- 1二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 09:23:48
これ!一度だけのキラキラ発生装置!!
私ね!イオマグヌッソで向こう側の私の記憶が流れ込んできたんだ!そっちではね、なんと私の家族が生きてたんだ!!………私以外
私はコロニー脱出の際に家族とはぐれて、そのまま誰にも気づかれずに死んだみたい
それを知った時かな?私の心に悪魔が宿ったのは。向こう側に飛んで、実は私が生きてた事にしてまた家族の元で一緒に暮らせるんじゃないかって考えが頭から離れないんだ
私はニャアンだし、嘘ついてないよね!!!きっとお父さんもお母さんも、また私と暮らしたいに決まってるよね!!!
………でも私、マチュやシュウちゃんとこれまでもいたい。何よりあれは私のお父さんでもお母さんでもない、似てるだけの別人。そんな事、分かってるんだ……
でも何でか装置が作れちゃった。もう私じゃ止められない。ジフレドめがけて、踏み出した体が止まらないんだ
お願い。力づくでも私を止めて - 2二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 09:30:35
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- 3二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 09:31:48
えらいもの作ったな…!?ゼクノヴァで向こう側の知識的なものを得てしまったか
そしてまたピンポイントですごいところ見ちゃったな……!? - 4二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 09:34:00
実際1stでも孫娘と離れて疎開する事になった(行先不明)の話があるし、家族と逸れて1人で死ぬ話とか普通にありそう
- 5二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 09:43:04
フロンタルみたいになんかに憑かれてこの世ならざる知識で装置作っちゃったか…
- 6二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 09:43:57
マチュもシュウジも一緒に行けばいいんじゃね?
マチュはもう『今更家族の所帰っても迷惑でしょ』って考えだし、シュウジは元々向こう側の人だし
問題は『よく似た別人』の父母の娘やるのをニャアンが耐えられるかの方 - 7二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 09:46:01
クルーゼみたいなら事になってる!
(NJC)鍵放り出したけどどうせ失敗するでしょ→嘘!?成功しちゃった!あーはっはっは!もう止まらない止められない! - 8二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 09:47:46
ジフレドの頭部のオーパーツから赤いやつに憑かれでもしたんか
- 9二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 09:52:22
スパイダーマンのコミックにそういう別世界の家族は生きてるけど自分んは死んでるって自分の位置になり変わるやつあったな異物が世界に拒絶されて世界が崩壊したけど
- 10二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:04:48
案外正直に話して両者合意の疑似家族出来るかもよ?
あっちも辛いだろうし - 11二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:08:04
- 12二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:09:35
そんな人の思念が乗り移るなんて・・・いたぁ、1人いたよ宇宙世紀に
- 13二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:10:56
NTにゼクノヴァは危険すぎる
- 14二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:11:49
これがディアブロになったニャアンかぁ…
- 15二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:13:38
- 16二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:20:29
本人も「何でか装置が作れちゃった。もう私じゃ止められない」言ってるし
向こう側のニャアンの思念が憑依している可能性全然ありうるな…
一度死んだことで『全体』に入った向こう側ニャアンならオーパーツを作れてしまうのも説明がつくし
- 17二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:30:29
一度きりってもしかして向こう側に戻ったらこっちには返さないぞって意味なんじゃ…
- 18二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 10:31:40
ミゲルが言っていた「ディアブロになる」ってサイコミュを通じて死者の念に乗っ取られるってこと…!?
- 19二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 11:14:03
このニャアンが正気なのか正気じゃないのかはともかく、絶対に止めなきゃいけない状態だというのは伝わってくる
- 20二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 11:44:38
ニャアンがいなくなっちゃった
地球に暮らしてから沢山のことがあって、私たちがもう一度宇宙を駆け抜けた先でシュウジとまた会えた
みんなで再会の喜びを分かち合って、今度こそ3人で地球に行く約束を叶えることができて嬉しかった
私が二人をいろんな場所に連れ出して、シュウジが私たちとの思い出を絵にして、ニャアンは私たちの横で楽しく笑っている——そんな毎日
一緒に暮らしていく日々が私たちにとって幸せなのは間違いないと、今でも思っているから引っ叩いてでも連れて帰ってやるんだって二人で決めた
ようやく見つけたニャアンはどこか遠くを見ながら歌うように呟く
1回、2回、3回…悲しくても辛くても苦しくても
お母さんに抱き締められる為に戻ってこよう
4回、5回、6回…焼かれても潰れても撃たれても
お父さんに撫でてもらう為に戻ってこよう
お腹空いても、息ができなくても、何度でも
生きられる私に成って会いに行こう
こちらに振り返った彼女の目は真っ赤に染まっていて
「マチュ、シュウちゃん、わかってくれるよね」
『ただ大好きな人たちと笑っていたいの』
——助けを求める声が重なり合って響いていた - 21二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 12:08:33
- 22二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 12:09:17
どうあがいても絶望が普段着のように似合うなあニャアンは…
- 23二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 12:10:51
「ニャアン!? ニャアン、しっかりして……!」
「なにこれ、ニャアンなのに、確かにニャアンのはずなのに……ニャアンだけじゃない、誰かがいる?」
「これは、まさかララァと同じ……いや、違う」
「シュウジ、どういうことなの? この子はニャアンだよね!?」
「ああ、そうだ、ニャアンだよ。でも同時に、僕たちの知らないニャアンもいる。
ララァがシャアの生きられる世界を探したように、自分が生きられる世界を探したニャアンが――。
……なんてことを。ララァは可能性を夢見続けた、でもこの子は、自分自身が可能性の中に入って。
そこで何度も『死に続けた』ニャアンだ……!」
- 24二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 12:36:53
戦闘BGMには消えないを流して欲しい
- 25二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 12:56:19
向こう側からこっちへ送られる本物のゼクノヴァでこっちに来ちゃったんだろうな…向こう側のニャアン
肉体ゲット&帰るためにニャアンに取り憑いて全体由来の知識与えたのか - 26二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 17:26:12
このレスは削除されています
- 27二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 17:33:20
- 28二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 18:04:58
そういえば向こう側は連邦が勝ってるから復興も進んでるのか
ガチでニャアンの望む物全てあるじゃん - 29二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 18:58:06
でもそっちの世界はニャアンがこれまで手に入れてきたものは何もないぞ。精々元からそっちの住人のシュウちゃんだけ
マチュもエグザベ少尉も向こう側でも同じように生きてるかもしれんけど、それはニャアン本人が言ってるように似てるだけの別人でしかない
- 30二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:02:39
向こう側は勝った連邦が超頑張って爆速でコロニーも再建するから難民問題もないんだよな
少なくとも正史ではそうなってる
だからたぶん向こう側ニャアンの家族は復興したサイド2に戻ってるしエグザベ君もジオン辞めてるかもしれない
向こう側のマチュはたぶんイズマで「普通」に暮らしてるんだろうな - 31二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:58:18
そうだ、暇つぶしに話でもしてやろう
回収されたとあるオーパーツに関して奇妙な噂があるって奴
どうやら死んだはずの人物が「向こう側」で生きているなんて荒唐無稽な話だ
精々サイコミュの研究のし過ぎで幻覚でも見たんだろうさ
実際にそんな噂はすぐに消えちまって、新しく作るMSのサイコミュのユニットに作り替えられたらしい
以前と比べて研究員どもも静かになってくれて助かったし、オーパーツ様様だなコレは
ある日の雑談の中で挙がったこの話題は誰の記憶にも残らずに消えていった
それが世界を少しずつ狂わせていく始まりだと気付かないままで
彼女にとって想定外の出来事だった
この世界は薔薇の影響で「こちら側」と繋がっていたこと、狂った研究者たちが世界の通り道を作ったこと、薔薇を消す為に「こちら側」とこの世界を繋げたこと
——なにより「ニャアン」がまだ生きていること
このチャンスを逃す訳にはいかなかった
あの日、世界が繋がった瞬間に干渉する道筋を作り上げることができた
もう薔薇もいない、あと少しで願いが叶えられる
ガンダム・フレド——ジフレドの中で私は喜びを噛み締める
誰にも邪魔させない、邪魔する者は決して許さない
カッパ・サイコミュのユニットはΚήρ(ケール)の名を冠するもの
彼らは「死者の魂」に思いを馳せてジフレドを開発したのだろうか
しかし、待ち望んでいた「悪魔」がユニット内部に潜む「悪霊」と同一の存在であることに彼らは最期まで知らなかったのだ
- 32二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:23:29
仮にニャアンを止める為に戦う事になったら、ニャアンの体を人質にされてるのと同じになるのか
- 33二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 21:49:38
「向こう側」のニャアンにとっても自分が生き残ってる世界なんて千載一遇のチャンスだし泥沼の戦いになりそう
- 34二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:53:29
「全体」由来の知識で改造されたジフレド…
未来技術の塊になってビットの数も増えてそう
というかジフレドはガチガチの戦闘用じゃないから戦闘特化に改造されるだけでもヤバい - 35二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 07:19:11
保守
- 36二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 08:10:31
保守
- 37二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 08:14:38
どこぞのお姉ちゃんみたいにコンチにでも取り憑いてもう一人のニャアンとして生きる選択肢はありませんかね…
- 38二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 08:15:46
〈なんだかんだで一段落ついた世界で〉
どうしてこうなった
答えなんて出せなくてイライラばかりが積もる
今すぐにでもワケワカになって飛び出したいくらいなのに、もうこの身体はどこにも行けないまま
こうして、ジフレドのユニット内部に閉じ込められている
この世界なんて来るんじゃなかった
上手くいくって調子に乗っていた
「ね〜」
そもそも何であの「私」は帰りたくないのか全くわからない
失ったもの、無くしたもの、全部が向こうにあるのに
そもそも、あんな奴らの何がいいんだか
「その言い方は酷いんじゃない?」
ジフレドも私に反抗するなんておかしい
もうこんなところなんか早く出て行きたいのに
この世界にも「私」にも干渉したくないって言ってるのに
誰もここから出してくれない - 39二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 08:16:11
- 40二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 08:17:05
- 41二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 12:24:57
- 42二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 17:54:58
>> きっとお父さんもお母さんも、また私と暮らしたいに決まってるよね!!!
これどっちのニャアンが言ってても悲しくなるな
- 43二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 21:38:23
>>38と>>40とは別人ですが、彼女に少しの救いを与えたくなったので勝手に続きを書いてみます。
(そんなに怒っていては、見える物も見えないぞ)
誰?あの3人とは別の言葉が聞こえてきた。ジフレドの中から聞こえてくる。でもジフレドとは違う存在。顔を見るに、あの3人は気づいていないらしい
(「この機体に先に宿った意思」と思ってくれ)
先に宿った意思?先輩のつもり?
(私も君と同じで、この世界の存在ではない。ただし、君のいた世界とも違う)
私とも別の世界の存在?こいつは一体何を言いたいの?
(君には見えないのかね?あの海の美しさが)
私の目の前にいる3人の背後には海と呼ばれる馬鹿でかい水たまりが広がっていた。コロニーで生まれた私には本でしか見た事がない光景であった
- 44二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 21:52:52
海なんて、ただの水たまりでしょそれがなに?
(海を見たのは初めてだろう?この広大な姿を見て、それを美しいとは思わないか?)
別に、地球なんてそもそも私には縁の無い場所だし
(それは違うな。全ての生命はこの海から生まれてきた。そして人は地球という揺籠の中で育った。だが地球に住む人々はその地球を汚染させ続けた。それを防ぐ為に、人はその生活の場を宇宙に移したのだ)
小難しい事ばかり喋って、授業のつもり?退屈な話をするくらいなら今すぐ黙って
(この美しい地球を守りたいなら、人類は地球から巣立つべきだ。私はかつてそう考えて活動した。だが、地球に残った人類は私の思っていたより愚かであった。それを知った私は人類に絶望し、地球に寄生虫の様にへばりたく者達の粛清に走った)
粛清?こいつが?紳士ぶった声をしてる割に、その思想は過激なんてものじゃない - 45二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 22:11:13
(私は地球に隕石を落とす事で地球環境を破壊し、その人間達を消そうとしたのだ・・・だが私はある男に敗れ、そして虹の向こうへと消えていった。そして君と同じような存在となった)
そう。負けたんだ。私と同じだね。
(しかし私はその時、ある光に触れた。それは地球を守ろうとする人の心の光だった。それに触れた私は、命の危機だというのに恐怖はなかった。むしろ温かさまで感じ取った)
なにそれ。死ぬのが怖くない?そんなわけないないでしょ。死んだら一人ぼっちになるんだよ?嘘つかないで
(違うな。あの温かさは確かな物だ。だが同時に絶望もした。こんな温かさを持った人間が地球を破壊するのだと。そしてこの奇跡を見ても人は何も変わらないのだと。だから私はジフレドに宿る前に一度、ある人物に取り憑き、結果、その人物を苦しめる事となった)
なんだ、私と同じじゃん。自分の目的の為に取り憑いて。そして今も同じ機体にこうして縛られてるんだね。少し親近感が湧いたよ - 46二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 22:34:13
(手厳しいな。確かにその時の私は、自分の中の絶望を落としていた。それを拾い上げた人物は空っぽであった。だからこそ彼は私になろうとした)
なんだ、本当に私と同じじゃん。あんたはそいつに取り憑いて自分として復活したかったんだね
(違うな。私は彼を見ていて感じ取ったよ。彼は私とは別人なのだと。私の思念を拾った彼は限りなく私に近い存在となった。姿も声も、記憶も、その人物は私になろうとしたのだ)
(だが、ある女性がいった。私は人の可能性を信じていたと。その女性とは幼い頃に会っただけだというのに・・・)
(彼は人類は変わらないと初めから諦めていたのだ。声も姿も同じ。記憶すら。だからこそ、彼は私に限りなく似ているが、私ではない存在になってしまった。ニャアンに取り憑いていた君の様にね) - 47二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 22:57:52
・・・なんで?私と目の前にいる「私」声も見た目も同じはずなのに。何で・・・
(この世界が出来た理由、君も知っているだろう?)
それは知っている。ある少女の願いからこの世界は作られたのだ。私の世界の歴史とは違うのも、その少女の願いから来た結果らしい
(こちら側と向こう側、2つの世界となった時点で、彼女は君ではなく別の存在になっていたのだ)
やめて
(君がこの世界に来た時、この世界の自分が生きてるのに君は驚いた。この時既に、君の中では分かっていた事なのではないかね?)
やめてやめて
(彼女は自分に限りなく近いが、似ているだけの別人。異なる歴史を歩んでいるのだから、当然その在り方も異なるのだと)
やめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめてやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろやめろ
(その事には他ならぬ君自身が既に気づいているのではないか?彼女が自分の家族よりあの2人を選んだ時点で)
やめろーーーーー!!!!! - 48二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 23:10:12
気がつけば叫んでいた。「私」や他の2人にも聞こえていた様で、驚いた表情をしていたが、そんなのに構う余裕はなかった
「だって!ずるいじゃないか!なんで!?同じ存在なのに!何でこんなに!!違うの!そんなの!ずるいじゃないか!!」
「【ぐすっ】私だけ死んで・・・一人ぼっちで・・・【ぐすっ】なのに別の私は幸せで!【ぐすっ】こんなの!死んでる私がいるのに、生きてる私がいるなんて、【ぐすっ】ふこうへい・・・なら私だって、幸せになったっていいじゃないか。【ぐすっ】家族の元に帰ったって、いいじゃないか・・・」
(・・・それが君の本心。いや、私でいう落とし物か・・・) - 49二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 23:33:46
「・・・1人じゃないよ」
泣きじゃくる私とは違う声がする。声の方を見ると「私」がいた
「貴女と私は別の人。異なる時間、異なる世界、異なる経験をした別の存在。それは変えられない。でも、だから一人ぼっちなんかじゃない。私がいる。マチュやシュウちゃんと同じ、1人の存在としての「ニャアン」がいる」
そういうと「私」は右手を前に突き出してきた
「貴女の気持ちを知った今なら言える。私と友達になろう」
友達?何を言ってるんだこいつは?
「貴女の持つ過去も弱さも私は受け入れる。だからもう1人じゃない。私がいる。だから友達になろう。MAVになるんだ。握手しよう」
そう言うとこいつはジフレドの目の前に右手を突き出してきた - 50二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 23:51:59
「・・・うるさい、あっちいけ」
「でも」
「あっちいけ。私はそんな事しない」
「・・・私、諦めないから。友達になるの」
それだけいうとあいつは離れていった
(・・・ニャアン君は君の望まぬ形ではあるが君を受け入れてくれるみたいだぞ)
うるさい
(お互いに時間はたっぷりあるのだ。どの道ジフレドからは君は抜け出せない。彼女達も君を消そうとはしないだろう。だからしばらくの間は私が君の話し相手にでもなろう)
(だが、それから後の事は君次第だと言っておく。ニャアン君を拒み、過去に囚われてずっとここに閉じこもるのか、それとも若者の様に、新たな道を切り開くのかは君次第た)
・・・一体さっきからお前は誰なんだ?私にだけ言葉をかけて、私に気でもあるのか?話し相手になるなら、名前ぐらい教えろ
(私の名前か?複数の名前があるが、その中で1番有名な名前を名乗ろう)
(私の名前はシャア・アズナブル。かつてはジオンの赤い彗星と呼ばれた男だ) - 51二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 00:10:24
「私、変な事言っちゃったかな?」
「そんな事ないって!ニャアンの気持ちは絶対「ニャアン」に伝わったはずだよ」
「そうかな、マチュ?」
「「ニャアン」も言ってた。私はそんな事しないって。あれは「ニャアン」がニャアンとは別の存在だと意識した証なんだ。きっといつか「ニャアン」も分かってくれる。その後の事は「ニャアン」が決める。向こう側に帰るのか、僕の様にこちら側で暮らしていくのか」
「シュウちゃん…」
「そうだシュウジ!もし「ニャアン」がこっちに暮らすなら、家族になれるかな!?」
「家族?」
「そうだよニャアン!私達が「ニャアン」の家族になるんだ!そうすればきっと「ニャアン」だって友達が増えるし、一人ぼっちじゃなくなって幸せになれるよ!」
「ふふっ」
自然と笑みがこぼれ落ちる。マチュはいつも私なんかじゃ想像もつかない大胆な考えをする。「ニャアン」と家族になろうとするその姿勢が、微笑ましく感じ取れた。
「ならその為にも、明日また「ニャアン」と話さないといけないね」
そう言うとニャアンはジフレドの方を振り返った。
(私は「ニャアン」を助けます。だからそれまで「ニャアン」の事を頼みます。ジフレドの中にいる、シャア・アズナブルって人)
即興の思いつきで作ったのでガバが目立つかもしれませんが、とりあえず勝手に作った救いは終わりです。蛇足だったらすいません。 - 52二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 00:14:57
- 53二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 06:24:57
保守
- 54二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 08:08:44
「ニャアン」は落ち着いたらニャアンの中で暮らすのもいいかも
二重人格みたいになって人格スイッチしてない時は霊体で側にいるとか - 55二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 11:16:30
- 56二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 12:03:04
お ま け
(まるで父親みたいだなシャア。クェスをマシーンにした時とは大違いだ)
声がする。「ニャアン」君とは違う。私と同じ世界から来たものの声が、ジークアクスのエンデュミオンユニットの中から聞こえてきた
私のライバルにして戦友の声
(この世界の私が言っていた。洞察に満ちた優しさを持つものがニュータイプだと。ならそれに従うのがニュータイプである私の役目だ)
(本当に驚いた。彼が本当にシャアなのかと驚いたさ。僕の知るシャアとは別人だったな)
(私は今でも人類の確信を信じている。だがそれはこれからの若い世代に任せると決めた。その若い世代の悩みに、経験のある老人がアドバイスをしたに過ぎない)
(・・・ララァ、君の言った通りだ。人は変わってゆくんだ。僕やシャアの様に)
(貴様はどうするのだ?私と同じで、ジークアクスの中からあの子達を見守り続けていくのか?)
(人はいつか時間すら支配できる。僕達はその片鱗を味わっている。時間はたっぷりあるんだ。だからゆっくり見守るさ。僕達とは違う歴史を歩んだこの世界を。若いニュータイプ達のこれからを。ララァの元に帰るのはそれからでも遅くないだろ?ララァとはいつだって会えるのだから)
(ふっ、それでこそ私の親友だ、アムロ)
- 57二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 15:28:40
- 58二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 20:48:19
「今日は僕が話しかけてもいいかな」
ジフレドの中にいる彼女に問いかけると、鋭い敵意が返ってくる
別の世界への転移を阻止した後で対話を試みたときと比べて、敵意とはいえ反応が返ってくることに少し安堵した
ほぼ毎日話しかけにくるマチュの成果はちょっとずつでも実を結んでいるようだ
そして、ニャアンに干渉した影響がまだ残っていることも分かってしまう
「知りたいことがあるんだ」
僕はララァが夢見る世界を追いかけ続けて
君は戦争から生き残った自分を探し求めて
目覚めさせないためにララァを何度も殺して
「君」が死んでも諦めずに何度も飛んで行って
「……」
ララァが力を尽くしても、殆どの可能性で思い人は殺された
——彼を救い出せないことへの悲嘆はララァを壊すだろう
やっと生き延びた可能性で、誰よりも大切な人に拒否される
——そんな絶望を知ったララァは世界ごと壊れてしまうだろう
- 59二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 20:49:47
ララァに悲しんでほしくなくて、僕は世界ごと手に掛けた
繰り返してしまった行動が僕自身の心を縛り付けても、もうどうしようもなかった
一緒に逃げようと叫んだニャアンの前でゼクノヴァが起きたのは、彼女の言葉に軋みをあげた限界寸前の心が呼び寄せたからかもしれない
そうして「向こう側」へ帰っても、囚われたままの僕はこの世界に戻ってきてララァごと消し去ろうとするのを止められなかった
「だって、僕は君と向き合いたいから」
けれど、マチュが僕の心を解き放ってくれて、ニャアンと手を取り合うことができた
僕も彼女たちみたい助けたいんだ
可能性を追い求め続け、崩れそうな心が叫んでいる君を
「聞かせて、『ニャアン』」
「君がここまで走ってこれた原動力を、その覚悟を」
「そして……」
「『一番最初の君』の人生を思い出してほしい」
この世界はきっと
マチュと僕が出会うために、ニャアンと僕たちが共に生きるために、僕と彼女たちが明日に向かって成長するために作られたのかもしれない
——僕たちが懸命に足掻いた『ニャアン』に応えるためでもあったんだよ
- 60二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 23:15:38
「ニャアン」にとっては、向こう側の家族と暮らす事を願うのは、1人はいやという寂しや恐怖心から来る願いなのかもね
もしそうなら、「ニャアン」の願ってる幸福にマチュ達が加わる事で寂しさを埋められる可能性に賭けたい - 61二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:00:00
そういえば自分のクローンとか作ってたな…サイコフレームが含まれてるから「ニャアン」も意識定着できそうだし
- 62二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:01:53
家族を大事に思うなら、新しくできた3人の家族も大事にしなきゃなぁ、『ニャアン』
- 63二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:09:48
- 64二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 16:18:50
そうなるね
- 65二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 23:50:23
- 66二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 01:14:17
- 67二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:06:22
- 68二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:47:11
正史のシャアやララァみたいに、平行世界の同一存在だと声が違う微妙に「似て非なる」存在である可能性も。
- 69二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 15:20:44
- 70二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:13:19
こっちを見つめる彼の目は真っ直ぐで心が掻き乱される
語りかけられた言葉には、私を受け止めようとする優しさが込められていた
飽きもせずに話しかけてくる彼女も、身体を乗っ取られそうになった「私」も同じ思いを抱えていることだって知っている
——その暖かさが大嫌いだ
より強く、より鋭く、押し潰すように敵意を差し向ける
それでも、優しさが込められた瞳と穏やかな表情は揺るがない
息が詰まったみたいに苦しくて吐きそう
もう、我慢の限界だった
「……そんなに聞きたいなら、話してあげる」
こんな話を知ったところで、どうしようもない
どこまでも平行線のまま、きっと私は止められない
心の奥底から湧き上がる何かに溺れていく
そこに、手を差し出して引っ張り上げるように響く彼の声
「『ニャアン』、どうして頑張れたの?」
理由は知ってるでしょ
両親に会いたいから、元の世界に帰りたいから
死んでしまった私には生きている「私」が必要で、戦争を生き延びた可能性を探してた
その結果、どこにも行けなくなっちゃった
- 71二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:17:05
このレスは削除されています
- 72二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 06:04:53
声は違っても、顔と中に宿っている魂は…。
- 73二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 11:17:55
なんか、この「ニャアン」て死んだ「ニャアン」の無念の集まりみたいな気もするんだよな
落とし物を回収しに「ニャアン」がやってくる - 74二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:28:59
「何回も死んでも、君は諦めなかった」
「向こう側」に帰ることさえできれば、望むもの全てがあるから
それに、死ぬことは最初で慣れてしまった
死んだときの苦しみも、悲しみも、恐怖も感じていたのに
家族と離れ離れになって、必死に探し続けたあの日
燃え広がる炎の中で、じわじわと焼かれながら死んだ
次々と人が倒れていって、苦しむ人たちと血塗れの手を見て死んだ
地面から真っ暗な空が見えて、意識が遠くなって死んだ
いきなり空からロボットが降ってきて、その後は
——潰されて、撃たれて、逃げ延びて……
逃げ延びて?
なんで、おかしい、変な記憶が混じってる
あの「私」に干渉したから?
「それは違うよ」
「僕たちを意識したり、何かと反応を返したりするのはニャアンの影響だけどね」
慎重に言葉を重ねる彼は優しさの中に恐れを滲ませていた
まるで些細な変化も見逃さないとでもいうように
——そっか、心を壊しかねない真実を突きつけることが辛いんだね
- 75二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:31:23
彼の切実な思いが手に取るように伝わってくる
私の頭の中は真っ白で、目に映る全てがボヤけていて見えない
けれど、心の奥底から失くしたソレが叫んでいる
「死の記憶は、『君』が成ろうとした君の記憶」
「どれも『君自身』が死んだ原因じゃない」
「僕たちは知りたいんだ」
「戦争が終わった後、家族の生存を知っていたことを」
「ララァのように、可能性を巡る力を持っていたことを」
「——何度も死んでも、諦めずに立ち上がった理由を」
「旅の始まりを、思い出して」
「僕たちは『ニャアン』の手を取りたい」
視界がキラキラに染まっていく
暖かな緑の光、懐かしい感覚、目の前に浮かぶ架け橋
——それでも、虹の橋を渡るつもりはない
あの日と同じ景色から、かつてのように振り切る
だって、家族に悲しんでほしくないから
だって、必死に呼びかける彼と慌てて駆け寄ってくる彼女たちに悲しんでほしくないから
戻ってきて、伝えるんだ
こんな私の手を取ろうとする3人に
——どうにもならなくても、話すことに意味はあるから
- 76二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 22:51:53
保守
- 77二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 07:00:39
保守
- 78二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 12:34:57
宇宙世紀だとそれこそクローン技術とか記憶操作のか普通にあるだろうし、スワンプマンを人口的に生み出してもおかしくないよな
- 79二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 14:56:58
マシロ
- 80二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 23:07:56
既にそういう人物がいるのか・・・
- 81二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 06:48:33
保守
- 82二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 15:35:08
- 83二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 18:42:37
保守
- 84二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 23:33:04
ジフレドの中で「ニャアン」に自分の事を話すCCAシャアか。想像したら少し面白いな
- 85二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 00:21:28
始まりは休日の朝だった
少し退屈な学校から解放される週末、久しぶりに家族みんなで過ごせる日を楽しみにしていた
三人でまた餃子を作ろうか、どこかに遊びに行こうか、可愛い服を買ってあげようか、車の中で弾む楽しい会話
運転するお父さんも、隣に座る私も、後ろではしゃぐお母さんも、みんな笑ってた
——幸せな空間を引き裂く警報が響くまでは
目まぐるしく状況は変わり、両親の顔はこわばったまま
先に進まなくなった車を置いて、動けない私を背負うお父さんはお母さんと走っていた
流れていく景色の中に入り込む人が多くなっていく
荷物を引っ張る人、誰かを探している人、進む向きが他と違う人
たくさんの人にどこか現実味が無くて、ぼんやりと眺めていた
気付いたら、お父さんを迎えに行ったことがあった港にいた
大人と話しているお父さんの横で、お母さんは私の手を握って震えている
「大丈夫よ、ニャアン」
「もうすぐ船に…」
爆発と閃光、人々の叫び声
空から降ってくる瓦礫に紛れる巨大なロボット
確かモビルスーツって言っていた気がする
叫ぶ人の流れがこっちにやって来て、私たちを飲み込んだ
お父さんとお母さんの声も聞こえなくなって
——繋いでいた手は離れた
- 86二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 07:22:02
このレスは削除されています
- 87二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 15:44:50
「ニャアン」の過去のSS、期待してます
- 88二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 22:20:17
保守
- 89二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 23:12:49
- 90二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 01:58:51
目の前には、真っ暗な宇宙が広がっていた
周りは静まり返っていて、何もない
混乱する頭をなんとか抑えて、息を吸う
がむしゃらに動く前に、落ち着いて考えないとダメだ
どうやってコロニーの外に出たのか、よく覚えていない
——はずだった
埋もれていた場所から這い出た
周りにはさっき出た山と同じ、人の顔がいっぱい
あれだけ騒がしかったのが嘘みたい
——痛い…怖い!
あんな高いところに穴が空いてる
港の人が使ってた機械なら行けそう
見つかる前に取りに行こう
——死にたくない!
乗ったことのない機械
でも、行けそうな気がする
とにかく今は逃げないと
——どこかに逃げなきゃ!
なにこれ、よくわからない
心は叫んでいるのに、声は出ていない
頭は動いていないのに、身体は動いている
訳がわからない
- 91二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 02:01:05
なのに、私は生きている
後ろを振り返っても、黒い空があるだけ
大切な人を何もかも置いていってしまった
「お父さんとお母さんを、置いてきた?」
「……え、なんで、どうして」
どれだけ大切で愛していたものであっても
生き残るためには考えることもせずに捨ててしまう
——そんな本性に気付いてしまう自分がいた
「……」
心が凍りつく
苦しくて吐きそう
なんて酷い人間なんだろう
「……あぁ」
そもそも出てきたってどうしようもない
馬鹿な子供がたった一人で、生きれるわけない
空っぽな私は、どこにも行けない
「もう、どうなっても——」
- 92二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 02:03:04
- 93二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 02:12:07
- 94二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 07:30:46
保守
- 95二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 15:20:06
聞くさ
- 96二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 19:48:39
痛ましい…心して聴きましょう。
- 97二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 23:06:05
すごい力作だ…心して聴かせていただきます
- 98二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 07:46:45
保守
- 99二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 16:18:55
保守
- 100二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 22:55:59
SSによる補完はいくつあってもいい
- 101二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 00:49:26
とあるコロニーに難民として生きることになった
そこはサイド6の中でも工業に特化したところで、表面上では兵器以外の製品を作っていることになっていた
名前?
私がたどり着いたコロニーは「ケファリ」という名前だったよ
……そっか、もう「私」とは全く違う話なんだね
難民には真っ当な役割は与えられない
兵器の製造に人体実験、密輸と数えきれない程の非合法な仕事
立場が弱いから、何も言えないから、使い潰してもいいから
生き残るために手段を選ぶことなんて出来なかった
難民なら、いずれ受け入れなければならない現実
——私には、その仕事すら与えられなかった
「タッパがでかいだけのガキに何ができるんだよ」
「しかも女だろ?使えねー」
「そのうち、どっかで死んじまうだろ」
幼すぎる私を雇うような人はあまりいない
いても、何か良くないことに使うつもりの人ばかり、嫌な匂いが私にまとわりつく
それでも、そんな人たちに捕まることは決してなかった
- 102二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 00:50:51
このレスは削除されています
- 103二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 01:28:40
- 104二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 09:17:47
保守
- 105二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 12:36:56
保守
- 106二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 18:36:38
- 107二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 23:28:42
保守
- 108二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 07:48:20
このレスは削除されています
- 109二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 16:12:27
一人ぼっちは寂しいもんな
- 110二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 22:13:39
保守
- 111二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 03:50:27
主にサイコミュと試作モビルスーツの稼働チェックが私の担当だった
工場長、親しみを込めて「オジヤン」って呼ばれてる人が作ったシステムに、工場のみんなが信念を込めて組み上げたモビルスーツ
作り上げた試作は可愛かったけど、オジヤンに全員が怒られてた
みんなは私を大切にしてくれた
まるでお兄さんみたいに見守ってくれる
まるでお姉さんみたいに応援してくれる
——だから失いたくなかった
オジヤンは私と話し合ってくれた
父親を、娘を重ねてしまう私たちはお互いに向かい合うことができないって教えてくれたこともあった
またあるとき、私は生き残るために行動してしまうことに悩んでいた
「ズルだろうと何だろうと、お前さんは生き残ることを選んだ」
「そんな人間が世の中にいても、大したことではない」
「サイコミュを積んで、MSの擬似的な心や心臓にさせる」
「生きる意思を持つMSは、パイロットを必ず生存させる」
「……そう考える狂人が、今も生き延びている世界ではな」
苦しそうに笑うオジヤンは私を乱暴に撫でる
その姿に寂しさを感じても、なんて声をかければいいのか分からない無力感を思い知った
——それでも生きていてほしかった
- 112二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 03:52:06
- 113二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 07:22:11
保守
- 114二次元好きの匿名さん25/07/29(火) 16:46:45
SS書ける人って本当に凄いよ、尊敬するわ
こうやって最終回後の生活や事件とかを描写してくれるのは、本当にありがたい - 115二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 00:05:56
保守
- 116二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 06:56:52
保守
- 117二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 16:07:04
- 118二次元好きの匿名さん25/07/30(水) 21:23:03
保守
- 119二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 02:28:41
正史の時点で1年戦争でMSのケンプファー送り込まれてるし
- 120二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 03:04:02
暗い空に居座る大きな兵器に向かって、それと比べると小さな機体が飛び込んでいく
その時の私にはよくわからなかったけれど、目の前にいる兵器は未完成のまま動いていた
対峙する試作と未完、先手を打ったのはモビルアーマーだった
数個の歪な機械が宙を飛び、私を撃ち落とす勢いで迫ってくる
生存本能が通るべき道筋を指し示して、鋼鉄の突風を潜り抜けた
頭の中で閃きが走った瞬間、相手の片手が光る
身体の隙間を通り抜けた光線が鋼鉄を貫き、下へと機械の破片と共に降り注いだ
——これ以上、撃たせたらダメ!
カルディアに内蔵された作業用の装備で、レーザーを発射した手を突き刺す
追い付いてきた機械を避けて頭上に飛ぶと、勢い余って兵器の腕にめり込むのが見えた
それでも、歪な機械と兵器は動いている
——いい加減に、全部止まれ!
突然、私を取り囲む機械は全て動きを止めた
まるで世界が応えてくれたみたいに、私が思った通りになる感覚
紫色や黒色が混じって、中心には黄色の丸が輝く世界が見える
私の世界が、一色に塗り潰された
- 121二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 03:06:58
カルディアとモビルアーマーが、サイコミュが共鳴する
紐がするりと解け、首から下げていた「お守り」が目の前に浮かぶ
そこには、銀の欠片から溢れるほどに輝く緑の光
光に機体ごと吸い込まれて、目の前に虹の橋
何かが流れ込む、暖かいもの、キレイなもの
わたしは広がっていく、繋がっていく
満たされる、還っていく、溶けていく
みんなと、ひとつになって——
「あなた……もうあの子は」
「大丈夫、大丈夫さ。私たちが生きているんだから」
「でも、もう、5年なのよ」
「それでも信じていたい。君も、そうだろ」
「ニャアン、お願いだから生きていて……」
「——会いたいよ、ニャアン」
あの場所へ、帰りたい
——帰りたいのに、元の私は透けている
「私」を探そう
——まだ、生きている「私」がいる
私と一緒に帰ろう
——家族が私を呼んで待っているから
戻ってきた私には、家族への執着しか残っていなかった
欠けていた部分は「私」と同化することで少しずつ埋めていった
段々と私自身が曖昧になっても、願いだけは忘れなかった
——そして、その果てに3人と出会った
- 122二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 11:19:15
保守
- 123二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 19:22:12
遂に「ニャアン」が向こう側からこちら側に来た…
- 124二次元好きの匿名さん25/07/31(木) 23:00:19
このレスは削除されています
- 125二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 06:40:05
保守
- 126二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 14:34:30
保守
- 127二次元好きの匿名さん25/08/01(金) 23:55:50
Caldia(心臓)か・・・
- 128二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 02:10:46
- 129二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 10:23:59
保守
- 130二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 14:49:35
- 131二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 14:56:23
その先は、なんて悍ましい話なんだろう
ずっと言いづらそうだった彼女の方を見る
——私よりも、ずっと、ずっと強い
もしも、あの時に彼女の身体を奪って元の世界に戻っていれば
私の思いは報われていたのかもしれない
けれど、「私」や彼女は決して納得しない
よく考えれば簡単なことだった
そこには、会いたかった「私」の家族はいない
そこには、「私」が失った人の代わりしかいない
私は止まれるけど、「私」は止まれない
彼女だって、止まるわけにはいかない
ここには、マチュもシュウちゃんもいない
大切な2人のために帰らなければいけない
私と「私」と彼女が混じり合った成れの果て、たくさんの世界を彷徨い続ける何か
望む世界をどこまでも求め続けるか、異なる世界を混ぜ合わせてでも作り上げるか、どちらにしても止まれない
そして、どの世界のニャアンでも、絶対に生き残ることを諦めない
それらから生まれるもの、それは正真正銘の悪魔だろう
——そんな取り返しのつかない結末に、いつかは辿り着くはずだった
- 132二次元好きの匿名さん25/08/02(土) 21:00:19
保守
- 133二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 02:22:55
保守
- 134二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 05:01:18
- 135二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 11:21:19
- 136二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 18:42:48
保守
- 137二次元好きの匿名さん25/08/03(日) 22:24:14
例えぇ!確かに分かりやすいけど例えぇ!!
- 138二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 06:46:43
保守
- 139二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 14:49:46
保守
- 140二次元好きの匿名さん25/08/04(月) 21:28:59
保守
- 141二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 02:42:10
今、執筆途中で悩んでいます
話の一区切りが大まかに2通り考えていますが
・月冴ゆる海原の夢ルート
「彼女」の小さくとも確かな歩み
・そして私は…ルート
「彼女」の確かにある切実な我儘
上の2つなら、どちらがいいでしょうか
どのルートも自分としてはハッピーエンド想定です - 142二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 07:20:04
個人的には月冴ゆる海原の夢ルートが見てみたいです
- 143二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 12:21:23
月冴ゆる海原の夢ルート
- 144二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 19:37:20
両方ですね
どっちかと言うと月冴ゆる海原の夢ルート - 145二次元好きの匿名さん25/08/05(火) 23:10:24
作者さんの問題なく書ける範囲で大丈夫ですよー
因みに私も上の方達と同じで、月冴ゆる海原の夢ルートに興味あります - 146二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 00:25:48
- 147二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 07:12:03
保守
- 148二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 16:42:11
凄い力作SSだぁ…続き、期待します!
- 149二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 20:25:17
ありがとうございます
- 150二次元好きの匿名さん25/08/06(水) 23:22:02
保守
- 151二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 07:44:16
保守
- 152二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 14:17:25
ぼんやりと浮かぶ「私」は赤い目を伏せて黙り込んだ
少しの間、考え込むような様子で小さく言葉を漏らした
「……私はどうしたらいいのかな」
途方に暮れた声が響く
そこに込められている苦悩や恐怖、私が読み取れる感情はマチュとシュウちゃんにどう映っているのかな
でも、2人の顔を確かめる前に「私」と話してみたい
「わかんないよね」
「……うん」
「怖いのは、自分自身」
「……今はこうして考えられる。でも、また混ざり合ってわからなくなるかもしれない」
「何がしたいのか、悩んでる」
「……今の私にとって、元の世界は存在しないから。いろんな世界のニャアンから生まれた悪魔の成り損ない」
「どこにもいけない、いてはいけない」
「——かえりたい、ばしょ、なんて」
彼女の声が震える
私と違う真っ赤な目には、涙の代わりに溢れんばかりの孤独が満たされていた
今度こそ、3人で顔を見合わせて互いに頷き合う
ふと背中に暖かな手のひら、マチュとシュウちゃんが私の背中を押してくれる
大きく息を吸って吐き出し、手を真っ直ぐに差し出し、心のままに伝える
- 153二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 14:19:55
「じゃあ、私たちと一緒にいよう」
「わからないなら、少しずつ知っていこう」
「混ざっていくのが怖いなら、私たちが何度でも呼び戻すよ」
呆気に取られた顔、赤色の瞳が揺れ動く
私の声に続けて、シュウちゃんが優しく語りかける
「苦悩も、後悔も、抱えていてもいいんだ」
「僕たちは受け止めるから」
震える手が私たちに差し出される
口が小さく開いては閉じて——それでも言葉は溢れた
「——で、いいの」
「私なんかで、いいの」
彼女の不安を吹き飛ばすように
あの時に、私の手を取ってマブになってくれたように
マチュは「ニャアン」の手を取って告げた
「一緒に暮らそうよ」
「楽しい思い出、いっぱい作ろう!」
少しだけ細めた目には、微かに金色が見えた気がした
- 154二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 20:13:02
やったぞ!SSの続きだ!
- 155二次元好きの匿名さん25/08/07(木) 23:22:39
居場所がないなら新しく作ればいいんだよ…