- 1◆/htrGePANU25/07/16(水) 22:10:59
- 2◆/htrGePANU25/07/16(水) 22:12:02
- 3◆/htrGePANU25/07/16(水) 22:13:16
注意事項
・安価で2択の選択肢をとりその結果でエンディングが分岐します(全7種類)
・左右は曖昧にしています
・エンディングによっては監禁や死ネタ、モブとの結婚等々が含まれる可能性があります
・奏章4のネタバレはほぼありませんが、登場するキャラがちょっっとだけ出るかもしれません
・元の概念が概念だけど自分がエロいの書けないからそういう描写はない……事後はちょっとだけある
・何人か名前もないモブが出てきます
この他何か問題があれば随時追記していきます - 4◆/htrGePANU25/07/16(水) 22:14:42
- 5◆/htrGePANU25/07/16(水) 22:15:43
モリアーティを見送ったダンテはさっそく頼まれた依頼にとりかかることにした。今の彼は半年ぶりのやる気に満ちていた。
「モリアーティから頼み事なんて初めてだ」
この半年の間、ダンテはモリアーティから頼られるということはなかった。仕事の手伝いをするようになったのだってダンテが頼んだからだった。何もしなくていい日々は心地がいいが心苦しくもあった。ダンテにとってモリアーティが必要であるように彼から必要とされたかった。
そこまで考えて、ダンテはそういう思考に至れるほど自分が回復したことに気づく。半年前の自分ならそんなこと思いつくことすらなかった。だから、なのかもしれない。モリアーティがこういうことをしてきたのは。
「なら……なおさら頑張らないとね」 - 6◆/htrGePANU25/07/16(水) 22:21:57
思考を切り替えたダンテは依頼された事件に集中する。被害者の証言を握りつぶされる可能性があるなら、潰されにくい証拠がいる。
すぐに思いつくのは物証だ。そういった証拠には勘違いは起きない。とはいえ、彼女の品を借りて検査するのも監視カメラの映像を確認するのも今のダンテでは不可能だ。技術もツテもない。
次に思いつくのは……他の人の証言だ。目撃者か、あるいは加害者と関わりのある人物からの証言が望ましいだろう。おそらく、モリアーティが期待しているのもそちらだ。所属していたときに関わりのあった人から証言を貰いたいのだろう。
ふと、見下ろしてみると手が震えていた。やっぱりかと自嘲するように笑みがもれる。
ダンテは誰かと話すことに対して恐怖を持っていた。ある程度回復した今でもモリアーティ以外では同じようになる。誰が石を投げてくるのかわからない環境にいたのだから、無理もない。
だが――ダンテは震える手を握りしめる。彼は今のままではいけないということもよくわかっていた。 - 7◆/htrGePANU25/07/16(水) 22:35:54
とりあえず、連絡をとるために使っていたスマホを探す。ここに来てからスマホを触る機会は皆無と言っていい。最初は触る気も起きなかったし、その生活を続けていたら発想自体が消えていた。モリアーティが隣にいたから退屈しなかったというのもある。
ただ、この前彼がいなかったときはどうしても退屈でテレビをつけた。まだニュースは見れていないが、全く関係のない番組なら見れるようになっていた。
久々に充電器へ繋げて電源を入れると、不在着信がいくつも入ってくる。ほとんどは半年前の途中で終わっているが1つだけ今も着信が入っている番号があった。それは同じ政党に所属している男性のものだった。
彼は真面目で実直な性格をしていた。今回の依頼を頼むにはうってつけだろう。
誰に聞くのか決めたダンテは番号を表示させる。そして、深呼吸をしてから発信ボタンを押した。 - 8◆/htrGePANU25/07/16(水) 23:06:05
忙しい人だから通じるか不安だったが、幸い、数回のコールで電話は繋がった。
「やっと電話が繋がった。嬉しいよ」
「こっちこそ、心配かけてごめんね」
どんな反応をされるか不安だったが、彼の声を聞いて肩の力が抜けた。おそらく向こうも知らなかったのだろう。本当に心配しているのがわかる。
「それで、今は……」
「不起訴にしてくれた弁護士の元で働いているんだ。それでちょっと相談があるんだけど……いいかな」
そのまま話してしまおうと思っていたが、向こうから止められる。ダンテは言われるがまま黙り込む。少しの間あーとかうーとかいう声が聞こえたが、やがてちゃんとした言葉が聞こえた。
「つまり、その、仕事に関わるということだな」
「心当たりが?」
「あるというより、ないということがない。わかるだろう」
抽象的な表現だが、言いたいことはよくわかった。中々規模の大きいあそこは真っ白というわけにはいかなかった。
「そういうことなら、直接会いたい。正確に言うなら誰にも聞かれていない場所で話したい」 - 9◆/htrGePANU25/07/16(水) 23:15:11
直接、会う。
ヒュッと呼吸を吸う音が鳴る。一度止まったのにまた手が震えだす。今の様子がわからない電話だったのが幸いだ。向こうはただ返事を待っているだけだろう。
考えればわかることだ。マスコミに、あるいは政治家に聞こえてはいけない内容だ。そして、盗聴の可能性は常に視野へいれなければいけないことだ。それを排除していたのはダンテの落ち度だ。
会える、のだろうか。彼の人となりは知っている。それでも、まだ恐怖が拭えていない。
『君が呼んだらすぐに行くから』
少し前のモリアーティの言葉が頭の中に浮かぶ。今は、助けが必要なときなのかもしれない。でも、モリアーティが出てから数時間も経っていない。こんな早々に頼ってしまっていいものなのだろうか。
初めて頼られたのに! - 10◆/htrGePANU25/07/16(水) 23:16:17
- 11二次元好きの匿名さん25/07/16(水) 23:16:32
頼る
- 12◆/htrGePANU25/07/17(木) 03:32:39
- 13二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 11:51:39
このレスは削除されています
- 14二次元好きの匿名さん25/07/17(木) 20:29:25
ほしゅ
- 15二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 03:09:05
このレスは削除されています
- 16◆/htrGePANU25/07/18(金) 03:34:03
「……なら、もう1人呼んでもかまわないかい?」
悩みながら、ダンテはモリアーティに頼ることを選んだ。頼られたのにという思いには話を聞けない方が問題だからと言い訳をする。
手の震えが声にのっていないか不安になる。幸い、向こうがダンテの声に不安を抱く様子はなかった。
「もう1人、というのは」
「雇っている弁護士だよ」
ダンテがそう言うと電話の向こうでああ、と納得した声を出す。
「それは確かにいるべきだ。疑うような言い方をしてすまない」
「いや、気になるのは当たり前だから……とりあえず、会える日時を聞いても?」
「直近だと2日後だな場所はこちらで指定する」
「わかった……色々とよろしく」
そう言うと電話を切る。かなり緊張していたのかどっと疲れが出ていた。 - 17◆/htrGePANU25/07/18(金) 03:35:37
出すのが遅い……また夜に更新します
ちなみにもう安価ないです
頼らないの方だともう1個あった - 18二次元好きの匿名さん25/07/18(金) 11:42:21
保守
- 19◆/htrGePANU25/07/18(金) 18:38:45
閑話休題:模様替え
「何もやることないし、せっかくだから模様替えでもやるか」
いつものように閑古鳥が鳴いていたある日、手に持っていた数学書の裏表紙を閉じたモリアーティが呟く。小説を読んでいたダンテは突然の提案に対して驚くと同時にある疑問が浮かんだ。
「前にこれが最適な配置と言っていなかったかな?」
「ああ、これは1人で暮らす用の配置だからネ。君がいるならまた変わってくる」
「そっか……」
暗にこれからも一緒に暮らすつもりだと伝えられる。出る予定なんてなかったが、ダンテはこそばゆい気持ちになっていた。
「ということで早速やろうか!もちろん、君にも手伝ってもらうヨ」
「え」
数時間後、そこには息を乱した男ともっと息を乱した男がいた。
「なんで、男2人いるのに、こんなに大変なんだ」
「それは……私たちが、モヤシ、だから……」
そう言うとダンテはその場に倒れ込む。彼の体力はとうに限界を超えていた。
「そういえば……あんな場所に置いてよかったのかい?」
なんとか呼吸を整えたダンテが指差す。最初よりもずっと高い位置にテレビが置かれていた。しかし、指差した先を眺めたモリアーティは意図がわからないのか首をかしげる。
「……別に普段見ないしいいだろ」
「フフ……落ちたら壊れそう」
「うーん……まあ大丈夫じゃないか?そんなことホイホイ起こらないって!」
「それはフラグ……」 - 20◆/htrGePANU25/07/18(金) 18:39:51
野暮用があるので続きはまた後で……
- 21二次元好きの匿名さん25/07/19(土) 01:32:06
このレスは削除されています
- 22◆/htrGePANU25/07/19(土) 10:21:42
「絶対に3日以内に終わらせるからな!」
モリアーティは開口一番にそう宣言した。いきなり大声を向けられた相手は一瞬ポカンとしていたが、すぐに平静を取り戻す。
「言うのは勝手だけど、出来るかどうかは君次第だからネ」
「わかってる」
差し出された資料を奪い取っていつもの席に座る。いつもより積極的な理由が早く恋人と再会したいからだと気づいている彼はつい笑ってしまった。当然、笑われたモリアーティは相手を睨みつけるが動じる様子はない。
「本当に彼のことが好きだネ」
「それの何が悪いんだ」
「いやいや……でもそんなに好きならこの依頼、断ってもよかったんだよ」
「……それは、信頼してるからだ。」
一瞬の間の後、モリアーティが答える。悩むまでもないとでも言いたげな態度だ。その返答に何か納得する答えを見つけたのか、それ以上彼について言うことはなかった。 - 23◆/htrGePANU25/07/19(土) 10:22:44
本当に遅くて申し訳ない……夕方か夜に出せるかな……
あと明日は見ることもできないと思うので保守お願いいたします
いつもやっていただいてますが……