出るから……私も前に遭遇しちゃって、それ以来夜の外歩きは出来る限り控えてるし……」
「そ、そうなのっ⁉︎」
「うん。まぁ返り討ちにしたけど……ていうか、まさかその格好でここまで来たの……?」
「え?うん」
「……」
(夜中にサングラスかけて歩き回るヤンキーみたいな格好した女の子に近付く度胸のある変質者は流石に居ないか……コンチも暗がりで見たら変な箱を頭に被ってるように見えるだろうし……ニャアンの不審さが功を奏したか……) - 105二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 11:28:46
「じゃあ改めて……ひさしぶり、マチュ」
「そうだね。ひさしぶりニャアン、コンチも。元気そうじゃん」
(ピロピロピロ)
《ヒサシブリダナ ニャアン、コンチ》
「ハロ!元気になったんだね!」
(ピーピピコピコ)
「機械に強い知り合いが出来てさ。その人がハロを診てくれたんだ」
「そうなんだ!良かった……マチュはどう?怪我したって聞いたけど……」
「うーん……まぁ、治りかけって所かな」
「治りかけって……そんなに酷い怪我だったの?」
「まぁ、ちょっと骨にヒビ入っちゃってね」
「えぇっ⁉︎」
「もう殆ど治ってるよ。長い事こっちの足に体重かけないように生活してたせいでたまにバランス崩すしまだちょっと痛いけど……すぐに元通りになるよ」
「……」
「どうしたの?」
「そんな酷い怪我だったなら、もっと早くに来れれば良かったのに……って思っちゃって……1番大変な時に側に居られなかったなんて……」
「あー……まぁ、大丈夫。何とかなったよ」
「ジオンの人が生活助けてくれたの?コモリんさんとか」
「流石にコモリんにそんな暇無いよ……でも買い出しとかの手助けしてくれる人は居るから、何とかなってるよ」
「そっか……でも明日からは、私がマチュを支えるからね!」
「いや、もう殆ど治ってるから大丈夫だよ」
「そんなぁ……」 - 106二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 20:12:16
「……そうだなー、じゃあ、リハビリに付き合ってもらおうかな。元通りに動けるようになるまでちょっとかかるだろうし」
「任せて!……マチュの手助けしてくれてた人にも、お礼言わなきゃね。その人、明日も来る?」
「……あー……いや、明日からは……来ないよ」
「えっ、どうして?」
「……一般人なんだよ、その人。ニャアンが来てくれたのなら、もうこれ以上こんな治安の悪い場所に来て貰う必要も無いと思うし」
「そっか……そうだね。一般人を巻き込むのは……ダメだよね」
「耳が痛いって顔してる」
「い、いじわる言わないでよぉ……」
「あはは」
「もう……」
「さてと、色々と話したい事あるけど……今日はもう遅いし、明日にしようか」
「そうだね」
……
………
(……)ゴロン
(……だめだ、眠れない……水でも飲むか……)
バコッ、トクトクトク……パタン
コクコク……
「ふぅ……」
(あれからもう、一年か……ニャアンがここに来たって事は……もうすぐこの一連の件にもケリがつくんだろうな。もうすぐ、このコロニーともお別れか……)
(シュウジとも……)
(……ずっと考えないようにしてたけど……たぶん、シュウジは……私のこと……)
(……何も言わずにってわけにはいかないもんね……わけも分からずに置いていかれるのは……辛いもん)
(……)
(幸せで居てくれるのなら、それでいい……そうでしょう?……幸せで、居てくれるのなら……)
(でも……シュウジにとっての幸せって……何なんだろう……?) - 107二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 01:23:44
保守
- 108二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 06:33:31
保守
- 109二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 11:04:01
保守
- 110二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 11:39:09
ポコン
「……ん……寝ちゃってたのか……もう朝……?」
「……9時過ぎてる……起きなきゃ……」
「ふわぁ……あー……なんか全然寝た気しないな……」
「……」
「……これからどうしよう……」
「……」
カタカタカタ
《シュウジ、オキタ?》
「ああ……おはよう、チャット」
《オハヨウ!シュウジ、ボクノアーム!》
「うん、分かってるよ。ちゃんと作るから……でもその前に顔洗いたいし、朝ごはんも食べなきゃ……あんまり、食欲無いけど……」
《シュウジ、オナカ スイテナイ?ゴハン タベルノ イヤ?》
「そういうわけじゃないよ……ん、あれ?メッセ届いてる……マチュからだ。そっか、これでさっき目が覚めたんだ……」
《マチュ?マチュカラ?》
「うん。ちょっと待ってね……え……」
《シュウジ、ドウシタノ?》
「……」
《シュウジ?》 - 111二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 11:50:03
〈突然ごめん。散々お世話になったのにこんな事言うの不義理だとは思うんだけど、今日からはもう、うちに来ないで〉
〈昨日の夜、友達が急に来てさ。住む所まだ決まってないから当分私の部屋に泊める事になったの〉
〈女子の2人暮らしの部屋になるからシュウジに来て貰うのは流石にちょっと……って思ってさ〉
〈それに心配性で人見知りな子だから、何も無かったとしても一人暮らししてた頃に男の子部屋に上げてたって知ったら凄く動揺するし心配かけちゃうと思うんだ〉
〈沢山助けて貰ったのに勝手な事言って、本当にごめんなさい〉
〈チャットの新しいアームが出来たら会いたいから、また連絡ちょうだい〉
《シュウジ、ドウシタノ?》
「……チャット……」
《マチュ、ナンテ?》
「……アーム、作ろう」
《アーム?マチュ、ボクノアーム ツクッテッテ、イッタノ?》
「……違う、拒絶されたわけじゃない。そもそも一人暮らしの女の子の部屋に当たり前みたいに通ってた事がおかしいだけなんだから……会いたいって言ってるし……でもこれ会いたいのは僕じゃなくてチャットになんじゃ……」ブツブツ
《シュウジ、アサゴハンハ?》
「……いらない……今は、何も食べたくない……」 - 112二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 19:47:08
拗れてきてる…
- 113二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 21:59:04
「そういえば、マチュ。シュウちゃんの様子はどうなの?」
「っ⁉︎」
「どうしたの?このコロニーに居るんでしょ?」
「ニャアン……どうしてシュウジのこと知ってるの?」
「ヒゲ仮面さんが教えてくれたよ。マチュと別行動するって決まった時に、マチュにはシュウちゃんの護衛を頼む事になったって聞いたけど……違うの?」
「……正確にはちょっと違うけど……そっか、ヒゲマンからかぁ……」
「シュウちゃん、元気にしてるの?」
「……うん。元気だよ」
「そっか。良かった」
「……会いたいとか、言わないんだね」
「だって、私の事を知らないシュウちゃんなんでしょ?私が大好きなシュウちゃんは、マチュとMAVを組んでクラバに出て、私とも仲良くしてくれたシュウちゃんだよ」
「……そっか」
「マチュはどうなの?会いたい?」
「あー……実はね……」
「ん?」
「もうとっくに会ってる……」
「え?」
「しかも結構何度も会ってるし連絡先も交換しちゃってる……」
「え?え?」
「怪我のせいでお釈迦になったけど一緒に出掛ける約束もしてたし、ご飯食べに行ったりもしてました……」
「え?あの、マチュ?」
「昨日はニャアンがシュウジの事知らないと思って誤魔化したけどハロの修理もシュウジにして貰ったし怪我で碌に動けない間に代わりに買い出しして貰ったり、あとこの間まで彼の自作のペットロボットを預かってたりもしてました!」
「え?は、え……ええ〜っ⁉︎」
「嘘ついたり黙っててごめーん!」
「な、なんで⁉︎」
「最初は偶然だったの!何故かその後滅茶苦茶追いかけ回されて難民街まで探しに来るようになったからこれ以上危ない場所に来ないようにしないとって考えてたら気付いたらこうなってたの!」
「シュウちゃん⁉︎何やってるの⁉︎」
「なんなら会うの普通に楽しくなってたし!何やってんの私ってば!お尋ね者の癖に!」
「マチュ⁉︎お、おぉ落ち着いて!」 - 114二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 22:13:57
仕事内容が護衛に近いものって本当にシュウジ何者なんだ…
- 115二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 07:12:29
保守
- 116二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 08:12:32
カチャカチャカチャ
「ここを……」ブツブツ
《……シュウジ、キュウケイスル》
「……疲れてないから」
《デモ……》
「チャットはテレビでも見てて……あぁ、映画でも見る?この間見た映画作ってるスタジオの他の作品借りて来てあるよ」
《……ウン》
「じゃあちょっと待ってて」
《……》
《シュウジ、ヘン》
《マチュノ メッセミテカラ ヘン》
《マチュ、シュウジニ ナニカアッタラ オシエテイッテタ》
《マチュニ メッセオクル》
キュルキュルキュル……
〈Ciao!マチュ!ボク、チャット〉
〈シュウジのようす、ヘン〉
〈ヘンになったの、マチュのメッセ、ミてから〉
〈ゴハンたべないで、アームつくってる〉
〈キュウケイしない。ボク、どうしたらイイ?〉
ポンッ
……
………
「……え?嘘でしょ、なんで……いや、私のせいか……ああもう……何やってるのさ、本当に……」 - 117二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 08:18:53
チャットの健気さに泣ける
- 118二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 08:22:08
- 119二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 12:44:35
《エイガ、オモシロカッタ!》
「そうだね」
《ウミ、キレイ!》
「うん。とても古い映画なのに、とてもクオリティが高かったね。水の中での動きが本当にとても滑らかでいきいきしてたし、やっぱり音楽も歌もとても良かった」
「……さて、充分休んだし、作業に……あれ、メッセ来てる……マチュからだ」
〈チャットから連絡来たよ〉
〈ご飯も食べずにアーム作ってるって。しかも休憩しないでさ〉
〈朝のメッセで勘違いさせちゃったのかもしれないけど、私の部屋に来るのはもう控えてほしいってだけで、もうシュウジに会うのが嫌とかじゃないからね〉
〈シュウジ受験生なのに毎日のように買い出し頼んじゃってたし、あの辺りは治安もあんまり良くないから無理してほしくなかっただけなの〉
〈書き方悪かったよね、ごめん。買い出しとかゴミ出しとかやってくれて、本当に助かったの。感謝してる〉
〈ちゃんと休憩取って、ご飯も食べて〉
〈それから、あんまりチャットに心配かけちゃダメだよ〉
「あ……」
《シュウジ?ドウシタノ?》
「……チャット、マチュの連絡先知ってたの?」
《マチュガ、シュウジニ ナニカ アッタラ レンラク チョウダイッテ トウロクシタ》
「いつ?」
《ケガ、シタアト》
「そっか……」
《シュウジ、マチュナンテ?》
「……ご飯食べて、ちゃんと休んで、だって」
《ジャア、ゴハンタベル!》
「そうだね……あ、なんか、気が抜けたら急にお腹空いてきたかも……」
《シュウジ、ゲンキニ ナッタ?》
「あはは……うん。我ながら単純だと思うけどね……チャット、ありがとう」
《ワーイ!ナデテ!》
「ふふっ、うん」 - 120二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 15:53:54
チャットのかわゆさが天元突破しそう…ケナゲ
いい子いい子ってナデナデしたい。 - 121二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 18:01:55
ポコンッ
〈連絡ありがとう〉
〈マチュが謝る事じゃないよ。こっちこそ、変な心配かけてごめんね〉
〈大丈夫。それよりもチャットが何も食べてないって心配してたけど、ご飯は食べた?〉
〈さっき食べたよ。インスタントのラーメンだけど〉
〈そういえばチャットに連絡先教えてたんだね。知らなかった〉
〈念の為。悪いね、勝手な事しちゃって〉
〈君がチャットに連絡先教えていてくれたから変に拗れなくて済んだんだよ〉
〈そうだね。チャットに感謝しないと〉
〈うん〉
〈あの、マチュが良ければなんだけど、怪我が良くなったら今度こそ一緒に出掛けない?〉
「……」
〈考えておく〉
「マチュ、そろそろ夕ご飯の買い出し行って来るけど食べたいものある?」
「……ニャアンが食べたいものでいいよ」
「そう?じゃあ、行って来るね」
「うん……行ってらっしゃい」 - 122二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 01:10:29
(……この返しはあんまり気乗りしない感じなのかな……まぁ、そうか。彼女からしてみれば気遣ったのに何故か僕が変な風にヘラったわけだし)
(落ち着いて考えてみれば、別にそんなに変なこと言われてないんだよね……なのに、どうしてあんなにショックだったんだろう……僕ってこんなにメンタル弱かったっけ?)
(マチュにもう会えないかもしれない……ずっとそんな予想はしてたのに、いざそうなるかもってなった途端、どうしようもなく不安になった)
(離れたくない、何とか繋がりを持っていたいって、それしか考えられなくなった……)
(まるで……ひどく辛い別れ方をした事があるみたいな……いや、もしかしたら、そうなのかも)
(僕の中にある大きな空白……思い出せない過去の中に……誰かとの、辛い別れの記憶があるのかもしれない……)
(……いや、“誰か”じゃない)
(マチュ……僕が君と初めて出会ったのは、本当にこのコロニーなの?) - 123二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 06:54:15
あーこの世界線では向こう側のシュウジは精神だけ来て現地シュウジ上書きしてたのかー…
- 124二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 08:15:42
『……シュウ……』
(あの駅でぶつかった時、初対面の筈なのに彼女は僕の名前を呼びそうになって、慌てて逃げて行った)
『シュウジよく食べるもんね』
(何気ない言葉だったけど、だからこそ、僕がよく食べる方だって大して驚いてもいない当たり前の事として話している事に違和感があった……彼女と食事に行ったのは、この時が初めてだったのに)
『……林檎、好きなんだ?』
(それに、どこか懐かしむようだったあの言葉……まるで、今でも好きなんだね、とでも言うような……)
(やっぱりマチュは、僕の事を以前から知っているのかも……それも、それなりに親しい仲だったんじゃないか?でも、それならどうして彼女は何も言ってくれないんだ……?) - 125二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:01:28
(マチュのことを知らなきゃって思ったけど……その前に、そもそも僕自身の事をちゃんと知らないとだよな……僕はいったい何処の生まれなんだろう)
(事故か、何かの事件に巻き込まれたのかは分からないけど……僕は一年くらい前に、地球で倒壊したどこかの研究施設から保護された……らしい。大きな怪我は無かったけど、病院で目を覚ました時には自分の名前さえ覚えていなかった)
(シュウジ・イトウという名前も、その病院で知った)
(年齢的に施設に入れる事は難しいし、記憶が無い以外は体に大きな問題も無いから受けられる支援にも限りがある)
(かと言ってひとりで生きていくには欠けているものが多過ぎた僕の事を、昔の知り合いだったらしいシロウズが引き取って生活の面倒を見たりしてくれている。今の学校に通えているのも、シロウズが戸籍を用意してくれたおかげだ……これには本当に、感謝してる……)
(でも新婚なのに奥さんのララァ共々自分達の時間を後回しにして僕の事ばかり気にしている事に申し訳なさと同時にどうしようもなく苛立って、結局彼らの元から飛び出してきてしまった)
(シロウズに引き取られる前の事は、1年近く経った今でも正直何ひとつ思い出せない)
(世話になってばかりなのに気が進まないけど、やっぱりまずは彼に話を聞くべきかもしれないな)
(マチュが僕を知っていたって事は、少なくともこの名前はたぶん、僕の名前で間違いないんだろう……本当に僕がシュウジ・イトウ本人なら……だけど)
(……過去の記憶が無い事は、まだマチュには話していない……なのにまるで初対面のような態度を取ったという事は……もしかして、僕が記憶喪失だって事を彼女は知っていた……?)
ィィン……
「っ⁉︎、く……っ」
(なんだ、これ……頭が、痛い……目も、チカチカする……この感覚、前にも……っ⁉︎)
キィィン…… - 126二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:05:41
…………もしかして本人?
- 127二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:13:13
研究施設か
それでマチュはあそこまで敵対組織に対して怒ってたのか…? - 128二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:27:47
あーそっか
シュウジの身元が研究機関にばれたらまた狙われるもんな…しかも上澄みのニュータイプだし強化人間みたいに改造されたらたまったもんじゃないわ - 129二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 15:24:58
『一緒にマチュから預かってた君のニット帽。うん、それ被ってる方がしっくり来るね』
《ソウカ?……シュウリ、アリガトウシュウジ》
『どういたしまして』
(ハロ……そうだ、彼も僕の事を知っていた)
(マチュが僕の事を話していたとしても、目を覚ましてすぐにここは何処だ?なんて聞いてきた以上、確実に周囲の状況は把握出来ていなかった)
(不具合があってずっと周囲を感知出来ていなかったハロが、名乗っていないのに僕の名前を呼べたのは僕を知っていたからだ)
『マチュのこと覚えてるって事は、記憶に問題は無さそうだね。良かった』
《マチュハドコニイル?》
『ん?自分の家に居るよ』
《イズマコロニーニカエッテキタノカ》
(イズマコロニー……マチュの故郷……)
(頭、痛い……でも、まだ……)
『……イズマコロニー……そこが、マチュの故郷なの?』
《? ソウダゾ》
『……地球じゃないんだ』
《ナニイッテルンダシュウジ》
「あ……っ⁉︎」
(そうだ、ハロにとって、この情報は“僕が知っていて当然”の事だった。つまり……)
(僕とマチュは、本当はイズマコロニーで出会った……?)
(其処には、マチュだけじゃなく、僕の過去もあるのかもしれない)
(……行ってみよう。イズマコロニーに) - 130二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 15:36:14
指名手配されている事を知るのかな
- 131二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 15:45:50
行、行動力が強い…!
- 132二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 20:15:09
今度はシュウジが飛び出していけ宇宙の彼方するのか…?
- 133二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 23:53:13
ハロはジークアクスの言葉翻訳してるわけでは無さそうかな
- 134二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 23:54:38
イズマコロニーでタマキに会うのかな?
- 135二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 00:00:26
あの橋の下のグラフィティに辿り着くのかな
- 136二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 08:52:37
行動力が高いのがお似合いですね
- 137二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 11:29:46
「……荷造りは……こんなものでいいかな。チケットも予約出来たし、あと何かやる事あるかな……」
《シュウジ、ドコイクノ?》
「えーっと……旅行だよ。チャットはどうする?一緒に来る?それともマチュの所でお留守番する?」
《リョコウ!イク!》
「じゃあ一緒に行こうか」
《ウン!》
(誰かに伝えておくべきだよね。マチュには……どうしよう。止められるかな……黙っているって事は、思い出してほしくないのかもしれないし……行き先は伏せて旅行に行く事だけ伝えればいいか。シロウズには……どうしよう、伝えるべきかな……)
「あ」
《ドウシタノ?》
「いや……ちょっとね……」
《ンン?》
(シロウズが僕と昔からの知り合いで、マチュが僕の記憶の事を知っているかもしれないって事は……もしかしたら、シロウズとマチュもお互いの事知ってたり?流石に考え過ぎかな……)
(うーん……)
(でも可能性はあるよね……ちょっと、仕掛けてみるか)
(これでシロウズに情報が流れたら当たりって事で) - 138二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 12:32:21
旅行についてくるか聞かれて喜んでるチャットかわいい
いよいよイズマコロニーへ行くのか…展開が気になるな - 139二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 14:28:27
ポコン
「ん?マチュ、スマホ鳴ったよ」
「ほんと?あ、シュウジからだ。どうしたんだろ」
〈旅行行って来る〉
〈お土産何がいい?〉
「は?」
「え、なに、どうしたの?」
「なんか、旅行行って来るとか言い出した……」
「え?……シュウちゃん受験生なんだよね?」
「うん。勉強嫌過ぎて現実逃避でも始めたのかな……」
〈旅行って、突然何言ってんの〉
〈受験生でしょ?そんな暇あるの?〉
〈でも今行かなきゃいけないから〉
〈答えになってないよ。そもそも何処に行くつもり?〉
〈内緒。チャットも連れて行って来るね〉
〈ちょっと待ってよ。本気なの?〉
〈シャトルのチケット取ったよ〉
「チケット取っちゃったの⁉︎本気じゃん!」
「マ、マチュ、何がどうなってるの?」
「分かんない!」 - 140二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 14:50:41
〈待って、いくら何でも急過ぎるって。いつから計画してたの?保護者さんには話した?〉
〈話してないよ〉
〈昨日決めた〉
〈帰って来たらまた連絡するね〉
〈待って。シャトルっていつ出るやつ?いつ帰って来る予定なの?〉
〈帰って来る日は決めてないけど、用が済んだら帰って来るよ〉
〈シュウジ、ちょっと待って〉
〈流石に行き当たりバッタリ過ぎるよ。もうちょっとよく考えてからにして〉
〈ちょっとシュウジ?〉
〈見てるんだろ、返事しろ〉
〈既読付いてるんだからね⁉︎〉
「……ダメだ!返事しない!既読付いてるのにアイツ無視してる!電話にも出ない!」
「えぇ〜っ⁉︎ど、どうしよう……今もしシュウちゃんがアイツらに見つかっちゃったら……!」
ポコン
「返事来たっ⁉︎……何よこの猪のスタンプは⁉︎」
「これうり坊じゃない?猪の赤ちゃん」
「へーそうなんだ……いやそんなのどうでもいいよ⁉︎“いってきまーす(おててふりふり)”じゃないよなんか妙に可愛くて腹立たしいな!」
「これどこのスタンプだろう。私も欲しいな……」
「ストア見るのは後にしてくれないかなシュウジに聞いておくからさぁ!てかアイツ本当に何処に行く気なの⁉︎」
「何か言ってなかったの?どこどこに行ってみたいんだよね〜みたいな事とか……」
「全然……シュウジが行きたがってたのなんて地球くらいだよ……それも今の記憶が無いシュウジじゃなくて私とMAV組んでた頃のシュウジだし、そもそも薔薇を探す為に地球に行きたがってただけで地球そのものにはそんなに興味無かったみたいだし……」
「マチュが地球の海に行くの楽しみにしてたからシュウちゃんも私もつられて楽しみに思うようになったんだもんね」 - 141二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 14:56:14
うり坊スタンプかわいい
- 142二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 15:56:02
そういや4話回想だとスンとしてた二人も5話では地球旅行に前向きな感じだったなあ
- 143二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 20:14:18
これは、本編シュウジと同一人物で確定か?
- 144二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 00:29:36
このレスは削除されています
- 145ポメ主25/07/28(月) 00:31:34
順番間違えた……
- 146二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 00:32:45
「と、とにかくシャアさんに連絡しておこう……あとヒゲマンと……コモリんにも伝えて護衛の人達手配して貰わなきゃ……ま、まさか今日いきなり行くとか言わないよね……⁉︎」
「さ、流石に昨日の今日ではチケット取れないんじゃないかな……」
「でもキャンセルとか出る事あるじゃん……!」
「落ち着いて、マチュ。ね?とにかく必要な人達に連絡して……」
「ていうかさぁっ!シュウジってなんていうか、もっとこう、おっとりした感じの男の子じゃなかったっけ⁉︎こんな弾丸旅行計画するようなアグレッシブな奴だった⁉︎」
「マチュ、シュウちゃんの大人しそうな顔と声と雰囲気に騙されてたかもしれないけど、そもそもシュウちゃんは軍警に喧嘩売ったり停戦信号弾撃ったエグザベ少尉とコロニーの中で戦ったり結構荒っぽいし行動力のある人だったと思うよ」
「そうだった!しかもアイツ全財産デバイス代に使ったり中古のグライダー買いたいのにクラバの賞金で大量のペンキ買い漁ったりあんまり後先考えない困った所のある奴だった!」
「マチュと会えなかったらあの隠れ家で干からびてた可能性あるんだよね……」
「や、やめてよ、流石にそこまでどうしようもない人じゃ……そこまで……」
「……本当に?」
「……」
「……」
「……とりあえず……連絡、しようか……」
「そうだね」
「もう……でもシュウジってば、本当に何処に行く気なんだろう……」 - 147二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 00:40:32
ポコン
ポコン
ポコン……
「おい、イトウ。スマホめっちゃ鳴ってるけど放っておいていいのか?りんごちゃんからだろ?」
「後で返事しておくからいいよ」
「……まぁ、お前がそう言うなら」
「あんまり心配かけるなよー」
「うん」
「しっかし……イズマコロニーか……本当にそこにお前の記憶の手掛かりがあるかもしれないのか?」
「たぶんだけど……とりあえず行って確かめてみるよ」
「お前、今までは特に記憶を取り戻そうとかしてなかったのにどうして急にそんな事言い出したんだ?」
「……もしかしたら、なんだけどさ……彼女と僕、昔会ってた事があるかもしれないんだ」
「えっ」
「そうなのか⁉︎」
「まだ確信は無いけど……それを確かめる為にも、イズマコロニーに行く必要があるんだ」
「そっか……」
「……でも、イズマコロニーか……あそこ、今あんまり治安良くないんだよな……」
「そうなの?」
「あー……そうだよな、知らなくて当然か……近代史でも殆ど触れられてないし……えーっと……キタムラ、パス」
「お前な……まぁいい。そうだな、色々とあったんだが、事の始まりは……もう2年は経つか……イズマコロニーでテロがあったんだよ」
「テロ?」
「そう。前ジオン軍総帥の妹のキシリア・ザビって人、覚えてるか?あの人が狙われた事件なんだ。当時のイズマコロニーではクランバトルっていうMS同士の違法賭け試合が盛んでな。そのクランバトルを隠れ蓑にした暗殺未遂事件が起こったんだよ」
「あの当時かなり話題になったんだよなぁ……何せ、その事件の容疑者として実名で指名手配されたのがオレ達と同年代の女の子だったからさ」
「指名手配……同年代って事は、未成年の女の子が……?」
「そっ。えっと、名前何だったかな……」
「イズマコロニー、テロ、指名手配で検索すれば出て来るだろ……ホラ、ヒットした」
「あー、コレコレ。そうだ、この女の子。事件が起こってからの指名手配が早過ぎるって部分でもめちゃくちゃ話題になったんだよ」
「……この子、が……?」 - 148二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 00:45:12
- 149二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 01:06:51
ついに知ってしまったか…
- 150二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 01:10:33
字幕が状況に合いすぎる
- 151二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 03:33:24
シュウジどんな反応するだろう…
- 152二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 06:24:40
可哀想……
- 153二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 11:34:56
「……これでよし」
「シャアさん、なんて?」
「シャトルに乗る前に確保して事情を聞いてくれるって」
「そっか、じゃあこれで一安心かな」
「ひとまずはね……それにしても、行き先が分かんないのがネックだなぁ……」
「行き先さえ分かればどのシャトルを予約したのかも分かりそうなのにね……」
《……》
(ピロ?ピコピコ?)
「え?」
「どうかした?」
「あ、うん。ハロが……」
「ハロ?」
《……イズマコロニーカモシレナイ》
「へ?……なんで?」
《スマナイ、マチュ……》
「……ハロ!アンタ私の出身地シュウジにバラしたな⁉︎」
《ワザトジャナイ!シラナカッタンダ!》
「ああもうっ!でも私の故郷だからってだけの理由でこんな弾丸旅行しようとしないでしょ⁉︎なんか別の理由がある気しかしないんだけど!とりあえずもっかいシャアさんに連絡!保護者出動!」
「大変な事になって来たね……」 - 154二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 12:07:11
「ラ、ララァ!」
「はい?どうかなさいましたか?そんなに慌てて」
「シュウジが突然旅行に行くと言い出したらしい!しかもおそらくイズマコロニーに行くつもりだ!」
「あら、まあ」
「シャトルに乗られる前に確保して来る!君は待っていてくれ!」
「分かりました……それにしても、どうして突然旅行だなんて……」
「傷心旅行かもしれん……例のデートに着て行く服の相談以来、その後そういった相談の連絡が無いんだ……」
「それは無いと思いますよ?」
「何故だ?」
「シュウジからのメッセージを読んだ印象ですけれど、私が知る範囲ではそんな風に落ち込んでいる様子はありませんでしたから」
「そうか……では何故……待ってくれ。ララァはシュウジからメッセージを受け取っているのか⁉︎それも、もしや結構頻繁にやり取りをしているのか⁉︎」
「ええ」
「な……何故⁉︎私からの連絡には碌な返事も書かずにやる気の無さそうな動物が大丈夫だの問題無いだと言ってるスタンプを送って来るだけだというのに!」
「うふふっ、繊細で複雑な男の子心といったところでしょう」
「ララァ⁉︎シュウジ!何故だ⁉︎」 - 155二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 12:17:05
悲報
シャア ハブられる - 156二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 12:45:06
(……マチュが、テロリストとして国際指名手配されてたなんて……)
(別に、指名手配されてること自体はどうでもいい。でも……)
(僕が知っているマチュは軍警の難民に対する横暴に怒ったり、僕が受験生な事を気にして負担にならないように気を回したり……それに、ハロが治ったら心から喜んでいたし、チャットの事も凄く可愛がってくれている、優しい人だ)
(そんな人が、テロなんて大勢の人が犠牲になる事をするとは思えない。むしろ、そういうのに対して怒る側だと思う……)
(ニシモリやキタムラの話でも、あの指名手配はおかしいって意見が殆どらしい……)
(事件を面白がってアマテ・ユズリハの経歴を調べたネット記事まで、それもいくつもあったけど、どれを読んでもクランバトルなんてものに関わるような人じゃないし、そもそもクラバに出て全戦全勝出来るだけのMS操縦の技量を覚えられるような人生でもない事が分かるだけだった)
(それにあのテロがあった日、テロで破壊された街を走り回るマチュの姿が監視カメラに映ってたらしい……違法アップロードだからすぐに消されてしまうけど、探せば今でもその映像を見られるかもしれない)
(……冤罪?どうしてマチュが?たまたま其処に居たから?でも、マチュはあの白いMSのパイロットなんだよね……それも、かなりの腕前だ)
(やっぱりマチュが“ポメラニアンズのマチュ”なのかな……名前も一致するし……でもMSはあのクラバに出てたMSと少し違うような……?いやでも、あの白いMSちょっとハリボテっぽかったんだよな……偽装してる?その割には白なんて目立つけど……)
(分からない。もっと調べたいけど……シャトルは明日の朝に出るし、もう寝ないとな……)
ピンポーン
「ん?……こんな時間に誰だ……?」
「変な奴じゃないよね……?」カチッザザッ
《シュウジ。居るんだろう、開けなさい》
「えっ、なんで……」
《なんでじゃない。全く、人騒がせな奴め……いいから開けなさい。話がある》
「……」
(これ、やっぱり当たりかなぁ……シロウズとマチュは知り合いかも。別の所から漏れた可能性も無くは無いけど……)
(だからってわざわざ来るとは流石にちょっと予想してなかったな……) - 157二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 18:08:25
これ記憶喪失のシュウジ本人だったらマチュもだいぶお労しいんじゃ…
本人は思い出す気ないし、感情が擦り切れる程の辛い経験を自分を思い出して欲しいってだけで思い出してとは言えないし… - 158二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 21:27:04
ハリボテか
カモフラとかでないならジークアクスの方も色々気になる点があるなあ… - 159二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 21:39:19
(なんやかんやあったけど、無事にイズマコロニーに着いた……けど……)
「シュウジ、そんな所で立ち止まるな。通路を塞いでしまって次の人に迷惑だ」
「ああ、うん……」
「突っ立っていないで、まずは荷物を受け取りに行くぞ。その後はホテルにチェックインする。どこに行くにしてもまずは今夜の宿を確保してからだ」
「うん……」
(まさかシロウズと2人で来る事になるとは……)
……
………
「……よし、チェックイン出来たな。この部屋だ。同室ではあるが、寝室は分けてある。基本的にそこの窓際で仕事をしているから、どこかに出かける時には必ず私に声をかけなさい。昨夜も説明したが、君が1人で行動する事は許可出来ない。理由は理解しているな?」
「……ニュータイプの能力の研究をしているとかいう研究機関の奴らが僕を狙ってる可能性があるから、でしょ」
「そうだ」
「どうして僕が……」
「あの施設で見つかったから、以上の説明は出来ないな」
「……昨日は聞き損ねたけど……マチュとは、どういう関係なの?」
「……そうだな……危ない所を救われた事がある、とだけ言っておく」
「……ふーん」 - 160二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 23:04:08
「それで、具体的にどこに行きたいのかなどは決まっているのか?」
「……決まってない、けど……マチュの通っていた学校とか、見てみたいかも……」
「学校か……しかし、あそこは女子校だぞ。しかもサイド6でも有数のお嬢様学校だ。治安が悪化している以上、見覚えの無い余所者が下手に周囲を彷徨いていると通報されかねん」
「……」
「……とりあえず、街を歩いてみるか。何か気になるものが見つかるかもしれない」
「……うん」
……
………
「……なんか、入港の時も思ったけど軍警の人達ピリついてるね。やっぱり治安が悪化してるせいかな……」
「治安悪化の主な原因は例のテロ事件をきっかけとした軍警への信頼の失墜だが、そもそもあのテロで軍警内でも実力のあるなしに関わらずそれなりの人数が殉職してしまっているからな。トラブルが起きた時に対処する人手が足りていないせいで立て直しが上手く行っていないのだろう。それが結果として治安の悪化に繋がった」
「ふーん」
「以前はもっと街全体が綺麗だったそうだがな……見ろ、こんな所にもらくがきがある。人の目が届いていない証拠だ」
「本当だ……らくがき、か……」
「しかし、普通に暮らしている住人達からすればむしろ軍警があまり横暴な態度をとれなくなった事で暮らし易くなったと感じる者も多いらしい。治安が悪化しているとは言っているし実際に小さな犯罪の摘発も多少は増えているようだが、それは抑圧から解放されたが故の反発だ。このままサイド6のディストピアになってしまうのか、それとも持ち直して行くのか……まぁ、それは彼らの頑張り次第だ」
「へぇ」 - 161二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 23:21:05
「……あまり興味は無さそうだな」
「碌な証拠も無しにマチュを指名手配した軍警も、面白がって彼女をネット上でおもちゃにしたり誹謗中傷した奴らの事もどうでもいいし……イズマコロニーがこれからどうなろうが、興味無いよ」
「……そうか」
「実際どうなの?あのテロ事件……マチュはどう関わってるの?」
「……私もあまり詳しくは知らないが……テロに関しては、本当に冤罪だ」
「そうなんだ」
「ああ」
「……」
「……」
「……お腹減ったな。何か食べたい」
「レストランでも探すか」
「ファミレスでいい」
「たまには高いものを食べるのも悪くない経験だぞ」
「せめて普通のレストランにしてよ。高級な店に入れるような服じゃないし」
「それくらい今から一揃えすればいいだろう」
「やっぱりここからは1人で行こうかな……」
「待て。分かった、高級な店でなければいいのだな?」
「最初からそう言ってるじゃないか……」 - 162二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 23:38:10
ご飯食べる為に服一式はヘビーだよ!
- 163二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 23:55:51
タマキさんと旦那はまだイズマに住んでるのかな…
- 164二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 00:35:36
「指名手配がどうでもいい」はシュウジらしいし、最初からマチュを信じたところがすごく良い
- 165二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 05:52:14
保守
- 166二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 06:53:28
>面白がって彼女をネット上でおもちゃにしたり誹謗中傷した奴らの事
これ現実でも起きてたことだから頭痛がする…
- 167二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 10:25:51
ガチャッ
「ただいまー……」
《シュウジ!オカエリ!》
「ただいま、チャット。お留守番ありがとう。ごめんね、置いて行って……大丈夫だった?」
《スゴク タイクツダッタ!》
「そっかぁ……ごめんね。テレビも面白くなかった?」
《ヨクワカラナイ。ツマンナイ!》
「そうだね……今日1日色々と歩き回ってみてね、シロウズがチャットを連れて行っても大丈夫だろうって言ってたから、明日からはチャットも一緒に行こうか」
《ウン!》
「……やはり、随分と流暢に話せるようになっているな。たしか、アマテ君に一時期預けていたんだったか」
「うん」
「ふーむ、興味深いな……短期間でここまでAIが成長するとは……」
「……一応聞くけどさ……チャットの素体にしたパソコンとかの中に、変なもの仕込んでたりしてないよね……?」
「ん?いや、していないが……」
「……うん、だよね」
「どうかしたか?」
「ううん……ちょっと疑っちゃってた……流石にごめん」
「別に構わんさ。疑われる事には慣れている」
「嫌な慣れだなぁ……」
《?》
「チャットは気にしなくていいよ」 - 168二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 11:14:12
「足、大分良くなってきたね」
「そうだね。これでようやく歩き回れる」
《マチュ、ムリハ スルナヨ》
(ピコピコピコ)
「分かってるって」
「でも、ちゃんと治って本当に良かった……」
「あはは、心配してくれてありがとう。アイツらの本拠地、もうすぐ見つかりそうなんだよね?」
「えっと……拠点自体はもう見つかってるみたい。ただ人数がまだ把握しきれてないからその調査に難航してるって……」
「この一年の間に増えたりもしてるらしいからね……仕方ないな。じゃあこれは良い機会だと思って、治療に専念させてもらおうかな」
「うん……」
「どうかした?ニャアン」
「……この作戦が成功して、残党達を全員捕まえられたら……このコロニーからはもう出て行かなくちゃいけないんだよね?」
「それが?」
「……シュウちゃんのことは……どうするの?」
「……あのシュウジは、ただの一般人だよ」
「でも、今のシュウちゃんだってマチュのこと好きなんでしょ?」
「……」
「……マチュはどうなの?今のシュウちゃんのこと、どう思ってるの?」
「……」
「……マチュ?」
「分からない……分かんないよ……確かに私は、シュウジの事が好きで……でも、それは私にキラキラな世界を教えてくれたシュウジで……今のシュウジの事も好きだけど、それがどういう好きなのかもまだよく分からないし……そもそも本当に彼の事が好きなのかも……だって、同じ顔と、同じ声なんだよ。違う所も、同じ所もたくさんあって……同じ人なのか、別人なのかも分からない……だから……私……」
「マチュ……」 - 169二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 13:02:14
……
………
…………
ガチャッ
「……ただいま」
「おかえり、シュウジ」
「うん……」
「……その様子だと、今日も収穫は無かったようだな」
「……」
「……シャワーでも浴びてきなさい、その間にルームサービスで何か頼んでおく。食べたいものはあるか?」
「……なんでもいい」
「そうか」
パタン
「……やれやれ」
(イズマコロニーに来て、もう一週間は経つ……流石に常に私が側にいては気疲れするだろうからと、アマテ君が手配を頼んだ監視兼護衛が常についているから単独行動を許しているが……どうも進捗は思わしく無いようだな……)
(シュウジは、自身の失った記憶の手掛かりを求めてここにやって来たが……それはあくまでもアマテ君やハロの発言から推察しての事だ。彼女と出会った場所であるはずのこのイズマコロニーに来ても尚、彼自身は未だに何も思い出せていない……)
(……やはり、向こう側のシュウジではないのだろうか?しかし、だとしたら彼は何者なのだ?何故あの研究施設に居た?)
(そもそも、本当に彼は記憶を失っているのか……?最初から無いものは、失いようがない。もしくは、何か強力なプロテクトをかけて記憶を封じている可能性もあるか……?)
(……シュウジがこれまで辿って来た長い旅路を思えば、忘れてしまいたいと思ってしまうもの無理は無い……いや、しかし……)
(……何にせよ、このままではどちらも酷く傷付くだけだ……いい加減、シュウジにあちら側の事話すべきかもしれないな……) - 170二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 13:43:23
保守
- 171二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 18:20:23
ほす
- 172二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 18:44:39
シロウズとシュウジ馴染んできてていいね
- 173二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 23:28:33
保守
- 174二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 05:47:32
保守
- 175二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 08:21:26
保守
- 176ポメ主25/07/30(水) 08:59:38
- 177二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 11:49:34
「……ご馳走様でした」
「ご馳走様」
「ワゴン、外に出して来る」
「ああ」
カラカラカラ……
(さて……どう切り出したものか……)
(……)
(あちら側のシュウジの事は……話すしかない。しかし、アマテ君との関係についてはデリケートな話だ。どこまで話していいものか……少なくとも、彼女のシュウジに対する想いについては……私が勝手に伝えていい事ではないだろう)
《シュウジ!ゴハン オワッタ?》
「うん。待たせてごめんね」
《ジャア、イッショニ エイガミヨ!》
「いいよ……でも、映画を見るくらいしか出来ないんじゃ退屈だよね……新しいアームを付けられたら、簡単なボードゲームくらいならチャットも出来るかな……」
《ボードゲーム?》
「うん。あとはトランプとか……一緒に遊べるようになるね」
《イッショニ アソベル?》
「うん」
《……アタラシイアーム!ハヤク ホシイ!》
「帰ったらすぐに付けるから、もうちょっと待っててね。今は映画見ようか」
《ウン!》
「……」
「……変な顔してどうしたの」
「いや……シュウジ、少しいいか?話がある」
「? うん……ごめんチャット、先に見てて」
《ハーイ》 - 178二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 13:01:30
- 179二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 19:15:56
保守
- 180二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 20:37:49
- 181二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 21:13:20
「あの、お茶……どうぞ……」カチャン
「ありがとう。それにしても、酷い怪我をしたって聞いていたけれど元気そうで安心したわ」
「大袈裟なんだって。もう殆ど治ってるよ……どうしてここに?」
「うちの人がシュウジの旅行について行ってしまって暇が出来たから、かしら」
「あ〜……」
「それに、“あの日”起こった事を私は詳しく知らないから、教えて貰えないかしらと思って」
「あの日、って……」
「シュウジを保護した日のことよ。貴女達が彼を見つけたのでしょう?」
「……」
「えっと……マチュ、どうする?」
「……ララァになら、話していいと思う。他言はしないし、それに……改めてあの日の事を話しながら思い出す事で何かのヒントになるかも……流石に機密事項とかは話せないけど……」
「かまわないわ」
「マチュがそう言うなら……えっと、それじゃあ……何から話す?」
「……ララァはどこから聞きたい?」
「そうね……最初から順を追って話してもらおうかしら」
「……最初からってなると、かなり気分の悪くなる話多いけど……大丈夫?」
「ええ」
「……分かった。でも無理そうだったら言ってね……そうだね……事の始まりは、私達がまだ地球で暮らしてた頃……ヒゲマンからある施設を潰す為に協力を要請された事だった」 - 182ポメ主25/07/30(水) 21:19:04
次とその次、読む人によってはちょっと気分が悪くなるかもしれない表現があります
一応読まなくても本筋にはさほど影響無いと思うので苦手かもと思う方は読まずに飛ばしてください
あと残りのレス数的に次スレに行くことが確定しました…… - 183二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 21:31:51
そもそものきっかけは、地球のある場所で小さなゼクノヴァの反応が感知された事だったの。
その場所ってさ、昔から何度か小さなゼクノヴァが起こってるらしくて。物が無くなった、とか、畑や道にミステリーサークル……というかクレーターが、とかよくある話だったの。
でも、ここ数年そこで神隠しと言う名の行方不明事件が頻発するようになった。
行方不明者の殆どは、子どもだったり、勘がいいって言われるような……もしかしたらニュータイプかもしれない人、そんな人達ばっかりだった。結構な人数が、その“神隠し”で消えたんだよ。
……でもね。地元の人達はそれを事件だとは思っていなかったの。
どうしてだと思う?
……そうだよね、普通ならこんな事思い浮かばないよね。
あそこね……新興宗教の施設があったの。
宗教っていう隠れ蓑を被った……ニュータイプの研究施設が。
どんな手を使ったのか具体的には知らないけど……たぶん、戦争で弱った心に付け込んだんだろうって、ヒゲマンが言ってた。
……行方不明者の中にはね、“神隠し”以外に、“捧げられた”人も居たんだよ。
……
大丈夫?……そう。まぁ、この話はこれ以上深掘りする必要無いし、本題に入るね。
私達がヒゲマンに頼まれたのは、強化人間が暴れ出した時とかの為の補充というか……予備戦力だったんだ。
ジオンのトップの人が変わってそんなに経ってない頃だったし、あんまり大事にして付け入られる隙を作りたくないからって、動員できる戦力が少なかったんだって。 - 184二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 21:35:20
そしてあの日……私は外観を偽装したジークアクスに、ニャアンはなんだったっけ?……ギャンか、たしかにそんな名前だったね。うん、その二機に乗って待機してた。
でも……どうしようもなく、胸騒ぎがして。作戦が始まる少し前だったかな……施設から出ようとする運送用のトラックを見つけて……あれは逃しちゃダメだって、直感した。
そもそも包囲網が敷かれてたから、本当ならそんな事する必要無かったんだけどね……やめろって止められたのに……気付けば飛び出しちゃってた。
……
……うん、そうだよ。
そのトラックの中で……彼を見つけたの。
拘束されて、真っ青な顔で……所々に傷のあるぐったりしたシュウジが……箱の中に押し込まれてた。
名前を呼んでも全然目を覚ましてくれなくて……頭が真っ白になって、何も分からなくなった。
……
……そこから先は……どうだったかな。ちょっと、よく覚えてないや。
シュウジを守らないと、助けないとって……それしか考えられなかったから。 - 185二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 21:37:18
宗教かあ…
- 186二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 21:49:08
シュウちゃん……
- 187二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 22:32:30
「……トラックの中には、シュウジ以外にも何人も乗せられてた。殆どは子どもで……ヴァーニやカンチャナと変わらない年の子達も多かった」
「……そうだったの……私はニュータイプの研究機関の跡地で、としか聞いていなかったわ……」
「……うん。実際、人工的にニュータイプを生み出す強化人間の研究や、その強化人間を使って人為的にゼクノヴァを起こす研究をしてる連中だったよ」
「そう……」
「跡地になっちゃったのは……私のせい、です……トラックの中から見つかった子ども達やシュウちゃんを見て……それに、マチュを撃とうとする奴らも居て……マチュはずっと混乱してて、私が話しかけても上手く受け応えが出来なくなっちゃってたし、それに、向こうも暴れ出したからワカワカになっちゃって……」
「うん……あの時はごめんね、ニャアン」
「ううん。あれは私が色んな意味でマチュに頼りっぱなしだったせいでもあるし……信頼と依存は違う、マチュにこのまま精神的に頼り切ってるのは良くないよってヒゲさんにも言われちゃったんだよね……」
「……もしかして、あの後からニャアンが別行動するようになった理由って、それ?」
「うーん……それもあるっていう感じ。基本的には私がした事の後始末として逃げた残党の処理だったよ」
「そ、そう……」
「マチュはそういうの無かったの?」
「どちらかというと、これ以上余計なことしないようにって感じでソドンに乗せられてたよ。ひさしぶりの独房暮らしだったな……」
「えっ、独房⁉︎」
「うん。まぁ、おかげで随分と落ち着けたよ」
「えぇ〜?」 - 188二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 00:36:51
ガチャッ、バンッ
バタバタバタ……
「シュウジ!待ちなさい!」
《シュウジ!ドコイクノッ?》カタカタカタ
「こら、君も待ちなさい!」
《ヤダー!ハナシテ、ハナシテ!》バタバタ
「追いかけた所で追いつけないだろう!君は部屋で待っていろ」
《ヤダ!バカ!シロウズキライ!シュウジイジメタ!》ウィーンバタバタゲシゲシ
「いじめてなどいない!いたっ、やめなさ痛い!」
《シュウジー!》
「まったく!知能の高いロボットというのもなかなかに厄介なものだな……!」
ザァァ……
バシャバシャバシャ……ッ
(向こう側の世界、向こう側の僕……マチュが僕を知っていたのは、“向こう側の僕”とMAVを組んでいたからで、僕を邪険にしなかったのは彼女のMAVと同じ顔で、もしかしたら同一人物かもしれないからで……でも、僕は何も思い出せない。マチュの事も、ガンダムの事も、クラバ、それに……それから……)
(僕はなんだ?僕は誰だ?何処から来た?どうして研究施設なんて場所にいた?マチュのMAVのシュウジ・イトウは本当に僕なのか?)
(僕は……どうして僕は、何も思い出せないんだ……!)
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁ……っ」
「っく、げほ……っ」
「はぁ……っ、ぇほっ」
「……ねぇ、君……こんな時間にどうしたの?」
「っ⁉︎」
「まぁ……ずぶ濡れじゃない!この雨の中傘もささずに何をしていたのっ?まったくもう……」
「……マチュ……?」
「え……?」 - 189ポメ主25/07/31(木) 00:42:34
少し早いですが、明日夜まで仕事なので今のうちに次スレ建てて来ちゃいます
たぶん、次でラストになります - 190二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 00:48:42
ありがとうございます
いよいよフィナーレへ向かうのですね…… - 191ポメ主25/07/31(木) 00:54:15
- 192二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 01:00:22
貼れてる貼れてる!
たて乙です - 193二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 01:31:18
サンキューポメ主!
このスレ見るの最近の楽しみなんよ
続きもwktk - 194二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 06:58:39
建て乙です
続きが気になって仕方がない - 195二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 07:11:38
立て乙です
お義母さんとの遭遇 - 196二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 08:35:10
保守なんだ
- 197ポメ主25/07/31(木) 09:10:51
シロウズの人物紹介誤字って「ハブられ」が「バブられ」になってた……シロウズにバブってるの誰だ……ララァか……?
シロウズにバブるララァ、ララァにオギャるシロウズ……?嫌だよそんな相互赤ちゃんプレイしてる夫婦…… - 198二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 09:31:38
別世界の情けない奴の影響でも受けたんか?
- 199二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 10:05:02
いや草
- 200二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 10:22:20