- 1二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 21:31:48
- 2125/07/13(日) 21:33:56
※すいません。少し気になった部分があったので立て直しました。
- 3125/07/13(日) 21:35:23
歩道ではキーホルダーをつけた可愛らしいバックと通学している学校の伝統ある制服を着て、それらとは異質を放つ殺伐とした愛銃を持った学生たちが友人と挨拶をし元気よく学校へ歩いていく。
また、そんな真面目な学生たちとは違い、いかにも不良ですと言っているような服装の女子高生─スケバン達はいつものように街行く人にカツアゲをしていた。まぁ、在り方はどうであれどちらの彼女たちも今の青い春を謳歌しているのは間違いないだろう。 - 4125/07/13(日) 21:36:54
此処以外に住んでいる者達から見ればまさに異常としか言いようがない景色。常人から見れば顔面蒼白となり戦場としか思わないだろう街。
静かで落ち着いた夜は終わり、今日も銃弾が辺りを飛び交い、ビルが爆発し、抗争が各地で起きる…いつもの《ギヴォトス》の1日が始まった。 - 5125/07/13(日) 21:37:55
──ブーン、と不愉快な音が頭の周りで鳴り響いた。
それを例えるのなら…そう、よく学校で小さな子供が面白半分で黒板に爪を立てガリガリと引っ掻くとでるあの音。心をざわめかせ、鳥肌が浮き立ち、耳を手で無理やり押さえさせる、そんな…人間という種にとって忌避すべきなそんな音。
しかもその音は一つではなく複数で私の体を中心にメリーゴーランドのように周りを飛び交い、苛立つ音を撒き散らす。不快な音と音が重なりただでさえ眠い私の気分は更に憂鬱になる。 - 6二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 21:40:17
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- 7125/07/13(日) 21:44:09
「……うるっ…さい…」
うるさい。やめろ。こっちはまだ寝ているんだ。と感情と一緒に言葉をだしてもその音は一向に止まらない。
「………」
そんな言うことを聞かない、人をイラつかせるのが上手い悪人を無視しようと体の向きを反対側に向ける。
(何?この…ソファー?。硬いし…所々に角が出張ってて痛い…。あぁ…本当……最悪…)
気持ちよく眠れない事で湧いてくるイライラを私が寝ているであろうソファ(?)にその苛立ちをぶつける。 - 8125/07/13(日) 21:45:10
(もう…なんでも良いから……。もう少しだけで良いから……寝かせて…)
そして私はもう一度意識を落とし、暗闇の世界へともどろうとした。
だが、その音の犯人は私のそんな些細な願いすらも聞いてはくれないようで。ただでさえその不愉快な音に苛立ち、体全体がピリピリと過敏になっているというのに、まだ鳴らし続けている。 - 9125/07/13(日) 22:02:44
私はその音を出来るだけ聞かないように更に体を丸め耳を手のひらで力強く蓋をする。
(うるさい。黙って…。) - 10125/07/13(日) 22:04:51
ブーン……
……チクッ
ブチッ - 11125/07/13(日) 22:05:53
「ツっ……!!!!」
頭の中で血管が千切れるような音がした。
──うるさい!!。と今まで溜めに溜めた怒りを爆発させる。目をカッと開き、眠りから覚めていない重い肉体を怒りのまま動かせ、愚かにも鼻に止まりしかも噛み付いてきたその愚者を潰してやろうと力のまま手で払い除けた。
だが、しかしソレは相手に当たらず空を切る。ならばともう一度と腕を振り上げた…と思ったものの、もはやその愚者達─ハエは空に高く飛び、「自分の勝ちだ。」と言うかのようなその不快な羽音をたてて、私を嘲笑うかのように何処かへ飛び去っていった。 - 12125/07/13(日) 22:07:08
「はぁ…はぁ…、クソッ…。」
疲れた。こんな朝早くからこんな目に会うなんて。逃げていった勝者達を"左目"で睨みながら、ボルテージが上がった体と心を落ち着かせる。
体を焚き付けるような怒りは段々と霧散していく。ハエの事に夢中になっていた頭も冷静になり回るようになってきた。 - 13125/07/13(日) 22:08:20
そんな朝の不幸はやっと去っていき──
──また新たな不幸はやってくる。 - 14125/07/13(日) 22:11:19
「ゔっ…?!。あ、頭が……?!」
今まで忘れていたかのように、ガンガンとまるで脳を直に棒で叩くような酷い頭痛が顔を顰めさせ、痛みによってでた脂汗が額をつたっていく。体を丸めて頭を手で押さえ少しでも痛みを耐えようと自然としゃがみこんだ。
しかし、まだその災難は終わってはいってくれない。 - 15125/07/13(日) 22:12:44
「うぷ……?!オ゛ェ゙……ゔぅ……」
突然の強い吐き気に慌てて手のひらで口を抑える。指の隙間から多少胃の中身が漏れ出しているがそんな事に構っては居られない。
(こ……れ、ま…ずい。ふ…二日…酔い……)
──トイレッ……トイレにッ…行かない……と…!?。ここで私は初めて辺りを見渡してみる。そして…今になってようやく私がどんな所で寝ていたのかが分かった。 - 16125/07/13(日) 22:13:54
(ゴ…ミ捨……て場…。)
またやってしまった。そう、いい加減な自分への苛立ちと後悔がふつふつと湧いてくる。寝ていた所であろう食べカスとプラスチック容器がつまったゴミ袋のクッション周りを見てみると、やはりと言うべきか4本〜5本の潰れた安物の缶ビールが辺りに乱雑に散らばっていた。
酒を飲みすぎるといつもこうなる。私の悪癖。ふらふらと歩きながら眠気に任せてこんな場所で寝てしまったのだろうと気持ち悪いながらも頭でそう理解する。 - 17125/07/13(日) 22:14:55
だが悲しい事に、こんな場所にトイレは無い。
けれども幸運な事にここはゴミ捨て場。吐瀉物を吐き出すゴミ袋は幾つもある。
(ごめんなさい……)
心の中で何処かの家庭の主婦に詫びの言葉をいれながらゴミがいっぱい入った袋を開き、もはや喉奥手前までせり上がってきた──恐らくビールと胃酸の混合液──胃の内容物を吐き出した。 - 18125/07/13(日) 22:16:14
「オ゙ ぇ゙ ェ゙...ぅあ、ぁがっ…げぇェ゙えっ…ヴぐぅ……」
酸っぱい味が舌を麻痺させ、据えた匂いが鼻腔に漂い吐き気は収まっているはずなのに何故かますます強まって来る。想像していた通り吐き出したものは胃液だけで溶け残ったモノは何もなかった。
気持ち悪い…気持ち悪い…。早く…止まって…。
そんな無意味な事を祈りながら、止まるまで全てを吐き出す。一回止まってもまた新しい吐き気がやってきてまた顔を袋に突っ込む。
辛くて…息苦しくて、涙が流れてきて、何故か疲れてくる。この感覚には何年経とうと慣れないだろうなと頭の隅のほうでそう思った。 - 19二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 22:16:54
なんかすごい
- 20125/07/13(日) 22:17:59
「ゲェッホ?!ゲホッゲホッ…ゴェェッ、ゲェ……ゔぐぅ……」
「ハァ…ハァ……ハァァ…。本当に……もう…」
無理やり這い出してくる咳を無理やり押さえ何とか息を整える。
──最悪だ。本当に最悪な朝。幸い人が通らなかった為この醜態を見せることはなかった。だけど気分はこの星の反対側まで突き破るくらい底に落ち込んでいる。吐ききったあとにやってくる倦怠感に身を任せ近くの石壁に背を預けた。 - 21125/07/13(日) 22:19:38
涙が止まらない。口の中は胃酸で酸っぱい味しかしないし喉は激しい咳のせいで痛くて仕方がない。今の私は元々酷い顔を更に酷くしているだろう。
口に出さず心の中で何回もこの事態に愚痴をぶつける。こんな事になると少しは思わなかったのかと昨日の私にも恨みを言いながら。 - 22125/07/13(日) 22:20:45
そんな
すっごく、最低で、最悪で、不快で、醜い
堕ち続ける私の1日が今日も始まった。 - 23二次元好きの匿名さん25/07/13(日) 22:27:11
何が…何があった…?
- 24二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 01:14:40
きになる
- 25二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 01:27:05
アビドスのみんなが死んだけど色彩には選ばれず、砂漠で野垂れ死ぬこともなく、ただ生きてきたシロコ?