- 1二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:36:54
デビュー前、模擬レースのときから、もう少しのところで勝利に手が届かなくて。反省会や次のレースまでのトレーニングでは、最後の力を振り絞るとか、ゴール直前は気持ちで押し切るって、よく教えてくださいましたよね。
……始めの頃は、あまりよく理解できていませんでした。それに、負けてしまった後なのに、なんだか他人事というか、あまり悔しいという気持ちが湧いてこなくて。
手を抜いているわけではなかったのですが、一着を逃しても、勝った方が強かったんだな、としか思っていなかったんです。
でも、未勝利戦を勝って、スイートピーステークスも勝って、オークスの挑戦権を手に入れたとき。とても嬉しそうにされているトレーナーさんの姿を見てから、少しずつ、私は変わっていきました。
ささやかな祝勝会をしながら、たくさんの夢を語ってくださいました。G1レースを勝って、海外のレースも勝って、ナンバーワンを目指そう、と。
私は、その夢――まだ花開く前の蕾を、両手いっぱいに抱えていました。そして、夢を叶えて満開になった勝利の花束を、あなたに差し上げたいと思うようになりました。
――トレーナーさんが喜んでいる姿を見たかったんです。喜んでほしかったんです。トレーナーさんが嬉しそうにしていると、私も嬉しいですから。
オークスは二着、間のレースを三着、秋華賞は二着で終わり、その度にトレーナーさんは励ましてくださいましたね。あと一歩だから、初心に帰って最初の頃を思い出そうって。
頑張りました、とても。トレーナーさんも、頑張りました。知っています。夜になっても、いつもトレーナー室の電気が点いていましたから。
他のチームに意見を聞いてみたり、古い資料を取り寄せてみたり、あらゆることを一緒に試しました。最後の一押しの大切さも、この頃には身に沁みて理解できました。 - 2二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:37:55
――それでも、私は、勝てませんでした。
トゥインクル・シリーズの第一線で入着を争うのは、とても難しいことなのに、いつも結果を出してるね、と。周りの皆さんには、よく褒めていただきました。
アイさんが勝ったジャパンカップで四着だったことも、ティアラ路線出身で春の天皇賞を三着になったことも、評価してくれました。
トレーナーさんも、いろいろな方々から、頑張ってるな、と声をかけていただいているのを、何度も拝見していました――でも、ありがとうございます、と言いながら、困ったように、少し沈んだ顔をされていたのが、目に焼きついて離れてくれません。
最後のレースとなった、秋の天皇賞は、不甲斐ない結果に終わってしまいました。左脚の病気が発覚したとはいえ、デビューからずっと確保してきた入着を外して、トレーナーさんとの記録を絶やしてしまって――
――私がトレーナーさんから預かって、胸に抱いていた蕾は、花開くことなく、しおれてしまいました。
私は、トレーナーさんが託してくれた夢を、叶えることができませんでした。あんなに尽くしてくださったのに。……ごめんなさい。本当に、ごめんなさい。期待してくださったのに。たくさん、手をかけてくださったのに。申し訳、ありません……
……トレーナーさんは、とても優れた指導者ですから、私の後に担当される方と、きっと夢を叶えられます。私は、そう信じています。あなたには、夢を叶えてほしいです。応援、しています。 - 3二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:39:05
――本当は、私が叶えて差し上げたかった。
花束の勝負服を着たウィナーズサークルで、あなたは満開の笑顔を咲かせています。“勝利の花束”を、両手に抱えているかもしれません。私は、大歓声のスタンドに手を振るんです。トレーナーさんのおかげで勝てました、トレーナーさんは、頑張りやさんで、こんなに凄い人なんですよ、って。
あなたの夢が叶って、私の願いも叶う日。あなたが一番嬉しくて、だから私も一番嬉しい日。
私は、そのような日を、夢見ていたのです。 - 4二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 20:47:55
前作
巡り合う日を遠くに望んで|あにまん掲示板 昼食会を終えて、隊長の運転で地方視察へと向かう移動中。車窓に見える牧場の柵と、草を食む羊の群れを置き去りにして、車は道路を進んでゆく。 この島が『エメラルドの島』と呼ばれるゆえんは、一面に広がる大地…bbs.animanch.comブーケちゃんの会話の間合いを掴むのが難しかったです
スイートピーは蕾が落ちてしまことがあるそうな
育成実装されたら全部のレースに勝ってもらいます 勝たせます
- 5二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 21:02:41
ありがとうございますプーケちゃん実装楽しみ
- 6二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 21:28:52
スイートピーの花言葉は
「門出」
「別離」
「優しい思い出」
「永遠の喜び」
「私を忘れないで」
悲恋にしか見えない…