- 1二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:01:48
- 2二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:03:12
そこになければお前が始めた物語ですねー(ペンを渡す)
- 3二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:03:53
言い出しっぺ
- 4二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:03:53
がんばってね
- 5二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:04:43
応援してるぞ!( *・ω・)b
- 6二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:06:00
やってやろうじゃねえかですわこの野郎!!!
今日は遅いから寝るけど誕生日は1日もあるんだですわ!!待ってろですわ!!! - 7二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:07:27
おう
それまで保守しといてやるよ - 8二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:08:32
SSパクパクですわ!!!毎日これですわ!!!
- 9二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:49:41
楽しみの保守!
- 10二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 01:52:24
念のため10まで保守!
- 11二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 12:33:54
ふぅん、保守すべきだねぇ
- 12二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 20:35:42
数年前
「……しまった」
つい独り言が口をついて出た。
いつものように海外から実験機材を輸入するのに、審査だなんだと書類を書かされるのは日常茶飯事だった。
対して確認もせず流れるように書き進め、些細な違和感からぴたりと手を止めた。今日は4月13日。年齢の記載を誤っていた―1年少ない年齢を記載していた―ことに気づいた。
彼女はさも面倒そうにひとつ溜息をつくと、二重線を走らせた。
まあ、これで自分の加齢を考慮せずデータを取り続けてすべてが水泡に帰すことはなくなる、と考えれば儲けものだろう。
誕生日であることを思い出した彼女は、しかし次の瞬間には関心を面倒な書類仕事に奪われていった。 - 13二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 21:00:25
トレセン学園
「おはようございますタキオンさん、これお誕生日のお祝いです!」
「……おや。……ああ、ありがとうスカーレット君、大切に使わせてもらうよ」
「どうかしましたか?」
「いや、大したことじゃないよ。それにしても、こんな朝早くから誕生日を祝ってもらうなんて思わなかったよ」
「はい、タキオンさんのお誕生日なら誰より早くお祝いしたかったので! では、また!」
遅刻ギリギリのタイミングで教室前に滑り込んだアグネスタキオンに彼女を慕うウマ娘、ダイワスカーレットが小さな包みを渡して走り去っていった。
「……ああ、今日は私の誕生日だったか」
彼女にお祝いをもらって、「初めて」気づいた。
「……何もなかったな」
無意識に片手に下げたランチバッグを見下ろしていた。数刻前、彼女の担当トレーナーから手渡されたものだ。 - 14二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 21:11:16
タキオンはきまって朝にトレーナー室を訪れる。甲斐甲斐しくもトレーナーが用意する昼食を受け取るためだ。そのついでにその日のスケジュールを確認していた。
「今日の予定は?」
「いつも通りだよ、トレーニングの時間になったら来てくれ」
「夕飯は?」
「もちろん用意してくれたまえ」
いつも通りの会話を、まるでルーティンをこなすように今日も終えてきた。
「……些細なことさ、そもそも私の誕生日なんて教えてすらいないんだから」
まるで駄々をこねる子供を宥めるように、彼女は自分に言い聞かせた。
「タキオン、お誕生日のお祝いに魔法をかけてあげる!」
「ありがとうスイープ君、ほう、七色に変わるキャンディか、実験に役立てさせてもらうよ」
物好き、数寄者はどこにでもいるもので、一日中研究室にこもっていた彼女にお祝いをしようと生徒たちが訪れている。
そして、奇妙な関係の同居人も。
「……タキオンさん、これ、頂き物です。私の口に合わないと思うので、持ち腐れさせてしまうのも悪いと思っただけです」
「ほう、クスミティーか! ほうほう、カフェもとうとう私の実験に参加するように―」
「お断りします」 - 15二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 21:11:50
一方、本日の主役ともいえる彼女の調子は低迷していた。
実験は失敗続き、気分転換と繰り出したトラックではいつもより短い距離で息があがりはじめた。
「今日は休んだ方がいいと思う」
目の前の君のつれない態度が原因だ、などと言うつもりもないし、そもそも認めたくはないのだけれど。
「そうだね、たまには休息も必要だろう」
トレーナーのアドバイスには素直に従うことにした。深夜の学園に忍び込んでやりたいこともあったが、今日は全て白紙だ。
その日は本当にめずらしく、あてもなくわけもなく街をぶらついた。
部屋に戻ればデジタル君がいる。きっとお祝いの用意をして待ってくれていることだろう。
だから、戻る気になれなかった。
いっそ夕食まで済ませてしまおうかと思った矢先、トレーナーからの連絡があった。
「ごはん」 - 16二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 21:12:23
「お誕生日おめでとう、タキオン」
トレーナーの部屋を訪れた少し沈んだ心のタキオンを、トレーナーと、少し前まで食に疎かった彼女でも判るほどのいくつものかぐわしい料理の香りが迎えた。
「……おや?」
「忘れてたの? 今日誕生日でしょ」
「私の誕生日なんて教えていたかな」
「あ、その……契約書に君が書いた誕生日を、覚えていて……」
「……今朝会わなかったかい?」
「いつも遅刻ギリギリに来るし上の空でしょ」
タキオンは顎に手を当てて少しの間俯いた。そして、合点がいったのか、にわかに破顔した。
「ハッハッハッハ! つまり君はサプライスというやつをしたかったのか!」
「いや、結果的にそうせざるを得なかっただけで」
「全く大げさだな君は。わざわざこんな豪勢な食事まで用意して……そもそも、私が友人たちと食事をすると伝えていたらこのパーティーはどうなったんだい?」
「あ」
トレーナーは、まさに虚を突かれたといった風に口をぽっかりと空けていた。
「……つまり、私の誕生日はこうやって二人きりで過ごすことを当然と思っていた、と?」
「……確かに」
「君もなんというか、その……いや、言わないでおこう。さあさあ食事にしよう。折角の料理が冷めてしまう」
タキオンはまるで、今日一日の不調を取り返すかのように上機嫌だった。
「タキオン?」
「なんだい」
「今、脈拍を測ってもいい?」
「うるさい」
少しだけ、紅潮した頬を隠すのには失敗した。 - 17二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 21:12:53
というのが去年の話。
トレーナーは昨夜のうちに料理の下ごしらえを済ませていたが、少し時間がかかりすぎた。
今年は手作りのケーキにも挑戦していた。どうやら彼女は、手間暇に愛情を感じる性分らしい。ならばと思った次第だった。
そんな寝不足の頭に、いつもより上機嫌な担当ウマ娘の声が響いた。
「おはようトレーナー君! 今日は素晴らしい日になりそうだね! 何か私に言うことはないかい! ん?」
ウマ娘にあって人にない尻尾。ウマ娘と人で形の違う耳。その両方がまるで大好物を目の前にした犬のように激しく揺れていた。
「ああ、おめでとう、タキオン」
「もう少し君も嬉しそうにしてほしいものだが、まあいいさ。今日は休みにしておいたから、授業終わりまでには目をさましておきたまえ」
どこからともなく瓶入りのドリンク剤を投げつけて、アグネスタキオンは美しい栗毛を太陽に照らされながら、ようやく訪れた春の陽気の中を駆けていった。
「いい日にするよ、約束する」
二度目の誕生日パーティーは、さらに騒々しくなるだろう。 - 18二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 21:18:00
- 19二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 21:18:41
有言実行するなんて偉いね
- 20二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 21:30:31
アグネスデジタルで進撃の巨人パロ
<a href="https://twitter.com/hashtag/ウマ娘" target="_blank">#ウマ娘</a> × <a href="https://twitter.com/hashtag/進撃の巨人" target="_blank">#進撃の巨人</a> — 鈍器コング (donkikong_) 2022年02月19日 - 21二次元好きの匿名さん22/04/13(水) 21:36:31
すみません
もっとお前たちの劣情を見せてみろよ!
この程度でいいんだよこの程度で
推しの誕生日なんて一年に一回しかないんだぞ!?
年度はじめの平日なんて忙しいからねわかるよ - 22二次元好きの匿名さん22/04/14(木) 07:16:44
素晴らしい…
- 23二次元好きの匿名さん22/04/14(木) 18:37:53
良いスレだ
- 24二次元好きの匿名さん22/04/15(金) 06:40:00
ええものを見た