【閲覧CP注意】エグザベ「急にニャアンがこちらに来るとは驚いたよ」【エグニャア】

  • 1二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:58:24

    「私もびっくりです」

    「まぁ君は制度上はまだジオン軍所属だからな。明日からは忙しいぞ」

    「ん……」

    「乗り気じゃなさそうだ」

    「しばらく気が抜けてたから。私、本来は民間協力者」

    「ははは、そりゃそうか」

    「ところで、少尉」


    1~9 「今日は少尉の所に泊まらせて貰おうと思います」

    10 「相談なのですが、あなたの姓を頂けませんか」


    ※SSだったりダイスだったりするスレです


    dice1d10=9 (9)

  • 2二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 21:59:15

    うわぁ久々のつよつよニャアンだ!

  • 3二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:00:59

    どっちが出ても強くない?
    いいぞもっとやれ

  • 4二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:01:17
  • 5二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:03:39

    「今日は少尉の所に泊まらせて貰おうと思います」
    「……えっ」
    「えっ、って……嫌なんですか」
    「嫌も何も……いや、君の住居の手配はもう」
    「キャンセルしました」
    「えっ」

  • 6二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:10:05

    1-5「暗殺者の噂があります」

    2-9「私の立場が微妙なのは少尉もご存じですよね」

    10「私の気持ちがわからないのですか?」

    dice1d10=8 (8)

  • 7二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:10:40

    9とか8のぎりぎり踏みとどまった感

  • 8二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:20:59

    「私の立場が微妙なのは少尉もご存じですよね」

    「……それは」

    「ただでさえキシリア様に目をかけて頂いていたという事情もあります。変な特別扱いは」

    「それはわかってるよ。だからわざわざ住居も別のをだな」

    「それよりも、少尉の家に間借りしているとした方がより下っ端感が強まると思います」

    「そう……かな?」


    1、「……嫌なのですか」

    2、「……それに、本当の事を言えば、怖いんです」

    3、「……………………何か事情が?」

    dice1d3=1 (1)

  • 9二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:22:03

    ここで少尉に委ねるテク

  • 10二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:24:36

    つよつよニャアンはいいぞ~

  • 11二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:38:35

    「嫌なのですか」
    「そのだな、外聞というか」
    「嫌なのですか。私を少尉の家には置きたくないと」
    「そういう話じゃなくてだな」
    「そういう話としては……どうでしょう」
    「僕は別に君の人物評価をしている訳では」
    「私は……我が身が第一の人間なんですよ。私は自分が可愛いんです。その私が少尉に頼るのが良いと判断しているんです。勝手ですが」
    「それは大事なことだから、それで良いと思うけど…」
    「大事ですか」
    「ああ。ニャアンの安全は大事だからな……」
    「有難う御座います」
    「あ、ああ……?」

  • 12二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:40:18

    グイグイ行くニャアンは健康にいい

  • 13二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:41:15

    エグザベ君の押しが弱すぎるw

  • 14二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 22:45:31

    1、「……それに、本当の事を言えば、怖いんです」

    2、「……………………何か事情が?」

    dice1d2=1 (1)

  • 15二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:00:35

    「……それに、本当の事を言えば、怖いんです」

    「怖い?」

    「だって……どこに暗殺者がいるかもわからないんですよ」

    「…………」

    「真剣に考えてくれてるんですね。ありがとうございます」

    「冗談じゃ済まない話なのは分かってるよ。だから住居だって配慮はしたんだ」

    「苦労を無駄にしてしまってすみません。でも、あなたの家に住むという方が、予想外で、より、身を守りやすいですよね」

    「それは」


    1-5「……………………何か事情が?」

    6-7「……………………何か私に言えない事情が?」

    8-9「……………………何か私に言えないあなたのプライベートに関する事情が?」

    10「女性ですか?」

    dice1d10=2 (2)

  • 16二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:05:35

    エグザベにしては必死に躱そうとしてるな
    まあ無駄だが……
    つよつよニャアンに勝てる者はいないのだから……

  • 17二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:09:34

    そりゃそんなに仲良くない女が既成事実作ろうとしてきたら男ならビビる

  • 18二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:12:41

    普通に外聞悪いからなぁ
    命が危険とはいえ恋人拒否ってた子に恋人と勘違いされるような同居をさせるのは良くないって倫理も働きそうだし

  • 19二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:15:34

    エグザベ君が何をしたって言うんだ!?
    何もしてないからこうなった…?うーん…

  • 20二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:21:18

    「……………………何か事情が?」
    「事情」
    「その……ですから、例えば」
    「例えば」
    「例えば……そうすることで特にあなたの私生活における人間関係で不具合が」
    「ごめんもうすこしわかりやすく」
    「例えばです、あなたに、既に」
    「既に」
    「いえ……何でもありません」
    「?????」

  • 21二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:21:56

    >>18

    普通にまず好きなら好きで気持ち伝えないと駄目だよなっていうのはあるよ

    ちゃんと言ってくれればこれからは異性としてちゃんと見るとか自分を大事にしてとか言いようはあるんだよ

    つまり自分の中でしか通用しない理論展開からの結論とか結果から入ろうとするんじゃないってことですね

  • 22二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:28:47

    このオウム返し…さてはエグザベもいっぱいいっぱいだな
    脳の処理リソースがつよつよニャアンの気まぐれネコチャンムーブ(エグザベ視点)で限界になってる

  • 23二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:28:52

    ニャアンがモダモダしてるっ
    君に大切なのは外堀気にするとか押しかけ屁理屈よりも好意を伝えることだ…っ

  • 24二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:32:13
  • 25二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:33:21

    ふたりのモビルアーマーが二機とも見守り姿勢入ってるんですけど!

  • 26二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:33:50

    >>24

    ステイステイ。2機ともステイね。忠犬コンビはちょっとまってね。

  • 27二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:38:39

    「お、おい、ニャアン」(なんだか急に雰囲気が変わったぞ)
    「……問題ありません」
    「そうか……?」
    「……………………」
    「ニャアン?」(調子が変わりすぎている)

    『〇×▽☆●♯%&!!!!』

  • 28二次元好きの匿名さん25/07/12(土) 23:39:45

    (中断)

  • 29二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 02:58:36

    「コンチ……何?」

    『〇×▽☆●♯%&!!!!』


    1、「ちょっと落ち着いた方がいいよ……?」

    2、「相手の事情も考えないとダメだよ……?」

    3、「そもそも私はどうしたいのって……?」

    4.「自分からホテル取るって言った方が良いよ……?」

    dice1d4=1 (1)

  • 30二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 04:49:27

    保守

  • 31二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 12:20:23

    つよつよニャアンいいね
    そしてコンチがいてくれる安心感

  • 32二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 16:27:32

    「『ちょっと落ち着いた方がいいよ……?』って?」
    『〇×▽☆●♯%&!!!!』
    「そうだよね……落ち着くのは大事」
    『〇×▽☆●♯%&!!!!』
    「そ、そうだよね……私色々想像したらなんだか急に……」
    『〇×▽☆●♯%&!!!!』
    「う、うん……そうだった、それを言いたかったんだった……」

  • 33二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 16:44:44

    目の前で作戦会議始めてて草

  • 34二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 16:46:02

    まあそういうのを待ってくれそうな器はあるよエグザベ君

  • 35二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 16:56:30

    「お、おい、ニャアン」

    「すみません、落ち着きました」

    「そ、そう……?」

    「落ち着きました」

    「わ、わかった。まぁ、落ち着いたのは良かったよ。また君の今晩以降のことは後でゆっくり考えよう。伝手は色々あるから」

    「ありがとうございます。……それと」

    「うん?」

    「なんだかんだ地球でも気にかけてくれてありがとうございました。仕事だったとしても嬉しいです」


    エグザベ:

    1-3、「そういう言い方は無しだよ」

    4-6、「そりゃ一応君は僕のチームのメンバーではあったけど」

    7-9、「地球で元気にやれてるか気にはしてたんだよ」

    10、「そういえばカオマンガイもまだ食べさせてもらえてないからな」(そういえばカオマンガイもまだ食べさせてもらえてないからな)

    dice1d10=3 (3)

  • 36二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:48:29

    「そういう言い方は無しだよ」

    「無し?」

    「仕事として君達の状況把握を行っていた面はあっただろう、それは事実だろう。でも、だからといって『仕事だったとしても』とか線は引いて欲しくないな」

    「線をひかなければ、仕事ではないあなたの気持ちを聞くことになってしまいますよ」

    「別に困らないよ」

    「……私が困るかもしれません」

    「そうか、ごめん」

    「あやまらないでください……変な事言ってるのは私なんですから……」

    「どうあれ、君の『ありがとう』は素直な、まっすぐな感謝に聞こえたよ」

    「……それは」

    「……だから、嬉しいよ。そのまま伝えてくれてよかった」

    「あ……」

  • 37二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:53:10

    いいぞっちゃんと伝わってるぞっ

  • 38二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:55:03

    あーその発言は罪作りですよエグザベ少尉

  • 39二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 00:01:38

    (ニャアンが何故か固まっている)

    『〇×▽☆●♯%&!!!!』


    「う、うん……」

    (ニャアンが、彼女の頭上のロボットが発する機械音に何かぼそりと小さく返事をした)

    (こっちにはただの音にしか思えないが、ニャアンには何か暗号メッセージにもなっているんだろう)

    (『ちゃんと言えたね、良かったね』みたいなことを言っているようにも思えたが、そんな都合よく分かる訳ないから気のせいかな)

  • 40二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 00:33:09

    いけー

  • 41二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 04:42:39

    つよつよニャアンたまにワケワカの姿可愛い

  • 42二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 13:02:49

    いいぞ
    このままいくんだ

  • 43二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 20:11:19

    コンチ頼もしいな

  • 44二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 01:36:17

    「少尉は、嬉しいと言いましたが」

    「うん……?」

    「私も、嬉しかったんですよ」

    「……」

    「……さりげなく気にしてくれてるって連絡で分かって、嬉しかったんですよ、私も」

    「それは良かったよ」

    「……わからないんですよ」

  • 45二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 01:37:46

    「?」

    「どうしてそれが、私が嬉しいのか」

    「いや、どうしてって言っても、気にしてくれれば人は嬉しいものじゃないか……?」

    「それに」

    「……ニャアン?」

    「何故、そんな風に、あなたは平然と……」

  • 46二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 06:29:22

    ほし

  • 47二次元好きの匿名さん25/07/15(火) 15:41:30

    このレスは削除されています

  • 48二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 00:25:14

    続きが気になる

  • 49二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 01:24:07

    「平然と…私に優しくできるの」

     いつの間にかニャアンの声は震えている。

    「私は……奪ったというのに」


     その声は、どちらかといえば叱責だった。

  • 50二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 01:34:20

    「……僕は」
    「………」
    「僕はやるべきことをやれず、君はやるべきことをやった。それは君への態度を変える理由にはならない」
    「……あなたは、そう言うだろうと思ってた」

  • 51二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 01:39:39

    「……でも、それだと、終わらない」

  • 52二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 02:40:01

    「終わらないって……」


     何がだい。


     エグザベがそう聞きかけた時に、機械音声が響いた。


    『〇×▽☆●♯%&!!!!』

  • 53二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 02:54:29

     その『声』にニャアンがびくりと震えた。

     機械音声がもう一度響く。


    『〇×▽☆●♯%&!!!!』


    「あ、うん、そうだった……そういう話じゃなかったよね……」

  • 54二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 11:14:21

    コンチがいないとすぐに脇道に逸れて加湿する女、ニャアン。というかコンチ万能説。がんばれコンチ。ぶっちゃけ君だけが頼りだ。

  • 55二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:07:03

    このレスは削除されています

  • 56二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:35:59

    このレスは削除されています

  • 57二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:37:47

     エグザベの目の前で、ニャアンはある種の冷静さを少しだけ取り戻したようだった。

     かのペットロボットとのやり取りが、彼女をアシストしたということなのだろう。




    (ニャアン……)


     そんな彼女の動きを、エグザベはほんの少しだけ残念に感じる。

     そこには、疑問が残る。

     彼女は、何を言いかけたのか。

  • 58二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:44:50

    「すみません。また話がそれました」

    「ああ、いや、いいよ」


     そうはいっても、そもそも話の本題は何だったのか。

     最初から強引に話を進めようとしていた彼女が、何か途中から、調子を崩してこうなってしまったが。

  • 59二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:47:50

    「……どうかしたの?」

    「ああ、いや……」


     彼女が冷静さを取り戻した。

     多分それは良い事なのだ。

     ただ少しだけ……先ほどの話、その先を聞いてみたくはあった。

     疑問を残すよりは語ってしまった方がいい。

     彼女の目は、確かに何かを語っていたのだから。

  • 60二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:02:28

    「……少尉?」


     ただ、もちろん無理強いはしない。

     その程度の分別はある。

     実際、そのこだわりが過度のトラブルを背負いこんだ事もある。

     それでも……直感ではなく。

     察して貰うことを期待するのではなく。

     言葉で、そこにあるものを明確にする。

     それは常にエグザベのスタンスではあった。

  • 61二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:03:58

     ある程度の想像はつく。

     エグザベと、ニャアンの間にあるもの。

     一つの出来事。


     ただ、どこまでいっても、それは想像である。


     つついてしまおうか。どうしようか。



    1-9 いや、話を変えよう。落ち着こうと決めたのは彼女なのだから。地球の事でも聞こうか。


    10 ……少しだけ、触れてみようか。

    dice1d10=10 (10)

  • 62二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:04:28

    ここで10を引いたか

  • 63二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:28:35

    ※10を引きました。

    後のあるポイントで少し事態が動きやすくなる予定です。


    「……少尉?」


     彼女が端正な顔立ちでこちらをまっすぐ見つめてくる。

     流石に不自然に感じたらしい。

     これ以上は引っ張れない。


    「ああ、いや……」

  • 64二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:33:45

     でも、どう触れれば良いのか。

     上手い言い方が見つからない。


    「終わらないって……なんだい」


     結局。

     ストレートにそう言葉にしてしまった。


    「……………………」

  • 65二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:49:32

     エグザベの前で、ニャアンは明らかな困惑の表情を浮かべていた。

     終わらせようとした話を戻された。

     ある意味当然の事かもしれない。

  • 66二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 02:23:03

    >>65

    理屈と論理で勘とか感情をねじ伏せて我慢してきたエグザベ君にとって、勘と感情で終わったことになってた話を引き戻すって、相当に重い事だと思う。思ってしまう。このまま話を終わらせちゃいけない、知らなきゃいけない、って圧倒的な危機感に襲われたんだろうなってのが透けて見える。

  • 67二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 09:24:12

    このレスは削除されています

  • 68二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 18:45:21

    保守

  • 69二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 22:04:12

    『〇×▽☆●♯%&…………』


    ペットロボットが、どこか悲しそうな機械音声をだした。

    やめればいいのに。

    そんなことを言っているようにも思えた。

  • 70二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 22:56:10

    このレスは削除されています

  • 71二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 22:57:12

    このレスは削除されています

  • 72二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 22:58:16

    『〇×▽☆●♯%&…………』


     ……そんなことをすれば、この子は、傷ついてしまうのに。


     そんなことを、ロボットが重ねて言っているようにも聞こえた。


     もし、ロボットが実際そう言っているのだとしても。

     それは、エグザベにもどこか同意できることではあった。


     ひょっとしたら、いや、恐らく、このまま進めば、彼女を傷つけてしまう。


     ……外ならぬ彼女を。


     自分は、ただ彼女を傷つけることに快感を覚える、嗜虐趣味の持ち主というだけなのではないか。

     そんな自嘲的な想いが浮かぶ。

  • 73二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 23:18:29

    うるせえ!傷つけた分お前が幸せにすりゃあ良いんだよ!!

  • 74二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 23:50:58

     そんな逡巡の中、ただ沈黙の時間が流れた。

     そして、ニャアンがぼそりと言った。


    「終わらない。終わってくれない」

  • 75二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 00:06:21

    「……終わってくれない?」

    「少尉は、どうして私を気にしてくれるの」

    「ニャアンのことだから……じゃ、ダメかい」

    「……ダメ、かな」


     ニャアンは、控えめに、でも明確に不十分だと意志を示す。

     それは理由になっていない、と。

  • 76二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 00:15:24

    「少尉。言ったよね。私はやるべきことをやった、って」

    「……言ったよ。その通りだからね」

    「それに……『それは君への態度を変える理由にはならない』って言ったよね」

    「ああ、言ったさ」

    「……そう」


     ニャアンは一つ一つ確認する。

     そして、ただ、エグザベは、肯定する。

     そこには何の迷いもない。

  • 77二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 00:53:49

    このレスは削除されています

  • 78二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 00:55:12

     エグザベのその答えを聞き、またニャアンはしばらく黙りこくっていた。

     そして、エグザベを見つめて静かに言った。



    「私は……少尉の友達を殺したのに?」

  • 79二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 00:57:05

    エグニャアでこのイベントに向き合ってるの少ないんだよな
    やってくれて嬉しい

  • 80二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 01:13:45

    「……そういう言い方をするもんじゃないよ」

    「でも、その通りでしょ」

     ニャアンは冷たく言う。

  • 81二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 01:30:37

    「私は、あなたの友達を奪った。あなたの友達を、撃った」

    「僕がやるべきことをやらなかったせいで、その代わりに君がやるべきことをやった。それだけのことでしかないよ」

    「その『やるべきこと』をやれない位の友達だった」

     エグザベは答えに窮した。

  • 82二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 07:14:08

    続き待機

  • 83二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 16:17:57

    保守

  • 84二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 23:07:56

     友人だった。

     それは確かに事実である。

     友人だったからこそ撃てなかった。

     それも事実なのかもしれない。

     だが、だとしてもまるでそれがニャアンの責に繋げるような言い方をすることは、エグザベの望むところではなかった。

     たとえ、そうすることをニャアンが望んでいるような素振りを見せていたとしても。

  • 85二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 23:15:03

    「少尉だって見たでしょ」

     ニャアンは言う。

    「やったのは、私だから」



     忘れる筈もない。

     あの光景。

     ニャアンが居て。

     自分は、ただ、それを、見ていて。

     だからこそ。

  • 86二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:11:48

    このレスは削除されています

  • 87二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:12:51

    「済まなかった」


     エグザベは、ただ、ニャアンに謝罪した。


    「え……?」


    「僕は、君を守れなかった。約束したというのに」


    「少尉……」


     その謝罪は。

     何に対しての謝罪だったのか。

  • 88二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:21:58

     引くべき引き金を、引けなかったことへの謝罪だったのか。

  • 89二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:29:49

     その引き金を、彼女に引かせてしまったことへの謝罪だったのか。

  • 90二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:37:22

     ただキシリアの懐に取り込まれる彼女を、傍観することしかできなかったことへの謝罪だったのか。

  • 91二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:44:16

     彼女の不安を理解しながらも、彼女の領域に踏み込めなかったことへの謝罪だったのか。

  • 92二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:47:23

     自分の保護下から離れて不自然な任務に向かう彼女を、引き留められなかったことへの謝罪だったのか。

  • 93二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:54:07

     とうとう、彼女に『それ』をさせてしまったことへの謝罪だったのか。

  • 94二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 09:26:54

    このレスは削除されています

  • 95二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 11:08:38

     そのような状況において尚、彼女に何もしてやれなかったことへの謝罪だったのか。

  • 96二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 12:25:55

     ……もしくは。
     あの日、最後まで。
     あの時、最後まで彼女の戦いに関わってやれなかったことへの謝罪だったのか。

  • 97二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 13:37:10

    「何もできなかった」


    「少尉」


     ニャアンの声は。

     そしてエグザベを見るその目は。

     むしろ、どこか、そのようなエグザベの語りを責めるもので。

  • 98二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 15:32:27

    「待って、少尉」


     多分、それは、ニャアンの求めるものでもなく。

     それでも、それで、エグザベの思考が止まることは無く。


    「僕は君に何も出来なかった」


    「少尉、あなたは……」

  • 99二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 17:50:35

     ニャアンが、エグザベを見つめる。


    「少尉、おかしくないですか」


     そこには、いくらかの困惑。

     そして、多分叱責。

     語気は強いが、戸惑いもあって。


    「私は、少尉に責められる筈なんですよ。なんで少尉が自分を責めているんですか」

  • 100二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 18:26:05

    「僕が君を責める理由なんて無いよ」


    「一つ言わせて。私は、あなたが撃てなかったことを責めていない」


     ニャアンは、多分意図的に、エグザベの言った謝罪の意味を、狭く、それこそ敢えて誤解して受け取ろうとしているようだった。

     広い意味で、本当にエグザベの言おうとした意味で受け取ろうとしたら、何かが壊れてしまうからなのか。

     受け取ってしまったら、戻れなくなってしまうからなのか。

     それはエグザベには、いや、きっと、ニャアン自身にもわからない。

  • 101二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 18:46:30

    スレ主の解釈とは違うかもしれないけど、ニャアンは一人でミゲルのところへ向かったんじゃないかと思うんだよ
    エグザベに友達殺しをさせたくなかったから
    「エグザベ少尉はあなたのこと信頼しているのに」ってセリフ、すぐそこにエグザベが待機してたならちょっと不自然に感じる

  • 102二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 19:06:44

    「ニャアン……」

    「私は……あなたが『友達』を撃てなかったことが、むしろ、嬉しかったのかも知れない」


     エグザベには、ニャアンが本当の事を言っているのかはわからなかった。

     本当は失望したのかも知れない。

     エグザベを慰めるつもりでそういう言い方をしているだけかもしれない。

     でも、嬉しかった、そういうこともあるのかもしれない。

     ニャアンにとって『友達』という言葉の持つ意味の大きさはエグザベにもわかっているつもりだった。

     ただ、だとすると。

     それは同時に、その『友達』を撃ったのは他ならないニャアンである、という彼女の主張を強めてしまうことでもあるのだが。

  • 103二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 19:20:48

    このレスは削除されています

  • 104二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 19:31:39

    「私は……『友達』を撃つことが正しいことだとは思いたくない。それが誰かを救うためだからといって、そこで、『友達』を撃ってしまいたくはない」


     ニャアンは言った。


    「だから、少なくとも……あなたが、そこにためらいを感じる人というのは、私には嬉しい事なんですよ」

  • 105二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 19:40:55

    >>104

    マチュの為にキシリア様撃った子でもあるからな、ニャアン

  • 106二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 19:52:04

     意図した発言なんだろうか。

     ニャアンがキシリアを撃ったこと。

     その事情はエグザベもそれとなく聞いてはいる。

     あえて、そのことを意識させようとしているのだろうか。


     ニャアン自身は誤ったと言いたいんだろうか。

     もしくは、逆に『友達』を守るという行為だからこそ正しさがあったと信じたいんだろうか。


     はっきりとは、わからない。

     ただ、ニャアンは、どこまでも、その余地を残した言葉を選んでいるようには見える。

     自嘲なのか、どうなのか。

  • 107二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 20:34:08

     ただ、いずれにしても、ニャアンの言葉には。

     そこにはどこか安堵も感じられた。

     彼女にとって、『友達』とはそのようなものなのだろう。

     エグザベも、ニャアンも、難民という出自を持つ者である。

     かつて車内でニャアンと語った時に、エグザベも感じた一種の仲間意識。

     そこには、一つの共通する感覚がある。

     そして、だからこそ、『友達』という言葉もまた、独特の重みを持つものではある。

     だからこそ、ニャアンがそこに拘ることには、きっと、独特の温度を帯びた何かがある筈だった。

     ……だからこそ。

  • 108二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 20:51:18

    「例えばです、例えばですよ、少尉」

     ニャアンはどこか落ち着いた声で言った。


    「あなたが……例えば、マチュや、シュウちゃんを、殺していたら」


     あの『お嬢さん』。そして情報に聞くモビルスーツ乘りの少年。


    「たとえ、それが、正しい行いであったとしても、私はきっとあなたを許せなかったと思う」

  • 109二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:27:02

    「それが正しい行いだったとしたら。理不尽な恨みを内心で抱えて、なんとか心を整理しようとするのかもしれない」


     ニャアンはしみじみと言葉を続ける。


    「その恨みには理由がないから、なんとかあなたを許そうとするんだと思う。そもそも、あなたに責任が無い話だというのに」


    「ニャアン……」

  • 110二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:29:28

    「そうやって、やっと、あなたにもう一度向き合うんだろうと思う。内心の辛さを抱えたまま。そういうものだと思うんですよ」

     ニャアンは、まるでどこか苦痛を感じているかのように、表情を歪める。

  • 111二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:31:13

    >>110

    …エグザベ君はあの時、「ただひたすら見とれてた 痛みにすら気づかずに」だとニャアンは思ったのかな…

  • 112二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:36:09

    >>108

    実際本編でも危ないところだったし、なんならニャアンがマチュを殺してた可能性もあった

    戦争って怖い

  • 113二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:41:47

    「それでも、耐えられなくて、きっと酷いことを言う。少なくとも、内心に恨みを抱え込む。それで、何とか自分を保つ」

  • 114二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 21:47:35

    「自分を保つ、か」


    「……そうしなければ、保てない。自分が壊れてしまう。そう、思いませんか」


     なぜか何処か怒ったように、ニャアンは言う。


    「少尉は、そう、思いませんか」

  • 115二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:00:20

    「……あの日だってそう。なのに、なんで私を罵倒してくれないんですか。せめて、私を、恨んでくれないんですか。……私を恨んでもいいって、思ってくれないんですか」

  • 116二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:16:05

     エグザベは、返答できずにいた。

     ニャアンの声が、どこまでも、真摯で。

     それどころから、何か、悲痛な、心の叫びのようにすら、聞こえたから。


     二人とも、無言のまま、時間が流れた。

  • 117二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:17:35

     しばらくして。

     向かいに座っていたニャアンは、椅子から立ち上がった。

     そして、ゆっくりと、無言のまま、テーブルサイドを回って、こちらに近づいてくる。


    「ニャアン……?」


    「……」


  • 118二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:47:28

     ニャアンは、エグザベの前に立つ。


    「おい、ニャアン……」


    「罵倒してくれれば良かったんですよ。もうちょっとあいつと話したかっただとかそういうことを」

     ニャアンはエグザベを見下ろしながら、ぼそりと言った。

  • 119二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 22:57:07

    「私は覚悟していた。あなたに酷いことを言われることを。大体、考えてみても下さいよ。あの日、あなたをあの部屋に迎え入れた時点で、私はどうにかなる可能性だってあった。……そのことすら、受け入れていたとは思いませんか、私が。私の考えられる誠意なんて……それくらいだったのかもとは、思いませんか。でも、あなたは最後まで私に敵意を持たなかった」

  • 120二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 23:00:45

    「私は……罪悪感で、あなたの顔も見られなかったというのに」

  • 121二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 23:54:47

     エグザベは思い出す。あの日の出来事。
     確かに、そのようなニャアンの気持ちも、どこかで感じっていたのかもしれない。
     叱責を、そしてそれ以上の何かを、彼女は求めていたのかもしれない。
     だが、それは言葉で示されたことではなく。
     また、言葉で明らかにすべきことでもなく。
     故に、エグザベはそこに触れることはなく。

     ただ、それが。

     かえって、彼女を傷つけていたのだろうか。

  • 122二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:02:27

    「少尉」


     その声に、エグザベは現実に引き戻される。

     ニャアンは、じっと、エグザベを見下ろしている。

  • 123二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:07:10

    『〇×▽☆●♯%&…………』

     ペットロボットの、どこか悲しそうな声が聞こえた。

     とても控えめな、嘆息のような。

     もう自分に出来る事はない、邪魔はしないよ、とでも言うような。


     エグザベは、ニャアンから視線を逸らすことが出来ない。

  • 124二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:10:23

    「少尉」


     ニャアンは、ゆっくりと右手をエグザベの顔に伸ばす。


    「悲しいんで欲しいんですよ」


     その手が、自分の頬に触れる。

     彼女の手が。

     そっと。


    「ニャアン……」

  • 125二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:20:43

    コンチがあまりにも男前すぐる……

  • 126二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:24:52

    「そして、私を罵倒して欲しい」


     ニャアンの声は、どこか悲しげで。

     頬に触れる手は、とても優しく、暖かいのに。


    「私は、そういうものなんだから」


  • 127二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:31:03

    「……ニャアンは、ニャアンだよ」


     だが、エグザベには、そう答えることしかできず。


    「そう言って……また、私を苦しめるの?」


     その声には、悲痛さすらあって。


    「終わらない。せめて、そうしてくれないと、終わらない」

  • 128二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:31:05

    自罰意識が極まっておる

  • 129二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:38:48

    このレスは削除されています

  • 130二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:39:49

    「あなたは、いつも」


     ニャアンは、どこか懐かしむように言う。


    「いつも、ごく平然と、私を気に掛ける」


     記憶を、かみしめるかのように。


    「『君もお嬢さんも元気か』、そんなごく気安い感じで声をかけてくる」

  • 131二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:45:26

     ひとこと、ひとこと声を絞り出すかのように。


    「まるで、私たちの間には、何も存在しないかのように、とても、明るく、気安く」


     その声は、震えていて。


    「そして……私は、その声に、喜びを、感じて」

  • 132二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:49:28

     それが、まるで大きな罪であるかのように。


    「その声に、ごく平然と、喜びを、感じてしまって」


     そして、大きな、罰であるかのように。


    「ああ、あんなことがあったのに、私を気にかけてくれる人などいるんだと思ってしまって」

  • 133二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 06:00:59

    あー、もう『言葉』じゃ届かないかもしれん。こうなったら、肉体言語(意味深)しかない。いや別に派手にえっ○しろってわけじゃなく、せめて思い切り抱きしめてあげるとか。ニャアンは11~12歳ぐらいから1人だったんだし、人肌の体温による説得力というか安らぎは、ぶっちゃけ何よりも彼女に必要なのでは。

  • 134二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 06:49:38

    >>132

    罪を犯して罰を求める子供に必要なのは、保護者の愛だと思うんですよね


    つまりさっさと抱きしめてニャアンが自分を赦せるように説得してやれエグザベ君

  • 135二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 11:28:03

     エグザベは。

     ただ、ニャアンの言葉を聞いていた。


     そこには、何も自分がさしはさめるものなどないと思ったから。

     あの日、最後まで、本当に最後まで、彼女に何も、何も出来なかった自分には。


    「本当に、何で、なんですか」


     そう言いながら、ニャアンは、左手も、エグザベの方に伸ばす。

     ただ、エグザベを見下ろしながら。

  • 136二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 11:41:41

    エグザベにとってミゲルは確かに親友だったかもしれない
    それでも同時にミゲルは他の友人たちの仇でもある以上、エグザベはもう彼の死は仕方がなかったものだと割り切るしかない

    だからこそ、ニャアンがミゲルを殺してしまったことを気に病んでいるのなら、それはミゲルの死を彼女が純粋に悼んでいるということで
    エグザベにはもう決してできないことをやっているという解釈だってできる
    でももういいんだよ、解放されていい、自分で自分を傷つけなくていい

  • 137二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 12:42:33

     両の頬に、ニャアンの手が触れるのを感じる。

     あたたかな、手。

     声はこんなに悲しいのに、その手は、温かく。

     その優しい動きは、愛おしげですらあって。


     エグザベは、動くこともできず、ただそのままでいて。

     ニャアンは、エグザベの顔をわずかに上向きにさせて、ただ、のぞき込む。


    「嫌がらないんですか。私に触れられて」

  • 138二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 13:55:10

     そこに、そんな理由は無い。


    「触れるな、って拒絶してくれればいいんですよ」


     エグザベに、そのような、理由は無い。

     ニャアンは、どこか沈んだ面持ちのまま、エグザベを見下ろす。その顔は、どこかとても美しく感じるもので。

  • 139二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 14:26:50

    「私を罵倒して」


     ニャアンは言う。

  • 140二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 14:28:38

    「私を恨んで」


     それは、命令のようにも聞こえて。

  • 141二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 14:30:37

    「私を拒絶して」


     もしくは、哀願の用にも。

  • 142二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 14:36:52

    「ただ、私を……」


    「ニャアン……」


    「そうすれば……少しは楽になれるのに」

  • 143二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 14:48:20

     ほんの一瞬。

     一瞬だけ、ニャアンの表情が揺らいだ気がした。

     楽になれる。

     その言葉を述べた時に。


     楽になれる、とは誰のことなのか。

     ニャアンのことなのか。

     それとも、エグザベのことなのか。


     もはやそれすら、エグザベにはわからない。

  • 144二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 16:57:12

    「悲しくないんですか。悲しくなかったんですか」

     ニャアンの声が頭に響く。

    「三人居た仲間が二人になって。一人になって」

  • 145二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 16:59:47

    「そして、残りの一人は……実は、あなたを、裏切っていて」

  • 146二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 17:01:50

    「そして、その最後の一人が私に殺されて」

  • 147二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 17:06:17

    「きっと、あなたはひとりぼっち」


     ニャアンはいくらかの皮肉さすら感じさる口調で言う。


    「悲しくないんですか」

  • 148二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 17:08:32

    『きっと』、あなたは一人ぼっち
    …ニャアン、(私が居るから一人じゃないと言いたいけど立場的に言えない)と思ってる??

  • 149二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:17:09

    このレスは削除されています

  • 150二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:18:15

     悲しくはあった。

     何某かの絶望もあったのかもしれない。

     対話の機会すら途絶された辛さも。


     確かに、それは、そうかもしれない。


     フラナガンスクールの同期は、数年の期間を共に過ごすことになる。

     難民であったエグザベにとり、そこで得られた『仲間』の意味はとても大きいものであり。

  • 151二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:22:15

     ただ、そこには。

     悲しみとも。痛みとも。

     別の何かを。

     別の何かの感情を、エグザベが感じたのも事実であり。

  • 152二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:32:44

    このレスは削除されています

  • 153二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:34:17

    このレスは削除されています

  • 154二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:35:19

     そう、エグザベは。

     確かに、何かを感じて。

  • 155二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:37:05

     そこには、彼女がいて。

     孤独を感じるには、まだエグザベには過分過ぎる存在がそこに居て。

  • 156二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:40:39

     ああ、だからなのだろうか。
     だから、だったのだろうか。
     実際、彼女がいたことで。
     孤独では、無かったのだかろうから。

  • 157二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:50:30

     だからこそ。

     エグザベは、ニャアンを拒絶できない。

     彼女の希望を聞くことなど出来ない。

     そんなこと、出来る訳ないのだから。

  • 158二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 19:19:04

     だからその代わりに、ただ、謝罪する。

     自らの犯してきた罪を、謝罪する。


    「……済まない」


    「一体、何を謝っているんです、あなたは」


     ニャアンが、エグザベを責めるように言う。

  • 159二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 19:26:30

    「……全て、だよ」


    「…………!」


     直後、ニャアンがしまった、というような表情を浮かべた。

  • 160二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 19:31:20

     触れるべきではなかったこと。

     触れてしまったらニャアン自身が壊れてしまいかねないから。

     本当の意味で、後戻り出来なくなってしまうかもしれないから。

  • 161二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 19:34:34

     だからこそ、ニャアンが無意識に、敢えて避けていたかもしれないこと。

     そこに、触れてしまったと、ニャアン自身は気づいてしまったのかもしれない。


     一体、エグザベは『何を』謝っていたのか。

  • 162二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 19:47:38

     ニャアンに見つめられたま、エグザベは自問する。

     何についての謝罪か。

     一体何を、自分は彼女に謝罪しているのか。

     罪は、なんなのか。

     自分は、何を為してしまったのか。

     もしくは、何を、為さなかったのか。


     ……彼女に。

     何を、為さなかったのか。


  • 163二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 20:52:14

    このレスは削除されています

  • 164二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 20:56:26

    このレスは削除されています

  • 165二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 21:03:20

     思い浮かぶもの。



     思い浮かんだもの。



     彼女に踏み入ることが出来なかったこと。



     彼女に背負わせてしまったもの。



     そして、あの日、最後まで彼女の助けになることすらできず。



     ついにそれは、彼女を追いやり。



     その、すべてかもしれない。

     もしくは、それ以外の何かかもしれない。

  • 166二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:12:49

     いや、多分、きっと。

     それだけが本質ということではなく。

  • 167二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:17:53

     思い起こされるは、あの誇らしい気持ち。

     難民だった自分が、同じ難民に、新たな道を示すことができる。

     救うなどと言うのは烏滸がましいが。

     それでも、こんな自分が、誰かに手を差し伸べることが出来る。

     才能も無く、ただ運でここまでやってきただけの自分が、本物の才能の持ち主に、相応しい道を提供するという栄誉を得る事が出来る。

  • 168二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:28:19

     手を、差し伸べることが出来る。

  • 169二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:40:59

     そうだ。

     僕は、ニャアンに。
     ニャアンに、未来を与えることが出来た筈だったのに。

  • 170二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 22:59:37

     そう、エグザベは、ニャアンに、未来を与えるつもりだったのだ。

     それが出来ると思ったのだ。

     エグザベは思う。

     なんと、烏滸がましいことか。

     運だけで生きてきた人間が、なんと愚かしい望みを持ったことか。

  • 171二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 23:12:05

    このレスは削除されています

  • 172二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 23:14:23

     彼女に。

     新しい世界を提供することが出来た筈だった?

     なるほど。

  • 173二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 23:16:16

     では……実際に彼女が得たものは、何だ?

  • 174二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 23:29:26

     実行者という烙印を受けて……そして、半ば身を隠すような生を得て。

     結局それが、全ての結果。

     彼女自身は納得しているようだが、ただ、それと、そこにある客観的事実で、エグザベが自身をどう裁くかは、別の話であり。

  • 175二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 23:34:36

    お労しやエグザベ上……

  • 176二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 23:57:29

    スレ主です
    ここまでお読みいただきまた反応も色々頂き有難う御座います
    あそこでダイスで10を引いたばっかりに話が一気に動きました…
    また続けていきますのでどうぞよろしくお願いします

  • 177二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:11:26

    こちらこそ楽しみに読んでるよ

  • 178二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:45:59

    こちらこそ
    いつも楽しませてもらってるよ

  • 179二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:50:08

    二人の物語が気になりますわ。

  • 180二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 10:39:40

    でも、あそこでエグザベが来なかったら、間違いなく逮捕されてただろうし……

  • 181二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:17:25

    皆様有難う御座います
    少しづつになるかもしれませんが引き続きどうぞよろしくお願いします…

  • 182二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:18:35

     エグザベは。

     ある種の決意をもって。

     ニャアンに伝えようとする。


    「僕が、君を迎え入れたことが、初めから」

  • 183二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:19:36

     そう、初めから。


     自分たちの出会い自体が、あの日の出来事が、初めから。


     間違って。

  • 184二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 17:31:44

    「やめて」


     ニャアンが語気強く、叫んだ。

  • 185二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:15:02

     エグザベは驚きを持って彼女を見上げる。

     自分の頬に添えられていた彼女の両手に、力が籠っているのを感じる。


    「それは、やめて」

  • 186二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 21:12:53

    「ニャアン!?」


     エグザベは僅かの驚きを持って、ニャアンを見上げる。

     そこにある表情は、ある種の恐怖。

  • 187二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 21:17:52

     彼女は恐れていた。

     否定を。

     エグザベから発せられようとした否定を。

     ふと、思う。

     どうして、そこまで。

     彼女は、何を、恐れて。

  • 188二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 21:20:26

     エグザベにしてみれば。

     結局何が間違っていたかと言えば。

     そして、何をニャアンに謝罪するかと言えば。

  • 189二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 21:21:44

     そもそも、その発端であり。

     エグザベが、彼女を迎え入れたことであり。

     エグザベの望みが、どこまでも分の過ぎた大それ過ぎたものだったということであり。

  • 190二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 21:23:21

     すべてが、間違っていたと、彼女に伝えることであり。

  • 191二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 21:54:01
  • 192二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 22:13:50

    >>190

    馬鹿野郎!


    >>191

    乙!

  • 193二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 22:15:02

    乙!

  • 194二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 22:25:01

    乙です

  • 195二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 22:28:09

    有難う御座います
    あちらにて再開します
    ダイスのせいで一気にシリアスな流れに…

  • 196二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 22:32:27

    >>195

    乙です

    やはりこの掲示板のダイスは空気を読むのが上手いな

  • 197二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 08:05:52

    >>191

    立て乙

    おつかれさまです

  • 198二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 08:17:07

    埋めときますか

  • 199二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 08:32:09

    立て乙

  • 200二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 08:34:22

    このレスは削除されています

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