- 1二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:33:59
- 2二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:39:35
辞めてくれ悲しくなる
- 3二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:42:35
ルウム戦役の思念にカミーユの顔が悲しみで歪む!
- 4二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:44:11
ジェリドの代わりにエグザべ君と知り合うカミーユですか?
続きオナシャス - 5二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:44:31
- 6二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:44:37
ほんとにお労しいやつはヤメロ
- 7二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:45:46
ファ「カミーユ!...どうしたの?急に立ち止まって...」
カミーユ「いや...戦争はあっちゃいけないことだって思ってさ...」
ファ「?」
こんな感じになりそう - 8二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:47:25
いっそその知り合いの性別が女だったから殴っといたとかの方がマシな空気になりそう
- 9二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:48:13
表面は「人間違いしちゃった」くらいの軽さで言ってそうだけどカミーユは秘められた深い悲しみと寂しさを感じ取っちゃうヤツ
- 10二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:48:30
きっと高校の頃とかの知り合いに似てたんだろうな
エグザベくんの友人はみんなティーンエイジャーのままなんだ
大人になれなかったから - 11二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:50:43
そうか……大人になった姿を想像できないんだな……
皆あの日に時間が止まってしまって、先に進まされるエグザベだけが置いてけぼりになってるんだ
自分以外に生き残りはいないと理性では分かってるのにふと「もしも」を探してしまうエグザベ
いっぱいかなしい - 12二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:51:14
- 13二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:52:05
初手でルウムを浴びせかけられるカミーユの身にもなれや!!!!
- 14二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:53:00
- 15二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:54:11
- 16二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:54:26
- 17二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:56:29
- 18二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:56:41
- 19二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:58:18
ルウムの頃に居た、友達と同じ名前かって懐かしんでるだけだからな
- 20二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:59:29
これは1話でイライラしてるカミーユでも思わずスンとなっちゃうやつ
- 21二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 19:59:56
この後なんやかんやでエゥーゴに参加したカミーユの先輩にエグザベ君が居て何とも言えない状態になるカミーユ下さい
- 22二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:02:13
「女の子みたいな名前って揶揄って怒られたっけか…」
- 23二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:03:35
カミーユが悲しくなっちゃうだろ!
- 24二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:04:33
- 25二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:04:55
深い悲しみを感じてふと立ち止まってしまうカミーユが浮かんでくる…
- 26二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:06:27
- 27二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:06:30
なにこれ
エグ虐でカミ虐なの - 28二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:06:50
- 29二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:08:00
- 30二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:10:51
- 31二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:11:30
一話で流れていい曲じゃない…
- 32二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:12:09
- 33二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:17:41
そういやエグザベ君の機体Zの時期だとガルバルディ系列になるんだろうか
- 34二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:23:24
エグザベ君にはゼータプラス系列に乗って欲しい
何となくだが - 35二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:27:50
ガズエル・ガズアルでマヴ戦術やってみたり
- 36二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:40:59
- 37二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:54:05
ある日深い悲しみを感じて立ち止まった
柔らかな懐古と切ない哀悼を内に秘める人がいた
俺とは違う人を思い浮かべながら「カミーユ」と呟いた男の人が俺を通して遠くを見ている
遠く遠く、宇宙の果てよりも遠くに去って行った平凡で眩しい日々……その残骸を撫でるような視線だと感じた
深い悲しみと癒えない寂しさを抱えて生きていこうとする光が眩しくて
いつまでも立ち止まっていた
エグザベ「確か、初めて会った時はひと間違いしたんだったよな。懐かしいな……カミーユ?どうして泣いてるんだ?」
カミーユ「貴方が泣かないからですよ。僕の涙は……」 - 38二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 20:58:24
カミーユええ子やなぁ…
- 39二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:28:43
いい子やな〜
カミーユはエグザべ君と沢山話してくれ…😭 - 40二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 22:30:59
ゼータプラスのアムロ機はプロパガンダのために影武者乗せてた設定があるから割とうってつけかもしれん
- 41二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 03:40:15
カミーユにとって心の声と言葉が一致してる光の男はそばにいてくれたら楽だろうな
- 42二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 08:24:59
戦闘力高いし性格いいしニュータイプだし子供相手にも真摯に向き合うしカミーユのメンタルが確実に安定する
いよいよカミーユのメンタルはやばくなったらキラキラ空間で会話できるし - 43二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 16:29:25
エグザべにとってもカミーユの感応力は良いと思う
エグザべは職業軍人としての意識が高いから感情の揺れを抑制しがちで視聴者が勘違いしたように感情がないのかと引かれることがあるかもしれない
カミーユはもう上であるようにエグザべに感情かまあることを知ってるし今後も悲しいことがあっても抑えて意識を切り替えてるだけだと理解してくれる
色んな意味で良い関係を作れそう - 44二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 00:15:15
エグザベは日常だと落ち込む姿を見せたりもするみたいだけど軍事行動中はほぼ見せないかすぐ立て直すから隊長だったら頼もしいけど同僚だったら自分と比較して異質に思われることもあるかも
戦闘を終えた艦内でいつも通りにしか見えないエグザベのわずかに乱れた心を感じ取ったカミーユが「大丈夫ですか?」と聞いたら不思議そうな顔で見つめ返されて「大丈夫。ありがとう」と笑った瞬間に心が喜びで溢れて明るくなった
気遣われて嬉しい、カミーユは優しいなという思いが直に届いて驚きつつも(そうか。声をかけて良かったんだ)とそれまで遠目に見てた関係からよく話をするようになる二人
優しさを貰ったら感謝して好意を抱くエグザベの素直さと優しく繊細で察しの良いカミーユの相性は良いだろな - 45二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 02:20:29
保守しやす!
- 46二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 02:25:27
カミーユの運気エナジードレインパンチを受けずに済んだエグザべ君なら最後まで生き残れる
やっぱ世の中運だよ(確信 - 47二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 04:42:59
ちゃんと言葉にして相手と対話すると拗れないし、拗れてもなんとなく軽微で済むんだなぁという感じ
- 48二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 04:50:06
波間流離う難破船のように
- 49二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 14:52:25
カミーユには愚痴や何でも無い話が出来る同性が必要だと
常々思ってました
エグザベがんばれ - 50二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 23:57:24
このレスは削除されています
- 51二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 00:04:12
悩める人にエグザベ君はめちゃくちゃ相性良い
- 52二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 08:20:38
Zで殴り合いにならない組み合わせって貴重だよなあ…
- 53二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 17:39:41
もしかしてエグザべくんとカミーユの組み合わせってものすごく貴重で尊いのでは?(今更)
- 54二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 00:17:17
もっと見たい
- 55二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:00:20
なんとなくZZには出ないで逆シャアには出そうここのエグサベくん
- 56二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 08:36:26
架空設定(同陣営の戦闘員二人
敵味方の被害が多かった戦闘後、暗がりのベンチに座るエグザべ
スタッフが慌ただしく動いているのを遠くに感じる
「…あ、エグザべ!カミーユ見なかったか」
通路の入り口から光を背負って立つスタッフの声に顔を上げる
「ん?カミーユがどうした」
「良い戦い振りって聞いたけど機体破損あったし怪我はどうかと思って。あとついでにお前」
「僕はついでか?機体見たなら分かるだろ。元気だよ。カミーユも見た感じ平気そうだったかな」
「おっ、知ってたか。助かる!じゃ、医務室いっぱいだから部屋で休んでてくれ」
そう言って駆けていく背を見送る
息をついたエグザべは逆側に視線を落とした
「聞いてたか?カミーユ。休むなら部屋に行った方が良いぞ」
暗がりにいるエグザべの隣、自分の影に隠れるようにカミーユが座っていた
俯いた頭が微動だにせずエグザべの腕に押し付けて留まっている。艦に帰還して顔を合わせてからずっとこの少年は言葉もなくエグザべの隣にいたがった。奇妙な光景に視線が集まったのでこうして人の通らないベンチに落ち着いたのだ
声は聞こえているのか、より強く体重がかかった。
「嫌なのは分かった。でも出来れば言葉で話してくれ。僕がいた方が良いなら一緒に部屋に行くし、せめて休めるところに行こう」
「…ここで良い」
「そうか…膝でも貸すか?っいて!分かった!悪かった!このままな!」
手持ち無沙汰に気を遣ってみたら少年のプライドに触れたようだ。多少の痛みを感じる拳にそれなりの元気があると分かったので、気が済むまで放っておこうとエグザべも静かに目を閉じた
戦場で感情がぐちゃぐちゃになったカミーユが、艦に戻っても悲しみや混乱、焦り、苦痛に当てられて参りかけたとこに、いつも通りのエグザべを見つけて引っ付いてる日
感じるのは深い悲しみなのに、乱れも揺れもない水底のような感覚で、自分をそれに合わせて落ち着かせようとしてる
(泣きたくなるくらいに悲しい。でも酷く落ち着く。今の自分もそうだ。ただ悲しめば良い。…この人の根本はこんなに悲しい優しさで出来てるんだ)
感応で乱れそうになるとエグザべにチャンネル?合わせて落ち着こうとするカミーユとか、早々に慣れて放っておくエグザべの戦友?関係もありかなと
パラレル捏造世界 - 57二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 09:28:13
え、エグザベお兄ちゃん…
- 58二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 10:24:51
カミーユもエグザベも優しい思いやりの人間だし!平和のインテリジェンスはあるからこんなふうにうまくやってけるよね
- 59二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 12:25:10
エグザベくんに感応した時の感情
初対面での感応…寂しさ、悲しさ、懐かしさ、諦観
同じ陣営に入ってからの感応…安定感、他者への気遣い、平穏 - 60二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:31:50
カミーユが始末書書かされるときエグザベが書き方教えるんだよね。それで始末書の添削を苦笑いしながらするんだ。カミーユは別にエグザベが悪いわけではないからグチグチ言いながらもやるんだね
八つ当たりとか愚痴とか全部聞いてやってさ、民間人のカミーユに無理させてるのはエグザベわかってるから。
戦うのも怖いし嫌なのも分かるし、ほんとはそんなこと子供にさせたくないけど立場がそれを許してくれないから
せめて盾になりに行くんだ
カミーユも全部わかるから、早く戦いを終わらせたくて焦っちゃうんだ。ファやエグザベを戦場から平穏へ連れ戻したいから - 61二次元好きの匿名さん25/07/20(日) 18:33:53
殴られないザベくん見てジェリド困惑してそう
- 62二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 00:16:05
優しくて切ない世界だ
- 63二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 00:29:06
エグザベがサイド5の難民出身という背景は、感応してしまったカミーユしか知らないんです
怨敵であろうシャアがそこに居ることを知ってても、エグザベは宇宙移民を守る為にその下につくんです、社会環境の悪化が惨劇の原因と信じているので
カミーユはそんなエグザベのやり方がまどろっこしく思うし、感情を理性で抑えていつ限界を迎えて心が壊れるかもしれない生き方が見てて辛いし悲しいしで、エグザベの代わりに怒ったり泣いたり生意気言って喧嘩売ったりするんです
でも、そんなカミーユを見て心からありがとうといって救われたと感じるのがエグザベくんですよ
思ったけどこのルートのエグザベ戦死するかんじだな???なんで??? - 64二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:24:55
カミーユ「貴方はどうしてそこまで耐えるんですか。連邦もジオンも貴方の優しさに寄りかかるばかりで……どの口がよくもあんな!」
エグザベ「…変な言い方になるけど怒ってくれてありがとう。そうだなぁ、怒ったり泣いたりすれば僕の家族が帰ってくると言うのなら僕は一生怒り狂い、嘆き続けられるよ。
だが、なあカミーユ、現実は疲れるばかりでどうにもならんだろ」
カミーユ「…貴方にそんなことを言わせてしまうことが、こんな現実が本当に悲しいです」
エグザベ「まいったなあ。僕はどうにも人を励ますのが下手だな。カミーユが傷つく必要は本当に無いんだが………カミーユにだけは言ってしまおうか」
カミーユ「また貴方はそうやって一線を引こうと……何をです?」
エグザベ「僕はカミーユが言うようなお綺麗な人間じゃないって話さ。…ルウム生き残りの僕は、つまりルウムの代表と言えるだろ。僕が口をつぐんでいた所で少し探れば明らかになるだろうし、僕が恥ずかしい振る舞いをすればルウムの悪評に繋がってしまうわけだ。他人は変えられない。僕の努力で変えられるものは『ルウムで生まれたエグザベ・オリベ』だけだ。
僕が恨み言を言えば『やっぱり難民は…あそこの出はダメだな』だなんて思われて終わりだろう。だから言わない。僕の悲しみや怒りは表に出さず、何事にも必死で当たる。そうすれば君たちは疑問に思うだろう?『故郷を滅ぼされたのにどうして?』と……」
カミーユ「ええ、思います。痛いくらいに」
エグザベ「うん。僕は行動で示す。『難民出の大したことのない男にできたことがお前たちには出来ないのか?』と。難民はどうしようもない下等生物なんかじゃないのだと……僕が規範を示す事で、今を懸命に生きる難民たちが未来に繋がる可能性を増やしたい。
……長々とすまない。つまりだな、僕が優しいんじゃなくて打算でこうしてるんだということを知ってほしかったんだ」 - 65二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:26:10
カミーユ「───まともな良心を持つものは貴方の眩しさに耐えられません。貴方から遠ざかり、周りに残るのは貴方を利用しようとする獣だけになりますよ」
エグザベ「負けるつもりはないよ。カミーユも居てくれるし、僕は運だけは良いんだ。常に最善を尽くし真っ当に生きる。『エグザベ・オリベ』は運が良かっただけで、故郷ルウムじゃ平凡な人間だった。僕より素晴らしい人たちが数限りなくいたルウムを滅ぼした事は大損失だと、心を持たない連中だって理解できるかもしれない。ルウムを滅ぼして良かったことなんて一つもなかったと思う人間の数を増やせるように足掻く───」
エグザベ「───"一年戦争は全く意味のない無価値なものだった"と証明する。それが僕なりの"復讐"だ」
カミーユ「………」
エグザベ「いい人のフリをしてるズルい男なんだ、実は。……軽蔑されたかな」
カミーユ「軽蔑だなんて……するわけがありませんよ」
エグザベ「はは、良かった。カミーユに嫌われなくて。仲間に嫌われるのは覚悟していてもつらいからなぁ」
エグザベ「………」
エグザベ(カミーユ、君は優しい。こんな話を聞いてしまえば背負い込んでしまうと分かっていながら、僕を知って欲しくて話した。……ズルい大人でごめんな)
- 66二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 01:32:07
- 67二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 11:19:24
死亡フラグっぽいけどここまで話したんだし生き残ってカミーユとたくさん話してくれ
エグザべ君なりの復讐がらしくてとても好き - 68二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 11:22:44
エゥーゴも補給とかでコロニー寄ったりするはず
エグザベ「おはようカミーユ!今日は君とファさんは非番だろう?良かったら僕の調達任務に付き合ってくれると助かるんだが、どうだ?」
カミーユ「おはようございます、エグザベ中尉。……調達任務なんて御大層な言葉にしなくても買い出しでいいんじゃないですか?まどろっこしい」
エグザベ「ハハッ、そのとおりだよ。でもまぁ、軍ではそう言う慣習だから。カミーユは買い出しでいいよ」
カミーユ「……そんなんだから、大尉に『修正』されるんですよ」
エグザベ「ありがとうカミーユ。一応これでも人に聞かれないようにしてるつもりなんだが、まぁ、僕は訓練も受けているから平気さ。コツがあるんだ。……それで、調達任務だけれど」
カミーユ「買い出し、手伝いますよ、ファもエグザベ中尉のお誘いならグチグチ言わないだろうし、すぐ呼んできます」
エグザベ「助かるよ、本当に。化粧品のたぐいは、どうも僕だけの調達だと不安があるらしくって。……君とファをだしに調達任務のブリーフィングから逃げ出したって聞いたら怒るかい?」
カミーユ「呆れましたよ、中尉!そういう事は始めに言ってくださいよ、基地のエレカはもう女性隊員に抑えられてるでしょうね。あなたのそういうところこそ『修正』されればいいのに!」
エグザベ「そ、そこまで言うほどかな?5人ほど任務に参加しようしたから、流石に人数が多すぎると思って…」
カミーユ「……もう!僕とファでエレカを確保してきますから、中尉は基地の外まで頑張って逃げてきてくださいね。合流出来なかったら知りませんよ」
ここから始まる調達任務を建前にしたエグザベとカミーユとファの息抜きの何でも無い一日 - 69二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 18:51:13
保守かねて妄想つぶやく
戦闘ではエグザベが何をしてるかっつーと、高機動で真っ先に最前線につっこんで一騎で撹乱&敵の司令潰し
まぁ、画面には写らないしエース級ネームド級パイロットはエグザベスルーして、カミーユとかクワトロとかアーガマ狙うっていう同じ作戦とってくるんでエグザベ入れてもあまり負担減にはならない悲しみ。
ただ、部隊の指揮経験もあるのでカミーユとファが危ないと思ったら高機動でつっこんで助けてくれる - 70二次元好きの匿名さん25/07/21(月) 23:01:01
切ない……
- 71二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 00:05:06
テレビの前の良い子たちにはエグザベの活躍は見えない。
でも、不利な戦いでもせいぜい武器を落としてくるくらいでほとんど被弾せずに無事に帰って来るから後年、エグザベ考察スレが出来るよやったぜ!
本人も本人で早期に決着がつけば、降伏勧告出して犠牲をださなくて済むって思考でブリーフィングするんだ。首刈り戦術主義だなぁ。
で、カミーユが怒る!泣くほど怒る!だってカミーユのほうが強いから。機体も強いし
「毎回毎回!死にたいんですかあなたは!!そうやって!そうやって!!………僕は!!あなたに馬鹿にされているんですか?!」
「カミーユ、僕は君のことを馬鹿だなんて思ったことなんてないよ。僕は軍人で、カミーユ、君は本当なら民間人なんだ。君を戦力として考えるのは間違いなんだ。僕の力不足のせいであってはならないことをしている。なら!僕はせめて君を無事に銃後に帰すために出来ることは全部する。それくらいしか出来ない情けない男だよ、僕は。」
そうだ。僕がカミーユに尊敬されるくらい立派な人間だったのなら、カミーユもファもそしてあの娘もMSになんて乗らないまま生きていけたのに……
- 72二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 01:23:29
まぁ最後の段でこういう事考えてるのもカミーユには伝わってしまうんだけど、ため息ついた次には
「とにかく、目の前の問題に全力で取り組もう」
と切り替えて格納庫とブリッジとブリーフィングルームと必要各所と調整を続けるんだ。
戻ってきたら勿論デブリーフィングだ。必要書類書いたり集めたり検証したりまとめて戦報して、次の戦いに向けて戦闘員の休息訓練整備の計画立てたり、シミュレーション付き合ったり、無重力で身体鈍らないように体力つけたりしてる。こいついつ寝るの?
- 73二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 06:21:25
「目の前で二度も親を殺された僕に、何かを言える権利を持つ人なんて、いやしませんよ…!」
って泣き崩れるカミーユを支えてやりながら余計な慰めは言わずにひたすら背中をさすってそばにいてあげるエグザベ君はいる
後にエグザベ君もルウム戦役で両親どころか友達兄弟初恋の女の子みんな目の前で失ったことを知ってカミーユは「自分だけ世界一辛い目にあった悲劇の主人公気取りで…お恥ずかしいところをお見せしました」って謝るんだけど「大切な人たちを失った悲しみは誰だって世界で一番自分が辛い。僕もそうだったから。だから気にするなよ。僕なんかもっと泣いて、喚いて、自暴自棄になってた」って頭撫でてあげる。 - 74二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 13:52:36
エグザベがカミーユに正式に会うのは両親の死後かな?
対ティターンズのためのMS部隊の教導をしてたけど、ガンダムMk-IIの奪取の為に呼ばれてグリーン・ノアにブライトと来た。それで>>1に繋がるんだ。
少し遅れて着任して早々、カミーユに会って驚くんだ
エグザベ「な、君はまだ子供じゃないか?!しかも、民間人に何を、戦闘をさせているんですか?アーガマは。軍事法廷ものだぞ!」
カミーユ「いけませんか?僕は、そうでもしなければエゥーゴとティターンズの争いに巻き込まれて死んでいたんです。」
エグザベ「君がしていることを否定してるわけじゃないんだ。生きる為に仕方なかったと言うのなら、それは何も間違ってない。しかし、艦長!大尉!我々は軍人です。行動の是非は全て軍規に従って行う義務があります。そうでなければ、戦力を持つ大義を失います。」
カミーユ「そのあなたの言う御大層な大義は僕や両親をティターンズから守ってはくれやしなかった。……あなたも、いえ、あなたは誰なんですか?」
エグザベ「あ、ああ、申し訳ない。失礼した。僕はエグザベ・オリベと言う。中尉だが、きみは軍人じゃないんだ。エグザベと呼んでくれてかまわない。しっかりしてるんだな。」
しかし、エグザベくんは命令には逆らえないのでこのままなし崩しにカミーユはパイロットになる。なんならパイロットになった経緯の偽造も協力させられる。エゥーゴおまえさぁ
- 75二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 14:02:17
- 76二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 14:22:23
エグザベ「ニュータイプだからと言っても、君は戦闘訓練も受けてないし、軍事教本さえ読んだことも無いんだ。戦闘で前に出る必要はない。とにかく動いて動いて、敵の攻撃を避けるだけでいい。シールドが使えればより良いが。………うん。それだけ動けるのならまずは安心した。」
カミーユ「……これでもMSの大会で優勝してるんです。みくびらないでください。」
エグザベ「君は操作も正確だし、反応速度も並のニュータイプじゃ敵わないくらいに良いよ。でも、戦闘はスポーツじゃ無い。戦闘するのは軍人の仕事だ。君の仕事は生き残ることだ」
カミーユ「……僕は軍人に向いてませんか?僕も男です。戦えます」
エグザベ「僕は、君みたいに優しい気持ちを持ってる子供に戦って欲しくないよ。…それに、カミーユ、君には軍人が男らしい仕事なんて思って欲しくない。僕を見れば分かるだろう。民間人の子供をMSに乗せて戦場へ出す手伝いをしている。………(だから、せめて、無事に)」
エグザベ「まぁ、兎に角時間もないんだ。次はシールドを使っていこう!ダメコンも生き残る為に、頭に叩き込ませてもらうぞ!」
- 77二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 19:53:25
優しく尊敬できる軍人だからカミーユに尊敬され仲良くできるエグザベ
しかしそんなエグザベだからこそカミーユを戦場に送り出すしかない無力に忸怩たる思いを抱えていて、カミーユの心を守り支えようと万策尽くしている
そんな風に子供の献身を当然だと胡座をかいて享受せず、最大限報おうと向かい合ってくれる大人を守りたくてカミーユは意欲的に戦場に出る
そしてエグザベが曇り……
お互い良い関係なんだけど、お互いが大事だからこそ悪循環のスパイラルに陥るの一つの芸術品みたいでヤンス - 78二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 20:22:56
この立場、滅茶苦茶死にそうな気がする……
エグザベの腕ならハマーンやシロッコとタイマンでもしなけりゃ平気だと思うが - 79二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 20:26:32
なあに本編でも散々こんなの絶対死ぬキャラじゃんと言われてきて五体満足でエピローグを迎えた男だ
ルウム全滅やギャン部隊全滅から1人だけ生き残った強き男だぜ?
カミーユが死ぬか廃人になったのを泣きじゃくりながら抱きしめるエグザベで物語が終わってしまわないか心配した方がいいやつだ - 80二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 20:30:22
言ったらなんだけどここのエグザベは死に映えしすぎる
主人公に寄り添い心の支えになる誠実で頼りがいのある先輩、主人公を慮って戦場で先頭に立つ優秀な尉官、主人公が悲しくなるほどおだやかで優しい性格と悲劇の過去……少年主人公の自立と成長のきっかけとして物語的にいつ死なせても美味しい
でも悪運SSSだから全然生きてる気もする不思議 - 81二次元好きの匿名さん25/07/22(火) 20:49:46
このエグザベ君がカミーユの目の前で戦死した日には…
- 82二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 00:01:47
エグザベくんは地球に降りるかな?カミーユを守る為に、出来るだけ一緒に行動するよな。
しかし、別行動を命じられたらなぁ。 - 83二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 00:07:07
なぁに、ギャンが何が何でもエグザべ君を生還させてくれるよ
- 84二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 00:31:20
- 85二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 08:57:13
エゥーゴでツィマッド系MSといえばリック・ディアスになる
- 86二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 09:45:43
- 87二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 10:19:58
このレスは削除されています
- 88二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 11:35:01
- 89二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 11:50:38
ただ持前のノンデリ発言ぶっかましてカミーユ怒らせたりしてそうでもあるんだよなあ
- 90二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 11:53:32
アーガマで与えられた自室で仕事をしているとき、ドアを開けたままにしておくことはここ最近の常だった。何分エゥーゴは人手不足で、人員の入れ替え補充もよくある。新任の挨拶や回ってくる書類の提出で来る乗組員たちに一目で在室を分かってもらうには1番楽だったからだ。
今は先の戦闘でのカミーユのガンダムMk-2の動きを確認していた。歴戦のパイロット並の操縦技術であり、敵にいち早く反応し対応出来ている。本物の才能と言うものだろう。……彼は、両親と言う保護者を失ったばかりの民間人だと言うのに僕は一体何をさせているんだ。彼の復讐心に付け込んで戦闘をさせて、彼が人を殺してしまうことを止められない。
出来ることと言えば、戦闘中の動きの改善案を出す事とシミュレーションの相手くらいなものだ。彼を平穏な日常に帰すための行動とはほど遠い。息抜きにでもなればと運動に誘ってはいるが、あまり芳しい結果は得られなかった。
「……エグザベ中尉、失礼します。カミーユ・ビダンです。今、お時間ありますか?」
とりあえずの改善案をまとめている時に開いてるドアの外から声をかけてきたのは、今まさに考えていたカミーユだった。声にいつもより覇気がない。表情も暗い。
「ここにいる時なら、いつでも時間は大丈夫だよ。前にも言っただろ?疲れてるみたいだな。今、椅子を出すから座ってくれ。あ、ドアも閉めておくか?」
カミーユは、何も言わずただ頷いた。ドアを閉めるついでに秘蔵のチョコを渡した。最後の1個だ。来週迄は手に入らない。 - 91二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 12:10:11
まぁきっとすぐに誠心誠意謝ってくれるよ
- 92二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 13:53:24
カミーユは力なく椅子に座って俯いていた。渡したチョコは手持ち無沙汰に彼の両手に包まれていた。
頭のなかで何かを探そうとしているような、言葉にできる物を選びかねているような顔をしていた。
僕は、カミーユが探し物を見つけるまで待つことにした。それも大人の仕事だからだ。
彼の言葉を待っていた。
「……エグザベさんは、中尉はアムロ・レイと言う人を知っていますか?」
俯いたままのカミーユのそれはまるで呟くような、押し潰されて漏れ出たかのような辛そうな声だった。それに、僕にとってはまるで想定していない話題だった。アムロ・レイ。
「うん。士官学校の講義ではアムロ・レイの戦果は避けて通れないからね、連邦でもジオンでも。彼のMSパイロットの技術は理想的と言っても良い。何度も戦闘記録映像を見せられたよ。僕も参考にしてるところはあるけど、アムロ・レイ程の技術は再現できないし、再現してる人間にも会ったことないな。……あ、あぁ、いや違うか。そうだな。僕は、アムロ・レイという人には会ったこともないし、どんな人かも知らない。」
「………最近、艦長や大尉、皆が僕をアムロ・レイみたいだ、アムロ・レイの再来だって言うんです。」
初耳ではあった。書類仕事に忙殺されて、僕自身がカミーユに対して疎かになっていたというのか。
「カミーユ、君はアムロ・レイではないよ。」
咄嗟に出た声が震えていないのは上出来だった。目を合わせようとしないカミーユは、何かに怯えるか潰されているかのように小さく見えた。
「でも、皆、アムロ・レイにいて欲しいんでしょう!アムロ・レイなら、もっとうまくやって見せただろうって。僕に、僕みたいな子供に、アムロ・レイのようなニュータイプになって、それで、戦って、戦って地球の重力に縛られた人達を!」
様子のおかしさにカミーユの肩を掴んだ。顔をあげたカミーユと目が合った。そこには、孤独な子供しかいないのに。誰だって見れば分かるだろうことを、僕は分かるしかなかった。
- 93二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 14:20:20
「カミーユ、君は、アムロ・レイにならなくて良いんだ。」
カミーユの肩に手を置いたまま、ゆっくりと、そしてはっきりと言葉にした。僕自身にも言い聞かせるように、だ。
「まったく。アムロ・レイとニュータイプに皆、夢を見すぎているなぁ。」
エゥーゴがニュータイプに期待しすぎている組織だということは重々承知しているつもりだった。しかし、こんな一人の少年を思い詰めさせるまでとは。
「夢?夢を見すぎている?……でも、中尉、エグザベさん、アムロ・レイの戦果やニュータイプは確かなものなんでしょう?講義にだってでてくるって言うし、皆、当たり前のように、僕がアムロ・レイになれると。…僕だってアムロ・レイのことは軍関係の雑誌で知っています。伝説のニュータイプで、パイロットで奇跡だっておこせる。」
「カミーユ、雑誌なんて売れればどんな馬鹿げた事だって書くよ。戦後に出た赤い彗星の元カノ元カレ直接インタビューなんて記事はバカウケして未だに売れてる。そんなもの、君は信用するのかい?」
「そんなわけないでしょう、馬鹿馬鹿しい記事です!赤い彗星はベッドの上でも仮面を取らなかっただなんて。」
あの記事を読んでいる事は少し意外だった。彼のような潔癖なところがある男の子は避けるような話題だと思い込んでいた。しかし、今は役にたったようだ。カミーユの口の端が少し上がったような気がした。
- 94二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 15:00:26
カミーユの肩から手を離してもよさそうだ。
「すみません、取り乱しました。みっともないところを。」
「みっともないなんて事はないさ。むしろ謝らないといけないのは、こっちの方だ。アムロ・レイの伝説に取り憑かれて、君の負担にしかなっていない。気づくのが遅れて申し訳なかった。」
立ち上がり頭を下げる。僕が頭を下げたところでなんにもなりはしないが、そうしないでは居られなかった。
「やめてください、中尉。僕は、…僕だって、」
手を軽く挙げて、カミーユの話を止めたのは、それ以上を言わせない、決意させない為だった。
それに、カミーユの求めているものは、彼が本来居るべき場所はそこにはない。探し物がそこにないのなら、別の場所に促すのも大人の仕事だ。
「昔、僕の同期にミゲルってやつがいてね。カミーユ、君と同じで軍関係の雑誌や戦史研究が好きだった。………ミゲル、そいつに言わせると、アムロ・レイは不運の人だって言うんだ。激戦区を転戦させられて伝説を作らされてもなお生き残ってしまった、不運な人だと。」
カミーユの顔が怒りに歪んだようだった。いや、怒らせるつもりで話したわけではなかったが、そう、僕は少し居心地が悪かった。
「そんな、そんな酷い言い方!あんまりだ!生き残る事が不運だなんて冷たい言い方されるような……」
「そう、僕だってその時はミゲルに怒ったよ。不謹慎なことを言うもんじゃないって。……しかし、カミーユ。僕はアムロ・レイに会ったことも話したこともないんだ。君も。」
不意を突かれたような顔だった。まるで、ぼーっと歩いていたところに後ろから急に声をかけられた時の顔だ。
「……彼は、いや、アムロ・レイは、不運だと思ったかも知れない……そう感じている?英雄アムロ・レイが。」
「それは会って話してみないと分からないことだ。勝手に推測して哀れに思うのも、英雄や伝説扱いしてしまうのもどちらも彼にとっては迷惑なことだよ。」
僕は考え込んだままのカミーユの両肩を掴んで顔を覗き込んだ。もう、不安そうな目はしていなかった。
「だから、君は、アムロ・レイにならなくて良い。僕も、カミーユをアムロ・レイにはさせないよ。」
- 95二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 15:35:21
安心してくれたのだろうか、カミーユは徐に手にしたチョコを口に入れた。眉間に皺を寄せて難しい顔をしている。
「エグザベ中尉のくれるこのチョコ、いつも思うんですけど、甘すぎるんじゃないんですか?歯が溶けそうです。」
「ハハ、まぁ、軍特性の疲労回復用だからな。歯磨きは忘れるなよ。」
「今度はもう少しビターなやつが良いです。あるんでしょう?メリジ社が出してる本物のカカオを使ったレーション」
軍関係の雑誌から知った情報なのだろう。内部では最近トレンドになった話題のチョコのレーションのことだ。
「存在はしているらしいよ。でも、たかが中尉には手に入らないから、チョコはこれからもその味だ。」
甘いものを食べているのに、苦虫を噛み潰したようなかおをカミーユがしている。
「ケチ臭いところなんですね、軍てやつは。」
「そう、ケチ臭いところなんだ、軍ってやつはね。」
コーヒーでもいれてやるか。インスタントで泥水のような味がするが、これがコーヒーだと言われたら受け入れるしか無い。軍はそういう所だ。
「カミーユ、君が本物のコーヒーとチョコを食べに行けるように。」 - 96二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 18:44:08
- 97二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 19:17:28
やっと届いた新品のパイロットスーツの確認をしているところに、カミーユは低重力と強めの慣性に流されるように入って来た。遅れて、彼の幼なじみでガールフレンドであるファさんも入って来る。ここ一応男性用更衣室だから、一声かけてほしいなとは思いつつも、既に慣れた風景だった。
「カミーユ、ファさん、おはよう!そんなに慌てて何かあったか?」
「何かって、有りましたよ。あるんでしょ?エグザベ中尉は僕に内緒にしてましたね?」
掴みかかられるのかと思うくらいの距離でカミーユが興味津々の顔で言う。もうバレたのか。艦長か大尉か整備士か、はたまた、昨日の補給で着任した新任か。犯人候補は数えられないくらいにいた。
「カミーユはエグザベ中尉さんの専用機が届いたってさっき盗み聞きしたんです!」
「人聞きの悪いこと言うなよ!ファ!あの人たちの声が大きかっただけだろ。」
盗み聞きとは言うが、別に隠しているわけではない。
「いいよ、別に隠していたわけではないからね。そもそも、ちゃんとテストしたら、君にも見せるつもりではいた。」
そう、アーガマの中では隠しようもない。ただ僕の専用機は変わり種とか特機とも言えるような使い勝手の悪さがある。ガンダム系列と比べるとそれは顕著だ。
「テストって、中尉の専用機なんですよね。なぜこんなところで、テストする必要があるんです?」
パイロットスーツを着込みながら、不思議そうな顔のカミーユを見た。ファさんは一応とばかりに背を向けてくれている。ありがたい。このパイロットスーツは身体にフィットするように作られている。 - 98二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 19:37:26
アポリーとは違うタイプのいい兄貴分になりそう
- 99二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 20:24:12
文才多すぎてただで読めていいんですかって気分になる
相談相談とメンタルケアできるのいい - 100二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 20:38:19
「カミーユにかっこ悪いところを見せたくなかったからだよ。いや、ふざけてない。」
僕がからかったと思ったのだろう、抗議の声をあげかけたカミーユを片手で制止しながら言う。整備士と打ち合わせた時間も近い。エアハッチまで移動しながら話すことにした。
「本来の機体に改造を重ね続けて、テセウスの船状態なんだ。ソフト面も。不思議と故障は起きてないが、君たちに見せるときにトチったりしたら恥ずかしいことこの上ないじゃないか。」
「型落ちなんですか?」
「いや、マグネットコーティングはされてるし、中身はリック・ディアスをブラッシュアップさせたものだ。リニアシートも。」
丁度エアハッチの窓からそれは真正面に現れた。白銀にカラーリングされた左腕に大きな盾のようなものを持った騎士の姿。金色のラインは変わらずか。
「紹介するよ、僕の愛機のギャン改-Ⅱだ。」
カミーユは早速窓に取り付いて身体と顔を動かしながら、ギャン改-Ⅱを見ていた。こちらからは見えないがおそらくキラキラした目で見ているのだろうかとは、後ろ姿からもわかる。
「正面からでも分かるくらいにバーニアが大きい。武装は……左脚に装着されているのはビームライフル?盾が大きくてよくわかりませんよ、中尉。右腕のはアレは槍?ビームサーベルは付いてるんだよな?」
「カミーユ、そんなにいっぺんに聞かなくても、中尉さん時間無いのよ。」
カミーユの横にファが寄り添いながらそう言う。そう言いながらも興味津々にギャン改-Ⅱを見ているのは微笑ましい光景だった。
「左腕のは盾じゃない。片手持ちの推進機だ。右腕の武装はビームサーベルと言ってはいるが、ビームジャベリンの系統だ」
「推進機?ドダイではなく?個別に装備を?」
カミーユが怪訝そうな顔をしているのが、窓ガラスに映って見えた。ハッチの出口に近づきながら答える。
「ゼータよりもトップスピードは早いぞ。まぁ、その分お高いんだが。」
整備士がこっちに気づいた。カミーユとファに軽く手を振り、外へ出た。
- 101二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 20:41:38
この世界線だとエグザべくんも『修正』されてるのか〜割と結構ガッツリパンチ入ってそう軍人だし
- 102二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 21:48:31
整備士と管制室との打ち合わせが終われば、コクピットに収まる。新型のパイロットスーツとシートには互換性が必要で腰から伸びるケーブルを規定の位置に取り付けてから、火を入れることになる。久しぶりの愛機だが、作業は身体に染み付いている。コンソールを叩き、計器のチェックをする。機体にトラブルはない。推進機にもだ。
管制室にオールグリーンを告げれば、カタパルトへの進入の許可が出る。
「ギャン改-Ⅱ!エグザベ・オリベでます!」
カタパルトの急加速はまだ良い。腹に力を入れれば耐えられる。始めの頃は慣れなくてうめき声をあげたものだったが。
ギャン改-Ⅱはいい機体だと言うのも扱いづらい機体というのもどちらも本当だ。
「欲しかった速さと距離がこれで手に入る。」
ギャン改-Ⅱの左腕の推進機【通称:パンジャンドラム】を起動する。カタパルトより強くかかるGには一生慣れることはないと思いたい。シートに身体が押し付けられ、両腕も肩も後ろに引かれそうになるのをマウスピースを嵌めた歯を食いしめて耐える。トップスピードは問題なく出た。計器にも不備はない。思ったとおりに進む。流石、僕の愛機だ。
愛機だから、こいつの欠陥よく知っている。高機動、急加速、急制動、つまりパイロットに負荷がかかりすぎるのだ。高Gによってパイロットはブラックアウトやレッドアウトしやすいのだ。どうかすれば、機体の制御を失って宇宙のゴミとなる。
「だが、こいつがあれば。」
速さと距離が欲しかった。
カミーユやファ、カツを狙う敵を高速で引き離し、知覚できないほどの距離で倒すために。
速さと距離が必要だった。
子供たちに人殺しさせないために。
ギャンが、愛機が必要だった。
ニュータイプさえ追いつけないほどの速さと距離が欲しかった。
- 103二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 21:55:25
ハクジだけでなく盾まで推進機になっててパンジャンまじパンジャンすぎる
- 104二次元好きの匿名さん25/07/23(水) 23:27:15
ギャン改-Ⅱの急加速と急制動、それはパイロットにとって酷い負担だ。内臓が脳がシェイクされる動きも慣れなどで対応できるものでは無いと聞いている。
僕は、運が良い。ギャン改-Ⅱは思い通りに動いてくれる。いや、動かせる。
昔はパンジャンドラムは推進機ではなく、ミサイルの内蔵された盾だったとカミーユが聞いたらどんな顔をするだろうか?そんな事を考えられるくらいには、余裕もある。
「一通りのチェックは、済んだか。アーガマ応答ください。そちらでのデータ採取の進捗は終わりましたか?」
こんなに楽しそうなカミーユ、久しぶりに見たのかも。ファは何やら整備士の休憩室で気持ち小さくなったつもりで、カミーユを見つめていた。
「ギャンってどこの機体なんです?聞いたこともない。」
休憩室には映像データが映されていて、大半の人は低重力の中でリラックスする体勢でおもしろそうに画面を見ている。カミーユも目を離すことなく、質問をした。もう、マナーがなってないんだから。
「ジオン公国末期の名機だよ。制式に採用されなかったから知ってるのなら、よっぽどのマニアだな。」
整備士のアストナージさんが答えてくれた。
カタパルトに入ったエグザベ中尉の機体は白銀に金色のラインが入っていて、一目で特別とわかる。男の子なら憧れるのも分かるなぁと思える機体だった。
「左腕の盾に見えるのは推進機だ。中尉から聞いたか?そうか。通称はパンジャンドラム。前進だけじゃないぞ。左右上下への機動を補助する機能が……お、発進したか。」
「バーニアもあんなに大きいのに?」
「ああ、航続距離を伸ばすのが主目的だからな。中の推進剤の量は中々のものだぜ。ギャン改-Ⅱはパンジャンドラムを使用するために左腕左肩の構造はかなり硬くされてる。つまり可動領域も狭い。パンジャンドラムから左脚のビームライフルに装備交換するのに、かなりコツがいるらしい。」
「AMBACはどうなるんです?ビームライフルの射角がかなり狭くなるのは戦闘に支障をきたしますよ!」
もう、私には分からない話になってきた。画面の中の中尉のギャンはバーニアを蒸かして加速していった。白い線が画面に走る。
「ちょっと、観測カメラ追いついてないよ、何やってんの!!」
誰かが声を上げる。あの機体、すごい速いんだ。私が動かすメタスよりもどのくらい速いんだろう。
- 105二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 00:16:19
機体コンセプトのスピードジャンキーぶりが上がっているな…
- 106二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 00:21:44
本編でも他の機体とは挙動違いすぎて笑ったんだよね
何じゃあこの高速ジグザグダッシュ - 107二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 00:25:21
子供たちが戦場に向かうことを止められない…!
ならば子供たちが追いつけない速度で戦場を敵ごと遠くにやればいいんだ!敵はシェイクされて死ぬ!と言わんばかりのピーキー機体ワイルドで好き - 108二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 00:36:30
「機体に付属してきたデータ通りの動きなんだよな?」
「観測できてないぞ、なんでだ?」
「どうせ観測班が甘く見積もったんでしょ。あ、ほら追いついた。」
「あーあー、パンジャンドラムの起動まであと5秒だ。再テストかかるかもな。」
「機体の進路と速さはブリーフィング通りだ。大丈夫だろう。それより、観測班だな」
「パンジャンドラム起動した!」
ふとカミーユの声が聞こえ無いことに気づいた。あんなにはしゃいで、楽しそうにしていたのに。
画面を見つめ続けるカミーユに近づき顔を覗き込んだ。
「また、画面から消えたぞ、ブリーフィング通りなのか、これが?」
「データはちゃんと渡してますよ。」
さっきまでのカミーユとはまるで別人だった。顔を驚くほど青白くさせて、目を見開いて恐ろしいものでも見ているかのように画面から目を離せないでいた。
「カミーユ?……どうしちゃったの?カミーユ?」
「……とめて、止めてください…」
カミーユは戦慄くように、いや実際にカミーユが恐怖しているのが分かってしまった。何に?カミーユに教えてほしかった。
「止めてください!こんな、機体を止めさせて!誰か!テストの中止を!止めて!管制室に誰か連絡してくださいよ!エグザベ中尉に中止を!」
大声をあげても画面から目を離さずにいるカミーユを落ち着かせるように抱きついて休憩室のソファに押さえ込む。アストナージさんや他の整備士の人も何人か寄ってきて手伝ってくれた。
「止めないと、こんな機動、中のパイロットのことは!人が、エグザベさんが乗っているんでしょ!止めて!」
整備士の一人が軽くカミーユの肩を押さえながら声をかけてくれた。抱きついている身体の震えは、私にも伝わるくらいになっていた。
「大丈夫だよ、坊主!ブリーフィング通りの動きだ」
「慌てるようなことはないさ。付属された映像データとも大きな相違はないよ。」
- 109二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 00:42:22
不穏!!!
パンジャンドラムか!?パンジャンドラムがパンジャンしてしまうのか!? - 110二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 00:53:58
そんな普段の整備士達からは聞けないような優しげな声がカミーユの恐怖を煽ったことは私でも分かった。分かっちゃった。
「これ、エグザベ中尉さんの機体って危険なもの、なんですか?専用機って言ってたのに?」
「実際、専用機だよ。見ての通り中尉には動かせてる。」
「えぇ?私にも動いてるのが見えます。」
画面の中では白い線が走っては消えるのを繰り返していた。人が白い線になる速さ。
「馬鹿、馬鹿言わないでください!貴方方は!整備士なんでしょう!分かるはずだ!あんな速さで動いたら中の人は!息だって出来なくなる!!」
そんな速さだったのも気が付かなかった。カミーユはソファに座らせられても画面を観ようとしていた。白い線はまだ走ってくれている。
「そういう機体だってエグザベ中尉からは聞いてるよ。艦長たちからも大尉からも許可の降りた機体だ。」
「そんなバカなことが、あってたまるものかよ!息ができないってことの意味、わかりますか?!?!」
「中尉はいい機体だと。新型のパイロットスーツはコクピットに接続されて、気絶したら電気ショックが走ることになっているから安全性も確保されているそうだ。」
- 111二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 01:02:30
エグザベくんはGQ世界だと死ななさそうだけどZに出てきたら死にそう
これはエグザベくんがどうとかよりもZが死屍累々すぎるんだけど - 112二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 01:16:09
気絶したら電気ショックが走る??整備士さんがそう言ったのは本当なのかしら?私の聞き間違いじゃなくて?カミーユを盗み見ると青白い顔からさらに血の気が引いたようだった。
「そんな、そんな事って……そんな事したらどうなると思ってるんです!!あの速さでいきなり機動がブレたら、制御を失ったら!!人は!エグザベさんが!死んでしまう!!!」
引きつった声をカミーユがあげている。私は実感がわかなかった。それはそうね。メタスで戦場に出たってだけだもの。
「あんな速さ!僕のゼータでも追いつけない!!取り返しがつかないんだぞ!!」
「一通りのチェックは済んだか。アーガマ応答ください。そちらでのデータ採取の進捗は終わりましたか?」
どのくらい経ったんだろう。エグザベ中尉さんの声が聞こえて、休憩室には安堵の溜息が溢れた。無事で良かった。
「管制室からエグザベ中尉に着艦の許可が出たぞ。良かったな、坊主。」
「………なんで、エグザベさんはあんな機体を使うんですか?!命を捨てるような機体を!あの人はそんな人じゃ、そんな事していい人じゃないのに。」
整備士の人は誰もカミーユの問いかけに応えてくれなかった。私も知りたかったのに。
設定借りたエグザベ専用機ギャンMk-Ⅱお披露目編
テレビの前の良い子たちには、実際こいつが戦うところはほとんどみえません。
コクピット降りた後?まぁ、体中青痣だらけなのでは?知らんけど。
これくらい機体盛っとけば死なんやろの精神が大事 - 113二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 01:20:03
戦闘機パイロットの話に出てくるような、体の弱い部分の毛細血管がぷちぷち切れる音を聞いてたりするんかなエグザベ君
- 114二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 01:24:16
グラハムみたいに吐血しながら操縦してそう
- 115二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 01:39:52
たぶんその体中青あざだらけなのはカミーユとファの耳に入れさせないほうがいいやつだ
- 116二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 10:49:28
でも何かの拍子で、医務室に運び込まれて上半身を脱がされたエグザベの身体中の青痣を見てしまい…
- 117二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 11:14:26
- 118二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 13:45:44
このエグザベくん、Z放映中はもっぱらカミーユのメンケア担当に見られてそう
活躍は画面に映んないし、上にあるようなルウムの話も流れなくって、後ほど外伝で「お前ルウム出身者だったんか!?」って視聴者が慄くやつ
ジオン版ボッシュか? - 119二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 13:51:44
パイロットが苦痛に呻いたり息を乱したりしてるときよりも「いっってぇ!!!」ってやや間抜け寄りのリアクションしてるときのほうが深刻なピンチのやつだ
- 120二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 14:27:31
アーガマの僚艦だったモンブランに乗ってたってことにしても良いなエグザベ。ジムⅡも乗れそうだし。
以下捨てるネタ
ジオン共和国と地球連邦エゥーゴ派閥の秘密協定のもと、後方でMSの教導をしていたとか。無理あるかな?
アーガマだけがエゥーゴというわけじゃないから、アーガマと別口でガンダムMk2の情報を追って偵察がてらにグリーン・ノアに来たら思ったより機体が完成してるし、アーガマがコロニーに穴開けて戦闘してまで奪取し始める。
騒動に紛れて逃げるようにコロニーを離脱して、モンブランに搭乗するように協力者から伝えられ、搭乗できたかと思えばジムⅡのパイロットをしてくれと。
ジムⅡはそれまで乗っていたジオン系の機体とは違うから困ると言いつつ、僚機と訓練、戦闘指揮もしている。
アーガマ?モンブランにはろくに情報落としませんよ。カミーユの両親のことも1パイロットのエグザベ中尉は知りません。アーガマに白旗持ったガンダムが着艦したらしいくらいしか。リック・ディアス盗難も多分後から聞かされてる。ティターンズのMS追撃隊に対処しろと言われてするけど。
モンブラン撃沈の後アーガマに合流して記録を読んで初めて知る感じですね。
30バンチ???そんなところ子供のカミーユを行かせるエグザベだとでも?修正を喰らおうが、反対しますよ。独房行きかな?
誰か書いて欲しいですね。 - 121二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 15:04:18
いや、ゼータ見直してるんだけど
頭の中のエグザベくんがずっと
「いや、何やってるんだ!なにいってるんだ!」
「子供だぞ!民間人だぞ!」
「やめろ!」
「その子は親を亡くしたばかりなんだぞ!」
「やめろ!正気か!」
を繰り返してる。 - 122二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 19:02:01
まともに大人やってくれるキャラはすぐ退場する!正気の大人が居ない!居ても余裕なくて荒れてる!才能ある主人公に皺寄せが集中する!!
だから作品に1エグザベ必要だったんですね - 123二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 19:12:57
死んだら一気に崩れるやつだ…扇の要だ…
- 124二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 19:27:05
優しいが甘やかさず、人を利用せず決して見捨てない、共感と理性のどちらも充分にありどちらかが先走ることもなく、苦境に折れず挫けず努力する強さがあり、そしていつなんどきも心を開いて子供の言葉に真摯に耳を傾けてくれる大人なんて何人いてもいいですからね
今まで見たことないキャラ造形すぎる…… - 125二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 19:30:53
カミーユが文字通り全てを捧げて排除したゼータラスボスシロッコとはどうなるんだろうな。あいつマジで強すぎる
シロッコからは凡俗って見下されそうな気がするエグザベ中尉 - 126二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 21:08:13
たまにエグザべをどう見るのかみたいな流れで理想的な職業軍人NTしてるから気に入りそうってレスも見たな…どうだろ…シロッコを何もわかっておらん
- 127二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 21:09:12
「パプテマス・シロッコ!おまえの言う、平凡でどこにでもいる人間が!人間達が!宇宙世紀まで!命を繋いできたんだ!」
「僕は!凡俗で良かったよ!お前にならずに済む!」
多分、戦闘しながら叫ぶんじゃないか?
エグザベか?これ、ちゃんとエグザベしてるか?
- 128二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 21:13:10
操縦ミスってキリモミ状態になったら確実に死ぬやつ
- 129二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 21:13:16
生の感情を出さない点は評価されるだろうけどあいつからしたら同じく人を率いるような存在である人間と自分の思想を理解や共感するやつ以外は全員まとめて俗物だと思う
- 130二次元好きの匿名さん25/07/24(木) 22:31:59
エグザベ・オリベは、内心自分のことを褒めていた。よく艦長や大尉に殴りかからなかったものだ、と。新任の頃の自分なら果たして我慢できただろうか?いや、我慢するしか無かったか。
月面都市アンマンにおいてアーガマに着任し、即時、戦闘記録と航宙記録を引き継ぎのために確認するのは当然の軍務だった。
「……こんな、子供を、最前線に。」
かれこれ記録を5度は読み直しただろうか?しかし、目の前の現実は変わってくれない。
カミーユ・ビダン。16歳。勿論、士官学校の生徒ではないし、軍への志願兵でもない。例え志願兵であろうと、何の教育課程も終えないまま、前線に配置されるなどと言うことは合ってはならないことだった。一年戦争は、そういう戦訓を残している。
戦訓とは、戦友たちと英霊の血と涙と骨で書かれたものだ。軽視するなど、あってはならない。そう、軍では習うものだ。
「……グリーン・ノアのカミーユ。」
そう。グリーン・ノアの宇宙港ですれ違った子供だった。
あの日、壊滅した故郷と共に二度と会えなくなってしまった友人と同じ名前の子供。彼は、すれ違ったことを覚えていた。なぜだろうか?僕のような、どこにでもいる人間を彼は覚えていて、そして、驚きを隠せずにいたようだった。僕が名前と階級を自己紹介した後、彼、カミーユは与えられた自室に戻ったとは、クワトロ大尉の横に控えていたエマ中尉の言だ。
「ひとり部屋か。配慮されているのか、そうでないのか。」
まるで、艦長と大尉の真意が読めない。艦にはそれぞれ、その艦特有の空気と慣習がつきものだが、アーガマのそれは肌に馴染みそうにない。いや、こんなものに馴染んではいけないか。
「…彼の代わりになるパイロットを派遣してもらえないか、陳情するしかないか。」
果たして、艦長を飛び越えて連邦上層部に陳情書が届くかどうか?まぁ、打てる手は全て打つしか無い。
後は、MS隊と交渉か。大尉は彼を前線に出す事に意欲的だ。ゾッとする程に本気で続けるつもりでいる。他のパイロットが彼を前線に出す事に反対してくれれば良いが。 - 131二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 00:39:24
兎にも角にも行動を起こさなければ。月面都市アンマンに入港したアーガマの乗組員は恐らく、久々の休暇で出払っているだろうが留守要員もいる。パイロットなら特に全員が一斉に休暇を取ることはな無い。無いはずだ。
いや、その前に、カミーユ・ビダンに事実確認することが先だろうか。辛い体験だ。僕は子供にあんな辛い体験を思い出させ、供述調書を取らなければならない。あんな、子供に。しかし、アーガマの記録は全面的に信用できなかった。あまりに非常識すぎるからだ。
カミーユ・ビダンの自室前に着くと同時に、部屋に飛び込んだのは、咄嗟のことだった。エマ・シーン中尉がカミーユの頬を張ったのが彼女の後ろからでも見えた。
僕が着いてきている事に気付かなかったであろう、部屋の入り口に立つエマ中尉を押しのけ、カミーユと彼女の間に割って入る。
「エマ中尉!何してるんですか?!」
もしかしたら二発目を張ろうと思ったのかも知れないエマ中尉を押し留めように手を広げた。狭いこの部屋なら、少しは牽制になる。
「あなた、エグザベ・オリベ中尉でしたか?どいてください。カミーユは集合の号令を無視したんです。」
「僕は、軍属じゃありませんよ!」
背後からカミーユ・ビダンが声を上げる。そう。彼は軍属ではないし、軍人ではない。だからこそ、僕は彼を自室に呼び出さなかった。
「あなた、パイロットなのよ!」
「待て待て!カミーユの言ってることは正論だろう?!彼の扱いは、民間人のままだ。パイロットとして扱う事は軍規の上で許されないぞ!」
迫るエマ中尉を押さえながらそうは言ったが、果たしてこのアーガマで軍規と言うものがどれだけの効力を持っているのか。
「エグザベ中尉!先任の命令です。艦長とクワトロ大尉も同意の上のこと!カミーユをこちらに!」
「な、本気なのか?」
軍隊において先任とは、先に軍務についている者を指す。階級が同じならば、先任の命令と意見が優先されるのだ。それは勿論、普通ならば。
「僕は行きたくありませんよ。」
足元を緑色のボール型のペットロボットが転がった。
彼の持ち物にこんな物があった報告はなかったはずだが。
「ここは軍なのよ、弁えなさい。」
今度はエマ中尉が僕を押しのけ、カミーユの腕を引くと足早に部屋を出ていく。冗談じゃない!足にまとわり付きながら転がるペットロボットを拾い上げると、2人の後を追った。
- 132二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 01:07:38
エグザベ中尉…!
カミーユをちょっとでも楽にしてあげたいエグザベ中尉の精神安定のためにも
理解者というか寄り添ってくれる大人がひとりいるだけでも違うだろうけどエグザベは気休めとしか思えないだろうしなぁ - 133二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 02:31:01
本当に!冗談じゃない!!
カミーユのような少年を、民間人を、パイロットととして集合にかけるなんて。非常事態だろうがあってはならないことだ。ましてや、ここはアンマンだ。月面都市で反ティターンズ組織であるエゥーゴの本拠地だ。彼をアーガマから降ろして、この都市で保護するというのならともかく、パイロットとしての集合?!正気か?
この時、2人を追いかけた自分を僕は本当に心から褒めてやりたい。アーガマの外に出た2人は艦長と大尉、それから恐らくエゥーゴの関係者の誰かが乗ったエレカに出会した。
まさか、その関係者の男性が出会い頭にカミーユを殴り飛ばすなんて思いもせず、僕は子供が殴り飛ばされるのを見た。子供が、大人に殴られるのを。
男性をカミーユから引き離すが、なんだこの人?力が強い。
「ま、待ってください!!あなた、何を?この子が何をしたと!」
殴り飛ばされ、地面に倒れるカミーユに近づけないように両腕を広げ立つが、彼も怯みはしなかった。当たり前か。僕には迫力とか気迫とかがないと、士官学校時代から言われてる。
「彼はパイロットなのだろう!遅刻をして謝りもしない!増長したその精神を修正する!!軍なら当然のことだ!」
「待ってください!彼は民間人です!」
本当に待って欲しかった。大尉も中尉も艦長も、この男性を残して建物の陰に隠れている。そんな事ってあるのか?子供を生贄にしているとでも?
「君は何だね!軍人ならば修正される事の必用性を理解できんのか?!」
本気で言っている。この男性は本気で、自分の行動が正しいと、必要な暴力だと思っている。それを理解してしまえば、覚悟はできた。生唾を飲み込んだ後、両腕を後ろで組み姿勢を正した。軍で必要な制裁を受ける時の姿勢だ
「自分はエグザベ・オリベ中尉であります!彼、カミーユ・ビダンが今回の集合に遅れたのは自分の指導力不足に原因があります。修正!願います!!」
言い終わるや否や、腰の入った重いパンチが顔に入る。続けざまに腹にもだ。定石だ。足にも腹にもキックが入るが、倒れるわけにはいかなかった。
子供が大人に殴られるなど、それも、恐らく彼には理解できない理由で殴られるなどあってはならない。
- 134二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 03:01:03
顔、腹、膝、肩。僕の身体のあらゆる箇所をパンチやキックで殴り続けてくる。
うめき声をあげ、痛みに耐えながらも僕が考えたのは、この人が殴り疲れないことに対する感心だった。エゥーゴの関係者だけあって、いざという時に備え生半可に鍛えては居ないのだろう。素直に努力の人なんだなと思えた。同時に早く疲れてくれないかな?とも。
「やめてください、暴力は!!」
後ろでカミーユが声を上げたようだ。
だが、暴力を彼に向けさせるわけにはいかない。
「いえ!自分にはまだ、修正が必要です!」
「吠えたな!」
まさか、僕の人生に、道端で顔面ドロップキックを食らうと言う珍事が起こるとは思いもしなかった。
気がつけば、アーガマの医務室にいた。手当が終わり次第パイロットには戦闘準備に入ってもらうことになっていると医師から聞かされる。ベッドのカーテンの陰にカミーユの姿を見た。緑のペットロボットを抱え、俯いて医務室の硬い椅子に座っている。あの後、また、殴られたのかも知れない。顔に湿布が張ってあった。
起き上がり、頭を下げた。
「君のことを守りきれず申し訳なかった。すまない。」
カミーユは何も言わなかった。呆れているのかも知れない。大の大人が、殴られ続ける様子を見せ付けられて精神的にも参ってしまっただろう。咄嗟だったとは言え、彼を逃がしてからにするべきだったか。
「怪我の具合を聞いていいか?恐らく、君にとって不幸な事だけど、今回の件は不問にされるだろう。艦長と大尉があの場にいたから。」
「…そう、でしょうね。あの人、ウォンさんって言うエゥーゴの出資者の人もそんな感じのことを言ってました。」
顔を俯かせたままカミーユが応える。緑のペットロボットはハロハロと声を上げていた。
「しかし、記録には残すよ。協力して欲しい。」
「………あなたは、エグザベ、中尉。あなたは敵なんですか?」
- 135二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 03:53:35
(価値観が令和に近付くにつれて見た人がより顔をしかめるようになるシーンだ……子供を殴るなって部分がより注目されるんだろうな……)
- 136二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 04:58:08
軍属であって軍人じゃないし、アムロでもここまでされてないからな…
- 137二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 10:32:01
>この人が殴り疲れないことに対する感心だった。
>エゥーゴの関係者だけあって、いざという時に備え生半可に鍛えては居ないのだろう。
>素直に努力の人なんだなと思えた。同時に早く疲れてくれないかな?とも。
サンドバッグにされてもウォンさんに思う事は怨み辛みじゃなくて、寧ろ「この人は常日頃から鍛えてる努力の人だ」と感心を抱く究極のお人好しよ…
- 138二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 10:37:26
「いや。違うけど。…なんで?」
心から疑問だった。彼の尊敬する大尉に無礼な態度をとったからだろうか?しかし、殴られた子供を見捨て隠れられれば、誰だって睨みはするだろう。
カミーユは、ずっとペットロボットを見ている。こちらをちらっとも見ずに。まぁ、他人の怪我を積極的に見たがるのは医者くらいなものか。
「……大尉が、クワトロ大尉って、少し回りくどくて抽象的なところがあるんです。分かってもらえますか?」
ああ、クワトロ大尉はそういう感じの人なのか。たまに居る言い回しが独特な人。命令は復唱確認が必須だな。
「似たような人には会ったことあるよ。」
「大尉の言う事を僕なりに簡単に、まとめると」
「大尉は僕が、アーガマの敵だと思ってると言うことか?」
「違います。僕の敵という意味なんだと、そう言っていると感じました。」
行儀は悪いが、ベッドに腰掛け深くため息をついた。
「すまない。カミーユ君。僕にも、その、大尉の発言の意味が分からないよ。力不足で、本当申し訳なく思う。」
カミーユは更に落胆したようだった。より強くペットロボットを抱え込んだ。彼は今までずっと、この艦で孤独のまま周囲に振り回されていたのか。
「…僕、一度部屋に戻ったんです。中尉が持ってきたんですよね」
こちらを見ずに、カミーユはペットロボットの下に置いていたのだろう書類の束を差し出した。僕が彼の供述調書を取るために用意した資料だった。
「わざわざ持ってきてくれたのか。ありがとう。ちょっと抜けがないか確認してもいいか?」
カミーユは何も言わず俯いたまま頷いた。
「………あなたは何を思って…その最後の資料を?」
資料は一通り、彼によって確認された後のようだった。悪いことをした。本調子でもなく、疲れ切っていただろうに、こんな物を。辛い事を思い出させてしまった。
「不用意に見せるつもりではなかったんだ。君と話をして、様子を見ながら提案するつもりだった。」
1番最後の資料の紙。それはアンマンにある葬儀社のリストだ。彼の目の前で亡くなった両親を弔う為の葬儀社だ。
「僕の不注意だ。殴ってくれても構わない。」
その発言すらも、彼、カミーユを傷つけたようだった。
カミーユは俯いたまま、声もあげずに涙を流した。
- 139二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 10:50:19
彼も男の子なんだな。ふと、友人のカミーユの姿が脳裏に浮かんだ。あぁ、そうだ。あいつもこんな泣き方をしていた。なんで泣いていたんだったか?いや、あの頃はしょっちゅう泣いたり笑ったりしていたか。本当にしょうもない事で、それを僕らはしていた。
思い出し、ベッドの上の掛け布団をグリーン・ノアのカミーユに頭から掛けた。あいつも泣いてるところは見られるのを嫌がった。きっとこの少年もそうだろう。
「こんな事しか出来なくて、ごめんな。」
「!誰も、誰も!!……!」
それ以上は言葉にならないようだった。カミーユの近くに椅子を寄せて座った。
軽く掛け布団越しに肩をたたく。
「ここにいるけど、僕は寝ているから何も聞こえないよ。」
無力な自分には、それしかできることはなかった。孤独ではないと伝える事しか。 - 140二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 11:21:35
「!誰も、誰も!!……!」
あなたには、こんな事してくれなかったんじゃないですか?!
それを言ってしまえば、僕は、エグザベ中尉を傷つけてしまう。きっと。歯を食いしばって、喉を潰すように声を押し殺した。
「ここにいるけど、僕は寝ているから何も聞こえないよ。」
右隣に座っている中尉は、そう言うとそれ以上は何も言わなかった。
誰も、あなたには、こんな事してくれなかったんじゃないですか?!誰も、あなたが家族を故郷を友人を、平穏を失った事に寄り添ってくれなかったんでしょう。なのに、なんで!!
湧き上がる思いに根拠はなかった。ただ、それだけを感じた。確信だけを感じていた。
掛け布団のエグザベ中尉が座っている方だけが、暖かなことが遣る瀬無かった。この人も今、暖かさを感じてくれていればいいのに。失ったものを埋める事はできなくても、せめて、この人には人間は暖かいと言う感覚を忘れて欲しくなかった。
- 141二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 11:28:53
二人とも優しすぎる……
- 142二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 12:09:48
本当に相性良いんだよな
二人とも根が優しいからそれで行動起こすエグザベと、メンタル限界で優しさを受け入れるのも辛いのに色々察してしまうから受け入れたいと思ってさらには自分も寄り添いたくなるカミーユ
とても良い二人が読めて最高のスレだ有難い - 143二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 12:18:43
大尉はさぁ
子どもとして庇護しようとするエグザベ中尉の存在がカミーユの成長を阻害してるように見えたんですか?
早く大人にならざるを得なかった子どもだったクワトロ大尉には…… - 144二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 12:27:49
視聴者の顔も悲しみに歪んでしまう!!
子どもには「殴られっぱなしでダサい、結局カミーユ守れないしカッコ悪い大人だな」と思われて
ある程度歳いった視聴者からは立派すぎる…と頭が下がり、そしてその優しさが報われない悲しみに包まれるやつ - 145二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 12:44:24
優秀だから簡単にできるしほぼ無意識だしシロッコ本人もすぐに忘れたような小さな助けを大事に受け止めて、シロッコの方を真っ直ぐに見てコミュ取り続けようとするエグザベ中尉いるんじゃないか?
エアプすぎて上手く言えないけど、シロッコには相手にされてなくてコミュ失敗が続くんだけど最後の最後、手遅れになる寸前の瀬戸際にシャリアにやったようなエグザベの言葉がクリティカルに届いて一瞬手が止まるシロッコのシーンとかが見たい - 146二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 14:10:12
グラナダへの出撃命令は、余りに唐突であった。落ち着いたカミーユを連れて、一度部屋に戻らせようとしたがエマ中尉に阻まれ、大尉には苦言まで呈された。
「軍にいる以上、何が命取りになるかわからん。殴られたくなければ、ミスをしないことだな。」
「はい、了解しました。クワトロ大尉。エグザベ・オリベ、必ず大尉の期待に応えます。」
軍式に応えると、満足したのかパイロットスーツを着た大尉が格納庫の方にむかう。
「大尉!ブリーフィングは何処で行われるのでしょうか?」
「ブリーフィング?そんなものをしていては戦場の空気に乗り遅れることになる。」
大尉はこちらを振り向くことなくそんな事を嘯く。
その発言に、僕は恐らく宇宙を見たのかもしれなかった。
いや、実際にはアーガマの廊下の天井を見た。
「公国式か。」
「エグザベ中尉、何を言っているの?公国式って。」
残ったエマ中尉が怪訝そうな顔でこちらを見ている。恐らく彼女はカミーユをガンダムMk-Ⅱのコクピットに押し込むように命令を受けているのだろう。カミーユと彼女を遮るような位置に立って良かった。あんな事が合ったのに、エマ中尉と会ってもカミーユは表面上、冷静を保てていた。強い少年だ。しかし、彼は少年なのだ。
「ブリーフィングの軽視が公国で横行していた事、士官学校の講義で習いませんでしたか?」
彼女からカミーユを隠すように対峙する。出撃目的も目標も周知しないまま動く上官を肯定するエマ中尉に、現状の異常さを理解してほしかった。
「でも、大尉は!連邦の軍人です。」
「しかし、連邦軍人ならブリーフィングは軽視しません。出撃に置ける手続き上、まぁ緊急出撃は別として、出来ないように制度が整えられています。」
そう、アーガマが肌に馴染まない理由の一つだ。ブリーフィングをした記録が驚くほどにない。手続きが大幅にカットされ過ぎている。そして、皆それに慣れきって当然の様に動かされている。
「エマ中尉。自分は、エゥーゴを不良軍人の溜まり場とは考えたくありません。大尉に、ブリーフィングを陳情してください。」
僕の陳情は今さっき却下されたのだ。複数人で大尉を説得しなければならない。 - 147二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 14:55:07
エマ中尉は僕の言葉に一理あると考えてくれただろうか?
「……今回の出撃には間に合わないでしょうけど、作戦終了後であれば。」
長い沈黙の後、エマ中尉からその言葉を聞けたときには安堵で肩から力が抜けたような気がした。
「でも、まずは今作戦です。カミーユ、貴方ガンダムMk-Ⅱに急いで!」
いや、違う。まだ状況は終わってなかった。油断が過ぎるぞ、エグザベ・オリベ!!
エマ中尉の言葉に促されたのか、格納庫に行こうとするカミーユの腕を軽く掴んで停める。
「カミーユ、行かなくていい。」
「大丈夫です、エグザベ中尉、エマ中尉。」
気丈にもカミーユはそう言ってのけた。カミーユを振り返り、僕は子供の前で大人の争いを見せてしまったことを知った。違う。子供をコントロールする為に大人がいるわけではない。だが、僕には何を言えばいいのか、分からなかった。こんな、孤独な子供の前で争いをして見せれば、彼は例え分かっていても戦場へ向かう。痛々しいくらいに必死に生きている。生きていく為に必要な事だと自分を騙してまで。
「心配しないでください、エグザベ中尉。これでも一応、白兵戦ってやつを経験したんです。昨日の事です。身体がきっと覚えています。」
「はくへいせん?……きのう?」
カミーユの言葉が頭に入って来ない。僕はこんなに阿呆だっただろうか?
「カミーユには才能があります。昨日のカクリコンの襲撃も見事に躱して私を助けてくれたんです。アンマン近くのコロニーデブリを利用して。」
「きのう??…しゅうげき?」
いや、僕は悪夢を見ているんじゃないか?或いは幻聴が聞こえている、とかだったりしないかな?
- 148二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 15:35:16
困ったときは兎に角、深呼吸をする事にしている。昔、母からそうすると良いと言われてからついた癖だった。
「……昨日、エマ中尉とカミーユはアンマン近くでカクリコンと言う軍人から襲撃を受けたって事で認識は合ってるかい?」
カミーユもエマ中尉も頷いてみせた。
つまり、だ。
「アンマンに潜伏していることは既に敵に知られているってことか。そのうえで、大尉は出撃を?エマ中尉は作戦内容は?」
「大尉は詳細を省かれます。大胆な方です。」
エマ中尉の言葉を聞けば、赤い彗星が頭を過ぎる。
考えなければ、いや、大尉に真意を確かめ無ければ。まさか、敵は愚かで間抜けなどと考えていないだろうな?いや、これは上官侮辱罪にもなる。考えるな、エグザベ・オリベ。
彼らは月面にある都市の中から、見事アンマンにいるアーガマを見つけ出したのだ。狡猾で準備も怠っていない有能な敵だ。手強い。
「敵の狙いはアーガマか。グラナダ襲撃が予想されている可能性がある?いや、違うか。」
「アーガマが?」
カミーユの顔に焦りが浮かぶ。気持ちはわかるよ。有能な敵なら今この瞬間にでも、月面都市を人質に港を犠牲にする事をルナリアン達に納得させてしまうだろう。カミーユをどうやって逃がす?
アンマンにはツテがない。エゥーゴの幹部であれば別だろうが。
「エゥーゴ、そうか。エマ中尉、さっき道で会ったのはアナハイムエレクトロニクスのウォン・リー氏で間違い無いんですね。」
「ええ、そう、大尉から伺ってます。それがどうかして?」
「アーガマの補給は完全ではありません。今後の予定は全く分かりませんが、足りていない事だけは確かです。一方、グラナダには少なくとも3隻は補給を待っている船がある。」
「敵の補給を奪えば。」
カミーユが気づく。賢い。
「アナハイムがそれを示唆したのか。なら、港ごとアーガマが落とされる心配はしなくて良い。」
- 149二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 16:16:22
一つ、問題が片付く。この港が今すぐ爆破される心配は無くなっただけだ。
「大尉はグラナダへ敵の補給を奪取しに向かう。こちらの戦力は敵に知られているのは確実で、恐らくアーガマごと落すつもりの戦力で待伏せをしている。このあたりはデブリも多い。隠すのならMS部隊か陸兵だ。グラナダへ出撃する大尉を追って、敵の戦力が二分されるかどうか。」
「大尉が危険と言うことですか?」
カミーユが険しい顔をしている。
「僕ら全員が、危機的状況なんだ。」
誤魔化したかところで、何にもならない。ブリーフィングはそう言う認識を統一する場でもある。
「大尉の部隊はもう出撃しています。信号弾で呼び戻しましょう。」
エマ中尉のその提案も、ブリーフィングで聞きたかったな。
「今呼び戻せば、更に危うくなります。敵に気付かれたことを悟られる。補給も出来ないまま、アンマンを出航後に艦隊戦を強いられることになる。」
僕だったらどうするか?いや、違うな。有能な敵はどうするか?敵の補給が万全だろうと、そうでなかろうと囲んで叩くことを考えるだろうな。推進剤もそんなに消費しない。なんせ待伏せだ。
「ガンダムMk-Ⅱなら大尉に状況を報せに、まだ、間に合います。」
「機体の性能は理解してる。でも、一騎で月面を駆けるのは駄目だ。というか、させないぞ。」
カミーユの腕は掴んだままだ。離せばすぐにガンダムMk-Ⅱのコクピットに乗り込むだろう。
「カミーユ、君には悪いがガンダムMk-Ⅱには僕が乗る。ガンダムが出撃すれば敵は、アーガマを侮る。大尉には悪いが、僕はグラナダから反転して敵を挟み撃ちにさせてもらおう。なに、アナハイムが味方なら、敵補給の奪取は約束されているんだ。」
ガンダムMk-Ⅱはいい機体だ。カミーユのような子供を守り続けたことはある。大尉は僕がガンダムに乗っていることにつまらなそうにしていたが、懸念事項を伝えれば、グラナダ襲撃終了後の即時反転を認めてくれた。推進剤を多く消費するので、あとから整備士達に怒られるだろうが。月面スレスレのしかし、砂ぼこりをたてない高さを調整し、ブースターを一気に全開にし、ガンダムMk-Ⅱのトップスピードを叩き出す。後はブースターを切って姿勢制御のスラスターで調整を行う。少しでも敵に悟らせないために。
- 150二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 16:56:53
出来れば太陽を背に出来るよう回り込みたかったが、仕方がない。時間が足りなかった。港口には爆煙が見える、遅れたか?
ガンダムMk-Ⅱのビームライフルから撃った光がリック・ディアスを追っていたハイザックに吸い込まれた。
こんなに近づけるまで気づかれないとは運が良い。牽制にビームライフルを撃ち、もう一度バーニアを全開にする。
味方のジムⅡに狙いを定めたハイザックは、おそらくこちらに気づいていたのだろう。それが隙になる。ほとんどぶつかるような距離でハイザックのコクピットを撃ち抜き、足のホバーを使い右斜め前に飛んだ。足元を敵のミサイルが掠めて避けた。右後ろからの攻撃?!まだ伏兵がいたのか。振り向きざまにライフルを撃った。当てずっぽうだ。敵が爆発したのは、味方が庇ってくれたからか。
アーガマが動き出したのが目の端でわかった。出航はせずに、港湾内から反撃するのであれば、敵は港湾の外殻に取り付かざるを得ない。港口の下から攻撃を試みようとするハイザックをビームライフルで下から斬りつける。ついてるな。港湾から出る味方の攻撃には当たらなかった。
リック・ディアスが2機がハイザックに追われている。推進剤はある。足りる。ガンダムMk-Ⅱの高機動をそのままに盾ごとハイザックの一機にぶつけ跳ね飛ばす。パイロットは昏倒しててくれよ。動揺したもう1体の後ろからバルカンを撃ち、ランドセルを破壊した。先ほど跳ね飛ばした
もう一機は追われていたリック・ディアスの一体が撃墜したか。
そろそろ、撤退してほしいが、粘り強い。グラナダが陥落して彼らもあとがないのか。であれば、降伏してほしいが、アーガマは攻撃を続けている。アーガマから彼らに降伏勧告はしないのか?
同じ連邦軍人だろうに。停戦信号弾くらい打ってくれてもいいだろうに。先ほど、追われていたリック・ディアス2機と即席のスリーマンセルを組み、敵の残党を追う。深追いはできないが、アーガマを攻撃できない距離には追い出さなければMS部隊の意味がない。
軍人は、嫌な仕事だ。
「嫌な仕事だ。」
喉の奥だけでそう呟いた。
- 151二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 17:08:25
そろそろ気づいてる人が多いと思うんですが。
ブースターとスラスターとホバーの区別がつかないんですよね、じぶん。
読むときはカッコいいエグザベのイラストを見つめて、カミーユ頑張れと、3回唱えて下さい。お願いします。 - 152二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 18:05:53
お疲れ様です
すげえええ軍事作戦だMS戦闘描写だカッコイイイイと喜んで読んでおります
というかエグザベ中尉傍から見たら超絶技巧パイロットだし凄腕じゃなきゃ可笑しい動きしてそうなんですが本人は「なんか当たった…運が良かったなぁ」自認なのらしくて好き - 153二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 18:09:21
嫌な事でも割り切らずに、「嫌な仕事だ」とちゃんと口に出して自分の気持ちを吐露してから仕事をしてるの好き
- 154二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 18:29:41
本当かっこよくて最高 書き手さんありがとう
フィールドと状況の開示が明快に頭にはいった状態でバトルシーンが描かれてすごく華やか超カッコいい
黄色い声援あげてます - 155二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 18:38:54
WBのブリーフィングは最初の方は多数決とかとってましたね
- 156二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 19:24:00
- 157二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 20:16:14
アンマン港口での戦闘が終わったのは、敵が全滅したからだった。ガンダムMk-Ⅱはバルカンも撃ち尽くし、最後にはサーベルだけで立ち回らなければならなかった。落としたビームライフルは月面を漂い続けるのだろうか。いや、探さなければ。始末書で済む話ではない。
よく僕についてきてくれた即席僚機のリック・ディアス2機を先に格納庫にいれ、管制室に連絡を取る。ビームライフル何処で落としたんだ?
「あぁ、もう回収しましたよ。中尉達が奴らを追い払ってるときに。」
そう返され格納庫へ入る様に促された。
リック・ディアス2機はよく無事だった。五体満足とは言えないが、損傷は軽微だ。うまいこと立ち回れて良かった。中のパイロットは、MSのハンドサインだけでついてきてくれた。余程のベテランなのだろう。叩き上げの軍人か或いは、ニュータイプ。
「…うそ!」
ガンダムMk-Ⅱのカメラに映ったのは、リック・ディアスのコクピットから出てくるカミーユだった。
慌ててガンダムMk-Ⅱから飛び降り、ふらつくカミーユに駆け寄った。
「ケガは?!」
「無いですよ、エグザベ中尉。カクリコンから僕とエマ中尉を助けてくれたのが、あなたですから。」
どうやら疲れや動揺でふらついていたようだ。
「いや、僕も助けられたし、ありがとう。……どうして、リック・ディアスに。」
「エマ中尉と艦長の指示です。MSは出せるだけ出せ、と。」
不思議そうにカミーユがこちらを見る。臍を噛む思いだった。失敗した。
「すまない、カミーユ。僕はもっと慎重になるべきだった。君をアンマンに送り届けるよう指示を残しておけば。」
「僕にアーガマを今更見捨てろってことですか?エグザベ中尉。」
言葉に詰まったのは、そう。つまりは、そういうことだったからだ。話すべきだったのに話せないまま出撃したのは。カミーユに、アーガマを見捨てて逃げろと言えなかった。カミーユの中に、七年前の僕を、エグザベ・オリベを見たのだ。
彼は、カミーユは、それに気づいたのだろう。血の気の引く思いだった。僕の愚かさに。
軍人であるエグザベ・オリベはカミーユに逃げろと指示しなければならなかった。だが、七年前のエグザベ・オリベは逃げた後の辛さを二度と見たくなかった。
カミーユに。あの時の僕より幼い少年に、その選択を委ねてしまった。 - 158二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 21:26:56
そう、まだ失敗はある。僕は彼を戦場から離すつもりで、そんな事は出来てなかったということだ。カミーユがリック・ディアスの操縦をできるなんて知らなかった。記録にあっただろうか。
リック・ディアスはいい機体だ。艦長も一応、カミーユを心配したのだろう。きっと優先的に乗せたのだ。そう、信じよう。信じてみよう。
屈んでカミーユと目線を合わせた。僕はあの頃の様に笑えているだろうか。穏やかな表情を意識したままカミーユに伝える。カミーユの驚く顔が見える。
「カミーユ。君の機体、ガンダムMk-Ⅱを返すよ。」
リック・ディアスよりガンダムMk-Ⅱのほうが優れた機体なのは間違いない。
これから、エグザベ・オリベは間違い続ける。誤った道を行く。カミーユが生き残れるとしたら、それで構わない。
「…カミーユ。明日1日は休みだ。ゆっくり寝て疲れを取るんだ。それが終わったら、ガンダムMk-Ⅱの訓練をしよう。」
「僕は、君に、教えるよ、カミーユ。生き残る、方法を。」
言葉が喉の奥につっかえて出て来ないなんて感覚は久しぶりだな。なぁ、カミーユ。僕は生きている。そして、きっと、この子供を平穏に帰してみせるよ。
鬼教官エグザベ誕生編
怒鳴ったり殴ったりしないし、詰ったりしないし、何事も丁寧に何度も分かるまで教えてくれるけど、出来るまで決して諦めてもくれないし、諦めさせてもくれない。
卑怯な手も搦め手も教えてくれるし、経験を通して語ってくれる。
生き残ると言うことに主題を置いてる
ここまでやったら、エグザベもカミーユもファもカツも生存ハッピーエンド間違い無しやろの精神
- 159二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 21:37:05
ここまで尋常でなくきちんとしていて鋼の理性をみせてくる大人が自分もこの子たちも生きて帰すと宣言するならそれはもう達成されなきゃだろ……!
- 160二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 21:44:11
今更かもしれないけどこのスレのエグザベ中尉は何歳設定なんだろう。あとこの時空でもニュータイプだよね?
ジークアクスと同じ23歳って言われたらこんな新卒がいるかってなる - 161二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 21:53:07
対シロッコレスバ妄想
「ニュータイプは万能じゃない。僕が凡庸なように!」
「どんなに凄くたってまだ子供で!」(ファやカツ達と語らう様子のカミーユの映像)
「間違えたり傷付いたりもする!」(これまでエグザベが出会ったニュータイプや強化人間が一瞬映る)
「好きな人が笑ってくれる事を願う───」(サラと共にいるシロッコと、シロッコの顔アップ)
「───同じ人間だ!!」 - 162二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 21:55:19
でもGQの戦間期の23歳の若手士官としての描写でもかなり落ち着いた人柄なのでこっちは戦時であることを加味して23歳でも驚かないかも
- 163二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 21:59:36
0087だから25歳じゃないかな
- 164二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 22:03:24
ZZでもガンダムチームに親身に接するエグザベ中尉の姿が目に浮かぶよ。
最初は鬱陶しく思われるけど次第に皆の保護者的な感じになってるよ - 165二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 22:06:11
25歳中尉で出世遅れてるなと感じてしまうの何かが麻痺してる
年齢操作しての23歳中尉だとルウム壊滅時が15〜16歳くらいか……
いい台詞なんだけどお前が凡庸評価はちょっと待てよ
本編シロッコは周囲が災いの面しか引き出せなかった天災って評判聞くのでエグザベセラピーを受けた最高のニュータイプカミーユでなんとか恵み側面を引き出せたらいいなぁ
- 166二次元好きの匿名さん25/07/25(金) 22:40:04
- 167二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 02:08:41
良SS多くてすごいな…
- 168二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 08:16:07
いつものUCにGQ因子が入り混じってそうな世界……小盛少尉とか狂犬&狂猫コンビとか魔女とか、カラバかエゥーゴにシレッと混ざってそう
……さすがに髭と褐色美人はUC0079に戦死してるだろうけど - 169二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 12:08:22
はい!皆さんおはようございます。夢の話をします。
エグザベ&カミーユのコンビだと、めっちゃ強いし意思疎通するので、ハマーンと冷静に話し出します。なんやかんやあった後ハマーンはミネバを連れてアクシズという人の悪意の蠱毒をエグザベとカミーユの助けで脱出し、地球で穏やかに暮らすようになります。
カミーユはハマーンとエグザベがモビルスーツの性能や戦術を話し出すと必ず混ざりにきます。ハマーンも優しいカミーユに感化されて、穏やかで優しい表情を取り戻します
以上夢の話でした。 - 170二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 12:37:17
なんかここのカミーユ、ザベ君が絡むと微妙に乙女回路が動作してない?
いや単に頼れる兄貴に懐いてるだけなんだろうけど、カメラをザベ君に合わせると立ち回りがヒロインと言うか…… - 171二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 12:57:15
ザベ兄貴がカミーユを守ろうとして理不尽に痛めつけられる系列の少年ヒーローの路線を回避しようとしている&カミーユは強くて察し良くて繊細で優しい、の合わせ技でヒロイン的な良さもでてる感じ味わい
ここからカミーユが健全育成されてザベ兄貴の機体なりフィジカルなりに無理がきて壊れたら後方ヒロインか頼れる引退師匠ポジに落ち着いてくるはず - 172二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:00:01
真っ当な大人の視点だとまだまだ幼い少年少女が戦場にいればヒロインポジションにならざるを得ない気がする
まあエグザベの前で雄々しさを見せるカミーユも見てみたいけれども想像がつかないぜ 微笑ましい絵にはなりそう - 173二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:05:18
ハマーン様は頼らせてくれる年上男性を求めていた素直になれない我の強い少女(激強ニュータイプ)と解釈してるのでその枠に上手くエグザベ中尉がスポッとハマってくれるといいな
ハマーン様がエグザベ中尉に懐くか?見下さないか?という点は不安なんだけど、エグザベ中尉が初見で舐められてそうな印象なのは演出で最終回まで騙されてた視聴者やオールドタイプの軍警とかが原因だと思うのでニュータイプなら「こいつ…やるな…」と感じ取れる何かがあるとかで何とかなってくれたら…
クワトロは父親やる義理ないしやる気もないけどエグザベ中尉はもうそれは父娘だろって位面倒見てくれそう
ハマーン様とミネバ様のハッピーエンド見たすぎるな…… - 174二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:11:16
これ流れでハマーンの昔のことをうっかり聞いちゃったザベ君とカミーユの視線が鋭くなりそう
- 175二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 13:41:15
カミーユの扱いの時点でエグザベの中のクアトロ株はすでにストップ安になってそうだが
ハマーン周りのことを知ったらパイロットとしての腕は良いが大人としては駄目→男としても駄目だな!?になりそう - 176二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 15:12:06
新任の挨拶に来た時は、間抜けなお坊ちゃん士官だと思ったが、なかなかやるじゃあないか。ガンダムMk-Ⅱの動きをブリッジの画面で見ながら内心歓声をあげる。
アンマンでの潜伏が敵にバレる可能性は考えていた。だが、アナハイムエレクトロニクスのウォンは真剣だった。あれでいて、真面目で実直な人間なのだ。地球にあるティターンズの本拠地ジャブローを月から攻略しようなどという作戦は一見、出資者の横暴に見えるが、ティターンズの凶暴さを恐れていたからこそ出たものだった。
アナハイムはエゥーゴを裏切らないだろう。少なくとも、ジャブローを叩くまでは。
「アーガマは既に敵に捕捉されています。私のミスです。本艦は既に敵の監視下にあり、いつ攻撃を受けてもおかしくありません。」
デッキに駆け込んできたエマ中尉の目は真剣だった。
「昨日、アンマン近くのコロニーデブリでカミーユといたところを、ティターンズのカクリコンに襲撃されました。クワトロ大尉に報告はしましたが、ヘンケン艦長には報告が遅れていました。申し訳ありません。」
後ろからついてきたのは、若造だった。
「先程、エマ中尉と意見交換を行いました。愚策ではありますが、敵を誘引するべきかと。」
これだから素人は。敵をアンマンの港に入れてどうする。
「敵の一撃目のタイミングをこちらでコントロールしましょう。こちらが何も気づかずMS部隊も出撃したと油断させ、アーガマと反転させたMS部隊で挟み撃ちにします。一考下さい。」
「アーガマをおとりに使うか?」
「ティターンズはルナリアンが敵対していると知らないでしょう。アンマン及び港に大きな損害は出せないはずです。こちらはそれを利用します。」
月のアナハイムエレクトロニクスとの密約を知っているのか?エグザベ中尉が?いや、ウォン・リーを知れば分かることか。
「アンマンを盾にする。」
こんな青二才の意見を聞くのは癪だったか、代案が無いのが現実だった。
「ありがとうございます。付きまして、本作戦においてガンダムMk-Ⅱの搭乗者を自分にしていただきたい。カミーユ・ビダンには同意を得ています。」
「子供を庇っているつもりか?」
「本作戦には先発隊であるクワトロ大尉への速やかな情報開示と反転のタイミングが鍵となります。大尉の部隊にはグラナダを攻略してもらわねばなりません。」 - 177二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 16:04:30
エグザベ・オリベ中尉の搭乗したガンダムMk-Ⅱは2機のジム改を連れて出撃した。ジム改2機はグラナダまでは行かず、道中で潜伏し、反転してくるはずだ。今から30分以内に、敵に気づかれないように直掩のMS部隊をアンマン港内に展開し防御を固めなければならない。
「一撃目は賭けになるか。」
エグザベ中尉は若い。先程はああ言ったが、アンマンは果たして盾になるか?
敵の一撃目がエンジンの停止したアーガマに致命的ダメージを与えずに済むか?
反転攻勢は間に合うか?
クワトロ大尉は果たしてこの情報を冷静に受け止められるか?彼もまだ若い。自分より若い者を見れば眩しく思うし、うっとおしくもなる。冷静で大胆かつ優秀なクワトロ大尉だが、彼には彼のこだわりがある。他者との折合いをつけることを覚えてもらえば、近い未来、彼は人類を導くに相応しい指導者になれるだろう。それが楽しみだった。
「MS部隊には必ず盾を持たせろ。港口に向かい、屈ませて待機だ。アーガマはアンマン港を出ない。港湾入り口に怪しまれない程度にバリケードを築かせろ。違う!!MSにやらせるな、怪しまれる。プチモビにさせろ!」
エマ中尉は、直掩のリック・ディアスに乗る。勇敢な女性だ。できれば、彼女のような人に若者を支えて欲しい。…支えてもらいたいものだ。
「カミーユ・ビダン、リック・ディアスで出ます!」
デッキに子供の声が届く。カミーユ?
「カミーユ!リック・ディアスは慣れていないだろう。大丈夫なのか?!」
やれやれ。子供は大人の思惑通りには動いてくれないか。エグザベ中尉もやはり若造だ。
「MS部隊は出せるだけ出すんですよね?エマ中尉と艦長の指示聞いてました。行けます。」
「…大した奴だ。エマ中尉、カミーユ機の援護を頼む。」
「無論です。カミーユ、私が合図を出すまで反撃は待てるわね。」
打てば響くような声がエマ中尉から返ってくる。やはり頼もしい。
防備を固めたアーガマに襲ってきた敵を全滅まで追い込ませた理由は、ルナリアンへの示威行為を含んでいれば当然だった。
ルナリアンとて1枚岩ではない。アナハイムエレクトロニクスも、だ。彼らは金と口を出す。それ以上はない。ジャブロー攻略までは、ティターンズへの恐怖で我々にも協力しようが、エゥーゴひいてはアーガマに力が無いと見ればザビ家残党や、どうかするとティターンズにもつきかねない。 - 178二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 17:52:23
そんな信頼できない者たちが、エゥーゴの未来を、ニュータイプの作る未来を邪魔することが無いように釘を指しておく。エゥーゴを甘く見るな。
まぁ、実際に出来るとは作戦開始時には思わなかったが。
「艦長にデブリーフィングを行っていただきたいと思います。」
デッキに上がってきたエグザベ中尉の感の良さを褒めれば、返って来た答えはそれだった。
坊っちゃんめ。
「先程の戦闘は、緊急出撃として処理します。その代わりに。」
「いっちょ前に脅しか?」
軽く笑って言えば、エグザベ中尉は困惑した表情に変わる。
「自分は、そんなつもりではありません。軍務の規定として、士官の役目として事後処理の手続きを艦長に行っていただきたいと愚考しているだけです。信賞必罰は軍の拠って立つところです。まして、先の作戦は、目標を全て達成しました。艦長及び大尉からデブリーフィングで、総員を称揚していただき、士気を上げてもらえればと。」
鼻で笑う。お坊っちゃんめ。物は言いようだ。
「…反省会ってガキかよ。」
デッキの誰か、まぁ、観測班か。今回は出番が無かった。敵に捕捉されていることも分からなかったし索敵も成功しなかった。良いところなしだ。エグザベ中尉の言う事に反発もしよう。
「いいぞ、付き合ってやる。デブリーフィングの準備と時間は?」
「自分が行います。3時間後、デッキで行わせて頂ければ、全艦に放送できます。その頃には大尉も帰還されていらっしゃるでしょうし、煩わせることはないかと具申します。」
中尉の顔は真面目だ。しっかりと俺と目を合わせてくる。反らしもしないし、揺らぎもしない。度胸も充分か。
「エグザベ中尉は、大変お言葉がお上手でいらっしゃる。……いや、気にするな。許可する。しっかりやれよ!」
デッキをでていく姿までお坊ちゃんだった。
- 179二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 18:50:41
デブリーフィングの準備は面倒だ。書類仕事は叩き上げの軍人に必要性を理解してもらえないし、出撃で疲れ切った戦闘要員には重労働なのだ。艦長の許可と階級を以て命令しても、煩い者扱いされるのは仕方ない。
書類のフォーマットが多岐に渡り過ぎて、現場は追いついてない。
「…ブリーフィングとデブリーフィングが疎かにされるわけだ。」
回らない頭を巡らせて必要なデータをまとめ終わる頃には、デブリーフィング開始の15分前だった。まさか、後ろから撃たれたりしないだろうな?
「先の戦闘のデブリーフィングを行います。グラナダ襲撃及び敵の補給の奪取作戦、それに伴うアーガマ防衛戦は全目標を達成しました。」
エグザベ中尉がデブリーフィングを取り仕切るのは、まぁ、この艦にはデブリーフィングを経験した人間が数える程もいないからだった。艦長の俺も含め、士官学校時代にしたか、しないか。
グラナダの攻略戦は、現地協力者やティターンズに潜伏していた味方の活躍もありスムーズに済んだようだ。クワトロ大尉が機種転換したばかりの百式から降りて白兵戦を挑んだと言う話題はデッキで盛り上がった。
感心したのはアーガマ防衛戦のキッカケであるエマ中尉の報告ミスを省いたことだ。アーガマの中心人物になりつつある彼女の失敗は士気に関わる。クワトロ大尉の片腕でもあるのだ。人を見る目もあるか。だが、若造のお坊ちゃんだ。
「先の作戦では、戦闘要員および艦載員総勢12名が殉職しました。彼らの献身に一分間の黙祷を行います!総員黙祷!」
戦闘後の黙祷か。長らく忘れていた様な気がする。忘れていたか。それどころではないと言えば、それまでだが薄情になっていたか。
キャプテン席を降り、黙祷を行い顔をあげれば、デッキに集まるパイロット達や整備士の代表のアストナージの顔が目に入った。なんだか気恥ずかしいものだ。向こうも照れて居るような気がする。
「アーガマは、これより奪取した敵の補給を収容する作業に入ります。作業期間は10日程度予定しています。」
エグザベ中尉は簡単に予定を説明した後、しれっと続ける。
「さて、話は変わるが!本艦は既に敵に捕捉されている事は全員承知していると思う。敵の次回攻撃に対する打開案があれば、即刻意見具申を。」
長年、軍人をしてきたがデブリーフィングって、ブリーフィングに変えられるものなんだな。初めて知った。
- 180二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 19:08:37
カミーユはデブリーフィングと言うものを自室で聴いていた。エマ中尉にデッキに行くべきかと訊いたが、部屋に待機するように指示されたのだ。普段のエマさんなら、手を引いてでも連れて行くんだろうけど。
「…何があったんだろうな、ハロ。」
一度クワトロ大尉に回収されて手元に戻ってきたハロはカミーユの名前を覚えていた。ウォンさんの時だ。
「カミーユ、ハロ!カミーユ、ハロ!」
優しさはある人なのだ。
しかし、何も話さない人なのだ。話せない何かがある人とも言える。デブリーフィングと言うものを聞いて、そう知った。
あの時、ガンダムMk-Ⅱで、
「追いついていたら。銃撃戦をしていたのか、俺。」
いや、MSだって人間だ。生きた人が乗っている。ライラと言う女性は生きていた。
エグザベ中尉は黙祷を総員に促した。この艦に乗って初めてのことだったかも知れない。そうか。あの戦闘で守りきれなかったものがあったのか。
宇宙をガラスの破片が………
「敵の次回攻撃に対する打開案があれば、即刻意見具申を。」
震える両手にハロが乗ってきて、それを隠してくれた。
しかし、軍って失っていくばかりの場所なのだろうか。
- 181二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 23:25:55
艦長の初めて知ったにちょっとふふっとなった
こういう全体の共通認識って大事よなほんと - 182二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 23:54:17
「庇ってくださったこと、お礼は言います。」
僕の部屋の前で、僕の帰りを待っていたのだろうエマ中尉は、そう言って頭を下げてくれた。珍しくクワトロ大尉が近くにいないな。艦長と今後の打合せでもしてくれてるんだろう。
「いえ、戦闘中のことです。こちらもエマ中尉の機転に助けられました。感謝しています。」
僕も同様に頭を下げる。相手は先任だ。この艦、アーガマの特有の空気と慣習を思えば、エマ中尉の面子を立て、一人、頭を下げさせる訳には行かなかった。僕は後ろ玉を喰らいたくない。
「戦闘中のことではありません。私、更迭も覚悟していました。カミーユには、あんな年下の子供に偉そうに軍を押し付けて、それで、それだけで満足してしまって。」
それを僕に言われても困る。自分で言っちゃなんだが、今更どうにもならないだろう。
エマ中尉の報告ミスを防衛戦に組み込んだ事だって、今から考えてみれば成功したのはアーガマの悪運が強かったからだ。戦い慣れて、いる。慣れすぎて、戦闘以外の事を忘れているくらいには。
「馬鹿な女をしたんです。」
「エマ中尉が勇敢な軍人だと言うことは、アーガマが知っています。中尉が艦長やクワトロ大尉、皆さんに信頼されているからこそ、先の防衛は叶いました。誇りにされてください。」
落ち込んでいるであろうエマ中尉を慰める言葉はそれしか無かった。艦長も残酷な事をする。本来は生真面目なのだろう中尉は、ミスを揉み消され軍人としての自分を信頼できなくなったのかも知れない。誰でもそういう失態をしてしまう事はある。リカバリー出来るのが良い軍人だ。
エマ中尉はそうあろうとしてくれているのだろう。
「………オリベ中尉は、カミーユの訓練を引き受けたんですね。」
「アンマンで、ここで降ろしてあげたいと、今でも思っています。しかし…」
恥ずかしい話だ。クワトロ大尉やエマ中尉に偉そうに言えることではない。
「あの子は幸せ者ね。」
中尉は足早に去っていった。
ノンデリオリベを求めている人そういやいたな編
女が自分の部屋の前で待ってることの意味がわからないオリベ。なお待っていたのは先任中尉とする。
エマ中尉は戦死する。コラテラルダメージ。
エマとカミーユは仲いいライバル(意味深
- 183二次元好きの匿名さん25/07/26(土) 23:56:47
- 184二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 00:17:20
- 185二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 00:43:01
後書きまで読んでエッ、エマ中尉が部屋で待っていたってそういう意味なの!?となってしまったので自分もエグザベ中尉を責められない
育ちのいい坊ちゃん(笑)やれやれ坊ちゃんはこれだから困るね(笑)してた艦長が目をひん剥いて顎を床に落としそう
ドン底から這い上がった叩き上げの歴戦戦士メンタルと境遇なんだよなその坊ちゃん
- 186二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 07:44:19
このスレがここ最近の自分の一番の楽しみになってる
SS作者さんたち本当にありがとう
その後坊ちゃんの人となりを認めた頃にギャン改-Ⅱの話を持ってきた時には
馬鹿野郎が…って思いながら承認したのかな
視聴者には見えないんだろうけれどギャン改-Ⅱの実戦投入と
青痣だらけなのがバレるシーンの放送待ってます(強欲) - 187二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 11:40:33
デブリーフィングのあと、エグザベ中尉の求めるままに所々の手続きと書類仕事と、あと何だったか?まぁ、何かしたんだろう。サインをたくさん書いたのだけは覚えてる。控えは渡されている。必要なら確認出来るだろう。
艦長室に戻れば、クワトロ大尉がいた。手持ち無沙汰に本を読んでいる。このアーガマで彼が入れない場所はない。
大尉は手にした本の背表紙を指で叩きながら読んでいた。彼の癖ではない。だからこそ見えるものがある。
「大尉のおメガネにはかないませんでしたか?」
「ああ、他人をおのれの手足のように動かそうとする。」
彼は若い。この若さは彼を魅力的な人間にしている。長じて、この魅力は失われるものではなく、人間としての懐の深さに変わるのだろう。クワトロ大尉のつくる未来が楽しみだ。
次の日、目が覚めたのは昔の夢を見た気がしたからだ。17才のエグザベ・オリベと、僕は向かい合い、見つめ合っていた。
だから、ベッドから起きて直ぐに自室のドアを開けたのは、昔の癖が出たのだろう。17才の僕は、起きたら直ぐに部屋を出て台所で水を飲む習慣があった。つまり、寝ぼけたのだ。
ドアの前には驚くカミーユがいた。僕たちは向かい合っていた。僕の部屋を訪ねてきたのか。昨日のうちにいつでも来ていいと伝えられて良かった。
「おはよう。カミーユ。」
「おはようございます、エグザベ中尉。中尉はこんな朝早くなのに、もう軍服を着てるんですね。」
言われて気づく。恥ずかしい真似をしてしまった。
「いや、恥ずかしいな。昨日、色々あって、そのまま寝てしまったんだ。皺だらけだろ?」
本当に昨日は色々あり過ぎた。まぁ、終わったことだしもう良いけど。
「ご両親の御弔いに行くんだね?」
休日を告げたのに、僕の部屋に来たのはそれくらいしか理由がなかった。
「エグザベ中尉にはご迷惑をおかけしますが。」
「迷惑じゃないよ。当然のことだ。あぁ、だけど30分くらい時間もらえるかな?君の部屋に迎えに行くよ。」
こういう時用の制服は昨日準備してたし、喪章も帽子も出している。カミーユの了承を得ると、自室に備え付けてあるシャワーブースに飛び込んだ。
身支度を整えると、外出届をカミーユと僕の2人分作り、デッキに提出する。艦長はまだ起きていないらしい。クワトロ大尉も、だ。ついてる。不寝番をしていたクルーに忌引を伝えれば、神妙な顔で外出届を受け取ってもらえた。 - 188二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 12:52:57
彼のご両親の葬儀は簡潔過ぎるくらい簡潔に終わった。こちらが、これで良かったのだろうかと戸惑うくらいには。
彼は仏教を指定し、その司祭?牧師?だかに両親の名前を告げ、祈りの言葉をあげてもらっていた。カミーユは言葉の意味を噛みしめるように、俯いてただ黙っていた、僕も彼の真似をする。意味がわかればより良いのだろうが、祈ることは皆同じなんでは無いだろうか。死者の安寧を祈った。
「エグザベ中尉、今日はありがとうございました。」
当たり前だが、カミーユはまだ、悲しみに引かれていた。胸には何か木製の飾物?を両手で抱えている。
「もう、帰るかい?」
「……ハロの修理が途中なんです。それに、ここに何があるのかも知りませんから。」
それは僕もだ。アンマンには到着後、手続きやら書類仕事やらで結局軍舎からアーガマに移動して街を見る時間もなかった。
例え煌びやかな楽しい街だったしても、はしゃげる様な気分ではないだろうし浅はかだったかな。しかし、これくらいは。
「カミーユには悪いんだが、マーケットに寄っていいかな?甘い物を買い足し忘れてたんだ。」
それが優しさからの言葉だと気付かないほど、僕は憔悴してはいなかった。あの、両親の、葬儀だと言うのに、悲しみに飲み込まれて居ない事が辛かった。
「……僕は一文無しなんです。両親の葬儀代だって、エグザベ中尉に肩代わりしていただいてるのに。これ以上は。」
「え?」
見上げるとポカンと口を開けた無防備な顔をしたエグザベ中尉と目が合った。
「いや、まぁ、そっか。ここでは無理だから、後で落ち着いてから話そう。金銭の心配はしなくて良いよ。意外に思うかも知れないけど、中尉って結構貰えるものなんだ。本来なら、部下もいるし、ね。パイロット手当もつくし。……いや、もしかして甘い物嫌いだったか?ごめんな。僕も友人も君くらいの頃は甘党だったから。つい。」
そうか。僕もこの人と同じように、忘れずに抱えて歩けば良いのか。いつか、いつか、重さに慣れてしまうのかも知れないけど、潰れたり投げ出さずに歩けば抱えているものが優しさを支える力になる?
「…甘いものが嫌いな奴なんていませんよ。」
僕がそう言ってみせると、エグザベ中尉は安心したように見えた。
そうだ。父と母に互いを支え合ってる姿を見せてもらって、そうやって、僕は、親をして欲しかった。
- 189二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 13:54:41
1年戦争経験者(元ジオン兵)は特に嘘だろってなるよりにもよってルウム戦役の英雄がいる
- 190二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 13:54:52
アーガマに着けば、仕事が始まる。昨日は結局、大したことは出来なかった。
司令部に後ほど提出する戦闘詳報は作ったか。良くやった。
戦闘員、特にMSパイロットに書いてもらう戦闘の報告書はフォーマットを作り直して、既に艦長に承認してもらっている。アポリー・ベイ先任中尉の報告書が分かりやすかったので、彼に許可を得てからフォーマットに変換したのだった。彼は艦の運営を助ける提案をした功績で、金一封が渡されることになる。うん。艦長のサインもある。経理も文句言えない。
あとは、まあ、なんかはしたのだろう。とりあえずは昨日の書類を上から順に読み直していけば思い出せるだろう。
「思い出したくはないけど、軍務だし、な。」
軍は民間を守る為にある。一つ一つの仕事を疎かにすれば、それは死につながる。
軍人は死ぬのが仕事だ。軍人の僕が死ぬのは。
民間は、一般人は生きて欲しい。生かすために軍人の僕がいる。
そう言えば、昨日のデブリーフィングの後、次回攻撃の話をしたが、散々だった。唯一の収穫は、艦長とウォン氏が直に連絡を取り、水面下でアンマン一般人の避難計画を立てることになったこと、か。
開始前も、奪取してきた補給を収容するには予定時間が多過ぎる事が、気になっては居た。答えは簡単だった。奪取したのは補給ではなく敵戦艦だったからだ。付属してMS部隊も。敵にバレるとかバレないとか、そういう次元の話で無かった。ルナリアンが敵対したとティターンズは理解した。間違い無い。
ここ迄の結論を出すのに、あの場で艦長とクワトロ大尉をなだめすかし、先任中尉達の戦闘記録をもとに推測を立て情報を引き出し、デッキクルーにも意見を求め、と気づけば2時間は経っていた。ブリーフィングをしなければ、多くの犠牲が出ていただろう。
今、ティターンズが主要基地としているグラナダはコロニーと地球を結ぶ月のハブ港でもある。敵であっても手は出せない。出せないよな?出さないと思う。どうかな?
まぁ、現時点でグラナダが吹っ飛んでいないのなら、大丈夫、だよな?アンマンは違う。今すぐアーガマごと消されても可笑しくない。
次回攻撃は、アンマンごとアーガマを待伏せ釣瓶打ちだろうな。有能な敵ならそうする。今日明日ではないだろう。月周辺のティターンズ勢力の少なさからそう判断した。観測班の索敵とアナハイムエレクトロニクスの協力に賭けるしかない。
- 191二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 14:10:32
- 192二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 14:25:59
僕は今、敵が有能であることを祈っている。有能な敵なら、アンマンを攻撃はしても殲滅はしないだろう。誤射やフレンドリーファイアの範囲で納められるように加減をするはずだ。頼むよ。
次回攻撃のタイミングも読める。アーガマを発見したので攻撃したら、アンマンに誤射した。この理由が使えるタイミングは、アーガマがアンマンを出航した時だ。
ただ有効な対策が打てない。
急激に戦力を増大しすぎた。味方艦との連携が取れない。また後手に回る。意見具申はいつでも受け付けると総員に伝えたが、彼らも手にした戦力を持て余して居るようにも思える。こんな戦力、何処に向ける?グリプス?ガンダムMk-Ⅱはあそこで奪取したはず。わざわざ戻るか?いや、まさか、地球?
「いや、まだ考えるな。走りすぎる。」
深呼吸だ。
考えること走らせ過ぎれば、それは幻想と固定観念に変わる。現実と乖離しすぎる。
「あ、カミーユに給与の話、しないと。」
それは現実の話だった。彼は、僕直属の部下扱いになって、中尉待遇の給与とパイロット手当と危険手当とまぁ、沢山の手当と軍に所属する際にでる支度金を受け取る手筈になっている。昨日、そうした。艦長サインもある。返還不要の奨学金も軍大学か通信大学にいくなら、受け取れるだろう。今は余裕が無いだろうが、折を見て話をしてみよう。資料を用意しなければ。
エグザベお前ニュータイプしろよ編
お前ニュータイプしろよ。クワトロ大尉も居るやん。話してくれへんの?そう。
クワトロ君、エグザベ君と話ししてあげなよ、困ってるじゃん。えー?嫌な予感がするって意味不なんですけお?
カミーユ、ニュータイプした。
逆襲のシャア入りまーす
- 193二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 22:11:26
このスレシンプルに文豪が多すぎる
エグザベくん頑張れ子供たちを守りつつ生き延びてくれ - 194二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 22:27:00
息抜き逆シャア
僕にとって、月は思い出深い場所だ。故郷ではない。楽しい記憶があったわけでもない。
だが、7年前、この月での出会いが無ければ、帰れぬ故郷と自分を無理やり切り離し、やがて生きている実感も忘れ現実から乖離し、幻想を漂う存在になったのかも知れなかった。カミーユ、ファ、カツ、ハマーン、ミネバ、シロッコ・パプテマス。彼らとの出会いは、いつでも僕を現実へ引き戻してくれた。
現実。それは無くなった故郷、家族、友人、その思い出を抱えながら、彼らを思う時に感じる優しさを、誰かと分かり合えるという希望に変えながら進む時間だった。
そして、まぁ、悪い意味では、シャア・アズナブル。彼も僕を現実に引き戻してくれる。
ネオ・ジオン蜂起。ジオン共和国政府と軍は上も下も寝耳に水だったと言えば、地球連邦は鼻で笑ってくれるだろう。
しかし、それが現実だった。シャア・アズナブルは僕を現実に引き戻してくれる。
「馬鹿馬鹿しい話だろ?本当に勘弁してほしいし、これはもう、僕が軍を代表して、アムロ大尉やブライト艦長に修正されても仕方ないと思って。いや、分かってる。あの人たちも僕なんかに頭を下げられても困るだけだろう?正直、2年前の共和国成立5周年記念の時に、国葬だけでもしておけばよかったんだ。ザビ家を暗殺した英雄として、さ。でもまぁ、僕も暗殺を国家が肯定してはいけないとハマーンに諭されて。いや、彼女は正しい。あの時の僕はどうかしてた。ハマーンに止められなければ、僕はシャア・アズナブルと同じ事をしていた。堕ちていた!あの暗殺部隊の育成は軍部でもかなり、いい線迄行ってたからなおさら。違う、ハマーンは止めてくれた。でも、カミーユ分かってくれるだろう。あの人と僕は、本当に相性が悪すぎる。」
時間を無理に捻出して、地球連邦の軍病院から来てくれたカミーユ・ビダンに対して話せるだけ話した。彼はブランクを乗り越え、つまり、グリプス戦役後、無事地球連邦の軍大学医学部に合格し、今は外科医として忙しくしているとは2カ月ほどまえに聞いたばかりだ。あの頃の僕より忙しいだろうに、良く来てくれた。元気そうな顔を見れて安心すると同時に、我慢していたものが込み上げて止まらなかった。 - 195二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 23:30:19
カミーユは苦虫を噛み潰したような顔をしている。
「甘い物食べます?」
それでも彼はチョコ菓子を差し出してくれた。その優しささえ辛かった。
「ありがとう。頂くよ。……正直、シャア・アズナブルがいつ、何するか、気が気じゃないんだ。部下には向精神薬を勧められた。でも、処方されると軍での行動に制限がかかって。メンタルチェックは大丈夫だよ。まだ引っかかってない。」
何も言わずカミーユは聞いてくれている。まぁ、近くに両軍の監視も沢山居るし、迂闊に話をしたくないんだろう。僕の苦労人気質がカミーユに移ってしまったとファに言われたのは、そうか、あれも2年前か。
「ロンド・ベル、特にアムロ大尉とブライト艦長には本当に合わせる顔がない。ロンド・ベルが組織されてから、共和国軍も、ザビ家残党やらアクシズ残党やら、まぁ兎に角何らかの残党潰しを共同作戦でやってきたし、なんなら半年前には共同訓練もしたんだ。アステロイドベルトや木星だって情報交換や捜査協力をしてくれていた。どちらもニュース記事になってただろう?アナハイムエレクトロニクスにも協力者、いや何でもない。違った。君は何も聞いてないよ。兎に角、僕らは共同してあの人が馬鹿をしてないか人類の生存圏全てを監視してたはずなんだ。」
深呼吸をする。息を吐くと視界が滲んでいるのに気付いた。自分が情けなかった。
「サイド1とは、ね。相変わらず、やる事が大胆だよ。」
「あなたは、初めて会った頃とは随分変わりましたよね。エグザベ中佐。」
「僕にもっと階級と権限さえあればと、後悔しながら生きてきたらこうもなるよ。戦力もこれだけしか引っ張ってこれなかった。情報部の強化案も公国時代の秘密警察を持ち出されて通らなかった。旧ザビ家派閥を軍部からパージするのはスムーズに行ったのに、なんでダイクン派閥は去年までかかったんだ。いや、暗殺部隊は忘れてくれ。あれは本当に。共和国政府内の公職全てから、ジオニズムに染まった連中をパージ出来てれば違ったかな?でも、軍部がそれをするとザビ家と何が違うんだって話になるとハマーンにもずっと釘を刺されてる。」
彼女にも苦労をかけている。地球でようやく平穏を過ごせるようになったのに、僕が過ちを犯さないように連絡をくれる。宇宙が逆毛を立てていると言っていた。
- 196二次元好きの匿名さん25/07/27(日) 23:41:36
エグザベ中佐、すっかり苦労人仕草が板についちまって
階級と権限が足りない手の長さが足りないともがいてるけど
でもカミーユが劇場版的ハッピーエンドに進んで外科医になった未来を掴んでるのはエグザベ中尉が居てくれたからだよなぁ 良かったなぁ - 197二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 00:15:42
「睡眠時間は大丈夫ですか?食事は?」
「正直、ここ最近、僕はシミュレーションの記憶しか残ってないよ。でも、書類仕事は終わってるし、体調管理用に作らせたデバイスに異常はでてない。レーション以外も食べてるよ。まぁ、3日に1回は。」
カミーユは本当に、良い医者になったんだな。こんなにも僕なんかのことを心配してくれている。
「1日の平均睡眠時間は?中佐、今省きましたよね。7年前にパイロットは1日8時間寝るのも仕事のうちと、僕に言ったのはあなたです。」
覚えてくれていたか。懐かしいな。クワトロ大尉は何かとカミーユをMSに乗せて戦場へ送り込みたがった。妄執じみて居た、と言うか妄執だった。
彼の心身を守るためにも兎に角、あの頃は軍規やら法律やら判例やら漁りまくっていた。
「昨日は5時間くらいかな?シャア・アズナブルを名乗って何をするのか考えてたら、とてもじゃないが。戦場の空気とか戦いの鼓動とか好きにいい出して、どうせ、衛星かコロニーか、どっちもかも知れないけど地球に落とすんだろう?連邦が一年戦争からずっと地球環境の保全と復興に力を入れているのは人類の生存圏の安定にとっても決して損にならないと、共和国政府もようやく共同宣言出す方向に舵をきりだしたのに。」
そう、共和国政府と地球連邦の関係にはかなり改善が見られた。グリプス戦役がキッカケになったと言えば、大げさか。あれは、反地球連邦組織兼反宇宙移民組織ティターンズを地球連邦とジオン共和国が共同作戦のもと壊滅させたとして歴史に刻まれた。無論、僕以外にも居たのだろうが、当時のジオン共和国にとってエゥーゴのエグザベ・オリベ中尉がとても扱いやすい立場に居たのが功を奏した。
パイロットで階級も高くない上に、エゥーゴの中心人物に近い位置にいて、バスク・オム討伐にも功績があるルウム戦役被災者のジオン共和国軍人。
- 198二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 01:13:20
保守
- 199二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 01:18:20
コレ幸いとばかりに共和国は僕の経歴を盛り、功績を盛り、喧伝した。軍の広報部と何度も頭を突き合わせて、僕は共和国軍へ入った経緯をドラマチックにしたり、共和国民に連邦との協調路線への理解を求める発言をしたりもした。共和国と他コロニー群とも。議会の席上で、セレモニー的に発言させてもらったこともある。
共和国政府は成立当時から地球連邦と戦争出来るとは考えていなかった。数多のコロニーに被害を与えたザビ家の本拠地サイド3は、他コロニー群からも孤立していて信用もされていなかった。共和国政府も僕も、もう戦争をしないためであれば、なりふり構わなかった。好戦的な国民をなだめ、平和のためならどのようにも旗を振ってみせた。犬の真似してみろと言われてもしただろう。今もして見せるけど。
「間違い無い。あの人が変わるものか。……どうせクワトロ、シャア・アズナブルの近くには少年兵が居るんだ。」
1番言いたくない確信だった。ザビ家残党もアクシズ残党も子供の強化人間を少年兵にする事をに躊躇して来なかった。
彼がキャスバル・レム・ダイクンを名乗ってくれたのであれば、もしかすると僕は彼の良心を信じ、話し合いの場を設ける様に粉骨砕身したかも知れなかった。しかし。
本当に、シャア・アズナブルと僕は相性が悪すぎる。
「アムロ大尉を悲しませることになる。彼は、まだあいつが周囲におだてられて求められるまま動いているんじゃないかと、心配までしていたんだ。せめて、彼の手を汚す事は避けたいと思っている。僕ももう、33歳になる。ここで奴を仕留め損なえば、それこそ本当にどんな手を使っても………」
「エグザベ・オリベ中佐、深呼吸してください。ハマーンさんが宇宙に上がって来ても良いんですか?」
言われて、頭を抱え深呼吸をする。そうだ。カミーユの言う通りだった。2年前は本当に繰り返すべきではなかった。カミーユやハマーンの命さえ危うくした。戦争ではない、政争が起こりかけて僕は本当に生きてる事さえ後悔した。次はさせない。そう決めて、今まで行動してきたのだった。
「カミーユ。僕は子供が、戦場に行かないよう手を尽くすよ。」
世界で1番信頼している医者で親友の君には、僕の真意を知ってほしかったのだ。
エグザベ逆シャア編仮
- 200二次元好きの匿名さん25/07/28(月) 01:21:22