- 1二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:00:27
- 2二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:01:33
清夏「え………?Pっち、それって、本当なの…?」
学P「残念ながら、本当です。幸い命の危険はほぼないようですが、1ヶ月程度の入院、退院後もさらに2ヶ月程度の安静期間が必要なようです」
清夏「………………」
あたしは現実を受け入れられなかった。この目の前が真っ暗になる感覚は、あの怪我の時以来だった。
清夏「え?じゃあ共演は…」
学P「残念ながら、無理ですね」
あの日の『約束』、あたしとリーリヤの初めての共演ライブまであと1週間だった。なのに、どうして… - 3二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:02:42
葛城リーリヤさんは事故に遭ってしまいしばらく入院が必要であるため、次のライブは紫雲清夏さんのソロ公演となります。
この情報は、多くのファンに衝撃と悲しみを与えた。誰もがこの現実を受け入れられていなかった。こんなの、あたしとリーリヤ、そして、あたしとリーリヤの両方を担当しているPっちも、受け入れられるわけがないよ。
リーリヤ「清夏ちゃん、センパイ…本当に、ごめんなさい………」
清夏「リーリヤは悪くないよ、あたしたちの運が、凄く悪かっただけ。むしろ、リーリヤが◯んじゃわなくて本当によかった」
リーリヤ「清夏ちゃん…」
清夏「でも、次のライブは、あたしがリーリヤの分まで頑張るから。『約束』がもう二度と叶わなくなるわけじゃないでしょ?」
リーリヤ「うん!病院から見てるよ!清夏ちゃん!」 - 4二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:03:46
受け入れられないまま、ライブの日がやってきた。最初はリーリヤと手を繋いで入場する。ずっと前からそう決めていた。でも、どれだけ手を伸ばしても、リーリヤの手はそこにはなかった。
『紫雲清夏です。予定とは違うライブになっちゃって、あたしもめっちゃ悲しいけど、少しでも楽しんでください!』
あたしは泣きたかった。でも、リーリヤにそんな姿は見せたくなかった。だからあたしは泣きたいワタシを必死にカクシテライブをした。でも、ライブが終わった時、あたしの瞳からは涙が溢れていた。 - 5二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:04:50
清夏「Pっち、あたしは弱いワタシを、ちゃんとカクセテた?」
学P「もちろんです。清夏さん、本当に強いアイドルになりましたね」
清夏「ありがとね、Pっち。ん?なんだろう、メール?」
学P「葛城さんからじゃないですか?」
清夏「ほんとだ、何て書いてあるんだろう」
『清夏ちゃん!ライブ、凄かったよ!すっごく元気を貰えた!『約束』は残念だったけど、本当にありがとう!』
清夏「リーリヤ………」
あたしの瞳は、また涙で溢れていた。 - 6二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:05:57
時は流れ、リーリヤの退院の日がやってきた。治療は順調で、予定通り安静期間は2ヶ月でいいようだった。でも、その2ヶ月の間には、冬のHIFがある。つまり、HIFでもあたしたちは二人でステージに立つことはできない。でも、アイドルを続けられなくなるような事態にならなくてよかった。これなら『約束』はまだ、諦めない、諦められない。
清夏「リーリヤ!」
リーリヤ「清夏ちゃん!」
清夏「退院できて、本当によかった!」
リーリヤ「心配かけちゃってごめんね」
清夏「リーリヤ、今ここでどうしても、聞きたいことがあるんだ。リーリヤ、まだ、『約束』を叶える気はある?」 - 7二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:07:11
リーリヤ「………」
清夏「あたし、すごく心配なんだ。リーリヤがあたしみたいに、トラウマを抱えてないか、あと2ヶ月活動できなくても、アイドルを続けてくれるのか」
リーリヤ「清夏ちゃん………」
リーリヤ「私は、アイドルを続けます!」
清夏「!」
リーリヤ「だって、清夏ちゃんがあんなに凄いライブを見せてくれたから、もうアイドルを辞めるなんて出来ないよ。確かに私はあと2ヶ月活動できない。でも、それは、前提だから。『約束』を諦める理由にはならない」
清夏「リーリヤ!」
リーリヤ「清夏ちゃん!?」
私は衝動的に、リーリヤに抱きついていた。あたしもリーリヤも、瞳には涙が溢れていた。 - 8二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:08:14
リーリヤが初星学園に戻ってきた。あたしたちの同棲生活も再び始まった。冬のHIFが迫る中、あたしはある決心をした。
清夏「リーリヤ、Pっち、あたし、冬のHIFで一番星になるね」
リーリヤ「清夏ちゃん!?」
清夏「だって、あの日リーリヤにあんな事言われたら、あたしが頑張るしかないじゃん?いつか『約束』を叶えるその日に、あたしが一番星としてステージに立ちたいんだ」
リーリヤ「清夏ちゃん…もちろん、全力で応援するよ!」
学P「一番星を目指す場合、今まで以上にハードなレッスンをこなす必要がありますが、いいんですか?」
清夏「うん、強い自分になるために、もう、ためらわない」 - 9二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:09:20
そして、冬のHIF当日がやってきた。
学P「清夏さん、いよいよ次があなたの出番ですよ」
清夏「ついに、なんだね」
学P「あなたの全てを出し尽くしてきてください」
清夏「リーリヤはどの辺にいるの?」
学P「それは、あなたがステージで確かめてください」
清夏「え〜?教えてよ〜。でも、あの子のために、絶対あたしが勝たないと。だからPっち、あれ、やってね?」
学P「行ってらっしゃい、清夏。あなたなら必ず、一番星になれます」
清夏「ありがと、行ってくるよ、Pっち」
清夏「信じる君のために、偽りない後ろ姿、見せるんだ」 - 10二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:10:27
『紫雲清夏です。盛り上がっていくよ〜!』そう言っている間、あたしは凄く動揺していた。なぜなら、リーリヤが最前列でペンライトを振っているのが目に入ったからだった。
〜リーリヤ視点〜
リーリヤ「清夏ちゃん!」
喉が潰れる程何度も叫んだ。清夏ちゃんのステージは間違いなく、清夏ちゃん史上最高のステージだった。私はあの時、私たちがアイドルと出会って、『約束』をした時のライブを見た時以来の感情になった。そして私は、必ず清夏ちゃんと同じステージに立つ、改めてそう誓った。
そして、HIFの結果、一番星が誰なのかが発表される。
今年の冬のHIF、一番星は、1年1組、紫雲清夏! - 11二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:11:36
清夏「あたしが…一番星…?」
学P「はい。本当におめでとうございます。清夏さん」
あたしは、HIFで優勝して、一番星になった。未だに信じられなかった。でも、会場の外であの子と出会ったとき、それはすぐに実感に変わった。
リーリヤ「清夏ちゃん!」
清夏「リーリヤ!?」
リーリヤはあたしの姿を見るとすぐに抱きついてきた。
リーリヤ「清夏ちゃん!本当におめでとう!凄かったよ!」
清夏「ありがと、リーリヤ。これで『約束』を叶える準備は出来たね」
リーリヤ「うん!」清夏「あたしが…一番星…?」
学P「はい。本当におめでとうございます。清夏さん」
あたしは、HIFで優勝して、一番星になった。未だに信じられなかった。でも、会場の外であの子と出会ったとき、それはすぐに実感に変わった。
リーリヤ「清夏ちゃん!」
清夏「リーリヤ!?」
リーリヤはあたしの姿を見るとすぐに抱きついてきた。
リーリヤ「清夏ちゃん!本当におめでとう!凄かったよ!」
清夏「ありがと、リーリヤ。これで『約束』を叶える準備は出来たね」
リーリヤ「うん!」 - 12二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:12:42
安静期間が終わり、あたしとリーリヤの共演日が決まった後のリーリヤは、凄まじい速度で成長していった。あたしも負けられないな。そう思いながらあたしもレッスンに励んだ。そしてついに、共演ライブの日がやってきた。
リーリヤ「ついに、この日がやってきたんだね」
清夏「本当に、色々あったね」
リーリヤ「清夏ちゃんが一番星になってくれたおかげで、私も頑張れたよ」
清夏「あたしが頑張れたのは、リーリヤが諦めないって言ってくれたからだよ」
リーリヤ「そろそろ時間みたい。行こう、清夏ちゃん」
リーリヤと手を繋いで、ステージに向かっていく。この日、ついに私たちの『約束』が叶ったんだ。リーリヤもあたしも、これ以上ない最高のパフォーマンスが出来た。ライブが終わった後、あたしは事前に決めた予定通り、二人で抱き合った。その時リーリヤはあたしに「清夏ちゃん、愛してるよ」そうささやいて、あたしに予定にないキスをした。
END - 13二次元好きの匿名さん25/07/14(月) 21:15:43
清夏…本当に強くなったな…
リーリヤ…本当に強いな…